(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
[構成]
図1は、本実施形態の情報処理システム1の一例を示す図である。情報処理システム1は、いわゆるAR(拡張現実)を実現するための処理を行う情報処理装置10と、画像の撮像及び表示を行う撮像表示装置20と、これら情報処理装置10及び撮像表示装置20を通信可能に接続するネットワーク90とを備えている。ネットワーク90は、例えばLAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)、若しくはこれらの組み合わせであり、有線区間又は無線区間を含んでいる。なお、
図1には、情報処理装置10及び撮像表示装置20を1つずつ示しているが、これらはそれぞれ複数であってもよい。
【0018】
情報処理装置10は、撮像表示装置20によって撮像された現実空間の撮像画像を取得し、その現実空間に対して付加的な画像を重畳した状態で表示するよう、撮像表示装置20を制御する。具体的には、情報処理装置10は、ユーザがスーパーマーケット等の店舗で見ている、商品の無い陳列棚において様々な商品を示す商品画像を重畳した状態で撮像表示装置20に表示させる。これにより、ユーザは自らの目の前に現実の商品が存在している場合と同様に、その大きさ、色又は質感等を確かめるなどの観察を行うことが可能となる。また、情報処理装置10は、店舗において注文を記録し、その注文に応じた商品をユーザに提供し、その商品に関する代金の会計手続きを行うという一連の処理を行う注文処理システム(図示略)に接続されている。情報処理装置10は、重畳表示された商品画像に対してユーザが第1の行為を行うと、その商品画像に対応する商品を注文するための処理を行う。ここで、商品を注文するための処理とは、情報処理装置10が、ユーザの上記行為により選択された商品を注文処理システムに通知するなどの、ユーザに商品を提供して会計手続を行うための処理である。このように、情報処理システム1は、AR(拡張現実)の技術を用いて、商品がない陳列棚にあたかも商品が存在するかのようにユーザに見せ、さらにユーザの行為に応じて商品を選択して注文するための処理を行うようになっている。
【0019】
図2は、撮像表示装置20のハードウェア構成を例示する図である。撮像表示装置20は、例えばグラス型、ヘッドマウントディスプレイ型又はコンタクトレンズ型のウェアラブルコンピュータ、或いは、スマートフォン又はタブレットなどの携帯型コンピュータである。ARを実現する装置には、現実空間の撮像画像を表示する表示面においてARオブジェクトと呼ばれる付加的な画像を撮像画像に重畳して表示するタイプと、ユーザの眼の前に配置された光透過型の表示面において、ユーザから表示面を介して見える現実空間の所定の位置に重なる表示面上の位置にARオブジェクトを表示するタイプとがあるが、撮像表示装置20はいずれもタイプであってもよい。いずれにしろ、撮像表示装置20は、ARオブジェクトを現実空間に重畳表示する装置として機能する。
【0020】
撮像表示装置20は、CPU201(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、補助記憶装置204、通信IF205、撮像部206、表示部207及び操作部208を有する。
【0021】
CPU201は、各種の演算を行うプロセッサである。ROM202は、例えば撮像表示装置20の起動に用いられるプログラム及びデータを記憶した不揮発性メモリである。RAM203は、CPU201がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する揮発性メモリである。補助記憶装置204は、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置であり、撮像表示装置20において用いられるプログラム及びデータを記憶する。CPU201がこのプログラムを実行することにより撮像表示装置20はコンピュータ装置として機能し、後述する
図5に示される機能が実現される。通信IF205は、所定の通信規格に従ってネットワーク90を介した通信を行うためのインターフェースである。この通信規格は、無線通信の規格であってもよいし、有線通信の規格であってもよい。無線の場合、通信IF205は、例えばLTE(Long Term Evolution)又はWi−Fi(登録商標)等の通信規格で動作するアンテナ及び通信回路を備えている。撮像部206はレンズ及び光学素子を含み、撮像した画像を示す撮像画像データを生成する。表示部207は、例えば液晶パネル及び液晶駆動回路などを含み、画像データに応じた画像を表示する。操作部208は、例えばキーやタッチセンサなどの操作子を含み、ユーザの操作を受け付けてその操作に応じた信号をCPU201に供給する。なお、撮像表示装置20は、
図2に例示した構成以外に、例えばGPS(Global Positioning System)ユニットや音声入出力部などの他の構成を含んでいてもよい。
【0022】
図3は、情報処理装置10のハードウェア構成を例示する図である。情報処理装置10は、CPU101、ROM102、RAM103、補助記憶装置104、及び通信IF105を有するコンピュータ装置である。CPU101は、各種の演算を行うプロセッサである。ROM102は、例えば情報処理装置10の起動に用いられるプログラム及びデータを記憶した不揮発性メモリである。RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する揮発性メモリある。補助記憶装置104は、例えばHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶装置であり、情報処理装置10において用いられるプログラム及びデータを記憶する。CPU101がこのプログラムを実行することにより、後述する
図5に示される機能が実現される。通信IF105は、所定の通信規格に従ってネットワーク90を介した通信を行うためのインターフェースである。情報処理装置10は、
図3に例示した構成以外に、例えば表示部や操作部などの他の構成を含んでいてもよい。
【0023】
補助記憶装置104は、店舗においてユーザに提供される商品を識別するための商品IDと、その商品を表示する領域である陳列用領域を識別するための領域IDと、その商品を示す商品画像を撮像表示装置20において立体的に表示するための3Dの画像データと、その商品の在庫数とを含む商品画像データベース(以下、データベースをDBと省略する)を記憶している。
図4は、商品画像DBの一例を示す図である。例えば商品ID「A01」の商品が陳列される陳列用領域は領域ID「S01」の領域であり、その画像データは「D01.WRL」であり、その商品の在庫数は「15」である。画像データは、ARオブジェクトに相当する。この画像データには、商品がユーザに実際に提供されるときの大きさを示すサイズ情報が含まれている。
【0024】
図5は、情報処理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、撮像表示装置20においては、画像を撮像する撮像部21と、情報処理装置10による制御の下で画像データに応じた画像を表示する表示部22という機能が実現される。
【0025】
情報処理装置10においては、撮像表示装置20から撮像画像を取得する取得部11と、取得された撮像画像を認識する画像認識部12と、陳列棚(以下、陳列用領域という)を含む現実空間が撮像された場合に画像認識部12による画像認識結果に基づいて表示対象となる商品と表示領域となる陳列用領域とを特定する商品特定部13と、撮像表示装置20において撮像された現実空間に含まれる陳列棚に商品画像をその商品がユーザに提供されるときの大きさで重畳表示させる第1表示制御部141と、ユーザによる第1の行為が行われた場合に、撮像表示装置20において商品の収容領域内に積まれた複数の商品画像を重畳表示させる第2表示制御部142と、その商品画像に対応する商品を注文するための処理を行う処理部15という機能を実現する。第1表示制御部141は、現実空間における陳列用領域に、商品の在庫の数量に応じた数量の商品画像を重畳表示させる。第1表示制御部141及び第2表示制御部142は表示制御部14として機能する。
【0026】
上述した第1の行為とは、現実空間において重畳表示されている商品画像を各々のユーザに対応した収容領域に対して移動させるという行為である。ここでいう収容領域とは、店舗で利用されるカートやユーザが持っている買い物かごやバッグなどである。つまり、第1の行為は、ユーザが重畳表示された商品画像に手を伸ばしてそれを掴み、そのままカート等の収容領域に手を移動させるという行為である。
【0027】
撮像表示装置20において、撮像部21はハードウェアとしての撮像部206及び通信IF205によって実現され、表示部22はハードウェアとしての表示部207によって実現される。情報処理装置10において、取得部11はハードウェアとしての通信IF105によって実現され、画像認識部12はハードウェアとしてのCPU101によって実現され、商品特定部13はハードウェアとしてのCPU101によって実現され、表示制御部14はハードウェアとしてのCPU101及び通信IF105によって実現され、処理部15はハードウェアとしてのCPU101及び通信IF105によって実現される。
【0028】
[動作]
図6を参照して、情報処理システム1の動作例について説明する。まず、ユーザは、店舗に入ると店内に予め用意されたカートを持ち、撮像表示装置20の撮像部21を起動する。これにより、店内の複数の陳列用領域(陳列棚)を含む現実空間の撮像が開始される(ステップS11)。
【0029】
それぞれの陳列用領域には、何も商品が陳列されていないが、いわゆるARマーカーが記されている。ARマーカーは、例えば各陳列用領域の領域IDを含む情報が符号化された2次元マーカーである。撮像部21は、このような陳列用領域及びそのARマーカーを含む現実空間を撮像した撮像画像データを情報処理装置10に送信する(ステップS12)。
【0030】
情報処理装置10の取得部11が撮像画像データを取得すると、情報処理装置10の画像認識部12は、撮像画像データについて画像認識を行う(ステップS13)。ここで行う画像認識は、主に、ARマーカーの位置、向き及び大きさを認識するとともに、ARマーカーにおいて符号化された情報を復号する処理を含む。
【0031】
情報処理装置10の商品特定部13は、画像認識部12により復号された領域IDに基づいて、表示領域となる陳列用領域を特定し、さらに、商品画像DBを参照してその領域IDに対応する商品画像の商品ID及び画像データを特定する(ステップS14)。このとき、撮像表示装置20の表示部22において商品画像が表示される位置についても、ARマーカーの位置、向き及び大きさのほか、例えば陳列用領域の大きさや形状をも画像認識部12が認識し他結果に基づいて特定される。
【0032】
情報処理装置10の第1表示制御部141は、商品特定部13によって特定された商品の画像データ及びその商品の在庫数を補助記憶装置204から読み出す(ステップS15)。第1表示制御部141は、読み出した画像データ及び在庫数を、その画像データの表示位置を指定して撮像表示装置20に送信する(ステップS16)。これにより、在庫数が示す数量で画像データに応じた商品画像を陳列用領域に重畳表示するよう、撮像表示装置20に対する指示がなされる。
【0033】
撮像表示装置20の表示部22は、情報処理装置10の表示制御部14による制御に従い、画像データに応じた商品画像を在庫数が示す数量で陳列用領域に重畳して表示する(ステップS17)。これにより、例えばユーザの眼の前に配置された光透過型の表示面において、ユーザから表示面を介して見える現実空間の陳列用領域に重なる表示面上の位置にARオブジェクトである商品画像が表示される。このとき、表示される商品画像のサイズは画像データに含まれるサイズ情報によって規定されるが、そのときに実際に表示される商品画像のサイズは例えば撮像画像におけるARマーカーの大きさを基準に決められる。また、それ以外にも例えば陳列用領域の大きさや形状を画像認識部12が認識し、その認識した大きさや形状を基準にして、表示される商品画像のサイズが決められてもよい。
【0034】
ここで、ユーザが、現実空間において重畳表示されている商品画像を、各々のユーザに対応した収容領域(自身が持っているカート)に対して移動させるような行為(つまり商品を掴んでカートに入れるような行為)を行ったとする。ここで、各カートにはそのカートを識別するカートIDが符号化されたARマーカーが記されている。撮像表示装置20の撮像部21は、その行為の前後の様子を撮像し(ステップS18)、その動画像データを情報処理装置10に送信する(ステップS19)。
【0035】
情報処理装置10の画像認識部12は、撮像画像データについて画像認識を行う(ステップS20)。ここで行う画像認識は、ステップS12と同様の処理に加えて、カートのARマーカーを復号する処理と、ユーザの手の姿勢の変化や移動の軌跡に基づいてユーザによってどの商品が選択されたかを特定する処理を含む。
【0036】
情報処理装置10の処理部15は、ユーザにより選択された商品の商品IDを補助記憶装置204から読み出して、カートIDともに注文処理システムに通知するなどの、商品を注文するための処理を行う(ステップS21)。また、処理部15は、商品画像DBにおいて在庫数から上記の注文数を減算する。これにより商品の注文手続が完了し、店舗のバックヤード等において、注文された商品が従業員によって用意される。
【0037】
撮像表示装置20の第2表示制御部142は、注文された商品の画像データを補助記憶装置204から読み出し、読み出した画像データをその画像データの表示位置を指定して撮像表示装置20に送信する(ステップS22)。画像データの表示位置は、カートの底面から、それまでにそのカートにおいて注文された商品の数量の分だけ上方に離れた位置である。
【0038】
撮像表示装置20の表示部22は、カートに商品画像を重畳表示させる(ステップS23)。これにより、ユーザが持つカート内においては、それまでに注文した全ての商品の商品画像が積まれている様子が重畳表示される。
【0039】
これらの処理が繰り返されて複数の商品が注文され、店舗においてそれら商品群が従業員によって用意されることになる。この後、ユーザは会計手続きを行うためのレジスタ設備に向かい、商品の代金を支払うなどの所定の手続きを行う。これに応じて、店舗の注文処理システムから情報処理装置10に会計通知がなされ、情報処理装置10において対応するカートに対応する商品の情報をリセットするなどの対応処理がなれる(ステップS24)。そして、従業員によってカートごとに用意されていた商品がそのカートを使用していたユーザに提供される。
【0040】
以上説明した実施形態によれば、AR(拡張現実)の技術を用いて、商品がない陳列棚にあたかも商品が存在するかのようにユーザに見せ、さらにユーザの行為に応じて商品を選択して注文するための処理を行うことが可能となる。
さらに、ユーザが現実のカートに商品画像を入れる行為で注文がなされるから、通常の買い物時と同等の分かりやすい行為で買い物ができる。また、カートの中では商品が注文されるたびにその商品が積まれていく様子を表示するので、ユーザは買い物する商品群全てのボリュームを把握することができる。また、陳列用領域においては、商品の在庫状況に応じた数量で商品画像を表示するので、ユーザは在庫切れの商品を注文するという無駄な作業も発生しないし、商品画像の数量を観察することで商品の売れ行きの具合も推測することができる。
【0041】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
実施形態では、商品として、スーパーマーケット等で提供される商品の例を挙げたが、販売される商品はどのようなものであってもよい。また、ユーザの会計手続き後に直ちに商品が手渡しでユーザに提供されるのではなく、宅配等による商品の提供であってもよい。
【0042】
[変形例2]
第1表示制御部141は、陳列用領域に重畳表示させる商品画像を、領域IDと固定的に対応づけるのではなく、条件に応じて異ならせるようにしてもよい。これにより、同一の陳列用領域のスペースを複数の商品販売に利用することができる。例えば、第1表示制御部141は、陳列用領域の前をユーザが通過する回数に応じて異なる商品画像をその陳列用領域に重畳表示させるようにしてもよい。具体的には、画像認識部が1のユーザの撮像表示装置20が陳列用領域のARマーカーを撮像した回数を認識し、第1表示制御部141は、その撮像回数に応じて異なる商品画像をその陳列用領域に重畳表示させる。陳列用領域の前をユーザが通過する回数と表示対象となる商品との対応関係は予め商品画像DBに含まれている。これにより、陳列用領域の前を通るたびに異なる商品がその陳列用領域に表示されることになり、商品陳列のためのスペースが少なくて済む。
【0043】
また、第1表示制御部141は、同一の陳列用領域に、ユーザの属性(年齢、性別、趣味嗜好等)に応じて異なる商品画像を重畳表示させるようにしてもよい。具体的には、第1表示制御部141は、店舗会員カード等を撮像表示装置20で撮像することによってユーザを識別し、そのユーザの属性に応じた商品を選択し、撮像表示装置20においてその商品の商品画像に重畳表示する例が考えられる。ユーザの属性と表示対象となる商品との対応関係は予め商品画像DBに含まれている。このように、表示する商品をユーザの属性に応じて異ならせることで、ユーザに適した商品販売が実現できる。
【0044】
[変形例3]
カート等の収容領域に入っている商品に対するユーザの行為でその商品の注文を取り消すようにしてもよい。具体的には、処理部15は、収容領域に重畳表示された商品画像に対してユーザが第2の行為を行うと、その商品画像に対応する商品の注文を取り消すための処理を行う。ここでいう第2の行為とは、例えばカートから商品を取り出す行為、つまり、収容領域に重畳表示された商品画像をその収容領域外に取り出す行為である。これにより、通常の買い物時と同等の行為で注文の取り消しが可能となる。
【0045】
[変形例4]
第1表示制御部141は、ユーザに対する商品の推薦度に応じた表示態様で商品画像を重畳表示させるようにしてもよい。具体的には、第1表示制御部141は、店舗会員カード等を撮像表示装置20で撮像することによってユーザを識別し、そのユーザの属性に応じた商品を選択し、その商品を推薦する推薦文を撮像表示装置20において商品画像に重畳表示する例が考えられる。また、そのユーザの属性に適合する商品画像に対しては「○」という記号画像や目立つようなアニメーション動画像を重畳表示し、そうでない商品画像に対してはそのような画像を重畳表示しないという例が考えられる。これによりユーザに対する商品販売を促進することができる。
【0046】
[変形例5]
ユーザに対して提供される商品の大きさ又は量が複数とおり用意されている場合、ユーザ行為に応じて重畳表示された商品の大きさ又は量を変更するようにしてもよい。例えば表示制御部14は、重畳表示された商品画像の大きさ又は量をユーザが変更する行為に応じて、その商品画像の大きさ又は量を変更して重畳表示させる。処理部15は、その商品画像の商品をユーザの行為に応じて変更された大きさ又は量で注文するための処理を行う。例えばユーザが商品画像の端部を指でタッチして商品画像の中央に寄せるように指を移動させる。画像認識部12はその指の移動軌跡を解析し、表示制御部14はその指の動きに追随して商品画像を縮小して重畳表示させる。ユーザは自分が望むような大きさの商品となったときに、指の動きを止めて注文行為を行う。このときの縮小率が例えば82%であり、ユーザに提供可能な商品の大きさの値が小サイズ60%(通常の4割減のサイズ)、中サイズ80%(通常の2割減のサイズ)、通常サイズ100%(通常提供されるサイズ)、大サイズ120%(通常の2割増しのサイズ)であったときに、82%に最も近い中サイズ80%が選択され、その注文がなされる。同様に商品画像が拡大されると、その拡大率に最も近いサイズの商品が選択され、その注文がなされる。このようにすれば、ユーザは商品の大きさ又は量を確認しながらそのサイズ変更が可能となる。
【0047】
商品の大きさ又は量の変更は、その商品の一部だけであってもよい。ここでいう一部とは、例えば商品が料理である場合には、その料理に含まれる食材(例えば、弁当であれば、肉、魚、野菜、スープなどの各食材)などである。この場合、表示制御部14は、重畳表示された商品画像のうちの一部の大きさ又は量をユーザが変更する行為に応じて、その商品画像の一部の大きさ又は量を変更して重畳表示させる。処理部15は、その商品画像の商品の一部を、ユーザの行為に応じて変更された大きさ又は量に応じた量で注文するための処理を行う。このようにすれば、ユーザは商品の一部の大きさ又は量を確認しながらその一部のみのサイズ変更が可能となる。
【0048】
上記のような商品の大きさ又は量の変更に伴い、その商品の属性(例えば価格、カロリー、栄養成分量など)が変化する。そこで、表示制御部14は、重畳表示された商品画像の大きさ又は量をユーザが変更する行為に応じて、その商品画像の大きさ又は量を変更して重畳表示させるとともに、その商品画像の商品の属性のうちその大きさ又は量の変更に伴って変更される属性を示す属性画像を、現実空間に重畳表示させる。これを実現するため、商品画像DBには、商品IDに対応づけて、商品の属性情報と、商品の大きさ又は量の変更に伴い属性情報の変更ルールとが記憶されている。これにより、ユーザは商品の大きさ又は量の変更に伴う属性の変更内容を知ることができる。
【0049】
[そのほかの変形例]
上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。例えば、情報処理装置10の機能の少なくとも一部が撮像表示装置20に実装されてもよい。情報処理装置10の機能の全部が撮像表示装置20に実装された場合、撮像表示装置20が本発明に係る情報処理装置として機能する。
【0050】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0051】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、その所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0052】
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0053】
本明細書で説明した情報又はパラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0054】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0055】
本明細書で使用する「判定(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判定」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining) した事を「判定」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判定」、「決定」は、受信(receiving) (例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判定」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判定」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判定」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判定」「決定」は、何らかの動作を「判定」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0056】
本発明は、情報処理システム1において行われる処理のステップを備える情報処理方法として提供されてもよい。また、本発明は、撮像表示装置20又は情報処理装置10において実行されるプログラムとして提供されてもよい。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されたりすることが可能である。
【0057】
ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0058】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0059】
本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0060】
本明細書で使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1要素が第2要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0061】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0062】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書或いは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書或いは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0063】
本開示の全体において、例えば、英語でのa、an、及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0064】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。