特許第6924861号(P6924861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6924861複数のセルを有するバッテリのためのバッテリ監視システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6924861
(24)【登録日】2021年8月4日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】複数のセルを有するバッテリのためのバッテリ監視システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/42 20060101AFI20210812BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20210812BHJP
   H01M 50/60 20210101ALI20210812BHJP
【FI】
   H01M10/42 P
   H01M10/48 Z
   H01M50/60
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-54134(P2020-54134)
(22)【出願日】2020年3月25日
(62)【分割の表示】特願2018-549907(P2018-549907)の分割
【原出願日】2016年12月28日
(65)【公開番号】特開2020-113546(P2020-113546A)
(43)【公開日】2020年7月27日
【審査請求日】2020年3月27日
(31)【優先権主張番号】15/079,124
(32)【優先日】2016年3月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511159978
【氏名又は名称】フロウ−ライト・コントロールズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FLOW−RITE CONTROLS, LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】ヘレマ、マーク
(72)【発明者】
【氏名】アール、ロン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】クルート、スコット
(72)【発明者】
【氏名】フォックス、ジェイソン・エル
【審査官】 大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−259680(JP,A)
【文献】 特開2011−165427(JP,A)
【文献】 特開2001−210312(JP,A)
【文献】 特開昭58−054552(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0236730(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42
H01M 50/60
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルを有するバッテリのためのバッテリ監視システムであって、
前記セルのそれぞれに一つ設けられた、複数の補給制御バルブと
前記補給制御バルブに流体を導くための供給チューブと、
前記供給チューブに動作可能に接続され、前記供給チューブを通して移動する流体の流量を検出する流量センサであって、出力を提供する、流量センサと、
前記供給チューブに動作可能に接続され、前記供給チューブを通して移動する流体の圧力を検出する圧力センサであって、出力を提供する、圧力センサと、
前記流量センサの前記出力及び前記圧力センサの前記出力に電気的に結合されるコントローラであって、
前記流量センサの前記出力の機能として、前記供給チューブを通して移動する流体の流量を判定することと、
前記圧力センサの前記出力の機能として、前記供給チューブを通して移動する流体の圧力を判定することと、
前記判定された流量が最小流量を超過する第1の期間中に、前記供給チューブ及び前記補給制御バルブを通して前記バッテリに追加される流量の第1の計算を判定することと、
前記判定された圧力が最小圧力を超過するときと、前記判定された圧力が安定するときとの間の第2の期間中に、前記供給チューブ及び前記補給制御バルブを通して前記バッテリに追加される流量の第2の計算を判定することと
を実行するように動作可能な、コントローラと
を含む、バッテリ監視システム。
【請求項2】
前記コントローラは、独立型装置上でホストされるアプリケーションプログラムのために、前記判定された流体の量を出力するように更に動作可能である、請求項1に記載のバッテリ監視システム。
【請求項3】
前記コントローラは、パーソナルエリアネットワークを介して前記独立型装置と通信するように適合される、請求項2に記載のバッテリ監視システム。
【請求項4】
前記独立型装置は、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、内蔵車両コンピュータ、無線アクセスポイント、セルラシステム、又はメッシュネットワークを含む、請求項2に記載のバッテリ監視システム。
【請求項5】
前記圧力センサは、前記供給チューブと通信するインライン圧力センサである、請求項1に記載のバッテリ監視システム。
【請求項6】
複数のセルを有するバッテリのためのバッテリ監視システムであって、
前記セルのそれぞれに一つ設けられた、複数の補給制御バルブと
前記補給制御バルブに流体を導くための供給チューブと、
前記供給チューブに動作可能に接続され、前記供給チューブを通して移動する流体の流量を検出する流量センサであって、出力を提供する、流量センサと、
前記流量センサの前記出力に電気的に結合されるコントローラであって、
前記流量センサの前記出力の機能として、前記供給チューブを通して移動する流体の流量を判定することと、
前記判定された流量が最小流量を超過する期間中に、前記供給チューブ及び前記補給制御バルブを通して前記バッテリに追加される流量の計算を判定することと、
を実行するように動作可能である、コントローラと
を含む、バッテリ監視システム。
【請求項7】
前記コントローラに電気的に接続される通信モジュールを更に含む、請求項6に記載のバッテリ監視システム。
【請求項8】
前記通信モジュールは、パーソナルエリアネットワークを介して前記独立型装置と通信するように適合される、請求項7に記載のバッテリ監視システム。
【請求項9】
前記流量センサは、前記供給チューブと流体連通する注入口及び放出口を有するインライン流量センサである、請求項6に記載のバッテリ監視システム。
【請求項10】
複数のセルを有するバッテリのためのバッテリ監視システムであって、
前記セルのそれぞれに一つ設けられた、複数の補給制御バルブと、
前記補給制御バルブに流体を導くための供給チューブと、
前記供給チューブに動作可能に接続され、前記供給チューブを通して移動する流体の圧力を検出する圧力センサであって、出力を提供する、圧力センサと、
前記圧力センサの前記出力に電気的に結合されるコントローラであって、
前記圧力センサの前記出力の機能として、前記供給チューブを通して移動する流体の圧力を判定することと、
前記判定された圧力が最小圧力を超過するときと、前記判定された圧力が安定するときとの間の期間中に、前記供給チューブ及び前記補給制御バルブを通して前記バッテリに追加される流量の計算を判定することと
を実行するように動作可能である、コントローラと
を含む、バッテリ監視システム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記バッテリが給水されなかった場合、独立型装置上でホストされるアプリケーションプログラムのために警告を出力するように更に動作可能である、請求項10に記載のバッテリ監視システム。
【請求項12】
前記コントローラに電気的に接続される通信モジュールであって、パーソナルエリアネットワークを介して独立型装置と通信するように適合される通信モジュールを更に含む、請求項10に記載のバッテリ監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体電解質バッテリ、例えば鉛酸バッテリの状態及び性能を監視するためのインテリジェントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体電解質バッテリ、例えば鉛酸バッテリは、電気化学反応によって電気エネルギを供給する。電気化学反応は、電位を生成するために、酸、例えば硫酸とバッテリ電極との反応を伴う。鉛酸バッテリは、その信頼性及び低コストのために、自家動力車両(例えば、フォークリフト及びリーチトラックを含む)、予備電源、及び他の用途のための一次電源の1つである。
【0003】
鉛酸バッテリの状態又は性能を監視するための様々なセンサが存在する。例えば、鉛酸バッテリは、再充電の場合及び熱によって引き起こされる水分蒸発による水の喪失を経験する。従って、周知の水位センサは、バッテリ筐体内の液面を測定し得る。周囲空気温度、バッテリ液温度、バッテリ電圧、アンペア時スループット、及び半電圧(バッテリの他半部と比較したときのバッテリの一半部の電圧)を測定するための追加のセンサが知られている。
【0004】
しかしながら、様々な問題が既存のセンサで発生する。例えば、既存のセンサは、統合を欠き、各バッテリを手動で検査する必要性を完全に緩和しない。加えて、既存の液面センサは、バッテリによって消費される水の量を測定せず、代わりに所与の時点における所定の液面の存在又は欠如を測定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、液体電解質バッテリ、特に鉛酸バッテリのための改善されたバッテリ監視システムの必要性が引き続き残っている。加えて、鉛酸バッテリの状態及び性能を自動的に監視して、それによりバッテリ動作及び寿命を向上させる改善されたバッテリ監視システムの必要性が引き続き残っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
複数の液体電解質バッテリのためのバッテリ監視システムが提供される。バッテリ監視システムは、複数のバッテリのそれぞれの状態又は性能を監視するためのセンサのネットワークを含む。センサネットワークからのセンサデータは、無線ネットワークを介して独立型装置と共有される。独立型装置、例えばスマートフォン又はタブレットは、センサデータの解析のためのサーバと通信する。独立型装置は、複数のバッテリの適切な整備及びメンテナンスを保証するためにメンテナンス警告を提供する。
【0007】
一実施形態では、複数のバッテリのそれぞれは、センサネットワークと電気通信する制御モジュールを含む。センサは、電圧センサ、流量センサ、圧力センサ、液面センサ、アンペア時スループット電流センサ、及びバッテリ汚れセンサを含み得る。制御モジュールは、加えて、内蔵温度センサ及び内蔵加速度計を含む。センサは、電解液面、電解液温度、周囲温度、バッテリ方向、アンペア時スループット、正端子と負端子との間の電圧、及びバッテリの半電圧を測定する。
【0008】
別の実施形態では、制御モジュールは、任意選択的にBluetooth(登録商標) Smart広告モードに従い、無線ネットワークを介してデータを共有する。第1のパケットは、バッテリステータスに関する。バッテリが早急な対応を必要とする場合、バッテリステータスパケットは、ユーザに警告し得る。例えば、バッテリステータスパケットは、バッテリ衝撃、バッテリ温度、セル不均衡、及び低電解液面に関する情報を含み得る。第2のパケットは、履歴センサデータを含み、履歴センサデータは、ディジタルタイムスタンプを含む。履歴センサデータは、記憶及び解析のためにサーバに転送される。
【0009】
更に別の実施形態では、制御モジュールは、無線パーソナルネットワーク、例えばBluetooth Smartネットワーク又はZigBeeネットワークを介して独立型装置とデータを共有する。独立型装置は、無線パーソナルエリアネットワークを介してデータを受信するように適合されたスマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、又は車両コンピュータを含み得る。独立型装置は、ゲートウェイ(無線アクセスポイント)、セルラシステム、又はメッシュネットワークも含み得る。独立型装置は、メンテナンス警告、又は例えば危険な液面若しくは危険なバッテリ温度を示す他の警告を表示するように適合されたアプリケーションプログラムを含む。
【0010】
更に別の実施形態では、バッテリ監視システムは、鉛酸バッテリに追加される水の量を測定する。バッテリ監視システムは、流量センサと、圧力センサと、流量センサ及び圧力センサの出力に結合されたマイクロプロセッサとを含む。マイクロプロセッサは、流量が所定の最小流量を超過する場合、供給チューブ内の測定された圧力に基づいて、鉛酸バッテリに追加される水の量を判定する。バッテリに追加される水の量は、バッテリの状態及びその残存耐用年数を示し得る。
【0011】
更に別の実施形態では、バッテリ監視システムは、流量センサなしに、鉛酸バッテリに追加される水の量を測定する。この実施形態では、マイクロプロセッサは、水圧が最小圧力を超過するときと、水圧が最大圧力で安定するときとの間の期間に基づいて、鉛酸バッテリに追加される水の量を判定する。上記のように、バッテリに追加される水の量は、バッテリの状態及びその残存耐用年数を示し得る。
【0012】
更に別の実施形態では、バッテリ監視システムは、任意選択的に流量センサなしに圧力センサを用いて、水が鉛酸バッテリに追加されたかどうかを判定する。この実施形態では、マイクロプロセッサは、バッテリが給水されたかどうかを判定するために圧力センサの出力を測定する。バッテリが給水されなかった場合、ユーザは、任意選択的に独立型装置に公開されるメンテナンス警告を介して、バッテリに給水する必要性を警告され得る。
【0013】
更に別の実施形態では、バッテリ監視システムは、多軸加速度計、加速度計の出力に結合されたマイクロプロセッサ、及びマイクロプロセッサと無線通信する独立型ユニットを含む。マイクロプロセッサは、加速度計出力に基づいて、バッテリハウジングへの衝撃及びバッテリハウジングの方向を判定するように動作可能である。この情報は、独立型装置にブロードキャストされる。独立型装置は、危険なバッテリ状態、例えばバッテリハウジングが危険な方向にある(例えば、著しく傾斜されている)こと、又はバッテリハウジングが危険な衝撃(例えば、落下)にさらされたことをユーザに警告し得る。
【0014】
従って、本発明は、液体電解質バッテリ、特に鉛酸バッテリのための改善されたバッテリ監視システムを提供し得る。改善されたバッテリ監視システムは、バッテリ性能及びバッテリ状態の解析を提供するために、接続されたセンサのネットワークで既存のセンサを置き換えることができる。改善されたバッテリ監視システムは、各鉛酸バッテリの適切なメンテナンスレベルを保証することにより、鉛酸バッテリの手動検査を低減又は除去することができると共に、バッテリ動作及び寿命を向上させることができる。
【0015】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、添付の図面及び添付の請求項に従って考察された場合に本発明の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】単点給水システムに結合されたディープサイクル鉛酸バッテリの斜視図である。
図2】単点給水システムに結合されたディープサイクル鉛酸バッテリの上面図である。
図3】現在の実施形態によるバッテリ監視システムの上面図である。
図4】現在の実施形態による、内部無線通信回路を備えた制御モジュールの斜視図である。
図5】現在の実施形態による制御モジュールの概略図である。
図6】バッテリ警告を判定するための、手持ち式装置及び遠隔サーバを含むバッテリ監視システムの図である。
図7】現在の実施形態によるセンサデータの収集を示すフローチャートである。
図8】複数の制御モジュールからローカル独立型装置へのセンサデータのアップロードを示すフローチャートである。
図9】ローカル独立型装置から遠隔サーバへのセンサデータのアップロードを示すフローチャートである。
図10】現在の実施形態によるバッテリの加速度計データの評価を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で考察され且つ開示されるような本発明は、液体電解質バッテリ、特に鉛酸バッテリのためのバッテリ監視システムを含む。以下で明らかにされるように、バッテリ監視システムは、複数の液体電解質バッテリの状態又は性能を監視するためのセンサのネットワークを含む。センサデータは、無線ネットワークを介して独立型装置と共有される。独立型装置と電気通信するサーバは、解析のためにデータを受信し、これにより、追加のメンテナンス警告及び他の警告が独立型装置に送信され得る。
【0018】
I.バッテリ概要
ここで、図1を参照すると、例示的な液体電解質バッテリが示されており、一般に100で明示されている。液体電解質バッテリ100は、電極と、電解質溶液と、端子とのアセンブリを収容する複数のバッテリセルを含むディープサイクル鉛酸バッテリである。バッテリセルは、共通ハウジング102を共有し、12ボルト構成を含む。各バッテリセルは、ハウジングカバー104上に小さいベント開口部を含む。鉛酸バッテリは、各バッテリセル内へねじり込まれるベントキャップも含む。正端子106及び負端子108は、ハウジングカバー104の上端から突出する。
【0019】
再充電中及び熱によって引き起こされる水分蒸発により、鉛酸バッテリ100は、水の喪失を経験する。図1に示されているように、単点給水システム110は、各バッテリセルに水を供給する。単点給水システムは、注入口112から各バッテリセルへの流体流路を提供する可撓性供給チューブ116を含む。単点給水システムは、ベントキャップに取って代わり、各バッテリセルのためのベント開口部内へねじり込まれる、各バッテリセルのための補給制御バルブ114も含む。
【0020】
II.システム概要
上記のように、現在の実施形態は、複数のディープサイクル鉛酸バッテリの状態又は性能を監視するためのバッテリ監視システムを含む。バッテリ監視システム10は、図1〜5に示されており、制御モジュール12、複数の外部センサ、及び複数の内部センサを含む。外部センサは、電流センサ14、流量センサ16、圧力センサ18、正極20、接地電極22、半電圧電極24、液面センサ28、及びバッテリ汚れセンサ30を含む。内部センサ(制御モジュール12の内部)は、温度センサ32及び加速度計34を含む。他の実施形態は、必要に応じて、より多数又は少数の外部センサ及び/又は内部センサを含む。各センサは、鉛酸バッテリ100の特性(例えば、状態又は性能)を測定する。測定される特性は、電解液面、電解液温度、周囲温度、ハウジング完全性(例えば、過去の落下又は衝撃のいずれかの履歴)、ハウジング方向、正端子と負端子との間の電圧、及びバッテリ100の半電圧を含み得る。他の特性は、他の実施形態において必要に応じて測定され得る。
【0021】
図1〜2に示されているように、制御モジュール12は、ハウジングカバー104の中央に搭載される。制御モジュール12は、上記のセンサの出力を処理するための内部コントローラを含む。コントローラは、本実施形態においてマイクロプロセッサ40であるが、例えば、他の実施形態において特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含み得る。マイクロプロセッサ40は、任意選択的にアナログ/ディジタル変換器(ADC)42を介して、上記で識別された各センサの出力に結合される。制御モジュール12は、シフトレジスタ、例えばマイクロプロセッサ40への入力数を低減するための並列入力直列出力シフトレジスタを追加的に含み得る。シフトレジスタは、外部センサとマイクロプロセッサ40との間で接続されるように、図5に示されている信号調整回路44に組み込むことができる。マイクロプロセッサ40は、無線パーソナルネットワーク、例えばBluetooth Smart(BLE)ネットワーク)を介した通信のための統合通信回路を追加的に含み得る。他のネットワークは、例えば、ZigBeeネットワーク及びWi−Fiネットワークを含む。Bluetooth Smartネットワークが用いられる場合、統合通信回路は、Bluetoothチップ、及び独立型装置(以下で説明される)との通信のための一体型2.4GHzアンテナを含み得る。
【0022】
同様に図5に示されているように、制御モジュール12は、プログラミングインターフェース46、シリアルデバッガインターフェース48、内蔵温度センサ32、内蔵加速度計34、外部不揮発性メモリ(NVM)50、内蔵LED表示器52、遠隔LED表示器54へのシリアルバス、規制されたレール電圧56、及び4ピンワイヤ対ワイヤコネクタ58を含む。プログラミングインターフェース46は、無線ネットワークを介して、センサデータを処理し且つ/又はセンサデータをブロードキャストするためのコンピュータ可読命令を受信する。シリアルデバッガインターフェース48は、梱包及び出荷前に、マイクロプロセッサ40が適切に動作していることを確認するためのデータ転送をサポートする。内蔵温度センサ32は、出力のための温度測定値をマイクロプロセッサ40に提供する。温度センサ32は、可変抵抗を有するサーミスタを含み得る。任意選択的に分圧器を用いてサーミスタの抵抗を測定することにより、マイクロプロセッサ40は、周囲空気温度を判定し得る。内蔵加速度計34は、バッテリ100の方向(例えば、直立、逆さ、傾斜)及びバッテリ100へのあらゆる衝撃を測定する3軸加速度計である。内蔵LED表示器52は、バッテリ100の状態又は性能に関する即時フィードバックを提供する。幾つかの実施形態では、内蔵表示器52は、3つのLED、即ち安定した緑色LED、安定した赤色LED、及び点滅赤色LEDを含む。安定した緑色LEDは、液面が補給を必要としないことを示し得る。点滅赤色は、液面が補給を必要とすることを示し得る。及び安定した赤色は、液面が高すぎることを示し得る。LED表示器52は、制御モジュール12上に存在するように説明されたが、同様に又は代替として、他の場所、例えば液面センサ28上に存在し得る。LED表示器42は、代替として、制御モジュール12から突出するワイヤ端部に存在し得る。最後に、ワイヤ対ワイヤコネクタ58は、本実施形態では、4つの接続部、即ちマイクロコントローラに対する2つの接続部(5V及び接地)と、シリアルデバッガインターフェース48に対する2つの接続部(転送及び受信)とを含む。
【0023】
周期的に又はセンサデータが収集されるときに、制御モジュール12は、近くの独立型装置60のために、無線ネットワークを介してセンサデータを公開又は送信する。独立型装置60は、手持ち式装置、例えばスマートフォン、タブレット、若しくはラップトップを含むか、又はデスクトップ装置、例えばコンピュータワークステーション、若しくは車両コンポーネント、例えば内蔵車両コンピュータを含む。次に、独立型装置60は、更なる解析のために、遠隔サーバ62にデータの全て又は一部を通信する。図6に示されているように、独立型装置60は、無線ネットワークを介して複数のバッテリ監視システム10に接続され得る。遠隔サーバ62に送信されたデータは、遠隔データベースに格納され且つ/又は解析され得る。例えば、遠隔サーバ62は、センサデータを解析し、追加されたメンテナンス警告及び他の警告を独立型装置62に通信し得る。
【0024】
繰り返すと、独立型装置60は、バッテリ100とそれぞれ関連する複数の制御モジュール12からセンサデータを取得する。一実施形態では、制御モジュール12は、Bluetooth Smartプロトコル(Bluetooth Low Energy、Bluetooth LE又はBLEとも呼ばれる)に従って、独立型装置60と通信する。Bluetooth Smartプロトコルによれば、制御モジュール12は、それぞれ中央装置が読み取るデータをポストする周辺装置である。独立型装置60は、中央装置として、制御モジュール12から公開されたデータを読み取る。制御モジュール12は、例えば、センサデータに対する重要な変更が存在する場合、規則的に又はイベントに応じて、公開されたデータを更新し得る。センサデータは、2つのパケットを含む。第1のパケットは、バッテリステータスを含む。バッテリステータスパケットは、バッテリがアクション項目を必要としていることをユーザに警告するために用いられ得る。例えば、バッテリステータスパケットは、バッテリ衝撃、過温度、セル不均衡、及び低電解液面に関する情報を含み得る。アクション項目は、水をバッテリに補給すること、バッテリを新しいバッテリと交換すること、バッテリ上端カバーを清掃すること、又はバッテリを垂直方向に戻すことを含み得る。アクション項目は、均衡化、バッテリを充電すること、バッテリを修理すること、温度単点給水システムの修理、又は充電の状態も含み得る。アクション項目は、例えば、独立型装置62のタッチスクリーンディスプレイ上でユーザに提示され得る。第2のパケットは、履歴センサデータを含み得る。履歴センサデータは、以下で更に説明されるように、遠隔サーバ62による診断解析のためのディジタルタイムスタンプを含む。
【0025】
特に、遠隔サーバ62は、バッテリ100に関連する一連の診断機能を実行するプロセッサを含む。診断機能の出力に基づいて、遠隔サーバ62は、独立型装置60に1つ又は複数のメンテナンス警告を送信する。しかしながら、他の実施形態では、独立型装置60は、バッテリ100に関連する診断機能を実行するように適合された内部プロセッサを含む。これらの実施形態では、遠隔サーバ62は省略され、独立型装置60は自己警告を提供する。診断機能は、コンピュータ可読データ記憶装置に格納された一連の命令を含む。コンピュータ可読データ記憶装置は、プロセッサによって読み取れる携帯メモリ装置であり得る。そのような携帯メモリ装置は、コンパクトディスクと、ディジタルビデオディスクと、フラッシュドライブと、内臓若しくはコンピュータに外部で接続されたディスクドライバによって読み取り可能な任意の他のディスク、メモリスティック、又は現在周知であるか若しくは今後開発されるかに関わらず任意の他の携帯記憶媒体とを含み得る。代替として、機械可読データ記憶装置は、コンピュータのハードディスク又はフラッシュドライブなど、コンピュータの埋め込みコンポーネントであり得る。
【0026】
III.センサ概要
上記のように、バッテリ監視システム10は、バッテリ100の1つ又は複数の特性を測定及び報告するための様々なセンサを含む。例示的なセンサは、非限定的な例によって以下で説明される。追加のセンサは、他の実施形態において必要に応じて利用され得る。センサデータは、無線ネットワークを介してブロードキャストされる前に、マイクロコントローラ40によってタイムスタンプされて解析される。
【0027】
電流センサ14は、バッテリ100の電力出力を測定するように適合された電気センサである。図5に示されているように、電流センサ14は、2つの入力(供給及び接地)と1つの出力(電流センサ信号)とを備えた信号調整回路44に結合される。信号のアナログ値は、バッテリ100の電力出力に比例し、アナログ入力としてマイクロプロセッサ40に出力される。
【0028】
フローセンサ16は、供給チューブ116と流体連通する注入口及び放出口を有するインラインフローセンサである。フローセンサ16は、内部回転子と内部ホール効果センサとを含む。回転子が回転する速度は、水の流量に依存して変化する。ホール効果センサは、対応するパルス信号を信号調整回路44に出力し、次に信号調整回路44は、ADC42を介してマイクロプロセッサ40に出力する。その後、マイクロプロセッサ40は、供給チューブ116内の流量に対応する値にディジタル信号を変換する。
【0029】
圧力センサ18は、供給チューブ116と流体連通する注入口及び放出口を有するインライン圧力センサである。圧力センサ18は、供給チューブ116における流体圧力に比例するアナログ信号を出力する。圧力センサ18の出力は、信号調整回路44に結合され、次に信号調整回路44は、ADC42を介してマイクロプロセッサ40に出力する。その後、マイクロプロセッサ40は、供給チューブ116内の圧力に対応する値にディジタル信号を変換する。
【0030】
半電圧センサ24は、バッテリ100の一半部における電圧をバッテリ100の他半部における電圧と比較するように適合される。図5に示されているように、半電圧センサ24は、信号調整ユニット44への出力を含み、その出力は、4〜46ボルトDCである。半バッテリ電圧は、ADC42への4つの入力の1つであり、ADC42はまた、各端子電圧(BATT+及びBATT−によって表される)と、汚れたバッテリの電圧とを含む。
【0031】
液面センサ28は、バッテリハウジング104内の液面を測定する容量センサを含む。容量センサは、液面がプローブに対して増加するのに伴って変化する出力を提供する。液面センサ28の出力は、ワイヤ対ワイヤコネクタ58と、続いてマイクロプロセッサ40とに結合される。液面センサ28の構造及び機能性は、本出願と同日付で出願された「Liquid Level Sensor for Battery Monitoring Systems」という名称の米国特許出願第15/079125号明細書(米国特許出願公開第2017/279167号明細書)において明らかにされ、その出願の内容は、その全体が参照により援用される。

【0032】
バッテリ汚れセンサ30は、バッテリカバー104上の電解液の蓄積を検出し、バッテリカバー104上に導電性パッドを含む。導電性パッドは、「汚れたバッテリの電圧」として、図5に示されている電圧を信号調整回路44に出力する。ADC42は、ディジタル信号をマイクロプロセッサ40に出力し、このディジタル信号は、汚れたバッテリの電圧に基づいている。負端子22と導電性パッドとの間の電圧が所定の範囲内に入ると、バッテリカバー104上に短絡が存在し、バッテリカバー104が清掃されるべきであることをエンドユーザに通知するための信号が独立型ユニット60に送信され得る。
【0033】
内蔵温度センサ32は、マイクロプロセッサ40への出力のための、水位上方の(例えば、バッテリカバー104の頂上の)温度測定値を提供する。内蔵温度センサ32は、本実施形態においてサーミスタを含み、サーミスタは、周囲温度に比例する抵抗を有する。内蔵温度センサ32の出力は、マイクロプロセッサ40へのアナログ入力である。
【0034】
内蔵加速度計34は、方向感知、自由落下感知、及び衝撃感知を提供する3軸加速度計である。特に、内蔵加速度計34は、バッテリ100の方向(例えば、垂直、逆さ、傾斜)と、バッテリ100へのあらゆる自由落下イベント又は衝撃とを測定する。内蔵温度センサ32の出力は、マイクロプロセッサ40へのアナログ入力である。
【0035】
図7を参照すると、センサデータの動作を示すフローチャートが示されている。判定ステップ70では、マイクロプロセッサ40は、現在のイテレーションが起動又はパワーサイクルの結果として起こっているかどうかを判定する。パワーサイクルが検出された場合、マイクロコントローラは、独立型装置60への後続の送信のために、ステップ72で不揮発性メモリ50に電源喪失のフラグを立てる。起動が検出された場合、マイクロプロセッサ40は、ステップ74において、センサデータのサンプリング、無線ネットワークを介した送信、及び内蔵センサのポーリングのためのウォッチドッグタイマを開始する。本明細書で用いられているように、ウォッチドッグタイマは、通常動作中に規則的に再開する電子カウントダウンタイマを含む。判定ステップ76では、マイクロプロセッサ40は、割り込みがトリガされたかどうかを判定する。割り込みがトリガされた場合、マイクロプロセッサ40は、ステップ78で割り込みを加速度計又は通信回路からのものとして識別する。マイクロプロセッサ40は、ステップ80で加速度計34を読み取るか、又は判定ステップ78の結果に依存してステップ82で通信要求に応える。判定ステップ84では、マイクロプロセッサ40は、タイムアウトが満了したかどうかを判定する。満了していなければ、マイクロプロセッサ40は、ステップ74に戻る。タイムアウトが満了している場合、マイクロプロセッサ40は、判定ステップ86でタイムアウトのソースを識別する。次に、マイクロプロセッサ40は、タイムアウトのソースに従ってセンサデータを読み取り、その後、ステップ74に戻る。いかなるタイムアウトもない状態で、マイクロプロセッサ40は、同様に不揮発性メモリ50に格納された閾値との比較のためにセンサデータを不揮発性メモリ50に格納する。閾値は、独立型装置60によって随時更新され得る。予想されたパラメータの外部にあるセンサデータは、タイムスタンプされ、無線ネットワーク、任意選択的にBluetooth LE無線パーソナルネットワークを介したブロードキャストのために不揮発性メモリ50に格納される。
【0036】
独立型装置60によるデータの読み取りが図8に更に示されている。ステップ90において、ローカル無線ネットワーク上の各制御モジュール12を発見した後、独立型装置60は、(図8及び図9において「周辺装置」又は「周辺機器」として識別される)各制御モジュール12を識別する。ステップ92では、独立型装置60は、そのような各制御モジュール12に接続し、それを認証する。独立型装置60は、ステップ94において、そのような各制御モジュール12からデータを読み取り、ステップ96でローカルメモリにそのデータを書き込む。独立型装置60は、データ読み取りが完了したかどうかをステップ98で判定する。データ読み取りが完了していない場合、独立型装置60は、ステップ100で制御モジュール12からデータパケットを引き続き探す。データ読み取りが完了した場合、独立型装置60は、ステップ102で制御モジュール12から接続を切る。ステップ104において、無線ネットワークが利用可能な場合、独立型装置60は、ステップ106で遠隔サーバ62にデータをアップロードする。判定ステップ108では、独立型装置60は、データ読み取りが完了したかどうかを判定し、完了していなければ、更なる反復のためにステップ90に戻る。
【0037】
独立型装置60からサーバ62へのデータのアップロードが図9に更に示されている。ステップ110では、独立型装置60は、無線ネットワークが利用可能かどうかを判定する。無線ネットワークが利用可能でない場合、独立型装置60は、ステップ112において、無線ネットワークに接続するように引き続き試みる。無線ネットワークが利用可能な場合、独立型装置60は、ステップ114でサーバアプリケーションプログラミングインターフェース(API)に対して認証を受ける。ステップ116では、独立型装置60は、最後の更新の時刻をチェックする。ステップ118では、独立型装置60は、最後のサーバアップロード以降に、制御モジュール12から受信されるデータのための自らのローカル記憶装置をフィルタリングする。ステップ120では、独立型装置60は、サーバ62にPOST要求を送信し、サーバ62がPOST要求に伴うデータを受領及び格納することを要求し、データは、制御モジュール12からのタイムスタンプされたセンサデータに対応する。ステップ122では、独立型装置60は、サーバ62から応答コード及びメッセージを受信する。ステップ124では、独立型装置60は、要求がサーバ62によって受信及び処理されているかどうかを判定する。例えば、応答コード200は、HTMLである。独立型装置60は、POST要求の受領がサーバ62によって承認されたかどうかに依存して、上記のプロセスを反復するか又は終了する。
【0038】
IV.診断機能
上記のように、バッテリ監視システム10は、複数の鉛酸バッテリ100の自動診断を提供するように適合される。自動診断は、複数の鉛酸バッテリ100のそれぞれの適切な整備及びメンテナンスを保証するためにメンテナンス警告をもたらし得る。診断は、幾つかの実施形態では、制御モジュールマイクロプロセッサ40によって遠隔で実行され得る。一方で他の実施形態では、診断は、独立型装置60又はサーバ62によってローカルで実行され得る。次に、結果としてのメンテナンス警告は、ユーザが調べるために、独立型装置60上でホストされたアプリケーションプログラムによって提示される。
【0039】
現在の実施形態に従って、多数の診断機能が以下で提示される。これらの診断機能は、(a)複数のバッテリのそれぞれの内部における液面を測定することと、(b)流量センサ及び圧力センサを用いて、複数のバッテリのそれぞれに追加される水の量を測定することと、(c)流量センサを用いずに圧力センサを用いて、複数のバッテリのそれぞれに追加される水の量を測定することと、(d)加速度計を用いて、バッテリの方向及びあらゆる危険な衝撃を測定することとを含む。追加の診断機能は、他の実施形態において必要に応じて利用され得る。各診断機能の出力は、バッテリに関するアクション項目を示すために、独立型装置への警告を一般に含む。アクション項目は、バッテリに水を補給すること、バッテリを新しいバッテリと交換すること、バッテリ上端カバーを清掃すること、又はバッテリを垂直方向に戻すことを含み得る。他の警告は、他の実施形態において必要に応じて生成され得る。
【0040】
バッテリ内の液面を測定することは、液面センサ28の出力を測定することと、その出力を所定の最小液面と比較することとを一般に含む。液面センサ28の出力は、複数の非ゼロの液面が検出され得るように、バッテリ内の液面に関連して変化する。比較(マイクロプロセッサ40、独立型装置60、又はサーバ62によって実行される)により、測定された液面が最小液面より低いと判定された場合、独立型装置60は、ユーザへの警告を生成する。警告は、バッテリの次の使用に先立ってバッテリに補給するためのアクション項目を含み得る。アクション項目は、独立型装置60上でホストされるアプリケーションプログラム上で提示され得る。
【0041】
バッテリに追加される水の量を測定することは、(各バッテリのために)供給チューブ116を通して移動する水の流量を測定することと、測定された流量が最小流量を超える期間中に追加される水の量を計算することと、独立型装置60上でホストされるアプリケーションプログラムのために、計算された水の量を出力することと、任意選択的に、給水が完了した場合に独立型装置60のユーザに知らせることとを一般に含む。追加される水の量の計算は、体積流量を判定するために、流量(流量センサ16の出力から導き出されるような)に供給チューブ116の面積を掛けることによって実行される。次に、体積流量は、流量が最小流量を超過した合計期間を掛けられ、本明細書で「補給量」とも呼ばれる、測定された追加水量に達する。流量が安定していない場合、上記の計算は、同じ期間にわたる流量を積分することによって実行され得る。次に、測定された追加水量は、その特定のバッテリのための予想された追加水量と比較される。予想された追加水量は、例えば、バッテリの残存耐用年数の関数であり得る。次に、その関数は、例えば、以前の充電関回数に基づき得る。測定された追加水量が予想された追加水量を超過する場合、独立型装置60は、ユーザへの警告を生成する。警告は、老朽化するバッテリを交換するアクション項目を含み得る。アクション項目は、独立型装置60上でホストされるアプリケーションプログラムによって表示され得る。独立型装置60は、収集されたデータに基づいて補水を追加的にスケジューリングし得る。
【0042】
バッテリに追加される水の量を測定することは、代替として、(各バッテリのために)供給チューブ116を通して移動する水の圧力を測定することと、測定された圧力が最小圧力と最大圧力との間にある期間中に追加される水の量を計算することと、独立型装置60上でホストされるアプリケーションプログラムのために、計算された水の量を出力することと、給水が完了した場合に独立型装置のユーザに知らせることとを含み得る。追加される水の量の計算は、(圧力センサ18によって測定されるように)供給チューブ116内の圧力から流量が導き出されるベルヌーイ式に従って実行される。次に、流量は、体積流量を判定するために、供給チューブ116の面積を掛けられる。次に、体積流量は、測定された圧力が所定の最小圧力と所定の最大圧力との間にあった合計期間を掛けられ、補給量に達する。流量が安定していない場合、上記の計算は、同じ期間にわたる流量を積分することによって実行され得る。次に、補給量は、その特定のバッテリのための予想された追加水量と比較される。予想された追加水量は、例えば、バッテリの残存耐用年数の関数であり得る。次に、バッテリの残存耐用年数は、以前の充電回数に基づき得る。補給量が予想された追加水量を超過する場合、独立型装置60は、ユーザへの警告を生成する。警告は、老朽化するバッテリを交換するためのアクション項目を含み得る。アクション項目は、独立型装置60上でホストされるアプリケーションプログラムによって表示され得る。独立型装置60は、収集されたデータに基づいて補水を追加的にスケジューリングし得る。幾つかの実施形態では、この方法は、バッテリに追加される水の量の測定と無関係に、バッテリが給水されたかどうかを検出するように修正される。例えば、この方法は、測定された圧力(又は上記で導き出されたような流量)と閾値圧力(又は閾値流量)との比較に基づいて、バッテリが給水されたかどうかを判定することを含み得る。バッテリが給水されなかった場合、独立型装置60は、ユーザへの警告を生成する。警告は、バッテリに給水するためのアクション項目を含み得る。アクション項目は、独立型装置60上でホストされるアプリケーションプログラムによって表示され得る。
【0043】
バッテリの方向及びあらゆる危険な衝撃を測定することは、(各バッテリのために)加速度計出力を測定することと、加速度計出力に基づいて、バッテリハウジングの方向及びバッテリハウジングへのあらゆる衝撃を判定することとを含む。バッテリハウジングの方向は、コンピュータ可読メモリに格納された方向の許容範囲と比較され得る。測定された方向が許容される方向範囲外にある場合、独立型装置60は、ユーザへの警告を生成する。警告は、バッテリをその直立位置に戻すためのアクション項目を含み得る。アクション項目は、独立型装置60上でホストされるアプリケーションプログラム上で提示され得る。加速度計出力が、所定の最大G力を超過する任意のG力を明らかにすると、独立型装置60は、ユーザへの警告を生成する。警告は、バッテリを視覚的に検査するか又は交換するためのアクション項目を含み得る。アクション項目は、独立型装置60上でホストされるアプリケーションプログラム上で提示され得る。
【0044】
更に図10に関連して、バッテリの方向及びあらゆる危険な衝撃を測定することは、ステップ130で12Cバスを介して加速度計カウントデータを読み取ることを含む。加速度計データは、角度イベント及び衝撃イベントについてステップ132で分析される。判定ステップ134では、マイクロコントローラは、加速度計データが角度イベント、衝撃イベント、又は両方のイベントに関するかどうかを判定する。角度イベントが判定された場合、マイクロプロセッサ60は、ステップ136において、Bluetooth LE広告パケットによって用いられる角度イベントの例外フラグを立てる。このデータは、ステップ138でタイムスタンプと共にNVM50に格納される。衝撃イベントが判定された場合、マイクロプロセッサ60は、ステップ140において、Bluetooth LE広告パケットによって用いられる衝撃イベントの例外フラグを立てる。このデータは、ステップ142でタイムスタンプと共にNVM50に格納される。両方のイベントが判定された場合、マイクロプロセッサ60は、ステップ144において、Bluetooth LE広告パケットによって用いられる両方のイベントの例外フラグを立てる。このデータは、ステップ146でタイムスタンプと共にNVM50に格納される。格納されたデータは、後にステップ130において、独立型装置60による受領のためにBluetooth LEネットワークにわたって送信される。
【0045】
従って、独立型装置60のためのアプリケーションプログラムは、複数のバッテリに関する多数のメンテナンス警告を提示し得る。メンテナンス警告は、バッテリ状態及び/又はバッテリに関するアクション項目を示し得る。アクション項目は、亀裂に関してバッテリハウジングを視覚的に検査すること、バッテリに水を補給すること、バッテリを新しいバッテリと交換すること、バッテリ上端カバーを清掃すること、又はバッテリを垂直方向に戻すことに関する推奨を含み得る。他の警告は、他の実施形態において必要に応じて生成され得る。アプリケーションプログラムは、ユーザからの入力を受信することもできる。例えば、アプリケーションプログラムは、アクション項目が実行されたこと、例えば、バッテリが検査されたか、バッテリが水を補給されたか、バッテリが交換されたか、バッテリが清掃されたか、又はバッテリが垂直方向に戻されたかということの確認を受信し得る。その入力は、マイクロコントローラ40又は遠隔サーバ62の1つ又は両方に送信され得る。
【0046】
上記の説明は、本発明の現在の実施形態の説明である。添付の請求項で定義されるような本発明の趣旨及びより広範な態様から逸脱することなく、様々な代替形態及び変更形態がなされ得、添付の請求項は、均等物の原則を含む特許法の原理に従って解釈されるべきである。例えば、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その」又は「前記」という冠詞を用いた単数形の要素へのいかなる言及も、要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
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