(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ストレージ衛星装置と前記ピア衛星装置との間の通信リンク品質に少なくとも基づいて、前記ステートフルネスのレベルを選択するように構成された前記ストレージ衛星装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の軌道衛星プラットフォーム。
所定のしきい値を下回る前記通信リンク品質に少なくとも部分的に基づいて、前記ピア衛星装置に配信するためのファイルレベルの状態情報を転送するように構成された前記ストレージ衛星装置と、
所定のしきい値を上回る前記通信リンク品質に少なくとも部分的に基づいて、前記ピア衛星装置に配信するためのブロックレベルの状態情報を転送するように構成された前記ストレージ衛星装置と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の軌道衛星プラットフォーム。
前記アクティブ衛星装置の故障に応答して、前記ストレージ衛星装置から受信される前記状態情報に少なくとも部分的に基づいて、前記アクティブ衛星装置の活動を再開するように構成された前記ピア衛星装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の軌道衛星プラットフォーム。
前記状態情報を使用して、少なくとも、前記ピア衛星装置に常駐する仮想マシン画像の差分更新を実行することにより、前記アクティブ衛星装置の活動を再開するように構成された前記ピア衛星装置を備えることを特徴とする請求項4に記載の軌道衛星プラットフォーム。
前記ピア衛星装置は、前記アクティブ仮想ノードの実行をサポートするために利用可能な現在のプロビジョニング属性に従って、前記アクティブ衛星装置用の前記動作バックアップとしての指定のために選択されることを特徴とする請求項1に記載の軌道衛星プラットフォーム。
前記プロビジョニング属性は、前記ピア衛星装置に常駐する1つ以上の仮想マシン画像のバージョンレベルを含むことを特徴とする請求項6に記載の軌道衛星プラットフォーム。
前記アクティブ仮想ノードの実行をサポートするための前記プロビジョニング属性を欠く1つ以上の前記衛星装置に応答して、前記アクティブ衛星装置および前記ストレージ衛星装置のうちの少なくとも1つは、前記アクティブ仮想ノードの実行をサポートするために前記プロビジョニング属性を含むように、前記1つ以上の衛星装置のソフトウェア部分を更新するように構成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の軌道衛星プラットフォーム。
前記ストレージ衛星装置は、1つ以上の衛星装置から受信された前記状態情報を保存するとともに、1つ以上の仮想ノードとして、ストレージプラットフォームを実行し、前記1つ以上の衛星装置と前記状態情報を交換するように構成されたデータストレージシステムを備えることを特徴とする請求項1に記載の軌道衛星プラットフォーム。
前記ストレージ衛星装置と前記ピア衛星装置との間の通信リンク品質に少なくとも基づいて、前記ステートフルネスのレベルを選択する工程をさらに含む請求項10に記載の方法。
前記ピア衛星装置において、前記ストレージ衛星装置から受信された前記状態情報に少なくとも部分的に基づいて、前記アクティブ衛星装置の故障に応答して前記アクティブ衛星装置の活動を再開する工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
前記ピア衛星装置において、前記状態情報を使用して、少なくとも、前記ピア衛星装置に常駐する仮想マシン画像の差分更新を実行することにより、前記アクティブ衛星装置の活動を再開する工程をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
前記ピア衛星装置は、前記アクティブ仮想ノードの実行のサポートするために利用可能な現在のプロビジョニング属性に従って、前記アクティブ衛星装置用の前記動作バックアップとして指定するために選択されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
前記アクティブ仮想ノードの実行をサポートするための前記プロビジョニング属性を欠く1つ以上の前記衛星装置に応答して、前記アクティブ仮想ノードの実行をサポートするために前記プロビジョニング属性を含むように、前記1つ以上の衛星装置のソフトウェア部分を更新する工程をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
前記ストレージ衛星装置において、1つ以上の衛星装置から受信された前記状態情報を保存する工程、および、前記1つ以上の衛星装置と前記状態情報を交換するように、1つ以上の仮想ノードとして、ストレージプラットフォームを実行する工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
アクティブ衛星装置の関連する仮想化実行システムによる1つ以上の仮想ノードの実行に関連する状態情報を定期的に更新する、少なくともアクティブ衛星装置から前記状態情報を受信するように構成された通信システムと、
前記状態情報を保存するよう構成されたストレージシステムと、
1つ以上の仮想ノードとして前記衛星装置の仮想化実行システム上で実行されるストレージプラットフォームであって、前記アクティブ衛星装置用の動作バックアップとして指定されたピア衛星装置に前記状態情報を配信するためのステートフルネスのレベルを選択するように構成されたストレージプラットフォームと、を備えることを特徴とする衛星装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で開示される様々な例は、衛星ハードウェアおよびソフトウェア技術の強化を提供する。例えば、衛星装置のクラスタは、発射システムを使用して軌道に展開できる。これらの衛星装置は、処理システム、ストレージシステム、および通信システムで構成されたCubeSat装置などの汎用衛星装置を備えることができる。これらの衛星装置はまた、プロビジョニングされたハードウェアまたはソフトウェア要素に応じて定義できるか、または関連する衛星に展開された特定のセットのアプリケーションに関連付けることができる特殊な役割を有することができる。いくつかの例では、複数の衛星装置の複層軌道配置が提供される。この複層配置により、他の動作の中でもとりわけ、通信、撮像カバレッジ、冗長性、および耐故障性が強化される。擬似静止(同期)ウィンドウ(pseudo−geosynchronous window)は、衛星装置の特殊な動作をトリガするために、仮想または論理的に定義されたウィンドウを通る通過を使用する衛星プラットフォームによって確立できる。その他の例には、1つ以上の衛星装置が、仮想マシン画像、コンテナ、差分状態情報、またはクラスタの1つ以上のピア衛星装置による仮想ノードの実行に関連する他の状態情報の展開に使用されるストレージシステムを含めることができるストレージエリアネットワーク(SAN)構成が含まれる。
【0020】
本明細書で開示される例は、周回衛星プラットフォームにソフトウェアアプリケーションを展開するためのシステムおよび方法を提供し、各ソフトウェアアプリケーションは、同じ衛星装置に展開される1つ以上の他のアプリケーションとリソースを共有できる仮想ノードとして実行される。これらの仮想ノードは、一部の例ではフルオペレーティングシステム仮想マシンを備えることができ、さらに仮想コンテナを備えてもよい。これらのコンテナは、Dockerコンテナ、Linux(登録商標)コンテナ、jail、またはホストシステムからのリソースの効率的な管理を提供することができる他の同様のタイプの仮想コンテインメントノードを含んでもよい。コンテナによって使用されるリソースは、ホストコンピューティングシステムからのカーネルリソースを含むことができ、ホスト上で実行される他のコンテナまたはプロセスと共有できるリポジトリおよび他の承認されたリソースをさらに含んでもよい。しかしながら、リソースはホスト衛星装置上のコンテナ間で共有されてもよいが、コンテナは、独自の識別子空間、ファイルシステム構造、およびネットワークインタフェースを使用してオペレーティングシステムに対するプライベートアクセスを有するようにプロビジョニングされる。
【0021】
この例では、衛星プラットフォームを提供するために、本明細書では衛星または衛星装置と呼ばれる複数の衛星装置を展開することができる。組織はアプリケーションを生成し、そのアプリケーションを衛星装置に展開して、所望の動作を実行することができる。これらの動作は、軍事および民間の観測業務、通信業務、ナビゲーション業務、気象業務、および研究業務を含むことができる。アプリケーションは、周回衛星プラットフォームの1つ以上の衛星装置に展開できる。いくつかの実装形態では、地上制御システムまたは地上通信システムを1つ以上の衛星装置へのアップリンクとして使用して、1つ以上の衛星装置のそれぞれにアプリケーションを提供することができる。他の実装形態では、プラットフォーム内の衛星装置に対して単一のアップリンクを作成することができ、衛星装置は、アプリケーションをプラットフォーム内の他の所望の衛星装置に配信するように構成される。その環境に展開されると、アプリケーションは割り当てられた衛星装置で実行され得る。
【0022】
いくつかの実装形態では、衛星プラットフォームの衛星装置は、それぞれ、プラットフォームについての1つ以上の他の衛星および地上制御システムと状態情報を交換することができる。この状態情報は、動作しているタスクまたはプロセスなど、各アプリケーションの現在の動作状態情報を含むことができ、さらに衛星のセンサから少なくとも部分的に生成されたデータを交換することができる。このデータは、ピアグループで使用されることができ、第1の衛星は、第1のデータセットを識別し、そのデータを第2の衛星に提供することができる。そして、第2の衛星は、第2のデータを識別し、アプリケーションによって定義されるような第1および第2のデータを処理することができる。一例として、この動作は、撮像動作において使用されることができ、第1の衛星は、第1の期間にわたってオブジェクトの画像を撮像し、その画像についてのデータを第2の衛星に提供することができる。第2の衛星は、後続の画像を撮像し、第1の画像および後続の画像についてのデータを使用して、オブジェクトに関する判定を下すことができる。これは一例であるが、他の動作は、状態データのピア共有を使用して衛星センサからの測定データに関する特性を識別することができることが理解されるべきである。
【0023】
第1の例の衛星プラットフォームとして、
図1を示す。
図1は、一実装形態による衛星環境100を示している。衛星環境100は、衛星111〜116が上層110に配置され、衛星121〜126が下層120に配置された衛星クラスタ101を含む。
図1はまた、地上制御システム170および地球190を含む。衛星111〜116は、第1の軌道層を形成し、上層110のメンバ間でネットワーク通信を交換するための循環ネットワーク配置を含む。衛星121〜126は、第2の軌道層を形成し、下層120のメンバ間でネットワーク通信を交換するための循環ネットワーク配置を含む。層の高さは、層を区別可能である、他の距離メトリックス(指標、metrics)の中の、地球190の表面からの軌道距離を備えることができる。衛星111〜114は無線ネットワークリンク141〜142を介して通信し、衛星121〜124は無線ネットワークリンク143〜144を介して通信する。いくつかの例では、さらなる無線ネットワークリンク145が含まれて、層110と120の間の通信を結合する。地上制御システム170は、関連する無線通信リンク151〜152を使用して衛星111 121と通信する。
【0024】
本明細書で説明されるように、複数の衛星111〜116および121〜126は、複数の異なるソフトウェアアプリケーションペイロードについての周回プラットフォームとして打ち上げられて展開され得る。地上制御システム170は、衛星のうちの1つ以上によるアップリンクを開始してソフトウェアアプリケーションペイロードを衛星に提供するとともに、衛星に関する任意のスケジューリング情報を更新することができる。所望の衛星にアップロードされると、ソフトウェアアプリケーションペイロードは、実行を開始することができる。いくつかの実装形態では、地上制御システム170からのアップリンクは、必要とされる衛星にアプリケーションを提供する責を単独で担うことができる。他の実装形態では、地上制御システム170は、その後にそのアプリケーションを衛星プラットフォームの1つ以上の他の衛星に配信することができる第1のセットの衛星にアプリケーションを供給してもよい。例えば、地上制御システム170は、第1のアプリケーションをリンク151を介して衛星装置111に提供してもよく、衛星装置111は、次にそのアプリケーションをピアグループ内の他の衛星に供給してもよい。特に、衛星装置111は、同じピアグループ内にある衛星112にアプリケーションを提供することができ、衛星112が地上制御システム170から通信を直接受信することなくアプリケーションの動作を提供することを可能にする。さらに、衛星に初期構成を提供するのと同様に、地上制御システム170は、衛星プラットフォームにおいて動作する各アプリケーションに更新を供給するためにさらに使用されてもよく、各衛星上の任意のスケジューリング情報をさらに更新してもよい。
【0025】
図2は、
図1の要素の動作例を示すフロー図である。
図2において、衛星クラスタ101は、第1の軌道層110内に第1のサブセットの衛星装置を確立し(201)、第2の軌道層120内に第2のサブセットの衛星装置を確立する(202)。
図1では、第2の軌道層は、第1の軌道層の軌道102よりも短い第2の軌道距離を有する軌道103を備えるが、異なる距離を使用することもできる。上述のように、層110は衛星装置111〜116を含み、層120は衛星装置121〜126を含む。代替として、異なる数の衛星を使用できることを理解されたい。
【0026】
通信ネットワークは、層110のメンバ間および層120のメンバ間で形成され、層の衛星装置の総数のサブセットであってもよい。
図1では、第1の通信ネットワークが衛星装置111〜114の間に形成され、第2の通信ネットワークが衛星装置121〜124の間に形成されている。いくつかの例では、他の構成の中でもとりわけ、両方の層のメンバ間で第3の通信ネットワークを形成できるか、または、第1および第2の通信ネットワークを単一のネットワークに統合できる。通信ネットワークの形成後、衛星装置は、第1の軌道層と第2の軌道層の間で通信を選択的に交換することができる(204)。
【0027】
通信ネットワークを形成するために、様々な配置および割り当てを関連する衛星装置について識別することができる。衛星クラスタ101は、通信ネットワークを衛星装置間に形成することができ(203)、通信ネットワークの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、第1の軌道層と第2の軌道層との間で通信を選択的に交換する。様々な通信ネットワークは、地上制御システム170によって配信されるクラスタリング定義171にしたがって形成され得る。クラスタリング定義は、第1のサブセットの衛星装置と第2のサブセットの衛星装置のメンバシップ割り当てを示し、クラスタリング定義は、関連する通信ネットワーク内に順方向通信パスおよび逆方向通信パスを確立する構成をさらに示すことができる。
【0028】
衛星クラスタ101は、軌道層において順方向循環通信パスを確立し(205)、軌道層において逆方向循環通信パスを確立する(206)。
図1では、上層110は順方向循環ネットワーク経路141および逆方向循環ネットワーク経路142を含み、下層120は順方向循環ネットワーク経路143および逆方向循環ネットワーク経路143を含む。軌道層に形成された順方向通信パスは、影響を受けた衛星装置の軌道方向に関する「順方向ヘリシティ」で通信ネットワークのトラフィックを循環させる。軌道層に形成された逆方向通信パスは、影響を受けた衛星装置の軌道方向に関する「逆方向ヘリシティ」で通信ネットワークのトラフィックを循環させる。具体的には、上層110の軌道方向が軌道102の矢印で示されている場合、順方向は軌道内の同じ移動方向で各衛星装置を介してトラフィックを整列および伝播し、逆方向は軌道内の反対の移動方向で各衛星装置を介してトラフィックを整列および伝播し、移動方向は比較的直線として近似される。
【0029】
このようにして、トラフィックを循環させる2つの経路が各層に形成され、トラフィックは関連する通信ネットワークの各衛星を通過する。経路141の場合、衛星順方向ルーティング順序は114−113−112−111で構成され、経路142の場合、衛星逆方向ルーティング順序は111−112−113−114で構成される。経路143〜144の同様の動作を
図1に示す。衛星装置に関する故障により、衛星間の経路が中断される場合がある。ただし、トラフィックはどちらの方向にも循環することができるため、層の衛星装置間の信頼性の高い通信を確保するために、冗長経路が形成される。
図1には2つの層が示されており、各層に別個の順方向/逆方向経路があるが、両方の層の個々の衛星装置が順方向/逆方向経路を共有できることを理解されたい。さらに、層間リンク145を使用して、個々の層の間でトラフィックを通信することができる。
【0030】
各衛星装置は、通信パスの動作状態に基づいてトラフィックをルーティングするトラフィック方向を判定する(207)。この動作状態は、現在の衛星装置と1つ以上のピア衛星装置間で形成される通信リンクの状態など、ローカル状態であり得る。この動作状態はまた、ネットワーク全体についても判定でき、衛星装置間で報告できる。通信ネットワークのトラフィックのルーティング中に、衛星装置のうちの1つは、順方向通信パスおよび逆方向通信パスの動作状態に部分的に基づいて、トラフィックをルーティングするトラフィック方向を順方向通信パスおよび逆方向通信パスの中から判定するように構成される。通信ネットワークの動作状態が通信ネットワークの順方向通信パスに故障が発生していることを示すとき、衛星装置の1つは、逆方向通信パスを使用して、ターゲット衛星装置に配信するためにネットワークトラフィックをルーティングするように構成される。
【0031】
層が確立されると、衛星クラスタによって様々な拡張動作が提供され得る。例えば、衛星から地上への通信は、通信ネットワークを介して容易になり得る。ソース衛星装置は、地上制御システム170に配信するためにネットワークトラフィックを識別し、通信ネットワークを介して地上制御システム170に配信するためにネットワークトラフィックを転送することができる。転送は、ソース衛星装置がメンバとなっている層など、特定の層で発生する可能性がある。転送はまた、その層の通信ネットワークの動作状態に一部基づいて、順方向または逆方向など、その層上の特定の経路/方向で発生する可能性がある。さらに、ソース衛星装置は、ネットワークトラフィックを地上制御システム170にルーティングできるピア衛星が見つかるまで、ネットワークトラフィックをピア衛星に転送することができ、ピア衛星は続いて別のピア衛星に転送するなどすることができる。例えば、ネットワークトラフィックは、衛星装置113で発生し、地上制御システム170と確立された通信リンク151を現在有する衛星装置111にネットワークトラフィックが到達するまで、経路141〜142の選択された順方向または逆方向にルーティングされ得る。少なくとも通信ネットワークの動作状態に基づいて、衛星装置111が地上制御システム170と現在通信できることを示す。
【0032】
さらなる例では、地上制御システム170と通信できる衛星は現在の軌道層に含まれない場合があり、したがって、ネットワークトラフィックは、リンク145を介して軌道層120などの異なる軌道層にルーティングされ得る。ネットワークトラフィックが層120上にあると、
図1に衛星装置121およびリンク152について示すように、衛星装置121〜124は、ネットワークトラフィックを地上制御システム170にルーティングできるターゲット衛星装置に到達するまでネットワークトラフィックをルーティングできる。
【0033】
図1の要素に戻ると、衛星装置111〜116および121〜126は、軌道パッケージに含まれる様々なハードウェアおよびソフトウェア要素を備えることができる。いくつかの例では、衛星装置はCubeSatフォームファクタ装置を備えるが、変形が可能である。衛星装置は、1つ以上のセンサ、通信回路、処理回路、および制御/物流管理要素を含むことができる。衛星装置の図の説明は、以下の
図2および
図13に含まれている。
【0034】
衛星111〜116および121〜126は、アプリケーションが衛星上の仮想ノードとして実行できるようにするハードウェアおよびソフトウェア構成をそれぞれ含む。いくつかの実装形態では、衛星111〜116および121〜126は、アプリケーションなしで発射システムを使用して打ち上げられることができ、代わりに、地上制御システム170からアップリンクで提供されるときにアプリケーションをロードおよび実行するために使用され得る基本オペレーティングシステム、仮想マシン画像、またはハイパーバイザが提供され得る。他の実装形態では、衛星111〜116および121〜126は、衛星上のオペレーティングシステムまたはハイパーバイザを介して実行され得る第1のセットのアプリケーションを用いて構成され得る。したがって、軌道に入ると、アプリケーションは、実行を開始してアプリケーションの動作を提供することができる。これらのアプリケーションは、さらに、地上制御システム170からアップリンクで提供される情報に基づいて追加され、除去され、修正され得る。
【0035】
地上制御システム170は、他の要素の中でもとりわけ、1つ以上の制御システム、サーバ、分散コンピューティングおよびストレージシステムを含む。通常、地上制御システム170は、衛星装置から通信を受信し、衛星装置に通信を転送するための1つ以上の通信システムを含む。地上制御システム170は、パケットネットワーク、インターネット、および他のエンティティなどの他のネットワークへのさらなるネットワークリンクを含むことができる。いくつかの例では、ソフトウェアペイロードは地上制御システム170で段階的に行われ、地上から衛星へのリンク151〜152を介して1つ以上の衛星装置に展開される。少なくとも第1の衛星装置で受信されると、これらのソフトウェアペイロードは、様々な衛星装置間でピアツーピア通信リンクおよびネットワークを介して配信され得る。地上制御システム170は、衛星装置からネットワークトラフィックを受信し、ルート、ブリッジ、スイッチ、および他のネットワーク処理機器を使用して、ネットワークトラフィックを他のネットワークシステムにルーティングすることができる。地上制御システム170はまた、衛星装置に配信するためにネットワークトラフィックを受信し、衛星装置に配信するためにこのネットワークトラフィックを転送し、衛星クラスタの様々な軌道層、経路、およびピアを介してネットワークトラフィックを分配することができる。
【0036】
リンク141〜145およびリンク151〜152はそれぞれ、ネットワーク通信を交換するための1つ以上の通信経路を含む。リンク141〜145およびリンク151〜152はそれぞれ、様々な論理的、物理的、またはアプリケーションプログラミングインタフェースを備えることができる。リンクの例は、光学、空気、空間、またはその他の要素を輸送媒体として使用できる。リンク141〜145およびリンク151〜152はそれぞれ、インターネットプロトコル(IP)、イーサネット(登録商標)、伝送制御プロトコル(TCP)、WiFi、Bluetooth(登録商標)、その他の無線データインタフェース、またはその他の通信形式、それらの組み合わせ、改善、または変形など、様々なプロトコルおよび形式を使用できる。リンク141〜145およびリンク151〜152はそれぞれ、直接リンクを含むことができるか、あるいは中間ネットワーク、システム、または装置を含んでもよく、複数の物理リンクを介して輸送される論理ネットワークリンクを含むことができる。リンク141〜145およびリンク151〜152はそれぞれ、エンドポイント間でトラフィックを輸送するためのルータ、スイッチ、ブリッジ、トラフィック処理ノードなどを含むことができる。
【0037】
図3は、一実装形態による仮想ノード用のプラットフォームを提供することができる例示的な衛星装置111の拡大
図300を示す。衛星111〜116および121〜126のいずれも同様の機能を含むことができ、衛星装置111は、任意の衛星装置の代表として含まれる。衛星装置111は、仮想化実行セグメント301、制御セグメント302、およびインタフェースセグメント303を含み、これらは様々な通信リンクを使用して結合され得る。仮想化実行セグメント301は、仮想ノード341〜344用の仮想化ユーザ空間340、オペレーティングシステムまたはハイパーバイザ335、オペレーティングシステムおよび仮想ユーザ空間を格納するストレージシステム332、ならびに処理システム330を含む仮想化実行システムを表す。制御セグメント302は、飛行制御システム311および推進ナビゲーション310をさらに含む。インタフェースセグメント303は、ユーザセンサシステム320および通信インタフェース321をさらに含み、通信インタフェース321は、地上(gnd)通信および衛星間(ピア)通信に使用され得る。
【0038】
センサシステム320は、撮像センサ、温度センサ、光センサ、信号品質センサ、または仮想ノード341〜344と相互作用することができる他の同様のセンサを含む1つ以上のセンサ装置を含むことができる。
図3では、センサ「A」および「B」が下向きセンサの例として示されている。スターセンサ、宇宙撮像センサ、放射線検出器、または他のセンサなどの、他のセンサが含まれることができることを理解されたい。
【0039】
本明細書で説明されるように、組織は、衛星プラットフォームのうちの1つ以上の衛星上の仮想ノードとして展開され得るアプリケーションを生成することができる。これらのアプリケーションは、地上制御システムから提供されてもよく、または衛星装置111上の通信インタフェース321を介して他の衛星から提供されてもよい。アプリケーションが提供されると、ストレージシステム332に記憶され且つ処理システム330によって実行されるオペレーティングシステム/ハイパーバイザ335は、アプリケーションを実行するためのプラットフォームを提供することができる。ここで、衛星装置111に提供される各アプリケーションは、仮想ノード341〜344における別個の仮想ノードとして実行され、仮想ノードは、ストレージシステム332内の基礎となるオペレーティングシステムからリソースを共有することができるフルオペレーティングシステム仮想マシンまたはコンテナを含むことができる。
【0040】
仮想ノードの実行を管理するために、オペレーティングシステム/ハイパーバイザ335は、処理システム330の処理リソースを各ノードに、ユーザセンサ320を各ノードに、および衛星装置111上の他の同様のリソースを割り当てるために使用されるスケジュールを管理することができる。特に、スケジュールは、各アプリケーションが、定義された期間中に処理システム330から処理リソースを受け取るようにスケジューリングされ、定義された期間中にユーザセンサ320へのアクセスを受け取るようにスケジュールされることを保証するために使用され得る。いくつかの実装形態では、アプリケーションのうちの1つ以上は、衛星装置111上で同じ期間中に実行され得る。これらのアプリケーションは、ユーザセンサ320における異なるセンサを使用してもよく、ユーザセンサ320におけるセンサの使用を時分割してもよく、またはそれらの動作においてユーザセンサ320からの同じデータを使用してもよい。センサを割り当てるために、オペレーティングシステム335は、必要なユーザセンサへの通信リンクを各動作仮想ノードに提供し、スケジューリングに基づいて必要なセンサへの通信リンクを割り当て解除または削除することを担うことができる。例えば、撮像装置は、第1の期間中に仮想ノード341によってアクセスされてもよく、仮想ノード341は、オペレーティングシステム335によって提供されたアドレス指定情報に基づいてセンサにアクセスしてもよい。期間が満了すると、オペレーティングシステム335は、いくつかの例では、仮想ノードのアドレス指定アクセスを削除し、センサのアクセスを第2の仮想ノードに割り当てることによって、仮想ノード341がセンサにアクセスするのを防ぐことができる。
【0041】
仮想化実行セグメント301で提供される仮想ノード動作に加えて、衛星装置111は、さらに、制御セグメント302を含む。仮想化実行セグメント301およびインタフェースセグメント303に通信可能にリンクされ得る制御セグメント302は、衛星装置111の物流制御要素を担う。これらの動作は、衛星上の太陽電池パネルの配備を管理すること、地球もしくは太陽に関する衛星の位置を管理すること、または任意の他の同様の動作を含むことができる。少なくとも1つの例では、飛行制御システム311は、オペレーティングシステム335からの要求を監視し、衛星がオペレーティングシステム335からの要求に適合できるか否かを判定することができる。例えば、仮想ノード341は、ユーザセンサを移動させる要求を生成することができ、これも推進およびナビゲーション310を使用した移動を必要とする。要求に応答して、飛行制御システム311は、移動ができないと判定し、推進およびナビゲーション310を使用して衛星の移動を防止することができる。さらに、いくつかの実装形態では、飛行制御システム311は、移動が許可されていないことを示す通知をオペレーティングシステム335および仮想ノード341に提供することができる。
【0042】
図3の例では別個のシステムとして示されているが、いくつかの例では、飛行制御システムは、処理システム330およびストレージシステム332上に実装されて記憶されてもよいことが理解されるべきである。しかしながら、飛行制御システムは、別個のストレージシステムに記憶され、オペレーティングシステム335およびその対応する仮想ノードとは異なる処理システムを使用してもよいこともまた理解されるべきである。
【0043】
次に、
図4〜
図6の衛星クラスタおよび衛星プラットフォームのさらなる構成および動作が示される。
図4〜
図6は、非静止衛星装置によって形成される擬似静止(または準静止)ウィンドウの確立を示している。通常、地球440などの惑星上で衛星の静止監視または測位を達成するには、静止軌道(GEO)を達成する必要がある。この静止軌道は、地球低軌道周回(LEO)衛星よりもはるかに遠い距離にあり、それに伴い展開が困難である。静止軌道にある衛星への通信では、通信遅延およびスループットが悪化する。
図4〜
図6では、地球低軌道にある衛星のクラスタを使用して、擬似静止動作が達成されている。
【0044】
図4では、衛星クラスタによる特定の対象のゾーンの監視を達成するために、擬似静止ウィンドウ402が確立されている。対象のゾーンは、特定の地理的または大気の位置、ポイント、地域、またはエリアに関連付けることができ、地理的座標、1つ以上の全地球測位システム(GPS、GLONASS、Galileo)の使用、緯度−経度の定義、または他の定義など、様々な方法で定義できる。対象のゾーンはまた、衛星クラスタによって検出または監視される関心のあるオブジェクトにしたがって定義することができ、関心のあるオブジェクトは時間の経過に伴う移動を経ることができる。例えば、対象のゾーンは、車両、動物、人、雲の形、航空機、または他の移動するオブジェクトに対応でき、対象のゾーンは移動するオブジェクトを追跡するために確立できる。対象のゾーンはまた、地上システム430との信号強度または通信リンク特性にしたがって定義することができる。例えば、衛星から地上へのリンクは、LEOにおいて連続的に移動する衛星装置を使用して、衛星クラスタ401と地上通信システムとの間に確立できる。したがって、対象の静的ゾーンおよび動的ゾーンの両方が確立されることができ、LEOにおける衛星クラスタのメンバによって擬似静止動作が達成され得る。
【0045】
図4は、衛星装置(SAT)410〜414を含む衛星クラスタ401を備える衛星環境400を含む。
図4はまた、地上システム430、地球440、および対象のゾーン441を含む。動作において、衛星クラスタ401のメンバは、
図1の層通信について説明したような1つ以上の通信リンクを介して通信することができるが、変形が可能である。衛星410〜414はそれぞれ、地球440の周りの軌道を移動し、この軌道は、示された軌道方向を使用して
図4に示されている。異なる軌道および軌道方向を採用できることを理解されたい。
【0046】
図4の例は、感覚ベースの対象のゾーン441を含むため、現在の衛星装置は、視覚、赤外線、または紫外線撮像、RF撮像または検出、あるいは対象のゾーンについての他のセンサベースの測定などの感覚測定を実行するように構成されている。
図4では、現在の衛星装置と対象のゾーンとの間の検知見通し線423が示されている。
【0047】
関心のあるゾーンを確立するために、地上システム430は、地上から衛星へのリンク424を介して1つ以上のタスク命令を衛星クラスタ401に転送することができる。本明細書のピアツーピア通信の例と同様に、いずれの衛星装置も、タスク命令を受信し、特定の軌道層のピア衛星などの他のピア衛星にタスク命令を配信することができる。各衛星が擬似静止ウィンドウに進入すると、状態情報はタスク命令と、擬似静止ウィンドウを離れる衛星装置からの永続的な状態転送を示す。状態情報は、撮像データ、センサデータ、処理された撮像またはセンサデータ、あるいは追跡情報、オブジェクト認識情報、オブジェクト軌跡情報、および対象のゾーンに関連する他のインテリジェンスなどの他の情報を含み得る。状態情報が、擬似静止ウィンドウを通過中に他の衛星装置によって取り込まれたセンサデータを含む場合、擬似静止ウィンドウを通過するさらなる衛星装置は、状態情報に組み込むためのさらなるセンサデータを取り込むことができる。
【0048】
したがって、擬似静止ウィンドウ402を使用して、対象のゾーン441に対して継続的な監視の「鎖」が達成される。各衛星装置が擬似静止ウィンドウ402に進入すると、衛星装置は、タスク命令によって示されるか、または擬似静止ウィンドウ402を出る1つ以上の衛星装置から転送される状態情報によって示される監視動作を開始するように構成される。擬似静止ウィンドウ402を通過する間、関連する衛星装置は、下方にあるオブジェクト、領域、またはゾーンの監視など、タスク命令または状態情報によって示される1つ以上のタスクを実行する。擬似静止ウィンドウ402の退出に応じて、衛星装置は、状態情報またはタスク命令を、擬似静止ウィンドウ402に進入するさらなる後続の衛星装置に転送することができる。したがって、別の「進入する」または「入ってくる」衛星装置は、「退出する」または「出ていく」衛星装置によって終了したタスクを再開する。擬似静止ウィンドウは、実際の衛星装置が静止軌道にあることなく、地球440の表面(またはその移動するオブジェクト)に同期して確立することができる。
【0049】
状態情報またはタスク命令は、1つ以上の仮想マシン画像または仮想マシン状態情報を含むことができる。擬似静止ウィンドウに進入する各衛星装置は、特定の仮想ノードを実行して、1つ以上の対応するタスクを実行できる。状態情報は、擬似静止ウィンドウを離れる衛星のタスクを再開するためなど、仮想ノードをプロビジョニングするために使用できる。いくつかの例では、状態情報は、様々な対象のオブジェクトを追跡、識別、および報告するための処理済み画像データを含む。各衛星が擬似静止ウィンドウを循環すると、状態情報は、衛星装置を出ることにより順次転送され(421)、対象のゾーンを継続的に監視するために、進入する衛星装置に更新され得る(422)。これらのタスクおよび状態情報は、衛星装置によって実行される1つ以上の仮想ノードを使用して達成できるため、擬似静止ウィンドウを退出するときに、衛星装置の関連する仮想ノードは更新された状態またはデータを別の衛星装置に転送でき、この衛星装置は擬似静止ウィンドウに関してタスクを継続するために、さらなる仮想ノードを開始する。
【0050】
ここで
図5を参照すると、衛星クラスタ501の通信を地上システム430と交換するために擬似静止ウィンドウ502が確立されている。対象のゾーン541は、特定の地理的ポイント、地域、またはエリアに関連付けることができ、地理的座標、1つ以上の全地球測位システム(GPS、GLONASS、Galileo)の使用、緯度−経度の定義、または他の定義など、様々な方法で定義できる。対象のゾーンはまた、地上システム430との信号強度または通信リンク特性にしたがって定義することができる。例えば、衛星から地上へのリンク423は、LEOにおいて連続的に移動する衛星装置を使用して、衛星クラスタ401と地上通信システムとの間に確立できる。したがって、対象の静的ゾーンおよび動的ゾーンの両方が確立されることができ、LEOにおける衛星クラスタのメンバによって擬似静止動作が達成され得る。
【0051】
図5は、衛星装置410〜414を含む衛星クラスタ501を備える衛星環境500を含む。
図5はまた、地上システム430、地球440、および対象のゾーン541を含む。動作において、衛星クラスタ501のメンバは、
図1の層通信について説明したような1つ以上の通信リンクを介して通信することができるが、変形が可能である。衛星装置410〜414はそれぞれ、地球440の周りの軌道を移動し、この軌道は、示された軌道方向を使用して
図4に示されている。異なる軌道および軌道方向を採用できることを理解されたい。
図5はまた、
図1に見られるような異なる層など、衛星装置410〜414とは異なる軌道にある場合がある衛星装置515を含む。衛星装置515との通信のために、軌道間または層間通信リンク141を確立することができる。
【0052】
図5の例は通信リンクベースの対象のゾーン541を含むので、現在の衛星装置は、擬似静止ウィンドウ502の確立のための信号強度測定、RF信号強度または光信号強度判定を実行するように構成される。現在の衛星装置と対象のゾーンとの間の通信見通し線リンク523が
図5に示されている。信号強度を使用して擬似静止ウィンドウを確立することができるが、地上システム430の地理的位置または座標などの他の考慮事項もまた採用されて擬似静止ウィンドウを定義することができる。
【0053】
対象のゾーンを確立するために、地上システム430は、地上から衛星へのリンク523を介して1つ以上のタスク命令を衛星クラスタ501に転送することができる。本明細書のピアツーピア通信の例と同様に、いずれの衛星装置も、タスク命令を受信し、特定の軌道層のピア衛星などの他のピア衛星に、または別の軌道層の衛星装置515にタスク命令を配信することができる。各衛星が擬似静止ウィンドウに進入すると、状態情報はタスク命令と、擬似静止ウィンドウを離れる衛星装置からの永続的な状態転送を示す。状態情報は、発信されたデータ、処理済みデータ、ネットワークトラフィック、データパケット、ネットワーク通信、またはその他の情報を含み得る。
【0054】
したがって、擬似静止ウィンドウ502を使用して、対象のゾーン541に対して継続的な監視の「鎖」が達成される。各衛星装置が擬似静止ウィンドウ502に進入すると、衛星装置は、タスク命令によって示されるか、または擬似静止ウィンドウ502を出る1つ以上の衛星装置から転送される状態情報によって示される通信ルーティング動作を開始するように構成される。擬似静止ウィンドウ502を通過する間、関連する衛星装置は、トラフィックをリンク523を介して地上システム430にルーティングすること、クラスタ501の衛星装置にルーティングするために地上システム430から通信を受信すること、または他のトラフィックルーティング動作などの、タスク命令または状態情報によって示される1つ以上のタスクを実行する。擬似静止ウィンドウ502の退出に応じて、衛星装置は、ルーティング命令を含む状態情報または他のタスク命令を、擬似静止ウィンドウ502に進入するさらなる後続の衛星装置に転送することができる。したがって、別の「進入する」または「入ってくる」衛星装置は、「退出する」または「出ていく」衛星装置によって終了したタスクを再開する。擬似静止ウィンドウは、実際の衛星装置が静止軌道にあることなく、地球440の表面に同期して確立することができる。
【0055】
状態情報またはタスク命令は、1つ以上の仮想マシン画像または仮想マシン状態情報、あるいはルーティングまたはトラフィック処理仮想ノード用のルーティング命令を含むことができる。擬似静止ウィンドウに進入する各衛星装置は、特定の仮想ノードを実行して、1つ以上の対応するルーティング/通信タスクを実行できる。状態情報は、擬似静止ウィンドウを離れる衛星のタスクを再開するためなど、仮想ノードをプロビジョニングするために使用できる。各衛星が擬似静止ウィンドウを循環すると、状態情報は、退出する衛星装置により順次転送され(421)、対象のゾーン541にある地上システム430と継続的に通信するために、進入する衛星装置に更新され得る(422)。これらのルーティング/通信タスクおよび状態情報は、衛星装置によって実行される1つ以上の仮想ノードを使用して達成できるため、擬似静止ウィンドウを退出するときに、衛星装置の関連する仮想ノードは更新された状態またはルーティング命令を別の衛星装置に転送でき、この衛星装置は擬似静止ウィンドウに関してタスクを継続するために、さらなる仮想ノードを開始する。したがって、準静止ウィンドウ502内の軌道通過の間、各通過衛星装置は、通過衛星装置の関連する通信システムに、衛星クラスタ502の通信トラフィックの少なくとも一部を固定位置地上通信システムと交換するネットワークルーティング命令にしたがって、他の衛星装置から受信した通信トラフィックをルーティングするように命令するように構成される。
【0056】
図6は、
図4および
図5の要素についてのさらなる動作例を含む。
図6では、衛星クラスタが、下方にある対象のゾーンに対応する擬似静止ウィンドウを確立する(601)。下方にある対象のゾーンは、地理的座標、下方にある地理的特徴への近接度を、地上局との通信リンクの信号特性、またはその他の定義に基づいて、追跡されたオブジェクトに基づいて、定義され得る。対象のゾーンに関連する衛星装置の軌道または空間の測位を使用して、衛星のクラスタの軌道内で擬似静止ウィンドウを定義できる。衛星クラスタの複数の衛星装置は、下方にある対象のゾーンへの空中の近接性を少なくとも判定することに基づいて、擬似静止ウィンドウへの進入または擬似静止ウィンドウからの退出を判定するように構成される。擬似静止ウィンドウへの出入りは、少なくとも下方にある対象のゾーンに対応する対象のオブジェクトに対する空中の近接性の判定に基づいて、下方にある対象のゾーンに対応する地上システムとの通信の信号強度に基づいて、または他の出入りの基準、それらの組み合わせに基づいて、複数の衛星装置によって判定され得る。
【0057】
擬似静止ウィンドウから退出する各衛星装置は、進入する衛星装置に状態情報を転送する(602)。進入する衛星装置はそれぞれ、擬似静止ウィンドウ内の軌道通過を検出し(603)、状態情報にしたがって指定されたソフトウェアペイロードを応答して実行する(604)。状態情報は、擬似静止ウィンドウに進入するターゲット衛星装置によって受信するために、擬似静止ウィンドウを離れる、出ていく衛星装置からの指定されたソフトウェアペイロードの実行に関連付けられることができる。いくつかの例では、ターゲット衛星装置による状態情報の受信は、状態情報に関連する仮想ノードの実行をトリガできる。擬似静止ウィンドウ内の軌道通過の間、ターゲット衛星装置は、状態情報にしたがって指定されたソフトウェアペイロードを実行するように構成され、状態情報は、衛星装置の仮想化実行システム内の仮想ノードとして1つ以上のアプリケーションを実行することを含んでもよい。擬似静止ウィンドウからの退出の検出に応答して、状態情報の少なくとも一部を判定し、状態情報の少なくとも一部を1つ以上の新しいターゲット衛星装置に配信するように構成された、出ていく衛星装置。退出するまたは出ていく衛星装置による退出時の状態情報の転送の代替として、インバウンドまたは進入する衛星装置は、擬似静止ウィンドウへの進入の検出に応じて状態情報を要求できる。
【0058】
いくつかの例では、状態情報はルーティング命令を含み、擬似静止ウィンドウ内の軌道通過中に、ターゲット衛星装置は、ルーティング命令を使用して地上システムに配信するために、他の衛星装置から受信した通信トラフィックをルーティングするように構成されている。他の衛星装置は、擬似静止ウィンドウ内のターゲット衛星装置に到達するために必要な可能性がある「ホップ」の数に応じて、0個以上のピア衛星装置を介してターゲット衛星装置に配信するために通信トラフィックをルーティングするように構成される。衛星装置のサブセットが、擬似静止ウィンドウを通過する衛星装置のうちの1つからより高い軌道距離を周回する場合、衛星装置のサブセットは、層間通信リンクを使用するなどして、擬似静止ウィンドウを通過する衛星装置のうちの1つを介して地上システムに配信するために、サブセットの通信をルーティングするように構成できる。
【0059】
ここで
図7〜
図9を参照すると、軌道衛星クラスタまたは軌道衛星プラットフォームのメンバ間の特殊な役割をサポートするために衛星のクラスタを構成するための様々な例が示されている。各メンバは、衛星装置のスキルセットまたはプロビジョニング構成により、1つ以上の特殊なタスクを処理するように割り当てられることができる。ピアツーピア通信を使用して、衛星装置のクラスタ間でワークロードまたはデータを転送し、特殊なタスクを実行するように構成された様々な衛星装置に到達する。これらの特殊なタスクは、データ処理タスク、グラフィック処理タスク、通信タスク、データストレージタスク、ピア監視タスク、検知タスク、またはそれらの組み合わせを含むその他を含む。
【0060】
図7は、衛星環境700で特殊なタスクを使用する第1の例である。衛星環境700は、複数の衛星装置(SAT)710〜714を備える衛星クラスタ701を含む。各衛星装置は地球740の周りの軌道にあり、衛星装置は1つ以上の軌道層に含まれている場合がある。地上システム730は、リンク742を介して1つ以上の地上システムから衛星クラスタ701に通信するために使用することができる。
【0061】
通信リンク721〜724は、関連する衛星装置間で確立され、各衛星装置は互いに「ピア」として機能できる。通信リンク721〜724は、使用されるネットワークトポロジに応じて、順方向および逆方向の循環方向を含む場合がある1つ以上の経路を備える通信ネットワークを形成することができる。通信リンク721〜724は、1つ以上のネットワークまたは通信プロトコルを使用するネットワークトラフィックを運ぶ1つ以上のRFリンクまたは光リンクを含むことができる無線リンクを備えてもよい。ネットワークトラフィックは、とりわけ、カスタマイズされた通信形式を含む、IP通信などのパケット通信を含み得る。
【0062】
衛星装置710〜714の各々は、特定のタスク(単数または複数)に特化した1つ以上の指定された役割を有することができる。これらの役割は上述の役割、ならびにデータ処理役割、データストレージ役割、撮像役割、衛星から地上への通信役割、および仮想化ソフトウェア実行役割を含むことができる。特化した役割は、各衛星装置のハードウェア要素とソフトウェア要素との間のプロビジョニング特性またはバージョニング特性に基づくことができる。
【0063】
例えば、第1の衛星装置は、より高いレベルのグラフィックデータ処理を処理できるグラフィック処理ユニット(GPU)を含んでもよく、第2の衛星装置は、GPUはないが、画像データを処理してオブジェクト追跡またはオブジェクト認識を実行するために特化したソフトウェアパッケージを含んでもよい。撮像データは、見通し線撮像データ741を取り込むソース衛星装置710から、1つ以上のデジタルフィルタまたは他の前処理ステップを適用するために撮像データを処理できるGPU712を有する別の衛星装置に渡されてもよく、さらに別の衛星装置が前処理された撮像データを受信して、そのデータに対してオブジェクト認識プロセスを実行できる。最終衛星装置714は、適切な通信回路、アンテナ配置、または地上局730への近接性に基づいて、衛星から地上への通信のための通信の役割を有してもよい。この最終衛星は、GPU処理またはオブジェクト認識プロセスが完了した後、処理された撮像データを受信し、おそらく地上の宛先への1つ以上のパケットネットワークを介して、他のネットワークノード、サーバ、ストレージシステム、分散コンピューティングプラットフォームへのさらなるルーティングのために、地上局730に配信するために転送する。地上局730に転送する代わりに、ストレージ専用衛星装置711を使用して、後で他のシステムに転送するか、またはオブジェクト追跡、タイムラプス、ビデオキャプチャ、または関連プロセス用に後で他の撮像データと比較するために、撮像データまたは処理された撮像データを保存してもよい。さらなる例において、ストレージ役割衛星装置711を使用して、他の衛星装置にプロビジョニングするための仮想マシン画像、ソフトウェアペイロード、アプリケーション、または仮想マシン実行状態情報を保存してもよい。
【0064】
衛星クラスタ701の衛星装置は、衛星クラスタ701の衛星装置の中から1つ以上のターゲット衛星装置を識別して、衛星装置に対して判定された属性スコアリングメトリックに部分的に基づいて、特殊なタスクを処理するように構成され得る。属性スコアリングメトリックは、少なくとも特殊な役割の一部について、各ターゲット衛星装置の能力評価を示すことができる。一例として、例示的な衛星装置713について特殊な役割スケジュールデータ構造750が
図7に示されており、各衛星装置は同様のデータ構造を含むことができる。このデータ構造は、第1列で衛星クラスタ701の各衛星装置の識別子またはアイデンティティを示し、第2列以降の列で本明細書で述べたような様々な特殊な役割の能力スコアを示すことができる。衛星装置が特殊な役割を使用したい場合、その衛星装置はスケジュール750を参照して、どの衛星装置が特殊なデータまたは通信タスクに最適かを選択できる。その後、選択した衛星装置(単数または複数)に配信するために、データ、通信、状態情報、またはタスク命令が転送され得る。この転送は、
図7のリンク721〜724など、1つ以上のピアツーピア衛星経由で発生する可能性がある。さらなる例では、スケジュール750のようなデータ構造は、特定の衛星装置を識別または選択するために採用されない場合がある。代わりに、衛星装置は、データ、通信、状態情報、またはタスク命令をブロードキャスト方式で任意の衛星装置に配信するために転送し、タスク命令で指定された特定の役割に一致する衛星装置は、データ、通信、状態情報、またはタスク命令の受信に基づいて、応答して処置を実行できるが、他の衛星装置はその転送を無視する場合がある。
【0065】
図8は、衛星クラスタの衛星装置間の役割特化の別の例である。衛星構成800は、それぞれが1つ以上の通信リンク821〜825によって通信可能に結合された複数の衛星装置811〜816を含む。動作中、衛星装置811〜816のうちの1つ以上は、割り当てられたまたは指定された特殊な役割を有することができる。これらの役割は、衛星装置811〜816のそれぞれに含まれるソフトウェアまたはハードウェア要素に基づいて確立することができる。
【0066】
ソフトウェア要素が特殊な役割を定義するとき、役割は、どの仮想マシン画像が各衛星装置に現在常駐するか、各衛星装置で現在更新されているソフトウェアレビジョン、または各衛星装置811〜816に現在存在する特性他のソフトウェア要素に基づいて確立できる。ハードウェア要素が特殊な役割を定義する場合、役割は、ハードウェア要素、回路、処理要素、通信要素、送信機または受信機の特性、アンテナ構成、アンテナアライメントまたは特性、データストレージ装置または容量、データ処理機能、データ処理速度、データ処理の可用性または利用レベル、通信帯域幅、通信周波数、通信信号強度、センサタイプ、センサ機能、センサ可用性、センサアライメント、衛星測位、あるいはハードウェア要素の存在またはハードウェア要素の現在の機能に関連するその他の特性に基づいて確立され得る。
【0067】
衛星装置813について例示的な衛星装置構成要素が示されており、これらは衛星装置811〜816のいずれかに含まれることができる。衛星装置813は、オペレーティングシステム(OS)/ハイパーバイザ832によって提供される衛星装置813の仮想化実行システムによって実行される1つ以上の仮想ノードと、明確にするために図示しない様々な処理システムおよびメモリ装置要素を含む。さらに、衛星装置間のピアツーピア通信、またはいくつかの例では衛星から地上への通信のために、通信システム831が含まれる。仮想ノードは、タスク弁別部やタスク実行部などの要素を含み得る特殊なタスク処理を処理するタスク実行システムとして構成され得る。タスク弁別部は、他の機能の中でもとりわけ、インバウンドタスクがタスクを受信する特定の衛星装置の平均であるか否かを判定し、クラスタのどの衛星装置が特殊な役割を有するかを判定し、特殊な役割に関して衛星装置間の能力のスコアリングまたはランク付けを実行できる。タスク実行部は、特定の衛星装置に向けられたときに、特殊なタスクのローカル実行を処理できる。このローカル実行は、タスクを実行するための1つ以上の追加の仮想ノードの生成または開始、タスクのパフォーマンスおよび完了の監視、完了時に別のタスクまたは衛星装置に配信するためのデータまたは状態情報の転送を含み得る。衛星から地上へのルーティングの特殊な役割として構成されている場合、タスク実行部は、ネットワークトラフィックを地上システム、別の軌道層の衛星装置、または他の通信エンドポイントと交換するためのネットワークトラフィックルータまたはブリッジとして動作してもよい。
【0068】
図8の各衛星装置は、少なくとも1つのピア衛星装置からタスク記述を受信するように構成された通信システムと、タスク記述によって示される特殊な役割を識別し、衛星装置が少なくともソフトウェア要素およびハードウェア要素の現在のプロビジョニングに基づいて特殊な役割をサポートするかを判定するように構成されたタスク実行システムとを含み得る。少なくとも特殊な役割のうちの1つ以上をサポートする衛星装置に基づいて、タスク実行システムは、関連付けられたタスク記述にしたがって1つ以上のタスクを実行するように構成される。少なくとも特殊な役割のうちの1つ以上をサポートしていない衛星装置に基づいて、関連するタスク記述をさらなるピア衛星装置に配信するために転送するように、通信システムに指示するように構成されるタスク実行システム。上述のように、タスク命令またはタスクデータは、衛星装置のタスク実行システムによる仮想ノードの実行に関連する状態情報を含む場合がある。これらの例では、少なくとも特殊な役割のうちの1つ以上をサポートする衛星装置に基づいて、関連付けられたタスク実行システムは、状態情報にしたがって1つ以上のソフトウェアアプリケーションを関連付けられた仮想ノードとして実行するように構成され得る。
【0069】
特定の例では、起点衛星811は、衛星811によって発信されたデータに必要なデータ処理のタイプに特化した役割を有する別の衛星装置による処理のために、データを発信できる。衛星811は、このタスクデータ850を、任意の関連するタタスク命令とともに、専用衛星装置、すなわち衛星装置813に配信するために転送することができる。衛星装置813は、タスクデータ850を受信し、タスクデータが、衛星装置813による処理を意図されており、タスクデータ851に付随する任意のタスク命令に対応するデータ処理タスクであることを判定できる。タスクデータは、衛星装置811によって追加のグラフィック処理が必要な撮像データを含むことができ、したがって、衛星装置813はこの追加のグラフィック処理を実行することができる。とりわけ、通信ルーティング、データストレージ、ソフトウェアプロビジョニング、仮想マシン画像または状態分配などの特殊な役割の他の例を採用できる。
【0070】
衛星装置813がタスクデータ850に対して関連するデータ処理を完了すると、タスク命令は、処理されたデータが衛星装置811に返されることを示す場合がある。ただし、この例では、タスク命令は、処理されたデータが地上システムへの配信のために転送されることを示している。衛星装置813は、地上通信の特殊な役割を有するクラスタの衛星装置を識別し、処理されたデータをその衛星装置、すなわち衛星装置816に配信するためのさらなるタスクデータ851として転送することができる。タスクデータ850およびタスクデータ851は、宛先衛星装置への途中で1つ以上のピア衛星装置を通過できることに留意されたい。これらのピア衛星装置は、
図1で順方向/逆方向循環ネットワーク構成について説明したものなど、通信ネットワークのメンバであり得る。ピア衛星装置はタスク命令において宛先として識別されていないか、または特殊な役割がないため、これらのピア装置はタスクデータをさらなるピア装置に転送し続ける。タスク命令は、特定の衛星装置または付随するタスクデータに必要なタスク役割を示すアドレス情報またはヘッダー情報を有する1つ以上のネットワークパケットを含んでもよい。タスクデータは、ネットワークパケットのペイロード部分に含まれる場合がある。さらなるタスクデータ851の受信に応答して、衛星装置816は、タスクデータ851(または付随するタスク命令によって示されるように)が衛星装置816によって地上システムにルーティングされることを判定することができる。次に、衛星装置816は、地上システムに配信し、処理されたデータを地上コンピューティングシステムにさらに分配するために、タスクデータ852をルーティングすることができる。
【0071】
図9は、
図8のクラスタ化された衛星装置での特殊な役割の動作のさらなる例である。
図9では、クラスタ800は、特殊な役割向けの含まれる要素に基づいて、衛星装置間で特殊な役割を定義する(901)。各衛星装置は、特殊な役割のうちの1つ以上を使用してサービスされるデータタスクを識別し(902)、ターゲット衛星装置間の特殊な役割を示す属性に基づいてデータタスクを処理するターゲット衛星装置を判定する(903)。ターゲット衛星装置の選択は、ターゲット衛星装置に対して判定された属性スコアリングメトリックに一部基づいて行うことができ、属性スコアリングメトリックは、特殊な役割の少なくとも一部について、各ターゲット衛星装置についての能力評価を示す。次に、衛星装置は、データタスクを実行するためにターゲット衛星装置に配信するために、任意の関連するタスク命令とともにタスクデータを転送する(904)。
【0072】
いくつかの例では、タスクデータまたはタスク命令は、衛星装置による仮想ノードの実行に関連する状態情報を含み、ターゲット衛星装置は、状態情報を受信し、状態情報にしたがって1つ以上のソフトウェアアプリケーションを仮想ノードとして実行するように構成された仮想化実行システムを含む。さらに、衛星装置の個々の衛星装置は、衛星クラスタの1つ以上のピア衛星装置を介してタスクデータおよびタスク命令を転送してターゲット衛星装置に到達するようにさらに構成され得る。タスクデータの受信に応答して、関連する各ピア衛星装置は、関連するピア衛星装置の1つ以上の属性に対して受信したタスクデータを評価して、関連するピア衛星装置が、タスクデータにしたがって動作すべきか、またはタスクデータを少なくとも1つのさらなるピア衛星へ転送すべきかを判定するように構成され得る。
【0073】
ここで
図10〜
図12を参照すると、これらの図は、軌道衛星クラスタまたは軌道衛星プラットフォームの衛星装置間の状態転送の様々な例を詳述している。状態転送は、ストレージエリアネットワーク(SAN)ベースの構成を使用して容易にすることができ、この場合、衛星クラスタの少なくとも1つの衛星装置は、他の衛星装置による仮想ノードの実行に関する状態情報を保存するための1つ以上のデータストレージシステムを含むことができる。ただし、衛星システムでは、衛星間通信の帯域幅が制限されているか、または信頼できない場合がある。さらに、地上システムとの通信は断続的かつ低帯域幅になる可能性がある。したがって、
図10〜
図12の様々な例は、衛星クラスタ内の衛星装置間の状態転送を処理するための強化された動作を含み、帯域幅が制限された動作が発生する可能性がある。
【0074】
地上ベースの仮想化実行システムでは、仮想マシンまたは仮想ノードは、高速ネットワークリンクを介した遠隔サーバからなどの遠隔ソースから「起動」される場合がある。これらの高速リンクは、仮想マシンまたは仮想ノードの起動に必要な仮想マシン画像または仮想化コンテナの高帯域幅およびリアルタイム転送を可能にするギガビットイーサネット(登録商標)または高速構成を含み得る。ただし、衛星クラスタやプラットフォームなどの宇宙ベースのシステムでは、リンクは、通常ワイヤレス(RFまたは光)であり、通常は信頼性が低く、帯域幅が低く、周囲の放射条件、衛星の向き、距離、信号限界上の通過、見通し線の課題に応じて、または他の考慮事項により断続的になる場合がある。さらに、地上システムからの仮想マシンまたは仮想ノード情報の転送は、クラスタの多くの衛星装置による関連する地上システムとの見通しの欠如により、常に達成できるとは限らない可能性がある。衛星自体の動きもまた、これらの転送を複雑にする可能性がある。したがって、周回衛星間で仮想マシン画像や他の仮想ノードの状態情報をプロビジョニングすることは困難であり得る。
【0075】
図10は、衛星装置間の状態転送の第1の構成例である。
図10では、衛星装置(SAT)1010〜1013などの複数の衛星装置を含むシステム1000が提示されている。これらの衛星装置は、
図1に示す層状構成など、1つ以上の軌道構成に展開できる。循環ネットワークは、衛星装置間で形成されるか、または代わりにポイントツーポイント通信方式が採用される場合がある。ただし、
図10における例の目的のためには、衛星装置1011は衛星装置1012への直接通信パスを有さず、1つ以上のピア衛星装置を介して通信する必要がある。通信リンク1021〜1024は、ピアツーピア通信ネットワークを形成し、各リンクは、本明細書で説明される無線通信リンクのいずれかを備えることができる。
【0076】
動作中、衛星装置1010は、仮想化実行システム内の仮想ノードを使用して1つ以上のアプリケーションを実行することなどにより、1つ以上のタスクを実行するように構成される。定期的に、衛星装置1010は、仮想ノードの現在の状態を、衛星クラスタのストレージエリアネットワーク(SAN)の一部として機能する衛星1012で更新する。衛星1012は、定期的な状態更新を受信でき、その状態更新を、ソリッドステート媒体、フラッシュメモリ、磁気媒体、相変化媒体、抵抗メモリ、または他の記憶媒体などの1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるストレージシステム1080を使用して保存する。
図10では、状態更新1081は、漸進的に、または代替の方法で保存されることができる。
【0077】
衛星装置1011は、衛星装置1010のエラー、誤動作、または故障の場合に、衛星装置1010のバックアップ衛星装置として構成される。衛星1011によるこのバックアップは、衛星装置1010に関する問題の検出後に、衛星装置1010によって実行されている1つ以上のタスクを再開することを含むことができる。ただし、状態更新を保存する衛星1010または衛星1012から現在の状態情報を衛星装置1011に転送できる場合、衛星装置1011は、衛星装置1010によって実行されているタスクのみを再開できる。
【0078】
図10に、この状態転送を処理するための動作例を示す。最初に、衛星装置1010は、本明細書で説明される仮想ノードを使用して1つ以上のタスクを実行する。仮想ノードの実行に関連する状態更新は、リンク1022を介して専用のストレージ衛星装置1012に更新される。衛星装置1011は、衛星装置1010の故障を監視する。代わりに、この監視は、他の例では衛星装置1012によって実行できる。
図10では、衛星装置1012はリンク1021および1022を介して到達不能になり、したがって故障が発生していると判定される。この検出された故障に応答して、衛星装置1011は、衛星装置1010のタスクを再開するために現在の状態情報を取得しようと試みることができる。ただし、リンク1021〜1022はもはや機能していないため、衛星装置1011は、代替ルート、すなわちリンク1023〜1024を介して、およびピア衛星装置1013を介して、衛星装置1012からこの状態情報を受信する。一例では、さらに更新された状態情報が衛星装置1010で利用可能であったが、衛星装置1012による保存のために転送されることはなかった、すなわち
図10の「状態4」である。したがって、衛星装置1011への転送に利用用できるのは、最新の「状態3」のみである。この「状態3」が受信されると、衛星装置1011は、状態情報にしたがって1つ以上の仮想ノードを開始し、衛星装置1010の1つ以上のタスクを再開することができる。
【0079】
図11は、
図10の要素のさらなる例、すなわち、関連するリンク1021〜1024を介して通信する衛星装置1010〜1013も含むシステム1100内を示している。ただし、
図11は高帯域幅リンク1125を追加し、リンク1023〜1024を低帯域幅リンクとして指定する。これらの各リンクの帯域幅は、現在の状況および本書で言及されている他の要因により、時間とともに変化する可能性がある。しかし、各リンクについて帯域幅の判定が行われると、所定のしきい値帯域幅レベルを使用して、衛星装置1010の監視ピアとして機能するバックアップ衛星装置に転送する「ステートフルネス」のレベルを判定できる。
【0080】
ステートフルネスのレベルは、状態情報の転送で示される詳細または記述のレベルに対応できる。一例では、ブロックレベルの状態転送を提供でき、仮想ノードへの変更のブロックレベルの表現が状態情報に記述されている。別の例では、ファイルレベルの状態転送を提供でき、仮想ノードへの変更のデータのファイルごとの表現が状態情報に記述されている。通常、ファイルレベルのステートフルネスは、衛星装置への転送に必要な帯域幅が少なくなるが、このファイルレベルのステートフルネスは、仮想ノードまたは仮想マシンの実行状態を完全に複製するために必要な詳細レベルを提供しない場合がある。一方、ブロックレベルのステートフルネスは、仮想ノードまたは仮想マシンの実行状態のより完全な複製を含み得るが、衛星装置間で転送するにはより多くの帯域幅を必要とする。
【0081】
図11に、この状態転送を処理するための動作例を示す。最初に、衛星装置1010は、本明細書で説明される仮想ノードを使用して1つ以上のタスクを実行する。仮想ノードの実行に関連する状態更新は、リンク1022を介して専用のストレージ衛星装置1012に更新される。衛星装置1011は、衛星装置1010の故障を監視する。代わりに、この監視は、他の例では衛星装置1012によって実行できる。
図11では、衛星装置1012はリンク1021および1022を介して到達不能になり、したがって故障が発生していると判定される。この検出された故障に応答して、衛星装置1011は、衛星装置1010のタスクを再開するために現在の状態情報を取得しようと試みることができる。ただし、リンク1021〜1022はもはや機能していないため、衛星装置1011は、代替ルートを介して衛星装置1012からこの状態情報を受信する。
【0082】
ただし、
図11では、代替ルートは、ピア衛星装置1013を介したリンク1023〜1024、またはリンク1125を介したより直接的なルートのいずれかを含み得る。この例では、リンク1125は高帯域幅と見なされ、衛星装置1012によって保存されたブロックレベル状態1183を転送できる一方、リンク1023〜1024は低帯域幅と見なされ、ブロックレベル状態1183を適時に衛星装置1012から衛星装置1011に転送できない。ブロックレベル状態1183を転送する代わりに、衛星装置1012は、衛星装置への配信のために、より低い強度であるがあまり正確ではないファイルレベル状態1182を送信することを選択してもよい。様々な帯域幅、しきい値、および適時性の要因は、変化する可能性があり、所定のレベル、故障した衛星装置の動作を再開するための所定の時間遅延、または他の要因に基づく場合がある。
【0083】
衛星装置1012に基づくストレージプラットフォーム(つまり、ストレージシステム1080の要素)は、衛星装置1012の仮想化実行システム上の1つ以上の仮想ノードとして実行されることができ、アクティブ衛星装置1010用の動作バックアップとして指定されたピア衛星装置1011に、状態情報を配信するためのステートフルネスレベルを選択するように構成され得る。このレベルのステートフルネスは、少なくとも衛星装置とピア衛星装置間の通信リンク品質に基づいて選択できる。例えば、所定のしきい値を下回る通信リンク品質に少なくとも部分的に基づいて、ストレージプラットフォームは、リンク1024〜1023およびピア衛星装置1013を介してピア衛星装置に配信するためのファイルレベルの状態情報を転送するように構成され得る。所定のしきい値を超える通信リンク品質に少なくとも部分的に基づいて、ストレージプラットフォームは、高帯域幅リンク1125を介してピア衛星装置に配信するためのブロックレベルの状態情報を転送するように構成され得る。
【0084】
衛星装置1011は衛星装置1012によって転送された状態情報を受信すると、衛星装置1011は1つ以上の仮想ノードの実行を開始して、衛星装置1010のタスクを再開することができる。ただし、特に帯域幅が制限されたシナリオでのファイルレベルの状態転送では、仮想ノードまたは仮想マシンを完全に定義するには状態情報が不完全な場合がある。ファイルレベルの状態情報の受信に応答して、衛星装置1011は、ファイルレベルの状態情報を使用して衛星装置1011に既に常駐する仮想マシン画像の差分更新を少なくとも実行することにより、アクティブ衛星装置の活動を再開するように構成され得る。
【0085】
差分更新は、通常はブロックレベルの状態転送に伴うデータの一部のみを使用してブロックレベルの状態を再作成するように、ファイルに差分パッチを適用するか、あるいは仮想ノードまたは仮想マシン内のファイルを置き換えることができる。ただし、ファイルレベルの差分パッチ適用が発生する前に、衛星装置1011に基本レベルのプロビジョニングが存在する必要がある。したがって、衛星装置1011は、ベースライン仮想マシン画像、仮想ノード、コンテナ、または後で差分方式でパッチが適用されて、仮想化データエンティティを起動し、利用可能な最新の状態情報にしたがって、衛星装置1010の動作を再開し得る他の仮想化データエンティティで、事前プロビジョニングされてもよい。
【0086】
衛星装置1011は、現在のプロビジョニングレベルに一部基づいて、または再開される仮想ノードの実行をサポートするために利用可能な現在のプロビジョニング属性に基づいて、衛星装置1010へのバックアップとして選択され得る。プロビジョニング属性は、ピア衛星装置に常駐する1つ以上の仮想マシン画像のバージョンレベルを含み得るか、または転送された状態情報にしたがって1つ以上のタスクを実行するために必要な特定のアプリケーションを含み得る。アクティブ仮想ノードの実行をサポートするプロビジョニング属性を欠く衛星装置のうちの1つ以上に応答して、アクティブ衛星装置1010とストレージ衛星装置1012のうちの少なくとも1つは、1つ以上の衛星装置のソフトウェア部分を更新するように構成されて、アクティブ仮想ノードの実行をサポートするプロビジョニング属性を含むことができる。ベースライン仮想マシン画像、アプリケーションバージョン、または他のソフトウェア要素を更新するなど、ソフトウェア部分が更新されると、関連する更新衛星装置は衛星装置1010へのバックアップ衛星装置に予定され得る。差分更新は、衛星装置1010の故障に応答して実行できる。
【0087】
前述の説明はアクティブ衛星装置のバックアップ動作に関連しているが、ソフトウェアプロビジョニングの現在のレベルに基づく差分状態転送の動作は、本明細書の他の例に適用できる。例えば、特定のターゲット衛星装置上の仮想ノードの実行をサポートできるこれらのターゲット衛星装置のプロビジョニング属性にしたがって、衛星間の特殊な役割が定義され得る。タスク転送プロセス中の状態転送は、ターゲット衛星装置で既に検出されているベースライン仮想マシンの差分更新を含み得る。差分更新は、ブロックレベルまたはファイルレベルの転送に基づくことができる。
【0088】
図12は、衛星装置のソフトウェア要素のベースラインプロビジョニングを更新するための衛星装置間の状態転送動作1200のさらなる例を含む。
図12では、初期衛星装置(SAT)1210は、本明細書に提示されている特殊なタスクまたは特殊な役割などのタスク/役割機能で指定されている。この衛星装置は、初期衛星装置1210の故障、誤動作、またはエラーが発生した場合に、バックアップ衛星装置として機能する1つ以上のピア衛星の識別を望む場合がある。
図12では、衛星装置(SAT)1211〜1212が最初にバックアップ衛星装置候補として識別される。
【0089】
衛星装置1210は、ソフトウェアプロビジョニングのレベル、仮想ノードの実行に関連する属性、ソフトウェアバージョン、オペレーティングシステムバージョン、カーネルバージョンまたはパッチレベル、あるいは他のソフトウェアプロビジョニング機能など、これらの候補衛星装置1211〜1212の機能を検出する。
図12では、衛星装置1211は、1つ以上のプロビジョニング機能を欠いているとして不適格である一方、衛星装置1212は、1つ以上のプロビジョニング機能を満たすと識別される。次に、衛星装置1210は、衛星装置1212とのピアリング/バックアップ配置を確立することができ、衛星装置1212は、衛星装置1210の故障を監視し、上記のような様々な状態情報を使用して衛星装置1210の1つ以上のタスクの動作を再開する。
【0090】
ただし、衛星装置1211のバックグラウンドプロビジョニングは、バックアップを追加するか、または将来の動作をサポートするために衛星装置1211の機能を強化するなど、望ましい場合がある。したがって、衛星装置1210または別の衛星装置のいずれかが、衛星装置1211に更新されたバックグラウンドプロビジョニングを開始して、衛星装置1211を1つ以上のプロビジョニング機能と整合させることができる。一例では、ストレージシステム1214にベースラインプロビジョニング情報を保存するストレージ中心の衛星装置1213を使用することができる。衛星装置1213は、衛星装置1211のソフトウェア要素を更新できる。
図12に示すように、これらのソフトウェア要素は、他のデータまたはソフトウェア要素の中でもとりわけ、仮想マシン画像、ソフトウェア、アプリケーション、状態情報、またはユーザデータを含み得る。衛星装置1211が十分なレベルにプロビジョニングされると、衛星装置1211が衛星装置1210のバックアップ衛星装置として指定されて、衛星装置1210の運用上の冗長性をさらに高めることができる。
【0091】
これらの動作は、新しいアプリケーションまたはタスクが地上局から衛星クラスタにアップロードされ、衛星クラスタのすべてのメンバがそのアプリケーションまたはタスクをサポートするソフトウェア要素でプロビジョニングされているわけではない場合に有利であり得る。このようにして、ソフトウェアアプリケーションまたはタスクを衛星クラスタのメンバに時間をかけて展開することができ、プロビジョニングレベルに達すると衛星装置がこれらの新しい動作を開始できる。さらに、衛星装置は通常軌道構成で展開されるため、ソフトウェアペイロードは、必要に応じてまたは直前に1つの衛星装置から別の衛星装置に移行して、対象のゾーンに対応する特殊なタスクをサポートできる。この直前のプロビジョニングにより、擬似静止ウィンドウに入る前に衛星装置にソフトウェア要素が確実にプロビジョニングされるため、既存の衛星装置からの状態転送で、進入する衛星装置に既に常駐する適切なソフトウェア要素を見つけて、擬似静止ウィンドウ内で指定されたタスクを実行できる。
【0092】
さらに、層状軌道配置が採用される場合、第1のセットの衛星装置は、第2のセットの衛星装置よりも低い軌道層にあり得る。下軌道層を周回する衛星装置の少なくとも1つは、仮想ノードの実行に関連する関連状態情報を維持するように構成された仮想化実行システムを含む場合がある。衛星装置間の通信ネットワークは、第2の軌道層において周回し、衛星装置の少なくとも1つへのバックアップとして構成される少なくとも1つのピア衛星装置に配信するために、通信ネットワークを介して関連状態情報を転送するように構成され得る。これらの高度なプロビジョニング手法は層状配置に適用でき、第1の軌道層のみが衛星クラスタ内で展開するためのソフトウェアペイロードを最初に提供する地上通信システムで確立された見通し線を有する。第1の層にソフトウェアペイロードがプロビジョニングされると、さらなる層上でソフトウェアペイロードを展開するために、そのさらなる層はプロビジョニングされ得る。
【0093】
図13は、一実装形態による仮想化衛星アプリケーションプラットフォームを提供する衛星コンピューティングシステム1300を示している。コンピューティングシステム1300は、衛星装置について本明細書で開示される様々な動作アーキテクチャ、プロセス、シナリオ、およびシーケンスが実施され得る任意のコンピューティングシステムまたはシステムの代表である。コンピューティングシステム1300は、前述の図のいずれかの衛星装置の例であり得るが、他の例も存在し得る。コンピューティングシステム1300は、通信インタフェース1301、センサ1302、および処理システム1303を備える。処理システム1303は、通信インタフェース1301およびセンサ1302にリンクされている。センサ1302は、撮像センサ、熱センサ、光センサ、または他の類似のタイプのセンサを備えてもよい。処理システム1303は、処理回路1305と、オペレーティングソフトウェア1307を格納するメモリ装置1306とを含む。コンピューティングシステム1300は、明確にするために示されていないバッテリ、太陽電池パネル、およびエンクロージャなどの他の周知の構成要素を含んでもよい。
【0094】
通信インタフェース1301は、ネットワークカード、ポート、無線周波数(RF)回路、光信号回路、処理回路およびソフトウェア、または他の通信装置などの通信リンクを介して通信する構成要素を備える。通信インタフェース1301は、通信媒体として空気または空間を使用する無線リンクを介して通信するように構成されてもよい。無線リンクは、RF通信、VHF通信、UHF通信、マイクロウェア通信、光通信(例えば、可視、赤外線、または紫外線)、およびそれらの組み合わせなどの任意の無線電磁通信を含むことができる。通信インタフェース1301は、光信号、様々な無線プロトコルの中でもとりわけ、インターネットプロトコル(IP)、IEEE802.11WiFi、通信信号、またはそれらの組み合わせを含む他の通信フォーマットを使用するように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、通信インタフェース1301は、衛星プラットフォーム内の1つ以上の他の衛星と通信し、地上制御システムと通信してもよい。
【0095】
処理回路1305は、メモリ装置1306からオペレーティングソフトウェア1307を検索して実行するマイクロプロセッサおよび他の回路を備える。メモリ装置1306は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を保存するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含み得る。メモリ装置1306は、単一のストレージ装置として実装され得るが、複数のストレージ装置またはサブシステムにわたって実装されてもよい。メモリ装置1306は、オペレーティングソフトウェア1307を読み取るためのコントローラなどの追加の要素を備えてもよい。記憶媒体の例は、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリ、ならびにそれらの組み合わせまたは変形、あるいは他のタイプの記憶媒体を含む。いくつかの実装形態では、記憶媒体は非一時的記憶媒体であり得る。
【0096】
処理回路1305は、通常、メモリ装置1306と通信インタフェース1301およびセンサ1302の一部も保持できる回路基板上に実装される。オペレーティングソフトウェア1307は、コンピュータプログラム、ファームウェア、または機械可読プログラム命令の他の形態を含む。オペレーティングソフトウェア1307は、制御モジュール1308、オペレーティングシステムモジュール1309、およびノード1310を含むが、任意の数のソフトウェアモジュールが同じ動作を提供してもよい。オペレーティングソフトウェア1307は、ユーティリティ、ドライバ、ネットワークインタフェース、アプリケーション、または他のタイプのソフトウェアをさらに含み得る。処理回路1305によって実行されると、オペレーティングソフトウェア1307は、処理システム1303に、本明細書で説明されるようにコンピューティングシステム1300を動作させるように命令する。
【0097】
少なくとも1つの実装形態では、仮想ノード1310は、完全なオペレーティングシステム仮想マシンまたはコンテナを表す衛星コンピューティングシステム1300に展開されてもよく、各ノードは特定のアプリケーションを提供するように構成される。ノードを実行するために、オペレーティングシステムおよび/またはハイパーバイザを含むことができるオペレーティングシステムモジュール1309は処理システム1303によって実行されてもよく、オペレーティングシステムモジュール1309はノード1310用のプラットフォームを提供する。いくつかの実装形態では、プラットフォームを提供する際に、オペレーティングシステムモジュール1309は、ノード1310内の各ノードに処理リソース、通信リソース、およびセンサリソースを割り当てるリソーススケジュールを有して構成され得る。このリソースの割り当ては、第1のアプリケーションに第1の期間のユーザセンサへのアクセスを提供し、第2のアプリケーションに第2の期間に同じユーザセンサへのアクセスを提供するなど、リソースの時分割割り当てを含んでもよく、1つ以上のコアを第1の仮想ノードに提供し、1つ以上の二次コアを第2の仮想ノードに提供するなど、リソースの物理的な共有をさらに含んでもよい。
【0098】
仮想ノード1310のそれぞれについてアプリケーションを実行することに加えて、オペレーティングシステムモジュール1309は、状態判定および分配用のプラットフォームをさらに提供し得る。この状態判定は、処理システム1303が各アプリケーションの状態を識別し、他の衛星および地上制御システムとその状態を共有することを可能にし得る。状態は、各アプリケーションノード内のプロセスの動作状態、および/または各アプリケーションノードのデータ状態を含んでもよい。状態は、衛星コンピューティングシステム1300上で実行されている様々なアプリケーションの回復に使用されてもよく、さらにアプリケーションに強化されたデータ動作を提供するのに使用されてもよい。例えば、衛星コンピューティングシステム1300上のノードとして実行されるアプリケーションは、第2の衛星ノードにデータを通信し得る。この衛星ノードは、第2の衛星上のセンサを使用して第2のデータを識別し、特定の動作を提供するために第1の衛星からのデータを第2のデータと組み合わせてもよい。この動作はいくつかの例での画像解析を含んでもよく、アプリケーションはオブジェクトが動いているか否か、オブジェクトのタイプ、オブジェクトの動きの速さ、または組み合わされたデータに基づいた他の同様の判定を行うことができる。
【0099】
例示的な例として、衛星コンピューティングシステム1300は、1つ以上の撮像センサまたはセンサ1302内の撮像システムを使用して、撮像センサによって収集された撮像データに関連する状態情報を確立することができる。識別されると、状態情報は第2の衛星装置に通信されてもよく、第2の衛星装置は、少なくとも第2の撮像センサによって取り込まれた撮像データで状態情報を修正するために第2の撮像センサを使用し得る。この修正は、少なくとも1つの下方にある対象のオブジェクトの位置追跡を含んでもよいか、または少なくとも1つの下方にある対象のオブジェクトの認識プロセスとして機能するために、第2の撮像センサによって取り込まれた撮像データに基づく状態情報の精密解析を含んでもよい。
【0100】
いくつかの例では、センサデータの追加解析を提供するために状態情報を交換することに加えて、またはその代わりに、状態情報はまた、衛星コンピューティングシステム1300のバックアップを提供するために使用されることもできる。特に、状態情報は、故障が検出されたときに第2の衛星装置が衛星コンピューティングシステム1300からの1つ以上の仮想ノードを実装することを可能にする第2の衛星装置と共有され得る。1つ以上の仮想ノードのこの実装または確立は、衛星コンピューティングシステム1300から状態情報を受信する衛星において直接行われてもよく、衛星コンピューティングシステム1300から状態情報を受信する衛星によって構成可能な第3衛星で行われてもよい。
【0101】
前の例では他の衛星に情報を提供するように示されていたが、衛星コンピューティングシステム1300はまた、他の衛星から状態情報を受信し、受信した状態情報にしたがって同様の動作を提供するように構成されてもよいことが理解されるべきである。これらの動作は、衛星コンピューティングシステム1300用のセンサに基づいて状態情報を修正すること、または二次衛星から提供される状態情報に基づいてバックアップピアリング動作を提供することを含むことができる。
【0102】
また
図13に示すように、衛星コンピューティングシステム1300は、衛星用の飛行制御システムとして使用される制御モジュール1308をさらに含む。特に、衛星コンピューティングシステム1300上の別個の処理回路を使用して動作することができる制御モジュール1308は、衛星の電力管理、物流管理、および飛行制御を担うことができる。いくつかの例では、制御モジュール1308は、ノード1310およびオペレーティングシステム1308から要求を受信してノード1310上のアプリケーションにデータを提供することができる。衛星の飛行を含まずに要求に対応できる場合、制御モジュール1308は、要求されたデータをオペレーティングシステムモジュール1309または対応するノードに提供することができる。対照的に、情報を提供することができないまたは飛行動作に対応することができないと判定された場合、制御モジュール1308は、データまたは飛行動作を提供することができない場合がある。
【0103】
含まれる説明および図は、当業者に最良の選択肢を構成して使用する方法を教示するための特定の実装形態を示している。本発明の原理を教示する目的で、いくつかの従来の態様は、簡略化または省略されている。当業者は、本開示の範囲内に入るこれらの実装形態からの変形形態を理解するであろう。当業者はまた、上述した特徴が様々な方法で組み合わせられて複数の実装形態を形成することができることを理解するであろう。結果として、本発明は、上述した特定の実装形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびそれらの均等物によってのみ限定される。