(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記第1吸引成分の量に関連する値の変化に伴う前記第2吸引成分の量の変化を抑制するよう前記第2電気負荷を制御する、請求項1から5のいずれか1項に記載の吸引成分生成装置。
前記制御部は、前記第1吸引成分の量に関連する値のばらつきに伴う前記第2吸引成分の量のばらつきを抑制するよう前記第2電気負荷を制御する、請求項1から6のいずれか1項に記載の吸引成分生成装置。
前記第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量は、前記第1吸引成分源から生成された前記第1吸引成分の少なくとも一部が前記第2吸引成分源を通る際に前記第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量である、請求項1に記載の吸引成分生成装置。
前記制御部は、前記第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量の目標値に基づき、前記第2電気負荷に供給する電力と、前記流量調整手段と、を制御するよう構成されており、
前記制御部は、前記流量調整手段の制御により、前記第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量が前記目標値を達成できると判断した場合、前記第2電気負荷を制御することなく、前記流量調整手段を制御する、請求項1に記載の吸引成分生成装置。
前記第1吸引成分の生成量の複数の目標値と前記第2吸引成分の生成量の複数の目標値との組み合わせに応じて決められ、ユーザにより選択可能な複数のモードを有する、請求項1から15のいずれか1項に記載の吸引成分生成装置。
前記関係は、前記第1吸引成分の量に関連する値と前記第2吸引成分源から生成される前記第2吸引成分の量に関連する値とを関連づける所定の関数又は所定の参照テーブルによって定められている、請求項17に記載の吸引成分生成装置。
第1吸引成分を生成するための第1吸引成分源と、第2吸引成分を生成するための第2吸引成分源と、前記第2吸引成分源から生成される前記第2吸引成分の量を調節する第2電気負荷と、前記第1吸引成分を前記第2吸引成分源を通して吸口へ導く第1流路と、前記第1吸引成分を前記第2吸引成分源を通さず吸口へ導く第2流路と、前記第1流路の流量と前記第2流路の流量との割合を調整する流量調整手段と、前記第2電気負荷の外側に設けられる断熱部と、を有する吸引成分生成装置を制御する方法であって、
前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量に関連する値に基づき、前記第2電気負荷に供給する電力を制御することを含む、吸引成分生成装置を制御する方法。
【発明の概要】
【0007】
第1の特徴は、吸引成分生成装置であって、第1吸引成分を生成するための第1吸引成分源と、第2吸引成分を生成するための第2吸引成分源と、前記第2吸引成分源から生成される前記第2吸引成分の量を調節する第2電気負荷と、制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量に関連する値に基づき前記第2電気負荷に供給する電力を制御するよう構成されていることを要旨とする。
【0008】
ここで、第1吸引成分源は、エアロゾル源と香味源のいずれをも含み得る。第2吸引成分源は、エアロゾル源と香味源のいずれをも含み得る。ただし、第1吸引成分源がエアロゾル源と香味源のうちの一方である場合、第2吸引成分源は、エアロゾル源と香味源のうちの他方であることが好ましい。さらに、第2電気負荷は、可能な限り、後述する霧化用電気負荷と香味用電気負荷のいずれをも含み得る。
【0009】
第2の特徴は、第1の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量を調整可能な第1電気負荷を有し、前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量に関連する値は、第1吸引成分の量の測定値又は推定値、前記第1電気負荷に供給する電力、前記第1電気負荷の温度、又は第1電気負荷に電力を供給する時間であることを要旨とする。
【0010】
第3の特徴は、第2の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第1電気負荷は、温度調節器であることを要旨とする。
【0011】
第4の特徴は、第1の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分が生成される領域の温度を監視する温度センサを有し、前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量に関連する値は、前記温度センサによって取得した値であることを要旨とする。
【0012】
第5の特徴は、第1の特徴から第4の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記第2電気負荷は温度調節器であることを要旨とする。
【0013】
第6の特徴は、第1の特徴から第5の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記制御部は、前記第1吸引成分の量に関連する値の変化に伴う前記第2吸引成分の量の変化を抑制するよう前記第2電気負荷を制御することを要旨とする。
【0014】
第7の特徴は、第1の特徴から第6の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記制御部は、前記第1吸引成分の量に関連する値のばらつきに伴う前記第2吸引成分の量のばらつきを抑制するよう前記第2電気負荷を制御することを要旨とする。
【0015】
第8の特徴は、第7の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分の量に関連する値の設定値が可変に構成されており、前記制御部は、前記設定値が変更された場合に、前記第2吸引成分の量の変化を抑制するよう前記第2電気負荷を制御することを要旨とする。
【0016】
第9の特徴は、第1の特徴から第8の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分源から生成された前記第1吸引成分の少なくとも一部を前記第2吸引成分源を通して出口へ到達させる流路を有することを要旨とする。
【0017】
第10の特徴は、第9の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量は、前記第1吸引成分源から生成された前記第1吸引成分の少なくとも一部が前記第2吸引成分源を通る際に前記第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量であることを要旨とする。
【0018】
第11の特徴は、第9の特徴又は第10の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分源は、エアロゾル源であり、前記第2吸引成分源は、エアロゾルに香味成分を付与する香味源であることを要旨とする。
【0019】
第12の特徴は、第9の特徴から第11の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分を前記第2吸引成分源を通して吸口へ導く第1流路と、前記第1吸引成分を前記第2吸引成分源を通さず吸口へ導く第2流路と、前記第1流路の流量と前記第2流路の流量との割合を調整する流量調整手段と、を含むことを要旨とする。
【0020】
第13の特徴は、第12の特徴における吸引成分生成装置であって、前記制御部は、前記第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量の目標値に基づき、前記第2電気負荷に供給する電力と、前記流量調整手段と、を制御するよう構成されており、前記制御部は、前記流量調整手段の制御により、前記第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量が前記目標値を達成できると判断した場合、前記第2電気負荷を制御することなく、前記流量調整手段を制御することを要旨とする。
【0021】
第14の特徴は、第1の特徴から第8の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記第2吸引成分源から生成された前記第2吸引成分の少なくとも一部を前記第1吸引成分源を通して出口へ到達させる流路を有することを要旨とする。
【0022】
第15の特徴は、第13の特徴又は第14の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第2吸引成分源は、エアロゾル源であり、前記第1吸引成分源は、エアロゾルに香味成分を付与する香味源であることを要旨とする。
【0023】
第16の特徴は、第11の特徴又は第15の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分の量に関連する値の設定値が可変に構成されており、前記設定値の可変範囲は、既定量の前記香味成分を前記エアロゾルに付与可能な値によって規定されることを要旨とする。
【0024】
第17の特徴は、第11の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第2電気負荷は、温度調節器であり、前記エアロゾルの量に関連する値の設定値が可変に構成されており、前記制御部は、前記エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量が小さいほど前記香味源の温度を高くするように前記温度調節器を制御し、前記設定値の下限は、前記香味源が燃焼されない範囲に規定されることを要旨とする。
【0025】
第18の特徴は、第17の特徴における吸引成分生成装置であって、前記下限は、前記香味源から生成される香味成分の量に関する値に応じて可変であることを要旨とする。
【0026】
第19の特徴は、第11の特徴又は第15の特徴における吸引成分生成装置であって、前記エアロゾルの量に関連する値の設定値が可変に構成されており、前記設定値の上限は、エアロゾルの生成に伴う前記エアロゾル源の消費速度が前記エアロゾル源が霧化されるところへの前記エアロゾル源の供給速度を越えないよう規定されることを要旨とする。
【0027】
第20の特徴は、第1の特徴から第19の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分の生成量の複数の目標値と前記第2吸引成分の生成量の複数の目標値との組み合わせに応じて決められ、ユーザにより選択可能な複数のモードを有することを要旨とする。
【0028】
第21の特徴は、第1の特徴から第5の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記制御部は、前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量に関連する値と、前記第2吸引成分源から生成される前記第2吸引成分の量に関連する値との関係に基づき、前記第2電気負荷を制御するよう構成されていることを要旨とする。
【0029】
第22の特徴は、第21の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量を調整する調整手段を有し、前記制御部は、前記第2電気負荷と前記調整手段の両方を制御するよう構成されていることを要旨とする。
【0030】
第23の特徴は、第22の特徴における吸引成分生成装置であって、前記第1吸引成分源から生成された前記第1吸引成分の少なくとも一部を前記第2吸引成分源を通して出口へ到達させる流路を有し、前記第1吸引成分源は、エアロゾル源であり、前記第2吸引成分源は、エアロゾルに香味成分を付与する香味源であり、前記制御部は、所定のエアロゾル量及び所定の香味の量を達成するため、前記第2電気負荷を制御する前に前記調整手段を優先的に制御するよう構成されていることを要旨とする。
【0031】
第24の特徴は、第21の特徴から第23の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記関係は、前記第1吸引成分の量に関連する値と前記第2吸引成分源から生成される前記第2吸引成分の量に関連する値とを関連づける所定の関数又は所定の参照テーブルによって定められていることを要旨とする。
【0032】
第25の特徴は、第21の特徴から第24の特徴のいずれかにおける吸引成分生成装置であって、前記関係は、前記第1吸引成分源の種類と前記第2吸引成分源の種類との少なくとも一方に応じて異なっていることを要旨とする。
【0033】
第26の特徴は、第1吸引成分を生成するための第1吸引成分源と、第2吸引成分を生成するための第2吸引成分源と、前記第2吸引成分源から生成される前記第2吸引成分の量を調節する第2電気負荷と、を有する吸引成分生成装置を制御する方法であって、前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量に関連する値に基づき、前記第2電気負荷に供給する電力を制御することを含むことを要旨とする。
【0034】
第27の特徴は、第26の特徴に係る方法を吸引成分生成装置に実行させるプログラムであることを要旨とする。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
【0037】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
【0038】
[開示の概要]
特許文献1に記載された喫煙装置は、タバコ香味等を有するエアロゾルを生成する。しかしながら、エアロゾルの量に対するタバコ香味の量は、装置の設計に応じて決まり、エアロゾルの量とタバコ香味の量とを互いに独立に変更することは困難である。
【0039】
特許文献2は、紙巻煙草の葉を加熱するヒーターと、アトマイザー中に設けられたヒーターと、を別々にコントロールされることを開示する。しかしながら、特許文献2は、これらのヒータをどのように制御するかについて具体的な記載はほとんどない。
【0040】
一態様によれば、吸引成分生成装置は、第1吸引成分を生成するための第1吸引成分源と、第2吸引成分を生成するための第2吸引成分源と、前記第2吸引成分源から前記第2吸引成分を生成させる電気的負荷と、制御部と、を有する。前記制御部は、前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量に関連する値に基づき前記電気的負荷に供給する電力を制御するよう構成されている。
【0041】
一態様によれば、吸引成分生成装置を制御する方法は、第1吸引成分を生成するための第1吸引成分源と、第2吸引成分を生成するための第2吸引成分源と、前記第2吸引成分源から前記第2吸引成分を生成させる第2電気負荷と、を有する吸引成分生成装置を制御する方法であって、前記第1吸引成分源から生成される前記第1吸引成分の量に関連する値に基づき、前記第2電気負荷に供給する電力を制御することを含む。
【0042】
一態様に係るプログラムは、上記の方法を吸引成分生成装置に実行させる。
【0043】
上記態様によれば、第1吸引成分源から生成される第1吸引成分の量に関連する値に基づき、第2電気負荷に供給する電力が制御され、第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量が調整される。これにより、第1吸引成分中に含まれる第2吸引成分の量が、第1吸引成分の量に応じて適宜可変に構成される。特に、第1吸引成分の量が、第2吸引成分源から生成される第2吸引成分の量に影響を与える場合には、第1吸引成分源から生成される第1吸引成分の量に関連する値に基づき第2電気負荷に供給する電力を制御することで、第2吸引成分の量を適切に調整することができる。
【0044】
したがって、例えば、エアロゾル(第1吸引成分)の量に関連する値に基づき、エアロゾル中の香味成分(第2吸引成分)の量を適宜調整することもできる。具体的な一例として、香味成分の量を一定に維持したまま、エアロゾルの量を多くしたり、少なくしたりすることもできる。この場合、例えば、周囲の人への配慮のため、エアロゾルの量を抑えつつも、エアロゾル中の香味成分の量を一定に保つことで、ユーザは、所望の香味を味わうことができるようになる。
【0045】
なお、特許文献2に記載された喫煙装置では、煙草の葉(たばこ基材)からニコチンを生成し、ニコチンを含む空気中にアトマイザーによって生成した電子タバコの煙が付加される。すなわち、電子タバコの煙はニコチンの生成よりも下流側で生成される。この場合、電子タバコの煙(エアロゾル)の量は霧化部でのヒータの出力のみに、タバコ香味成分量はタバコ用ヒータ出力のみに、それぞれ依存する。したがって、特許文献2は、電子タバコの煙の量に基づきタバコ用ヒータの出力を調整したり、タバコ香味成分量に基づき霧化部でのヒータの出力を調整するという技術的思想を開示しないことに留意されたい。
【0046】
(吸引成分生成装置)
以下において、一実施形態に係る吸引成分生成装置について説明する。
図1は、一実施形態に係る吸引成分生成装置を示す分解図である。
図2は、一実施形態に係る霧化ユニットの模式図である。
図3は、一実施形態に係る吸引センサの構成の一例を示す模式図である。
図4は、一実施形態に係る流量調整手段の一例を示す模式図である。
図5は、吸引成分生成装置のブロック図である。
【0047】
吸引成分生成装置100は、燃焼を伴わずに香味を吸引するための非燃焼型の香味吸引器であってよい。好ましくは、吸引成分生成装置100は、携帯型の香味吸引器であってよい。吸引成分生成装置100は、非吸口端E2から吸口端E1に向かう方向である所定方向Aに沿って延びる形状を有していてよい。この場合、吸引成分生成装置100は、香味を吸引する吸口141を有する一方の端部E1と、吸口141とは反対側の他方の端部E2と、を含んでいてよい。
【0048】
吸引成分生成装置100は、電源ユニット110及び霧化ユニット120を有していてよい。霧化ユニット120は、電源ユニット110に対して機械的な接続部分111,121を介して着脱可能に構成されていてよい。霧化ユニット120と電源ユニット110とが互いに機械的に接続されたときに、霧化ユニット120内の後述する霧化用電気負荷122R及び香味用電気負荷124Rは、電源ユニット110に設けられた電源10に電気的に接続される。
【0049】
霧化ユニット120は、ユーザにより吸引されるエアロゾル源(吸引成分源)と、電源10からの電力によりエアロゾル源を霧化する霧化用電気負荷122Rと、を有する。
【0050】
霧化用電気負荷122Rは、供給される電力に応じて、エアロゾル源から生成されるエアロゾル量(吸引成分の量)を調整可能な素子であればよい。例えば、霧化用電気負荷122Rは、霧化用温度調節器122であってよい。一例として、霧化用温度調節器122を構成する霧化用電気負荷122Rは、抵抗加熱素子であってよい。
【0051】
以下では、
図1及び
図2を参照しつつ、霧化ユニット120のより詳細な一例について説明する。霧化ユニット120は、リザーバ122Pと、ウィック122Qと、霧化用電気負荷122Rと、を有していてよい。リザーバ122Pは、液状のエアロゾル源を貯留するよう構成されていてよい。リザーバ122Pは、例えば、樹脂ウェブ等材料によって構成される多孔質体であってよい。ウィック122Qは、リザーバ122Pから毛管現象を利用してエアロゾル源を霧化用電気負荷122R近傍に輸送する液保持部材であってよい。ウィック122Qは、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミックなどによって構成することができる。
【0052】
霧化用電気負荷122Rは、ウィック122Qに保持されるエアロゾル源を加熱する。霧化用電気負荷122Rは、例えば、ウィック122Qに巻き回される抵抗発熱体(例えば、電熱線)によって構成される。
【0053】
霧化用電気負荷122Rは、例えば、電気ヒータのような温度調節器122であってよい。この代わりに、霧化用電気負荷122Rは、ウィック122Qに保持されるエアロゾル源を加熱及び冷却する機能を備えた温度調節器であってもよい。
【0054】
インレット125から流路127を通って流入した空気は、霧化ユニット120の内の霧化用電気負荷122R付近を通過する。霧化用電気負荷122Rのところで生成されたエアロゾルは、空気とともに吸口141の方へ流れる。
【0055】
エアロゾル源は、常温で液体であってよい。例えば、エアロゾル源としては、多価アルコールを用いることができる。エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。
【0056】
なお、上記実施形態では、常温で液体のエアロゾル源についての例を詳細に説明したが、この代わりに、エアロゾル源は、常温で固体のものを用いることもできる。この場合、霧化用電気負荷122Rは、固体状のエアロゾル源からエアロゾルを発生させるため、固体状のエアロゾル源に接し、又は近接していてよい。
【0057】
霧化ユニット120は、交換可能に構成された香味ユニット130を備えていてもよい。香味ユニット130は、香味源(吸引成分源)を収容する筒体131を有していてよい。筒体131は、空気やエアロゾル等が通過可能な膜部材133とフィルタ132とを含んでいてよい。膜部材133とフィルタ132とにより構成される空間内に香味源が設けられていてよい。
【0058】
吸引成分生成装置100は、エアロゾル源から生成されたエアロゾルの少なくとも一部を香味源を通して出口へ到達させる流路127,128を有する。これにより、香味ユニット130内の香味源は、霧化ユニット120の霧化用電気負荷122Rによって生成されたエアロゾルに香味成分を付与する。香味源によってエアロゾルに付与される香味成分は、吸引成分生成装置100の吸口141に運ばれる。
【0059】
香味ユニット130内の香味源は、常温で固体であってよい。一例として、香味源は、エアロゾルに香喫味成分を付与する植物材料の原料片によって構成される。香味源を構成する原料片としては、刻みたばこやたばこ原料のようなたばこ材料を粒状に成形した成形体を用いることができる。この代わりに、香味源は、たばこ材料をシート状に成形した成形体であってもよい。また、香味源を構成する原料片は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
【0060】
香味源は、膜部材133とフィルタ132とにより構成される空間内で流動可能に収容されていてもよい。この場合、使用時に香味ユニット130内で香味源が流動し、香味用電気負荷124Rと接触する香味源の偏りが少なくなるため、安定的に香味成分を放出することができる。
【0061】
この代わりに、香味源は、膜部材133とフィルタ132とにより構成される空間内で実質的に固定されていてもよい。この場合には、香味用電気負荷124Rから香味源に熱を効率的に伝えることができる。
【0062】
霧化ユニット120に設けられた香味用電気負荷124Rは、霧化ユニット120に取り付けられた香味ユニット130の筒体131の周りに位置していてよい。香味用電気負荷124Rは、香味源から生成される香味(吸引成分)の量を調整可能に構成されていてよい。香味用電気負荷124Rは、供給される電力に応じて、香味源から生成される香味の量を調整できる素子であってよい。例えば、香味用電気負荷124Rは、香味源の温度を調節可能な温度調節器124であってよい。温度調節器124は、抵抗加熱素子によって構成されていてよい。この代わりに、温度調節器124は、例えばペルチェ素子のような冷却素子であってもよい。また、温度調節器124は、加熱と冷却の両方を実施できる素子であってもよい。
【0063】
香味用電気負荷124Rの外側には、断熱材126が設けられていてもよい。これにより、吸引成分生成装置100の外縁の温度と外気温の温度差が大きくなり過ぎることを抑制することができる。すなわち、吸引成分生成装置100の外縁が冷たくなり過ぎたり、熱くなり過ぎたりすることを抑制することができる。また、断熱材126によって、香味用電気負荷124Rからの伝熱ロスを低減することもでき、省エネルギーでの温度調節が可能となる。
【0064】
吸引成分生成装置100は、使用者が吸引成分を吸引するための吸引口を有するマウスピースを含んでいてよい。マウスピースは、霧化ユニット120又は香味ユニット130に着脱可能に構成されていてもよく、一体不可分に構成されていてもよい。
【0065】
また、吸引成分生成装置100、具体的には霧化ユニット120は、エアロゾルを香味源を通して吸口141へ導く第1流路128と、エアロゾルを香味源を通さず吸口141へ導く第2流路129と、を有していてもよい。第2流路129を通るエアロゾルは、香味源から香味を付与されることなく、吸口141へ到達する。この場合、霧化ユニット120は、第1流路128の流量と第2流路129の流量との割合を調整する流量調整手段730と、を含んでいてもよい。流量調整手段730は、霧化ユニット120と香味ユニット130との間、すなわち境界付近に設けられている。これにより、霧化ユニット120で生成されるエアロゾル量によらず香味源を通気するエアロゾル量を調整することができるため、霧化ユニット120で生成されるエアロゾル量の全量を香味源に通気する場合を最大として、吸口141に達する気体に含まれるエアロゾルと香味成分との割合を制御することができる。
【0066】
図4は、一実施形態に係る流量調整手段730の一例を示す模式図である。流量調整手段730は、互いに同軸に配置された2つの円柱部材731A,731Bを有していてよい。第1円柱部材731A及び第2円柱部材731Bは、回転軸Cまわりにそれぞれ回転可能に構成されていてよい。第1円柱部材731A及び第2円柱部材731Bは、回転軸のところで、それぞれ貫通孔760A及び貫通孔760Bを有していてよい。これにより、霧化ユニット120で生成されたエアロゾルの少なくとも一部は、流量調整手段730の貫通孔760A及び貫通孔760Bを通って香味ユニット130内の第1流路128に流れ込む。
【0067】
第1円柱部材731A及び第2円柱部材731Bは、回転軸のまわりに、所定方向Aに沿って貫通した別の貫通孔760A,760Bを有していてよい。これらの760A,760Bは、回転方向における第1円柱部材731Aと第2円柱部材731Bの相対的な位置関係に応じて、互いに重複する面積が変わる。すなわち、回転方向における第1円柱部材731Aと第2円柱部材731Bの相対的な位置関係に応じて、霧化ユニット120で生成されたエアロゾルが香味ユニット130外の第2流路129に流れ込む。このようにして、流量調整手段730は、第1流路128の流量と第2流路129の流量との割合を調整することができる。
【0068】
電源ユニット110は、電源10及び制御部50を有していてよい。制御部50は、吸引成分生成装置100の動作に必要な各種の制御を実施するために必要な情報を記憶するメモリ52を有していてもよい。また、制御部50は、必要に応じて、各種の情報をユーザに知らせるための通知を発する通知部を備えていてもよい。通知部は、例えばLEDのように光を発する発光素子、音を発生する素子、又は振動を発するバイブレータであってもよい。また、通知部は、光、音又は振動を発する素子の組み合わせによって構成されていてもよい。
【0069】
電源10は、吸引成分生成装置100の動作に必要な電力を蓄える。電源10は、電源ユニット110に対して着脱可能であってよい。電源10は、例えばリチウムイオン二次電池のような再充電可能な電池であってよい。
【0070】
制御部50は、吸引成分生成装置100の動作に必要な各種の制御を行ってもよい。例えば、制御部50は、電源10から霧化用電気負荷122R及び香味用電気負荷124Rへの電力を制御してもよい。また、制御部50は、前述した流量調整手段730を電気的に自動で稼働してもよい。例えば、流量調整手段730が
図4に示す態様であれば、制御部50は、第1円柱部材731Aと第2円柱部材731Bの少なくとも一方を回転軸Cまわりに回転させる。
【0071】
制御部50は、ユーザによる吸引要求動作を検知する吸引検知ユニットを含んでいてよい。吸引検知ユニットは、例えばユーザの吸引動作を検出する吸引センサ20であってよい。この代わりに、吸引検知ユニットは、例えばユーザにより押される押しボタンであってもよい。
【0072】
制御部50は、吸引検知ユニットによって吸引要求動作が検出されたら、霧化用電気負荷122R及び/又は香味用電気負荷124Rを動作させるための指令を生成する。制御部50は、ユーザによって指定されたモード、又は環境等に応じて、霧化用電気負荷122Rと香味用電気負荷124Rに供給する電力を可変に構成されていてよい。
【0073】
制御部50は、電力パルスの形態で霧化用電気負荷122R及び/又は香味用電気負荷124Rに電力を供給することが好ましい。これにより、制御部50は、パルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)のデューティ比の調整により霧化用電気負荷122R及び/又は香味用電気負荷124Rに供給する電力を制御することがでる。
【0074】
霧化用電気負荷122Rに電力が供給されると、霧化用温度調節器122の温度が上昇し、エアロゾル源が気化又は霧化することによってエアロゾルが発生する。香味用電気負荷124Rに電力が供給されると、香味用温度調節器124の温度が変化し、その温度に応じて香味源から放出される香味成分の量が変化することになる。
【0075】
吸引成分生成装置100は、必要に応じて、エアロゾル源又は霧化用温度調節器122の温度を推定又は取得可能な温度センサ150と、香味源又は香味用温度調節器124の温度を推定又は取得可能な温度センサ160と、を有していてもよい。
【0076】
吸引センサ20は、吸口からの吸引に応じて変動する出力値を出力するよう構成されていてよい。具体的には、吸引センサ20は、非吸口側から吸口側に向けて吸引される空気の流量(すなわち、ユーザのパフ動作)に応じて変化する値(例えば、電圧値又は電流値)を出力するセンサであってよい。そのようなセンサとして、例えば、コンデンサマイクロフォンセンサや公知の流量センサなどが挙げられる。
【0077】
図3は、吸引センサ20の具体的一例を示している。
図3に例示された吸引センサ20は、センサ本体21と、カバー22と、基板23と、を有する。センサ本体21は、例えば、コンデンサによって構成されている。センサ本体21の電気容量は、インレット125から吸引される空気(すなわち、非吸口側から吸口側に向けて吸引される空気)によって生じる振動(圧力)によって変化する。カバー22は、センサ本体21に対して吸口側に設けられており、開口40を有する。開口40を有するカバー22を設けることによって、センサ本体21の電気容量が変化しやすく、センサ本体21の応答特性が向上する。基板23は、センサ本体21(コンデンサ)の電気容量を示す値(ここでは、電圧値)を出力する。
【0078】
吸引成分生成装置100は、入力部200と、表示部210と、を有していてよい。入力部200は、ユーザからの各種指令を入力することができるよう構成されていてよい。入力部200は、例えばタッチパネル式の画面であってもよく、操作用の押ボタンであってもよい。表示部210は、各種情報をユーザに表示するための画面であってよい。
【0079】
入力部200は、例えば後述するモードの選択に用いられてもよい。また、入力部200は、生成されるエアロゾルの目標値及び/又は香味成分の目標値を設定するために用いられてもよい。制御部50は、これらの目標値に応じて、霧化用電気負荷122R及び/又は香味用電気負荷124Rに供給する電力の量を調整すればよい。
【0080】
(電気負荷の制御1)
図6は、一実施形態に係る吸引成分生成装置における制御の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、ユーザは、吸引動作を開始する前にエアロゾル量の目標値を設定する(ステップS301)。エアロゾル量の目標値Aは、複数の選択肢(モード)の中から選択されてもよく、具体的な数値によって設定されてもよい。制御部50は、エアロゾル量の目標値Aに応じて、霧化用温度調節器122に供給する電力又は電力量を決定する(ステップS302)。
【0081】
なお、ステップS301では、エアロゾル量の目標値が設定されている。この代わりに、エアロゾル量に関連する値が設定されてもよい。エアロゾル量に関連する値は、例えば、霧化用温度調節器122の温度、霧化用温度調節器122へ供給する電力、霧化用温度調節器122へ電力を供給する時間等であってよい。
【0082】
ユーザは、香味成分の目標値Yを設定する(ステップS303)。それから、制御部50は、香味用温度調節器124の目標温度を決定する(ステップS304)。より具体的には、制御部50は、エアロゾル量の目標値Aと、香味成分の目標値Yと、に応じて香味用温度調節器124に供給する電力、すなわち香味用温度調節器124の目標温度を決定すればよい。
【0083】
なお、ステップS303では、香味成分の量の目標値が設定されている。この代わりに、香味成分の量に関連する値が設定されてもよい。香味成分の量に関連する値は、例えば、香味用温度調節器124の温度、香味用温度調節器124へ供給する電力、香味用温度調節器124へ電力を供給する時間、流量調整手段730による香味源への通気エアロゾル量、具体的には流量調整手段730による第2流路129の開度等であってよい。
【0084】
エアロゾル中に生成される香味成分の量は、香味源を通るエアロゾルの量や温度に依存して変化し得る。例えば、香味源を通過するエアロゾルの量が多ければ多いほど、エアロゾル中に生成される香味成分の量は多くなる。また、香味源の温度が高いほど、エアロゾル中に生成される香味成分の量は多くなる。したがって、制御部50は、香味用温度調節器124(第2電気負荷)に供給する電力を、エアロゾル量(第1吸引成分の量)の目標値に応じて決定することになる。これにより、エアロゾル量に含まれる香味成分の量を、エアロゾル量とは独立に制御することができる。
【0085】
霧化用温度調節器122に供給する電力と、香味用温度調節器124に供給する電力とが決定された後、制御部50は吸引サイクルの開始を検知すると、香味源又は香味用温度調節器124の温度を推定又は測定する(ステップS305及びステップS306)。吸引サイクルは、例えばユーザによる押しボタンの押下等によって検知することができる。なお、吸引サイクルは、ユーザの吸引動作により霧化用温度調節器122及び/又は香味用温度調節器124の動作が可能な状態な状態であり、1又は複数回のユーザの吸引動作を含み得るサイクルである。また、吸引動作は、ユーザによる押しボタンの押下や、吸口からの吸引のような動作を意味する。
【0086】
香味源又は香味用温度調節器124の温度は、温度センサ160によって推定又は測定することができる。この代わりに、香味用温度調節器124が抵抗加熱素子を含むヒータである場合、制御部50は、抵抗加熱素子での電圧降下量から電気抵抗値を推定することによって、抵抗加熱素子の温度を推定することができる。なお、抵抗加熱素子での電圧降下量は、公知の電圧センサによって測定することができる。
【0087】
制御部50は、香味源又は香味用温度調節器124の温度が目標温度T
targetから所定の値Δよりも離れているかどうか判断する(ステップS307)。香味源又は香味用温度調節器124の温度が目標温度T
targetから所定の値Δよりも離れている場合、制御部50は、香味用温度調節器124へ電力を供給し、香味源又は香味用温度調節器124が目標温度付近に維持するよう制御する(ステップS308)。所定の値Δは、温度の誤差の許容値であり、例えば数℃〜10℃未満の範囲に設定される。
【0088】
また、香味源又は香味用温度調節器124の温度と目標温度T
targetとの差が所定の値Δ以下の場合、香味用温度調節器124への電力供給を行う必要はない。これにより、吸引成分生成装置の省電力化が可能である。
【0089】
制御部50は、霧化用温度調節器122に供給する電力と、香味用温度調節器124に供給する電力とが決定された後、ユーザの吸引動作の有無を監視する(ステップS309)。ユーザの吸引動作は、例えば前述した吸引センサ20によって検知することができる。
【0090】
ユーザの吸引動作が検知されると、制御部50は、霧化用電気負荷122R(調整手段)に電力を供給し、霧化用温度調節器122を加熱する(ステップS310)。これにより、霧化ユニットからエアロゾルが生成される。霧化ユニットで生成されたエアロゾルは、香味源を通ることにより、香味が付与される。ユーザは、香味が付与されたエアロゾルを吸引することになる。
【0091】
制御部50は、吸引動作の終了を検知すると(ステップS311)、霧化用電気負荷122Rへの電力の供給を停止する(ステップS312)。ここで、吸引動作の終了は、吸引センサ20によって検知することができる。なお、ユーザによる吸引動作が終了したとしても、制御部50は、吸引サイクルが終了するまでは香味源の温度を目標温度に維持するよう香味用温度調節器124への電力供給を継続してもよい。
【0092】
また、制御部50は、吸引動作の終了の検知以外のタイミングであっても、霧化用電気負荷122Rへの電力の供給を停止してもよい。例えば、ユーザが非常に長く吸引動作を継続した場合や、霧化用電気負荷122Rや電源10の異常を検知した場合に、霧化用電気負荷122Rへの電力の供給を停止してもよい。
【0093】
制御部50は、吸引サイクルの終了を検知すると(ステップS313)、香味用電気負荷124Rへの電力の供給を停止すればよい(ステップS314)。制御部50は、例えば、ユーザにより所定の押しボタンが押下された場合や、前回の吸引動作の終了から所定の期間が経過した場合に、吸引サイクルの終了と判断してもよい。この代わりに、制御部50は、1回の吸引サイクル中に吸引動作を所定回数検知した場合や、吸引サイクルの開始から所定の期間が経過した場合に、吸引サイクルが終了したと判断してもよい。
【0094】
前述した制御フローでは、霧化用電気負荷122Rと香味用電気負荷124Rへの電力の供給の開始及び終了のタイミングが異なっている。この代わりに、霧化用電気負荷122Rと香味用電気負荷124Rへの電力の供給の開始及び/又は終了のタイミングは、同じであってもよい。
【0095】
上記ステップS304では、制御部50は、香味用温度調節器124(第2電気負荷)に供給する電力を、エアロゾル量(第1吸引成分の量)の目標値に応じて決定する。これに限らず、制御部50は、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値に基づき、香味用電気負荷124Rに供給する電力を制御するよう構成されていてよい。
【0096】
エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値は、エアロゾルの量の測定値又は推定値、霧化用電気負荷122Rに供給する電力、霧化用電気負荷122Rの温度、霧化用電気負荷122Rに電力を供給する時間、霧化用電気負荷122Rに供給する電力量等であってもよい。また、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値は、エアロゾルが生成される領域の温度を監視する温度センサによって取得した値であってもよい。さらに、エアロゾルの量に関連する値は、エアロゾルの量そのものであってもよい。これらの場合であっても、エアロゾル量に含まれる香味成分の量を、エアロゾル量とは独立に制御することができる。
【0097】
図6に示す制御フローによれば、制御部50は、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値と、香味源から生成される香味成分の量に関連する値との関係に基づき、香味用温度調節器124を制御するよう構成されている。
【0098】
この関係は、エアロゾルの量に関連する値と香味源から生成される香味成分の量に関連する値とを関連づける参照テーブルによって定められていてよい。すなわち、ユーザにより、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値と、香味源から生成される香味成分の量に関連する値とが設定された場合、制御部50は、メモリ52に記憶されている参照テーブルを参照し、霧化用電気負荷122R及び香味用電気負荷124Rに供給する電力を決定すればよい。すなわち、ユーザにより、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値と、香味源から生成される香味成分の量に関連する値とが設定された場合、制御部50は、メモリ52に記憶されている参照テーブルに基づき、霧化用電気負荷122R及び香味用電気負荷124Rに供給する電力を決定すればよい。
【0099】
この代わりに、この関係は、エアロゾルの量に関連する値と香味源から生成される香味成分の量に関連する値とを関連づける所定の関数によって定められていてもよい。すなわち、ユーザにより、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値と、香味源から生成される香味成分の量に関連する値とが設定された場合、制御部50は、メモリ52に記憶されている所定の関数に基づき、霧化用電気負荷122R及び香味用電気負荷124Rに供給する電力を算出すればよい。所定の関数は、例えば予め行われた実験により決定することができる。また、所定の関数を利用すれば、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値と、香味源から生成される香味成分の量に関連する値の任意の組み合わせに応じて、霧化用電気負荷122R及び香味用電気負荷124Rに供給する電力を連続的に決定することができる。
【0100】
前述した関係は、エアロゾル源の種類と香味源の種類との少なくとも一方に応じて異なっていてよい。ここでエアロゾル源及び香味源の種類とは、それぞれエアロゾル源及び香味源の組成の違いによって決定されていてもよい。エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値と、香味源から生成される香味成分の量に関連する値との関係は、エアロゾル源及び香味源の組成の違いによって、異なり得るからである。
【0101】
上記態様によれば、ユーザは、エアロゾル量の目標値と、香味成分の目標値の両方を設定する。この場合、エアロゾル量の設定値及び/又は香味成分の設定値とは、所望の上限値及び/又は下限値を有することが好ましい。
【0102】
例えば、エアロゾル量及び/又は香味成分の量の設定値の可変範囲は、既定量の香味成分をエアロゾルに付与可能な値によって規定されることが好ましい。これにより、エアロゾル量によらず既定の範囲の量の香味成分をエアロゾルに付与することができる。したがって、ユーザがエアロゾル量によらず所望の香味を吸引することができる。
【0103】
香味成分の量に関連する値の設定値の上限は、香味源の燃焼温度未満であることが好ましい。これにより、香味源の燃焼温度以上に香味源を加熱してしまうことを防止することができる。具体的には、香味成分の量に関連する値の設定値の上限は、香味源としてたばこ原料を用いる場合、香味用温度調整器124の温度が200℃、好ましくは150℃に相当する値によって規定されていてよい。
【0104】
香味成分の量に関連する値の設定値の上限は、エアロゾル源の沸点以下に相当する値であることが好ましい。これにより、香味源の温度が、エアロゾル源の沸点以下に維持される。この場合、香味源を通過するエアロゾルが再蒸発や拡散することによるエアロゾル量の低減を抑制できる。なお、香味成分の量に関連する値の設定値の上限は、
図7に示すようにエアロゾル量に関連する値の設定値に応じて可変であってよい。
【0105】
エアロゾル源が複数のエアロゾル前駆体、例えばグリセリンやプロピレングリコール等を含む場合、「エアロゾル源の沸点」は、エアロゾル源に含まれる重量%が最も大きい成分の沸点によって規定されてよい。この代わりに、「エアロゾル源の沸点」は、複数のエアロゾル前駆体のうち単成分での沸点が最も低い成分の沸点によって規定されてもよい。例えば、エアロゾル源がグリセリンとプロピレングリコールを含む場合、プロピレングリコールの沸点である約190℃に規定されていてもよい。また、グリセリンの含有率がプロピレングリコールよりも多い場合、エアロゾル源の沸点は、グリセリンの沸点である約250℃に規定されていてもよい。
【0106】
また、上述したエアロゾルの再蒸発や拡散によるエアロゾル量の低減を抑制するという観点では、香味源の温度は約250℃以下、約190℃以下、又は約100℃以下(水の沸点)以下に維持されることが好ましい。したがって、制御部50は、エアロゾル量及び/又は香味成分の量の設定値に応じて定まる香味源の温度がこれらの上限の温度を維持しないと判断されると、表示部210にエラーを表示し、これらの設定値の変更を促せばよい。
【0107】
香味成分の量に関連する値の設定値の下限は、例えば、−10℃以上、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上に相当する値であってよい。これにより、香味源を通過するエアロゾルが空気流路内に凝縮することを抑制でき、吸口に達するエアロゾル量の低下を抑制できる。なお、香味成分の量に関連する値の設定値の下限は、
図7に示すようにエアロゾル量に関連する値の設定値に応じて可変であってよい。
【0108】
エアロゾルの量に関連する値の設定値の上限は、エアロゾルの生成に伴うエアロゾル源の消費速度がエアロゾル源が霧化されるところへのエアロゾル源の供給速度を越えないよう規定されることが好ましい。また、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量が小さいほど香味源の温度を高くするように香味用温度調節器124を制御する態様においては、エアロゾルの量に関連する値の設定値の下限は、香味源が燃焼されない範囲に規定されることが好ましい。エアロゾルの量に関連する値の設定値の上限及び/又は下限は、香味源から生成される香味成分の量に関する値に応じて可変であってよい(
図7も参照)。
【0109】
図7は、香味成分の目標値とエアロゾル量の目標値との組み合わせの一例を示す図である。領域R2と領域R3の境界線は、ある雰囲気温度において香味用温度調節器124を動作させることなく、霧化用温度調節器122の出力を変えた場合に、香味成分の量Yとエアロゾルの量Aとが取り得る値を示すラインである。したがって、ユーザにより、点P2で示される香味成分の量Yとエアロゾルの量Aとが設定された場合、制御部50は、香味用温度調節器124を動作させることなく、霧化用温度調節器122を動作させればよい。
【0110】
なお、
図7に示す領域R2と領域R3の境界線上の点に相当する香味成分の量Yとエアロゾルの量Aとが設定された場合に限られず、当該境界線から所定の幅を有する帯状のライン内に相当する香味成分の量Yとエアロゾルの量Aとが設定された場合にも、制御部50は、香味用温度調節器124を動作させることなく、霧化用温度調節器122を動作させればよい。ここで、香味用温度調節器124を動作させる必要のない帯状のラインの幅(
図7の縦軸方向の幅)は、
図6に示す制御フローのステップS307における所定の値Δの2倍(2Δ)に関連することに留意されたい。
【0111】
また、領域R2は、香味用温度調節器124を動作させない場合と比較すると、エアロゾル中に含まれる香味成分の量が多い領域である。したがって、点P3で示される香味成分の量Yとエアロゾルの量Aとが設定された場合、制御部50は、霧化用温度調節器122と香味用温度調節器124の両方を動作させればよい。
【0112】
領域R2と領域R1の境界は、エアロゾル量の上限値及び香味成分の量の上限値を示している。香味成分の量の上限値は、前述したように設定されていてよい。この場合、点P4で示される香味成分の量Yとエアロゾルの量Aとが設定された場合、制御部50は表示部210にエラーを表示させることによって、ユーザに設定の変更を促すことができる。
【0113】
領域R3は、香味用温度調節器124を動作させない場合と比較すると、エアロゾル中に含まれる香味成分の量が小さい領域である。この場合、前述した流量調整手段730を稼働させることにより、領域R3に含まれる所望の香味成分の量Yとエアロゾルの量Aとを達成することができる。例えば、霧化ユニット120で生成されたエアロゾルの一部を第2流路129に通気させると、エアロゾル中の香味成分の量を低下させることができる。このように、制御部50は、香味源から生成される香味成分の量の目標値に基づき香味用温度調節器124に供給する電力を制御するだけでなく、当該目標値に基づき流量調整手段730をも制御するよう構成されていてよい。より具体的には、制御部50は、所望の香味成分量とエアロゾル量を生成するために、香味用温度調節器124に供給する電力と流量調整手段730の両方を制御することがあってもよい。
【0114】
また、制御部50は、流量調整手段730の制御により、香味源から生成される香味成分の量が目標値を達成できると判断した場合、香味用温度調節器124を制御することなく、流量調整手段730を制御してもよい。香味用温度調節器124の制御よりも流量調整手段730の制御の方が消費電力が小さい。したがって、香味用温度調節器124を駆動する前に、流量調整手段730によって優先的に香味成分の量を調整することが好ましい。
【0115】
図7の点P1で示される香味成分の量Yとエアロゾルの量Aとが設定された場合、制御部50は、流量調整手段730によって第1流路128に通気させるエアロゾルの量を減らしつつ、霧化用温度調節器122を動作させればよい。この代わりに、香味成分の量Yを減らす場合には、冷却機能を有する香味用温度調節器124により香味源を冷やしてもよい。
【0116】
前述した例では、領域R3における所定の目標値、例えば点P1は、流量調整手段730を用いて実現された。この代わりに、領域R3における所定の目標値は、冷却機能を有する香味用温度調節器124によっても実現できる。すなわち、香味用温度調節器124によって香味源の温度を下げることにより、エアロゾル中の香味成分の量を低下させることができる。 これにより、エアロゾル量に対する香味成分の割合が低い領域R3における所定の目標値を実現できる。
【0117】
領域R3と領域R4の境界は、流量調整手段730を用いない場合における香味成分の量の下限値又はエアロゾルの量の下限値を示している。香味成分の量の下限値又はエアロゾルの量の下限値は、前述したように設定されていてよい。したがって、領域R4に含まれる香味成分の量Yとエアロゾルの量Aとが設定された場合、制御部50は表示部210にエラーを表示させることによって、ユーザに設定の変更を促すことができる。
【0118】
この代わりに、領域R4内のエアロゾルの量及び香味成分の量の目標値は、流量調整手段730の使用、あるいは流量調整手段730と香味用温度調節器124による冷却の併用によって実現することができる。
【0119】
例えば、制御部50は、霧化ユニット120で生成されたエアロゾルの多くを第2流路129に通気させ、第1流路に通気させるエアロゾルの量を大幅に減らすことによって、エアロゾル中の香味成分の量を大幅に低下させることができる。これにより、領域R4内のエアロゾルの量及び香味成分の量の目標値を実現できる。
【0120】
この代わりに、香味用温度調節器124によって香味源の温度を低下させるとともに、流量調整手段730によって第1流路に通気させるエアロゾルの量を減らすことによっても、領域R4内のエアロゾルの量及び香味成分の量の目標値を実現できる。
【0121】
図7における香味成分の目標値とエアロゾル量の目標値との組み合わせについて、エアロゾル量の目標値が小さい領域では、吸引成分生成装置から排出されるエアロゾル(煙)が視認できない又は視認しにくくなる。そのような目標値に関する吸引成分生成装置の動作モードは、「無煙モード」とも言える。無煙モードは、例えば、霧化用温度調節器122を動作させない、又は霧化用温度調節器122による加熱量を低い値に維持することで実現できる。
【0122】
霧化用温度調節器122と香味用温度調節器124の両方に実質的に電力を供給しない場合、
図7における領域R2とR3の境界線上であって、エアロゾル量Aが0のモードが実現される。すなわち、霧化用温度調節器122と香味用温度調節器124の両方に実質的に電力を供給しない場合であっても、
図7に示すように、ユーザは、多少の香味成分を吸引することができる。言い換えると、香味成分量Yの設定値次第では、霧化用温度調節器122と香味用温度調節器124の両方に実質的に電力を供給しない態様も考えられる。
【0123】
(電気負荷の制御2)
図8は、一実施形態に係る吸引成分生成装置における制御の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、制御部50は、エアロゾル中に含まれる香味成分の量を一定にするよう制御する。香味成分の量は、予め設定されていてもよく、吸引動作前にユーザによって設定されてもよい。
【0124】
まず、ユーザは、吸引動作を開始する前にエアロゾル量の目標値を設定する(ステップS301)。エアロゾル量の目標値Aは、複数の選択肢(モード)の中から選択されてもよく、具体的な数値によって設定されてもよい。制御部50は、エアロゾル量の目標値Aに応じて、霧化用温度調節器122に供給する電力又は電力量を決定する(ステップS302)。
【0125】
次に、制御部50は、エアロゾル量(第1吸引成分の量)の目標値Aに応じて、香味用温度調節器124の目標温度を決定する(ステップS304)。より具体的には、制御部50は、エアロゾル量の目標値Aに基づき、エアロゾル中に生成される香味成分の量が一定となるよう、香味用温度調節器124に供給する電力を決定する。
【0126】
これ以降のステップS305〜S314については、
図6に示す制御フローと同様であるため、具体的な説明を省略する。
【0127】
ここで、制御部50は、吸引サイクル中であっても、エアロゾル量の目標値が変更された場合には、ステップS301から制御をやり直すことが好ましい。この際に、制御部50は、エアロゾル中に含まれる香味成分の目標値は一定に維持したままであってよい。
【0128】
図9は、香味成分の目標値とエアロゾル量の目標値との関係の一例を示している。
図9の実線は、香味成分の目標値を示している。
図9の点線は、エアロゾル量の目標値を示している。
図9に示すように、香味成分の目標値を一定に維持したままで、エアロゾル量の目標値が変更された場合、香味源の温度、すなわち香味用温度調節器124に供給する電力を、変更されたエアロゾル量の目標値に応じて変更すればよい。
【0129】
上記ステップS304では、制御部50は、香味用温度調節器124に供給する電力を、エアロゾル量(第1吸引成分の量)の目標値に応じて決定する。これに限らず、制御部50は、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値に基づき、香味用電気負荷124Rに供給する電力を制御するよう構成されていてよい。エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値は、前述したとおりである。
【0130】
本制御フローでは、エアロゾル量が変わっても、エアロゾル中に含まれる香味成分の量を一定に維持することができる。したがって、吸引に伴うエアロゾルの量を低下又は無くしたとしても、一定の香味成分の量が維持されるため、ユーザは、香味を損なうことなく味わうことができる。これにより、香味の吸引中にユーザの近くに人が近付いたときにエアロゾル量を低下させることによって、香味を損なうことなく、目に見えるエアロゾル量を低減させることができる。
【0131】
図8に示す制御フローでは、制御部50は、エアロゾル中に含まれる香味成分の量を一定にするよう制御した。これに限らず、制御部50は、エアロゾルの量の設定値が変更された場合に、制御部50は、エアロゾルの量に関連する値の変化に伴う香味成分の量の変化を抑制するよう香味用電気負荷124(第2電気負荷)を制御すればよい。すなわち、エアロゾル中の香味成分の量は必ずしも一定に維持される必要はなく、香味成分の変化量を緩和するよう制御されればよい。例えば、香味成分は、その目標値の好ましくは±20%の範囲内、より好ましくは±10%の範囲内に維持されればよい。
【0132】
また、エアロゾルの量の設定値が変更された場合に限らず、制御部50は、エアロゾルの量に関連する値のばらつきに伴う香味源の量のばらつきを抑制するよう香味用電気負荷124(第2電気負荷)を制御してもよい。
【0133】
図8に示す制御フローのように、香味成分の変化量を緩和するよう制御する場合、制御部50は、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量が小さいほど香味源の温度を高くするように香味用温度調節器124を制御すればよい。この場合、エアロゾルの量に関連する値の設定値の下限は、例えば香味源が燃焼されない範囲に規定されることが好ましい。また、エアロゾルの量に関連する値の設定値の上限は、前述の説明と同様に決定することができる。
【0134】
(電気負荷の制御3)
図10は、一実施形態に係る吸引成分生成装置における制御の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、制御部50は、ユーザの吸引動作を検知する前に、タイマーの値(t)を0にセットする(ステップS100)。なお、タイマーの値(t)を0にセットするタイミングは、例えば香味ユニット130が交換されたタイミングであってよい。
【0135】
次に、制御部50は、ユーザの吸引動作の検知したかどうかを判断する(ステップS309)。前述したように、制御部50は、ユーザの吸引動作を、吸引センサ20からの出力信号によって判断することができる。この代わりに、制御部50は、ユーザによる押しボタンの押下によってユーザの吸引動作を判断してもよい。
【0136】
ユーザの吸引動作を検出したら、制御部50は、香味源から生成される香味成分の量に関連する値を推定又は取得する(ステップS104)。香味源から生成される香味成分の量に関連する値は、香味成分の量の測定値又は推定値、香味源又は香味用温度調整器124の温度、霧化用電気負荷に供給する電力、霧化用電気負荷の温度、又は霧化用電気負荷に電力を供給する時間等であってよい。
【0137】
具体的一例では、制御部50は、香味源から生成される香味成分の量に関連する値として、香味源又は香味用電気負荷124Rの温度と、霧化用電気負荷122Rへ電力を供給した累積の時間と、を取得する。香味源又は香味用電気負荷124Rの温度は、例えば温度センサ160によって取得できる。この代わりに、香味用電気負荷124Rの温度は、前述したように香味用電気負荷124Rの電圧降下量から推定することもできる。また、霧化用電気負荷122Rへ電力を供給した累積の時間は、霧化用電気負荷122Rへ電力を供給した期間をタイマーで計測することによって測定可能である。霧化用電気負荷122Rへ電力を供給した累積の時間は、香味源に通気した累積エアロゾル量に関連する値を推定するための具体例の1つである。
【0138】
香味源から生成される香味成分の量は、主として、香味源を通過したエアロゾルの量と、香味源の温度とに依存する。同一のエアロゾル量及び香味源の温度であっても、吸引回数を重ねることで、香味源から放出される香味成分の量は漸減する。したがって、制御部50は、香味源又は香味用電気負荷124Rの温度と、霧化用電気負荷122Rへ電力を供給した累積の時間とによって、香味源から生成される香味成分の量を推定できる。
【0139】
次に、制御部50は、香味源から生成される香味成分の量に関連する値に基づいて、霧化用温度調節器122に供給する電力又は電力量を決定する(ステップS106)。例えば、制御部50は、香味源から生成される香味成分の量を推定値が一定になるように、霧化用温度調節器122(第2電気負荷)に供給する電力又は電力量を決定すればよい。
【0140】
すなわち、制御部50は、霧化ユニット120で生成されるエアロゾルの量を調整することによって、エアロゾル中に生成される香味成分の量を一定にするよう制御すればよい。これに限らず、制御部50は、香味成分の量の変化又はばらつきを抑制するよう霧化用電気負荷122Rを制御してもよい。すなわち、エアロゾル中の香味成分の量は必ずしも一定に維持される必要はなく、香味成分の変化量を緩和するよう制御されればよい。
【0141】
それから、制御部50は、タイマーをONにし(ステップS108)、ステップS106で決定された電力又は電力量に基づき、霧化用温度調節器122に電力の供給を開始する(ステップS110)。タイマーは、霧化用温度調節器122に電力を供給した累積時間を計測することができる。
【0142】
制御部50は、吸引動作の終了を検知すると(ステップS311)、霧化用温度調節器122への電力の供給を停止する(ステップS312)。それから、制御部50は、タイマーを停止する(ステップS116)。
【0143】
なお、制御部50は、タイマーの値が所定の閾値以下の場合、ユーザの吸引動作を監視し、ユーザの吸引動作を検知すると、再度ステップS104以降のステップを繰り返す。
【0144】
タイマーの値が所定の閾値を超えた場合、制御部50は、香味ユニットを新品に交換するよう、通知部によってユーザに報知してもよい。
【0145】
(プログラム及び記憶媒体)
図6,8,10を用いて説明した前述のフローは、制御部50が実行することができる。すなわち、本発明は、吸引成分生成装置100に前述の方法を実行させるプログラム、当該プログラムが格納された記憶媒体をも含んでいてよい。このような記憶媒体は、非一過性の記憶媒体であってよい。
【0146】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0147】
以上で説明した実施形態により、制御部50は、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値に基づき香味用電気負荷124Rに供給する電力を制御するよう構成されていればよいことがわかる。この代わりに、制御部50は、香味源から生成される香味の量に関連する値に基づき霧化用電気負荷122Rに供給する電力を制御するよう構成されていてもよい。
【0148】
また、前述した電気負荷の制御2では、制御部50は、エアロゾル中に含まれる香味成分の量を概ね一定にするよう制御した。この代わりに、制御部50は、エアロゾルの量を一定にしつつ、エアロゾル中の香味成分の量を可変にするよう、霧化用温度調整器及び/又は香味用温度調整器を制御してもよい。この場合、制御部50は、必要に応じて流量調整手段の制御を併用してもよい。制御部50は、例えば、エアロゾルの量を、その目標値の好ましくは±20%の範囲内、より好ましくは±10%の範囲内に維持するよう制御する。これにより、ユーザは、エアロゾルの量をほとんど変えることなく、香味の変化を愉しむことができる。なお、エアロゾルの量と香味成分の量は、前述したように霧化用温度調整器、香味用温度調整器及び/又は流量調整手段の制御に依存するため、制御部50はこれらを適宜制御することによって目標のエアロゾルの量と香味成分の量を実現できる。
【0149】
また、前述した電気負荷の制御1〜3では、香味源からエアロゾルを生成することについては言及されていないが、制御部50は、香味源からエアロゾルを生成するように香味用温度調節器124Rの出力を制御してもよい。香味源からエアロゾルを生成させるためには、香味用温度調節器124Rの出力を高くすればよい。この場合、制御部50は、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値と、香味源から生成されるエアロゾルの量に関連する値との関係に基づき、霧化用電気負荷122Rと香味用電気負荷124Rの少なくとも一方を制御するよう構成されていてもよい。さらに、エアロゾル源から生成されるエアロゾルの量に関連する値と、香味源から生成されるエアロゾルの量に関連する値との関係に応じて、制御部50は、霧化用電気負荷122Rと香味用電気負荷124Rの両方を制御してもよい。この場合、所定のエアロゾル量及び所定の香味の量を達成するため、制御部50は、香味用温度調節器124(第2電気負荷)を制御する前に、霧化用温度調節器122(調整手段)を優先的に制御するよう構成されていることが好ましい。霧化ユニット120で霧化されたエアロゾルの量は、香味源で生成される香味成分の量に大きく影響を与える。したがって、霧化用温度調節器122に供給する電力をエアロゾルの量の目標値に応じて優先的に制御し、それから香味用温度調節器124によって香味成分の量の目標値に合わせて制御することが好ましい。