(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記演出制御手段は、前記特定ゲームの結果が、実行中又は実行前の前記変動表示ゲームの内容に対応する結果態様で表示された場合に、当該内容を示唆する予告演出を実行可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0009】
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
【0010】
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
【0011】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
【0012】
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(
図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
【0013】
次に、
図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0014】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
【0015】
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の左部及び右部には、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす盤演出装置44が設けられている。この盤演出装置44は、
図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
【0016】
また、センターケース40の左下部には、表示装置41で表示する飾り特図変動表示ゲームとは別に飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄の表示や、始動記憶数の表示を行うサブ情報表示装置90が設けられている。
【0017】
このサブ情報表示装置90は、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第1サブゲーム表示部91と、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第2サブゲーム表示部92と、を備える。さらに、二つの発光部により第1特図変動表示ゲームを実行する権利である第1始動記憶の数を示す第1サブ表示部93と、二つの発光部により第2特図変動表示ゲームを実行する権利である第2始動記憶の数を示す第2サブ表示部94と、を備える。
【0018】
第1サブゲーム表示部91と、第2サブゲーム表示部92では、対応する特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す表示や、結果を示す表示を発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。また、第1サブ表示部93、第2サブ表示部94は、第1始動記憶(特
図1保留)、第2始動記憶(特
図2保留)の数を、それぞれ二つの発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。
【0019】
サブ情報表示装置90を表示装置41とは別途に設けたことで、第4図柄を表示装置41に表示することにより表示装置41の表示領域を占有することがなく、表示領域を有効に活用することができる。なお、サブ情報表示装置90は、盤演出装置44の動作範囲外に設けられており、盤演出装置44が動作する過程でサブ情報表示装置90が覆われてしまうことがないようにされている。
【0020】
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート34(普図始動ゲート、始動領域、流入領域)が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(
図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(
図3参照)により検出される。
【0021】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動領域、流入領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(
図3参照)により検出される。
【0022】
また、始動入賞口36の直下には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動領域、流入領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(
図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにものとしても良い。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
【0023】
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口36よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
【0024】
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
【0025】
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
【0026】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
【0027】
特
図1表示器51と特
図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特
図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するよう構成されている。
そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0028】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特
図1保留表示器54は、特
図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特
図2保留表示器55は、特
図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
【0029】
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、LEDランプ等で構成され、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。
【0030】
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
【0031】
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、LEDランプ等で構成され、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
【0032】
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0033】
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0034】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0035】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0036】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0037】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御手段100が電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段なす。そして、電源復旧時にはバックアップ記憶手段により保持されたデータに基づき制御を再開可能に構成されている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0038】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0039】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0040】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0041】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
【0042】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0043】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0044】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0045】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0046】
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)あるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0047】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0048】
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0049】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
【0050】
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
【0051】
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0052】
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0053】
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0054】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0055】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0056】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0057】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0058】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0059】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0060】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0061】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0062】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0063】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0064】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
【0065】
次に、
図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0066】
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
【0067】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
【0068】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
【0069】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0070】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
【0071】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
【0072】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0073】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46やサブ情報表示装置90を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備え、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
【0074】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
【0075】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0076】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
【0077】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(
図3参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
【0078】
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
【0079】
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0080】
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器53に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器53を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
【0081】
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、当りの種類に対応して普図表示器53に特別の結果態様をなす第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の何れかとなる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
【0082】
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特
図1保留表示器54や特
図2保留表示器55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。また、サブ情報表示装置90の第1サブ表示部91や第2サブ表示部92においても表示される。
【0083】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、開始する特図変動表示ゲームに応じた最先の始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理などを行う。さらに、遊技制御装置100のCPU111Aは、実行する特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。
【0084】
そして、第1特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特
図1表示器51(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特
図1変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第1特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、第2特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特
図2表示器52(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特
図2変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第2特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0085】
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)で特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、サブ情報表示装置90のサブゲーム表示部で特図変動表示ゲームに対応して発光部の発光態様を変化させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0086】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0087】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特
図1表示器51又は特
図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様となる点灯パターンを表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様や小当り結果態様となる。
【0088】
特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器51又は特
図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0089】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
【0090】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態、第2動作状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御するように構成されている。
【0091】
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
【0092】
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
【0093】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
【0094】
なお、特
図1表示器51と特
図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特
図1表示器51、特
図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。また、本実施形態の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0095】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0096】
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図5及び
図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる
図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0097】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図5及び
図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
【0098】
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0099】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
【0100】
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0101】
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
【0102】
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
【0103】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0104】
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
【0105】
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS15)。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS16)、正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS18)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS19)。チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定し(ステップS20)、初期化スイッチがオフである場合(ステップS20;N)は、
図6のステップS25へ移行して、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0106】
ステップS18及び後述のステップS45のチェックサム算出処理で算出するチェックサムは、遊技制御用のワーク領域のチェックサムと、状態表示用のワーク領域のチェックサムとを合算したものである。なお、遊技制御用のワーク領域のチェックサムと状態表示用のワーク領域のチェックサムとを別々に算出しステップS19にて一致するかを別々に判定しても良いし、何れか一方だけ(例えば遊技制御用のワーク領域のチェックサムだけ)を算出して当該一方だけをステップS19の判定に用いても良い。
【0107】
ここで、遊技制御用のワーク領域には、遊技制御を行うために必要な情報(各種データやプログラム)が格納される。
また、状態表示用のワーク領域には、ベース値や役物比率などを表示するために必要な情報が格納される。ベース値は、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数から算出される値であり、ベース値を表示するために必要な情報は、例えば、アウトスイッチでの遊技球の検出数に関する情報と、入賞領域への入賞に基づく払出数に関する情報とを含む。また、役物比率は、遊技機10の電源投入から現在までに入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中(すなわち、ファンファーレ及びエンディング中は除外)に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(いわゆる連続役物比率)であり、役物比率を表示するために必要な情報は、例えば、全賞球数(賞球の合計数)に関する情報と、賞球数(役物別獲得球数)に関する情報とを含む。
【0108】
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS20;Y)は、
図6のステップS30へ移行して、遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行う。初期化スイッチが、外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
また、停電検査領域の値が正常なチェックデータでないと判定された場合(ステップS16;NもしくはステップS17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS19;N)は、ステップS21へ移行して、全てのRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、状態表示用のRAM領域は、RAM異常が生じた場合にのみ初期化される。また、遊技制御用のRAM領域は、初期化スイッチがオンにされた場合だけでなく、RAM異常が生じた場合にも初期化される。
【0109】
図6のステップS25では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS25)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS26)。
【0110】
ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS26;N)は、ステップS27,S28をスキップしてステップS29へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS26;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS27)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS28)。
そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS29)、ステップS33へ進む。本実施形態の場合、ステップS29では、機種指定コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定コマンド(例えば、客待ち状態中の場合には客待ちデモコマンド、それ以外の場合には復旧画面コマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
【0111】
画面指定コマンドは、再開された遊技の状態に応じたコマンドを送信する。制御の再開に伴い電源遮断により中断された特図変動表示ゲームを再開する場合には、画面指定コマンドとして復旧情報をなす復旧画面コマンドを送信する。さらにこの場合は、再開される特図変動表示ゲームの結果に関する情報も送信する。また、客待ち状態中に電源が遮断されて電源の復旧により客待ち状態で制御を再開する際には画面指定コマンドとして客待ちデモコマンドを送信する。また、制御の再開に伴い電源遮断により中断された特別遊技状態を再開する場合には、画面指定コマンドとして特別遊技状態再開コマンドを送信する。
【0112】
また、
図6のステップS30では、遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアして(ステップS30)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS31)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS32)、ステップS33へ進む。
【0113】
一方、ステップS16、S17、S19からステップS21へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS21)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS22)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS23)。そして、初期化すべき領域に全RAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS24)。ここでの初期化すべき領域とは、遊技制御用のワーク領域と状態表示用のワーク領域とのうち、0以外の値をセットしたい領域であり、例えば客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。
そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS32)、ステップS33へ進む。本実施形態の場合、ステップS32では、機種指定コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化コマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
【0114】
ステップS33では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0115】
上記ステップS33のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS34)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
【0116】
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS35)、割込みを許可する(ステップS36)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0117】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS37)を行う。本実施形態において、初期値乱数更新処理では、大当り図柄初期値乱数と、小当り図柄初期値乱数と、当り初期値乱数と、当り図柄初期値乱数とを更新(例えば+1更新)する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
【0118】
また、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1、あるいは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
【0119】
上記ステップS37の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS38)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS39)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS39;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS37)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS37)の前に割り込みを許可する(ステップS36)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0120】
なお、上記ステップS37での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0121】
停電監視信号がオンである場合(ステップS39;Y)は、ステップS38で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS40)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS40;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS39)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS40;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)を行う。
【0122】
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS46)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0123】
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0124】
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0125】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
【0126】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
【0127】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図7に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、
図7のタイマ割込み処理が開始される。
【0128】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
【0129】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新する乱数更新処理1(ステップS106)、特
図1,特
図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
【0130】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、アウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数からベース値を算出する処理等を行う状態表示編集出力処理を行い(ステップS115)、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
【0131】
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS105)の詳細について説明する。
図8に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
【0132】
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
【0133】
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
【0134】
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
【0135】
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
【0136】
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
【0137】
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
【0138】
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
【0139】
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
【0140】
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
【0141】
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
【0142】
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
【0143】
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
【0144】
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
【0145】
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
【0146】
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
【0147】
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
【0148】
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
【0149】
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
【0150】
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
【0151】
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
【0152】
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
【0153】
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
【0154】
また、本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球数信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
【0155】
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図9には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の一方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
【0156】
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
【0157】
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
【0158】
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、常時入賞可能な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36aや一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
【0159】
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
【0160】
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
【0161】
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
【0162】
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
【0163】
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
【0164】
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
【0165】
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
【0166】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0167】
図10に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0168】
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
【0169】
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
【0170】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
【0171】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
【0172】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
【0173】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
【0174】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
【0175】
その後、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特
図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特
図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0176】
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
【0177】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図11に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
【0178】
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、当該コマンドを演出制御装置300へ送信する演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
【0179】
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
【0180】
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
【0181】
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0182】
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について説明する。
図12に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA124)。
【0183】
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
【0184】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0185】
図13に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
【0186】
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0187】
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特
図1保留数又は特
図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ハード乱数取得処理のステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
【0188】
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
【0189】
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0190】
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
【0191】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0192】
図14に示すように、まず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
【0193】
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
【0194】
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
【0195】
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
【0196】
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
【0197】
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
【0198】
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
【0199】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。
図15に示すように、特図普段処理では、先ず、特
図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特
図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特
図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特
図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
【0200】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;Y)は、ステップA310〜A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行する。
【0201】
また、ステップA301にて、特
図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特
図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特
図2変動開始処理(ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特
図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;N)は、特
図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特
図1変動開始処理(ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
【0202】
このように、特
図2保留数のチェックを特
図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特
図2保留数が「0」でない場合には特
図2変動開始処理(ステップA304)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
【0203】
〔特
図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
図16(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図1)を示す特
図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
【0204】
次に、特
図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
【0205】
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特
図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特
図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特
図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特
図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA333)。次いで、特
図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA334)、特
図1変動開始処理を終了する。
【0206】
〔特
図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、
図16(a)に示した特
図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
【0207】
図16(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図2)を示す特
図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
【0208】
次に、特
図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
【0209】
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特
図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特
図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特
図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特
図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA353)。次いで、特
図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA354)、特
図2変動開始処理を終了する。
【0210】
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図17に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグ(特
図1変動フラグ又は特
図2変動フラグ)に対応する図柄停止コマンドを準備し(ステップA601)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA602)。すなわち、実行中の特図変動表示ゲームの変動時間が終了して結果を導出表示することに伴い停止情報をなす図柄停止コマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。演出制御装置300では、この図柄停止コマンドの受信に伴い、当該特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止して結果を停止表示する。
【0211】
その後、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン又は小当り図柄パターンの何れであっても表示時間として600m秒を設定するが、停止図柄パターンによって表示時間を異ならせても良い。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
【0212】
次いで、処理番号として特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA605)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA606)。
【0213】
次に、特
図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA607)、特
図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA608)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA609)。その後、特
図1表示器51における特
図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特
図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特
図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA610)、特
図2表示器52における特
図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特
図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特
図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA611)、特図変動中処理を終了する。
【0214】
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。
図18及び
図19に示すように、特図表示中処理では、まず、特
図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特
図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特
図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特
図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
【0215】
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特
図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
【0216】
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
【0217】
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特
図1又は特
図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
【0218】
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
【0219】
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
【0220】
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
【0221】
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
【0222】
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。この小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
【0223】
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。次いで、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA734)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA735)。
【0224】
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA736)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA737)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA738)。
【0225】
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA739)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA740)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA741)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA742)、特図表示中処理を終了する。
【0226】
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率変動回数更新処理(ステップA743)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA744)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA745)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA746)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA746;N)には、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA749)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブして(ステップA750)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA751)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA752)、特図表示中処理を終了する。
【0227】
一方、ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA746;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA747)、演出コマンド設定処理(ステップA748)を行った後に、ステップA749の処理に移行する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
【0228】
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
【0229】
図20に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
【0230】
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
【0231】
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
【0232】
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
【0233】
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
【0234】
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0235】
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。
図21に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB301;Y)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB322)、普図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップB323)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB324)、普図普段処理を終了する。
【0236】
また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、ロードした領域、すなわち当り乱数格納領域(保留数1用)及び当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB302)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB303)。
【0237】
普図高確率中でない場合(ステップB303;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB304)、普図高確率中である場合(ステップB303;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB305)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB306)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB306;N)は、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB307)。
【0238】
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB306;Y)や、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB307;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB308)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB309)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB310)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
一方、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB307;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB311)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB312)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB313)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
【0239】
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
また、本実施形態の場合、当り図柄は2種類ある。
【0240】
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップB314)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB315)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB316)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB317)、普図保留数を−1更新する(ステップB318)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
【0241】
次いで、変動パターン乱数3を抽出して(ステップB319)、当該変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB320)。そして、普図変動中処理に移行するための普図変動中処理移行設定処理(ステップB321)を行い、普図普段処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、普図始動ゲート34(流入領域)での遊技球の検出に基づいて(普図始動記憶に基づいて)変動表示ゲームとして普図変動表示ゲームを実行するゲーム実行手段をなす。
本実施形態の場合、ステップB320では、変動時間として、200/256の確率で500m秒が設定され、40/256の確率で1500m秒が設定され、16/256の確率で3000m秒が設定される。
【0242】
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。
図22に示すように、普図変動中処理では、まず、処理番号として普図表示中処理にかかる「2」に設定し(ステップB401)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB402)。その後、普図表示器53における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB403)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB404)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB405)、普図変動中処理を終了する。
【0243】
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。
図23に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)。
【0244】
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB515)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB516)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB517)、普図表示中処理を終了する。
【0245】
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」又は「5」)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB505)。次いで、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタの値(例えば、「4」又は「7」)を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(ステップB506)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、1700m秒又は2600m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB507)。
【0246】
次いで、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB508)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB509)。その後、普図変動表示ゲームの当りの開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB510)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB511)。
【0247】
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB512)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB513)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB514)、普図表示中処理を終了する。
【0248】
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。
図24に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
【0249】
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新して(ステップB603)、普図当り中制御ポインタの値(ステップB603で+1更新する前の値)に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普図当り中制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
【0250】
制御ポインタの値が「0」、「2」又は「5」であった場合は、ステップB605へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB605)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB606)、普図当り中処理を終了する。
【0251】
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB607へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB607)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB608)、普図当り中処理を終了する。
【0252】
また、制御ポインタの値が「6」であった場合は、ステップB609へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB609)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB610)、普図当り中処理を終了する。
【0253】
また、制御ポインタの値が「4」又は「7」であった場合は、ステップB611へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB611)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB612)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB613)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB614)、普図当り中処理を終了する。
【0254】
ここで、本実施形態では、例えば、ステップB605にてウェイト時間として300m秒を、ステップB607にて普電開放時間として1700m秒を、ステップB609にて普電開放時間として2600m秒を、ステップB613にて普電残存球処理時間として600m秒をセーブする。
さらに、普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、
図23に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
【0255】
また、普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、
図23に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「5」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「7」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「2600m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「2600m秒」であるため普電が2600m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「5」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「6」に更新されるため普電が2600m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「7」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
【0256】
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS114)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)、磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波不正監視処理(ステップS113)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
【0257】
図25及び
図26に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
【0258】
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
【0259】
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS817)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
【0260】
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、スイッチ異常の発生中であるかを判定する(ステップS815)。
スイッチ異常の発生中である場合(ステップS815;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。また、スイッチ異常の発生中でない場合(ステップS815;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS816)、ステップS819の処理に移行する。
【0261】
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS819)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS820)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS821)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS822)。
【0262】
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS822;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS822;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS824)、外部情報編集処理を終了する。
【0263】
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、
図27に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
【0264】
〔メイン処理〕
図27に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
【0265】
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
【0266】
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
【0267】
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
【0268】
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
【0269】
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18、サブ情報表示装置90などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
【0270】
〔受信コマンドチェック処理〕
図28には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
【0271】
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
【0272】
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
【0273】
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
【0274】
〔受信コマンド解析処理〕
図29には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
【0275】
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0276】
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0277】
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0278】
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0279】
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0280】
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0281】
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0282】
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
【0283】
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図30には、上述の受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、最新の保留情報が特
図1保留であるかを判定する(ステップC301)。最新の保留情報が特
図1保留である場合(ステップC301;Y)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特
図1保留に関するものである場合は、コマンドを特
図1保留数に対応する特
図1先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC302)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
【0284】
また、最新の保留情報が特
図1保留でない場合(ステップC301;N)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特
図2保留に関するものである場合は、コマンドを特
図2保留数に対応する特
図2先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC303)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。ステップC304で先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットするのは、先読み図柄コマンドと先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)とがセット(ペア)のためである。
【0285】
〔先読み変動系コマンド処理〕
図31には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC311)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC311;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC311;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC312)。
【0286】
その後、ステップC313〜C316の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC313)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
【0287】
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC314)。さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC315)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC316)。
【0288】
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
【0289】
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
【0290】
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC317)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC317;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC317;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブして(ステップC318)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)を行う。
【0291】
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC320;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC320;Y)は、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC321)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC322)。
【0292】
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC322;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC322;Y)は、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC321)で選出された先読み予告演出)が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC323)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。また、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出、飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告などである。なお、このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングとしては、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが該当する。
【0293】
直ちに開始する演出でない場合(ステップC323;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は、先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。一方、直ちに開始する演出である場合(ステップC323;Y)は、選出された先読み予告演出に対応する表示を設定し(ステップC324)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
【0294】
〔変動系コマンド処理〕
図32には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特
図1か特
図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
【0295】
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
【0296】
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変A大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
【0297】
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
【0298】
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、あるいはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
【0299】
〔変動演出設定処理〕
図33には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
【0300】
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
【0301】
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
【0302】
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
【0303】
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
【0304】
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告、実行中記憶表示部84の表示態様などが決定されることとなる。
【0305】
次いで、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392)。次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC395)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応する始動記憶の減少に対応して飾り特図始動記憶表示を減少させる設定を行う。
【0306】
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、サブ情報表示装置90において、識別情報の変動表示とは別に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了する。
【0307】
<予告準備演出>
本実施形態の遊技機10は、表示装置41等において、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲーム)とは別のゲームである予告準備ゲームを実行可能に構成されている。この予告準備ゲームは、当該予告準備ゲームの最終結果によって、これから実行される演出(予告演出等の遊技に関する演出)の種類を示唆することができる。すなわち、予告準備ゲームの実行中に、これから実行される演出の種類を示唆する予告準備演出を行うよう構成されている。
なお、本実施形態では、予告準備ゲームとして、トランプゲームの一種であるポーカーを行うが、予告準備ゲームは適宜変更可能であり、例えば、ポーカー以外のカードゲームであっても良いし、カードゲーム以外のゲーム(パズルゲーム等)であっても良い。
【0308】
具体的には、例えば、
図34に示すように、表示装置41の表示領域の上部には、予告準備ゲームを表示する予告準備ゲーム表示部86が設けられる。予告準備ゲーム表示部86には、5枚のカード(トランプカード)が古い順(表示された順)に左右に並んでいる。左端のカードが最も古いカード(最先に表示されたカード)であり、カードが交換される毎に左へ移行するようになっている。
なお、右端のカードを最も古いカードとし、カードが交換される毎に右へ移行するようになっていても良い。
また、本実施形態では、予告準備ゲーム表示部86に予告準備ゲームの状況を報知する報知表示(キャラクタと台詞)を表示するが、当該報知表示は表示しなくても良い。
【0309】
また、通常、ポーカーは、13枚のスペードのカード(すなわち、マークがスペードである、2〜10の数札及びA,K,Q,Jの絵札)と、13枚のハートのカード(すなわち、マークがハートである、2〜10の数札及びA,K,Q,Jの絵札)と、13枚のダイヤのカード(すなわち、マークがダイヤである、2〜10の数札及びA,K,Q,Jの絵札)と、13枚のクラブのカード(すなわち、マークがクラブである、2〜10の数札及びA,K,Q,Jの絵札)とを各一組ずつ、合計52枚のカードを用いて行うが、本実施形態では、予告準備ゲームを、13枚のスペードのカードと、13枚のハートのカードとを各二組ずつ、合計52枚のカードを用いて行うこととする。無論、予告準備ゲームとしてポーカーを行う場合、13枚のスペードのカードと、13枚のハートのカードと、13枚のダイヤのカードと、13枚のクラブのカードとを各一組ずつ、合計52枚のカードを用いて行っても良い。
【0310】
また、
図34に示すように、表示装置41の表示領域の中央部には、飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。飾り特図変動表示ゲーム表示部85では、左,中,右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを実行する。
また、表示装置41の表示領域の下部には、未消化の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する待機保留表示部83が設けられる。待機保留表示部83には、第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する第1保留表示部83aと、第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する第2保留表示部83bとが設けられている。
【0311】
第1保留表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一で対応し、記憶順に並んでいる。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。また、それぞれの始動記憶に基づく第1特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)の結果や変動パターンなどの先読み結果を、対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
また、第2保留表示部83bには、第1保留表示部83aと同様に、第2始動記憶と一対一で対応した飾り特図始動記憶表示が表示される。
【0312】
第1保留表示部83aの左方には、消化中の始動記憶(現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶)に関する情報を表示する実行中保留表示部84が設けられる。実行中保留表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に、第1保留表示部83a又は第2保留表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行するようになっている。また、実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを、実行中保留表示部84に表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
【0313】
予告準備ゲームでは、所定のタイミングで予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードを交換するが、カードを交換するパターンには、一回で1枚のカードを交換する「1枚交換パターン」と、一回で5枚のカードを交換する「全部交換パターン」とがある。
「1枚交換パターン」の一種に、交換後の結果態様がワンペアとなる「ワンペア交換パターン」がある。
図34に示す例では、一回の交換で1枚のカードが交換されており、交換後の結果態様(最下図の結果態様)がワンペアになっているため、
図34に示す交換パターンは「ワンペア交換パターン」である。本実施形態では「ワンペア交換パターン」を通常の交換パターン(通常交換態様)とする。
【0314】
図35(a)に、予告準備ゲームの流れの一例を示す。
図35(a)に示すように、演出制御装置300は、予告準備ゲームを開始すると、例えば特図変動表示ゲームの開始時毎に「ワンペア交換パターン」でカードを交換する。
次いで、対象保留(予告準備演出の対象となる始動記憶)が発生すると、カードの交換方法に関するカード交換法情報等を作成する。すなわち、予告準備ゲームの実行中に新たな始動記憶が発生し、当該始動記憶が予告準備演出の対象である場合に、カード交換法情報等を作成する。
【0315】
具体的には、演出制御装置300は、先読み変動系コマンド処理(
図31)の先読み抽選処理(ステップC321)において、最新保留を予告準備演出の対象にするか否かを決定する。また、最新保留を予告準備演出の対象にすると決定した場合、すなわち最新保留が対象保留である場合には、先読み抽選処理(ステップC321)において、さらに、予告準備ゲームの最終の結果態様(予告準備ゲームの最終結果)を「ツーペア」、「スリーカード」、「フルハウス」、「フォーカード」、「フラッシュ」及び「ロイヤルフラッシュ」の中から選択するとともに、選択した最終の結果態様を導出するためのカードの交換方法に関するカード交換法情報と、選択した最終の結果態様に対応する演出を指定する対応演出指定情報とを作成する。
【0316】
カード交換法情報には、例えば
図36(b)に示すように、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードを交換するタイミング、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードと交換する新規カードの種類、交換後の結果態様の種類等が含まれる。カード交換法情報は、例えば、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果や、対象保留が発生した時点において予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードの種類や、対象保留が発生した時点において記憶されている始動記憶数(未消化の始動記憶の数)などに基づき作成される。
【0317】
図35(b)に、最終の結果態様に対応する演出の一例を示す。
図35(b)に示すように、結果態様「ツーペア」には、対応する演出として、予告準備ゲーム表示部86等に表示されているキャラクタを変化させるキャラクタ変化演出が設定されている。したがって、最終の結果態様が「ツーペア」である場合には、最終の結果態様に対応する演出を指定する対応演出指定情報として、キャラクタ変化演出を指定する情報が作成される。すなわち、予告準備ゲームの最終の結果態様を「ツーペア」にすることによって、これからキャラクタ変化演出が実行されることを示唆できる。
【0318】
また、結果態様「スリーカード」には、対応する演出として、識別情報を変動表示した後に仮停止する変動サイクルを複数回行う擬似連変動の発生を示唆する擬似連確定予告演出が設定されている。したがって、最終の結果態様が「スリーカード」である場合には、最終の結果態様に対応する演出を指定する対応演出指定情報として、擬似連確定予告演出を指定する情報が作成される。すなわち、予告準備ゲームの最終の結果態様を「スリーカード」にすることによって、これから擬似連確定予告演出が実行されることを示唆できる。
【0319】
また、結果態様「フルハウス」には、対応する演出として、SP1リーチ変動の発生を示唆するSP1確定予告演出が設定されている。したがって、最終の結果態様が「フルハウス」である場合には、最終の結果態様に対応する演出を指定する対応演出指定情報として、SP1確定予告演出を指定する情報が作成される。すなわち、予告準備ゲームの最終の結果態様を「フルハウス」にすることによって、これからSP1確定予告演出が実行されることを示唆できる。
【0320】
また、結果態様「フォーカード」には、対応する演出として、SP2リーチ変動の発生を示唆するSP2確定予告演出が設定されている。したがって、最終の結果態様が「フォーカード」である場合には、最終の結果態様に対応する演出を指定する対応演出指定情報として、SP2確定予告演出を指定する情報が作成される。すなわち、予告準備ゲームの最終の結果態様を「フォーカード」にすることによって、これからSP2確定予告演出が実行されることを示唆できる。
【0321】
また、結果態様「フラッシュ」には、対応する演出として、特図変動表示ゲームの結果が大当り(通常大当り又は確変大当り)となる可能性が高いことを示唆する大当り予告演出が設定されている。したがって、最終の結果態様が「フラッシュ」である場合には、最終の結果態様に対応する演出を指定する演出指定情報として、大当り予告演出を指定する情報が作成される。すなわち、予告準備ゲームの最終の結果態様を「フラッシュ」にすることによって、これから大当り予告演出が実行されることを示唆できる。
【0322】
また、結果態様「ロイヤルフラッシュ」には、対応する演出として、特図変動表示ゲームの結果が確変大当りとなる可能性が高いことを示唆する確変大当り予告演出が設定されている。したがって、最終の結果態様が「ロイヤルフラッシュ」である場合には、最終の結果態様に対応する演出を指定する演出指定情報として、確変大当り予告演出を指定する情報が作成される。すなわち、予告準備ゲームの最終の結果態様を「ロイヤルフラッシュ」にすることによって、これから確変大当り予告演出が実行されることを示唆できる。
【0323】
ここで、対象保留に基づく特図変動表示ゲームで擬似連変動が発生する場合にのみ最終の結果態様として「スリーカード」が選択可能となっている。すなわち、対象保留に基づく特図変動表示ゲームで擬似連変動が発生しない場合には、最終の結果態様として「スリーカード」以外が選択される。また、対象保留に基づく特図変動表示ゲームで擬似連変動が発生する場合に、最終の結果態様として「スリーカード」以外が選択されることもある。
また、対象保留に基づく特図変動表示ゲームでSP1リーチ変動が発生する場合にのみ最終の結果態様として「フルハウス」が選択可能となっている。
また、対象保留に基づく特図変動表示ゲームでSP2リーチ変動が発生する場合にのみ最終の結果態様として「フォーカード」が選択可能となっている。
【0324】
また、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合の方が、大当りとならない場合よりも高い確率で、最終の結果態様として「フラッシュ」が選択されるようになっている。
また、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの結果が確変大当りとなる場合の方が、確変大当りとならない場合よりも高い確率で、最終の結果態様として「ロイヤルフラッシュ」が選択されるようになっている。
【0325】
次いで、
図35(a)に示すように、カード交換法情報及び対応演出指定情報を作成した後、作成したカード交換法情報に従って予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードを交換していく。これにより、対象保留の発生時に選択された最終の結果態様(すなわち、対象保留に対応する最終の結果態様)が表示される。予告準備演出は、カード交換法情報に基づくカード交換の開始によって開始し、最終の結果態様の表示(導出)によって終了する。
次いで、最終の結果態様に対応する演出(すなわち、作成した対応演出指定情報によって指定される演出)を実行して、予告準備ゲームを終了する。その後、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードを「全部交換パターン」で交換して、新たな予告準備ゲームを開始する。
【0326】
具体的には、演出制御装置300は、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの開始時に実行される変動系コマンド処理(
図32)の変動演出設定処理(ステップC365)において、対応演出指定情報も考慮して予告演出の内容を決定する。
すなわち、演出制御装置300は、変動系コマンド処理の変動演出設定処理(
図33)のステップC391において、ステップC386及びステップC389で行った予告抽選の結果に対応する演出の内容を決定するが、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの開始時に実行される変動系コマンド処理の変動演出設定処理のステップC391では、ステップC386及びステップC389で行った予告抽選の結果と、当該対象保留の発生時に作成した対応演出指定情報とに対応する演出の内容を決定することとする。これにより、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中に、対応演出指定情報によって指定される演出、すなわち最終の結果態様に対応する演出を実行することができる。
【0327】
図36〜
図39には、対象保留(予告準備演出の対象となる始動記憶)に対応する最終の結果態様が「ツーペア」である場合における予告準備演出の一例を示した。
図36(a)の[ア]に示すように、対象保留が発生すると、
図36(a)の[イ]に示すように、対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示が通常の表示態様とは異なる表示態様である予告準備演出報知用の表示態様で表示される。これにより、予告準備演出の対象となる始動記憶を報知することができる。
【0328】
ここでは、通常の表示態様を白抜きの丸印としたが、通常の表示態様はこれに限定されず適宜変更可能である。また、ここでは、予告準備演出報知用の表示態様を網掛け模様の丸印としたが、予告準備演出報知用の表示態様はこれに限定されず適宜変更可能である。
なお、対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示を予告準備演出報知用の表示態様以外の表示態様(通常の表示態様や、最終の結果態様に対応する演出の種類を示唆可能な表示態様など)で表示することも可能である。
また、対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させて先読み結果を報知する保留変化演出の実行が、先読み抽選処理等で決定された場合には、保留報知演出(対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示を予告準備演出報知用の表示態様で表示する演出)よりも、当該保留変化演出を優先しても良い。
【0329】
また、対象保留が発生すると、カード交換法情報及び対応演出指定情報が作成される。ここでは、
図36(b)に示すカード交換法情報及び対応演出指定情報を作成したとする。
本実施形態では、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるため、対象保留が第1始動記憶である場合には、対象保留が発生した時点において記憶されている始動記憶数と、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの開始までに実行される特図変動表示ゲームの数とが一致しないことがある。すなわち、対象保留が第1始動記憶である場合、対象保留が発生してから当該対象保留に基づく特図変動表示ゲームの開始までの間に第2始動記憶が発生した際には、対象保留が発生した時点において記憶されている始動記憶数よりも、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの開始までに実行される特図変動表示ゲームの数の方が多くなる。したがって、本実施形態では、カード交換法情報を作成する際に参照する始動記憶数(未消化の始動記憶の数)は、対象保留が第1始動記憶である場合には、当該対象保留の発生時に記憶されている第1始動記憶数のみとし、対象保留が第2始動記憶である場合には、当該対象保留の発生時に記憶されている第2始動記憶数のみとする。
【0330】
次いで、
図37の[ウ]に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始される。対象保留が第1始動記憶であるのに対し、当該次の特図変動表示ゲームは第2始動記憶に基づくゲームであるため、当該次の特図変動表示ゲームでは予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードは交換されない。
次いで、
図37の[エ]に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始される。当該次の特図変動表示ゲームは保留番号「1」の第1始動記憶に基づくゲームであるため、
図36(b)に示すように、当該次の特図変動表示ゲームの開始時に予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが「1枚交換パターン」で交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「ワンペア」になる。
【0331】
次いで、
図37の[オ]に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始される。当該次の特図変動表示ゲームは保留番号「2」の第1始動記憶に基づくゲームであるため、
図36(b)に示すように、当該次の特図変動表示ゲームでは予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードは交換されない。
次いで、
図38の[カ]に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始される。当該次の特図変動表示ゲームは保留番号「3」の第1始動記憶に基づくゲームであるため、
図36(b)に示すように、当該次の特図変動表示ゲームの開始時に予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが「1枚交換パターン」で交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「ツーペア」になる。
図36(b)に示すように、保留番号「3」に対応する交換は最後の交換であるため、この「ツーペア」が予告準備ゲームの最終の結果態様になる。
【0332】
次いで、
図38の[キ]に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始される。当該次の特図変動表示ゲームは保留番号「4」の第1始動記憶に基づくゲームであるため、
図36(b)に示すように、当該次の特図変動表示ゲームでは予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードは交換されない。
そして、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中に、最終の結果態様に対応する演出が実行される。「ツーペア」に対応する演出はキャラクタ変化演出であるため、
図36(b)に示すように、対応演出指定情報によってキャラクタ変化演出が指定される。よって、ここでは、
図38の[ク]に示すように、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中にキャラクタ変化演出が実行される。
【0333】
次いで、
図39の[ケ]に示すように、最終の結果態様に対応する演出が終了すると、予告準備ゲームが終了する。
そして、
図39の[コ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時等に予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが「全部交換パターン」で交換されて、新たな予告準備ゲームが開始される。
【0334】
図40には、対象保留(予告準備演出の対象となる始動記憶)に対応する最終の結果態様が「ツーペア」又は「フルハウス」である場合における予告準備演出の一例を示した。
対象保留が発生すると、
図40の[サ]に示すように、当該対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示が予告準備演出報知用の表示態様で表示される。
【0335】
次いで、
図40の[シ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「ツーペア」になる。
対象保留に対応する最終の結果態様が「ツーペア」である場合には、
図40の[ス]に示すように、当該対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中にキャラクタ変化演出が実行される。そして、その後、新たな予告準備ゲームが開始される。すなわち、この場合、予告準備ゲームの結果態様が「ツーペア」の状態で当該「ツーペア」に対応する演出であるキャラクタ変化演出を実行することによって、予告準備ゲームの終了を示唆することができる。
【0336】
一方、対象保留に対応する最終の結果態様が「ツーペア」でない場合、すなわち対象保留に対応する最終の結果態様が「フルハウス」である場合には、
図40の[セ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「フルハウス」になる。次いで、
図40の[ソ]に示すように、当該対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中にSP1確定予告演出が実行される。そして、その後、新たな予告準備ゲームが開始される。すなわち、この場合、予告準備ゲームの結果態様が「フルハウス」の状態で当該「フルハウス」に対応する演出であるSP1確定予告演出を実行することによって、予告準備ゲームの終了を示唆することができる。
【0337】
図40に示すように、「ツーペア」となるカードの組み合わせは、「フルハウス」となるカードの組み合わせに含まれる。したがって、予告準備ゲームの結果態様が「ツーペア」になった場合には、キャラクタ変化演出が実行されて当該予告準備ゲームが終了するか、あるいは、キャラクタ変化演出が実行されずに当該予告準備ゲームが「フルハウス」に発展する。すなわち、結果態様が「ツーペア」になることによって、キャラクタ変化演出の実行を示唆できるだけでなく、「フルハウス」への発展も示唆することができる。
【0338】
図41には、対象保留(予告準備演出の対象となる始動記憶)に対応する最終の結果態様が「スリーカード」又は「フルハウス」である場合における予告準備演出の一例を示した。
対象保留が発生すると、
図41の[タ]に示すように、当該対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示が予告準備演出報知用の表示態様で表示される。
【0339】
次いで、
図41の[チ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「スリーカード」になる。
対象保留に対応する最終の結果態様が「スリーカード」である場合には、
図41の[ツ]に示すように、当該対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中に擬似連確定予告演出が実行される。そして、その後、新たな予告準備ゲームが開始される。すなわち、この場合、予告準備ゲームの結果態様が「スリーカード」の状態で当該「スリーカード」に対応する演出である擬似連確定予告演出を実行することによって、予告準備ゲームの終了を示唆することができる。
【0340】
一方、対象保留に対応する最終の結果態様が「スリーカード」でない場合、すなわち対象保留に対応する最終の結果態様が「フルハウス」である場合には、
図41の[テ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「フルハウス」になる。次いで、
図41の[ト]に示すように、当該対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中にSP1確定予告演出が実行される。そして、その後、新たな予告準備ゲームが開始される。すなわち、この場合、予告準備ゲームの結果態様が「フルハウス」の状態で当該「フルハウス」に対応する演出であるSP1確定予告演出を実行することによって、予告準備ゲームの終了を示唆することができる。
【0341】
図41に示すように、「スリーカード」となるカードの組み合わせは、「フルハウス」となるカードの組み合わせに含まれる。すなわち、結果態様が「スリーカード」になることによって、擬似連確定予告演出の実行を示唆できるだけでなく、「フルハウス」への発展も示唆することができる。
【0342】
図42には、対象保留(予告準備演出の対象となる始動記憶)に対応する最終の結果態様が「スリーカード」又は「フォーカード」である場合における予告準備演出の一例を示した。
対象保留が発生すると、
図42の[ナ]に示すように、当該対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示が予告準備演出報知用の表示態様で表示される。
【0343】
次いで、
図42の[ニ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「スリーカード」になる。
対象保留に対応する最終の結果態様が「スリーカード」である場合には、
図42の[ヌ]に示すように、当該対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中に擬似連確定予告演出が実行される。そして、その後、新たな予告準備ゲームが開始される。すなわち、この場合、予告準備ゲームの結果態様が「スリーカード」の状態で当該「スリーカード」に対応する演出である擬似連確定予告演出を実行することによって、予告準備ゲームの終了を示唆することができる。
【0344】
一方、対象保留に対応する最終の結果態様が「スリーカード」でない場合、すなわち対象保留に対応する最終の結果態様が「フォーカード」である場合には、
図42の[ネ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「フォーカード」になる。次いで、
図42の[ノ]に示すように、当該対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中にSP2確定予告演出が実行される。そして、その後、新たな予告準備ゲームが開始される。すなわち、この場合、予告準備ゲームの結果態様が「フォーカード」の状態で当該「フォーカード」に対応する演出であるSP2確定予告演出を実行することによって、予告準備ゲームの終了を示唆することができる。
【0345】
図42に示すように、「スリーカード」となるカードの組み合わせは、「フォーカード」となるカードの組み合わせに含まれる。すなわち、結果態様が「スリーカード」になることによって、擬似連確定予告演出の実行を示唆できるだけでなく、「フォーカード」への発展も示唆することができる。
【0346】
図43には、対象保留(予告準備演出の対象となる始動記憶)に対応する最終の結果態様が「ツーペア」又は「フラッシュ」である場合における予告準備演出の一例を示した。
対象保留が発生すると、
図43の[ハ]に示すように、当該対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示が予告準備演出報知用の表示態様で表示される。
【0347】
次いで、
図43の[ヒ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「ツーペア」になる。
対象保留に対応する最終の結果態様が「ツーペア」である場合には、
図43の[フ]に示すように、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中にキャラクタ変化演出が実行される。そして、その後、新たな予告準備ゲームが開始される。すなわち、この場合、予告準備ゲームの結果態様が「ツーペア」の状態で当該「ツーペア」に対応する演出であるキャラクタ変化演出を実行することによって、予告準備ゲームの終了を示唆することができる。
【0348】
一方、対象保留に対応する最終の結果態様が「ツーペア」でない場合、すなわち対象保留に対応する最終の結果態様が「フラッシュ」である場合には、
図43の[へ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「フラッシュ」になる。次いで、
図43の[ホ]に示すように、当該対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中に大当り予告演出が実行される。そして、その後、新たな予告準備ゲームが開始される。すなわち、この場合、予告準備ゲームの結果態様が「フラッシュ」の状態で当該「フラッシュ」に対応する演出である大当り予告演出を実行することによって、予告準備ゲームの終了を示唆することができる。
【0349】
図43に示すように、「ツーペア」」となるカードの組み合わせは、「フラッシュ」となるカードの組み合わせに含まれる。すなわち、結果態様が「ツーペア」になることによって、キャラクタ変化演出の実行を示唆できるだけでなく、「フラッシュ」への発展も示唆することができる。
【0350】
なお、本実施形態では、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードを「1枚交換パターン」又は「全部交換パターン」で交換するよう構成したが、カードを交換するパターンは、「1枚交換パターン」と「全部交換パターン」とに限定されない。すなわち、一回の交換で2枚のカードを交換することも可能であるし、一回の交換で3枚のカードを交換することも可能であるし、一回の交換で4枚のカードを交換することも可能である。
【0351】
また、本実施形態では、先読み抽選処理(ステップC321)等において、最終の結果態様を、「ツーペア」、「スリーカード」、「フルハウス」、「フォーカード」、「フラッシュ」及び「ロイヤルフラッシュ」の中から選択するよう構成したが、これに限定されない。例えば、最終の結果態様として「ストレート」や「ストレートフラッシュ」を選択可能に構成しても良い。
【0352】
また、本実施形態では、交換後の結果態様が「ワンペア」又は最終の結果態様として選択可能な結果態様になる、すなわちカードを交換すると役が成立するよう構成したが、これに限定されない。交換後の結果態様が「ノーペア」になる、すなわちカードを交換しても役が成立しないよう構成することも可能である。具体的には、例えば、「1枚交換パターン」の一種として、交換後の結果態様がノーペアとなる「ノーペア交換パターン」を設けても良い。
また、「1枚交換パターン」の一種として「ノーペア交換パターン」を設ける場合、決まったタイミングにて「ノーペア交換パターン」で交換することも可能である。具体的には、例えば、予告準備演出の開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードを「ノーペア交換パターン」で交換しても良い。これにより、予告準備演出の開始時に、通常の交換パターンである「ワンペア交換パターン」とは明確に異なる「ノーペア交換パターン」でカードを交換することで、予告準備演出の開始を示唆することができる。
【0353】
また、本実施形態では、特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードを交換するよう構成したが、カードを交換するタイミングは適宜変更可能である。具体的には、例えば、特図変動表示ゲームの実行中や特図変動表示ゲームの終了時などに、カードを交換するよう構成しても良い。
また、本実施形態では、対象保留に基づく特図変動表示ゲームよりも前に開始される特図変動表示ゲームにおいて、最終の結果態様を導出(表示)するよう構成したが、最終の結果態様を導出するタイミングは、適宜変更可能である。具体的には、例えば、対象保留に基づく特図変動表示ゲームにおいて、最終の結果態様を導出するよう構成しても良い。
また、本実施形態では、対象保留に基づく特図変動表示ゲームにおいて、最終の結果態様に対応する演出を実行するよう構成したが、最終の結果態様に対応する演出を実行するタイミングは、最終の結果態様が導出された後であれば適宜変更可能である。具体的には、例えば、対象保留に基づく特図変動表示ゲームよりも前に開始される特図変動表示ゲームにおいて、最終の結果態様に対応する演出を実行するよう構成しても良い。
【0354】
また、本実施形態では、新たな予告準備ゲームの開始時に、「全部交換パターン」でカードを交換するよう構成したが、「全部交換パターン」でカードを交換するタイミングは適宜変更可能である。具体的には、例えば、最終の結果態様が「フラッシュ」や「ロイヤルフラッシュ」などの特定の演出が対応付けられた結果態様である場合に、最後の交換以外の交換を「1枚交換パターン」で行い、最後の交換を「全部交換パターン」で行って当該最終の結果態様を導出しても良い。これにより、最終の結果態様が導出される前に、「1枚交換パターン」とは明確に異なる「全部交換パターン」でカードを交換することで、特定の演出の実行を示唆する結果態様が最終の結果態様として導出されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0355】
また、所謂ガセの演出として、予告準備演出を実行可能である。この場合、例えば、導出された結果態様に対応する演出が実行されないまま、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが「全部交換パターン」で交換されて、新たな予告準備ゲームが開始される。
【0356】
また、本実施形態では、一の特図変動表示ゲームにおいて、カードの交換を1回行うよう構成したが、一の特図変動表示ゲームにおいて、カードの交換を複数回行うよう構成することも可能である。
一の特図変動表示ゲームにおいて、カードの交換を複数回行う場合の一例を
図44に示す。
図44には、対象保留に基づく特図変動表示ゲームでSP1リーチ変動が発生する場合に作成可能なカード交換法情報及び対応演出指定情報の一例を示す。
【0357】
図44に示す例の場合、例えば、保留番号「1」の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に、「1枚交換パターン」でカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「ワンペア」になる。
次いで、保留番号「2」の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に、「1枚交換パターン」でカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「ツーペア」になる。
【0358】
次いで、保留番号「3」の始動記憶(すなわち、対象保留)に基づく変動表示ゲームにおける前半変動の最中に、「1枚交換パターン」でカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「フルハウス」になる。この「フルハウス」は最終の結果態様でないため、「フルハウス」に対応する演出であるSP1リーチ確定予告演出は実行されない(
図44に示すように、対応演出指定情報でSP1リーチ確定予告演出を指定していない)。
次いで、保留番号「3」の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおける後半変動の開始時(すなわち、SP1リーチ変動の発生後)に、「全部交換パターン」でカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「ロイヤルフラッシュ」になる。その後、対応演出指定情報に従って確変大当り予告演出が実行される。
【0359】
「フルハウス」に対応する演出はSP1リーチ確定予告演出であり、そのことを把握している遊技者は、予告準備ゲームの結果態様が「フルハウス」になるだけでSP1リーチ変動の発生を期待する。そして、ここでは、実際にSP1リーチ変動が発生するため、遊技者は、当該予告準備ゲームがここで終了すると誤解する可能性が高い。しかし、ここでは、その誤解に反し、当該予告準備ゲームの結果態様が更に変化して「ロイヤルフラッシュ」になり、その後「ロイヤルフラッシュ」に対応する演出である確変大当り予告演出が実行されるため、遊技者の期待感を煽ることができる。
【0360】
なお、カードの交換を複数回行う特図変動表示ゲームは、対象保留に基づく特図変動表示ゲームに限定されず、対象保留に基づく特図変動表示ゲームよりも前に実行される特図変動表示ゲームであっても良い。
また、最終の結果態様が導出される特図変動表示ゲームにおいてカードの交換を複数回行う場合には、当該特図変動表示ゲームにおいて、最終の結果態様に対応する演出だけでなく、最終の結果態様よりも前に導出される結果態様に対応する演出も実行しても良い。すなわち、
図44に示す例の場合、予告準備ゲームの結果態様が「フルハウス」になった後に当該「フルハウス」に対応するSP1リーチ確定予告演出を実行しても良い。この場合、対応演出指定情報でSP1リーチ確定予告演出も指定する。
【0361】
<予告準備ゲームの変形例1>
予告準備ゲームの結果態様に対応する演出が実行された場合に終了するタイプ(第1タイプ)の予告準備ゲームに加えて(あるいは替えて)、予告準備ゲームの結果態様に対応する演出を実行された後も継続するタイプ(第2タイプ)の予告準備ゲームを実行することも可能である。第2タイプの予告準備ゲームの一例を、
図45及び
図46に示した。
第2タイプの予告準備ゲームは、例えば、対象保留が発生する前に記憶された未消化の始動記憶の中に、予告準備演出の対象ではないが、最終の結果態様に対応する演出として選択可能な演出(本実施形態の場合、キャラクタ変化演出、擬似連確定予告演出、SP1確定予告演出、SP2確定予告演出、大当り予告演出、確変大当り予告演出)の対象である始動記憶が含まれる場合に実行可能である。
【0362】
図45及び
図46には、対象保留(予告準備演出の対象となる始動記憶)に対応する最終の結果態様が「フルハウス」であり、当該対象保留が発生する前に記憶された未消化の始動記憶の中に、予告準備演出の対象ではないが擬似連確定予告演出の対象である始動記憶(以下「偽対象保留」という。)が含まれる場合における予告準備演出の一例を示した。
対象保留が発生すると、
図45の[マ]に示すように、偽対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示が予告準備演出報知用の表示態様で表示される。なお、偽対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させて先読み結果を報知する保留変化演出の実行が予め決定(例えば、偽対象保留の発生時に実行された先読み抽選処理等で決定)されていた場合、すなわち偽対象保留が保留変化演出の対象である場合には、偽対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示を予告準備演出報知用の表示態様で表示する演出(ガセの保留報知演出)よりも、当該保留変化演出を優先しても良い。
【0363】
次いで、
図45の[ミ]に示すように、新たな特図変動表示ゲームの開始時に、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが交換されて、予告準備ゲームの結果態様が「スリーカード」になる。
次いで、
図45の[ム]に示すように、偽対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中に擬似連確定予告演出が実行される。この擬似連確定予告演出は対応演出指定情報で指定された演出ではないが、予告準備ゲームの結果態様が「スリーカード」の状態で当該「スリーカード」に対応する演出である擬似連確定予告演出が実行されるため、予告準備ゲームが終了するかのように遊技者に見せかけることができる。
【0364】
次いで、
図46の[メ]に示すように、偽対象保留に基づく特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームが開始すると、対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様が、通常の表示態様から継続報知用の表示態様に変化する。これにより、予告準備ゲームの継続を報知することができる。予告準備ゲームの結果態様に対応する演出が実行されたにもかかわらず予告準備ゲームが終了しないことから、遊技者は予告準備ゲームが継続していると認識できるが、対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示を継続報知用の表示態様に変化させることによって、予告準備ゲームが継続していると明確に認識させることができる。
ここでは、継続報知用の表示態様を水玉模様の丸印としたが、継続報知用の表示態様はこれに限定されず適宜変更可能であり、例えば、予告準備演出報知用の表示態様と同一であっても良い。
【0365】
次いで、
図46の[モ]に示すように、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中にSP1確定予告演出が実行される。このSP1確定予告演出は対応演出指定情報で指定された演出であるため、予告準備ゲームが終了して、新たな予告準備ゲームが開始される。
このように、第2タイプの予告準備ゲームは、偽対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示を予告準備演出報知用の表示態様で表示する演出(ガセの保留報知演出)を実行するとともに、偽対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中に予告準備ゲームの結果態様(現時点の結果態様)に対応する演出が実行されるため、偽対象保留に基づく特図変動表示ゲームにおいて予告準備ゲームが終了するかのように遊技者に見せかけることができる。すなわち、第1タイプの予告準備ゲームと第2タイプの予告準備ゲームとの双方を実行可能とすることで、第2タイプの予告準備ゲームが実行された場合に、遊技者に意外性を持たせることができるため、遊技の興趣が向上する。
【0366】
なお、偽対象保留は、予告準備演出の対象であっても良い。すなわち、未消化の始動記憶の中に、複数の対象保留がある場合に第2タイプの予告準備ゲームを実行しても良い。この場合、当該複数の対象保留のうち最新の対象保留以外の対象保留を、偽対象保留に相当するものとして扱う。
具体的には、例えば、未消化の始動記憶の中に第1の対象保留と第2の対象保留があり、第2の対象保留が最新の対象保留である場合には、第1の対象保留の発生時に作成したカード交換法情報を含むカード交換法情報を第2の対象保留の発生時に作成する。そして、第1の対象保留の発生時に作成したカード交換法情報に従ってカードが交換され、予告準備ゲームの結果態様として、第1の対象保留に対応する最終の結果態様(第1の対象保留の発生時に最終の結果態様として選択された結果態様)が導出された後、第1の対象保留の発生時に作成した対応演出指定情報によって指定された演出が実行される。その後、第2の対象保留の発生時に作成したカード交換法情報に従ってカードが交換され、予告準備ゲームの結果態様として、第2の対象保留に対応する最終の結果態様(第2の対象保留の発生時に最終の結果態様として選択された結果態様)が導出された後、第2の対象保留の発生時に作成した対応演出指定情報によって指定された演出が実行される。この場合、第2の対象保留の発生時に最終の結果態様として選択された結果態様が、予告準備ゲームの最終の結果態様になる。
【0367】
<予告準備ゲームの変形例2>
また、第1タイプの予告準備ゲーム及び/又は第2タイプの予告準備ゲームに加えて(あるいは替えて)、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードの中から消去するカードを遊技者に選択させるタイプ(第3タイプ)の予告準備ゲームを実行することも可能である。第3タイプの予告準備ゲームの一例を
図47に示した。
第3タイプの予告準備ゲームは、例えば、未消化の始動記憶(対象保留も含む)の中に所定の遊技者選択条件を満たす始動記憶がある場合に実行可能である。遊技者選択条件を満たす始動記憶とは、例えば、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいてリーチ変動が発生する始動記憶であり、遊技者選択条件を満たす始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行中に消去するカードを遊技者に選択させる。
【0368】
第3タイプの予告準備ゲームを実行する場合は、対象保留の発生時に、例えば
図47(a)に示すようなカード交換法情報及び対応演出指定情報が作成される。
図47(a)に示すカード交換法情報と、
図36(b)に示すカード交換法情報とを比較すると、
図47(a)に示すカード交換法情報には「好適な選択カード」が追加されている。
カード交換法情報の「好適な選択カード」に規定されたカードが、消去するカードとして遊技者によって選択された場合には、当該カード交換法情報の「交換後の結果態様」に規定された結果態様が導出されることとなる。一方、カード交換法情報の「好適な選択カード」に規定されたカード以外のカードが、消去するカードとして遊技者によって選択された場合には、当該カード交換法情報の「交換後の結果態様」に規定された結果態様以外の結果態様が導出されることとなる。
【0369】
したがって、「好適な選択カード」にカードが規定されている交換(
図47(a)に示す例の場合、2回目の交換(保留番号「3」に対応する交換))では、消去するカードを遊技者に選択させて、遊技者によって選択されたカードを消去する。一方、「好適な選択カード」にカードが規定されていない交換(
図47(a)に示す例の場合、1回目の交換(保留番号「1」に対応する交換))では、第1タイプや第2タイプの予告準備ゲームにおける予告準備演出と同様、遊技者に消去するカードを選択させず、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードのうち最も古いカード(本実施形態の場合、左端のカード)を消去する。すなわち、
図47(a)に示す例の場合、少なくとも保留番号「3」の始動記憶は、遊技者選択条件を満たしている。
【0370】
図47(a)に示すカード交換法情報に従ってカードを交換した場合における予告準備演出の一例を
図47(b)に示す。
図47(a)に示すカード交換法情報は、
図36(b)に示すカード交換法情報と保留番号「2」の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームまでは同一である。すなわち、
図36(a)の[ア]から
図37の[オ]までは、表示装置41での演出表示が同一である。
【0371】
具体的には、
図36(a)の[ア]に示すように、対象保留が発生すると、
図36(a)の[イ]に示すように、対象保留に対応する飾り特図始動記憶表示が予告準備演出報知用の表示態様で表示されるとともに、
図47(a)に示すカード交換法情報及び対応演出指定情報が作成される。
次いで、
図37の[ウ]に示すように、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始される。
次いで、
図37の[エ]に示すように、保留番号「1」の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されると、予告準備ゲーム表示部86に表示されているカードが「1枚交換パターン」交換されて、予告準備ゲームの結果結果が「ワンペア」になる。
図47(a)に示すように、保留番号「1」に対応する交換は「好適な選択カード」にカードが規定されていない交換であるため、消去するカードを遊技者に選択させない。
次いで、
図37の[オ]に示すように、保留番号「2」の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始される。
【0372】
次いで、
図47(b)の[ヤ]に示すように、保留番号「3」の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始される。
図47(a)に示すように、保留番号「3」に対応する交換は「好適な選択カード」にカードが規定されている交換であり、保留番号「3」に対応する「交換タイミング」に規定されているタイミングは“変動開始時”であるため、特図変動表示ゲームの開始時に、消去するカードを選択するよう促す表示(例えば「消去するカードを選んで!」等の表示)が表示装置41に表示される。
【0373】
そして、消去するカードを選択するよう促す表示が表示されている期間(操作有効期間)中に、遊技者は、演出ボタン25等を操作して、消去するカードを選択する操作と、選択を確定する操作とを行う。消去するカードを選択する操作では、例えば、太枠や矢印などの選択表示(あるいは、カードの色やサイズなどを変化させても良い)を左又は右に移動させる。
図47(b)の[ヤ]では、太枠(選択表示)が予告準備ゲーム表示部86に表示されている5枚のカードのうち真ん中のカードに位置しているため、この状態で選択を確定する操作が行われると、
図47(b)の[ユ]に示すように、当該真ん中のカードが消去されて、保留番号「3」に対応する「新規カード」に規定されているカード(ここでは「スペードのA」のカード(
図47(a)参照))が出現する。この場合、保留番号「3」に対応する「好適な選択カード」に規定されているカード以外のカードが選択されたため、
図47(b)の[ユ]に示すように、予告準備ゲームの結果態様が、保留番号「3」に対応する「交換後の結果態様」に規定されている結果態様(ここでは「ツーペア」(
図47(a)参照))とは異なる結果態様になる。また、「好適な選択カード」に規定されているカードが選択されなかった場合には、対応演出指定情報がキャンセルされる。したがって、対象保留の発生時に選択された最終の結果態様(すなわち、対象保留に対応する最終の結果態様)に対応する演出は実行されない。
【0374】
一方、保留番号「3」に対応する「好適な選択カード」に規定されているカードが選択された場合には、
図48の[ラ]に示すように、選択されたカード(ここでは左端のカード)が消去されて、保留番号「3」に対応する「新規カード」に規定されているカード(ここでは「スペードのA」のカード(
図47(a)参照))が出現し、予告準備ゲームの結果態様が、保留番号「3」に対応する「交換後の結果態様」に規定されている結果態様(ここでは「ツーペア」(
図47(a)参照))になる。
その後、
図48の[リ]に示すように、対象保留の発生時に選択された最終の結果態様に対応する演出が実行される。
【0375】
無論、「好適な選択カード」に規定されているカードが選択されなかった場合(操作有効期間中にいずれのカードも選択されなかった場合も含む)には、対象保留の発生時に選択された最終の結果態様に対応する演出は実行されないが、対象保留の発生時に選択された最終の結果態様に対応する演出が擬似連確定予告演出である場合、当該擬似連確定予告演出が実行されなくても、擬似連変動は発生する。また、同様に、対象保留の発生時に選択された最終の結果態様に対応する演出がSP1確定予告演出である場合、当該SP1確定予告演出が実行されなくても、SP1リーチ変動は発生するし、対象保留の発生時に選択された最終の結果態様に対応する演出がSP2確定予告演出である場合、当該SP2確定予告演出が実行されなくても、SP2リーチ変動は発生する。また、対象保留の発生時に選択された最終の結果態様に対応する演出が大当り予告演出や確変大当り予告演出である場合、当該大当り予告演出や当該確変大当り予告演出が実行されてもされなくても、当該対象保留に基づく特図変動表示ゲームの結果は変わらない。
【0376】
なお、未消化の始動記憶(対象保留も含む)の中に、遊技者選択条件を満たす始動記憶が複数ある場合には、遊技者選択条件を満たす複数の始動記憶のうちのいずれかに基づく特図変動表示ゲームの実行時に消去するカードを遊技者に選択させても良いし、遊技者選択条件を満たす始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行毎に消去するカードを遊技者に選択させても良い。すなわち、予告準備ゲームの開始から終了までの間に、遊技者が消去するカードを選択できる回数は、1回であっても良いし、複数回であっても良い。
また、遊技者が消去するカードを選択しなかった場合には予告準備ゲームを中止して、対象保留に基づく特図変動表示ゲームの実行後等に新たな予告準備ゲームを開始するようにしても良い。
【0377】
本実施形態の遊技機10によれば、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、変動表示ゲームに関する演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームとは異なる特定ゲーム(第1〜第3タイプの予告準備ゲーム)を実行する特定ゲーム実行手段(演出制御装置300)と、を備え、特定ゲーム実行手段は、特定ゲームを、変動表示ゲームと同時に実行可能であり、特定ゲームの結果態様によって、演出制御手段により実行される演出の種類を示唆可能であるよう構成されている。
【0378】
したがって、変動表示ゲームとは異なるゲームとして、変動表示ゲームとの関連性が高いゲームを実行できるため、変動表示ゲームとは異なるゲームによって遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、演出制御手段により実行される演出は、キャラクタ変化演出、擬似連確定予告演出、SP1確定予告演出、SP2確定予告演出、大当り予告演出、確変大当り予告演出に限定されず、適宜変更可能である。
【0379】
また、本実施形態の遊技機10において、特定ゲーム実行手段(演出制御装置300)は、特定ゲーム(第1〜第3タイプの予告準備ゲーム)における複数のタイミングにて当該特定ゲームの結果態様を導出可能であり、複数のタイミングのうちの最後のタイミングにて導出する特定ゲームの結果態様(最終の結果態様)によって、演出制御手段(演出制御装置300)により実行される演出の種類を示唆するよう構成可能である。
このように構成することで、例えば、特定ゲームの結果態様がより良い結果態様へと発展していくような演出を行うこともできるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0380】
また、本実施形態の遊技機10において、特定ゲーム(第1〜第3タイプの予告準備ゲーム)の結果態様には、第1結果態様と、当該第1結果態様を含む第2結果態様とがあり、特定ゲーム実行手段(演出制御装置300)は、第1結果態様を導出した後に、当該第1結果態様を利用して第2結果態様を導出するよう構成可能である(
図40〜
図43参照)。
本実施形態の場合、第1結果態様が「ツーペア」である場合は、第2結果態様は「フルハウス」又は「フラッシュ」であり、第1結果態様が「スリーカード」である場合は、第2結果態様は「フルハウス」又は「フォーカード」である。
【0381】
このように構成することで、第1結果態様の導出によって、第1結果態様に対応する演出の実行を示唆できるだけでなく、第2結果態様への発展も示唆できるため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態の場合、第1結果態様を導出した後に、当該第1結果態様を利用して第2結果態様を導出する場合、第1結果態様に対応する演出は実行しないため、第1結果態様の導出によって、第1結果態様に対応する演出が実行される“可能性がある”ことと、第2結果態様に発展する可能性があることとを示唆することができる。
また、第1結果態様を導出した後に、第1結果態様に対応する演出を実行し、当該第1結果態様を利用して第2結果態様を導出した後に、第2結果態様に対応する演出を実行するよう構成することも可能である。この場合、第1結果態様の導出によって、第1結果態様に対応する演出が実行されることと、第2結果態様に発展する可能性があることとを示唆することができる。
【0382】
また、本実施形態の遊技機10によれば、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、変動表示ゲームに関する演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームとは異なる特定ゲーム(第3タイプの予告準備ゲーム)を実行し、当該特定ゲームのゲーム画像(予告準備ゲーム表示部86に表示される画像)を表示装置41に表示する特定ゲーム実行手段(演出制御装置300)と、遊技者のゲーム画像に対する操作を受付可能な操作受付手段(演出ボタン25やタッチパネル29など)と、を備え、特定ゲーム実行手段は、特定ゲームの結果を、遊技者のゲーム画像に対する操作に応じた結果態様で表示可能であり、演出制御手段は、特定ゲームの結果が所定の結果態様で表示された場合に、当該所定の結果態様に対応する演出を実行可能であるよう構成されている。
【0383】
したがって、変動表示ゲームとは異なるゲームとして、変動表示ゲームとの関連性が高いゲームを実行できるため、変動表示ゲームとは異なるゲームによって遊技の興趣を高めることが可能である。また、変動表示ゲームとは異なるゲームとして、遊技者の操作を介入させたゲームを実行できるため、遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、所定の結果態様に対応する演出は、キャラクタ変化演出、擬似連確定予告演出、SP1確定予告演出、SP2確定予告演出、大当り予告演出、確変大当り予告演出に限定されず、適宜変更可能である。
【0384】
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、特定ゲーム(第1〜第3タイプの予告準備ゲーム)の結果が、実行中又は実行前の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の内容に対応する結果態様で表示された場合に、当該内容を示唆する予告演出(本実施形態の場合、擬似連確定予告演出、SP1確定予告演出、SP2確定予告演出、大当り予告演出、確変大当り予告演出)を実行するよう構成可能である。
このように構成することで、特定ゲームの結果態様によって、これから実行される予告演出の種類を示唆できるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0385】
また、本実施形態の遊技機10において、特定ゲーム(第3タイプの予告準備ゲーム)は、ゲーム画像内のオブジェクト(本実施形態の場合、カード)が消去されることで進行し、特定ゲーム実行手段(演出制御装置300)は、ゲーム画像内の複数のオブジェクトのうち、遊技者の当該ゲーム画像に対する操作によって選択されたオブジェクトを消去することで、特定ゲームの結果を表示するよう構成可能である。
このように構成することで、遊技者は、特定ゲームに参加している実感を味わうことができるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0386】
<操作履歴反映演出>
また、本実施形態の遊技機10は、演出操作部(演出ボタン25やタッチパネル29など)の操作履歴情報を記憶し、当該操作履歴情報に応じた演出態様で特定画像を出現させる操作履歴反映演出を実行可能に構成されている。
なお、本実施形態では、特定画像として吹き出し画像を出現させるが、特定画像は適宜変更可能であり、例えば、文字画像(吹き出し画像から吹き出し枠を除いた画像)やキャラクタ画像などであっても良い。
また、本実施形態では、操作履歴反映演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦うバトル演出を実行するが、操作履歴反映演出は適宜変更可能であり、例えば、キャラクタが歌って踊るダンス演出等であっても良い。
【0387】
具体的には、例えば、
図49に示すように、表示装置41の表示領域の中央部には、操作履歴反映演出の演出表示を表示する操作履歴反映演出表示部87が設けられる。
また、
図49に示すように、表示装置41の表示領域の上部右側には、飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。また、表示装置41の表示領域の下部には、未消化の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する待機保留表示部83と、消化中の始動記憶(現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶)に関する情報を表示する実行中保留表示部84とが設けられる。
【0388】
演出制御装置300は、RAM等の操作履歴情報記憶領域に、過去に実行した操作履歴反映演出において演出操作部が操作されたタイミングと、当該タイミングにて演出操作部が操作された回数とを含む操作履歴情報を記憶している。
図50(a)に、操作履歴情報の更新の流れの一例を示す。
ここで、本実施形態においては、操作履歴反映演出の開始から終了までを複数の小期間に分け、操作履歴情報として演出操作部の操作回数値を小期間毎に記憶することとする。例えば、操作履歴反映演出の演出時間(演出開始から演出終了までの時間)が25秒である場合、最初の5秒間を第1小期間とし、当該第1小期間の次の5秒間を第2小期間とし、当該第2小期間の次の5秒間を第3小期間とし、当該第3小期間の次の5秒間を第4小期間とし、当該第4小期間の次の5秒間(すなわち最後の5秒間)を第5小期間とする。
【0389】
図50(a)に示すように、演出制御装置300は、まず、操作履歴反映演出を実行する。次いで、メイン処理(
図27)の演出ボタン入力処理(ステップC9)において作成した入力情報に基づいて、実行した当該操作履歴反映演出の各小期間(第1〜第5小期間)における今回の操作回数をそれぞれ判定する。そして、当該判定結果に基づいて、各小期間に対応する操作回数をそれぞれ更新する。これにより、RAM等の操作履歴情報記憶領域に記憶されている操作履歴情報が更新される。
なお、
図50(b)に示すように、一の小期間に対応する前回までの操作回数に、当該一の小期間における今回の操作回数を加算した値を、当該一の小期間に対応する更新後の操作回数としても良いし、あるいは、
図50(c)に示すように、一の小期間における今回の操作回数が1回以上であった場合には、当該一の小期間に対応する前回までの操作回数に「1」を加算した値を、当該一の小期間に対応する更新後の操作回数としても良い。
【0390】
また、演出制御装置300は、前回までの操作履歴情報に基づいて、操作履歴反映演出を実行する。
図51(a)に、操作履歴反映演出の実行の流れの一例を示す。
図51(a)に示すように、演出制御装置300は、まず、RAM等の操作履歴情報記憶領域から、今回実行する操作履歴反映演出の操作履歴情報(前回までの操作履歴情報)を取得する。次いで、取得した操作履歴情報に基づいて、小期間毎に今回の演出態様をそれぞれ決定し、各小期間における演出を当該決定した演出態様で順次実行する。これにより、操作履歴反映演出が実行される。
【0391】
例えば
図51(b)に示すように、一の小期間に対応する前回までの操作回数が第1範囲内である場合には、今回実行する操作履歴反映演出のうちの当該一の小期間における演出を、吹き出し画像(特定画像)を出現させない演出態様で実行する。
図49(a)に示す例では吹き出し画像が出現していないため、
図49(a)に示す演出は、前回までの操作回数が第1範囲内である場合に実行される演出である。
また、一の小期間に対応する前回までの操作回数が第2範囲内である場合には、今回実行する操作履歴反映演出のうちの当該一の小期間における演出を、吹き出し画像(特定画像)が1個出現する演出態様で実行する。
また、一の小期間に対応する前回までの操作回数が第3範囲内である場合には、今回実行する操作履歴反映演出のうちの当該一の小期間における演出を、吹き出し画像(特定画像)が2個出現する演出態様で実行する。
図49(b)に示す例では吹き出し画像が2個(「いいぞ!」と「やっちゃえ!」の2個)出現しているため、
図49(b)に示す演出は、前回までの操作回数が第3範囲内である場合に実行される演出である。
【0392】
また、一の小期間に対応する前回までの操作回数が第4範囲内である場合には、今回実行する操作履歴反映演出のうちの当該一の小期間における演出を、吹き出し画像(特定画像)が3個出現する演出態様で実行する。
また、一の小期間に対応する前回までの操作回数が第5範囲内である場合には、今回実行する操作履歴反映演出のうちの当該一の小期間における演出を、吹き出し画像(特定画像)が4個出現する演出態様で実行する。
図49(c)に示す例では吹き出し画像が4個(「いいぞ!」と「おぉ!」と「やっちゃえ!」と「そこだ!」の4個)出現しているため、
図49(c)に示す演出は、前回までの操作回数が第5範囲内である場合に実行される演出である。
【0393】
具体的には、例えば、操作履歴反映演出として、バトル演出Aとバトル演出Bとを実行可能であるとする。そして、例えば
図51(c)に示すような演出態様で、バトル演出Aとバトル演出Bとを実行したとする。
図51(c)に示すように、今回実行するバトル演出Aでは、当該バトル演出Aの開始とともに吹き出し画像(特定画像)が3個出現し、当該バトル演出Aの第1小期間が終了すると吹き出し画像が1個減って2個になり、当該バトル演出Aの第3小期間が終了すると吹き出し画像が1個増えて3個になり、当該バトル演出Aの第4小期間が終了すると吹き出し画像が1個増えて4個になり、当該バトル演出Aの終了とともに吹き出し画像が消えるといった特定演出が実行される。
【0394】
また、
図51(c)に示すように、今回実行するバトル演出Bでは、当該バトル演出Bの開始とともに吹き出し画像(特定画像)が2個出現し、当該バトル演出Bの第1小期間が終了すると吹き出し画像が1個減って1個になり、当該バトル演出Bの第2小期間が終了すると吹き出し画像が1個減って0個になり、当該バトル演出Bの第3小期間が終了すると吹き出し画像が3個増えて3個になり、当該バトル演出Bの第4小期間が終了すると吹き出し画像が1個減って2個になり、当該バトル演出Bの終了とともに吹き出し画像が消えるといった特定演出が実行される。
【0395】
演出操作部の操作回数が多くなるタイミングは、遊技者の気分が盛り上がったタイミング(あるいは、お気に入りのタイミング等)に相当するため、遊技者は、吹き出し画像が出現したタイミングによって、他の遊技者が盛り上がったタイミング(あるいは、他の遊技者に人気のあるタイミング等)を把握することができる。さらに、各タイミングにて出現した吹き出し画像の個数によって、他の遊技者が最も盛り上がったタイミング(あるいは、他の遊技者に最も人気のあるタイミング等)を把握することも可能である。例えば、今回のバトル演出Aにおいて最も多くの吹き出し画像(特定画像)が出現した小期間は第5小期間であるため、遊技者は、今回のバトル演出Aを見た際に、過去のバトル演出Aにおいて他の遊技者が最も盛り上がったタイミングは第5小期間であることが分かる。また、今回のバトル演出Bにおいて最も多くの吹き出し画像(特定画像)が出現した小期間は第4小期間であるため、遊技者は、今回のバトル演出Bを見た際に、過去のバトル演出Bにおいて他の遊技者が最も盛り上がったタイミングは第4小期間であることが分かる。
【0396】
そして、遊技者が、今回のバトル演出Aを見ながら、気分が盛り上がったタイミング(あるいは、お気に入りのタイミング等)にて、気分の盛り上がり度合い(あるいは、お気に入り度合い等)に応じた回数だけ、演出操作部を操作すると、その操作結果が次回以降のバトル演出Aに反映される。また、遊技者が、今回のバトル演出Bを見ながら、気分が盛り上がったタイミング(あるいは、お気に入りのタイミング等)にて、気分の盛り上がり度合い(あるいは、お気に入り度合い等)に応じた回数だけ、演出操作部を操作すると、その操作結果が次回以降のバトル演出Bに反映される。
このように、操作履歴反映演出を実行することで、演出操作部の操作回数が多くなるタイミング(演出操作部が多く操作されるタイミング)にて、当該操作回数に対応した表示が可能となるため、遊技者同士で知識や情報などの共有が可能となり、遊技の興趣が向上する。
【0397】
また、操作履歴反映演出の実行中に実行される特定演出(本実施形態の場合、吹き出し画像が出現する演出)の演出態様は経時変化する。すなわち、操作履歴反映演出は、特定演出の演出態様(本実施形態の場合、出現する吹き出し画像の個数)が遊技者達によって徐々にカスタマイズされていくといった学習機能を有しているため、飽きのこない演出となり、遊技の興趣が向上する。
【0398】
さらに、遊技者は、バトル演出Aにおいて出現する吹き出し画像の個数と、バトル演出Bにおいて出現する吹き出し画像の個数との差から、バトル演出Aとバトル演出Bとでどちらの方が盛り上がるのか(あるいは、どちらの方が人気があるのか等)を判定できるだけでなく、実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを予想するといった楽しみ方もできる。すなわち、
図51(c)に示すように、今回のバトル演出Bよりも今回のバトル演出Aの方が出現する吹き出し画像(特定画像)の個数が多いため、遊技者は、バトルBよりもバトル演出Aの方が盛り上がると判定することができる。さらには、バトル演出Aの方がリーチ変動が発生しやすい、バトル演出Aで発生するリーチ変動の方が期待度(信頼度)が高い、バトル演出Aの方が大当りが発生しやすい等の予想を行うこともできる。
【0399】
ここで、本実施形態では、表示装置41に表示する表示画面の描画制御において、シナリオデータ(シナリオレイヤ−)という概念が使用される。シナリオとは、例えば背景用シナリオ、左図柄用シナリオ、右図柄用シナリオ、・・・等のように、図柄の変動演出等の表示演出を複数の表示レイヤ(シナリオレイヤー)に分けてテーブルとして予め設定し、それらを個別にシナリオとして制御し、全てのシナリオを合成することで、1画面の絵を生成する手法である。
複数の表示レイヤ(シナリオレイヤー)は、例えば背景、左図柄、右図柄、・・・と個別に表示要素毎にカテゴリ分けが行われ、各々を独立して複数のモーション情報を同時にあるいは連続的に切り替えて演出表示させるための動作シナリオのテーブルとして設定される。
【0400】
本実施形態において、表示装置41の演出で使用される表示要素(表示構成要素)は、「背景」、「左図柄」、「右図柄」、「中図柄」、「予告1キャラクタ」、「予告2キャラクタ」、「保留表示(飾り特図始動記憶表示)」及び「第4図柄」の8つの要素に分けられている。
そして、複数の表示要素毎に分けられて変動演出等の表示演出におけるシナリオテーブルが作成される。本実施形態において、シナリオテーブルは、「背景制御のシナリオテーブル」、「左図柄制御のシナリオテーブル」、「右図柄制御のシナリオテーブル」、「中図柄制御のシナリオテーブル」、「予告1キャラクタ制御のシナリオテーブル」、「予告2キャラクタ制御のシナリオテーブル」、「保留表示制御のシナリオテーブル」及び「第4図柄制御のシナリオテーブル」の8つの要素に分けられて作成されている。
また、各表示要素はそれぞれが表示レイヤによって構成されて、これら複数の表示レイヤが画面奥側から画面手前側に向かって順次重ねられて1つの表示画面が作成される。本実施形態の場合、表示レイヤには、「背景レイヤ」、「左図柄レイヤ」、「右図柄レイヤ」、「中図柄レイヤ」、「予告Aレイヤ」〜「予告Fレイヤ」、「保留レイヤ」及び「第4図柄レイヤ」の12種類がある。
【0401】
演出制御装置300は、メイン処理(
図27)の演出表示編集処理(ステップC13)において、モーション管理領域の数だけ、モーション管理領域の番号順に、所定画像をVRAM326の仮想描画空間に描画する処理(すなわち、所定画像のスプライトを仮想描画空間に貼り付ける処理)を行う。
仮想描画空間は、
図52(a)に示すように、モーション管理領域0用描画領域〜モーション管理領域11用描画領域の12個の描画領域に分かれている。各描画領域は、対応するモーション管理領域の番号順に並んでおり、各描画領域に所定画像が描画された表示レイヤが記憶される。
【0402】
具体的には、演出制御装置300は、演出表示編集処理において、まず、モーション管理領域0のアドレス領域のデータがNULLでない場合に、所定画像が描画された「背景レイヤ」を、仮想描画空間のモーション管理領域0用描画領域に記憶する。
次いで、モーション管理領域1のアドレス領域のデータがNULLでない場合に、所定画像が描画された「予告Aレイヤ」を、仮想描画空間のモーション管理領域1用描画領域に記憶する。
次いで、モーション管理領域2のアドレス領域のデータがNULLでない場合に、所定画像が描画された「予告Bレイヤ」を、仮想描画空間のモーション管理領域2用描画領域に記憶する。
【0403】
以下、同様に、モーション管理領域3のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「左図柄レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域3用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域4のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「右図柄レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域4用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域5のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「中図柄レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域5用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域6のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「予告Cレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域6用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域7のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「予告Dレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域7用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域8のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「保留レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域8用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域9のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「予告Eレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域9用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域10のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「予告Fレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域10用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域11のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「第4図柄レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域11用描画領域に記憶して、演出表示編集処理を終了する。
【0404】
ここで、モーション管理領域Xのアドレス領域のデータがNULLである場合には、対応する描画領域に表示レイヤが記憶されないため、当該描画領域は空白のままとなる。具体的には、例えば、モーション管理領域10のアドレス領域のデータがNULLである場合には、VRAM326の仮想描画空間のモーション管理領域10用描画領域に表示レイヤ(本実施形態の場合、「予告Fレイヤ」)が記憶されないため、モーション管理領域10用描画領域は空白のままとなる。なお、空白でない描画領域が連続するように表示レイヤを順次記憶していく(すなわち、表示レイヤを前に詰めながら記憶していく)ことも可能であるが、その場合、1つの表示画面を構成する表示レイヤの数に応じて背景レイヤ以外の表示レイヤを記憶する描画領域が変わるため、これらの表示レイヤを仮想描画空間に記憶する度に、当該表示レイヤを記憶する描画領域(すなわち、空白の描画領域のうちで最も前(先頭)側にある描画領域)を探索する必要があり、その分処理が煩雑になる。その一方で、本実施形態のように、演出内容(すなわち、1つの表示画面を構成する表示レイヤの数)にかかわらず各表示レイヤを予め定められた描画領域に記憶するよう構成することで、表示レイヤを仮想描画空間に記憶する度に当該表示レイヤを記憶する描画領域をいちいち探索する必要がなくなるため、処理負担を軽減することができる。
【0405】
各描画領域に記憶された表示レイヤは、描画領域の並び順に、画面奥側(下層側)から画面手前側(上層側)に向かって順次重ねられて1つの表示画面が作成される。具体的には、本実施形態においては、例えば
図52(a)に示すように、12個の描画領域のうちの先頭に位置するモーション管理領域1用描画領域に記憶されている「背景レイヤ」が最も画面奥側(最下層)に配置され、12個の描画領域のうちの最後尾に位置するモーション管理領域11用描画領域に記憶されている「第4図柄レイヤ」が最も画面手前側(最上層)に配置される。
【0406】
このような演出制御では、演出画面(表示画面)を生成するに際して、演出画面の表示要素に対応する複数の表示レイヤ(シナリオレイヤー)に分けてテーブルとして予め設定しておき、次いで、それらを個別にシナリオとして制御し、全てのシナリオを表示レイヤの形式で合成することで、1画面の絵が生成されて、表示装置41に表示される。
【0407】
例えば、演出制御装置300は、操作履歴反映演出を実行する際、演出表示編集処理において、前回までの操作回数に対応する所定画像(本実施形態の場合、前回までの操作回数に対応する個数の吹き出し画像)が描画された「予告Fレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域10用描画領域に記憶する。具体的には、演出表示編集処理において、今回作成する1画面が第1小期間内の1画面であり、第1小期間に対応する前回までの操作回数が第4範囲内である場合には、
図51(b)に示すように第4範囲に対応する個数は3個であるため、3個の吹き出し画像が描画された「予告Fレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域10用描画領域に記憶する。
したがって、本実施形態によれば、前回までの操作回数に応じて「予告Fレイヤ」だけが異なるため、データ容量の節約と開発の効率化ができるという効果が得られる。
【0408】
なお、演出制御装置300は、操作履歴情報情報として演出操作部の操作回数値を小期間毎に記憶しているが、記憶可能な操作回数値に上限値を設けても良い。この場合、例えば、操作履歴情報記憶領域に記憶している操作回数値のうち一の小期間に対応する操作回数値が上限値に達した場合には、当該一の小期間に対応する操作回数値のみを「0」に戻しても良いし、当該一の小期間を含む一連の小期間(第1〜第5小期間)に対応する操作回数値を全て「0」に戻しても良いし、操作履歴情報記憶領域に記憶している操作回数値を全て「0」に戻しても良い。
【0409】
また、例えば、所定タイミング(例えば遊技店の開店時)にて、操作履歴情報記憶領域に記憶している操作回数値を全て「0」に戻しても良い。当該所定タイミングになったか否かは、例えばRTC338からの情報に基づき判断可能である。
また、一の小期間において操作可能な回数に上限を設けても良い。この場合、例えば、操作可能な回数を上回る回数の操作があった場合には、上回る分の操作を無効なものとして扱う。
【0410】
また、小期間の個数は第1〜第5小期間の5つに限定されず、複数であれば適宜変更可能である。また、複数の操作履歴反映演出を実行可能である場合、各操作履歴反映演出における小期間の個数は同一でなくても良い。
また、小期間の長さは5秒に限定されず、適宜変更可能である。また、各小期間の長さは同一でなくても良い。
また、本実施形態では、前回までの操作回数に応じて、吹き出し画像(特定画像)の個数が変化するよう構成したが、これに限定されず、例えば、前回までの操作回数に応じて、吹き出し画像のサイズや色が変化するよう構成することも可能であるし、前回までの操作回数に応じて、吹き出し画像内の台詞が変化するよう構成することも可能である。また、特定画像として、前回までの操作回数をそのまま表示する数字画像(あるいは、当該数字画像を吹き出し枠で囲んだ吹き出し画像等)を表示することも可能である。
【0411】
また、一の小期間に出現する特定画像は、操作履歴反映演出表示部87内の所定位置に固定表示されても良いし、あるいは、操作履歴反映演出表示部87の一端(例えば右端や下端)から現れて他端(例えば左端や上端)へと移動して当該他端から消えるよう表示されても良い。一の小期間に出現する特定画像が表示装置41の表示領域に現れるタイミングは、当該一の小期間の開始時が好ましい。一の小期間に出現する特定画像が表示装置41の表示領域から消えるタイミングは、当該一の小期間の終了時が好ましい。
また、操作回数の範囲は第1〜第5範囲の5つに限定されず、複数であれば適宜変更可能である。
【0412】
また、演出操作部が演出ボタン25等の押圧(押下)操作が可能な操作手段であり、当該演出操作部が長押し操作された場合(所定時間以上押下された場合)には、長押し操作の期間(押下開始から押下終了までの期間)が長いほど多くなるように操作回数をカウントしても良いし、長押し操作の期間の長さにかかわらず1回として操作回数をカウントしても良いが、遊技者の盛り上がり(あるいは人気度等)を正確に計測する等の観点から、長押し操作の期間の長さにかかわらず1回として操作回数をカウントする方が好ましい。
また、操作履歴反映演出の実行中に、演出操作部を操作するよう促す表示(例えば「ボタンを押して味方キャラを応援しよう!」等の表示)を行っても良い。
また、操作履歴反映演出の実行中に、操作有効期間の残りの長さを示す画像(例えば、タイムバー画像等)を表示しても良い。操作有効期間の残りの長さを示す画像を表示することで、遊技者は、演出操作部が多く操作されるタイミングを的確に把握することが可能となる。
【0413】
また、操作履歴反映演出の他に、連打演出等の遊技者の操作を介入させた演出を実行可能である場合には、遊技者の盛り上がり(あるいは人気度等)を正確に計測する等の観点から、連打演出等を実行した後、所定の操作無効期間が経過してから、操作履歴反映演出を実行することが好ましい。
また、操作履歴反映演出の実行中、演出操作部が操作されたことを契機に、所定のランプを発光させる発光演出や、所定の音声を出力する音声演出を行うことも可能である。これにより、遊技者は、自身の操作が検出されているか否かを把握することができる。
【0414】
また、演出操作部が十字キー等の押し分けが可能な操作手段、すなわち複数のスイッチを有する操作手段である場合、例えば、気分が盛り上がった際には当該演出操作部が有する複数のスイッチのうちの第1スイッチを押下し、気分が盛り下がった際には当該演出操作部が有する複数のスイッチのうちの第2スイッチを押下するよう遊技者に促し、例えば
図52(b)に示すように、遊技履歴情報として、左キー(第1スイッチ)の操作回数値と右キー(第2スイッチ)の操作回数値とを小期間毎に記憶するようにしても良い。さらに、この場合、左キー(第1スイッチ)に対応する前回までの操作回数に応じてポジティブな台詞(「いいぞ!」等)の吹き出し画像を表示し、右キー(第2スイッチ)に対応する前回までの操作回数に応じてネガティブな台詞(「ダメだ!」等)の吹き出し画像を表示するようにしても良い。これにより、他の遊技者が盛り上がったタイミングだけでなく、盛り下がったタイミングも把握可能となるため、遊技の興趣が向上する。
【0415】
また、一の操作履歴反映演出において複数のキャラクタが出現する場合、キャラクタの人気投票を行っても良い。具体的には、例えば、第1〜第3のキャラクタが出現する操作履歴反映演出を実行可能であり、主に第1のキャラクタが出現する期間を第1小期間とし、主に第2のキャラクタが出現する期間を第2小期間とし、主に第3のキャラクタが出現する期間を第3小期間とする。そして、所定のタイミング(例えば、当該操作履歴反映演出の開始時等)にて、第1小期間に対応する前回までの操作回数を第1のキャラクタの獲得票数として表示し、第2小期間に対応する前回までの操作回数を第2のキャラクタの獲得票数として表示し、第3小期間に対応する前回までの操作回数を第3のキャラクタの獲得票数として表示することも可能である。
【0416】
また、複数の操作履歴反映演出を実行可能である場合、操作履歴反映演出の人気投票を行っても良い。具体的には、例えば、第1〜第3の操作履歴反映演出を実行可能であるとする。そして、所定のタイミング(例えば、第1〜第3の操作履歴反映演出の開始時等)にて、第1の操作履歴反映演出における所定の小期間に対応する前回までの操作回数(所定の小期間が複数の場合は前回までの操作回数の和)を当該第1の操作履歴反映演出の獲得票数として表示し、第2の操作履歴反映演出における所定の小期間に対応する前回までの操作回数を当該第2の操作履歴反映演出の獲得票数として表示し、第3の操作履歴反映演出における所定の小期間に対応する前回までの操作回数を当該第3の操作履歴反映演出の獲得票数として表示することも可能である。
【0417】
本実施形態の遊技機10によれば、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、ゲームの進行に関連する演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技者が操作可能な演出操作部(演出ボタン25やタッチパネル29など)と、演出制御手段によって所定演出(操作履歴反映演出)が実行された場合に、当該所定演出における演出操作部の操作に関する情報(操作履歴情報)を記憶する操作履歴記憶手段(演出制御装置300)と、を備え、操作履歴記憶手段は、所定演出において演出操作部が操作されたタイミング(本実施形態の場合、小期間)を記憶し、演出制御手段は、所定演出の実行中に、操作履歴記憶手段に記憶されているタイミングにて、特定演出(本実施形態の場合、吹き出し画像が出現する演出)を実行するよう構成されている。
【0418】
したがって、所定演出の実行中に、過去に実行された所定演出における遊技者の操作に関する情報に基づくタイミングにて、特定演出を実行することができる。すなわち、特定演出によって、他の遊技者が演出操作部を操作したタイミングを報知することができるため、所定演出における遊技者の操作に関する情報を十分に活用することが可能となる。
また、遊技者同士で知識や情報などの共有が可能となるため、遊技の興趣が向上する。さらに、特定演出の演出態様が遊技者達によって徐々にカスタマイズされていくため、所定演出が飽きのこない演出となり、遊技の興趣が向上する。
【0419】
また、本実施形態の遊技機10において、操作履歴記憶手段(演出制御装置300)は、タイミング(本実施形態の場合、小期間)と、当該タイミングにて演出操作部(演出ボタン25やタッチパネル29など)が操作された回数(操作回数)と、を対応付けて記憶し、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定演出(操作履歴反映演出)の実行中に、操作履歴記憶手段に記憶されているタイミングにて、当該タイミングに対応する回数に応じた演出態様で、特定演出を実行するよう構成可能である。
このように構成することで、より多くの知識や情報などを遊技者同士で共有することが可能となるため、遊技の興趣が向上する。
【0420】
<期待度可変演出>
また、本実施形態の遊技機10は、大当りとなる期待度(期待値)が定期的に変化する期待度可変演出を実行可能に構成されている。
なお、本実施形態では、期待度可変演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦うバトル演出を実行するが、期待度可変演出は適宜変更可能であり、例えば、キャラクタが歌って踊るダンス演出等であっても良い。
【0421】
具体的には、例えば、
図53に示すように、表示装置41の表示領域の中央部には、期待度可変演出の演出表示を表示する期待度可変演出表示部88が設けられる。
また、
図53に示すように、表示装置41の表示領域の上部右側には、飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。また、表示装置41の表示領域の下部には、未消化の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する待機保留表示部83と、消化中の始動記憶(現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶)に関する情報を表示する実行中保留表示部84とが設けられる。
【0422】
本実施形態の遊技機10は、バトル演出として、例えば、期待度レベルが「低」のバトル演出(期待度が低いバトル演出)と、期待度レベルが「中」のバトル演出(期待度が中程度のバトル演出)と、期待度レベルが「高」のバトル演出(期待度が高いバトル演出)とを実行可能である。そして、期待度レベルが「高」のバトル演出として、バトル演出Cとバトル演出Dとバトル演出Eの3種類のバトル演出を実行可能であり、バトル演出C〜Eは、大当りとなる期待度が定期的に(例えば毎日)変化するようになっている。すなわち、期待度可変演出として、バトル演出C〜Eを実行可能である。
【0423】
演出制御装置300は、変動系コマンド処理の変動演出設定処理(
図33)のステップC391において、ステップC386及びステップC389で行った予告抽選の結果に対応する演出の内容を決定するが、例えば、ステップC386及びステップC389で行う予告抽選において、今回実行する特図変動表示ゲームで期待度レベルが「高」のバトル演出を実行することが決定された場合には、ステップC391において、所定の選択割合でバトル演出C〜Eのいずれを実行するかを決定する。
ここでは、バトル演出C〜Eの期待度が毎日変化する場合であって、
図54に示す選択割合でバトル演出C〜Eのいずれを実行するかを決定する場合を例に説明する。
【0424】
図54に示すように、選択割合のパターンには、「Xパターン」と「Yパターン」と「Zパターン」とがあり、演出制御装置300は、遊技店の開店時等に、当日使用するパターンを設定する。
なお、設定するパターンは、「Xパターン」→「Yパターン」→「Zパターン」→「Xパターン」→…等の所定の順番で選択しても良いし、ランダムに選択(例えば抽選で決定)してもよい。
また、例えばRTC338からの情報に基づいて使用するパターンを設定することによって、遊技機10間で共通のパターンが設定されるようにしても良いし、遊技機10毎に異なるパターンが設定されるようにしても良い。他の遊技機10と共通のパターンを設定することで、遊技者が当該他の遊技機10で遊技する遊技者と情報を共有できるため、より興趣を高めることができる。
また、使用するパターンを日毎に切り替えるのではなく、例えば、遊技機10の電源投入毎(具体的には、演出制御装置300の初期設定時)に切り替えても良い。この場合、遊技機10毎に異なるパターンが設定される。
【0425】
例えば、設定したパターンが「Xパターン」である場合、今回実行する特図変動表示ゲーム(期待度レベルが「高」のバトル演出の対象となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム)の結果が大当りである際には、バトル演出C〜Eの中で、バトル演出Eが最も選択されやすく、バトル演出Cが最も選択されにくい。また、設定したパターンが「Xパターン」である場合、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである際には、バトル演出C〜Eの中で、バトル演出Cが最も選択されやすく、バトル演出Eが最も選択されにくい。
【0426】
図53に示すように、期待度可変演出表示部88には、実行中の演出の期待度レベルを表示する期待度レベル表示部88aと、実行中の演出の成績を表示する成績表示部88bとが設けられている。
バトル演出C〜Eはいずれも期待度レベルが「高」であるため、
図53(a),(b),(c)に示す例では、期待度レベル表示部88aに所定画像(例えば星画像)が3個表示されている。例えば、期待度レベルが「中」である場合には期待度レベル表示部88aに所定画像が2個表示され、期待度レベルが「小」である場合には期待度レベル表示部88aに所定画像が1個表示される。
【0427】
実行中の演出の成績とは、実行中の演出がバトル演出Cである場合には、バトル演出Cを実行した実行回数(所定タイミングから現時点までの実行回数)に対する、バトル演出Cの対象となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった大当り回数(所定タイミングから現時点までの大当り回数)である。本実施形態の場合、成績の算出に、実行回数として、遊技店の開店時から現時点までの実行回数を用い、大当り回数として、遊技店の開店時から現時点までの大当り回数を用いるため、成績表示部88bには、本日の成績を表示することができる。
図53(a),(b),(c)に示す例では、バトル演出Cの成績(大当り回数/実行回数)は「1/10」であり、バトル演出Dの成績は「5/10」であり、バトル演出Eの成績は「3/4」であるため、バトル演出Cの成績が最も悪く、バトル演出Eの成績が最も良いことが分かる。すなわち、期待度レベルが「高」のバトル演出の中で、バトル演出Cの期待度が最も低く、バトル演出Eの期待度が最も高いことが分かる。
【0428】
期待度レベル(期待度レベル表示部88aに表示される情報)だけでも、期待度を報知することはできるが、期待度レベルによって報知されるのは大まかな期待度である。期待度レベルに加えて(あるいは替えて)、本日の成績(成績表示部88bに表示される情報)を表示することによって、より詳細な期待度を報知することが可能となる。特にバトル演出C〜Eは期待度が定期的に変化するため、成績表示部88bに表示される情報は有用である。
【0429】
本実施形態の遊技機10によれば、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、ゲームの進行に関連する演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、特別遊技状態が発生する期待度を報知する報知手段(演出制御装置300)と、演出制御手段によって所定演出(期待度可変演出)が実行された実行回数と、当該所定演出が実行された場合に特別遊技状態が発生した発生回数(大当り回数)と、を記憶する回数記憶手段(演出制御装置300)と、を備え、回数記憶手段は、所定タイミング(本実施形態の場合、遊技店の開店時)から現時点までの実行回数と、当該所定タイミングから現時点までの発生回数と、を記憶し、報知手段は、実行回数に対する発生回数(本実施形態の場合、本日の成績)を表示装置41に表示するよう構成されている。
したがって、特別遊技状態が発生する期待度をより詳細に報知することが可能となる。
【0430】
また、本実施形態の遊技機10において、所定演出(期待度可変演出)は、当該所定演出が実行された場合に特別遊技状態が発生する割合が所定タイミング(本実施形態の場合、遊技店の開店時)にて切り替わる演出、すなわち大当りとなる期待度が定期的に変化する演出であるよう構成可能である。
このように構成することで、所定演出が飽きのこない演出となり、遊技の興趣が向上する。また、報知手段によって、実行回数に対する発生回数を表示することの有用性を高めることができる。
【0431】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
【0432】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。