(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保管形態である前記医療用保温具は、折りたたまれており、折りたたまれた状態を維持するためのパウチ容器に収容されている、請求項1又は2に記載の医療用保温具。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
図1に示されるように、医療用保温キット1は、シート2(医療用保温具)と、シート2を収容するパウチ容器3とを有する。シート2は、使用前においてパウチ容器3などに収容され、保管形態をなしている(
図1の(a)部参照)。シート2は、使用時においてパウチ容器3から取り出される(
図1の(b)部参照)。そして、シート2は、面状に展開されて患者100を覆い、患者100の体温を保温する(
図1の(c)部参照)。
【0013】
図2の(a)部に示されるように、シート2は、矩形状を有する。シート2は、一例として、長辺S1の長さが1400mmであり、短辺S2の長さが1200mmである。
【0014】
シート2の目付(単位面積あたりの重さ)は、40g/m
2以上、50g/m
2以上、60g/m
2以上、70g/m
2以上、または、400g/m
2以下、350g/m
2以下、300g/m
2以下、250g/m
2以下、とすることができる。シート2の目付を上記範囲とすることにより、患者100の体表面100aの形状に沿って変形したシート2は、その形状を維持することができる。シート2の厚さとしては、0.20cm以上、0.40cm以上、0.60cm以上であってもよく、また、3.0cm以下、2.5cm以下、2.0cm以下であってもよい。シート2のせん断剛性値としては、1gf/cm・deg以上、3gf/cm・deg以上又は5gf/cm・deg以上、20gf/cm・deg以下、17gf/cm・deg以下、15gf/cm・deg以下とすることができる。シート2のせん断剛性値を上記範囲とすることにより、患者100の体表面100aの形状に沿って変形したシート2は、その形状を維持することができる。せん断剛性値については後述する。
【0015】
図2の(b)部は、
図2の(a)部におけるII−II線に沿った断面を示す。
図2の(b)部に示されるように、シート2は、3枚のシート部材を有する。シート2は、保温層4と2枚の外被層5とを有する。
【0016】
保温層4は、シート2の保温性と回復性を確保する。保温層4は、不織布である。保温層4の不織布は、目付が30g/m
2以上、40g/m
2以上、70g/m
2以上である場合には、良好な保温性が得られる。また、保温層4の不織布は、目付が300g/m
2以下、200g/m
2以下、150g/m
2以下である場合には、良好な収容性が得られる。保温層4の不織布は、厚さが2mm以上25mm以下であってもよい。
【0017】
保温層4を構成する不織布は、長繊維と短繊維を含む。保温層4の長繊維として、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を採用してよい。長繊維の繊維径は、1μm以上10μm以下であってもよい。保温層4の短繊維として、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリオレフィンなどを採用してよい。短繊維の繊維径は、1dtex(デシテックス)以上100dtex以下であってもよいし、約2dtex以上50dtex以下であってもよいし、約2dtex以上15dtex以下あってもよい。
【0018】
保温層4に含まれる短繊維の含有量は、長繊維と短繊維の合計量100質量部に対して、10質量部以上90質量部以下、15質量部以上80質量部以下、20質量部以上75質量部以下、又は25質量部以上70質量部以下とすることができる。上記質量比とすることにより、シート2の回復性を確保することができる。
【0019】
長繊維は、スパンボンド法、メルトブロウン法、フラッシュ紡糸法等の製造方法で連続的に紡糸される長い繊維である。短繊維は、紡糸された繊維を裁断することで製造される繊維であり、一例として繊維長が約10mm以上100mm以下のステープルファイバである。これらの長繊維と短繊維とは、互いに交絡するように配置され、交絡点の少なくとも一部において長繊維と短繊維とが互いに融着される。保温層4を構成する不織布では、ステープルファイバである短繊維が、メルトブロウンファイバである長繊維の紡糸中に混合される。この構成により、保温層4を構成する不織布が嵩高(密度が低い)にされて、保温のための空気層が形成される。
【0020】
外被層5は、シート2の風合いとリント性を確保する。例えば、外被層5には、スパンボンド不織布、ケミカルボンド不織布、スパンレース等を採用してよい。外被層5がスパンボンド不織布から形成される場合は、外被層5の目付を5g/m
2以上、10g/m
2以上または15g/m
2以上であってもよく、50g/m
2以下、40g/m
2以下または30g/m
2以下であってもよい。
【0021】
一方の外被層5(第1の外被層)は、保温層4の一方の面上に配置され、他方の外被層5(第2の外被層)は、保温層4の他方の面上に配置される。すなわち、保温層4は、一対の外被層5に挟まれている。また、換言すれば、シート2は、一方の外被層5と、保温層4と、他方の外被層5をこの順で備える。保温層4は、長辺S1の長さが1400mmであり、短辺S2の長さが1200mmである。また、外被層5も、長辺S1の長さが1400mmであり、短辺S2の長さが1200mmである。一方の外被層5と他方の外被層5は同一の不織布を採用してもよいし、互いに異なる不織布を採用してもよい。また、一方の外被層5と他方の外被層5は同一の目付を採用してもよいし、互いに異なる目付を採用してもよい。
【0022】
シート2は、保温層4に対して外被層5を固定する接合部6を有する。接合部6は、シート2の外周縁部5aに沿って設けられた端部処理部6aと、外周縁部5aに対して平行に伸びる層間接合部6bとを含む。
【0023】
端部処理部6aは、保温層4に対して外被層5を固定すると共に、保温層4の長繊維及び短繊維が排出されることを抑制する。すなわち、端部処理部6aは、リント性を確保する。
図2の(b)部に示されるように、端部処理部6aは、保温層4に対して一方の外被層5が接合されると共に、保温層4に対して他方の外被層5が接合されている。すなわち、端部処理部6aは、一対の外被層5の間に保温層4を挟み込んだ構成である。端部処理部6aは、熱カレンダー成形、熱融着、超音波融着や接着剤等により互いに固定された固定部6cを含む。固定部6cは、端部処理部6aの全面に設けられてもよいし、端部処理部6aにおいて部分的に設けられてもよい。
【0024】
層間接合部6bは、保温層4に対して外被層5を固定する。層間接合部6bは、シート2において外周縁部5aとは別の場所に設けられた接合箇所であり、例えば、一方の長辺S1から他方の長辺S1に向けて延在する。層間接合部6bは、端部処理部6aと同様に熱融着、超音波融着や接着剤等の態様により形成することができる。保温層4に対して一方の外被層5が接着等により接合されると共に、保温層4に対して他方の外被層5が接着等により接合されている。
【0025】
なお、シート2の接合部6は、端部処理部6a及び層間接合部6bの少なくとも一方を含んでいてもよい。例えば、シート2には、端部処理部6aのみ形成されてもよいし、層間接合部6bのみ形成されてもよい。また、端部処理部6aは、外被層5同士が互いに接合されていてもよい。
【0026】
次に、シート2の保管形態について説明する。「保管形態」は、使用前におけるシート2の形態であり、製造直後から使用直前までの間の形態を含み得る。一例として、所定の収容場所に納められているシート2の形態や、輸送中のシート2の形態が挙げられる。保管形態であるときのシート2の外形の一例として、折りたたまれた形状(
図3の(a)部参照)、丸められた形状(
図3の(b)部)がある。保管形態であるときの折りたたまれた形状や丸められた形状は、使用形態であるときのシート2の外形の形状とは異なる。この「形状が異なる」とは、外形の見た目が異なることをいう。一例として、シート2が患者100に掛けられたときの形状(
図1の(c)部参照)と、折りたたまれてパウチ容器3に収容されたときの形状(
図1の(a)部参照)とは、互いに外観上の見た目が異なる。また、「形状が異なる」とは、保管形態であるときのシート2の投影面積の最大値が、使用形態であるときのシート2の投影面積の最大値より小さいことも含む。一例として、シート2が患者100に掛けられたときの最大の投影面積は、折りたたまれてパウチ容器3に収容されたときの最大の投影面積よりも大きい。また、「形状が異なる」とは、例えば、シート2の外形形状を規定する寸法のうち、少なくとも一つの寸法が使用形態と保管形態とで異なっていることも含む。
【0027】
保管形態であるときのシート2は、局所的に変形した部分を含む。ここで「局所的に変形した部分」とは、シート2の表面における所定の領域が、シート2の表面の別の領域或いはシート2の裏面に接触させるための変形部分をいう。例えば、シート2の表面における所定の領域を表面における別の領域に接触させるための変形部分として、折り目が挙げられる(
図3(a)参照)。また、例えば、シート2の表面における所定の領域を裏面における所定の領域に接触させるための変形部分として、丸めが挙げられる(
図3(b)参照)。従って、保管形態であるときのシート2は、少なくとも折りたたまれているか、或いは丸められている部分を含む。なお、「局所的に変形した部分」には、折り目や、丸めのほかに、折り目と丸めが組み合わされた形態や、複数の折り目が無秩序に形成された形態も含まれる。
【0028】
一方、「局所的に変形した部分」を含まない使用形態は、折り目や丸めが形成された部分を含まない。
【0029】
保管形態であるときのシート2の形状は、シート2の保管場所に対応した形状が選択される。具体的には、シート2が保管場所において、もっとも効率よく収容可能な形状が選択される。例えば、
図4は、シート2の保管場所の一例を示す。
図4に示されるように、シート2は、パウチ容器3に一枚ずつ封入される。シート2が封入されたパウチ容器3は、ケース101内に所定の個数だけ納められる。そして、所定の個数のパウチ容器3が納められたケース101は、保管棚102に収容される。このように、シート2は、保管棚102のように制限された保管場所に効率よく収容可能である。なお、パウチ容器3の中に複数のシート2が収容されてもよい。
【0030】
保管形態であるときのシート2は、シート2の保管される際の向き等によって、保管形態の外形形状を単体では維持できない場合があり得る。そこで、シート2は、保管形態であるときの外形を維持するための形態維持部をさらに有していてもよい。形態維持部の一例は、
図4等に示されたパウチ容器3である。形態維持部は、パウチ容器3のようにシート2と別体の物品であってもよいし、後述するように、シート2と一体化されたシート2の一部分であってもよい。
【0031】
パウチ容器3は、その内部にシート2を収容する袋状の容器である。パウチ容器3には、フィルムパウチやアルミパウチを用いることができる。これらの素材によれば、シート2を真空包装することができる。なお、袋状の容器には、パウチ容器3のようにプラスチックフィルムのほかに、紙を用いることもできる。パウチ容器3は、柔軟性を有する容器である。シート2を容器にする構成によれば、例えば、ホコリといったシート2を汚染する物質からシート2を保護することができる。パウチ容器3は、シート2を収容したときの形状と、収容していないときの形状とが異なる。すなわち、シート2を収容したときには、パウチ容器3はシート2の体積、変形度合、弾性力に応じて膨らむ。シート2を収容したパウチ容器3の体積を減少させたいときには、例えば、パウチ容器3の内部の空気を排出することによりシート2が圧縮された状態としてもよい。また、袋状の容器を熱収縮プラスチックのシートにより形成した場合には、シート2を収容した袋に熱を加えて袋を収縮させることにより、シート2が圧縮された状態としてもよい。また、パウチ容器3は、折りたたまれたシート2だけでなく、丸められたシート2を収容してもよい。
【0032】
シート2は、保管形態から使用形態へすぐに形態を変化させることができる。ここでいう「使用形態」とは、シート2を患者100に掛けた状態をいう(
図5参照)。従って、「使用形態へすぐに形態を変化させる」とは、シート2を患者100に掛ける作業を行う際に、特別な作業を必ずしも要しないことをいう。シート2を患者100に掛ける作業には、折りたたまれているシート2を面状に広げる作業が行われる。医療用保温キット1の使用には上記作業が行われればよく、その他の特別な作業は必要に応じて行われる。その他の特別な作業には、例えば、シート2を二次元状に展開した状態で軽く張力を加えて折りしわ、丸めしわ等を延ばす作業や、シート2を患者100に掛けた状態で患者100の体表面になじませる作業や、シート2を患者100又はベッド104に固定する作業などが挙げられる。従って、医療用保温キット1は、使用時に要する作業数が少ないので、すぐに用いることができる。ここでいう「変化する」とは、保管形態であるときの形状から使用形態であるときの形状へ変わることをいう。より具体的には、局所的な変形部を有する保管形態の形状から、局所的な変形部を有しない使用形態へ変わることである。すなわち、「変化する」とは、折り目を有する形態から、折り目を有しない形態へ変わることである。なお、シート2がパウチ容器3に収容された医療用保温キット1を使用する場合には、パウチ容器3からシート2を取り出す作業が、「使用形態へすぐに形態を変化させる」ための作業として含まれてもよい。
【0033】
シート2は、保管形態から使用形態に形状を変化させたときに、シート2の局所的な保温性や操作性に影響を及ぼす程度のしわを発生させない。換言すると、局所的な保温性と操作性に影響を及ぼさないしわは、本実施形態でいうしわには含まれない。シート2は、保温層4が回復性を有するので、保管形態から使用形態に形状を変化させたときにしわを発生させ難い。ここでいう「しわ」には、折りしわ及び丸めしわなど、が例示される。使用形態においてシート2にしわが生じていると、シート2と患者100との間に隙間が生じるので保温性に影響を及ぼす可能性がある。また、シート2が折りしわを有する場合、シート2の柔軟性が一様でなくなる可能性がある。例えば、一方の方向へは容易にめくることができるが、別の方向にめくる場合に折りしわが変形を阻害してめくりにくくなるということが予想できる。
【0034】
しわを発生させない機能は、保温層4が有する回復力に起因する。すなわち、シート2は、保温層4を備えているので、保管形態から使用形態へ形態をすぐに変化させることができる。保温層4は、長繊維と短繊維とを含む不織布である。また、保温層4は、長繊維及び短繊維の配向がランダムであり異方性を有しない。さらに、保温層4は、短繊維であるステープルファイバが回復力を発揮する。従って、シート2は、折り目を有する状態から、折り目を有しない状態へ直ちに変形することができると共に、使用時において折りしわ及び丸めが生じ難い。
【0035】
次に、シート2の使用形態について説明する。
図5は、シート2の使用形態とされる一例を示す。シート2は、使用形態において面状に展開された形状を有する。具体的には、シート2は、ベッド104上において仰臥位とされた患者100の身体を覆う。例えば、シート2は、患者100の体幹と、上肢と、下肢とを覆う。なお、「使用形態」とは、
図5に示されるような患者100を覆った形態に加えて、患者100を覆う前に平面上に展開された形態(
図2参照)も含む。「面状」とは、平面状の形状(
図2参照)に加えて、
図5に示されるような患者100の身体形状に沿う曲面を有する形状も含む。「展開」とは平面上に広げられた状態にすることに加えて、ベッド104上の患者100を覆うようにシート2を配置することも含む。
【0036】
図6は、
図5の患者100を足元側から見て、シート2を断面視した図である。
図6に示されるように、患者100の体表面100aは、複雑な凹凸及び複数の曲面を含む。患者100の体温を保温する観点からすると、患者100の体表面100aにシート2が直接に接触している面積を大きくすることが望ましい。すなわち、患者100の体表面とシート2との間に存在し得る隙間を少なくすることが望まれる。シート2を構成する保温層4及び外被層5は、患者100の体表面100aに沿って柔軟に変形し得るドレープ性を有する。さらに、患者100の体表面100aの形状に沿って変形したシート2は、その形状を維持することができる。
【0037】
上述したように、本発明の一形態に係る医療用保温具であるシート2は、患者100を覆うことにより患者100の体温を保温する。シート2は、保管形態であるときの外形が使用形態であるときの外形と形状が異なる。シート2は、保管形態から面状に展開された使用形態へ形態をすぐに変化させることができる。そしてシート2は、使用形態において患者100の身体形状に沿って延在する。
【0038】
また、上記医療用保温キット1は、シート2と、パウチ容器3(形態維持部)とを有する。シート2は、長繊維及び短繊維を含み、長繊維と短繊維とが互いに接触する交絡点が複数形成され、複数の交絡点の一部において長繊維と短繊維が融着された保温層部と、保温層部を挟むように設けられて保温層部の形状に従う一対の外層部と、を有する積層体であって、圧縮された状態で保存されてもよい。パウチ容器3の内部に保管形態の状態の保温具を格納した後、パウチ容器3内部を減圧することができる。この場合、パウチ容器3により圧縮する力をシート2に付与することにより、シート2の圧縮された状態を維持する。シート2は、パウチ容器3が取り出されることにより、圧縮された状態から二次元状に広げられた状態にされて、患者を覆う。
【0039】
このシート2は、保管形態であるときの外形が面状に展開された使用形態の外形とは異なる。従って、所定の収容スペースに効率よく収容可能な形状とすることができるので、収容性を高めることができる。また、シート2は、保管形態から面状に展開された使用形態へ形態をすぐに変化させることができるので、使用形態とするための特別な作業を要しない。従って、患者の保温に関する作業効率を高めることができる。そのうえ、シート2は、使用形態において患者の身体形状に沿って延在するので、患者100の体表面100aとの接触面積を広くすることが可能になる。従って、患者100の体表面100a上にシート2による空気層が形成されるので、患者100の体表面100aから失われる熱量が低減する。従って、シート2によれば、患者100を充分に保温することができる。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を行うことができる。
【0041】
<変形例1>
図7に示されるように、変形例1に係るシート2Aは、切り離し部19を有する。また、シート2Aは、外被層5に対して取り付け及び取り外しが可能な着脱部21を有する。シート2Aは、長辺S1の長さが1400mmであり、短辺S2の長さが1200mmである。なお、具体的な寸法値は例示であり、当該寸法値に限定されることはない。
【0042】
切り離し部19は、第1の切り離し部22と、第2の切り離し部23と、第3の切り離し部24と、を含む。第1の切り離し部22、第2の切り離し部23及び第3の切り離し部24は、端部処理部19aとミシン目19b(分離手段)とを含む。分離手段は、ミシン目以外に切れ込みなどであってもよい。端部処理部19aは、シート2Aに設けられた端部処理部6aと略同様の構成を有する。分離手段の一例であるミシン目は、端部処理部19aに沿って設けられた複数の穴である。ミシン目19bによれば、端部処理部19aに沿って容易に切れ目を形成することができる。ミシン目19bは、端部処理部19aの幅方向における略中央に設けられる。ミシン目19bは、端部処理部19aの延在する方向に沿って延びる。ミシン目19bの長さは、ミシン目19bが設けられた端部処理部19aの長さと略同じか、それよりも短い。このような切り離し部19によれば、ミシン目19bを利用してシート2を部分的に切り離した場合に、切り離した部分において、端部処理部19aが端部処理部として機能するので、保温層4が露出しない。従って、リント性を確保できる。
【0043】
第1の切り離し部22は、長辺S1に対して平行であり、一方の短辺S2aから他方の短辺S2bまで延在する。第1の切り離し部22は、長さが1200mである短辺S2を、900mmと300mmとに分割する位置に設けられる。この第1の切り離し部22によれば、シート2Aを、分割シート20Aと分割シート20Bとに分割することができる。
【0044】
第2の切り離し部23は、短辺S2に対して平行であり、一方の長辺S1aから他方の長辺S1bに向かって延在する。第2の切り離し部23は、一方の長辺S1aからの長さL1が500mmである。また、第2の切り離し部23は、長さが1400mmである長辺S1aを等分割する位置に設けられる。この第2の切り離し部23によれば、シート2Aの一方の長辺S1a側を割くことができる。従って、シート2Aを部分的に捲ることができる。また、分割シート20Aにおいて、第2の切り離し部23は、長辺S1c側を部分的に捲るための切れ込みを形成することができる。また、分割シート20Bにおいて、第2の切り離し部23は、分割シート20Bをさらに2つの分割シート20C,20Dに分割する。
【0045】
第3の切り離し部24は、短辺S2に対して平行であり、他方の長辺S1bから一方の長辺S1aに向かって延在する。第3の切り離し部24は、他方の長辺S1bからの長さL2が205mmである。また、シート2Aは、複数(例えば4個)の第3の切り離し部24を含む。4個の第3の切り離し部24は、長さが1400mmである他方の長辺S1bを五等分する位置に設けられる。従って、第3の切り離し部24同士の間隔L3は、280mmである。この第3の切り離し部24によれば、シート2Aの長辺S1a又は分割シート20Aの長辺S1cを部分的に捲るための切れ込みを形成することができる。
【0046】
着脱部21は、例えば、不織布に着脱可能な係合素子(メカニカルファスナ)又は粘着テープであり、他方の短辺S2b側において、一方の長辺S1aから他方の長辺S1bに亘って延在する。具体的には、着脱部21は、他方の短辺S2b側の端部処理部6aに並設されている。着脱部21は、長さが1200mmであり、幅w2が32mmである。なお、着脱部21は、第1の切り離し部22によって2つに分割されている。
【0047】
図8は、変形例1に係るシート2Aの使用例を示す。シート2Aは、第1の切り離し部22により分割される。そして、2個の分割シート20A,20Bのうち、分割シート20Aを用いる。患者100に対して、分割シート20Aの長辺S1b,S1cの方向を患者100の身長方向に合せて、分割シート20Aを患者100に掛ける。この患者100は、仰向きに寝かされており、左手首100bにはカテーテル106が取り付けられている。そこで、2個の第3の切り離し部24を割き、分割シート20Aの一部を捲る。この構成により、分割シート20Aの全体を捲ることなく、患者100の左手首100bを露出させることができる。このような構成によれば、患者100の身体において所望の箇所を露出させることができる。
【0048】
<変形例2>
例えば、
図9に示されるように、シート2Bは、変形例1のシート2Aとは異なる配置とされた切り離し部25と着脱部26とを備えていてもよい。切り離し部25及び着脱部26のそれぞれの構成は、変形例1の切り離し部19及び着脱部21と同様である。切り離し部25は、第4の切り離し部27と、第5の切り離し部28と、第6の切り離し部29とを含む。シート2Bは、長辺S1の長さが1400mmであり、短辺S2の長さが1200mmである。
【0049】
第4の切り離し部27は、短辺S2に対して平行であり、一方の長辺S1aから他方の長辺S1bまで延在する。第4の切り離し部27は、長さが1400mである長辺S1を、900mmと500mmに分割する位置に設けられる。この第4の切り離し部27によれば、シート2Bを、2枚に分割することができる。分割シート20Eは、一辺の長さが900mmであり、他片の長さが1200mmである。分割シート20Fは、一辺の長さが500mmであり、他片の長さが1200mmである。
【0050】
第5の切り離し部28は、長辺S1に対して平行であり、一方の短辺S2aから他方の短辺S2bに向かって延在する。第5の切り離し部28は、一方の短辺S2aからの長さL4が700mmである。また、第5の切り離し部28は、長さが1200mmである短辺S2aを等分割する位置に設けられる。この第5の切り離し部28によれば、シート2Bの一方の短辺S2aを2つに割くことができる。従って、シート2Bを部分的に捲ることができる。また、分割シート20Eにおいても同様に、部分的に捲ることができる。また、第5の切り離し部28は、分割シート20Fをさらに2つの分割シート20G,20Hに分割する。分割シート20G,20Hは、一辺の長さが500mmであり、他片の長さが600mmである。
【0051】
第6の切り離し部29は、長辺S1に対して平行であり、他方の短辺S2bから一方の短辺S2aに向かって延在する。第6の切り離し部29は、他方の短辺S2bからの長さL5が200mmである。また、シート2Bは、複数(例えば4個)の第6の切り離し部29を含む。4個の第6の切り離し部29は、長さが1200mmである他方の短辺S2bを五等分する位置に設けられる。従って、第6の切り離し部29同士の間隔L6は、240mmである。この第6の切り離し部29によれば、シート2B又は分割シート20Eを部分的に捲ることができる。
【0052】
着脱部26は、第4の切り離し部27に隣接し、短辺S2に対して平行である。着脱部26は、第4の切り離し部27に対して分割シート20Fの側に設けられる。着脱部26は、第5の切り離し部28により、2つに分割される。
【0053】
図10は、変形例2に係るシート2Bの使用例を示す。シート2Bは、第4の切り離し部27により分割されて、分割シート20Eと分割シート20Fとされる。そして、着脱部26を利用して、分割シート20Fを分割シート20Eに取り付ける。具体的には、患者100に対して、分割シート20Eの短辺S2の方向を患者100の身長方向に合せる。このときに分割シート20Eは、患者100の胸部から下腿部を覆う。そして、患者100に対して、分割シート20Fの短辺の方向を患者100の身長方向に合せる。このとき、分割シート20Fは、患者の胸部及び上腕部を覆う。
【0054】
変形例1及び変形例2に示された切り離し部19,25の寸法や配置は例示であり、シート2の使用目的に応じてその寸法や配置を適宜変更してよい。変形例1及び変形例2に示された着脱部21,26も同様に、寸法や配置は例示であり、シート2の使用目的に応じてその寸法や配置を適宜変更してよい。
【0055】
また、実施形態において形態維持部は、袋状のパウチ容器3を例示した。形態維持部は、袋状の容器に限定されることはなく、
図11及び
図12に示されるような種々の構成を取り得る。形態維持部は、特定の形状を有するケースであってもよい。例えば、医療用保温キット1Aは、形態維持部として箱状の収容箱7(
図11の(a)部)を備えていてもよい。また、医療用保温キット1Bは、形態維持部として筒状の鞘ケース8(
図11の(b)部)を備えていてもよい。収容箱7は、折りたたまれたシート2を収容する。鞘ケース8は、丸められたシート2を収容する。収容箱7及び鞘ケース8は、パウチ容器3とは異なり、直方体や円筒といった特定の形状を維持可能な容器であるので、シート2を収容したときの形状と収容していないときの形状とが同じである。従って、シート2の体積がケースの収容容積よりも小さい場合には、シート2の形状をケースの形状に沿わせることにより、シート2を圧縮した状態で収容することができる。
【0056】
形態維持部は、さらに、シート2に取り付けられるものであってもよい。この場合には、シート2は、容器に収容されない。このような形態維持部として、ベルト、紐、ゴム輪、帯状のフィルム、メカニカルファスナ、粘着テープ等が挙げられる。例えば、
図12の(a)部に示されるように、医療用保温キット1Cは、折り曲げられたシート2の周囲を拘束する形態維持部としての輪状のベルト9を備えていてもよい。また、
図12の(b)部に示されるように、医療用保温キット1Dは、円柱状に丸められたシート2の周囲を拘束する形態維持部としての輪状のベルト11を備えていてもよい。さらに、
図12(c)部に示されるように、医療用保温キット1Eは、柱状に折り曲げられたシート2の端部同士を固定する帯状の形態維持部13を有してもよい。帯状の形態維持部として、例えば、粘着テープやメカニカルファスナが挙げられる。また、
図12の(d)部に示されるように、医療用保温キット1Fは、円柱状に丸められたシート2の外被層5同士を互いに拘束する形態維持部14を有していてもよい。このような形態維持部14として、例えば、粘着テープやメカニカルファスナが挙げられる。また、形態維持部14は、シート2の外被層5と一体化されていてもよい。この場合には、シート2とメカニカルファスナ(形態維持部14)とを含んだ構成を医療用保温具と称することもできる。
【0057】
<変形例3>
また、外被層5の少なくとも一方に保温用具であることを示す目印を設けてもよい。目印としては、印刷、タグ、エンボス加工などが挙げられる。目印を付すことにより、形状が似ている他の用途のシート、例えば防水シートなどとの誤使用を防止することができる。
【0058】
<変形例4>
また、シート2は、固定用の紐状部材を有していてもよい。このような紐状部材によれば、例えば、
図6に示されるように、シート2が使用される場面において、紐状部材をベッドに結び付けることにより、患者100に対するシート2のずれを抑制することができる。
【0059】
<変形例5>
また、例えば、シート2は、保温層4と外被層5との間に配置された追加層を設けてもよいし、外被層5のさらに外側に別の追加層を設けてもよい。
【0060】
以下、シート2の作用効果を確認する実験例1,2,3及び4について説明する。実験例1,2,3及び4には、以下に示す実施例1,2,3,4,5に係るシート2、及び比較例1,2,3,4,5に係る保温具を用いた。
を用いた。
【0061】
実施例1に係るシート2は、目付が130g/m
2である。シート2の保温層4は、目付が100g/m
2のシート状であり、せん断剛性値は11.19(gf/cm・deg)であり、厚みが0.9cmであった。保温層4は、長繊維として目付が65g/m
2であり、繊維径3μmであるメルトブロウン繊維を含む。また、保温層4は、短繊維として目付が35g/m
2であり、繊度が6.6dtexであり、繊維長が38mmであるポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。すなわち、長繊維と短繊維の合計量100質量部に対する短繊維の含有量は、35質量部である。このような長繊維と短繊維とを含む保温層4は、長繊維であるメルトブロウン繊維をエクストルーダーによりメルトブロウンダイから吐出させ、メルトブロウン繊維が吐出された直後のウェブに合流するように短繊維であるポリエチレンテレフタレート混合させることにより作製した。また、外被層5は、目付が15g/m
2であり、ポリプロピレン樹脂から作製されるスパンボンド不織布である。実施例1のシート2には、端部処理部6aと層間接合部6bとを設けた。端部処理部6aは、幅を8mmとし、熱プレスにて形成した。層間接合部6bは、15cm間隔で配置された複数の接合スポットを超音波融着機を用いて形成した。
【0062】
ここで、せん断剛性値の測定方法について説明する。まず、測定対象である機能性不織布を15×15(cm)に裁断する。次に、裁断された不織布を引張せん断試験機(カトーテック(株)製、KESFB1-AUTO-A)に取り付ける。続いて、引張せん断試験機を操作して、不織布に対して張力(150gf/cm)を印加する。張力を印加した状態において、不織布をせん断角+8゜までせん断させ、次に反対方向にせん断角−8゜までせん断させる。このせん断角の変化に対する単位幅あたりのせん断力の変化として、せん断剛性値を得る。
【0063】
実施例2に係るシート2は、目付と、長繊維と短繊維との割合が異なるほかは実施例1のシート2と同様の構成を有する。実施例2に係るシート2は、目付が100g/m
2である。実施例2に係るシート2が有する長繊維の目付は、実施例1に係るシート2が有する目付の70%とした。具体的には、実施例2に係るシート2が有する長繊維の目付は、45.5〔=65×(70/100)〕g/m
2であった。また、実施例2に係るシート2が有する短繊維の目付は、実施例1に係るシート2が有する目付の70%とした。具体的には、実施例2に係るシート2が有する短繊維の目付は、24.5〔=35×(70/100)〕g/m
2であった。すなわち、長繊維と短繊維の合計量100質量部に対する短繊維の含有量は、35質量部である。
【0064】
実施例3に係るシート2は、目付と、長繊維と短繊維との割合が異なるほかは実施例1のシート2と同様の構成を有する。実施例3に係るシート2は、目付が70である。実施例3に係るシート2が有する長繊維の目付は、実施例1に係るシート2が有する目付の40%とした。具体的には、実施例2に係るシート2が有する長繊維の目付は、26〔=65×(40/100)〕g/m
2であった。また、実施例3に係るシート2が有する短繊維の目付は、実施例1に係るシート2が有する目付の40%とした。具体的には、実施例2に係るシート2が有する短繊維の目付は、14〔=35×(40/100)〕g/m
2であった。すなわち、長繊維と短繊維の合計量100質量部に対する短繊維の含有量は、35質量部である。
【0065】
実施例4に係るシート2は、端部処理部6aを形成しない以外は、実施例1と同様に作製した。
【0066】
実施例5に係るシート2は、目付と、長繊維の目付と短繊維の目付とが異なる。実施例5に係るシート2の目付は、150g/m
2であり、厚みは1.49cmであった。また、実施例5に係るシート2が有する長繊維の目付は60g/m
2であった。また、実施例5に係るシート2が有する長繊維の目付も60g/m
2であった。すなわち、長繊維と短繊維の合計量100質量部に対する短繊維の含有量は、50質量部である。また、実施例5に係るシート2は、保温層4と外被層5との接合構成が実施例1のシート2と異なる。具体的には、実施例5に係るシート2は、端部処理部6aを有しておらず、層間接合部6bによって保温層4と外被層5とが接合されている。層間接合部6bは、保温層4と外被層5との間に設けた接着剤によって形成した。実施例5に係るシート2は、せん断剛性値が9.42(gf/cm・deg)であった。
【0067】
比較例1は他社製の不織布である。比較例2は一般的なウールブランケットである。比較例3は他社製の別の不織布である。比較例4は一般的な綿製の毛布である。比較例5はバスタオルである。
【0068】
<実験例1>
実験例1では、保温性を確認した。実験例1には、実施例1,2,3,4に係るシート2と、比較例1,2,3,4,5に係る保温具とを用いた。保温性の確認は、保温・熱抵抗性試験である熱平板法(ASTM D1518−11a)に基づいて実施した。
図13に示されるように、実施例1,2,3,4に係るシート2と、比較例1,2,3,4,5に係る保温具の保温性をクロー値として示した場合には、実施例1,4に係るシート2が最も保温性がよいことが確認できた。また、実施例2,3に係るシート2は、既存の綿製の毛布(比較例4)や、バスタオル(比較例5)よりも高い保温性が得られることが確認できた。具体的には、実施例1,4のシート2のクロー値は1.70であり、実施例2のシート2のクロー値は1.24であり、実施例3のシート2のクロー値は1.08であった。比較例1の保温具のクロー値は1.66であり、比較例2の保温具のクロー値は1.40であり、比較例3の保温具のクロー値は0.87であり、比較例4の保温具のクロー値は0.73であり、比較例5の保温具のクロー値は0.70であった。
【0069】
<実験例2>
実験例2では、リント性を確認した。実験例2には、実施例1,4に係るシート2と、比較例1,2,3,4,5に係る保温具とを用いた。リント性の確認には、粒子数計測装置(RION社製:KC01E)を利用した。実施例1,4に係るシート2と比較例1,2,3,4,5に係る保温具とのそれぞれについて、縦が50mmであり横が100mmである試験片を2個ずつ作成した。そして、粒子数計測装置の吸気口から25mmだけ離れた位置に試験片を配置した。
図14は、外形寸法が1μm以下である粒子の検出数を示す。
図14に示されるように、実施例4に係るシート2の場合でも、現状の医療現場で患者の体温管理に使用されるバスタオル(比較例5)と同等のリント性を得られることが分かった。さらに、実施例1に係るシート2が最も粒子数が低く、リント性が高いことが確認できた。従って、端部処理部6aを有するシート2によれば、良好なリント性を得られることがわかった。具体的には、実施例1のシート2の検出数は50程度であった。一方、比較例1の保温具の検出数は300程度であり、比較例2の保温具の検出数は600程度であり、比較例3の保温具の検出数は200程度であり、比較例4の保温具の検出数は1600程度であり、比較例5の保温具の検出数は1000程度であり、実施例4に係るシート2の検出数は1000程度であった。
【0070】
<実験例3>
実験例3では、しわのできやすさを確認した。実験例3には、実施例1〜5に係るシート2を用いた。しわのできやすさの測定方法については、シート2を530mm×530mm四方に切り抜き試験片を準備した。試験片を4つ折りにして畳んだ後、可撓性の透明パウチ容器に格納した。パウチ容器ごと、試験片の表面に2.5kgの錘を試験片に載せた。その後72時間、錘を載せた状態を維持した。72時間経過後、錘を取り除き、試験片を4つ折り状態から面状に展開し、試験片に確認できるしわの有無を確認した。
【0071】
表1に示されるように、実施例1〜5の何れにおいても、保管形態を模擬した形状から使用形態を模擬した形状に変化させたとき、実施例1〜5に係るシート2の保温層4にはしわができにくいことが確認できた。
【表1】
【0072】
<実験例4>
上述した実施形態のようにシート2は、パウチ容器に納められて長期間保存されることもあり得る。そこで、実験例4では、シート2の保存性について確認した。具体的には、パウチ容器に所定期間保存した後のシート2が有する厚みと保温性(クロー値)とを確認した。まず、縦が1400mmであり、横が1200mmである実施例1に係るシート2を準備した。次に、シート2を縦に4つ折りした後に、横に4つ折りした。次に、折りたたんだシート2を低密度ポリエチレン(LPDE)製のパウチ容器に収納し、真空包装した。真空包装をするときの真空度は、−400mbarに設定した。
【0073】
実験例4では、パウチ容器にシート2を2日間包装したサンプルと、パウチ容器にシート2を7日間包装したサンプルとを準備した。そして、シート2の厚みと保温性(クロー値)とを測定した。折り畳まれてパウチ容器に納められたシート2(保管形態)の厚みは、JIS規格に準拠するノギスを用いて測定した。面状に展開された状態のシート2(使用形態)の厚みは、130g重の荷重を30秒間かけた状態において、バッティングゲージを用いて測定した。
【0074】
表2に示されるように、シート2について、包装する直前の状態(使用形態)、包装した状態(保管形態)、包装開封直後(使用形態)、及び包装開封2時間以上経過後(使用形態)であるときの厚みを測定した。その結果、包装する直前の状態と、開封直後、開封2時間以上経過後の厚みを比較すると有意な差異がないことが確認できた。従って、シート2を包装しても、開封直後にすぐに使用できることが確認できた。また、表3に示されるように、パウチ容器に2日間包装したシート2のクロー値とパウチ容器に7日間包装したシート2のクロー値とを比較すると、保存期間に応じた有意な差異がないことが確認できた。従って、シート2は保存形態において長期間保存しても保温性を維持できることが確認できた。
【表2】
【表3】