(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとり得る。
【0019】
<連結装置>
図1は、連結装置をその使用状態において示す斜視図である。
図2は、連結装置の収容部材の構成を説明する図であり、
図2(a)は、正面図であり、
図2(b)は、一方の側面から見た側面図であり、
図2(c)は、他方の側面から見た側面図である。
図3は、連結装置の係合部材の構成を説明する図である。
連結装置1は、例えば、
図1及び
図5に示すように、落石防護装置100において、落石Sを捕捉する捕捉部110と、当該捕捉部110を地盤Gに対して張設するために係止する係止部140とを連結するものである。
連結装置1は、例えば断面略U字形の収容部材10と、当該収容部材10に締結されていると同時に着脱自在に係合する係合部材20とを備える。
【0020】
(収容部材)
図1及び
図2に示すように、収容部材10は、例えば、所定の厚さを持った鋼板により形成されていて、収容部材10の互いに平行な一対の面10a,10bの一方の面(内面ともいう。)10aが互いに向かい合うように、例えば、略U字状に曲げられている。なお、他方の面10bは、外面ともいう。
図2(a)〜(c)に示すように、収容部材10は、互いに平行な平行部11,12と、当該平行部11,12とを連結する湾曲した連結部13とを備える。平行部11,12は、所定の間隔dを置いて互いに離間されている。収容部材10は、この離間された部分において捕捉部110が取り付けられた係止部140を収容する収容空間(収容部)14を有する。
平行部11の端部11aには、厚さtに沿った方向に貫通した孔11bが形成されている。平行部12の端部12aには、収容部材10の幅wに沿った方向に延在するスリット15が形成されている。具体的には、スリット15は、平行部11,12のそれぞれの端部11a,12a間を互いに略平行に延びている収容部材10の一対の側端縁10c,10dの一方の側端縁10cから、他方の側端縁10dに向かって延びている。スリット15は、他方の側端縁10dに対して直交するように延びている。
スリット15は、側端縁10cから一定の幅を持って延在する延在部15aと、延在部15aに対して拡幅した終端部15bとを有する。終端部15bは、略円形状に形成され、延在部15aに対して拡張された空間をなしている。
【0021】
(係合部材)
図3及び
図4に示すように、係合部材20は、収容部材10の端部11aに巻き付けられ、かつ収容部材10の端部11aと端部12aとの間を延びる鋼材等の線状の部材により形成されたワイヤー21と、当該ワイヤー21の一方の端部にワイヤー21に対して径方向外側に膨らんだ拡幅部22と、当該拡幅部22に設けられたループ状の把持部23とを有する。
拡幅部22は、ワイヤー21に連続しており、ワイヤー21をそれ自体を中心として複数回に亘って巻回することによりワイヤー21に対して拡幅して形成されている。これにより、拡幅部22は、ワイヤー21よりも径方向外側に大きな寸法を有して形成されている。
把持部23は、ワイヤー21及び拡幅部22とは別体の金属製の環部材である。把持部23は、拡幅部22において保持されている。
【0022】
係合部材20は、例えば、曲げることができる鋼材等のワイヤー等により形成されているが、係合部材20は、曲げることができれば鋼製に限られず、繊維等により形成されていてもよい。係合部材20を構成するワイヤーの直径は、1〜3mmであることが好ましい。
また、係合部材20のワイヤー21、拡幅部22及び把持部23は、一体に形成されていてもよく、また、把持部23だけが別体の環状部材として形成されていてもよい。
係合部材20のワイヤー21の直径は、スリット15の幅よりも小さくなっている。これに対して、拡幅部22は、ワイヤー21に巻回されてスリット15の幅よりも大きくなっている。
【0023】
<連結装置の組立て>
ここで、
図4を用いて連結装置1の組立について説明する。
図4は、連結装置1の組立を説明する図であり、
図4(a)、(b)は、組立の工程を示す図である。
収容部材10の平行部12側から平行部11側に向かって係合部材20を挿入する。具体的には、拡幅部22とは反対側の係合部材20のワイヤー21の端部を、スリット15の終端部15b及び平行部11の孔11bに挿通する。係合部材20の挿通は、拡幅部22が収容部材10の外面10bに当接するか又は当接する手前まで実施することが好ましい(
図4(a)参照。)。
次いで、平行部11における孔11bを通じて内面10a側から外面10b側へ通された係合部材20のワイヤー21の端部を、平行部11の端部11aに巻き付ける(
図4(b)参照。)。これにより、係合部材20は、収容部材10に締結され連結装置1の組立が完了する。
係合部材20のワイヤー21は、拡幅部22側で収容部材10とスリット15において着脱自在に係合している。
【0024】
<連結装置の使用例1>
次に、
図5を用いて、連結装置1の使用例1について説明する。
図5は、地盤Gに設けられた落石防護装置100を正面から示す。
連結装置1は、道路脇や山腹斜面等の地盤Gに設置され、道路上への落石Sを防ぐ落石防護装置(落石防護網)100において使用される。落石防護装置100は、連結装置1の他に、捕捉部110と、係止部140とを備えている。
【0025】
捕捉部110は、地盤Gに対して張設されて落石Sが発生した際にその落石Sを捕捉する。捕捉部110は、例えば、鋼製のワイヤーロープを格子状に編んだ網体として形成されており、落石Sの衝撃エネルギーを網体の変形によって吸収し、道路上への落石Sの崩落を防止する。捕捉部110は、平面視略矩形状に形成されている。
捕捉部110は、捕捉部110が平面視矩形状の形を維持して地盤Gに敷設されるように捕捉部110を支持する支持体111を備える。
【0026】
支持体111は、例えば、鋼製のワイヤーロープで形成されている。支持体111は、地盤Gに敷設される捕捉部110の縦方向に沿って延在する縦材111aと、捕捉部110の横方向に沿って延在する横材111bとを備えている。捕捉部110は、例えば、ワイヤーやコイル等の結束番線により支持体111に取り付けられている。
縦材111aと横材111bは、互いに直交するように設けられており、その交差位置で保持体160によって連結されている。ここで、保持体160は、ワイヤークリップを用いることが多いが、ワイヤークリップに限らず、鋼線や結束バンド等で縦材111aと横材111bとを結束してもよい。
一部の横材111bは、その両端部が捕捉部110の両側部から外側に向けて延在しており、両端部がアンカー170によって地盤Gに固定されている。なお、これらの横材111bの両端部は、地盤Gに固定される場合に限らず、現場に打設されたコンクリート、地盤Gに設置された鋼材(例えば、H形鋼、角形鋼管、丸形鋼管など)に固定されていてもよい。
横材111bのうち最も上方に位置する横材111btは、地盤Gに立設された支柱180に取り付けられている。ここで、支柱180は、想定される落石Sの外径よりも長くなるように形成されており、支柱180の先端に横材111btが取り付けられている。すなわち、捕捉部110の上端においては、地盤Gと捕捉部110との間に落石Sを導く空間が形成されている。このような落石防護装置100を一般にポケット式落石防護装置という。
横材111bのうち最も下方に位置する横材111bbは、捕捉部110と、例えば、コイル等により互いに連結されており、両端部は、捕捉部110の両側部にまで延在しており、アンカー170によって地盤Gに固定されていない。
【0027】
係止部140は、捕捉部110が平面視矩形状の形を維持して地盤Gに張設されるように捕捉部110を地盤に対して係止する、捕捉部110の横材111bとは別個に地盤Gに設けられている。
係止部140は、支持体111とは別個に地盤Gに設けられている。係止部140は、例えば、鋼製のワイヤーロープで形成されている。係止部140は、その両端部がアンカー170によって地盤Gに固定されている。係止部140は、支持体111のうち最も下側にある横材111bbの下方において、当該横材111bbの延在方向に沿うように設けられている。
なお、係止部140は、ワイヤーロープに限らず、所定間隔で地盤Gに設けられたアンカーや杭等で構築してもよい。
【0028】
(捕捉部及び係止部の連結方法及び連結解除方法)
ここで、
図6乃至
図8を用いて、連結装置1による捕捉部110及び係止部140の連結方法及び連結解除方法について説明する。
図6は、捕捉部110及び係止部140の連結方法を説明する図であり、
図6(a)、(b)は、連結工程を示す図である。
図7は、連結解除方法を説明する図である。
図8は、連結解除の工程を示す図である。
捕捉部110は、落石防護装置100の下方において横材111bbを介して連結装置1により係止部140と連結されている。
図6(a)に示すように、連結装置1は、まず、係合部材20を収容部材10のスリット15に係合させていない状態において、例えば、捕捉部110が取り付けられた横材111bb及び係止部140をそれぞれ収容部材10の収容空間14に収容する。
次いで、係合部材20のワイヤー21をスリット15の延在部15aに沿って終端部15bまで移動させて、係合部材20を収容部材10と係合させる。これにより、捕捉部110は、支持体111と共に係止部140に連結された状態になる(
図6(b)参照。)。
【0029】
連結装置1によれば、例えば、
図7に示すように、落石Sが捕捉部110と地盤Gとの間に堆積した場合、堆積した落石Sを除去する際には、堆積している落石Sの量が少ない箇所から順次下側の連結装置1を取り外して、捕捉部110と係止部140との連結を解除し、落石Sを除去することができる。
落石Sの重みにより、捕捉部110、横材111bb及び係止部140は、連結装置1の係合部材20のワイヤー21に乗りかかるので、係合部材20は、下方に撓むように変形する。これにより、スリット15の終端部15bにおける収容部材10と係合部材20との係合状態がより強固になる。
係合部材20は、落石Sの重みにより内側へ引っ張られる場合であっても、拡幅部22はストッパとしてスリット15の周辺部において面10bに当接するので、係合部材20が内側に引きずり込まれることで収容部材10と係合部材20との係合状態が解消されることはない。
【0030】
図7に示すように、係合部材20は、その一端が収容部材10の一方の端部11aに締結されて、他端が収容部材10の他方の端部12aに係合しつつ、当該他方の端部12a(平行部12)から一方の端部11a(平行部11)とは反対側に突き出ている。かくして、他方の端部12aから突き出ている係合部材20の部分を容易に掴むことができるようになる。
そして、捕捉部110と係止部140との連結状態は、係合部材20をスリット15に沿って矢印Fの方向に引っ張って収容部材10と係合部材20との係合状態を解除することで容易に解除することができる。
【0031】
これにより、アンカー170を外すことなく、
図8に示すように、捕捉部110の下端部を上方に捲り上げて堆積した落石Sを簡単かつ迅速に除去することができる。
また、把持部23の存在により、例えば、把持部23にロープを結びつけ、さらに、別途、捕捉部110又は横材111bbにロープを結びつけ、当該ロープを引っ張ることにより、落石防護装置100から離れた位置で収容部材10と係合部材20との係合状態を解消することができると共に、捕捉部110を上方に捲り上げることができる。
落石防護装置100における上方の連結装置1も同様に収容部材10と係合部材20との係合状態を解消することで、捕捉部110を簡単かつ迅速に横材111btから取り外すことができる。これにより、捕捉部110の補修、交換等の作業性が向上する。
連結装置1により、捕捉部110と係止部140とを連結し、当該連結状態を確実に保持することができると共に、必要に応じて両者を簡単かつ迅速に連結解除することができる。
【0032】
<連結装置の使用例2>
次に、
図9を用いて、連結装置1の使用例2について説明する。
図9は、地盤Gに設けられた落石防護装置200を正面から示す。
連結装置1は、道路脇や山腹斜面等の地盤Gに設置され、道路上への落石Sを防ぐ落石防護装置(落石防護網)200において使用される。落石防護装置200は、連結装置1の他に、捕捉部210と、2つの係止部240,250とを備えている。なお、落石防護装置200のうち、落石防護装置100と同じ構成については、同じ符号を付してその説明は省略する。
【0033】
捕捉部210は、捕捉部210が平面視矩形状の形を維持して地盤Gに敷設されるように捕捉部210を支持する支持体211を備える。支持体211は、地盤Gに敷設される捕捉部210の縦方向に沿って延在する縦材211aと、捕捉部210の横方向に沿って延在する横材211bとを備えている。支持体211は、落石防護装置100の支持体111と同じ構成を有するので説明は省略する。
【0034】
落石防護装置200においては、支持体のうち最も下側にある横材211bbの下方において、当該横材211bbの延在方向に沿うように設けられた係止部240と、最も上側にある横材211btの上方において、当該横材211bbの延在方向に沿うように設けられた係止部250とが設けられている。
【0035】
捕捉部210と係止部250とを連結装置1により連結すれば、捕捉部210の横材211btと係止部250との連結状態を容易に解除することができ、捕捉部210を係止部250から簡単に外すことができる。同様に、捕捉部210と係止部240との連結状態を解除すれば、捕捉部210と係止部240,250との連結状態を完全に解除することができ、容易に捕捉部210を取り外すことができる。
なお、落石防護装置200において連結装置1は、落石防護装置100において連結装置1が奏した作用、効果を少なくとも奏する。
【0036】
<連結装置の使用例3>
次に、
図10を用いて、連結装置1の使用例3について説明する。
図10は、地盤Gに設けられた落石防護装置300を正面から示す。
図10に示すように、連結装置1は、道路脇や山腹斜面等の地盤Gに設置され、道路上への落石Sを防ぐ落石防護装置(落石防護柵)300において使用される。落石防護装置300は、連結装置1の他に、捕捉部310と、支持部320と、係止部360とを備える。
【0037】
捕捉部310は、例えば、鋼製のワイヤーロープを格子状に編んだ網体として形成されており、落石Sの衝撃エネルギーを網体の変形によって吸収し、道路上への落石Sの崩落を防止する。捕捉部110は、平面視略矩形状に形成されている。なお、捕捉部310は、網体に限られず、パネル状の金網であってもよい。
【0038】
支持部320は、捕捉部310が平面視矩形状の形を維持して地盤Gに敷設されるように捕捉部310を支持する支柱330と、当該支柱330間に架設された横材340と、支柱330間に設けられた中間部材350とを備えている。
支柱330は、コンクリート製の地盤CGにおいて所定の間隔をおいて立設されている。落石防護装置300において端部に設けられている支柱330は、鋼製の補強部材331により補強されている。横材340は、例えば、鋼製のワイヤーロープで形成されている。
【0039】
係止部360は、横材340のうち最も上方に位置する横材340tの上側で支柱330,330間に、横材340tに沿って架け渡されている。係止部360の構成は、落石防護装置100の係止部140と同じ構成を有するので説明は省略する。
【0040】
捕捉部310は、一端の支柱330から他端の支柱(図示せず。)の間に亘って柵全体を覆うように張設されている。捕捉部310は、係止部360と、当該係止部360の延在方向に亘って複数箇所で連結装置1により連結されている。
落石防護装置300において捕捉部310は、その自重により連結装置1の係合部材20に乗りかかるようになる。これにより、係合部材20は、下方へと垂れ下がるのでスリット15において収容部材10との係合状態がより強固になり、捕捉部310と、係止部360との連結が維持される。
連結装置1により、捕捉部310と係止部360との連結状態を簡単に解除することができる。
なお、落石防護装置300において連結装置1は、落石防護装置100において連結装置1が奏した作用、効果を少なくとも奏する。
【0041】
<その他>
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、本発明の範囲を超えない範囲で適宜変更が可能である。例えば、スリット15は、他方の側端縁10dに対して直交して延在しているが、スリット15の構成は、これに限られず、スリット15は、一方の側端縁10cから収容部材10の端部12a側に向かって斜めに延在していてもよい。
スリット15が端部12a側に斜めに延在していることにより、係合部材20が収容部材10のスリット15から意図せずに抜け出ることをより確実に抑えることができる。
【0042】
また、スリット15の終端部15bは、円形状に形成されていなくてもよく、例えば、延在部15aに対して、少なくとも収容部材10の端部12a側に凹状に膨らんで形成されていればよい。この場合、凹状部分における形状は、円弧状、略V字状、略U字状であってよい。
収容部材10は、一方の面10aが向かい合うようになっていればよく、例えば、略V字状に曲げられていてもよい。
【0043】
また、上記実施の形態においては、係合部材20の把持部23は、捕捉部110に対して外側に、つまり、地盤Gとは反対側に位置していたが、捕捉部110に対して内側に、つまり、地盤G側に位置していてもよい。これにより、係合部材20Aの把持部23は、隠れた状態になり、意図せず引っ張られることは防がれる。
【0044】
<変形例>
次に、
図11及び
図12を用いて、連結装置1の変形例に係る連結装置1Aについて説明する。以下では、上記の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記の実施の形態と同じ構成については、類似又は同一符号を付して説明を省略する。
図11は、変形例に係る連結装置を示す斜視図である。
図12は、変形例に係る連結装置の収容部材の構成を説明する図であり、
図12(a)は、正面図であり、
図12(b)は、一方の側面から見た側面図であり、
図12(c)は、他方の側面から見た側面図である。
【0045】
図11に示すように、収容部材10Aは、例えば、所定の厚さを持った鋼板により形成されていて、収容部材10Aの互いに平行な一対の面10Aa,10Abの一方の面(内面ともいう。)10Aaが互いに向かい合うように、例えば、略U字状に曲げられている。なお、他方の面10Abは、外面ともいう。
【0046】
図12(a)〜(c)に示すように、収容部材10Aは、互いに平行な平行部11A,12Aと当該平行部11A,12Aとを連結する湾曲した連結部13Aとを備える。平行部11A,12Aは、所定の間隔dを置いて互いに離間されている。収容部材10Aは、この離間された部分において捕捉部110が取り付けられた係止部140を収容する収容空間(収容部)14Aを有する。
平行部11Aの端部11Aaには、厚さtに沿った方向に貫通した孔11Abが形成されている。平行部12Aの端部12Aaには、厚さtに沿った方向に貫通した孔12Abが形成されている。2つの孔11Ab,12Abは、互いに同心をなして形成されていることが好ましい。
【0047】
連結装置1Aの組立ての一例について簡単に説明する。
ループ状の把持部23Aに挿通した係合部材20のワイヤー21の一端(拡幅部22及び把持部23が設けられていない端部)を、収容部材10Aの平行部12Aの孔12Abに挿通する。
平行部12A側から平行部11Aに向かうワイヤー21の一端は、平行部11Aに形成された孔11Abに挿通されて、当該平行部11Aの端部11Aaに巻き付けられる。これにより、連結装置1Aは、組み立てられる。
【0048】
係合部材20の拡幅部22及び把持部23は、他方の端部12Aaから一方の端部11Aaとは反対側に突き出ているので、当該突き出た部分を掴むことで簡単に連結解除の作業を行うことができるようになる。また、係合部材20のワイヤー21は、収容部材10Aの孔11Ab,12Abに挿通されているので、係合部材20が収容部材10から意図せず外れることはない。
【0049】
連結装置1Aを用いて捕捉部110及び係止部140を連結する場合には、収容部材10Aを捕捉部110及び係止部140に設置した後に、係合部材20Aを収容部材10Aに取り付ける。
また、把持部23を掴んで回すことで、ワイヤー21を捩って切断することができるので、連結装置1Aによる捕捉部110及び係止部140の連結解除を簡単に実施することができる。
【0050】
<その他>
なお、本発明は、上記の変形例に限られるものではなく、本発明の範囲を超えない範囲で適宜変更が可能である。例えば、
図13に示すような係合部材20Aを使用してもよい。
図13は、他の係合部材を有する連結装置を説明する図である。
係合部材20Aは、ワイヤー21Aをリング状の把持部23Aに挿通させて、当該把持部23Aにおいて折り返すことで把持部23Aと係合している。なお、ワイヤー21Aは、把持部23Aに対して複数回に亘って巻回されていてもよい。
また、孔11Ab,12Abは、少なくとも2本のワイヤー21Aが挿通する寸法を持って形成されていることが好ましい。
【0051】
係合部材20Aは、ループ状の把持部23Aに挿通した係合部材20Aのワイヤー21Aの両端を、収容部材10Aの平行部12Aの孔12Abに挿通する。平行部12Aの孔12Abにワイヤー21Aを挿通した状態において、把持部23Aが平行部11Aとは反対側に平行部12Aから突き出た状態にある。
平行部12A側から平行部11Aに向かうワイヤー21Aの両端は、平行部11Aに形成された孔11Abに挿通されて、当該平行部11Aの端部11Aaに巻き付けられる。
【0052】
係合部材20Aは、ワイヤー21Aの一端において、折り返されて並んだワイヤー21A同士を連結するようにして、ワイヤー21Aに対して外側に膨らんだ拡幅部を有していてもよい。この場合、拡幅部は、孔12Abの周縁部よりも大きい寸法を有している。
【0053】
また、孔11Ab,12Abは、それぞれ2つであってもよい。さらに、孔11Ab,12Abの形状は、係合部材20Aのワイヤー21Aが挿通できれば特に限定されず、円形、楕円形、長円形や、三角形、矩形等の多角形であってもよい。