(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0016】
(実施の形態1)
〔通信システムの構成〕
図1は、本実施の形態1に係るカード型媒体2を示す図である。
図2は、本実施の形態1に係るデータ読取装置3を示す図である。
通信システム1は、RFIDタグが内蔵されたカードをゲーム機上に載置し、当該載置されたカードの表裏及び回転状態に応じて各種のゲームが展開されるゲーム機に利用されるシステムである。この通信システム1は、互いに非接触で無線通信可能に接続するカード型媒体2(
図1)及びデータ読取装置3(
図2)を備える。
【0017】
〔カード型媒体の構成〕
先ず、カード型媒体2の構成について
図1を参照しつつ説明する。
カード型媒体2は、本発明に係るデータ記録媒体に相当する。このカード型媒体2は、ゲーム機上に載置してゲームに利用するカードである。そして、カード型媒体2は、カード本体21と、RFIDタグ22とを備える。
カード本体21は、平面視正方形状を有する薄型の平板で構成されている。
なお、カード本体21における板面の全領域は、本発明に係る第1仮想領域Va1に相当する。また、本実施の形態1では、第1仮想領域Va1は、当該第1仮想領域Va1における中心位置C1を基準として、当該中心位置C1を囲む周方向に沿って90°毎に均等に分割されている。そして、当該分割した4つの領域は、中心位置C1を囲む周方向に沿って並列しており、本発明に係る第1分割領域D11〜D14にそれぞれ相当する。以下では、説明の便宜上、第1分割領域D11を第1左上領域D11と記載し、第1分割領域D12を第1左下領域D12と記載し、第1分割領域D13を第1右下領域D13と記載し、第1分割領域D14を第1右上領域D14と記載する。
【0018】
RFIDタグ22は、カード本体21に内蔵されている。このRFIDタグ22は、アンテナ221と、ICチップ222と、共振用コンデンサ223とを備える。
アンテナ221は、ICチップ222にそれぞれ導通する一端から他端にかけて、全体略正方形状を成すように第1右上領域D14、第1左上領域D11、第1左下領域D12、及び第1右下領域D13を辿って延在する枠状のループアンテナで構成されている。そして、アンテナ221は、通電により電波(RFIDタグ22の識別情報)を送信する。
ここで、アンテナ221は、第1左上領域D11において正方形状を成すように当該第1左上領域D11の外縁に倣ってN回(本実施の形態1では3回)巻かれ、第1左下領域D12において正方形状を成すように当該第1左下領域D12の外縁に倣ってNとは異なるM回(本実施の形態1では2回)巻かれている。すなわち、アンテナ221において、第1左上領域D11と第1左下領域D12とでは、通電により送信する電波の電波強度は異なる。具体的に、アンテナ221から送信される電波の電波強度は、巻き数の多い第1左上領域D11が最も高く、第1左下領域D12が次に高く、その他の第1右下領域D13及び第1右上領域D14が最も低い。
なお、アンテナ221において、第1左上領域D11及び第1左下領域D12の各部位は、本発明に係る媒体側アンテナ224,225にそれぞれ相当する。すなわち、本実施の形態1では、2つの媒体側アンテナ224,225は、ICチップ222に直列に接続されている。なお、以下では、説明の便宜上、媒体側アンテナ224を第1媒体側アンテナ224と記載し、媒体側アンテナ225を第2媒体側アンテナ225と記載する。
【0019】
ICチップ222は、アンテナ221及び共振用コンデンサ223に導通するように設けられている。このICチップ222には、RFIDタグ22固有の識別情報が予め記録されている。当該RFIDタグ22の識別情報は、本発明に係るデータに相当する。そして、ICチップ222は、アンテナ221を介してデータ読取装置3から受信した電波を動力源として動作し、アンテナ221を介してRFIDタグ22の識別情報をデータ読取装置3に送信する。
【0020】
〔データ読取装置の構成〕
次に、データ読取装置3の構成について
図2を参照しつつ説明する。
データ読取装置3は、ゲーム機に内蔵され、当該ゲーム機に載置されたカード型媒体2(RFIDタグ22)との間で無線通信を行い、RFIDタグ22の識別情報を読み取る。このデータ読取装置3は、4つの検出部4(第1〜第4検出部41〜44)と、受信用アンテナ5と、制御部6とを備える。
なお、
図2において、一点鎖線で示した最も大きい正方形状の領域は、ゲーム機におけるカード型媒体2が載置される載置領域(カード型媒体2と略同一の大きさの領域)であり、本発明に係る第2仮想領域Va2に相当する。また、本実施の形態1では、第2仮想領域Va2は、当該第2仮想領域Va2における中心位置C2を基準として、当該中心位置C2を囲む周方向に沿って90°毎に均等に分割されている。そして、当該分割した4つの領域は、中心位置C2を囲む周方向に沿って並列しており、本発明に係る第2分割領域D21〜D24にそれぞれ相当する。以下では、説明の便宜上、第2分割領域D21を第2左上領域D21と記載し、第2分割領域D22を第2左下領域D22と記載し、第2分割領域D23を第2右下領域D23と記載し、第2分割領域D24を第2右上領域D24と記載する。
【0021】
第1検出部41は、第1検出用アンテナ411と、第1強度検出部412とを備える。
第1検出用アンテナ411は、本発明に係る検出用アンテナに相当する。この第1検出用アンテナ411は、第2左上領域D21において、正方形状を成すように当該第2左上領域D21の外縁に倣って延在する枠状のループアンテナで構成されている。
第1強度検出部412は、アンテナ221からの電波に応じて第1検出用アンテナ411に作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0022】
第2検出部42は、第1検出用アンテナ411と同一形状(巻き数及び開口面積等が同一)を有する第2検出用アンテナ421と、第2強度検出部422とを備える。
第2検出用アンテナ421は、本発明に係る検出用アンテナに相当し、第2左下領域D22に設けられている。
第2強度検出部422は、アンテナ221からの電波に応じて第2検出用アンテナ421に作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0023】
第3検出部43は、第1検出用アンテナ411と同一形状(巻き数及び開口面積等が同一)を有する第3検出用アンテナ431と、第3強度検出部432とを備える。
第3検出用アンテナ431は、本発明に係る検出用アンテナに相当し、第2右下領域D23に設けられている。
第3強度検出部432は、アンテナ221からの電波に応じて第3検出用アンテナ431に作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0024】
第4検出部44は、第1検出用アンテナ411と同一形状(巻き数及び開口面積等が同一)を有する第4検出用アンテナ441と、第4強度検出部442とを備える。
第4検出用アンテナ441は、本発明に係る検出用アンテナに相当し、第2右上領域D24に設けられている。
第4強度検出部442は、アンテナ221からの電波に応じて第4検出用アンテナ441に作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0025】
以上説明した第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出された電波強度は、ゲーム機に設けられた制御コントローラ100に出力される。そして、制御コントローラ100は、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出された電波強度に基づいて、ゲーム機に載置されたカード型媒体2の表裏及び回転状態を判別する。なお、カード型媒体2の表裏及び回転状態の判別方法については後述する。
【0026】
受信用アンテナ5は、制御部6にそれぞれ導通する一端から他端にかけて、正方形状を成すように第2右下領域D23、第2右上領域D24、第2左上領域D21、及び第2左下領域D22を辿って延在する枠状のループアンテナで構成されている。また、受信用アンテナ5は、第1〜第4検出用アンテナ411,421,431,441の開口の全てを囲む。そして、受信用アンテナ5は、RFIDタグ22との間で電磁誘導作用を用いた無線通信により非接触で当該RFIDタグ22の識別情報を読み取るために用いられる。
制御部6は、受信用アンテナ5に通電し、当該受信用アンテナ5からICチップ222の動力源となる電波を送信するとともに、RFIDタグ22の識別情報の送信指令となる電波を送信する。また、制御部6は、受信用アンテナ5を介してRFIDタグ22から送信された識別情報を受信する。当該受信した識別情報は、制御コントローラ100に出力される。そして、制御コントローラ100は、ゲーム機に載置されたカード型媒体2の種類を判別する。
【0027】
〔カード型媒体の表裏及び回転状態の判別方法〕
次に、カード型媒体2の表裏及び回転状態の判別方法について説明する。
図3は、カード型媒体2の表裏及び回転状態の判別方法を説明する図である。具体的に、
図3では、
図1に示したカード型媒体2の状態を回転角0°の表向きの姿勢(ゲーム機に載置された姿勢)としている。また、当該回転角0°の表向きの姿勢から、第1左上領域D11及び第1右上領域D14と第1左下領域D12及び第1右下領域D13との境界線BO(
図1)を基準としてカード型媒体2を180°反転させた姿勢を回転角0°の裏向きの姿勢としている。さらに、当該回転角0°の表向きの姿勢から中心位置C1を中心として反時計回りに90°毎にカード型媒体2を回転させた各姿勢をそれぞれ回転角90°、180°、270°の表向きの各姿勢としている。また、当該回転角90°、180°、270°の表向きの各姿勢から、境界線BOを基準としてカード型媒体2を180°反転させた各姿勢をそれぞれ回転角90°、180°、270°の裏向きの各姿勢としている。なお、
図3では、説明の便宜上、第1左上領域D11に「1」の文字を付し、第1左下領域D12に「2」の文字を付し、第1右下領域D13に「3」の文字を付し、第1右上領域D14に「4」の文字を付している。
【0028】
〔回転角0°の表向きの姿勢について〕
「回転角0°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2をゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2に対向させ、かつ中心位置C1,C2同士を略合致させた場合)には、最も高い電波強度の電波を送信する第1媒体側アンテナ224は、第1検出用アンテナ411に対向する。また、2番目に高い電波強度の電波を送信する第2媒体側アンテナ225は、第2検出用アンテナ421に対向する。このため、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出される電波強度V1〜V4は、V1>V2>V3=V4の関係となる。
【0029】
〔回転角90°の表向きの姿勢について〕
「回転角90°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2をゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2に対向させ、かつ中心位置C1,C2同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224は、第2検出用アンテナ421に対向する。また、第2媒体側アンテナ225は、第3検出用アンテナ431に対向する。このため、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出される電波強度V1〜V4は、V2>V3>V1=V4の関係となる。
【0030】
〔回転角180°の表向きの姿勢について〕
「回転角180°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2をゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2に対向させ、かつ中心位置C1,C2同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224は、第3検出用アンテナ431に対向する。また、第2媒体側アンテナ225は、第4検出用アンテナ441に対向する。このため、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出される電波強度V1〜V4は、V3>V4>V1=V2の関係となる。
【0031】
〔回転角270°の表向きの姿勢について〕
「回転角270°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2をゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2に対向させ、かつ中心位置C1,C2同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224は、第4検出用アンテナ441に対向する。また、第2媒体側アンテナ225は、第1検出用アンテナ411に対向する。このため、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出される電波強度V1〜V4は、V4>V1>V2=V3の関係となる。
【0032】
〔回転角0°の裏向きの姿勢について〕
「回転角0°」の「裏向き」の姿勢でカード型媒体2をゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2に対向させ、かつ中心位置C1,C2同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224は、第2検出用アンテナ421に対向する。また、第2媒体側アンテナ225は、第1検出用アンテナ411に対向する。このため、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出される電波強度V1〜V4は、V2>V1>V3=V4の関係となる。
【0033】
〔回転角90°の裏向きの姿勢について〕
「回転角90°」の「裏向き」の姿勢でカード型媒体2をゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2に対向させ、かつ中心位置C1,C2同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224は、第3検出用アンテナ431に対向する。また、第2媒体側アンテナ225は、第2検出用アンテナ421に対向する。このため、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出される電波強度V1〜V4は、V3>V2>V1=V4の関係となる。
【0034】
〔回転角180°の裏向きの姿勢について〕
「回転角180°」の「裏向き」の姿勢でカード媒体2をゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2に対向させ、かつ中心位置C1,C2同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224は、第4検出用アンテナ441に対向する。また、第2媒体側アンテナ225は、第3検出用アンテナ431に対向する。このため、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出される電波強度V1〜V4は、V4>V3>V1=V2の関係となる。
【0035】
〔回転角270°の裏向きの姿勢について〕
「回転角270°」の「裏向き」の姿勢でカード媒体2をゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2に対向させ、かつ中心位置C1,C2同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224は、第1検出用アンテナ411に対向する。また、第2媒体側アンテナ225は、第4検出用アンテナ441に対向する。このため、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出される電波強度V1〜V4は、V1>V4>V2=V3の関係となる。
【0036】
〔まとめ〕
以上説明したように、回転角0°、90°、180°、270°の表向き及び裏向きの8つの姿勢において、第1〜第4強度検出部412,422,432,442にてそれぞれ検出される電波強度V1〜V4の関係は、全て異なる関係となる。このため、制御コントローラ100は、例えば内部メモリに記録されたルックアップテーブル(LUT)等を参照することで、当該関係から当該8つの姿勢を判別することができる。
【0037】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態1に係るカード型媒体2では、4つの第1分割領域D11〜D14のうち2つの第1分割領域D11,D12にそれぞれ第1,第2媒体側アンテナ224,225が設けられている。また、第1,第2媒体側アンテナ224,225は、送信する電波の電波強度が互いに異なるように設定されている。一方、本実施の形態1に係るデータ読取装置3では、4つの第2分割領域D21〜D22の全てにそれぞれ4つの第1〜第4検出部41〜44が設けられている。
このため、上記〔カード型媒体の表裏及び回転状態の判別方法〕で説明したように、回転角0°、90°、180°、270°の表向き及び裏向きの8つの姿勢を判別することができる。
【0038】
また、第1,第2媒体側アンテナ224,225は、ループアンテナにてそれぞれ構成され、巻き数が互いに異なることで送信する電波の電波強度が互いに異なる。
このため、第1,第2媒体側アンテナ224,225に同一の電流値で通電すれば、第1,第2媒体側アンテナ224,225から異なる電波強度の電波を送信することができる。したがって、構造の簡素化を図ることができる。
【0039】
また、カード型媒体2は、データを記録するICチップ222を備える。そして、第1,第2媒体側アンテナ224,225は、ICチップ222に直列に接続されている。
このため、第1,第2媒体側アンテナ224,225をICチップ222に対して並列に接続した構成と比較して、1本の回路パターンで第1,第2媒体側アンテナ224,225を構成することができ、構造の簡素化を図ることができる。
【0040】
また、第1〜第4検出部41〜44は、ループアンテナで構成された第1〜第4検出用アンテナ411,421,431,441をそれぞれ有する。そして、データ読取装置3は、第1〜第4検出用アンテナ411,421,431,441の開口の全てを囲むループアンテナで構成され、第1,第2媒体側アンテナ224,225から送信されたRFID22の識別情報を受信する受信用アンテナ5を備える。
このため、受信用アンテナ5の開口面積を比較的に大きくし、アンテナ221からRFID22の識別情報をより確実に受信することができる。
【0041】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図4は、本実施の形態2に係るカード型媒体2Aを示す図である。
図5は、本実施の形態2に係るデータ読取装置3Aを示す図である。
上述した実施の形態1に係る通信システム1は、回転角0°、90°、180°、270°の表向き及び裏向きの8つの姿勢でカード型媒体2をゲーム機に載置する構成に適用したシステムである。
これに対して本実施の形態2に係る通信システム1Aは、回転角0°、60°、120°、180°、240°、300°の表向き及び裏向きの12個の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置する構成に適用したシステムである。
以下、本実施の形態2に係る通信システム1Aを構成するカード型媒体2A及びデータ読取装置3Aの構成について説明する。
【0042】
〔カード型媒体の構成〕
先ず、カード型媒体2Aの構成について
図4を参照しつつ説明する。
カード型媒体2Aは、本発明に係るデータ記録媒体に相当する。このカード型媒体2Aは、上述した実施の形態1で説明したカード本体21とは形状の異なるカード本体21Aと、上述した実施の形態1で説明したアンテナ221とは形状の異なるアンテナ221Aを採用したRFIDタグ22Aとを備える。
カード本体21Aは、平面視正六角形状を有する薄型の平板で構成されている。
なお、カード本体21Aにおける板面の全領域は、本発明に係る第1仮想領域Va1Aに相当する。また、本実施の形態2では、第1仮想領域Va1Aは、当該第1仮想領域Va1Aにおける中心位置C1Aを基準として、当該中心位置C1Aを囲む周方向に沿って60°毎に均等に分割されている。そして、当該分割した6つの領域は、中心位置C1Aを囲む周方向に沿って並列しており、本発明に係る第1分割領域D11A〜D16Aにそれぞれ相当する。以下では、説明の便宜上、第1分割領域D11Aを第1左上領域D11Aと記載し、第1分割領域D12Aを第1左中領域D12Aと記載し、第1分割領域D13Aを第1左下領域D13Aと記載し、第1分割領域D14Aを第1右下領域D14Aと記載し、第1分割領域D15Aを第1右中領域D15Aと記載し、第1分割領域D16Aを第1右上領域D16Aと記載する。
【0043】
アンテナ221Aは、ICチップ222にそれぞれ導通する一端から他端にかけて、全体略正六角形状を成すように第1右中領域D15A、第1右上領域D16A、第1左上領域D11A、第1左中領域D12A、第1左下領域D13A、及び第1右下領域D14Aを辿って延在する枠状のループアンテナで構成されている。
ここで、アンテナ221Aは、第1左上領域D11Aにおいて三角形状を成すように当該第1左上領域D11Aの外縁に倣ってN回(本実施の形態2では3回)巻かれ、第1右中領域D12Aにおいて三角形状を成すように当該第1右中領域D12Aの外縁に倣ってNとは異なるM回(本実施の形態2では2回)巻かれている。すなわち、アンテナ221Aにおいて、第1左上領域D11Aと第1左中領域D12Aとでは、通電により送信する電波の電波強度は異なる。具体的に、アンテナ221Aから送信される電波の電波強度は、巻き数の多い第1左上領域D11Aが最も高く、第1左中領域D12Aが次に高く、その他の第1左下領域D13A、第1右下領域D14A、第1右中領域D15A、及び第1右上領域D16Aが最も低い。
なお、アンテナ221Aにおいて、第1左上領域D11Aの部位、及び第1左中領域D12Aの部位は、本発明に係る媒体側アンテナ224A,225Aにそれぞれ相当する。すなわち、本実施の形態2では、上述した実施の形態1と同様に、2つの媒体側アンテナ224A,225Aは、ICチップ222に直列に接続されている。なお、以下では、説明の便宜上、媒体側アンテナ224Aを第1媒体側アンテナ224Aと記載し、媒体側アンテナ225Aを第2媒体側アンテナ225Aと記載する。
【0044】
〔データ読取装置の構成〕
次に、データ読取装置3Aの構成について
図5を参照しつつ説明する。
データ読取装置3Aでは、上述した実施の形態1で説明したデータ読取装置3に対して、4つの検出部4の代わりに6つの検出部4A(第1〜第6検出部41A〜46A)を採用し、受信用アンテナ5とは形状の異なる受信用アンテナ5Aを採用している。
なお、
図5において、一点鎖線で示した正六角形状の領域は、ゲーム機におけるカード型媒体2Aが載置される載置領域(カード型媒体2Aと略同一の大きさの領域)であり、本発明に係る第2仮想領域Va2Aに相当する。また、本実施の形態2では、第2仮想領域Va2Aは、当該第2仮想領域Va2Aにおける中心位置C2Aを基準として、当該中心位置C2Aを囲む周方向に沿って60°毎に均等に分割されている。そして、当該分割した6つの領域は、中心位置C2Aを囲む周方向に沿って並列しており、本発明に係る第2分割領域D21A〜D26Aにそれぞれ相当する。以下では、説明の便宜上、第2分割領域D21Aを第2左上領域D21Aと記載し、第2分割領域D22Aを第2左中領域D22Aと記載し、第2分割領域D23Aを第2左下領域D23Aと記載し、第2分割領域D24Aを第2右下領域D24Aと記載し、第2分割領域D25Aを第2右中領域D25Aと記載し、第2分割領域D26Aを第2右上領域D26Aと記載する。
【0045】
第1検出部41Aは、上述した実施の形態1で説明した第1検出用アンテナ411とは形状の異なる第1検出用アンテナ411Aと、第1強度検出部412Aとを備える。
第1検出用アンテナ411Aは、本発明に係る検出用アンテナに相当し、第2左上領域D21Aにおいて、三角形状を成すように当該第2左上領域D21Aの外縁に倣って延在する枠状に形成されている。
第1強度検出部412Aは、アンテナ221Aからの電波に応じて第1検出用アンテナ411Aに作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0046】
第2検出部42Aは、第1検出用アンテナ411Aと同一形状(巻き数及び開口面積等が同一)を有する第2検出用アンテナ421Aと、第2強度検出部422Aとを備える。
第2検出用アンテナ421Aは、本発明に係る検出用アンテナに相当し、第2左中領域D22Aに設けられている。
第2強度検出部422Aは、アンテナ221Aからの電波に応じて第2検出用アンテナ421Aに作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0047】
第3検出部43Aは、第1検出用アンテナ411Aと同一形状(巻き数及び開口面積等が同一)を有する第3検出用アンテナ431Aと、第3強度検出部432Aとを備える。
第3検出用アンテナ431Aは、本発明に係る検出用アンテナに相当し、第2左下領域D23Aに設けられている。
第3強度検出部432Aは、アンテナ221Aからの電波に応じて第3検出用アンテナ431Aに作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0048】
第4検出部44Aは、第1検出用アンテナ411Aと同一形状(巻き数及び開口面積等が同一)を有する第4検出用アンテナ441Aと、第4強度検出部442Aとを備える。
第4検出用アンテナ441Aは、本発明に係る検出用アンテナに相当し、第2右下領域D24Aに設けられている。
第4強度検出部442Aは、アンテナ221Aからの電波に応じて第4検出用アンテナ441Aに作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0049】
第5検出部45Aは、第1検出用アンテナ411Aと同一形状(巻き数及び開口面積等が同一)を有する第5検出用アンテナ451Aと、第5強度検出部452Aとを備える。
第5検出用アンテナ451Aは、本発明に係る検出用アンテナに相当し、第2右中領域D25Aに設けられている。
第5強度検出部452Aは、アンテナ221Aからの電波に応じて第5検出用アンテナ451Aに作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0050】
第6検出部46Aは、第1検出用アンテナ411Aと同一形状(巻き数及び開口面積等が同一)を有する第6検出用アンテナ461Aと、第6強度検出部462Aとを備える。
第6検出用アンテナ461Aは、本発明に係る検出用アンテナに相当し、第2右上領域D26Aに設けられている。
第6強度検出部462Aは、アンテナ221Aからの電波に応じて第6検出用アンテナ461Aに作用する電圧を検出することで、当該電波の電波強度を検出する。
【0051】
以上説明した第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出された電波強度は、制御コントローラ100に出力される。そして、制御コントローラ100は、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出された電波強度に基づいて、ゲーム機に載置されたカード型媒体2Aの表裏及び回転状態を判別する。なお、カード型媒体2Aの表裏及び回転状態の判別方法については後述する。
【0052】
受信用アンテナ5Aは、制御部6にそれぞれ導通する一端から他端にかけて、正六角形状を成すように第2右中領域D25A、第2右上領域D26A、第2左上領域D21A、第2左中領域D22A、第2左下領域D23A、第2右下領域D24A、及び第2右中領域D25Aを辿って延在する枠状に形成されている。また、受信用アンテナ5Aは、第1〜第6検出用アンテナ411A,421A,431A,441A,451A,461Aの開口の全てを囲む。
【0053】
〔カード型媒体の表裏及び回転状態の判別方法〕
次に、カード型媒体2Aの表裏及び回転状態の判別方法について説明する。
図6は、カード型媒体2Aの表裏及び回転状態の判別方法を説明する図である。具体的に、
図6では、
図4に示したカード型媒体2Aの状態を回転角0°の表向きの姿勢(ゲーム機に載置された姿勢)としている。また、当該回転角0°の表向きの姿勢から、第1左上領域D11A、第1左中領域D12A、及び第1左下領域D13Aと第1右下領域D14A、第1右中領域D15A、及び第1右上領域D16Aとの境界線BOA(
図4)を基準としてカード型媒体2Aを180°反転させた姿勢を回転角0°の裏向きの姿勢としている。さらに、当該回転角0°の表向きの姿勢から中心位置C1Aを中心として反時計回りに60°毎にカード型媒体2Aを回転させた各姿勢をそれぞれ回転角60°、120°、180°、240°、300°の表向きの各姿勢としている。また、当該回転角60°、120°、180°、240°、300°の表向きの各姿勢から、境界線BOAを基準としてカード型媒体2を180°反転させた各姿勢をそれぞれ回転角60°、120°、180°、240°、300°の裏向きの各姿勢としている。なお、
図6では、説明の便宜上、第1左上領域D11Aに「1」の文字を付し、第1左中領域D12Aに「2」の文字を付し、第1左下領域D13Aに「3」の文字を付し、第1右下領域D14Aに「4」の文字を付し、第1右中領域D15Aに「5」の文字を付し、第1右上領域D16Aに「6」の文字を付している。
【0054】
〔回転角0°の表向きの姿勢について〕
「回転角0°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、最も高い電波強度の電波を送信する第1媒体側アンテナ224Aは、第1検出用アンテナ411Aに対向する。また、2番目に高い電波強度の電波を送信する第2媒体側アンテナ225Aは、第2検出用アンテナ421Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V1>V2>V3=V4=V5=V6の関係となる。
【0055】
〔回転角60°の表向きの姿勢について〕
「回転角60°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第2検出用アンテナ421Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第3検出用アンテナ431Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V2>V3>V1=V4=V5=V6の関係となる。
【0056】
〔回転角120°の表向きの姿勢について〕
「回転角120°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第3検出用アンテナ431Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第4検出用アンテナ441Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V3>V4>V1=V2=V5=V6の関係となる。
【0057】
〔回転角180°の表向きの姿勢について〕
「回転角180°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第4検出用アンテナ441Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第5検出用アンテナ451Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V4>V5>V1=V2=V3=V6の関係となる。
【0058】
〔回転角240°の表向きの姿勢について〕
「回転角240°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第5検出用アンテナ451Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第6検出用アンテナ461Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V5>V6>V1=V2=V3=V4の関係となる。
【0059】
〔回転角300°の表向きの姿勢について〕
「回転角300°」の「表向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第6検出用アンテナ461Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第1検出用アンテナ411Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V6>V1>V2=V3=V4=V5の関係となる。
【0060】
〔回転角0°の裏向きの姿勢について〕
「回転角0°」の「裏向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第6検出用アンテナ461Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第5検出用アンテナ451Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V6>V5>V1=V2=V3=V4の関係となる。
【0061】
〔回転角60°の裏向きの姿勢について〕
「回転角60°」の「裏向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第1検出用アンテナ411Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第6検出用アンテナ461Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V1>V6>V2=V3=V4=V5の関係となる。
【0062】
〔回転角120°の裏向きの姿勢について〕
「回転角120°」の「裏向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第2検出用アンテナ421Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第1検出用アンテナ411Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V2>V1>V3=V4=V5=V6の関係となる。
【0063】
〔回転角180°の裏向きの姿勢について〕
「回転角180°」の「裏向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第3検出用アンテナ431Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第2検出用アンテナ421Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V3>V2>V1=V4=V5=V6の関係となる。
【0064】
〔回転角240°の裏向きの姿勢について〕
「回転角240°」の「裏向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第4検出用アンテナ441Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第3検出用アンテナ431Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V4>V3>V1=V2=V5=V6の関係となる。
【0065】
〔回転角300°の裏向きの姿勢について〕
「回転角300°」の「裏向き」の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置した場合(第2仮想領域Va2Aに対向させ、かつ中心位置C1A,C2A同士を略合致させた場合)には、第1媒体側アンテナ224Aは、第5検出用アンテナ451Aに対向する。また、第2媒体側アンテナ225Aは、第4検出用アンテナ441Aに対向する。このため、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6は、V5>V4>V1=V2=V3=V6の関係となる。
【0066】
〔まとめ〕
以上説明したように、回転角0°、60°、120°、180°、240°、300°の表向き及び裏向きの12個の姿勢において、第1〜第6強度検出部412A,422A,432A,442A,452A,462Aにてそれぞれ検出される電波強度V1〜V6の関係は、全て異なる関係となる。このため、制御コントローラ100は、例えば内部メモリに記録されたルックアップテーブル等を参照することで、当該関係から当該12個の姿勢を判別することができる。
【0067】
以上説明した本実施の形態2のように回転角0°、60°、120°、180°、240°、300°の表向き及び裏向きの12個の姿勢でカード型媒体2Aをゲーム機に載置する構成に適用した場合であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0068】
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図7は、本実施の形態3に係るカード型媒体2Bを示す図である。
上述した実施の形態1に係るカード型媒体2(RFIDタグ22、アンテナ221)では、第1,第2媒体側アンテナ224,225は、巻き数を異なるものとすることで、通電により送信する電波の電波強度を異なるものとしていた。
これに対して本実施の形態3に係るカード型媒体2B(RFIDタグ22B、アンテナ221B)では、
図7に示すように、本発明に係る媒体側アンテナにそれぞれ相当する第1,第2媒体側アンテナ224B,225Bは、巻き数が同一(
図7の例では巻き数が1回)で開口面積が異なる。その結果、第1,第2媒体側アンテナ224B,225Bは、通電により送信する電波の電波強度が異なる。具体的に、第1媒体側アンテナ224Bの開口面積は、第2媒体側アンテナ225Bの開口面積よりも大きく設定されている。すなわち、第1媒体側アンテナ224Bから送信される電波の電波強度は、第2媒体側アンテナ225Bから送信されえる電波の電波強度よりも高い。
以上説明したカード型媒体2Bは、本発明に係るデータ記録媒体に相当する。
【0069】
なお、本実施の形態3に係るデータ読取装置の構成は、上述した実施の形態1で説明したデータ読取装置3の構成と同一であるため、説明を省略する。また、本実施の形態3に係るカード型媒体2Bの表裏及び回転状態の判別方法は、上述した実施の形態1で説明したカード型媒体2の表裏及び回転状態の判別方法と同一であるため、説明を省略する。
【0070】
以上説明した本実施の形態3のように第1,第2媒体側アンテナ224A,225Aの開口面積を異なるものとした場合であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0071】
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1〜3によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1〜3では、本発明に係る通信システムをゲーム機に利用されるシステムで構成していたが、その用途は、ゲーム機に限らない。
上述した実施の形態1〜3では、本発明に係るデータ記録媒体をカード型媒体2,2A,2Bで構成していたが、その他の形状、例えば、コイン型の部材にRFIDタグ22,22A,22Bを内蔵した構成としても構わない。
【0072】
上述した実施の形態1〜3では、中心位置C1を中心として90°毎にカード型媒体2,2Bを回転させた姿勢、あるいは、中心位置C1Aを中心として60°毎にカード型媒体2Aを回転させた姿勢でゲーム機に載置する構成としていたが、これに限らない。60°や90°以外の角度α毎にデータ記録媒体を回転させた姿勢でゲーム機に載置する構成に適用したシステムを採用しても構わない。この際、第1分割領域の分割数は、360/αとなる。そして、当該分割数の第1分割領域うち2つの第1分割領域に第1媒体側アンテナ224,224A,224B及び第2媒体側アンテナ225,225A,225Bをそれぞれ設ければよい。一方、第2分割領域の分割数は、第1分割領域の分割数と同一の360/αとなる。そして、当該分割数の第2分割領域の全てに検出部4,4Aをそれぞれ設ければよい。
【0073】
上述した実施の形態1〜3では、受信用アンテナ5,5A、アンテナ221,221A,221B、第1媒体側アンテナ224,224A,224B、第2媒体側アンテナ225,225A,225B、第1検出用アンテナ411,411A、第2検出用アンテナ421,421A、第3検出用アンテナ431,431A、第4検出用アンテナ441,441A、第5検出用アンテナ451A、及び第6検出用アンテナ461Aをループアンテナでそれぞれ構成していたが、これに限らず、その他のアンテナで構成しても構わない。