(54)【発明の名称】光ファイバーアレイ走査技術による親和性試薬および触媒の発見 本発明は、Space and Naval Warfare Systems Command Systems Center Pacificから授与された契約番号N66001−14−C−4059に基づく国庫補助でなされたものである。政府は、本発明に関してある権利を有する。
【文献】
J. Org. Chem.,2002年,Vol. 67,pp.3057-3064
【文献】
J. AM. CHEM. SOC.,2005年,Vol. 127,pp.14584-14585
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、生物活性モノマーの大型非天然ポリマー、およびビーズ、および上記ポリマーを含むビーズのライブラリを提供する。別の態様では、本発明は、対象ポリマーを含むビーズを含む蛍光ビーズをスクリーニングするための光ファイバーアレイ走査技術(FAST)の使用を提供する。本発明は、親和性試薬および触媒を発見するための強力なプラットフォーム、およびビーズハイスループットスクリーニング(HTS)のライブラリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本発明は、ハイスループット薬物スクリーニング用に構成されているビーズのライブラリであって、各ビーズは、分岐および三次構造への折り畳みが事前に規定されている配列を有する特徴的な生物活性モノマーの結合非天然ポリマーを含むライブラリを提供する。分岐および三次構造への折り畳みが事前に規定されている必要不可欠な生物活性モノマーおよび配列が組み込まれている任意の好適なポリマーおよび重合を使用することができる。
【0009】
複数の実施形態では、ライブラリは、ポリマーの各々に組み込まれている、ターンを強制することにより三次構造を誘導する二次構造制約(SSC)モノマーを更に含み、好ましくは、SSCモノマーは、質量分析に基づくポリマーの配列決定を容易にするために酸切断可能であり;
ポリマーが、ポリアミド、ビニル性ポリマー、ビニル性ポリアミド、またはエステルであり;
ポリマーが、ウルツ反応、グレーサーカップリング、ウルマン反応、ゴンベルグ−バックマン反応、カディオ−ホトキェヴィチ(Cadiot−Chodkiewicz)カップリング、ピナコールカップリング反応、カストロ−ステファンズカップリング、ギルマン試薬カップリング、カサール(Cassar)反応、熊田カップリング、ヘック反応、薗頭カップリング、根岸カップリング、スティルクロスカップリング、鈴木反応、檜山カップリング、ブッフバルト−ハートウィッグ(Buchwald−Hartwig)反応、福山カップリング、およびリエベスキンド−スログル(Liebeskind−Srogl)カップリングから選択されるカップリング反応で重合されており;
ポリマーまたは重合が、スルホンアミド、還元的アミノ化、ペプトイド結合、鈴木カップリング、ホスポアミジットカップリング、およびラジカルクロスカップリングから選択され;
モノマーが、ジヒドロイソキノリンオンであり;
重合が、アミド結合カップリング法を、化学的に直交性の銅触媒環化付加(クリック反応)を使用して導入されたペプチドトリアゾール(peptidotriazole)分岐点と組み合わせ;および/または
ポリマーが、内因的に組み込まれたアイソトープでコード化された質量分析タグまたはバーコードにより内因的に自己読取り可能な分子を含む。
【0010】
別の態様では、本発明は、対象ライブラリが、一次元、二次元、および/または三次元に配列されていてもよいアレイを提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、対象ライブラリの配列されたアレイを含むスライドを取り付けた光ファイバースキャナを提供する。
【0012】
別の態様では、本発明は、ポリマーをビーズに結合させること、または連続モノマーカップリングによりビーズにポリマーを構築することを含む、対象ライブラリを製作するための方法を提供する。
【0013】
別の態様では、本発明は、対象ライブラリのアレイを含むスライドを取り付けた光ファイバースキャナを使用するための方法であって、
アレイを生物活性(親和性または触媒作用)マーカーで標識して、標的モノマーを含む標的ビーズに蛍光標識を生成すること、および
スキャナを用いてアレイを蛍光画像化することを含み、好ましくは、標識が、複数の蛍光波長を提供し、画像化が、光学フィルタリングを含み、バックグラウンドシグナルおよび偽陽性が低減される方法を提供する。
【0014】
1つの実施形態では、フルオロフォアの励起にレーザ(例えば、488nm)を使用し、その後バンドパスフィルタを使用して、放射光を2つ以上のチャネル(例えば、520nmおよび580nm)に分割し、この場合、一方のチャネル(例えば、520nmの光)は、バックグラウンド光であり、他方(例えば、580nm)は、目的のシグナル光である。これら2つのシグナル比の計算を使用して、活性ポリマーを選択する。
【0015】
別の実施形態では、異なる波長を放射するフルオロフォアで、非標的分子(例えば、ウシ血清アルブミン、または目的標的と関連するタンパク質)を標識する。その後、目的波長シグナル対非目的波長シグナルの比を使用して、活性および特異性を有するポリマーを選択する。
【0016】
別の態様では、本発明は、対象ライブラリを使用するための方法であって、
ライブラリを蛍光アッセイして、対応するモノマーの生物活性に基づいて候補ビーズを検出すること;
アッセイされたライブラリから候補ビーズを単離すること;
単離された候補ビーズからポリマーを切断すること;および
切断されたポリマーを構造的に分析することを含む方法を提供する。
【0017】
別の態様では、本発明は、分岐および三次構造への折り畳みが事前に規定されている特徴的な生物活性および配列の非天然ポリマーを提供する。複数の実施形態では:
ポリマーが、ポリアミド、ビニル性ポリマー、ビニル性ポリアミド、またはエステルであり;
ポリマーが、ウルツ反応、グレーサーカップリング、ウルマン反応、ゴンベルグ−バックマン反応、カディオ−ホトキェヴィチカップリング、ピナコールカップリング反応、カストロ−ステファンズカップリング、ギルマン試薬カップリング、カサール反応、熊田カップリング、ヘック反応、薗頭カップリング、根岸カップリング、スティルクロスカップリング、鈴木反応、檜山カップリング、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、福山カップリング、およびリエベスキンド−スログルカップリングから選択されるカップリング反応で重合されており;
ポリマーまたは重合が、スルホンアミド、還元的アミノ化、ペプトイド結合、鈴木カップリング、ホスポアミジットカップリング、およびラジカルクロスカップリングから選択され;
モノマーが、ジヒドロイソキノリンオンであり;
重合が、アミド結合カップリング法を、化学的に直交性の銅触媒環化付加(クリック反応)を使用して導入されたペプチドトリアゾール分岐点と組み合わせ;および/または
ポリマーが、内因的に組み込まれたアイソトープでコード化された質量分析タグまたはバーコードにより内因的に自己読取り可能な分子を含む。
【0018】
別の態様では、本発明は、ハイスループット薬物スクリーニング用に構成されているビーズのライブラリであって、各ビーズが、本明細書で開示されているような結合非天然ポリマーを含むライブラリを提供する。
【0019】
別の態様では、本発明は、蛍光ビーズを担持するスライドを取り付けた光ファイバースキャナであって、好ましくは、
スライドを含む試料を支持するための平坦表面を有する画像化装置試料台;
2つの光ファイバー束であって、各束が、画像化装置試料台上の試料を観察するための入力開口部を画定するように配置されている第1の端部、および画像化装置試料台から遠ざかるように配置されている出力開口部を画定するように配置されている遠位束端部を有する光ファイバー束を有する二分岐光路;
画像化装置試料台上の試料に対して垂直であり、二分岐光路の両束に緊密に隣接する経路に沿ってビームを走査するように配置されている走査源であって、走査源により画像化装置試料台に提供される照明の実質的に円形なスポットが、光シグナルを提供し、少なくともその一部が、各束の入力開口部により受信され、二分岐光路を介して出力開口部へと伝達される走査源;
遠位端部で光シグナルを検出するように配置されている光検出器;および
光検出器により検出された光シグナルを処理するプロセッサを含むスキャナを提供する。
【0020】
別の態様では、本発明は、本明細書で開示されている蛍光ビーズを担持するスライドを含む試料を画像化するための方法であって、
試料に対して垂直な放射の実質的に円形なビームを適用すること;
試料の走査経路に沿って掃引する間、放射ビームの垂直方向を維持すること;
試料とのビーム相互作用により生成される少なくともある程度の光を、試料から遠ざかる方向に反射させること;
光ファイバー第1端部のアレイの少なくとも1つの近接要素で、試料とのビーム相互作用により生成される光を収集すること;
収集した光を選択出力領域で検出すること;および
掃引、移動、および検出を協調させて、試料の少なくとも一部を表す画素のアレイを生成することを含む方法を提供する。
【0021】
別の態様では、本発明は、本明細書で開示されている蛍光ビーズを担持するスライドを取り付けた光ファイバースキャナを使用するための方法であって、
ビーズをスキャナで蛍光画像化すること、および好ましくは:
ビーズをスキャナで蛍光画像化して、候補ビーズを検出すること;
候補ビーズをビーズから単離すること;および
候補ビーズの機能または構造を分析することを含む方法を提供する。
【0022】
本発明は、記載されている実施形態の全ての組み合わせを、あたかも各々が入念に個々に示されているかの如く具体的に提供する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、ビーズHTSプラットフォームでのライブラリおよび光ファイバーアレイ走査技術を使用して、親和性試薬および触媒を発見するための方法を提供する。
【0025】
生物活性モノマーを重合して、生物活性モノマーの非天然ポリマーを形成し、それらをマイクロビーズ(直径が、1、2、5、または10〜10、20、50、100、200、500または1000um)と結合させる。複数の態様では、本発明は、親和性試薬および触媒の発見を最大化するように二次構造分子骨格および分岐構造が組み込まれている新しいポリマーを合成するための新規非天然モノマー、および10
8個メンバーのライブラリを5分未満でスクリーニングすることができる革命的ハイスルースクリーニング(HTS)プラットフォームを提供する。
【0026】
モノマーの合成およびポリマーのライブラリ。十分に確立されている固相ペプチド化学技術を使用して、特有の構成および官能性、タンパク質二次構造の特徴を模倣する非ペプチド骨格、ならびに配列規定分岐構造を有する非天然アミノ酸モノマー等の特有の非天然特徴を有するポリアミドのライブラリを生成する。
【0027】
二次構造特徴の低分子テンプレート。タンパク質構造中のアミノ酸はごく一部が、結合相互作用または触媒機能に直接関与するに過ぎず、大部分は、主として、相互作用残基を正しい向きに位置決めする構造決定要因である。本発明は、低分子テンプレートを使用して二次構造要素を模倣するための戦略を提供する。一実施形態では、二次構造要素に関連する距離および角度を、ベクトルとしてモデル化し、列挙型仮想フレームワークライブラリを検索するために使用する。その後、ヒットを3D構造データベースで検索し、手作業で詳しく調べて、合成モノマー標的を特定する(
図1)。本発明者らは、α−ヘリックスおよびβ−ターンの角度および側鎖突出を模倣するテンプレートを設計および検証した。それらは両方とも、グラム規模で調製されていた[3、4]。これらテンプレートをポリアミド鎖に組み込むことにより、立体構造的に制約された骨格を有する生物活性構造特徴の空間的配向性を模倣することができる。また、これらモノマーは、ロバストなコンビナトリアル誘導体化にかけることができ、それにより、非天然官能基を生物活性ポリマーに組み込むことが可能になる。
【0028】
分岐用モノマーの組み込み。配列規定分岐ポリアミドは、空間的自由度が低減されているため、特有の生物活性特性を有する構造化されたおよび折り畳まれた三次構造を形成する。線形ポリマーに対する分岐ポリアミドの別の有益性は、一定数のモノマーユニットからもたらされる配列多様性が指数関数的に増加することである。配列規定分岐ポリアミドは、タンパク質の化学的特性を有するが、多糖類のような驚くべき多様性を示す能力を有する。一実施形態では、分岐ポリアミドを得るための本発明者らの手法は、化学的に直交性の銅触媒環化付加(「クリック反応」)を使用して導入したペプチドトリアゾール分岐点を、標準的アミド結合カップリング法と組み合わせて使用することである(
図2)。
【0029】
非天然アミノ酸モノマーの設計および合成。本発明は、ポリアミドの機能的立体構造への折り畳みを容易にする非天然モノマーを提供する。上記手法に加えて、本発明者らは、ラマチャンドランプロットで典型的に見出される主鎖二面角の外側にある主鎖二面角を有する非天然アミノ酸モノマーを設計した。これらアミノ酸としては、コンパクトな構造化立体構造を形成する天然アミノ酸のβ−およびγ−アミノ酸変異体が挙げられる。本発明者らは、1Dおよび2D NMRにより評価したところ、コンパクトな二次構造へと折り畳まれる、4個のモノマーしか有していない非天然ポリペプチドを、分子動力学を使用して設計している[5]。モノマーは全て、容易に合成され、HPLCによる純度が>98%であり、構造は、1D/2D NMR、MS、およびCDを使用して一義的に帰属された。本発明者らが、>1グラム規模で>98%の純度で製作した非天然モノマーの例[1〜3]としては、以下のものが挙げられる。
【化1】
【0030】
計算設計および最適化。本発明は、ペプチドおよびタンパク質の構造および機能をモデリングするためのものと類似した、非天然構造単位、ポリマー、およびライブラリ設計をモデル化するための計算機化学ツールを提供する。開発基準としては、以下のものが挙げられる。
【0031】
非天然モノマーをパラメータ化すること;
構造単位に対して量子力学(QM)計算を行って、正確な電荷、結合距離、および角度を導き出すこと;
モノマーの二量体および三量体に対してQM計算を行って、二面角優先性を導き出すこと。
【0032】
これら構造単位を有するポリマーに関する計算ツールを検証すること;
可能な場合、類似構造単位を有する擬似ペプチドのデータセットをタンパク質構造データバンク(PDB)から抽出すること;
(1)のパラメータを用いて、初期ヒットのデータセットおよび構造データ(NMR、X線)に対してツールの関連モジュールを実行すること;
新規生物活性ポリマーの設計に応用すること;
折り畳まれて、新規で多様な様式の結合機能性または触媒機能性を示す可能性がより高い配列を有するバイアスライブラリを設計すること。
【0033】
大型(>108+)コンビナトリアルライブラリの生成。非天然ポリマーの膨大な理論的配列空間に対応するために、>108−12個ポリマーのライブラリを、コンビナトリアルスプリットアンドプール合成戦略(combinatorial split and pool synthetic strategy)を使用して合成する[6]。一実施形態では、確立されている固相合成法を使用し、その場合、ポリエチレングリコール(PEG)グラフトマイクロビーズを固体支持体として使用する。主にFmoc化学法を使用してモノマーユニットを付加し、96ウエルろ過マニフォールドで実施する。試薬添加、洗浄、および減圧ろ過ステップは、PerkinElmer JanusまたはBiomek Fx液体ハンドリングワークステーションのいずれかを使用して実施する。最終モノマーユニットを付加したら、ポリマーを、ビーズ上で脱保護し、洗浄し、乾燥する。本発明者らのカップリング反応は大部分が、確立されているFmoc化学に基づいているため、標準的ペプチドカップリングの既存プロトコールを使用し、非天然モノマーユニットを含むステップの反応条件を最適化する。
【0034】
複数の実施形態では、モノマーユニットが20〜30個の範囲であるポリアミドを使用して、良好な折り畳み構造を形成可能な最低限の長さを決定する。本発明者らは、1Dおよび2D NMRにより評価したところ、コンパクトな二次構造へと折り畳まれる、4個のモノマーしか有していない天然ポリペプチドを、分子動力学により設計することが可能であることを示している[5]。また、ランダムバリエーション(random variation)[7]ならびにポジショナルスキャニング手法(positional scanning approach)[8]の両方を用いてライブラリを生成してもよい。
【0035】
結合物質および触媒を特定するための非天然ポリマーライブラリのスクリーニング;がん診断。循環腫瘍細胞(CTC)は、腫瘍から脱落して血流へと流入した、転移のプロセスに関与すると考えられる個々のがん細胞である。CTC表現型は、原発腫瘍の状態を表し、したがって、簡単な血液採取により、がん患者の全体的な腫瘍状態の「液体生検」−がん治療を非侵襲的にモニターおよび方針決定するための潜在的に非常に強力な診断ツールを提供する。CTCの特定における主な問題は、CTCが非常に希少な(500万個中、>1細胞)ことであるが、走査レーザを用いて血液試料を「コピー」し、高密度に充填された光ファイバーアレイ束を用いて試料の高解像度キャプチャ画像を収集するという概念に基づく、光ファイバーアレイ走査技術(FAST(商標))サイトメータと呼ばれるSRIプラットフォーム[9]。
【0036】
FASTでは、処理血液試料を、標準的マイクロタイタープレートの設置面積を有するガラススライドに播種する。スライドを、単層分散細胞層の形成を確かなものにし、かつ細胞をガラス表面に固定する役目を果たすポリ−リジングラフトでコーティングする。その後、ガラススライド上の細胞単層を、蛍光的に標識されたCTC標的剤で処理し、FASTシステムで走査する。スライドに存在する蛍光的に標識したCTCの位置のデジタル画像を作成するのに60秒しか必要としない。これは、極めて高感度のシステムであり、本発明者らは、>25,000,000個の白血球細胞を含有するガラススライド上の1桁数のCTCが信頼性高く検出されることを実証している。このシステムは、十分に検証されており、ロバストである。SRI社は、FASTシステム上で数千もの血液試料を処理しており、これは、現在、がん治療でのCTC分析を検証するヒト治験における診断プラットフォームとして含まれている。
【0037】
FASTシステムによりそれらの位置を特定したら、吸引システムを使用して個々の細胞をガラススライドから日常的な方法でピッキングし、その後更なる処理のために384ウエルプレートまたは1536ウエルプレートの緩衝液中に個々の細胞を移動させる。
【0038】
大型コンビナトリアルライブラリのFASTハイスループットスクリーニング(HTS):>100,000,000個の化合物(>10
8個)の生体高分子ライブラリをたった4分間でスクリーニングすることができる非常に迅速で高感度のスクリーニングプラットフォーム。
【0039】
オンビーズスクリーニングを容易にするために、PEGグラフトコポリマー表面を有するポリスチレンビーズコアを含むTentagel型レジンに化合物を合成した。PEGコーティングにより、スクリーニングのためにビーズ表面に結合された化合物が、水性緩衝液に提示されやすくなる。本発明者らの手法は、複数の革新的な手法を用いて、オンビーズ固相スクリーニングを再考する機会を提供する。例えば、
ビーズは、細胞と同じサイズであってもよく、固相スクリーニング用のビーズは、直径が5〜500ミクロンと様々である。FASTプラットフォームでスクリーニングされる白血球細胞は、典型的には8〜30ミクロンの範囲である。オンビーズスクリーニングでは、より大きなビーズに化合物を合成して化合物収率を最大化する傾向があるが、本発明者らは、(i)親和性または触媒活性を示し、(ii)予備ヒットとしていったん選択されたポリマー分子構造を特定するのに十分なポリマーしか必要としない。より小さなビーズ(直径が約10〜20ミクロンの範囲)にライブラリを合成することにより、本発明者らは、250〜500mgと少量のレジンに100,000,000個メンバーのライブラリを合成することができる。
【0040】
ビーズは、FASTプラットフォームを使用してスクリーニングすることができる。25,000,000個メンバーのオンビーズライブラリを、CTCスクリーニングに使用されるものと同様の、ガラススライド上での蛍光に基づくアッセイを使用してスクリーニングすることができる。ポリマーライブラリを固体支持体に合成したら、ライブラリをFASTガラススライドに分散させ、蛍光的に標識された標的作用剤で処理し、親和性または酵素活性をFASTスキャナでスクリーニングする。SRI FASTシステムでは、4分間で(1スライド当たり60秒)、108個メンバーのライブラリを走査して、ヒットを特定することができる。
【0041】
ビーズを選択して特徴付けを行うことができる。FAST CTCピッキング用に開発された同じ細胞ピッキングシステムを使用すると、選択したビーズをガラススライドからピッキングし、384ウエルプレートまたは1536ウエルプレートに移して、レジンを切断し、LC/MS/MSにより特徴付けを行うことができる(下記の配列決定の項を参照)。個々の細胞ピッキングには、1細胞当たり15〜20秒かかる。例えば、100個のヒットがプレートで検出されたとすると、ビーズピッキングには、わずか33分しかかからず、全108個ライブラリ全体では約2時間しかかからないことになる。
【0042】
本発明者らは、この例を10
8のライブラリ規模としたが、プロセス全体は、より大きなライブラリ(1
10−12)または複数の多様なライブラリへと容易に拡張可能である。また、このプロセスは、そのような生物外被断片またはタンパク質、オリゴ糖、タンパク質、DNA/RNA配列、サイトカイン、またはペプチド等の生物学的標的との、本質的には、蛍光標識でタグ付けすることができ、ライブラリをスライドに直接塗布して、上記に記載のように読み取ることができるあらゆる作用剤との結合のスクリーニングに直ちに応用される。幾つかの低分子の場合、蛍光標識でタグ付けすると、その作用剤の物理化学的特性およびその結合プロファイルが著しく影響を受ける場合がある。したがって、代替的な手法では、合成した各ライブラリ化合物の開始端および終端に蛍光標識および消光標識を組み込み、その後、FASTを使用して、スライド上の個々のビーズの蛍光の、作用剤の適用前後の変化を特定することによる蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)アッセイを使用する。FRETアッセイおよびフルオロフォアは、このタイプのアッセイのために最適化することができるが、FASTスキャナは、蛍光強度および波長のごくわずかな変化を検出するのに必要な感度を有する。
【0043】
非天然ポリマーの配列決定および特徴付け。一実施形態では、直径が10〜20ミクロンのPEGグラフトポリスチレンビーズを使用して、大型ライブラリを合成する。典型的には、こうしたタイプのレジンは、1グラムのレジン当たり0.2〜0.3mmolの化合物を負荷する能力を有する。1グラムのレジンには、およそ2億5000万個の20ミクロンビーズがあり、合成、切断、産物とビーズの単離が100%成功したとすると、これは、1ビーズ当たり約1pmolの化合物に相当する。最大負荷量が1pmolである単一ビーズからの30量体ポリマーの収率がわずか1%という最悪のシナリオを仮定したとしても、10fmolの産物が生成されることになる。この量であれば、産物を、1D LC/MS/MS分析により容易に特定することができる。
【0044】
ライブラリの全ての考え得る配列を含むデータベースを構築し、MSおよびMS/MSデータから生体高分子を特定するために使用することができる。ビーズの単一化合物からは、断片化パターンデータにより他の一致するMSライブラリメンバーからデコンボリューションする[MS、MS/MS]スペクトル対の数は少数しかない。
【0045】
検証。配列決定した後、再合成により、およびKdの測定を含む二次的な溶液に基づく結合アッセイにより、ヒットを確認してもよい。単独でおよび標的作用剤と結合したままでの、NMRまたはX線結晶解析による一連の親和性試薬ヒットの立体構造分析は、以下のステップ等により、予測モデルの精密化を可能にする。
【0046】
ヒットのバルク(1D)および構造(3D)特性を非ヒットと比較する。
【0047】
ヒットの立体構造および標的結合挙動を非ヒットと比較して分析する。
【0048】
計算された特性に基づいてライブラリをクラスタ化する。
【0049】
ヒットが著しく大きな比率を占めるクラスタに注目する。
【0051】
このアンサンブルを使用して、スクリーニングおよび次世代ライブラリ設計で見出された結合モチーフを代表される新規の二次構造の種類のモデルを生成し、構造−活性相関(SAR)マッピングにより、特定の標的作用剤と結合するための親和性試薬を最適化することができる。
【0052】
References
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6. Salmon SE, Lam KS, Lebl M, Kandola A, Khattri PS, et al. (1993) Discovery of biologically active peptides in random libraries: solution-phase testing after staged orthogonal release from resin beads. Proc Natl Acad Sci U S A 90: 11708-11712.
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9. Liu X, Hsieh HB, Campana D, Bruce RH (2012) A new method for high speed, sensitive detection of minimal residual disease. Cytom Part A 81A: 169-175.
本発明の追加説明
一態様では、本発明は、以下のものを含む:
特別な機能を有する非天然ポリマー(NNP)へと構築される機能的に豊な分子フレームワークに基づく薬物様モノマー;および/または
光ファイバーアレイ走査技術(FAST)は、<5、<10、または<30分間で10
8−10個メンバーのライブラリの蛍光に基づくスクリーニングを実施する。
【0053】
配列構造に組み込まれているMS「バーコード」を使用した、内因的に自己読取り可能な分子として設計されたNNP
新規生物活性NNPの構造分析は、分子認識のモダリティを明らかにする。
【0054】
非天然モノマーの設計。薬物様モノマー骨格を開発するための基準としては、以下のものが挙げられる:安定性、キラル性、合成的な拡大可能性、最低限の分子量、適度な可撓性、官能基密度、高信頼性化学でのカップリング、および直交性の側鎖保護基等。これら基準を使用して、候補セット1〜3により例示されるもの等のモノマーセットを生成する。これらの場合、−OH/ClおよびFmoc位置でモノマー鎖の連結が生じる。
【表1】
【0055】
モノマーセットは、異なる主鎖ねじれ角を試みて、新しいタイプのポリマー折り畳み幾何配置の可能性を探索するように設計することができる。
【0056】
モノマーセット1の設計および合成
【化2】
【0058】
切断可能な二次構造制約;三次構造の誘導
特殊モノマー、二次構造制約(SSC)を使用して、NNPへの三次構造を誘導する。また、SSCは、MSに基づくNNPの配列決定を容易にするために切断可能に設計されていてもよい。
【表2】
【0059】
NNPサブライブラリの構成。モノマーおよびSSCを有する約30量体の構成を構築して、多様性を最大化する;
図3。ヌルスペーサーモノマー(例えば、ベータAla)を組み込んで、配列および合成を単純化してもよい。
【表3】
【0060】
総ライブラリ=4.03×10
8
無ウエルプレートを使用したビーズ上のライブラリのFASTスクリーニングでは、化合物が、ウエルにではなくビーズに結合されており、アッセイ/プレートの数は、ビーズサイズ(例えば、直径)によって決定され、例えば、50〜100umの場合は1×10
5−6個;10umビーズの場合は25×10
6個である。
【0061】
FAST超大規模スクリーニングは、毎分何百万もの化合物のスクリーニングを可能にする。例示的なアッセイでは、蛍光標的をチューブ中で10
8個ビーズライブラリと混合し、インキュベートし、洗浄し、約25M 10umビーズ/スライドを移し、FAST走査(約1分/プレート)し、シグナル強度をランク付けおよび決定し、その際、二重波長であれば偽陽性を低減することでき、自動ビーズピッキングを行って384ウエルプレートに移し、NNPをビーズから切断し、配列を決定する。
【0062】
スクリーニング:一般化可能なスクリーニング戦略およびプラットフォームを作成および実証する。
【0063】
ビーズのスライドへの分散および結合−蛍光アッセイ、結合、または酵素活性−FASTによるヒットの特定−ADMによるヒットの検証−ビーズピッキング−配列決定。
【0064】
ヒットの特徴付け。ヒットを、結合親和性または触媒活性について特徴付ける。
【0065】
親和性試薬:結合親和性は、表面プラズモン共鳴(SPR)により結合定数および解離定数(ka、kd)を測定することにより決定する。
【0066】
触媒:ミカエリス−メンテンモデルを使用して、Vmax(最大速度)、Km(ミカエリス定数、1/2Vmax)を決定する。触媒定数(kcat)
示差走査型蛍光定量法(DSF)、動的光散乱(DLS)、分析サイズ排除クロマトグラフィー(anSEC)
折り畳み、複合体形成、溶解性、安定性
1標的当たり最大3個のヒットのX線構造決定
NNPのMS同定
【表4】
【0068】
NNP MS断片化の配列決定手法:配列決定イオンを検出する:a、b、c、x、y、z;複雑なNNP主鎖の場合は更に主鎖断片化を行う;
図4。
【0069】
容易で迅速な配列決定用のライブラリ設計;自己読取り可能なNNPは、
図5に示されている。
【0070】
配列決定用のアイソトープでコード化されたMSタグ:
【表5】
【0071】
MSタグを組み込むことにより、配列決定の感度が増強され、より小さなポリマー断片から完全な配列の再構成が可能になる、
図6。
【0072】
複数のおよび/または別の断片化モードを使用してもよい:
【表6】
【0073】
配列決定は最適化することができ、例えば、各種類のNNPの各断片化方法を最適化し;より多くの配列決定イオンを生成し:複数の断片化方法を使用し;MSn;ライブラリ。
【0074】
設計;各方法、方法の組み合わせ;サポートベクターマシン学習分析等を使用して、既知NNPの特定された配列決定イオンを比較する。
【0075】
自己読取り可能なポリマーの自動配列決定
【表7】
【0076】
実施基準:NNP断片化データを使用して、複雑なデータをソフトウェア分析し、様々なサーチエンジンを適用、比較する;上記カテゴリーでもっとも高性能のプロテオミクスエンジンを用いて、既知NNPの初期データセットを分析する;エンジンを組み合わせで使用する;断片化、MSn等を組み合わせる;;ライブラリ設計、例えば、モノマーは等重性でない。
【0077】
本発明は、記載されている特定のおよび好ましい実施形態の組み合わせを全て包含する。本明細書に記載されている例および実施形態は、説明のために過ぎず、当業者であれば、その教示に照らして種々の改変または変更が示唆されることになり、それらは、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることになることが理解される。本明細書中で引用されている刊行物、特許、および特許出願は全て、それらの中で引用されているものを含み、参照によりそれらの全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
本発明は一態様において、以下を提供する。
[項目1]
ハイスループット薬物スクリーニング用に構成されているビーズのライブラリであって、各ビーズが、分岐および三次構造への折り畳みが事前に規定されている配列を有する特徴的な生物活性モノマーの結合非天然ポリマーを含むライブラリ。
[項目2]
前記ポリマーの各々に組み込まれている、ターンを強制することにより前記三次構造を誘導する二次構造制約(SSC)モノマーを更に含み、前記SSCモノマーが、質量分析に基づく前記ポリマーの配列決定を容易にするために酸切断可能である、項目1に記載のライブラリ。
[項目3]
前記ポリマーまたは重合が、スルホンアミド、還元的アミノ化、ペプトイド結合、鈴木カップリング、ホスポアミジットカップリング、またはラジカルクロスカップリングを含み、
前記モノマーが、ジヒドロイソキノリンオンであり、および/または
前記重合が、アミド結合カップリング法を、化学的に直交性の銅触媒環化付加(クリック反応)を使用して導入されたペプチドトリアゾール分岐点と組み合わせる、項目1に記載のライブラリ。
[項目4]
前記ポリマーが、内因的に組み込まれたアイソトープでコード化された質量分析タグまたはバーコードにより内因的に自己読取り可能な分子を含む、項目1に記載のライブラリ。
[項目5]
スライドにアレイ状に構成されている、項目1に記載のライブラリ。
[項目6]
光ファイバースキャナに取り付けられているスライドにアレイ状に構成されている、項目1に記載のライブラリ。
[項目7]
前記ポリマーを前記ビーズに結合させること、または連続モノマーカップリングにより前記ビーズに前記ポリマーを構築することを含む、項目1に記載のライブラリを製作するための方法。
[項目8]
項目1に記載のライブラリの配列アレイを含むスライドを取り付けた光ファイバースキャナを使用するための方法であって、
前記アレイを生物活性(親和性または触媒作用)マーカーで標識して、標的モノマーを含む標的ビーズに蛍光標識を生成することと、
前記アレイを前記スキャナで蛍光画像化することとを含む方法。
[項目9]
項目1に記載のライブラリの配列アレイを含むスライドを取り付けた光ファイバースキャナを使用するための方法であって、
前記アレイを生物活性(親和性または触媒作用)マーカーで標識して、標的モノマーを含む標的ビーズに蛍光標識を生成すること、
前記アレイを前記スキャナで蛍光画像化することとを含み、
前記標識が、複数の蛍光波長を提供し、前記画像化が、光学フィルタリングを含み、バックグラウンドシグナルおよび偽陽性が低減される方法。
[項目10]
項目1に記載のライブラリを使用するための方法であって、
前記ライブラリを蛍光アッセイして、前記対応するモノマーの生物活性に基づいて候補ビーズを検出すること、
前記アッセイされたライブラリから前記候補ビーズを単離することと、
前記単離された候補ビーズからポリマーを切断することと、
前記切断されたポリマーを構造的に分析することとを含む方法。
[項目11]
分岐および三次構造への折り畳みが事前に規定されている配列を有する特徴的な生物活性モノマーの非天然ポリマー。
[項目12]
中に組み込まれている、ターンを強制することにより前記三次構造を誘導する二次構造制約(SSC)モノマーを更に含み、前記SSCモノマーが、質量分析に基づく前記ポリマーの配列決定を容易にするために酸切断可能である、項目11に記載のポリマー。
[項目13]
前記ポリマーが、ポリアミド、ビニル性ポリマー、ビニル性ポリアミド、またはエステルであり、
前記ポリマーが、ウルツ反応、グレーサーカップリング、ウルマン反応、ゴンベルグ−バックマン反応、カディオ−ホトキェヴィチカップリング、ピナコールカップリング反応、カストロ−ステファンズカップリング、ギルマン試薬カップリング、カサール反応、熊田カップリング、ヘック反応、薗頭カップリング、根岸カップリング、スティルクロスカップリング、鈴木反応、檜山カップリング、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、福山カップリング、およびリエベスキンド−スログルカップリングから選択されるカップリング反応で重合されており、
前記ポリマーまたは重合が、スルホンアミド、還元的アミノ化、ペプトイド結合、鈴木カップリング、ホスポアミジットカップリング、およびラジカルクロスカップリングから選択され、
前記モノマーが、ジヒドロイソキノリンオンであり、ならびに/または
前記重合が、アミド結合カップリング法を、化学的に直交性の銅触媒環化付加(クリック反応)を使用して導入されたペプチドトリアゾール分岐点と組み合わせる、項目11に記載のポリマー。
[項目14]
内因的に組み込まれたアイソトープでコード化された質量分析タグまたはバーコードにより内因的に自己読取り可能な分子を含む、項目11に記載のポリマー。
[項目15]
ハイスループット薬物スクリーニング用のビーズのライブラリであって、前記ビーズのそれぞれが、項目11に記載の結合非天然ポリマーを含むライブラリ。
[項目16]
蛍光ビーズを担持するスライドを取り付けた光ファイバースキャナ。
[項目17]
前記スライドを含む試料を支持するための平坦表面を有する画像化装置試料台と、
2つの光ファイバー束であって、各束が、前記画像化装置試料台上の前記試料を観察するための入力開口部を画定するように配置されている第1の端部、および前記画像化装置試料台から遠ざかるように配置されている出力開口部を画定するように配置されている遠位束端部を有する光ファイバー束を有する二分岐光路と、
前記画像化装置試料台上の前記試料に対して垂直であり、前記二分岐光路の両束に緊密に隣接する経路に沿ってビームを走査するように配置されている走査源であって、前記走査源により前記画像化装置試料台に提供される照明の実質的に円形なスポットが、光シグナルを提供し、少なくともその一部が、各束の前記入力開口部により受信され、前記二分岐光路を介して前記出力開口部へと伝達される走査源と、
前記遠位端部で前記光シグナルを検出するように配置されている光検出器と、
前記光検出器により検出された前記光シグナルを処理するプロセッサとを含む、項目16に記載のスキャナ。
[項目18]
項目15に記載の蛍光ビーズを担持する前記スライドを含む試料を画像化するための方法であって、
前記試料に対して垂直な放射の実質的に円形なビームを供給することと、
前記試料の走査経路に沿って掃引する間、前記放射ビームの前記垂直方向を維持することと、
前記試料とのビーム相互作用により生成される少なくともある程度の光を、前記試料から遠ざかる方向に反射させることと、
光ファイバー第1端部のアレイの少なくとも1つの近接要素で、前記試料とのビーム相互作用により生成される光を収集することと、
収集した光を選択された出力領域で検出することと、
掃引、移動、および検出を協調させて、前記試料の少なくとも一部を表す画素のアレイを生成することとを含む方法。
[項目19]
項目15に記載の蛍光ビーズを担持するスライドを取り付けた前記光ファイバースキャナを使用するための方法であって、
前記ビーズを前記スキャナで蛍光画像化するステップを含む方法。
[項目20]
項目15に記載の蛍光ビーズを担持するスライドを取り付けた前記光ファイバースキャナを使用するための方法であって、
前記ビーズを前記スキャナで蛍光画像化して、候補ビーズを検出するステップと、
前記候補ビーズを前記ビーズから単離するステップと、
前記候補ビーズの機能または構造を分析するステップとを含む方法。