【実施例1】
【0095】
[一般的方法]
1Hおよび
13C NMRスペクトルは、400MHzでBruker機器にて記録した。化学シフトはppm単位で報告し、DMSO残留溶媒を基準とする、
1Hおよび
13Cについてはそれぞれ、2.50および39.51ppmであった。高分解能質量分析は、University of Connecticut Mass Spectrometry Laboratoryが、DART源を備えるAccuTOF質量分析計を用いて行った。旋光度は、589nmのJascoP−2000偏光計で測定した。TLC分析は、Sorbent TechnologiesシリカゲルHL TLCプレートで行った。全てのガラス器具をオーブン乾燥し、アルゴン雰囲気下で冷却した。無水ジクロロメタン、エーテル、およびテトラヒドロフランを、Baker Cycle−Tainersから直接入手して使用した。無水ジメチルホルムアミドをAcrosから購入し、アルゴンでパージすることによって脱気した。全ての試薬は、特に明記しない限り、商業的供給元から直接入手して使用した。Pd(PPh
3)
2Cl
2中のCuI(10%/w)−(Pd/Cu)の予混合不均一混合物を、薗頭カップリング用に使用した。
【0096】
<実施例1>
[双性イオンPLAの合成]
本開示の化合物は、鈴木反応により、t−ブチルベンゾエートを好適なB環ベンズアルデヒド1にカップリングさせ、続いて鎖延長およびジアミノピリミジン頭部基を用いて薗頭カップリングを行うことによって調製した。強酸性条件下でのt−ブチルエステルの最終脱保護は、スムーズかつ良好な収率で進行した(スキーム1)。
【0097】
スキーム1.双性イオンPLAの合成
【化4】
【0098】
(a)Ar−B(OH)
2またはAr−Br、Pd(PPh
3)
4、Cs
2CO
3、ジオキサン:H
2O、90℃、(b)メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド、NaO
tBu、THF、0℃、(c)NaI、TMSCl、MeCN、−20℃、(d)ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート、K
2CO
3、MeOH(e)ヨードエチルジアミノピリミジン、Pd(PPh
3)
2Cl
2、CuI、KOAc、DMF、50℃、(f)TFA、DCM。
【0099】
<実施例2>
[メチル分枝鎖同族体の合成]
既知の方法を用いて、15および16のメチル分枝鎖同族体を調製した。(ヴィスワナサン,K.(Viswanathan,K.)ら、PloSOne(2012)http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0029434))PLAエナンチオマの合成は、先に報告した、鈴木カップリングにより4−メチルベンゾエートボロン酸にカップリングされた非対称チオエステル(17〜20)から開始した。ラセミ合成と同様に、最後の合成工程としてメチルエステル開裂を達成することができ、化合物29〜34を得ることができた。
【0100】
スキーム2.双性イオンPLAの不斉合成
【化5】
【0101】
(a)PdCl
2(PPh
3)
2、4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸、ジオキサン:H
2O、90℃、(b)10%Pd/C、Et
3SiH、DCM、(c)ノナフリルフルオリド、P
1−t−Bu−トリス(テトラメチレン)ホスファゼン塩基、DMF、−15℃〜室温、(d)ヨードエチルジアミノピリミジン、Pd(PPh
3)
2Cl
2、CuI、KOAc、DMF、50℃、(e)LiOH、THF:H
2O、32℃。
【0102】
<実施例3>
[(S)−4−(6−(4−(2,4−ジアミノ−6−エチルピリミジン−5−イル)ブタ−3−イン−2−イル)ベンゾ[D][1,3]ジオキソール−4−イル)安息香酸の合成:(化合物41)]
【化6】
【0103】
撹拌子を備えた20mLのスクリューキャップバイアルに、エチル−ヨードジアミノピリミジン(0.57mmol、0.15g、1当量)、Pd/Cu(0.05mmol、0.03g、0.08当量)、およびKOAc(5.7mmol、0.55g、10当量)を添加した。アルゴンでパージした無水DMF(0.05M、11.3mL)を加え、次いでアルキン(0.73mmol、0.25g、1.3当量)を加えた。反応混合物をアルゴン下で15分間撹拌し、凍結脱気法により1回脱気した。バイアルをアルゴン下で密閉し、60℃に加熱し、反応をTLCでモニタした。反応の最後に暗赤褐色の溶液を濃縮し、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(粗混合物(10%/wのシステイン中のSiO
2−1.5g、NH2末端保護されたSiO
2−1.5g)の予備吸着、カラム用SiO
2 13g、2%MeOH/CH
2Cl
2)で精製し、カップリングしたピリミジンを淡褐色の固体として得た(0.2g、収率72%)。TLC Rf=0.4(5%MeOH/CH
2Cl
2)。0℃に冷却したd−CHCl
3(0.02M、2mL)中のピリミジンカップリングt−ブチルエステル生成物(0.0411mmol、0.02g、1当量)を、トリフルオロ酢酸(TFA)(8.22mmol、200当量、0.63mL)を用いて脱保護した。滴加後、反応混合物を室温にした。反応の終わりに、NMRによりモニタし、反応混合物を20℃で回転蒸発させ、真空下に15分間保持して過剰のTFAを除去した。少量のTFAを含有する生成混合物に、シリカゲル(1g)に予備吸着させるために無水CH2Cl2を添加した。フラッシュカラムクロマトグラフィを最初に100%EtOAc、続いてEtOAc中の0.01%TFAで行った(5gシリカゲル);TLC Rf=0.3(0.01%TFAを含む10%MeOH/CH
2Cl
2)。清浄な画分を20℃で回転蒸発させ、溶媒が確実に完全除去されるようにした。油性TFA塩をpH7のリン酸緩衝液で中和した。得られた白色沈殿物を緩衝溶液と共にエッペンドルフチューブに移し、遠心分離して水を沈殿物から分離した。水層をデカントした後、白色沈殿物をジエチルエーテルおよびメタノールですすぎ、水を除去した。ピンク色を帯びた乾燥した白色固体(0.01g、収率57%)を特性評価および生物学的評価に付した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 8.03 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.86 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.28 (s, 1H), 7.09 (s, 1H),6.28 (広幅, 2H), 6.18 (s, 2H), 6.12 (s, 2H), 4.12 (q, J = 7 Hz, 1H), 2.55 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.54 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.11 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d) δ171.5, 167.1, 164.2, 161.1, 148.1, 143.4, 139.5, 138.4, 129.8, 129.7, 127.5, 120.2, 118.8, 107.3, 101.2, 100.5, 87.8, 76.0, 32.0, 28.8, 24.6, 12.4; HRMS (DART, M+ + H) m/z 431.1708 (C24H23N4O4の計算値, 431.1719); [α]24 +3.3o (c, 0.146, DMSO).
【0104】
<実施例4>
[(R)−4−(6−(4−(2,4−ジアミノ−6−エチルピリミジン−5−イル)ブタ−3−イン−2−イル)ベンゾ[D][1,3]ジオキソール−4−イル)安息香酸の合成]
【化7】
【0105】
撹拌子を備えた20mLのスクリューキャップバイアルに、エチル−ヨードジアミノピリミジン(0.45mmol、0.12g、1当量)、Pd/Cu(0.04mmol、0.025g、0.08当量)、およびKOAc(4.47mmol、0.44g、10当量)を添加した。アルゴンでパージした無水DMF(0.05M、8.9mL)を加え、次いでアルキン(0.58mmol、0.20g、1.3当量)を加えた。(S)エナンチオマと同じ処理後、(R)エナンチオマを淡褐色固体として得た(0.164g、収率75%)。TLC Rf=0.4(5%MeOH/CH
2Cl
2);0℃に冷却したd−CHCl
3(0.02M、3mL)中のピリミジンカップリングt−ブチルエステル生成物(0.062mmol、0.03g、1当量)を、トリフルオロ酢酸(TFA)(18.50mmol、300当量、1.42mL)を用いて脱保護した。上記と同じ脱保護処理を繰り返し、(R)カルボン酸を、ピンク色を帯びた白色固体として得た(0.015g、収率56%)。TLC Rf=0.3(0.01%TFAを含む10%MeOH/CH
2Cl
2)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 8.03 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.27 (s, 1H), 7.09 (s, 1H),6.26 (広幅, 2H), 6.15 (s, 2H), 6.12 (s, 2H), 4.11 (q, J = 7 Hz, 1H), 2.56 (m, 2H), 1.53 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.11 (t, J = 7.5 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d) δ171.6, 167.0, 164.2, 161.1, 148.1, 143.4, 139.5, 138.4, 129.8, 129.7, 127.5, 120.2, 118.8, 107.3, 101.2, 100.5, 87.8, 76.0, 32.0, 28.8, 24.6, 12.4; HRMS (DART, M+ + H) m/z 431.1708 (C24H23N4O4の計算値, 431.1719); [α]24 -5.2o (c, 0.143, DMSO).
【0106】
<実施例5>
[DHFR阻害アッセイ]
PET−41a(+)中の組換えSaDHFRおよびEcDHFRを、大腸菌BL21(DE3)(Invitrogen)細胞で過剰発現させ、ニッケルアフィニティークロマトグラフィ(5Prime)を用いて精製した。タンパク質を、PD−10カラム(GE Healthcare)を用いて、20mM Tris pH7.0、20%グリセロール、0.1mM EDTA、2mM DTTを含む緩衝液中で脱塩し、分注して−80℃で保存した。
【0107】
(黄色ブドウ球菌MIC)
最小阻害濃度は、Isosensitest Broth(Oxoid)中の5×105CFU/mLのATCC株43300の最終接種物を用いて、標準微量希釈ブロスアッセイのためのClinical and Laboratory Standards Instituteのガイドラインに従って測定した。MICは、増殖を視覚的に阻害する阻害剤の最低濃度として定義した。37℃で18時間培養した後、A600で増殖をモニタした。Presto Blue(Life Technologies)を用いて比色分析によりMICを確認した。
【0108】
(大腸菌)
最小阻害濃度を、大腸菌(ATCC 25922)およびIsosensitest Broth(Oxoid)中の1×105CFU/mLの接種物を用いた微量希釈ブロスアッセイを用いて測定した。Alamar Blueアッセイを用いて、A600で増殖をモニタし、MICは、増殖を完全に阻害する阻害剤の最低濃度として定義する。
【0109】
黄色ブドウ球菌(Sa)、大腸菌(Ec)およびヒト(Hu)DHFR酵素の阻害((IC50値)について化合物13〜16および29〜34を評価し、データを表1に示す。340nMの吸光度でDHFRによるNADPH酸化速度をモニタすることにより、酵素阻害アッセイを行って、両SaおよびEcDHFR酵素のIC50値を測定した。反応は、20mM TES pH7.0、50mM KCl、0.5mM EDTA、10mM MEおよび1mg/mL BSA、0.1mM NADPHおよび2μg/mL酵素を含有する緩衝液中で、室温にて行った。DMSO中の阻害剤を酵素/NADPH混合物に添加し、5分間インキュベートした後、50mM TES中の0.1mMジヒドロ葉酸を添加した。SaDHFRおよびEcDHFR IC50カラムの括弧内の数字は、ヒトDHFR酵素の阻害に対する倍選択性を表す。
【0110】
黄色ブドウ球菌(Sa)、大腸菌(Ec)およびヒト(Hu)DHFR酵素の化合物阻害(表2および表3)を示す。
【0111】
【表4】
【0112】
【表5】
【0113】
<実施例6>
[構造研究]
双性イオン化合物15および16に結合したSaDHFRの構造を、X線結晶学によって測定した。
【0114】
(SaDHFR:NADPH:15)
18mg/mLタンパク質の精製SaDHFRを、ハンギングドロップ法により、DMSO中の2mM NADPHおよび1mM阻害剤15と共結晶化した。タンパク質と補因子との混合物を、氷上で3時間インキュベートした。等体積のタンパク質溶液を、0.1M MES、pH5.5、0.2M酢酸ナトリウム、17%PEG 10,000および12.5%γ−ブチラクトンを含有する最適化された緩衝溶液に添加した。4℃で保存すると、通常は7日以内に結晶が形成される。結晶を採取し、25%グリセロールを含有する抗凍結(cryo−protectant)緩衝液中で凍結した。データは、SLAC National Accelerator LaboratoryのStanford Synchrotron Radiation Lightsourceにてビームライン7−1で遠隔収集した。HKL2000を使用してデータを指数付けし、スケーリングした。プローブとしてPDB ID:3F0Qを使用して、Phaser結晶学ソフトウェア(マッコイ A.J.(McCoy、A.J.)ら、J.Appl.Cryst.、(2007)40:658〜674)を使用して分子置換溶液を同定した。CootおよびPhenixを使用して、許容されるR
WorkおよびR
Freeが達成されるまで、構造を精密化した。
【0115】
(SaDHFR:NADPH:16)
精製SaDHFRを、ハンギングドロップ法により、DMSO中の2mM NADPHおよび1mMの16と共結晶化した。結晶化の詳細は、緩衝液を0.1M MES、pH5.0に変更したことを除いて上記で使用したものと同様であった。Connecticut大学のProtein X−Ray Crystallography FacilityのRigaku Highflux Homelabシステムで、データを収集した。Structure Studio(d
*Trek)を使用してデータを指数付けし、スケーリングした。上記と同様に、Phaserを使用して分子置換を行い、Coot(エムズリー,P.(Emsley,P.)およびコウタン,K.(Cowtan,K.)、Acta Crysta.、(2004)D50:2126〜2132)およびPhenix(アダムス,P.D.(Adams,P.D.)、Acta Cryst.、(2010)D66:213〜221)を使用して、構造精密化を行った。
【0116】
NADPHおよび阻害剤15または16と複合体を形成したSaDHFRの結晶は、それぞれ2.24Åまたは1.81Åまでの回折振幅を生じた。構造は、モデルとしてPDB 3F0Q(フレイ,K.M.(Frey,K.M.)ら、J.Structural Biology(2010)170(1):93〜97)に基づいて、分子置換法を用いて解明した。両方の構造は、結合した抗葉酸剤および、β−NADPHとその代替のα−アノマ(化合物15を有する構造は閉環した互変異性体状態のα−アノマを示す)との二重占有(フォックス,K.M.(Fox,K.M.)およびカープラス,P.A.(Karplus,P.A.)、Structure(1994)2(11):1089〜1105)、またはα−アノマ(化合物16を用いた構造)の全占有のいずれかを特徴とする。化合物15に結合した構造は、カルボン酸とArg 57の側鎖との間の水分子の配位を示す(
図2A)。化合物16(
図2B)を用いた構造は、16のカルボン酸と、Arg57上のアミノ基およびLeu28のカルボニル酸素との間で配位した、少なくとも4つの水分子を含む広範な水ネットワークを示す。水ネットワークは、Asn56およびThr36の側鎖とのさらなる水素結合相互作用を含むように拡大する(
図2B)。阻害剤の結合様式は、阻害剤15および16を有する結晶構造における有意差を示す。化合物15のR
1位におけるメトキシ置換はビアリール系1.2Åを溶媒曝露表面にシフトさせ、これは化合物15と16との間の観察される水ネットワークの差異の原因となるようである(
図2C)。
【0117】
両方の構造は、補因子結合部位においてNADPHのα−アノマを特徴とする。SaDHFR:NADPH:15の構造は40%の占有率を示し、SaDHFR:NADPH:16の構造は100%占有率を示す。α−アノマは、β−NADPHのニコチンアミドホスフェートと、α−NADPHの環化リボース部分が占有するようになる、Asn18の側鎖との間で配位した水分子を置換する。α−NADPH構造では、3つの水分子が、ニコチンアミドアミドと、Phe92、Ile14およびAla7の骨格との間で配位される。
【0118】
NADPHおよび化合物15、またはNADPHおよび化合物16を用いた、SaDHFRの結晶についてのX線結晶学的測定およびデータ収集および精密化統計を、表4に示す。
【0119】
【表6】
【0120】
<実施例7>
[COOH−PLAの細胞活性]
p−COOH PLAは、大部分のMIC値が0.0098〜0.625の範囲のSaDHFR酵素および黄色ブドウ球菌に対して、高いレベルの活性を示す(表1)。この化合物は野生型大腸菌に対して活性が低下し、化合物31および32は10μg/mLのMIC値を示した。グラム陰性菌に対する活性に対しての主なバリアのうちの2つは、外膜を通過する透過性および排出による阻害剤の能動的除去である。固有耐性の手段としての透過性を精査するために、外膜アセンブリに必須のタンパク質をコードするimp遺伝子にインフレーム欠失を含む、操作された株であるNR698に対するMIC値を測定した。化合物15、16、および29〜32を用いたNR698株に対する阻害濃度は、およそ2,000分の1〜4,000分の1の減少を示し、これは、外膜を通過する浸透の減少が、大腸菌におけるPLA活性を制限することを示している。
【0121】
COOH−PLAが共通のAcrB排出ポンプによって排出されるかどうかを調べるために、我々は、親大腸菌株のMIC値を、AcrBが欠失した菌株(JW0451)のMIC値と比較した。JW0451株に対するMIC値は、NR698株ではなく、親株と類似であるので(表5)、化合物は、AcrBによる排出の影響を受けない可能性が高い。
【0122】
【表7】
【0123】
MIC値は、ΔacrB株、ΔmacB株、ΔemrB株、またはΔacrF株においてもシフトされなかったので、AcrBは生じない可能性が高く、主要ポンプAcrBに対する排出活性が生じない可能性が高いことが、さらに実証された。
【0124】
<実施例8>
[ヒト細胞に対する開示の化合物の効果]
(COOH−PLAは、優れた薬物様特性を有する)
本開示のCOOH−PLA化合物の薬物様ポテンシャル(drug−like potential)を調べるために、一連のインビトロアッセイにより、ヒト細胞に対するそれらの効果、重要なCYPアイソフォームのそれらの阻害およびミクロソーム安定性アッセイにおけるそれらの寿命を精査した。COOH−PLAは、HepG2およびMCF−10および細胞に対して測定可能な細胞毒性(IC
50>500μM)を有しない。低い細胞毒性を有するグラム陽性菌細胞に対する強力な活性を結合することにより、高い治療指数(>500,000)が得られる。
【0125】
<実施例9>
[CYP酵素に対する開示の化合物の効果]
出願人は、本開示の特定の化合物について、シトクロムP450阻害も測定した。最も一般的なアイソフォームのうちの2つである、CYP3A4およびCYP2D6に対する化合物15の活性を測定した。両酵素の阻害は、50μMを超える濃度を必要とし、このことは、化合物が、他の同時投与される治療剤の代謝を妨げないと予測され得ることを示す。
【0126】
<実施例10>
[ミクロソーム安定性]
ミクロソーム安定性アッセイにおける化合物15の寿命を測定した。化合物の半減期は、UPLCを用いて親化合物を追跡することによって測定した。フェーズIの半減期は99分であり、フェーズIIの半減期はおよそ87分である。これらのインビトロ実験の結果は、COOH−PLAの優れた薬物様プロファイルを示す。
【0127】
<実施例11>
[ヒト結核菌DHFRおよびヒトDHFRに対する化合物の阻害効果]
(薬物)
イソニアジド(INH)は、Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO.から購入し、このイソニアジドを−20℃で凍結する前に、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)に1mg/mlの濃度で溶解した。DHFR阻害剤を、100%DMSOに20mg/mlの濃度で溶解した。
【0128】
(分離株)
結核菌ATCC 35801エルドマン(Erdman)株は、the American Type Culture Collection、Manasas、VA.から入手した。臨床分離株は、SUNY Upstate Medical University、Syracuse、NY(Betz Forbes提供)、University of Stellenbosch、South Africa(Tommy Victor提供)、National Center of Tuberculosis and Lung Diseases of Georgia、Tbilisi、Georgia(Natalia Shubladze提供)、National Jewish Center、Denver、CO(Leonid Heifets提供)から入手した。
【0129】
マイコバクテリア分離株を、改変ミドルブルック7H10ブロス(Middle brook 7H10 broth)(pH6.6、寒天を有し、マラカイトグリーンを省いた7H10寒天配合物)中で、10%ミドルブルックオレイン酸−アルブミン−デキストロース−カタラーゼ濃縮物(Difco Laboratories、デトロイト、MI)および0.05%Tween80を補充して、回転シェーカー上において37℃で5〜10日間、増殖させた。この微生物を、7H10ブロスで1クレット単位(約5×10
5CFU/ml当量)に希釈して、光電比色計(Manostat Corp.、New York、NY)をブロス希釈アッセイに使用した。
【0130】
(マイクロタイターブロス希釈MIC試験)
ポリスチレン96ウェル丸底マイクロタイタープレート(Corning Inc.、Corning、NY)を50μlの改変7H10ブロスで満たした。化合物は、試験する最大濃度の4倍で調製し、次いで、第1のウェルに添加してその後連続的に2倍に希釈した。INHは、8μg/ml〜0.008μg/mlの範囲の濃度を用いて試験した。DHFR阻害剤は、32μg/ml〜0.03μg/mlの範囲のものを用いて試験した。各菌株に使用する接種物を滴定によって測定し、7H10寒天プレート上にプレーティングして実際の接種物を決定した。7H10寒天プレートを37℃で4週間インキュベートした。50μlの接種物を、化合物を含有する各ウェルに添加して、約2.5×10
5CFU/mlの初期濃度を得た(試験した種々の分離株の範囲は1.25×10
6CFU/ml〜8×10
4CFU/mlであった)。マイクロタイタープレートをSealPlate接着密封フィルム(Exel Scientific、Wrightwood、CA)で覆い、周囲空気中、37℃で14〜21日間インキュベートして、その後結果を読み取った。各分離株を2連で試験した。MICは、目に見える濁りを生じない抗菌剤の最低濃度として定義した。
【0131】
(結核菌およびヒトDHFRの発現ならびに精製)
BL21(DE3)コンピテント大腸菌細胞(New England BioLabs)を、GenScriptによって構築されたdfrA遺伝子を保有する組換えpET−41a(+)プラスミドで形質転換した。形質転換した細胞を、30μg/mLのカナマイシンを追加したLB培地において、37℃で、OD
600が0.6〜0.7に達するまで増殖させた。細胞を、1mM IPTGを用いて20℃で20時間誘導し、8000rpmで15分間スピンダウンした。湿った細胞ペレットの各グラムを、200μg/mLリゾチームおよび1mM DNaseI(Thermo Scientific)を追加した1×BugBuster試薬(Novagen)5mlに、再懸濁した。穏やかに回転させながら細胞懸濁液を室温で30分間インキュベートした後、18,000rpmで30分間遠心分離し、上清を回収した。若干の非標的タンパク質を沈殿させるために、40%硫酸アンモニウムを細胞溶解物に加え、4℃で一晩撹拌した。18,000rpmで15分間遠心分離した後、上清を0.22μmフィルターに通し、4CVの平衡緩衝液A(20mMトリス−HCl、50mM KCl、2mM DTT、0.1mM EDTAおよび15%(v/v)グリセロール、pH7.5)で予め平衡化したメトトレキサート−アガロースカラムにゆっくりと充填した。カラムを、3CVの洗浄緩衝液B(20mM トリス−HCl、500mM KCl、2mM DTT、0.1M EDTAおよび15%(v/v)グリセロール、pH7.5)で洗浄した。酵素を、3CVの溶出緩衝液C(20mM トリス−HCl、50mM KCl、2mM DTT、2mM DHF、0.1mM EDTAおよび15%(v/v)グリセロール、pH8.5)で溶出した。DHFR酵素を含む画分を収集し、濃縮し、1CVの平衡緩衝液A(pH8.5)で予め平衡化したHi−Prep26/60Sephacryl s−200 HRカラムに充填した。タンパク質溶出を、AKTA UV/visダイオードアレイ分光光度計を用いて280nmでモニタした。純粋な酵素を含む画分をプールし、10mg/mlに濃縮し、液体窒素中で急速凍結し、−80℃で保存した。
【0132】
(酵素阻害)
酵素活性および阻害アッセイを、DHFR酵素によって触媒されるジヒドロ葉酸のNADPH依存性の減少をモニタすることにより行った。NADPH酸化速度を、20mM TES pH7.0、50mM KCl、10mM 2−メルカプトエタノール、0.5mM EDTAおよび1mg/mLウシ血清アルブミンを含有するアッセイ緩衝液中で、340nmで分光光度的に測定した。全ての測定は、純粋な酵素(2mg/mL)、100μMのNADPHおよび100μMのDHFを緩衝液に添加して、室温で行った。阻害アッセイのために、100%DMSOに溶解した阻害剤を混合物に添加し、5分間インキュベートしてDHFを添加した。平均IC
50値および標準偏差を3連で測定した。
【0133】
特定のPLA化合物についてのMtbおよびヒトDHFRに対するIC
50値およびMtb MIC値を、表6に示す。非DHFR阻害抗生物質であるトリメトプリム(TMP)を陰性対照として使用した。DHFR阻害剤イソニアジド(INH)およびトリメトレキセートを陽性対照として使用した。
【0134】
【表8】
【0135】
本開示の特定の化合物を、ヒト結核菌の多剤耐性分離株に対する抗菌活性について評価した。種々の菌株のMIC値を表7に示す。
【0136】
【表9】
【0137】
<実施例12>
[化合物Aに耐性のMRSA菌株の生成および特性評価]
化合物Aによる阻害を克服するための黄色ブドウ球菌43300株の潜在的耐性メカニズムについての最初の研究は、以前に報告されている(フリーブキシィ,K.(Freabxy,K.)ら、J.Struct. Biol.(2010)170:93〜97)。
【化8】
(化合物A)
【0138】
これらの研究は、2つの変異体、DHFR遺伝子中のF98YおよびF98Iが、低い変異頻度(10
−10)で選択されたことを示した。プロパルギル結合抗葉酸剤の耐性プロファイルをさらに特性評価するために、一段階および二段階選択試験を実施し、得られた菌株を特性評価した。一段階試験では、6×MICで化合物1に供されたATCC品質管理株43300を用いた変異体選択により、臨床的に観察された3つの変異、すなわち、F98Y、H30NおよびH149R、ならびに3つの新規変異、すなわち、F151S、F151CおよびD142Yが生じた。化合物AおよびF98YまたはH149Rを有する前駆細胞株を用いた2回目の耐性選択により、一連の新規および臨床的に関連する二重変異体の両方を得た(表8)。H30N/F98Y変異体およびF98Y/H149R変異体を含む菌株が臨床的に単離されたので、単一変異体対応物(F98Y、H30NおよびH149R)を含む、これらの変異型酵素および細菌の適応性の完全な特性評価が、生化学的レベル、構造的レベルおよび細胞レベルで行われた。
【0139】
6×MIC 1を含有するIsosensitest(Oxoid)寒天プレート上の前駆細胞株の一晩培養物(およそ1012CFU/mL)100μLをプレーティングし、37℃で18時間インキュベートして、耐性菌株を選択した。単一のコロニを単離し、コロニPCR産物を直接配列決定して、dfrB遺伝子を同定した。コロニPCRのために、0.1Mトリス、pH7.5中の1mg/mLリゾスタフィンおよび20μg/mLプロテイナーゼKを用いて、細胞を溶解させた。標準的PCR条件に従って、センスプライマ(5’−ATGACTTTATCCATTCTAGTTGC−3’)、アンチセンスプライマ(5’−TTATTTTTTACGAATTAAATGTAG−3’)およびrTaqポリメラーゼ(Takara)を用いて、遺伝子を増幅した。PCR産物をPromega Wizard SV GelおよびPCR Clean Upシステムを用いて精製し、センスプライマを用いて配列決定した。
【0140】
変異頻度1は、得られたコロニの数を、各前駆細胞株の総接種物(1×10
11CFU/mL)で割って決定した。特異的変異の頻度は、阻害剤−菌株対の変異頻度に、特異的変異を含む配列決定されたコロニの数を掛けることによって決定した。
【0141】
(最少阻害濃度(MIC))
最小阻害濃度は、Isosensitest Broth(Oxoid)中の5×10
5CFU/mLの最終接種物を用いて、標準微量希釈ブロス20アッセイのためのClinical and Laboratory Standards Instituteのガイドラインに従って測定した。MICは、増殖を視覚的に阻害する阻害剤の最低濃度として定義した。37℃で18時間培養した後、A
600で増殖をモニタした。Presto Blue(Life Technologies)を用いて比色分析によりMICを確認した。10μg/mLのチミジンを追加したIsosensitestブロスを使用して、全てのオフターゲット抗菌活性を測定した。
【0142】
(増殖曲線)
LB培地(50mL)に一晩培養物1mLを接種した。30分ごとに、A
600で増殖をモニタした。倍加時間は、増殖曲線の直線部分から以下の式によって決定した:
【数1】
【0143】
(Sa(F98Y、H149R)およびSa(H149R)DHFR酵素の生成、発現および精製)
Sa(F98Y)、Sa(H30N)およびSa(F98Y、H30N)DHFR酵素の生成、発現および精製については、先に報告している
15,16。Sa(H149R)およびSa(F98Y、H149R)DHFRプラスミドの生成は、pET−41a(+)構築物中のSa(WT)およびSa(F98Y)を使用し、QuikChange Lightening Site−Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)により、センスプライマ5’−CTAGATGAGAAAAATACAATTCCACGTAC−3’およびアンチセンスプライマ5’−CGAATTAAATGTAGAAAGGTACGTGGAAT−3’を、製造者の指示に従って使用して実施した。変異誘発は、配列決定により確認した。組換えSa(H149R)およびSa(F98Y、H149R)酵素は、先に報告した手順により、1mM IPTGを含む大腸菌BL21(DE3)(Invitrogen)細胞で過剰発現させた。1xBugBuster(Novagen)およびDNaseA(ThermoFisher Scientific)を用いてペレットを溶解し、ニッケルアフィニティークロマトグラフィ(5Prime)を用いて精製した。タンパク質を、PD−10カラム(GE Healthcare)を用いて、20mM Tris pH7.0、20%グリセロール、0.1mM EDTA、2mM DTTを含む緩衝液中で脱塩し、分注して−80℃で保存した。
【0144】
【表10】
【0145】
化合物Aに曝露された各菌株全体の変異頻度平均は、6×MICで化合物1の濃度を有する複数のプレート上に現れる接種物およびコロニの数に基づいて計算した。Sa43300は、2.96×10
−10の非常に低い頻度で化合物Aに対するMICの上昇を示す。全体の変異頻度は、F98YおよびH149Rを有する前駆細胞株に対して6.56×10
−11および3.75×10
−11の比率で、さらに低くなる。次いで、特定の変異頻度を、特定の変異を有する配列決定されたコロニの数に基づいて計算した。二重変異体の生成が段階的な方式で起こる場合、組み合わせられた変異の頻度は、10
−21と低い可能性がある。倍加時間で測定した細菌の適合度の評価は、倍加時間を維持したか、またはわずかに改善したSa(F98Y/H149R)を除いて、大部分の変異株が、増殖時間においてわずかな損失(野生型の1.08−1.2倍の倍加時間)のみを示すことを示している。(表8)。全体的に、これらの研究は、野生型と比較した場合、変異株が比較的適合していることを示している。
【0146】
組換え変異体DHFR酵素は、野生型酵素の部位特異的変異誘発によって生成し、アフィニティークロマトグラフィを用いて精製した。Michaelis−Menten反応速度論は、先にフレイ(Frey)らが公表したアッセイ条件(2010)を用いて、各酵素について測定した(表9)。全体として、Sa(H149R)以外の全ての酵素は、野生型値のおよそ2倍以内のk
cat/K
M値を有する。Sa(H149R)は、有意に低下したk
cat/K
M値(6分の1に減少)を有し、これは、DHFおよびNADPHの両方についてより高いK
M値を有する結果である。興味深いことに、Sa(F98Y/H149R)酵素により、DHFおよびNADPHのK
M値がほぼ野生型の値に回復するので、二重変異体Sa(F98Y/H149R)は、単一Sa(H149R)変異体の低効率を補う。この補償的関係は、二重変異体Sa(F98Y/H30N)でも観察される。単一H30N変異は、NADPH K
M(31.21〜79.89μM)の有意な低下を被り、このK
M値は、二重Sa(H30N/F98Y)変異体において野生型に近い値に復元する。
【0147】
【表11】
【0148】
<実施例12>
[変異型黄色ブドウ球菌のPLA阻害剤]
表10に示す化合物を、変異型黄色ブドウ球菌の阻害剤として評価した。化合物A〜Fは、先に開示されている。
【0149】
【表12】
【0150】
表10の化合物の阻害効果を、以下のDHFR結合アッセイを用いて測定した。酵素阻害アッセイを、20mM TES、pH7.0、50mM KCl、0.5mM EDTA、10mM β−メルカプトエタノール、および0.1mM NADPHおよび2μg/mL 酵素を用いた1mg/mL BSAを含有するアッセイ緩衝液中で、室温で340nmの吸光度により、DHFRによるNADPH酸化速度をモニタして行った。DMSO中の阻害剤を酵素:NADPH混合物に添加し、5分間インキュベートした後、50mM TES、pH7.0中の0.1mM DHFを添加した。阻害剤濃度および体積は、酵素活性の50%低下をもたらす条件に基づく。
【0151】
酵素反応速度論は、DHF K
MおよびV
maxについては20μMのNADPHを伴う12.5〜100μMのDHFを使用する、またはNADPHのK
Mについては50μMのDHFを伴う12.5〜100μMのNADPHを使用する酵素活性アッセイによって生成したLineweaver−Burkeプロットによって決定した。K
M値は、GraphPadを用いた非線形回帰分析によって決定した。表11は、WTおよび変異体DHFR酵素に対するPLA化合物の阻害定数K
i(nM)を開示する。
【0152】
【表13】
【0153】
表10の全ての化合物は、野生型と比較してほんのわずかの損失で、単一変異酵素Sa(F98Y)およびSa(H30N)に対して良好な効力(15nM未満のK
i値)を示す(表11)。化合物Bは、Sa(H30N)酵素に対する親和性の損失が最大で、12.6倍の損失であった。しかし、単一変異体Sa(H149R)に対する活性は、より損なわれた。TMPは、Sa(H149R)変異体に対して活性を69倍失う。PLAは、この酵素に対して、185nMのK
i値を有する化合物12から1649nMのK
i値を有する化合物Bまでの範囲の親和性を有する。興味深いことに、拘束されていない3’および4’メトキシ基を有する化合物3は、化合物Bと比較した場合、妥当な親和性(144nM)を維持し、柔軟性が変異酵素に対する親和性にとって重要であり得ることを示した。二重変異体Sa(F98Y、H30N)に対して、TMPの親和性の損失は、30倍である。一般に、ジオキサラン化合物(BおよびF)ならびに化合物C〜Eは、Sa(F98Y、H30N)二重変異酵素に対して親和性を有意に失う(180〜300倍の損失)。
【0154】
化合物15〜16、29、31〜32の設計は、保持されるアルギニンとの可能な相互作用を前提として、これらの変異酵素における補償的相互作用を提供する。喜ばしいことに、化合物29、16および31〜32は、二重変異体Sa(F98Y、H30N)酵素に対して、16〜45nMの範囲のK
i値を有し、はるかに大きな親和性を示す。化合物A〜F、60および15およびTMPは、107〜2059nMのK
i値を示すので、二重変異体Sa(F98Y、H149R)酵素に対する活性を維持することが明らかにより困難である。しかし、化合物31および32は、それぞれ、69および55nMのK
i値で、この酵素に対する有意な阻害を示す。ここでも、イオン化されたカルボキシレートの存在は、複合体の他の場所での接触の減少を補償するために、重要な追加の相互作用を提供することができるようである。
【0155】
黄色ブドウ球菌の野生型株および変異株(Sa(F98Y)、Sa(H30N)、Sa(H149R)、Sa(H30N、F98Y)およびSa(F98Y/H149R))の増殖の阻害についても試験した(表12)。TMPの抗菌活性は、単一の変異によっても明らかに損なわれ、二重変異株に対して50〜100μg/mLのMIC値に達した。PLA A〜F、60、15および29は、TMPより野生型株に対してより強力であり、多くは単一変異体に対してより強力であった(0.078〜5μg/mLの間のMIC値)。しかし、PLA A〜F、60、15および29も、DHFRの二重変異を有する株に対して有意な損失を被った。PLA16、31および32は、野生型株ならびに単一および二重変異体の両方を有する株に対して、優れた活性を有する。
【0156】
【表14】