特許第6925635号(P6925635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コンビ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6925635-飲料容器およびキャップ組立体 図000002
  • 特許6925635-飲料容器およびキャップ組立体 図000003
  • 特許6925635-飲料容器およびキャップ組立体 図000004
  • 特許6925635-飲料容器およびキャップ組立体 図000005
  • 特許6925635-飲料容器およびキャップ組立体 図000006
  • 特許6925635-飲料容器およびキャップ組立体 図000007
  • 特許6925635-飲料容器およびキャップ組立体 図000008
  • 特許6925635-飲料容器およびキャップ組立体 図000009
  • 特許6925635-飲料容器およびキャップ組立体 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6925635
(24)【登録日】2021年8月6日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】飲料容器およびキャップ組立体
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20210812BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20210812BHJP
【FI】
   B65D47/20 110
   B65D47/06 400
   B65D47/06 110
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-212352(P2018-212352)
(22)【出願日】2018年11月12日
(65)【公開番号】特開2020-79099(P2020-79099A)
(43)【公開日】2020年5月28日
【審査請求日】2020年12月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391003912
【氏名又は名称】コンビ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】住吉 正敏
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0201902(US,A1)
【文献】 特開2013−028369(JP,A)
【文献】 特表平11−513002(JP,A)
【文献】 特表2013−505175(JP,A)
【文献】 米国特許第06102245(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0001192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20
B65D 47/06
A47G 19/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、
使用者の口を付けることで弾性変形する飲み口部を有し、前記容器本体に取り付けられる飲み口アダプターと、を備え、
前記飲み口部は、前記容器本体の側となる面に線状リブを有する平板状部を含み、
前記平板状部には、前記弾性変形によって開放されるスリットが前記線状リブ上に設けられている、飲料容器。
【請求項2】
前記線状リブの長手方向に直交する方向における前記平板状部の中央に、前記線状リブが設けられている、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項3】
前記平板状部は、前記容器本体が画成する開口面に対して傾斜している、請求項1又は2に記載の飲料容器。
【請求項4】
前記飲み口部は、前記線状リブの長手方向における一方の側となる前記平板状部の縁部に接続し、前記平板状部と非平行な立上壁部をさらに有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項5】
前記線状リブの長手方向における一方の側となる前記平板状部の縁部に、線状突出部が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項6】
閉じた状態で前記飲み口部を覆う開閉可能なキャップを更に備え、
前記キャップは、閉じた状態で前記平板状部に接触して平板状部を前記スリットの長手方向と非平行な方向に押す押圧部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項7】
前記押圧部は、前記キャップが閉じた状態において、前記スリットの長手方向において前記スリットと重なる領域に位置している、請求項6に記載の飲料容器。
【請求項8】
前記スリットの長手方向における一方の側となる前記平板状部の縁部に、当該縁部に沿って延びる線状突出部が設けられ、
前記線状突出部は、前記スリットの長手方向と直交する方向において前記スリットと重なる位置に、凹みを設けられている、請求項6又は7に記載の飲料容器。
【請求項9】
前記キャップは、閉じた状態で前記平板状部のうちの前記スリットの長手方向に直交する方向における前記平板状部の縁部と前記スリットとの間となる部分に接触して当該部分の膨出を規制する規制部を、さらに有する、請求項6〜8のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項10】
前記規制部は、前記キャップが閉じた状態において、前記スリットの長手方向において前記スリットと重なる領域に位置している、請求項9に記載の飲料容器。
【請求項11】
前記規制部は、前記キャップが閉じた状態において、前記スリットの長手方向に直交する方向に延びる線状の規制突出部を含む、請求項9又は10に記載の飲料容器。
【請求項12】
前記押圧部は、前記規制突出部の両側にそれぞれ接続し前記規制突出部よりも前記キャップからの突出長さが大きい一対の押圧突出部を含む、請求項11に記載の飲料容器。
【請求項13】
各押圧突出部の前記キャップからの突出長さは、前記スリットの長手方向に直交する方向に沿って前記規制突出部から離間するにつれて大きくなっていく、請求項12に記載の飲料容器。
【請求項14】
前記規制部は、前記スリットの長手方向に沿って離間して配置された複数の規制突出部を含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項15】
前記キャップは、閉じた状態で前記平板状部のうちの前記スリットの長手方向に沿って前記スリットからずれた部分に接触する接触部を有する、請求項6〜14のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項16】
閉じた状態で前記飲み口部を覆う開閉可能なキャップを更に備え、
前記キャップは、前記飲み口アダプターに揺動可能に接続し、
前記キャップの揺動軸線と前記スリットの長手方向は垂直である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項17】
前記飲み口アダプターは、前記容器本体に取り付けられるアダプター本体と、アダプター本体に保持される弾性部材と、を有し、
前記弾性部材は、前記飲み口部と、前記飲み口部に接続され前記アダプター本体へ取り付けられる取り付け部と、前記取り付け部と接続し前記容器本体との間でシールを形成するベース部と、を有し、
前記飲み口部、前記取り付け部および前記ベース部は、一体的に形成されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項18】
前記線状リブは前記スリットの全長に亘って連続的に延びている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項19】
容器本体に取り付けられるキャップ組立体であって、
使用者の口を付けることで弾性変形する飲み口部を有し、前記容器本体に取り付けられる飲み口アダプターを備え、
前記飲み口部は、前記容器本体の側となる面に線状リブを有する平板状部を含み、
前記平板状部には、前記弾性変形によって開放されるスリットが前記線状リブ上に設けられている、キャップ組立体。
【請求項20】
前記線状リブは前記スリットの全長に亘って連続的に延びている、請求項19に記載のキャップ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器および飲料容器に用いられるキャップ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乳幼児向けの飲料容器として、コップ等の大きな開口がある容器から飲料を飲む訓練を行うための飲料容器が知られている。このような飲料容器は、飲料を収容する容器本体の開口を小さな穴を有する蓋体で閉鎖している。そして、この穴を飲み口とすることで、容器本体から乳幼児の口に流入する飲料の流量を小さくし、乳幼児が飲料を無理なく摂取することができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第00/064315号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような飲料容器は、傾倒すると、意図せず飲み口から飲料が漏れ出てしまう。
【0005】
本件発明は、以上の点を考慮してなされたものであって、飲料容器が傾倒した際や飲料容器を携帯中にその内圧が上昇した際等に意図せず飲料が飲み口から漏れ出すことを防止すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による飲料容器は、
容器本体と、
使用者の口を付けることで弾性変形する飲み口部を有し、前記容器本体に取り付けられる飲み口アダプターと、を備え、
前記飲み口部は、前記容器本体の側となる面に線状リブを有する平板状部を含み、
前記平板状部には、前記弾性変形によって開放されるスリットが前記線状リブ上に設けられている。
【0007】
本発明による飲料容器において、
前記線状リブの長手方向に直交する方向における前記平板状部の中央に、前記線状リブが設けられていてもよい。
【0008】
また、本発明による飲料容器において、
前記平板状部は、前記容器本体が画成する開口面に対して傾斜していてもよい。
【0009】
また、本発明による飲料容器において、
前記飲み口部は、前記線状リブの長手方向における一方の側となる前記平板状部の縁部に接続し、前記平板状部と非平行な立上壁部をさらに有していてもよい。
【0010】
また、本発明による飲料容器において、
前記線状リブの長手方向における一方の側となる前記平板状部の縁部に、線状突出部が設けられていてもよい。
【0011】
また、本発明による飲料容器において、
閉じた状態で前記飲み口部を覆う開閉可能なキャップを更に備え、
前記キャップは、閉じた状態で前記平板状部に接触して平板状部を前記スリットの長手方向と非平行な方向に押す押圧部を有してもよい。
【0012】
また、本発明による飲料容器において、
前記押圧部は、前記キャップが閉じた状態において、前記スリットの長手方向において前記スリットと重なる領域に位置していてもよい。
【0013】
また、本発明による飲料容器において、
前記スリットの長手方向における一方の側となる前記平板状部の縁部に、当該縁部に沿って延びる線状突出部が設けられ、
前記線状突出部は、前記スリットの長手方向と直交する方向において前記スリットと重なる位置に、凹みを設けられていてもよい。
【0014】
また、本発明による飲料容器において、
前記キャップは、閉じた状態で前記平板状部のうちの前記スリットの長手方向に直交する方向における前記平板状部の縁部と前記スリットとの間となる部分に接触して当該部分の膨出を規制する規制部を、さらに有していてもよい。
【0015】
また、本発明による飲料容器において、
前記規制部は、前記キャップが閉じた状態において、前記スリットの長手方向において前記スリットと重なる領域に位置していてもよい。
【0016】
また、本発明による飲料容器において、
前記規制部は、前記キャップが閉じた状態において、前記スリットの長手方向に直交する方向に延びる線状の規制突出部を含んでいてもよい。
【0017】
また、本発明による飲料容器において、
前記押圧部は、前記規制突出部の両側にそれぞれ接続し前記規制突出部よりも前記キャップからの突出長さが大きい一対の押圧突出部を含んでいてもよい。
【0018】
また、本発明による飲料容器において、
各押圧突出部の前記キャップからの突出長さは、前記スリットの長手方向に直交する方向に沿って前記規制突出部から離間するにつれて大きくなっていてもよい。
【0019】
また、本発明による飲料容器において、
前記規制部は、前記スリットの長手方向に沿って離間して配置された複数の規制突出部を含んでいてもよい。
【0020】
また、本発明による飲料容器において、
前記キャップは、閉じた状態で前記平板状部のうちの前記スリットの長手方向に沿って前記スリットからずれた部分に接触する接触部を有していてもよい。
【0021】
また、本発明による飲料容器において、
閉じた状態で前記飲み口部を覆う開閉可能なキャップを更に備え、
前記キャップは、前記飲み口アダプターに揺動可能に接続し、
前記キャップの揺動軸線と前記スリットの長手方向は垂直であってもよい。
【0022】
また、本発明による飲料容器において、
前記飲み口アダプターは、前記容器本体に取り付けられるアダプター本体と、アダプター本体に保持される弾性部材と、を有し、
前記弾性部材は、前記飲み口部と、前記飲み口部に接続され前記アダプター本体へ取り付けられる取り付け部と、前記取り付け部と接続し前記容器本体との間でシールを形成するベース部と、を有し、
前記飲み口部、前記取り付け部および前記ベース部は、一体的に形成されていてもよい。
【0023】
本発明によるキャップ組立体は、
容器本体に取り付けられるキャップ組立体であって、
使用者の口を付けることで弾性変形する飲み口部を有し、前記容器本体に取り付けられる飲み口アダプターを備え、
前記飲み口部は、前記容器本体の側となる面に線状リブを有する平板状部を含み、
前記平板状部には、前記弾性変形によって開放されるスリットが前記線状リブ上に設けられている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、飲料容器が傾倒した際や飲料容器を携帯中にその内圧が上昇した際等に意図せず飲料が飲み口から漏れ出すことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施の形態を説明するための図であって、飲料容器を示す斜視図。
図2図1の飲料容器を示す側面図。
図3図1の飲料容器の飲み口アダプターおよびキャップを容器本体が接続される側から示す斜視図。
図4図3の飲み口アダプターおよびキャップのスリットに沿った断面図。
図5図4のI−I線に沿った飲み口アダプターおよびキャップの断面図。
図6図4のII−II線に沿った飲み口アダプターおよびキャップの断面図。
図7図4に対応する図であって、キャップが閉じた状態の飲み口アダプターおよびキャップを示す図。
図8図7のIII−III線に沿った飲み口アダプターおよびキャップの断面図。
図9図7のIV−IV線に沿った飲み口アダプターおよびキャップの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1図9は、本発明による飲料容器の一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1および図2は、それぞれ、飲料容器の全体構成を示す斜視図および側面図である。本実施の形態による飲料容器は、主として乳幼児向けであり、乳幼児がコップなどの大きな開口を有する容器から茶やジュースなどの飲料を飲む訓練を行うこと、さらには飲料を吸い出す訓練を行うことを促進するための工夫がなされている。また、飲料容器は、飲料容器が傾倒した際や飲料容器を携帯中にその内圧が上昇した際に、飲み口から飲料が漏れ出すことを防止するための工夫がなされている。さらに、例えば飲料容器に温かい飲料を入れたり、冷蔵庫内で保管されていた飲料容器を庫外に出すことによって飲料容器の内圧が上がった際に、飲料容器内の飲料が飲み口から漏れ出すことを防止するための工夫がなされている。
【0027】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
【0028】
図1及び図2に示す飲料容器1は、容器本体2と、飲み口を形成し、容器本体2に取り外し可能に取り付けられる飲み口アダプター3と、を備えている。飲み口アダプター3には、閉じた状態で飲み口を覆うキャップ6が取り付けられている。飲み口アダプター3及びキャップ6によって、キャップ組立体が構成されている。以下、図1図9を参照して、飲料容器1の各部について、さらに詳細に説明する。図3は、飲料容器1の飲み口アダプター3およびキャップ6を容器本体2が接続される側から示す斜視図であり、図4は、飲み口アダプター3およびキャップ6のスリット7に沿った断面図である。図5および図6は、それぞれ、図4のI−I線およびII−II線に沿った飲み口アダプター3およびキャップ6の断面図である。図7は、図4に対応する図であって、キャップ6が閉じた状態の飲み口アダプター3およびキャップ6を示す断面図である。図8および図9は、それぞれ、図7のIII−III線およびIV−IV線に沿った飲み口アダプターおよびキャップの断面図である。
【0029】
容器本体2は、内部に飲料を収容するためのものであり、一端(上端)で開口し他端(下端)で閉鎖された筒状に形成されている。容器本体2の上端部外周には、飲み口アダプター3を取り付けるための雄ネジ部2sが形成されている。
【0030】
飲み口アダプター3は、容器本体2に取り付けられるアダプター本体4と、アダプター本体4に保持される弾性部材5と、を有する。後述するように、弾性部材5は、飲料容器1の使用者が口を付ける飲み口部10を含む。
【0031】
アダプター本体4は、一端(上端)が部分的に閉鎖された筒状に形成されている。具体的には、アダプター本体4は、円筒状の周壁部4aと、周壁部4aの上端縁の全長に亘って接続した天壁部4bと、を有している。周壁部4aの下端部内周には、雌ネジ部4sが形成されている。雌ネジ部4sは、容器本体2の雄ネジ部2sと噛み合う。雌ネジ部4sと雄ネジ部2sとを噛み合わせることで、アダプター本体4を容器本体2に取り付けることができる。天壁部4bには、弾性部材5が取り付けられる取付孔4hが形成されている。また、天壁部4bには、天壁部4bから容器本体2とは反対の側に突出する突出部4cが設けられている。突出部4cは、その側部に、後述するキャップ6の係合凸部6dと係合し、キャップ6を閉じた状態に保持する係合凹部4dが形成されている。
【0032】
弾性部材5は、飲み口部10と、飲み口部10に接続されアダプター本体4へ取り付けられる取り付け部20と、取り付け部20に接続されたベース部30と、を有している。弾性部材5は、乳幼児が飲み口部10に馴染み易いよう、シリコン等の柔らかな材料で作製されている。
【0033】
ベース部30は、全体として平板状であり、アダプター本体4の天壁部4bと、容器本体2の開口を画成する環状の上端面2aと、の間に配置される。ベース部30は、アダプター本体4の天壁部4bに沿って拡がり、天壁部4bと容器本体2の上端面2aとの間でシールを形成する。より具体的には、ベース部30は、アダプター本体4に接触してシール部を形成する第1面31と、第1面31に対向して設けられ容器本体2の上端面2aに接触してシール部を形成する第2面32と、を含む。ベース部30の略中央には、容器本体2の内部空間と連通するベース部開口33が設けられている。
【0034】
取り付け部20は、全体として筒状であり、ベース部30から上方に向けて、ベース部開口33を取り囲むように立設している。取り付け部20は、アダプター本体4の取付孔4hを貫通する。取り付け部20の上端部には、アダプター本体4の天壁部4bから板状部に向かう方向(上下方向)に見て取付孔4hの外側に延び出す延出部21が形成されている。図4に示すように、延出部21がアダプター本体4の天壁部4bのベース部30とは反対の側に配置されることにより、言い換えると天壁部4bの取付孔4hを画成する縁部がベース部30と延出部21との間に配置されることにより、弾性部材5はアダプター本体4に保持される。
【0035】
飲み口部10は、筒状の取り付け部20の上端部を覆う。飲み口部10は、ベース部開口33に対面して配置される平板状部11を有する。平板状部11は、使用者が口を付けると弾性変形する。平板状部11には、スリット7が設けられている。スリット7は、平板状部11が弾性変形することによって開放される。したがって、スリット7は、使用者が平板状部11に口を付けて平板状部11が弾性変形すると、開放される。このため、使用者が平板状部11に口を付けた状態で飲料容器1を傾ければ、容器本体2内の飲料がスリット7を通じて流出し、使用者は当該飲料を飲むことができる。なお、飲料がスリット7を通じて流出することにより、容器本体2から流出する飲料の単位時間当たりの流量が抑えられ、乳幼児は無理なく飲料を摂取することができる。
【0036】
平板状部11は、使用者の口が付けられる外側面12と、容器本体2の側(外側面12とは反対側)となる内側面13と、を有する。図3図5および図8によく示されているように、内側面13には、線状リブ8が設けられている。上記スリット7は、この線状リブ8上に設けられている。線状リブ8によって、平板状部11の、とりわけスリット7が設けられている箇所の、容器本体2の外側への撓みを効果的に防止することができる。したがって、飲料容器1が傾倒した場合に、平板状部11が飲料容器1内の飲料の圧を受けて容器本体2の外側へ撓むことによりスリット7が開放されて、飲料容器1内の飲料が意図せず漏れ出す、ということを効果的に防止することができる。また、容器本体2に温かい飲料を入れたり、冷蔵庫内に保管されていた飲料容器1を庫外に出すこと等によって、容器本体2の内圧が上がった場合に、平板状部11が上記内圧によって容器本体2の外側へ撓むことによりスリット7が開放されて、飲料容器1内の飲料が意図せず漏れ出す、ということを効果的に防止することができる。その一方で、平板状部11の容器本体2の内側への撓みが線状リブ8によって大きく拘束されることはない。したがって、平板状部11に口を付けるといった簡単な動作によって、平板状部11を容器本体2の内側に撓ませてスリット7を開くことができ、これにより、容器本体2内の飲料を飲むことができる。このような平板状部11を有する飲料容器1を用いることにより、乳幼児の容器から飲料を飲む訓練を促進することができ、さらには、飲料を吸い出す訓練を促進することができる。
【0037】
図1に示すように、線状リブ8は、線状リブ8の長手方向D1に直交する方向D2における平板状部11の中央に設けられている。これにより、平板状部11の容器本体2の外側への撓みをより効果的に防止することができる。したがって、飲料容器1が傾倒した場合や容器本体2内の内圧が上がった場合等に、平板状部11が容器本体2の外側へ撓んでスリット7が開放され、飲料容器1内の飲料が意図せず漏れ出す、ということを、より効果的に防止することができる。
【0038】
図2および図4によく示されているように、平板状部11は、容器本体2が画成する開口面(容器本体2の上端面2aによって囲まれる面)に対して傾斜している。より具体的には、線状リブ8の長手方向D1における一方の側となる平板状部11の縁部11aが、他方の側となる平板状部11の縁部11bよりも、アダプター本体4の天壁部4bから離れた位置にある。これにより、平板状部11の上記一方の側の縁部11aに上唇を着けやすくなり、容器本体2内の飲料を飲みやすくすることができる。これにより、乳幼児の容器から飲料を飲む訓練をさらに促進することができ、さらには、飲料を吸い出す訓練をさらに促進することができる。
【0039】
具体的には、飲み口部10は、線状リブ8の長手方向D1における一方の側となる取り付け部20の縁部20aから立ち上がる立上壁部15を有している。立上壁部15は、線状リブ8の長手方向D1における一方の側となる平板状部11の縁部11aに接続している。立上壁部15は、平板状部11の上記縁部11aと取り付け部20の上記縁部20aとの間を、平板状部11と非平行に、より具体的には上下方向に延びている。一方、上記長手方向D1における他方の側となる平板状部11の縁部11bは、取り付け部20に直接接続している。これにより、平板状部11は、容器本体2が画成する開口面に対して傾斜している。なお、立上壁部15が設けられていることにより、使用者の口の位置を、立上壁部15の側に(したがって平板状部11の上記縁部11aの側に)、視覚的に誘導することができる。このことによっても、乳幼児の容器から飲料を飲む訓練を促進することができ、さらには飲料を吸い出す訓練を促進することができる。なお、線状リブ8の長手方向D1に直交する方向D2における一方の側および他方の側となる平板状部11の縁部11cおよび取り付け部20の縁部の間には、それぞれ、側壁部16,16が設けられている。
【0040】
図1および図2によく示されているように、線状リブ8の長手方向D1における一方の側となる平板状部11の縁部11aに、当該縁部11aに沿って延びる(したがって、線状リブ8の長手方向D1と非平行な方向に延びる)線状突出部17が設けられている。線状突出部17は、上記縁部11aから容器本体2の外側に向けて、概ね立上壁部15の立ち上がり方向に沿って突出している。線状突出部17が設けられていることにより、平板状部11の上記縁部11aを咥えやすくなる。このことによっても、使用者の口の位置を、線状突出部17の側に(したがって平板状部11の上記縁部11aの側に)、誘導することができる。そして、乳幼児の容器から飲料を飲む訓練を促進することができ、さらには飲料を吸い出す訓練を促進することができる。
【0041】
図1によく示されているように、線状突出部17は、スリット7の長手方向D1と直交する方向D2においてスリット7と重なる位置に、凹み18を有している。これにより、線状突出部17に口を付けて飲料を飲む際、スリット7から流出した飲料は、線状突出部17の凹み18を通過して使用者の口に案内される。このことによっても、使用者の口の位置を、凹み18の位置(したがって平板状部11の上記縁部11aの側に)に誘導することができる。そして、乳幼児の容器から飲料を飲む訓練を促進することができ、さらには飲料を吸い出す訓練を促進することができる。
【0042】
なお、図示された例では、飲み口部10、取り付け部20およびベース部30は、一体的に形成されている。このように異なる機能を有する各部10,20,30を一体に形成することにより、飲料容器1の部品点数を低減して、洗浄時の取り扱い性を改善することができる。また、各部10,20,30のアダプター本体4への組み付けを容易にすることができる。
【0043】
次に、キャップ6について説明する。図1並びに図7乃至図9に示すように、キャップ6は、ドーム状をなしており、閉じた状態で飲み口部10を覆う。キャップ6で飲み口部10を覆うことにより、飲み口部10を衛生的に保つことができる。図1図4および図7から理解されるように、キャップ6は、飲み口アダプター3に揺動可能に接続しており、飲み口アダプター3に相対動作することで開閉する。より具体的には、キャップ6は、スリット7の長手方向D1における他方の側となるアダプター本体4の縁部に接続している。図示された例では、キャップ6の揺動軸線Axとスリット7の長手方向D1とは、直交している。これにより、キャップ6を開いて飲料容器1から飲料を飲む際、キャップ6によって飲料を飲む動作が阻害されることが防止される。
【0044】
キャップ6は、閉じた状態で飲み口部10に対面する内側面6aを有する。この内側面6aには、キャップ6が閉じた状態で上述したアダプター本体4の係合凹部4dと係合する係合凸部6dが設けられている。係合凸部6dと係合凹部4dとが係合することにより、キャップ6は閉じた状態に維持される。
【0045】
また、キャップ6には、キャップ6が閉じた状態で飲み口部10から飲料が漏れることを防止する液漏れ防止手段50が設けられている。液漏れ防止手段50は、内側面6aに設けられている。液漏れ防止手段50は、平板状部11の容器本体2の外側への膨出を規制する規制部51と、平板状部11を押圧してスリット7の開放を抑制する押圧部52と、平板状部11に接触して平板状部11を容器本体2の内側へ撓ませる接触部53と、を有する。
【0046】
規制部51は、図1並びに図7乃至図9に示すように、キャップ6の内側面6aから突出しており、キャップ6が閉じた状態で平板状部11に接触して、平板状部11のキャップ6側への膨出を規制する。より具体的には、規制部51は、キャップ6が閉じた状態で平板状部11のうちのスリット7の長手方向D1に直交する方向D2における平板状部11の縁部11bとスリット7との間となる部分11dに接触して、当該部分11dのキャップ6側への膨出を規制する。図示された例では、規制部51は、スリット7の長手方向D1に沿って離間して配置された複数の板状の規制突出部(第1規制突出部51aおよび第2規制突出部51b)を含む。各規制突出部51a,51bは、キャップ6が閉じた状態において、スリット7の長手方向D1に直交する方向D2に線状に延びる。各規制突出部51a,51bは、キャップ6が閉じた状態において、スリット7の長手方向D1においてスリット7と重なる領域に位置している。これにより、平板状部11がスリット7の両側でキャップ6の側へ撓んでスリット7が開放される、ということが防止される。
【0047】
図1図7及び図8に示すように、押圧部52は、キャップ6の内側面6aから突出して、キャップ6が閉じた状態で平板状部11に接触して、スリット7の開放を抑制する。より具体的には、押圧部52は、キャップ6が閉じた状態で、平板状部11をスリット7の長手方向D1と非平行な方向に、より具体的にはスリット7を塞ぐ方向に押圧する。
【0048】
図1及び図8によく示されているように、押圧部52は、一対の押圧突出部52a,52aを含んでいる。図示の例では、一対の押圧突出部52a,52aは、第1規制突出部51aの両側にそれぞれ接続している。押圧突出部52a,52aは、第1規制突出部51aよりもキャップ6からの突出長さが大きい。各押圧突出部52a,52aのキャップ6からの突出長さは、スリット7の長手方向D1に直交する方向D2に沿って、第1規制突出部51aから離間するにつれて大きくなっていく。このため、一対の押圧突出部52a,52aから平板状部11に、効率良く押圧力を加えることができる。言い換えると、押圧突出部52a,52aによって飲み口部10の他の部分が押圧されて、平板状部11がキャップ6の側へ向けて撓むように変形しスリット7が開放される、ということが防止される。
【0049】
一対の押圧突出部52a,52aは、キャップ6が閉じた状態で、スリット7の長手方向D1に直交する方向D2における一方の側および他方の側となる平板状部11の縁部11c,11cを、長手方向D1と非平行な方向に押圧する。より具体的には、一対の押圧突出部52a,52aは、飲み口部10の側壁部16,16を、上記直交する方向D2に押圧する。これにより、押圧突出部52a,52aは、スリット7を効果的に塞ぐことができる。一対の押圧突出部52a,52aは、キャップ6が閉じた状態において、スリット7の長手方向D1においてスリット7と重なる領域に位置している。したがって、キャップ6が閉じた状態において、一対の押圧突出部52a,52aが平板状部11を押圧すると、スリット7を画定する一対の面7a,7aが、互いに対して押し付けられる。これにより、スリット7の開放が効果的に抑制される。
【0050】
接触部53は、図1図7および図9に示すように、キャップ6の内側面6aから突出して、キャップ6が閉じた状態で平板状部11に接触して容器本体2の側へ押圧する。接触部53は、キャップ6が閉じた状態で、スリット7の長手方向D1に直交する方向D2における平板状部11の中央に接触する。このため、直交する方向D2における平板状部11の中央が谷になるように、平板状部11を容器本体2の内側へ撓ませることができる。れにより、キャップ6が閉じた状態において、平板状部11のキャップ6側への膨出を効果的に防止することができる。なお、接触部53は、キャップ6が閉じた状態で平板状部11のうちの上記長手方向D1に沿ってスリット7からずれた部分に接触する。このため、キャップ6が閉じた状態で接触部53がスリット7内に進入してスリット7が開放される、ということが防止される。
【0051】
なお、上述した規制部51、押圧部52および接触部53は、キャップ6と一体的に形成されている。これにより、キャップ6および液漏れ防止手段50の相対位置のずれを効果的に防止することができる。したがって、液漏れ防止手段50の各部51,52,53と飲み口部10との相対位置のずれを効果的に防止することができる。この結果、飲み口部10からの液漏れを安定的に防止することができる。また、飲料容器1の部品点数を低減して、洗浄時の取り扱い性を改善することができる。
【0052】
上述してきた一実施の形態によれば、飲料容器1は、容器本体2と、使用者の口を付けることで弾性変形する飲み口部10を有し、容器本体2に取り付けられる飲み口アダプター3と、を備えている。飲み口部10は、容器本体2の側となる面13に線状リブ8を有する平板状部11を含んでいる。そして、平板状部11には、上記弾性変形によって開放されるスリット7が線状リブ8上に設けられている。
【0053】
このような飲料容器1によれば、平板状部11の容器本体2側に設けられた線状リブ8によって、平板状部11の容器本体2の外側への撓みを効果的に防止することができる。したがって、飲料容器1が傾倒した場合や容器本体2の内圧が上がった場合等に、平板状部11が外側に撓んでスリット7が開放されて、飲料容器1内の飲料が飲み口から意図せず漏れ出す、ということを効果的に防止することができる。その一方で、平板状部11の容器本体2の内側への撓みが線状リブ8によって大きく拘束されることはない。したがって、平板状部11に口を付けるといった簡単な動作によって、平板状部11を容器本体2の内側に撓ませてスリット7を開くことができ、これにより、容器本体2内の飲料を飲むことができる。このような飲料容器1は、乳幼児の容器から飲料を飲む、さらには吸い出す訓練を促進することができる。
【0054】
上述の一具体例において、線状リブ8の長手方向D1に直交する方向D2における平板状部11の中央に、線状リブ8が設けられている。これにより、平板状部11の容器本体2の外側への撓みをより効果的に防止することができる。したがって、飲料容器1が傾倒した場合や容器本体2の内圧が上がった場合等に、平板状部11が外側に撓んでスリット7が開放されて、飲料容器1内の飲料が飲み口から意図せず漏れ出す、ということを、さらに効果的に防止することができる。
【0055】
上述の一具体例において、平板状部11は、容器本体2が画成する開口面に対して傾斜している。これにより、平板状部11に上唇を付けやすくなり、飲料を飲みやすくすることができる。このことによっても、乳幼児の容器から飲料を飲む、さらには吸い出す訓練を促進することができる。
【0056】
上述の一具体例において、飲み口部10は、線状リブ8の長手方向D1における一方の側となる平板状部11の縁部11aに接続し、平板状部11と非平行な立上壁部15をさらに有する。これにより、使用者の口の位置を、平板状部11の上記縁部11aの側に、視覚的に誘導することができる。このことによっても、乳幼児の容器から飲料を飲む、さらには吸い出す訓練を促進することができる。
【0057】
上述の一具体例において、線状リブ8の長手方向D1における一方の側となる平板状部11の縁部11aに、線状突出部17が設けられている。これにより、平板状部11の上記縁部11aを咥えやすくなる。このことによっても、使用者の口の位置を、平板状部11の上記縁部11aの側に誘導することができる。したがって、乳幼児の容器から飲料を飲む、さらには吸い出す訓練を促進することができる。
【0058】
上述の一具体例において、飲料容器1は、閉じた状態で飲み口部10を覆う開閉可能なキャップ6を更に備えている。そして、キャップ6は、閉じた状態で平板状部11に接触して平板状部11をスリット7の長手方向D1と非平行な方向に押す押圧部52を有している。これにより、キャップ6の閉鎖時に、平板状部11を、スリット7を塞ぐ方向に押圧して、スリット7の開放を抑制することができる。したがって、スリット7からの飲料の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0059】
上述の一具体例において、押圧部52は、キャップ6が閉じた状態において、スリット7の長手方向D1においてスリット7と重なる領域に位置している。これにより、キャップ6の閉鎖時に、スリット7を画定する一対の面7a,7aを互いに対して効果的に押し付けることができ、スリット7の開放を効果的に抑制することができる。したがって、スリット7からの飲料の漏れ出しを、さらに効果的に防止することができる。
【0060】
上述の一具体例において、スリット7の長手方向D1における一方の側となる平板状部11の縁部11aに、当該縁部11aに沿って延びる線状突出部17が設けられている。そして、線状突出部17は、スリット7の長手方向D1と直交する方向D2においてスリット7と重なる位置に、凹み18を設けられている。これにより、線状突出部17に口を付けて飲料を飲む際、スリット7から流出した飲料は、線状突出部17の凹み18を通過して使用者の口に案内される。このことによっても、使用者の口の位置を、凹み18の位置(したがって平板状部11の上記縁部11aの側に)に誘導することができる。そして、乳幼児の容器から飲料を飲む訓練を促進することができ、さらには飲料を吸い出す訓練を促進することができる。
【0061】
上述の一具体例において、キャップ6は、閉じた状態で平板状部11のうちのスリット7の長手方向D1に直交する方向D2における平板状部11の縁部11c,11cのスリット7との間となる部分11d,11dに接触して当該部分11d,11dの膨出を規制する規制部51を、さらに有する。これにより、キャップ6の閉鎖時に、平板状部11がスリット7の両側でキャップ6の側へ撓んでスリット7が開放される、ということを効果的に防止することができる。したがって、スリット7からの飲料の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0062】
上述の一具体例において、規制部51は、キャップ6が閉じた状態において、スリット7の長手方向D1においてスリット7と重なる領域に位置している。これにより、キャップ6の閉鎖時に、平板状部11がスリット7の両側でキャップ6の側へ撓んでスリット7が開放される、ということを、さらに効果的に防止することができる。したがって、スリット7からの飲料の漏れ出しを、さらに効果的に防止することができる。
【0063】
上述の一具体例において、規制部51は、キャップ6が閉じた状態において、スリット7の長手方向D1に直交する方向D2に延びる線状の規制突出部51aを含む。このような規制突出部51aによって、キャップ6が閉じた状態において、平板状部11のキャップ6側への膨出を、効率良く抑制することができる。したがって、スリット7の開放そしてスリット7からの飲料の漏れ出しを、さらに効果的に防止することができる。
【0064】
上述の一具体例において、押圧部52は、規制突出部51aの両側にそれぞれ接続し、規制突出部51aよりもキャップ6からの突出長さが大きい一対の押圧突出部52a,52aを含む。キャップ6が閉じた状態において、このような一対の押圧突出部52a,52aで平板状部11を押圧することにより、スリット7を、その両側から効果的に塞ぐことができる。この結果、スリット7からの飲料の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0065】
上述の一具体例において、各押圧突出部52aのキャップ6からの突出長さは、スリット7の長手方向D1に直交する方向D2に沿って規制突出部51aから離間するにつれて大きくなっていく。このような一対の押圧突出部52a,52aによれば、キャップ6が閉じた状態において、平板状部11に効率良く押圧力を加えることができる。言い換えると、押圧突出部52a,52aが飲み口部10の他の部分を押圧して平板状部11がキャップ6の側へ向けて撓むように変形し、スリット7が開放されることが防止される。したがって、スリット7からの飲料の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0066】
上述の一具体例において、規制部51は、スリット7の長手方向D1に沿って離間して配置された複数の規制突出部51a,51bを含む。これにより、キャップ6が閉じた状態において、平板状部11のキャップ6側への膨出を効果的に防止することができ、スリット7の開放を効果的に抑制することができる。したがって、スリット7からの飲料の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0067】
上述の一具体例において、キャップ6は、閉じた状態で平板状部11のうちのスリット7の長手方向D1に沿ってスリット7から外れた部分に接触する接触部53を有する。このような接触部53によって、平板状部11を容器本体2の内側へ撓ませることができる。したがって、キャップ6の閉鎖時に、平板状部11がキャップ6の側へ撓むことを抑制することができる。なお、接触部53は、キャップ6が閉じた状態で平板状部11のうちの上記長手方向D1に沿ってスリット7からずれた部分に接触する。このため、キャップ6が閉じた状態で接触部53がスリット7内に進入してスリット7が開放される、ということが防止される。以上により、スリット7からの飲料の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0068】
上述の一具体例において、閉じた状態で飲み口部10を覆う開閉可能なキャップ6を更に備えている。キャップ6は、飲み口アダプター3に揺動可能に接続し、キャップ6の揺動軸線とスリット7の長手方向D1は垂直である。キャップ6で飲み口部10を覆うことにより、飲み口部10を衛生的に保つことができる。また、キャップ6を開いて飲料容器1から飲料を飲む際、キャップ6によって飲料を飲む動作が阻害されることが防止される。
【0069】
上述の一具体例において、飲み口アダプター3は、容器本体2に取り付けられるアダプター本体4と、アダプター本体4に保持される弾性部材5と、を有している。弾性部材5は、飲み口部10と、飲み口部10に接続されアダプター本体4へ取り付けられる取り付け部20と、取り付け部20と接続し容器本体2との間でシールを形成するベース部30と、を有している。そして、飲み口部10、取り付け部20およびベース部30は、一体的に形成されている。互いに異なる機能を有する部品10,20,30が一体に形成されていることにより、飲料容器1の部品点数を低減して洗浄時の取り扱い性を改善することができる。また、各部10,20,30のアダプター本体4への組み付けを容易にすることができる。
【0070】
一実施の形態を複数の具体例により説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0071】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 飲料容器
2 容器本体
3 飲み口アダプター
4 アダプター本体
5 弾性部材
6 キャップ
7 スリット
8 線状リブ
10 飲み口部
11 平板状部
20 取り付け部
30 ベース部
51 規制部
52 押圧部
53 接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9