(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レイアウト設定部は、前記属性情報オブジェクトに対応する前記印刷情報が文字データの場合、前記属性情報オブジェクトが前記レイアウト設定画面に配置されたときに、当該属性情報オブジェクトに対応する前記文字データを印刷したときの不具合を検査する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の印刷データ作成システム。
前記レイアウト設定部は、前記属性情報オブジェクトに対応する前記印刷情報が文字データであって、前記文字データの中に当該属性情報オブジェクト内に表示しきれない前記文字データが存在する場合、アラームを表示する、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の印刷データ作成システム。
前記レイアウト設定部は、前記属性情報オブジェクトに対応する前記印刷情報が文字データであって、前記文字データの中に他の前記印刷情報オブジェクトに印字される情報と重なる前記文字データが存在する場合、アラームを表示する、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の印刷データ作成システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態による印刷管理システムを
図1〜
図12を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態における印刷管理システムの一例を示す図である。
印刷管理システム1は、CRM(Customer Relationship Management)システム10と、印刷データ作成システム20と、印刷システム30と、を含んで構成される。印刷データ作成システム20と、印刷システム30とはインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0013】
(CRMシステム)
CRMシステム10は、顧客の氏名、郵便番号、住所、購入した商品、顧客の担当者などの顧客データを管理するシステムである。CRMシステム10は、例えば、CSVファイルの形式で顧客データを出力する。顧客データの一例(Customer1.csv)を
図2に示す。顧客データには、氏名などの識別情報のほか、印刷物の内容に関連する情報である印刷関連情報が含まれている。
図2に例示する顧客データの場合、識別情報は、例えば、氏名や住所であり、印刷関連情報は、車種や担当スタッフである。例えば、氏名「AAA」の顧客に対しては、「車P」や「スタッフ1」に関連する情報を印刷した印刷物が提供される。
【0014】
(印刷データ作成システム)
印刷データ作成システム20は、顧客に提供する印刷物の印刷データを作成する。印刷物には、印刷関連情報に関連した情報、例えば、「車P」に関係する商品の広告、「スタッフ1」の画像や「スタッフ1」から顧客へのメッセージなどが印刷される。顧客を通じて印刷物のレイアウトは統一されているが印刷内容は顧客ごとに異なっていてもよい。印刷データ作成システム20は、顧客データ管理部201と、属性情報設定部202と、記憶部206と、レイアウト設定部208と、印刷データ作成部211と、表示部215と、を備える。記憶部206は、属性情報マスタ207や顧客データ、印刷データ等、印刷データの作成に必要な情報を記憶する。表示部215は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いた表示装置である。
【0015】
(1)顧客データの登録
顧客データ管理部201は、CRMシステム10が出力した顧客データを取得し、記憶部206に書き込んで保存する。例えば、顧客データ管理部201は、
図3に例示する顧客データ登録画面310を作成し、表示部215に出力する。顧客データ登録画面310にて、ユーザが参照ボタン311を押下して
図2のCustomer1.csvを選択し、登録ボタン312を押下すると、顧客データ管理部201は、Customer1.csvを取得して、その内容を記憶部206に書き込む。また、顧客データ管理部201は、登録した顧客データの一覧を表示する顧客データ一覧画面を作成し、表示部215に出力する。Customer1.csvを登録した直後に表示される顧客データ一覧画面400の一例を
図4に示す。顧客データ一覧画面400には、記憶部206に書き込まれた顧客データが一覧表示される。
【0016】
(2)属性情報の登録
属性情報設定部202は、印刷関連情報と対応付けて、印刷関連情報に関連する属性情報を設定する。印刷関連情報が「車名」の場合、属性情報には、例えば、タイヤや内装品などの車名が示す車に関連するカー用品等の価格表および割引率が設定される。例えば、印刷関連情報が担当スタッフの場合、属性情報には、担当スタッフの画像やメッセージ等が設定される。属性情報として設定された内容が印刷物に印刷される。属性情報設定部202は、後述する属性情報登録画面500、属性情報削除画面510を作成し、表示部215へ表示する。また、属性情報設定部202は、属性情報登録画面500および属性情報削除画面510における以下に説明する表示動作を制御する。
【0017】
属性情報設定部202は、画像設定部203と、テキスト設定部204と、マスタ管理部205と、を備える。画像設定部203は、属性情報として設定された項目(例えばタイヤの価格表)について、印刷関連情報の値ごとに画像データを取得して、印刷関連情報の値と対応付けて記憶部206に書き込む。テキスト設定部204は、属性情報として設定された項目(例えば割引率)について、印刷関連情報の値ごとにテキストデータを取得して、印刷関連情報の値と対応付けて記憶部206に書き込む。マスタ管理部205は、画像設定部203やテキスト設定部204が記憶部206に書き込んだ情報を正式に属性情報マスタ207へ登録する。
【0018】
例えば、顧客データ一覧画面400にて、ユーザが、属性情報を設定する対象である印刷関連情報「車名」を選択して属性追加ボタン401を押下すると、属性情報設定部202は、
図5Aに例示する属性情報登録画面500を作成し、表示部215に出力する。属性情報登録画面500は、選択した印刷関連情報である車名列の情報を表示した属性情報編集欄501と、登録ボタン502を含む。属性情報編集欄501では、車名に対して複数の属性情報を設定することが可能である。新たな属性情報を1つ設定すると、属性情報編集欄501の列が1つ増加する。つまり、1列に1つの属性情報が対応する。属性情報編集欄501では、属性情報の列ごとにユーザが設定対象の属性情報の種別(画像、テキスト)を選択する。
図5Bに示すようにユーザが画像を選択すると、各行ごとに印刷関連情報の値(「車P」など)に応じた印刷用の画像データを登録することができる。ユーザが種別「画像」を選択すると、当該列の画像データが未登録の行には、アップロードボタン504が表示される。ユーザがアップロードボタン504を押下すると電子ファイルの選択ダイアログが表示される。ユーザが、印刷用の画像データが含まれる電子ファイル(例えば、XXX1.pdf)を選択すると、選択されたファイルがアップロードされる。画像設定部203は、このファイルを取得して、印刷関連情報の”車P”と対応付けて記憶部206に一時的に保存する。画像データを含む電子ファイルが保存されると、属性情報設定部202は、アップロードボタン504を変更ボタン503に変更する。ユーザが変更ボタン503を押下すると、電子ファイルの選択ダイアログ画面が表示され、ユーザは他の電子ファイルを選択することができる。画像設定部203は、このファイルを取得して、先に選択されたファイルに換えて、今回選択されたファイルを印刷関連情報の”車P”と対応付けて記憶部206に書き込む。これによって、”車P”に対応する画像データを差し替えることができる。
【0019】
続いてユーザは、「車V」に対応するタイヤ価格表の画像データを含むファイル(XXX2.pdf)を登録する。画像設定部203は、最初に登録されたファイル(XXX1.pdf)に含まれる画像データのサイズと、今回登録したファイル(XXX2.pdf)に含まれる画像データのサイズ(例えば、縦横比)を比較して、両者に所定以上の差があれば、アラームを出力する。ユーザは、アラームを確認して、登録するファイルを変更する。あるいは、後に説明するレイアウト設定画面700にて画像データのサイズを調整してもよい。
【0020】
同様にユーザは、「車S」に対応するタイヤ価格表の画像データを含むファイル(XXX3.pdf)を登録する。画像設定部203は、最初に登録されたファイル(XXX1.pdf)に含まれる画像データのサイズと、今回登録したファイル(XXX3.pdf)に含まれる画像データのサイズを比較して、両者に所定以上の差があれば、アラームを出力する。
【0021】
「車P」、「車V」、「車S」に対応する画像データ(それぞれ、XXX1.pdf、XXX2.pdf、XXX3.pdf)の登録が完了すると、ユーザは、追加した属性情報の列名に「タイヤ価格表」を設定する。タイヤ価格表を設定した後の属性情報登録画面500を
図5Cに示す。設定が完了すると、ユーザは、登録ボタン502を押下する。マスタ管理部205は、上記の処理により記憶部206に保存された属性情報(列名、各ファイル)を属性情報マスタ207に登録する。
【0022】
この時点で、属性情報マスタ207は、「車名」、「タイヤ価格表」の各項目を有し、各項目には「車P」と「XXX1.pdf」、「車V」と「XXX2.pdf」、「車S」と「XXX3.pdf」が対応付けて登録される。また、属性情報設定部202は、「タイヤ価格表」の右側に新たな列を表示する。
【0023】
ユーザは、この新たな列に他の属性情報を設定することができる。例えば、ユーザは、「車名」に関連するテキストデータの属性情報を登録することができる。ユーザは、新たな列を選択して列種類として「テキスト」を選択する。そして、「車P」、「車V」、「車S」に対応する割引率「5」、「10」、「10」を各行に設定し、最後に列名「割引率」を設定する。テキスト設定部204は、「車P」、「車V」、「車S」に対し、それぞれ「5」、「10」、「10」を対応付けて記憶部206に書き込む。割引率の値を修正する場合、ユーザは、各行の値を上書き設定する。例えば、「車P」の割引率「5」が「8」に上書きされると、テキスト設定部204は、「5」に換えて今回設定された「8」を「車P」と対応付けて記憶部206に書き込む。ユーザが登録ボタン502を押下すると、マスタ管理部205は、属性情報登録画面500にて設定された属性情報(列名、各値)を属性情報マスタ207へ登録する。割引率設定後の属性情報登録画面500を
図5Dに示す。
【0024】
この時点で属性情報マスタ207は、「車名」、「タイヤ価格表」、「割引率」の各項目を有し、車名「車P」と、タイヤ価格表「XXX1.pdf」と、割引率「5」が対応付けて登録され、車名「車V」と、タイヤ価格表「XXX2.pdf」と、割引率「10」が対応付けて登録され、車名「車S」と、タイヤ価格表「XXX3.pdf」と、割引率「10」が対応付けて登録される。
【0025】
(3)属性情報の削除
図5Eに属性情報削除画面510を示す。属性情報削除画面510は、属性情報マスタ207に登録された情報を表示する表示欄520を含む。表示欄520では、設定された属性情報ごとに削除ボタンが表示される。
図5Eの場合、タイヤ価格表の列に削除ボタン521、割引率の列に削除ボタン522が表示される。例えば、ユーザが、削除ボタン521を押下すると、マスタ管理部205は、属性情報マスタ207からタイヤ価格表の情報を削除する。タイヤ価格表の情報が削除された後の属性情報マスタ207は、「車名」、「割引率」の各項目を有し、車名「車P」と、割引率「5」が対応付けて登録され、車名「車V」と、割引率「10」が対応付けて登録され、車名「車S」と、割引率「10」が対応付けて登録される。次に説明するように、属性情報マスタ207に属性情報を登録すると、その属性情報は、対応する顧客データへも自動的に追加されるが、属性情報削除画面510にて、例えば、属性情報「タイヤ価格表」が削除されると、属性情報「タイヤ価格表」の項目自体が顧客データから削除される。
【0026】
なお、次に
図6Aにて例示する属性情報追加後の顧客データ一覧画面400においても属性情報の削除が可能である。例えば、顧客データ一覧画面400において、削除対象の列を選択し、削除ボタン402を押下すると、顧客データ管理部201が、顧客データから選択された属性情報の項目自体を削除する。但し、顧客データ一覧画面400で削除ボタン402を押下した場合、選択した属性情報は顧客データから削除されるだけで、属性情報マスタ207からは削除されない。また、顧客データ一覧画面400では、属性情報に限らず、各列の削除が可能である。印刷に必要のない列を削除すると、後に説明するレイアウト設定画面700にて、可変オブジェクトを選択する際に、不要な選択肢の表示を減らすことができる。
【0027】
(4)顧客データへの属性情報の反映
マスタ管理部205が属性情報マスタ207に属性情報を登録すると、顧客データ管理部201は、属性情報マスタ207に登録された、顧客データの印刷関連情報の値に対応する属性情報の値を顧客データに追加する。例えば、顧客データ管理部201は、氏名「AAA」の顧客データに、車Pに対応するタイヤ価格表「XXX1.pdf」と、割引率「5」を追加する。顧客データ管理部201は、属性情報が追加された顧客データの一覧を、顧客データ一覧画面400に表示する。
図6Aに、属性情報追加後の顧客データ一覧画面400を示す。
【0028】
また、CRMシステム10から出力された別の顧客データ(例えば、Customer2.csv)に「車名」の印刷関連情報が含まれていて、その値が「車P」であれば、顧客データ管理部201は、顧客データ(Customer2.csv)をアップロードした際に、属性情報マスタ207を参照して「タイヤ価格表」と「割引率」の項目を顧客データに追加し、それぞれの項目に「車P」に対応するタイヤ価格表「XXX1.pdf」と、割引率「5」を追加して記憶部206に書き込む。「車名」の値が「車V」や「車S」の場合も同様である。これにより、新たな顧客データについて、誤りなく、タイヤ価格表や割引率の値を付加することができる。また、新たな顧客データ(Customer2.csv)の車名に「車C」が含まれている場合、「車C」の属性情報は未登録の為、顧客データ管理部201は、「タイヤ価格表」と「割引率」の項目を空白にしたまま記憶部206に書き込む。新たな顧客データに属性情報が未登録の印刷関連情報の値が含まれている場合、顧客データ管理部201は、アラームを出力し、属性情報設定部202に属性情報登録画面500の表示を指示してもよい。この時に表示される属性情報登録画面500の一例を
図6Bに示す。ユーザは、「車P」等と同様にして、「車C」についても印刷用画像データの登録、割引率の登録を行う。これにより、新たに顧客データを追加した場合でも漏れなく、印刷物に印刷する内容を設定することができる。
【0029】
(5)印刷物のレイアウト設定
顧客データおよび属性情報の登録が完了すると、印刷物のデザイン、レイアウト設定を行う。
図1に戻り、印刷データ作成システムの機能の説明を続ける。
レイアウト設定部208は、印刷物のレイアウトを設定する機能を提供する。レイアウト設定部208は、
図7Aに例示するレイアウト設定画面700を作成し、表示部215へ出力する。また、レイアウト設定部208は、以下に説明するレイアウト設定画面700の各種表示動作を制御する。レイアウト設定画面700では、印刷面ごとに印刷対象の情報(印刷情報)を印刷する範囲を設定することができる。例えば、一方の面(「宛名面」)に送り先の情報を印刷し、もう一方の面(「デザイン面」)に広告等の情報を印刷する場合、ユーザは、印刷面としてタブ711(「宛名面」)又はタブ712(「デザイン面」)を選択し、それぞれの印刷面についてレイアウト設定することができる。レイアウト設定画面700では、各印刷面について、印刷物の形状および大きさを模した領域701が設定される。印刷物の形状、サイズの情報は予め記憶部206に登録されている。ユーザは、領域701内の所望の位置に、印刷情報に対応する印刷情報オブジェクトをレイアウト設定画面700に配置していくことにより、印刷情報の印刷位置を設定する。印刷情報オブジェクトには、所定の印刷情報が対応付けられ、印刷情報オブジェクトを配置した位置にその印刷情報が印刷されるように印刷データが作成される。印刷情報オブジェクトには、固定オブジェクトと可変オブジェクトが存在する。レイアウト設定部208は、固定オブジェクト設定部209と、可変オブジェクト設定部210を備えており、固定オブジェクト設定部209は、固定オブジェクトの設定を行い、可変オブジェクト設定部210は、可変オブジェクトの設定を行う。
【0030】
(5−1)宛名面でのレイアウト設定
固定オブジェクトとは、顧客に関わらず同じ値が印字される領域に配置する印刷情報オブジェクトである。例えば、「宛名面」における固定オブジェクトは、氏名の後に印字する「様」のような印刷情報の印刷情報オブジェクトである。ユーザは、
図7Aに示すように、レイアウト設定画面700に設けられた印刷情報オブジェクト設定領域710において、「固定」タブの「テキスト」を選択して、新たな固定オブジェクトを生成し、氏名の印字位置の後方に、生成した固定オブジェクトを配置して、この固定オブジェクトについて、印刷内容(「様」)、フォントの種類、大きさ、色、固定オブジェクト内における印刷内容の印刷位置などを設定する。この様子を
図7Aに示す。フォントの種類等の設定は、設定ダイアログ713にて設定することができる。ユーザが「宛名面」で固定オブジェクトを設定すると、固定オブジェクト設定部209は、設定された固定オブジェクトの位置、範囲、印刷内容、フォント等の情報を印刷面の情報(「宛名面」)と対応付けて記憶部206に登録する。固定オジェクトからフォーカスが外れると、レイアウト設定部208は、設定された固定オブジェクトの文字部分のPDF形式のデータを作成し、PDF形式のデータをPNG形式の画像データに変換して、領域701内の設定位置に変換後の画像データ(「様」が表示された画像データ)を配置して表示する。この様子を
図7Bの画像データ714に示す。
【0031】
可変オブジェクトとは、印刷物によって変化する情報を印刷する領域に配置する印刷情報オブジェクトである。例えば、「宛名面」における可変オブジェクトは、顧客データのうち、氏名、住所のような印刷情報に対応する印刷情報オブジェクトである。ユーザは、
図7Bに示すように、印刷情報オブジェクト設定領域710にて「可変」タブの「テキスト」を選択する。すると、顧客データに含まれるテキストデータの項目(「氏名」、「郵便番号」、「住所」、「車名」、「担当スタッフ」、「割引率」)が、可変オブジェクトに対応付ける候補として表示される。なお、例えば、「担当スタッフ」を印刷しない場合、顧客データ一覧画面400で、「担当スタッフ」列を削除しておけば、可変オブジェクトの候補に「担当スタッフ」が表示されることは無い。ユーザは、例えば、氏名を選択し、氏名に対応する可変オブジェクトを生成する。ユーザは、領域701内の所望の位置に可変オブジェクトを配置する。ユーザは、氏名に対応する可変オブジェクトについて、設定ダイアログ715等からフォントの種類、大きさ、色、固定オブジェクト内における印刷内容の印刷位置(左寄せ、右寄せ等)などを設定する。ユーザが「宛名面」で可変オブジェクトを設定すると、可変オブジェクト設定部210は、設定された可変オブジェクトの位置、範囲(印刷範囲)、印刷内容、フォント等の情報を印刷面の情報(「宛名面」)と対応付けて記憶部206に登録する。レイアウト設定部208は、可変オジェクトにフォーカスされている間は、可変オブジェクトにその項目名(
図7Bの場合、「氏名」)を表示する。
【0032】
可変オジェクトのフォーカスが外れると、レイアウト設定部208は、可変オジェクトに表示される長さが最大となるデータを顧客データの中から選択して、可変オブジェクトの枠内に自動的に表示する。例えば、顧客データに「AAA AAA」、「BBBBBB BBBB」、「CC C」の氏名データが存在する場合、レイアウト設定部208は、それぞれの氏名データが表示されたPDF形式のデータを作成し、PDF形式のデータをPNG形式の画像データに変換する。そして、レイアウト設定部208は、その中から最大幅となる氏名データの画像データを選択して可変オブジェクトの表示範囲706に表示する。レイアウト設定部208は、氏名データの文字数、フォント種類、フォントサイズ等を考慮して表示幅が最大となる画像データを選択する。上記の例であれば、レイアウト設定部208は、「BBBBBB BBBB」の画像データを選択し、表示範囲706に表示する。この様子を
図7Cに示す。
【0033】
図7Cの表示例では、氏名の可変オブジェクトの表示範囲706には「BBBBBB BBB」が表示され、最後の「B」の1文字が表示されていない。このように印字しきれない文字がある場合、レイアウト設定部208は、アラーム705を表示する。例えば、設定ダイアログ715等を用いて、可変オブジェクトごとに、(設定a)可変オブジェクトの表示範囲外は印字しない(表示範囲外にはみ出た文字をカットして印字する)、(設定b)可変オブジェクトの表示範囲外を印字する(表示範囲外にはみ出た文字もそのまま印字する)、の設定が可能である。“可変オブジェクトの表示範囲外は印字しない”が設定されている場合、レイアウト設定部208は、文字数が表示範囲706に表示できる文字数を超過していればアラーム705を表示する。“可変オブジェクトの表示範囲外を印字する”が設定されている場合、レイアウト設定部208は、表示範囲706をはみ出て印字される文字が他のオブジェクト(例えば「様」)と重なればアラーム705を表示する。
【0034】
アラーム705に対して、ユーザが「はい」を押下すると、レイアウト設定部208は、
図7Bの設定ダイアログ715等を表示して、表示範囲や文字数等の再設定を促す。ユーザが「いいえ」を押下すると、(設定a)、(設定b)の何れの場合であっても、固定オブジェクト設定部209は、表示範囲外の文字をカットして印字(上記の例であれば、最後の「B」を印字しない。)することを設定する。
この機能により、印字する文字が欠ける、他のオブジェクトに印字が重なる等の不具合を未然に防止することができる。
【0035】
なお、可変オブジェクトには、顧客データごとの値を表示させることができる。例えば、ユーザが氏名に対応する可変オブジェクトの端をマウスでクリックする等の操作を行うと、可変オブジェクト設定部210は、この可変オブジェクト内に「AAA AAA」、「BBBBBB BBBB」、「CC C」を切り替えて表示する。ユーザは、全ての氏名データを表示させることで、氏名の可変オブジェクトの大きさや位置、フォントやフォントサイズが適切かどうかをレイアウト設定画面700上で確認することができる。
【0036】
(5−2)デザイン面でのレイアウト設定
同様にユーザは、タブ712を選択して「デザイン面」のレイアウトを設定する。例えば、ユーザは、
図8Aに示すように、印刷情報オブジェクト設定領域710の「可変」タブにて「画像」を選択する。すると、顧客データに含まれる画像データの項目(「タイヤ価格表」)が、可変オブジェクト(画像)に対応付ける印刷情報の候補として表示される。ユーザは、「タイヤ価格表」を選択し、タイヤ価格表に対応する可変オブジェクトを生成する。ユーザは、領域701内の所望の位置に可変オブジェクトを配置する(
図8Aの可変オブジェクト702)。また、ユーザは、配置した可変オブジェクトを所望の範囲に広げる等する(
図8Bの可変オブジェクト702)。また、ユーザは、印刷情報オブジェクト設定領域710の「可変」タブの「テキスト」を選択する。すると、顧客データに含まれるテキストデータの項目(「氏名」、「郵便番号」、「住所」、「車名」、「担当スタッフ」、「割引率」)が可変オブジェクト(テキスト)に対応付ける印刷情報の候補として表示される。ユーザは、「割引率」を選択し、「割引率」に対応する可変オブジェクトを生成する。ユーザは、領域701内の所望の範囲に「割引率」に対応する可変オブジェクトを配置する(
図8Bの可変オブジェクト703)。また、ユーザは、印刷情報オブジェクト設定領域710の「固定」タブの「テキスト」を選択して、「%OFFクーポン」、「スタッドレスタイヤご購入」、「純正品ご購入」などのテキストを表示した固定オブジェクトを作成し、領域701内の所望の位置に配置する。配置後のイメージを
図8Bに示す。図示するように、可変オブジェクト設定部210は、各可変オブジェクトについて、その可変オブジェクトに対応する属性情報の値や画像データを表示する。
【0037】
図8Bにおいて、ユーザが、タイヤ価格表の可変オブジェクト702の範囲内にマウスのフォーカスを合わせると、矢印画像704が表示される。可変オブジェクト702を作成すると、可変オブジェクト702には、例えば、1番目の顧客データのタイヤ価格表(「車P」のタイヤ価格表)の画像データが表示される。そして、ユーザが、矢印画像704をクリックすると、可変オブジェクト設定部210は、可変オブジェクト702が配置された領域に、2番目の顧客データのタイヤ価格表(「車V」のタイヤ価格表)の画像データを表示する(
図8C)。このとき、例えば、可変オブジェクト703が配置された領域に表示される「割引率」のデータは変化せず、可変オブジェクト702の画像だけが切り替えて表示される。つまり、可変オブジェクト設定部210は、属性情報に関連する1つの可変オブジェクトに表示する値について、他の印刷情報オブジェクトに表示される内容とは独立して、可変オブジェクトに対応する属性情報について設定された任意の値を切り替えて表示する。これにより、全ての画像データの表示状態に問題が無いかどうかを印刷データの作成前に確認することができる。例えば、「車P」のタイヤ価格表の画像データに比べて、「車V」のタイヤ価格表の画像データのサイズや形状が少し異なっている場合、「車V」のタイヤ価格表の画像データを可変オブジェクトに表示させた状態で、この画像データのサイズや形状を、可変オブジェクト702の枠内で自由に調節することができる。可変オブジェクト設定部210は、調整後の画像データのサイズや形状の情報を、その画像データを含む電子ファイルと対応付けて記憶部206へ記録する。このような調整により、各顧客向けのタイヤ価格表の画像データの見た目や印象を統一することができる。
【0038】
また、可変オブジェクト設定部210は、1つの印刷面に1つの印刷関連情報について設定された属性情報に対応する複数の可変オブジェクトが配置されている場合、それらの可変オブジェクトの各々に、1つの印刷関連情報の値について設定された属性情報の値を同時に表示させることができる。更に、可変オブジェクト設定部210は、登録されている全ての組合せについて、可変オブジェクトの各々に属性情報の値の組合せを任意に切り替えて表示することができる。例えば、属性情報マスタ207の登録内容が、
図5Eに示す状態の場合、レイアウト設定部208は、可変オブジェクト702にXXX1.pdfに含まれる画像データを表示するとともに、可変オブジェクト703に「5」を表示し、ユーザが所定の切り替え操作を行うと、可変オブジェクト702にXXX2.pdfに含まれる画像データを表示し、可変オブジェクト703に「10」を表示するよう切り替える。更に、ユーザが所定の切り替え操作を行うと、レイアウト設定部208は、可変オブジェクト702にXXX3.pdfに含まれる画像データを表示し、可変オブジェクト703に「10」を表示するよう表示を切り替える。これにより、ユーザは、デザイン面全体の実際の印刷イメージを確認しながら、レイアウトの設定を行うことができる。
【0039】
なお、印刷用の画像データを含む電子ファイルの登録時にサイズ違いのエラーが表示された画像データについても、レイアウト設定時に可変オブジェクト702の枠内で調整することができる。
【0040】
レイアウト設定が完了すると、記憶部206には、印刷物および印刷面ごとに設定されたレイアウトの情報、例えば、その印刷面に配置された印刷情報オブジェクト、印刷情報オブジェクトごとに配置位置、範囲(サイズ)、印刷内容(固定オブジェクトの場合)又は関連付けられた顧客データにおける項目名(可変オブジェクトの場合)、テキストデータの場合にはフォントの種類、色、サイズ、画像データの場合には、画像データごとのサイズ又は拡大率、縮小率などが登録される。
【0041】
(6)印刷データの作成
印刷物のレイアウト設定が完了すると、印刷データを作成することができる。
印刷データ作成部211は、印刷物の印刷イメージを作成し、
図9に例示する印刷データのプレビュー画面800を作成して表示部215へ出力する。プレビュー画面800は、PDFダウンロードボタン803と、送信ボタン804と、印刷データ表示欄805と、を含む。また、印刷データ作成部211は、プレビュー画面800における各種動作を制御する。印刷データ作成部211は、記憶部206に登録された印刷情報オブジェクトごとの各種設定と、属性情報を追加した後の顧客データとに基づいて、各印刷面に印刷内容を表示した印刷イメージデータを、顧客データの数だけ作成する。例えば、「宛名面」の「氏名」、「郵便番号」、「住所」に対応する印刷情報オブジェクトについて、印刷データ作成部211は、1つ目の顧客データの「氏名」、「郵便番号」、「住所」の情報を記憶部206から読み出して、それぞれの情報を1つ目(1人目)の印刷物の宛名面の印刷イメージデータの「氏名」、「郵便番号」、「住所」に対応する可変オブジェクトの配置位置にセットする。また、印刷データ作成部211は、1つ目の顧客データの「タイヤ価格表」、「割引率」の情報を記憶部206から読み出す。印刷データ作成部211は、「タイヤ価格表」に設定された電子ファイルに含まれる画像データを読み出して、その画像データを、1つ目の印刷物のデザイン面の印刷イメージデータの「タイヤ価格表」に対応する可変オブジェクトの配置位置にセットする。印刷データ作成部211は、「割引率」に設定された値を読み出して、1つ目の印刷物のデザイン面の印刷イメージデータの「割引率」に対応する可変オブジェクトの配置位置にセットする。同様に、印刷データ作成部211は、顧客データに含まれる全データ分の印刷イメージデータを作成する。
【0042】
また、印刷データ作成部211は、QRコード作成部213を備えている。QRコード作成部213は、印刷面ごとに印刷物の提供先となる顧客と、印刷面と、その印刷面の印刷内容の情報をコード化したQRコード(登録商標)801を生成する。印刷データ作成部211は、印刷イメージデータの各印刷面にQRコード(登録商標)801を付加する。QRコード(登録商標)801が付加された印刷イメージデータを印刷データと呼ぶ。印刷データは、例えば、PDFファイルとして作成される。印刷データ作成部211は、印刷データから、印刷データと同内容の画像データを作成する。この画像データをプレビュー画像と呼ぶ。プレビュー画像は、例えば、ファイルサイズの小さいPNG形式の画像データである。印刷データ表示欄805には、全顧客分のプレビュー画像が表示される。
【0043】
印刷データ作成部211は、1セットのプレビュー画像ごとに、プレビュー画面800に削除ボタン802を表示する。1セットのプレビュー画像とは、顧客データ1行分(1人分)のプレビュー画像である。ユーザが、削除ボタンを押下すると、印刷データ作成部211の削除部212が、全顧客分の印刷データから押下された削除ボタンに対応付けられた顧客の印刷データ(1セット分の印刷データ)を削除する。これにより、何らかの事情で印刷の必要がなくなった場合に、実際に印刷する前に、不要となった印刷データを削除することができる。印刷データが削除されると、印刷データ作成部211は、プレビュー画像を再作成し表示する。なお、削除ボタンを押下しても印刷データから当該顧客の印刷データが削除されるだけで、顧客データが削除されるわけではない。従って、印刷データ作成部211が、再度、印刷データを作成すると、削除した顧客の印刷データは再び作成される。
【0044】
ユーザが、PDFダウンロードボタン803を押下すると、印刷データ作成部211は、印刷データをPDFファイルとして出力する。
ユーザが、送信ボタン804を押下すると、印刷データ作成部211の送信部214が、印刷データを印刷システム30へ送信する。また、送信部214は、削除された顧客を除く、残りの顧客の顧客データ等をチェックリストとして印刷システム30へ送信する。
【0045】
(印刷システム)
印刷システム30は、印刷データ取得部301と、検査部302と、印刷部303と、を備える。
印刷データ取得部301は、印刷データ作成システム20が作成した印刷データを取得する。
検査部302は、印刷データの印刷面ごとに印字されたQRコード(登録商標)801を読み取って、印刷データ作成システム20から送付されたチェックリストと照合して、印刷データの内容が正しいかどうかを検査する。例えば、検査部302は、チェックリストの順に顧客が並んでいるか、ページの抜けが無いかどうか、印刷面が「宛名面」、「デザイン面」の順に繰り返し並んでいるか等の検査を行う。検査部302は、更にある顧客のデザイン面に、他の顧客向けの画像データ等が印刷されていないかの検査を行ってもよい。検査の結果、異常が見つかると検査部302は、アラームを出力する。
印刷部303は、プリンタ及びその制御装置を含む。印刷部303は、検査部302による検査に問題が無い場合、印刷データを印刷する。
【0046】
(動作)
次に印刷データ作成処理、印刷処理の流れについて説明する。
図10は、本発明の一実施形態における印刷データ作成処理の一例を示すフローチャートである。
まず、顧客データ管理部201が、顧客データを取得し、記憶部206に顧客データを登録する(ステップS1)。次にユーザが顧客データに含まれる印刷関連情報(例えば、「車名」)を選択して、属性情報(例えば、「タイヤ価格表」、「割引率」)の設定を行う。属性情報設定部202は、設定された属性情報を属性情報マスタ207に登録する(ステップS2)。属性情報の設定時に、例えばテキストデータであれば、属性情報登録画面500上で直接入力することができ、画像データの場合には、画像データが含まれる電子ファイルを選択しアップロードすることができる。これにより、属性情報の設定が煩雑にならず、誤った情報を登録するような間違いが生じにくくなる。属性情報が設定されると、顧客データ管理部201は、顧客データに属性情報を追加する。
【0047】
次にユーザの操作により、レイアウト設定部208が、レイアウト設定画面700を作成し、表示する(ステップS3)。
図7A〜
図8Cを用いて説明したように、ユーザは、印刷物の各印刷面のレイアウトを設定する。レイアウト設定時に可変オブジェクトに関連付けられた全ての印刷情報を切り替えて表示し、可変オブジェクトの位置やサイズ、あるいは可変オブジェクトの範囲に表示する画像データのサイズを調節することができるので、印刷時の不具合を事前に防ぐことができる。レイアウト作業が完了すると、レイアウト設定部208は、設定されたレイアウトの情報(印刷情報オブジェクトの位置など)を記憶部206に登録する(ステップS4)。
【0048】
次にユーザの操作により、印刷データ作成部211が、印刷データを作成し、プレビュー画面800にて作成した印刷データを表示する(ステップS5)。ユーザは、表示された印刷データを確認する。削除部212は、必要に応じて(ユーザが削除ボタン802を押下した時に)印刷データを削除する(ステップS6)。確認が終わると、ユーザは送信ボタン804を押下する。送信部214は、印刷データを印刷システム30へ送信する(ステップS7)。印刷システム30における処理の流れを、
図11を用いて説明する。
【0049】
図11は、本発明の一実施形態における印刷処理の一例を示すフローチャートである。
印刷システム30では、印刷データ取得部301が、印刷データ作成システム20が送信した印刷データを取得する(ステップS20)。検査部302は、印刷データに含まれる各印刷面のQRコード(登録商標)を読み取って、チェックリストと照合して検査を行う(ステップS21)。検査の結果、異常ありの場合(ステップS22;Yes)、検査部302は、アラームを出力する(ステップS24)。異常なしの場合(ステップS22;No)、印刷部303は、印刷データを印刷する。(ステップS23)。これにより、先に登録した顧客データについての印刷物の印刷が完了する。
【0050】
次に更に印刷すべき顧客データの有無を判断する。印刷対象の顧客データに追加が無ければ(ステップS8;No)、印刷データの作成処理を終了する。印刷対象の顧客データに追加がある場合(ステップS8;Yes)、ユーザは、追加分の顧客データを印刷データ作成システム20にアップロードする。顧客データ管理部201は、追加分の顧客データを取得し、記憶部206に顧客データを登録する(ステップS9)。このとき、顧客データ管理部201は、属性情報マスタ207を参照して、追加分の顧客データに含まれる印刷関連情報の値に対応する属性情報の値を、追加分の顧客データに付加して記憶部206に登録する。属性情報の付加に際して、追加分の顧客データに含まれる印刷関連情報の値が、既に属性情報マスタ207に登録されている場合は属性情報の登録が不要である。属性情報の登録が必要ない場合(ステップS10;No)、新たに登録した顧客データについてレイアウトの確認を行うため、レイアウト設定部208が、レイアウト設定画面700を表示する(ステップS12)。ユーザは、例えば、新たに登録した顧客の氏名や住所について切れ等が生じないかどうかを、レイアウト設定画面700に配置した氏名や住所の可変オブジェクトを操作して、全データを表示させることにより確認する。レイアウトの設定に変更がない場合(ステップS13;No)、追加分の顧客データについて、ステップS5からの処理を実行し、印刷データを作成し、印刷を行う。レイアウトの設定に変更がある場合(ステップS13;Yes)、レイアウト設定部208は、設定されたレイアウトの情報を記憶部206に登録する(ステップS14)。その後、新たに登録されたレイアウトの情報に基づいて、印刷データ作成部211が、追加分の顧客データについて、ステップS5からの処理を実行し、印刷データを作成する。
【0051】
また、追加分の顧客データへの属性情報の付加に際して、追加分の顧客データに含まれる印刷関連情報の値が、属性情報マスタ207に登録されていない場合は、その値に対応する属性情報の登録が必要である。属性情報の登録が必要な場合(ステップS10;Yes)、属性情報設定部202は、属性情報登録画面500を表示し、ユーザに属性情報の登録を促す(
図6B)。ユーザは、新たに属性情報を設定する。属性情報設定部202は、設定された属性情報を属性情報マスタ207に登録する(ステップS11)。次に、新たに登録した顧客データおよび属性情報についてレイアウトの確認を行うため、レイアウト設定部208が、レイアウト設定画面700を表示する(ステップS12)。ユーザは、例えば、新たに登録した顧客データについて氏名や住所の印字イメージの確認、新たに登録した属性情報に関する画像データの印刷イメージの確認、必要があれば、配置やサイズの調整などを行う。レイアウト変更がない場合(ステップS13;No)、ステップS5の処理に進む。
【0052】
レイアウト変更がある場合(ステップS13;Yes)、レイアウト設定部208は、設定されたレイアウトの情報を登録する(ステップS14)。その後、新たに登録されたレイアウトの情報に基づいて、印刷データ作成部211が、追加分の顧客データについて、ステップS5からの処理を実行し、印刷データを作成し、印刷システム30が印刷を行う。
【0053】
一般的な印刷データ作成システムでは、顧客データの登録時に画像データのファイルパスを指定しなければならなかったり、印刷物のレイアウト設定時に、印刷情報を印字するエリアを枠で囲って、その枠内に印刷する画像データやテキストデータを手作業で1つずつ紐づける必要がある場合が多い。そして、これらの作業中に誤ったファイルパスを設定してしまったり、レイアウト設定時に枠とその枠に印刷するデータとの紐づけを誤って設定してしまう事が多かった。また、顧客データが追加になると、その度に画像データのファイルパスを設定したり、枠への画像データ等の紐づけが必要となり、煩雑な作業が要求された。これに対し、本実施形態によれば、属性情報登録画面500にて、テキストデータを直接入力したり、画像データが含まれるファイルを選択することにより、印刷対象の属性情報を容易に設定することができる。また、新たな顧客データを登録する際に、既に属性情報マスタに属性情報が登録されていれば、新たな顧客データに適切な属性情報を自動的に対応付けることが可能なので、顧客データを登録する度に属性情報の設定を行う必要が無い。
【0054】
また、一般的な印刷データ作成システムでは、レイアウト設定時には、実際にその枠に印刷されるデータを表示させて確認することができない場合が多い。これに対し、本実施形態によれば、レイアウト設定画面700にて、属性情報として登録された画像データやテキストデータ、あるいは顧客データを任意に差し替えながら確認することができる。また、レイアウト設定画面700に可変オブジェクトを配置したときに、事前にその可変オブジェクトに対応するテキストデータを印刷したときの不具合を検査し、例えば、属性情報として登録されたテキストデータに設定された印刷範囲を超えるものが存在する場合、レイアウト時にアラームを表示することができる。これにより、実際の印刷イメージを確認しながら印刷情報オブジェクトのレイアウトを設定することができ、精度の高いレイアウト設定が可能である。
【0055】
また、一般的な印刷データ作成システムでは、不要な印刷物が生じた場合、印刷後の印刷物の中から不要となった印刷物を除外して対応することが多いが、本実施形態によれば、印刷データのプレビュー画面800にて、不要な印刷データを削除することができるので、余計な印刷物を削減することができる。
以上説明したように、印刷管理システム1によれば、顧客ごとに内容が異なる印刷物を作成して提供する必要がある企業の不慣れなユーザでも、誤りなく、わかりやすい操作で、顧客ごとの印刷データを作成することができる。
【0056】
図12は、本発明の一実施形態による印刷管理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える例えばPC(Personal Computer)やサーバ端末装置である。上述のCRMシステム10、印刷データ作成システム20、印刷システム30の各々の少なくとも一部は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0057】
なお、少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、入出力インタフェース904を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0058】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【解決手段】印刷データ作成システムは、印刷物の提供先である顧客の識別情報および印刷物の内容に関係する印刷関連情報を含む顧客データを取得し、印刷関連情報に対応する属性情報の入力を受け付け、印刷関連情報の値ごとに属性情報の値を設定し、顧客データに含まれる顧客ごとに、印刷関連情報の値に応じた属性情報の値を含む印刷データを作成し、レイアウトを設定する。印刷データ作成システムは、印刷情報について、印刷物の印刷面におけるその印刷情報を印刷する所望の位置に、当該印刷情報に対応する印刷情報オブジェクトを配置することができるレイアウト設定画面を作成し、印刷情報オブジェクトのうち属性情報に対応する印刷情報オブジェクトである属性情報オブジェクトに、その属性情報オブジェクトに対応する属性情報の値を表示することができる。