(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転刃進入状態変更手段は、旋回アームおよび回転刃を含む切断装置を支持する移動フレームの位置を固定フレームに対して移動させる移動機構によって構成される、請求項1または2に記載のラベル生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
【0023】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態であるラベル生成装置10の右側面図である。
図2は、ラベル生成装置10に含まれる第1送りローラ対、第2送りローラ対および第3送りローラ対を示す図である。
【0024】
ラベル生成装置10は、シート状に折り畳まれて長尺帯状をなす筒状のラベル基材LSを所定長さずつ切断して個々のラベルLを生成するものである。ラベル生成装置10によって生成された個々のラベルLは、図示しないラベル装着装置に供給され、開口された状態で例えばPETボトル等の容器の周囲に被嵌される。
【0025】
図示しないラベル基材供給装置から繰り出されたラベル基材LSは、支持部材2の表面に約1/4周分だけ巻き掛けられることによって搬送方向が例えば水平方向から鉛直下方(矢印α方向)へと変更されて、ラベル生成装置10に供給される。
【0026】
ラベル生成装置10は、
図1及び
図2に示すように、ラベル基材LSの搬送方向に沿って上から順に、第1送りローラ対12、第2送りローラ対14および第3送りローラ対16を備える。各送りローラ対12,14,16は、互いに接触して設けられる駆動ローラ12a,14a,16aおよび従動ローラ12b,14b,16bによって構成される。各送りローラ対12,14,16の駆動ローラ12a,14a,16aには、モータ13,15,17がそれぞれ連結されている。これにより、各モータ13,15,17によって各送りローラ対12,14,16の駆動ローラ12a,14a,16aが間欠的に回転駆動されることで、ラベル基材LSが各送りローラ対12,14,16で挟持されながら所定長さずつ間欠的に搬送されるように構成されている。なお、上記の第2送りローラ対14および第3送りローラ対16が本発明における「上側送りローラ対」および「下側送りローラ対」に相当する。
【0027】
第1送りローラ対12と第2送りローラ対14との間には、マークセンサ18が配置されている。マークセンサ18は、第1送りローラ対12と第2送りローラ対14との間でラベル基材LS上の各ラベルL内にそれぞれ印刷された基準マークMを検出するためのものである。マークセンサ18は、例えば基準マークMの有無を光学的に検出するものであり、反射型のものあるいは透過型のものが用いられる。マークセンサ18の検出結果は、後述する制御部に出力される。
【0028】
図2に示すように、ラベル基材LSは、容器に装着される筒状のラベルLが連続的につながったものがシート状に折り畳まれて長尺帯状を呈する。ラベル基材LS(すなわちラベルL)は、例えば、弾性変形率が約40〜50%の高伸縮性の樹脂フィルムで形成されている。あるいは、ラベル基材LSは、熱収縮性の樹脂フィルムで形成されていてもよい。ラベル基材LSに含まれる各ラベルLには、ラベルLが被嵌されることになる容器の商品名や図柄、および、基準マークMが印刷されている。ラベル基材LSは、基準マークMに隣接した透明部の中間に位置するカット位置Cにおいて切断されることにより、所定長さを有する個々のラベルLに生成される。
【0029】
再び
図1を参照すると、ラベル生成装置10は、切断装置20を更に備える。切断装置20は、第2送りローラ対14と第3送りローラ対16との間のラベル基材切断位置Kにおいて、ラベル基材LSから個々のラベルLを切断するためのものである。本実施形態における切断装置20は、自転する円盤状の回転刃22を回転中心軸Oの周りで略水平方向に公転移動させるように構成されている。これにより、回転刃22が各1回の公転ごとにラベル基材切断位置Kでラベル基材LSを横切るように移動し、その結果、ラベル基材LSから個々のラベルLが切断形成される。なお、切断装置20の詳細については後述する。
【0030】
また、ラベル生成装置10の下方には、ラベル搬送装置90が設けられている。ラベル搬送装置90は、ラベル生成装置10によって生成されたラベルLを鉛直下方に位置するラベル受渡位置βに順次搬送するものである。ラベル搬送装置90は、第3送りローラ対16近傍及びラベル受渡位置βにそれぞれ設けられたガイドローラ91と、図示しないフィードモータの駆動によって矢印方向に回転されるプーリ92と、プーリ92に掛け渡される2本のフィードベルト93(1本のみ図示)と、フィードベルト93にラベルLを吸引保持させる吸引機構部94と、ラベルLをその下端から上端にわたってフィードベルト93に順次密着させることで吸引機構部94によるフィードベルト93へのラベルLの吸引保持動作を補助する吸引補助部95とによって構成されている。
【0031】
フィードベルト93は、テンションローラ96によって一定の張力が付与され、第3送りローラ対16の近傍とラベル受渡位置βとの間を循環移動する。フィードベルト93は、搬送しようとするラベルLの幅よりも狭い間隔で上下方向に沿って互いに平行に配置されている。各フィードベルト93には、その幅方向の中央部に長手方向に沿って多数の吸引孔が一定間隔で形成されている。
【0032】
吸引機構部94は、ガイドローラ91,91間において各フィードベルト93に沿ってそれぞれ配置された吸引室94a,94bを有する。吸引室94a,94bには、接続口97を介してコンプレッサ等の吸引装置が接続される。これにより、各吸引室94a,94bのフィードベルト93との接触面に開口する吸引口を介して、フィードベルト93の吸引孔に吸引力が作用するようになっている。
【0033】
吸引補助部95は、ラベルLの搬送経路を挟んで、各フィードベルト93に対向するように設けられており、2個一対の押圧ローラ98、2個のガイドローラ99a,99b、及び図示しないモータの駆動によって回転されるプーリ100に掛け渡されるベルト101と、このベルト101に張力を与えるためのテンション付与機構部102とから構成されている。矢印方向に回転するプーリ100により駆動されるベルト101は、フィードベルト93の移動速度と同一速度で循環移動するように設定されている。押圧ローラ98は、第3送りローラ対16から送り出されるラベルLをフィードベルト93に密着させるために、ベルト101を介してラベルLをフィードベルト93側に押圧する。
【0034】
ラベル搬送装置90の下方には、ラベル受渡装置110が設置されている。ラベル受渡装置110は、ラベル搬送装置90によってラベル受渡位置βに搬送されたラベルLを受け取り、図示しないラベル装着装置に受け渡すためのものである。ラベル受渡装置110は、ラベルLを吸着保持する複数のテイクアップ部材112を備えている。テイクアップ部材112は、図示しない駆動機構によって回転移動することによってラベル受渡位置βを通過する。この際、ラベルLは、ラベル搬送装置90からテイクアップ部材112に受け渡される。その後、ラベルLは、テイクアップ部材112によって吸引保持されながらラベル装着装置へと搬送される。
【0035】
次に、本実施形態のラベル生成装置10の切断装置20について説明する。
図3は、ラベル生成装置10を上側から見た図、
図4は、同ラベル生成装置10を右側から見た図(固定フレームを除く)である。また、
図5は、同ラベル生成装置10を正面側から見た図であり、
図6は、
図5のZ−Z線から右側面側を見た図である。
【0036】
切断装置20は、回転刃22によってラベル基材LSを横方向に切断するラベル基材切断部24と、ラベル基材LSの各カット位置Cをラベル基材切断位置Kに間欠的に搬送するラベル基材搬送部26とを備える。ここで、ラベル基材搬送部26は、上述した第2送りローラ対14および第3送りローラ対16によって構成される(
図1、
図2参照)。
【0037】
ラベル基材切断部24は、鉛直方向の回転中心軸Oから所定の半径Rの円周上を自転しながら公転する回転刃22を有する。回転刃22は、公転軌道の所定の範囲(
図3の位置Sの方向と位置Eの方向で挟まれる範囲)を移動するときにラベル基材LSと交差して、ラベル基材LSを幅方向または横方向に切断する。従って、ラベル基材切断位置Kは、
図4に示すように、ラベル基材切断部24の回転刃22が公転する平面の高さ位置に設けられている。
【0038】
回転刃22は、ベース盤27に回転自在に配設された支持軸28の中間位置に固定された板状の旋回アーム30の一方端部に回転自在に取り付けられている。回転刃22の半径は、公転半径Rの凡そ3/5である。回転刃22は、旋回アーム30に回転自在に取り付けられた回転軸32の下端に固定されている。旋回アーム30の他方端部の回転刃22に対する対称位置にはダミー刃22dが取り付けられている。ダミー刃22dは、回転刃22の公転動作における揺動を抑制するためのバランサとして機能するものである。
【0039】
支持軸28の下端には回転刃22の公転用のモータ34の回転力を伝達するためのプーリ36が固定されている。モータ34は、ベース盤27の支持軸28より背面側に寄った所定の位置に配設されている。モータ34のロータ34aとプーリ36の間にはタイミングベルト38が架け渡されている。モータ34は、サーボ機構により速度が制御されるサーボモータである。
【0040】
ラベル生成装置10を稼働させると、モータ34は、反時計回りに所定の速度で回転し、
図4に示すように、モータ34の回転力はタイミングベルト38によって支持軸28に伝達され、支持軸28が反時計方向に回転する。
図3に示すように、支持軸28の回転により旋回アーム30が反時計回り(矢印r1方向)に回転する。これにより、旋回アーム30の先端に取り付けられた回転刃22が支持軸28から半径Rの円軌道上を反時計回り(矢印r4方向)に公転する。
図3において、公転する回転刃22の周縁部22aの公転円軌道位置Tが二点鎖線で示されている。
【0041】
支持軸28の旋回アーム30の上側には、回転刃22の自転用のモータ40が設けられている。支持軸28には、モータ40の回転力を回転刃22に中継するための回転力中継部材42が回転自在に設けられている。モータ40は、板材からなる移動フレーム44の支持軸28より左側面側に寄った所定の位置に配設されている。移動フレーム44の基端部45は、ラベル生成装置10の固定フレーム21に例えばボルト等によって取り付けられている。回転刃22を含むラベル基材切断部24を支持する移動フレーム44は、後述する移動機構によってラベル基材LSに対して進退移動させることが可能である。
【0042】
モータ40のロータ41と回転力中継部材42の上部との間には、ベルト46が架け渡されている。一方、回転力中継部材42の下部と回転刃22を支持する回転軸32の上部の間にはベルト48が架け渡されている。モータ40は、サーボ機構により速度が制御されるサーボモータである。
【0043】
ラベル生成装置10を稼働させると、モータ40は、
図3において時計回り(矢印r2方向)に所定の速度で回転する。モータ40の回転力はベルト46によって回転力中継部材42に伝達され、更にベルト48によって回転軸32に伝達される。これにより、回転軸32が時計回りに回転し、回転軸32の下端に固定された回転刃22が時計回り(矢印r3方向)に自転する。
【0044】
切断装置20のラベル基材切断部24において、ベース盤27、支持軸28の中間部、この中間部に取り付けられた旋回アーム30、および、回転力中継部材42は、
図3に示すように、側壁部50aを有するカバー部材50によって側方が覆われている。側壁部50aは、例えばボルト等によって、移動フレーム44の基端部45および先端部47に固定されている。したがって、カバー部材50は、移動フレーム44と一体的に移動することができる。
【0045】
カバー部材50の側壁部50aは、回転刃22の公転円軌道位置Tに干渉しない形状および大きさに形成されている。本実施形態では側壁部50aは、上面視で略八角形状をなしている。ただし、これに限定されるものではなく、側壁部50aは例えば円筒状等の他の形状に形成されてもよい。
【0046】
また、カバー部材50の側壁部50aは、ラベル基材搬送部26側に対向する開口部52を有する。公転する回転刃22は、側壁部50aの開口部52から外側に露出した位置を公転移動するとき、ラベル基材切断位置Kにおいてラベル基材LSを切断する。
【0047】
さらに、カバー部材50は、旋回アーム30によって公転する回転刃22の公転領域(開口部52の外側を除く)の上方および下方を覆う上壁部50bおよび下壁部50cを有する。上壁部50bの上側には、自転用のモータ40が突出して設置され、下壁部の下側には公転用のモータ34やプーリ36等が配置されている。このように、ラベル基材切断位置Kを除いて、公転する回転刃22がカバー部材50によって覆われていることで、ラベル生成装置10のオペレータに対する安全性が向上する。
【0048】
図5に示すように、ラベル基材切断位置Kは、第2送りローラ対14と第3送りローラ対16の間隔の中央に位置している。第2送りローラ対14と第3送りローラ対16の間には、回転刃22がラベル基材LSを切断する際に、回転刃22を案内するとともに保護するための保護部材54が着脱可能に装着されている。
図6に示すように、保護部材54の回転刃22と対向する側面には、回転刃22が嵌まり込む溝55が設けられている。
【0049】
第3送りローラ対16は、回転刃22がラベル基材LSを切断する間は第2送りローラ対14と協働してラベル基材LSに一定の張力を与え、ラベル基材LSから先端のラベルLが切り離されると、そのラベルLを下流側に搬送する機能を果たす。第1送りローラ対12と第2送りローラ対14は、第3送りローラ対16がラベルLの搬送を開始した後、僅かに遅れてラベル基材LSの搬送を開始し、ラベル基材LSの先端が第3送りローラ対16にニップされると、第3送りローラ対16と協働してラベル基材LSの次のカット位置Cをラベル基材切断位置Kに搬送する機能を果たす。
【0050】
再び
図3を参照すると、切断装置20は、ラベル基材LSの幅方向寸法Wが変更になった場合でも、回転刃22がラベル基材LSに対する進入状態が同じになるように変更する回転刃進入状態変更手段を更に備える。本実施形態では、回転刃進入状態変更手段は、ラベル基材LSに対する回転刃22の周縁部の公転円軌道位置Tを変更することによって、ラベル基材LSに対する回転刃22の進入状態が変更される。より具体的には、回転刃進入状態変更手段は、回転刃進入状態をするラベル基材LSの幅方向端部から内側に寄った所定位置で回転刃22の周縁部がラベル基材LSと最初に接触するようにする機能を有し、旋回アーム30および回転刃22を含む切断装置20のラベル基材切断部24を支持する移動フレーム44の位置を固定フレーム21に対して移動させる移動機構60によって構成される。
【0051】
移動機構60は、ラベル生成装置10の固定フレーム21に沿って配置されたスライドガイド45aを備える。スライドガイド45aは、移動フレーム44の基端部に例えばボルト等によって固定されている。スライドガイド45aは、固定フレーム21に設けられたガイドレール23にスライド可能に係合するガイド部45cを有する。これにより、移動フレーム44は、固定フレーム21に沿って矢印X方向にスライド移動可能に設けられている。
【0052】
移動フレーム44に回転可能に支持された支持軸28の回転中心軸Oは、ラベル基材LSの幅方向中心に対向している。これにより、移動フレーム44がラベル基材LSに対して進退移動すると、移動フレーム44に支持された回転刃22の公転中心である支持軸28の回転中心軸Oがラベル基材LSの幅方向中心を通る垂線上で移動する。その結果、ラベル基材LSに対する回転刃22の公転円軌道位置Tがラベル基材LSの表面に垂直な方向に変更されることになる。本実施形態では、ラベル基材LSが鉛直方向に沿って間欠搬送されるため、回転刃22の公転円軌道位置Tは水平方向に位置変更される。なお、移動フレーム44は、後述するねじ送り機構によって位置調整された後、図示しない固定用ハンドルによって不動状態に固定される。
【0053】
スライドガイド45aの端面には雌ねじ孔45bが形成され、この雌ねじ孔45bに送りねじ64の一端部が螺合されている。送りねじ64は、固定フレーム21に立設されたねじ支持部材66によって貫通状態で回転可能に支持されている。そして、送りねじ64の他端部には、プーリ68が取り付けられている。このプーリ68の側方に隣接してシャフト支持部材70が配置されている。シャフト支持部材70は、固定フレーム21に立設されている。シャフト支持部材70は、シャフト71を貫通状態で回転可能に支持する。シャフト71の一端部には、プーリ72が取り付けられており、このプーリ72と上記プーリ68とにタイミングベルト74が巻き掛けられている。そして、シャフト71の他端部には、カウンター付きハンドル76が連結されている。
【0054】
このように構成される移動機構60では、カウンター付きハンドル76をオペレータが回転操作すると、シャフト71を介してプーリ72が回転する。この回転がタイミングベルト74を介してプーリ68に伝達されて、送りねじ64が回転する。その結果、送りねじ64の回転量に応じて雌ねじ孔45bに対する送りねじ64の螺合深さが変わることで、移動フレーム44が矢印X方向に沿って移動することになる。ここで、カウンター付きハンドル76の回転量は、そのカウンター値を読み取ることによって判る。したがって、異なる幅方向寸法のラベル基材LSに変更された場合、変更されたラベル基材LSの幅方向寸法に対応したカウンター値が表示されるようにカウンター付きハンドル76を回転操作すれば、ラベル基材LSに対する回転刃22の最初の接触位置を所望位置に設定することができる。カウンター付きハンドル76の回転操作が完了した後、シャフト71がシャフト支持部材70に対して回転しないように図示しない固定用ハンドルを操作して固定するのが好ましい。
【0055】
なお、本実施形態では、オペレータが手動で移動機構60を操作する場合について説明するが、これに限定されるものではなく、送りねじ64をモータによって回転させて回転刃22の公転円軌道位置を変更してもよい。この場合、後述する操作表示盤を通じてラベル基材LSの幅方向寸法が入力または設定されると、それに応じて図示しないモータが回転駆動されて、公転円軌道位置を自動調整することができる。
【0056】
図7は、ラベル生成装置10の電気的構成を示すブロック図である。同図において、
図1〜
図6に示される部材と同一の部材には同一の符号を付している。
【0057】
ラベル生成装置10は、制御部80を備える。制御部80は、ラベル生成装置10のモータ13,15,17によるラベル基材LSの搬送動作と回転刃22によるラベル基材LSの切断動作を統括制御する機能を果たす。制御部80は、CPU(Central Process Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含むマイクロコンピュータで構成されている。CPUがROMに記憶されたラベル基材切断動作の制御プログラムを実行することにより、ラベル基材切断部24における回転刃22のラベル基材LSの切断動作と第1〜第3送りローラ対12,14,16によるラベル基材LSの間欠搬送動作とが制御される。
【0058】
制御部80には、主制御部81が電気的に接続されている。主制御部81は、ラベル生成装置10によって生成されたラベルLを容器に装着するラベル装着装置におけるラベル装着動作を統括制御する機能を有する。制御部80は、主制御部81との間でラベル装着動作に関する制御信号とデータを相互に送受して、ラベル生成動作を制御する。
【0059】
制御部80には、第1送りローラ対12を回転駆動するためのモータ13を制御するサーボアンプ82aが接続されている。制御部80は、第1送りローラ対12を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ82aに出力すると、サーボアンプ82aからモータ13に対して駆動信号が出力され、これによりモータ13が回転駆動されて第1送りローラ対12が回転する。また、制御部80には、モータ13に取り付けられたパルスエンコーダ13aの検出信号が入力される。
【0060】
制御部80には、第2送りローラ対14を回転駆動するためのモータ15を制御するサーボアンプ82bが接続されている。制御部80は、第2送りローラ対14を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ82bに出力すると、サーボアンプ82bからモータ15に対して駆動信号が出力される。これにより、モータ15が回転駆動されて、第2送りローラ対14が回転する。また、制御部80には、モータ15に取り付けられたパルスエンコーダ15aの検出信号が入力される。このように第2送りローラ対14は、上記第1送りローラ対12とは独立して制御可能になっている。
【0061】
制御部80には、切断装置20の回転刃22を公転させるためのモータ34を制御するサーボアンプ82cが接続されている。制御部80は、回転刃22を公転動作させるための制御信号をサーボアンプ82cに出力すると、サーボアンプ82cからモータ34に対して駆動信号が出力され、これによりモータ34が回転駆動されて回転刃22が公転する。制御部80には、モータ34に取り付けられたパルスエンコーダ34aが接続されており、パルスエンコーダ34aの検出信号が入力される。
【0062】
制御部80には、切断装置20の回転刃22を自転させるためのモータ40を制御するサーボアンプ82dが接続されている。制御部80は、回転刃22を自転動作させるための制御信号をサーボアンプ82dに出力すると、サーボアンプ82dからモータ40に対して駆動信号が出力され、これにより、モータ40が回転駆動されて回転刃22が自転する。また、制御部80には、モータ40に取り付けられたパルスエンコーダ40aが接続されており、パルスエンコーダ40aの検出信号が入力される。
【0063】
制御部80には、第3送りローラ対16を回転駆動するためのモータ17を制御するサーボアンプ82eが接続されている。制御部80は、第3送りローラ対16を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ82eに出力すると、サーボアンプ82eから第3送りモータ17に対して駆動信号が出力され、これにより、モータ17が回転駆動され、第3送りローラ対16が回転する。また、制御部80には、モータ17に取り付けられたパルスエンコーダ17aの検出信号が入力される。このように第3送りローラ対16は、上記第1送りローラ対12および第2送りローラ対14とは独立して制御可能になっている。
【0064】
制御部80には、マークセンサ18が接続されており、マークセンサ18の出力信号が入力される。制御部80は、マークセンサ18からの出力信号により、マークセンサ18が、第1送りローラ対12および第2送りローラ対14間のラベル基材LS上における各ラベルLの基準マークMを検出したタイミングを認識するようになっている。制御部80は、この基準マークMを検出したタイミングに基づいてラベル基材LSの搬送量を算出し、算出された搬送量だけラベル基材LSが間欠搬送させるように第1ないし第3送りローラ対12,14,16の各モータ13,15,17を制御する。
【0065】
制御部80には、オペレータがラベル生成動作に関する各種の設定を行ったり、ラベル生成動作の状態を表示したりするための操作表示盤84が接続されている。操作表示盤84は、タッチパネル式の表示部を有しており、例えばオペレータがタッチパネルを通じて、ラベルLの生成速度(例えば、毎分当たりのラベル生成枚数)、ラベル基材LSの幅方向寸法、回転刃22の自転速度等を入力操作すると、それに応じた操作信号が制御部80に出力される。また、操作表示盤84には、制御部80からの表示データが入力され、表示部にその表示データに応じた表示内容が表示されるようになっている。
【0066】
次に、
図8〜
図10を参照して、上述した構成からなる切断装置20においてラベル基材LSの幅方向寸法が変更になった場合における回転刃22の公転円軌道位置Tの調整について説明する。
【0067】
図8は、切断装置20において幅方向寸法W1のラベル基材LSを切断するときの回転刃の公転円軌道位置を示す(a)一部拡大図及び(b)上面図である。
【0068】
図8(b)に示すように、本実施形態の切断装置20では、回転刃22を自転させながら公転移動させてラベル基材LSを切断する。この切断時においてラベル基材Lの端部(すなわちラベルLの端部)が綺麗な状態で切断されるようするには、公転移動する回転刃22の周縁部22aがラベル基材LSの幅方向端部から例えば数mm〜10mm程度の所定寸法Bだけ内側に寄った所望位置Pでラベル基材LSに最初に接触するように設定すると良いことがこの度確認された。その理由は、ラベル基材LSは柔軟な樹脂フィルムで形成されるため、公転移動してきた回転刃22の周縁部22aがラベル基材LSの幅方向端部に最初に接触すると、ラベル基材LSの幅方向端部が内側へ向かって押されることによる曲がりが生じて、切断端部が乱れる原因となるからである。なお、ラベル基材LSの材質、厚さ、伸縮性、剛性等によっては、回転刃22の周縁部22aがラベル基材LSの幅方向端部から切り込むように進入させても上記のような切断端部の乱れが生じない場合がある。その場合には、上記のように所望位置Pを狙った調整を行うことなく、ラベル基材LSを幅方向端部から切断すればよい。
【0069】
図8(b)に示す例では、ラベル基材LSの幅方向寸法W1は例えば120mmである。この場合、回転刃22の公転中心である回転中心軸Oとラベル基材LSとの間の距離はA1に設定される。この距離A1は、当然ながら、回転刃22の公転円軌道Tの半径H(=回転刃22の公転半径R+回転刃22の半径R
22)よりも短い長さに設定される。回転中心軸Oとラベル基材LSとの間の距離A1は、上述したようにラベル基材LSへの回転刃22の当たり始め位置が所望位置Pになるように移動機構60によって調整される。
【0070】
また、
図8(b)には、回転刃22の周縁部22aがラベル基材LSの所定位置Pに接触した位置で回転刃22の自転回転中心O´と公転回転中心Oとを結ぶ仮想直線25が、公転回転中心Oとラベル基材LSの幅方向中心とを結ぶ仮想直線29となす角度がθで示される。この角度θは、ラベル基材LSに対する回転刃22の周縁部22aの進入角度に相当し、
図8(a)に示すように、ラベル基材LS上の所定位置Pから回転刃22の周縁部22aが切り込んでいく方向(矢印F方向)の進入角度θと同じである。この進入角度θは、約15度〜45度程度、より好ましくは約15度〜30度程度に設定される。
【0071】
図9(a)は切断装置20において
図8(b)よりも小さい幅方向寸法W2のラベル基材LSを切断するときの回転刃の公転円軌道位置を示す上面図であり、
図9(b)は
図8(b)よりも大きい幅方向寸法W3のラベル基材LSを切断するときの回転刃の公転円軌道位置を示す上面図である。
【0072】
図9(a)に示すように、
図8(b)よりも幅方向寸法W2が狭いラベル基材LS(例えば、W2=90mm)に変更された場合、回転刃22の公転円軌道位置Tをラベル基材LSから遠ざかる方向に移動させる。具体的には、移動機構60を用いて、回転中心軸Oとラベル基材LSとの間の距離A2が
図8(b)に示した場合よりも長くなるように移動フレーム44(
図3参照)の位置を調整する(A2>A1)。これにより、ラベル基材LSが幅狭に変更された場合でも、ラベル基材LSに対する回転刃22の当たり始め位置を所望位置Pに設定することができる。
【0073】
逆に、
図9(a)に示すように、
図8(b)よりも幅方向寸法W3が広いラベル基材LS(例えば、W3=190mm)に変更された場合、回転刃22の公転円軌道位置Tをラベル基材LS側へ移動させる。具体的には、移動機構60を用いて、回転中心軸Oとラベル基材LSとの間の距離A3を
図8(b)に示した場合よりも短くなるように、移動フレーム44の位置を調整する(A3<A1)。これにより、ラベル基材LSが幅広に変更された場合でも、ラベル基材LSに対する回転刃22の当たり始め位置を所望位置Pに設定することができる。
【0074】
上述したように本実施形態のラベル生成装置10によれば、回転刃進入状態変更手段によって、ラベル基材LSの幅方向寸法が変更になった場合でも、ラベル基材LSの幅方向端部から内側に寄った所望位置Pで回転刃22の周縁部22aがラベル基材LSと接触するように、ラベル基材LSに対する回転刃22の周縁部22aの公転円軌道位置Tを変更することができる。また、このように公転円軌道位置Tを変更することで、回転刃22が所定位置Pからラベル基材LSに切り込んでいくときの進入角度θ(
図8(b)参照)を、約15度〜45度程度(より好ましくは約15度〜30度程度)の範囲で調整することができる。これにより、幅方向寸法が異なるラベル基材LSについて回転刃22の進入状態の調整を容易かつ迅速に行うことができる。また、適用可能なラベル基材LSの幅方向寸法範囲が従来では例えば90mm〜120mmであったものが例えば90mm〜190mmに広がり、その結果、ラベル生成装置10の汎用性が向上する。
【0075】
図10は、回転刃22の回転方向および回転数について説明するための図である。本実施形態の切断装置20では、回転刃22の自転方向(矢印r3方向)は、回転刃22の公転方向(すなわち、旋回アーム30の回転方向、矢印r4方向)と反対方向としている。その理由は、自転する回転刃22がラベル基材LSに対して当たり始めたときにラベル基材LSが外側へ引っ張られる力が作用し、引き切り状態で切り込んでいくことができ、ラベル基材の切断端面が綺麗に仕上がるからである。
【0076】
また、この場合、回転刃22の自転回転数は、回転刃22の公転回転数の3倍〜7倍程度、より好ましくは4倍〜6倍程度に設定されるのが良く、例えば約5倍程度とするのが最も好ましい。その理由は、次の通りである。
【0077】
回転刃22の周縁部の公転円軌道Tの直径は、公転直径D1に回転刃22の直径D2を加えた長さ(D1+D2)になり、公転円軌道Tの周長はπ(D1+D2)になる。したがって、公転による回転刃の周縁部の周速Vkは、公転回転数N1(rpm)としたとき、Vk=π(D1+D2)×N1となる。これに対し、回転刃22の周長はπD1であるから、回転刃22の自転による周速Vgは、回転刃22の自転回転数N2(rpm)としたとき、Vg=πD1×N2となる。回転刃22の公転方向と自転方向が反対であるため、Vk=Vgとなるとき、回転刃22の周縁部22aの公転による周速が自転による周速によって相殺されて、見かけ上、回転刃22が回転していないのと等しくなる。
【0078】
具体的には、N1=Vk/π(D1+D2)であり、N2=Vg/πD1であるから、回転数比N2/N1=Vg/πD1÷Vk/π(D1+D2)で表される。ここで、Vk=Vgの条件を代入すると、回転数比N2/N1は下記の式(1)で表すことができる。
N2/N1=Vg/π(D1+D2)×π(D1+D2)/Vg
=(D1+D2)/D1 ・・・(1)
【0079】
したがって、回転刃22の自転回転数N2と公転方向N1との比N2/N1が上記式(1)を満たすとき、回転刃22の周縁部22aの公転による周速Vkが自転による周速Vgによって相殺されて、見かけ上、回転刃22が回転していないのと等しくなる。具体例として、回転刃22の公転直径D1=250mm、回転刃22の直径D2=150mmの場合、(250mm+150mm)/150mm=2.67倍で回転刃22の周縁部22aの速度が相対的にゼロになる。そうなると、ラベル基材LSに対する回転刃22の切り込み具合が鈍くなり、ラベル基材LSの切断端面が荒れた状態になり易い。したがって、ラベルLの切断端面を綺麗に仕上げるためには、回転刃22の自転回転数N2は、回転刃22の公転回転数N1の約3倍以上とするのが好ましい。
【0080】
逆に、回転刃22の自転回転数N2が公転回転数N1の7倍より大きくなると、自転速度が速くなり過ぎるために、ラベル基材LSの切断端面と回転刃22の周縁部以外の表面との擦れによってフィルム材料や印刷層のカスが出やすくなるためである。したがって、カスの発生を抑制するためには、回転刃22の自転回転数N2を公転回転数N1の約7倍以下とするのが好ましい。
【0081】
図11(a),(b)は、ラベル生成装置10の切断装置において、旋回アーム30Aの長さを調整することにより回転刃22の公転円軌道位置を変更する変形例を示す図である。この変形例の旋回アーム30Aは、支持軸28(
図3、
図4参照)に連結される回転部材31aと、2つのアーム先端部分31bとを、ねじ軸31cでそれぞれ接続して構成される。この構成によれば、ねじ軸31cに螺合したアーム先端部分31bを回転させることによって回転部材31aとアーム先端部分31bとの間の距離を変更することができ、アーム半径を調整することができる。
【0082】
より詳しくは、
図11(a)に示すように、回転部材31aとアーム先端部分31bとが接触した状態(アーム半径ra)とすることで、回転刃22の周縁部22aの公転軌跡である公転円軌道位置T2の半径H2が最小となり、
図9(a)の場合と同様に、幅方向寸法W2が狭いラベル基材LSの切断に適用できる。反対に、
図11(b)に示すように、回転部材31aとアーム先端部分31bとが離れた状態(アーム半径rb(rb>ra))とすることで、回転刃22の周縁部22aの公転軌跡である公転円軌道位置T3の半径H3が大きくなり、
図9(b)の場合と同様に、幅方向寸法W3が広いラベル基材LSの切断に適用できる。
【0083】
このように旋回アーム30Aを伸縮可能に構成して、旋回アーム30Aの回転中心軸Oから回転刃22の回転中心位置までのアーム長さを変更する変更機構を設けることで、回転刃22の公転円軌道位置を変更することができ、その結果、異なる幅方向寸法のラベル基材LSを切断してラベルLを生成する際の設定を容易に行うことができる。なお、この場合、固定フレーム21に対して移動フレーム44を移動させる移動機構60(
図3参照)を省略することができる。
【0084】
<第2実施形態>
次に、
図12〜
図15を参照して、第2実施形態のラベル生成装置10Aについて説明する。
図12は、第2実施形態であるラベル生成装置10Aの右側面図である。以下においては、上述した第1実施形態のラベル生成装置10と同一の構成には同一符号を付して、重複する説明を行わない。
【0085】
図12に示すように、本実施形態のラベル生成装置10Aにおける切断装置20Aは、ラベル基材切断位置Kの上下両側の近傍位置でラベル基材LSをクランプするクランプ装置120を備えており、その代わりに上記第1実施形態の切断装置20における保護部材54が省略されている。他の構成は、第1実施形態の切断装置20と同様である。
【0086】
図13(a)は
図12に示したクランプ装置120の上面図であり、(b)は同クランプ装置120の側面図である。
図14(a),(b)はクランプ装置120がラベル基材LSをクランプした状態を示す上面図および側面図である。
図13(a),(b)に示すように、クランプ装置120は、上側クランプ部材122、下側クランプ部材124、および、アクチュエータ130を有する。
【0087】
上側クランプ部材122は、内側クランプバー122aと、外側クランプバー122bとを含む。内側クランプバー122a(他のクランプバーも同様)は、例えば、ステンレス製丸棒等の金属棒によって形成されている。内側クランプバー122aの2本の脚部は、アクチュエータ130の第1出力部134に連結されている。外側クランプバー122bは、内側クランプバー122aより少し大きい相似形状に形成され、2本の脚部がアクチュエータ130の第2出力部136に連結されている。
【0088】
図13(a)に示すように、内側クランプバー122aの先端部分と外側クランプバー122bの先端部分との間には、間欠搬送されるラベル基材LSが通されている。
図13(a)に示す状態では、アクチュエータ130が非作動状態にあるため、内側クランプバー122aおよび外側クランプバー122bはラベル基材LSを解放(リリース)した状態にある。
【0089】
図13(b)に示すように、下側クランプ部材124は、上側クランプ部材122から僅かな隙間Gを隔てて下方に配置されている。この隙間Gは、回転刃22の厚み(例えば、1.7mm)の約2倍程度(約3〜4mm程度)に設定されるのが好ましい。下側クランプ部材124は、上側クランプ部材122と平行に配置されている。
【0090】
下側クランプ部材124は、上側クランプ部材122と同様に、内側クランプバー124aおよび外側クランプバー124bを含む。内側クランプバー124aは、上側クランプ部材122の内側クランプバー122aと同じ形状に形成され、2本の脚部がアクチュエータ130の第1出力部134に連結されている。また、外側クランプバー124bも同様に、上側クランプ部材122の外側クランプバー122bと同じ形状に形成され、2本の脚部がアクチュエータ130の第2出力部136に連結されている。
【0091】
アクチュエータ130は、本体部132と、本体部132の一方側(すなわちラベル基材LSに対向する側)の端部に進退移動可能に設けられた第1出力部134と、本体部132の他方側(すなわちラベル基材LSとは反対側)の端部に進退移動可能に設けられた第2出力部136とを有する。アクチュエータ130は、本体部132がブラケットによってラベル生成装置10の固定フレーム21等に取り付けられている。
【0092】
アクチュエータ130は、制御部80(
図7参照)から送信される制御信号を受けて作動する。アクチュエータ130には、例えば、ボイスコイルモータが好適に用いられる。ボイスコイルモータは、モータ単体では例えば10,000Hz以上の高周波数での作動が可能であり、ラベル生成速度の高速化に適している。
【0093】
アクチュエータ130の作動時には、第1出力部134が本体部132から矢印Y1方向に突出して上側および下側クランプ部材122,124の各内側クランプバー122a,124aをラベル基材LSに向かって押し、他方、第2出力部136は本体部132から矢印Y2方向に突出して上側および下側クランプ部材122,124の各外側クランプバー122b,124bをラベル基材LSに向かって引き付ける。これにより、ラベル基材LSは、
図14(a),(b)に示すように、ラベル基材切断位置Kの上方近傍位置において上側クランプ部材122によってクランプされるとともに、ラベル基材切断位置Kの下方近傍位置において下側クランプ部材124によってクランプされる。このようにクランプされた状態で、
図14(b)に示すように、切断装置20Aの回転刃22の周縁部22aが上側クランプ部材122と下側クランプ部材124との間を横切って進入し、ラベル基材LSを切断する。
【0094】
図15(a)は第2実施形態の切断装置20Aにおいてラベル基材LSが切断されるときの状態を拡大して示す側面図であり、同(b)は比較例である切断装置においてラベル基材LSが切断されるときの状態を拡大して示す側面図である。
【0095】
ラベル基材LSを切断するとき、
図15(b)に示すように、回転刃22が通過する高さ位置の上下近傍位置でラベル基材LSの裏面側を当接支持するだけでは、ラベル基材LSが回転刃22から逃げるように押されることによって、例えば、波打ったような切断面、ひげが出た切断面等の乱れた切断面になることがある。これは、例えば、第2送りローラ対14と第3送りローラ対16間に位置するラベル基材LSの張力が何らかの原因で緩んだ場合に生じ得る。
【0096】
これに対し、本実施形態の切断装置20Aでは、
図15(a)に示すように、ラベル基材LSがラベル基材切断位置Kの上下両側の近傍位置において上側クランプ部材122および下側クランプ部材124によってクランプされた状態で、回転刃22によって切断される。したがって、ラベル基材LSを適度に緊張した状態で安定的に切断することができる。その結果、ラベルLの切断面が乱れるのを抑制できる。
【0097】
図16は、第2実施形態の切断装置20Aにおける回転刃22の回転角度位置の具体例を示す上面図であり、
図17は、第2および第3送りローラ対14,16、回転刃22、ならびに、クランプ装置120の動作を示すタイミングチャートである。
【0098】
図16及び
図17に示した例は、幅方向寸法W=120mmのラベル基材LSを、公転直径D1=250mmで公転しながら自転する直径D2=150mmの回転刃22を用いて切断する場合を示す。また、角度範囲は、回転刃22がラベル基材LSから最も遠ざかる位置を原点0°(=360°)とし、そこから反時計回り(矢印r4方向)に90°、180°、270°としている。また、
図17において、最上段は第2送りローラ対14の搬送動作、2段目は第3送りローラ対16の搬送動作、3段目は回転刃22の回転動作、4段目はクランプ装置120の動作を表している。さらに、下記の時間は、ラベル生成速度が720枚/分に設定された場合の、回転刃22の公転周期83.33msecに基づいて算出された時間である。
【0099】
図16及び
図17を参照すると、回転刃22は、0°から360°まで1回転公転する間に、ラベル基材LSを切断して、1枚のラベルLを生成する。第2送りローラ対14および第3送りローラ対16は協働してラベル基材LSを鉛直下方に搬送し、回転刃22が角度133°の位置にあるタイミングで、次のラベルLの上側のカット位置Cをラベル基材切断位置Kに停止させる。
【0100】
クランプ装置120は、回転刃22が80.2°に位置するタイミングでクランプ動作を開始し、同145°のタイミングでラベル基材LSのクランプを完了する。クランプ装置120のアクチュエータ130として、ボイスコイルモータを用いた場合、上側および下側クランプ部材122,124の各内側クランプバー122a,124aおよび各外側クランプバー122b,124bは3mmのストロークでラベル基材LSに対して6Nの押圧力で当接(すななちクランプ完了)することができる。この場合、同角度80.2°から145°までのクランプ動作完了に要する時間は15msecであり、ラベル基材LSの搬送停止から約2.8msecでクランプ動作を完了できる。
【0101】
同角度133°のタイミングでラベル基材LSが搬送停止された後、同角度156.9°のタイミングでラベル基材LSの切断を開始し、同角度203.1°のタイミングで切断を完了する。この切断動作の間の角度範囲は46.2°であり、これに相当する切断時間は10.69msecである。
【0102】
ラベル基材LSの切断が完了すると、同角度227°のタイミングで第3送りローラ対16が、切断されたラベルLの搬送を開始する。これに遅れた同角度243°のタイミングで第2送りローラ対14が(第1送りローラ対12と協働して)ラベル基材LSの搬送を開始する。
【0103】
クランプ装置120は、第3送りローラ対16がラベルLの搬送を開始するのに先立ち、同角度215°のタイミングでリリース動作(すなわちクランプ解除動作)を開始する。これにより、第3送りローラ対16によるラベルLの搬送が可能になる。そして、クランプ装置120は、クランプ動作時と同様に、所要時間15msecでリリース動作を完了する。
【0104】
このように本実施形態における切断装置20Aにおいて、クランプ装置120のアクチュエータ130としてボイスコイルモータを用いた場合には、十分なクランプ力で且つ短時間でラベル基材LSのクランプおよびリリースが可能であり、720枚/minという高速のラベル生成速度にも十分に対応可能である。
【0105】
なお、本発明に係るラベル生成装置は、上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の変更や改良が可能であることを付言しておく。