(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。なお、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際のものと異なる個所があるが、これらは適宜、設計変更することができる。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
実施形態に係る吐出システムは、ピエゾジェット方式で所定の薬液を吐出する。たとえば、吐出システムは、オペレータの操作に従って、マイクロプレートなどに数ピコリットル(pL)から数マイクロリットル(μL)の薬液を吐出する。たとえば、吐出システムは、生物学、化学又は薬学などの分野における研究所などで用いられる。
【0009】
実施形態の吐出システムの物理的な構成例について
図1乃至
図5を参照して説明する。
図1は、吐出システム500の概略構成を示す斜視図である。
図2は、薬液吐出装置2の上面図である。
図3は、薬液吐出装置2の液滴を吐出する面である下面図を示す。
図4は、
図2のF4−F4線断面図を示す。
図5は、
図4のF5−F5線断面図である。
【0010】
図1に示すように、吐出システム500は、薬液滴下装置1、薬液吐出装置2及び後述するホストコンピュータ18などから構成される。なお、吐出システム500は、
図1に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0011】
薬液滴下装置1は、薬液吐出装置2を制御して薬液吐出装置2に充填された薬液を滴下する。
薬液滴下装置1は、矩形平板状の基台3と、薬液吐出装置2を装着する装着モジュール5(装着部)と、形成部20と、を有する。実施形態では、薬液滴下装置1が1536穴のマイクロプレート4へ薬液を滴下するものとする。ここでは、基台3の前後方向をX方向、基台3の左右方向をY方向と称する。X方向とY方向とは直交する。
【0012】
マイクロプレート4は、基台3に固定される。マイクロプレート4は、複数個のウエル開口300を備える。マイクロプレート4の各ウエル開口300は、所定の薬液を保持する。たとえば、薬液は、細胞、血球、細菌、血漿、抗体、DNA、核酸又はタンパク質を含有した溶液などである。
【0013】
薬液滴下装置1は、基台3の上に、マイクロプレート4の両側に、X方向に延設された左右一対のX方向ガイドレール6a及び6bを有する。各X方向ガイドレール6a及び6bの両端部は、基台3上に突設された固定台7a及び7bに固定される。
【0014】
X方向ガイドレール6a及び6b間には、Y方向に延設されたY方向ガイドレール8が架設される。Y方向ガイドレール8の両端は、X方向ガイドレール6a及び6bに沿ってX方向に摺動可能なX方向移動台9にそれぞれ固定される。
【0015】
Y方向ガイドレール8には、装着モジュール5がY方向ガイドレール8に沿ってY方向に移動可能なY方向移動台10が設けられる。Y方向移動台10には、装着モジュール5が装着される。装着モジュール5には、実施形態の薬液吐出装置2が固定される。
【0016】
Y方向移動台10がY方向ガイドレール8に沿ってY方向に移動する動作と、X方向移動台9がX方向ガイドレール6a及び6bに沿ってX方向に移動する動作との組み合わせにより、薬液吐出装置2は、直交するXY方向の任意の位置に移動可能に支持される。
【0017】
形成部20は、後述するプロセッサ15(制御部)からの信号に基づいて、薬液吐出装置2の記録部30を開口する。形成部20は、記録部30の位置に対応する位置に形成される。たとえば、形成部20は、薬液吐出装置2が所定の位置(たとえば、初期位置など)にある場合に記録部30がある位置の下部に形成される。
【0018】
たとえば、形成部20は、記録部30を開口するための切断刃などから構成される。形成部20については、後に詳述する。
【0019】
装着モジュール5には、薬液吐出装置2を固定するスリット32が形成される。スリット32の前面開口部側から薬液吐出装置2がスリット32の内部に挿入されると、薬液吐出装置2は、薬液滴下装置1に固定される。
【0020】
装着モジュール5は、駆動回路11及び読取部14など備える。
駆動回路11は、プロセッサ15からの信号に基づいて薬液吐出装置2を駆動させる。たとえば、駆動回路11は、薬液吐出装置2から薬液を吐出させるために信号及び電力などを薬液吐出装置2へ供給する。
【0021】
読取部14は、記録部30の開口状態を読み取る。即ち、読取部14は、記録部30が開口されているかを読み取る。読取部14は、記録部30の位置に対応する位置に形成される。たとえば、読取部14は、装着モジュール5に薬液吐出装置2がセットされた場合に記録部30がある位置の下部又は上部に形成される。
【0022】
読取部14は、記録部30が開口されているか否かを示す信号をプロセッサ15に送信する。
たとえば、読取部14は、記録部30にレーザを照射する照射部及びレーザの反射を検出する検出部などから構成される。読取部14については、後に詳述する。
【0023】
薬液吐出装置2は、薬液滴下装置1の制御に基づいて薬液を吐出する。
薬液吐出装置2は、矩形板状の板体である平板状のベース部材21を有する。
図2に示すようにベース部材21の表面側には、複数の薬液保持容器22がY方向に一列に並設される。実施形態では8個の薬液保持容器22で説明しているが、個数は8個に限らない。薬液保持容器22は、
図4に示すように上面が開口された有底円筒形状の容器である。ベース部材21の表面側には、各薬液保持容器22と対応する位置に円筒形状の薬液保持容器用凹陥部21aが形成される。
【0024】
薬液保持容器22の底部は、薬液保持容器用凹陥部21aに接着固定される。さらに、薬液保持容器22の底部には、中心位置に薬液出口となる下面開口部22aが形成される。薬液保持容器22の上面開口部22bの開口面積は、薬液出口の下面開口部22aの開口面積よりも大きくなっている。
【0025】
また、ベース部材21の両端には、装着モジュール5へ装着固定させるための装着固定用切欠き28(係合部)がそれぞれ形成される。装着固定用切欠き28は、装着モジュール5に係合する。ベース部材21の2つの切欠き28は、半長円形の切欠き形状に形成される。なお、装着固定用切欠き28は、半円形、半楕円形又は三角形の切欠き形状等であってもよい。実施形態では2つの切欠き28の形状は、互いに異なる。これにより、ベース部材21の左右の形状が異なり、ベース部材21の姿勢の確認が行いやすくなっている。
【0026】
また、薬液吐出装置2は、ベース部材21上に記録部30を備える。ベース部材21は、記録部30が形成される位置に所定の大きさの開口部を備える。記録部30は、開口部を塞ぐように形成される。薬液吐出装置2は、薬液滴下装置1にセットされた場合に、読取部14が読取可能な位置に記録部30を備える。
図2に示す例では、薬液吐出装置2は、Y軸方向において右側に記録部30を備える。
【0027】
記録部30は、薬液吐出装置2が使用済みであるか(使用履歴)を示す。即ち、記録部30は、薬液保持容器22から薬液が吐出されたかを示す。記録部30は、開口されているか否か(開口状態)によって使用履歴を示す。即ち、記録部30は、使用履歴に基づいて開口される(形状が変更される)。
【0028】
記録部30は、開口されていない場合、使用履歴として薬液吐出装置2が使用済みでない(未使用である)ことを示す。また、記録部30は、開口されている場合、使用履歴として薬液吐出装置2が使用済みであることを示す。
【0029】
記録部30は、形成部20が開口可能な素材から構成される。たとえば、記録部30は、シートフィルムなどから構成される。
【0030】
記録部30は、薬液吐出装置2の製造時に、ベース部材21の開口部に形成される。記録部30は、初期状態において、開口されていない。
【0031】
図3に示すようにベース部材21の裏面側には、薬液保持容器22と同数の電装基板23がY方向に一列に並設される。電装基板23は、矩形状の平板部材である。ベース部材21の裏面側には、
図4に示すように電装基板23の装着用の矩形状の電装基板用凹陥部21bと、電装基板用凹陥部21bと連通する薬液吐出アレイ部開口21dとが形成される。電装基板用凹陥部21bの基端部は、ベース部材21の
図3中で上端部近傍位置(
図4中で右端部近傍位置)まで延設される。電装基板用凹陥部21bの先端部は、
図4に示すように薬液保持容器22の一部と重なる位置まで延設される。電装基板23は、電装基板用凹陥部21bに接着固定される。
【0032】
電装基板23には、電装基板用凹陥部21bとの接着固定面とは反対側の面に電装基板配線24がパターニング形成される。電装基板配線24には、駆動素子130にそれぞれ接続する配線パターン24a及び24bが形成される。
【0033】
電装基板配線24の一端部には、駆動回路11からの電気信号(駆動信号ともいう)を入力するための制御信号入力端子25が形成される。電装基板配線24の他端部には、電極端子接続部26を備える。
【0034】
また、ベース部材21には、薬液吐出アレイ部開口21dが設けられる。
図3に示すように、薬液吐出アレイ部開口21dは、矩形状の開口部で、ベース部材21の裏面側に薬液保持容器用凹陥部21aと重なる位置に形成される。
【0035】
薬液保持容器22の下面には、薬液保持容器22の下面開口部22aを覆う状態で薬液吐出アレイ27が接着固定される。薬液吐出アレイ27は、ベース部材21の薬液吐出アレイ部開口21dと対応する位置に配置される。
【0036】
図5に示すように薬液吐出アレイ27は、ノズルプレート100と、圧力室構造体200とが積層されて形成される。ノズルプレート100は、薬液を吐出するノズル110と、振動板120と、駆動部である駆動素子130と、駆動素子130を絶縁する絶縁膜140と、保護層である保護膜150と、撥液膜160とを備える。振動板120と駆動素子130とによってアクチュエータ170が構成される。複数のノズル110は、例えば3×3列に配列される。実施形態の複数のノズル110は、薬液保持容器22の薬液出口の下面開口部22aの内側に位置する。薬液保持容器22、圧力室構造体200及びアクチュエータ170などは、薬液を吐出する吐出部を形成する。
【0037】
振動板120は、例えば圧力室構造体200と一体に形成される。圧力室構造体200を製造するためのシリコンウエハ201を酸素雰囲気で加熱処理すると、シリコンウエハ201の表面にSiO
2(酸化シリコン)膜が形成される。振動板120は、酸素雰囲気で加熱処理して形成されるシリコンウエハ201の表面のSiO
2(酸化シリコン)膜を用いる。振動板120は、シリコンウエハ201の表面にCVD法(化学的気相成膜法)でSiO
2(酸化シリコン)膜を成膜して形成しても良い。
【0038】
振動板120の膜厚は、1〜30μmの範囲が好ましい。振動板120は、SiO
2(酸化シリコン)膜に代えて、SiN(窒化シリコン)等の半導体材料、或いは、Al
2O
3(酸化アルミニウム)等を用いることもできる。
【0039】
駆動素子130は、各ノズル110に形成される。駆動素子130は、ノズル110を囲む円環状の形状である。駆動素子130の形状は限定されず、例えば円環の一部を切り欠いたC字状でも良い。
【0040】
駆動素子130は、電極端子接続部26と電気的に接続する。駆動素子130は、電極端子接続部26から供給される電力で駆動する。
【0041】
駆動素子130は、圧電材料である圧電体膜を備え、PZT(Pb(Zr,Ti)O
3:チタン酸ジルコン酸鉛)を用いた。駆動素子130が備える圧電体膜は、例えばPTO(PbTiO
3:チタン酸鉛)、PMNT(Pb(Mg
1/3Nb
2/3)O
3−PbTiO
3)、PZNT(Pb(Zn
1/3Nb
2/3)O
3−PbTiO
3)、KNN(KNbO
3とNaNbO
3の化合物)、ZnO、AlN等の圧電材料を用いることもできる。
【0042】
駆動素子130が備える圧電体膜は、厚み方向に分極を発生する。分極と同じ方向の電界を駆動素子130に印加すると、駆動素子130は、電界方向と直交する方向に伸縮する。即ち、駆動素子130は、膜厚に対して直交する方向に収縮又は伸長する。
【0043】
ノズルプレート100は、保護膜150を備える。保護膜150は、振動板120のノズル110に連通する円筒状の薬液通過部141を備える。
【0044】
ノズルプレート100は、保護膜150を覆う撥液膜160を備える。撥液膜160は、薬液をはじく特性のある例えばシリコン系樹脂をスピンコーティングして形成される。撥液膜160は、フッ素含有樹脂等の薬液をはじく特性を有する材料で形成することもできる。
【0045】
圧力室構造体200は、振動板120と反対側の面に、反り低減層である反り低減膜220を備える。圧力室構造体200は、反り低減膜220を貫通して振動板120の位置に達し、ノズル110と連通する圧力室210を備える。圧力室210は、例えばノズル110と同軸上に位置する円形に形成される。
【0046】
圧力室210は薬液保持容器22の下面開口部22aに連通する開口部を備える。圧力室210の開口部の幅方向のサイズDより、深さ方向のサイズLを大きくすることが好ましい。深さ方向のサイズL>幅方向のサイズDとすることにより、ノズルプレート100の振動板120の振動により、圧力室210内の薬液にかかる圧力が、薬液保持容器22へ逃げるのを遅らせる。
【0047】
圧力室構造体200は、圧力室210の振動板120が配置される側を第1の面200aとし、反り低減膜220が配置される側を第2の面200bとする。圧力室構造体200の反り低減膜220側には例えばエポキシ系接着剤により薬液保持容器22が接着される。圧力室構造体200の圧力室210は、反り低減膜220側の開口部で、薬液保持容器22の下面開口部22aに連通する。
【0048】
振動板120は、面状の駆動素子130の動作により厚み方向に変形する。薬液吐出装置2は、振動板120の変形により圧力室構造体200の圧力室210内に発生する圧力変化によって、ノズル110に供給された薬液を吐出する。
【0049】
次に、形成部20について説明する。
図6は、形成部20の構成例を示す図である。
図6(a)は、形成部20のデフォルトの状態を示す。
図6(b)は、形成部20が開口動作を行う状態を示す。
【0050】
図6に示すように、形成部20は、支柱33、切断刃34及びロータリーソレノイド35などから構成される。
【0051】
支柱33は、所定の高さに切断刃34及びロータリーソレノイド35を支持する。支柱33は、基台3に設置される。
【0052】
切断刃34は、支柱33の上端にロータリーソレノイド35を介して設置される。切断刃34は、先端に上向きの凸部を備える。切断刃34は、凸部に刃を有する。
【0053】
ロータリーソレノイド35は、支柱33の先端に設置される。ロータリーソレノイド35の回転部は、切断刃34と接続する。即ち、ロータリーソレノイド35は、切断刃34を回転可能なように切断刃34と接続する。
【0054】
ロータリーソレノイド35は、プロセッサ15からの信号に基づいて切断刃34を回転させる。たとえば、ロータリーソレノイド35は、プロセッサ15からの信号に基づいて後述する形成部制御回路19などの電力を用いて回転部を回転させることで、切断刃34を回転させる。
【0055】
図6(a)に示すように、ロータリーソレノイド35は、初期状態において切断刃34を記録部30と接しない状態に維持する。
【0056】
また、
図6(b)に示すように、ロータリーソレノイド35は、プロセッサ15の信号によって切断刃34を回転させ、記録部30を開口させる。
【0057】
次に、読取部14について説明する。
図7は、読取部14の構成例を示す図である。
図7(a)は、記録部30が開口されていない場合の例を示す。
図7(b)は、記録部30が開口されている場合の例を示す。
【0058】
図7に示すように、読取部14は、照射部36及び検出部37などから構成される。
照射部36は、所定の角度で記録部30にレーザなどの光を照射する。照射部36は、可視光を照射してもよいし、不可視光を照射してもよい。照射部36は、検出部37が記録部30からの反射光を検出することができる角度で記録部30に光を照射する。たとえば、照射部36は、LED光源などから構成される。
【0059】
検出部37は、照射部36が記録部30に照射した光の反射光を検出する。検出部37は、反射光を検出すると、所定の信号(検出信号)をプロセッサ15へ送信する。たとえば、検出部37は、フォトダイオードなどである。
【0060】
図7(a)は、検出部37が反射光を検出する場合の例を示す。
図7(a)に示すように、照射部36は、記録部30に光を照射する。記録部30は、開口されていないため光を検出部37に反射する。その結果、検出部37は、反射光を検出する。
【0061】
図7(b)は、検出部37が反射光を検出しない場合の例を示す。
図7(b)に示すように、照射部36は、記録部30に光を照射する。記録部30は、開口されているため光を反射しない。その結果、検出部37は、反射光を検出しない。
【0062】
読取部14は、記録部30が開口されていないことを示す信号として、検出部37の検出信号をプロセッサ15へ送信する。
【0063】
次に、吐出システム500の制御系について説明する。
図8は、吐出システム500の制御系を示すブロック図である。
前述のように、吐出システム500は、薬液滴下装置1、薬液吐出装置2及びホストコンピュータ18などを備える。
【0064】
ホストコンピュータ18は、オペレータからの操作に従って薬液滴下装置1を制御する。ホストコンピュータ18は、操作部18a及び表示部18bなどを備える。また、ホストコンピュータ18は、プロセッサ、RAM、ROM及びNVMなどから構成される。
【0065】
操作部18aは、オペレータの操作の入力を受け付ける。操作部18aは、たとえば、キーボード、マウス又はタッチパネルなどである。
【0066】
表示部18bは、プロセッサ15の制御により種々の情報を表示する。表示部18bは、たとえば、液晶モニタから構成される。操作部18aがタッチパネルなどで構成される場合、表示部18bは、操作部18aと一体的に形成されてもよい。
【0067】
ホストコンピュータ18は、操作部18aを通じて種々の操作を受け付ける。たとえば、ホストコンピュータ18は、薬液保持容器22に薬液を充填したことを示す操作を受け付ける。また、ホストコンピュータ18は、薬液保持容器22から薬液を吐出する操作を受け付ける。
【0068】
ホストコンピュータ18は、薬液保持容器22から薬液を吐出する操作を受け付けると、薬液滴下装置1に薬液を吐出させる信号を送信する。
なお、ホストコンピュータ18は、薬液保持容器22ごとに操作を受け付けてもよい。たとえば、ホストコンピュータ18は、薬液保持容器22ごとに薬液を充填したことを示す操作又は薬液を吐出する操作を受け付けてもよい。
【0069】
図8に示すように、薬液滴下装置1は、X方向移動台制御回路9a、X方向移動台モータ9b、Y方向移動台制御回路10a、Y方向移動台モータ10b、駆動回路11、読取部制御回路13、読取部14、プロセッサ15、メモリ16、インターフェース17、形成部制御回路19及び形成部20などを備える。これらの各部は、データバスを介して互いに接続される。なお、薬液滴下装置1は、
図8に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0070】
プロセッサ15は、薬液滴下装置1全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ15は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ15は、内部キャッシュ、メモリ16などが予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0071】
なお、プロセッサ15がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ15は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0072】
メモリ16は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ16は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、薬液滴下装置1の仕様に応じて予め組み込まれる。制御プログラムは、薬液滴下装置1で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0073】
また、メモリ16は、プロセッサ15の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ16は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0074】
インターフェース17は、ホストコンピュータ18とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、インターフェース17は、有線又は無線回線を介してホストコンピュータ18と接続する。たとえば、インターフェース17は、LAN接続、USB接続又はbluetooth(登録商標)接続をサポートするものであってもよい。
【0075】
X方向移動台制御回路9aは、プロセッサ15からの信号に基づいてX方向移動台モータ9bを駆動する。X方向移動台制御回路9aは、X方向移動台モータ9bに信号又は電力を供給してX方向移動台モータ9bを駆動する。
【0076】
X方向移動台モータ9bは、X方向移動台9をX方向に移動させる。たとえば、X方向移動台モータ9bは、ギアなどを介してX方向移動台9に接続し、X方向移動台9をX方向に移動させる。
【0077】
Y方向移動台制御回路10aは、プロセッサ15からの信号に基づいてY方向移動台モータ10bを駆動する。Y方向移動台制御回路10aは、Y方向移動台モータ10bに信号又は電力を供給してY方向移動台モータ10bを駆動する。
【0078】
Y方向移動台モータ10bは、Y方向移動台10をY方向に移動させる。たとえば、Y方向移動台モータ10bは、ギアなどを介してY方向移動台10に接続し、Y方向移動台10をY方向に移動させる。
【0079】
読取部制御回路13は、プロセッサ15からの信号に従って読取部14を駆動する。たとえば、読取部制御回路13は、読取部14の照射部36に電力を供給する。また、読取部制御回路13は、読取部14の検出部37の検出信号をプロセッサ15へ送信する。
【0080】
形成部制御回路19は、プロセッサ15からの信号に従って形成部20を駆動する。たとえば、形成部制御回路19は、ロータリーソレノイド35に電力を供給する。形成部制御回路19は、ロータリーソレノイド35を所定の角度回転させたら、回転を停止させる。所定の角度とは、記録部30を開口させるための角度である。
【0081】
薬液吐出装置2、駆動回路11、読取部14及び形成部20は、前述の通りである。
【0082】
次に、薬液滴下装置1のプロセッサ15が実現する機能について説明する。以下の機能は、プロセッサ15がメモリ16などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0083】
まず、プロセッサ15は、記録部30から使用履歴を読み取る機能を有する。
プロセッサ15は、薬液吐出装置2が装着モジュール5にセットされたか判定する。たとえば、プロセッサ15は、センサからの信号に従って薬液吐出装置2が装着モジュール5にセットされたか判定する。
【0084】
薬液吐出装置2が装着モジュール5にセットされたと判定すると、プロセッサ15は、読取部14を通じて記録部30の開口状態(形状)を読み取る。即ち、プロセッサ15は、読取部14に記録部30の開口状態を示す信号を要求する。プロセッサ15は、読取部14からの信号に基づいて記録部30の開口状態を取得する。
【0085】
なお、読取部14が記録部30の開口状態を読み取ることができない位置に薬液吐出装置2がある場合、プロセッサ15は、X方向移動台モータ9b又はY方向移動台モータ10bを制御して、読取部14が記録部30を読取可能な位置に薬液吐出装置2を移動させる。
【0086】
プロセッサ15は、記録部30が開口されていると、記録部30が使用履歴として使用済みであることを示すと判定する。また、プロセッサ15は、記録部30が開口されていないと、記録部30が使用履歴として使用済みでないことを示すと判定する。
【0087】
また、プロセッサ15は、記録部30の開口状態が示す使用履歴に基づいて薬液吐出装置2から薬液を吐出させる機能を有する。
プロセッサ15は、使用履歴により薬液吐出装置2が使用済みでないと判定すると、薬液吐出装置2から薬液を吐出させる。
【0088】
たとえば、オペレータは、薬液保持容器22の上面開口部22bからピペッターなどにより、薬液を所定量、薬液保持容器22に供給する。薬液は、薬液保持容器22の内面で保持される。薬液保持容器22の底部の下面開口部22aは、薬液吐出アレイ27と連通する。薬液保持容器22に保持された薬液は、薬液保持容器22の底面の下面開口部22aを介して薬液吐出アレイ27の各圧力室210へ充填される。
【0089】
薬液吐出装置2内に保持される薬液は、例えば低分子化合物、蛍光試薬、タンパク質、抗体、核酸、血漿、細菌、血球又は細胞のいずれかを含有する。薬液の主溶媒(もっとも重量比、又は体積比が高い物質)は、一般的に、水、グリセリン、ジメチルスルホキシドである。
【0090】
オペレータは、薬液を充填すると、ホストコンピュータ18の操作部18aに薬液を吐出する操作を入力する。オペレータは、特定の薬液保持容器22から薬液を吐出する操作を入力してもよい。
【0091】
ホストコンピュータ18は、薬液を吐出する操作を受け付けると、薬液滴下装置1に対して薬液を吐出することを指示する信号(吐出信号)を送信する。なお、吐出信号は、特定の薬液保持容器22から薬液を吐出することを指示するものであってもよい。
【0092】
プロセッサ15は、インターフェース17を通じて吐出信号を受信する。取得された使用履歴が、薬液吐出装置2が使用済みでないことを示す場合、プロセッサ15は、吐出信号に基づいて薬液吐出装置2から薬液を吐出させる。
【0093】
プロセッサ15は、X方向移動台モータ9b及びY方向移動台モータ10bを制御して、装着モジュール5にセットされた薬液吐出装置2を所定の位置に移動させる。たとえば、プロセッサ15は、薬液吐出装置2を複数のノズル110がウエル開口300内に収まる位置に移動させる。なお、プロセッサ15は、吐出信号に従って薬液吐出装置2を所定の位置に移動させてもよい。
【0094】
薬液吐出装置2を所定の位置に移動させると、プロセッサ15は、駆動回路11を用いて駆動素子130に薬液を吐出するための電圧を印加する。
【0095】
プロセッサ15は、駆動回路11へ信号を送り、駆動回路11から駆動素子130に電圧制御信号を入力する。駆動素子130は、電圧制御信号の印加に対応して、振動板120を変形させ圧力室210の容積を変化させる。そのため、薬液吐出アレイ27のノズル110から薬液が薬液滴として吐出される。その結果、薬液吐出装置2は、ノズル110から、マイクロプレート4のウエル開口300に所定量の液体を滴下する。
【0096】
マイクロプレート4の各ウエル開口300に所定量の液体を滴下するため、プロセッサ15は、X方向移動台制御回路9aとY方向移動台制御回路10aと駆動回路11へ信号を送る動作を繰り返す。
【0097】
なお、プロセッサ15が薬液を吐出する回数及び位置は、特定の構成に限定されるものではない。
【0098】
また、プロセッサ15は、使用履歴により薬液吐出装置2が使用済みでないと判定すると、薬液吐出装置2が未使用であることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信してもよい。ホストコンピュータ18は、当該信号に基づいて、表示部18bなどに薬液吐出装置2が未使用であることを表示してもよい。
【0099】
また、プロセッサ15は、使用履歴により薬液吐出装置2が使用済みであると判定すると、薬液吐出装置2から薬液を吐出させない。
たとえば、プロセッサ15は、吐出信号を受信しても薬液を吐出しない。また、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて、薬液吐出装置2が使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18に送信する。
【0100】
ホストコンピュータ18は、当該信号を受信すると、表示部18bなどに薬液吐出装置2が使用済みであることを示す警告などを表示する。
【0101】
また、プロセッサ15は、薬液を吐出させると、形成部20を用いて薬液吐出装置2の記録部30を開口する(記録部30の形状を変更する)機能を有する。
【0102】
プロセッサ15は、薬液の吐出が完了すると、X方向移動台モータ9b及びY方向移動台モータ10bを制御して、装着モジュール5にセットされた薬液吐出装置2の記録部30を形成部20がある位置に移動させる。記録部30を形成部20がある位置に移動させると、プロセッサ15は、形成部制御回路19に記録部30を開口させる信号を送信する。形成部制御回路19は、当該信号を受信すると、形成部20のロータリーソレノイド35に電力を供給し、切断刃34を回転させる。その結果、切断刃34は、記録部30に突き刺さり、記録部30を開口する。
【0103】
なお、プロセッサ15は、他の方法で記録部30を開口してもよい。たとえば、プロセッサ15は、レーザなどを用いて記録部30を開口してもよい。プロセッサ15が記録部30を開口する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0104】
次に、薬液滴下装置1のプロセッサ15の動作例について説明する。
図9は、薬液滴下装置1のプロセッサ15の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0105】
まず、プロセッサ15は、装着モジュール5に薬液吐出装置2がセットされたか判定する(ACT11)。装着モジュール5に薬液吐出装置2がセットされていないと判定すると(ACT11、NO)、プロセッサ15は、ACT11に戻る。
【0106】
装着モジュール5に薬液吐出装置2がセットされたと判定すると(ACT11、YES)、プロセッサ15は、記録部30から使用履歴としての開口状態を読み取る(ACT12)。記録部30の形状を読み取ると、プロセッサ15は、使用履歴により薬液吐出装置2が使用済みであるか判定する(ACT13)。
【0107】
使用履歴により薬液吐出装置2が使用済みでないと判定すると(ACT13、NO)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて吐出信号を受信したか判定する(ACT14)。インターフェース17を通じて吐出信号を受信していないと判定すると(ACT14、NO)、プロセッサ15は、ACT14に戻る。
【0108】
インターフェース17を通じて吐出信号を受信したと判定すると(ACT14、YES)、プロセッサ15は、吐出信号に従って薬液吐出装置2に薬液を吐出させる(ACT15)。
【0109】
薬液吐出装置2に薬液を吐出させると、プロセッサ15は、記録部30を開口する(ACT16)。
【0110】
使用履歴により薬液吐出装置2が使用済みであると判定すると(ACT13、YES)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて、薬液吐出装置2が使用済みであることを示す信号(エラー)をホストコンピュータ18へ送信する(ACT17)。
【0111】
記録部30を開口した場合(ACT16)、又は、薬液吐出装置2が使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信した場合(ACT17)、プロセッサ15は、動作を終了する。
【0112】
以上のように構成された吐出システムでは、薬液吐出装置の記録部は、開口されていると使用済みであることを示す。吐出システムは、記録部を読み取って薬液吐出装置が使用済みであるか否かを認識する。吐出システムは、薬液吐出装置が使用済みである場合、薬液吐出装置から薬液を吐出させない。
【0113】
また、吐出システムは、薬液吐出装置が薬液を吐出すると、薬液吐出装置の記録部を開口する。
その結果、吐出システムは、一度使用した薬液吐出装置を再度用いて薬液を吐出することを防止することができる。
また、吐出システムは、使用済みの薬液吐出装置の記録部が開口されているため、薬液吐出装置が使用済みであることをユーザに提示することができる。
【0114】
なお、薬液滴下装置1は、薬液吐出装置2に薬液を吐出させた場合、薬液吐出装置2の所定の位置の色を変更してもよい。たとえば、薬液滴下装置1は、インクを薬液吐出装置2の所定の位置に塗布してもよい。また、薬液滴下装置1は、薬液吐出装置2の所定の位置の色をカメラなどで読み取って薬液吐出装置2が使用済みであるか判定する。
【0115】
また、薬液滴下装置1は、薬液吐出装置2に薬液を吐出させた場合、薬液吐出装置2の所定の位置の形状を変更してもよい。たとえば、薬液滴下装置1は、カッタなどで薬液吐出装置2の所定の位置の形状を変更する。また、薬液滴下装置1は、薬液吐出装置2の所定の位置の形状をカメラなどで読み取って薬液吐出装置2が使用済みであるか判定する。
【0116】
以上のように構成された吐出システムは、色や所定の位置の形状からも使用済みであるかを判定し、一度使用した薬液吐出装置を再度用いて薬液を吐出することを防止することができる。また、吐出システムは、使用済みの薬液吐出装置の色や所定の位置の形状が変更されているため、薬液吐出装置が使用済みであることをユーザに提示することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る薬液滴下装置1は、薬液保持容器22に薬液が充填されると記録部30を開口する点で第1の実施形態と異なる。従って、他の点については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0117】
ホストコンピュータ18は、操作部18aを通じて、薬液保持容器22に薬液を充填したことを示す操作を受け付ける。たとえば、オペレータは、薬液保持容器22に薬液を充填すると、操作部18aに、薬液を充填したことを示す操作を入力する。
【0118】
ホストコンピュータ18は、薬液保持容器22に薬液を充填したことを示す操作を受け付けると、インターフェース17を通じて、薬液保持容器22に薬液が充填されたことを示す充填信号を薬液滴下装置1へ送信する。
【0119】
次に、薬液滴下装置1のプロセッサ15が実現する機能について説明する。以下の機能は、プロセッサ15がメモリ16などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0120】
プロセッサ15は、薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知する機能を有する。
たとえば、プロセッサ15は、ホストコンピュータ18から充填信号を受信したか判定する。プロセッサ15は、ホストコンピュータ18から充填信号を受信したと判定すると、薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知する。
【0121】
なお、薬液滴下装置1又は薬液吐出装置2は、薬液保持容器22内に薬液が充填されたことを検知するセンサを備えてもよい。プロセッサ15は、当該センサを用いて薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知してもよい。
プロセッサ15が薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0122】
また、プロセッサ15は、薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知すると、形成部20を用いて薬液吐出装置2の記録部30を開口する機能を有する。
【0123】
プロセッサ15が形成部20を用いて薬液吐出装置2の記録部30を開口する動作については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0124】
次に、薬液滴下装置1のプロセッサ15の動作例について説明する。
図10は、薬液滴下装置1のプロセッサ15の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0125】
まず、プロセッサ15は、装着モジュール5に薬液吐出装置2がセットされたか判定する(ACT21)。装着モジュール5に薬液吐出装置2がセットされていないと判定すると(ACT21、NO)、プロセッサ15は、ACT21に戻る。
【0126】
装着モジュール5に薬液吐出装置2がセットされたと判定すると(ACT21、YES)、プロセッサ15は、記録部30から使用履歴を読み取る(ACT22)。記録部30から使用履歴を読み取ると、プロセッサ15は、使用履歴により薬液吐出装置2が使用済みであるか判定する(ACT23)。
【0127】
使用履歴により薬液吐出装置2が使用済みでないと判定すると(ACT23、NO)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて充填信号を受信したか判定する(ACT24)。インターフェース17を通じて充填信号を受信していないと判定すると(ACT24、NO)、プロセッサ15は、ACT24に戻る。
【0128】
インターフェース17を通じて充填信号を受信したと判定すると(ACT24、YES)、プロセッサ15は、記録部30を開口する(ACT25)。
【0129】
記録部30を開口すると、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて吐出信号を受信したか判定する(ACT26)。インターフェース17を通じて吐出信号を受信していないと判定すると(ACT26、NO)、プロセッサ15は、ACT26に戻る。
【0130】
インターフェース17を通じて吐出信号を受信したと判定すると(ACT26、YES)、プロセッサ15は、吐出信号に従って薬液吐出装置2に薬液を吐出させる(ACT27)。
【0131】
使用履歴により薬液吐出装置2が使用済みであると判定すると(ACT23、YES)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて、薬液吐出装置2が使用済みであることを示す信号(エラー)をホストコンピュータ18へ送信する(ACT28)。
【0132】
薬液吐出装置2に薬液を吐出させた場合(ACT27)、又は、薬液吐出装置2が使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信した場合(ACT28)、プロセッサ15は、動作を終了する。
【0133】
以上のように構成された吐出システムは、薬液保持容器に薬液が充填された時点で、薬液吐出装置の記録部を開口する。その結果、吐出システムは、オペレータが薬液保持容器に薬液を充填したが吐出の動作を行わなかった場合であっても、薬液吐出装置の記録部を開口する。
【0134】
したがって、吐出システムは、オペレータが薬液保持容器に薬液を充填したが吐出の動作を行わなかった場合であっても、コンタミネーションを防止することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態に係る薬液吐出装置2aは、フィルム38を有する点で第1の実施形態と異なる。従って、他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0135】
図1は、実施形態に係る吐出システム500aの概略構成を示す斜視図である。
図11は、薬液吐出装置2aの上面図である。
図3は、薬液吐出装置2aの液滴を吐出する面である下面図を示す。
図1に示すように、吐出システム500aは、薬液吐出装置2の代わりに薬液吐出装置2aから構成される。
【0136】
図11に示すように、薬液吐出装置2aは、薬液保持容器22上にフィルム38を備える。
フィルム38は、矩形のシートから構成される。たとえば、フィルム38は、ビニール、プラスチック又は所定の樹脂などから構成される。フィルム38は、透明又は半透明であってもよい。また、フィルム38は、不透明なものであってもよい。
【0137】
フィルム38は、薬液保持容器22を上面から覆うように形成される。たとえば、フィルム38は、エッジにおいてベース部材21に接着剤などで接着する。また、フィルム38は、ユーザが容易に剥がせるように形成される。たとえば、フィルム38は、角においてはベース部材21に接着しない。
【0138】
ユーザは、薬液吐出装置2を使用する際に、フィルム38を剥がしてから使用する。たとえば、ユーザは、薬液吐出装置2を薬液滴下装置1にセットする前、又は、セットしてから薬液を薬液保持容器22に注入する前に、フィルム38を剥がす。
【0139】
なお、吐出システム500aは、第2の実施形態に係る吐出システムの特徴をそなえてもよい。
【0140】
以上のように構成された吐出システムでは、薬液吐出装置の記録部は、開口されていると使用済みであることを示す。吐出システムは、記録部を読み取って薬液吐出装置が使用済みであるか否かを認識する。吐出システムは、薬液吐出装置が使用済みである場合、薬液吐出装置から薬液を吐出させない。
【0141】
また、吐出システムは、薬液吐出装置が薬液を吐出すると、薬液吐出装置の記録部を開口する。
その結果、吐出システムは、一度使用した薬液吐出装置を再度用いて薬液を吐出することを防止することができる。
【0142】
また、吐出システムは、使用済みの薬液吐出装置の記録部が開口されているため、薬液吐出装置が使用済みであることをユーザに提示することができる。
【0143】
また、以上のように構成された薬液吐出装置は、薬液を注入される前に薬液保持容器を覆うフィルムをユーザに剥がされる。その結果、薬液吐出装置は、フィルムがないことで使用済みであることをユーザに提示することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態に係る薬液滴下装置は、サーバから薬液吐出装置の使用履歴を取得する点で第1の実施形態と異なる。従って、他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0144】
図12は、実施形態に係る吐出システム500bの概略構成を示す斜視図である。
図13は、薬液吐出装置2bの上面図である。
図14は、薬液吐出装置2bの上面図である。
【0145】
図12に示すように、吐出システム500bは、薬液滴下装置1b、薬液吐出装置2b、後述するホストコンピュータ18及び後述するサーバ50(外部装置)などから構成される。なお、吐出システム500bは、
図12に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0146】
Y方向移動台10には、装着モジュール5bが装着される。装着モジュール5bには、薬液吐出装置2bが固定される。
【0147】
装着モジュール5bは、リーダ40(取得部)などを備える。
リーダ40は、薬液吐出装置2のコード29を読み取る読取部である。リーダ40は、コード29を撮影しデコードする。リーダ40は、デコード結果をプロセッサ15に送信する。
【0148】
たとえば、リーダ40は、CCDなどの撮影部などを有する。また、リーダ40は、コード29を照らすライトなどを備えてもよい。
【0149】
リーダ40は、薬液吐出装置2のコード29の位置に対応した位置に設置される。即ち、リーダ40は、薬液吐出装置2が装着モジュール5にセットされた場合に、コード29を読取可能な位置に設置される。
【0150】
図13に示すように、薬液吐出装置2bは、ベース部材21上にコード29及びフィルム31を備える。
コード29(提示部)は、薬液吐出装置2を特定する識別子(識別情報)を示す。たとえば、コード29は、識別子としての文字列、数値又はそれらの組合せをエンコードして生成される。即ち、コード29は、デコードされると薬液吐出装置2を特定する識別子を示すものである。コード29は、一次元コード又は2次元コードなどである。
コード29は、薬液吐出装置2の製造時などにおいて、予め薬液吐出装置2に付与される。
【0151】
フィルム31は、リーダ40がコード29を読み取ることを阻止する。フィルム31は、矩形のシートから構成される。たとえば、フィルム31は、ビニール、プラスチック又は所定の樹脂などから構成される。フィルム31は、透明又は半透明であってもよい。また、フィルム31は、不透明なものであってもよい。
【0152】
フィルム31は、コード29を上面から覆うように形成される。たとえば、フィルム38は、エッジにおいてベース部材21に接着剤などで接着する。また、フィルム31は、ユーザが容易に剥がせるように形成される。たとえば、フィルム31は、角においてはベース部材21に接着しない。
【0153】
ユーザは、薬液吐出装置2bを使用する際に、フィルム31を剥がしてから使用する。たとえば、ユーザは、薬液吐出装置2bを薬液滴下装置1bにセットする前に、フィルム31を剥がす。
【0154】
図14は、フィルム31が剥がされた薬液吐出装置2bの上面図である。
図14に示すように、コード29は、露出する。コード29が露出することで、リーダ40は、コード29を読み取ることができる。
【0155】
次に、吐出システム500bの制御系について説明する。
図15は、吐出システム500bの制御系を示すブロック図である。
図15に示すように、吐出システム500bは、薬液滴下装置1b、薬液吐出装置2b、ホストコンピュータ18及びサーバ50などを備える。
【0156】
図15に示すように、薬液滴下装置1bは、X方向移動台制御回路9a、X方向移動台モータ9b、Y方向移動台制御回路10a、Y方向移動台モータ10b、駆動回路11、プロセッサ15、メモリ16、インターフェース17、リーダ40、リーダ駆動回路41及びインターフェース42などを備える。これらの各部は、データバスを介して互いに接続される。なお、薬液滴下装置1bは、
図15に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0157】
インターフェース42は、サーバ50とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、インターフェース42は、有線又は無線回線を介してサーバ50と接続する。たとえば、インターフェース42は、LAN接続、USB接続又はbluetooth接続をサポートするものであってもよい。
なお、インターフェース17及び42は、一体的に形成されるものであってもよい。
【0158】
リーダ駆動回路41は、プロセッサ15からの信号に従ってリーダ40を駆動する。たとえば、リーダ駆動回路41は、リーダ40に電力を供給する。また、リーダ駆動回路41は、リーダ40が出力するデータをプロセッサ15へ送信する。
【0159】
次に、サーバ50について説明する。
図16は、サーバ50の構成例を示す。
図16に示す構成例において、サーバ50は、プロセッサ51、ROM52、RAM53、NVM54、通信部55、操作部56及び表示部57などを備える。これらの各部は、データバスを介して互いに接続される。なお、サーバ50は、
図16に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0160】
プロセッサ51は、サーバ50全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ51は、内部キャッシュおよび各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ51は、内部メモリ、ROM52又はNVM54が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0161】
なお、プロセッサ51がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ51は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0162】
ROM52は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM52に記憶される制御プログラム及び制御データは、サーバ50の仕様に応じて予め組み込まれる。ROM52は、たとえば、サーバ50の回路基板を制御するプログラム(たとえば、BIOS)などを格納する。
【0163】
RAM53は、揮発性のメモリである。RAM53は、プロセッサ51の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM53は、プロセッサ51からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM53は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0164】
NVM54は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM54は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(登録商標)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM54は、サーバ50の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
NVM54は、使用履歴を格納する記憶領域54aを備える。使用履歴については、後に詳述する。
【0165】
通信部55は、薬液滴下装置1bとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部55は、有線又は無線回線を介して薬液滴下装置1bと接続する。たとえば、通信部55は、LAN接続、USB接続又はbluetooth接続をサポートするものであってもよい。
【0166】
操作部56は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部56は、受け付けた操作を示す信号をプロセッサ51へ送信する。たとえば、操作部56は、キーボード、テンキー及びタッチパネルから構成される。
【0167】
表示部57は、プロセッサ51の制御により種々の情報を表示する。たとえば、表示部57は、液晶モニタから構成される。なお、操作部56がタッチパネルなどで構成される場合、表示部57は、操作部56と一体的に形成されてもよい。
【0168】
次に、記憶領域54aが格納する使用履歴について説明する。
記憶領域54aは、薬液吐出装置2bごとに使用履歴を格納する。たとえば、記憶領域54aは、コード29をデコードして得られる識別子と使用履歴とを対応付けて格納する。
【0169】
使用履歴は、対応する薬液吐出装置2bが使用済みであるか否かを示す。たとえば、使用履歴は、薬液吐出装置2bから薬液を吐出したか否かを示す。薬液吐出装置2が(少なくとも1つの薬液保持容器22から)一度薬液を吐出した場合、使用履歴は、薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す。
【0170】
たとえば、使用履歴は、薬液吐出装置2bが使用済みであるか否かを示すビットなどである。たとえば、「0」である場合、使用履歴は、薬液吐出装置2bが使用済みでない(未使用である)ことを示す。また、「1」である場合、使用履歴は、薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す。
【0171】
たとえば、使用履歴は、操作部56を通じてオペレータによって入力される。たとえば、オペレータは、操作部56などを通じて、薬液滴下装置1bにセットする薬液滴下装置1bに対応する使用履歴を記憶領域54aに格納する。使用履歴は、初期状態において、対応する薬液吐出装置2bが使用済みでない(未使用である)ことを示す。
【0172】
次に、サーバ50のプロセッサ51が実現する機能について説明する。以下の機能は、プロセッサ51がNVM54などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0173】
まず、プロセッサ51は、通信部55を通じて薬液滴下装置1bに使用履歴を送信する機能を有する。
たとえば、プロセッサ51は、通信部55を通じて、所定の薬液吐出装置2bに対応する使用履歴を取得する取得リクエストを受信する。たとえば、取得リクエストは、薬液吐出装置2bを特定する識別子を含む。取得リクエストを受信すると、プロセッサ51は、記憶領域54aから当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴を取得する。たとえば、プロセッサ51は、取得リクエストが含む識別子に対応する使用履歴を取得する。使用履歴を取得すると、プロセッサ51は、通信部55を通じて薬液滴下装置1bに使用履歴を含むレスポンスを送信する。
【0174】
また、プロセッサ51は、薬液滴下装置1bからの更新リクエストに従って使用履歴を書き換える機能を有する。
たとえば、プロセッサ51は、通信部55を通じて薬液滴下装置1bから、所定の薬液吐出装置2bに対応する使用履歴として使用済みであることを示す情報を格納することを指示する更新リクエストを受信する。更新リクエストを受信すると、プロセッサ51は、当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴として、記憶領域54aに使用済みであることを示す情報(たとえば、ビット)を格納する(即ち、上書きする)。たとえば、プロセッサ15は、更新リクエストが含む識別子に対応する使用履歴として、記憶領域54aに使用済みであることを示す情報を格納する。
【0175】
記憶領域54aに使用済みであることを示す情報を格納すると、プロセッサ51は、通信部55を通じて書き換えに成功したことを示すレスポンスを薬液滴下装置1bへ送信する。
【0176】
なお、プロセッサ51は、使用履歴として、使用済みであることを示す情報を格納した場合には、当該使用履歴の書き換えをロックしてもよい。
【0177】
次に、薬液滴下装置1bのプロセッサ15が実現する機能について説明する。以下の機能は、プロセッサ15がメモリ16などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0178】
まず、プロセッサ15は、薬液吐出装置2bから薬液吐出装置2bを特定する識別子を取得する機能を有する。
プロセッサ15は、薬液吐出装置2bが装着モジュール5bにセットされたか判定する。たとえば、プロセッサ15は、図示されないセンサからの信号に従って薬液吐出装置2bが装着モジュール5bにセットされたか判定する。
【0179】
薬液吐出装置2bが装着モジュール5bにセットされたと判定すると、プロセッサ15は、リーダ40を通じて、薬液吐出装置2bのコード29を読み取る。たとえば、リーダ40は、コード29を読み取りデコードする。リーダ40は、デコード結果をプロセッサ15へ送信する。プロセッサ15は、リーダ40からデコード結果として、薬液吐出装置2bを示す識別子を取得する。なお、プロセッサ15がコード29をデコードしてもよい。
【0180】
また、プロセッサ15は、取得された識別子が特定する薬液吐出装置2bに対応する使用履歴をサーバ50から取得する機能を有する。
【0181】
プロセッサ15は、当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴を取得する取得リクエストを生成する。たとえば、プロセッサ15は、取得リクエストに、取得した識別子を格納する。取得リクエストを生成すると、プロセッサ15は、インターフェース42を通じてサーバ50へ取得リクエストを送信する。
【0182】
プロセッサ15は、サーバ50から、取得リクエストに対するレスポンスとして、当該薬液吐出装置2b(識別子が特定する薬液吐出装置2b)に対応する使用履歴を含むレスポンスを受信する。
【0183】
また、プロセッサ15は、取得された使用履歴に基づいて薬液吐出装置2bから薬液を吐出させる機能を有する。
プロセッサ15は、取得された使用履歴により薬液吐出装置2bが使用済みでないと判定する場合、薬液吐出装置2bから薬液を吐出させる。
【0184】
プロセッサ15が薬液吐出装置2bに薬液を吐出させる動作については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0185】
また、プロセッサ15は、取得された使用履歴により薬液吐出装置2bが使用済みであると判定した場合、薬液吐出装置2bから薬液を吐出させない。
たとえば、プロセッサ15は、取得された使用履歴により薬液吐出装置2bが使用済みであると判定した場合、吐出信号を受信しても薬液を吐出させない。また、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて、薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18に送信する。
【0186】
ホストコンピュータ18は、当該信号を受信すると、表示部18bなどに薬液吐出装置2が使用済みであることを示す警告などを表示する。
【0187】
なお、プロセッサ15は、リーダ40を通じて識別子を読み取れない場合にも、薬液吐出装置2bから薬液を吐出させない。即ち、プロセッサ15は、リーダ40を通じて識別子を読み取れない場合、吐出信号を受信しても薬液を吐出させない。
【0188】
また、プロセッサ15は、薬液を吐出させると、サーバ50に、当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴として薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す情報を格納する更新リクエストを送信する機能を有する。
【0189】
プロセッサ15は、薬液の吐出が完了すると、当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴として使用済みであることを示す情報を格納することを指示する更新リクエストを生成する。たとえば、プロセッサ15は、更新リクエストに、取得した識別子を格納する。更新リクエストを生成すると、プロセッサ15は、インターフェース42を通じて、生成した更新リクエストをサーバ50へ送信する。
【0190】
プロセッサ15は、インターフェース42を通じて、サーバ50から、書き換えが完了したことを示すレスポンスを受信する。なお、プロセッサ15は、書き換えに失敗したことを示すレスポンスを受信した場合、又は、レスポンスを受信しない場合、再度、生成した更新リクエストをサーバ50へ送信してもよい。
【0191】
次に、薬液滴下装置1bのプロセッサ15の動作例について説明する。
図17は、薬液滴下装置1bのプロセッサ15の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0192】
まず、プロセッサ15は、装着モジュール5bに薬液吐出装置2bがセットされたか判定する(ACT31)。装着モジュール5bに薬液吐出装置2bがセットされていないと判定すると(ACT31、NO)、プロセッサ15は、ACT31に戻る。
【0193】
装着モジュール5bに薬液吐出装置2bがセットされたと判定すると(ACT31、YES)、プロセッサ15は、薬液吐出装置2bのコード29から識別子を読み取る(ACT32)。識別子を読み取ると、プロセッサ15は、識別子が特定する薬液吐出装置2bに対応する使用履歴をサーバ50から取得する(ACT33)。
【0194】
使用履歴を取得すると、プロセッサ15は、使用履歴により薬液吐出装置2bが使用済みであるか否かを判定する(ACT34)。
【0195】
使用履歴により薬液吐出装置2bが使用済みでない(未使用である)と判定すると(ACT34、NO)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて吐出信号を受信したか判定する(ACT35)。インターフェース17を通じて吐出信号を受信していないと判定すると(ACT35、NO)、プロセッサ15は、ACT35に戻る。
【0196】
インターフェース17を通じて吐出信号を受信したと判定すると(ACT35、YES)、プロセッサ15は、吐出信号に従って薬液吐出装置2bに薬液を吐出させる(ACT36)。
【0197】
薬液吐出装置2bに薬液を吐出させると、プロセッサ15は、サーバ50に、当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴として使用済みであることを示す情報を格納することを指示する更新リクエストを送信する(ACT37)。
【0198】
使用履歴により薬液吐出装置2bが使用済みであると判定すると(ACT34、YES)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて、薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信する(ACT38)。
【0199】
サーバ50に使用履歴として薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す情報を格納した場合(ACT37)、又は、薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す信号(エラー)をホストコンピュータ18へ送信した場合(ACT38)、プロセッサ15は、動作を終了する。
【0200】
なお、薬液吐出装置2bは、識別子を格納するICモジュール又はRFID(radio frequency identifier)を備えてもよい。この場合、薬液滴下装置1bは、ICモジュール又はRFIDから識別子を読み取るリーダを備える。薬液滴下装置1bのプロセッサ15は、ICモジュール又RFIDから識別子を取得する。
【0201】
また、薬液吐出装置2bは、識別子を示す文字列を備えてもよい。この場合、薬液滴下装置1bは、文字列を撮影するカメラなどを備える。薬液滴下装置1bのプロセッサ15は、文字列を撮影した画像に対してOCR(Optical Character Recognition)処理などを行い、識別子を取得する。
【0202】
また、薬液吐出装置2bは、ベース部材21などの形状で識別子を示してもよい。この場合、薬液滴下装置1bのプロセッサ15は、形状を撮影した画像を用いて識別子を取得してもよい。
【0203】
また、ホストコンピュータ18とサーバ50とは、一体的に形成されてもよい。たとえば、ホストコンピュータ18は、サーバ50の機能を有するものであってもよい。
【0204】
また、サーバ50の記憶領域54aは、薬液吐出装置2bの薬液保持容器22ごとの使用履歴を格納してもよい。即ち、記憶領域54aは、薬液吐出装置2bの薬液保持容器22ごとに、薬液保持容器22が使用済みであるか否かを示す情報を格納する。
【0205】
たとえば、プロセッサ15は、識別子が特定する薬液吐出装置2bの薬液保持容器22ごとの使用履歴をサーバ50から取得する。使用履歴を取得すると、プロセッサ15は、ホストコンピュータ18から吐出信号を受信する。吐出信号を受信すると、プロセッサ15は、吐出信号によって薬液を吐出させる薬液保持容器22に対応する使用履歴により当該薬液保持容器22が使用済みであるか否かを判定する。使用履歴により当該薬液保持容器22が使用済みでない(未使用を示す)と判定した場合、プロセッサ15は、吐出信号に従って当該薬液保持容器22から薬液を吐出する。吐出動作を終了すると、プロセッサ15は、サーバ50に、当該薬液吐出装置2bの当該薬液保持容器22に対応する使用履歴を使用済みに書き換える更新リクエストを送信する。
【0206】
また、使用履歴により当該薬液保持容器22が使用済みであると判定した場合、プロセッサ15は、吐出信号を受信しても吐出動作を行わない。また、この場合、プロセッサ15は、当該薬液保持容器22が使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信してもよい。
【0207】
以上のように構成された吐出システムは、薬液吐出装置から識別子を取得する。吐出システムは、サーバから、識別子が示す薬液吐出装置に対応する使用履歴を取得する。吐出システムは、薬液吐出装置から薬液を吐出する際に、使用履歴をチェックする。吐出システムは、使用履歴により薬液吐出装置が使用済みであると判定した場合、薬液吐出装置から薬液を吐出させない。
【0208】
また、吐出システムは、薬液吐出装置が薬液を吐出すると、当該薬液吐出装置に対応する使用履歴として薬液吐出装置が使用済みであることを示す情報をサーバに格納する。
その結果、吐出システムは、一度使用した薬液吐出装置を再度用いて薬液を吐出することを防止することができる。
【0209】
また、以上のように構成された薬液吐出装置は、薬液滴下装置にセットされる前に、コードを覆うフィルムをユーザに剥がされる。その結果、薬液吐出装置は、フィルムがないことで使用済みであることをユーザに提示することができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態に係る薬液滴下装置1bは、薬液保持容器22に薬液が充填されると、当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴として薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す情報を格納する更新リクエストを送信する点で第4の実施形態と異なる。従って、他の点については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0210】
ホストコンピュータ18は、操作部18aを通じて、薬液保持容器22に薬液を充填したことを示す操作を受け付ける。たとえば、オペレータは、薬液保持容器22に薬液を充填すると、操作部18aに、薬液を充填したことを示す操作を入力する。
【0211】
ホストコンピュータ18は、薬液保持容器22に薬液を充填したことを示す操作を受け付けると、インターフェース17を通じて、薬液保持容器22に薬液が充填されたことを示す充填信号を薬液滴下装置1bへ送信する。
【0212】
次に、薬液滴下装置1bのプロセッサ15が実現する機能について説明する。以下の機能は、プロセッサ15がメモリ16などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0213】
プロセッサ15は、薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知する機能を有する。
たとえば、プロセッサ15は、ホストコンピュータ18から充填信号を受信したか判定する。プロセッサ15は、ホストコンピュータ18から充填信号を受信したと判定すると、薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知する。
【0214】
なお、薬液滴下装置1b又は薬液吐出装置2bは、薬液保持容器22内に薬液が充填されたことを検知するセンサを備えてもよい。プロセッサ15は、当該センサを用いて薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知してもよい。
プロセッサ15が薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0215】
また、プロセッサ15は、薬液保持容器22に薬液が充填されたことを検知すると、当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴として薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す情報を格納する更新リクエストを送信する機能を有する。
【0216】
プロセッサ15がサーバ50に使用履歴として薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す情報を格納する更新リクエストを送信する動作については、第4の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0217】
次に、薬液滴下装置1bのプロセッサ15の動作例について説明する。
図18は、薬液滴下装置1bのプロセッサ15の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0218】
まず、プロセッサ15は、装着モジュール5に薬液吐出装置2bがセットされたか判定する(ACT41)。装着モジュール5に薬液吐出装置2bがセットされていないと判定すると(ACT41、NO)、プロセッサ15は、ACT41に戻る。
【0219】
装着モジュール5に薬液吐出装置2bがセットされたと判定すると(ACT41、YES)、プロセッサ15は、薬液吐出装置2bのコード29から識別子を読み取る(ACT42)。識別子を読み取ると、プロセッサ15は、識別子が特定する薬液吐出装置2bに対応する使用履歴をサーバ50から取得する(ACT43)。
【0220】
使用履歴を取得すると、プロセッサ15は、使用履歴により識別子が特定する薬液吐出装置2bが使用済みであるか否かを判定する(ACT44)。
【0221】
使用履歴により薬液吐出装置2bが使用済みでないと判定すると(ACT44、NO)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて充填信号を受信したか判定する(ACT45)。インターフェース17を通じて充填信号を受信していないと判定すると(ACT45、NO)、プロセッサ15は、ACT45に戻る。
【0222】
インターフェース17を通じて充填信号を受信したと判定すると(ACT45、YES)、プロセッサ15は、当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴として使用済みであることを示す情報を格納することを指示する更新リクエストを送信する(ACT46)。
【0223】
当該薬液吐出装置2bに対応する使用履歴として使用済みであることを示す情報を格納することを指示する更新リクエストを送信すると、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて吐出信号を受信したか判定する(ACT47)。インターフェース17を通じて吐出信号を受信していないと判定すると(ACT47、NO)、プロセッサ15は、ACT47に戻る。
【0224】
インターフェース17を通じて吐出信号を受信したと判定すると(ACT47、YES)、プロセッサ15は、吐出信号に従って薬液吐出装置2bに薬液を吐出させる(ACT48)。
【0225】
使用履歴により薬液吐出装置2bが使用済みであると判定すると(ACT44、YES)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて、薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信する(ACT49)。
【0226】
薬液吐出装置2bに薬液を吐出させた場合(ACT48)、又は、薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信した場合(ACT49)、プロセッサ15は、動作を終了する。
【0227】
なお、第4の実施形態と同様に、サーバ50の記憶領域54aは、薬液吐出装置2bの薬液保持容器22ごとの使用履歴を格納してもよい。即ち、記憶領域54aは、薬液吐出装置2bの薬液保持容器22ごとに、薬液保持容器22が使用済みであるか否かを示す情報を格納する。
【0228】
たとえば、プロセッサ15は、識別子が特定する薬液吐出装置2bの薬液保持容器22ごとの使用履歴をサーバ50から取得する。使用履歴を取得すると、プロセッサ15は、ホストコンピュータ18から充填信号を受信する。充填信号を受信すると、プロセッサ15は、充填信号が示す、薬液を充填した薬液保持容器22に対応する使用履歴により当該薬液保持容器22が使用済みか否かを判定する。使用履歴により当該薬液保持容器22が使用済みでない(未使用を示す)と判定した場合、プロセッサ15は、当該薬液保持容器22に対応する使用履歴を使用済みに書き換える更新リクエストをサーバ50へ送信する。
【0229】
また、使用履歴により当該薬液保持容器22が使用済みであると判定した場合、プロセッサ15は、吐出信号を受信しても吐出動作を行わない。また、この場合、プロセッサ15は、当該薬液保持容器22が使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信してもよい。
【0230】
以上のように構成された吐出システムは、薬液保持容器に薬液が充填された時点で、使用履歴として薬液吐出装置が使用済みであることを示す情報を格納することを指示する更新リクエストをサーバに送信する。その結果、吐出システムは、薬液を充填した薬液保持容器からの薬液の吐出動作を行わなかった場合であっても、サーバに薬液吐出装置が使用済みであることを示す情報を格納することができる。
【0231】
したがって、吐出システムは、薬液を充填した薬液保持容器からの薬液の吐出動作を行わなかった場合であっても、コンタミネーションを防止することができる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
第6の実施形態に係る吐出システムは、感熱シートの色で薬液吐出装置が使用済みであるか判定する点で第1の実施形態と異なる。従って、他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0232】
図19は、吐出システム500cの概略構成を示す斜視図である。
図20は、薬液吐出装置2cの上面図である。
図21は、薬液吐出装置2cの液滴を吐出する面である下面図を示す。
図22は、
図20のF22−F22線断面図を示す。
【0233】
図19に示すように、吐出システム500cは、薬液滴下装置1c、薬液吐出装置2c及びホストコンピュータ18などから構成される。なお、吐出システム500cは、
図19に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0234】
薬液滴下装置1cは、読取部43を備える。
読取部43は、感熱シート61(感熱部)の色を読み取る。読取部43は、感熱シート61の位置に対応する位置に形成される。たとえば、読取部43は、装着モジュール5に薬液吐出装置2がセットされた場合に所定の感熱シート61がある位置の下部又は上部に形成される。
【0235】
読取部43は、感熱シート61の色を示す信号をプロセッサ15に送信する。
たとえば、読取部43は、感熱シート61に光を照射する照射部及び反射光を検出する検出部(たとえば、カメラなど)などから構成される。
【0236】
図21に示すように、電装基板23には、電装基板用凹陥部21bとの接着固定面とは反対側の面に電装基板配線24’がパターニング形成される。
電装基板配線24’は、配線パターン24c乃至24eから構成される。
【0237】
配線パターン24cは、駆動回路11と駆動素子130とを電気的に接続する。即ち、配線パターン24cの一端は、駆動回路11からの電気信号(駆動信号ともいう)を入力するための制御信号入力端子25に接続する。また、配線パターン24cの他端は、電極端子接続部26に接続し、駆動素子130の一端に接続する。
【0238】
配線パターン24dは、駆動回路11と配線パターン24cとを接続する。即ち、配線パターン24dの一端は、制御信号入力端子25に接続する。また、配線パターン24dの他端は、配線パターン24cの中腹に接続する。
【0239】
また、配線パターン24dは、中腹に加熱部60を備える。加熱部60は、配線パターン24dの一部として形成される。即ち、駆動回路11は、加熱部60に電気的に接続する。
【0240】
加熱部60は、薬液滴下装置1bの動作によって発熱する。即ち、加熱部60は、駆動回路11からの電力によって発熱する。
たとえば、加熱部60は、所定の抵抗値を有する抵抗などである。
【0241】
配線パターン24eは、駆動回路11と駆動素子130とを電気的に接続する。即ち、配線パターン24eの一端は、制御信号入力端子25に接続する。また、配線パターン24eの他端は、電極端子接続部26に接続し、駆動素子130の他端に接続する。
【0242】
また、電装基板配線24’上には、感熱シート61が形成される。
図22に示すように、感熱シート61は、外部に露出するように形成される。感熱シート61は、少なくとも加熱部60上を覆う。
【0243】
感熱シート61は、所定の変色温度(たとえば、50度)になると、変色する。即ち、感熱シート61は、初期状態の色から所定の色に変わる。また、感熱シート61は、一端変色すると、温度が下がっても変色後の色を維持する。即ち、感熱シート61は、一度加熱されたか否かを色で示す。
【0244】
感熱シート61は、変色しているか否か(変色状態)によって、対応する薬液保持容器22から薬液を吐出したかを示す。即ち、感熱シート61、対応する薬液保持容器22が使用済みであるかを示す。感熱シート61は、変色状態によって薬液保持容器22が使用済みであるかを示す。
【0245】
感熱シート61は、変色していない場合、対応する薬液保持容器22が使用済みでない(未使用である)ことを示す。また、感熱シート61は、変色している場合、対応する薬液保持容器22が使用済みであることを示す。
【0246】
また、薬液滴下装置1cは、駆動回路11の代わりに駆動回路11cを備える。
駆動回路11cは、駆動回路11の機能に加えて以下の機能を有する。
駆動回路11cは、プロセッサ15からの信号に基づいて加熱部60に電力を印加する。たとえば、駆動回路11cは、配線パターン24c及び24dと接続し、所定の電圧を加熱部60に印加する。
【0247】
次に、吐出システム500cの制御系について説明する。
図23は、吐出システム500cの制御系を示すブロック図である。
図23に示すように、吐出システム500cは、薬液滴下装置1c、薬液吐出装置2c及びホストコンピュータ18などを備える。
【0248】
図23に示すように、薬液滴下装置1cは、X方向移動台制御回路9a、X方向移動台モータ9b、Y方向移動台制御回路10a、Y方向移動台モータ10b、駆動回路11c、プロセッサ15、メモリ16、インターフェース17、読取部43及び読取部駆動回路44などを備える。これらの各部は、データバスを介して互いに接続される。なお、薬液滴下装置1cは、
図23に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0249】
読取部駆動回路44は、プロセッサ15からの信号に従って読取部43を駆動する。たとえば、読取部駆動回路44は、読取部43の照射部などに電力を供給する。また、読取部駆動回路44は、読取部43の検出部などからの信号をプロセッサ15へ送信する。
【0250】
次に、薬液滴下装置1のプロセッサ15が実現する機能について説明する。以下の機能は、プロセッサ15がメモリ16などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0251】
まず、プロセッサ15は、読取部43を用いて感熱シート61の色を読み取る機能を有する。
【0252】
プロセッサ15は、薬液吐出装置2が装着モジュール5にセットされたか判定する。たとえば、プロセッサ15は、図示されないセンサからの信号に従って薬液吐出装置2が装着モジュール5にセットされたか判定する。
【0253】
薬液吐出装置2が装着モジュール5にセットされたと判定すると、プロセッサ15は、読取部43に感熱シート61の色を読み取らせる。即ち、プロセッサ15は、読取部43に読み取った色を示す信号を要求する。プロセッサ15は、読取部43からの信号に基づいて感熱シート61の色を取得する。
【0254】
なお、読取部43が感熱シート61の色を読み取ることができない位置に薬液吐出装置2がある場合、プロセッサ15は、X方向移動台モータ9b又はY方向移動台モータ10bを制御して、読取部43が感熱シート61の色を読取可能な位置に薬液吐出装置2を移動させる。
プロセッサ15は、各薬液保持容器22に対応する各感熱シート61の色を読み取る。
【0255】
また、プロセッサ15は、取得した各色に基づいて、薬液吐出装置2が使用済みであるか判定する機能を有する。
プロセッサ15は、取得した色に基づいて、薬液保持容器22が使用済みであるか判定する。即ち、プロセッサ15は、感熱シート61の色が変色後の色であると判定すると、薬液保持容器22が使用済みであると判定する。
【0256】
また、プロセッサ15は、各薬液保持容器22の使用状況に基づいて、薬液吐出装置2cが使用済みであるか判定する。
たとえば、プロセッサ15は、少なくとも1つの薬液保持容器22が使用済みである場合、薬液吐出装置2cが使用済みであると判定する。また、プロセッサ15は、いずれの薬液保持容器22も使用済みでない場合、薬液吐出装置2cが使用済みでない(未使用である)と判定する。
【0257】
また、プロセッサ15は、薬液吐出装置2cが使用済みであるか否かに基づいて薬液吐出装置2cから薬液を吐出させる機能を有する。
プロセッサ15は、薬液吐出装置2cが使用済みでないと判定する場合、薬液吐出装置2cから薬液を吐出させる。
【0258】
プロセッサ15が薬液吐出装置2cに薬液を吐出させる動作については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0259】
図24は、プロセッサ15が駆動回路11cを用いて吐出動作を行う際の接続関係の例を示す。
図24に示すように、駆動回路11cは、駆動素子130に接続する。駆動回路11cは、配線パターン24c及び24eに電気的に接続する。ここでは、配線パターン24cは、GNDに接続する。また、配線パターン24eは、駆動回路11cの電力出力部に接続する。
駆動回路11cは、プロセッサ15からの信号に基づいて、薬液を吐出させる電圧を配線パターン24eに印加し、駆動素子130に印加する。
【0260】
また、プロセッサ15は、薬液吐出装置2bが使用済みであると判定した場合、薬液吐出装置2bから薬液を吐出させない。
たとえば、プロセッサ15は、薬液吐出装置2bが使用済みであると判定した場合、吐出信号を受信しても薬液を吐出させない。また、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて、薬液吐出装置2bが使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18に送信する。
【0261】
ホストコンピュータ18は、当該信号を受信すると、表示部18bなどに薬液吐出装置2が使用済みであることを示す警告などを表示する。
【0262】
また、プロセッサ15は、薬液を吐出させると、加熱部60を用いて感熱シート61を加熱する機能を有する。
プロセッサ15は、薬液の吐出が完了すると、吐出した薬液を保持する薬液保持容器22に対応する加熱部60に電力を印加する。たとえば、プロセッサ15は、駆動回路11cと配線パターン24c及び24dとを接続する。プロセッサ15は、駆動回路11cに、所定の電圧(加熱用の電圧)を印加させる。その結果、加熱部60は、加熱用の電圧を印加される。加熱部60は、加熱用の電圧によって加熱し感熱シート61を変色温度まで加熱する。感熱シート61は、加熱部60の熱によって変色する。
【0263】
図25は、プロセッサ15が駆動回路11cを用いて加熱部60に電力を印加する際の接続関係の例を示す。
図25に示すように、駆動回路11cは、加熱部60に接続する。即ち、駆動回路11cは、配線パターン24c及び24dに電気的に接続する。ここでは、配線パターン24cは、GNDに接続する。また、配線パターン24dは、駆動回路11cの電力出力部に接続する。
【0264】
駆動回路11cは、プロセッサ15からの信号に基づいて、加熱用の電圧を加熱部60に印加する。
【0265】
なお、薬液滴下装置1cが加熱部を備えてもよい。プロセッサ15は、駆動回路11cなどを用いて薬液滴下装置1cが備える加熱部に電圧を印加して感熱シート61を加熱してもよい。
プロセッサ15が感熱シート61を加熱する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0266】
次に、薬液滴下装置1cのプロセッサ15の動作例について説明する。
図26は、薬液滴下装置1cのプロセッサ15の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0267】
まず、プロセッサ15は、装着モジュール5に薬液吐出装置2cがセットされたか判定する(ACT51)。装着モジュール5に薬液吐出装置2cがセットされていないと判定すると(ACT51、NO)、プロセッサ15は、ACT51に戻る。
【0268】
装着モジュール5に薬液吐出装置2cがセットされたと判定すると(ACT51、YES)、プロセッサ15は、各感熱シート61の色を読み取る(ACT52)。各感熱シート61の色を読み取ると、プロセッサ15は、各感熱シート61の色に基づいて、薬液吐出装置2cが使用済みであるか判定する(ACT53)。
【0269】
薬液吐出装置2cが使用済みでないと判定すると(ACT53、NO)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて吐出信号を受信したか判定する(ACT54)。インターフェース17を通じて吐出信号を受信していないと判定すると(ACT54、NO)、プロセッサ15は、ACT54に戻る。
【0270】
インターフェース17を通じて吐出信号を受信したと判定すると(ACT54、YES)、プロセッサ15は、吐出信号に従って薬液吐出装置2cに薬液を吐出させる(ACT55)。
【0271】
薬液吐出装置2cに薬液を吐出させると、プロセッサ15は、感熱シート61を加熱する(ACT56)。
【0272】
薬液吐出装置2cが使用済みであると判定すると(ACT53、YES)、プロセッサ15は、インターフェース17を通じて、薬液吐出装置2cが使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信する(ACT57)。
【0273】
感熱シート61を加熱した場合(ACT56)、又は、薬液吐出装置2cが使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信した場合(ACT57)、プロセッサ15は、動作を終了する。
【0274】
なお、プロセッサ15は、薬液吐出装置2cの薬液保持容器22ごとに薬液を吐出させるか否かを決定してもよい。
【0275】
薬液保持容器22ごとに使用済みであるか判定すると、プロセッサ15は、所定のタイミングでホストコンピュータ18から吐出信号を受信する。ここでは、吐出信号は、所定の薬液保持容器22から薬液を吐出することを指示する。薬液を吐出する薬液保持容器22が使用済みでない場合、プロセッサ15は、吐出信号に従って、当該薬液保持容器22から薬液を吐出する。吐出動作を終了すると、プロセッサ15は、当該薬液保持容器22に対応する感熱シート61を加熱する。
【0276】
また、薬液を吐出する薬液保持容器22が使用済みである場合、プロセッサ15は、吐出信号を受信しても吐出動作を行わない。また、この場合、プロセッサ15は、当該薬液保持容器22が使用済みであることを示す信号をホストコンピュータ18へ送信してもよい。
【0277】
以上のように構成された吐出システムは、薬液吐出装置の感熱シートの色を読み取る。吐出システムは、読み取った色に基づいて薬液保持容器が使用済みであるか判定する。吐出システムは、薬液保持容器の使用状況に基づいて、薬液吐出装置が使用済みであるかを判定する。吐出システムは、薬液吐出装置が使用済みである場合、薬液吐出装置から薬液を吐出させない。
【0278】
また、吐出システムは、薬液吐出装置が薬液を吐出すると、感熱シートを加熱して変色させる。
その結果、吐出システムは、一度使用した薬液吐出装置を再度用いて薬液を吐出することを防止することができる。
【0279】
また、以上のように構成された薬液吐出装置の感熱シートは、当該薬液吐出装置が使用済みであることを色で表示する。その結果、吐出システムは、色で薬液吐出装置が使用済みであることをユーザに提示することができる。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。
第7の実施形態に係る薬液吐出装置は、サーマルジェット方式で薬液を吐出する点で第1の実施形態と異なる。従って、他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0280】
図1は、実施形態に係る吐出システム500dの概略構成を示す斜視図である。
図2は、薬液吐出装置2dの上面図である。
図3は、薬液吐出装置2dの液滴を吐出する面である下面図を示す。
図4は、
図2のF4−F4線断面図を示す。
図27は、
図4のF27−F27線断面図である。
【0281】
吐出システム500dは、薬液吐出装置2に代えて、薬液吐出装置2dを備える。
薬液吐出装置2dは、薬液吐出アレイ27に代えて、薬液吐出アレイ27dを備える。
【0282】
図27に示すように薬液吐出アレイ27dは、シリコン基板400と感光性樹脂450とが積層されて形成される。シリコン基板400の表面側(第2の面400a)には、薬液保持容器22の薬液出口の下面開口部22aと連通する導入口411が形成される。シリコン基板400の裏面側(第1の面400b)には、アクチュエータである薄膜伝熱ヒータ432と、薄膜伝熱ヒータ432に接続された図示しない配線が形成される。薄膜伝熱ヒータ432は、電極端子接続部26と電気的に接続する。
【0283】
感光性樹脂450は、圧力室410が形成される基板である。感光性樹脂450には、導入口411と連通する流路451と圧力室410と、ノズル110とが形成される。圧力室410は、流路451の中の薄膜伝熱ヒータ432が形成される領域である。薄膜伝熱ヒータ432は、配線から供給される電力によって発熱する。薄膜伝熱ヒータ432によって圧力室410内の薬液が加熱沸騰されることで、薬液は、ノズル110から吐出される。
【0284】
複数のノズル110は、例えばX方向に6列、Y方向に2列配列される。実施形態の複数のノズル110は、薬液保持容器22の薬液出口の下面開口部22aの内側に位置する。
【0285】
次に、実施形態の薬液吐出の動作について説明する。薬液保持容器22の底部の下面開口部22aは、薬液吐出アレイ27dの導入口411と流路451に連通する。薬液保持容器22に保持された薬液は、薬液保持容器22の底面の下面開口部22aから、シリコン基板400に形成された導入口411を介して、感光性樹脂450に形成された流路451の中の各圧力室410まで充填される。
【0286】
この状態で、駆動回路11から電装基板配線24の制御信号入力端子25に入力された電圧制御信号は、薬液吐出アレイ27dの複数の薄膜伝熱ヒータ432に印加される。これにより、複数の薄膜伝熱ヒータ432が発熱し圧力室410内の薬液が加熱沸騰する。その結果、ノズル110から薬液が薬液滴として吐出される。そして、ノズル110から、マイクロプレート4のウエル開口300に所定量の薬液を滴下する。
【0287】
サーマルジェット方式では、薬液は300℃以上となる薄膜伝熱ヒータ432と接触する。このため、サーマルジェット方式は、300℃以上のヒータに接触しても変質しない耐熱性の高い薬液を吐出するのが好ましい。
【0288】
以上のように構成された吐出システムでは、薬液吐出装置の記録部は、開口されていると使用済みであることを示す。吐出システムは、記録部を読み取って薬液吐出装置が使用済みであるか否かを認識する。吐出システムは、薬液吐出装置が使用済みである場合、薬液吐出装置から薬液を吐出させない。
【0289】
また、吐出システムは、薬液吐出装置が薬液を吐出すると、薬液吐出装置の記録部を開口する。
その結果、吐出システムは、一度使用した薬液吐出装置を再度用いて薬液を吐出することを防止することができる。
【0290】
また、吐出システムは、使用済みの薬液吐出装置の記録部が開口されているため、薬液吐出装置が使用済みであることをユーザに提示することができる。
【0291】
なお、吐出システム500dは、第2乃至第6の実施形態の特徴を備えてもよい。
【0292】
以上のように構成された薬液吐出装置は、ピエゾジェット方式と比較して構造が簡単であるため、アクチュエータを小型化できる。そのため、薬液吐出装置は、ピエゾジェット方式と比べてノズルを高密度に配置することが可能である。
【0293】
以上説明した実施形態では、駆動部である駆動素子130を円形としたが、駆動部の形状は限定されない。駆動部の形状は、例えばひし形或いは楕円等であっても良い。また圧力室210の形状も円形に限らず、ひし形或いは楕円形、更には矩形等であっても良い。
【0294】
また、実施形態では、駆動素子130の中心にノズル110を配置したが、圧力室210の薬液を吐出可能であれば、ノズル110の位置は限定されない。例えばノズル110を、駆動素子130の領域内ではなく、駆動素子130の外側に形成しても良い。
【0295】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
薬液を吐出する薬液吐出装置であって、
使用履歴に基づいて形状が変更される記録部と、
薬液滴下装置に装着するための係合部と、
前記薬液滴下装置からの制御に基づいて薬液を吐出する吐出部と、
を備える薬液吐出装置。
[C2]
前記吐出部は、前記薬液を保持する薬液保持容器を備え、
前記薬液保持容器を覆うフィルムを備える、
前記C1に記載の薬液吐出装置。
[C3]
薬液滴下装置であって、
記録部を備える薬液吐出装置が装着される装着部と、
前記記録部の形状を読み取る読取部と、
前記形状に応じて前記薬液吐出装置に薬液を吐出させる制御部と、
を備える薬液滴下装置。
[C4]
前記記録部の形状を変更する形成部を備え、
前記制御部は、前記薬液吐出装置に前記薬液を吐出させると、前記形成部を用いて前記記録部の形状を変更する、
前記C3に記載の薬液滴下装置。
[C5]
前記記録部の形状を変更する形成部を備え、
前記制御部は、前記薬液吐出装置の薬液保持容器に前記薬液が充填されたことを検知すると、前記形成部を用いて前記記録部の形状を変更する、
前記C3に記載の薬液滴下装置。
[C6]
薬液を吐出する薬液吐出装置であって、
前記薬液吐出装置を特定する識別情報を示す提示部と、
薬液滴下装置が前記提示部を読み取ることを阻止するフィルムと、
前記薬液滴下装置に装着するための係合部と、
前記薬液滴下装置からの制御に基づいて薬液を吐出する吐出部と、
を備える薬液吐出装置。
[C7]
前記提示部は、前記識別情報をエンコードしたコードから構成される、
前記C6に記載の薬液吐出装置。
[C8]
薬液滴下装置であって、
識別情報を示す提示部を備える薬液吐出装置が装着される装着部と、
外部装置とデータを送受信するインターフェースと、
前記提示部から前記識別情報を取得する取得部と、
前記インターフェースを通じて前記外部装置から前記識別情報に対応する使用履歴を取得し、前記使用履歴に応じて前記薬液吐出装置に薬液を吐出させ、前記取得部が前記提示部を覆うフィルムによって前記識別情報の取得に失敗した場合には前記薬液吐出装置に前記薬液を吐出させない制御部と、
を備える薬液滴下装置。
[C9]
前記制御部は、前記薬液吐出装置に前記薬液を吐出させると、前記インターフェースを通じて前記使用履歴として前記薬液吐出装置が使用済みであることを示す情報を格納することを指示するリクエストを前記外部装置に送信する、
前記C8に記載の薬液滴下装置。
[C10]
前記制御部は、前記薬液吐出装置の薬液保持容器に前記薬液が充填されたことを検知すると、前記インターフェースを通じて前記使用履歴として前記薬液吐出装置が使用済みであることを示す情報を格納することを指示するリクエストを前記外部装置に送信する、前記C8に記載の薬液滴下装置。
[C11]
薬液を吐出する薬液吐出装置であって、
薬液滴下装置に装着するための係合部と、
加熱によって変色する感熱部と、
前記薬液滴下装置からの制御に基づいて前記薬液を吐出する吐出部と、
を備える薬液吐出装置。
[C12]
前記薬液滴下装置からの電力によって前記感熱部を加熱する加熱部を備える、
前記C11に記載の薬液吐出装置。
[C13]
薬液滴下装置であって、
加熱によって変色する感熱部を備える薬液吐出装置が装着される装着部と、
前記薬液吐出装置に薬液を吐出させると、前記感熱部を加熱して変色させる制御部と、を備える薬液滴下装置。
[C14]
前記薬液吐出装置は、前記感熱部を加熱する加熱部を備え、
前記加熱部に電力を供給する駆動回路を備え、
前記制御部は、前記駆動回路を用いて前記加熱部に電力を供給して前記感熱部を加熱する、
前記C13に記載の薬液滴下装置。