特許第6925937号(P6925937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6925937
(24)【登録日】2021年8月6日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】フロー電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20210812BHJP
   H01M 4/02 20060101ALI20210812BHJP
   H01M 10/28 20060101ALI20210812BHJP
   H01M 10/26 20060101ALI20210812BHJP
   H01M 50/466 20210101ALI20210812BHJP
   H01M 50/73 20210101ALI20210812BHJP
   H01M 4/42 20060101ALN20210812BHJP
   H01M 4/24 20060101ALN20210812BHJP
【FI】
   H01M10/04 Z
   H01M4/02 Z
   H01M10/28 Z
   H01M10/26
   H01M50/466
   H01M50/73
   !H01M4/42
   !H01M4/24 H
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-210854(P2017-210854)
(22)【出願日】2017年10月31日
(65)【公開番号】特開2019-83160(P2019-83160A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2020年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西原 雅人
【審査官】 小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/142042(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/086278(WO,A1)
【文献】 特開2017−091949(JP,A)
【文献】 特開2015−185259(JP,A)
【文献】 特開平09−106794(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0113431(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/28
H01M 10/26
H01M 4/02
H01M 4/42
H01M 4/24
H01M 50/73
H01M 8/04,8/18,8/2455
H01M 4/86
H01M 4/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極および負極と、
前記正極および前記負極に接触する電解液と、
前記正極の少なくとも前記負極と向かい合う部分を覆うように収容し、前記正極を保持するとともに、前記電解液が流通可能である収容部と、
前記電解液を流動させる流動装置とを備え、
前記収容部は、上部に複数の開口部を備えることを特徴とするフロー電池。
【請求項2】
前記開口部に挿通され、前記開口部と前記収容部との連通を保持する保形部材
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のフロー電池。
【請求項3】
前記開口部の少なくとも一つは、前記収容部に収容された前記正極と電気的に接続されるタブを前記収容部の外部に延出させるための延出口を兼ねることを特徴とする請求項1または2に記載のフロー電池。
【請求項4】
前記延出口を兼ねていない前記開口部が存在することを特徴とする請求項3に記載のフロー電池。
【請求項5】
前記開口部の開口面積は、下端よりも上端の方が小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のフロー電池。
【請求項6】
前記流動装置は、前記電解液中に気泡を発生させる発生部を含み、
前記気泡は、前記収容部の外部に配置された前記負極と、前記収容部との間を浮上することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のフロー電池。
【請求項7】
前記負極は、前記正極を収容する前記収容部を挟んで向かい合う第1負極および第2負極を含み、
前記気泡は、前記第1負極と前記収容部との間、および前記収容部と前記第2負極との間を浮上し、
前記電解液は、前記電解液を収容する筐体の第1内壁と前記第1負極との間、および前記第1内壁と向かい合う前記筐体の第2内壁と前記第2負極との間を下降することを特徴とする請求項6に記載のフロー電池。
【請求項8】
亜鉛を含み、前記収容部の外部を流動する前記電解液中を移動可能に混在する粉末
をさらに備え、
前記開口部の上端は、前記電解液の液面から突出するように配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のフロー電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、フロー電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正極と負極との間に、テトラヒドロキシ亜鉛酸イオン([Zn(OH)2−)を含有する電解液を循環させるフロー電池が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、亜鉛種などの活物質を含む負極を、選択的イオン電導性を有するイオン電導層で覆うことでデンドライトの成長を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−185259号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Y. Ito. et al.: Zinc morphology in zinc-nickel flow assisted batteries and impact on performance, Journal of Power Sources, Vol. 196, pp. 2340-2345, 2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記に記載の電池では、電極反応で生成した気体が滞留することで電池性能が劣化する懸念があった。
【0007】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、性能劣化を低減することができるフロー電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係るフロー電池は、正極および負極と、電解液と、収容部と、流動装置とを備える。電解液は、前記正極および前記負極に接触する。収容部は、前記正極または前記負極を覆うように収容する。流動装置は、前記電解液を流動させる。前記収容部は、上部に複数の開口部を備える。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様のフロー電池によれば、性能劣化を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。
図2図2は、図1のI−I断面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るフロー電池の電極間の接続の一例について説明する図である。
図4図4は、第1の実施形態の第1変形例に係るフロー電池の概略を示す断面図である。
図5図5は、第1の実施形態の第2変形例に係るフロー電池の概略を示す断面図である。
図6図6は、第1の実施形態の第3変形例に係るフロー電池の概略を示す断面図である。
図7図7は、第1の実施形態の第4変形例に係るフロー電池の概略を示す断面図である。
図8図8は、第1の実施形態の第5変形例に係るフロー電池の概略を示す断面図である。
図9図9は、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するフロー電池の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図1に示すフロー電池1は、正極2と、負極3と、収容部4と、電解液6と、粉末7と、発生部9と、隔膜10,11と、供給部14と、筐体17と、上板18とを備える。フロー電池1は、発生部9で発生した気泡8を浮上させることにより電解液6を流動させる装置である。発生部9は、流動装置の一例である。
【0013】
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。
【0014】
正極2は、例えば、ニッケル化合物、マンガン化合物またはコバルト化合物を正極活物質として含有する導電性の部材である。ニッケル化合物は、例えば、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト化合物含有水酸化ニッケル等が使用できる。マンガン化合物は、例えば、二酸化マンガン等が使用できる。コバルト化合物は、例えば、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルト等が使用できる。また、正極2は、黒鉛、カーボンブラック、導電性樹脂等を含んでもよい。電解液6が分解される酸化還元電位の観点からは、正極2はニッケル化合物を含有してもよい。また、正極2は、ニッケル金属、コバルト金属またはマンガン金属、あるいはそれらの合金であってもよい。
【0015】
また、正極2は、例えば、上記した正極活物質や導電体その他の添加剤を複数の粒状体として含む。具体的には、正極2は、例えば、予め定められた割合で配合された粒状の活物質および導電体を、保形性に寄与するバインダとともに含有するペースト状の正極材料を発泡ニッケルなどの導電性を有する発泡金属へ圧入し、所望の形状に成形し、乾燥させたものである。
【0016】
負極3は、負極活物質を金属として含む。負極3は、例えば、ステンレスや銅などの金属板や、ステンレスや銅板の表面をニッケルやスズ、亜鉛でメッキ処理したものを使用することができる。また、メッキ処理された表面が一部酸化されたものを負極3として使用してもよい。
【0017】
正極2は、正極2Aおよび正極2Bを含む。負極3は、負極3A、負極3Bおよび負極3Cを含む。正極2および負極3は、負極3Aと、正極2Aと、負極3Bと、正極2Bと、負極3Cとが予め定められた間隔でY軸方向に沿って順に並ぶように配置されている。このように隣り合う正極2と負極3との間隔をそれぞれ設けることにより、正極2と負極3との間に電解液6および気泡8の流通経路が確保される。
【0018】
収容部4は、正極2Aを収容する。収容部4は、正極2Aの厚み方向、すなわちY軸方向の両側を挟むように配置された第1シート部材4aおよび第2シート部材4bを含む。収容部4は、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bで覆うように正極2Aを収容する。収容部4は、第1シート部材4aと第2シート部材4bとの間に挟まれるように配置された正極2AをY軸方向に沿って両側から押圧するように保持する。これにより、収容部4は、電解液6の流動状態の変化や、粉末7や気泡8との接触から正極2Aを防護し、正極2Aの保形性を向上させる。
【0019】
また、収容部4は、上部に開口部5を備える。ここで収容部4について、図1図2を用いてさらに説明する。図2は、図1に示すフロー電池1のI−I断面図である。図2は、正極2Aおよびその近傍を断面視したものに相当する。なお、正極2Bおよびその近傍の構成については、図2に示す正極2Aおよびその近傍の構成と同様である。このため、正極2Bに関する図示および説明は省略する。
【0020】
図2に示すように、開口部5は、複数の開口部5a〜5cを含む。開口部5a〜5cのうち、開口部5cは、収容部4に収容された正極2Aと電気的に接続される板状または棒状のタブ2A1を収容部4の外部に延出させるための延出口を兼ねている。なお、図2に示す例では、開口部5は、3つの開口部5a〜5cを含むが、これに限らず、2つまたは4つ以上の開口部5を有してもよい。また、タブ2A1を複数とし、開口部5a〜5cのうちタブ2A1の延出口を兼ねるものを複数にしてもよい。また、延出口を兼ねていない1または複数の開口部5a〜5c(図2では、開口部5a,5bに相当)を設ければ、後述する副反応で生じる気体の開口部5a〜5cからの排出性をよくできる。
【0021】
第2シート部材4bは、Z−X平面に沿うように形成された矩形部4b1と、矩形部4b1から上方に突出するように形成された複数の突出部4b2とを含む。矩形部4b1は、正極2Aが収容および保持される部分に対応し、突出部4b2は、開口部5に対応する。また、第1シート部材4aは、第2シート部材4bと同じ形状を有している。
【0022】
開口部5を備える収容部4は、重ね合わせるように配置した第1シート部材4aおよび第2シート部材4bの外縁部分を互いに接合することで形成される。具体的には、例えば、突出部4b2の側縁部35〜40と、矩形部4b1の外縁部31〜34のうち、下縁部33を除く部分、すなわち側縁部31,32および上縁部34とを、例えば熱圧着等により接合する。そして、矩形部4b1の下縁部33側からタブ2A1および正極2Aを挿入した後で下縁部33を接合することで、正極2Aが収容された収容部4が形成される。なお、収容部4の作製方法は上記したものに限らず、例えば矩形部4b1の側縁部31,32および下縁部33を接合し、正極2Aを収容した後で突出部4b2の側縁部35〜40と、矩形部4b1の上縁部34とをそれぞれ接合してもよい。
【0023】
ここで、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bの材料としては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の耐電解液性を有する繊維を含む不織布を使用することができる。また、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bの厚みはそれぞれ、例えば、乾燥時には100μm程度、電解液6中では500〜1000μm程度となるものを使用することができるが、これに限らない。また、図2に示す第1シート部材4aおよび第2シート部材4bの接合部分の幅L4は、例えば0.5μm程度とすることができるが、これに限らず、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bの材質等に応じて適宜設定することができる。なお電解液6の流通が可能であって、かつ正極2Aを保持することができるものであれば第1シート部材4aおよび第2シート部材4bの材料に制限はなく、例えば織布であってもよい。
【0024】
図1に戻り、第1の実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。隔膜10,11は、収容部4の厚み方向、すなわちY軸方向の両側を挟むように配置される。隔膜10,11は、電解液6に含まれるイオンの移動を許容する材料で構成される。具体的には、隔膜10,11の材料として、例えば、隔膜10,11が水酸化物イオン伝導性を有するように、陰イオン伝導性材料が挙げられる。陰イオン伝導性材料としては、例えば、有機ヒドロゲルのような三次元構造を有するゲル状の陰イオン伝導性材料、または固体高分子型陰イオン伝導性材料などが挙げられる。固体高分子型陰イオン伝導性材料は、例えば、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族より選択された少なくとも一種類の元素を含有する、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物およびリン酸化合物からなる群より選択された少なくとも一つの化合物とを含む。
【0025】
隔膜10,11は、好ましくは、水酸化物イオンよりも大きいイオン半径を備えた[Zn(OH)2−等の金属イオン錯体の透過を抑制するように緻密な材料で構成されると共に所定の厚さを有する。緻密な材料としては、例えば、アルキメデス法で算出された90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上の相対密度を有する材料が挙げられる。所定の厚さは、例えば、10μm〜1000μm、より好ましくは50μm〜500μmである。
【0026】
この場合には、充電の際に、負極3A〜3Cにおいて析出する亜鉛がデンドライト(針状結晶)として成長し、隔膜10,11を貫通することを低減することができる。その結果、互いに向かい合う負極3と正極2との間の導通をそれぞれ低減することができる。
【0027】
電解液6は、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である。電解液6中の亜鉛種は、[Zn(OH)2−として電解液6中に溶存している。電解液6は、例えば、KやOHを含むアルカリ水溶液に亜鉛種を飽和させたものを使用することができる。なお、電解液6は、後述する粉末7とともに調製すれば、充電容量を大きくできる。ここで、アルカリ水溶液としては、例えば、6.7moldm−3の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。また、1dm−3の水酸化カリウム水溶液に対し、0.5molの割合でZnOを添加し、必要に応じて後述する粉末7を追加することにより電解液6を調製することができる。さらに、酸素発生抑制を目的に、水酸化リチウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属を添加してもよい。
【0028】
粉末7は、亜鉛を含む。具体的には、粉末7は、例えば粉末状に加工または生成された酸化亜鉛、水酸化亜鉛等である。粉末7は、アルカリ水溶液中には容易に溶解するが、亜鉛種の飽和した電解液6中には溶解せずに分散または浮遊し、一部が沈降した状態で電解液6中に混在する。電解液6が長時間静置されていた場合、ほとんどの粉末7が、電解液6の中で沈降した状態になることもあるが、電解液6に対流等を生じさせれば、沈降していた粉末7の一部は、電解液6に分散または浮遊した状態になる。つまり、粉末7は、電解液6中に移動可能に存在している。なお、ここで移動可能とは、粉末7が、周囲の他の粉末7の間にできた局所的な空間の中のみを移動できることではなく、電解液6の中を別の位置に粉末7が移動することにより、当初の位置以外の電解液6に粉末7が晒されるようになっていることを表す。さらに、移動可能の範疇には、正極2を収容する収容部4および負極3の両方の近傍まで粉末7が移動できるようになっていることや、筐体17内に存在する電解液6中の、ほぼどこにでも粉末7が移動できるようになっていることが含まれる。電解液6中に溶存する亜鉛種である[Zn(OH)2−が消費されると、電解液6中に混在する粉末7は、粉末7および電解液6が互いに平衡状態を維持するように電解液6中に溶存する亜鉛種が飽和するまで溶解する。
【0029】
気泡8は、例えば正極2A,2B、負極3A,3B,3Cおよび電解液6に対して不活性な気体で構成される。このような気体としては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、またはアルゴンガスなどが挙げられる。電解液6に不活性な気体の気泡8を発生させることにより、電解液6の変性を低減することができる。また、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である電解液6の劣化を低減し、電解液6のイオン伝導度を高く維持することができる。なお、気体は空気を含有してもよい。
【0030】
発生部9から電解液6中に供給された気体により発生した気泡8は、所定の間隔で配置された電極間、より具体的には、負極3Aと正極2Aを収容する収容部4との間、正極2Aを収容する収容部4と負極3Bとの間、負極3Bと正極2Bを収容する収容部4との間、正極2Bを収容する収容部4と負極3Cとの間において、それぞれ電解液6中を浮上する。電解液6中を気泡8として浮上した気体は、電解液6の液面6aで消滅し、上板18と電解液6の液面6aとの間に気体層13を構成する。
【0031】
ここで、フロー電池1における電極反応について、正極活物質として水酸化ニッケルを適用したニッケル亜鉛電池を例に挙げて説明する。充電時における正極2および負極3での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
【0032】
正極:Ni(OH) + OH → NiOOH + HO + e
負極:[Zn(OH)2− + 2e → Zn +4OH
【0033】
一般的には、この反応に伴って負極3で生成したデンドライトが正極2側へ成長し、正極2と負極3とが導通する懸念がある。反応式から明らかなように、負極3では、充電により亜鉛が析出するのに伴い、負極3の近傍における[Zn(OH)2−の濃度が低下する。そして、析出した亜鉛の近傍で[Zn(OH)2−の濃度が低下する現象が、デンドライトとして成長する一因である。すなわち、充電時に消費される電解液6中の[Zn(OH)2−を補給することにより、電解液6中の亜鉛種である[Zn(OH)2−の濃度が飽和状態に保持される。これにより、デンドライトの成長が低減され、正極2と負極3との導通が低減される。
【0034】
第1の実施形態に係るフロー電池1では、電解液6中に亜鉛を含む粉末7を混在させるとともに、発生部9の吐出口9aから電解液6中に気体を供給して気泡8を発生させる。気泡8は、負極3Aと正極2Aを収容する収容部4との間、正極2Aを収容する収容部4と負極3Bとの間、負極3Bと正極2Bを収容する収容部4との間、正極2Bを収容する収容部4と負極3Cとの間のそれぞれにおいて筐体17の下方から上方に向かって電解液6中を浮上する。
【0035】
また、電極間における上記した気泡8の浮上に伴い、電解液6には上昇液流が発生し、負極3Aと正極2Aを収容する収容部4との間、正極2Aを収容する収容部4と負極3Bとの間、負極3Bと正極2Bを収容する収容部4との間、正極2Bを収容する収容部4と負極3Cとの間では筐体17の内底側から上方に向かって電解液6が流動する。そして、電解液6の上昇液流に伴い、主に筐体17の内壁17aと負極3Aとの間、および内壁17bと負極3Cとの間で下降液流が発生し、電解液6が筐体17の上方から下方に向かって流動する。
【0036】
これにより、充電によって電解液6中の[Zn(OH)2−が消費されると、これに追従するように粉末7中の亜鉛が溶解することで[Zn(OH)2−が電解液6中に補給される。このため、電解液6中の[Zn(OH)2−の濃度を飽和状態に保つことができ、デンドライトの成長に伴う正極2と負極3との導通を低減することができる。
【0037】
なお、粉末7としては、酸化亜鉛および水酸化亜鉛以外に、金属亜鉛、亜鉛酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などが挙げられ、酸化亜鉛および水酸化亜鉛が好ましい。
【0038】
また、負極3では、放電によりZnが消費され、[Zn(OH)2−を生成するが、電解液6はすでに飽和状態であるため、電解液6中では、過剰となった[Zn(OH)2−からZnOが析出する。このとき負極3で消費される亜鉛は、充電時に負極3の表面に析出した亜鉛である。このため、元来亜鉛種を含有する負極を用いて充放電を繰り返す場合とは異なり、負極3の表面形状が変化するいわゆるシェイプチェンジが生じない。これにより、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、負極3の経時劣化を低減することができる。なお、電解液6の状態によっては、過剰となった[Zn(OH)2−から析出するのは、Zn(OH)や、ZnOとZn(OH)とが混合したものになる。
【0039】
ところで、第1の実施形態に係るフロー電池1では、正極2での副反応として酸素等の気体が発生する場合がある。正極2で発生した気体が収容部4に滞留すると、正極2の酸化や反応領域の減少により電池性能が劣化する可能性がある。
【0040】
そこで、第1の実施形態に係るフロー電池1では、収容部4の上部に複数の開口部5a〜5cを備えることとした。図1図2に示すように、収容部4に収容された正極2で発生した気体は、開口部5a〜5cを介して収容部4の外部へ排出される。収容部4の外部へ排出された気体は、気泡8を発生させるために発生部9から供給された気体とともに筐体17の外部へ排出される。これにより、発生した気体の滞留に伴う性能劣化が低減される。
【0041】
第1の実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。発生部9は、筐体17の下部、より具体的には正極2および負極3の下方に配置されている。
【0042】
発生部9は、後述する供給部14から供給された気体を一時的に貯留するよう内部が中空となっており、X軸方向およびY軸方向に沿って並ぶ複数の吐出口9aが発生部9の内部の中空部分に連通するように配置されている。
【0043】
発生部9は、供給部14から供給された気体を吐出口9aから吐出することにより、電解液6中に気泡8を発生させる。吐出口9aは、例えば0.05mm以上0.5mm以下の直径を有する。吐出口9aの直径をこのように規定することにより、吐出口9aから発生部9の内部に電解液6や粉末7が進入する不具合を低減することができる。また、吐出口9aから吐出される気体に対し、気泡8を発生させるのに適した圧力損失を与えることができる。
【0044】
また、吐出口9aのX軸方向に沿った間隔(ピッチ)は、例えば、2.5mm以上10mm以下である。ただし、吐出口9aは、発生した気泡8を互いに向かい合う正極2と負極3との間にそれぞれ適切に流動させることができるように配置されるものであれば、大きさや間隔に制限はない。
【0045】
筐体17および上板18は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。筐体17および上板18は、好ましくは互いに同じ材料で構成されるが、異なる材料で構成されてもよい。
【0046】
供給部14は、配管16を介して筐体17の内部から回収された気体を、配管15を介して発生部9に供給する。供給部14は、例えば気体を移送可能なポンプ(気体ポンプ)、コンプレッサまたはブロワである。供給部14の気密性を高くすれば、気体や電解液6に由来する水蒸気を外部に漏出させることによるフロー電池1の発電性能の低下が起きにくい。なお、配管16または15、あるいは発生部9の内部に、開口部5から排出された酸素を吸収し、回収する脱酸素剤を配置してもよい。このように気体の流通経路上に脱酸素剤を配置することにより、正極2や負極3、電解液6の酸化に伴う電池性能の劣化を低減することができる。
【0047】
次に、図2を参照し、開口部5を備える収容部4についてさらに説明する。正極2Aの上端と収容部4の上部(矩形部4b1の上縁部34に対応)側の接合部分との間に設けられた空間の高さL1は、0mm以上1mm以下とすることができる。高さL1が1mm以下となるようにすることで、正極2での副反応により生成した酸素が開口部5の上部に滞留しにくくなり、例えばタブ2A1の酸化に伴う劣化を低減することができる。
【0048】
また、開口部5の高さL2は、例えば、15.5mm以上25.5mm以下とすることができる。高さL2を上記した範囲とすることにより、図1に示す電解液6の液面6aが調整しやすくなる。なお、電解液6の液面6aは、正極2および負極3の上端と開口部5の上端との間に位置するように調整される。液面6aが正極2および負極3の上端以上の高さとなるように収容部4を配置させると、フロー電池1の能力を最大限に発揮することができる。また、開口部5の上端が電解液6の液面6aから突出する、すなわち液面6aが開口部5の上端よりも下となるように収容部4を配置させると、収容部4の内部には粉末7が混入せず、電解液6のみが含まれることとなる。このため、収容部4の内部に粉末7が滞留することに伴う電池性能の劣化を低減することができる。ただし、収容部4の内部に粉末7が混入する態様を完全に排除するものではなく、例えば予め所定量の粉末7が収容部4の内部の電解液6中に混在していてもよい。
【0049】
また、収容部4の側端部から開口部5側端部までの幅L3は0mm以上とすることができる。幅L3を0mm以上、すなわち正極2の直上に開口部5が有するように配置することにより、正極2で発生した気体が開口部5から排出されやすくなる。また、収容部4の側端部の外側で弾けた気泡8などから飛ばされた粉末7が、開口部5から混入しにくくなる。特に、幅L3を15.5mm以上25.5mm以下とすることにより、正極2のタブを収容部4の外部に延出させるための延出口として開口部5が機能しやすくなる。なお、図2ではX軸方向における開口部5の配置について図示しているが、Y軸方向についても、開口部5が正極2の直上に配置されてもよい。
【0050】
次に、フロー電池1における電極間の接続について説明する。図3は、第1の実施形態に係るフロー電池1の電極間の接続の一例について説明する図である。
【0051】
図3に示すように、負極3A,3Bおよび3Cは、負極3A,3Bおよび3Cがそれぞれ有するタブ3A1,3B1,3C1を介して並列接続されている。また、正極2Aおよび2Bは、正極2Aおよび2Bがそれぞれ有するタブ2A1,2B1を介して並列接続されている。このように負極3および正極2をそれぞれ並列に接続することにより、正極2および負極3の総数が異なる場合であってもフロー電池1の各電極間を適切に接続し、使用することができる。
【0052】
なお、図1に示すフロー電池1では、合計5枚の電極が、負極3および正極2が交互に配置されるように構成されたが、これに限らず、3枚または6枚以上の電極を交互に配置するようにしてもよく、正極2および負極3をそれぞれ1枚ずつ配置させてもよい。また、図1に示すフロー電池1では、両端がともに負極(3A,3C)となるように構成されたが、これに限らず、両端がともに正極となるように構成してもよい。
【0053】
さらに、一方の端部が正極2、他方の端部が負極3となるように同枚数の負極3および正極2をそれぞれ交互に配置してもよい。かかる場合、電極間の接続は並列であってもよく、直列であってもよい。
【0054】
<第1変形例>
図4は、第1の実施形態の第1変形例に係るフロー電池1の概略を示す図である。図4に示す収容部4は、図2と同様に、正極2Aおよびその近傍を断面視したものに相当する。なお、後述する図5図8についても、図4と同じ視点で図示する。
【0055】
図4に示す収容部4は、開口部5が積層構造を有することを除き、図2に示す収容部4と同様の構成を有している。図4に示すように、開口部5a〜5cは、それぞれ外層21と内層22とを含む。外層21は、図2に示す収容部4と同じ材料で構成されているのに対し、内層22は、例えばポリスチレンなど、外層21よりも機械的強度が高く、保形性に優れた材料で構成される。このように第1変形例に係るフロー電池1によれば、収容部4で発生した気体が接触する内層22を保形性に優れた材料で構成することにより、例えば電解液6の流動や気泡8の浮上に伴って開口部5が変形し、収容部4からの気体の排出が滞ることに伴う性能劣化を低減することができる。
【0056】
<第2変形例>
図5は、第1の実施形態の第2変形例に係るフロー電池1の概略を示す図である。図5に示す収容部4は、開口部5に挿通された筒状部材23を有することを除き、図2に示す収容部4と同様の構成を有している。
【0057】
筒状部材23は、例えばポリスチレンなど、第2シート部材4bよりも機械的強度が高く、保形性に優れた材料で構成される。筒状部材23は、開口部5と収容部4との連通を保持する保形部材の一例である。このように第2変形例に係るフロー電池1によれば、収容部4で発生した気体が接触する筒状部材23を保形性に優れた材料で構成することにより、例えば電解液6の流動や気泡8の浮上に伴って開口部5が変形し、収容部4からの気体の排出が滞ることに伴う性能劣化を低減することができる。なお、筒状部材23の下端と正極2Aの上端とは離れていてもよく、また接していてもよい。
【0058】
なお、図5に示すように開口部5cがタブ2A1の延出口を兼ねる場合、開口部5cの寸法はタブ2A1が延出できる程度の大きさを要する。図5に示す例では、開口部5cに筒状部材23を挿通するとタブ2A1の延出が困難となるため、開口部5cには筒状部材23が挿通されていない。
【0059】
<第3変形例>
図6は、第1の実施形態の第3変形例に係るフロー電池1の概略を示す図である。図6に示す収容部4は、開口部5に挿通された網状部材24を有することを除き、図2に示す収容部4と同様の構成を有している。
【0060】
網状部材24は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂材料で構成された、第2シート部材4bよりも機械的強度が高く、保形性およびガス流通性に優れた不織布または織布である。網状部材24は、開口部5と収容部4との連通を保持する保形部材の一例である。このように第3変形例に係るフロー電池1によれば、収容部4で発生した気体が接触する網状部材24を保形性およびガス流通性に優れた材料で構成することにより、例えば電解液6の流動や気泡8の浮上に伴って開口部5が変形し、収容部4からの気体の排出が滞ることに伴う性能劣化を低減することができる。
【0061】
なお、図5に示すように開口部5cがタブ2A1の延出口を兼ねる場合、開口部5cの寸法はタブ2A1が延出できる程度の大きさを要する。図6に示す例では、開口部5a,5bとは異なる形状を有する網状部材24を開口部5cに挿通することにより、タブ2A1の延出を可能にしている。
【0062】
<第4、第5変形例>
図7図8はそれぞれ、第1の実施形態の第4、第5変形例に係るフロー電池1の概略を示す図である。図7に示す収容部4は、開口部5が断面視で台形状を有することを除き、図2に示す断面視で矩形状の開口部5を有する収容部4と同様の構成を有している。また、図8に示す収容部4は、開口部5が曲面状を有することを除き、図7に示す平面状の開口部5を有する収容部4と同様の構成を有している。
【0063】
第4、第5変形例に係るフロー電池1はいずれも、開口部5a〜5cが、例えば下端部の幅D1よりも上端部の幅D2の方が小さくなるように形成されることにより、開口部5a〜5cの開口面積は、下端よりも上端の方が小さくなるように形成されている。このように第4、第5変形例に係るフロー電池1によれば、収容部4で発生した気体は収容部4の外部へ速やかに排出される一方、開口部5a〜5cからは異物や粉末7等が進入しづらい。これにより、例えば収容部4からの気体の排出が滞る不具合や、開口部5a〜5cから侵入した異物等による電池反応の阻害に伴う性能劣化を低減することができる。なお、開口部5a〜5cの下端よりも上端の開口面積の方が小さいものであれば開口部5a〜5cの形状は図7図8に図示したものに限らず、例えば半球状であってもよい。
【0064】
<第2の実施形態>
図9は、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図9に示すフロー電池1Aは、図1に示す発生部9、供給部14、配管15,16、に代えて、供給部14a、配管15a,16aを備えることを除き、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様の構成を有している。
【0065】
供給部14aは、配管16aを介して筐体17の内部から回収された、粉末7が混在する電解液6を、配管15aを介して筐体17の下部に供給する。供給部14aは、流動装置の一例である。
【0066】
供給部14aは、例えば電解液6を移送可能なポンプである。供給部14aの気密性を高くすれば、粉末7および電解液6を外部に漏出させることによるフロー電池1Aの発電性能の低下が起きにくい。そして、筐体17の内部に送られた電解液6は、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様に、各電極間を上方に流動する間に充放電反応に供されることとなる。
【0067】
このように発生部9を有しないフロー電池1Aにおいても、正極2を収容する収容部4の上部に複数の開口部5a〜5cを配置することにより、正極2で酸素などの気体が発生した場合であっても、複数の開口部5a〜5cから排出させることで収容部4内部への気体の滞留を低減させることができる。このため、第2の実施形態に係るフロー電池1Aによれば、例えば正極2や電解液6の酸化等に伴う性能劣化が低減される。
【0068】
なお、図9に示すフロー電池1Aでは、配管16aに接続された開口が、各電極の主面と向かい合う内壁17b、すなわち筐体17のY軸方向側の端部に設けられているが、これに限らず、X軸方向側の端部に設けられてもよい。
【0069】
また、図9に示すフロー電池1Aでは、供給部14aは、粉末7が混在する電解液6を筐体17に供給するとしたが、これに限らず、電解液6のみを供給することとしてもよい。かかる場合、例えば配管16aの途中に、粉末7が混在する電解液6を一時的に貯留するタンクを設け、タンク内部において電解液6中に溶解する[Zn(OH)2−の濃度を調整することとしてもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、図7または図8に示す開口部5に、図5に示す筒状部材23または図6に示す網状部材24に対応する保形部材を挿通させてもよい。
【0071】
また、上記した各実施形態では、収容部4は重ね合わせた第1シート部材4aおよび第2シート部材4bを接合し、作製するとして説明したが、これに限らず、例えば図2に示す側縁部31,32が連続する筒状の部材や、下縁部33を挟んで対称となる一枚のシート部材を折り曲げたものを用意し、必要な部分を例えば熱溶着等により接合し、収容部4を作製してもよい。
【0072】
また、図1に示すフロー電池1では、発生部9は、筐体17の内部に配置させたが、これに限らず、例えば筐体17の下方に配置させてもよい。かかる場合、発生部9は筐体17の内底と一体化されることとなる。
【0073】
また、上記した各実施形態では、電解液6中に粉末7が混在されているとして説明したが、これに限らず、粉末7を有しなくてもよい。かかる場合、負極3が含有する負極活物質を増量するとよい。また、図2に示す高さL2は0であってもよい。
【0074】
また、上記した各実施形態では、隔膜10,11は収容部4の厚み方向の両側を挟むように配置されるとして説明したが、これに限らず、正極2と負極3との間に配置されていればよく、また、収容部4を被覆していてもよい。また、正極2と収容部4との間に隔膜10,11を配置してもよい。
【0075】
また、上記した各実施形態では、収容部4は正極2を収容するとして説明したが、これに限らず、負極3を収容していてもよい。
【0076】
なお、供給部14,14aは、常時動作させてもよいが、電力消費を低減する観点から、放電時には充電時よりも気体または電解液6の供給レートを低下させてもよい。
【0077】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1,1A フロー電池
2,2A,2B 正極
3,3A,3B,3C 負極
4 収容部
5,5a,5b,5c 開口部
6 電解液
7 粉末
8 気泡
9 発生部
9a 吐出口
10,11 隔膜
14,14a 供給部
17 筐体
18 上板
23 筒状部材
24 網状部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9