(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記推定部は、前記複数の識別情報の組み合わせのパターンと前記収容器との関係を生成し、生成した組み合わせのパターンを含む複数の識別情報を前記受信装置が受信した場合には、前記パターンで示された収容器を前記所定の排出時における収容器とする請求項1に記載の農業管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、農業管理システムの概略図を示している。
農業管理システムは、野菜類、穀物類、いも類、種類等の収穫物(農作物)を管理するシステムである。以下、説明の便宜上、収穫物は、稲、麦などの穀物類であるとして説明を進める。当然の如く、収穫物(農作物)は限定されない。
【0011】
図1に示すように、農業管理システムは、通信装置10を備えている。通信装置10は、少なくとも識別情報を送信可能な装置である。識別情報は、個別に割り当てられた番号等である。通信装置10は、収穫物を収容する収容器11に設けられている。
まず、収容器11について説明する。
収容器11は、フレキシブルコンテナバッグ(以降、フレコンという)、コンテナ等である。フレキシブルコンテナバッグは、変形自在な材料であって化学繊維等で構成されている。また、コンテナは、金属等で構成されている。この実施形態では、収容器11はコンテナである。
【0012】
図3に示すように、収容器11は、穀物等の収穫物を収容する収容部12を有している。収容部12は、底部13と、周部14とを有している。底部13は、例えば、平面視で矩形状の板材で構成されている。周部14は、底部13を取り囲んでいて、当該底部13の縁部から起立している。周部14で囲まれた部分が、収穫物を挿入する開口部15である。
【0013】
周部14は、縦壁14aと、横壁14bとを含んでいる。縦壁14aは、底部12の4つの縁部のうち、互いに対向する2つの縁部又は当該縁部近傍から起立する板材である。横壁14bは、縦壁14aが設けられていない残りの2つの縁部又は当該縁部近傍から起立し且つ縦壁14aに交差する板材である。説明の便宜上、縦壁14aにおいて、底部12の左の縁部又は縁部近傍から立ち上がる縦壁14aのことを第1縦壁14a1といい、底部12の右の縁部又は縁部近傍から立ち上がる縦壁14aのことを第2縦壁14a2という。また、横壁14bにおいて、底部12の奥の縁部又は縁部近傍から立ち上がる横壁14bのことを第1横壁14b1といい、底部12の手前の縁部又は縁部近傍から立ち上がる横壁14のことを第2横壁14b2という。
【0014】
第1縦壁14a1は、第1横壁14b1の左部と第2横壁14b2の左部とを連結している。第1縦壁14a1は、第1横壁14b1及び第2横壁14b2に直交している。第2縦壁14a2は、第1横壁14b1の右部と第2横壁14b2の右部とを連結している。第2縦壁14a2は、第1横壁14b1及び第2横壁14b2に直交している。開口部15は、第1縦壁14a1、第2縦壁14a2、第1横壁14b1、第2横壁14b2により構成されている。したがって、開口部15に穀物を挿入することによって、穀物を収容することができる。
【0015】
通信装置10は、例えば、RFIDタグ(Radio Frequency Identification)である。通信装置10は、パッシブ型のRFIDであっても、アクティブ型のRFIDであってもよい。また、通信装置10は、RFIDタグに限定されず、到達距離が数mの短距離無線に準拠した送信器、IEEE802.15.nの近距離無線に準拠した送信器等であってもよい。この実施形態では、通信装置10がRFIDタグであるとして説明を進めるが、上述した他の機器に読み替えても適用可能である。
【0016】
通信装置10は、識別情報を記憶する記憶部101と、出力部(以下、送信部という)102とを有している。記憶部101及び送信部102は筐体に格納されている。記憶部101は、例えば、不揮発性のメモリ等で構成されている。
通信装置10、即ち、記憶部101及び送信部102を格納する筐体は、収容器11に設けられている。
図3に示すように、1個の収容器11に対して複数の通信装置10が設けられている。この実施形態では、1個の収容器11に1個の通信装置10ではなく、複数の通信装置10が設けられている。複数の通信装置10は、周部14に設けられている。詳しくは、複数の通信装置10は、縦壁14aに設けられた1以上の通信装置10a(縦装置10aという)と、横壁14bに設けられた1以上の通信装置10b(横装置10bという)とを含んでいる。
【0017】
この実施形態では、縦装置10aは、第1縦壁14a1に設けられた第1縦装置10a1と、第2縦壁14a2に設けられた第2縦装置10a2とを含んでいる。横装置10bは、第1横壁14b1に設けられた第1横装置10b1と、第2横壁14b2に設けられた第2横装置10b2とを含んでいる。即ち、第1縦壁14a1、第2縦壁14a2、第1横壁14b1、第2横壁14b2のそれぞれに、1個の通信装置10(第1縦装置10a1、第2縦装置10a2、第1横装置10b1、第2横装置10b2)が取り付けられている。
【0018】
即ち、複数の通信装置10(第1縦装置10a1、第2縦装置10a2、第1横装置10b1、第2横装置10b2)がそれぞれ、収容器11の開口部15の近傍の部位、即ち、収容器11の周壁14(第1縦壁14a1、第2縦壁14a2、第1横壁14b1、第2横壁14b2)の上部に設けられている。
第1縦装置10a1と、第2縦装置10a2とは、第1横壁14b1の中央部と第2横壁14b2の中央部を結ぶ中央線L1に対して対称に配置されている。第1横装置10b1と、第2縦装置10b2とは、第1縦壁14a1の中央部と第2縦壁14a2の中央部を結ぶ中央線L2に対して対称に配置されている。
【0019】
図1に示すように、農業管理システムは、受信装置20を備えている。受信装置20は、通信装置10から送信された識別情報を受信可能な装置である。この実施形態では、受信装置20は、RFIDリーダである。受信装置20は、通信装置10等の外部に電波(信号)を出力して、当該通信装置10から送信された識別情報を受信する。
受信装置20は、収穫物を排出する装置(以降、収穫物排出装置)40に設けられている。
【0020】
収穫物排出装置40は、少なくとも収容器11に収穫した収穫物を排出する装置である。例えば、収穫物排出装置40は、穀物を収穫することができ、且つ、収穫した穀物を排出することができるコンバインである。コンバインを例にとり、収穫物排出装置40について説明する。
図1、2に示すように、コンバイン40は、機体41と、走行装置42と、運転席43と、原動機44と、グレンタンク45と、刈取装置(収穫部)46と、測定装置47と、制御装置48と、脱穀装置(図示省略)と、排出部49とを有している。また、コンバイン40は、通信部16と、記憶部51とを有している。走行装置42は機体の下部に設けられている。運転席43、原動機44、脱穀装置及びグレンタンク45は機体41に設けられている。刈取装置46は、機体41の前部に設けられている。刈取装置46は、穀物を刈り取る装置である。脱穀装置は、刈り取った穀物を脱穀する装置である。グレンタンク45は、脱穀された穀物を貯留するタンクである。走行装置42は、クローラ装置から構成されていて、運転席43の近傍に配置した操作部材を操作することによって、前進、後進、旋回(ターン)等を行うことができる。走行装置42は、クローラ装置で構成しているがこれに限定されず、前輪、後進等を有する装置であってもよい。制御装置48は、原動機44を制御したり、脱穀装置を制御したり、刈取装置46を制御する装置である。記憶部51は、不揮発性のメモリ等であって様々な情報を記憶する。
【0021】
測定装置47は、収穫物の特性を測定可能な装置であって、例えば、収穫物の特性として、穀物の水分量、タンパク量などを測定する装置である。具体的には、測定装置47は、穀物に含まれる水分量を測定する水分測定部47aと、穀物のタンパク量を測定する食味測定部47bとを有している。水分測定部47a及び食味測定部47bは、グレンタンク45の内部、又は、グレンタンク45の周囲に設けられている。
【0022】
食味測定部47bは、グレンタンク45に入る穀物に対して近赤外線(近赤外線光)を照射して、透過光の分光分析に基づいて吸収スペクトルを解析し、その解析結果により、穀物に含まれるタンパク質等の成分量(タンパク質含有率)、即ち、タンパク量を求める。水分測定部47aは、穀物の誘電率を用いて当該穀物の水分量を測定したり、或いは、穀物の電気抵抗を用いて当該穀物の水分量(水分含有率)を測定したり、穀物に赤外線或いはマイクロ波等を照射することで水分量を測定するセンサ等である。水分検出装置13は、水分を検出するものであればどのような装置であってもよい。
【0023】
なお、測定装置47は、穀物の収穫量を測定する収穫量測定部47cを含んでいてもよい。収穫量測定部47cは、グレンタンク45の下部に設けられている。収穫量測定部47cは、グレンタンク45の重量を測定して当該グレンタンク45の重量を収穫量に換算するロードセル等で構成されている。以下、説明の便宜上、穀物の水分量、タンパク量、収穫量のことを「穀物特性情報」という。
【0024】
排出部49は、グレンタンク45に貯留された穀物を外部に排出するもので、例えば、縦送り部49aと、横送り部49bとを有している。縦送り部49aは機体41の幅方向及び上下方向に揺動自在に支持されていて、所定の位置で停止させて、横送り部49bの先端部に設けられた排出口49b1から穀物を排出する。
受信装置20は、排出部49に設けられている。横送り部49bの先端部、即ち、排出口49b1の近傍に設けられている。
図4Aに示すように、横送り部49bの先端部には下向きに開放された筒体49b2が設けられ、筒体49b2の内面により排出口49b1が形成されている。受信装置20は、筒体49b2の外面に取付けられている。
【0025】
なお、
図4Bに示すように、筒体49b2に金属製のリフレクタ50を設け、リフレクタ50の内部に受信装置20を設けてもよい。リフレクタ50は、四角錐の形状であって、横送り部49bに装着された第1壁50aと、第1壁50bと離間して設けられた第2壁50bと、第1壁50aの幅方向一端と第2壁50bの幅方向一端とを連結する第3壁部50cと、第1壁50aの幅方向一端と第2壁50bの幅方向一端とを連結する第4壁部50dと、を有している。第3壁部50c及び第4壁部50dは下方にいくにしたがって幅方向に広がる傾斜面を含んでいる。受信装置20は、第3壁部50c及び第4壁部50dが連結する頂 部の近傍に設けられている。
【0026】
通信部16には、受信装置20が接続されている。また、通信部16には、測定装置47(食味測定部47b、水分測定部47a及び収穫量測定部47c)に接続されている。通信部16は、近距離、又は、長距離の通信を行う装置で構成されている。例えば、通信部16は、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、Bluetooth(登録商標)等により無線通信を行う通信モジュール、携帯電話通信網により無線通信を行う通信モジュール、データ通信網により無線通信を行う通信モジュールのいずれかである。通信部16は、受信装置20が受信した識別情報、測定装置47が測定した穀物特性情報等を外部に送信することができる。
【0027】
さて、コンバイン40で収穫した穀物を収容器11に排出する排出作業では、まず、コンバイン40のリモコン等を操作することによって、縦送り部49aを介して横送り部49bを上、下、左、右に移動する。そして、
図3及び
図4Aに示すように、横送り部49bの先端部(排出口49b1)を、穀物を排出する排出先の収容器11の上方に位置させる。つまり、コンバイン40による排出作業時には、横送り部49bの先端部が収容器11の開口部15の上方、即ち、収容器11の周壁14(第1縦壁14a1、第2縦壁14a2、第1横壁14b1、第2横壁14b2)の上方に位置させる。その後、例えば、リモコン55に設けられた排出開始ボタンを操作することによって、排出部49から収容器11への穀物の排出が開始される。また、リモコン55に設けられた排出終了ボタンを操作することによって、排出部49から収容器11への穀物の排出を停止(終了)することができる。
【0028】
したがって、排出作業においては、受信装置20は、周壁14に設けた複数の通信装置10(第1縦装置10a1、第2縦装置10a2、第1横装置10b1、第2横装置10b2)から識別情報を受信することができる。
また、リモコン55において、排出開始ボタンを操作した信号及び排出終了ボタンを操作した信号はコンバイン40(制御装置48)に送信される。そのため、受信装置20において、排出開始から排出終了までに受信した識別情報を把握することは可能である。
【0029】
次に、トラック等の運搬車21に、上述した2つの収容器11を並べた状態で排出作業を行った場合の識別情報の取得について詳しく説明する。
図5Aは、運搬車21に2つの収容器11を並べた状態を示した図である。説明の便宜上、2つの収容器11のうち、一方の収容器11Aを第1収容器11A、他方の収容器11Bを第2収容器11Bといい説明を続ける。第1収容器11Aに設けた通信装置10のことを第1通信装置10Aといい、第2収容器11Bに設けた通信装置10のことを第2通信装置10Bという。
【0030】
第1収容器11Aと、第2収容器11Bとは隣接している。即ち、第1収容器11Aの第2縦壁14a2と、第2収容器11Bの第1縦壁14a1とが隣接して並ぶように、第1収容器11Aと第2収容器11Bとは運搬車21上に並べられている。第1収容器11Aには、複数の第1通信装置10Aが取り付けられている。第1収容器11Aに対する複数の第1通信装置10Aの取付け位置及び個数は、
図3と同様である。即ち、複数の第1通信装置10Aは、第1縦装置10a1、第2縦装置10a2、第1横装置10b1、第2横装置10b2を含んでいる。また、第2収容器11Bにも、複数の第2通信装置10Bが取り付けられている。第2収容器11Bに対する複数の第2通信装置10Bの取付け位置及び個数は、
図3と同様である。複数の第2通信装置10Bは、第1縦装置10a1、第2縦装置10a2、第1横装置10b1、第2横装置10b2を含んでいる。
【0031】
以降、説明の便宜上、第1容器11Aに設けた複数の第1通信装置10Aにおいて、第1縦装置10a1の識別情報を「A」、第2縦装置10a2の識別情報を「B」、第1横装置10b1の識別情報を「C」、第2横装置10b2の識別情報を「D」という。第2容器11Bに設けた複数の第2通信装置10Bにおいて、第1縦装置10a1の識別情報を「E」、第2縦装置10a2の識別情報を「F」、第1横装置10b1の識別情報を「G」、第2横装置10b2の識別情報を「H」という。なお、
図5Bは、第1通信装置10A及び第2通信装置10Bの識別情報を記号で示した図である。
【0032】
図6は、受信装置20が受信した識別情報、穀物特性情報、容器情報の関係を示した図である。
図6において、説明の便宜上、識別情報は、
図5Bに示した「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」、「H」に対応している。また、排出作業時に、受信装置20が受信した識別情報を「○」で示し、受信装置20が受信しなかった識別情報は空白で示している。
【0033】
図6に示すように、コンバイン40の記憶部51は、開始から終了までの間に収容器11に排出した穀物に関して、測定装置47で取得した穀物特性情報(穀物の水分量、タンパク量、収穫量)を取得して記憶する。なお、穀物特性情報を示す値は、開始から終了において、測定装置47が測定した値の平均であってもよいし、所定時間毎に測定装置47が測定した値であってもよいし、測定装置47が測定した値に対して正規化等を行った値であってもよいし、その他の値であってもよく限定されない。
【0034】
また、コンバイン40の記憶部51は、開始から終了までの間に受信装置20が受信した識別情報を記憶する。なお、上述した実施形態では、排出作業の開始から終了までの間に得た情報(穀物の特性情報、識別情報)を、コンバイン40の記憶部51に記憶するとしているが、通信部16を用いて逐次、外部に送信してもよい。
図1に示すように、農業管理システムは、農業管理装置60を備えている。農業管理装置60は、上述した収穫、排出作業などの様々な作業を管理することが可能である。農業管理装置60には、作業者(管理者)が収穫作業(排出作業)で使用する収容器11(第1収容器11A、第2収容器11B)の容器情報が登録されている。例えば、携帯端末30に登録されている容器情報と同一の容器情報(KUBOTA−1、KUBOTA−2)が農業管理装置60に登録されている。
【0035】
なお、
図5A及び
図5Bに説明の便宜上、第1収容器11A及び第2収容器11Bと、第1通信装置10A及び第2通信装置10Bとの取付位置及び識別情報を示したが、この実施形態では、作業者(管理者)等によって第1収容器11A及び第2収容器11Bのそれぞれと、第1通信装置10A及び第2通信装置10Bの識別情報のそれぞれと関係は農業管理装置60には、事前に登録されていない。農業管理装置60は、少なくとも通信装置10の識別情報に基づいて、穀物の排出先である収容器11を推定(特定)することが可能である。農業管理装置60は、コンバイン40(通信部16)に接続可能であって、例えば、サーバで構成されている。
【0036】
次に、農業管理装置60による通信装置10の識別情報の取得について説明する。
農業管理装置60は、識別情報取得部61と、記憶部62Aとを備えている。識別情報取得部61は、農業管理装置60に設けられた電気・電子部品、当該農業管理装置60に格納されたプログラム等から構成されている。記憶部62Aは、様々な情報を記憶するもので、不揮発性のメモリ等から構成されている。
【0037】
識別情報取得部61は、収容器11に設けられた通信装置10から送信された識別情報を取得する。例えば、識別情報取得部61は、穀物の排出作業中又は排出作業後に、通信装置10が送信した識別情報を、受信装置20及び通信部16を介して受信する。
具体的には、穀物の排出作業の開始から終了までの間、即ち、排出作業を開始してから終了するまでの1サイクル毎(排出毎)に、
図6に示したように、受信装置20は、識別情報を受信する。コンバイン40の通信部16は、受信装置20が受信した識別情報を農業管理装置60に向けて送信する。農業管理装置60が排出毎の識別情報を受信すると、識別情報取得部61は、排出毎に通信装置10が送信した識別情報を取得する。つまり、
図6に示したように、コンバイン40の受信装置20が受信した同様の識別情報を、識別情報取得部61が取得し、記憶部62Aに蓄積される。
【0038】
したがって、農業管理装置60は、排出作業が行われる毎に、通信装置10から送信された識別情報(受信装置20が受信した識別情報)を、排出毎に分けて順次、蓄積することができる。
農業管理装置60は、容器情報取得部63を備えている。容器情報取得部63は、農業管理装置60に設けられた電気・電子部品、当該農業管理装置60に格納されたプログラム等から構成されている。容器情報取得部63は、農業管理装置60が第1モードである場合、収容器11に対応付けられた容器情報であって携帯端末30に入力された容器情報を取得する。
【0039】
まず、携帯端末30について説明する。
携帯端末30は、通信部16に接続可能であって、様々な情報を通信部16から取得可能である。例えば、携帯端末30は、受信装置20が受信した識別情報を受信することが可能である。携帯端末30は、記憶部31と、表示部33とを有している。
記憶部31は、不揮発性のメモリ等で構成されていて、予め定められた収容器11の容器情報が記憶されている。例えば、容器情報は、収容器11を示す名称(呼称)である。収容器11の名称は、作業を行う作業者等が任意で設定することが可能である。例えば、携帯端末30には、「KUBOTA−1」で示される容器情報と、「KUBOTA−2」で示される容器情報とが登録され、記憶部31に記憶されているものとして説明を進める。なお、「KUBOTA−1」は、第1収容器11Aの名称であり、「KUBOTA−2」は、第2収容器11Bの名称である。
【0040】
表示部33は、排出作業等など様々な情報を表示する。例えば、
図7に示すように、予め記憶部31に記憶された複数の容器情報(第1収容器11A、第2収容器11B)の中から、排出作業において、穀物を排出する先(排出先)の容器情報(第1収容器11A、第2収容器11B)を選択する選択画面M1を表示する。選択画面M1において、複数の容器情報の中から所定の容器情報を選択して、完了ボタン52を選択すると、所定の容器情報が当該携帯端末30に入力された容器情報に設定される。携帯端末30に入力された容器情報のことを「入力容器情報」ということがある。
【0041】
携帯端末30に入力容器情報が入力されると、当該携帯端末30は、コンバイン40の通信部16に入力容器情報を送信する。コンバイン40の通信部16は、携帯端末30から送信された入力容器情報を、受信装置20が受信した識別情報と共に農業管理装置60に送信する。農業管理装置60が入力容器情報を受信すると、容器情報取得部63は、携帯端末30に入力された入力容器情報を取得する。ここで、上述したように、農業管理装置60の識別情報取得部61が識別情報を取得する一方、容器情報取得部63が入力容器情報を取得すると、識別情報及び入力容器情報は、
図6に示すように、記憶部62Aに蓄積される。
【0042】
つまり、農業管理装置60は、排出作業が行われる毎に、携帯端末30に入力された入力容器情報及び識別情報が排出毎に順次、蓄積される。
なお、上述した実施形態では、携帯端末30がコンバイン40の通信部16に入力容器情報を送信していたが、これに代えて、携帯端末30が農業管理装置60に入力容器情報を送信してもよい。この場合は、携帯端末30は、入力容器情報を入力した入力時刻、当該携帯端末30の端末位置、穀物を収穫した圃場等の情報を入力容器情報と共に、農業管理装置30に送信する。また、コンバイン40の通信部16は、排出毎に、排出作業の時刻(開始時刻、終了時刻等)、当該コンバイン40の機械位置、穀物を収穫した圃場等の情報を農業管理装置30に送信する。このようにすれば、入力時刻、端末位置、圃場、排出作業の時刻、機械位置などを共通事項にすることで、農業管理装置60では、入力容器情報と識別情報とを対応付けて、
図6に示すように、入力容器情報(容器情報)と識別情報とが関連付けられた履歴データベースとして、記憶部62Aに記憶することができる。
【0043】
さて、農業管理装置60は、上述したような容器情報等の補足情報を用いて、排出作業時に穀物を排出した収容器11を推定することが可能である。また、農業管理装置60は、容器情報等の補足情報を用いずに、排出作業時に穀物を排出した収容器11を推定することができる。農業管理装置60が第1モードである場合には、容器情報等の補足情報を用いて排出作業時の穀物の排出先(収容器11)を推定する。また、農業管理装置60が第2モードである場合には、容器情報等の補足情報を用いずに排出作業時の穀物の排出先(収容器11)を推定する。この実施形態では、農業管理装置60は、第1モード及び第2モードを有しているが、農業管理装置60は、第1モードのみを有していても、第2モードのみを有していてもよい。
【0044】
農業管理装置60は、推定部64を備えている。推定部64は、農業管理装置60に設けられた電気・電子部品、当該農業管理装置60に格納されたプログラム等から構成されている。推定部64は、排出毎に得られた識別情報に基づいて、所定の排出時における収容器11を推定することが可能である。
推定部64は、農業管理装置60が第1モードである場合、識別情報取得部61で取得した識別情報と、容器情報取得部63で取得した容器情報との両方に基づいて、収容器11の推定、即ち、収容器11と識別情報との対応関係を推定する。また、推定部64は、農業管理装置60が第2モードである場合、容器情報取得部63で取得した容器情報を用いずに、識別情報取得部61で取得した識別情報に基づいて、収容器11の推定(収容器11と識別情報との対応関係)を推定する。
【0045】
まず、農業管理装置60が第1モードである場合における推定部64の動作について説明する。
推定部64は、記憶部62Aに記憶された複数の識別情報と、容器情報との組み合わせに基づいて、収容器11(容器情報)と識別情報との対応関係を推定する。
図6に示すように、少なくとも識別情報と容器情報との履歴データベースが記憶部62Aに記憶されている場合、まず、推定部64は、記憶部62Aの履歴データベースにアクセスして、排出毎における複数の識別情報を参照する。そして、推定部64は、所定の収容器11(所定の容器情報)に対して受信装置20が受信した識別情報のパターンを分析する。
【0046】
例えば、
図6の「KUBOTA−1」に対応する複数の識別情報に着目した場合、1〜4回目の排出作業時においては、受信装置20が受信した識別情報は、「B」、「C」、「D」の組み合わせが3回であり、全体の4回に比べて多い。そのため、推定部64は、4回目の排出作業時の時点で、識別情報が「B」、「C」、「D」を受信した場合は、「KUBOTA−1」で示された第1収容器11Aが排出先であると推定する。即ち、推定部64は、容器情報が「KUBOTA−1」と、識別情報が「B」、「C」、「D」とである組み合わせのパターン(第1パターン)を生成して、生成した第1パターンを推定用パターンとして採用する。
【0047】
また、排出作業が順次増加して、6回に達したとき、1〜6回目の排出作業時においては、受信装置20が受信した識別情報が「B」、「C」、「D」の第1パターンの他に、識別情報が「A」、「C」、「D」の回数が増加している。そのため、推定部64は、6回目の排出作業時の時点で、識別情報が「A」、「C」、「D」を受信した場合は、「KUBOTA−1」で示された第1収容器11Aが排出先であると推定する。即ち、推定部64は、容器情報が「KUBOTA−1」と、識別情報が「A」、「C」、「D」とである組み合わせのパターン(第2パターン)を生成して、生成した第2パターンを推定用パターンとして採用する。
【0048】
つまり、推定部64は、排出作業が増加する毎(識別情報が蓄積される毎)に、複数の識別情報と容器情報との組み合わせの関係を参照し、識別情報が「B」、「C」、「D」である第1パターン、識別情報が「A」、「C」、「D」である第2パターンの推定用パターンを生成する。なお、「KUBOTA−1」に対して、受信装置20が受信した識別情報として、「F」、「G」、「H」が含まれているが、第1パターン及び第2パターンにおいて、いずれの場合にも識別情報が異なるため、推定部64は、ノイズとして処理し、パターンの組み合わせに取り入れない。
【0049】
同様に、推定部64は、「KUBOTA−1」とは別の容器情報である「KUBOTA−2」に対しても推定処理を実行する。
図6に示すように、識別情報「E」、「F」、「G」、「H」の組み合わせである第3パターン、識別情報「E」、「G」、「H」の組み合わせである第4パターンを推定用パターンとして生成し、生成した第3パターン及び第4パターンを採用する。
【0050】
なお、推定部64で生成した推定用パターン(第1パターン〜第4パターン)は、推定を行う途中のデータ(学習中のデータ)として扱ってもよいし、推定用パターンを用いて収容器11を推定して、推定した収容器11を実際の排出作業における排出先として採用してもよい。
このように、推定部64は、収穫物の排出作業が繰り返される毎(排出作業が行われる毎)に記憶部62Aに蓄積される複数の識別情報と容器情報との組み合わせに基づいて、収容器11と識別情報との対応関係の推定(推定処理)を繰り返す。また、
図6に示すように、「KUBOTA−1」に対して、識別情報の組み合わせが第1パターン又は第2パターンであると推定した後も、推定部64は、排出作業が行われる毎に推定処理を続ける。同様に、「KUBOTA−2」に対して、識別情報の組み合わせが第3パターン又は第4パターンであると推定した後も、推定部64は推定処理を続ける。
【0051】
さて、推定部64は、推定処理において、「KUBOTA−1」に対する第1パターンの相関係数、又は、第2パターンの相関係数を求める。また、推定処理において、「KUBOTA−2」に対する第3パターンの相関係数、又は、第4パターンの相関係数を求める。つまり、推定部64は、複数の識別情報と容器情報との組み合わせ(第1パターン〜第4パターン)における相関係数を、推定処理毎に求める。推定処理毎において、相関係数が閾値以上、例えば、相関係数が0.4以上、好ましくは、0.7以上である場合、予め設定した複数の識別情報と容器情報との組み合わせ(推定用パターン)が、収容器11(第1収容器11A、第2収容器11B)と識別情報との対応関係を示していると決定する。
【0052】
例えば、排出作業が10回になった時点で第1パターン及び第2パターンの相関係数が閾値を超えた場合、当該第1パターン又は第2パターンの識別情報を受信装置20が受信したときは、「KUBOTA−1」で示された第1収容器11Aに穀物が排出されたと、推定部64が決定する。言い換えれば、農業管理装置60が携帯端末30から得られた容器情報(補足情報)を用いた第1収容器11Aの推定処理の学習を終了する。ここで、第1収容器11Aの推定処理の学習を終了すると、農業管理装置60は、第1モードから第2モードに切り換わり、少なくとも第1収容器11Aの推定処理において、容器情報は用いない処理に移行する。
【0053】
また、排出作業が15回になった時点で第3パターン及び第4パターンの相関係数が閾値を超えた場合、当該第3パターン又は第4パターンの識別情報を受信装置20が受信したときは、「KUBOTA−2」で示された第2収容器11Bに穀物が排出されたと、推定部64は決定する。言い換えれば、農業管理装置60が携帯端末30から得られた容器情報(補足情報)を用いた第2収容器11Bの推定処理の学習を終了する。ここで、第2収容器11Bの推定処理の学習を終了すると、農業管理装置60は、第1モードから第2モードに切り換わり、少なくとも第2収容器11Bの推定処理において、容器情報は用いない処理に移行する。
【0054】
推定部64は、第2モードでは、識別情報取得部61が識別情報を取得後、取得した識別情報と第1パターン〜第4パターンとを比較して、排出先の収容器11が、第1収容器11A又は第2収容器11Bのいずれかであるかを判定する。推定部64は、例えば、識別情報取得部61が取得した識別情報が第1パターン又は第2パターンに一致している場合は、収容器11は、第1収容器11Aであると決定し、第3パターン又は第4パターンに一致している場合は、第2収容器11Bであると決定する。識別情報取得部61が取得した識別情報が、第1パターン〜第4パターンに完全一致していない場合でも、これらに類似している場合は、第1収容器11A又は第2収容器11Bであると決定する。
【0055】
以上によれば、携帯端末30に入力した容器情報と、通信装置10が送信した識別情報とを用いて、穀物の排出先である収容器11を推定することができる。
農業管理装置60は、携帯端末30に対応して登録されている容器情報に対応する収容器11の推定処理の学習が終了した場合、例えば、少なくとも第1収容器11A及び第2収容器11Bのいずれかの推定処理の学習が終了した場合、携帯端末30に通知する。
【0056】
農業管理装置60は、通知部65Aを有している。通知部65Aは、農業管理装置60に設けられた電気・電子部品、当該農業管理装置60に格納されたプログラム等から構成されている。通知部65Aは、上述したように、推定部64が推定処理の学習を終了した場合(複数の識別情報と容器情報との相関関係を示す相関係数が閾値以上である場合)に、携帯端末30に対して容器情報の入力が不要であることを通知する。
【0057】
携帯端末30は、第1収容器11Aに対する推定処理の学習が終了した通知、即ち、容器情報が入力不要であることを農業管理装置60から取得した場合、少なくとも選択画面M1に、容器情報である「KUBOTA−1」を表示せずに、「KUBOTA−1」を携帯端末30に入力できないようにする。同様に、携帯端末30は、「KUBOTA−2」の入力不要であることを農業管理装置60から取得した場合、少なくとも選択画面M1に、容器情報である「KUBOTA−2」を表示せずに、「KUBOTA−2」を携帯端末30に入力できないようにする。また、携帯端末30は、「KUBOTA−1」及び「KUBOTA−2」が入力不要であることを取得した場合は、選択画面M1自体を表示しない。
【0058】
したがって、携帯端末30は、農業管理装置60からの通知を受けて、容器情報の受付を停止する。
また、通知部65Aは、推定部64により推定された収容器11を、処理設備に通知する。処理設備とは収穫物を処理する設備であって、上述したように収穫物が穀物である場合、処理設備は穀物処理設備100である。穀物処理設備100は、穀物を受ける荷受け機、穀物を乾燥する乾燥機、穀物を放冷する放冷タンク、穀物の籾摺りを行う籾摺機、穀物の色彩選別を行う色選機、穀物の計量を行う計量器等である。なお、穀物処理設備100は、は、上述したものに限定されず、穀物処理設備100において、荷受け機、乾燥機、放冷タンク、籾摺機、色選機、計量器のすべてが設置されている必要はなく、穀物の処理に応じて穀物処理設備100に設置する装置を選択すればよい。
【0059】
例えば、排出作業が完了し、当該排出作業における収容器11の容器情報と識別情報とが農業管理装置60に送信され、推定部64が容器情報及び識別情報によって、収容器11の推定を行った場合、通知部65Aは、推定結果、即ち、排出作業における収容器11の容器情報を、穀物処理設備100に通知する。これによれば、排出作業を完了した収容器11が穀物処理設備100に向けて搬送された場合に、当該穀物処理設備100側でどの収容器11が搬送されているかを事前に把握することができる。
【0060】
農業管理装置60は、表示制御部68を備えている。表示制御部68は、農業管理装置60に設けられた電気・電子部品、当該農業管理装置60に格納されたプログラム等から構成されている。表示制御部68は、推定部64が推定した対応関係で示された収容器11の容器情報を表示させる。表示制御部68は、推定部64による収容器11の推定後に、推定した収容器11の容器情報の送信指令を農業管理装置60に行い、当該農業管理装置60は携帯端末30に推定した容器情報を容器情報に送信することで、携帯端末30に容器情報を表示させる。例えば、携帯端末30が農業管理装置60に接続後、当該農業管理装置60に対して容器情報の表示を要求場合、
図13に示すように、表示制御部68は、携帯端末30の要求に応じて、容器画面M4を表示させる。表示制御部68は、例えば、推定部64が収容器11は第1収容器11Aであると決定した場合、容器画面M4に第1収容器11Aに対応する容器情報としてKUBOTA−1を表示する。これにより、推定部64によって推定した収容器11の容器情報を携帯端末30に表示させることができる。
【0061】
図8Aは、上述した穀物の排出作業における流れを示したフローチャートである。なお、
図8Aでは、農業管理装置60は、最初は第1モードであるとして説明を進める。
図8に示すように、携帯端末30を操作して、選択画面M1で排出先である容器情報を決定し(S1)、当該携帯端末30からコンバイン40へ容器情報を送信する(S2)。また、リモコン55を操作して排出部49を排出先の所定の収容器11上に移動した後、排出開始ボタンを操作して穀物の排出を開始する(S3)。なお、穀物の排出の開始(S3)と、容器情報の選択(S1)及び送信(S2)とは逆であってもよい。
【0062】
コンバイン40の受信装置20は、通信装置10から識別情報を受信することで、排出作業時の識別情報を取得する(S4)。また、コンバイン40の測定装置47により測定した穀物特性情報を取得する(S5)。なお、測定装置47による穀物特性情報の測定は、穀物の刈取時であってもよく、排出作業時よりも前に、コンバイン40が穀物特性情報を取得していてもよい。
【0063】
コンバイン40の通信部16は、リモコン55の排出終了ボタンを操作して穀物の排出を終了後(S6)、排出作業で得られた識別情報、穀物特性情報、容器情報を農業管理装置60に送信する(S7)。
農業管理装置60の識別情報取得部61は、通信部16から送信された識別情報を取得し(S8)、容器情報取得部63は、通信部16から送信された容器情報を取得する(S9)。農業管理装置60の記憶部62Aは、識別情報及び容器情報を関連付けて記憶する(S10)。推定部64は、記憶部62Aを参照して、複数の識別情報の組み合わせに基づいて、排出作業時の収容器11を推定する(S11)。ここで、収容器11の推定において、複数の識別情報と容器情報との相関係数が予め定められた閾値以上でない場合(S12、No)、推定部64は、携帯端末30に入力された容器情報で示された収容器11を排出先として決定する(S13)。排出先(収容器11、容器情報)の決定後(S13後)は、農業管理装置60は、決定した排出先(収容器11、容器情報)を、収穫物を処理する処理設備に送信したり、農業管理装置60の記憶部62Aに排出作業の時間(時刻)と共に記憶したり、携帯端末30に送信する。
【0064】
また、複数の識別情報と容器情報との相関係数が予め定められた閾値以上でない場合(S12、No)、農業管理装置60は第1モードを維持して、再度、排出作業を繰り返し(S1〜S10を繰り返し)、排出作業時に得られた識別情報と収容器11の容器情報との対応関係を排出作業が行われる毎に記憶部62Aに蓄積しつつ、S11で推定処理を続ける。
【0065】
一方、複数の識別情報と容器情報との相関係数が予め定められた閾値以上である場合(S12、Yes)、相関係数が閾値以上となった複数の識別情報と容器情報との組み合わせのパターンを、推定用パターンとして生成し、当該パターンと容器情報との対応関係を登録情報として、記憶部62Aの登録データベースに登録する(S14)。
図6に示すように、例えば、上述したように、「KUBOTA−1」に対して、「A」、「C」、「D」で示される識別情報が多く、相関係数が閾値以上の場合は、「A」、「C」、「D」を第1パターンとして生成する。同様に、「KUBOTA−1」に対して、「B」、「C」、「D」で示される識別情報が多く、相関係数が閾値以上の場合は、「B」、「C」、「D」を第2パターンとして生成する。第1パターン及び第2パターンと「KUBOTA−1」との関係を登録情報として、記憶部62Aの登録データベースに記憶する。
【0066】
農業管理装置60は、携帯端末30に対して容器情報の入力が不要であることを通知する(S15)。推定部64は、推定処理(S11)で推定した容器情報の収容器11を排出先として決定する(S16)。なお、排出先(収容器11、容器情報)の決定後(S16後)は、農業管理装置60は、上述したS13後と同様に、排出先(収容器11、容器情報)を、処理設備に送信したり、農業管理装置60の記憶部62Aに排出作業の時間(時刻)と共に記憶したり、携帯端末30に送信する。なお、推定用パターンの生成(S14)、入力不要の通知(S15)、排出先の決定(S16)は、上述した順番に限定されず、順番を任意に入れ替えてもよく、全ての組み合わせが適用可能である。
【0067】
図8Bは、農業管理装置60が第1モードから第2モードに切り換わった場合の穀物の排出作業における流れを示したフローチャートである。
図8Bに示すように、第2モードでは、
図8Aに示したS1及びS2は行われず、穀物の排出作業は、S3から開始される。また、
図8Bに示すように、S4〜S6は、
図8Aと同様である。
コンバイン40の通信部16は、リモコン55の排出終了ボタンを操作して穀物の排出を終了後(S6)、排出作業で得られた識別情報、穀物特性情報を農業管理装置60に送信する(S20)
農業管理装置60の識別情報取得部61は、通信部16から送信された識別情報を取得する(S21)。推定部64は、識別情報取得部61が取得した識別情報(取得識別情報という)と、登録データベースとして記憶部62Aに記憶された登録情報の推定用パターンとを比較し(S22)、取得識別情報と一致している推定用パターンに対応付けられた容器情報を抽出し、抽出した容器情報に対応する収容器11を排出先に決定する(S23)。例えば、取得識別情報が「A」、「C」、「D」である場合、当該取得識別情報「A」、「C」、「D」に対応する容器情報「KUBOTA−1」の第1収容器11Aを排出先に決定する。
【0068】
なお、上述したS23では、推定部64は、取得識別情報と推定用パターンで示された識別情報とが完全一致している場合について説明しているが、取得識別情報が推定用パターンで示された識別情報の全て含んでいれば、当該推定用パターンに対応する収容器11を排出先として決定してもよい。例えば、推定用パターンの識別情報が「A」、「C」、「D」であるのに対し、取得識別情報が「A」、「B」、「C」、「D」であっても、当該取得識別情報「A」、「B」、「C」、「D」には、推定用パターンの識別情報「A」、「C」、「D」の全てを含んでいるため、推定用パターンの識別情報「A」、「C」、「D」に対応する容器情報「KUBOTA−1」の第1収容器11Aを排出先に決定してもよい。
【0069】
そして、排出先(収容器11、容器情報)の決定後(S23後)は、農業管理装置60は、排出先(収容器11、容器情報)を、処理設備に送信したり、農業管理装置60の記憶部62Aに排出作業の時間(時刻)と共に記憶したり、携帯端末30に送信する。なお、取得識別情報から排出先を推定できた場合、当該排出先の容器情報の履歴データベースに、取得識別情報を追加して記憶部62Aに記憶してもよい。
【0070】
農業管理システム又は農業管理装置60は、識別情報取得部61と、容器情報取得部63と、推定部64と、を備えている。これによれば、穀物の収容器11への排出作業時(穀物の収容器11への収容時)などに、携帯端末30に収容器11の容器情報を入力しておく一方で、通信装置10から送信された識別情報を取得しておく一方で、推定部64によって、排出作業時に取得した識別情報と収容器11の容器情報との対応関係を推定することができる。また、収容器11の容器情報に対する識別情報がどのような関係であるかの把握と、推定部64による推定作業とを繰り返しすることで、より推定部64による収容器11の推定精度を向上させることができる。
【0071】
農業管理システム又は農業管理装置60は、記憶部62Aを備え、推定部64は、記憶部62Aに記憶された複数の識別情報と、容器情報との組み合わせに基づいて、収容器11と識別情報との対応関係を推定する。これによれば、推定部64による収容器11の推定精度を向上させることができる。
推定部64は、複数の前記識別情報と容器情報との組み合わせにおける相関係数が閾値以上である場合に、当該相関係数が閾値以上である複数の識別情報と容器情報との組み合わせから、収容器11と識別情報との対応関係を決定する。これによれば、排出作業時に得られた識別情報と容器情報との組み合わせにおける相関係数により、識別情報と容器情報との関連付けの強さを把握することができ、推定部64による推定精度をより向上させることができる。即ち、推定部64によって、複数の収容器11のうち、穀物を収容した特定の収容器11を決定することができる。
【0072】
通知部64は、複数の識別情報と容器情報との相関関係を示す相関係数が閾値以上である場合に、携帯端末30に対して容器情報の入力が不要であることを通知する。これによれば、特定の収容器11の容器情報に対して識別情報が何であるかを把握できる場合には、携帯端末30による容器情報の入力を不要にすることができる。
また、容器情報取得部63は、複数の識別情報と容器情報との相関関係を示す相関係数が閾値以上である場合に、容器情報の取得を停止する。これによれば、農業管理システム又は農業管理装置60における容器情報取得部63の負荷を低減することができる。
【0073】
農業管理システム又は農業管理装置60は、推定部64が推定した対応関係で示された収容器11の容器情報を表示する表示制御部68を備えている。したがって、推定部64がどのような推定を行ったかを表示制御部68によって携帯端末30にて確認することができる。例えば、収容器11の推定の学習が途中の場合には、推定部64が推定した収容器(排出先)11を学習の途中で、推定部68の推定がどのように行われたかを作業者等が確認することができる。また、学習が完了している場合には、排出作業時に推定部64が推定した容器情報を排出先として作業者が確認することができる。
【0074】
農業管理システムは、通信装置10と、受信装置20と、記憶部62Aと、推定部64とを備え、記憶部62Aは、受信装置で受信した識別情報と収容器11との対応関係を、収穫物排出装置40における穀物の排出毎に蓄積し、推定部64は、記憶部62Aに蓄積された排出毎の識別情報に基づいて、所定の排出時における収容器11を推定する。
記憶部62Aは、排出時に受信装置20が受信した複数の識別情報と、収容器11との対応関係を排出毎に記憶し、推定部64は、排出毎における複数の識別情報の組み合わせに基づいて、所定の排出時における収容器11を推定する。
【0075】
推定部64は、複数の識別情報の組み合わせのパターンと収容器11との関係を生成し、生成した組み合わせのパターンを含む複数の識別情報を受信装置20が受信した場合には、パターンで示された収容器11を所定の排出時における収容器とする。
通知部64は、推定部64により推定された収容器11を、穀物等の収穫物を処理する処理設備に通知する。これによれば、収穫物の排出作業の完了後に処理設備がどの収容器11に穀物が入っているかを事前に把握することができる。
[第2実施形態]
図9は、農業管理システムの概略図を示している。なお、
図9の農業管理システムにおいて上述した実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0076】
農業管理システムは、記憶部62Bを備えている。記憶部62Bは、様々な情報を記憶するもので、不揮発性のメモリ等から構成されている。記憶部62Bは、少なくとも収容器11を示す容器情報と、収容器11に設けられた通信装置10に記憶された識別情報との関係を記憶する。具体的には、記憶部62Aは、実際に収容器11に取付けられた複数の通信装置10の識別情報と、当該複数の通信装置10が取り付けられた収容器11の容器情報との関係を記憶する。
【0077】
図5A及び
図5Bに示すように、第1縦装置10a1、第2縦装置10a1、横装置10b1、第2横装置10b2の4つの通信装置10が第1収容器11Aに取り付けられている場合、当該通信装置10に対応する4つの識別情報である「A」、「B」、「C」、「D」が、登録データベースとして、記憶部62Bに記憶されている。登録データベースに識別情報等を登録するには、
図10に示すように、例えば、作業者が所有する携帯端末30の表示部33に、登録画面M2を表示する。登録画面M2には、収容器11の名称を入力する名称入力部35と、複数の通信装置10の識別情報の中から所定の通信装置10を入力する装置入力部36とが表示される。
【0078】
作業者は、収容器11に複数の通信装置10を取付ける前、後、途中に、収容器11に取付ける複数の通信装置10の識別情報を装置入力部36に入力する。また、収容器11の名称を名称入力部35に入力し、装置入力部36及び名称入力部35への入力が完了した時点で、登録画面M2の完了ボタン37を選択する。これにより、登録画面M2に入力された識別情報と、収容器11の名称等の容器情報とが関連付けられ、携帯端末30に保存される。作業者は、識別情報と容器情報とが関連付けられた登録情報を、携帯端末30から農業管理装置60に送信する。管理装置60は、携帯端末30から送信された登録情報を、登録データベースに記憶する。
【0079】
このように、作業者が、通信装置10を収容器11に取付ける際に、取り付ける収容器11の容器情報と、取り付ける通信装置10の識別情報とを登録画面M2に登録することによって、記憶部62Bに、収容器11を示す容器情報と識別情報との対応関係を記憶することができる。
なお、識別情報と容器情報とを登録データベースに登録する方法は上述した方法に限定されず、パーソナルコンピュータ等に登録画面M2を表示して、作業者又は作業者以外の者が登録作業を行ってもよい。また、携帯端末30やパーソナルコンピュータ等に受信装置を接続しておき、登録の際に通信装置10の識別情報を受信装置に受信させることで、装置入力部36への入力を省略してもよい。受信装置は、携帯型であっても、コンバイン40に取付けた受信装置20であってもよく限定されない。
【0080】
また、第2実施形態では、登録情報は、携帯端末30等へ容器情報及び識別情報を入力することにより生成された情報であるが、第1実施形態に示したように、推定部64が収容器11を推定する際に生成した推定用パターンと容器情報との関係を示す情報であってもよい。言い換えれば、登録情報は、携帯端末30等への入力によって生成された情報であっても、推定部64が自動的に生成した情報であってもよく、限定されない。
【0081】
以下、説明の便宜上、受信装置20が受信した識別情報(識別情報取得部61が取得した識別情報)のことを「第1識別情報」、上述したように、記憶部65Bの登録データベースに登録された識別情報のことを「第2識別情報」という。
図9に示すように、農業管理システムは、比較部66を備えている。比較部66は、農業管理装置60に設けられた電気・電子部品、当該農業管理装置60に格納されたプログラム等から構成されている。比較部66は、様々な状況下で第1識別情報と第2識別情報とを比較する。
【0082】
比較部66は、推定部64と独立していて、収容器11に設けた通信装置10を確認する場合に作動して、第1識別情報と、第2識別情報とを比較する。
農業管理システムは、表示部(比較表示部)を備えている。比較表示部は、液晶パネル等から構成されていて、比較部66によって比較した結果を表示する。比較表示部は、携帯端末30に設けられた表示部33、パーソナルコンピュータが有する表示部、農業管理装置が有する表示部のいずれかである。なお、比較表示部が携帯端末30の表示部である場合は、比較部66により比較対象となっている第1識別情報及び第2識別情報を携帯端末30が農業管理装置60から受信する。比較表示部がパーソナルコンピュータの表示部である場合は、比較対象である第1識別情報及び第2識別情報をパーソナルコンピュータが農業管理装置60から受信する。比較表示部が農業管理装置60の表示部である場合は、当該農業管理装置60が比較部66による比較の対象(比較対象)となっている第1識別情報及び第2識別情報を比較部66から取得する。
図11は、比較対象となっている第1識別情報及び第2識別情報を比較画面M3を示している。比較画面M3では、農業管理装置60に登録された登録情報(第2識別情報及び容器情報)Q1、受信装置20が受信した第1識別情報Q2を表示する。
【0083】
このように、比較表示部に、登録情報Q1と、受信装置20が受信した第1識別情報Q2とを表示することによって、収容器11に取付けた通信装置10の状態を確認することができる。比較表示部は、
図11に示すように、KUBOTA−1に対応する第2識別情報として、「A」、「B」、「C」、「D」を表示し、且つ、受信装置20が受信した第1識別情報として、「A」、「B」、「C」を表示する。この場合、KUBOTA−1に関して、登録データベースに登録されている第2識別情報が「A」、「B」、「C」、「D」であるのに対して、受信装置20が受信した第1識別情報が「A」、「B」、「C」であるため、作業者は、比較表示部を見ることによって、識別情報が「D」である通信装置10が無いことを把握することができる。
【0084】
図9に示すように、農業管理システムは、状態判断部67を備えている。状態判断部67は、農業管理装置60に設けられた電気・電子部品、当該農業管理装置60に格納されたプログラム等から構成されている。
状態判断部67は、第1識別情報と第2識別情報とに基づいて、通信装置10の状態を判断する。状態判断部67は、第1識別情報と第2識別情報とが異なる場合に、第2識別情報に対応する収容器11に取付けられた通信装置10の故障又は欠落が発生したと判断する。例えば、「KUBOTA−1」に対応する第2識別情報が「A」、「B」、「C」、「D」であるのに対して、受信装置20が受信した第1識別情報が「A」、「B」、「C」である場合、受信装置20が受信するはずの第1識別情報「D」が含まれていないため、状態判断部67は、「KUBOTA−1」の第1収容器11Aに識別情報「D」の通信装置10が欠落しているか又は故障であると判断する。
【0085】
また、受信装置20が受信した第1識別情報が「A」、「E」、「C」、「D」である場合、第2識別情報と第1識別情報との個数が一致しているものの、受信装置20が受信するはずのない第1識別情報「E」が含まれている。そのため、状態判断部67は、「KUBOTA−1」の第1収容器11Aに、識別情報「E」の通信装置10が、識別情報「B」の代わりに追加されたと判断する。
【0086】
図9に示すように、農業管理システムは、通知部65Bを備えている。通知部65Bは、農業管理装置60に設けられた電気・電子部品、当該農業管理装置60に格納されたプログラム等から構成されている。通知部65Bは、通信装置10の故障、欠落及び追加のいずれかが発生したことを携帯端末30に通知する。例えば、通知部65Bは、故障又は欠落した通信装置10の識別情報又は識別情報に対応する名称と、故障又は欠落した通信装置10が取り付けられていた収容器11の容器情報を、携帯端末30に通知する。例えば、状態判断部67が、「KUBOTA−1」の第1収容器11Aに識別情報「D」の通信装置10が欠落しているか又は故障であると判断した場合、通知部65Bは、「KUBOTA−1」の第1収容器11Aに取付けていた識別情報「D」の通信装置10が故障又は欠落したことを示す情報を、携帯端末30に送信する。
【0087】
また、通知部65Bは、追加された通信装置10の識別情報又は識別情報に対応する名称と、追加した通信装置10が取り付けられていた収容器11の容器情報を、携帯端末30に通知する。例えば、状態判断部67は、「KUBOTA−1」の第1収容器11Aに、識別情報「E」の通信装置10が識別情報「B」の代わりに追加されたと判断した場合、通信部65Bは、「KUBOTA−1」の第1収容器11Aに、識別情報「E」の通信装置10が追加されたことを示す情報を、携帯端末30に送信する。
【0088】
図12は、通信装置10の状態、即ち、収容器11の状態を確認する流れを示したフローチャートである。
図12に示すように、作業者等が携帯端末30の操作を行うと、当該携帯端末30からコンバイン40に対して、通信装置10の状態を確認する処理(確認処理)を行うことを通知する(S40)。携帯端末30からコンバイン40への確認処理の通知時には、確認対象となる収容器11の名称等の容器情報がコンバイン40に送信される。確認対象となる収容器11の名称等の容器情報の入力は、上述した選択画面M1等によって行うことができる。
【0089】
コンバイン40は、通信部16を介して確認処理の通知及び容器情報を受信すると(S41)、当該コンバイン40は、確認モードに設定される(S42)。確認モードでは、リモコン55の操作によって、コンバイン40の排出部49が排出先に移動し、受信装置20が通信装置10から第1識別情報を受信すると(S43)、コンバイン40の通信部16は、受信装置20が受信した第1識別情報、確認モードであることを示す情報、容器情報を農業管理装置60に送信する(S44)。
【0090】
農業管理装置60の識別情報取得部61は、通信部16から送信された第1識別情報を取得する(S45)。識別情報取得部61が第1識別情報を取得すると、即ち、農業管理装置60が第1識別情報、確認モード及び容器情報を受信すると、比較部66は、記憶部62Bに登録された登録データベースを参照し、容器情報に対応する第2識別情報を抽出する(S46)。比較部66は、第1識別情報と、第2識別情報とを比較する(S47)。状態判断部67は、比較部66による比較の結果、第1識別情報と第2識別情報とが一致している場合は、確認対象である収容器11の状態は変化していないと判断し、通知部65Bは、変化していないことを示す情報を携帯端末30に送信する(S48)。一方、状態判断部67は、比較部66による比較の結果、第1識別情報と第2識別情報とが一致していない場合は、通信装置10が故障又は欠落したと判断し、通知部65Bは、故障又は欠落したことを示す情報を携帯端末30に送信する(S49)。携帯端末30の表示部33は、状態判断部67で判断した結果を表示する。なお、比較部66が容器情報に対応する第2識別情報を登録データベースから抽出後に、抽出した第2識別情報及び容器情報を農業管理装置60から携帯端末30に送信することによって、比較画面M3を携帯端末30の表示部33に表示してもよい。
【0091】
農業管理システム又は農業管理装置60は、通信装置10と、識別情報取得部61と、記憶部62Bと、比較部66と、を備えている。予め収容器11を示す容器情報と、当該収容器11に取付けた通信装置10の第2識別情報との関係を記憶部62に記憶させておき、その後に、排出作業前等に収容器11の通信装置10から送信された第1識別情報と、記憶部62Bに記憶された第2識別情報とを比較部66によって比較することにより、現状の収容器11に取付けられた通信装置10と、予め記憶部62Bに記憶されている通信装置10との関係を把握することができる。
【0092】
農業管理システム又は農業管理装置60は、比較部66により比較対象となっている第1識別情報と第2識別情報とを表示する表示部(比較表示部)を備えている。比較表示部は、予め記憶部62Bに記憶されている通信装置10の第2識別情報と、排出作業時等に受信装置20が取得した第1識別情報とを表示することができる。作業者等は比較表示部に表示された第1識別情報及び第2識別情報を見ることにより、予め記憶部62Bに記憶されている通信装置10と、現状の収容器11に取付けられた通信装置10とが異なっているのか一致しているのかを把握することができる。
【0093】
農業管理システム又は農業管理装置60は、識別情報取得部61が取得した第1識別情報と記憶部62Bに記憶した第2識別情報とに基づいて、通信装置10の状態を判断する状態判断部67を備えている。これによれば、排出作業時、排出作業前等に、収容器11に取付けられた通信装置10が何であるか、即ち、状態判断部67による判断結果を把握することができる。
【0094】
状態判断部67は、識別情報取得部61が取得した第1識別情報と記憶部62Bに記憶した第2識別情報とが異なる場合に、状態として通信装置10の故障、欠落及び追加のいずれかが発生したと判断する。これによれば、通信装置10の欠落及び追加のいずれかが発生したことを素早く判断することができる。
農業管理システム又は農業管理装置60は、通信装置10の故障、欠落及び追加のいずれかが発生したことを携帯端末30に通知する通知部65Bを備えている。これによれば、作業者は、排出作業時等に携帯端末30を所持することにより、排出先の収容器11に取付けた通信装置10が故障及び欠落のいずれかが発生しているかを把握することができる。
【0095】
なお、上述した実施形態では、携帯端末30からコンバイン40に対して、確認処理の通知を行った場合に、通信装置10の状態を確認していたが、コンバイン40に確認処理を行うか否かのON/OFFのスイッチ等を設けて、スイッチがONである場合に通信装置10の状態の確認を行ってもよい。
また、少なくとも収容器11の推定処理の学習が完了している状態、即ち、農業管理装置60が第2モードに設定されている状態において、推定部64による推定の際に比較部66及び状態判断部67により、通信装置10の状態を判断してもよい。この場合、比較部66は、推定用パターンと容器情報とが関連付けられた登録データベースを参照し、推定部64によって排出先を推定する際に、比較部66は、受信装置20が受信した第1識別情報と、第2識別情報である推定用パターンとを比較する。つまり、第2モードにおいて、収容器11の推定と、収容器11の状態とを確認する場合は、比較部66は推定部64に一体化されている、即ち、兼用されている。なお、推定部64による収容器11の推定と同時に、通信装置10の状態の確認を行った場合で、第1識別情報と第2識別情報とが完全一致しているか否かで通信装置10の状態を判断する。また、第1識別情報と第2識別情報とが完全一致していない場合は、通知部65Bは、通信装置10が故障又は欠落した虞があることを、携帯端末30に送信し、作業者等への通信装置10の確認を促す。
【0096】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。