(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該プログラムは、前記第3記憶処理において、前記取得処理で取得した前記条件情報に含まれる複数の前記パラメータのうち、前記特定項目と異なる対象項目に対応する前記パラメータのみを、前記メモリに記憶させる請求項8に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
【0012】
図1は、本実施形態に係るシステム100の概略図である。
図1に示されるシステム100は、MFP10A、10B(以下、これらを総称して、「MFP10」と表記することがある。)と、携帯端末50とで構成されている。MFP10及び携帯端末50は、通信ネットワーク101を通じて通信可能に構成されている。通信ネットワーク101は、例えば、有線LAN、無線LAN、或いはこれらの組み合わせであってもよい。または、MFP10及び携帯端末50は、USBケーブル等によって接続されていてもよい。
【0013】
MFP10は、
図2(A)に示されるように、プリンタ11と、スキャナ12と、ディスプレイ23と、入力I/F24と、通信I/F25と、CPU31と、メモリ32と、通信バス33とを主に備える。MFP10を構成する各構成要素は、通信バス33を通じて相互に接続されている。MFP10は、画像形成装置の一例である。
【0014】
プリンタ11は、画像データで示される画像をシートに記録するプリント動作を実行するハードウェアである。本実施形態では、インクを吐出して画像を記録するインクジェット方式のプリンタ11の例を説明するが、プリンタ11の記録方式は電子写真方式等であってもよい。スキャナ12は、原稿に記録されている画像を読み取って画像データ(以下、「スキャンデータ」と表記する。)を生成するスキャン動作を実行するハードウェアである。プリント動作及びスキャン動作は、画像形成動作の一例である。
【0015】
なお、画像形成動作の具体例はこれらに限定されない。画像形成動作は、例えば、FAXプロトコルに従って画像データを外部装置にFAX送信するFAX送信動作、FAXプロトコルに従って外部装置から画像データをFAX受信するFAX受信動作等であってもよい。また、MFP10A、10Bは、少なくとも1つの画像形成動作を実行可能であればよい。さらに、MFP10A、10Bが実行可能な画像形成動作は、異なっていてもよい。
【0016】
プリンタ11は、所定の実行条件に従ってプリント動作を実行する。プリント動作の実行条件は、複数の項目(例えば、“サイズ”、“用紙種”、“色”)それぞれに対応する複数のパラメータによって特定される。項目“サイズ”は、画像を記録するシートのサイズ(例えば、“A4”、“B5”、“L版”、“ハガキ”等)を示す。項目“用紙種”は、画像を記録するシートの種類(例えば、“普通紙”、“光沢紙”、“インクジェット紙”等)を示す。項目“色”は、シートに記録する画像の色の階調(例えば、“カラー”、“モノクロ”)を示す。
【0017】
スキャナ12は、所定の実行条件に従ってスキャン動作を実行する。スキャン動作の実行条件は、複数の項目(例えば、“解像度”、“色”、“形式”)それぞれに対応する複数のパラメータによって特定される。項目“解像度”は、原稿に記録された画像を読み取る際の読取解像度(例えば、“300dpi”、“600dpi”等)を示す。項目“色”は、読み取った画像の色の階調(例えば、“モノクロ”、“256色”、“フルカラー”等)を示す。項目“形式”は、スキャンデータのファイル形式(例えば、“PDF”、“TIFF”、“JPEG”等)を示す。
【0018】
また、MFP10は、特定動作を実行可能であってもよい。特定動作は、例えば、特定のハードウェア又はソフトウェアを備えたMFP10のみが実行可能な画像形成動作である。特定動作は、前述のプリント動作、スキャン動作、FAX送信動作、及びFAX受信動作等とは別の画像形成動作でもよいし、特定のハードウェアを用いることを示す実行条件に従って実行するプリント動作、スキャン動作、FAX送信動作、及びFAX受信動作でもよい。本実施形態に係る特定動作は、レーベルプリント動作、両面プリント動作、及びハガキプリント動作である。但し、特定動作の具体例はこれらに限定されず、例えば、プリント動作、スキャン動作、FAX送信動作、及びFAX受信動作の一部を指してもよい。
【0019】
レーベルプリント動作は、CD−ROM等の円盤形状の被記録媒体に画像を記録するプリント動作である。すなわち、レーベルプリント動作を実行可能なMFP10は、シートのみならず、CD−ROMを搬送するためのハードウェア(例えば、被記録媒体を挟持して回転するローラ対の距離を調整する機構)を備えている必要がある。
【0020】
両面プリント動作は、シートの表面及び裏面に画像を記録するプリント動作である。すなわち、両面プリント動作を実行可能なMFP10は、シートを反転させるハードウェア(例えば、シートを反転させて記録ヘッドに対面する位置まで導く反転搬送路、及び反転搬送路に沿ってシートを搬送する搬送ローラ対)を備えている必要がある。
【0021】
ハガキプリント動作は、ハガキに画像を記録するプリント動作である。すなわち、ハガキプリント動作を実行可能なMFP10は、ハガキを搬送するためのハードウェア(例えば、ハガキサイズの被記録媒体に当接し得る位置に配置された搬送ローラ)を備えている必要がある。
【0022】
ディスプレイ23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する表示画面を備える。
【0023】
入力I/F24は、ユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースである。具体的には、入力I/F24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、入力I/F24は、ディスプレイ23の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。ディスプレイ23の表示画面に表示されたオブジェクトを指定する操作、文字列或いは数字列を入力する操作は、ユーザ操作の一例である。「オブジェクト」とは、例えば、ディスプレイ23に表示された文字列、アイコン、ボタン、リンク、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウンメニュー等である。
【0024】
タッチセンサとして実現される入力I/F24は、ユーザがタッチした表示画面上の位置を示す位置情報を出力する。なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示画面に接触させる操作全般を含む。また、入力媒体が表示画面に触れていなくても、表示画面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させる「ホバー」或いは「フローティングタッチ」を、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。ディスプレイ23に表示されたオブジェクトの位置をタップするユーザ操作は、当該オブジェクトを指定するユーザ操作の一例である。
【0025】
通信I/F25は、通信ネットワーク101を通じて外部装置と通信可能なインタフェースである。すなわち、MFP10は、通信I/F25を通じて外部装置に各種情報を送信し、通信I/F25を通じて外部装置から各種情報を受信する。通信I/F25の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Wi−Fi(登録商標)を採用することができる。また、MFP10及び携帯端末50がUSBケーブルで接続される場合、通信I/F25は、USBケーブルを着脱可能なUSBインタフェースであってもよい。
【0026】
CPU31は、MFP10の全体動作を制御するものである。CPU31は、入力I/F24から出力される各種情報、通信I/F25を通じて外部装置から受信した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムをメモリ32から取得して実行する。CPU31及びメモリ32は、コントローラの一例を構成する。
【0027】
メモリ32は、OS34と、装置プログラム35とを記憶している。装置プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。また、メモリ32は、装置プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報等を記憶する。メモリ32は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、HDD、MFP10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
【0028】
メモリ32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。後述する携帯端末50のメモリ62についても同様である。
【0029】
メモリ32のMIB(Management Information Baseの略)は、
図1に示される装置情報を記憶している。装置情報は、MFP10を識別する装置IDと、MFP10が特定動作を実行可能か否かを示す機能情報とを含む。すなわち、MFP10Aは、装置ID“MFP−A”で識別され、両面プリント動作及びハガキプリント動作が実行可能で、レーベルプリント動作が実行不能である。一方、MFP10Bは、装置ID“MFP−B”で識別され、レーベルプリント動作及びハガキプリント動作が実行可能で、両面プリント動作が実行不能である。
【0030】
携帯端末50は、
図2(B)に示されるように、ディスプレイ53と、入力I/F54と、通信I/F55と、CPU61と、メモリ62と、通信バス63とを主に備える。携帯端末50に含まれるディスプレイ53、入力I/F54、通信I/F55、CPU61、メモリ62、及び通信バス63は、MFP10に含まれるディスプレイ23、入力I/F24、通信I/F25、CPU31、メモリ32、及び通信バス33と同様の構成であるので、説明は省略する。CPU61及びメモリ62は、コントローラの一例である。
【0031】
携帯端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、或いはタブレット端末等である。より詳細には、携帯端末50のディスプレイ53は、表示画面のサイズが12インチ以下、より好ましくは8インチ以下であるのが望ましい。また、携帯端末50の入力I/F54は、ディスプレイ53の表示画面に重ねられたタッチセンサであるのが望ましい。メモリ62は、OS64と、動作指示プログラム65と、外部プログラムの一例である年賀状プログラム66とを記憶している。
【0032】
OS64は、例えば、Android(登録商標) OS、iOS(登録商標)、Windows Phone(登録商標) Operating System等であってもよい。OS64は、携帯端末50にインストールされた複数のプログラムを並行して実行することができる。複数のプログラムは、例えば、時分割多重方式によって仮想的に並行して実行される。また、OS64は、並行して実行する複数のプログラムのうちの1つをフォアグラウンドで実行し、その他のプログラムをバックグラウンドで実行する。
【0033】
フォアグラウンドは、例えば、当該プログラムの実行に拠る画面がディスプレイ53の表示領域の大部分に表示されている状態である。バックグラウンドは、例えば、当該プログラムと異なるプログラムの実行に拠る画面がディスプレイ53の表示領域の大部分に表示されている状態である。すなわち、携帯端末50は、並行して実行する複数のプログラムのうち、フォアグラウンドで実行されているプログラムの実行に拠る画面のみをディスプレイ53に表示させることができる。
【0034】
動作指示プログラム65は、通信I/F55を通じて接続されたMFP10に、画像形成動作を実行させるプログラムである。より詳細には、動作指示プログラム65は、画像形成動作の内容(例えば、画像形成動作の種類、画像形成動作の対象となる画像データ、画像形成動作の実行条件など)を入力I/F54を通じてユーザに指定させ、指定された内容の画像形成動作をMFP10に実行させる。また、動作指示プログラム65は、ハガキプリント動作をMFP10に指示可能で、レーベルプリント動作及び両面プリント動作をMFP10に指示することができない。
【0035】
さらに、動作指示プログラム65は、携帯端末50にインストールされた外部プログラムを起動することができる。動作指示プログラム65は、例えば、外部プログラムのプログラムIDを引数として指定して、OS64が提供するAPI(以下、「起動API」と表記する。)を実行する。OS64は、起動APIが実行されたことに応じて、指定されたプログラムIDで識別される外部プログラムを起動する。なお、動作指示プログラム65は、所謂プラグインとして外部プログラムを起動してもよいし、OS64が提供する共有機能によって外部プログラムを起動してもよい。
【0036】
年賀状プログラム66は、ハガキ(典型的には、年賀状)の通信面に記録する画像(以下、「通信面画像」と表記する。)をユーザの指示に従って編集し、編集した通信面画像をハガキの通信面に記録させるハガキプリント動作をMFP10に実行させる外部プログラムである。また、年賀状プログラム66は、両面プリント動作をMFP10に指示可能で、レーベルプリント動作をMFP10に指示することができない。さらに、年賀状プログラム66は、通信面画像を編集する指示のバリエーション(例えば、写真、差出人情報、任意の文字列をテンプレート画像に合成)が、動作指示プログラム65より多い。
【0037】
なお、外部プログラムの具体例は、年賀状プログラム66に限定されない。他の例として、外部プログラムは、CD−ROM等の表面に記録する画像(以下、「レーベル画像」と表記する。)をユーザの指示に従って編集し、編集したレーベル画像をCD−ROM等に記録させるレーベルプリント動作を、MFP10に実行させるレーベルプログラムでもよい。さらに他の例として、外部プログラムは、ユーザが指定した領域の地図画像を示す地図画像データをインターネット上の不図示のサーバから受信し、受信した地図画像データを対象とするプリント動作をMFP10に実行させる地図プログラムでもよい。
【0038】
このように、外部プログラムは、動作指示プログラム65に実装されていない機能が実装されているもの、動作指示プログラム65に実装された機能を簡単に実現できるもの、動作指示プログラム65に実装された機能をさらに詳細化したもの等である。また、外部プログラムは、動作指示プログラム65とは別個のプログラムで且つ独立して実行可能なプログラムである。すなわち、外部プログラムは、動作指示プログラム65のサブルーチンとは異なる。また、外部プログラムは、動作指示プログラム65と同じ携帯端末50で動作するプログラムである。
【0039】
さらに、外部プログラムは、画像形成動作の実行を指示するための動作指示情報を所定のプロトコル(例えば、PS、PJL等)に従って生成し、生成した動作指示情報を通信I/F55を通じてMFP10に送信する機能を有していてもよい。または、外部プログラムは、動作指示情報の生成及び送信を動作指示プログラム65或いは携帯端末50にインストールされた他のプログラム(例えば、ドライバプログラム)に要求し、当該プログラムを通じてMFP10に間接的に画像形成動作を指示してもよい。
【0040】
メモリ62は、例えば
図3(A)及び
図3(B)に示されるように、指定装置情報を記憶することができる。指定装置情報は、後述するデバイス選択処理で指定されたMFP10(以下、「指定装置」と表記する。)のMIBに記憶された装置情報である。指定装置情報に含まれる装置IDは、指定装置IDの一例である。なお、メモリ62は、年賀状プログラム66を通じて指定された指定装置に対応する第1指定装置情報と、動作指示プログラム65を通じて指定された指定装置に対応する第2指定装置情報とを別々に記憶することができる。すなわち、第1指定装置情報及び第2指定装置情報は、同一のMFP10を示してもよいし、異なるMFP10を示してもよい。
【0041】
また、指定装置情報に含まれる機能情報は、当該指定装置情報をメモリ62に記憶させたプログラムによって異なる。一例として、年賀状プログラム66が記憶させた第1指定装置情報は、
図3(A)に示されるように、年賀状プログラム66がMFP10に指示可能な両面プリント動作及びハガキプリント動作に対応する機能情報を含み、年賀状プログラム66がMFP10に指示できないレーベルプリント動作に対応する機能情報を含まない。他の例として、動作指示プログラム65が記憶させた第2指定装置情報は、
図3(B)に示されるように、動作指示プログラム65がMFP10に指示可能なハガキプリント動作に対応する機能情報を含み、動作指示プログラム65がMFP10に指示できないレーベルプリント動作及び両面プリント動作に対応する機能情報を含まない。
【0042】
また、メモリ62は、例えば
図3(C)及び
図3(D)に示されるように、条件情報を記憶することができる。条件情報は、指定装置に実行させる画像形成動作の実行条件を示す情報である。なお、メモリ62は、年賀状プログラム66を通じて指定された実行条件を示す第1条件情報と、動作指示プログラム65を通じて指定された実行条件を示す第2条件情報とを別々に記憶することができる。すなわち、第1条件情報及び第2条件情報は、同一の実行条件を示してもよいし、異なる実行条件を示してもよい。なお、
図3(C)及び
図3(D)はプリント動作の条件情報を示すが、スキャン動作等の条件情報がメモリ62にさらに記憶されていてもよい。
【0043】
さらに図示は省略するが、メモリ62には、データフォルダが設けられていてもよい。データフォルダには、例えば、写真データ、文書データ、プレゼンテーションデータ、表計算データ等が格納されていてもよい。データフォルダに記憶されている各種データは、プリント動作の対象となり得るデータである。
【0044】
[システム100の動作]
図4〜
図8を参照して、本実施形態に係るシステム100の動作を説明する。なお、
図4のメイン処理を開始する時点において、メモリ62には、
図3(A)に示される第1指定装置情報と、
図3(C)に示される第1条件情報と、
図3(D)に示される第2条件情報とが記憶されており、第2指定装置情報が記憶されていないものとする。
【0045】
本明細書のフローチャートは、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU31、61の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「制御」等の処理は、CPU31、61の処理を表している。CPU31、61による処理は、OS34、64を介したハードウェア制御も含む。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0046】
まず、携帯端末50のOS64は、
図9(A)に示されるメニュー画面をディスプレイ53に表示させる。メニュー画面は、携帯端末50にインストールされたプログラムに対応するプログラムアイコン111、112、113、114を含む。プログラムアイコン111は動作指示プログラム65に対応し、プログラムアイコン112は年賀状プログラム66に対応し、プログラムアイコン113はレーベルプログラムに対応し、プログラムアイコン114は地図プログラムに対応する。そして、OS64は、メニュー画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける。
【0047】
一例として、OS64は、プログラムアイコン112の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて、年賀状プログラム66を起動させ、且つ当該年賀状プログラム66をフォアグラウンドで実行する。年賀状プログラム66は、プログラムアイコン112をタップするユーザ操作に起因してOS64によって起動されたことに応じて、
図6に示される通信面編集処理を実行する。通信面編集処理の詳細は、後述する。
【0048】
他の例として、OS64は、プログラムアイコン111の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて、動作指示プログラム65を起動させ、且つ動作指示プログラム65をフォアグラウンドで実行する。動作指示プログラム65は、プログラムアイコン111をタップするユーザ操作に起因してOS64によって起動されたことに応じて、
図4に示されるメイン処理を実行する。
【0049】
[動作指示プログラム65の動作]
まず、動作指示プログラム65は、
図9(B)に示されるメイン画面をディスプレイ53に表示させる(S11)。メイン画面は、動作アイコン121、122と、切替アイコン124と、[Info]アイコン125とを含む。動作アイコン121はプリント動作の実行指示に対応し、動作アイコン122はスキャン動作の実行指示に対応する。切替アイコン124は、指定装置の切替指示に対応する。第2指定装置情報がメモリ62に記憶されていない場合、切替アイコン124には、指定装置が選択されていないことを示す「未選択」の文字列が記述される。[Info]アイコン125は、後述するアプリ紹介画面の表示指示に対応する。そして、動作指示プログラム65は、メイン画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S12〜S14)。
【0050】
次に、動作指示プログラム65は、例えば、切替アイコン124の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S12:Yes)、デバイス選択処理を実行する(S15)。デバイス選択処理は、ユーザの指示に従って指定装置を切り替える処理である。
図5(A)を参照して、デバイス選択処理の詳細を説明する。
【0051】
まず、動作指示プログラム65は、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocolの略)を用いて、通信I/F55を通じて通信が可能な複数のMFP10を検索する(S21)。具体的には、動作指示プログラム65は、通信I/F55を通じて通信ネットワーク101に送信要求情報をブロードキャストする。次に、動作指示プログラム65は、送信要求情報の応答としてMFP10A、10Bが送信した装置IDを、通信I/F55を通じて受信する。すなわち、動作指示プログラム65は、装置IDの送信元のMFP10A、10Bを、通信可能なMFP10として特定する。なお、通信可能なMFP10を検索する方法は、周知の他の方法であってもよい。
【0052】
次に、動作指示プログラム65は、
図10(A)に示されるデバイス選択画面をディスプレイ53に表示させる(S22)。デバイス選択画面は、S21で発見したMFP10A、10Bに対応するデバイスアイコン131、132を含む。そして、動作指示プログラム65は、デバイス選択画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S23)。S23の処理は、第1受付処理の一例である。
【0053】
次に、動作指示プログラム65は、例えば、デバイスアイコン132の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S23:Yes)、ハガキプリント動作に対応する機能情報の送信を要求する機能要求情報を、デバイスアイコン132に対応するMFP10Bに通信I/F55を通じて送信する。次に、動作指示プログラム65は、ハガキプリント動作に対応する機能情報“可”を、機能要求情報の応答として、通信I/F55を通じてMFP10Bから受信する。MFP10から機能情報を受信する手順は、後述するS44についても同様である。
【0054】
そして、動作指示プログラム65は、
図3(B)に示されるように、MFP10Bから受信した装置ID“MFP−B”及びハガキプリント動作に対応する機能情報“可”を含む第2指定装置情報を、メモリ62に記憶させる(S24)。なお、メモリ62に既に第2指定装置情報が記憶されている場合、動作指示プログラム65は、当該第2指定装置情報を新たな第2指定装置情報で上書きする。
【0055】
次に
図4に戻って、動作指示プログラム65は、メイン画面をディスプレイ53に表示させる(S11)。デバイスアイコン132が指定された後のメイン画面において、切替アイコン124には、第2指定装置情報の装置ID“MFP−B”が記述される。次に、動作指示プログラム65は、例えば、動作アイコン121、122の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S13:Yes)、動作アイコン121、122に対応付けられた画像形成動作を指定装置に実行させるための動作指示処理を実行する(S16)。動作指示処理の図示は省略するが、例えば以下の処理が実行される。
【0056】
一例として、動作アイコン121がタップされた場合の動作指示プログラム65は、メモリ62のデータフォルダに記憶された複数のデータのうちの1つを、指定データとして指定するユーザ操作を入力I/F54を通じて受け付ける。また、動作指示プログラム65は、第2条件情報に含まれるパラメータを変更するユーザ操作を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて、変更後のパラメータで第2条件情報を上書きする。動作アイコン121のタップ、指定データの指定、及び第2条件情報の変更を受け付ける処理は、プリント動作の内容を指定するユーザ操作を受け付ける第2受付処理の一例である。
【0057】
そして、動作指示プログラム65は、指定装置であるMFP10Bに通信I/F55を通じてプリント指示情報を送信する。プリント指示情報は、第2条件情報で示される実行条件に従って、指定データを対象とするプリント動作の実行させるための動作指示情報の一例である。プリント指示情報は、例えば、指定データと、第2条件情報とを含む。
【0058】
一方、MFP10Bの装置プログラム35は、通信I/F25を通じて携帯端末50からプリント指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、受信したプリント指示情報に従って、プリンタ11にプリント動作を実行させる。すなわち、プリンタ11は、プリント指示情報に含まれる第2条件情報で示される実行条件に従って、プリント指示情報に含まれる指定データで示される画像をシートに記録する。
【0059】
他の例として、動作アイコン122がタップされた場合の動作指示プログラム65は、スキャン動作の実行条件を指定するユーザ操作と、スキャン動作で生成されたスキャンデータの保存先を指定するユーザ操作とを、入力I/F54を通じて受け付ける。そして、動作指示プログラム65は、指定装置であるMFP10Bに通信I/F55を通じてスキャン指示情報を送信する。スキャン指示情報は、指定された実行条件に従ってスキャン動作を実行し、スキャン動作で生成したスキャンデータを指定された保存先に保存する一連の処理を実行させるための動作指示情報の一例である。
【0060】
一方、MFP10Bの装置プログラム35は、通信I/F25を通じて携帯端末50からスキャン指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、受信したスキャン指示情報に従って、スキャナ12にスキャン動作を実行させる。すなわち、スキャナ12は、コンタクトガラス或いはADFにセットされた原稿に記録された画像を、指定された実行条件に従って読み取ってスキャンデータを生成する。そして、スキャナ12は、生成したスキャンデータを指定された保存先に保存する。
【0061】
なお、動作指示プログラム65は、過去に実行したデバイス選択処理で第2指定装置情報をメモリ62に記憶させていれば、それ以降はデバイス選択処理を実行しなくても動作指示処理を実行することができる。すなわち、動作指示プログラム65は、第2指定装置情報で示される指定装置をデフォルトデバイスとして、繰り返し画像形成動作を実行させることができる。
【0062】
また、動作指示プログラム65は、[Info]アイコン125の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S14:Yes)、アプリ紹介処理を実行する(S17)。アプリ紹介処理は、動作指示プログラム65が起動可能な外部プログラムをユーザに紹介し、ユーザが指定した外部プログラムを起動させる処理である。
図5(B)を参照して、アプリ紹介処理の詳細を説明する。
【0063】
まず、動作指示プログラム65は、
図10(B)に示されるアプリ紹介画面をディスプレイ53に表示させる(S31)。アプリ紹介画面は、動作指示プログラム65が起動可能な外部プログラムに対応するアプリアイコン141、142、143を含む。アプリアイコン141は年賀状プログラム66に対応し、アプリアイコン142はレーベルプログラムに対応し、アプリアイコン143は地図プログラムに対応する。そして、動作指示プログラム65は、アプリ紹介画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S32)。S32の処理は、第3受付処理の一例である。
【0064】
次に、動作指示プログラム65は、例えば、アプリアイコン141の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S32:Yes)、指定されたアプリアイコン141に対応する年賀状プログラム66(以下、「対象アプリ」と表記することがある。)が携帯端末50にインストールされているか否かを判断する(S33)。動作指示プログラム65は、例えば、OS64が提供する問合せAPIを実行し、対象アプリのインストールの有無を示すインストール情報を問合せAPIの戻り値として取得すればよい。
【0065】
そして、動作指示プログラム65は、年賀状プログラム66がインストールされていると判断したことに応じて(S33:Yes)、年賀状プログラム66を起動し、且つメモリ62に記憶された第2指定装置情報及び第2条件情報を年賀状プログラム66に引き渡す(S34)。S34の処理は、起動処理の一例である。動作指示プログラム65は、例えば、年賀状プログラム66のプログラムID、第2指定装置情報、及び第2条件情報を引数として指定して、起動APIを実行してもよい。そして、OS64は、動作指示プログラム65をバックグラウンドに切り替えると共に、年賀状プログラム66を起動させ、且つ当該年賀状プログラム66をフォアグラウンドで実行する。
【0066】
他の例として、動作指示プログラム65は、第2指定装置情報及び第2条件情報をメモリ62の特定領域に記憶させ、年賀状プログラム66のプログラムIDを引数として指定して起動APIを実行してもよい。特定領域は、例えば、年賀状プログラム66が起動時にアクセスするメモリ62の領域である。すなわち、動作指示プログラム65は、第2指定装置情報及び第2条件情報を、メモリ62の特定領域を通じて年賀状プログラム66に引き渡してもよい。一方、動作指示プログラム65は、対象アプリをプラグインとして起動する場合に、第2指定装置情報及び第2条件情報を引き渡さなくてもよい。
【0067】
一方、動作指示プログラム65は、年賀状プログラム66がインストールされていないと判断したことに応じて(S33:No)、年賀状プログラム66をインストールする(S35)。より詳細には、動作指示プログラム65は、年賀状プログラム66のプログラムIDを引数として指定して、不図示のインストーラを起動すればよい。動作指示プログラム65によって起動されたインストーラは、例えば、引数として取得したプログラムIDで識別される年賀状プログラム66をサーバからダウンロードし、ダウンロードした年賀状プログラム66をメモリ62の所定の領域に記憶させる。
【0068】
[年賀状プログラム66の動作]
年賀状プログラム66は、プログラムアイコン112をタップするユーザ操作に起因してOS64によって起動されたことに応じて、或いは動作指示プログラム65が実行した起動APIによって起動されたことに応じて、
図6に示される通信面編集処理を実行する。年賀状プログラム66は、例えば、どのようにして起動されたかを示す起動情報を、起動引数として取得することができる。まず、年賀状プログラム66は、起動引数として取得した起動情報に基づいて、起動元のプログラムを判断する(S41)。
【0069】
次に、年賀状プログラム66は、プログラムアイコン112をタップするユーザ操作に起因してOS64によって起動されたと判断したことに応じて(S41:OS)、S42〜S45の処理をスキップして、不図示のテンプレート選択画面をディスプレイ53に表示させる(S46)。テンプレート選択画面は、ハガキの通信面に記録するテンプレート画像データをユーザに選択させるための画面である。テンプレート選択画面は、例えば、各々が複数のテンプレート画像データの1つに対応するテンプレートアイコンを含む。そして、年賀状プログラム66は、テンプレート選択画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S47)。
【0070】
次に、年賀状プログラム66は、複数のテンプレートアイコンのうちの1つの指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S47:Yes)、指定されたテンプレートアイコンに対応するテンプレート画像データを、メモリ62或いはインターネット上の不図示のサーバから取得する。S47の処理は、第2受付処理の一例である。
【0071】
次に、年賀状プログラム66は、
図11(A)に示されるテンプレート編集画面をディスプレイ53に表示させる(S48)。テンプレート編集画面は、テンプレート画像151と、領域指示画像152と、フォントアイコン153と、スタンプアイコン154と、[保存]アイコン155と、[プリント]アイコン156とを含む。そして、年賀状プログラム66は、テンプレート編集画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S49)。
【0072】
テンプレート画像151は、S47で取得したテンプレート画像データで示される画像である。領域指示画像152は、テンプレート画像151上において、ハガキの差出人を示す差出人画像を合成するために予約された領域を示す枠型の画像である。フォントアイコン153は、テンプレート画像151に含まれる文字のフォントタイプ(例えば、ゴシック体、明朝体等)を切り替える指示に対応する。スタンプアイコン154は、テンプレート画像151に合成するスタンプを選択する指示に対応する。
【0073】
一例として、年賀状プログラム66は、領域指示画像152の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S49:編集)、入力I/F54を通じて指定された差出人を示す差出人画像を、領域指示画像152に代えてテンプレート画像151に合成する(S50)。他の例として、年賀状プログラム66は、スタンプアイコン154の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S49:編集)、入力I/F54を通じて指定されたスタンプ画像を、テンプレート画像151に合成する(S50)。さらに他の例として、年賀状プログラム66は、フォントアイコン153の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S49:編集)、テンプレート画像151に含まれる文字を、入力I/F54を通じて指定されたフォントタイプに変換する(S50)。
【0074】
そして、年賀状プログラム66は、編集したテンプレート画像151を含むテンプレート編集画面をディスプレイ53に表示させる(S48)。そして、S48〜S50の処理が繰り返し実行されることによって、例えば
図11(B)に示されるように、差出人の住所“名古屋市α区”及び氏名“特許 太郎”を示す差出人画像と、酉の図柄のスタンプ画像とがテンプレート画像151に合成される。差出人画像の合成、スタンプ画像の合成、フォントタイプの変換を指示するユーザ操作を受け付ける処理は、第2受付処理の一例である。
【0075】
さらに、年賀状プログラム66は、[プリント]アイコン156の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S49:プリント)、通信面プリント処理を実行する(S51)。また図示は省略するが、年賀状プログラム66は、[保存]アイコン155の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて、編集したテンプレート画像151を示すテンプレート画像データを、メモリ62の所定の領域に記憶させる。通信面プリント処理は、S46〜S50で生成したテンプレート画像151を対象とするハガキプリント動作の実行を、指定装置に指示する処理である。
図7を参照して、通信面プリント処理の詳細を説明する。
【0076】
まず、年賀状プログラム66は、
図11(B)に示されるプレビュー画面をディスプレイ53に表示させる(S61)。プレビュー画面は、プレビュー画像161と、切替アイコン162と、[設定]アイコン163と、[プリント]アイコン164とを含む。プレビュー画像161は、S46〜S50で生成したテンプレート画像151をハガキに記録した状態を示す。切替アイコン162は、指定装置の切替指示に対応する。[設定]アイコン163は、第1条件情報の変更指示に対応する。[プリント]アイコン164は、ハガキプリント動作の実行指示に対応する。そして、年賀状プログラム66は、プレビュー画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S62〜S64)。
【0077】
次に、年賀状プログラム66は、例えば、切替アイコン162の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S62:Yes)、
図5(A)に示されるデバイス選択処理を実行する(S65)。以下、動作指示プログラム65が実行するデバイス選択処理との共通点の説明を省略し、年賀状プログラム66に特有の処理を中心に説明する。
【0078】
まず、年賀状プログラム66は、S21において、通信I/F55を通じて通信可能な全てのMFP10を検索してもよいし、年賀状プログラム66が指示可能な全ての特定動作を実行可能なMFP10のみを検索してもよい。また、年賀状プログラム66は、例えば、デバイスアイコン131の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S23:Yes)、両面プリント動作及びハガキプリント動作に対応する機能情報を、デバイスアイコン131に対応するMFP10Aから受信する。
【0079】
さらに、年賀状プログラム66は、MFP10Aから受信した装置ID及び機能情報を含む第1指定装置情報を、メモリ62に記憶させる(S24)。年賀状プログラム66が実行するデバイス選択処理において、S23で指定されたデバイスアイコン131に対応するMFP10Aの装置ID“MFP−A”は、第1装置IDの一例である。年賀状プログラム66が実行するS24の処理は、第1記憶処理の一例である。そして
図7に戻って、年賀状プログラム66は、プレビュー画面をディスプレイ53に表示させる(S61)。ここで表示されるプレビュー画面の切替アイコン162には、直近のS24でメモリ62に記憶させた第1指定装置情報の装置IDが記述される。
【0080】
また、年賀状プログラム66は、[設定]アイコン163の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S63:Yes)、第1条件情報に含まれるパラメータを変更するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける。そして、年賀状プログラム66は、入力I/F54を通じて変更されたパラメータを、メモリ62に記憶された第1条件情報に反映させる(S66)。なお、年賀状プログラム66は、項目“サイズ”のパラメータ“ハガキ”の変更を受け付けなくてもよい。第1条件情報のパラメータを変更するユーザ操作を受け付ける処理は、第2受付処理の一例である。そして、年賀状プログラム66は、プレビュー画面をディスプレイ53に表示させる(S61)。
【0081】
さらに、年賀状プログラム66は、[プリント]アイコン164の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S64:Yes)、指定装置であるMFP10Aに通信I/F55を通じてプリント指示情報を送信する(S67)。このプリント指示情報は、S46〜S50で生成したテンプレート画像データと、第1条件情報とを含む。S67の処理は、動作指示処理の一例である。プリント指示情報を受信したMFP10Aの処理は、S16の場合と同様である。
【0082】
なお、年賀状プログラム66は、ハガキの宛先を指定するユーザ操作を、入力I/F54を通じてさらに受け付けてもよい。次に、年賀状プログラム66は、指定された宛先の氏名及び住所を示す宛先画像データを生成してもよい。そして、年賀状プログラム66は、S67において、生成した宛先画像データで示される宛先画像をハガキの宛名面に記録し、編集したテンプレート画像をハガキの通信面に記録する両面プリント動作を指示するプリント指示情報を、通信I/F55を通じてMFP10Aに送信してもよい。
【0083】
一方
図6に戻って、年賀状プログラム66は、動作指示プログラム65が実行した起動APIによって起動されたと判断したことに応じて(S41:動作指示)、動作指示プログラム65から引き渡された第2指定装置情報及び第2条件情報を取得する(S42)。すなわち、年賀状プログラム66は、起動APIの引数として指定された第2指定装置情報及び第2条件情報を取得してもよいし、特定領域に記憶された第2指定装置情報及び第2条件情報を読み出してもよい。S42の処理は、取得処理の一例である。
【0084】
次に、年賀状プログラム66は、年賀状プログラム66がMFP10に指示可能な全ての特定動作(すなわち、両面プリント動作、ハガキプリント動作)に対応する機能情報を、S42で取得した第2指定装置情報が含むか否かを判断する(S43)。そして、年賀状プログラム66は、両面プリント動作に対応する機能情報を第2指定装置情報が含まないと判断したことに応じて(S43:No)、第2指定装置情報の装置ID“MFP−B”で識別されるMFP10Bから、両面プリント動作に対応する機能情報“不可”を受信する(S44)。そして、年賀状プログラム66は、S44で受信した両面プリント動作に対応する機能情報を、S42で取得した第2指定装置情報に追加する。一方、年賀状プログラム66は、全ての機能情報を第2指定装置情報が含むと判断したことに応じて(S43:Yes)、S44の処理をスキップする。S43の処理は第3判断処理の一例であり、S44の処理は受信処理の一例である。
【0085】
次に、年賀状プログラム66は、デバイス設定処理を実行する(S45)。デバイス設定処理は、年賀状プログラム66が過去にメモリ62に記憶させた第1指定装置情報及び第1条件情報を、S42で動作指示プログラム65から取得した第2指定装置情報及び第2条件情報で、必要に応じて更新する処理である。
図8を参照して、デバイス設定処理の詳細を説明する。
【0086】
まず、年賀状プログラム66は、第1指定装置情報がメモリ62に記憶されているか否かを判断する(S71)。また、年賀状プログラム66は、メモリ62に記憶されている第1指定装置情報の装置ID“MFP−A”と、S42で取得した第2指定装置情報の装置ID“MFP−B”とが一致するか否かを判断する(S72)。第2指定装置情報の装置ID“MFP−B”は第2装置IDの一例である。S71、S72の処理は、第1判断処理の一例である。
【0087】
次に、年賀状プログラム66は、第1指定装置情報がメモリ62に記憶されており、且つ第1指定装置情報及び第2指定装置情報の装置IDが異なると判断したことに応じて(S71:あり&S72:No)、年賀状プログラム66が指示可能な全ての特定動作(すなわち、両面プリント動作、ハガキプリント動作)を、第2指定装置情報の装置ID“MFP−B”で識別されるMFP10Bが実行可能か否かを、第2指定装置情報の機能情報に基づいて判断する(S73)。S73の処理は、第2判断処理の一例である。
【0088】
本実施形態では、MFP10Bは両面プリント動作及びハガキプリント動作のうちの両面プリント動作を実行不能なので(S73:No)、年賀状プログラム66は、S74〜S78の処理をスキップして、デバイス設定処理を終了する。また、年賀状プログラム66は、第1指定装置情報がメモリ62に記憶されており、且つ第1指定装置情報及び第2指定装置情報の装置IDが一致すると判断したことに応じて(S71:あり&S72:Yes)、S73〜S78の処理をスキップして、デバイス設定処理を終了する。
【0089】
一方、仮にMFP10Bが両面プリント動作及びハガキプリント動作の両方を実行可能だとすると(S73:Yes)、年賀状プログラム66は、
図12(A)に示される問合せ画面Aをディスプレイ53に表示させる(S74)。そして、年賀状プログラム66は、問合せ画面Aに対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S75)。S75の処理は、第3受付処理の一例である。
【0090】
問合せ画面Aは、第1指定装置情報及び第2指定装置情報のどちらを用いるかを、ユーザに選択させるための画面である。問合せ画面Aは、「どのアプリで指定したMFPを利用しますか?」とのメッセージと、[起動元]アイコン171と、[本アプリ]アイコン172とを含む。[起動元]アイコン171は、第2指定装置情報に対応し、且つ第2指定装置情報の装置ID“MFP−B”が記述されている。[本アプリ]アイコン172は、第1指定装置情報に対応し、且つ第1指定装置情報の装置ID“MFP−A”が記述されている。
【0091】
次に、年賀状プログラム66は、[起動元]アイコン171の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S75:起動元)、S42で動作指示プログラム65から取得し且つS44で両面プリント動作に対応する機能情報を追加した第2指定装置情報を、第1指定装置情報としてメモリ62に記憶させる(S76)。すなわち、既にメモリ62に記憶されていた第1指定装置情報が上書きされる。[起動元]アイコン171の指定は、第1操作の一例である。S76の処理は、第2記憶処理の一例である。
【0092】
次に、年賀状プログラム66は、S42で取得した第2条件情報の項目“サイズ”にパラメータ“ハガキ”が設定されているか否かを判断する(S77)。そして、年賀状プログラム66は、第2条件情報の項目“サイズ”にパラメータ“ハガキ”が設定されていると判断したことに応じて(S77:Yes)、第2条件情報の項目“用紙種”のパラメータ“光沢紙”を、第1条件情報の項目“用紙種”のパラメータとしてメモリ62に記憶させる(S78)。すなわち、既にメモリ62に記憶されていた第1条件情報の項目“用紙種”のパラメータが上書きされる。一方、年賀状プログラム66は、S78において、項目“色”のパラメータを上書きしない。S77の処理は第4判断処理の一例であり、S78の処理は第3記憶処理の一例である。
【0093】
項目“サイズ”のパラメータ“ハガキ”は、年賀状プログラム66が指定装置にハガキプリント動作を実行させる際に、変更すべきでないパラメータである。一方、項目“用紙種”は、年賀状プログラム66が指定装置にハガキプリント動作を実行させる際に、ユーザが任意のパラメータを選択可能な項目である。項目“サイズ”は特定項目の一例であり、パラメータ“ハガキ”は特定パラメータの一例であり、項目“用紙種”は対象項目の一例である。なお、特定項目、特定パラメータ、及び対象項目は、外部プログラム毎に予め定められており、外部プログラムのソースコード或いは設定ファイル等に定義されている。すなわち、なお、特定項目、特定パラメータ、及び対象項目は、外部プログラム毎に異なってもよい。また、特定項目、特定パラメータ、対象項目は、複数であってもよい。
【0094】
一方、年賀状プログラム66は、第2条件情報の項目“サイズ”にパラメータ“ハガキ”が設定されていないと判断したことに応じて(S77:No)、S78の処理をスキップして、デバイス設定処理を終了する。また、年賀状プログラム66は、[本アプリ]アイコン172の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S75:本アプリ)、S76〜S78の処理をスキップして、デバイス設定処理を終了する。[本アプリ]アイコン172の指定は、第2操作の一例である。
【0095】
さらに、年賀状プログラム66は、第2指定装置情報がメモリ62に記憶されていないと判断したことに応じて(S71:なし)、年賀状プログラム66が指示可能な全ての特定動作(すなわち、両面プリント動作、ハガキプリント動作)を、第2指定装置情報の装置ID“MFP−B”で識別されるMFP10Bが実行可能か否かを、第2指定装置情報の機能情報に基づいて判断する(S79)。S79の処理は、第2判断処理の一例であって、S73と同様であってもよい。
【0096】
次に、年賀状プログラム66は、MFP10Bが両面プリント動作及びハガキプリント動作のうちの両面プリント動作を実行不能だと判断したことに応じて(S79:No)、
図12(B)に示される問合せ画面Bをディスプレイ53に表示させる(S80)。そして、年賀状プログラム66は、問合せ画面Bに対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S81)。S81の処理は、第4受付処理の一例である。
【0097】
問合せ画面Bは、第2指定装置情報を用いるか、年賀状プログラム66にデバイス選択処理を実行させるかを、ユーザに選択させるための画面である。問合せ画面Bは、「起動元アプリで指定した[MFP−B]を利用しますか?」とのメッセージと、[YES]アイコン181と、[NO]アイコン182とを含む。メッセージに含まれる[MFP−B]は、第2指定装置情報の装置IDに対応する。[YES]アイコン181は、第2指定装置情報を用いることに対応する。[NO]アイコン182は、年賀状プログラム66にデバイス選択処理を実行させることに対応する。
【0098】
そして、年賀状プログラム66は、[YES]アイコン181の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S81:YES)、S76以降の処理を実行する。一方、年賀状プログラム66は、[NO]アイコン182の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S82:NO)、S76〜S78の処理に代えて、デバイス選択処理を実行する(S82)。[YES]アイコン181の指定は第3操作の一例であり、[NO]アイコン182の指定は第4操作の一例である。さらに、仮にMFP10Bが両面プリント動作及びハガキプリント動作の両方を実行可能だとすると(S79:Yes)、年賀状プログラム66は、S80、S81の処理をスキップして、S76以降の処理を実行する。
【0099】
次に
図6に戻って、年賀状プログラム66は、前述したS46以降の処理を実行する。すなわち、年賀状プログラム66は、S76の処理を実行した場合において、動作指示プログラム65を通じてユーザが指定した指定装置に、プリント動作を実行させる(S67)。一方、年賀状プログラム66は、S76の処理を実行していない場合において、過去に年賀状プログラム66を通じてユーザが指定した指定装置、或いはS82で新たにユーザが指定した指定装置に、プリント動作を実行させる(S67)。さらに、年賀状プログラム66は、デバイス設定処理を実行した後に、S65でさらにデバイス選択処理を実行することもできる。
【0100】
すなわち、年賀状プログラム66は、過去に実行したS65、S76、S82で第1指定装置情報をメモリ62に記憶させていれば、それ以降はS65、S76、S82の処理を実行しなくても動作指示処理を実行することができる。すなわち、年賀状プログラム66は、第1指定装置情報で示される指定装置をデフォルトデバイスとして、繰り返し画像形成動作を実行させることができる。
【0101】
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態に係る年賀状プログラム66は、携帯端末50にインストールされた動作指示プログラム65によって起動された場合に、動作指示プログラム65から取得した第2指定装置情報を第1指定装置情報としてメモリ62に記憶させるので、デバイス選択処理(S65)をスキップすることができる。すなわち、携帯端末50のユーザは、動作指示プログラム65を通じて指定装置を指定した場合に、年賀状プログラム66を通じて指定装置を再び指定する必要がなくなるので、指定装置を指定するユーザ操作が簡素化される。
【0102】
また、上記の実施形態によれば、年賀状プログラム66を通じて過去に指定装置が指定されている場合に、動作指示プログラム65を通じて指定した指定装置、及び年賀状プログラム66を通じて過去に指定した指定装置のうちの一方を、問合せ画面Aを通じてユーザに選択させることができる。これにより、簡単なユーザ操作で所望の指定装置に画像形成動作を実行させることができる。
【0103】
また、上記の実施形態によれば、動作指示プログラム65を通じて指定した指定装置が年賀状プログラム66のサポートする全ての特定動作を実行可能な場合に、問合せ画面Aが表示される。すなわち、問合せ画面Aの[起動元]アイコン171をタップすると、S76で上書きされた第2指定装置情報で示される指定装置は、年賀状プログラム66が指示可能な全ての特定動作を実行可能なことが保証される。これにより、年賀状プログラム66に実装された機能を有効に活用することができる。
【0104】
また、上記の実施形態によれば、年賀状プログラム66を通じて過去に指定装置が指定されていない場合に、動作指示プログラム65を通じて指定した指定装置を用いるか、年賀状プログラム66を通じて新たに指定装置を指定するかを、問合せ画面Bを通じてユーザに選択させることができる。これにより、簡単なユーザ操作で所望の指定装置に画像形成動作を実行させることができる。
【0105】
また、上記の実施形態によれば、動作指示プログラム65を通じて指定した指定装置が年賀状プログラム66のサポートする特定動作の一部のみを実行可能な場合に、問合せ画面Bが表示される。すなわち、ユーザは、例えば問合せ画面Bにおいて、指定装置が実行可能な画像形成動作を年賀状プログラム66を通じて指示しようとする場合に[YES]アイコン181をタップし、指定装置が実行不能な特定動作を指示しようとする場合に[NO]アイコン182をタップすればよい。一方、動作指示プログラム65を通じて指定した指定装置が年賀状プログラム66のサポートする全ての特定動作を実行可能な場合は、S80、S81の処理をスキップすることによって、ユーザ操作が簡素化される。
【0106】
また、上記の実施形態によれば、項目“サイズ”のパラメータ“ハガキ”が第2条件情報に含まれている場合に、第2条件情報で第1条件情報が上書きされる。項目“サイズ”のパラメータ“ハガキ”が第2条件情報に含まれている場合とは、動作指示プログラム65を通じて指定装置にハガキプリント動作を指示しようとしていた場合だと考えることができる。そのため、第2条件情報の他の項目“用紙種”、“色”についてもハガキプリント動作に適したパラメータが設定されている可能性が高い。そこで、このような場合にS78の処理を実行することによって、指定装置を指定するユーザ操作のみならず、実行条件を指定するユーザ操作をも簡素化することができる。但し、S78では、全ての項目のパラメータが上書きされてもよい。また、第2条件情報が特定項目の特定パラメータを含むか否かに拘わらず、S78の処理が実行されてもよい。
【0107】
また、上記の実施形態のMFP10及び携帯端末50において、メモリ32、62に記憶された各種プログラムがCPU31、61によって実行されることによって、本発明のントローラが実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、コントローラの構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路等のハードウェアで実現してもよい。
【0108】
さらに、本発明は、MFP10及び携帯端末50として実現できるだけでなく、MFP10及び携帯端末50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワーク101を通じてMFP10及び携帯端末50に接続可能なサーバに搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバの記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワーク101を通じて配信されてもよい。