(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御回路は、外部から入力される調光信号のデューティー比または周波数の一方に応じて前記電流比率を決定し、前記デューティー比および前記周波数に応じて前記出力電流を決定することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1および
図2は、実施の形態1に係る照明器具100の斜視図である。照明器具100は、天井等に取り付けられる本体部10を備える。本体部10には、光源ユニット11が取り付けられる。本体部10は光源ユニット11から本体部10の短手方向に遠ざかるほど薄くなる。
【0011】
図3は、実施の形態1に係る光源ユニット11の斜視図である。光源ユニット11は、光源を覆うカバー12を備える。また、光源ユニット11は、光源を点灯される第1点灯装置40を備える。また、光源ユニット11には、図示しない第2点灯装置が取り付けられる。
【0012】
図4は、実施の形態1に係る照明器具100の断面図である。本体部10に光源ユニット11が取り付けられた状態において、第1点灯装置40は、本体部10に設けられた凹部に収納される。第1点灯装置40には基板14が接続される。基板14はカバー12で覆われる。基板14のカバー12と対向する面には光源80が設けられる。光源80はLEDである。
【0013】
図5は、実施の形態1に係る基板14の平面図である。基板14の上には複数の光源80が設けられる。光源80は、基板14の長手方向に2列に配置される。基板14の光源80が設けられた領域より外側には、コネクタ16が設けられている。コネクタ16は、基板14の端部に2箇所設けられる。コネクタ16を介して、光源80と第1点灯装置40は電気的に接続される。なお、コネクタ16は基板14上の別の位置に設けられても良い。
【0014】
図6は、実施の形態1に係る照明器具100の回路ブロック図である。第1点灯装置40は、外部電源に接続される。外部電源は、商用電源ACである。外部電源は、蓄電池であっても良い。第1点灯装置40の出力には、第2点灯装置50が接続されている。第2点灯装置50の出力には、第1光源部61と、第2光源部62が接続されている。また、第2点灯装置50には調光信号入力部63が接続されている。
【0015】
第1光源部61は、直列に接続された複数の第1LED81を備える。第1光源部61が備える第1LED81の数は1つ以上であれば良い。また、複数の第1LED81は並列または直並列に接続されても良い。第1LED81は第1色温度を有する。第1色温度は、5000Kである。第1LED81は白色LEDである。第1色温度は5000K以外でも良い。
【0016】
第2光源部62は、直列に接続された複数の第2LED82を備える。第2光源部62が備える第2LED82の数は1つ以上であれば良い。また、複数の第2LED82は並列または直並列に接続されても良い。第2LED82は第2色温度を有する。第2色温度は、第1色温度よりも低い。第2色温度は、3000Kである。第2LED82は、電球色LEDである。第2色温度は、第1色温度よりも低ければ3000K以外でも良い。なお、
図5に示される複数の光源80の各々は、第1LED81または第2LED82である。
【0017】
第1点灯装置40は、商用電源ACを接続された端子部CN1を備える。端子部CN1には、商用電源ACを整流する整流器DBが接続されている。整流器DBの出力には第1点灯回路45が接続されている。第1点灯回路45は、第1LED81と第2LED82とを点灯させる電流を出力する。第1点灯回路45の出力は、端子部CN2に接続される。
【0018】
端子部CN2は、第2点灯装置50に接続される。また、第1点灯装置40は、端子部CN3を備える。端子部CN3によって第1点灯装置40は外部の装置と接続される。本実施の形態では、端子部CN3は第2点灯装置50と接続されている。また、第1点灯装置40は、第1点灯回路45を制御する制御IC1を備える。制御IC1はマイコンである。
【0019】
第1点灯回路45は、昇圧チョッパ回路を備える。昇圧チョッパ回路は、コイルL1を備える。コイルL1の一端は、整流器DBの高電位側の出力に接続される。コイルL1の他端は、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)Q1のドレインおよびダイオードD1のアノードと接続される。MOSFETQ1のソースはグランドと接続される。MOSFETQ1のゲートは、MOSFETドライバー43を介して制御IC1の端子Vg1に接続される。ダイオードD1のカソードは、コンデンサC1の正極に接続される。コンデンサC1の負極は、グランドと接続される。
【0020】
整流器DBからは商用電源ACが整流された脈流電圧が出力される。昇圧チョッパ回路は、脈流電圧を昇圧し、コンデンサC1を充電する。このとき、コンデンサC1の両端には直流高電圧が印加される。第1点灯回路45はコンデンサC1と並列に接続された抵抗R2、R3の直列回路を備える。コンデンサC1の両端に印加された電圧は、抵抗R2、R3により分圧され、制御IC1の端子P1に入力される。制御IC1は、端子P1の電圧に応じて、コンデンサC1の両端に印加される電圧が一定になるように、制御IC1の端子Vg1からスイッチング信号を出力する。このスイッチング信号により、MOSFETQ1のオンオフが制御される。
【0021】
制御IC1はマイコンであるため、制御IC1の動作電圧はMOSFETQ1の駆動電圧よりも小さい場合がある。このため、スイッチング信号は、端子Vg1からMOSFETドライバー43を介して、MOSFETQ1のゲートに入力される。MOSFETドライバー43は、制御IC1よりも高電圧の信号を出力する。これにより、MOSFETドライバー43からMOSFETQ1を安定にスイッチングできる。
【0022】
昇圧チョッパ回路の出力にはバックコンバータ回路が接続される。バックコンバータ回路は、ドレインがコンデンサC1の正極に接続されたMOSFETQ2を備える。MOSFETQ2のソースはダイオードD2のカソードおよびコイルL2の一端に接続される。MOSFETQ2のゲートは、MOSFETドライバー43を介して制御IC1の端子Vg2に接続される。ダイオードD2のアノードはコンデンサC1の負極と接続される。コイルL2の他端はコンデンサC3の正極に接続される。コンデンサC3の負極はコンデンサC1の負極と接続される。また、制御IC1の接地用端子である端子GND1は、コンデンサC1の負極と接続される。
【0023】
コンデンサC1に充電された直流高電圧は、MOSFETQ2、コイルL2およびダイオードD2を備えるバックコンバータ回路によって降圧され、コンデンサC3で平滑される。コンデンサC3の両端に印加される電圧は、端子部CN2および第2点灯装置50を介して、第1光源部61および第2光源部62に供給される。この結果、第1LED81および第2LED82が点灯する。
【0024】
コンデンサC3の負極とグランドとの間には、抵抗R4が接続されている。抵抗R4を流れる電流は、端子部CN2から流れる電流に対応する。この電流は、第1点灯回路45の出力電流である。抵抗R4を流れる電流は、電圧に変換され、制御IC1の端子P3に入力される。制御IC1は、端子P3の電圧が一定になるように、端子Vg2からスイッチング信号を出力する。このスイッチング信号により、MOSFETQ2のオンオフが制御される。
【0025】
端子Vg2からのスイッチング信号は、MOSFETドライバー43を介して、MOSFETQ2のゲートに入力される。これにより、MOSFETドライバー43からMOSFETQ2を安定にスイッチングできる。以上から、端子部CN2から出力される電力は制御IC1によって定電流制御される。
【0026】
第1点灯装置40は、スイッチング電源部41を備える。スイッチング電源部41は、コンデンサC1の正極に接続される。スイッチング電源部41の出力とグランドとの間には、コンデンサC2が接続される。スイッチング電源部41は、コンデンサC1に蓄えられた電荷から、コンデンサC2の両端に電圧V1を生成する。電圧V1は、MOSFETドライバー43の制御電源となる。電圧V1は例えば15Vである。
【0027】
スイッチング電源部41の出力には降圧回路部42が接続される。降圧回路部42によって、電圧V1から制御IC1の制御電源となる電圧が生成される。制御IC1の制御電源となる電圧は、例えば5Vである。降圧回路部42の出力電圧は、制御IC1の端子VDD1に入力される。
【0028】
さらに第1点灯回路45は、整流器DBの高電位側の出力に一端が接続された抵抗R1を備える。抵抗R1の他端は制御IC1の端子P2に入力される。抵抗R1によって、整流器DBからの出力電圧が検出される。この検出電圧により、商用電源ACの接続の有無を検出できる。制御IC1は、商用電源ACの接続の有無の情報を、点灯制御に反映させる。
【0029】
また、第1点灯回路45は、コンデンサC3と並列に接続された抵抗R5、R6の直列回路を備える。抵抗R5、R6によって、端子部CN2の両端電圧が検出される。端子部CN2の両端電圧は、抵抗R5、R6によって分圧され、制御IC1の端子P4に入力される。
【0030】
第1点灯回路45からの出力電流は、一定となるように制御される。このため、端子部CN2に接続される機器に異常が起き、端子部CN2が開放状態となった場合、端子部CN2に印加される電圧は上昇する。第1点灯装置40は、抵抗R5、R6の抵抗分圧値を制御IC1の端子P4で検出する。この抵抗分圧値が所定値よりも高くなった場合、制御IC1は、スイッチング動作を停止させる。従って、端子部CN2の印加電圧が高くなり、第1点灯装置40が備える部品に過電圧が印加されることを防止できる。
【0031】
端子部CN3は、制御IC1の端子RX1に接続されたInput端子と、制御IC1の端子TX1に接続されたOutput端子とを備える。端子部CN3には第2点灯装置50の端子部CN5が接続される。また、端子部CN2には、第2点灯装置50の端子部CN4が接続される。
【0032】
第2点灯装置50は、端子部CN4と接続された第2点灯回路55を備える。また、第2点灯装置50は、第2点灯回路55を制御する制御IC2を備える。第2点灯回路55の出力には端子部CN7と、端子部CN8が接続される。端子部CN7には第1光源部61が接続される。端子部CN8には第2光源部62が接続される。また、第2点灯装置50は、端子部CN6を備える。端子部CN6は、調光信号入力部63に接続される。端子部CN6には、調光信号入力部63を介し、外部から入力される調光信号が入力される。
【0033】
端子部CN4の高電位側は、端子部CN7の高電位側と、端子部CN8の高電位側と接続される。端子部CN4の低電位側は、MOSFETQ3のソースと、MOSFETQ4のソースに接続される。MOSFETQ3のドレインは、端子部CN7の低電位側に接続される。MOSFETQ4のドレインは、端子部CN8の低電位側に接続される。
【0034】
制御IC2の端子P5は、MOSFETQ3のゲートに接続される。また、制御IC2の端子P5は、インバータ51を介してMOSFETQ4のゲートに接続される。MOSFETQ3、MOSFETQ4およびインバータ51は第2点灯回路55を構成する。
【0035】
第2点灯装置50において、端子部CN4の両端には、第1光源部61とMOSFETQ3の第1直列回路が接続される。また、端子部CN4の両端には、第2光源部62とMOSFETQ4の第2直列回路が接続される。第1直列回路と第2直列回路は、端子部CN4に対して並列に接続されている。
【0036】
MOSFETQ3のゲートには、端子P5から駆動信号が入力される。MOSFETQ4のゲートには、駆動信号を反転した信号が入力される。端子P5から駆動信号が印加されると、MOSFETQ3がオンする。このとき、端子部CN4に印加される電圧を電源として、端子部CN7に電流が流れる。この結果、第1光源部61が点灯する。このとき、MOSFETQ4のゲートには駆動信号を反転した信号が入力される。このため、MOSFETQ4はオフする。このため、端子部CN8には電流が流れない。従って、第2光源部62は消灯する。
【0037】
次に、端子P5からの駆動信号がオフすると、MOSFETQ4がオンする。このとき、端子部CN4に印加される電圧を電源として、端子部CN8に電流が流れる。この結果、第2光源部62が点灯する。このとき、MOSFETQ3はオフする。このため、端子部CN7には電流が流れない。従って、第1光源部61は消灯する。以上から、第1光源部61が点灯しているときは、第2光源部62が消灯する。また、第1光源部61が消灯しているときは、第2光源部62が点灯する。
【0038】
本実施の形態では、第1光源部61の色温度が5000Kの白色であり、第2光源部62の色温度が3000Kの電球色である。MOSFETQ3がオンし、MOSFETQ4がオフすると、照明器具100から5000Kの白色光が出力される。また、MOSFETQ4がオンし、MOSFETQ3がオフすると、照明器具100から3000Kの電球色の光が出力される。
【0039】
本実施の形態では、MOSFETQ3とMOSFETQ4が交互にスイッチングされる。この時、第2点灯回路55は、第1点灯回路45の出力電流を、第1LED81を流れる電流と第2LED82を流れる電流とに分けている。MOSFETQ3とMOSFETQ4は、第1光源部61と第2光源部62が交互に点灯および消灯していることを使用者が目視で認識できない周波数で、高速にスイッチングされる。MOSFETQ3とMOSFETQ4のスイッチング周波数は、例えば10kHzである。このとき、照明器具100を白色と電球色の混色で点灯させることができる。
【0040】
第1光源部61と第2光源部62の混色度は、MOSFETQ3またはMOSFETQ4とのオンオフ比に比例する。つまり、照明器具100の発する光の色温度は、MOSFETQ3またはMOSFETQ4とのオンオフ比に比例する。ここでオンオフ比はデューティー比である。
【0041】
端子部CN6には制御IC2の端子P6、端子P7が接続される。調光信号入力部63から入力された調光信号は、端子P6、端子P7から制御IC2に入力される。制御IC2は調光信号を検出する。調光信号に従い、制御IC2はP5端子からMOSFETQ3とMOSFETQ4のスイッチング動作のオンオフ比および周波数を制御する。つまり、制御IC2は、調光信号に応じて第1点灯回路45の出力電流のうち、第2LED82を流れる電流に対する第1LED81を流れる電流の電流比率を決定する。この結果、第1光源部61と第2光源部62の点滅の周波数および照明器具100が発する光の色温度が制御される。
【0042】
端子部CN5は、制御IC2の端子TX2および端子RX2と接続される。端子TX2は、端子部CN5を介して端子部CN3のInput端子に接続される。端子RX2は、端子部CN5を介して端子部CN3のOutput端子に接続される。これにより制御IC1と制御IC2は相互に信号の送受信ができる。
【0043】
制御IC2は、端子P6および端子P7から入力された調光信号に応じて、端子TX2から制御IC1の端子RX1に調光指令を出力する。調光指令は、第1点灯回路45の出力電流の目標電流値についての情報を含む。制御IC1は第1点灯回路45の出力電流が目標電流値に一致するように、第1点灯回路45を制御する。このとき、制御IC1は第1点灯回路45の出力電流が目標電流値に一致するように、MOSFETQ2をオンオフする。
【0044】
端子部CN6に入力される調光信号は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号である。このPWM信号は、周波数が1000Hz〜2000Hz、デューティー比が10%〜90%の範囲で変化する。まず、制御IC2は、調光信号のデューティー比を解析する。検出されたデューティー比は、TX2端子からRX1端子に送信される。
【0045】
制御IC1は、デューティー比に応じて第1点灯回路45の出力電流を決定する。制御IC1は、出力電流がデューティー比の一次関数に従い変化するように制御する。制御IC1は、デューティー比が10%から90%に変化すると、出力電流が1Aから100mAに変化するように制御する。このため、デューティー比が10%の場合、出力電流は1Aとなる。また、デューティー比が90%の場合、出力電流は100mAとなる。また、デューティー比が50%の場合、出力電流は550mAとなる。
【0046】
本実施の形態では、デューティー比が10%から90%に変化すると、出力電流が1Aから100mAに変化するものとした。これに対し、デューティー比と出力電流の対応関係は、これ以外でもよい。デューティー比と出力電流の対応関係は、一次関数以外でも良い。
【0047】
次に、制御IC2は調光信号の周波数を解析する。制御IC2は、調光信号の周波数に応じて、第1点灯回路45の出力電流のうち、第2LED82を流れる電流に対する第1LED81を流れる電流の電流比率を決定する。制御IC1は、電流比率が周波数の一次関数に従い変化するように制御する。制御IC2は、周波数が1000Hzから2000Hzに変化すると、MOSFETQ3のデューティー比が100%から0%に変化するように制御する。このとき、周波数が1000Hzから2000Hzに変化すると、MOSFETQ4のデューティー比は0%から100%に変化する。
【0048】
このため、周波数が1000Hzの場合、照明器具100は5000Kで点灯する。また、周波数が2000Hzの場合、照明器具100は3000Kで点灯する。また、周波数が1500Hzの場合、電流比率は50%である。このとき、第1光源部61および第2光源部62の各々に出力電流の50%が流れる。従って、各々の光源部の光量の差に依存するが、照明器具100はおよそ4000Kで点灯する。
【0049】
本実施の形態では、周波数が1000Hzから2000Hzに変化すると、電流比率が100%から0%に変化するものとした。これに対し、周波数と電流比率の対応関係は、これ以外でも良い。周波数と電流比率の対応関係は、一次関数以外でも良い。
【0050】
次に、第1LED81および第2LED82のレイアウトについて説明する。
図7は、実施の形態1に係る基板14の斜視図である。複数の第1LED81と複数の第2LED82は基板14の長手方向に2つの列を形成する。各々の列において、第1LED81と第2LED82は交互に配置される。また、第1LED81と第2LED82は基板14の短手方向に隣り合うように配置される。基板14には、第1LED81と第2LED82がそれぞれ10個設けられる。第1LED81と第2LED82の数は同じであれば10個以外でも良い。
【0051】
白色LEDである第1LED81と電球色LEDである第2LED82のパッケージ数を同数とすることで、色温度の変化において照明器具100の発する光を均一にできる。このとき、照明器具100の発する光の見栄えを向上できる。また、
図7に示すように、第1LED81と第2LED82を基板14上に交互に配置することで、照明器具100が発する光をさらに均一にできる。
【0052】
図8は、実施の形態1に係る第1LED81と第2LED82の断面図である。第1LED81はパッケージ基板85を備える。パッケージ基板85の上には第1LEDチップ86が設けられる。パッケージ基板85の上には、第1LEDチップ86を囲んでリフレクタ83が設けられる。また、パッケージ基板85および第1LEDチップ86の上には、第1蛍光体88が設けられる。第1蛍光体88はリフレクタ83で囲まれた領域を埋める。第1蛍光体88によって第1LEDチップ86は封止される。
【0053】
第1蛍光体88は、封止樹脂と第1蛍光材料から構成される。第1蛍光材料は、第1LEDチップ86が発する光を吸収し、別の波長の光を発する。この結果、第1LED81からは第1色温度の光が発せられる。
【0054】
第2LED82はパッケージ基板85を備える。パッケージ基板85の上には第2LEDチップ87が設けられる。パッケージ基板85の上には、第2LEDチップ87を囲んでリフレクタ83が設けられる。また、パッケージ基板85および第2LEDチップ87の上には、第2蛍光体89が設けられる。第2蛍光体89はリフレクタ83で囲まれた領域を埋める。第2蛍光体89によって第2LEDチップ87は封止される。
【0055】
第2蛍光体89は、封止樹脂と第2蛍光材料から構成される。第2蛍光材料は、第2LEDチップ87が発する光を吸収し、別の波長の光を発する。この結果、第2LED82からは第2色温度の光が発せられる。本実施の形態では、第2LEDチップ87は、第1LEDチップ86と同種類である。つまり、第1LEDチップ86とは第2LEDチップ87は同じ構造である。
【0056】
照明器具100では、第1LED81と第2LED82の発する光の色差をチップ上に塗布される蛍光体の種類を変えて構成している。つまり、照明器具100において、第1色温度と第2色温度との違いは、第1蛍光体88と第2蛍光体89によってもたらされる。本実施の形態では、第2蛍光体89は、第1蛍光体88よりも赤色蛍光体が占める割合が大きい。つまり、第2蛍光材料は第1蛍光材料よりも単位体積あたりに赤色蛍光体を多く含む。
【0057】
本実施の形態では、第1LED81と第2LED82が備えるLEDチップの種類が等しい。このため、第1光源部61の合計Vfと、第2光源部62の合計Vfを等しくできる。従って、第1点灯装置40および第2点灯装置50において点灯制御がし易くなる。ここで、第1光源部61の合計Vfは、第1LED81を点灯させる第1光源部61の両端に印加される順方向電圧である。また、第2光源部62の合計Vfは、第2LED82を点灯させる第2光源部62の両端に印加される順方向電圧である。
【0058】
ここで、第1LED81と第2LED82のように、同一のLEDチップ上に異なる蛍光体を設けて色差を構成したLEDでは、一般に、色温度の低いLEDの方が色温度の高いLEDよりも光束が小さくなる。特に、蛍光体が含む蛍光材料のうち赤色蛍光体の割合が大きいLEDの方が、光束が小さくなる傾向がある。従って、第1LED81と第2LED82に同じ大きさの電流を流した場合、第2LED82のほうが、第1LED81よりも光束が小さくなる。つまり、出力電流が同じであれば、照明器具100の光束は、3000Kで点灯した場合の方が5000Kで点灯した場合よりも小さい。
【0059】
次に、本実施の形態に係る照明器具100の色温度を変化させる場合の制御について説明する。
図9は、実施の形態1に係る照明器具100の色温度と出力電流との関係を示す図である。本実施の形態では、色温度の変更時に、制御IC1が第1点灯回路45の出力電流を一定に維持した状態で、制御IC2が色温度を変化させる。つまり、制御IC1が出力電流を一定に維持した状態で、制御IC2が電流比率を変更する。このとき、制御IC2は、調光信号の周波数に応じて電流比率を決定する。また、制御IC1は調光信号のデューティー比に応じて出力電流を決定する。
【0060】
図9のA点において、電流比率は0%である。つまり、A点においてMOSFETQ3のデューティー比が0%である。このとき、出力電流の全てが、第2LED82に流れる。従って、照明器具100が発する光の色温度は3000Kとなる。A点から、制御IC2が電流比率を増加させると、色温度が上昇する。B点において電流比率は100%となる。B点においてMOSFETQ3のデューティー比は100%である。このとき、出力電流の全てが、第1LED81に流れる。従って、照明器具100が発する光の色温度は5000Kとなる。この間、制御IC1は出力電流を一定値に維持する。
【0061】
図10は、実施の形態1に係る照明器具100の色温度と合計光束との関係を示す図である。
図10は、
図9に示される制御を行った場合において照明器具100が発する光の色温度の変化に対する合計光束の変化を示す。ここで、合計光束は、第1LED81から出力される光束と第2LED82から出力される光束との和である。つまり、合計光束は、第1光源部61から出力される光束と第2光源部62から出力される光束との和である。合計光束は、照明器具100が発する光の光束でもある。また、合計光束は、第1光源部61と第2光源部62の発光量の和である。
【0062】
図10のA点からB点まで色温度を上昇させた場合、第1LED81に流れる電流が増加し、第2LED82に流れる電流が減少する。ここで、
図8で示したように、本実施の形態に係る第1LED81と第2LED82に同じ電流を流した場合、第1LED81の方が第2LED82よりも光束が大きくなる。このため、出力電流が一定の状態で電流比率が大きくなると、照明器具100が発する光の合計光束が大きくなる。従って、A点からB点まで色温度を上昇させた場合、
図10に示すように、色温度の上昇に伴い合計光束が増加する。
【0063】
一般に、照度に対する人が快適であると感じる色温度の範囲を示すクルイトフカーブ等に示されるように、照明器具の色温度が高い程明るく点灯させることで使用者に快適な印象を提供できる。一般に、色温度が高いときに照明器具の発光量が小さいと、使用者は寒々しく陰気な印象を受ける場合がある。また、色温度が低いときに照明器具の発光量が大きいと、使用者は暑苦しい印象を受ける場合がある。このため、色温度が変化するときに光束が変わらないと、使用者が快適に感じない場合がある。
【0064】
これに対し、本実施の形態では、A点に比べてB点の発光量が大きくなるように第1LED81および第2LED82を選定した。これにより、色温度の変化時に出力電流を一定に維持すれば、照明器具100の発する光の色温度が高いほど合計光束が増加する。つまり、照明器具100の発する光の色温度が高いほど、照明器具100を明るく点灯させることができる。
【0065】
照明器具100は、色温度が高いときは色温度が低いときに比べて明るく点灯する。これにより、寒々しく陰気な印象を抑制できる。また、照明器具100は、色温度が低いときは色温度が高いときに比べて暗く点灯する。これにより、暑苦しい印象を抑制できる。従って、使用者が心地よいと感じる明かりを提供できる。
【0066】
図11は、実施の形態1の変形例に係る照明器具200の断面図である。照明器具200は、本体部210およびカバー212の構造が実施の形態1と異なる。本体部210は、厚さが均一である。カバー212は、本体部210の基板14が搭載された面および基板14を覆う。本体部210およびカバー212の形状はこれに限らない。
【0067】
本実施の形態では、第1点灯装置40と第2点灯装置50は、別個の基板に設けられる。このため、第1点灯装置40を別の光源部に接続して使用できる。従って、第1点灯装置40を標準化できる。また、第2点灯装置50を別の定電流源に接続して使用できる。従って、第2点灯装置50を標準化できる。この変形例として、第1点灯装置40と第2点灯装置50は一体となっていても良い。
【0068】
また、本実施の形態に係る照明器具100は制御回路を備える。本実施の形態では、制御回路は制御IC1と制御IC2とを含む。この変形例として、照明器具100は制御回路を第1点灯装置40および第2点灯装置の一方のみに備えても良い。この場合、制御回路は制御IC1と制御IC2の機能を備え、第1点灯回路45と第2点灯回路55とを制御する。
【0069】
また、本実施の形態では、制御回路は調光信号のデューティー比に応じて出力電流を決定し、周波数に応じて電流比率を決定した。この変形例として、制御回路は調光信号の周波数に応じて出力電流を決定し、デューティー比に応じて電流比率を決定しても良い。制御回路は、調光信号のデューティー比または周波数の一方に応じて電流比率を決定し、デューティー比または周波数の他方に応じて出力電流を決定すればよい。
【0070】
これらの変形は以下の実施の形態に係る照明器具について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明器具については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0071】
実施の形態2.
図12は、実施の形態2に係る照明器具100の色温度と出力電流との関係を示す図である。本実施の形態では、照明器具100が発する光の色温度が高いほど、制御IC1は出力電流を小さくする。つまり、制御IC2が電流比率を大きくするほど、制御IC1は出力電流を小さくする。このとき、制御IC2は、調光信号の周波数に応じて電流比率を決定する。
【0072】
また、本実施の形態では、調光信号のデューティー比および周波数が制御IC2の端子TX2から制御IC1の端子RX1に送信される。このため、制御IC1は調光信号のデューティー比および周波数を検知する。制御IC1は出力電流に対応する調光信号のデューティー比と、電流比率に対応する調光信号の周波数の両方に応じて出力電流を決定する。これにより、電流比率が大きいほど、出力電流を小さくできる。
【0073】
図12のA点から、制御IC2が電流比率を増加させると、出力電流に対する第1LED81に流れる電流の割合が上昇し、第2LED82に流れる電流の割合が減少する。この結果、照明器具100が発する光の色温度が上昇する。電流比率の上昇に伴って、照明器具100が発する光の色温度はA点における3000KからB点における5000Kに変化する。このとき、制御IC1は色温度の上昇に伴い、出力電流を減少させる。
【0074】
図13は、実施の形態2に係る照明器具100の色温度と合計光束との関係を示す図である。
図13は、
図12の制御を行った場合の照明器具100が発する光の色温度の変化に対する合計光束の変化を示す。ここで、第1LED81と第2LED82に同じ電流を流した場合、第2LED82の方が第1LED81よりも光束が小さくなる。このため、
図12に示されるように色温度が高いほど出力電流が減少する場合にも、
図13に示されるように色温度が高いほど合計光束を大きくできる。
【0075】
このため、本実施の形態においても、照明器具100の発する光の色温度が高いほど、照明器具100を明るく点灯させることができる。従って、使用者が心地よいと感じる明かりを提供できる。ここで、制御IC1は、電流比率が大きいほど合計光束が大きくなるように、
図12に示される色温度に対する出力電流の傾きを調整する。
【0076】
本実施の形態では、実施の形態1と比較して
図13に示される色温度に対する合計光束の傾きが小さくなる。色温度の上昇に対する出力電流の減少量が大きくなる程、色温度の上昇に対する合計光束の増加量は小さくなる。このように、本実施の形態では、色温度の上昇に対する出力電流の減少量を調節することで、色温度に対する合計光束の傾きを調節できる。本実施の形態では、制御IC1が調光信号のデューティー比および周波数の両方に応じて出力電流を制御する。このため、色温度に応じて出力電流を制御することが可能となり、クルイトフカーブに対応するように合計光束の傾きを調整できる。
【0077】
本実施の形態では、
図12のA点に比べてB点の出力電流を小さくすることを示した。この変形例として、
図12のA点に比べてB点の出力電流を大きくしても良い。この場合、実施の形態1と比較して
図13に示される色温度に対する合計光束の傾きが大きくなる。本変形例では、色温度の上昇に対する出力電流の増加量が大きくなる程、色温度の上昇に対する合計光束の増加量は大きくなる。
【0078】
ここで、使用者が快適に感じる明るさの変化量を考慮して、制御IC1は、A点における合計光束を、B点における合計光束の85%以上とする。つまり、照明器具100が発する光の色温度が5000Kから3000Kに変化した場合の合計光束の変化量の上限は15%であるものとする。これは、実施の形態1についても同様である。
【0079】
本実施の形態では、制御IC2は、調光信号の周波数に応じて電流比率を決定するものとした。この変形例として、制御IC2は調光信号のデューティー比に応じて、電流比率を決定するものとしても良い。制御IC2は調光信号のデューティー比または周波数の一方に応じて電流比率を決定すれば良い。なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。