(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定手段は、読み取られる前記原稿のサイズと、当該原稿のサイズとは異なる原稿のサイズとを予め対応付けた対応関係により、前記予め定められた原稿のサイズを特定すること
を特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
<画像処理装置のハードウェア構成>
まず、本実施の形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。本実施の形態に係る画像処理装置100は、例えば、画像読み取り機能(スキャン機能)、印刷機能(プリント機能)、複写機能(コピー機能)及びファクシミリ機能等の各種の画像処理機能を備えた、いわゆる複合機である。
【0011】
図示するように、本実施の形態に係る画像処理装置100は、制御部110と、HDD(Hard Disk Drive)120と、操作パネル130と、画像読取部140と、画像形成部150と、通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)160とを備える。なお、これらの各機能部はバス170に接続されており、このバス170を介してデータの授受を行う。
【0012】
制御部110は、画像処理装置100の各部の動作を制御する。この制御部110は、CPU(Central Processing Unit)110a、RAM(Random Access Memory)110b、ROM(Read Only Memory)110cにより構成される。
CPU110aは、ROM110c等に記憶された各種プログラムをRAM110bにロードして実行することにより、画像処理装置100における各機能を実現する。RAM110bは、CPU110aの作業用メモリ等として用いられるメモリ(記憶部)である。ROM110cは、CPU110aが実行する各種プログラム等を記憶するメモリ(記憶部)である。
【0013】
HDD120は、各種データを記憶する記憶部である。HDD120には、例えば、画像読取部140の画像読み取りによって生成された画像データや、通信I/F160によって外部から受信した画像データ等が記憶される。
【0014】
操作パネル130は、各種の情報を表示するとともに、ユーザからの操作を受け付ける。この操作パネル130は、液晶ディスプレイ等で構成された表示パネル、表示パネルの上に配置され、ユーザによりタッチされた位置を検出するタッチパネル、ユーザにより押下される物理キー等から構成される。そして、操作パネル130は、例えば、画像処理装置100の操作画面等の各種画面を表示パネルに表示したり、タッチパネル及び物理キーによりユーザからの操作を受け付けたりする。
【0015】
画像読取部140は、原稿台上にセットされた用紙等の記録材(原稿)に形成されている画像を読み取って(スキャンして)、読み取った画像を示す画像データを生成する。ここで、画像読取部140は、例えばスキャナーであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0016】
画像形成部150は、用紙等の記録材に画像を形成する印刷機構である。ここで、画像形成部150は、例えばプリンターであり、感光体に付着させたトナーを記録材に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録材上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0017】
通信I/F160は、不図示のネットワークを介して他の装置との間で各種データの送受信を行う通信インタフェースである。
【0018】
そして、この画像処理装置100では、制御部110による制御の下、画像読取部140によってスキャン機能が実現され、画像形成部150によってプリント機能が実現され、画像読取部140及び画像形成部150によってコピー機能が実現され、画像読取部140、画像形成部150及び通信I/F160によってファクシミリ機能が実現される。
【0019】
また、以下では、画像読取部140が原稿上の画像を読み取って生成した画像データを「入力原稿データ」、画像読取部140が読み取った原稿上の画像を画像処理装置100にて出力するときの出力用の画像データを「出力原稿データ」と称する場合がある。
さらに、入力原稿データの示す画像(入力原稿データに基づく画像)を「入力画像」、出力原稿データの示す画像(出力原稿データに基づく画像)を「出力画像」と称する場合がある。
【0020】
そして、画像読取部140が読み取った原稿のサイズを「入力原稿サイズ」、画像読取部140が読み取った原稿上の画像を画像処理装置100にて出力するときの原稿のサイズを「出力原稿サイズ」と称する場合がある。ここで、入力原稿サイズは入力画像のサイズであり、出力原稿サイズは出力画像のサイズとして捉えることができる。
【0021】
<画像処理装置の機能構成>
次に、本実施の形態に係る画像処理装置100の機能構成について説明する。
図2は、本実施の形態に係る画像処理装置100の機能構成例を示したブロック図である。
【0022】
ここで、本実施の形態に係る画像処理装置100は、第1の動作設定、第2の動作設定という2つの動作設定を有している。第1の動作設定は、画像読取部140が読み取った原稿上の画像を、その原稿(画像読取部140の原稿台にセットされた原稿)に対応するサイズ(即ち、入力原稿サイズ)で出力する動作設定である。一方、第2の動作設定は、画像読取部140が読み取った原稿上の画像を、その原稿に対応するサイズとは異なるサイズ、言い換えると、その原稿に対応するサイズよりも大きいサイズで出力する動作設定である。
【0023】
付言すると、第1の動作設定は、画像読取部140が読み取った原稿上の画像を、入力原稿サイズで出力する動作設定である。一方、第2の動作設定は、画像読取部140が読み取った原稿上の画像を、入力原稿サイズとは異なる出力原稿サイズ、言い換えると、入力原稿サイズよりも大きい出力原稿サイズで出力する動作設定である。
【0024】
さらに説明すると、第2の動作設定では、入力原稿データに対して別の画像データが付加されて、出力原稿データが生成される。ここで、別の画像データは、原稿上の画像を読み取ることにより入力原稿データ(又は、出力原稿データ)が生成されたことを示すために付加されるものである。言い換えると、入力画像がオリジナルの画像を示すものではなく、オリジナルの画像を読み取って生成されたことを示すために付加されるものである。
【0025】
以下では、入力原稿データに付加される別の画像データを「付加画像データ」と称し、付加画像データに基づく画像(即ち、入力画像に付加される画像)を「付加画像」と称する場合がある。本実施の形態では、別の画像の一例として、付加画像が用いられる。
【0026】
このような動作設定を有する画像処理装置100は、主にデータの処理に関わる機能部として、入力原稿データ取得部101と、入力原稿サイズ検知部102と、出力原稿サイズ特定部103と、付加画像データ生成部104と、出力原稿データ生成部106と、動作設定切替部108とを備える。また、画像処理装置100は、主にデータの格納に関わる機能部として、対応テーブル格納部105と、動作設定情報格納部107とを備える。
【0027】
入力原稿データ取得部101は、画像読取部140が原稿上の画像を読み取って生成した入力原稿データを取得する。ここで、画像処理装置100が第1の動作設定で動作している場合、入力原稿データ取得部101は、取得した入力原稿データを出力原稿データ生成部106に出力する。一方、画像処理装置100が第2の動作設定で動作している場合、入力原稿データ取得部101は、取得した入力原稿データを出力原稿データ生成部106に出力するとともに、入力原稿サイズ検知部102に出力する。
【0028】
入力原稿サイズ検知部102は、第2の動作設定において、入力原稿データ取得部101から取得した入力原稿データのデータ内容を基に、入力原稿サイズを検知する。ここで、入力原稿サイズ検知部102は、例えば、一般的な規格であるA判及びB判の各サイズと、入力原稿データにおける原稿のサイズとを比較して、入力原稿サイズを検知する。より具体的には、例えば、画像読取部140がA4判の原稿上の画像を読み取って入力原稿データを生成した場合、入力原稿サイズ検知部102は、入力原稿データのデータ内容を基に、入力原稿サイズがA4判であることを検知する。
【0029】
出力原稿サイズ特定部103は、第2の動作設定において、入力原稿サイズ検知部102により検知された入力原稿サイズを基に、入力原稿サイズとは異なる予め定められたサイズである出力原稿サイズを特定する。ここで、出力原稿サイズ特定部103は、対応テーブル格納部105に格納されている対応テーブルを参照して、入力原稿サイズに対応する出力原稿サイズを特定する。
【0030】
対応テーブル格納部105は、入力原稿サイズと出力原稿サイズとを予め対応付けた対応テーブルを格納する。対応テーブルの詳細については、後述する。本実施の形態では、対応関係の一例として、対応テーブルが用いられる。
【0031】
付加画像データ生成部104は、第2の動作設定において、入力原稿データに付加する付加画像データを生成する。ここで、付加画像データ生成部104は、入力原稿サイズ検知部102により検知された入力原稿サイズと、出力原稿サイズ特定部103により特定された出力原稿サイズとを基に、付加画像のサイズを特定する。そして、付加画像データ生成部104は、特定したサイズを持つ付加画像の画像データを生成する。なお、付加画像内には、外部に通知する情報を含む画像(以下、通知画像と称する)が配置される。通知画像の詳細については、後述する。
【0032】
出力原稿データ生成部106は、第1の動作設定において、入力原稿データ取得部101から取得した入力原稿データをそのまま出力原稿データとして、例えば、操作パネル130や画像形成部150等に出力する。例えば、操作パネル130に出力された場合には、入力原稿サイズの入力画像が画面に表示される。また、例えば、画像形成部150に出力された場合には、入力原稿サイズの用紙に入力画像が形成されて出力される。
【0033】
一方、出力原稿データ生成部106は、第2の動作設定において、入力原稿データ取得部101から取得した入力原稿データにて入力画像を変えずにそのままで、付加画像を付加し、出力原稿サイズに対応する出力原稿データを生成する。そして、出力原稿データ生成部106は、生成した出力原稿データを、例えば、操作パネル130や画像形成部150等に出力する。例えば、操作パネル130に出力された場合には、出力原稿サイズの出力画像が画面に表示される。また、例えば、画像形成部150に出力された場合には、出力原稿サイズの用紙に出力画像が形成されて出力される。
【0034】
付言すると、出力原稿データ生成部106は、第2の動作設定において、入力画像を変えることなく付加画像を付加し、入力画像の内容を維持する。なお、出力原稿データ生成部106の処理によっては、入力原稿データに基づく入力画像と、出力原稿データに含まれる入力画像との間に、誤差が生じることも考えられる。よって、出力原稿データ生成部106は、第2の動作設定において、入力原稿データに基づく入力画像と出力原稿データに含まれる入力画像との差異の程度が予め定められた程度よりも小さくなるように、出力原稿データを生成するものとして捉えることもできる。
【0035】
動作設定情報格納部107は、画像処理装置100において動作中の動作設定を表す設定情報(以下、動作設定情報と称する)を格納する。例えば、画像処理装置100が第1の動作設定で動作中の場合、動作設定情報には、画像処理装置100が第1の動作設定で動作することが示されている。
【0036】
動作設定切替部108は、画像処理装置100における動作設定の切替を行う。ここで、動作設定切替部108は、例えばユーザからの操作入力などを基に、動作設定情報格納部107に格納されている動作設定情報を書き換えて、画像処理装置100の動作設定の切替を行う。例えば、画像処理装置100の初期設定として第1の動作設定がなされている場合に、ユーザが第2の動作設定に切り替える操作入力を行うと、動作設定切替部108は、動作設定情報格納部107に格納されている動作設定情報を第1の動作設定から第2の動作設定に書き換える処理を行う。これにより、画像処理装置100は、第2の動作設定で動作するようになる。
【0037】
そして、
図2に示す画像処理装置100を構成する各機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、画像処理装置100を
図1に示したハードウェア構成にて実現した場合、例えば、ROM110cに格納されているOSのプログラムやアプリケーション・プログラムが、RAM110bに読み込まれてCPU110aに実行されることにより、入力原稿データ取得部101、入力原稿サイズ検知部102、出力原稿サイズ特定部103、付加画像データ生成部104、出力原稿データ生成部106、動作設定切替部108等の各機能部が実現される。また、対応テーブル格納部105、動作設定情報格納部107は、例えば、HDD120等により実現される。
【0038】
なお、本実施の形態では、取得手段の一例として、入力原稿データ取得部101が用いられる。特定手段の一例として、出力原稿サイズ特定部103が用いられる。生成手段の一例として、出力原稿データ生成部106が用いられる。出力手段の一例として、出力原稿データ生成部106,操作パネル130,画像形成部150が用いられる。切替手段の一例として、動作設定切替部108が用いられる。
【0039】
<対応テーブルの説明>
次に、対応テーブル格納部105に格納されている対応テーブルについて説明する。
図3は、対応テーブル格納部105に格納されている対応テーブルの一例を示す図である。
【0040】
対応テーブルには、「入力原稿サイズ」、「出力原稿サイズ」、「付加画像のサイズ」が定められている。ここで、出力原稿サイズは、入力原稿サイズよりも大きいサイズであり、例えば、入力原稿サイズよりも一回り大きいサイズである。図示の例では、入力原稿サイズ、出力原稿サイズのそれぞれが、一般的なA判及びB判で定められている。また、出力原稿サイズには、A判及びB判の判型のうち、入力原稿サイズの判型よりも大きい次の判型が定められている。
【0041】
より具体的には、図示の例では、入力原稿サイズとして、A5判、B5判、A4判、B4判が定められている。また、これらのA5判、B5判、A4判、B4判に対応する出力原稿サイズとして、B5判、A4判、B4判、A3判が定められている。例えば、入力原稿サイズがA5判の場合には、A判及びB判のうち、A5判よりも大きい次のサイズであるB5判が出力原稿サイズとして定められている。
【0042】
また、付加画像のサイズは、入力原稿サイズと出力原稿サイズとにより特定されるサイズである。具体的には、出力原稿サイズから入力原稿サイズを差し引いた残りのサイズが、付加画像のサイズである。付言すると、入力原稿サイズと付加画像のサイズとを足し合わせると、出力原稿サイズになる。図示の例では、付加画像のサイズとして、A5判用、B5判用、A4判用、B4判用が定められている。例えば、A5判用の付加画像のサイズは、出力原稿サイズであるB5判のサイズから、入力原稿サイズであるA5判のサイズを差し引いた残りのサイズである。
【0043】
付言すると、出力原稿サイズ特定部103は、第2の動作設定において、対応テーブルを参照して、入力原稿サイズ検知部102により検知された入力原稿サイズに対応する出力原稿サイズを特定する。
また、付加画像データ生成部104は、第2の動作設定において、対応テーブルを参照して、入力原稿サイズ検知部102により検知された入力原稿サイズに対応する付加画像のサイズを特定する。ただし、付加画像データ生成部104は、対応テーブルを参照せずに、出力原稿サイズ特定部103により特定された出力原稿サイズから、入力原稿サイズ検知部102により検知された入力原稿サイズを差し引いて、付加画像のサイズを特定してもよい。
【0044】
また、
図3に示す対応テーブルには、入力原稿サイズとして、一般的な規格のA判及びB判のサイズが定められているが、入力原稿サイズ検知部102により検知された原稿のサイズが、一般的な規格に合わない定形外のサイズ等の場合には、対応テーブルに定められていないことが考えられる。このような場合、出力原稿サイズ特定部103は、例えば、対応テーブルに定められた入力原稿サイズのうち、入力原稿サイズ検知部102の検知した定形外のサイズよりも大きいサイズであって、定形外のサイズに最も近い入力原稿サイズを選択する。そして、選択した入力原稿サイズに対応する出力原稿サイズを特定する。
【0045】
例えば、入力原稿サイズ検知部102の検知した原稿のサイズがB5判とA4判との間のサイズである場合について説明する。この場合、出力原稿サイズ特定部103は、対応テーブルに定められている入力原稿サイズのうち、検知した原稿のサイズよりも大きくて最も近いサイズであるA4判を選択する。そして、A4判に対応するB4判を出力原稿サイズとして特定する。
【0046】
ただし、出力原稿サイズ特定部103は、上述した例のようにB4判を出力原稿サイズとするのではなく、検知した原稿のサイズよりも大きくて最も近いサイズであるA4判を出力原稿サイズとしてもよい。ここで、検知した原稿のサイズはB5判とA4判との間のサイズであるため、A4判を出力原稿サイズとした場合であっても、入力画像と出力画像との間に差分が生じることになる。そのため、付加画像データ生成部104は、この差分を付加画像とする付加画像データを生成すればよい。言い換えると、本実施の形態において、出力原稿サイズ特定部103は、入力原稿サイズ検知部102の検知した原稿のサイズが対応テーブルに定められていない場合、対応テーブルに定められた出力原稿サイズのうち、検知した原稿のサイズよりも大きいサイズであって、検知した原稿のサイズに最も近い出力原稿サイズを特定することとしてもよい。
【0047】
<第2の動作設定において出力画像を生成する処理の説明>
次に、第2の動作設定において出力画像を生成する処理について、具体例を挙げて説明する。
図4は、第2の動作設定において出力画像を生成する処理の一例を説明するための図である。ここで、図中左の画像は、入力原稿データに基づく入力画像1Aである。また、図中右の画像は、出力原稿データに基づく出力画像1Bである。入力画像1Aに対して、斜線を付した付加画像1Cを付加することにより、出力画像1Bが生成される。
【0048】
例えば、図示の入力画像1Aは、原稿の縦長の方向が正立方向であり、入力原稿サイズはA5判である。正立方向とは、その原稿中の文字が正しく読める方向である。そして、
図3に示す対応テーブルでは、A5判の入力原稿サイズに対する出力原稿サイズは、B5判である。そこで、付加画像データ生成部104は、B5判のサイズからA5判のサイズを差し引いたサイズの付加画像1Cを生成する。そして、出力原稿データ生成部106は、入力画像1Aに対して、生成された付加画像1Cを付加して、B5判のサイズの出力画像1Bを生成する。
【0049】
なお、
図4に示す例では、入力画像1Aの右下の領域に付加画像1Cを付加したが、入力画像に付加される付加画像の位置はこのような構成に限られない。
図5(a)〜(d)は、付加画像の位置の他の例を示す図である。
図5(a)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの左上の領域に付加されている。
図5(b)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの右上の領域に付加されている。
図5(c)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの左下の領域に付加されている。
図5(d)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの周辺の領域に付加されている。
【0050】
さらに、
図6(a)〜(e)、
図7(a)〜(d)も、付加画像の位置の他の例を示す図である。ここで、
図6(a)〜(e)は、入力画像1Aの正立方向が原稿の横長の方向である場合の例である。
図6(a)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの左上の領域に付加されている。
図6(b)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの右上の領域に付加されている。
図6(c)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの左下の領域に付加されている。
図6(d)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの右下の領域に付加されている。
図6(e)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの周辺の領域に付加されている。
【0051】
さらに、
図7(a)、(b)は、入力画像1Aの正立方向が原稿の縦長の方向である場合の例である。
図7(a)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの右の領域に付加されている。
図7(b)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの左の領域に付加されている。また、
図7(c)、(d)は、入力画像1Aの正立方向が原稿の横長の方向である場合の例である。
図7(c)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの下の領域に付加されている。
図7(d)に示す付加画像1Cは、入力画像1Aの上の領域に付加されている。
【0052】
付言すると、
図7(a)〜(d)に示す例は、出力原稿サイズが、入力原稿サイズの2倍の大きさ(面積)になる場合の例である。例えば、入力原稿サイズがA判型の場合、入力原稿サイズのA判型よりも大きい次のA判型を出力原稿サイズにすると、出力原稿サイズは入力原稿サイズの2倍の大きさになる。また、例えば、入力原稿サイズがB判型の場合、入力原稿サイズのB判型よりも大きい次のB判型を出力原稿サイズにすると、出力原稿サイズは入力原稿サイズの2倍の大きさになる。
【0053】
例えば、入力原稿サイズがA5判型の場合、出力原稿サイズをA5判型よりも大きい次のA判型であるA4判型にすると、出力原稿サイズは入力原稿サイズの2倍の大きさになる。また、例えば、入力原稿サイズがB5判型の場合、出力原稿サイズをB5判型よりも大きい次のB判型であるB4判型にすると、出力原稿サイズは入力原稿サイズの2倍の大きさになる。このような場合には、入力画像1Aに対して、入力原稿サイズと同じ大きさの付加画像1Cを付加することにより、出力原稿サイズの出力画像1Bが生成される。
【0054】
図4〜
図7に示すように、入力画像に対して付加される付加画像の位置には複数の候補が存在しており、予め定められた手順に従って、複数の候補のうちの何れかが採用される。本実施の形態では、ユーザが付加画像の位置を決定してもよいし、画像処理装置100が付加画像の位置を決定してもよい。
【0055】
ユーザが付加画像の位置を決定する場合、例えば、付加画像の位置の候補として、
図4〜
図7に示す位置が操作パネル130に表示される。表示された候補の中からユーザが1つ選択すると、付加画像データ生成部104は、選択された位置に付加画像を付加するための付加画像データを生成する。そして、出力原稿データ生成部106は、入力画像に対して、ユーザの選択した位置に付加画像を付加して、出力原稿データを生成する。
【0056】
また、画像処理装置100が付加画像の位置を決定する場合、付加画像データ生成部104は、予め定められた規則に従って、付加画像の位置を決定し、決定した位置に付加画像を付加するための付加画像データを生成する。そして、出力原稿データ生成部106は、入力画像に対して、付加画像データ生成部104が決定した位置に付加画像を付加して、出力原稿データを生成する。
【0057】
ここで、予め定められた規則としては、例えば、デフォルトで付加画像の位置が決められている場合や、入力画像の内容によって付加画像の位置が決められる場合等が例示される。
より具体的には、例えば、付加画像データ生成部104は、入力画像に対して、OCR(Optical Character Recognition)等の処理を行って、入力画像の向き(入力画像の正立方向)を特定する。そして、付加画像データ生成部104は、特定した入力画像の向きに対応するデフォルトの位置に、付加画像を付加することを決定する。例えば、入力画像の正立方向が原稿の縦長の方向の場合には、
図4、
図5(a)〜(d)、
図7(a)、(b)の位置のうちのデフォルトの位置に、付加画像が付加される。
【0058】
また、
図8は、入力画像の内容によって付加画像の位置を決定する処理の一例を説明するための図である。
図8に示す入力画像1Aの正立方向は、原稿の縦長の方向である。ここで、入力画像1A内の文書は全体的に左に偏っており、右の領域に隙間(余白)ができている。例えば、入力画像1Aの左の領域に付加画像を付加した場合には、入力画像1A内の文書と付加画像1C内に配置される通知画像との区別がつかず、通知画像があることをユーザが判別しづらいことが考えられる。
【0059】
そこで、付加画像データ生成部104は、入力画像1Aに含まれる文書の分布や入力画像1A内に存在する隙間を調べて、付加画像1Cの位置を決定する。例えば、入力画像1A内の文書が集中していない領域の付近や隙間のある領域の付近に、付加画像1Cを付加することを決定する。入力画像1Aに含まれる文書の分布や隙間については、例えば、入力画像1Aの各画素の画素値を基に判断される。
図8に示す例では、入力画像1Aの右(右下)の領域に付加画像1Cが付加される。
【0060】
<付加画像内に配置される通知画像の説明>
次に、付加画像内に配置される通知画像について、詳細に説明する。通知画像は、外部に通知する情報を含む画像である。外部に通知する情報としては、例えば、原稿上の画像を読み取って入力原稿データを生成する処理(即ち、スキャン処理)に関する情報や、入力画像の内容から生成される情報等が例示される。
【0061】
まず、スキャン処理に関する情報について説明する。スキャン処理に関する情報としては、例えば、画像読取部140の画像読み取りを指示する操作入力を行ったユーザ(即ち、スキャン実施者)を特定する情報が挙げられる。スキャン実施者を特定する情報としては、例えば、ユーザ毎に予め付与されているユーザIDや、ユーザ毎に予め撮影された顔写真等が例示される。例えば、ユーザがスキャン処理を指示する前に画像処理装置100にて行った個人認証により、スキャン実施者が特定される。そして、付加画像データ生成部104は、特定されたスキャン実施者のユーザIDや顔写真を、HDD120等の記憶部から取得して、通知画像を生成する。
【0062】
スキャン実施者のユーザIDや顔写真を通知画像として入力画像に付加することにより、誰がスキャンを実施したのかが明示されることになる。そのため、例えば、スキャンが禁止されている原稿がスキャンされることの予防になり、原稿の内容を拡散させることの予防になる。また、原稿のスキャンが行われたとしても、誰がスキャンを実施したのかの追跡(スキャン実施者の特定)が可能になる。
【0063】
次に、入力画像の内容から生成される情報について説明する。入力画像の内容から生成される情報としては、例えば、入力画像に含まれる文書の一部や入力画像に含まれる文書の要約、入力画像に含まれる文書に関連する他の文書・URL(Uniform Resource Locator)等が例示される。また、例えば、入力画像に含まれる画像の一部や、入力画像に含まれる画像に類似する他の画像等が例示される。さらに、例えば、入力画像の内容に即した広告や、割引などのサービスを受ける権利を与えるクーポン等が例示される。
【0064】
例えば、付加画像データ生成部104は、入力画像の内容を基に、入力画像に含まれる文書や画像の一部を抜き出して、通知画像を生成する。また、例えば、付加画像データ生成部104は、HDD120等の記憶部に記憶されている情報を検索したり、インターネットを介して各種情報を検索したりして、入力画像に含まれる文書に関連する他の文書・URLや、入力画像に含まれる画像に類似する他の画像、広告、クーポン等を取得して、通知画像を生成する。例えば、広告やクーポン等の情報を通知画像として入力画像に付加した場合には、入力画像に付加価値が付与された状態で出力されることになる。
【0065】
また、本実施の形態では、通知画像を生成するのではなく、予め準備しておいてもよい。予め準備される通知画像としては、例えば、画像読み取りを行った画像読取部140を特定する情報を含む通知画像が例示される。この場合、通知画像には、例えば、画像読取部140が設置されている場所(即ち、スキャン実施場所)を特定する位置情報や、画像読取部140を特定するマシンID等が含まれる。なお、スキャン実施場所を特定する位置情報は、例えば、画像読取部140が設置されている住所や、画像読取部140の位置を示す地図等を例示することができる。
また、予め準備される通知画像は、例えば、予め定められたQRコード(登録商標)やウォーターマーク等であってもよい。
【0066】
このように、通知画像の内容には複数の候補が存在しており、予め定められた手順に従って、複数の候補のうちの何れかが採用される。本実施の形態では、ユーザが通知画像の内容を決定してもよいし、画像処理装置100が通知画像の内容を決定してもよい。
【0067】
ユーザが通知画像の内容を決定する場合、通知画像の候補として、例えば、スキャン実施者のID、文書の要約、広告など、各種の項目が操作パネル130に表示される。表示された候補の中からユーザが1つ選択すると、付加画像データ生成部104は、選択された項目の情報を含む通知画像を生成する。
また、画像処理装置100が通知画像の内容を決定する場合、例えば、付加画像データ生成部104は、デフォルトで決められている項目の情報を含む通知画像を生成する。
【0068】
さらに、本実施の形態では、通知画像を付加画像内のどこに配置するかについて、ユーザが決定してもよいし、画像処理装置100が決定してもよい。
【0069】
ユーザが通知画像の位置を決定する場合、例えば、ユーザは、操作パネル130に表示された付加画像内で、通知画像を配置する位置を指示する。付加画像データ生成部104は、指示された位置に通知画像を配置して、付加画像の画像データを生成する。また、画像処理装置100が通知画像の位置を決定する場合、例えば、付加画像データ生成部104は、付加画像内のデフォルトで決められている位置に通知画像を配置する。
ここで、付加画像データ生成部104は、付加画像からはみ出さないように通知画像を配置する。例えば、付加画像内のデフォルトの位置に通知画像を配置すると、通知画像が付加画像からはみ出してしまう場合も考えられる。このような場合には、付加画像データ生成部104は、通知画像をデフォルトの位置からずらして、付加画像からはみ出さないようにする。
【0070】
また、本実施の形態において、付加画像内に配置される通知画像は、1つに限られるものではなく、複数であってもよい。例えば、広告の情報を示す通知画像を複数、付加画像内に配置してもよい。また、付加画像内に配置される通知画像は、1種類に限られるものではなく、複数の種類であってもよい。例えば、スキャン実施者のユーザIDの通知画像を付加画像内に配置するとともに、広告の通知画像を付加画像内に配置してもよい。
【0071】
<画像処理装置による一連の処理手順>
次に、画像処理装置100が入力原稿データを取得して出力原稿データを出力するまでの一連の処理手順について説明する。
図9は、画像処理装置100が入力原稿データを取得して出力原稿データを出力するまでの処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0072】
まず、入力原稿データ取得部101は、画像読取部140が原稿上の画像を読み取って生成した入力原稿データを取得する(ステップ101)。次に、入力原稿データ取得部101は、動作設定情報格納部107に格納されている動作設定情報を参照し、画像処理装置100が第2の動作設定で動作中であるか否かを判定する(ステップ102)。
【0073】
ステップ102で否定の判断(No)がされた場合、画像処理装置100は第1の動作設定で動作中である。この場合、入力原稿データ取得部101は、入力原稿データを出力原稿データ生成部106に出力する(ステップ103)。次に、出力原稿データ生成部106は、入力原稿データ取得部101から取得した入力原稿データを、例えば、操作パネル130や画像形成部150等に出力する(ステップ104)。そして、例えば、操作パネル130において入力原稿サイズの入力画像が画面に表示されたり、画像形成部150により入力原稿サイズの用紙に入力画像が形成されて出力されたりする。そして、本処理フローは終了する。
【0074】
一方、ステップ102で肯定の判断(Yes)がされた場合、画像処理装置100は第2の動作設定で動作中である。この場合、入力原稿データ取得部101は、入力原稿データを出力原稿データ生成部106に出力するとともに、入力原稿サイズ検知部102に出力する(ステップ105)。
【0075】
次に、入力原稿サイズ検知部102は、取得した入力原稿データのデータ内容を基に、入力原稿サイズを検知する(ステップ106)。次に、出力原稿サイズ特定部103は、対応テーブル格納部105に格納されている対応テーブルを参照して、入力原稿サイズに対応する出力原稿サイズを特定する(ステップ107)。
【0076】
次に、付加画像データ生成部104は、入力原稿サイズと出力原稿サイズとを基に付加画像のサイズを特定し、特定したサイズを持つ付加画像の画像データを生成する(ステップ108)。ここで、付加画像データ生成部104は、対応テーブル格納部105に格納されている対応テーブルを参照して、入力原稿サイズに対応する付加画像のサイズを特定してもよいし、対応テーブルを参照せずに、出力原稿サイズから入力原稿サイズを差し引いて、付加画像のサイズを特定してもよい。
【0077】
次に、出力原稿データ生成部106は、入力原稿データ取得部101から取得した入力原稿データにおいて入力画像の大きさを変えずに、付加画像を付加し、出力原稿データを生成する(ステップ109)。そして、出力原稿データ生成部106は、生成した出力原稿データを、例えば、操作パネル130や画像形成部150等に出力する(ステップ110)。そして、例えば、操作パネル130において出力原稿サイズの出力画像が画面に表示されたり、画像形成部150により出力原稿サイズの用紙に出力画像が形成されて出力されたりする。そして、本処理フローは終了する。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態に係る画像処理装置100は、第2の動作設定において、入力原稿データにおいて入力画像の大きさを変えずに別の画像を付加し、入力原稿サイズとは異なるサイズの出力原稿データを生成する。ここで、別の画像は入力画像に重ならないように付加されるため、入力画像の内容が維持されて出力画像が出力される。また、入力画像に付加画像が付加されることで、出力画像に含まれる入力画像はオリジナルの画像ではなく、オリジナルの画像を読み取って生成されたものであることが把握される。
【0079】
また、本実施の形態では、第2の動作設定において、付加画像データ生成部104が付加画像データを生成することとしたが、他の装置(不図示)が付加画像データを生成してもよい。この場合には、例えば、画像処理装置100から他の装置に対して入力原稿データが送信される。他の装置は、画像処理装置100から受信した入力原稿データを基に、入力画像に付加する付加画像の大きさ、付加する位置、通知画像等を決定して、付加画像データを生成する。そして、他の装置は、生成した付加画像データを画像処理装置100に送信する。画像処理装置100は、他の装置から受信した付加画像データを入力原稿データに付加して、出力原稿データを生成する。
【0080】
さらに、本実施の形態では、第2の動作設定において、付加画像データ生成部104が付加画像の画像データを生成することとしたが、付加画像データを予め準備しておいてもよい。この場合には、例えば、各種の入力原稿サイズに対応する付加画像データが、対応テーブル格納部105に予め格納される。そして、例えば、出力原稿データ生成部106は、入力原稿サイズに対応する付加画像データを対応テーブル格納部105から取得し、取得した付加画像データを入力原稿データに付加して出力原稿データを生成する。
【0081】
そして、本実施の形態では、第2の動作設定において、入力原稿データに付加画像データを付加することとしたが、付加画像データを付加せずに、入力原稿サイズよりも大きい出力原稿サイズで出力することとしてもよい。言い換えると、出力原稿データ生成部106は、入力原稿データ取得部101から取得した入力原稿データについて、入力画像の大きさを変えずに、また付加画像を付加せずに、原稿のサイズを入力原稿サイズよりも大きい出力原稿サイズにして、例えば操作パネル130や画像形成部150等に出力してもよい。
【0082】
例えば、操作パネル130に出力された場合には、入力原稿サイズの入力画像に余白が足され、全体として出力原稿サイズとなった状態で画面に表示される。また、例えば、画像形成部150に出力された場合には、出力原稿サイズの用紙が出力され、その用紙には入力画像が形成されるとともに、入力原稿サイズと出力原稿サイズとの差分の領域は余白になる。このように、入力原稿データに付加画像データを付加せずに、入力原稿サイズよりも大きい原稿で出力した場合にも、入力画像の内容は維持される。さらに、出力された原稿のサイズは入力原稿サイズよりも大きいことから、出力された入力画像がオリジナルの画像ではなく、オリジナルの画像を読み取って生成されたものであることが把握されることになる。
【0083】
<適用可能なコンピュータの説明>
ところで、本実施の形態に係る画像処理装置100による処理は、例えば、PC(Personal Computer)等の汎用のコンピュータにおいて実現してもよい。そこで、この処理をコンピュータ200で実現するものとして、そのハードウェア構成について説明する。
図10は、本実施の形態を適用可能なコンピュータ200のハードウェア構成例を示した図である。
【0084】
コンピュータ200は、演算手段であるCPU201と、記憶手段であるメインメモリ202及び磁気ディスク装置(HDD)203とを備える。ここで、CPU201は、OSやアプリケーション等の各種プログラムを実行する。また、メインメモリ202は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置203は、
図2に示す各機能部を実現するためのプログラムを格納する。そして、このプログラムがメインメモリ202にロードされ、このプログラムに基づく処理がCPU201により実行されることで、各機能部が実現される。
さらに、コンピュータ200は、外部との通信を行うための通信インタフェース(I/F)204と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構205と、キーボードやマウス等の入力デバイス206とを備える。
【0085】
より具体的には、CPU201が、入力原稿データ取得部101、入力原稿サイズ検知部102、出力原稿サイズ特定部103、付加画像データ生成部104、出力原稿データ生成部106、動作設定切替部108等を実現するプログラムを、例えば磁気ディスク装置203からメインメモリ202に読み込んで実行することにより、これらの機能部が実現される。また、対応テーブル格納部105、動作設定情報格納部107は、例えば、磁気ディスク装置203等により実現される。
【0086】
また、本発明の実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0087】
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。