(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記停電検知設備は、前記各需要家に設置されている電力メータに設けられ、電源側からの電力供給の有無を監視する監視手段と、配電系統を監視して停電が発生すると停電を引き起こした事故箇所を特定する配電自動化設備と、から構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の停電情報提供システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、既存の各電力会社は、定められた所定の管轄エリアにのみ電力を供給することを主たる事業としていたため、停電に関する情報の収集や提供も自社の管轄エリアのみについて行えばよかった。しかしながら、近年の電力自由化に伴い、既存の電力会社に加えて新たな小売電気事業者(いわゆる新電力会社)が事業参入し、従来契約していた電力会社以外の電力会社と契約する需要家が増えることが予測される。
【0006】
そして、このような状況では、自社の管轄エリアのみならず他社の管轄エリアについても、停電に関する情報の収集や提供を行うことが、需要家へのサービス向上等につながると考えられる。例えば、電力会社Aの管轄エリアに居住する需要家bが新電力会社Bと契約しており、新電力会社Bが電力会社Aの電力供給網(送配電網)を利用・託送しているとする。この場合、新電力会社Bが電力会社Aの電力供給網での停電を把握できないと、新電力会社Bによる需要家bへの停電対応が困難となるが(電力会社Aが停電対応しなければならなくなり得るが)、新電力会社Bが電力会社Aの電力供給網での停電を把握できれば、新電力会社Bによる適正かつ迅速な対応が可能となる。
【0007】
また、例えば、隣接する電力会社C、Dの境界付近で停電が発生した場合に、電力会社C、Dがともに停電を把握できれば、復旧作業などを連係して行うことができ、適正かつ迅速な対応が可能となる。このように、ある電力会社で発生した停電を他の電力会社でも把握できるシステムが必要である、と考えられる。
【0008】
そこでこの発明は、ある電力会社で発生した停電に関する情報を他の電力会社でも知得可能な停電情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、自社が運営する電力供給網内の停電を検知する設備を停電検知設備とし、前記停電検知設備の検知結果に基づいて、各需要家の停電に関する情報を管理する装置を停電情報管理装置とし、前記停電情報管理装置で管理された情報を記憶する装置を共有装置とし、前記共有装置に記憶された情報を取得可能な装置を情報取得装置とし、第1の電力会社に前記停電検知設備と前記停電情報管理装置を備え、第2の電力会社に前記情報取得装置を備える
とともに、前記第2の電力会社に前記停電検知設備と前記停電情報管理装置を備え、前記第1の電力会社に前記情報取得装置を備える、ことを特徴とする停電情報提供システムである。
【0010】
この発明によれば、第1の電力会社が運営する電力供給網内で停電が発生すると、第1の電力会社の停電検知設備によって停電が検知され、この検知結果に基づいて、第1の電力会社の停電情報管理装置によって各需要家の停電に関する情報が管理される。また、この停電情報管理装置で管理された情報が共有装置に記憶され、この共有装置の情報が第2の電力会社の情報取得装置によって取得される。
【0012】
請求項
2の発明は、請求項
1に記載の停電情報提供システムにおいて、前記停電検知設備は、前記各需要家に設置されている電力メータに設けられ、電源側からの電力供給の有無を監視する監視手段と、配電系統を監視して停電が発生すると停電を引き起こした事故箇所を特定する配電自動化設備と、から構成される、ことを特徴とする。
【0013】
請求項
3の発明は、請求項
2に記載の停電情報提供システムにおいて、前記停電情報管理装置は、前記監視手段で停電が検知されたか、前記配電自動化設備で停電が検知されたかを前記停電に関する情報に含む、ことを特徴とする。
【0014】
請求項
4の発明は、請求項1から
3に記載の停電情報提供システムにおいて、前記停電検知設備は、前記電力供給網内の停電の復旧を検知する機能を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、第1の電力会社の電力供給網内で停電が発生すると、各需要家の停電に関する情報が共有装置に記憶され、この共有装置の情報を第2の電力会社が取得することができる。すなわち、ある電力会社で発生した停電に関する情報を他の電力会社でも知得することができるため、需要家へのサービスを向上させること等が可能となる。
【0016】
例えば、電力会社Aの電力供給網内に居住する需要家bが新電力会社Bと契約しており、新電力会社Bが電力会社Aの電力供給網を利用しているとする。この場合に、新電力会社Bが需要家bの停電に関する情報を取得できるため、新電力会社Bが需要家bに対して適正かつ迅速に対応することが可能となるとともに、電力会社Aの負担を軽減することが可能となる。また、例えば、隣接する電力会社C、Dの境界付近で停電が発生した場合に、電力会社C、Dがともに停電に関する情報を知得できるため、復旧作業などを連係して行うことができ、適正かつ迅速な対応が可能となる。
【0017】
さらに、請求項1の発明によれば、第2の電力会社の電力供給網内で停電が発生すると、各需要家の停電に関する情報が共有装置に記憶され、この共有装置の情報を第1の電力会社が取得することができる。すなわち、第1の電力会社と第2の電力会社がともに、それぞれの電力供給網内で発生した停電に関する情報を相互に知得できるため、需要家へのサービスをより向上させること等が可能となる。
【0018】
請求項
2の発明によれば、配電自動化設備のみならず、各電力メータの監視手段によっても停電が検知されるため、高圧配電線の停電のみならず、低圧停電(トランス故障、低圧線や引込線の断線などによる停電)も検知することができる。このため、需要家へのサービスをより向上させること等が可能となる。
【0019】
請求項
3の発明によれば、監視手段で停電が検知されたか、配電自動化設備で停電が検知されたかが、停電に関する情報として共有装置に記憶されるため、停電原因を知得することができ、その結果、需要家への対応や復旧などを適正かつ迅速に行うことが可能となる。
【0020】
請求項
4の発明によれば、電力供給網内の停電の復旧も検知され、その検知結果に基づいて、復旧したことが停電に関する情報として共有装置に記憶される。このため、第2の電力会社等は、各需要家で停電が復旧したことも知得することができ、需要家へのサービスをより向上させること等が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0023】
「実施の形態1」
図1は、この実施の形態に係る停電情報提供システム1を示す概略構成図である。この停電情報提供システム1は、停電に関する情報を収集して需要家Cや他の電力事業者P2、P3などに提供するシステムであり、主として、各需要家Cに設置されている電力メータ(停電検知設備)2と、メータ管理装置(停電検知設備)3と、配電自動化設備(停電検知設備)4と、停電情報管理装置5と、情報提供装置6と、共有装置7と、情報取得装置8と、を備える。ここで、停電に関する情報には、停電時の情報のみならず停電復旧時の情報も含む。
【0024】
この実施の形態では、第1の電力会社P1にメータ管理装置3と、配電自動化設備4と、停電情報管理装置5と、情報提供装置6と、を備え、第2の電力会社P2、P3に情報取得装置8を備え、第1の電力会社P1の停電に関する情報を電力会社P1〜P3で共有する場合について説明する。また、共有装置7は、電力会社P1〜P3で共用する装置であるため、どこに設けてもよい。
【0025】
停電検知設備は、自社つまり第1の電力会社P1が運営する電力供給網内の停電とその復旧を検知する設備であり、電力供給網には、送配電網や低圧線、引込線などを含む。この停電検知設備は、個々の需要家Cの停電を検知するための電力メータ2およびメータ管理装置3と、配電系統の停電を検知するための配電自動化設備4と、から構成されている。
【0026】
電力メータ2は、設置されている需要家Cで使用される電力量を計量するメータ(スマートメータ)であり、
図2に示すように、主として、通信部21と、計量部22と、監視部(監視手段)23と、電源部24と、これらを制御などする制御部25と、を備える。通信部21は、メータ管理装置3と通信するためのインターフェイスであり、計量部22と、所定時間(例えば、30分)ごとの電力使用量を計量する計器である。監視部23は、電源側・一次側からの電力供給の有無を監視するものであり、電源部24は、電池を含み、電力供給網側の停電時に電力を供給するものである。
【0027】
そして、監視部23によって電力供給が無いことを検知すると、つまり、電力供給網側の停電を検知すると、電力メータ2のメータ番号(識別情報)と停電の旨を含む停電通知をメータ管理装置3に送信する。その後、監視部23によって電力供給があることを検知すると、つまり、電力供給網側の停電復旧を検知すると、電力メータ2のメータ番号と復旧の旨を含む復旧通知をメータ管理装置3に送信する。
【0028】
メータ管理装置3は、各電力メータ2を管理して停電通知や復旧通知を収集する装置であり、サーバやコンピュータで構成され、各電力メータ2のメータ番号に対応して受給地点特定番号(電力メータ2の設置場所を特定する情報)が記憶されている。そして、各電力メータ2から停電通知や復旧通知を受信すると、受給地点特定番号を特定して停電が発生したことや復旧したことを、その日時とともに停電通知または復旧通知として停電情報管理装置5に送信する。
【0029】
配電自動化設備4は、配電系統の監視、開閉器の制御などの機能を有し、停電が発生すると停電を引き起こした事故箇所を特定して事故区間以外の配電線への配電などを行い、配電線の停電区間を含む情報を有するシステムである。そして、停電やその復旧を検知すると、その旨と区間、日時を含む情報(停電通知または復旧通知)を停電情報管理装置5に送信する。
【0030】
停電情報管理装置5は、各電力メータ2および配電自動化設備4の検知結果に基づいて、各需要家Cの停電に関する情報を管理(生成、更新等)する装置であり、サーバやコンピュータで構成されている。すなわち、各需要家Cの識別情報(後述する需要家ID711)とこの需要家Cに設置されている電力メータ2のメータ番号との関係や、各需要家Cと電力供給網との関係(どの配電線にどの需要家Cが接続されているか)などを記憶する。ここで、需要家Cには、第1の電力会社P1と契約している需要家Cのみならず、第1の電力会社P1の電力供給網内に位置するすべての需要家Cを含む。このため、第1の電力会社P1以外の電力会社P2、P3と契約している需要家Cが停電した場合であっても、この需要家Cの停電を検知、知得することができる。
【0031】
そして、メータ管理装置3を介して各電力メータ2から停電通知や復旧通知を受信すると、該当する需要家Cの識別情報と、停電日時や復旧日時と、電力メータ2で停電または復旧が検知された旨と、を含む登録情報を生成、記憶して共有装置7に送信する。同様に、配電自動化設備4から停電通知や復旧通知を受信すると、受信した区間に含まれる需要家Cを割り出し、割り出した各需要家Cの識別情報と、停電日時や復旧日時と、配電自動化設備4で停電または復旧が検知された旨と、を含む登録情報を生成、記憶して共有装置7に送信する。このように、停電情報管理装置5は、各電力メータ2で停電、復旧が検知されたか、配電自動化設備4で停電、復旧が検知されたかを停電に関する情報に含む。
【0032】
情報提供装置6は、各需要家Cに各種情報を提供する装置であり、サーバやコンピュータで構成され、提供する情報として停電に関する情報を含む。すなわち、需要家CがアクセスするWebサイトを提供し、このWebサイトに需要家Cがアクセスして所定の操作を行うと、後述する共有装置7と連携してこの需要家Cの停電に関する情報を提供する。また、停電に関する情報の配信を希望する需要家Cのメールアドレスを予め記憶し、共有装置7に定期的にアクセスし、停電に関する情報(後述する停電情報716)が登録、更新されると該当する需要家Cのメールアドレスに、停電に関する情報を送信する。例えば、後述する発生日時716bと停電種別716dの内容を含む停電メールや、復旧日時716eの内容を含む復旧メールを送信する。さらに、カスタマセンタの担当者が需要家Cからの問い合わせに対応するために参照する「お知らせメール送信お客様一覧」に、停電に関する情報をメールで送信した需要家Cを記憶する。
【0033】
共有装置7は、停電情報管理装置5で管理された情報を記憶する装置であり、サーバやコンピュータで構成されている。すなわち、この実施の形態では、停電情報管理装置5と通信自在に接続され、停電に関する情報つまり登録情報を停電情報管理装置5から受信すると、
図3に示すような共有情報データベース71を更新、記憶する。これに対して、停電情報管理装置5から共有装置7にアクセスして、共有情報データベース71に登録情報を更新、記憶してもよい。
【0034】
共有情報データベース71には、需要家ID711ごとに、契約番号712、需要家名713、所在地714、メータ番号715、停電情報716、その他717が記憶されている。需要家ID711には、需要家Cを識別する識別情報が記憶され、この識別情報には、どの電力会社と契約しているかを示す情報を含む。契約番号712は、契約している電力会社との契約を識別する情報が記憶され、需要家名713には、この需要家Cの氏名が記憶されている。所在地714には、需要家Cの所在地が記憶され、メータ番号715には、需要家Cに設置されている電力メータ2のメータ番号が記憶されている。
【0035】
停電情報716は、停電情報管理装置5から登録情報を受信するごとに登録、記憶され、登録情報に含まれる需要家Cの識別情報に該当する需要家ID711の停電情報716に登録、記憶される。すなわち、停電ID716aごとに、発生日時716b、発生フラグ716c、停電種別716d、復旧日時716e、復旧フラグ716fなどが記憶される。
【0036】
停電ID716aには、停電を識別する情報が記憶され、新たな停電が発生して新たな停電情報716が生成される度に生成、記憶される。発生日時716bには、停電情報管理装置5からの登録情報に含まれる停電日時が記憶され、発生フラグ716cには、電力メータ2で停電が検知されたか配電自動化設備4で停電が検知されたかが記憶される。すなわち、登録情報に電力メータ2で停電が検知された旨が含まれている場合には、「1」が記憶され、登録情報に配電自動化設備4で停電が検知された旨が含まれている場合には、「2」が記憶される。従って、電力メータ2で停電が検知された旨の登録情報と、配電自動化設備4で停電が検知された旨の登録情報の双方を受信した場合には、「1」と「2」が記憶される。
【0037】
停電種別716dには、停電が高圧配電線による停電か低圧停電(トランス故障、低圧線や引込線の断線などによる停電)かが記憶される。すなわち、発生フラグ716cに「2」が記憶されている場合には(この場合、通常「1」も記憶される)、高圧配電線による停電と記憶され、発生フラグ716cに「1」のみが記憶されている場合には、低圧停電と記憶される。
【0038】
復旧日時716eには、停電情報管理装置5からの登録情報に含まれる復旧日時が記憶され、復旧フラグ716fには、電力メータ2で復旧が検知されたか配電自動化設備4で復旧が検知されたかが記憶される。すなわち、登録情報に電力メータ2で復旧が検知された旨が含まれている場合には、「1」が記憶され、登録情報に配電自動化設備4で復旧が検知された旨が含まれている場合には、「2」が記憶される。従って、電力メータ2で復旧が検知された旨の登録情報と、配電自動化設備4で復旧が検知された旨の登録情報の双方を受信した場合には、「1」と「2」が記憶される。
【0039】
そして、この復旧フラグ716fによって、需要家Cが適正に復旧したか否かの確認などを行うことができる。すなわち、例えば、高圧配電線による停電が発生し、復旧フラグ716fに「1」と「2」が記憶されている場合には、需要家Cが適正に復旧したと確認でき、復旧フラグ716fに「2」のみが記憶されている場合には、需要家Cが適正に復旧していないと確認できる。
【0040】
この実施の形態では、共有情報データベース71がこのようなデータ構成となっているが、他のデータ構成であってもよいし、また、他のデータ記憶方法であってもよい。例えば、停電情報管理装置5において
図3に示す共有情報データベース71を生成、記憶し、データが登録、更新される度にそのデータ(情報取得装置8等への情報提供に必要なデータのみ)を共有装置7に記憶するようにしてもよい。
【0041】
情報取得装置8は、共有装置7に記憶された情報を取得可能な装置であり、サーバやコンピュータで構成されている。すなわち、共有装置7と通信自在に接続され、共有装置7にアクセスして共有情報データベース71のデータを読み取れるものである。
【0042】
次に、このような構成の停電情報提供システム1の作用について説明する。
【0043】
まず、
図4に示すように、例えば、第1の電力会社P1の配電線で停電が発生すると(ステップS1)、配電自動化設備4で停電が検知されて停電通知が停電情報管理装置5に送信される(ステップS2)。同様に、例えば、低圧線や引込線で停電が発生すると(ステップS3)、各電力メータ2で停電が検知されて停電通知がメータ管理装置3に送信され(ステップS4)、さらに、メータ管理装置3から停電情報管理装置5に停電通知が送信される(ステップS5)。
【0044】
次に、停電情報管理装置5において受信した停電通知・検知結果に基づいて、各需要家Cの停電に関する情報が生成、更新され、上記のような登録情報が共有装置7に送信される(ステップS6)。これを受けて共有装置7において、登録情報に基づいて共有情報データベース71の停電情報716が登録される。
【0045】
続いて、定期的に情報提供装置6から共有装置7にアクセスが行われ(ステップS7)、情報配信を希望する需要家Cに停電メールが送信される(ステップS8)。また、第2の電力会社P2、P3の情報取得装置8から共有装置7にアクセスすることで(ステップS9)、共有情報データベース71の情報が取得される。
【0046】
また、
図5に示すように、例えば、第1の電力会社P1の配電線で発生した停電が復旧すると(ステップS11)、配電自動化設備4で復旧が検知されて復旧通知が停電情報管理装置5に送信される(ステップS12)。同様に、例えば、第1の電力会社P1の低圧線や引込線で発生した停電が復旧すると(ステップS13)、各電力メータ2で復旧が検知されて復旧通知がメータ管理装置3に送信され(ステップS14)、さらに、メータ管理装置3から停電情報管理装置5に復旧通知が送信される(ステップS15)。
【0047】
次に、停電情報管理装置5において受信した復旧通知・検知結果に基づいて、各需要家Cの停電に関する情報が更新され、上記のような登録情報が共有装置7に送信される(ステップS16)。これを受けて共有装置7において、登録情報に基づいて共有情報データベース71の停電情報716が更新される。
【0048】
続いて、定期的に情報提供装置6から共有装置7にアクセスが行われ(ステップS17)、情報配信を希望する需要家Cに復旧メールが送信される(ステップS18)。また、第2の電力会社P2、P3の情報取得装置8から共有装置7にアクセスすることで(ステップS19)、共有情報データベース71の情報が取得される。
【0049】
このように、この停電情報提供システム1によれば、第1の電力会社P1の電力供給網内で停電が発生すると、各需要家Cの停電に関する情報が共有装置7に記憶され、この共有装置7の情報を第2の電力会社P2、P3が取得することができる。すなわち、ある電力会社P1で発生した停電に関する情報を他の電力会社P2、P3でも知得することができるため、需要家Cへのサービスを向上させること等が可能となる。
【0050】
例えば、第1の電力会社P1の電力供給網内に居住する需要家C1が第2の電力会社(新電力会社)P2と契約しており、第2の電力会社P2が第1の電力会社P1の電力供給網を利用しているとする。そして、第1の電力会社P1の電力供給網で停電が発生した場合に、第2の電力会社P2が需要家C1の停電に関する情報を取得できるため、第2の電力会社P2が需要家C1に対して適正かつ迅速に対応することが可能となるとともに、第1の電力会社P1の負担を軽減することが可能となる。また、例えば、隣接する電力会社P1、P2の境界付近で停電が発生した場合に、電力会社P1、P2がともに停電に関する情報を知得できるため、復旧作業などを連係して行うことができ、適正かつ迅速な対応が可能となる。
【0051】
また、配電自動化設備4のみならず、各電力メータ2の監視部23によっても停電が検知されるため、高圧配電線の停電のみならず、低圧停電(トランス故障、低圧線や引込線の断線などによる停電)も検知することができる。このため、需要家Cへのサービスをより向上させること等が可能となる。
【0052】
さらに、電力メータ2の監視部23で停電が検知されたか、配電自動化設備4で停電が検知されたか(発生フラグ716c)が、停電に関する情報として共有装置7に記憶されるため、停電原因(停電種別716d)を知得することができ、その結果、需要家Cへの対応や復旧などを適正かつ迅速に行うことが可能となる。
【0053】
また、電力供給網内の停電の復旧も検知され、その検知結果に基づいて、復旧したことが停電に関する情報として共有装置7に記憶される。このため、第2の電力会社P2、P3等は、各需要家Cで停電が復旧したことも知得することができ、需要家Cへのサービスをより向上させること等が可能となる。
【0054】
「実施の形態2」
図6は、この実施の形態に係る停電情報提供システム1を示す概略構成図であり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。また、第2の電力会社P2、P3に対しては、符号のみを付する。
【0055】
この実施の形態では、第2の電力会社P2、P3にもメータ管理装置(停電検知設備)3と配電自動化設備(停電検知設備)4と停電情報管理装置5を備え、第1の電力会社P1にも情報取得装置8を備える点で、実施の形態1と構成が異なる。また、図示省略しているが、各電力会社P1〜P3に情報提供装置6を備えてもよい。
【0056】
第2の電力会社P2、P3が運営する電力供給網内に位置する各需要家Cには、監視部23を備えた電力メータ2が設置されている。また、第2の電力会社P2、P3の配電自動化設備4は、それぞれ自社つまり第2の電力会社P2、P3が運営する配電系統の停電とその復旧を検知する。
【0057】
そして、電力会社P1〜P3のそれぞれにおいて停電またはその復旧が検知されると、メータ管理装置3を介して各電力メータ2から停電通知または復旧通知が停電情報管理装置5に送信され、配電自動化設備4から停電情報管理装置5に停電通知または復旧通知が送信される。続いて、停電情報管理装置5において各需要家Cの停電に関する情報が生成、更新され、登録情報が共有装置7に送信されて共有情報データベース71の停電情報716が登録、更新される。これにより、各電力会社P1〜P3が情報取得装置8を介して、共有装置7の停電に関する情報を取得、知得できるものである。
【0058】
このように、この実施の形態によれば、第2の電力会社P2、P3の電力供給網内で停電が発生すると、各需要家Cの停電に関する情報が共有装置7に記憶され、この共有装置7の情報を第1の電力会社P1が取得することができる。すなわち、第1の電力会社P1と第2の電力会社P2、P3がともに、それぞれの電力供給網内で発生した停電に関する情報を相互に知得できるため、需要家Cへのサービスをより向上させること等が可能となる。
【0059】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、共有装置7に停電に関する情報が主として記憶されているが、各電力会社P1〜P3で共有すべき他の情報も記憶してもよい。換言すると、各電力会社P1〜P3で共有すべき情報を記憶する既存の装置に、停電に関する情報も記憶するようにして、共有装置7を構成してもよい。