(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで画像読取装置では、ホチキス留めされたままの原稿束をユーザーが誤ってセットし、給送ジョブが開始されてしまう場合がある。この場合、給送ローラーと接触している原稿のみが一旦送り出されるものの、ホチキス留めされている為に送り出された原稿が変形し、やがてジャムとなってしまう虞がある。
【0006】
一方、従来の画像読取装置では、ジャムを判定する為の手段が幾つか提案されている。例えば特許文献2には、原稿搬送路で発生する音に基づいてジャムが発生したか否かを判定する技術が開示されている。
しかしながら上述のようにホチキス留めされたままの原稿束に対し給送ジョブが行われ、ジャムが発生した場合には、既に原稿に不可逆的なダメージ(例えば、破れ)が発生してしまっている場合がある。即ち、従来のジャム判定手段をそのまま利用するのみでは、上述の技術的課題に対しては不十分であり、より効果的なジャム判定手段が求められる。
【0007】
そこで本発明はこの様な問題に鑑み成されたものであり、その目的は、最終的にジャムに至る前の原稿の変形を検出することによって、原稿に生じるダメージを抑制することができる画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係る画像読取装置は、媒体を載置する媒体載置部と、前記媒体載置部に載置された媒体のうち最下位の媒体と接触して当該媒体を下流側に送る、媒体搬送方向と交差する媒体幅方向において中央領域に設けられる給送ローラーと、前記給送ローラーとの間で媒体をニップして分離する分離ローラーと、前記給送ローラーの下流側に設けられた、媒体を読み取る読み取り手段と、前記媒体幅方向において前記給送ローラーと前記分離ローラーとのニップ位置より媒体のエッジ側に離れた位置で、且つ、媒体搬送経路を側視して前記給送ローラー及び前記分離ローラーのうちいずれかと重なる位置である検出位置で媒体を検出可能な媒体検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、画像読取装置は、前記媒体幅方向において前記給送ローラーと前記分離ローラーとのニップ位置より媒体のエッジ側に離れた位置で、且つ、媒体搬送経路を側視して前記給送ローラー及び前記分離ローラーのうちいずれかと重なる位置である検出位置で媒体を検出可能な媒体検出手段を備えるので、変形に伴って前記検出位置に入り込んだ媒体を検出することができ、即ち最終的にジャムに至る前の媒体の変形を検出することによって媒体に生じるダメージを抑制することができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記検出位置は、媒体搬送経路を側視して前記分離ローラーと重なる位置と、媒体搬送経路を側視して前記給送ローラーと重なる位置と、の双方に設けられていることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記検出位置は、媒体搬送経路を側視して前記分離ローラーと重なる位置と、媒体搬送経路を側視して前記給送ローラーと重なる位置と、の双方に設けられているので、媒体が前記分離ローラー側及び前記給送ローラー側のいずれに変形した場合でも、それを検出することができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記検出位置は、媒体搬送経路を側視して前記分離ローラーと重なる位置に設けられていることを特徴とする。
前記媒体載置部に載置された媒体のうち最下位の媒体を送り出す構成では、特に上流側でホチキス留めされた原稿束に対し給送ジョブを実行すると、送り出される原稿(最下位の原稿)は前記分離ローラー側に変形し易い傾向がある。本態様ではそのような傾向に鑑み、前記検出位置を、媒体搬送経路を側視して前記分離ローラーと重なる位置に設けたので、より効率的に、最終的にジャムに至る前の媒体の変形を検出することができる。
【0013】
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記検出位置は、媒体搬送方向において前記給送ローラーと前記分離ローラーとのニップ位置より下流側であるとともに、媒体の面と交差する方向において前記分離ローラーの回転中心位置より前記給送ローラー側にあることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、変形した原稿が更に入り込み易い領域、即ち、媒体搬送方向において前記給送ローラーと前記分離ローラーとのニップ位置より下流側であるとともに、媒体の面と交差する方向において前記分離ローラーの回転中心位置より前記給送ローラー側の位置に前記検出位置を設けたので、更に効率的に、最終的にジャムに至る前の媒体の変形を検出することができる。
【0015】
本発明の第5の態様は、第3のまたは第4の態様において、前記媒体幅方向において前記検出位置より更に媒体のエッジ寄りの位置で、媒体搬送経路を側視して前記分離ローラー側の領域への媒体の入り込みを規制する規制部を備えることを特徴とする。
【0016】
例えば媒体のエッジが多少反っていると、最終的にジャムに至る様な変形でないにも係わらず、前記検出位置に媒体が入り込んでしまい、給送を停止すべき変形であると誤判定してしまう虞がある。そこで本態様では、前記媒体幅方向において前記検出位置より更に媒体のエッジ寄りの位置で、媒体搬送経路を側視して前記分離ローラー側の領域への媒体の入り込みを規制する規制部を備えるので、給送を継続しても問題のない媒体の前記検出位置への入り込みを抑制することで、上記誤判定を抑制できる。
【0017】
本発明の第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記給送ローラーを制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記媒体検出手段により前記検出位置において媒体を検出すると、前記給送ローラーを停止させることを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、前記制御手段は、前記媒体検出手段により前記検出位置において媒体を検出すると、前記給送ローラーを停止させるので、ジャムに至る前の段階で給送動作を停止させることで、媒体にダメージが形成されることを防止でき、或いは媒体に形成されるダメージを抑制できる。
【0019】
本発明の第7の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、媒体搬送方向において前記読み取り手段の上流側に設けられた、媒体を前記読み取り手段側に搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーと前記給送ローラーとの間に設けられた、媒体の通過を検出する通過検出手段と、前記給送ローラーを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記媒体検出手段により前記検出位置において媒体を検出した場合、前記検出位置から前記通過検出手段までの距離に対応する量の前記給送ローラーの駆動を実行し、前記給送ローラーの駆動の結果、前記通過検出手段により媒体先端の通過を検出した場合、前記給送ローラーによる媒体の給送を継続し、前記給送ローラーの駆動の結果、前記通過検出手段により媒体先端の通過を検出しなかった場合、前記給送ローラーを停止させることを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、前記制御手段は、前記媒体検出手段により前記検出位置において媒体を検出した場合、前記検出位置から前記通過検出手段までの距離に対応する量の前記給送ローラーの駆動を実行し、前記給送ローラーの駆動の結果、前記通過検出手段により媒体先端の通過を検出した場合、前記給送ローラーによる媒体の給紙を継続する。即ち、前記媒体検出手段が媒体を検出しても、その後に下流側の前記通過検出手段が媒体先端の通過を検出すれば、媒体を正常に給送できると考えられる為、その様な場合は給送を継続することで不必要な給送の停止を回避できる。
【0021】
そして前記給送ローラーの駆動の結果、前記通過検出手段により媒体先端の通過を検出しなかった場合、ジャムが生じていると判断できるので、前記給送ローラーを停止させることで、媒体にダメージが形成されることを防止でき、或いは媒体に形成されるダメージを抑制できる。
尚、「前記検出位置から前記通過検出位置までの距離に対応する量の前記送りローラーの駆動」とは、厳格に前記検出位置から前記通過検出位置まで媒体を搬送する為の前記送りローラーの駆動を意味するものではなく、前記検出位置から前記通過検出位置まで媒体を搬送する為の前記送りローラーの駆動を含め、多少のマージンを設定した場合をも含む意味である。
【0022】
本発明の第8の態様は、第1の態様において、前記検出位置は、媒体搬送経路を側視して前記給送ローラーと重なる位置に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、前記検出位置は、媒体搬送経路を側視して前記給送ローラーと重なる位置に設けられているので、前記給送ローラー側に変形する媒体を検知でき、即ち最終的にジャムに至る前の媒体の変形を検出することによって媒体に生じるダメージを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
【0025】
図1は本発明に係るスキャナーの外観斜視図であり、
図2は本発明に係るスキャナーの媒体搬送経路を示す側面図であり、
図3は本発明に係る媒体検出センサーの検出位置と分離ローラーとの位置関係を示す側面図である。
【0026】
図4はスキャナーの媒体搬送経路を模式的に示した図であって媒体検出センサーの検出位置と分離ローラーとの関係を示す図であり、
図5は媒体搬送経路を側視した状態を模式的に示した図であって媒体が正常に搬送された状態を示す図である。
【0027】
図6はスキャナーの媒体搬送経路を模式的に示した図であって媒体が正常に搬送された状態を示す図であり、
図7はスキャナーの媒体搬送経路を模式的に示した図であって媒体の幅方向中央部でジャムが生じた場合における媒体と媒体検出センサーとの関係を示す図であり、
図8は媒体搬送経路を側視した状態を模式的に示した図であって
図7における媒体と媒体検出センサーとの関係を示す図である。
【0028】
図9はスキャナーの媒体搬送経路を模式的に示した図であってステープル留めされた媒体が搬送された際における媒体と媒体検出センサーとの関係を示す図であり、
図10は媒体搬送経路を側視した状態を模式的に示した図であって
図8における媒体と媒体検出センサーとの関係を示す図であり、
図11は上部ユニット側に設けられ、原稿搬送経路内に向けて突出する規制部を示す斜視図であり、
図12は下部ユニット側に設けられ、原稿搬送経路内に向けて突出する規制部を示す斜視図である。
【0029】
図13は媒体検出センサーの配置位置の変更例を示す図であり、
図14は媒体検出センサーの配置位置の変更例を示す図であり、
図15は第2の実施例に係るスキャナーの媒体搬送経路を模式的に示した図であり、
図16は第2の実施例に係る給送動作のフローチャートである。
【0030】
また、各図において示すX−Y−Z座標系はX方向が装置幅方向であるとともに媒体幅方向、Y方向が画像読取装置における媒体搬送方向、Z方向がY方向と直交する方向であり、概ね搬送される媒体の面と直交する方向を示している。尚、各図において+Y方向側を装置前面側とし、−Y方向側を装置背面側とする。
【0031】
■■■第1の実施例■■■■
図1において、画像読取装置としてのスキャナー10について説明する。スキャナー10は、下部ユニット12と、上部ユニット14と、媒体載置部16と、排出トレイ18とを備えている。本実施例において、図示しないが上部ユニット14は下部ユニット12に対して媒体搬送方向下流側を回動支点として回動可能に下部ユニット12に取り付けられている。
【0032】
上部ユニット14の前面側には、ユーザインタフェース部20が設けられている。ユーザインタフェース部20は、一例として、タッチパネルとして構成され、表示部と操作部とを兼ねている。ユーザインタフェース部20を操作することで、スキャナー10の媒体読取動作等を実行できる。スキャナー10の前面側において、ユーザインタフェース部20の下方には、排出口22が設けられている。排出口22の下方には、排出トレイ18が、設けられている。本実施例において、排出トレイ18は、下部ユニット12内に収納された状態(
図1及び
図2)と下部ユニット12から前面側に引き出された展開状態とを切り換え可能に構成されている。
【0033】
<<<原稿搬送経路について>>>
図2において、スキャナー10における媒体搬送経路24について説明する。尚、
図2において符号Pが付された太い実線は、スキャナー10内において媒体搬送経路24に沿って搬送される媒体の案内経路を示している。
【0034】
下部ユニット12の装置背面側端部には、媒体載置部16が設けられている。媒体載置部16は、原稿を傾斜した姿勢で支持することができるように構成されている。媒体載置部16には、複数枚の媒体をセットすることができる。媒体載置部16には、互いに接近する方向、あるいは離間する方向に変位可能な一対のエッジガイド16aが設けられ、媒体載置部16に載置された媒体の側部をガイドするように構成されている。
【0035】
下部ユニット12において媒体搬送経路24の経路上には、媒体の搬送方向上流側(−Y方向側)から下流側(+Y方向側)に向かって、給送ローラー26、分離ローラー28、「搬送ローラー」としての搬送ローラー対30、「読み取り手段」としての画像読取部32及び排出ローラー対34が設けられている。本実施例において給送ローラー26は、一例として下部ユニット12内に設けられた不図示の駆動源により回転駆動させられる。
【0036】
分離ローラー28は、給送ローラー26と対向する位置に設けられている。分離ローラー28は、不図示の付勢手段によって給送ローラー26に対して付勢された状態に設けられている。分離ローラー28は、給送ローラー26と分離ローラー28との間に複数枚の媒体が入り込むと、給送されるべき最下位の媒体のみを搬送方向下流側に送るべく複数枚の媒体を分離するように構成されている。媒体載置部16に傾斜した姿勢で支持された媒体は、給送ローラー26と分離ローラー28とにニップされて、搬送方向下流側に配置された搬送ローラー対30に搬送される。次いで、搬送ローラー対30は、給送ローラー26から送られてきた原稿を画像読取部32に向けて送り出す。
【0037】
画像読取部32は、媒体搬送経路24に沿って搬送される媒体の下面、すなわち第1面と対向するように下部ユニット12内に設けられた第1読み取りユニット36Aと、媒体搬送経路24に沿って搬送される原稿の上面、すなわち第2面と対向するように上部ユニット14内に設けられた第2読み取りユニット36Bとを備えている。本実施例において、第1読み取りユニット36A及び第2読み取りユニット36Bは読み取りユニットとして構成され、一例として密着型イメージセンサーモジュール(CISM)として構成されている。
【0038】
搬送ローラー対30により画像読取部32に送られた原稿は、画像読取部32において媒体Pの第1面及び第2面の少なくとも一方の面の画像を読み取られた後、画像読取部32の搬送方向下流側に位置する排出ローラー対34にニップされて排出口22から排出される。
【0039】
<<<原稿搬送経路について>>>
図3及び
図4において、媒体搬送経路24における媒体の搬送に関連する構成について説明する。
図4に示すように、給送ローラー26は媒体幅方向であるX軸方向に間隔をおいて2つ並んで下部ユニット12に設けられている。より具体的には、給送ローラー26は、媒体搬送経路24においてX軸方向中央部に位置するように設けられている。本実施例において、給送ローラー26の外周面は、高摩擦材料(例えば、ゴムなどのエラストマ等)により構成されている。
【0040】
分離ローラー28は、本実施例において給送ローラー26と対向する位置、より具体的には装置高さ方向上方側において上部ユニット14に設けられている。本実施例において、分離ローラー28は、給送ローラー26に対応するようにX軸方向において間隔をおいて2つ設けられている。本実施例において分離ローラー28の外周面は、給送ローラー26と同様に高摩擦材料(例えば、ゴムなどのエラストマ等)により構成されている。
【0041】
図3において、媒体搬送方向(Y軸方向)において分離ローラー28が設けられた領域内に「媒体検出手段」としての媒体検出センサー38が設けられている。媒体検出センサー38については後述する。
【0042】
図4及び
図5に示すように、媒体搬送経路24における給送ローラー26及び分離ローラー28の下流側には、媒体Pの給送を検出する媒体給送検出センサー40が設けられている。媒体給送検出センサー40は、一例として光学式センサーとして構成されている。
【0043】
図5に示すように、媒体給送検出センサー40は、一例として下部ユニット12側に設けられた発光部40aと、上部ユニット14側に設けられた受光部40bとを備えている。そして、発光部40aと受光部40bとは、媒体搬送経路24を挟んで対向する位置に配置され、媒体搬送経路24において媒体Pが搬送された際、媒体Pが発光部40aからの光を遮ることにより、媒体Pを検出するように構成されている。媒体給送検出センサー40は、媒体Pを検出すると、後述する「制御部」としての制御部42(
図2)に検出信号を送信する。
【0044】
本実施例における媒体給送検出センサー40は、一例として給送されてきた媒体がキャリアシート(不図示)であるか否かを検出可能に構成されている。ここで、キャリアシートとは、無色透明の合成樹脂から成る2枚のシートを周縁部の一部で接合したものである。キャリアシートは、2枚のシート間にパスポート等の冊子や、二つ折りの書類等を挟んだ状態で媒体搬送経路24を搬送され、画像読取部32においてキャリアシートに挟まれた媒体の読取を行う際に使用する。
【0045】
媒体給送検出センサー40は、一例としてキャリアシートの接合された周縁部に設けられたマークを読み取るように構成されており、このマークを検出することで、給送されてきた媒体がキャリアシートであることを検出し、その検出信号を後述する制御部42(
図2)に送信する。尚、媒体給送検出センサー40がキャリアシートを検出した場合には、制御部42(
図2)は後述する重送検出センサー44の検出信号を無効化する。
【0046】
さらに、
図4及び
図5において媒体搬送経路24において媒体給送検出センサー40の搬送方向下流側には、媒体Pの重送を検出する重送検出センサー44が配置されている。本実施例において重送検出センサー44は、一例として下部ユニット12に設けられたスピーカー部44aと、上部ユニット14に設けられたマイク部44bとを備える超音波センサーとして構成されている。
【0047】
本実施例において重送検出センサー44は、スピーカー部44aから媒体搬送経路24を通る媒体Pに向けて超音波を発振し、媒体Pからの反射音をマイク部44bで検出するように構成されている。本実施例において重送検出センサー44は、反射音の周波数により媒体Pの重送を検知するだけでなく、厚紙等の紙種も検出可能に構成されている。重送検出センサー44は、媒体Pを検出すると、後述する制御部42(
図2)に検出信号を送信する。
【0048】
図4に示すように、媒体搬送経路24において搬送ローラー対30の搬送方向下流側には、媒体搬送検出センサー48が設けられている。媒体搬送検出センサー48は、一例としてレバーを有する接触式センサーとして構成されている。ここで、媒体搬送経路24に沿って媒体Pが搬送されると、媒体搬送検出センサー48のレバーが媒体Pの先端に押されて搬送方向下流側に回動し、符号48−1が付された位置(
図4)に変位する。これにより媒体搬送検出センサー48は、媒体Pを検出する。媒体搬送検出センサー48は、媒体Pを検出すると、制御部42に検出信号を送信する。
【0049】
本実施例において、下部ユニット12内には制御部42(
図2参照)が設けられている。本実施例において制御部42は、複数の電子部品を備える電気回路として構成されている。制御部42は、媒体検出センサー38、媒体給送検出センサー40、重送検出センサー44及び媒体搬送検出センサー48の検出信号を受けて、第1読み取りユニット36A、第2読み取りユニット36Bにおける読取動作、及び給送ローラー26、搬送ローラー対30及び排出ローラー対34の回転駆動を制御している。
【0050】
さらに、制御部42は、一例としてスキャナー10における媒体Pの搬送及び画像読取動作を制御するように構成されている。また、制御部42は外部(PCなど)からの指示でスキャナー10における媒体読取動作の実行に必要な動作を制御してもよい。
【0051】
<<<媒体検出センサーについて>>>
次いで、
図3ないし
図5において媒体検出センサー38について説明する。本実施例における媒体検出センサー38は、一例として光学式センサーとして構成されている。
図3において、媒体検出センサー38は、媒体搬送経路24をX軸方向から側視した状態において分離ローラー28と重なる位置、具体的には分離ローラー28が占める領域内に配置されている。媒体検出センサー38の検出位置Sは、Y軸方向及びZ軸方向において分離ローラー28と重なる位置、より具体的には分離ローラー28が上部ユニット14から突出している領域内に位置するように設定されている。尚、
図3以降の図において、検出位置Sは光学式センサーの検出位置を模式的に図示している。
【0052】
媒体検出センサー38の検出位置Sは、Y軸方向においてニップ位置N1より搬送方向下流側(+Y方向側)であるとともに分離ローラー28の回転中心位置C1(
図5)より給送ローラー26側、つまり下方側にあることが望ましい。
【0053】
図4において、媒体検出センサー38の検出位置Sは、媒体幅方向(X軸方向)において給送ローラー26と分離ローラー28とのニップ位置N1よりも媒体のエッジ側、つまり媒体搬送経路24の外側方向(+X軸方向、−X軸方向)に離れた位置で媒体を検出するように設定されている。具体的には、検出位置Sは、X軸方向において分離ローラー28の外側の検出位置設定領域R1内に位置するように設定される。
【0054】
本実施例において検出位置設定領域R1は、Y軸方向において分離ローラー28の占める領域内に設定されており、X軸方向では、ニップ位置N1より外側の位置、具体的には分離ローラー28の側部の位置から媒体搬送経路24において搬送される最大サイズの媒体のエッジ位置までの範囲内に設定されている。
【0055】
図5及び
図6において媒体搬送経路24に沿って媒体P1が給送ローラー26と分離ローラー28とにニップされて正常に搬送方向下流側(+Y方向側)に送られる際、媒体P1の先端P1Fの媒体幅方向エッジ側部分P1S(
図6において二点鎖線で囲まれた部分、
図5における媒体のニップ位置N1から先端P1Fまでの部分)は、分離ローラー28側に持ち上がることなく、給送方向(Y軸方向)に沿って搬送されるので、媒体検出センサー38の検出位置Sにおいて検出されない。その結果、制御部42は、媒体検出センサー38の検出信号を受けないので、媒体P1の搬送方向下流側への搬送が継続される。
【0056】
図7及び
図8において、媒体搬送経路24に沿って媒体P2が給送ローラー26と分離ローラー28とのニップ位置N1まで搬送された際、媒体P2の先端P2Fの中央部分P2C(
図7)が給送ローラー26と分離ローラー28との間に入り込まない状態となることがある。この際、給送ローラー26は回転を続けているので媒体P2の搬送が継続されてしまう。
【0057】
その結果、
図7に示すように媒体P2の先端P2Fの媒体幅方向エッジ側部分P2Sは、中央部分P2Cに対して内側に向かって変形する。この変形に伴って、
図8に示すようにエッジ側部分P2Sは、分離ローラー28側に持ち上がり、媒体搬送経路24をX軸方向から側視した状態において分離ローラー28の占める領域内に入り込む。これにより、媒体検出センサー38は、検出位置Sにおいて媒体P2の持ち上がったエッジ側部分P2Sを検出する。尚、
図8における太線は、媒体搬送経路24をX軸方向から側視した状態における媒体P2の−X方向側のエッジ部分のみを模式的に図示している。
【0058】
媒体検出センサー38は、エッジ側部分P2Sを検出した検出信号を制御部42に送信する。制御部42は、媒体検出センサー38の検出信号を受けて、給送ローラー26の回転を停止させる。これにより、媒体P2が媒体搬送経路24内でジャム(紙詰まり)を生じさせて、媒体P2に深刻なダメージ、例えば媒体P2の破損等が生じる前に媒体P2の搬送を停止させることができるので、媒体P2が受けるダメージを低減、あるいは抑制できる。
【0059】
図9及び
図10において、ステープラーで留められた複数の媒体が搬送された際について説明する。
図9において、媒体P3と媒体P4とが搬送方向における媒体先端側の−X方向側端部でステープラーにより留められている。この状態で、媒体P3及び媒体P4が搬送方向下流側に送られる際、装置高さ方向下方側に位置する媒体P3は、給送ローラー26と分離ローラー28とにニップされてニップ位置N1より下流側に送られる。一方で、装置高さ方向上方側に位置する媒体P4は、分離ローラー28により搬送方向上流側に戻される。
【0060】
その結果、媒体P3は、
図9に示すようにステープラーで留められた部分P3Sを支点として、搬送方向下流側に送られつつ、
図9における反時計回り方向に回動する。その際、ステープラーで留められた部分P3Sは、
図10に示すように持ち上がりながら分離ローラー28の側方(−X方向側)に入り込む。これにより、媒体検出センサー38は、持ち上がったステープラーで留められた部分P3Sを検出する。尚、
図10における太線は、媒体搬送経路24をX軸方向から側視した状態における媒体P3の−X方向側のエッジ部分のみを模式的に図示しており、媒体P4の図示を省略している。
【0061】
媒体検出センサー38は、ステープラーで留められた部分P3Sを検出した検出信号を制御部42に送信する。制御部42は、媒体検出センサー38の検出信号を受けて、給送ローラー26の回転を停止させる。これにより、ステープラーで留められた媒体P3及び媒体P4の搬送を継続することにより、媒体P3及び媒体P4に深刻なダメージ、例えば媒体P3及び媒体P4においてステープラーで留められた部分P3Sがちぎれて破損する等のダメージが生じる前に媒体P3及び媒体P4の搬送を停止させることができるので、媒体P3及び媒体P4が受けるダメージを低減、あるいは抑制できる。
【0062】
<<<第1の実施例の変更例>>>
(1)
図11において、媒体検出センサー38が設けられた上部ユニット14にはリブ状の規制部50が設けられている。規制部50は上部ユニット14から媒体搬送経路24内に突出するように構成されている。より具体的には、本実施例において規制部50は、分離ローラー28において媒体搬送経路24内に上部ユニット14から突出している部分と略同じ形状及び略同じサイズとなるように形成されている。尚、略同じ形状及び略同じサイズとは、完全一致を意味するものではなく、成形上の誤差等も含み得ることを意味している。
【0063】
規制部50は、媒体搬送経路24をX軸方向から側視した場合、媒体搬送方向(Y軸方向)において、給送ローラー26と重なる位置に設けられている。
図11に示すように、媒体搬送方向下流側から上流側を見た際、規制部50は、媒体搬送方向と交差する方向である媒体幅方向(X軸方向)において、媒体検出センサー38の検出位置Sよりも外側、媒体のエッジ側に配置されている。尚、本変更例において規制部50(
図11)はリブとして構成したが、ローラー部材として構成してもよい。
【0064】
このように構成したことにより、媒体幅方向においてエッジ部分に反りが生じている媒体P5を搬送する際、規制部50は、媒体P5のエッジ部分P5Sの反りを抑制、あるいは低減することができる。これにより、
図11に示すように媒体P5の反りが低減され(
図11における符号P5が付された太線)、媒体P5のエッジ部分P5Sが媒体検出センサー38の検出位置Sにエッジ部分P5Sが入り込むことを低減、あるいは防止できる。尚、
図11において符号P5−1が付された二点鎖線は、エッジ部分が反った状態のまま、搬送された際にエッジ部分が媒体検出センサー38に検出される状態を示している。
【0065】
その結果、媒体のエッジが反っている場合、例えば、ジャムに至るような変形でない場合において、媒体のエッジが媒体検出センサー38の検出領域内に入り込むことを抑制し、媒体検出センサー38に検出されて制御部42が給送を停止する誤判定を抑制、あるいは低減できる。これにより、給送を継続しても問題のない媒体の給送を継続することができ、スキャナー10の利便性が向上する。
【0066】
尚、本変更例では、媒体検出センサー38が設けられた上部ユニット14側に規制部50を設ける構成としたが、この構成に代えて、例えば、
図12に示すように下部ユニット12側に媒体検出センサー38を設ける構成とした場合、下部ユニット12側に規制部50を設ける構成としてもよい。
【0067】
(2)本実施例では、媒体搬送経路24をX軸方向から側視した際、媒体検出センサー38を分離ローラー28と重なる領域内に配置する構成としたが、この構成に代えて、
図13に示すように、媒体搬送経路24をX軸方向から側視した際、媒体検出センサー38、より具体的には媒体検出センサー38の検出位置Sを給送ローラー26と重なる領域内に配置する構成してもよく、
図14に示すように、媒体搬送経路24をX軸方向から側視した際、媒体検出センサー38(媒体検出センサー38の検出位置S)を分離ローラー28と重なる領域内及び給送ローラー26と重なる領域内にそれぞれ配置する構成としてもよい。
【0068】
(3)本実施例では、スキャナー10において媒体検出センサー38を検出可能状態として媒体Pの給送を行う設定としたが、ユーザインタフェース部20を操作して媒体検出センサー38の検出状態をオフとし、非検出状態とした上で媒体Pの給送を行うように設定してもよい。尚、スキャナー10が外部(PC等)に接続されている場合には、外部からの入力により、媒体検出センサー38の検出状態をオフとしてもよい。
(4)本実施例では、媒体検出センサー38を設ける構成としたが、この構成に代えて、一例として媒体給送検出センサー40(
図4)を媒体搬送経路24において中央部に配置された給送ローラー26及び分離ローラー28の媒体幅方向両側に配置して、媒体Pのエッジ部分の持ち上がりを検出するように構成してもよい。
(5)本実施例では、給送ローラー26及び分離ローラー28は媒体幅方向において間隔をおいて2つ設ける構成としたが、この構成に代えて、1つ、あるいは3つ以上設ける構成としてもよい。
【0069】
■■■第2の実施例■■■■
図15及び
図16において、第2の実施例について説明する。本実施例では、通過検出センサー52を媒体搬送方向において給送ローラー26と搬送ローラー対30との間に配置した点で第1の実施例と異なる。
【0070】
図15に示すように、通過検出センサー52は、媒体搬送方向において給送ローラー26と搬送ローラー対30との間に配置されている。本実施例では、一例として通過検出センサー52は給送ローラー26の搬送方向下流側において搬送ローラー対30よりも給送ローラー26に近い位置に配置されている。
図15において、通過検出センサー52は、符号52−1が付された二点鎖線部へ変位することにより媒体Pの通過を検出する。尚、本実施例における通過検出センサー52の構成は、媒体搬送検出センサー48の構成と同様の構成である。
【0071】
ここで、搬送する媒体に、例えば媒体にしわや折り目等のジャムに至るような変形でない変形がある場合、媒体検出センサー38により媒体が検出されても給送を継続してもよい場合がある。本実施例では、このような場合に対応するように制御部42が媒体検出センサー38及び通過検出センサー52の検出信号に基づいて給送ローラー26の回転を制御している。以下、説明する。
【0072】
図16において、ステップS1として、制御部42が給送ローラー26の回転駆動を開始し、媒体の給送を開始させる。ステップS2として、媒体が給送ローラー26により媒体搬送方向下流側に所定量送られた後、制御部42は媒体検出センサー38が媒体を検出したか否かを判断する。制御部42は、媒体検出センサー38から媒体検出信号を受信した場合、ステップS3として媒体検出センサー38の検出位置Sから通過検出センサー52までの媒体搬送方向における距離(経路長)に対応する給送ローラー26の回転量分、給送ローラー26を回転させる。
【0073】
制御部42は、ステップS4として通過検出センサー52が媒体を検出したか否かを判断する。制御部42は、通過検出センサー52から媒体検出信号を受けると、媒体の給送方向下流側への搬送を継続する。その後、制御部42はステップS5として、媒体搬送検出センサー48が媒体を検出したか否かを判断する。制御部42は、媒体搬送検出センサー48から媒体検出信号を受けると、ステップS6として、媒体の給送を継続し、画像読取部32において媒体の第1面及び第2面の少なくとも一方の読取動作を実行する。制御部42は、画像読取部32における媒体の読取動作終了後に、ステップS7として読取後の媒体を排出ローラー対34によりニップして排出口22から排出して媒体の搬送動作を終了させる。
【0074】
制御部42は、ステップS2において媒体検出センサー38が媒体を検出しない場合、媒体のエッジ部分が正常(持ち上がっていない状態)であると判断して、ステップS8として媒体の給送を継続する。
【0075】
その後、制御部42はステップS9として、媒体搬送検出センサー48が媒体を検出したか否かを判断する。制御部42は、媒体搬送検出センサー48から媒体検出信号を受けると、ステップS10として、媒体の給送を継続し、画像読取部32において媒体の第1面及び第2面の少なくとも一方の読取動作を実行する。制御部42は、画像読取部32における媒体の読取動作終了後に、ステップS11として読取後の媒体を排出ローラー対34によりニップして排出口22から排出して媒体の搬送動作を終了させる。
【0076】
制御部42は、ステップS4において通過検出センサー52が媒体を検出しない場合、ステップS5において媒体搬送検出センサー48が媒体を検出しない場合及びステップS9において媒体搬送検出センサー48が媒体を検出しない場合、ステップS12として、媒体にジャムが生じたと判断し、給送ローラー26、媒体搬送ローラー対30及び排出ローラー対34の回転を停止させて、媒体の搬送を停止し、媒体の搬送動作を終了させる。
【0077】
本実施例によれば、ジャムに至るような変形でない変形がある媒体において適切に給送することが可能となるとともに、ジャムに至るような変形がある媒体については、給送を停止させて媒体へのダメージを低減できるので、媒体を適切に給送でき、スキャナー10の利便性が向上する。
【0078】
<<<第1の実施例及び第2の実施例の変更例>>>
(1)第1の実施例及び第2の実施例において媒体検出センサー38は、媒体搬送経路24内において給送ローラー26及び分離ローラー28のX軸方向における両側(+X軸方向側、−X軸方向側)に配置する構成としたが、この構成に代えて、媒体検出センサー38を給送ローラー26及び分離ローラー28の+X軸方向側、あるいは−X軸方向側のいずれか片側のみに配置する構成としてもよい。
(2)第1の実施例及び第2の実施例において媒体検出センサー38は、一例として光学式センサーとして構成したが、この構成に代えて、媒体検出センサー38を機械式センサー、タッチセンサー、超音波センサー等により構成してもよい。
【0079】
上記説明をまとめると、スキャナー10は、媒体Pを載置する媒体載置部16と、媒体載置部16に載置された媒体Pのうち最下位の媒体と接触して当該媒体Pを下流側に送る、媒体搬送方向であるY軸方向と交差する媒体幅方向であるX軸方向において中央領域に設けられる給送ローラー26と、給送ローラー26との間で媒体Pをニップして分離する分離ローラー28と、給送ローラー26の下流側に設けられた、媒体を読み取る画像読取部32と、媒体幅方向であるX軸方向において給送ローラー26と分離ローラー28とのニップ位置N1より媒体Pのエッジ側に離れた位置で、且つ、媒体搬送経路24を側視して給送ローラー26及び分離ローラー28のうちいずれかと重なる位置である検出位置Sで媒体を検出可能な媒体検出センサー38とを備えている。
【0080】
上記構成によれば、スキャナー10は、媒体幅方向であるX軸方向において給送ローラー26と分離ローラー28とのニップ位置N1より媒体Pのエッジ側に離れた位置で、且つ、媒体搬送経路24を側視して給送ローラー26及び分離ローラー28のうちいずれかと重なる位置である検出位置Sで媒体Pを検出可能な媒体検出センサー38を備えるので、変形に伴って検出位置Sに入り込んだ媒体Pを検出することができ、即ち最終的にジャムに至る前の媒体Pの変形を検出することによって媒体に生じるダメージを抑制することができる。
【0081】
検出位置は、媒体搬送経路を側視して前記分離ローラーと重なる位置と、媒体搬送経路を側視して前記給送ローラーと重なる位置と、の双方に設けられている。この構成によれば、媒体が前記分離ローラー側及び前記給送ローラー側のいずれに変形した場合でも、それを検出することができる。
【0082】
検出位置Sは、媒体搬送経路24を側視して分離ローラー28と重なる位置に設けられている。媒体載置部16に載置された媒体Pのうち最下位の媒体Pを送り出す構成では、特に上流側でホチキス留めされた原稿束に対し給送ジョブを実行すると、送り出される原稿(最下位の原稿)は分離ローラー28側に変形し易い傾向がある。上記構成ではそのような傾向に鑑み、検出位置Sを、媒体搬送経路24を側視して分離ローラー28と重なる位置に設けたので、より効率的に、最終的にジャムに至る前の媒体Pの変形を検出することができる。
【0083】
検出位置Sは、媒体搬送方向であるY軸方向において給送ローラー26と分離ローラー28とのニップ位置N1より下流側であるとともに、媒体Pの面と交差する方向であるZ軸方向において分離ローラー28の回転中心位置C1より給送ローラー26側にある。この構成によれば、変形した原稿が更に入り込み易い領域、即ち、媒体搬送方向であるY軸方向において給送ローラー26と分離ローラー28とのニップ位置N1より下流側(+Y方向側)であるとともに、媒体Pの面と交差する方向であるZ軸方向において分離ローラー28の回転中心位置C1より給送ローラー26側の位置に検出位置Sを設けたので、更に効率的に、最終的にジャムに至る前の媒体Pの変形を検出することができる。
【0084】
媒体幅方向であるX軸方向において検出位置Sより更に媒体Pのエッジ寄りの位置で、媒体搬送経路24を側視して分離ローラー28側の領域への媒体の入り込みを規制する規制部50を備えている。
【0085】
例えば媒体Pのエッジが多少反っていると、最終的にジャムに至る様な変形でないにも係わらず、検出位置Sに媒体Pが入り込んでしまい、給送を停止すべき変形であると誤判定してしまう虞がある。そこで上記構成では、媒体幅方向であるX軸方向において検出位置Sより更に媒体Pのエッジ寄りの位置で、媒体搬送経路24を側視して分離ローラー28側の領域への媒体の入り込みを規制する規制部50を備えるので、給送を継続しても問題のない媒体Pの検出位置Sへの入り込みを抑制することで、上記誤判定を抑制できる。
【0086】
スキャナー10は、給送ローラー26を制御する制御部42を備えている。制御部42は、媒体検出センサー38により検出位置Sにおいて媒体Pを検出すると、給送ローラー26を停止させる。この構成によれば、ジャムに至る前の段階で給送動作を停止させることで、媒体Pにダメージが形成されることを防止でき、或いは媒体Pに形成されるダメージを抑制できる。
【0087】
媒体搬送方向であるY軸方向において画像読取部32の上流側に設けられた、媒体Pを画像読取部32側に搬送する搬送ローラー対30と、搬送ローラー対30と給送ローラー26との間に設けられた、媒体Pの通過を検出する通過検出センサー52と、給送ローラー26を制御する制御部42と、を備えている。制御部42は、媒体検出センサー38により検出位置Sにおいて媒体Pを検出した場合、検出位置Sから通過検出センサー52までの距離に対応する量の給送ローラー26の駆動を実行し、給送ローラー26の駆動の結果、通過検出センサー52により媒体Pの先端の通過を検出した場合、給送ローラー26による媒体Pの給送を継続し、給送ローラー26の駆動の結果、通過検出センサー52により媒体Pの先端の通過を検出しなかった場合、給送ローラー26を停止させる。
【0088】
上記構成によれば、制御部42は、媒体検出センサー38により検出位置Sにおいて媒体Pを検出した場合、検出位置Sから通過検出センサー52までの距離に対応する量の給送ローラー26の駆動を実行し、給送ローラー26の駆動の結果、通過検出センサー52により媒体Pの先端の通過を検出した場合、給送ローラー26による媒体Pの給紙を継続する。即ち、媒体検出センサー38が媒体を検出しても、その後に下流側の通過検出センサー52が媒体Pの先端の通過を検出すれば、媒体を正常に給送できると考えられる為、その様な場合は給送を継続することで不必要な給送の停止を回避できる。
【0089】
そして給送ローラー26の駆動の結果、通過検出センサー52により媒体Pの先端の通過を検出しなかった場合、ジャムが生じていると判断できるので、給送ローラー26を停止させることで、媒体Pにダメージが形成されることを防止でき、或いは媒体Pに形成されるダメージを抑制できる。
【0090】
検出位置Sは、媒体搬送経路24を側視して給送ローラー26と重なる位置に設けられている。この構成によれば、給送ローラー26側に変形する媒体Pを検知でき、即ち最終的にジャムに至る前の媒体Pの変形を検出することによって媒体に生じるダメージを抑制することができる。
【0091】
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。