特許第6927108号(P6927108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6927108
(24)【登録日】2021年8月10日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】レバー式コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/629 20060101AFI20210812BHJP
【FI】
   H01R13/629
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-55748(P2018-55748)
(22)【出願日】2018年3月23日
(65)【公開番号】特開2019-169326(P2019-169326A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅和
(72)【発明者】
【氏名】中居 和雄
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6222588(JP,B1)
【文献】 特許第6268620(JP,B1)
【文献】 特開2011−082115(JP,A)
【文献】 特開2002−334744(JP,A)
【文献】 特開2009−245609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ本体と、
前記コネクタ本体の外面に開口する端子挿入口から端子収容室に挿入される端子金具と、
前記コネクタ本体に取り付けられ、退避位置と初期位置との間で回動可能であり、前記端子金具を前記端子収容室に挿入する際には退避位置に位置し、相手側コネクタとの嵌合の際には初期位置から、初期位置と退避位置との間の嵌合位置へ回動されるレバーと、
前記コネクタ本体に形成され、弾性変形が可能な離脱規制用ロックアームと、
前記コネクタ本体に形成され、弾性変形が可能な過回転規制用ロックアームとを備え、
前記レバーが退避位置にある状態では、前記端子挿入口の開口領域と前記レバーが重ならず、前記端子収容室内への前記端子金具の挿入と前記端子収容室内の前記端子金具の抜き取りが可能であり、
前記レバーが嵌合位置にある状態では、前記レバーに形成した離脱規制用係止部が、前記離脱規制用ロックアームに対して係止可能に対向することによって、前記レバーが初期位置側への回動を規制され、
前記離脱規制用ロックアームが弾性変形しながら前記離脱規制用係止部から解離することによって、前記レバーが初期位置側へ回動可能となり、
前記レバーが嵌合位置にある状態では、前記レバーに形成した過回転規制用係止部が、前記過回転規制用ロックアームに対して係止可能に対向することによって、前記レバーが退避位置側への回動を規制され、
前記過回転規制用ロックアームが弾性変形しながら前記過回転規制用係止部から解離することによって、前記レバーが退避位置側へ回動可能となるレバー式コネクタ。
【請求項2】
前記離脱規制用ロックアームに形成した離脱規制用ロック部と、前記過回転規制用ロックアームに形成した過回転規制用ロック部が、前記レバーの回動軸と平行な幅方向に関して互いに異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
【請求項3】
前記離脱規制用ロックアームと前記過回転規制用ロックアームが、前記レバーの前記回動軸と平行な側面視において部分的に重なるように配置されていることを特徴とする請求項2記載のレバー式コネクタ。
【請求項4】
前記離脱規制用ロックアームには、前記離脱規制用ロックアームをロック解除方向へ弾性変位させるための離脱規制用ロック解除操作部が形成され、
前記離脱規制用ロック解除操作部は、前記レバーの回動軸と平行な幅方向に関して前記コネクタ本体又は前記レバーの中央部に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のレバー式コネクタ。
【請求項5】
前記過回転規制用ロックアームのうち前記レバーの回動軸と平行な幅方向中央部には、切欠部が形成され、
前記切欠部には、前記過回転規制用ロックアームがロック解除方向へ押されることを妨げる解除操作規制部が配されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のレバー式コネクタ。
【請求項6】
前記コネクタ本体の外面には、前記離脱規制用ロックアームをロック解除方向へ弾性変位させるための離脱規制用ロック解除操作部と、前記過回転規制用ロックアームがロック解除方向へ押されることを妨げる解除操作規制部とが、前記レバーの前記回動軸と平行な幅方向に関して同じ位置に配されており、
前記レバーの回動操作部には、前記離脱規制用ロック解除操作部との干渉を回避可能であり、且つ前記解除操作規制部との干渉を回避可能な逃がし部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のレバー式コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー式コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハウジングに設けたレバーを初期位置から嵌合位置へ回動操作することで、コネクタと相手側コネクタとを嵌合するレバー式コネクタが開示されている。ハウジング内には端子金具を挿入するための端子収容室が形成され、端子収容室の端子挿入口がハウジングの外面に開口している。レバーが嵌合位置にある状態では、レバーの回動操作部が端子挿入口と対向する位置にあるため、端子金具を端子収容室に挿入する際に邪魔となる。そのため、ハウジングに端子金具を挿入する際には、レバーを端子挿入位置へ回動し、回動操作部を端子挿入口と対向しない位置へ退避させておくようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−048046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のレバー式コネクタは、レバーを嵌合位置へ回動させた状態が長期間継続されることから、レバーが嵌合位置にある状態では、レバーのハウジングからの突出量が小さく抑えられている。そのため、端子金具の挿入が済んだレバー式コネクタを、相手側コネクタとの嵌合現場へ搬送する際にも、レバーを嵌合位置に保持しておくことが好ましい。しかし、嵌合現場では、嵌合位置のレバーを初期位置へ回動させる必要があることから、レバーを嵌合位置に保持することが可能であり、且つ嵌合位置のレバーを簡単に初期位置側へ回動させることのできる手段が望まれる。
【0005】
また、レバーが嵌合位置にある状態で、ハウジングから端子金具を抜き取るメンテナンス作業等を行うことがある。このような場合に備えて、レバーを嵌合位置に保持することが可能であり、且つ嵌合位置のレバーを簡単に端子挿入位置側へ回動させることのできる手段が望まれる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、嵌合位置に保持されているレバーを初期位置側と退避位置側へ回動させる際の作業性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
コネクタ本体と、
前記コネクタ本体の外面に開口する端子挿入口から端子収容室に挿入される端子金具と、
前記コネクタ本体に取り付けられ、相手側コネクタとの嵌合の際には初期位置から嵌合位置へ回動され、前記端子金具を前記端子収容室に挿入する際には前記端子挿入口と非対応の退避位置に位置するレバーと、
前記コネクタ本体と前記レバーのうちいずれか一方に形成され、嵌合位置の前記レバーを初期位置側への回動規制状態にロック可能であり、弾性変形することでロックを解除して前記レバーが初期位置側へ回動することを許容する離脱規制用ロックアームと、
前記コネクタ本体と前記レバーのうちいずれか一方に形成され、嵌合位置の前記レバーを退避位置側への回動規制状態にロック可能であり、弾性変形することでロックを解除して前記レバーが退避位置側へ回動することを許容する過回転規制用ロックアームとを備えているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
レバーは離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームにより嵌合位置に保持される。相手側コネクタと嵌合する際には、レバーを初期位置へ回動させておくが、この作業は離脱規制用ロックアームを弾性変形させるだけなので、作業性が良好である。また、嵌合位置に保持されているレバーを、メンテナンス等のために退避位置へ回動させる際には、過回転規制用ロックアームを弾性変形させるだけでよいので、作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1においてレバーが嵌合位置にある状態をあらわす正面図
図2】レバーが嵌合位置にある状態の側面図
図3】レバーが初期位置側への回動を規制されている状態をあらわす図1のX−X線断面図
図4】レバーが初期位置側へ回動可能にロック解除された状態をあらわす図1のX−X線相当断面図
図5】レバーが退避位置側への回動を規制されている状態をあらわす図1のY−Y線断面図
図6】レバーが退避位置側へ回動可能にロック解除された状態をあらわす図1のY−Y線相当断面図
図7】レバーが初期位置にある状態をあらわす側断面図
図8】レバーが嵌合位置にある状態をあらわす側断面図
図9】レバーが退避位置にある状態をあらわす平面図
図10】レバーが退避位置にある状態をあらわす側面図
図11】レバーが嵌合位置と同じ姿勢をとっているときの正面図
図12】レバーが初期位置にある状態をあらわす正面図
図13】電線カバーの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、前記離脱規制用ロックアームに形成した離脱規制用ロック部と、前記過回転規制用ロックアームに形成した過回転規制用ロック部が、前記レバーの回動軸と平行な幅方向に関して互いに異なる位置に配置されていてもよい。この構成によれば、離脱規制用ロック部と過回転規制用ロック部が幅方向に干渉し合うことがないので、離脱規制用ロック部と過回転規制用ロック部の配置に関して設計の自由度が高い。
【0010】
本発明は、前記離脱規制用ロックアームと前記過回転規制用ロックアームが、前記レバーの前記回動軸と平行な側面視において部分的に重なるように配置されていてもよい。この構成によれば、レバーの回動方向において、離脱規制用ロック部と過回転規制用ロック部の配置スペースが小さくて済むので、コネクタの小型化を図ることができる。
【0011】
本発明は、前記離脱規制用ロックアームには、前記離脱規制用ロックアームをロック解除方向へ弾性変位させるための離脱規制用ロック解除操作部が形成され、前記離脱規制用ロック解除操作部は、前記レバーの回動軸と平行な幅方向に関して前記コネクタ本体又は前記レバーの中央部に配置されていてもよい。離脱規制用ロックアームをロック解除する作業の頻度は、過回転規制用ロックアームをロック解除する作業より高い。この点を勘案して、離脱規制用ロック解除操作部を操作し易い幅方向中央部に配置したので、作業性が良好である。
【0012】
本発明は、前記過回転規制用ロックアームのうち前記レバーの回動軸と平行な幅方向中央部には、切欠部が形成され、前記切欠部には、前記過回転規制用ロックアームがロック解除方向へ押されることを妨げる解除操作規制部が配されていてもよい。過回転規制用ロックアームの幅方向中央部は作業者が押し操作をし易い領域であるという点に着目し、ここに解除操作規制部を配置した。これにより、過回転規制用ロックアームが不用意にロック解除方向へ押されることを防止できる。
【0013】
本発明は、前記コネクタ本体の外面には、前記離脱規制用ロックアームをロック解除方向へ弾性変位させるための離脱規制用ロック解除操作部と、前記過回転規制用ロックアームがロック解除方向へ押されることを妨げる解除操作規制部とが、前記レバーの前記回動軸と平行な幅方向に関して同じ位置に配されており、前記レバーの回動操作部には、前記離脱規制用ロック解除操作部との干渉を回避可能であり、且つ前記解除操作規制部との干渉を回避可能な逃がし部が形成されていてもよい。この構成によれば、逃がし部を、離脱規制用ロック解除操作部と解除操作規制部とで共用化できるので、回動操作部の形状を簡素化できる。
【0014】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1図13を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、図2〜8における左方を前方と定義する。上下の方向については、図1〜8,10〜12にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
【0015】
本実施例のレバー式コネクタAは、コネクタ本体10と、複数の端子金具13と、1つのレバー20と、左右一対のスライダ25とを備えて構成されている。コネクタ本体10は、合成樹脂製のハウジング11と、合成樹脂製の電線カバー17とを組み付けて構成されている。ハウジング11内には、上下方向に細長い複数の端子収容室12が形成されている。各端子収容室12には、ハウジング11の上方から端子金具13が挿入されるようになっている(図10を参照)。ハウジング11の上端の電線導出面15には、各端子収容室12の上端部が端子挿入口16として開口している。端子金具13に接続された電線14は、端子挿入口16からハウジング11の上方へ導出されている。
【0016】
電線カバー17は、後端面と下端面が開放された箱状をなし、ハウジング11に対し、電線導出面15の全領域(全ての端子挿入口16)を覆う状態で取り付けられている。ハウジング11に対する電線カバー17の取付けは、ハウジング11の前方から電線導出面15に沿って電線カバー17を後方へスライドさせることによって行われる。電線カバー17をハウジング11から取り外す際には、電線カバー17をハウジング11に対して前方へスライドさせる。
【0017】
電線導出面15から上向きに導出された電線は、電線カバー17内で後方へ転向するように曲げられ、電線カバー17の後方へ引き出されている。電線カバー17をハウジング11に取り付けた状態では、電線カバー17の前端面17F(図3〜6を参照)が、前方に下り勾配となるように、且つ電線導出面15に対して直角に近い角度の斜め姿勢に配される。
【0018】
レバー20は、左右対称な板状をなす一対のアーム部21と、一対のアーム部21の基端部同士を連結する板状の連結部22と、一対のアーム部21の先端部同士を連結する回動操作部23とを備えて構成され、全体として包囲の枠状をなしている。一対のアーム部21の基端部には、軸線を左右方向(幅方向)に向けた回動軸24が、内向きに突出した形態で形成されている。レバー20は、ハウジング11(コネクタ本体10)に対し、回動軸24をハウジング11の後端部に嵌合することで取り付けられている。レバー20をハウジング11に取り付けた状態では、一対のアーム部21がコネクタ本体10(ハウジング11及び電線カバー17)の左右両外側面と対向するように配される。
【0019】
レバー20は、回動軸24を中心として退避位置(図9,10を参照)と初期位置(図7,12を参照)との間で回動可能となっている。レバー20の回動経路のうち退避位置と初期位置との間には、嵌合位置(図1〜6,8を参照)が設定されている。レバー20が退避位置と初期位置との間で回動する過程では、一対のアーム部21がハウジング11及び電線カバー17の左右両外側面に沿うように回動するとともに、回動操作部23が、ハウジング11の前面と、電線カバー17の前面及び上面と対向した状態で旋回する。
【0020】
スライダ25は、ハウジング11内に収容され、前後方向(レバー式コネクタAと相手側コネクタBとの嵌合方向と直交する方向)へ平行移動するようになっている。スライダ25の後端部に形成した従動溝26にはレバー20の駆動軸27が嵌合されており、レバー20の回動にともなって、スライダ25が前後方向にスライドするようになっている。スライダ25には、相手側コネクタBのカムフォロアCと摺動可能な複数のカム溝28が形成されている。
【0021】
レバー20が退避位置にある状態では、回動操作部23が、電線導出面15及び電線カバー17よりも下方に配される。ハウジング11に対して電線カバー17を前後方向にスライドさせながら着脱する作業は、レバー20を退避位置へ回動させた状態で行う。また、電線カバー17をハウジング11から外した状態では、平面視において、電線導出面15(全ての端子挿入口16の開口領域)の範囲内にはレバー20が重ならないようになっている。したがって、端子収容室12に端子金具13を挿入する作業、及び端子収容室12内の端子金具13を抜き取る作業は、レバー20を退避位置へ回動させた状態で行う。尚、レバー20か退避位置にある状態では、回動操作部23は、ハウジング11(コネクタ本体10)の前端面と対向し、コネクタ本体10の前端より前方へ突出した位置に配される。
【0022】
レバー20が初期位置にある状態では、回動操作部23が、電線カバー17の後端部の上方、即ち電線カバー17の上面より上方に位置する。電線カバー17をハウジング11から外した状態では、回動操作部23が電線導出面15の後端部の上方に位置する。換言すると、平面視において、回動操作部23が電線導出面15の後端部と重なるように位置する。したがって、複数の端子挿入口16のうち電線導出面15の後端部に配置された端子挿入口16においては、端子金具13を挿抜する際に、回動操作部23が作業の妨げになり得る。
【0023】
レバー20が嵌合位置にある状態では、回動操作部23が、電線カバー17の前端面17Fと概ね平行をなし、電線カバー17の前端面17Fに対して接近して対向するように位置する。電線カバー17をハウジング11から外した状態では、回動操作部23が電線導出面15の前端部の上方に位置する。換言すると、平面視において、回動操作部23が電線導出面15の前端部と重なるように位置する。したがって、複数の端子挿入口16のうち電線導出面15の前端部に配置された端子挿入口16においては、端子金具13を挿抜する際に、回動操作部23が作業の妨げになり得る。
【0024】
レバー式コネクタAを組み付ける際には、電線カバー17が外されている状態のハウジング11に、スライダ25とレバー20を取り付け、レバー20を退避位置に保持しておく。次に、各端子収容室12に端子金具13を挿入する。全ての端子金具13の挿入が完了したら、電線カバー17を前方からハウジング11に組み付ける。電線カバー17を組み付けた後は、退避位置のレバー20を嵌合位置へ回動させる。以上により、レバー式コネクタAの組付けが完了する。組み付けられたレバー式コネクタAは、相手側コネクタBとの嵌合現場へ搬送される。
【0025】
レバー20が嵌合位置にある状態では、レバー20の回動操作部23がレバー20の前端に位置し、前後方向に関して、レバー20の前端の位置はコネクタ本体10(ハウジング11及び電線カバー17)の前端の位置とほぼ同じ位置にある。つまり、回動操作部23(レバー20の前端部)は、コネクタ本体10の前端より前方へは突出していない。したがって、レバー20を嵌合位置に留め置くことによってレバー式コネクタAの前後長が長くなることはない。
【0026】
同じく、レバー20が嵌合位置にある状態では、回動操作部23がレバー20の上端に位置し、上下方向に関して、レバー20の上端の位置はコネクタ本体10(電線カバー17)の上端の位置より低い位置にある。つまり、回動操作部23(レバー20の上端部)は、コネクタ本体10の上端より上方へは突出していない。したがって、レバー20を嵌合位置に留め置くことによってレバー式コネクタAの高さ寸法が大きくなることはない。したがって、レバー式コネクタAを搬送したり保管したりする場合は、レバー20を嵌合位置に保持しておくことが好ましい。
【0027】
レバー式コネクタAと相手側コネクタBを嵌合する際には、レバー20を初期位置に保持した状態で、コネクタ本体10の下方から相手側コネクタBを浅く嵌合し、カムフォロアCをカム溝28の入口に進入させる。この状態から、レバー20を嵌合位置側(図7における反時計回り方向)へ回動して、スライダ25を前方へスライドさせる。このスライダ25の移動に伴い、カム溝28とカムフォロアCとが摺接し、両コネクタA,Bの嵌合が進む。そして、レバー20が嵌合位置に到達すると、両コネクタA,Bの嵌合が完了する。
【0028】
両コネクタA,Bを離脱させる際には、嵌合位置のレバー20を初期位置側へ回動させる。レバー20の回動に伴い、スライダ25が後方へスライドし、カム溝28とカムフォロアCとの摺接により、両コネクタA,Bが上下方向に離脱させられる。レバー20が初期位置に到達すると、カムフォロアCがカム溝28の入口に到達するので、この後は、両コネクタA,Bを上下に引き離せばよい。
【0029】
本実施例のレバー式コネクタAには、レバー20を嵌合位置に保持するためのロック手段30が設けられている。ロック手段30は、電線カバー17に一体に形成された離脱規制用ロックアーム31と、電線カバー17に一体に形成された過回転規制用ロックアーム35と、レバー20の回動操作部23に一体に形成された離脱規制用係止部43と、回動操作部23に一体に形成された過回転規制用係止部44とを備えて構成されている。
【0030】
離脱規制用ロックアーム31は、電線カバー17の前端面17Fにおける上端縁から斜め下前方へ片持ち状に且つ板状に延出した形態である。離脱規制用ロックアーム31は、その上端部を支点としてロック解除方向へ弾性変形し得るようになっている。ロック解除時の離脱規制用ロックアーム31の変位方向は、斜め下後方(電線カバー17の前端面17Fに接近する方向)である。離脱規制用ロックアーム31は、幅方向(レバー20の回動軸24と平行に方向)においてコネクタ本体10(電線カバー17)の略中央位置に配されている。
【0031】
離脱規制用ロックアーム31の下端部(延出端部)における前面(外面)には、左右対称な突起状をなす一対の離脱規制用ロック部32が形成されている。離脱規制用ロック部32は、嵌合位置のレバー20が初期位置側への回動を開始するときの回動操作部23の変位方向と略直角をなし、下方に面する離脱規制用ロック面33を有している。
【0032】
離脱規制用ロックアーム31の前面には、左右対称な一対の離脱規制用ロック解除操作部34が形成されている。離脱規制用ロック解除操作部34は、板厚方向を幅方向に向けた平板状をなす。上記した離脱規制用ロック部32は、離脱規制用ロック解除操作部34の下端部における幅方向外側面から突出した形態である。離脱規制用ロック解除操作部34を斜め上前方から押し操作することにより、離脱規制用ロックアーム31をロック解除方向へ弾性変形させることができる。
【0033】
過回転規制用ロックアーム35は、電線カバー17の前端面17Fにおける下端縁から斜め上後方へ片持ち状に且つ板状に延出した形態である。過回転規制用ロックアーム35は、その下端部を支点としてロック解除方向へ弾性変形し得るようになっている。ロック解除時の過回転規制用ロックアーム35の変位方向は、離脱規制用ロックアーム31のロック解除方向と同じく、斜め下後方(電線カバー17の前端面17Fに接近する方向)である。
【0034】
過回転規制用ロックアーム35は、幅方向においてコネクタ本体10(電線カバー17)の中央位置に配され、過回転規制用ロックアーム35の幅寸法は、離脱規制用ロックアーム31の幅寸法法よりも大きい寸法である。過回転規制用ロックアーム35と離脱規制用ロックアーム31は、夫々、個別に弾性変位可能な独立したロックアームである。
【0035】
過回転規制用ロックアーム35の上端は、離脱規制用ロックアーム31の下端よりも上方に位置している。過回転規制用ロックアーム35の上端部には、離脱規制用ロックアーム31の下端部との干渉を回避するための凹部36が形成されている。凹部36は、過回転規制用ロックアーム35の幅方向中央部を切欠した形態である。コネクタ本体10(電線カバー17)の前方から見たとき、凹部36の形状は略方形である。凹部36を形成したことで、過回転規制用ロックアーム35の上端部には、上方へ片持ち状に延出した形態の左右対称な一対のロック片37が形成されている。
【0036】
一対のロック片37の前面には、夫々、突起状の過回転規制用ロック部38が形成されている。過回転規制用ロック部38は、嵌合位置のレバー20が退避位置側への回動を開始するときの回動操作部23の変位方向と略直角をなし、上方に面する過回転規制用ロック面39を有している。一対の過回転規制用ロック部38と、一対の離脱規制用ロック部32は、幅方向に関して互いに異なる位置に配置されている。即ち、一対の過回転規制用ロック部38は、電線カバー17の幅方向中央部に配置された離脱規制用ロック部32を幅方向に挟むように配置されている。また、電線カバー17を幅方向と平行に見たときの側面視においては、離脱規制用ロックアーム31の下端部と過回転規制用ロックアーム35の上端部とが、重なるように位置している。
【0037】
過回転規制用ロックアーム35の下端部には、過回転規制用ロックアーム35の幅方向中央部を正面視略方形に切欠した形態の切欠部39が形成されている。切欠部39には、電線カバー17の前端面17Fから突出した形態の解除操作規制部40が配置されている。解除操作規制部40は、電線カバー17に対して相対変位や弾性変形が生じ難く、離脱規制用ロックアーム31や過回転規制用ロックアーム35よりも高い剛性を有している。
【0038】
解除操作規制部40の前面には、左右対称な一対の規制突起41が形成されている。一対の規制突起41は、板厚方向を幅方向に向けた板状をなし、離脱規制用ロックアーム31の下端よりも下方であり、且つ過回転規制用ロック部38よりも下方の位置に配されている。また、一対の規制突起41は、電線カバー17の幅方向中央部に形成されている。一対の規制突起41と一対の離脱規制用ロック解除操作部34は、幅方向に関して同じ位置に配置されている。
【0039】
規制突起41は、過回転規制用ロックアーム35の前面よりも前方へ突出した形態である。したがって、作業者が、電線カバー17の前方から指を過回転規制用ロックアーム35へ接近させたときには、指は、過回転規制用ロックアーム35の前面に当たる前に規制突起41に触れることになる。したがって、過回転規制用ロックアーム35をロック解除方向へ弾性変形させるためには、指を幅方向中央から左右いずれかの方向へ外して過回転規制用ロックアーム35の前面を押す必要がある。
【0040】
レバー20の回動操作部23には、左右対称な一対の逃がし部42が形成されている。逃がし部42は、レバー20の回動方向と平行な周方向に長い方形をなしており、回動操作部23の外面から内面に貫通した形態である。一対の逃がし部42は、幅方向において、一対の離脱規制用ロック解除操作部34及び一対の規制突起41と同じ位置に配置されている。また、逃がし部42の幅方向における開口領域は、離脱規制用ロック部32を含む範囲に亘っている。
【0041】
回動操作部23は幅方向に沿って延びる一対の外縁部を有するが、この一対の外縁部のうち、レバー20が初期位置から嵌合位置へ回動するときの回動方向前側の縁部を、嵌合方向前縁部23Fと定義する。嵌合方向前縁部23Fの内面には、左右対称な一対の離脱規制用係止部43が形成されている。一対の離脱規制用係止部43は、回動操作部23(レバー20)の幅方向中央部、即ち幅方向において一対の離脱規制用ロック部32と同じ位置に配されている。同じく嵌合方向前縁部23Fの内面には、左右対称な一対の過回転規制用係止部44が形成されている。一対の過回転規制用係止部44は、幅方向において一対の離脱規制用係止部43を挟む位置、即ち幅方向において一対の過回転規制用ロック部38と同じ位置に配されている。
【0042】
次に、本実施例の作用及び効果を説明する。レバー20を嵌合位置へ回動させると、回動操作部23が、離脱規制用ロックアーム31の下端側領域、及び過回転規制用ロックアーム35の上端部(ロック片37)と対向する位置に配される。また、一対の離脱規制用ロック解除操作部34が、一対の逃がし部42内に進入して回動操作部23の前面(外面)から突出した状態となる。つまり、離脱規制用ロック解除操作部34は、回動操作部23の外面に露出し、ロック解除操作を行うことができる状態となる。
【0043】
図3に示すように、回動操作部23の離脱規制用係止部43が離脱規制用ロック部32に対して下から係止可能な状態で対向するので、レバー20は初期位置側(両コネクタA,Bを離脱させる方向であり、図3における時計回り方向)への回動が規制される。また、図5に示すように、回動操作部23の過回転規制用係止部44が過回転規制用ロック部38に対して上から係止可能な状態で対向するので、レバー20の退避位置側(図5における反時計回り方向)への回動が規制される。つまり、レバー20が初期位置側への外力や退避位置側への外力を受けても、嵌合位置のレバー20は回動を規制された状態に保持される。
【0044】
この状態から、レバー20を初期位置側へ回動させる際には、離脱規制用ロック解除操作部34の押し操作によって離脱規制用ロックアーム31をロック解除方向へ弾性変位させる。すると、図4に示すように、離脱規制用ロック部32が離脱規制用係止部43から解離するので、レバー20は初期位置側(図4における時計回り方向)へ回動し得る状態となる。このロック解除操作は、離脱規制用ロック解除操作部34を押し操作するだけで良いので、作業性が良い。
【0045】
また、嵌合位置のレバー20を退避位置側へ回動させる際には、過回転規制用ロックアーム35の下端部、即ち過回転規制用ロックアーム35のうち回動操作部23の下方に露出している領域を押し操作する。この押し操作により、過回転規制用ロックアーム35がロック解除方向へ弾性変位させられ、図6に示すように、過回転規制用ロック部38が過回転規制用係止部44から解離する。これにより、レバー20は退避位置側(図6における反時計回り方向)へ回動し得る状態となる。このロック解除操作は、過回転規制用ロック解除操作部を押し操作するだけで良いので、作業性が良い。
【0046】
本実施例1のレバー式コネクタAは、端子収容室12が形成されたコネクタ本体10と、コネクタ本体10の外面に開口する端子挿入口16から端子収容室12内に挿入される端子金具13と、コネクタ本体10に取り付けたレバー20とを備えている。レバー20は、相手側コネクタBとの嵌合の際には初期位置から嵌合位置へ回動され、端子金具13を端子収容室12に挿入する際には端子挿入口16とラップしない退避位置へ回動される。
【0047】
また、コネクタ本体10には、嵌合位置のレバー20を初期位置側への回動規制状態にロック可能であり、弾性変形することでロックを解除してレバー20が初期位置側へ回動することを許容する離脱規制用ロックアーム31が形成されている。同じく、コネクタ本体10には、嵌合位置のレバー20を退避位置側への回動規制状態にロック可能であり、弾性変形することでロックを解除してレバー20が退避位置側へ回動することを許容する過回転規制用ロックアーム35が形成されいる。
【0048】
本実施例のレバー式コネクタAは、離脱規制用ロックアーム31と過回転規制用ロックアーム35とによってレバー20を嵌合位置に保持される。レバー式コネクタAを相手側コネクタBと嵌合する際には、レバー20を初期位置へ回動させておくが、この作業は離脱規制用ロックアーム31を弾性変形させるだけなので、作業性が良好である。また、嵌合位置に保持されているレバー20を、メンテナンス等のために退避位置へ回動させる際には、過回転規制用ロックアーム35を弾性変形させるだけでよいので、作業性が良好である。
【0049】
また、離脱規制用ロックアーム31に形成した離脱規制用ロック部32と、過回転規制用ロックアーム35に形成した過回転規制用ロック部38は、レバー20の回動軸24と平行な幅方向に関して互いに異なる位置に配置されている。この構成によれば、離脱規制用ロック部32と過回転規制用ロック部38が幅方向に干渉し合うことがないので、離脱規制用ロック部32と過回転規制用ロック部38の配置に関して設計の自由度が高い。
【0050】
また、離脱規制用ロックアーム31と過回転規制用ロックアーム35は、レバー20の回動軸24と平行な側面視において部分的に重なるように配置されている。具体的には、離脱規制用ロックアーム31の下端部と過回転規制用ロックアーム35の上端部(ロック片37)が、側面視において重なるように位置している。この構成によれば、レバー20の回動方向において、離脱規制用ロック部32と過回転規制用ロック部38の配置スペースが小さくて済むので、コネクタの小型化(電線カバー17の低背化)を図ることができる。
【0051】
また、離脱規制用ロックアーム31には、離脱規制用ロックアーム31をロック解除方向へ弾性変位させるための離脱規制用ロック解除操作部34が形成されているのであるが、離脱規制用ロックアーム31をロック解除する作業の頻度は、過回転規制用ロックアーム35をロック解除する作業より高い。そこで、離脱規制用ロック解除操作部34を、レバー20の回動軸24と平行な幅方向に関してコネクタ本体10の中央部に配置した。幅方向中央部は、幅方向両端部に比べて押し操作を行い易いので、離脱規制用ロック解除操作部34を押し操作する際の作業性が良好である。
【0052】
また、過回転規制用ロックアーム35をロック解除する作業の頻度は、離脱規制用ロックアーム31をロック解除する作業より低いので、過回転規制用ロックアーム35が不用意にロック解除方向へ押されることを回避する手段を設けることが好ましい。そこで、過回転規制用ロックアーム35のうち作業者が押し操作がし易い領域である幅方向中央部に、切欠部39を形成し、切欠部39に、過回転規制用ロックアーム35がロック解除方向へ押されることを妨げる解除操作規制部40を配した。これにより、過回転規制用ロックアーム35が不用意にロック解除方向へ押されることを防止できる。
【0053】
また、電線カバー17の前端面17F(コネクタ本体10の外面)には、離脱規制用ロックアーム31をロック解除方向へ弾性変位させるための離脱規制用ロック解除操作部34が形成されている。同じく、電線カバー17の前端面17Fには、過回転規制用ロックアーム35がロック解除方向へ押されることを妨げる解除操作規制部40が形成されている。この離脱規制用ロック解除操作部34と解除操作規制部40を、幅方向に関して同じ位置に配置した上で、レバー20の回動操作部23に、離脱規制用ロック解除操作部34との干渉を回避可能であり、且つ解除操作規制部40との干渉を回避可能な逃がし部42を形成した。この構成によれば、逃がし部42を離脱規制用ロック解除操作部34と解除操作規制部40とで共用化できるので、回動操作部23の形状を簡素化できる。
【0054】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1では、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームの両ロックアームをコネクタ本体に設けたが、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームの両ロックアームをレバーに設けてもよく、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームのうちいずれか一方をコネクタ本体に設け、他方をレバーに設けてもよい。
(2)上記実施例では、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームを互いに個別に弾性変位可能な独立したロックアームとしたが、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームを1つのロックアームとして一体的に弾性変位し得る形態としてもよい。
(3)上記実施例では、離脱規制用ロック部と過回転規制用ロック部を、レバーの回動軸と平行な方向に関して互いに異なる位置に配置したが、離脱規制用ロック部と過回転規制用ロック部を、レバーの回動軸と平行な方向に関して同じ位置で、且つレバーの回動方向に沿って並ぶような形態で配置してもよい。
(4)上記実施例では、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームが、レバーの回動軸と平行な側面視において部分的に重なるように配置されているが、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームは、レバーの回動軸と平行な側面視において重ならないように配置されていてもよい。
(5)上記実施例では、離脱規制用ロック部を幅方向中央部に配置し、この離脱規制用ロック部を幅方向に挟むように一対の過回転規制用ロック部を配置したが、これとは逆に、過回転規制用ロック部を幅方向中央部に配置し、この過回転規制用ロック部を幅方向に挟むように一対の離脱規制用ロック部を配置してもよい。
(6)上記実施例では、離脱規制用ロック解除操作部を幅方向中央部に配置したが、離脱規制用ロック解除操作部は、幅方向中央部から側方へ偏った位置に配置してもよい。
(7)上記実施例では、解除操作規制部を幅方向中央部に配置したが、解除操作規制部は、幅方向中央部から側方へ偏った位置に配置してもよい。
(8)上記実施例では、離脱規制用ロック解除操作部と解除操作規制部を幅方向に関して同じ位置に配置したが、離脱規制用ロック解除操作部と解除操作規制部は幅方向に関して互いに異なる位置に配置してもよい。
(9)上記実施例では、レバーをコネクタ本体に対して上から(電線導出面側から)組み付けたが、レバーは、コネクタ本体の下から組み付けるようにしてもよい。
(10)上記実施例では、レバーが嵌合位置にあるときにレバーの回動操作部が電線導出面と対向する位置(端子挿入口に対する端子金具の挿抜を妨げる位置)に配されるようにしたが、レバーが嵌合位置にあるときにレバーの回動操作部が電線導出面と対向しない位置に配されるようにしてもよい。
(11)上記実施例では、レバーの回動操作力をスライダに伝達するタイプのレバー式コネクタに適用した場合について説明したが、本発明は、スライダを有しないタイプのレバー式コネクタにも適用できる。
(12)上記実施例では、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームの両ロックアームを、コネクタ本体を構成するハウジングと電線カバーのうち電線カバーのみに設けたが、これに限らず、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームの両ロックアームをハウジングのみに設けてもよく、離脱規制用ロックアームと過回転規制用ロックアームのうち一方のロックアームをハウジングに設け、他方のロックアームを電線カバーに設けてもよい。
【符号の説明】
【0055】
A…レバー式コネクタ
B…相手側コネクタ
10…コネクタ本体
12…端子収容室
13…端子金具
16…端子挿入口
20…レバー
23…回動操作部
24…回動軸
31…離脱規制用ロックアーム
32…離脱規制用ロック部
34…離脱規制用ロック解除操作部
35…過回転規制用ロックアーム
38…過回転規制用ロック部
39…切欠部
40…解除操作規制部
42…逃がし部
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
図11
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図13