特許第6927119号(P6927119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6927119
(24)【登録日】2021年8月10日
(45)【発行日】2021年8月25日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/26 20060101AFI20210812BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20210812BHJP
   B41J 3/54 20060101ALI20210812BHJP
【FI】
   B41J29/26 Z
   B41J29/38 801
   B41J3/54 B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-66135(P2018-66135)
(22)【出願日】2018年3月29日
(65)【公開番号】特開2019-171825(P2019-171825A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2020年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 友佑
【審査官】 大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−089081(JP,A)
【文献】 特開2008−252294(JP,A)
【文献】 特開2005−267109(JP,A)
【文献】 特開2018−001513(JP,A)
【文献】 特開平05−004751(JP,A)
【文献】 特開2007−280230(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0310142(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104469047(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/26
B41J 3/54
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間が経過すると自然に消える消色インク及び時間が経過しても自然には消えない非消色インクを用いて、画像を記録媒体に形成することが可能な画像形成部と、
ユーザーからの印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、
前記印刷指示受付部が前記印刷指示を受け付けた文書データに基づく画像の記録媒体への形成を前記画像形成部に実行させる制御部と、
前記文書データに対する変更履歴を示す変更履歴情報を取得する取得部と、を備え、
前記制御部は、前記文書データに基づく画像のうち、前記取得部により取得された前記変更履歴情報が示す変更履歴に基づく画像については、前記消色インクを用いて前記画像形成部に形成させ、それ以外の画像については、前記非消色インクを用いて前記画像形成部に形成させ
前記印刷指示を行うユーザーを特定する特定部と、
前記画像形成部で前記消色インクを用いての印刷が行われてから予め定められた期間が経過すると、前記変更履歴に基づく画像が前記記録媒体から消える旨を、前記特定部により特定されたユーザーに通知する通知処理を行う通知部と、を更に備え、
前記予め定められた期間は、前記消色インクが消えるまでの期間よりも短い予め定められた期間に設定されている、画像形成装置。
【請求項2】
前記取得部は、文書データを格納する文書データ格納部から、前記印刷指示受付部が前記印刷指示を受け付けた文書データと類似する基本文書データを読み出し、読み出した基本文書データと前記印刷指示受付部が前記印刷指示を受け付けた文書データとの差分となる文書部分を、前記変更履歴情報として取得する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変更履歴に基づく画像を前記記録媒体から消去させるか否かの消去指示を受け付ける消去指示受付部を更に備え、
前記制御部は、前記消去指示受付部が前記消去指示を受け付けている場合、前記変更履歴に基づく画像については前記消色インクを用いて前記画像形成部に形成させるが、前記消去指示受付部が前記消去指示を受け付けていない場合、前記変更履歴に基づく画像についても前記非消色インクを用いて前記画像形成部に形成させる請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記通知処理を行うか否かの通知指示を受け付ける通知指示受付部を更に備え、
前記通知部は、前記通知指示受付部が前記通知指示を受け付けている場合は前記通知処理を行い、前記通知指示受付部が前記通知指示を受け付けていない場合は前記通知処理を行わない請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、変更履歴を含む文書を記録媒体に形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
文書編集アプリケーション(例えば、ワードプロセッサー)を使って編集された文書データの中には、データの変更履歴を示す変更履歴情報を有するものがある。そして、このような文書データが示す文書を記録媒体に複合機等の画像形成装置により印刷する際、文書と一緒に変更履歴を印刷することが可能である。例えば、削除された文字や追加された文字は赤色インクで印刷され、更に、文書が横書きであれば、削除された文字の中央を横断する打消線が赤色インクで印刷され、追加された文字に引かれた下線が赤色インクで印刷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−171210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図6(A)は、変更前の文書の一例を示した図であり、図6(B)は、変更後の文書の一例を示した図であり、図6(C)は、変更履歴が表示された文書の一例を示した図である。図6には、「炭素」と「等」との間から「とニホニウム」が削除され、「佐藤太郎氏」と「の努力」との間に「と鈴木花子氏」が追加され、「3」が「4」に修正されている例を示す。
【0005】
図6(C)に示したように、文書と一緒に変更履歴を印刷させることができれば、変更した箇所が一目で分かるという利点があるが、変更履歴が記録媒体に印刷されたまま残り続ける。例えば、変更履歴は時間が経過すると不要になる、又は、変更履歴にセキュリティーレベルの高い情報が含まれている場合もある。このため、図6に例を示す「ニホニウム」という文言は、時間が経過すると、記録媒体から消去されることが好ましい場合がある。
【0006】
上記の特許文献1に、人為的な高エネルギーを必要とせずに、記録媒体から除去、あるいは消色するインクに関する技術が記載されている。しかしながら、当該技術の場合、文書全体が消色インクを用いて印刷されてしまう。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、文書と一緒に記録媒体に印刷された変更履歴を、時間が経過したときに、文書を消去することなく記録媒体から除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、時間が経過すると自然に消える消色インク及び時間が経過しても自然には消えない非消色インクを用いて、画像を記録媒体に形成することが可能な画像形成部と、ユーザーからの印刷指示を受け付ける印刷指示受付部と、前記印刷指示受付部が前記印刷指示を受け付けた文書データに基づく画像の記録媒体への形成を前記画像形成部に実行させる制御部と、前記文書データに対する変更履歴を示す変更履歴情報を取得する取得部と、を備え、前記制御部は、前記文書データに基づく画像のうち、前記取得部により取得された前記変更履歴情報が示す変更履歴に基づく画像については、前記消色インクを用いて前記画像形成部に形成させ、それ以外の画像については、前記非消色インクを用いて前記画像形成部に形成させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザーから印刷が指示された文書データに基づく画像のうち、変更履歴に基づく画像は消色インクを用いて記録媒体に形成され、変更履歴以外の画像は非消色インクを用いて記録媒体に形成されるので、文書と一緒に記録媒体に印刷された変更履歴のみを、時間が経過したときに記録媒体から除去することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含んで構成される印刷システムを概略的に示したシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図3】表示部に表示される操作画面の一例を示した図である。
図4】表示部に表示される操作画面の一例を示した図である。
図5】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の制御ユニットで行われる処理の一例を示したフローチャートである。
図6】(A)は、変更前の文書の一例を示した図であり、(B)は、変更後の文書の一例を示した図であり、(C)は、変更履歴が表示された文書の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含んで構成される印刷システムを概略的に示したシステム構成図である。図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
【0012】
印刷システム11は、画像形成装置1と、印刷管理サーバー2と、複数の情報処理装置3A〜3C(以降、まとめて「情報処理装置3」と称す)と、複数の携帯装置4A〜4C(以降、まとめて「携帯装置4」と称す)と、インターネット等のネットワークとを含んで構成されている。
【0013】
印刷管理サーバー2は、画像形成装置1を利用可能な状態にするログイン情報(例えば、各ユーザーのIDやパスワード)を記憶する個人情報記憶部(図示せず)を備える。また、当該個人情報記憶部には、各ユーザーが使用する情報処理装置3のメールアドレス情報や携帯装置4の電話番号情報等も記憶されている。
【0014】
情報処理装置3は、表示部31を備えると共に、文書編集アプリケーション等のアプリケーションを有し、更にはネットワークを介したデータ通信が可能な装置であり、例えば、パソコンである。情報処理装置3は、外部装置(例えば、画像形成装置1)からネットワークを介して送信されてきたメッセージデータを受信すると、受信したメッセージデータが示すメッセージを表示部31に表示することが可能に構成されている。
【0015】
携帯装置4は、表示部41を備えると共に、ネットワークを介したデータ通信が可能な装置であり、例えば、携帯電話である。携帯装置4は、情報処理装置3と同様に、外部装置からネットワークを介して送信されてきたメッセージデータを受信すると、受信したメッセージデータが示すメッセージを表示部41に表示することが可能に構成されている。
【0016】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、HDD(Hard Disk Drive)92、定着部13、給紙部14、操作部47、及びネットワークインターフェイス部91を備える。
【0017】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により搬送されてきた原稿、又は図略のコンタクトガラスに載置されている原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー等に保存される。
【0018】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、ネットワーク接続された外部装置20としての情報処理装置3等から受信した画像データや文書データに基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙にトナー像を形成する。
【0019】
画像形成部12は、時間が経過すると自然に消える消色インク及び時間が経過しても自然には消えない非消色インクを用いて、画像を記録媒体に形成することが可能に構成されている。
【0020】
HDD92は、情報処理装置3から送信されてきた画像データや文書データ等を記憶する大容量の記憶装置であり、文書データを格納する文書データ格納部921を含む。なお、文書データ格納部については、印刷管理サーバー2が備えてもよい。
【0021】
定着部13は、熱圧着によりトナー像を記録紙に定着させるものであり、定着処理が施された記録紙は排出トレイに排出される。給紙部14は、給紙カセットを備える。
【0022】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。表示部473はタッチパネルになっており、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れて画像形成装置1を操作することができる。
【0023】
ネットワークインターフェイス部91は、ローカルエリア内、又はインターネット上の外部装置20(例えば、印刷管理サーバー2、情報処理装置3、携帯装置4)と種々のデータの送受信を行うものである。
【0024】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、操作受付部101と、取得部105と、特定部106と、通知部107とを備えている。
【0025】
制御ユニット10は、HDD92に記憶されている制御プログラムに従った動作により、制御部100、操作受付部101、取得部105、特定部106、及び通知部107として機能する。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0026】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、HDD92、定着部13、給紙部14、操作部47、及びネットワークインターフェイス部91と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部100は、画像形成部12の動作を制御することで、画像を記録媒体に形成させる。
【0027】
操作受付部101は、操作部47等を介したユーザーからの操作入力を受け付ける。また、操作受付部101は、印刷指示受付部102と、消去指示受付部103と、通知指示受付部104とを備えている。
【0028】
印刷指示受付部102は、ユーザーからの印刷指示を受け付ける。例えば、ユーザーが情報処理装置3を操作することによって、情報処理装置3から送信された文書データが示す文書の印刷が画像形成装置1に対して指示され、印刷指示受付部102が、当該印刷の指示を受け付けると、制御部100は、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データに基づく画像の記録媒体への形成を画像形成部12に実行させる。
【0029】
また、ユーザーが情報処理装置3や携帯装置4、画像形成装置1の操作部47を操作することによって、画像形成装置1が備える文書データ格納部921(又は印刷管理サーバー2が備える図略の文書データ格納部)に格納されている文書データが示す文書の印刷が画像形成装置1に対して指示され、印刷指示受付部102が、当該印刷の指示を受け付けると、制御部100は、上記と同様に、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データに基づく画像の記録媒体への形成を画像形成部12に実行させる。
【0030】
取得部105は、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データに対する変更履歴を示す変更履歴情報を取得する。例えば、文書データに変更履歴情報が含まれている場合、取得部105は、文書データから変更履歴情報を抽出して取得する。
【0031】
そして、制御部100は、当該文書データに基づく画像のうち、取得部105により取得された変更履歴情報が示す変更履歴に基づく画像については、消色インクを用いて画像形成部12に形成させ、それ以外の画像については、非消色インクを用いて画像形成部12に形成させる。
【0032】
例えば、変更履歴が表示された文書が図6(C)に示したようなものである場合、文字「とニホニウム」及び「3」と、「とニホニウム」及び「3」の中央を横断する打消線と、「と鈴木花子氏」及び「4」に引かれた下線とが消色インクを用いて印刷される。
【0033】
なお、パーソナルコンピューター等の情報処理装置3は、通常、インストールされているプリントドライバーを使って、文書データをPDL(Page Description Language)で記述されたデータに変換してから画像形成装置1へ送信する。変換後のデータにおいて、文書そのものと変更履歴情報を区別するのは難しく、文書データから変更履歴情報を抽出するのは困難である。
【0034】
そこで、文書データから変更履歴情報を抽出することが困難である場合、取得部105は、文書データ格納部921に記憶されている基本文書データの中から、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データと類似する基本文書データを、文書データ格納部921から読み出し、読み出した基本文書データが示す文章と、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データが示す文章との差分となる文章部分を、変更履歴情報として取得するようにしてもよい。
【0035】
取得部105は、上記類似しているか否かを、比較対象とする両者のデータの一致率から判断することができる。例えば、取得部105は、一致率が予め定められた値(例えば、95%)以上の内で、最も一致率の高い基本文書データを、文書データ格納部921に記憶されている基本文書データの中から読み出して、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データとの比較対象とする。なお、文書データ格納部921から上記一致率が予め定められた値以上の基本文書データが検出されない場合、取得部105は、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データが変更履歴を含まないと判断する。
【0036】
特定部106は、印刷指示を行うユーザーを特定する。例えば、画像形成装置1に対して印刷指示等の各種指示を行う際に、画像形成装置1へのログインが必要になっている場合には、ログインに用いられるログイン情報から特定部106が印刷指示を行うユーザーを特定する。
【0037】
通知部107は、画像形成部12で消色インクを用いての印刷が行われてから予め定められた期間T1が経過したときに、変更履歴に基づく画像が記録媒体から消える旨を、特定部106により特定されたユーザーに通知する処理を行う。例えば、通知部107は、特定部106が特定したユーザーが所有する情報処理装置3又は携帯装置4のメールアドレス情報等を印刷管理サーバー2から読み出し、読み出した情報に基づいて、ネットワークインターフェイス部91により、ユーザーが使用する情報処理装置3や携帯装置4に対して、変更履歴に基づく画像が記録媒体から消える旨を示すメッセージを電子メールで送信させる。
【0038】
なお、予め定められた期間T1は、消色インクが消えるまでの期間T2よりも短い期間に設定される。例えば、消色インクが消えるまでの期間T2が3日間であれば、期間T1を2日間に設定する。
【0039】
消去指示受付部103は、変更履歴に基づく画像を記録媒体から消去させるか否かの消去指示を受け付ける。例えば、制御部100が、図3に示すような操作画面P1を表示部473に表示する。
【0040】
操作画面P1には、「ON」と記された選択ボタンB11と「OFF」と記された選択ボタンB12とが表示されている。操作部47を介して選択ボタンB11がユーザーによって押下されると、消去指示受付部103は、タッチパネル機能を介して、上記消去指示を受け付け、選択ボタンB12がユーザーによって押下されると、消去指示受付部103は、変更履歴に基づく画像を記録媒体から消去しない指示を受け付ける。
【0041】
制御部100は、消去指示受付部103が上記消去指示を受け付けている場合、変更履歴に基づく画像について、消色インクを用いて画像形成部12に形成させるが、消去指示受付部103が上記消去しない指示を受け付けている場合、変更履歴に基づく画像についても、非消色インクを用いて画像形成部12に形成させる。
【0042】
通知指示受付部104は、通知部107による上記通知処理を行わせるか否かの通知指示を受け付ける。例えば、制御部100が、図4に示すような操作画面P2を表示部473に表示する。
【0043】
操作画面P2には、「ON」と記された選択ボタンB21と「OFF」と記された選択ボタンB22とが表示されている。操作部47を介して選択ボタンB21がユーザーによって押下されると、通知指示受付部104は、タッチパネル機能を介して、上記通知指示を受け付け、選択ボタンB22がユーザーによって押下されると、通知指示受付部104は、通知部107による上記通知処理を行わせない指示を受け付ける。
【0044】
通知部107は、通知指示受付部104が上記通知指示を受け付けている場合、変更履歴に基づく画像が記録媒体(用紙)から消える旨を、特定部106により特定されたユーザーに通知するが、通知指示受付部104が上記通知指示を受け付けていない場合、上記通知を行わない。
【0045】
次に、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の制御ユニット10で行われる処理の一例について、図5に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理は、印刷指示受付部102が、ユーザーからの印刷指示を受け付けた場合に行われる。
【0046】
印刷指示受付部102が、ユーザーからの印刷指示を受け付けると、制御部100は、消去指示受付部103が、変更履歴に基づく画像を記録媒体から消去させる消去指示を受け付けているか否かを判断する(S1)。
【0047】
制御部100は、消去指示受付部103が、変更履歴に基づく画像を記録媒体から消去させる消去指示を受け付けていると判断した場合(S1でYES)、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データが変更履歴情報を有しているか否かを判断する(S2)。
【0048】
制御部100が、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データが変更履歴情報を有していると判断した場合(S2でYES)、取得部105は、当該文書データから変更履歴情報を取得する(S3)。この後、処理はS7に移る。
【0049】
例えば、変更履歴が表示された文書が図6(C)に示したようなものである場合、「炭素」と「等」との間から「とニホニウム」が削除されたこと、「佐藤太郎氏」と「の努力」との間に「と鈴木花子氏」が追加されたこと、「3」が「4」に修正されたこと、更には、削除文字の中央に打消線が横断していること、追加文字に下線が引かれることが、取得部105により変更履歴情報として取得される。
【0050】
一方、制御部100が、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データが抽出可能な変更履歴情報を有していないと判断した場合(S2でNO)、取得部105が、文書データ格納部921に、当該文書データと類似する基本文書データが存在するか否かを判断する(S4)。
【0051】
取得部105は、文書データ格納部921に、当該文書データと類似する基本文書データが存在すると判断した場合(S4でYES)、文書データ格納部921から、当該基本文書データを読み出し(S5)、読み出した基本文書データと、当該文書データとの差分となる文章部分を変更履歴情報として取得する(S6)。この後、処理はS7に移る。
【0052】
S7において、制御部100は、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データの文章を示す画像のうち、取得部105により取得された変更履歴情報が示す変更履歴を示す画像については、消色インクを用いて画像形成部12に形成させ、それ以外の画像については、非消色インクを用いて画像形成部12に形成させる(S7)。
【0053】
制御部100は、画像形成部12による画像形成(印刷ジョブ)が終了したか否かを判断し(S8)、印刷ジョブが終了したと判断すると(S8でYES)、通知部107は、通知指示受付部104が、変更履歴に基づく画像が記録媒体から消える旨をユーザーに伝える通知処理を行わせる通知指示を受け付けているか否かを判断する(S9)。
【0054】
通知部107は、通知指示受付部104が、上記通知指示を受け付けていると判断した場合(S9でYES)、制御ユニット10に内蔵されている時計から現在日時情報を取得し(S10)、現在日時から予め定められた期間T1が経過した時、例えば、48時間後(予め定められた期間T1である2日後)を通知日時に設定する(S11)。
【0055】
続いて、通知部107は、ログイン時に特定部106によって特定されたユーザーの通知先情報(例えば、ユーザーが使用する情報処理装置3又は携帯装置4のメールアドレス情報等)を印刷管理サーバー2から取得し(S12)、通知日時に対応付けて、ユーザーの通知先情報を保持する(S13)。そして、処理は終了する。
【0056】
この後、通知部107は、内蔵されている時計から現在日時情報を定期的に取得し、保持している通知日時と現在日時とを比較し(S16)、通知日時になったと判断した場合(S16でYES)、変更履歴に基づく画像が記録媒体から消える旨を示したメッセージデータを、ネットワークインターフェイス部91を介して、該当する通知先情報が示す通知先へ例えば電子メール等により送信させる(S17)。
【0057】
上記メッセージデータを受信した情報処理装置3や携帯装置4は、上記メッセージデータが示すメッセージを情報処理装置3の表示部31や携帯装置4の表示部41に表示する。これにより、ユーザーは、表示部31,41に表示されている内容を確認することで、変更履歴に基づく画像が記録媒体から間もなく消えることを認識することができる。
【0058】
一方、通知部107は、通知指示受付部104が、上記通知指示を受け付けていないと判断した場合(S9でNO)、S10〜S13,S16,S17は必要ないので、処理は終了する。
【0059】
また、S1において、制御部100が、消去指示受付部103が、変更履歴に基づく画像を記録媒体から消去させる消去指示を受け付けていないと判断した場合(S1でNO)や、S4において、取得部105が、文書データ格納部921に類似する基本文書データが存在しないと判断した場合(S4でNO)、制御部100は、印刷指示受付部102が印刷指示を受け付けた文書データに基づく全ての画像を、従来通りに非消色インクを用いて画像形成部12に形成させる(S14)。
【0060】
そして、制御部100は、印刷ジョブが終了したか否かを判断し(S15)、印刷ジョブが終了したと判断すると(S15でYES)、処理を終了する。
【0061】
上記実施形態によれば、ユーザーから印刷が指示された文書データに基づく画像のうち、変更履歴に基づく画像は、消色インクを用いて記録媒体に形成される。従って、文書と一緒に記録媒体に印刷された変更履歴を、時間が経過すると記録媒体から除去されるようにすることができる。
【0062】
また、変更履歴に基づく画像が記録媒体から消えることがユーザーに事前に通知されるので、変更履歴が消える前に変更履歴を確認する等の処理をユーザーに行わせること等が可能となる。また、変更履歴に基づく画像に対する消色インクを用いての印刷や、消える旨の事前通知を実施するか否かについては、ユーザーが任意に選択することが可能である。
【0063】
また、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態として複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、例えば、プリンター機能を有した他の画像形成装置でもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、図1乃至図6を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
12 画像形成部
100 制御部
102 印刷指示受付部
103 消去指示受付部
104 通知指示受付部
105 取得部
106 特定部
107 通知部
921 文書データ格納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6