(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
冷媒が順方向に流れることを許容し、前記冷媒が逆方向に流れることを規制するとともに、前記冷媒の前記逆方向の流れによって弁体で弁孔を閉塞する、圧縮機用のバネなし逆止弁であって、
前記冷媒が通過する前記弁孔と、前記順方向における前記弁孔の下流側に形成された弁座とを有し、前記弁孔が円柱状の空間を呈している、弁座部材と、
前記順方向における前記弁座部材の下流側に配置された前記弁体と、を備え、
前記弁体は、表面および裏面を有する板状部と、前記板状部の前記表面の中央部分から前記弁孔が位置している側に向かって突出する突起部と、を含み、前記板状部の前記表面が前記弁座と離接することで前記弁孔を開閉し、
前記弁孔を閉塞する方向である閉塞方向への前記弁体の移動に伴って前記突起部が前記弁孔に挿入されて前記弁孔の流路断面積が絞られることにより、前記弁体の前記閉塞方向への移動が補助されるようにしており、
前記弁体の内部には、前記板状部の前記裏面上で開口するとともに、前記突起部内を延在する凹部が形成されており、
前記凹部内には、前記弁体の開閉方向の移動を案内するガイド部が挿入されている、
前記突起部は、前記板状部の前記表面から突出している部分が円筒状に形成された円筒部を有している、
圧縮機用のバネなし逆止弁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
逆止弁が閉弁用のバネを備えている場合、バネの付勢力によって弁体が弁座部材に接触し、弁孔が閉じられる。閉弁用のバネは、弁孔が開かれる際には開弁方向に移動する弁体に対して抵抗となる。特許文献1に開示された逆止弁のように、逆止弁が閉弁用のバネを備えていない場合には、開弁時に弁体に作用する抵抗(圧力損失)を軽減できるとともに、逆止弁や圧縮機の小型化および軽量化等を図ることも可能となる。
【0005】
弁体の厚みをより薄くすることは弁体自身の軽量化に繋がり、弁体がより移動しやすくなる。たとえば、逆止弁が閉弁用のバネを備えていない場合には、バネを位置決めするための部位(バネ座)を弁体に形成する必要がなくなるため、弁体の厚みを薄くすることが可能となる。しかしながら、特段の対策を実施しないで弁体の厚みを薄くした場合には、弁体が移動する際に弁体に傾きが生じやすくなり、弁体が安定して弁孔を開閉することが難しくなることがあり得る。
【0006】
本発明は、弁体の厚みを薄くした場合であっても、弁体が移動する際に弁体に傾きが生じることを抑制可能な、圧縮機用のバネなし逆止弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に基づく圧縮機用のバネなし逆止弁は、冷媒が順方向に流れることを許容し、上記冷媒が逆方向に流れることを規制するとともに、上記冷媒の上記逆方向の流れによって弁体で弁孔を閉塞する、圧縮機用のバネなし逆止弁であって、上記冷媒が通過する上記弁孔と、上記順方向における上記弁孔の下流側に形成された弁座とを有する弁座部材と、上記順方向における上記弁座部材の下流側に配置された上記弁体と、を備え、上記弁体は、表面および裏面を有する板状部と、上記板状部の上記表面の中央部分から上記弁孔が位置している側に向かって突出する突起部と、を含み、上記板状部の上記表面が上記弁座と離接することで上記弁孔を開閉し、上記弁孔を閉塞する方向である閉塞方向への上記弁体の移動に伴って上記突起部が上記弁孔に挿入されて上記弁孔の流路断面積が絞られることにより、上記弁体の上記閉塞方向への移動が補助されるようにしており、上記弁体の内部には、上記板状部の上記裏面上で開口するとともに、上記突起部内を延在する凹部が形成されており、上記凹部内には、上記弁体の開閉方向の移動を案内するガイド部が挿入されている。
【0008】
上記構成によれば、弁体はガイド部に案内されながら開閉方向に移動することが可能である。板状部の厚みを薄くすることは弁体自身の厚みを薄くすることおよび弁体自身の軽量化に繋がり、弁体が移動しやすくなる。板状部の厚みを薄くしたとしても弁体が移動する際に弁体に傾きが生じやすくなることはガイド部のガイド機能によって効果的に抑制または防止することができ、弁体は安定して弁孔を開閉することが可能である。
【0009】
上記圧縮機用のバネなし逆止弁において好ましくは、上記ガイド部は、上記弁孔の中心軸を規定する軸線に重なるように配置されている。
【0010】
上記構成によれば、ガイド部の周りに配置された突起部によって冷媒が放射状に広がることができ、冷媒は効率よく、より少ない圧力損失で順方向に流れることが可能となる。
【0011】
上記圧縮機用のバネなし逆止弁において好ましくは、上記ガイド部は、上記弁孔の中心軸を規定する軸線から離れた位置に配置されている。
【0012】
上記構成によれば、弁体が弁孔の中心軸を規定する軸線から離れた位置で案内されるため、より安定して弁体を往復移動させることが可能となる。
【0013】
上記圧縮機用のバネなし逆止弁において好ましくは、上記弁体を内側に収容する弁ケースをさらに備え、上記弁ケースは、底部と、筒状に形成され上記底部の外周部分から起立するように設けられた側壁と、を有しており、上記側壁が上記弁座部材に連結される。
【0014】
上記構成によれば、弁座部材および弁体が1つのユニットとして組み立てられた逆止弁を得ることができ、設計上の都合が良くなり、各種要素のレイアウト上の利便性も向上させることが可能となる。
【0015】
上記圧縮機用のバネなし逆止弁において好ましくは、上記弁ケースの上記底部の内表面が、上記板状部の上記裏面に当接することで上記弁体の開弁方向の移動を制限するストッパ部を構成しており、上記弁ケースの上記底部から起立するように上記ガイド部が設けられている。
【0016】
上記構成によれば、弁座部材、弁体、ガイド部およびストッパ部が1つのユニットとして組み立てられた逆止弁を得ることができ、設計上の都合が良くなり、各種要素のレイアウト上の利便性も向上させることが可能となる。
【0017】
上記圧縮機用のバネなし逆止弁において好ましくは、上記弁ケースの上記底部に、上記冷媒が通過する貫通孔が形成されている。
【0018】
上記構成によれば、冷媒が逆方向に流れる際、弁体は貫通孔を通過した冷媒からも圧力を受けることができ、弁孔が位置している側に向かって効率よく移動することができる。
【0019】
上記圧縮機用のバネなし逆止弁において好ましくは、上記弁ケースの上記側壁に、上記冷媒が通過する連通窓が形成されている。
【0020】
上記構成によれば、冷媒は弁孔および連通窓を通過して下流側に効率よく流れることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、弁体の厚みを薄くした場合であっても、弁体が移動する際に弁体に傾きが生じることを抑制可能な、圧縮機用のバネなし逆止弁を得ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において同一部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0024】
[実施の形態1]
(圧縮機10)
図1は、実施の形態1における圧縮機10を示す断面図である。
図2は、
図1におけるII−II線に沿った矢視断面図である。
図3は、
図1におけるIII−III線に沿った矢視断面図である。圧縮機10はたとえば車両に搭載され、車両の空調装置に用いられる。圧縮機10はベーン型であるが、以下に開示する逆止弁40に関する技術的思想は、スクロール式、斜板式およびルーツ式等の圧縮機にも適用可能である。
【0025】
図1に示すように、圧縮機10は、ハウジング11および逆止弁40を備える。ハウジング11はリヤハウジング12およびフロントハウジング13を含み、内側に吸入室20を形成する。リヤハウジング12は周壁12aを有する(
図2,
図3)。フロントハウジング13はシリンダブロック14を有し、シリンダブロック14はリヤハウジング12内に収容される。シリンダブロック14にはサイドプレート15が接合される。
【0026】
シリンダブロック14の内側にはロータ18が設けられる。ロータ18(
図2,
図3)の外周面には複数の溝18aが設けられ、複数の溝18aの内側には複数のベーン19が出没可能に収容される。回転軸16の回転に伴ってロータ18が回転し、ロータ18の外周面と、シリンダブロック14の内壁と、隣り合う一対のベーン19と、フロントハウジング13(
図1)と、サイドプレート15(
図1)との間に、圧縮室21が区画される。
【0027】
シリンダブロック14の外周面には凹部14aが形成される。シリンダブロック14に設けられた凹部14aとリヤハウジング12の内周面とにより吸入室20が形成される。ハウジング11(リヤハウジング12)に設けられた吸入ポート22は、冷媒が通過する冷媒通路を形成しており、逆止弁40を介して吸入室20に連通可能である。
【0028】
シリンダブロック14には一対の吸入口23(
図2)が形成される。吸入行程の際、圧縮室21と吸入室20とは吸入口23を介して連通する。シリンダブロック14の外周面には一対の凹部14b(
図1,
図3)も設けられる。凹部14bとリヤハウジング12(周壁12a)とによって吐出室30が区画される。シリンダブロック14には圧縮室21と吐出室30とを連通する吐出口31(
図3)が形成される。圧縮室21内で圧縮された冷媒ガスは、吐出弁32を押し退け、吐出口31を介して吐出室30へ吐出される。
【0029】
リヤハウジング12の周壁12aには吐出ポート34(
図1)が形成される。リヤハウジング12の後側にはサイドプレート15によって吐出領域35(
図1)が区画される。吐出領域35内には油分離器36が設けられる。サイドプレート15および油分離器36には連通路37が形成される(
図1,
図3)。連通路37は、吐出室30と油分離器36とを連通させる。サイドプレート15には油供給通路15d(
図1)も形成される。油供給通路15dは、吐出領域35の底部に貯留された潤滑油を複数の溝18a(ベーン溝)に導く。
【0030】
(逆止弁40)
吸入ポート22(
図1,
図2)は、リヤハウジング12の周壁12aを貫通するように設けられ、吸入ポート22には筒状のジョイント部24が連設される。ジョイント部24には図示しない配管が接続され、この配管を通して吸入ポート22内に冷媒(冷媒ガス)が流れ込む。吸入ポート22内に、吸入室20から吸入ポート22へ冷媒が逆流することを防止する逆止弁40(圧縮機用のバネなし逆止弁)が設けられる。
図4は、
図2中のIV線に囲まれた領域を拡大して示す断面図である。
図5は、逆止弁40を示す断面斜視図である。
図6は、逆止弁40の分解した状態を示す断面斜視図である。
【0031】
図4〜
図6に示すように逆止弁40は、弁座部材50、弁体60および弁ケース70を備える。逆止弁40は、圧縮機10のハウジング11(
図1)の内部に設けられており、以下に詳述するように、冷媒が吸入ポート22から吸入室20に向かって順方向に流れることを許容し(
図7参照)、冷媒が逆方向に流れることを規制するとともに、冷媒の逆方向の流れによって弁体60で弁孔51を閉塞する(
図9参照)。
【0032】
(弁座部材50)
弁座部材50は、全体として中空環状の形状を有し、吸入ポート22内に設けられる。弁座部材50は吸入ポート22の内壁面を形成している部材(リヤハウジング12)とは別に設けられた部材であり、吸入ポート22の内壁面に圧入により固定される。弁座部材50は、冷媒が通過する弁孔51を内側に形成する。弁孔51は、円柱状の空間を呈しており、中心軸51cを有する。吸入ポート22の軸方向に対して中心軸51cは平行である。弁座部材50の外側には周方向に延びる凹部51t(
図6)が形成される。
【0033】
弁座部材50のうち、弁孔51の順方向における下流側の端面は(換言すると、冷媒が順方向に流れている際の当該順方向において弁孔51の下流側に位置する端面は)、弁座52を形成している。本実施の形態の弁座52は、中心軸51cに対して垂直な平面内に位置するように形成される。弁座52は、次述する弁体60の表面61aに接触可能なように配置される。
【0034】
(弁体60)
弁体60は、順方向における弁座部材50の下流側(換言すると、冷媒が順方向に流れている際の当該順方向において弁座部材50の下流側)に配置される。弁体60は板状部61と突起部62とを含む。板状部61と突起部62とは、たとえば樹脂成型などにより互いに一体的に作製可能である。板状部61は、略円盤状の形状をなしており、弁孔51の側に位置する表面61aと、弁孔51とは反対側に位置する裏面61bとを有する。
【0035】
突起部62は、板状部61の表面61aの中央部分から弁孔51が位置している側に向かって突出する。弁体60は、板状部61の表面61aのうちの突起部62の外周に位置する部分が弁座52と離接することで弁孔51を開閉する。突起部62は、冷媒が順方向に流れている際には(
図7に示す状態においては)、弁体60の中で最も弁孔51に近い位置に配置される部位である。突起部62は、板状部61の表面61aから突出している部分が円筒状の形状をなしており、円筒状部分の先端開口を閉塞するように円盤形状を有する部分が円筒状部分の先端に設けられている。この円盤形状を有する部分は突起部62の先端部62uをなしている。
【0036】
弁体60の内部には凹部65が形成されている。凹部65は円柱状の空間を呈しており、板状部61の裏面61b上で開口するとともに、突起部62内を延在している。すなわち、凹部65の一端65a(
図6)は板状部61の裏面61b上で開口している。凹部65の他端65b(
図6)は突起部62の内部に設けられている。凹部65は、一端65aの位置から他端65bの位置に向かって突起部62を貫通しない長さで延在している。凹部65は先端部62uを貫通しておらず、凹部65の他端65bの側の位置に先端部62uが残存するような形で弁体60の内部に凹部65が形成されている。
【0037】
本実施の形態における弁体60は、以上のように構成され、弁孔51の中心軸51cを規定する軸線(中心軸51cを延長した際に形成される直線)に対して回転対称となる形状を有している。回転対称とは、中心軸51cを規定する軸線の周りに弁体60の一部分を回転させたとき、2π/nラジアン(nは正の整数であり、本実施の形態ではn=4である)の回転角度で同じ図形が繰り返される性質を意味する。
【0038】
(弁ケース70)
弁ケース70は、有底筒状の形状を有し、弁体60を内側に収容する。本実施の形態の弁ケース70は、底部71および側壁72を有する。底部71は、略円盤状に形成され、底部71の内表面はストッパ部71sを構成している。すなわち、弁体60の板状部61に対して弁座部材50の反対側の位置にストッパ部71sが設けられている。ストッパ部71sは板状部61の裏面61bに当接することで弁体60の開弁方向の移動を制限する。
【0039】
弁ケース70の底部71には、底部71の内表面から弁孔51が位置している側に向かって起立するようにガイド部75が設けられている。ガイド部75は、細径の円柱形状を有する。弁ケース70が弁座部材50に連結された状態では、ガイド部75は、弁孔51の中心軸51cを規定する軸線(中心軸51cを延長した際に形成される直線)に重なるように配置される。ガイド部75は、弁体60の凹部65内に一端65a(
図6)の側から挿入される。
【0040】
ガイド部75は、弁体60の開閉方向(開弁方向および閉弁方向)の移動を案内する。ガイド部75は、弁体60のうちの凹部65を形成している内表面に摺接することで弁体60の開閉方向の移動を案内する。ガイド部75の外周面と、弁体60の凹部65の当該内表面との間には、周方向に連続的または間欠的に延びる隙間が形成されていてもよい。換言すると、ガイド部75の外周面と、弁体60の凹部65の当該内表面との間には、多少のいわゆるガタを形成するような隙間が形成されていてもよい。すなわちガイド部75は、凹部65の当該内表面に常に摺接するように構成されていてもよいし、所望のガイド機能を発揮できる範囲内であれば凹部65の当該内表面に常には摺接しないように構成されていてもよい。隙間の存在に起因して、弁体60と弁ケース70との左右方向(軸方向に対して直交する方向)における相対移動が生じやすくなるため、弁体60の弁孔51に対するシール性が適切に確保可能な範囲で隙間の大きさが決定されるとよい。
【0041】
底部71には一対の貫通孔71hが形成される(
図6)。一対の貫通孔71hの各々は、いずれも底部71をその厚み方向に貫通しており、周方向に沿って半円弧状(略C字形状)に延在している。底部71の外周部分から起立するように側壁72が設けられている。側壁72は円筒状の形状を有しており、側壁72には、開弁時に冷媒が通過する4つの連通窓72hが周方向に並んで形成されている(
図6)。
【0042】
側壁72のうちの周方向において相互に隣り合う2つの連通窓72hの間に位置する部分は、柱状部72sを構成している。本実施の形態では、側壁72は4つの柱状部72sを含む。側壁72のうちの柱状部72sよりも上側(弁孔51側)に位置する部分には、複数の凸部72t(
図6)が周方向に延びるように設けられる。複数の凸部72tが弁座部材50の凹部51tに嵌合することによって、弁ケース70は弁座部材50に連結される。逆止弁40が弁ケース70を備えていることにより、弁座部材50、弁体60、ストッパ部71sおよびガイド部75が1つのユニットとして組み立てられた逆止弁40を得ることができ、設計上の都合が良くなり、各種要素のレイアウト上の利便性も向上させることが可能となる。
【0043】
図4に示すように、逆止弁40においては、弁体60の板状部61の裏面61bがストッパ部71sに当接している状態において、弁体60の突起部62の一部が弁孔51の内側に位置している。当該一部の存在によって、弁体60の板状部61の裏面61bがストッパ部71sに当接している状態において弁体60の突起部62の全部が弁孔51の内側に位置していない場合に比べて、逆止弁40における弁孔51の流路断面積は絞られている(流路断面積が小さくなっている)。本実施の形態においてはさらに、板状部61の裏面61bがストッパ部71sに当接している状態において、突起部62のうちの弁孔51の内側に位置している上記一部は、弁孔51の中心軸51cに重なるように配置されている。
【0044】
(順方向)
図7を参照して、閉弁している状態で冷媒が順方向(矢印AR1)に流れた際には、弁体60が冷媒からの圧力(流体力)を受けることにより、弁体60は弁孔51を開く方向に移動する。ガイド部75は、弁体60のうちの凹部65を形成している内表面に摺接することで弁体60の開弁方向の移動を案内する。弁体60は安定して移動することができる。板状部61の表面61aは弁座52から離れた位置に配置され、板状部61の裏面61bはストッパ部71sに当接する。上述のとおり弁体60がストッパ部71sに当接している状態において、突起部62の一部は弁孔51の内側に位置している。
【0045】
図示しないエバポレータからの冷媒は、弁孔51および4つの連通窓72h(
図6)を通過して吸入室20に入り込む。弁ケース70の側壁72に4つの連通窓72hが設けられているため、冷媒は弁孔51および4つの連通窓72h(
図6)を通過して吸入室20に効率よく入り込むことができる。
【0046】
本実施の形態においては、ガイド部75が弁孔51の中心軸51cを規定する軸線に重なるように配置されており、そのようなガイド部75の周りに突起部62が配置されている。突起部62は弁孔51の中心軸51cに重なるように配置されており、冷媒は突起部62によって放射状に広がることができ、冷媒は吸入ポート22から吸入室20内に効率よく、より少ない圧力損失で入り込むことができる。
【0047】
(逆方向)
図8に示すように、圧縮機10の動作が停止した直後等のタイミングにおいては、冷媒が逆方向(矢印AR2)に流れる。板状部61の裏面61bがストッパ部71sに当接している状態において冷媒が逆方向(矢印AR2)に流れた際、弁体60は冷媒から圧力(流体力)を受ける。この圧力は負圧として、弁孔51が位置している側に向かって弁体60を移動させるように作用する。
【0048】
逆止弁40においては上述のとおり、弁体60がストッパ部71sに当接している状態において突起部62の一部は弁孔51の内側に位置している。弁孔51は部分的に閉塞されており、弁孔51の流路断面積は、突起部62の全部が弁孔51の内側に位置していない場合に比べて絞られている(流路断面積が小さくなっている)。
【0049】
突起部62の上記一部の存在は、弁孔51の内側に冷媒が通過しにくい箇所を形成し、当該箇所(位置RB)において高い減圧効果が発生するように作用する。冷媒が逆方向(矢印AR2)に流れる際、4つの連通窓72hが設けられている位置RAにおいて減圧効果が発生するだけでなく、突起部62の上記一部の存在により流路断面積が絞られている弁孔51の内側の位置RBにおいて高い減圧効果が発生する。
【0050】
流路断面積が絞られている弁孔51を冷媒が通過することにより、弁体60は冷媒から効率よく圧力を受けることができ、弁体60には弁体60を弁座部材50の側へ移動させようとするより大きな力が作用することとなる。弁体60は、このような力を受けて、弁孔51を閉塞する方向である閉塞方向への移動を開始する。弁体60が移動を開始することに伴い、突起部62は弁孔51の中のさらに奥側へと挿入され、弁孔51の流路断面積がさらに絞られることにより弁体60の閉塞方向への移動が補助される。
【0051】
逆止弁40においては、弁ケース70の底部71に一対の貫通孔71hが形成されている。冷媒が逆方向(矢印AR2)に流れる際、冷媒は一対の貫通孔71hを通過し、弁体60の板状部61に圧力を付与する。弁体60は、一対の貫通孔71hを通過した冷媒からも圧力を受けることができ、弁孔51が位置している側に向かってさらに効率よく移動することができる。
【0052】
図9に示すように、冷媒からの圧力を受けることにより弁体60が逆方向(換言すると、冷媒が逆方向に流れている際の当該逆方向における下流側)に向けて移動する。弁体60は、ガイド部75に案内されながら弁孔51を閉塞する方向に移動し、板状部61の表面61aが弁座52に接触する。板状部61の表面61aが弁座部材50の弁座52に接触した状態では、弁座部材50に接触した弁体60の板状部61を介して発生する差圧によって弁体60が保持され、弁孔51が閉塞される。
【0053】
閉弁した状態で、吸入ポート22に対してジョイント部24側の空間の圧力に比べて、吸入ポート22に対して吸入室20側の空間の圧力の方が高い。この差圧によって、板状部61の表面61aは弁座部材50の弁座52に押し付けられ続ける。弁孔51は閉塞され、冷媒が逆方向(矢印AR3)に向かって流れることは規制されることとなる。
【0054】
[比較例]
図10は、比較例の逆止弁40Zにおいて、冷媒が逆方向に流れ始めた時の様子を示す断面図である。比較例の逆止弁40Zは、弁体60に突起部62が設けられていない(弁体60が板状部61に相当する部位のみから構成される)という点と、弁ケース70にガイド部75が設けられていないという点とで、実施の形態1における逆止弁40と相違している。
【0055】
弁体60がストッパ部71sに当接している状態において冷媒が逆方向(矢印AR4)に流れた際、弁体60は冷媒から圧力(流体力)を受ける。この圧力は負圧として、弁孔51が位置している側に向かって弁体60を移動させるように作用する。
【0056】
逆止弁40Zにおいては、弁体60の表面および裏面の双方が平坦な面形状を有しており、弁体60がストッパ部71sに当接している状態において、冷媒(矢印AR4)が通過可能な流路の断面積は実施の形態1の場合に比べて絞られておらず、突起部62の一部が弁孔51の内側に位置しているという実施の形態1の場合に比べて流路断面積が大きくなっている。
【0057】
冷媒が逆方向(矢印AR4)に流れる際、4つの連通窓72hが設けられている位置RAにおいては減圧効果が発生する。しかしながら逆止弁40Zの場合、弁孔51の内側の位置RCおよびその近傍において十分な減圧効果が発生することはない。冷媒は、実施の形態1の場合に比べて流路断面積が絞られていない流路(弁孔51)を通過するため、実施の形態1の場合と比較すると、弁体60は冷媒から効率よく圧力を受けることができず、弁体60には弁体60を弁座部材50の側へ移動させようとする大きな力が作用しないこととなる。
【0058】
逆止弁40Zの場合はさらに、弁体60が板状部61に相当する部位のみから構成される。弁体60の厚みを薄くすることは弁体60自身の軽量化に繋がり、弁体60が移動しやすくなる。しかしながら、逆止弁40Zはガイド部75を有していないため、弁体60が移動する際に弁体60に傾きが生じやすくなり(
図10中に示される一点鎖線を参照)、弁体60が安定して弁孔51を開閉することが難しくなる可能性がる。弁ケース70の側壁72の内周面を弁体60の外周面に摺接させるという構成を採用し、弁ケース70の側壁72の内周面をガイド部として機能させることも可能である。しかしながら弁体60の厚みを薄くすることは、弁体60の外周面の表面積が減り、これらが摺接する面積が減少することに繋がるため、弁体60が傾きやすくなり、ひいては弁体60が安定して弁孔51を開閉することが難しくなることがあり得る。
【0059】
(実施の形態1の作用および効果)
実施の形態1の逆止弁40は、ガイド部75を備えており、弁体60はガイド部75に案内されながら開弁方向および閉弁方向に移動することが可能である。板状部61の厚みを薄くすることは弁体60自身の厚みを薄くすることおよび弁体60自身の軽量化に繋がり、弁体60が移動しやすくなる。逆止弁40の場合、板状部61の厚みを薄くしたとしても弁体60が移動する際に弁体60に傾きが生じやすくなることはガイド部75のガイド機能によって効果的に抑制または防止することができ、弁体60は安定して弁孔51を開閉することが可能である。
【0060】
逆止弁40においてはさらに、弁体60の内部に凹部65が形成されている。凹部65は円柱状の空間を呈しており、一端65a(
図6)の位置から他端65bの位置に向かって突起部62を貫通しない長さで延在している。凹部65は突起部62の先端部62uを貫通しておらず、凹部65の他端65bの側の位置に先端部62uが残存するような形で弁体60の内部に凹部65が形成されている。仮に、弁体60の突起部62が円筒形状を有する部材のみから形成されている場合、すなわち他端65bが突起部62の先端において開口している場合には、閉弁時に、突起部62の先端に形成された開口部分から突起部62の内周面とガイド部75の外周面との間の微細な隙間を通過して冷媒が吸入室20の側に漏れ出る可能性がある。これに対して逆止弁40の場合、凹部65の他端65bの側の位置に先端部62uが残存するような形で弁体60の内部に凹部65が形成されており、突起部62の先端部62u側が閉塞されているため、閉弁時に冷媒が吸入室20の側に漏れ出ることが効果的に抑制されている。
【0061】
実施の形態1の逆止弁40においては、弁体60に突起部62が設けられており、弁体60がストッパ部71sに当接している状態において突起部62の一部は弁孔51の内側に位置している。冷媒が逆方向(矢印AR2)に流れる際、流路断面積が絞られている弁孔51を冷媒が通過することにより、弁体60は冷媒から効率よく圧力を受けることができ、弁体60には弁体60を弁座部材50の側へ移動させようとするより大きな力が作用することとなる。すなわち逆止弁40は、逆流してくる冷媒の流体力によって生じる差圧をより効率よく利用することが可能となっている。冷媒の圧力によって弁体60が開弁位置から閉弁位置に向かって容易に移動することができ、バネをあえて用いなくとも、弁体60により安定して弁孔51を開閉することができる。
【0062】
開弁時に冷媒が流れる通路断面積を狭くする方向に作用するようなバネは逆止弁40(圧縮機用のバネなし逆止弁)には設けられておらず、そのようなバネの存在に起因して冷媒の圧力損失が生じることもない。弁体60を閉弁方向に付勢するようなバネが(たとえば弁体60とストッパ部71sとの間に)設けられていない分、より軽く、より小さく逆止弁40を構成することができ、圧縮機10全体の小型化等に寄与することもできる。冷媒の流量を適切に確保することができるとともに、圧縮機10の冷え能力を適切に確保することも可能となっている。
【0063】
実施の形態1の逆止弁40においては、弁体60が、弁孔51の中心軸51cを規定する軸線(中心軸51cを延長した際に形成される直線)に対して回転対称となる形状を有している。このような構成に限られず、たとえば弁体60の突起部62が、弁孔51の中心軸51cを規定する軸線に対して回転対称となる形状を有していなくてもよい。突起部62は、板状部61のうちの任意の位置から、上記軸線に対して平行になるように延在していてもよい。ガイド部75の形状および位置についても同様である。
【0064】
[実施の形態2]
図11は、実施の形態2における逆止弁40Aを示す断面図である。逆止弁40Aは、実施の形態1における逆止弁40と以下の点で相違している。逆止弁40Aにおいては、弁体60がストッパ部71sに当接している状態において突起部62の全体が弁孔51の内側に位置していない。突起部62の先端部62uは、弁座52の位置よりもわずかにストッパ部71sの側に位置している。当該構成によっても、弁体60はガイド部75に案内されながら開閉方向に移動することが可能である。板状部61の厚みを薄くしたとしても弁体60が移動する際に弁体60に傾きが生じやすくなることはガイド部75のガイド機能によって効果的に抑制または防止することができ、弁体60は安定して弁孔51を開閉することが可能である。
【0065】
当該構成を備えた突起部62が採用される場合であっても、冷媒が逆方向に流れた際、弁体60は冷媒から圧力(流体力)を受ける。この圧力は負圧として、弁孔51が位置している側に向かって弁体60を移動させるように作用する。弁体60は、このような力を受けて、弁孔51を閉塞する方向である閉塞方向への移動を開始する。弁孔51に接近する突起部62の存在により、弁孔51に流れ込む冷媒の流量が制限されており、弁体60が移動を開始したのちに、突起部62が弁孔51に挿入される。突起部62の存在によって弁孔51の流路断面積が絞られることにより、結果として上記の実施の形態1の場合と同様に、弁体60の閉塞方向への移動が補助されることとなる。したがってこのような構成が採用された逆止弁であっても、弁体60は冷媒から効率よく圧力を受けることができ、弁体60には弁体60を弁座部材50の側へ移動させようとする大きな力が作用することとなる。このような構成が採用された逆止弁も、逆流してくる冷媒の流体力によって生じる差圧をより効率よく利用することが可能となっており、冷媒の圧力によって弁体60が開弁位置から閉弁位置に向かって容易に移動することができ、バネをあえて用いなくとも、弁体60により安定して弁孔51を開閉することができる。
【0066】
[実施の形態3]
図12は、実施の形態3における逆止弁40Bを示す断面図である。逆止弁40Bは、突起部62が小径部62aおよび大径部62bを有しているという点で、実施の形態1における逆止弁40と相違している。
【0067】
小径部62aは、板状部61の表面61aから突出している。大径部62bは、表面61aに対して板状部61の反対側に設けられ、円錐形状を有している。大径部62bには、小径部62aよりも長い周長を有する部分が形成されている。当該部分は、円錐形状の底部の外周縁によって構成されており、大径部62bの中で最も小径部62a寄りの位置に形成されている。当該部分と小径部62aとの間に受圧面62sが形成されている。
【0068】
冷媒が逆方向に流れる際、受圧面62sの存在によって弁体60は冷媒から効率よく圧力を受けることができる。また、突起部62の先端に円錐形状を有する部分が設けられているため、開弁時に突起部62の存在が冷媒の流れを阻害することはほとんどなく、冷媒は吸入ポート22から吸入室20内に効率よく、より少ない圧力損失で入り込むことができる。
【0069】
[実施の形態4]
図13は、実施の形態4における逆止弁40Cを示す断面図である。上述の各実施の形態においては、ストッパ部71sおよびガイド部75が逆止弁の弁ケース70に設けられている。ストッパ部71sおよび/またはガイド部75が弁ケース70に設けられていることは必須の構成ではない。
【0070】
たとえば、弁ケースを備えていない逆止弁40Cの場合には、シリンダブロック14の外周面に設けられた凹部14aの表面に膨出部14cが設けられる。膨出部14cの表面はストッパ部14sを構成している。ストッパ部14sから、ガイド部75と同様な機能を有するガイド部14dが起立している。当該構成によっても、上述の各実施の形態と略同様の作用および効果を得ることが可能である。
【0071】
板状部61がストッパ部14sに当接している状態において、板状部61の裏面61bの外周部分が露出するように、膨出部14cの表面(ストッパ部14s)を、板状部61の裏面61bの大きさに比べて一回り小さく構成するとよい。弁体60は冷媒から効率よく圧力を受けることができ、弁体60には弁体60を弁座部材50の側へ移動させようとするより大きな力が作用することとなる。
【0072】
[実施の形態5]
図14は、実施の形態5における逆止弁40Dを示す断面図である。逆止弁40Dにおいては、ガイド部75が全体として円筒状の形状を有しており、凹部65も全体として円筒状の空間を呈している。突起部62の先端部62uの中央に垂下部66が設けられる。垂下部66は、突起部62の先端部62uの中央から底部71の側に向かって棒状に延在している。円筒状の形状を有するガイド部75の内側に、円柱状の形状を有する垂下部66が挿入されている。
【0073】
本実施の形態においては、ガイド部75は弁孔51の中心軸51cを規定する軸線から離れた位置に配置されている。ガイド部75の筒状部分の内周面と、垂下部66の外周面とが摺接することによって、弁体60の移動が案内される。弁体60が中心軸51cを規定する軸線から離れた位置で案内されるため、より安定して弁体60を往復移動させることが可能となる。
【0074】
[実施の形態6]
図15は、実施の形態6における逆止弁40Eを示す断面図である。逆止弁40Eにおいては、複数のガイド部75m,75nが弁ケース70に設けられ、複数の凹部65m,65nが弁体60に設けられる。ガイド部75m,75nの各々は円柱状の形状を有しており、凹部65m,65nの各々は円柱状の空間を呈している。ガイド部75m,75nは凹部65m,65n内にそれぞれ挿入される。
【0075】
本実施の形態においても、ガイド部75m,75nは弁孔51の中心軸51cを規定する軸線から離れた位置に配置されている。当該構成によっても、上述の各実施の形態と略同様の作用および効果を得ることが可能である。逆止弁が複数のガイド部および複数の凹部を備えている場合には、これらの各構成はたとえば周方向に沿って180°間隔で2つ設けられていてもよいし、周方向に沿って90°間隔で4つ設けられていてもよい。
【0076】
[実施の形態7]
図16は、実施の形態7における逆止弁40Fを示す断面斜視図である。逆止弁40Fは、ガイド部75の内部に中空の空間が設けられているという点で、実施の形態1における逆止弁40と相違している。ガイド部75の直径を実施の形態1の場合に比べて大きくすることにより、ガイド部75と弁体60との互いに摺接する部分の面積が広くなり、ガイド部75によるガイド機能が向上する。このような構成を採用した場合であっても、ガイド部75の内部に中空の空間を設けることによって弁ケース70の軽量化を図ることが可能となる。
【0077】
図16に示すガイド部75は、円筒状部分と、円筒状部分に対して先端部62uの側に位置する先端開口を閉塞するように円盤形状を有する部分が円筒状部分の先端に設けられている。このような構成に限られず、ガイド部75が筒状の形状を有している場合には、その先端側が開口するように形成されていてもよい(
図14に示されるガイド部75を参照)。これらの構成によっても、上述の各実施の形態と略同様の作用および効果を得ることが可能である。
【0078】
[実施の形態8]
図17は、実施の形態8における逆止弁40Gを示す断面図である。上述の各実施の形態においては、凹部65の深さ(凹部65の軸方向における長さ)と、ガイド部75の高さ(ガイド部75の軸方向における長さ)とが略同一である。
図17に示す逆止弁40Gのように、凹部65の深さの値は、ガイド部75の高さの値よりも小さくても構わない。
【0079】
当該構成においては、弁ケース70の底部71の内表面71tはストッパ部を構成せずに、その代わりに、ガイド部75の先端がストッパ75sとして機能する。当該構成によっても、上述の各実施の形態で述べた構成と同様の作用および効果を得ることができる。
【0080】
[実施の形態9]
図18は、実施の形態9における逆止弁40Hを示す断面図である。
図18に示す逆止弁40Hのように、凹部65の深さの値は、ガイド部75の高さの値よりも大きくても構わない。
【0081】
当該構成においては、ガイド部75の先端は突起部62の先端部62uに接触しない。弁体60の板状部61の裏面61bがストッパ部71sに当接している状態において、ガイド部75の先端と突起部62の先端部62uとの間には隙間Sが形成される。当該構成によっても、上述の各実施の形態で述べた構成と同様の作用および効果を得ることができる。
【0082】
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態においては、弁ケース70の側壁72に、開弁時に冷媒が通過する連通窓72hが設けられている。このような構成に限られず、弁ケース70の底部71に1つ以上の連通窓72hを設けるようにしてもかまわない。
【0083】
上述の各実施の形態においては、弁ケース70の底部71に貫通孔71hが形成されている。底部71に貫通孔71hを形成することは必須の構成ではなく、弁体60に突起部62が設けられていることにより、あるいは、弁体60がストッパ部71sに当接している状態において突起部62の一部が弁孔51の内側に位置しているという構成が採用されていることにより、冷媒が逆方向に流れる際に弁体60に付与される負圧の作用で弁体60は弁孔51が位置している側に向かって移動することが可能である。
【0084】
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。