(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本願の開示する作業車両の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0023】
<作業車両(トラクタ)1の全体構成>
まず、
図1を参照して作業車両1の全体構成について説明する。
図1は、実施形態に係る作業車両1の説明図であり、作業車両1の概略左側面図である。なお、以下では、作業車両1としてトラクタを例に説明する。作業車両であるトラクタ1は、自走しながら圃場などで作業を行う農用トラクタである。
【0024】
また、以下において、前後方向とは、トラクタ1の直進時における進行方向であり、進行方向の前方側を「前」、後方側を「後」と規定する。トラクタ1の進行方向とは、直進時において、後述する操縦席8からステアリングホイール9に向かう方向である(
図1参照)。
【0025】
左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。以下では、「前」側へ向けて左右を規定する。すなわち、トラクタ1の操縦者(作業者ともいう)が操縦席8に着席して前方を向いた状態で、左手側が「左」、右手側が「右」である。
【0026】
上下方向とは、鉛直方向である。前後方向、左右方向および上下方向は互いに直交する。なお、各方向は説明の便宜上定義したものであり、これらの方向によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、トラクタ1を指して「機体」という場合がある。
【0027】
図1に示すように、トラクタ1は、機体フレーム2と、エンジンEと、ボンネット3と、前輪4と、後輪5と、ミッションケース6とを備える。機体フレーム2は、機体を全体的に支持するフレームである。エンジンEは、機体の駆動源であり、ディーゼル機関やガソリン機関などの熱機関である。エンジンEは、エンジンルーム10(
図2参照)内に収容される。
【0028】
ボンネット3は、機体前部において開閉自在に設けられる。ボンネット3は、エンジンルーム10内に収容されたエンジンEを覆う。すなわち、ボンネット3は、閉じた状態で内部にエンジンルーム10が形成される。なお、ボンネット3のさらなる構成については、
図3を用いて後述する。
【0029】
前輪4は、左右一対であり、主に操舵用の車輪、すなわち、操舵輪となる。後輪5は、左右一対であり、主に駆動用の車輪、すなわち、駆動輪となる。ミッションケース6は、機体フレーム2の下部に設けられる。ミッションケース6は、変速装置を備え、エンジンルーム10内に収容されたエンジンEから出力される回転動力を、変速装置によって適宜減速して駆動輪である後輪5に伝達する。
【0030】
また、トラクタ1は、キャビン7を備える。キャビン7は、操縦空間を形成し、操縦席8と、ステアリングホイール9とを内部に備える。操縦席8は、操縦者の座席である。ステアリングホイール9は、操舵輪である前輪4を操舵する場合に操縦者により操作される。なお、ステアリングホイール9の前方には、各種情報を表示する表示部(メータパネル)が設けられる。
【0031】
また、キャビン7内には、たとえば、操縦席8の前方に、前後進レバー、アクセルレバーなどが設けられる。また、キャビン7内には、たとえば、操縦席8の右側方に、主変速レバー、副変速レバーなどが設けられる。また、キャビン7内には、たとえば、ステアリングホイール9の下方に、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダルなどが設けられる。
【0032】
また、トラクタ1は、PTO(Power Take-off)軸50を備える。PTO軸50は、ミッションケース6から後方に突出している。PTO軸50は、エンジンEから出力された回転動力を、圃場内で作業を行う作業機に伝達する。作業機には、たとえば、耕耘作業を行うロータリ耕耘機や、施肥作業を行う施肥機などがある。なお、トラクタ1は、PTO軸50の他、作業機を連結するリフトアームなどを後部に備える。
【0033】
また、トラクタ1は、エンジンコントロールユニット(以下、エンジンECU(Electronic Control Unit)という)100を備える。エンジンECU100は、エンジンルーム10内に収容され、エンジンEを制御する。エンジンECU100は、たとえば、駆動輪(後輪5)の回転を制御して走行速度を制御する走行系ECUおよび作業機の昇降を制御する作業機昇降系ECUと共にトラクタ1の駆動制御系を構成する。
【0034】
<エンジンルーム10内の隔離部20>
次に、
図2を参照してエンジンルーム10内の隔離部20について説明する。
図2は、エンジンルーム10内の隔離部20を示す右側面図である。
図2に示すように、エンジンEを収容するエンジンルーム10は、ボンネット3を閉じた場合に形成される。隔離部20は、エンジンルーム10内に立設され、エンジンルーム10内を2つの空間となるように、前後に隔てる。
【0035】
エンジンルーム10内には、エンジンEの冷却水を冷却するラジエータ21が設けられる。ラジエータ21は、ラジエータブラケット22を含む隔離部20を構成する。ラジエータ21は、全体的に矩形板状であり、面の向きが前後方向に対して直交するように配置されることで、エンジンルーム10内を前後に隔てる。ラジエータ21は、ラジエータブラケット22に支持され、ラジエータブラケット22と共にエンジンルーム10の底面を形成するベースプレート11上に立設される。
【0036】
ラジエータブラケット22は、ラジエータ21の左右側部に設けられ、上記したように、エンジンルーム10内のベースプレート11上においてラジエータを支持する。ラジエータブラケット22は、ラジエータ21と共に、エンジンルーム10内を2つの空間となるように前後に隔てる。
図2に示すように、ラジエータブラケット22は、後側(機体後方)となる
図2中の左側に向けて傾斜している傾斜面22aを有する。傾斜面22aは、ラジエータブラケット22の左右の側端部における前面に形成される。
【0037】
ラジエータブラケット22は、防塵ネット23を備える。防塵ネット23は、ラジエータ21の前面において左右方向にわたって設けられる。防塵ネット23は、ネット面23a(
図5参照)を備える。すなわち、防塵ネット23は、ネット面23aの向きが前後方向に対して直交するように配置される。また、防塵ネット23は、ラジエータブラケットに対する着脱部23bを左右の側端部に備える。着脱部23bは、たとえば、マグネットの磁力により、ラジエータブラケット22に対して防塵ネット23を着脱自在とする。
【0038】
また、前後方向におけるラジエータ21と防塵ネット23との間には、収容空間が形成される。収容空間には、オイルクーラ25および燃料クーラ26(いずれも、
図7参照)の少なくともいずれか一方が設けられる。なお、オイルクーラ25は、駆動系のオイル(作動油)を冷却する機器であり、燃料クーラ26は、機体の燃料を冷却する機器である。
【0039】
なお、オイルクーラ25および燃料クーラ26の両方を設ける場合は、オイルクーラ25と燃料クーラ26とを左右方向に並べて配置することが好ましい。この場合、オイルクーラ25および燃料クーラのそれぞれの左右側方および上方は、ラジエータブラケット22により覆われる。
【0040】
また、隔離部20は、ラジエータ21およびラジエータブラケット22に加えて仕切板(遮熱板でもある)24を備える。仕切板24は、ラジエータブラケット22の上部に設けられる。仕切板24は、左右方向に延在し、面の向きが前後方向に対して直交するように配置されることで、エンジンルーム10内の上部を前後に隔てる。
図2に示すように、仕切板24は、側面視(右側面視)においてラジエータブラケット22の傾斜面22aから連続するよう傾斜面22aと同等の傾斜角度で後側に傾斜している。
【0041】
<ボンネット3>
次に、
図3および
図4を参照してボンネットについて説明する。
図3は、ボンネット3を示す斜視図である。
図4は、ボンネット3を閉じた状態の模式説明図である。なお、
図3は、ボンネット3を左斜め下から見た図(斜視図)である。
図3に示すように、ボンネット3は、エンジンE(
図2参照)を覆い、かつ、エンジンルーム10を形成するように、内部に空間(ボンネット空間)31を有する。
【0042】
ボンネット3は、支軸32と、インシュレータ33とを内部に備える。支軸32は、左右一対で設けられ、それぞれの軸線AXが左右方向に沿って設けられる。支軸32の軸線AXは、ボンネット3開閉時の回動軸となる。すなわち、ボンネット3は、支軸32の軸線(回動軸)AXを中心に回動することで、開閉自在に設けられる。なお、支軸32は、ボンネット3の後部に設けられることが好ましく、ボンネット3の後端部に設けられるとより好ましい。
【0043】
インシュレータ33は、ボンネット3の内周面34に設けられる。インシュレータ33は、ボンネット3の内周面34を前後に区画するように、内周面34に沿って設けられる。インシュレータ33は、たとえば、スポンジ状の緩衝部材である。
図4に示すように、インシュレータ33は、ボンネット3を、回動軸AXを中心にR方向に回動させて閉じた状態として隔離部20(ラジエータブラケット22)の傾斜面22a(仕切板24の前面含む)に当接することで、ボンネット3の内周面34と隔離部20との間をシールする。
【0044】
上述してきたように、実施形態に係る作業車両(トラクタ)1によれば、隔離部20がボンネット3の回動軸AX側に傾斜した傾斜面22aを有することで、インシュレータ33が隔離部20の傾斜面22aに対して面で当接する。これにより、インシュレータ33が隔離部20のエッジ部分に当接するなどの荷重の集中を緩和することができ、インシュレータ33や隔離部20(ラジエータ21、ラジエータブラケット22、仕切板24)などといったボンネット3の内部部品の劣化を抑えることができる。
【0045】
この場合、隔離部20の傾斜面22aが回動軸AX側に傾斜していることで、ボンネット3が回動軸AXを中心とする円弧を描く軌道で回動しても傾斜面22aがインシュレータ33を仰角で迎える姿勢であるため、インシュレータ33が隔離部20のエッジ部分に当たりにくい。
【0046】
また、ボンネット3の後部(後端部)に回動軸AXが設けられ、隔離部20の傾斜面22aが後側に傾斜していることで、ボンネット3が回動軸AXを中心とする円弧を描く軌道で回動しても傾斜面22aがインシュレータ33を仰角で迎える姿勢であるため、インシュレータ33が隔離部20のエッジ部分に当たりにくい。
【0047】
また、隔離部20を構成するラジエータブラケット22の前面に傾斜面22aが形成されることで、ボンネット3が回動軸AXを中心とする円弧を描く軌道で回動してもラジエータブラケット22の前面の傾斜面22aがインシュレータ33を仰角で迎える姿勢であるため、インシュレータ33がラジエータブラケット22のエッジ部分に当たりにくい。
【0048】
また、防塵ネット23が設けられることで、ラジエータ21と共にオイルクーラ25や燃料クーラ26を塵埃などから保護することができる。また、オイルクーラ25や燃料クーラ26がラジエータ21の近傍に配置されるため、一箇所でメンテナンスを行うことができる。これにより、メンテナンス性を向上させることができる。
【0049】
また、ラジエータブラケット22の上部に仕切板24を設けることで、エンジンルーム10内において隔てた各空間の密閉性を向上させることができる。また、仕切板24が後側に傾斜していることで、ボンネット3が回動軸AXを中心とする円弧を描く軌道で回動しても仕切板24の前面がインシュレータ33を仰角で迎える姿勢であるため、インシュレータ33が仕切板24のエッジ部分に当たりにくい。
【0050】
<エアクリーナ40およびエアクリーナブラケット41>
次に、
図5および
図6を参照してエアクリーナ40およびエアクリーナブラケット41について説明する。
図5および
図6はそれぞれ、エアクリーナ40およびエアクリーナブラケット41を示す斜視図である。なお、
図5は、エアクリーナ40およびエアクリーナブラケット41を右斜め上から見た図(斜視図)であり、
図6は、エアクリーナ40およびエアクリーナブラケット41を前方右斜め上から見た図(斜視図)である。
【0051】
図5および
図6に示すように、エンジンルーム10内には、エアクリーナ40が設けられる。エアクリーナ40は、仕切板24の前方に設けられる。なお、エアクリーナ40は、エンジンE(
図2参照)に供給される空気中の不純物を除去する機器である。また、エアクリーナ40は、エアクリーナブラケット41によって仕切板24の前方に支持される。エアクリーナブラケット41は、仕切板24から前方に延設される。
【0052】
また、エンジンルーム10内においてベースプレート11上には、エアコンのコンデンサ(エアコンコンデンサ)42が設けられる。エアコンコンデンサ42は、コンデンサブラケット43によって支持される。コンデンサブラケット43は、ラジエータ21の前方に立設される。エアクリーナブラケット41とコンデンサブラケット43とは、相互に固定される。なお、この場合、溶接による固定が好ましい。
【0053】
このように、仕切板24、エアクリーナブラケット41およびコンデンサブラケット43の3つを固定することで、剛性を高めることができる。
【0054】
コンデンサブラケット43は、パイプ状のフレーム部を備える。コンデンサブラケット43は、フロントアクスルの(ブローバイガス排出用)ブリーザホース44が内部に挿通される。これにより、ブリーザホース44の配索が容易となり、かつ、エンジンルーム10内のスペース効率を向上させることができる。
【0055】
また、コンデンサブラケット43のフレーム部は、上部にブリーザホース44用の孔部が形成される。これにより、アクスルブラケットの圧力を大気中に逃がすことができる。コンデンサブラケット43のフレーム部の前方には、エアコンコンデンサ42が設けられる。
【0056】
なお、コンデンサブラケット43においても、上記したラジエータブラケット22と同様、たとえば、マグネット式の着脱部43bにより着脱可能な防塵ネット43aが取り付けられる。
【0057】
また、コンデンサブラケット43には、インタークーラ45(およびインタークーラブラケット47)が固定される。すなわち、インタークーラ45は、コンデンサブラケット43によってベースプレート11上に支持される。
【0058】
また、仕切板24を上下分割構造として、仕切板24の間に挟み込む形で、たとえば、インタークーラパイプ46やハーネスを貫通させてもよい。この場合、下側の仕切板24には、上端縁にインタークーラパイプ46貫通用のU字状の切欠き24aが形成される。U字状の切欠き24aは、上側の仕切板24の下端縁に形成されてもよい。切欠き24aには、インタークーラパイプ46を支持する場合に荷重の集中を緩和するための緩衝材を設けてもよい。
【0059】
なお、インタークーラブラケット47においても、上記したラジエータブラケット22やコンデンサブラケット43と同様、たとえば、マグネット式の着脱部47bにより容易に着脱可能な防塵ネット47aが取り付けられる。
【0060】
また、仕切板24に、仕切板24を前後方向を貫通するホース接続用パイプ48を設けてもよい。
【0061】
また、
図5に示すように、ベースプレート11には、凹部11aが形成される。凹部11aには、バッテリ49が収容される。これにより、バッテリ49を低い位置に設置することができ、ラジエータ21、インタークーラ45およびエアコンコンデンサ42の前方を塞がないようにバッテリ49を設置することができ、これらの冷却効率を向上させることができる。
【0062】
また、エアクリーナブラケット41の後端部はラジエータブラケット22の前面に固定される。また、ボンネット3(
図3参照)の前部、エンジンルーム10内においてラジエータブラケット22よりも前方を覆う部分は、前面、上面および左右両側面が空気を吸入可能に形成される。これにより、エンジンルーム10内に大量の空気を吸入することができ、冷却効率を向上させることができる。
【0063】
また、コンデンサブラケットの側方(左側方)には、後述するエンジンECUブラケット101(
図7参照)に支持されることで、エンジンECU100が配置される。これにより、精密機器であるエンジンECU100がボンネット3の上面から浸入する水の影響を受けるのを抑えることができる。
【0064】
<エンジンECU100の配置>
次に、
図7を参照してエンジンECU100の配置について説明する。
図7は、エンジンコントロールユニット(エンジンECU)100およびエンジンECUブラケット101を示す斜視図である。なお、
図7は、エンジンECU100およびエンジンECUブラケット101を前方左斜め上から見た図(斜視図)である。エンジンECU100は、上記したように、エンジンEを制御する精密機器である。
【0065】
図7に示すように、エンジンルーム10内は、隔離部20を構成するラジエータ21が立設されることで、前後2つの空間に分割される。エンジンルーム10内の2つの空間のいずれか一方(後部空間)にはエンジンEが配置される。エンジンECU100は、前後2つの空間のうち、ラジエータ21を挟んでエンジンEとは反対側となる空間(前部空間)に配置される。また、エンジンECU100は、エンジンルーム10内の左右いずれか一側に片寄せて配置される。
【0066】
エンジンECU100は、エンジンECUブラケット101によってエンジンルーム10内に支持される。エンジンECUブラケット101は、前後2つの空間のうち、ラジエータ21を挟んでエンジンEとは反対側となる空間(前部空間)に配置されるとともに、エンジンルーム10内の左右いずれか一側に配置される。また、エンジンECUブラケット101は、コンデンサブラケット43に支持されたエアコンコンデンサ42(
図8Aおよび
図8B参照)の左右いずれか一側方に立設される。
【0067】
図7に示すように、エンジンECUブラケット101は、脚部102と、固定部103とを備える。脚部102は、エンジンルーム10の底面を形成するベースプレート11から上方に延出するように立設される。固定部103は、脚部102の上方に脚部102から連続して設けられる。エンジンECU100が固定されることで、エンジンECU100をベースプレート11の上方に位置させる。固定部103は、エアコンコンデンサ42の上部においてコンデンサブラケット43(
図8Aおよび
図8B参照)と固定される。
【0068】
また、エンジンECU100は、コネクタ部100aを下方に向けてエンジンECUブラケット101に支持される。さらに、エンジンECU100は、エアコンコンデンサ42の上部側方に配置されるようにエンジンECUブラケット101に支持される。また、エンジンECU100は、上下方向の軸まわりに回転させて前後方向に対して角度をつけて配置される。これにより、ボンネット3(
図3参照)の形状に沿ってエンジンECU100を配置することができ、ボンネット3との干渉や衝突を防止することができる。
【0069】
また、エンジンECUブラケット101によって支持されたエンジンECU100の下方には空間が形成されるため、たとえば、空間にハーネス104を正しく固定することができ、正常な通信を行うことができる。また、エンジンECU100のコネクタ部100aの近傍でハーネス104を固定することで、コネクタ部100aの過負荷を抑えることができ、コネクタ抜けなどを防止することができ、正常な通信を行うことができる。
【0070】
また、エンジンECUブラケットの下部(脚部102)には、ハーネス104を固定するためのハーネスステー105が設けられる。これにより、コネクタ抜けなどを防止して正常な通信を行うことができる。また、エンジンECUブラケット101は、固定部103がエンジンECUの外側面(左側面)を覆う。これにより、ボンネット3の側面から浸入する水の影響を抑えることができる。
【0071】
上述したように、実施形態に係る作業車両(トラクタ)1によれば、エンジンルーム10内において冷却風が多量に流れ、かつ、エンジンEの熱の影響を受けにくい位置にエンジンECU100が配置されるため、エンジンECU100の冷却性を向上させることができる。また、エンジンルーム10内において冷却風が多量に流れ、かつ、エンジンEの熱の影響を受けにくい位置にエンジンECU100を設置することができる。
【0072】
また、エンジンECUブラケット101によってベースプレート11から上方に距離をあけてエンジンECU100を設置することができる。これにより、エンジンECU100に対して下方から浸入する水などの影響を抑えることができる。また、固定部103がコンデンサブラケット43に固定されることで、エンジンECU100に加わる振動を抑制することができる。
【0073】
<エンジンECU100のブリーザ孔106およびブリーザ孔カバー107>
次に、
図8Aおよび
図8Bを参照してエンジンECU100のブリーザ孔106およびブリーザ孔カバー107について説明する。
図8Aは、エンジンコントロールユニット(エンジンECU)100のブリーザ孔106を示す斜視図である。
図8Bは、エンジンコントロールユニット(エンジンECU)100のブリーザ孔カバー107を示す斜視図である。
【0074】
図8Aに示すように、エンジンECU100は、ブリーザホース44が挿通される孔(ブリーザ孔)106を有する。ブリーザ孔106は、エンジンECU100がエンジンルーム10内に設置された状態において内側(右側)を向いた面に形成される。
図8Bに示すように、ブリーザ孔106は、板状のブリーザ孔カバー107によって覆われる。
【0075】
このように、ブリーザ孔106を有することで、エンジンECU100内の熱をブリーザ孔106から放出することができる。また、ブリーザ孔106をエンジンECU100の内側の面に有することで、たとえば、洗浄時においてブリーザ孔106からエンジンECU100内に水が浸入するのを抑えることができる。また、ブリーザ孔カバー107を有することで、エンジンECU100内に水が浸入するのをさらに抑えることができる。
【0076】
なお、エンジンECU100とエンジンECUブラケットとの間に緩衝材を設けてもよい。これにより、緩衝材が振動を吸収してエンジンECU100を安定して作動させることができる。また、レシーバドライヤを、インタークーラブラケット47の側方におけるエンジンECU100とラジエータ21との間に設けてもよい。
【0077】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。