(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法を説明する装置の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る光ファイバの構造を示す断面図である。
【0013】
[本開示が解決しようとする課題]
しかしながら、非特許文献1に開示される上記式はプライマリ被覆層のヤング率が10〜20MPaにおいて数値解析することにより算出した“近似式”であり、プライマリ被覆層のヤング率が1.0MPa以下の光ファイバにそのまま適用すると、理論値と実測値にずれがあり好ましくないことがわかった。
また、プライマリ被覆層のヤング率を小さくすると、巻き替え時やユニット化工程時等に光ファイバが外部より力を受けることによる、ガラスとプライマリ被覆層との界面の剥離或いは樹脂被覆の破壊が発生しやすくなる、といった問題がある。
本開示の目的は、プライマリ被覆層のヤング率が1.0MPa以下の光ファイバであっても、マイクロベンドロスが抑制されるとともに、巻き替え時やユニット化工程時等に光ファイバが外部より力を受けても、ガラスとプライマリ被覆層との界面の剥離或いは樹脂被覆の破壊が発生しにくくなる、光ファイバ及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
[本開示の効果]
本開示によれば、プライマリ被覆層のヤング率が1.0MPa以下の光ファイバであっても、マイクロベンドロスが抑制されるとともに、巻き替え時やユニット化工程時等に光ファイバが外部より力を受けても、ガラスとプライマリ被覆層との界面の剥離或いは樹脂被覆の破壊が発生しにくくなる。
【0015】
[本発明の実施形態の説明]
本発明の実施形態を列記して説明する。
(1)コアとクラッドからなる裸光ファイバの外周にプライマリ被覆層とセカンダリ被覆層が形成された光ファイバであって、
前記プライマリ被覆層のヤング率が0.1〜1.0MPaであり、
前記光ファイバの下記式に示す横剛性Dと曲げ剛性Hの関係がD/H
2≦3×10
17N
−1m
−6を満たす、光ファイバであり、
前記プライマリ被覆層が、リンを含む光開始剤を0.3〜2.0重量%含み、
前記プライマリ被覆層が、重量平均分子量が1000〜5000であるポリプロピレングリコールを含む。
【0016】
【数4】
【0017】
式中、rは半径(m)、Eはヤング率(Pa)、添字gはガラス(裸光ファイバ)、添字pはプライマリ被覆層、添字sはセカンダリ被覆層をそれぞれ表す。
これより、プライマリ被覆層のヤング率が1.0MPa以下の光ファイバであっても、マイクロベンドロスが抑制されるとともに、巻き替え時やユニット化工程時等に光ファイバが外部より力を受けても、ガラスとプライマリ被覆層との界面の剥離或いは樹脂被覆の破壊が発生しにくくなる。
【0018】
(2)前記プライマリ被覆層のヤング率が0.1〜0.7MPaである(1)に記載の光ファイバである。
これより、さらにマイクロベンドロスを抑制することができる。
(3)前記プライマリ被覆層のヤング率が0.1〜0.5MPaである(1)又は(2)に記載の光ファイバである。
これより、さらに一層マイクロベンドロスを抑制することができる。
(4)前記コアのコア径が47.5〜52.5μm、前記コアの前記クラッドに対する比屈折率差が0.8〜1.2%であり、前記クラッド領域にトレンチ部が設けられたマルチモード光ファイバである、(1)〜(3)のいずれかに記載の光ファイバである。
マイクロベンドロスが抑制されるため比屈折率差を小さくすることが可能となり、(1)の被覆と低比屈折率差の組み合わせが好ましい形態である。また、クラッド部にトレンチを付与することで、さらにマイクロベンドロスを抑制できる。
【0019】
(5)コアとクラッドからなる裸光ファイバの外周にプライマリ被覆層とセカンダリ被覆層を形成する光ファイバの製造方法であって、
前記プライマリ被覆層のヤング率が0.1〜1.0MPaとなるように、かつ、
前記光ファイバの下記式に示す横剛性Dと曲げ剛性Hの関係がD/H
2≦3×10
17N
−1m
−6を満たすように、前記プライマリ被覆層および前記セカンダリ被覆層を形成し、
前記プライマリ被覆層にリンを含む光開始剤を0.3〜2.0重量%含有させ、
前記プライマリ被覆層に重量平均分子量が1000〜5000であるポリプロピレングリコールを含有させる、
光ファイバの製造方法である。
【0020】
【数5】
【0021】
式中、rは半径(m)、Eはヤング率(Pa)、添字gはガラス(裸光ファイバ)、添字pはプライマリ被覆層、添字sはセカンダリ被覆層をそれぞれ表す。
これより、プライマリ樹脂のヤング率が1.0MPa以下の樹脂であっても、マイクロベンドロスが抑制されるとともに、巻き替え時やユニット化工程時等に光ファイバが外部より力を受けても、ガラスとプライマリ被覆層との界面の剥離或いは樹脂被覆の破壊が発生しにくくなる、光ファイバを提供できる。
【0022】
[本発明の実施形態の詳細]
次に、添付図面を参照しながら、本発明の光ファイバ及びその製造方法に係る実施の形態について説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法で使用する製造装置の概略構成図である。
図2は、本実施形態の光ファイバの製造方法で製造された光ファイバの構造を示す断面図である。
図1に示すように、光ファイバの製造装置1は、線引炉2、プライマリ樹脂塗布装置3、プライマリ樹脂用紫外線照射装置4、セカンダリ樹脂塗布装置5、セカンダリ樹脂用紫外線照射装置6、ガイドローラ7、巻き取りボビン8を備えている。なお、
図1では、プライマリ樹脂塗布装置3とセカンダリ樹脂塗布装置5とを個別に備え、各々を個別に塗布する場合を例に説明しているが、プライマリ樹脂とセカンダリ樹脂を同時に塗布する装置により、同時に塗布することとしても良い。
【0024】
図1に示すように、光ファイバの製造装置1は、石英ガラスからなる光ファイバ母材11を線引炉2のヒータ2aによりその先端から加熱溶融して延伸し、外径約125μmの裸光ファイバ12に溶融紡糸する。裸光ファイバ12は、プライマリ樹脂塗布装置3を通り、その外周に紫外線硬化型樹脂であるプライマリ樹脂が塗布される。続いて、プライマリ樹脂が塗布された光ファイバ13はプライマリ樹脂用紫外線照射装置4に入り、紫外線が照射される。これにより、塗布されたプライマリ樹脂が硬化されプライマリ被覆層23(
図2参照)が形成される。
【0025】
プライマリ被覆層23が形成された光ファイバ14は、セカンダリ樹脂塗布装置5を通り、その外周に紫外線硬化型樹脂が塗布される。続いて、セカンダリ樹脂が塗布された光ファイバ15はセカンダリ樹脂用紫外線照射装置6に入り、紫外線が照射される。これにより、セカンダリ樹脂が硬化されセカンダリ被覆層24(
図2参照)が形成される。そして、セカンダリ被覆層24が形成された光ファイバ16は、ガイドローラ7等を経て巻き取りボビン8に巻取られる。
【0026】
以上のような製造方法で製造された本実施形態の光ファイバ16は、
図2に示すように、コア21、クラッド22を有する石英ガラスからなる裸光ファイバ12の外周に、プライマリ被覆層23が、例えばその外径が170〜215μmとなるような厚さで設けられている。さらにその外周に、例えばヤング率が800〜1200MPaである、プライマリ被覆層23よりもヤング率が大きいセカンダリ被覆層24が、その外径が例えば約245μmとなるような厚さで設けられている。本実施形態では、プライマリ被覆層23のヤング率が0.1MPa以上1.0MPa以下となるように、プライマリ樹脂塗布装置3に供給する樹脂組成物を決定した。
【0027】
なお、本願の発明はセカンダリ被覆層の外径が約245μmの光ファイバに限定されるものではなく、例えばセカンダリ被覆層の外径が160μm〜210μmの細径ファイバにも適用可能である。
【0028】
本願発明者は、このような比較的低ヤング率のプライマリ被覆層を有する光ファイバにおいて、光ファイバの横剛性Dと曲げ剛性Hとの関係に着目し、マイクロベンドロスを抑制できる条件について鋭意検討を行った。
【0029】
まず、プライマリ被覆層のヤング率が1.0MPa以下の光ファイバにおいて用いるモデル式(4)の導出について説明する。
【0030】
非特許文献1では、
【0031】
【数6】
【0032】
というモデル式を導出しているが、Ep/Esの指数係数をα、(Rs−Rp)/(Rs−Rg)の指数係数をβとおいて、プライマリ被覆層のヤング率が1.0MPa以下の条件で、指数係数を算出したところ、適切なフィッティングが得られなかった。
そこで、
【0033】
【数7】
【0034】
とする、非特許文献1に記載のない定数γを設定して、プライマリ被覆層のヤング率が1.0MPa以下の条件で、最小二乗法によりそれぞれの定数を算出し、それらを用いたところ、良好なフィッティングが得られた。
【0035】
また、非特許文献1では次の近似式を用いているが、プライマリ被覆層のヤング率が1.0MPa以下の光ファイバでは、この関係式が成立しないことが確認された。
【0036】
【数8】
【0037】
そこで、前記式を以下に置き換えて、
【0038】
【数9】
【0039】
最小二乗法によりxを算出し、以下の式
【0040】
【数10】
【0041】
と合わせて、本願の科学的、工学的に妥当な式(4)を導出した。
【0042】
【数11】
【0043】
ところで、マイクロベンドロスは1.0dB/kmより大きいと光伝送効率が悪く好ましくない。マイクロベンドロスαは光ファイバの伝搬特性等による比例定数Aを用いて以下の式により表され、
【0044】
【数12】
【0045】
D/H
2からαを算出することができる。
このAを、実測のα及びD/H
2から最小二乗法により算出した。そして、光ファイバの製造時の品質のばらつきを考慮して、Aに標準偏差σの2倍の数を足した値(A+2σ)を用いて、D/H
2から想定されるマイクロベンドロスα
2σを表す下記式により、
【0046】
【数13】
【0047】
α
2σが1.0dB/kmになる、D/H
2の値:3×10
17N
−1m
−6を算出した。
以上より、D/H
2≦3×10
17N
−1m
−6を満たすことにより、製造時の品質のばらつきを考慮しても、側圧ロスαが1.0dB/km以下である光伝送効率の良好な光ファイバを得ることができるといえる。
【0048】
なお、光ファイバの種類にはシングルモードファイバ(SMF)とマルチモードファイバ(MMF)があり、D/H
2が同じ場合、MMFの方がSMFよりマイクロベンドロスが大きくなる傾向がある。よって、D/H
2≦3×10
17はMMFのマイクロベンド実測値をもとに決めたものだが、この範囲であればSMFにおいてもマイクロベンドロスが問題になることはない。
【0049】
本実施形態の光ファイバ16は、上記式(2)及び式(4)に基づいて算出される横剛性Dと曲げ剛性Hの関係が、D/H
2≦3×10
17N
−1m
−6を満たすように、プライマリ被覆層23とセカンダリ被覆層24が形成されている。これより、プライマリ被覆層23のヤング率が1.0MPa以下であっても、マイクロベンドロスが抑制される。
なお、D、Hは裸光ファイバのパラメータを除けば、プライマリ樹脂、セカンダリ樹脂それぞれのヤング率と厚みだけで決まるため、これらのパラメータを適正に設定することでD/H
2≦3×10
17を実現できる。
【0050】
本実施形態において、プライマリ被覆層23のヤング率は好ましくは0.1MPa以上0.7MPa以下である。これより、さらにマイクロベンドロスを抑制することができる。プライマリ被覆層23のヤング率はさらに好ましくは0.1MPa以上0.5MPa以下である。これより、さらに一層マイクロベンドロスを抑制することができる。
【0051】
コア21のコア径は47.5〜52.5μmであることが好ましく、コア21のクラッド22に対する比屈折率差は0.8〜1.2%であることが好ましく、クラッド22領域にトレンチ部が設けられることが好ましい。本実施形態では、マイクロベンドロスが抑制されるため比屈折率差を小さくすることが可能となり、また、クラッド部にトレンチを付与することで、さらにマイクロベンドロスを抑制できる。なお、トレンチ部とは、クラッド領域における他の領域より比屈折率差が低い領域である。
【0052】
プライマリ被覆層23はリンを含む光開始剤を0.3〜2.0重量%含み、また、プライマリ被覆層23は重量平均分子量が1000〜5000であるポリプロピレングリコールを含む。これより、比較的低ヤング率のプライマリ被覆層を有する光ファイバにおいて、巻き替え時やユニット化工程時等に光ファイバが外部より力を受けても、ガラスとプライマリ被覆層との界面の剥離或いは樹脂被覆の破壊が発生しにくくなる。
【0053】
プライマリ被覆層23の残存アクリレート量は少ない方が好ましい。この場合、プライマリ樹脂層内の架橋を適正に形成することができ、より樹脂被覆の破壊が発生しにくくなる。残存アクリレート量が多い場合、プライマリ樹脂層内の架橋が十分進んでいないことによる樹脂被覆の破壊が発生しやすいため、好ましくない。またそれだけでなく、時間の経過により架橋が進行するため、プライマリ樹脂被覆層のヤング率等の物性が変化し、当初はマイクロベンドロスが抑制されていても経時的に増加する可能性があり、好ましくない。残存アクリレート量を適正範囲内にするには、樹脂材料の配合を変えたり、架橋のために照射する紫外線量を増加するといった方法がある。
【0054】
プライマリ樹脂には、ポリエーテル系或いはポリエステル系ウレタンアクリレートの使用が好ましく、必要に応じて反応性希釈モノマー、光開始剤を含んでも良い。
【0055】
反応性希釈モノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、芳香族ポリエチレングリコールモノアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、イソボロニルオキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート等の単官能性化合物;2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート等の2官能性化合物が挙げられ、これらは1種使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
【0056】
光開始剤としては、公知のものを使用でき、例えばBASF社のLUCIRIN(登録商標)TPOまたはIRGACURE(登録商標)819等が挙げられ、これらは1種使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
【0057】
この場合、プライマリ被覆層23のヤング率は、例えば紫外線硬化型樹脂のポリエーテル部分の分子量及び希釈モノマーの種類により調整した。即ち、プライマリ被覆層23は、ポリエーテル部分の分子量を大きくすること及び直鎖状の分子量の大きな単官能希釈モノマーを選定することでヤング率を小さくすることができる。
【0058】
前記セカンダリ樹脂には、ポリエーテル系或いはポリエステル系ウレタンアクリレートの使用が好ましく、必要に応じて反応性希釈モノマー、光開始剤を含んでも良い。
【0059】
反応性希釈モノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニルオキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート等の単官能性化合物;2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート等の2官能性化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシメチル)イソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能性化合物が挙げられ、これらは1種使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
【0060】
光開始剤としては、公知のものを使用でき、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、フェニルアセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン等のフェノン類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド誘導体等が挙げられ、これらは1種使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
【0061】
この場合、セカンダリ被覆層24のヤング率は、例えば紫外線硬化型樹脂のポリエーテル部分の分子量及び希釈モノマーの種類により調整した。即ち、ポリエステル又はポリエーテル部分の分子量を小さくすること、ウレタン基濃度を上げること、及びベンゼン環等の剛直な分子構造を有するモノマーや多官能モノマーを選定することでヤング率を大きくすることができる。