特許第6927482号(P6927482)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6927482
(24)【登録日】2021年8月10日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】非常用蛍光灯
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/275 20160101AFI20210823BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20210823BHJP
   H05B 45/00 20200101ALI20210823BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20210823BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210823BHJP
【FI】
   F21K9/275
   F21S9/02 200
   H05B45/00
   F21Y103:10
   F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-233370(P2016-233370)
(22)【出願日】2016年11月30日
(65)【公開番号】特開2018-92736(P2018-92736A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2019年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】516358705
【氏名又は名称】株式会社ラピュタインターナショナル
(73)【特許権者】
【識別番号】516363385
【氏名又は名称】廈門普為光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xiamen PVTECH Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(72)【発明者】
【氏名】堀田 誠
【審査官】 飯塚 向日子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−076131(JP,A)
【文献】 特開2014−099269(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3172228(JP,U)
【文献】 特開2015−220222(JP,A)
【文献】 特開2007−123225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/275
F21S 9/02
H05B 45/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
停電時に光源ランプを点灯するための非常用蓄電池が内蔵されるとともに、搭載されるベース灯具との接続側に口金ソケットが配された非常用蛍光灯において、
前記口金ソケットに外部スイッチが設けられているか、又は、前記口金ソケットを切り欠いた位置の蛍光灯に外部スイッチが設けられており、前記光源ランプは停電時の前記非常用蓄電池による蛍光状態と、商用電源による蛍光状態を異ならせ、商用電源が供給されているベース灯具に装着された状態において、前記外部スイッチで商用電源を遮断し、前記非常用蓄電池を作動させて照明状態を検査することを特徴とする非常用蛍光灯。
【請求項2】
停電時に光源ランプを点灯するための非常用蓄電池が内蔵されるとともに、搭載されるベース灯具との接続側に口金ソケットが配された非常用蛍光灯において、
前記口金ソケットに外部スイッチが設けられているか、又は、前記口金ソケットを切り欠いた位置の蛍光灯に外部スイッチが設けられており、前記光源ランプは停電時の前記非常用蓄電池による蛍光状態と、商用電源による蛍光状態を異らせ、商用電源が供給されているベース灯具に装着された状態において、前記外部スイッチで商用電源を遮断し、前記非常用蓄電池を作動させて照明状態を検査するものであり、
非常用蓄電池の充電状態を確認するためのモニターランプが設けられて、前記非常用蓄電池の充電状態を表示させるとともに、前記モニターランプは、前記口金ソケットに設けられているか、又は、前記口金ソケットを切り欠いた位置の蛍光灯に設けられていることを特徴とする非常用蛍光灯。
【請求項3】
前記モニターランプは、ベース灯具に装着された状態で、前記非常用蓄電池が満充電であるときと満充電でないときを区別して表示させるとともに、前記モニターランプは、前記光源ランプを前記ベース灯具から取り外すと消灯状態になることを特徴とする請求項2記載の非常用蛍光灯。
【請求項4】
前記ベース灯具は天井に取り付けられるものであり、前記外部スイッチは、当該非常用蛍光灯が前記ベース灯具に装着された状態では、下方に向かって突出する押しボタン方式のスイッチであり、前記モニターランプも当該非常用蛍光灯が前記ベース灯具に装着された状態では、下方に向かって突出していることを特徴とする請求項2または3記載の非常用蛍光灯。
【請求項5】
前記非常用蛍光灯がLED蛍光灯であり、外部スイッチとモニターランプが表面側カバーに配置され、背面側カバー内に、少なくとも前記非常用蓄電池が収納された収納ケースが配置され、これらの間にLEDチップが複数配置される構造で、前記収納ケースは、前記口金ソケット側に緩衝板が取り付けられてビスを介して前記口金ソケットに止めることができ、前記緩衝板の挿脱により前記収納ケースに収納された前記非常用蓄電池が挿脱される構造であることを特徴とする請求項2から4のうちいずれか一項記載の非常用蛍光灯。
【請求項6】
外部の商用電源からの電流を整流してLEDチップ基盤の作動電圧に調整する正常点灯用駆動電源AC−DCと、外部の商用電源から内蔵する前記非常用蓄電池への充電電流を制御する非常点灯用駆動電源AC−DCと、外部の商用電源の有無を検出して内部電源である非常用蓄電池との切換を制御する集積回路であるMCU(Micro Control Unit)と、充電管理ユニットを備え、前記非常点灯用駆動電源AC−DCは外部端子Nに接続した前記外部スイッチを介して外部端子L、Nに接続され、正常点灯用駆動電源AC−DCの一端が外部端子Lに接続され、他端が前記外部スイッチを介し外部端子Nに接続され、前記非常用蓄電池は、充電状態を表示するモニターランプと接続された前記非常点灯用駆動電源AC−DCと前記充電管理ユニットに接続されるとともに、DC−DC昇圧LED定電流駆動ユニットを介して前記LEDチップ基盤と接続されており、点灯時の電圧を前記MCUでチェックして、前記照明状態を検査することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の非常用蛍光灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震や火災などで停電が発生したときに、避難方向や周囲の状況を照明するために使用される非常用蛍光灯に関する。
【背景技術】
【0002】
火災などで停電が発生すると、避難方向や周囲の状況を把握できなくなるため避難が困難になる。非常用蛍光灯は、非常用照明には内部に電池入っており、電源供給が断たれた際に、自動で電池側から給電されるために、停電時や火災で電線が焼け落ちた場合でも、避難するための明るさを自動的に確保できる。非常用照明器具には非常用蓄電池が内蔵されており、繰り返し充放電に耐える機器構成であり、また、機器本体に蓄電池の充電状態が確認できる充電モニターランプが取り付けられており、これを確認することで充電状況を目視確認ができる。器具本体(ベース灯具)に引き紐が取り付けられており、これを引っ張ることで強制的に非常時点灯とすることができ、点検も器具本体(ベース灯具)の紐の操作で行われるものが多い。
【0003】
このような非常用蛍光灯は、建築基準法によって設置基準が定められており、法令に準拠した機器選定と配置が必要になっている。現在の建築基準法告示では、非常用光源は 「白熱灯」と「蛍光灯」 に限られていたが、「大臣認定制度」を活用することで、LEDタイプ(発光ダイオード)の非常用照明器具の使用が認められるようになっている。しかし、現在の非常用蛍光灯は、ガラス管の蛍光灯などが主流になっている。
【0004】
特許文献としては、次のような先行技術が開示されている。なお、先行技術文献では外部スイッチで行うものや、リモコン操作で行うものがある。
特許文献1は、停電時に予備電源を利用して発光する蛍光灯であって、商用電源によって充電可能な蓄電池と、光源ランプを商用電源によって点灯させる第一の点灯状態と、光源ランプを前記蓄電池によって点灯させる第二の点灯状態と、光源ランプを点灯させない消灯状態とを切り替えるスイッチと、スイッチを制御する制御回路とを備えるものであり、これを切り替え操作する。
【0005】
特許文献2は、ランプハウジング5、ランプソケット3、ランプ板6、LEDランプ4、リチウム電池7、回路板11、スイッチ1、充電及び作動インジケーター2からなり、円筒状ランプハウジング5内にランプ板6を設置し、ランプ板6上には複数のLEDランプ4を設置する。さらに、ランプハウジング5側面にはスイッチ1、充電及び作動インジケーター2を設置し、ランプハウジング5内部には回路板11、リチウム電池7を設置し、回路板11上にはDC−DC定電流電源モジュール8、リチウム電池充電モジュール9、スマートモジュール10を備え、ランプハウジング5両端にはランプソケット3を設置する。停電時には、電源を電池に切り替えて照明し、また、必要に応じてランプソケットから外して携帯使用可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−76131号公報
【特許文献2】実用新案登録第3172228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の非常用蛍光灯は非常用電池を使用して光源ランプの状態を検査することができる。しかしながら、従来の非常用蛍光灯では外部スイッチやモニターランプが非常用蛍光灯の外部に配置されるために(光源ランプの照射を妨げる位置に配置されるために)光源ランプの蛍光状態を確認できない部分が生じていた。そして、外部スイッチは口金ソケットと接続端子を介して外部の商用電源と接続されるとともに、内部の回路基板と接続されるが、これを含めた取り付けや取り外しが容易なものではなかった。
また、従来の非常用蛍光灯では外部の商用電源と接続された蛍光状態と、非常用電池を使用した光源ランプの蛍光状態の区別がなく同じ蛍光状態であるために、外部スイッチで非常用電池が作動して蛍光状態になるかどうかを検査するときに、いずれの状態であるかを確認することができない状況であった
さらに、火災などの非常時に点灯するかどうかの点検は、従来は器具本体(ベース灯具)の紐の操作で行われるものが多いが、先行技術文献では外部スイッチで行うものや、リモコン操作で行うものがある。しかしながら、一般に天井に取付けられる器具本体(ベース灯具)から外して非常用照明として使用するときには、本体の紐の操作や、器具本体へのリモコン操作では役に立たない。この点、先行技術文献の外部スイッチでは、非常用照明の操作が可能であるが、天井等の手の届かない箇所では、操作が行い難いという問題や、外部スイッチに追加機能を操作することが難しいという問題を有していた。そして、現在は大臣認定のもとでLED非常用照明が使用可能になったが、ガラス管を使用した蛍光灯では、外部スイッチがそもそも蛍光灯に直付けできないという問題も有していた。
【0008】
そこで本発明の目的は、外部スイッチの操作が光源ランプの表示状態の確認を妨げるような事態をなくするとともに、非常用電池等の交換を行い易くし、また、非常用電池の接続状態を外部スイッチを介して正確に検査することができるようにする非常用蛍光灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、停電時に光源ランプを点灯するための非常用蓄電池が内蔵されるとともに、搭載されるベース灯具との接続側に口金ソケットが配された非常用蛍光灯において、前記口金ソケットに外部スイッチが設けられているか、又は、前記口金ソケットを切り欠いた位置の蛍光灯に外部スイッチが設けられており、前記光源ランプは停電時の前記非常用蓄電池による蛍光状態と、商用電源による蛍光状態を異ならせ、商用電源が供給されているベース灯具に装着された状態において、前記外部スイッチで商用電源を遮断し、前記非常用蓄電池を作動させて照明状態を検査することを特徴とする非常用蛍光灯である。また、本発明は、停電時に光源ランプを点灯するための非常用蓄電池が内蔵されるとともに、搭載されるベース灯具との接続側に口金ソケットが配された非常用蛍光灯において、前記口金ソケットに外部スイッチが設けられているか、又は、前記口金ソケットを切り欠いた位置の蛍光灯に外部スイッチが設けられており、前記光源ランプは停電時の前記非常用蓄電池による蛍光状態と、商用電源による蛍光状態を異らせ、商用電源が供給されているベース灯具に装着された状態において、前記外部スイッチで商用電源を遮断し、前記非常用蓄電池を作動させて照明状態を検査するものであり、 非常用蓄電池の充電状態を確認するためのモニターランプが設けられて、前記非常用蓄電池の充電状態を表示させるとともに、前記モニターランプは、前記口金ソケットに設けられているか、又は、前記口金ソケットを切り欠いた位置の蛍光灯に設けられていることを特徴とする非常用蛍光灯である
【0010】
本発明によれば、外部スイッチやモニターランプは光源ランプの蛍光状態を妨げる位置には配置されておらず、口金ソケットに直付けするか口金ソケットを切り欠いて形成した位置に配置されているので、光源ランプの蛍光状態が外部スイッチやモニターランプで陰になるようなことがなく、どの位置の光源ランプでもその蛍光状態を正確に検査することができる。そして、ガラス管の蛍光灯などでは、ガラス管に外部スイッチを設けるのではなく、口金ソケットに設けることで、ガラス管の蛍光灯にも適用可能である。
【0011】
本発明としては、前記外部スイッチは、停電時の前記非常用電池による蛍光状態と商用電源による蛍光状態の確認のために使用され、前記光源ランプは、ベース灯具に装着された状態において、停電時の前記非常用電池による蛍光状態と商用電源による蛍光状態では前記ランプの蛍光状態を異ならせることを特徴とする。
本発明によれば、本発明の非常用蛍光灯では外部の商用電源と接続された状態の蛍光状態と、非常用電池を使用した光源ランプの蛍光状態の区別が可能であるために、外部スイッチで非常用電池が作動して蛍光状態になるかどうかを検査するときに、いずれの状態であるかを確認することができる。
【0012】
本発明としては、前記モニターランプは、ベース灯具に装着された状態で、前記非常用電池が満充電であるときと満充電状態ではないときを区別して表示させるとともに、前記光源ランプを前記ベース灯具から取り外すと消灯状態になることを特徴とする。
本発明によれば、満充電であるときと満充電状態ではないときを区別して表示させることができるが、光源ランプを前記ベース灯具から取り外すと消灯状態になることから、モニターランプが発光して光源ランプの蛍光状態の確認を妨げるようなことがなく、蛍光状態を正確に検査することができる。
【0013】
本発明としては、ベース灯具は天井に取り付けられるものであり、外部スイッチは、ベース灯具に装着された状態では、下方に向かって突出する押しボタン方式のスイッチであることを特徴とする。
本発明によれば、押しボタン方式のスイッチであることから、ベース灯具非常用蛍光灯を取り付けた状態においても、棒状の部材を天井の非常用蛍光灯に向かって外部スイッチを押圧することで非常用としての照明状態(蛍光状態)などを検査することも、左右切替スイッチと比較して容易になる
【0014】
本発明としては、前記非常用蛍光灯がLED蛍光灯であり、外部スイッチとモニターランプが表面側カバーに配置され、背面側カバーに前記非常用蓄電池が少なくとも収納された収納ケースに配置され、これらの間にLEDチップが複数配置される構造で、前記収納ケースは口金ソケットを介して挿脱される構造であることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、収納ケースにより非常用電池などの交換が容易になるとともに、光源ランプを介して外部スイッチの操作(押しボタン方式)に影響がないように配置されているので、交換の際などに回路や接続配線に影響ない工夫がされている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外部スイッチやモニターランプで陰になるようなことがなく、どの位置のLEDチップでもその蛍光状態を正確に検査することができる。特に、外部スイッチなどを口金ソケットに設けることで、ガラス管の蛍光灯にもLED(発光ダイオード)の蛍光灯にも適用可能である。また、従来の非常用蛍光灯では外部の商用電源と接続された蛍光状態と、非常用電池を使用した光源ランプの蛍光状態の区別が可能であるために、外部スイッチで非常用電池が作動して蛍光状態になるかどうかを検査するができるとともに、モニターランプが発光して光源ランプの蛍光状態の確認を妨げるようなことがなく、蛍光状態を正確に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明を適用した実施形態の非常用蛍光灯を示す分解斜視図である。
図2】上記実施形態に係る非常用蛍光灯を示す斜視図である。
図3】上記実施形態に係る非常用蛍光灯の例の示す斜視図である。
図4】上記実施形態に係る非常用蛍光灯の回路構成図である。
図5】上記実施形態に係る非常用蛍光灯をベース灯具に取り付けた状態の回路構成図である。
図6】上記実施形態に係る非常用蛍光灯の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明をLEDランプを備えた非常用蛍光灯に適用した実施の形態である。図2には内部構造図であり、図3(a)(b)は外観斜視図である。
本実施形態は、蛍光灯11には、口金ソケット4、LEDランプである光源ランプ2、リチウム電池である直列バッテリー8、制御回路13、外部スイッチ5、モニターランプ12を備える。蛍光灯11の両端には、口金ソケット4を設置して、ベース灯具15に挿入する。蛍光灯11は、表示側カバー11aと背面側カバー11bとから構成されて、円筒状11を呈しており、外部スイッチ5とモニターランプ12は表示側カバー11aに取り付けられている。光源ランプ2は、ランプ板の上に直列方向に並べられており、ランプ固定板を介して装着する。
【0020】
蛍光灯11のランプ板の光源ランプ2によって仕切られた下方に、非常用電池8及び制御回路13が収められている。外部スイッチ5は、合成樹脂製の蛍光灯11の表示側カバー11aに取付けられ、表示側カバー11aの外側から操作可能な押し釦式である。外部スイッチ5の操作で、蛍光灯11をベース灯具15から取外した時に非常用電池8によって光源ランプ2を発光させるが、本実施の形態では、ベース灯具から取り外したときに所定時間照明すると、電圧状態を検査して消灯するようにすることも可能である。また、蛍光灯11には、直付けでモニターランプ12が外部スイッチ5の近傍に備えられている。モニターランプ12は、非常用電池8が満充電であるときは緑色に発光し、非常用電池8が満充電に満たないときは赤色に発光し、蛍光灯1をベース灯具15から取外した時には消灯状態になる。そして、外部スイッチ5とモニターランプ12は、口金ソケット4を切り欠いた位置の非常用蛍光灯11に直付けで設けられている。
すなわち、外部スイッチ5とモニターランプ12は、非常用蛍光灯11に形成された小孔5a,12aを介して、外部スイッチ等の端子部を小孔5a,12aに差し込んで、内部配線で外部端子や、非常用電池19、或いは、AC−DC非常用駆動電源(切り替え回路)25と接続されている。なお、第2の実施の形態のように、外部スイッチ5やモニターランプ12を口金ソケット4に設ける構成にすることも可能である。
【0021】
また、蛍光灯の内部には収納ケース9が配置されている。収納ケース9は、非常用電池8などの交換を容易にするものであり、光源ランプ2を介して背面側カバー11bに収まるように構成されている。このため、外部スイッチ5の影響を受けない位置に配置されている。また、収納ケース9には口金ソケット4側に緩衝板10が取付けられてビスを介して止めることができ、収納ケース9の位置がずれないようになっている(図2)。このような収納ケース9には、少なくとも非常用電池8などの交換を容易にするものであるが、その他、駆動用電源3などを収納した別の収納ケース9を用意して反対側から挿脱させる構造にすることができきる。
【0022】
図4は、本発明の蛍光灯の回路構成図である。図5は、蛍光灯をベース灯具15に装着した時の回路図である。
本実施の形態の回路構成としては、外部の商用電源からの電流を整流してLEDチップ基盤13の作動電圧に調整する正常点灯用駆動電源AC−DC25と、外部の商用電源から内蔵バッテリーへの充電電流を制御する非常点灯用駆動電源AC−DC20と、外部の商用電源の有無を検出して内部電源との切換を制御する集積回路であるMCU(Micro Control Unit)23と充電管理ユニット24を備え、非常点灯用駆動電源AC−DC20は外部端子Nに接続した外部スイッチ5を介し外部端子L,Nに接続され、正常点灯用駆動電源AC−DC25の一端が外部端子Lに接続され、他端が外部スイッチ5を介し外部端子Nに接続され非常用電池8は、充電状態を表示するモニターランプ12と接続された非常点灯用駆動電源AC−DC20と充電管理ユニット24に接続されるとともに、DC−DC昇圧LED定電流駆動ユニット18を介してLEDチップ基盤13と接続されている。ここで、本実施の回路構成では、点灯時の電圧をMCU23でチェックして、照明状態を検査したり、所定領域では消灯するようにすることも可能である。
そして、図5に示すように、非常用蛍光灯11がベース灯具15に搭載されると、壁スイッチKsに接続され、壁スイッチKsによって天井等に取付けられたベース灯具15に搭載された状態で光源ランプ2の照明の操作が可能になる。本実施の形態の外部スイッチ5は、ベース灯具15が天井に取り付けられると、下方に向かって突出する押しボタン方式であるから、手が届かなくとも、棒状の部材で押すと、非常用等の検査(蛍光状態の検査)が容易に行える。
【0023】
本実施の形態は、上記構成よりなり、商用電源がある時には、正常点灯駆動電源25により、商用源からの給電を自動的に受けるように電源を選択して給電を受ける。停電時には、MCU23が停電状態を検知すると、非常用電池8の電源に切り替えてLEDチップ(光源ランプ)2に給電し、外部の商用電源から非常用電池への切換えを行う。
【0024】
また、ベース灯具15から蛍光灯11を取り外した時には、内蔵電源をONにし、非常用電池8の電力を光源ランプ2に供給して非常用として発光させるとともに、光源ランプ2の蛍光状態を検査する。非常用照明の回路構成は、主幹の二次側が停電した時点で点灯する。非常用電池8はベース灯具15を介して商用電源から充電される。なお、照明器具の回路と同一にすることで、照明回路が停電した際に非常用照明が点灯することができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明をガラス管の非常用蛍光灯に適用した実施の形態である。ガラス管の蛍光灯では、合成樹脂製のLED蛍光灯とは異なり、蛍光灯に直付けで外部スイッチを取り付けることは好ましくない。このため、口金ソケット4を介して外部スイッチ5が設けられている。この場合、消防法の規定によれば、ガラス管の使用が義務付けつけられるためには、LEDの外周にガラス管を配置する構造の非常用蛍光灯が考えられる。そして、このLEDの外周にガラス管に配される口金ソケットに外部スイッチ5やモニターランプ12を取り付ける。
【0026】
ところで、従来のガラス管の蛍光灯では、蛍光灯を長時間使用すると、水銀がランプの最冷部に集まる性質をもっているため生じる現象等で、黒褐色の状態が現れる。黒化現象と呼ばれるもので、点灯中エミッターの蒸発により発生する場合や、微量のガスと水銀が化合したことや、灯の中には不活性ガスとともに水銀ガスが封入されており、管の内面には紫外線に反応して発光する蛍光物質が塗布されているが、これが反応して生じるものである。
【0027】
これに対して、本発明では、このような現象が生じる位置には外部スイッチ5もモニターランプ12も配置されていないので、これらを現象に正確に認識することができることになる。すなわち、本発明は、従来のガラス管の蛍光灯にも適用でき、外部スイッチ5やモニターランプ12を口金ソケット4に設けることで、LED蛍光灯等にも、従来のガラス管の蛍光灯にも、そしてLED蛍光灯にガラス管を覆う実施の形態でも適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 非常用蛍光灯、
2 光源ランプ、
4 口金ソケット、
5 外部スイッチ、
8 非常用電池(内蔵バッテリー)、
9 収納ケース、
11 蛍光灯、11a 表示側カバー、11b 背面側カバー、
12 モニターランプ、
13 回路基盤(チップ基盤)、
15 ベース灯具、
18 定電流電源回路(LED定電流駆動ユニット)、
20 非常用駆動電源(切り替え回路)、
25 正常点灯用駆動電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6