(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1を用いて実施の形態1にかかる管理装置10の構成例について説明する。管理装置10は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
【0013】
管理装置10は、改札制御部11及び発光制御部12を有している。改札制御部11及び発光制御部12等の管理装置10の構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実施することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、管理装置10の構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0014】
改札制御部11は、施設内と施設外との間の通行を制限する複数の自動改札機のうち、通行可能方向を切り替える少なくとも1つの自動改札機を決定する。施設とは、例えば、テーマパーク、スポーツ施設、もしくは飲食店等の商業施設であってもよく、駅のホーム等の公共施設であってもよい。通行を制限する自動改札機とは、施設内へ入場する際、もしくは、施設外へ退場する際に、利用客の認証を実施する装置であってもよい。利用客の認証は、利用客が保持するカードもしくはスマートフォン等の通信端末を用いた認証であってもよく、利用者の顔もしくは体の一部の画像データを用いる画像認証等であってもよい。
【0015】
通行可能方向を切り替えるとは、例えば、施設内から施設外へ退場する方向への通行に利用されている自動改札機が、施設外から施設内へ入場する方向への通行に利用されるように切り替えられることであってもよい。
【0016】
発光制御部12は、切り替え対象として決定された自動改札機の通行可能方向を施設外へ退場する方向へ切り替える前に、切り替え対象の自動改札機へ向かう動線上に配置された発光素子であって、施設外に配置された発光素子を発光させる。また、発光制御部12は、切り替え対象として決定された自動改札機の通行可能方向を施設内へ入場する方向へ切り替える前に、切り替え対象の自動改札機へ向かう動線上に配置された発光素子であって、施設内に配置された発光素子を発光させる。
【0017】
施設外もしくは施設内の動線とは、利用客が自動改札機へ向かう際の経路であってもよい。発光素子は、発光している状態と発光していない状態とを切り替えることができる素子であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の電球であってもよい。
【0018】
発光素子が動線上に配置されるとは、例えば、床に、発光状態を視認できるように発光素子が埋め込まれることであってもよい。また、動線上には、複数の発光素子が配置されてもよい。発光制御部12は、一つ一つの発光素子の発光を制御してもよく、複数の発光素子を一つのグループとして管理し、グループ毎の発光を制御してもよい。
【0019】
自動改札機の通行可能方向を施設外へ退場する方向から施設内へ入場する方向へ切り替える場合、施設内においてその自動改札機へ向かう動線上の発光素子を発光させることによって、利用客は、その自動改札機が切り替え対象であることを認識することができる。つまり、切り替え対象の自動改札機から施設外へ退場しようとしている利用客は、切り替え対象ではない自動改札機を選択して、施設外へ退場することができる。つまり、施設内において切り替え対象の自動改札機へ向かう動線上の発光素子を発光させることによって、切り替え対象の自動改札機へ向かう利用客に対して、他の自動改札機へ向かわせることを促すことができる。自動改札機の通行可能方向を施設内へ入場する方向から施設外へ退場する方向へ切り替える場合についても同様の効果を得ることができる。
【0020】
以上説明したように、管理装置10を用いることによって、切り替え対象の自動改札機へ向かう利用客を他の自動改札機へ向かわせることを促すことができる。その結果、自動改札機を通過しようとする人の通行を妨げることなく円滑に自動改札機の通行可能な方向を切り替えることができる。
【0021】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて実施の形態2にかかる自動改札機制御システムの構成例について説明する。自動改札機制御システムは、管理装置20、監視カメラ30、自動改札機40、及びLED50を有している。管理装置20は、
図1の管理装置10に相当する。
図2においては、監視カメラ30、自動改札機40、及びLED50がそれぞれ1台ずつ示されているが、それぞれが複数台であってもよい。管理装置20、監視カメラ30、自動改札機40、及びLED50は、例えば、IPネットワークを介して通信する。言い換えると、管理装置20、監視カメラ30、自動改札機40、及びLED50は、LAN(Local Area Network)を構築してもよい。もしくは、管理装置20は、LANを構築する監視カメラ30、自動改札機40、及びLED50と、インターネットを介して通信してもよい。
【0022】
監視カメラ30は、複数の自動改札機の周辺を撮影する。例えば、監視カメラ30は、駅のホームへ入場する人と駅のホームから退場する人の通行を制限する複数の自動改札機の周辺を撮影する。複数の自動改札機の周辺とは、複数の自動改札機を含む、所定のエリアもしくは領域と言い換えられてもよい。監視カメラ30は、複数の自動改札機の周辺を撮影した映像データを管理装置20へ送信する。映像データは、動画データであってもよく静止画データであってもよい。
【0023】
自動改札機40は、管理装置20の制御に応じて駅のホームへ入場するために用いられる入場用改札と、駅のホームから退場するために用いられる退場用改札とに切り替えられる。例えば、自動改札機40は、管理装置20から受信する切り替えに関する指示メッセージに応じて、入場用改札と退場用改札とを切り替える。
【0024】
LED50は、床に配置されており、管理装置20の制御に応じて発光状態と非発光状態とが切り替えられる。LED50は、管理装置20から受信する切り替えに関する指示メッセージに応じて、発光状態と非発光状態とを切り替える。管理装置20は、発光素子の発光状態と非発光状態とを切り替えるたびに指示メッセージを送ってもよい。もしくは、管理装置20は、最初に送信した指示メッセージに、発光状態と非発光状態とを切り替えるタイミングに関する情報を含め、発光素子は、指示メッセージに含まれるタイミングに従って発光状態と非発光状態とを切り替えてもよい。
【0025】
続いて、管理装置20の構成例について説明する。管理装置20は、画像取得部21、行列判定部22、演算部23、LED制御部24、改札制御部25、切替実行部26、及びデータベース27を有している。管理装置20を構成する構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実施することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、管理装置20の構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0026】
画像取得部21は、監視カメラ30から送信された映像データを受信する。画像取得部21は、取得した映像データを行列判定部22へ出力する。画像取得部21は、エンコードされている映像データをデコードし、デコードした映像データを行列判定部22へ出力してもよい。
【0027】
行列判定部22は、自動改札機の周辺にて待ち行列が発生しているか否かを判定する。ここで、
図3を用いて、監視カメラ30が撮影した映像データについて説明する。
図3には、施設内エリア61、施設外エリア62、自動改札機41〜48、及びゲート41A〜48Aが示されている。また、移行エリア63については後に詳述する。
【0028】
施設内エリア61は、例えば、駅のホームを含むエリアであり、施設外エリア62は、駅のホームを含まないエリアであってもよい。自動改札機41〜48は、ゲート41A〜48Aを通る人の通行可能方向を制御する。人は、ゲート41A〜48Aのいずれかを通過して、駅のホームへ入場もしくは駅のホームから退場する。また、ゲート41A〜48Aに示されている点線の矢印は、通行可能方向を示している。下向きの矢印は、通行可能方向が施設外へ退場する方向であり、上向きの矢印は、通行可能方向が施設内へ入場する方向であることを示している。
図3においては、自動改札機41〜44が、退場用改札として用いられ、自動改札機45〜48が入場用改札として用いられることを示している。
【0029】
また、
図3は、施設内エリア61において、ゲート41A〜44Aから施設外へ退場する人の待ち行列が発生していることを示している。一方、施設外エリア62においては、待ち行列が発生していないことを示している。行列判定部22は、例えば、ゲートに並ぶ人数が、所定の数以上である場合に、待ち行列が発生していると判定してもよい。また、行列判定部22は、移動速度が所定の値以下である人を、ゲートに並ぶ人と認識してもよい。
【0030】
行列判定部22は、
図3に示される映像データを用いて、施設内エリア61に施設外へ退場する人の待ち行列が発生していると判定する。行列判定部22は、映像データの画像内容を解析して、自動改札機に人が並んでいるか否かを認識してもよい。画像内容の解析は、画像処理もしくは画像認識処理と言い換えられてもよい。画像認識処理とは、例えば、行列判定部22が、映像データ内の特徴量を抽出し、抽出した特徴量と、予め管理装置20内のメモリ等に登録された人の特徴量とを照合する。行列判定部22は、抽出した特徴量が、登録された人の特徴量と一致した場合もしくは一致箇所の数が予め定められた値を超えた場合、映像データ内に人が写っていると認識してもよい。
【0031】
また、行列判定部22は、人の数を認識するとともに、人が歩いている方向が、自動改札機へ向かっているか、自動改札機から離れているかを特定してもよい。例えば、行列判定部22は、人の顔が向いている方向を特定することによって、人が歩いている方向を特定してもよい。具体的には、行列判定部22は、人の顔が自動改札機の方向を向いている場合、自動改札機へ向かっていると判定し、人の顔が自動改札機と異なる方向を向いている場合、自動改札機から離れていると判定してもよい。
【0032】
行列判定部22は、待ち行列が発生しているか否かに関する情報を演算部23へ出力する。さらに、行列判定部22は、待ち行列に並んでいる人の数に関する情報を演算部23へ出力してもよい。さらに、施設内エリア61において自動改札機へ向かっている人の数及び施設外エリア62において自動改札機へ向かっている人の数を特定し、人の数に関する情報を演算部23へ出力してもよい。
【0033】
演算部23は、施設内エリア61において自動改札機を利用しようとしている人の数と施設外エリア62において自動改札機を利用しようとしている人の数との比率を算出する。自動改札機を利用しようとしている人の数には、待ち行列に並んでいる人の数を含んでもよい。さらに、自動改札機を利用しようとしている人の数には、待ち行列に並んでいる人以外であって、自動改札機へ向かっている人の数も含まれてもよい。もしくは、演算部23は、施設内エリア61において自動改札機へ向かっている人の数と施設外エリア62において自動改札機へ向かっている人の数との比率を算出してもよい。
【0034】
さらに、演算部23は、入場用改札として用いられている自動改札機の数と出場用改札として用いられている自動改札機の数との比率を算出する。演算部23は、人の数の比率と自動改札機の数の比率とが実質的に等しくなるように、入場用改札から出場用改札、もしくは出場用改札から入場用改札へ切り替える自動改札機の数を決定する。人の数の比率と自動改札機の数の比率とが実質的に等しいとは、人の数の比率と自動改札機の数の比率との差異が、所定の範囲内である場合も含む。演算部23は、切り替える自動改札機の数に関する情報を改札制御部25へ出力する。
【0035】
また、演算部23は、待ち行列が発生していないことを示す情報を受け取った場合、データベース27において管理されている情報を用いて、入場用改札から出場用改札、もしくは出場用改札から入場用改札へ切り替える自動改札機の数を決定してもよい。例えば、データベース27には、電車の到着時刻もしくは発車時刻を示す時刻表に関する情報が管理されていてもよい。演算部23は、待ち行列が発生していない場合に、時刻表に関する情報を用いて所定時間以内に電車が到着するか否かを判定してもよい。
【0036】
演算部23は、所定時間以内に電車が到着する場合、自動改札機を通過して駅のホームへ入場する人の数及び自動改札機を通過して駅のホームから退場する人の数を推定する。例えば、データベース27に、過去の電車の乗降客数の推移を管理しておき、演算部23は、データベース27に管理されている情報を用いて所定時間以内に電車が到着した場合の乗降客数を推定してもよい。例えば、演算部23は、電車へ乗る人の数を、自動改札機を通過して駅のホームへ入場する人の数とみなしてもよい。さらに、演算部23は、電車から降りる人の数を、自動改札機を通過して駅のホームから退場する人の数と推定してもよい。
【0037】
演算部23は、自動改札機を通過して駅のホームへ入場すると推定した人の数と自動改札機を通過して駅のホームから退場すると推定した人の数との比率と、自動改札機の数の比率とが実質的に等しくなるように、切り替える自動改札機の数を決定してもよい。
【0038】
改札制御部25は、切り替える自動改札機の数に関する情報を取得すると、切り替え対象の自動改札機を決定する。例えば、改札制御部25は、入場用改札と出場用改札とが隣接している位置の自動改札機から切り替え対象の自動改札機として選択する。例えば、
図3において、入場用改札から出場用改札へ切り替える自動改札機の数が2台である場合、改札制御部25は、出場用改札である自動改札機44に隣接する入場用改札である自動改札機45を、出場用改札へ切り替える自動改札機として選択する。次に、改札制御部25は、出場用改札である自動改札機45に隣接する入場用改札である自動改札機46を、出場用改札へ切り替える自動改札機として選択する。
【0039】
改札制御部25は、切り替える対象として決定した自動改札機に関する情報をLED制御部24及び切替実行部26へ出力する。
【0040】
LED制御部24は、切り替え対象として決定された自動改札機へ向かう動線上に、移行エリア63を設定する。例えば、LED制御部24は、入場用改札として用いられていた自動改札機を出場用改札へ切り替える場合、施設外エリア62において、切り替え対象として決定された自動改札機へ向かう動線上に移行エリア63を設定する。また、LED制御部24は、出場用改札として用いられていた自動改札機を入場用改札へ切り替える場合、施設内エリア61において、切り替え対象として決定された自動改札機へ向かう動線上に移行エリア63を設定する。LED制御部24は、移行エリア63に配置されたLEDに対して、指示メッセージ等を送信し、LEDの発光状態と非発光状態とを切り替える。
【0041】
移行エリア63は、LEDを発光させるエリアである。移行エリア63は、切り替え対象の自動改札機へ向かう人に対して、今向かっている自動改札機とは異なる自動改札機へ向かうように促すために用いられるエリアである。もしくは、移行エリア63は、切り替え対象の自動改札機を人に知らせるために用いられるエリアであってもよい。LED制御部24は、移行エリア63のLEDを発光させる。もしくは、LED制御部24は、移行エリア63のLEDを、他のエリアにおけるLEDと異なる色となるように発光させてもよい。もしくは、LED制御部24は、移行エリア63のLEDを、人を誘導させる方向を示す矢印の形状に発光させてもよい。
【0042】
LED制御部24は、
図3の移行エリア63に示すように、自動改札機と所定の距離離れた位置に移行エリア63を設定してもよい。
図3は、移行エリア63内に人が存在することを示している。また、
図3は、入場用改札として用いられている自動改札機45及び46への動線上に移行エリア63が設定されているため、自動改札機45及び46が切り替え対象であることを示している。例えば、LED制御部24は、自動改札機と10メートル離れた位置に移行エリア63を設定してもよい。
【0043】
さらに、LED制御部24は、
図4に示すように、時間の経過とともに移行エリア63を自動改札機の方向へ拡張してもよい。
図4は、
図3の状態から所定の時間が経過した後の映像データを示している。移行エリア63を拡張するとは、LEDを発光させるエリアを拡張すると言い換えてもよい。例えば、LED制御部24は、秒速1メートル等の所定の速さにて移行エリア63を自動改札機の方向へ拡張してもよい。
図4は、移行エリア63内の人が、移行エリア63の外へ移動したことを示している。
【0044】
LED制御部24は、移行エリア63が自動改札機へ到達した場合、移行エリア63が自動改札機へ到達したことを示す情報を切替実行部26へ出力する。
【0045】
切替実行部26は、LED制御部24から移行エリア63が自動改札機へ到達したことを示す情報を受け取ると、改札制御部25から受け取った切り替える対象として決定された自動改札機の通行可能方向を切り替える。切替実行部26は、切り替える対象として決定された自動改札機へ、切り替えを指示するメッセージを送信する。
図5は、改札制御部25が、自動改札機45及び46を、入場用改札から出場用改札へ切り替えたことを示している。
【0046】
ここで、
図6は、待ち行列が発生しない場合であって、所定時間内に電車が到着する場合における自動改札機の切り替えを示している。演算部23は、駅のホームへ入場すると推定した人の数と駅のホームから退場すると推定した人の数との比率と、自動改札機の数の比率とが実質的に等しくなるように、切り替える自動改札機の数を決定してもよい。
図6は、演算部23における決定に基づいて、改札制御部25が、自動改札機45及び46を入場用改札から出場用改札へ切り替えることを決定したことを示している。
【0047】
図7は、
図6の状態から所定時間経過後に、移行エリア63が自動改札機の方向へ拡張したことを示している。
図8は、
図7の状態から所定時間経過後に、自動改札機45及び46が入場用改札から出場用改札へ切り替えられ、施設内エリア61に施設外エリア62へ退場する人の数が増加していることを示している。
【0048】
続いて、
図9乃至
図11を用いて、待ち行列が発生しない場合であって、所定時間内に電車が到着しない場合における自動改札機の切り替え動作を説明する。
図9は、自動改札機45及び46が入場用改札から出場用改札へ切り替えられた後に、施設内エリア61に発生していた待ち行列が解消したことを示している。この場合、改札制御部25は、演算部23を介して、もしくは、行列判定部22から、待ち行列が発生していないことを示す情報を受け取る。その後、改札制御部25は、自動改札機45及び46を、出場用改札から入場用改札へ切り替えることを決定する。改札制御部25は、切り替える対象の自動改札機に関する情報をLED制御部24及び切替実行部26へ出力する。
【0049】
LED制御部24は、切り替える対象の自動改札機が自動改札機45及び46であることを示す情報を受け取ると、
図10に示すように、施設内エリア61において、自動改札機45及び46へ向かう動線上に移行エリア63を設定する。
図11は、移行エリア63が自動改札機へ到達した後に、切替実行部26が自動改札機45及び46を出場用改札から入場用改札へ切り替えたことを示している。
【0050】
続いて、
図12乃至
図14を用いて管理装置20における自動改札機の切替制御処理について説明する。はじめに、画像取得部21は、監視カメラ30から少なくとも1つの自動改札機40の周辺の映像データを取得する(S11)。次に、行列判定部22は、自動改札機の周辺にて待ち行列が発生しているか否かを判定する(S12)。例えば、行列判定部22は、映像データ内に存在する人を認識し、さらに、人の移動速度、移動方向、向いている方向、等から、自動改札機に並んでいる人の数を解析する。行列判定部22は、自動改札機に並んでいる人の数が、予め定められた閾値を超えている場合、待ち行列が発生していると判定してもよい。
【0051】
行列判定部22は、ステップS12において待ち行列が発生していると判定した場合、出場用改札として用いられている自動改札機に待ち行列が発生しているか否かを判定する(S13)。例えば、行列判定部22は、待ち行列が施設内エリア61に発生している場合、出場用改札として用いられている自動改札機に待ち行列が発生していると判定する。または、行列判定部22は、待ち行列に並んでいる人が、出場用改札として用いられている自動改札機の方向を向いている場合、出場用改札として用いられている自動改札機に待ち行列が発生していると判定してもよい。もしくは、待ち行列に並んでいる人が、出場用改札として用いられている自動改札機の方向へ移動している場合、出場用改札として用いられている自動改札機に待ち行列が発生していると判定してもよい。
【0052】
ステップS13において、出場用改札として用いられている自動改札機に待ち行列が発生していると判定された場合、入場用改札から出場用改札へ変更する自動改札機の数を決定する(S14)。例えば、演算部23は、施設内エリア61において自動改札機を利用しようとしている人の数と施設外エリア62において自動改札機を利用しようとしている人の数との比率を算出する。さらに、演算部23は、入場用改札として用いられている自動改札機の数と出場用改札として用いられている自動改札機の数との比率を算出する。演算部23は、人の数の比率と自動改札機の数の比率とが実質的に等しくなるように、入場用改札から出場用改札へ切り替える自動改札機の数を決定する。演算部23は、入場用改札から出場用改札へ変更する自動改札機の数に関する情報を改札制御部25へ出力する。
【0053】
次に、行列判定部22は、施設外エリア62において、入場用改札として用いられている自動改札機へ向かう動線上に人が存在するか否かを判定する(S15)。
【0054】
ステップS15において、施設外エリア62において、入場用改札として用いられている自動改札機へ向かう動線上に人が存在すると判定された場合、ステップS16の処理へ移行する。LED制御部24は、施設外エリア62において、切り替え対象として決定された自動改札機へ向かう動線上に、移行エリア63を設定する(S16)。
【0055】
次に、LED制御部24は、徐々に拡張される移行エリア63が自動改札機へ到達したことを検出、もしくは認識する(S17)。例えば、LED制御部24は、移行エリア63の拡張スピードと、移行エリア63から自動改札機までの距離とから、移行エリア63が自動改札機へ到達するタイミングを判定してもよい。もしくは、LED制御部24は、自動改札機の直前に配置されているLEDに対して、非発光状態から発光状態へ切り替える指示メッセージを送信した場合に、移行エリア63が自動改札機へ到達したことを認識してもよい。
【0056】
次に、切替実行部26は、ステップS17において移行エリア63が自動改札機まで到達したことが検出されると、改札制御部25において決定された切り替え対象の自動改札機を、入場用改札から出場用改札へ切り替える(S18)。ステップS15において、施設外エリア62において、入場用改札として用いられている自動改札機へ向かう動線上に人が存在しないと判定された場合、改札制御部25は、移行エリアを設定することなく、自動改札機を切り替える。また、ステップS17において移行エリア63が自動改札機まで到達したことが検出された場合、切替実行部26は、移行エリア63に人が存在するか否かをさらに判定し、人が存在しない場合に、自動改札機を切り替えてもよい。
【0057】
続いて、ステップS13において、行列判定部22が、入場用改札として用いられている自動改札機に待ち行列が発生していると判定した場合の処理の流れを、
図13に示す。
図13のステップS21乃至S25は、
図12のステップS14乃至S18における出場用改札と入場用改札とが入れ替わった場合の処理が実行されるため、詳細な説明を省略する。
【0058】
続いて、
図12のステップS12において行列判定部22が、自動改札機の周辺にて待ち行列が発生していないと判定した場合の処理の流れについて、
図14を用いて説明する。演算部23は、データベース27において管理されている時刻表を用いて、所定時間以内に電車が到着するか否かを判定する(S31)。演算部23は、ステップS31において、所定時間以内に電車が到着すると判定された場合、ステップS32の処理を実行する。演算部23は、駅のホームへ入場すると推定した人の数と駅のホームから退場すると推定した人の数との比率と、出場用改札及び入場用改札の自動改札機の数の比率とが実質的に等しくなるように、切り替える自動改札機の数を決定する(S32)。
【0059】
次に、演算部23は、入場用改札として用いられている自動改札機を出場用改札へ切り替えるか否かを判定する(S33)。入場用改札として用いられている自動改札機を出場用改札へ変更すると判定された場合、
図12のステップS15以降の処理が実行される。出場用改札として用いられている自動改札機を入場用改札へ変更すると判定された場合、
図13のステップS22以降の処理が実行される。ステップS31において、所定時間以内に電車が到着しないと判定された場合、演算部23は、出場用改札から入場用改札、もしくは、入場用改札から出場用改札、へ切り替えられた自動改札機があるか否かを判定する(S34)。例えば、演算部23は、入場用改札として用いられている自動改札機の数と、出場用改札として用いられている自度改札機の数とが異なる場合に、切り替えられた自動改札機があると判定してもよい。もしくは、演算部23は、出場用改札として用いられる自動改札機の数及び入場用改札として用いられる自動改札機の数の少なくとも一方が予め定められた自動改札機の数と異なる場合に、切り替えられた自動改札機があると判定してもよい。もしくは、演算部23は、出場用改札として用いられる自動改札機の数と入場用改札として用いられる自動改札機の数との比率が、予め定められた比率と異なる場合に、切り替えられた自動改札機があると判定してもよい。
【0060】
演算部23は、ステップS34において、切り替えられた自動改札機があると判定した場合、ステップS33以降の処理を実行し、切り替えられた自動改札機を元に戻す処理を実行する。演算部23は、出場用改札として用いられる自動改札機の数と、入場用改札として用いられる自動改札機の数とが、予め定められた数もしくは比率になるように、切り替える自動改札機の数を決定する。ステップS33以降における「切り替える」との用語は、「切り戻す」と読み替えられてもよい。演算部23は、ステップS34において切り替えられた自動改札機がないと判定した場合、処理を終了する。
【0061】
以上説明したように、管理装置20は、自動改札機へ向かう動線上に配置されたLEDの発光を制御して、自動改札機の利用客に対して自動改札機が切り替わることを通知することができる。これにより、管理装置20は、利用客に対して、切り替え対象の自動改札機以外の自動改札機の利用を促すことができる。その結果、利用客は、切り替え対象ではない自動改札機へ移動方向を切り替えることができる。
【0062】
また、管理装置20は、自動改札機に待ち行列が発生していない場合においても、電車の時刻表を用いることによって、自動改札機の利用客数を推定することができる。これにより、管理装置20は、自動改札機に待ち行列が発生する前に、自動改札機の切り替えを実行することができる。その結果、例えば、自動改札機の待ち行列を検出してから自動改札機の切り替え制御が実行される場合と比較して、管理装置20は、電車から降車した利用客が、自動改札機の待ち行列に加わる可能性を低くすることができる。もしくは、自動改札機の待ち行列を検出してから自動改札機の切り替え制御が実行される場合と比較して、管理装置20は、待ち行列に並ぶ時間を減少させることができる。
【0063】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0064】
続いて以下では、上述の実施形態で説明された、管理装置10及び管理装置20(以下、管理装置10等とする)の構成例について説明する。
【0065】
図15は、管理装置10等の構成例を示すブロック図である。
図15を参照すると、管理装置10等は、ネットワーク・インターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワーク・インターフェース1201は、通信システムを構成する他のネットワークノード装置と通信するために使用される。ネットワーク・インターフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。もしくは、ネットワーク・インターフェース1201は、無線通信を行うために使用されてもよい。例えば、ネットワーク・インターフェース1201は、無線LAN通信、もしくは3GPP(3rd Generation Partnership Project)において規定されたモバイル通信を行うために使用されてもよい。
【0066】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてシーケンス図及びフローチャートを用いて説明された管理装置10等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0067】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0068】
図15の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された管理装置10等の処理を行うことができる。
【0069】
図15を用いて説明したように、管理装置10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0070】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリを含む。磁気記録媒体は、例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブであってもよい。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)であってもよい。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0071】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0072】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
施設内と施設外との間の通行を制限する複数の自動改札機のうち、通行可能方向を切り替える少なくとも1つの自動改札機を決定する改札制御部と、
切り替え対象として決定された前記自動改札機の通行可能方向を施設外へ退場する方向へ切り替える前に、切り替え対象の前記自動改札機へ向かう動線上に配置された発光素子であって、前記施設外に配置された前記発光素子を発光させる、もしくは、切り替え対象として決定された前記自動改札機の通行可能方向を施設内へ入場する方向へ切り替える前に、切り替え対象の前記自動改札機へ向かう動線上に配置された発光素子であって、前記施設内に配置された前記発光素子を発光させる、発光制御部と、を備える管理装置。
(付記2)
前記発光制御部は、
前記自動改札機から所定の距離離れた位置の発光素子を発光させ、時間の経過とともに前記発光素子を発光させるエリアを、前記自動改札機へ近づくように拡張する、付記1に記載の管理装置。
(付記3)
前記発光素子を発光させるエリアが前記自動改札機へ到達した後に、前記自動改札機の通行可能方向を切り替えさせる切替実行部をさらに備える、付記2に記載の管理装置。
(付記4)
前記発光制御部は、
前記動線上に存在する人を誘導する方向を示す形状に前記発光素子を発光させる、付記1乃至3のいずれか1項に記載の管理装置。
(付記5)
前記改札制御部は、
前記複数の自動改札機の周辺の施設内のエリア及び施設外のエリアを撮影する少なくとも1つの撮像装置が撮影した映像に写る人の数に応じて通行可能方向を切り替える少なくとも1つの自動改札機を決定する、付記1乃至4のいずれか1項に記載の管理装置。
(付記6)
前記改札制御部は、
通行可能方向が施設内へ入場する方向である自動改札機の数と、通行可能方向が施設外へ退場する方向である自動改札機の数との比率が、施設内において前記自動改札機を使用するための列に並んでいる人の数と、施設外において前記自動改札機を使用するための列に並んでいる人の数との比率へ近づくように、通行可能方向を切り替える少なくとも1つの自動改札機を決定する、付記5に記載の管理装置。
(付記7)
前記改札制御部は、
通行可能方向が施設内へ入場する方向である入場方向の自動改札機群と、通行可能方向が施設外へ退場する方向である退場方向の自動改札機群とは、それぞれ順番に並べられており、入場方向の自動改札機群と退場方向の自動改札機群の境界に位置する自動改札機を、通行可能方向を切り替える自動改札機として決定する、付記6に記載の管理装置。
(付記8)
前記改札制御部は、
通行可能方向が施設内へ入場する方向である自動改札機の数と、通行可能方向が施設外へ退場する方向である自動改札機の数との比率が、駅のホームに到着する車両から降りると予測される人の数と、駅のホームへ入場するために用いられる自動改札機を使用するための列に並んでいる人の数との比率へ近づくように、通行可能方向を切り替える少なくとも1つの自動改札機を決定する、付記5に記載の管理装置。
(付記9)
前記改札制御部は、
車両の到着時刻を示す時刻表と、過去の降車客数を測定した測定データとを用いて、駅のホームに到着する車両から降りる人の数を予測する、付記8に記載の管理装置。
(付記10)
施設内と施設外との間の通行を制限する複数の自動改札機のうち、通行可能方向を切り替える少なくとも1つの自動改札機を決定し、
切り替え対象として決定された前記自動改札機の通行可能方向を施設外へ退場する方向へ切り替える前に、切り替え対象の前記自動改札機へ向かう動線上に配置された発光素子であって、前記施設外に配置された前記発光素子を発光させる、もしくは、切り替え対象として決定された前記自動改札機の通行可能方向を施設内へ入場する方向へ切り替える前に、切り替え対象の前記自動改札機へ向かう動線上に配置された発光素子であって、前記施設内に配置された発光素子を発光させる、自動改札機制御方法。
(付記11)
前記発光素子を発光させる際に、
前記自動改札機から所定の距離離れた位置の発光素子を発光させ、時間の経過とともに前記発光素子を発光させるエリアを、前記自動改札機へ近づくように拡張する、付記10に記載の自動改札機制御方法。
(付記12)
前記発光素子を発光させるエリアが前記自動改札機へ到達した後に、前記自動改札機の通行可能方向を切り替える、付記11に記載の自動改札機制御方法。
(付記13)
施設内と施設外との間の通行を制限する複数の自動改札機のうち、通行可能方向を切り替える少なくとも1つの自動改札機を決定し、
切り替え対象として決定された前記自動改札機の通行可能方向を施設外へ退場する方向へ切り替える前に、切り替え対象の前記自動改札機へ向かう動線上に配置された発光素子であって、前記施設外に配置された前記発光素子を発光させる、もしくは、切り替え対象として決定された前記自動改札機の通行可能方向を施設内へ入場する方向へ切り替える前に、切り替え対象の前記自動改札機へ向かう動線上に配置された発光素子であって、前記施設内に配置された発光素子を発光させる、ことをコンピュータに実行させるプログラム。