特許第6927600号(P6927600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6927600操作表示パネル組込ドア装置及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6927600
(24)【登録日】2021年8月10日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】操作表示パネル組込ドア装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/28 20060101AFI20210823BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20210823BHJP
   E05F 15/73 20150101ALI20210823BHJP
   E05F 15/75 20150101ALI20210823BHJP
   E05F 15/79 20150101ALI20210823BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
   E06B7/28 A
   G06F3/0488
   E05F15/73
   E05F15/75
   E05F15/79
   E06B7/28 Z
   E05B49/00 A
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-188241(P2019-188241)
(22)【出願日】2019年10月11日
(65)【公開番号】特開2021-63365(P2021-63365A)
(43)【公開日】2021年4月22日
【審査請求日】2020年7月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518074753
【氏名又は名称】mui Lab株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000822
【氏名又は名称】特許業務法人グローバル知財
(72)【発明者】
【氏名】久保田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宗彦
(72)【発明者】
【氏名】大木 和典
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6150739(JP,B2)
【文献】 特開2016−121451(JP,A)
【文献】 特開2018−155069(JP,A)
【文献】 特許第5066230(JP,B2)
【文献】 特開2018−109314(JP,A)
【文献】 実公平07−032860(JP,Y2)
【文献】 特開2007−271862(JP,A)
【文献】 特開2009−209531(JP,A)
【文献】 特許第5279426(JP,B2)
【文献】 特開2018−062803(JP,A)
【文献】 特許第6549432(JP,B2)
【文献】 特許第6497540(JP,B2)
【文献】 特開2019−190114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/00− 7/28
E05B 1/00−85/28
E05F 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア本体の外周面に組込まれ、表示面にタッチセンサが付けられた表示パネルと、
前記表示パネルの前面全体を被覆し前記ドア本体の外周面に配設された薄層と、
前記表示パネルの前面の薄層上での操作を前記タッチセンサにより入力する入力手段と、
入力した前記タッチセンサの信号を、前記ドア本体の開閉、施錠又は解錠の操作信号として処理し、制御信号を出力する出力手段、
を備え、
前記薄層は、自然由来の木材、天然繊維、天然皮革もしくは天然石材、又は、自然の外観と手触りを模倣して生成された素材である樹脂、合成繊維、合成皮革もしくは人工石から成
前記出力手段は、入力された文字形状を文字情報として認識する手段が更に設けられ、
前記表示パネルの前面の薄層面に対する所定の描画が、文字若しくは図形である場合に、入力された文字若しくは図形の軌跡に基づいて、操作内容を判別する、
ことを特徴とする操作表示パネル組込ドア装置。
【請求項2】
前記出力手段は、入力された前記文字または前記図形の軌跡を、前記表示パネルの表示面上の薄層面に表示することを特徴とする請求項1に記載の操作表示パネル組込ドア装置。
【請求項3】
ドア本体の外周面に組込まれ、表示面にタッチセンサが付けられた表示パネルと、
前記表示パネルの前面全体を被覆し前記ドア本体の外周面に配設された薄層と、
前記表示パネルの前面の薄層上での操作を前記タッチセンサにより入力する入力手段と、
入力した前記タッチセンサの信号を、前記ドア本体の開閉、施錠又は解錠の操作信号として処理し、制御信号を出力する出力手段、
を備え、
前記薄層は、自然由来の木材から成り、
前記出力手段は、前記表示パネルの前面の薄層面における、所定の回数又は所定のリズムの少なくとも何れかに基づいたノック操作を判別し、ドアの制御信号または前記表示パネルの表示信号を出力し、
前記出力手段において、前記ノック操作が判別され、前記制御信号または前記表示信号が出力されると共に、前記薄層を叩く自然なノック音が発生することを特徴とする作表示パネル組込ドア装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記ノック操作の回数又はリズムに基づいて、ユーザ認証を行う認証手段が更に設けられたことを特徴とする請求項に記載の操作表示パネル組込ドア装置。
【請求項5】
前記出力手段は、更に、所定の動作が、前記表示パネルの前面の薄層面上を左右何れかの方向へスライドする場合には、
前記動作後に、前記ドア本体が前記動作の始点から終点の方向に向けて、全開又は全閉状態にさせる制御信号を出力することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の操作表示パネル組込ドア装置。
【請求項6】
前記出力手段は、所定の動作の動作速度を検出する速度検知手段が設けられ、
動作速度に応じてドアの開閉速度の制御信号を出力することを特徴とする請求項に記載の操作表示パネル組込ドア装置。
【請求項7】
前記出力手段は、更に、所定の動作が、前記表示パネルの前面の薄層面上を、所定の直線方向へスライドする場合には、ドアの施錠または解錠の制御信号を出力することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の操作表示パネル組込ドア装置。
【請求項8】
前記入力手段は、前記表示パネルの前面の薄層面に対する接触圧力、接触時間、又は、非接触で該薄層面から所定距離内に検出物の近接の有無、の少なくとも何れかを検知する検知手段が更に設けられることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の操作表示パネル組込ドア装置。
【請求項9】
前記出力手段は、入力された文字形状または図形形状に基づいて、ユーザ認証を行う認証手段が更に設けられたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の操作表示パネル組込ドア装置。
【請求項10】
前記出力手段は、前記入力手段における入力内容に応じて、前記入力を行ったユーザ以外のユーザからのメッセージを前記表示パネル上に表示し得ることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の操作表示パネル組込ドア装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかの操作表示パネル組込ドア装置と、管理サーバと、クライアント端末が、ネットワークを介して接続されデータを送受信するシステムであって、
前記操作表示パネル組込ドア装置に設けられた送信手段は、前記操作表示パネル組込ドア装置において入力された情報を、管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、操作情報をデータベースに保存し、かつ、必要に応じて前記クライアント端末に送信し、
前記クライアント端末は、入力情報を表示し得ることを特徴とする操作表示パネル組込ドアシステム。
【請求項12】
請求項1〜10の何れかの操作表示パネル組込ドア装置と、管理サーバと、クライアント端末が、ネットワークを介して接続されデータを送受信するシステムであって、
前記クライアント端末は、メッセージ情報と入力情報の少なくとも何れかを管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記メッセージ情報と前記入力情報の少なくとも何れかをデータベースに保存し、かつ、必要に応じて前記操作表示パネル組込ドア装置に送信し、
前記操作表示パネル組込ドア装置に設けられた受信手段は、前記メッセージ情報と前記入力情報の少なくとも何れかを受信し、
前記出力手段は、前記メッセージ情報に基づき、前記表示パネルの表示信号を出力し、又は、前記入力情報に基づき、前記ドア本体を駆動させる制御信号を出力することを特徴とする操作表示パネル組込ドアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物又は移動体に設けられるドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルや住居などの建造物や、鉄道等の車両においては、多数のドアが設けられており、それらのドアは、手動又は自動で開閉が行われる。手動での開閉はユーザにとって煩雑であるため、自動での開閉が行われる自動ドア装置が多く利用されているが、自動ドア装置においては、センサにより人の存在を検出してドアの開閉を行うため、ユーザの意思に関わらず開閉してしまうという問題がある。ユーザはドアの前に立ったとしても、開閉を望まない場合もある。そこで、あくまでもユーザの意思に基づく開閉が行われる必要がある。そして、利便性の観点からは、自然な動作により簡単に開閉操作を行うことのできる扉が望ましいといえる。
【0003】
また、例えば、会議室のドアである場合、ドアの向こう側では重要な会議が行われていることもあるため、ドアの開閉は、室内にいる別のユーザの存在に配慮しつつ行われることが望ましい。さらに、室内における事情は外部からは認識できないため、訪れた人に適切な情報を伝達し得ることが好ましいといえる。
【0004】
部屋の使用状態を外部に連絡する技術としては、部屋に入室しようとする者の行為を検出する手段と、部屋内の先の入室者の入室状態を検出する手段と、部屋が使用中である旨を連絡する手段を備える使用状態連絡装置が知られている(特許文献1を参照)。これは、例えば、部屋に入室しようとする者がノックやドアノブを回す行為と、入室者によるドアのロック状態を検出し、音声や表示器へのメッセージ表示により、入室状態を外部に連絡するものであり、これによれば、部屋の使用状態を容易に外部に連絡することができるとする。
しかしながら、例えば、ドアに液晶ディスプレイ等の表示器を設けると装置が大がかりとなり、装置を使用しない場合には視覚的ノイズとなってしまうという問題がある。
また、特許文献1では、表示器に既定のメッセージが表示されるのみであり、ドアの前に訪れた人に必ずしも適切な情報が伝達されるとは限らないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−134594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる状況に鑑みて、本発明は、自然な動作により開閉等の操作ができ、かつ、ドアの内外のユーザ間においてコミュニケーションが図られ、ドアの内側にいるユーザに配慮した開閉等の操作が可能であり、しかも非使用時において視覚的ノイズとならないドア装置及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の操作表示パネル組込ドア装置は、ドア本体の外周面に組込まれたタッチセンサ付き表示パネルと、表示パネル前面全体を被覆しドア本体の外周面に配設された薄層と、表示パネル前面の薄層上での操作をタッチセンサにより入力する入力手段と、入力したタッチセンサの信号を処理し該信号に応じてドア本体を駆動させる制御信号を出力する出力手段を備える。
タッチセンサ付き表示パネルとしては、静電容量方式、電磁誘導方式、又は抵抗膜式などのタッチパネルを利用可能である。入力手段における入力は、指先等の身体の一部を接触又は近接させることにより行うことでもよいし、デジタルペンなどの入力デバイスを用いることでもよい。指先等を近接させる場合には、タッチパネルの表面に対して大凡5cm以内に近づけることが好ましい。
【0008】
薄層は、自然由来の木材、天然繊維、天然皮革もしくは天然石材、又は、自然の外観と手触りを模倣して生成された素材である樹脂、合成繊維、合成皮革もしくは人工石から成る薄層であることが好ましい。ドア本体の外周面に、自然由来の素材又は自然の外観と手触りを模倣して生成された素材を用いることによって、自然な手触り感を実現することができる。特に、自然由来の素材として木材が用いられた場合には、心地よい手触りと温かみのある外観とすることができ、非使用時にはその存在を意識させることがなく、デザイン性の高い装置とすることができる。なお、自然由来の素材として木材が用いられる場合は、光の透過率が高く、しかも見栄えが良いシカモア材が好適に用いられるが、その他の木材でもよい。
【0009】
また、薄層はパネル前面全体を被覆する構成とされるが、ドア本体の外周面全体を覆う必要は無く、例えば、ドア表面のデザインとしてツートンカラーにする、ドア下部に保護や汚れ防止の塗装や金属パネルを組み込むといった構成は可能である。
ドア本体の外周面に組込まれるタッチセンサ付き表示パネルのサイズについては、ドア本体のサイズの範囲内であれば特に制限はなく、用途やコストに応じて様々なサイズを適用可能である。また、ドア本体の構造としては、引き戸や開き戸だけではなく、折れ戸、回転ドアなどを広く含む。
【0010】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、出力手段は、表示パネル前面の薄層面に対する所定場所の接触、所定の描画、所定の動作の何れかにより、タッチセンサの信号を操作信号として信号処理することが好ましい。
ここで、所定の描画には、文字や、記号、図形等の描画内容だけではなく、描画の軌跡も含まれ、これにより、より詳細な操作設定が可能となる。また、所定の動作の例としては、所定場所に接触した状態でスライド入力操作を行うことや、特定の所作やジェスチャーなどが挙げられる。これにより、指先等を用いた自然な動作で、ドアの開閉等の操作を行うことができる。なお、スライド入力操作は、上下、左右だけではなく斜め方向も含む。
【0011】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、信号処理は、タッチセンサの信号を、ドア本体の開閉、施錠、解錠の少なくとも何れかの操作信号として処理することが好ましい。
【0012】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、出力手段は、所定の動作が、表示パネル前面の薄層面上を左右何れかの方向へスライドする場合には、動作後に、ドア本体が動作の始点から終点の方向に向けて、全開又は全閉状態にさせる制御信号を出力することでもよい。これにより、左右方向へのスライド入力操作という指先等を用いた自然な動作で、ドアの開閉等の操作を容易に行うことができる。
【0013】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、出力手段は、所定の動作の動作速度を検出する速度検知手段が設けられ、動作速度に応じてドアの開閉速度の制御信号を出力することが好ましい。
速度検知手段が設けられることにより、例えば、スライド入力操作が、左右何れかの方向への所定速度を超える速度でのスライド入力操作である場合には、操作後にドアは、操作の始点から終点の方向に向けて、全開又は全閉状態となり、左右何れかの方向への所定範囲内の速度でのスライド入力操作である場合には、タッチセンサ付き表示パネル前面に当接するように配設された薄層に接触若しくは近接した、身体の一部又は入力デバイスの入力部の動きに追従してドア本体が開閉するとすることができる。
【0014】
このように、スライド入力操作を行うスピードの違いによって、操作内容を変えることにより、ユーザの意図に沿った操作を簡単に行うことができる。例えば、左から右に開く引き戸の場合、ドア本体の表面上に指先を当てて、左から右に素早くスライドすることで、公知の自動ドア装置のように、一定速度で自動的に全開状態となるように操作することができる。また、ドア本体の表面上に指先を当てて、左から右にゆっくりとスライドすることで、あたかもドアの取っ手を把持して開くかのように、ゆっくりとドアを開くことができる。
身体の一部又は入力デバイスの入力部の動きに追従するとは、指先等の動きを入力手段においてリアルタイムに検出して、指先等がドア本体の表面上に触れる位置が変わらないように、駆動手段によるドアの移動を、制御手段において制御することを意味する。なお、入力手段において指先等の動きを検出する際には、指先等の位置や移動速度の検出の完了を待って、追従を開始することでもよい。
【0015】
また、大型のドアを開く場合は、腕のストロークを超えた幅をスライドさせる必要があったり、より容易に開閉したりするために、指先の移動量に対してドアの移動量の倍率や、加速の閾値を設定できる構成としてもよい。
【0016】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、出力手段は、所定の動作が、表示パネル前面の薄層面上を、所定の直線方向へスライドする場合には、ドアの施錠または解錠の制御信号を出力することでもよい。例えば、下から上へのスライド入力操作を解錠、上から下へのスライド入力操作を施錠といったように、設定することで、ユーザが直感的に操作することができる。
【0017】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、入力手段は、表示パネル前面の薄層面に対する接触圧力、接触面積、接触時間、又は、非接触で該薄層面から所定距離内に検出物の近接の有無の少なくとも何れかを検知する検知手段が更に設けられることでもよい。検知手段としては、公知の圧力センサや、ピエゾマイクロフォンなどを用いることができる。
【0018】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、出力手段は、表示パネル前面の薄層面における、所定の回数又は所定のリズムの少なくとも何れかに基づいたノック操作を判別し、ドアの駆動信号または表示パネルの表示信号を出力することでもよい。
一般に、訪問先を訪れた人は、室内にいる人に対する合図としてドアをノックすることが多い。そこで、ノック操作により開閉等の操作を可能とすることで、自然な動作で開閉等の操作を行うことができる。ドアの前に訪れる人に予めノックの回数を伝えておくことで、訪問者自身による解錠を可能とするといった利用ができる。所定の回数とは、操作内容によって異なるものとしてもよいし、後述する認証手段と併用して、ユーザ毎に異なる回数を設定してもよい。
また、ドア本体の外周面には、自然由来の素材又は自然の外観と手触りを模倣して生成された素材を用いることができるため、例えば、自然由来の素材として木材が用いられている場合には、ノックの際に、実際の木材を叩く音が発生し、ユーザは、より自然なノックの音を聴くことができることとなる。
【0019】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、出力手段は、入力された文字形状を文字情報として認識する手段が更に設けられ、表示パネル前面の薄層面に対する所定の描画が、文字若しくは図形である場合に、入力された文字若しくは図形の形状と、軌跡の少なくとも何れかに基づいて、操作内容を判別することでもよい。
文字形状を文字情報として認識する手段が設けられることにより、操作内容の判別が容易となる。また、表示された際に文字として見やすくなり、記憶する際のデータ量を削減することもできる。これにより、操作表示パネルに再度入力内容を表示する、管理サーバのデータベースに保存する、スマートフォン、PC等の端末にメッセージ等を送信するといった際の利便性が向上する。
【0020】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、出力手段は、入力された文字形状または図形形状に基づいて、ユーザ認証を行う認証手段が更に設けられたことでもよい。ユーザ認証に用いられる入力された文字形状または図形形状とは、手書き入力操作における筆跡やその軌跡等であり、認証手段が設けられることにより、より安全性の高い装置とすることができる。ここでは、更にノック操作の回数やリズムをユーザ認証に用いてもよい。
【0021】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置において、出力手段は、入力手段における入力内容に応じて、入力を行ったユーザ以外のユーザからのメッセージを表示パネル上に表示し得ることでもよい。例えば、重要な会議を行っているときに、あるユーザが外部からドアの開放操作を行おうとした場合には、現在会議中である旨のメッセージを表示パネル上に表示して、開放操作を行おうとしたユーザに室内の状況を伝えることが可能となる。
また、ドアの開閉等の操作を行わない間は、メッセージを表示しないとすることで、通常時には視覚的ノイズとならず、必要に応じて、ドアの外側にいるユーザに内側の状況を伝達することができる。メッセージは特定のユーザへ向けたものと、不特定多数のユーザへ向けたものを選択して設定できることでもよい。なお、ドアが施錠されていることを条件として、既定のメッセージを選択し表示できる構成としてもよい。
【0022】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置は、外部デバイスと通信する手段を更に備えたことが好ましい。通信手段としては、例えば、近距離無線通信(NFC)やBluetooth(登録商標)を用いることができる。また、有線での通信を行う外部インターフェースを備えることでもよい。
【0023】
本発明の操作表示パネル組込ドアシステムは、上記の何れかの操作表示パネル組込ドア装置と、管理サーバと、クライアント端末が、ネットワークを介して接続されデータを送受信するシステムであって、操作表示パネル組込ドア装置に設けられた送信手段は、操作表示パネル組込ドア装置において入力された情報を、管理サーバに送信し、管理サーバは、操作情報をデータベースに保存し、かつ、必要に応じてクライアント端末に送信し、クライアント端末は、入力情報を表示し得る。
かかる構成とされることにより、操作表示パネル組込ドア装置における入力情報をクライアント端末上で確認することが可能となる。なお、管理サーバは、複数の操作表示パネル組込ドア装置や複数のクライアント端末を管理することが可能である。
【0024】
本発明の操作表示パネル組込ドアシステムは、上記の何れかの操作表示パネル組込ドア装置と、管理サーバと、クライアント端末が、ネットワークを介して接続されデータを送受信するシステムであって、クライアント端末は、メッセージ情報と入力情報の少なくとも何れかを管理サーバに送信し、管理サーバは、メッセージ情報と入力情報の少なくとも何れかをデータベースに保存し、かつ、必要に応じて操作表示パネル組込ドア装置に送信し、操作表示パネル組込ドア装置に設けられた受信手段は、メッセージ情報と入力情報の少なくとも何れかを受信し、出力手段は、メッセージ情報に基づき、表示パネルの表示信号を出力し、又は、入力情報に基づき、ドア本体を駆動させる制御信号を出力する。
かかる構成とされることにより、ユーザはクライアント端末を使用して、遠隔地に存在する操作表示パネル組込ドア装置に設けられた表示パネル上にメッセージを表示し、又は遠隔地から施錠若しくは解錠等の操作を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の操作表示パネル組込ドア装置及びシステムによれば、自然な動作により開閉等の操作ができ、かつ、ドアの内外のユーザ間においてコミュニケーションが図られ、ドアの内側にいるユーザに配慮した開閉等の操作が可能であり、しかも非使用時において視覚的ノイズとならないといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の機能ブロック図
図2】実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の外観図
図3】実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の開閉フロー図
図4】実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の入力説明図
図5】実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図1
図6】実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図2
図7】実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図3
図8】実施例2の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図
図9】実施例3の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図
図10】実施例4の操作表示パネル組込ドアシステムの機能ブロック図
図11】実施例4の操作表示パネル組込ドアシステムのシステム構成図
図12】その他の実施例の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図
図13】操作表示パネルユニットの構成イメージ図
図14】操作表示パネルユニットの断面模式図
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【実施例1】
【0028】
図1は、実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の機能ブロック図を示している。操作表示パネル組込ドア装置10は、ドア本体2及び図示しない枠部で構成される。図1に示すように、ドア本体2は、操作表示パネルユニット1及び駆動手段21を備える。操作表示パネルユニット1は、入力手段41、認証手段42、文字情報認識手段43、制御手段44、表示手段45及び外部I/F50を備える。図示しないが、認証手段42、文字情報認識手段43、制御手段44及び表示手段45は、出力手段を構成している。
操作表示パネルユニット1では、入力手段41においてドア本体2の開閉、施錠若しくは解錠等の操作を行うための入力を行う。入力手段41において入力された操作情報は、制御手段44により制御され、駆動手段21によりドア本体2の開閉等がなされる。外部I/F50としては、近距離無線通信(NFC)やBluetooth(登録商標)などの技術を用いることが可能である。
【0029】
入力手段41において入力された操作情報は、認証手段42において筆跡などによるユーザの認証を行うことができ、制御手段44は、ユーザ認証が行われたことを条件としてドア本体2の開閉等がなされる制御を行うことでもよい。
入力手段41において入力された操作情報は、文字情報認識手段43において文字認識を行うことができ、認識された文字情報を基に、制御手段44がドア本体2の開閉等がなされる制御を行うことでもよい。また、認識された文字情報を基に、更に認証手段42によりユーザ認証を行い、制御手段44は、ユーザ認証が行われたことを条件としてドア本体2の開閉等がなされる制御を行うことでもよい。
【0030】
表示手段45は、入力手段41により入力されたメッセージ等を表示することができる。また、外部I/F50を通じて受信したメッセージ等を表示することも可能である。
入力手段41は、速度検知手段46及び圧力検知手段47を備える。速度検知手段46は、ユーザがスライド入力操作を行った際のスライド入力の速度を検出し、検出された速度情報を基に、制御手段44は、開閉等の速度等を調整する。また、圧力検知手段47は、ユーザがノック操作等を行った際のタッチパネル上の圧力を検出し、検出された圧力情報を基に、制御手段44はドア本体2の開閉、施錠若しくは解錠等を行う。
外部I/F50は、クライアント端末(図示せず)等との通信に用いられる。
【0031】
図2は、実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の外観図を示している。図2に示すように、操作表示パネル組込ドア装置10は、ドア本体2及び枠部3で構成される引き戸であり、孔部を有する壁部8に取り付けられている。また、ドア本体2には、操作表示パネルユニット1が設けられ、タッチパネル11に触れることで開閉等の操作が可能となっている。操作表示パネルユニット1は、ドア本体2の中段よりやや上の位置に設けられているが、かかる位置には限定されず、当該ドアを使用する対象ユーザに合わせて設計可能である。例えば、小学校や介護施設などに設置する場合には、子どもの身長や、車椅子を利用する被介護者の腕の位置に合わせて、実施例1の操作表示パネル組込ドア装置10の場合よりも低い位置に操作表示パネルユニット1を配置してもよい。
ドア本体2は、枠部3が設けられる範囲で、矢印9aに示すように、左右に摺動して開閉が行われる構造である。図2に示す状態では、ドア本体2は閉鎖状態であり、ドア本体2が右方へと移動することで開放状態となる。
【0032】
ここで、操作表示パネルユニット1の構造について説明する。図13は、操作表示パネルユニットの構成イメージ図を示している。図13に示すように、操作表示パネルユニット1は、薄層としての突板12、透明基材13、透明導電性シートとしてタッチパネルシート14、ライトガイド15及び発光素子アレイとしてLEDアレイ16から構成され、それぞれ上から順に積層されている。突板12は、操作表示パネルユニット1の外表面に位置し、LEDアレイ16はユニット内部に位置するように構成される。突板12には、光の透過率が高く、しかも見栄えが良いシカモア材が用いられている。
LEDアレイ16には多数のLED光源17が2次元に配列されている。ライトガイド15は、各LED光源17の光の射出方向をLEDアレイ16の基板と垂直方向に導くものであり、LED光源17の個数と同じガイド孔15aが設けられている。
【0033】
図10においては、説明の都合上、全てのLED光源を図示していないが、例えば、縦32個、横200個の計6400個のLED光源でLEDアレイ16が構成される。1つのLED光源は平面実装タイプのLEDで構成される。1つのLED光源の光で点光源を実現し、これを1ドットと見て、8×8ドット、或は、16×16ドットで1つの文字や図柄を表現することができる。なお、1つの文字や図柄を表現するドット数は特に限定されるものではなく、10×10ドット、32×32ドットで1つの文字や図柄を表現しても構わない。例えば、6400個のLED光源を有するLEDアレイ6の場合、22文字×3行の文章を表現させることができる。ここで、LED光源は、例えば、2mm×2mmのサイズで、700〜1000mcd(ミリカンデラ)のものを用いる。なお上記構成と異なり、例えば、ドア表面全体を覆う構成としてもよい。
ライトガイド15は、LED光源17から発せられる光で構成される文字や図柄を、突板12を通して鮮明に視認させる役割を担っている。すなわち、LEDアレイ16の上にライトガイド15が積層された際に、各LED光源17の直上にガイド孔15aが配置されるように、LED光源17の配置に合わせて、多数のガイド孔15aが設けられている。
【0034】
次に、操作表示パネルユニット1の組み立て後の構造について図14を参照しながら説明する。図14は、操作表示パネルユニットの断面模式図を示している。図14に示すように、操作表示パネルユニット1において、突板12、透明基材13、タッチパネルシート14、ライトガイド15及びLEDアレイ16は、筐体18によって、上から順に積層された状態で接着されている。LEDアレイ16上に設けられたLED光源17から発せられた光の内、斜めに発せられた光(19b,19c)は、ライトガイド15によって遮られ、光19aのように真っ直ぐな光として、突板12に届くこととなる。なお、筐体18は、主にABS樹脂で形成されている。
突板12と透明基材13、又は、透明基材13とタッチパネルシート14は、間隙を設けることなく、貼り合わされている。これに対して、タッチパネルシート14とライトガイド15の間には、ギャップGが設けられている。これは、ライトガイド15にはガイド孔15aが設けられているため、タッチパネルシート14とライトガイド15を接着すると、タッチパネルを操作した際に、応力にばらつきが生じ、誤作動の原因となるためである。
【0035】
また、ライトガイド15とLED光源17の間にも、ギャップGが設けられている。LEDアレイ16に設けられるLED光源17や、ライトガイド15に設けられるガイド孔15aの数は、数千個にも及ぶことから、ライトガイド15とLEDアレイ16を積層した場合に、配置の誤差が生じる可能性がある。誤差が生じた状態で、ライトガイド15とLEDアレイ16を接着すると、LED光源17から発せられた光がガイド孔15aに通らず、正確な表示がなされないこととなる。そこでギャップGを設けることにより、LED光源17とガイド孔15aの配置の誤差による表示品質の低下を防止することができる。また、多少の誤差があっても表示品質が保たれるため、製造が容易となる。
【0036】
図3は、実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の開閉フロー図を示している。図3に示すように、操作表示パネル組込ドア装置10におけるドア本体2を開閉する場合は、まず、タッチパネル11上を指先等でスライドして入力操作を行う(ステップS01)。スライド入力が開始されると、入力手段41に設けられた速度検知手段46により、タッチパネル11上をスライドする指先等の速度が検出される(ステップS01)。
ここで、スライド入力の速度が、所定の速度を超過する場合には(ステップS03)、当該スライド入力操作が、ドア本体2の開放操作である場合には、ドア本体2は全開して停止する(ステップS07)。かかる場合、停止後については、一定時間経過後に自動的に全閉することでもよいし、改めて閉鎖操作を行うまでは開放状態が継続することでもよい。これに対して、当該スライド入力操作が、ドア本体2の閉鎖操作である場合には、ドア本体2は全閉して停止する(ステップS07)。かかる場合、停止後については、改めて開放操作を行うまでは閉鎖状態が継続することとなる。
【0037】
スライド入力の速度が、所定の速度を超えない場合には(ステップS03)、ドア本体2が指先等の動きに追従して動くこととなる(ステップS04)。かかる点に関して、図4を参照しながら説明する。
図4は、実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の入力説明図を示している。図4に示すように、ここでは、ユーザ4の指先をタッチパネル11上に当接させて、空間的な位置を意味する位置P、P、Pの順にゆっくりとスライドしてドア本体2を開放する場合を例に説明する。ユーザ4の指先が空間的な位置Pに相当するタッチパネル11上の位置に当接し、右方に向けてスライド入力が開始されると、入力手段41に設けられた速度検知手段46により、タッチパネル上をスライドする指先等の速度が検出される。
【0038】
速度検出手段46による速度検出の結果、スライドする指先等の速度が所定の速度を超過しないと判定された場合には、指先等の動きへの追従が開始される。図4に示す例では、位置Pにおいて速度の検出が完了し、位置Pから位置Pに向けてスライドする指先に追従してドア本体2も移動する。実際には、速度の検出は、極めて短時間で行われるため、位置Pと位置Pの距離は僅かであり、ユーザ4にとっては、スライドを開始した当初から指先等の動きにドア本体2が追従して動くような感覚が得られる。
位置Pにおいて、ユーザ4がスライドする動きを止める(ステップS05)と、ドア本体2も追従して停止する(ステップS06)。ユーザ4が手の動きを止めるだけではなく、指先等をタッチパネル11から離す(ステップS05)ことによってもドア本体2の動きを停止させることは可能である(ステップS06)。
【0039】
次に、図5〜7を参照しながら、実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の具体的な使用イメージを説明する。図5は、実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図であり、(1)は素早くスライドした場合のドア解放前、(2)は素早くスライドした場合のドア解放後を示している。図5(1)の矢印9bに示すように、ユーザ4が指先でタッチパネル11上を左方から右方へ素早くスライドすると、図5(2)の矢印9cに示すように、ドア本体2についても速い速度で左方から右方へと移動し、全開状態となる。
【0040】
図6は、実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図であり、(1)はゆっくりスライドした場合のドア解放前、(2)はゆっくりスライドした場合のドア解放後を示している。図6(1)の矢印9dに示すように、ユーザ4が指先でタッチパネル11上を左方から右方へとゆっくりと時間をかけてスライドすると、図6(2)の矢印9eに示すように、ドア本体2についてもユーザ4の指先の動きに追従しながら、ゆっくりとした速度で左方から右方へと移動し、ユーザ4がスライドする手を止めるか、或はタッチパネル11に当接していた指をタッチパネル11から離すと、ドア本体2の動きも停止する。
【0041】
図7は、実施例1の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図であり、メッセージを表示した場合を示している。図7に示すように、ドア本体2のタッチパネル11上には、表示例20aとして、「会議中」との文字が表示されている。かかる表示は、例えば、入力手段41により手書きで入力した文字を文字情報認識手段43により文字認識して、制御手段44により、表示手段45であるタッチパネル11上に表示することにより行うことができる。
「会議中」との文字は、常時表示されるわけではなく、ユーザがドアの前に立った後、所定時間が経過した時や、何らかの入力操作を行った直後に表示することが好ましい。これにより、通常時には視覚的ノイズとならず、必要に応じて、ドアの外側にいるユーザに内側の状況を伝達することができる。
【実施例2】
【0042】
図8は、実施例2の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図であり、(1)は室内の状況をマップ表示した場合、(2)は窓部を模した表示を行った場合を示している。図8(1)及び(2)に示すように、操作表示パネル組込ドア装置10aは、ドア本体2a及び枠部3で構成される引き戸であり、孔部を有する壁部8に取り付けられている。また、ドア本体2aには、操作表示パネルユニット1aが設けられ、タッチパネル11aに触れることで開閉等の操作が可能となっている。
【0043】
実施例1とは異なり、操作表示パネルユニット1aは、ドア本体2a前面の略全面に設けられている。したがって、実施例1で説明したタッチパネル11よりも広範囲に操作及び表示が可能である。図8(1)で示す表示例20bは、室内の状況をマップ表示したものであり、室内のどこに何人の人がいるかといった情報が表示される構成となっている。ここでは図示していないが、室内に居るユーザの名前や人数を表示することでもよい。
また、図8(2)で示す表示例20cは、窓部を模した表示を行った場合であり、ドア本体2aにあたかも窓部が設けられ、室内の明かりが室外に漏れた状態を模している。このように、窓部を模した表示というシンプルな表示方法で、室内に人がいる、若しくは室内の照明が点灯しているといった情報を外部のユーザと共有することが可能である。
【実施例3】
【0044】
図9は、実施例3の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図であり、(1)は室内の状況をマップ表示した場合、(2)は窓部を模した表示を行った場合を示している。図9(1)及び(2)に示すように、操作表示パネル組込ドア装置10bは、ドア本体2b及び枠部3bで構成される開き戸であり、壁部8に形成された孔部に取り付けられている。ドア本体2bにはドアノブ22が設けられており、開閉は手動で行う構造である。なお、ドア本体2bは、蝶番(図示せず)を用いて枠部3bに回動自在に取り付けられている。
【0045】
操作表示パネルユニット1bの内部構成は、実施例1における操作表示パネルユニット1と同様である。したがって、操作表示パネルユニット1bには、図1に示すように、入力手段41が設けられ、入力手段41には、圧力検知手段47が設けられており、タッチパネル11bに触れることで施錠又は解錠の操作が可能となっている。図9(1)に示す例では、ユーザ4は、所定の回数のノック操作を行うことで、施錠又は解錠の操作が可能である。また、図9(2)に示す例では、ドア本体2bにドアノック23が取り付けられている。ドア本体2bの外周面には、自然由来の素材として木材が用いられている。したがって、ドアノック23によりノック操作を行うと、施錠又は解錠操作を行うことができると共に、実際に木材を叩く音が発生するため、ユーザ4及びドアの向こう側にいるユーザは、より自然なドアノック本来の音を聴くことができる。
【実施例4】
【0046】
図10は、実施例4の操作表示パネル組込ドアシステムの機能ブロック図を示している。図10に示すように、操作表示パネル組込ドアシステム100は、操作表示パネル組込ドア装置10、管理サーバ6及びクライアント端末7から成り、ネットワーク5を介して接続されている。操作表示パネル組込ドア装置10は、操作表示パネルユニット1、駆動手段21、送信手段48及び受信手段49を備える。管理サーバ6は、管理手段61、データベース62、送信手段63及び受信手段64を備える。また、クライアント端末7は、表示手段71、送信手段72及び受信手段73を備える。クライアント端末7は、スマートフォン、タブレット端末、PC、ディスプレイ装置などの端末を幅広く含む。
【0047】
図10に示すように、操作表示パネル組込ドア装置10、管理サーバ6及びクライアント端末7は、それぞれ送信手段(48,63,72)及び受信手段(49,64,73)を用い、ネットワーク5を介してデータの送受信が可能である。また、図示しないが、操作表示パネルユニット1とクライアント端末7は、近距離無線通信等を用いることで、ネットワーク5を介さずにデータを送受信することも可能である。
管理サーバ6は、管理手段61によりユーザ情報や入力内容等を管理することが可能である。データベース62には、操作表示パネル組込ドア装置10又はクライアント端末7から送られたデータを保存できる。
【0048】
操作表示パネル組込ドアシステム100によれば、例えば、入力手段41により入力された情報に、認証手段42により得られた認証情報を付加して、管理サーバ6やクライアント端末7に送信することが可能である。これにより、操作表示パネル組込ドア装置10が設けられた家屋に居住するユーザが、外出中にクライアント端末7であるスマートフォンを利用して、訪問者の名前や、訪問の時刻を確認するといったことも可能である。
上述したように、クライアント端末7は、遠隔に存在するスマートフォンなどのデバイスでもよいため、クライアント端末7から、操作表示パネル組込ドア装置10や管理サーバ6にデータを送信することで、双方向でのやり取りができ、コミュニケーション手段としても有用である。
【0049】
図11は、実施例4の操作表示パネル組込ドアシステムのシステム構成図を示している。図11に示すように、操作表示パネル組込ドアシステム100は、操作表示パネル組込ドア装置10、管理サーバ6、クライアント端末7から成る。操作表示パネル組込ドア装置10、管理サーバ6及びクライアント端末7は、それぞれネットワーク5に接続されており、データの送受信が可能となっている。
管理サーバ6には、データベース62が設けられており、ユーザ情報、設定情報及び入力情報を記憶し、必要に応じて読み込みを行う構造である。
【0050】
操作表示パネル組込ドア装置10及びクライアント端末7は、ここでは1つずつ図示されているのみであるが、実際には、多数のユーザが操作表示パネル組込ドア装置10やクライアント端末7を利用するシステムとなっている。ここで、クライアント端末7としては、スマートフォンやタブレット端末が好適であるが、これらに限られず、PCやウェアラブル端末など幅広い端末が利用可能である。
【0051】
ネットワーク5としては、インターネットが用いられているが、操作表示パネル組込ドア装置10とクライアント端末7との通信は、インターネット以外の通信手段(5a,5b)によって行うことも可能である。通信手段(5a,5b)としては、インターネット以外の手段を広く含み、QRコード(登録商標)などの二次元コードや、生体認証をセンシングする方式でもよいし、近距離無線通信を用いてもよい。また、ここでは図示しないが、有線による通信を行うものでもよい。
【0052】
操作表示パネル組込ドアシステム100が、上記のような構成とされることにより、例えば、操作表示パネル組込ドア装置10において入力された情報を、クライアント端末7に送信することが可能となる。また、予め送信先のクライアント端末7を指定することで、入力が行われる度に、自動的に指定済みのクライアント端末7へ入力された操作情報やメッセージ等が送られる構成とすることもできる。
【0053】
(その他の実施例)
1)図12は、その他の実施例の操作表示パネル組込ドア装置の使用イメージ図を示している。図12に示す操作表示パネル組込ドア装置10cのように、ユーザ4の手をタッチパネル11上に当接又は近接させて、一定時間の経過を条件として、開閉、施錠又は解錠等が行われることでもよい。
2)操作表示パネル組込ドア装置におけるスライド入力操作が、上下何れかの方向に向けての操作であり、かつ施錠又は解錠操作であることでもよい。例えば、下から上へのスライド入力操作を解錠、上から下へのスライド入力操作を施錠といったように設定することで、ユーザが直感的に操作することができる。
【0054】
3)操作表示パネル組込ドア装置において、操作表示パネルはドアの両面に設けられる構成でもよい。
4)実施例1で説明した操作表示パネル組込ドア装置10では、内側から閉める場合には、指先等でスライド操作することは困難であるため、例えば、一定時間経過後に自動で閉まる構成としてもよいし、センサを利用してもよい。また、操作表示パネル組込ドア装置を構成するドア本体の側部、すなわち枠部と当接する部位に、操作表示パネルが設けられ、当該側部に触れることで、閉まる構成としてもよい。
5)操作表示パネル組込ドア装置には、振動によりユーザへ情報を伝達する手段が設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、構造物又は移動体に設けられるドア装置として有用である。
【符号の説明】
【0056】
1,1a,1b 操作表示パネルユニット
2,2a,2b ドア本体
3,3b 枠部
4 ユーザ
5 ネットワーク
5a,5b 通信手段
6 管理サーバ
7 クライアント端末
8 壁部
9a〜9e 矢印
10,10a〜10c 操作表示パネル組込ドア装置
11,11a,11b タッチパネル
12 突板
13 透明基材
14 タッチパネルシート
15 ライトガイド
15a ガイド孔
16 LEDアレイ
17 LED光源
18 筐体
19a〜19c 光
20a〜20c 表示例
21 駆動手段
22 ドアノブ
23 ドアノック
41 入力手段
42 認証手段
43 文字情報認識手段
44 制御手段
45,71 表示手段
46 速度検知手段
47 圧力検知手段
48,63,72 送信手段
49,64,73 受信手段
50 外部I/F
61 管理手段
62 データベース
100 操作表示パネル組込ドアシステム
G ギャップ
P 位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14