(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プーリの前記第2セットからのケーブルがプーリの前記第3セットまで真っすぐな経路を延びて、これにより前記ケーブルとプーリとの間の摩擦が最小になるように、プーリの前記第3セットは配置される、請求項1に記載の手術ツール。
プーリの前記第1セットはプーリの第4セットと直列に配置され、プーリの前記第2セットはプーリの第5セットと直列に配置され、プーリの前記第4セットおよびプーリの前記第5セットは回転軸に沿って配置され、プーリの前記第3セットの前記回転軸は、プーリの前記第4セットおよびプーリの前記第5セットの前記回転軸に対して角度を付けられる、請求項1に記載の手術ツール。
プーリの前記第4セットの1つのプーリ上およびプーリの前記第5セットの1つのプーリ上の溝は、プーリの前記第3セット上の溝と整列される、請求項5に記載の手術ツール。
前記駆動メカニズムは4つの電気モータを含み、前記4つのモータの各々は、前記4つのケーブル端のうちの1つを別々に制御するように構成される、請求項1に記載の手術ツール。
モータパックに着脱可能に連結可能な結合ユニットをさらに含み、前記モータパックが非殺菌でありえるように、前記結合ユニットは無菌バリヤを提供する、請求項1に記載の手術ツール。
前記手術ツールの長手軸に沿って前後に直線的にスライドするように構成されたシャトルメカニズムをさらに含み、前記シャトルメカニズムは、1つのケーブルの張力を増大し、別のケーブルの張力を減少または緩める、請求項1に記載の手術ツール。
プーリの前記第1セットおよびプーリの前記第2セットが延長軸棒の軸に沿って配置されるように、プーリの前記第1セットおよびプーリの前記第2セットと連結されたヨークの前記延長軸棒をさらに含み、プーリの前記第1セットは前記ヨークの一側上にあり、プーリの前記第2セットは前記ヨークの他側上にある、請求項1に記載の手術ツール。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に説明するのは、手術用ツールなどのツールの諸実施形態であり、これらは、市販のツールに勝る様々な利点を有する。本明細書で説明するツールの諸実施形態の少なくとも一部は、作業箇所のよりわずかな閉塞を有利に提供し、これにより操作者に対する作業箇所の可視性の改良を可能にする。本明細書で説明するツールの諸実施形態の少なくとも一部は、(例えば、本ツールの操作者、ツールを操作する手術医に)例えば本ツールの手首部の直径を低減することによって、複雑な手術を遂行するための向上された能力を提供する。本明細書で説明するツールの少なくとも一部の諸実施形態は、アクセスが制限された領域(例えばより小さな作業箇所)中で作業するための向上された能力を提供し、これは、少なくとも部分的には、本ツールの手首部の直径の低減によって得ることができる。
【0037】
後述するいくつかの実施形態において、ツールは、手首部を介してツールシャフトに連結されたエンドエフェクタを含むことができ、この手首部は、多軸型の運動(例えばピッチおよびヨー方向の動作)が可能である。該手首部のサイズは、ツールのエンドエフェクタの制御に作用させるための低減された数のケーブルを使って有利に最適化することができる。このように最適化されたツールは、該手首部のかかる特徴によって、例えば、最小侵襲性の外科手術に用いることが可能である。但し、当然のことながら、以下に説明する一般的な手首部は、多数の手術外、および非医療応用にも使用可能である。
【0038】
以降に説明する諸実施形態のいくつかにおいて、本ツールの手首部および/またはエンドエフェクタの運動は、4つのケーブル端を制御することによって制御され、これは、いくつかの利点を提供する。1つの利点は、ツールの手首部に張られたケーブルの数の低減であり、これは、手首部の機械的組み立てのサイズおよび複雑さを最小にすることを可能にする。別の利点は、この4つのケーブルの配置が、これらケーブルに事前張力をかける必要性およびそれによるツール手首部のジョイントへの摩擦なしに、手首部の各ケーブルの張力の個別の制御を可能にすることである。また、各ケーブルの張力の個別の制御は、手首部のジョイントにおける可変な適合性および外部負荷への感受性の増加も可能にする。これらケーブルの張力の個別の制御は、張力が再調整可能なので、本ツールの摩耗に対する強度の増大をさらに可能にする。さらに、各ケーブルの張力の個別の制御は、各ケーブルが相異なる長さ量を変更できるので、撚り紐などの非リニアな伝動媒体の使用が可能になる。各ケーブルの個別の制御は、固定されたケーブルループを用いる場合に必要なように、手首部の運動の範囲に亘って全てのケーブルの長さの和が一定であることを必要としない手首部設計をさらに可能にする。以下に提示する詳細な説明に基づき、本明細書で説明するツールの他の利点が当業者にとって明らかになろう。
【0039】
図1A〜
図1Bは、近位端部(図示せず)および遠位端部31を有するツール30の一実施形態を示し、以降で説明するように、本ツールの手首部および本ツール30のケーブルルーティングの構成は、本ツールの手首部のサイズの低減を有利に可能にする。いくつかの実施形態において、この手首部のサイズの低減は、より単純なケーブルのルーティングによって可能になり、このルーティングは、本ツールの手首部アセンブリの複雑さの低減を可能にし、手首部の短縮された曲率半径を可能にする。いくつかの実施形態において、ツール30の手首部のサイズの低減には、手首部の直径の低減を含めることができる。
【0040】
図1Aに示されるように、ツール30の遠位端部31は、ツール30のシャフト30Aに連結されたヨーク360を有することができる。ヨーク360は、(
図2に示されるように)軸380に沿って延びる延長軸棒332を介して第2ヨーク330に動き可能に連結されている。一実施形態において、延長軸棒332は、第2ヨーク330に対して着脱可能にでき、または一体化して形成することもできる。他の実施形態において、延長軸棒332は、軸棒332の部分がヨーク360のアームに取り付けられて、ヨーク330が軸棒332の前記部分の間にはめ込めるように、ヨーク360に対して着脱可能にまたは一体化して形成することが可能である。一実施形態において、ツール30は、手術用ツールとすることができる。別の実施形態において、ツール30は、非手術用ツールとすることができる。
【0041】
図1Bに示されるように、第2ヨーク330の延長軸棒332は、プーリ340A、340B、350A、350Bが延長軸棒332の軸380に沿って配置されるように、プーリ340A、340B、350A、350Bに連結される。プーリ340A、340B、350A、350Bは、プーリ340B、350Bの第1セット、およびプーリ340A、350Aの第2セットの中に配置される。プーリ340B、350Bの第1セットは、ヨーク330の一方側にあり、プーリ340A、350Aの第2セットは、ヨーク330の他方側にある。プーリ340A、340Bは、外側のプーリであり、350A、350Bは、内側のプーリである。
【0042】
この用語「内側」および「外側」は、これらの図に示されたプーリの方位を示す。本明細書で用いる、プーリの「セット」は、任意の数のプーリを含み得る。或るプーリのセットは、1つのプーリを含んでよい。或るプーリのセットは、複数のプーリ(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つのプーリなど)を含んでよい。
【0043】
引き続き
図1A〜
図1Bを参照すると、第2ヨーク330は、プーリ320A、320Bの第3セットに連結される。プーリ320A、320Bの第3セットは、軸380から(例えば、遠位に)或る距離だけ離される。プーリ320A、320Bの第3セットは、第2ヨーク330のアーム330A、330Bに連結されて、アーム330A,330Bを貫いて定義される軸370に沿って配置されている。一実施形態において、第2ヨーク330には、軸370に沿って延びる延長軸棒を含めることができる。一実施形態において、延長軸棒は、第2ヨーク330に着脱可能に連結することが可能である。別の実施形態において、延長軸棒は、軸棒の部分が第2ヨーク330のアームに取り付けられ、プーリ320A、320Bが軸棒の前記部分の間にはめ込めるように、第2ヨーク330に一体化して形成することが可能である。一実施形態において、軸370は、軸380に対して角度を付けることができる。別の実施形態において、軸370は、軸380と直交させることが可能である。プーリ340B、350Bの第1セットは、プーリ320A、320Bの第3セットに対して直交させることができる。また、プーリ340A、350Aの第2セットも、プーリ320A、320Bの第3セットに対して直交させることが可能である。
【0044】
補捉具310の顎310A、310Bのペアは、顎310A、310Bが軸370の周りを回転可能なように、プーリ320A、320Bの第3セットを介して第2ヨーク330に連結することができる。一実施形態において、顎310Aは、プーリ320Aに連結される。別の実施形態では、顎310Aは、プーリ320Aに一体化して形成することが可能である。同様に、一実施形態において、顎310Bは、プーリ320Bに連結される。別の実施形態では、顎310Bは、プーリ320Bに一体化して形成することが可能である。顎310Aおよびプーリ320Aは、軸370の周りを回転することができる。同様に、顎310Bおよびプーリ320Bも、軸370の周りを回転することができる。この図示の実施形態において、捕捉具310は、ツール30のエンドエフェクタである。但し、他の実施形態では、エンドエフェクタは、外科手術(例えば、経皮外科手術)において用いられる諸メカニズムなど、他の適切なメカニズムとすることも可能である。
【0045】
ツール30は、顎310A、310Bの一方または両方が軸370の周りを様々な仕方で動くように、作動させることができる。例えば、顎310A、310Bは、相互に対して開いたり閉じたりすることが可能である。また、顎310A、310Bは、捕捉具310にヨー運動を与えるために、ペアとして一緒に回転するように作動させることもできる。さらに、ツール30は、軸380の周りに顎310A、310Bの様々な種類の運動を生じさせるように作動させることができる。例えば、第2ヨーク330、プーリ320A、320B、および顎310A、310Bは、捕捉具310にピッチ運動を与えるために軸380の周りを回転することが可能である。
【0046】
図3A〜
図3Bは、ツール30のケーブルの定位の実施形態を示す。有利には、以降に説明するように、ケーブルのこのルーティングによって、捕捉具310の運動を、4つの独立したケーブル端または2つのケーブルループの作動を介して制御することが可能になり、これは、捕捉具310を制御するために使われるケーブルの数を、市販のツール(これらは、通常、6つのケーブル端を有する3つのケーブルループを使用する)に比べて減らすことを可能にし、これにより、前述のように、ツール30の手首部のサイズおよび複雑さを有利に低減できる。本開示の実施形態で説明されるツールには、有益な特徴(例えば、4つの独立したケーブル端または2つのケーブルループだけの作動を介してエンドエフェクタの動作を制御する能力)が存在する。
【0047】
図3A〜
図3Bを参照すると、プーリ320A、320Bの第3セットは、各々ポケットまたは凹部を含むことができる。一実施形態において、このポケットは、ビード315A、315Bを少なくとも部分的に保持するサイズである。
図3A〜
図3Bには、ビード315Bが示されていないが、これらの図に示されたビード315Aと同様にすればよい。ビード315Aは、第1ケーブル390Aに固定することができ、ビード315Bは、第2ケーブル390Bに固定することが可能で、ケーブル390A、390Bの各々は、2つの独立したケーブル端を有する。ビード315A、315Bは、ケーブル390A、390Bがプーリ320A、320Bに対してスリップ(滑り)またはスライド(空進)するのを抑止(例えば防止)するようにケーブル390A、390Bに固定される。ケーブル390A、390Bは、ビード315A、315Bに固定的に連結される。一実施形態において、ビード315A、315Bは、ケーブル390A、390Bに一体化して形成することができる。別の実施形態では、ビード315A、315Bは、ケーブル390A、390B上に圧着することができる。
【0048】
図3Aは、第1ケーブル390Aのケーブルルーティングを示し、このルーティングは、
図3中に点線で示される。第1ケーブル390Aは、ツール30の近位端部に始まりツールシャフト30Aを通って延びる。第1ケーブル390Aは、ヨーク360中の穴または開口30C(
図1A参照)を通って延びる。第1ケーブル390Aは、プーリ340B、350Bの第1セット中の1つのプーリに少なくとも部分的に巻き付いている。第1ケーブル390Aは、プーリ320A、320Bの第3セット中の1つのプーリに少なくとも部分的に巻き付いている。第1ケーブル390Aは、プーリ340A、350Bの第2セット中の1つのプーリに少なくとも部分的に巻き付いている。いくつかの実施形態において、第1ケーブル390Aは、
図3Aに示されるように、少なくとも部分的に、プーリ340B、プーリ320A、およびプーリ340Aに巻き付いている。その後、第1ケーブル390Aは、ヨーク360中の別の穴または開口30B(
図1A参照)を通過し、ツールシャフト30Aを介してツール30の近位端部に帰る。
【0049】
いくつかの実施形態において、第1ケーブル390Aは、2つのケーブル390A’および390A”(図示せず)によって代替が可能であり、これらは、プーリ320Aに連結することができる(例えば、ケーブル390Aは、2つの別個のケーブル部分390A’、390A”で置き換えられる)。ケーブル390A’は、プーリ340B、350Bの第1セット中の1つのプーリに少なくとも部分的に巻き付き、ケーブル390A”は、プーリ340A、350Aの第2セット中の1つのプーリに少なくとも部分的に巻き付く。この実施形態において、ケーブル390A’、390A”は、プーリ320A、320Bの第3セット中の1つのプーリの一方側だけに進む。一実施形態において、ケーブル390A’、390A”の各々は、プーリ320Aの一方側だけに進む。いくつかの実施形態において、ケーブル390A’、390A”は、プーリ320Aに(例えば、ビード315Aを使って)固定的に連結される。例えば、ビード315Aは、ケーブル390A’、390A”の各々の端部上に圧着することができ、前述したように、ビード315Aをプーリ320Aのポケット中に保持し、これによりケーブル390A’、390A”をプーリ320Aに固定的に連結することができる。プーリ320Aに固定された2つの独立したケーブル390A’、390A”を有すること、またはプーリ320Aに固定された1つのケーブル390Aを有すること、の効果は、同じである。
【0050】
図3Bは、点線で第2ケーブル390Bを示す。第2ケーブル390Bは、ツール30の近位端部に始まりツールシャフト30Aを通って延びる。第2ケーブル390Bは、ヨーク360中の穴または開口30C(
図1A参照)を通って延びる。第2ケーブル390Bは、プーリ340B、350Bの第1セット中の1つのプーリに少なくとも部分的に巻き付いている。第2ケーブル390Bは、プーリ320A、320Bの第3セット中の1つのプーリに少なくとも部分的に巻き付いている。第2ケーブル390Bは、プーリ340A、350Aの第2セット中の1つのプーリに少なくとも部分的に巻き付いている。いくつかの実施形態において、第2ケーブル390Bは、
図3Bに示されるように、少なくとも部分的に、プーリ350B、プーリ320B、およびプーリ350Aに巻き付いている。その後、第2ケーブル390Bは、ヨーク360中の穴または開口30B(
図1A参照)を通過し、ツールシャフト30Aを介してツール30の近位端部に帰る。
【0051】
いくつかの実施形態において、第2ケーブル390Bは、2つのケーブル390B’および390B”(図示せず)によって代替が可能であり、これらはケーブル390A’、390A”について前述したのと同様な方法で、プーリ320Bに連結することができる。上記から、いくつかの実施形態において、4つの独立したケーブル390A’、390A”、390B’、および390B”を用いることが可能である。例えば、一実施形態において、ケーブル390B’は、プーリ340B、350Bの第1セット中の1つのプーリに巻き付き、ケーブル390B”は、プーリ340A、350Aの第2セット中の1つのプーリに巻き付く。この実施形態において、ケーブル390B’、390B”は、プーリ320A、320Bの第3セット中の1つのプーリの一方側だけに進む。一実施形態において、ケーブル390A’、390A”は、プーリ320Bの一方側だけに進む。いくつかの実施形態において、ケーブル390B’、390B”は、プーリ320Bに(例えば、ビード315Bを使って、図示せず)固定的に連結される。例えば、ビード315Bは、ケーブル390B’、390B”の各々の端部上に圧着することができ、前述したように、ビード315Bをプーリ320Bのポケット中に保持し、これによりケーブル390B’、390B”をプーリ320Bに固定的に連結することができる。プーリ320Bに固定された2つの独立したケーブル390B’、390B”を有すること、またはプーリ320Bに固定された1つのケーブル390Bを有すること、の効果は、同じである。
【0052】
ツール30は、顎310A、310Bを、プーリ340A、340B、350A、350B、320A、320Bの1つ以上に運動を伝達し、これによりヨーク330、および/または顎310A、310Bの運動を与えることによって、(例えば、両顎を軸370周りに別々に回転させて)捕捉させる、(例えば、両顎を軸370周りに一緒に回転させて)ヨーイングさせる、および(例えば、両顎を軸380周りに回転させて)ピッチさせるなど、様々な仕方で動かすように作動させることができる。一実施形態において、ツール30が、捕捉具310の動作をもたらす2つのケーブル390A、390Bを有する場合、各ケーブル390A、390Bは、別々に制御可能な、またはプーリ320A、320Bの第3セットおよび顎310A、310Bに運動を与えるために張力をかけることが可能な2つの独立したケーブル端を有する。例えば、プーリ320Aと顎310Aとの運動は、ケーブル390Aの2つのケーブル端を使って制御が可能である。同様に、プーリ320Bと顎310Bとの運動は、ケーブル390Bの2つのケーブル端を使って制御することができる。
図1A〜
図3Bのシステムは、4つのケーブル端を有する。この4つのケーブル端は、プーリ340A、340B、350A、350B、320A、320Bの1つ以上に運動を与えるために制御することができる。この4つのケーブル端(各ケーブル390A、390Bに対するペア)は、以降にさらに説明するように、ツール30の近位端部32(図示せず)近くのモータに連結することが可能である。他の実施形態において、4つのケーブル端(各ケーブル390A、390Bに対するペア)は、ツールシャフト30A沿いの任意の距離に配置されたモータに連結することも可能である。
【0053】
別の実施形態において、ツール30が、捕捉具310に動作をもたらす4つのケーブル390A’、390A”、390B’、390B”を有する場合、各々のケーブル390A’、390A”、390B’、390B”は、1つの独立したケーブル端を有し、これは、ヨーク330および/またはプーリ320A、320Bの第3セットの1つまたは両方に運動を与えるために、別々に制御または張力をかけることができる。独立したケーブル端は、自由ケーブル端(例えば、ビード315A、315Bに連結されていない端部)と見なし得る。プーリ320Aの運動は、ケーブル390A’、390A”の独立したケーブル端によって制御することができる。プーリ320Bの運動は、ケーブル390B’、390B”の独立したケーブル端によって制御することができる。
図1A〜
図3Bのシステムは、4つの独立したケーブル端を有する。この4つのケーブル端は、プーリ340A、340B、350A、350B、320A、320Bの1つ以上に運動を与えて、これによりヨーク330および/または顎310A、310Bの1つまたは両方に運動を与えるために制御することができる。4つのケーブル端(各ケーブル390A’、390A”、390B’、390B”の端部)は、ツール30の近位端部の近く(図示せず)またはツールシャフト30Aの任意の距離に配置されることができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、軸380周りのヨーク330および顎310A、310Bのピッチ運動は、1つのケーブル(例えば390A)の両端に張力をかけて、他方のケーブル(例えば390B)の両端を緩めることによって実現される。例えば、
図3A〜
図3Bを参照すると、顎310A、310Bを紙面平面の外側にピッチするためには、ケーブル390Aの両端に張力がかけられて、ケーブル390Bの両端は緩められる。顎を紙面平面の中にピッチするためには、ケーブル390Aの両端は緩められて、ケーブル390Bの両端に張力がかけられる。
【0055】
いくつかの実施形態において、捕捉具310の顎310A、310Bの軸370周りのヨー運動は、プーリ320A、320Bを同じ方向に動かして実現される。例えば、
図3Aを参照すると、顎310A、310Bを上側にヨーイングするには、両方のプーリ320A、320Bが反時計回り方向に動く必要がある。プーリ340B、350Bの第1セット中の1つのプーリに連結されたケーブル390Aの端部に張力がかけられて、プーリ340B、350Bの第1セット中の1つのプーリに連結されたケーブル390Bの端部に張力がかけられる。
図3Aにおいて、340Bに連結されたケーブル390Aの端部、および350Bに連結されたケーブル390Bの端部に張力がかけられる。ケーブル390A、390Bの他方の端部は、緩められる。これにより、顎310A、310Bは、軸370の周りを上方に回転する。顎310A、310Bを下方にヨーイングさせるためには、プーリ320A、320Bの両方が時計回り方向に動かなければならない。プーリ340A、350Aの第2セットの1つのプーリに連結されたケーブル390Aの端部、およびプーリ340A、350Aの第2セットの1つのプーリに連結されたケーブル390Bの端部には、張力がかけられる。
図3A〜
図3Bにおいて、340Aに連結されたケーブル390Aの端部、および350Aに連結されたケーブル390Bの端部に張力がかけられる。390A、390Bの他方の端部は、緩められる。ケーブル390A、390Bの緊張および弛緩のかかる組み合わせが、顎310A、310Bを軸370周りに下方へ回転させることになる。
【0056】
顎310A、310Bは、例えば、捕捉アクション、解放アクション、またははさみ切り運動をもたらすために、相互に対して動かすことが可能である。顎310A、310Bを相互に向けて動かすために、プーリ320Aは、反時計周り方向に動くことができて、プーリ320Bは、時計周り方向に動くことができる。かかる運動を実現するために、プーリ340B、350Bの第1セットの1つのプーリに連結されたケーブル390Aの端部、およびプーリ340A、350Aの第2セットの1つのプーリに連結されたケーブル390Bの端部に張力がかけられる。
図3A〜3Bにおいて、340Bに連結されたケーブル390Aの端部、および350Aに連結されたケーブル390Bの端部に張力がかけられる。390A、390Bの他方の端部は、緩められる。ケーブル390A、390Bの緊張および弛緩のかかる組み合わせが、顎310A、310Bを相互に向けて軸370周りに回転させることになる。
【0057】
顎310A、310Bを離すために、プーリ320Aは、時計回り方向に動き、プーリ320Bは、反時計回り方向に動くことができる。プーリ340A、350Aの第2セット中の1つのプーリに連結されたケーブル390Aの端部、およびプーリ340B、350Bの第1セット中の1つのプーリに連結されたケーブル390Bの端部に張力がかけられる。
図3A〜3Bにおいて、340Aに連結されたケーブル390Aの端部、および350Bに連結されたケーブル390Bの端部に張力がかけられる。390A、390Bの他方の端部は、緩められる。ケーブル390A、390Bの緊張および弛緩のかかる組み合わせが、顎310A、310Bを相互から離れるように軸370周りに回転させることになる。
【0058】
顎310A、310Bは、各ケーブルの端部に相異なる張力の量をかけることによって、相互に向かいまたは離れるように動かすことができる。変化する張力量をかけることによって、顎310A、310Bは、いろいろなヨーイングをして、捕捉または開放アクションを効果的に模擬することになる。全3つの動作モード(ピッチ、ヨー、および捕捉アクション)は、張力をかけたり緩めたりするケーブル端を変えることによって、および/または各ケーブル端に適用する張力および緩和の量を変えることによって得ることができる。
図1A〜
図3Bには、特定のルーティング構成が描かれているが、他のルーティング構成も可能である。例えば、ケーブル390Aは、前述の外側プーリ340Bに巻き付ける代わりに、内側のプーリ350Bに巻き付けてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、ツールの手首部および/またはエンドエフェクタの運動は、1本以上の撚り紐を使ってもたらすことができる。撚り紐のペアは、撚られた紐のペアが短縮され得て、これにより撚られた紐のペアに沿って張力を生成するという、相互周りに2本の構成紐を撚ることの原理によって働く。同様に、撚り紐ペアの元紐がほどけるにつれて、その撚り紐ペアの長さは、各元紐の自然の長さに近づくことがある。
図4A〜
図4Dは、撚り紐およびケーブルを使って、ツール30などのツールを制御する駆動メカニズムおよび方法の実施形態を示す。
図4Aは、ツールのケーブルを制御するための駆動メカニズム500Aを概略的に示す。このシステムは、2つのケーブル521,522を含む。各ケーブル521,522は、プーリ510A、510Bに関連付けられる。プーリ510A、510Bは、駆動される対象である。1つのプーリ510Bが示されているが、ケーブル521は、複数のプーリに関連付けることができる。同様に、1つのプーリ510Aが示されているが、ケーブル522は、複数のプーリに関連付けることができる。各ケーブル521、522は、2つのケーブル端を有する。各ケーブル端は、移行ブロック530A、530B、530C、530Dに連結されている。各移行ブロック530A、530B、530C、530Dは、撚り紐ペア520A、520B、520C、520Dに連結されている。各撚り紐ペア520A、520B、520C、520Dは、モータ515A、515B、515C、515Dに連結されている。
【0060】
引き続き
図4Aを参照すると、各撚り紐ペア520A、520B、520C、520Dは、軸型モータ515A、515B、515C、515Dによって駆動される。例えば、撚り紐ペア520Aは、軸型モータ515Aによって駆動され、撚り紐ペア520Bは、軸型モータ515Bによって駆動される。
【0061】
移行ブロック530A、530B、530C、530Dは、撚り紐ペア520A、520B、520C、520Dとケーブル521,522との間での移行を提供する。
図4Aに示されるように、ケーブル521は、移行ブロック530Bと530Cとの間に延びる。ケーブル522は、移行ブロック530Aと530Dとの間に延びる。撚り紐ペア520A、520B、520C、520Dは、該撚り紐ペアがその上に屈曲する必要のある表面(例えば、プーリ510A、510Bの曲面)に接触するときに、予測不能な挙動を示すことがあるので、このため、ケーブル521,522だけがプーリ510A、510Bの曲面に接触するように、移行ブロック530A、530B、530C、530Dは、撚り紐ペア520A、520B、520C、520Dとケーブル521,522との間での移行を提供する。
【0062】
図4Bは、移行ブロック530Aを示す。一実施形態において、全4つの移行ブロック530A、530B、530C、および530Dは、移行ブロック530Aと同様の特徴を有する。撚り紐ペア520Aは、終端ブロック531Aに連結されている。また、ケーブル522も、終端ブロック531Aに連結されている。終端ブロック531Aは、ペグ532Aに固定的に連結されている。一実施形態において、終端ブロック531Aは、ペグ532Aと一体化して形成することが可能である。
【0063】
ペグ532Aは、撚り紐ペア520Aが長さを短縮または延長できるように、矢印線534A沿いに、ベースブロック533A中のスロット535A内でスライドすることができる。この図示の実施形態において、ペグ532Aおよびスロット535Aの両方は、ベースブロック533Aの内部構造体であって、点線の形状で示されている。ペグ532Aおよびスロット535Aは、終端ブロック531Aが、撚り紐ペア520Aの影響によって回転またはスピンするのを有利に防止する。撚り紐ペア520Aの長さが減少したとき、終端ブロック531Aに連結されたペグ532Aは、ベースブロック533A中のスロット535A内でスライドし、これにより、終端ブロック531Aは、ケーブル522を引き寄せる。ケーブル522は、この張力をプーリ510Aに伝えて、プーリ510Aを回転させる。
【0064】
引き続き
図4Aを参照すると、撚り紐ペア520Aは、撚り紐ペア520Cに対して移動される。モータ515Aは、モータ515Aに固定された撚り紐ペア520Aを巻き取って、これにより撚り紐ペア520Aの長さを短縮することができる。モータ515Cは、モータ515Cに固定された撚り紐ペア520Cの巻きを解き、これにより撚り紐ペア520Cの長さを延長することができる。これらの2つのアクションは、ケーブル522をモータ515Aの方へ引き寄せて、プーリ510Aを反時計回り方向に回転させる。プーリ510Aを時計回りの方向に動かすには、モータ515Aが撚り紐ペア520Aの巻きを解き、モータ515Cが撚り紐ペア520Cを巻き取ることになろう。モータ515B、515Dも、同様の仕方でケーブル521とプーリ510Bとを動かすことが可能である。ケーブル521,522は、ビード315A、315Bと同じようなビードに連結することができ、そのビードをプーリ510A、510Bに連結する(例えば、前述した方法でプーリ510A、510Bのポケット中に保持する)ことができる。さらに、他の実施形態において、ケーブル521、522の各々を、各2つの独立したケーブルで代替して、移行ブロック530A、530B、530C、530Dと、プーリ510A、510B上のビードとの間に4つのケーブルを延ばすことが可能である。
【0065】
プーリ510A、510Bを駆動する別のモードにおいて、両方の撚り紐ペアは、等しく巻き取ることができる。例えば、モータ515A、515Cの両方が撚り紐ペア520Aおよび520Cを巻き取り、この間、モータ515B、515Dは、作動されない。この場合、プーリ510Aは、回転はされないがモータ515A、515Cの方向への引っ張り力を受けて、矢印523沿いにこの面(page)の中の方へのヨー運動をもたらすことになる。上記に換えて、モータ515B、515Dが撚り紐ペア520B、530Dを巻き取るように作動されて、一方、モータ512A、515Cが作動されない場合、プーリ510Bは、回転はされないがモータ515B、515Dの方向への引っ張り力を受けて、矢印523と反対の方向にこの面の外の方へのヨー運動をもたらすことになる。前述に加えて、ヨー運動の量は、撚り紐ペアが巻かれる量によって制御することが可能である。
【0066】
図4Cは、ツール30などのツールを制御するための別の駆動メカニズム500Bを概略的に示す。このシステムは、プーリ580に関連付けられたケーブル570を含む。この図示の実施形態において、ケーブル570は、以降でさらに説明するように、1本以上の撚り紐ペアを定義する。1つだけのプーリ580が示されているが、前述のように、該ケーブルは、複数のプーリに関連付けることができる。さらに、本システムは、第2プーリ(図示せず)に関連付けられた第2ケーブル(図示せず)を含むことが可能である。この図示の実施形態において、プーリ580は、駆動される対象である。前述の諸実施形態で説明したように、ケーブル570は、2つの移行ブロック565A、565Bに連結される。
【0067】
各移行ブロック565A、565Bは、撚り紐ペア560A、560Bに連結される。各撚り紐ペア560A、560Bは、ループ555A、555Bを形成する。各ループ555A、555Bは、モータ550A、550Bに連結される。撚り紐ペア560Aは、二重重ねのケーブル570によって定義される。すなわち、ケーブル570は、移行ブロック565Aに連結して(例えば、移行ブロック530Aと同様に、ペグが移行ブロック565Aのベースブロック上を回転せずにスライドでき、移行ブロック565Aのペグに連結する)、移行ブロック565Aを通過して延び、撚り紐ペア560Aおよびループ555Aを定義して、移行ブロック565Aに戻って連結する。同様に、撚り紐ペア560Bも、二重重ねのケーブル570によって定義される。すなわち、ケーブル570は、移行ブロック565Bに連結して、移行ブロック565Bを通過して延び、撚り紐ペア560Bおよびループ555Bを定義して、移行ブロック565Bに戻って連結する。
【0068】
モータ550Aおよび550Bは、ループ555A、555Bを巻き取りまたは巻き解き、その結果として撚り紐ペア560A、560Bを巻き取りまたは巻き解くことができる。したがって、ケーブル570は、移行ブロック565A、565Bの終端ブロックの両方の側から延びている。ケーブル570は、ビード575に取り付けることができ、これは、
図3A中のビード315Aへのケーブルの取り付けと同様に行うことができる。駆動メカニズム500Bは、
図4A中の駆動メカニズム500Aに比べて少ない部品(例えば1つのケーブル)を有利に有する。
【0069】
図4Dは、ツール30などのツールのケーブルを制御するための別の駆動メカニズム500Cを概略的に示す。このシステムは、2つのケーブル595A,595Bを含む。各ケーブル595A,595Bは、プーリ597A、597Bに関連付けられる。プーリ597A、597Bは、駆動される対象である。各ケーブル595A,595Bは、2つのケーブル端を有する。各ケーブル端は、モータ590A、590B、590C、590Dによって駆動される。これらのモータは、扁平な高トルクモータ(電気モータ)とすることができる。他の実施形態において、他の種類のモータを用いることは、可能である。ケーブル595A、595Bを巻き取り、巻き解くスプールは、図示されていない。
【0070】
図5A〜
図6Dは、前述した駆動メカニズムを含めて、本明細書で説明するツールに組み込みが可能なメカニズムの実施形態を示す。
図5Aは、ツールの別の実施形態を示す。このツール600は、遠位端部670および近位端部680を含む。遠位端部670は、
図1A〜
図3B中に示されたツール30の遠位端部31と実質的に同様とすればよい。明瞭化のため、
図5Aでは、遠位端部670を駆動するケーブルは示されていない。前述した諸実施形態と同様に、ツール600の手首部および/またはエンドエフェクタの運動をもたらすために、4つのケーブル端を有する2つのケーブルループが制御される。この図示の実施形態において、ツール600は、4つのモータ660A、660B、660C、660Dを含むことができる。但し、これらのケーブルを駆動して4つのケーブル端を制御するため、必要なモータは、3つだけである。一実施形態において、第4のモータは、ツール600の遠位端部670にツール軸周りの転がりまたは回転を与えることができる。いくつかの実施形態において、ツール600は、3つだけのモータを含む。
【0071】
ツール600は、4つのプーリ630A、630B、640A、640Bを含むことができる。プーリ630A、630Bは、プーリ640A、640Bに対して遠位に配置されることができる。プーリ630A、630Bは、前部プーリと見なすことができ、プーリ640A、640Bは、後部プーリと見なすことができる。前部プーリ630A、630Bの各々は、それぞれ、モータ660A、660Bにより駆動される。後部プーリ640A、640Bは、ロッカーメカニズム650に連結されている。
【0072】
図5Bは、ロッカーメカニズム650を示す。
図5Bでは、ロッカーメカニズム650をより明瞭に表すため、モータ660A、660Bは図示されていない。ロッカーメカニズム650は、軸668周りを行き来して(時計方向および反時計方向に)揺動することができる。図示のように、プーリ640A、640Bの軸は、ロッカーメカニズム650の端部に連結されている。一実施形態において、プーリ640A、640Bの軸で定義される面(例えば、ツールの長手軸と直交する面)は、軸668が前記面上に横たわらないように(例えば、ロッカーメカニズム650とプーリ640A、640Bとの軸によって定義される面が三角形を区画するように)、軸668から軸方向にオフセットすることができる。別の実施形態では、プーリ640A、640Bの軸および軸668は、ツール600の長手軸と直交する同一の面上に置くことも可能である。
【0073】
ロッカーメカニズム650が反時計方向に回転すると、プーリ640Bは、ツール600の遠位端部670の方へ移動し、プーリ640Aは、ツール600の近位端部680の方へ移動する。ロッカーメカニズム650が時計方向に回転すると、プーリ640Bは、ツール600の近位端部680の方へ移動し、プーリ640Aは、ツール600の遠位端部670の方へ移動する。ロッカーメカニズム650の位置は、モータ(例えばモータ660D)によって決められる。モータ660Dは、リードスクリューに連結してもよい。リードスクリューは、スクリューナットと結び付けてもよく、該ナットは、リードスクリューの長手に沿って平行移動する。このリードスクリューナットは、プッシュロッドに連結してもよい。このプッシュロッドは、ロッカーメカニズム650に連結してもよい。モータ660Dが回ると、プッシュロッドがリードスクリュー上を平行移動し、ロッカーメカニズム150の位置を変化させる。前述のように、ロッカーメカニズム150は、プーリ640A、640Bの位置を調整し、これにより、これらプーリは、プーリ640A、640Bに連結されたケーブルに加えられる張力を調整する。
【0074】
図5Cは、ツール600の第1ケーブル690Aのルーティングを示す。遠位セクション670中のケーブルのルーティングは、
図3A〜
図3B中に示されたケーブルルーティングと実質的に同様とすればよい。プーリ615A、615Bは、プーリ320A、320Bと実質的に同様とすればよい。
図5A中に示されるように、プーリ615A、615Bは、顎610A、610Bに連結することが可能である。プーリ620は、プーリ340A、340B、350A、350Bと類似である。
図5Cに示されるように、ケーブル690Aの両側は、プーリ620に対して近位側から同じ方向でプーリ620の周りに巻き付いており、ケーブル690Aの2つの側は、ツールシャフト605(
図5A参照)を通って進み、プーリ640Aの周りに少なくとも部分的に巻き付いている。ケーブル690Aの両自由端は、プーリ640Aを抜け出た後、スプール630Aの各反対側に固定されている。ケーブル690Aの両自由端は、各反対方向でスプール630Aに少なくとも部分的に巻き付いている。スプール630Aは、モータ(例えばモータ660A)によって作動される。スプール630Aが回転する速度は、モータ660Aに連結されたギアボックスを介して制御することができる。モータ660Aが回ると、スプール630Aが回り、ケーブル690Aの一方の端に張力を加え、同一のケーブル690Aの他方の端の張力を緩める。ケーブル690Aは、
図3A中のケーブル390Aがビード315Aに連結している仕方と同じ仕方で、プーリ615Aのポケットまたは凹部中に保持されるビードに連結することができる。
【0075】
スプール630Aが回転すると、第1ケーブル端は、巻き解かれて、第2ケーブル端は、スプール630A周りに巻き取られる。この型の運動の効果は、プーリ620は回転しないがプーリ615Aは回転することになり、これがプーリ615Aに取り付けられた顎610Aを動かすことになる、ということである。例えば、顎610Aを上方にヨー運動させるには、プーリ615Aは、反時計回り方向に動く必要がある。顎610を上方にヨーイングさせるには、上側ケーブル端をスプール630Aの周りに巻き付けることによって、該ケーブル端に張力を加える必要があろう。顎を下方にヨーイングさせるには、下側ケーブル端に張力を加えることが必要であろう。ロッカーメカニズム650は、中立位置にすることができる(例えば、プーリ640A、640Bがツール600の長手軸に直交する面に沿って整列される)。
【0076】
ツール600は、顎610A、610Bを、(例えば、プーリ615A、615Bを介して別々に回転させて)捕捉させる、(例えば、プーリ615A、615Bを介して、両顎を一緒に回転させて)ヨーイングさせる、および(例えば、プーリ620の周りに両顎を回転させて)ピッチさせるなど、様々な仕方で動くよう作動させることができる。
図5Dは、ツール600中の第2ケーブルのルーティングを示す。このルーティングは、
図5Cで説明したものと類似である。ケーブル690Bは、プーリ620周り、プーリ640Bの周りに巻き付き、スプール630で終端している。スプール630Bは、モータ(例えばモータ660B)によって駆動される。スプール630Bが回転すると、ケーブル690Bの一方の側には張力がかかり、ケーブル690Bの他方の側の張力は緩められる。この回転の効果は、プーリ615Bに取り付けられた顎610Bを動かすことである。
【0077】
顎610A、610Bの両方を同時に上方に動かすために、スプール630A、630Bは、プーリ615A、615Bを反時計回りに動かすようにモータで駆動される。この運動は、顎610A、610Bをヨーイングさせることになる。両顎610A、610Bを同時に下方に動かすために、スプール630A、630Bは、プーリ615A、615Bを時計回りに動かすようにモータで駆動される。
【0078】
ピッチをもたらすには、ロッカーメカニズム650を操作して、ツール600の長手軸に対してプーリ640A、640Bの位置を変化させる。
図5Eは、ロッカーメカニズム650が時計方向に回転されて、プーリ640Aをツール600の遠位端部670の方へ移動させ、プーリ640Bをツール600の近位端部680の方へ移動させるのを示す。この実施形態において、ロッカーメカニズム650のこの位置は、ケーブル690Bの両側の張力を増大する。この張力は、プーリ620を時計方向に回転させ、それは、矢印線695で示すように、ツール600の手首部および顎610A、610Bを時計回り方向にピッチさせる。プーリ620を反対方向に回転させるために、ロッカーメカニズム650は、反時計回り方向に回転されて、プーリ640Aをツール600の近位端部680の方へ移動させ、プーリ640Bをツール600の遠位端部670の方へ移動させる。これは、ケーブル690Aの張力を増大し、それは、プーリ620を反時計回りに回転させ、次にそれは、ツール600の手首部および顎610A、610Bを反時計回り方向(矢印線695で示されたのと反対方向)にピッチさせる。本明細書で説明するリードスクリューおよびプッシュロッドの実装は、+/−90°までまたはそれより大きいピッチ(例えば、合計で180°以上)を可能にすることができる。ロッカーメカニズム650の使用は、一方のケーブルの張力の増大(例えば、1つのケーブルがプーリ615A、615Bに達するために進む必要のある距離を長くする)と、もう一方のケーブルの張力の低減または緩和(例えば、1つのケーブルがプーリ615A、615Bに達するために進む必要のある距離を短くする)とをもたらす。
【0079】
図6Aは、ツールの別の実施形態を示す。このツール700は、遠位端部770および近位端部780を含む。遠位端部770は、
図1A〜
図3B中に示されたツール30の遠位端部31と実質的に同様とすればよい。ツール700は、顎710A、710Bを、(例えば、プーリ715A、715Bを介して、両顎を別々に回転させて)捕捉させる、(例えば、プーリ715A、715Bを介して、両顎を一緒に回転させて)ヨーイングさせる、および(例えば、両顎をプーリ720の周りに回転させて)ピッチさせるなど、様々な仕方で動くよう作動させることができる。ツール700は、
図5Bで説明したロッカーメカニズム650に換えて、顎のピッチ運動をもたらすシャトルメカニズム730を含む。明瞭化のため、
図6Aではツール700に対するケーブルルーティングは示されていない。また、一実施形態において、ツール700は、ツール700の(プーリ640A、640Bと類似の)後部プーリを保持して、近位端部でケーブルのルーティングを(例えば、プーリ640A、640Bがプーリ630A、630Bに向けてケーブルルーティングを反転させた仕方と同様な仕方で)反転させるための、ロッカーメカニズム650も含むことができる。すなわち、一実施形態において、ツール700の近位端部は、ツール600の近位端部と同じ構造を有することが可能である。
【0080】
ここで
図6Bを参照すると、第1ケーブル760Aに対するケーブルルーティングを備えるシャトルメカニズム730の上面図および底面図が示されている。この図示の実施形態において、シャトルメカニズム730の中央プーリ735の軸棒は、ツールシャフト705の胴体に固定的に連結される。シャトルメカニズム730は、ツールシャフト705の長手軸に沿って前後に直線的にスライドすることが可能である。
【0081】
図6Bの上面図を見ると、ケーブル760Aは、近位端部780からツールシャフトの胴体に入っている。ケーブル760Aは、中央プーリ735の周りに少なくとも部分的に巻き付いている。ケーブル760Aは、近位端部780の方へ戻って延び、シャトルプーリ755の周りに少なくとも部分的に巻き付いている。ケーブル760Aは、次いで遠位端部770の方へ延び、プーリ720の周りに少なくとも部分的に巻き付いている。プーリ720は、前述したプーリ620と実質的に類似にすることができ、ツール700の手首部として機能することが可能である。プーリ720は、ヨーク790に連結されて、
図6Aに示されるように、該ヨークは、顎710A、710Bに連結されている。
図6Bの底面図を見ると、ケーブル760Aは、プーリ720に巻き付いた後、遠位端部770側からツールシャフトの胴体に入っている。ケーブル760Aは、近位端部780の方へ戻って延び、シャトルプーリ755の周りに少なくとも部分的に巻き付いている。ケーブル760Aは、次いで遠位端部770の方へ延びて、中央プーリ735の周りに少なくとも部分的に巻き付き、その後、ケーブル760Aは、近位端部780の方へ延びる。
【0082】
図6Cは、第2ケーブル760Bに対するケーブルルーティングを含むシャトル730の上面図および底面図を示す。
図6Cの上面図を見ると、ケーブル760Bは、近位端部780からツールシャフトの胴体705に入っている。ケーブル760Bは、シャトルプーリ750の周りに少なくとも部分的に巻き付いている。ケーブル760Aは、近位端部780の方へ戻って延び、中央プーリ735の周りに少なくとも部分的に巻き付いている。ケーブル760Aは、遠位端部770の方へ延び、プーリ720の周りに少なくとも部分的に巻き付いている。プーリ720は、ヨーク790に連結されて、
図6Aに示されるように、該ヨークは、顎710A、710Bに連結されている。
図6Cの底面図を見ると、ケーブル760Bは、プーリ720に巻き付いた後、遠位端部770側からツールシャフトの胴体705に入っている。ケーブル760Bは、近位端部780の方へ戻って延びて、中央プーリ735の周りに少なくとも部分的に巻き付いている。ケーブル760Bは、次いで遠位端部770の方へ延びて、シャトルプーリ750の周りに少なくとも部分的に巻き付き、その後、ケーブル760Bは、近位端部780の方へ延びる。
【0083】
ツール700の手首部および顎710A、710Bにピッチをもたらすために、シャトルメカニズム730は、ツール700の長手軸沿いにシャトルメカニズム730の位置を変えるように調整される。
図6Dは、ツール700の遠位端部770の方へシフトされるシャトルメカニズム730を示す。シャトルメカニズム730の位置は、モータ(例えば、
図5Aに示されたモータ660D)に取り付けられたメカニズム(例えば、プッシュロッド、リードスクリュー、ケーブル伝動装置)によって調整される。
図6Dは、シャトルメカニズム730を遠位端部770の方へ直線的に平行移動する効果を示す。
図6Dの上の方の2つの図は、ケーブル760Bに対するケーブルルーティングを示し、下の方の2つの図は、ケーブル760Aに対するケーブルルーティングを示す。シャトルメカニズム730のこの位置は、ケーブル760Bの両側の張力を増大する。ケーブル760Bがプーリ720に達するために進まねばならない距離は、増加しており(例えば、シャトルプーリ750と中央プーリ735と間の距離は、増加しており)、一方、ケーブル760Aがプーリ720に達するために進まねばならない距離は、減少している(例えば、中央プーリ735とシャトルプーリ755と間の距離は、減少している)。その結果、ケーブル760Bによってプーリ720上に加えられる張力は、増加し、ケーブル760Aによってプーリ720に加えられる張力は、減少する。この張力は、プーリ720を矢印線765方向の反時計回り方向に回転させる。前述したケーブルルーティングには、他の実施形態ではここに記載されたものとは別のプーリのセットを用いることが可能であるが、そうであっても、シャトルメカニズム730の使用は、一方のケーブルの張力の増大(例えば、1つのケーブルがプーリ715A、715Bに達するために進まなければならない距離の伸長)と、もう一方のケーブルの張力の低減または緩和(例えば、1つのケーブルがプーリ715A、715Bに達するために進まなければならない距離の減少)とをもたらす。
【0084】
プーリ720(例えば手首部のプーリ)を反対方向に回転させるために、シャトルメカニズム730は、ツール700の近位端部780の方へ平行移動される。この張力は、プーリ720を時計回り方向に回転させる。シャトルの位置が近位端部780に向かうとともに、ケーブル760A上の張力は、増大し、手首部(例えばプーリ720)は、矢印線765のように反対方向にピッチすることになる。本明細書で説明するシャトルメカニズム730の実装は、+/−90°までまたはそれより大きいピッチ(例えば、合計で180°以上)を可能にすることができる。
【0085】
前述のように、ロッカーメカニズム650およびシャトルメカニズム730は、第1ケーブルの張力を増大し、第2ケーブルの張力を緩める。このロッカーメカニズム650およびシャトルメカニズム730を用いて、プーリ620、720または任意のプーリの組み合わせ(例えば、
図1Aに示されたプーリ群)の動作をもたらすことができる。
【0086】
図7Aは、ツールの別の実施形態を示す。このツール1000は、10個のプーリ、1010A、1010B、1020A、1020B、1030A、1030B、1040A、1040B、1050A、1050Bを有する。プーリ1010A、1020Aは、第1セットに配置される。プーリ1010B、1020Bは、第2セットに配置される。プーリ1050A、1050Bは、第3セットに配置される。プーリの第3セットは、プーリの第1セットおよび/またはプーリの第2セットに対して角度を付けることができる。
【0087】
プーリ1030A、1040Aは、第4セットに配置される。プーリ1030B、1040Bは、第5セットに配置される。プーリの第3セットは、プーリの第4セットおよび/またはプーリの第5セットに対して角度を付けることができる。この図示の実施形態において、プーリ1010A、1020Aの第1セットは、プーリ1030A、1040Aの第4セットと直列にすることが可能である。プーリ1010B、1020Bの第2セットは、プーリ1030B、1040Bの第5セットと直列にすることが可能である。プーリ1010A、1020Aの第1セットは、プーリ1010B、1020Bの第2セットとともに或る回転軸に沿って配置されることができる。プーリ1030A、1040Aの第4セットは、プーリ1030B、1040Bの第5セットとともに或る回転軸に沿って配置されることができる。プーリ1010A、1010B、1020A、1020B、1030A、1030B、1040A、1040Bの他の配置も可能である。
【0088】
図7Bを参照すると、プーリ1050A、1050Bの第3セットは、回転軸1060に沿って配置されることができる。プーリ1030A、1040Aの第4セットおよびプーリ1030B、1040Bの第5セットは、回転軸1070に沿って配置されることができる。プーリ1050A、1050Bの第3セットの回転軸1060は、プーリ1030A、1040Aの第4セットおよびプーリ1030B、1040Bの第5セットの回転軸1070に対して角度を付けて、プーリ1030Bおよび1040A上の溝は、それぞれ、プーリ1050Aおよび1050B上の溝と整列し、これにより、ケーブルは、プーリ1030Bおよび1040Aとプーリ1050A、1050Bとの間で真っすぐな経路をたどり、ケーブルの湾曲およびケーブルとプーリとの間の摩擦が低減されるようにすることが可能である。
【0089】
プーリ1010A、1020Aの第1セットおよびプーリ1010B、1020Bの第2セットは、
図7Aに示されるように、回転軸1070’に沿って配置されることができる。プーリ1050A、1050Bの第3セットの回転軸1060は、プーリ1010A、1020Aの第1セットおよびプーリ1010B、1020Bの第2セットの回転軸1070’に対して角度を付けることができる。
【0090】
第1ケーブルおよび第2ケーブルのルーティングが
図7Aに示されている。プーリ1050A、1050Bは、ヨーク1055に連結される。ヨーク1055は、ヨーク1055の表面から延びる2つの取り付け具1055A、1055Bを有することができる。一実施形態において、ツール1000の顎は、取り付け具1055A、1055Bを介してプーリ1050A、1050Bに連結することが可能である。このケーブルルーティングは、
図1A〜
図3Bに関連して説明したルーティングと同様にすればよい。各ケーブルは、プーリ1030A、1040Aの第4セット中の1つのプーリおよびプーリ1030B、1040Bの第5セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。いくつかの実施形態において、プーリ1050A、1050Bの第3セットの角度は、プーリ1030A、1040Aの第4セットおよびプーリ1030B、1040Bの第5セットに行き来するケーブルが、プーリ1050A、1050Bの第3セットに真っすぐな経路をたどるように、配置される。ツール1000は、顎(図示しない)を、(例えば、プーリ1050A、1050Bを介して、両顎を別々に回転させて)捕捉させる、(例えば、プーリ1050A、1050Bを介して、両顎を一緒に回転させて)ヨーイングさせる、および(例えば、両顎を軸1030A、1040A、1030B、1040Bの周りに回転させて)ピッチさせるなど、様々な仕方で動かすように作動させることができる。
【0091】
他の実施形態において、ツールは、剛性部分と柔軟性部分とを含むことができ、柔軟性部分を選択的に硬化しおよび/または所定位置にロックし、これにより該ツールの少なくとも一部に屈曲形状をもたらすことが可能である。いくつかの実施形態において、選択的に硬化可能な前記柔軟性部分は、ツールの手首部の近位側に配することができ、ツールの手首部は、本明細書の実施形態中で開示した任意の構成を有することができる。上記から、いくつかの実施形態において、ツールは、手首部と、ツールのエンドエフェクタをいろいろな幾何的配置に位置付けるよう作動することができる別のジョイントを提供する、手首部から近位の柔軟性部分と、を有し、これによりツールの遠位端部の運動の範囲を有益に拡大することが可能である。
【0092】
図8A〜
図9Cは、本明細書に記載のツール中に組み込みが可能な柔軟性セクションの諸実施形態を示す。
図8Aは、ツールの別の実施形態を示す。このツール1300は、ツールシャフト1302の一部に沿った屈曲部または肘部を含むことができる。ツール1300は、1つ以上の剛性セクション1310を含むことが可能である。ツール1300は、1つ以上の柔軟性セクション1305を含むことが可能である。柔軟性セクション1305は、シース1320を含み、シースは、平行線模様で図示されている。ツール1300は、エンドエフェクタ1340(例えば捕捉具)を含むことができる。ツール1300は、例えば、障害物を迂回して所望の位置または対象物に到達するため、非直線の形状を実現するように、屈曲するまたは別途に操作することが可能である。さらに、ツール1300は、柔軟性セクション1305を選択的に硬化および/または所定位置にロック(例えば、前記屈曲形状を維持するために)できるようにアレンジされることができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、手術用途に使われる場合、ツール1300は、トロカールを通して挿入することが可能である。トロカールは、一般に直線形状を有するので、ツール1300は、トロカールを通して挿入するために長手軸に沿って(例えば、直線的、剛性に)延びるようにアレンジされることができる。ツール1300は、(例えば、該ツールが経皮的手術に使われる場合)トロカールを抜けて体内に入った後、直線以外の形状をとるために、屈曲または操作することが可能である。所望の形状が得られたならば、ツール1300は、屈曲形状を堅固に維持するためにその姿勢にロックすることができる。ツール1300をロックすることによって、ユーザがツール1300のその姿勢の制御を失うのを防止することができる。
【0094】
図8Bは、柔軟性セクション1305をさらに詳細に示す。一実施形態において、柔軟性セクション1305は、柔軟性コア(例えば組み紐)1370を含むことができる。柔軟性セクション1305は、柔軟化できる保持器1360を含むことが可能である。保持器1360は、固体状態および液体状態の両方を有する、低融点材料(例えば、ワックス、ポリマー)を含有することができる。一実施形態において、この柔軟性コア(例えば組み紐)1370には、低融点材料の母材で含浸された繊維の導体材料を含めることが可能である。この固体状態と液体状態との間の転移は、低温(例えば、150°Fより低い、140°Fより低い、130°Fより低い、120°Fより低い、110°Fより低い、100°Fより低い、90°Fより低いなど)で生じる。保持器1360をシース1320で取り囲むとよい。矢印線1380は、例えばツール1300の近位端部の方に向かう、柔軟性シース1320を作動するための電気ワイヤなど、エンドエフェクタを作動するケーブルを表す。
【0095】
引き続き
図8A〜
図8Bを参照すると、低融点材料は、活性化メカニズムによって活性化されたとき流体になることが可能である。この低融点材料は、活性化されないときは固体になることができる。活性化メカニズムには、低融点材料に熱をかける加熱素子1330を含めることが可能である。一実施形態において、加熱素子1330は、電流が加熱素子を通電しているとき加熱することができる。(例えば、この加熱素子は、抵抗性ヒーターとすることが可能である)。他の実施形態において、低融点固体の代わりにまたはこれに加えて、静電気効果または磁気効果に基づく他の硬化メカニズムを用いることも可能である。
【0096】
加熱素子1330がオンにされると、低融点材料は、流体状態に転移して柔らかくなる。ツール1300は、屈曲または操作することができる。加熱素子1330がオフにされると、低融点材料は、固体状態に転移して硬くなる。ツール1300は、その屈曲姿勢を維持することができる。
【0097】
図8Cは、ツール1300’の柔軟性セクション1305の或る実施形態を示す。この構成は、能動的肘構成と考えればよい。ツール1300’は、ケーブル1380を含むことができる。ケーブル1380は、ハウジング1382に封入することが可能である。ハウジング1382は、柔軟性セクション1305とともに曲がるように柔軟性にすることができる。ツール1300’は、1つ以上のケーブルを含むことが可能である。ツール1300’は、2つ以上のケーブルを含むことも可能である。ケーブル1380は、1つ以上の剛性セクション1310に、1つ以上の柔軟性セクション1305に、および/またはエンドエフェクタ1340に取り付けることができる。ケーブル1380は、柔軟性セクション1305の遠位端部(例えば、遠位位置1385)に連結することが可能である。いくつかの実施形態において、加熱素子1330が活性にされて、柔軟性セクション1305は、しなやかになる。ケーブル1380が柔軟性セクション1305の遠位位置1385を引っ張ることによって屈曲を形成するために、ケーブル1380に張力がかけられて柔軟性セクション1305に張力がかかり、これにより能動性肘がもたらされる。柔軟性セクション1305の適切なまたは所望の屈曲が得られたならば、活性化素子を非活性にすればよい。柔軟性セクション1305は、硬くなり、屈曲は、その姿勢でロックされることになろう。低融点材料は、硬化し、柔軟性セクション1305の姿勢が維持されることになろう。
【0098】
図8Dは、ツール1300”の柔軟性セクション1305の或る実施形態を示す。この構成は、受動的肘構成と考えればよい。柔軟性セクション1305は、1つ以上の椎骨部1391(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つの椎骨部など)を含むことができる。椎骨部1391は、任意の断面形状(例えば円形、円盤系)とすることが可能である。椎骨部1391は、シース1320内に保持されるかまたはシースによって覆われている。柔軟性セクション1305は、柔軟性コア(例えば、
図8B中の組み紐1370などの組み紐)を含むことができる。
図8B中のツール1300と同様に、柔軟性セクション1305は、柔軟であることが可能であり、固体状態および液体状態の両方を有し、前述した温度のような低温において固体状態と液体状態との間の転移が可能な、低融点材料(例えば、ワックス、ポリマー)を含むことが可能な保持器1360、を含むことができる。
【0099】
ツール1300”は、ケーブル1392を含むことができる。ケーブル1392は、ハウジング(図示せず)に封入することが可能である。ツール1300”は、1つ以上のケーブル1392を含むことが可能である。ツール1300”は、2つ以上のケーブル1392を含むことも可能である。ケーブル1392は、1つ以上の剛性セクション1310に、1つ以上の柔軟性セクション1305に、1つ以上の椎骨部1391に、および/またはエンドエフェクタ1340に取り付けることができる。ケーブル1392は、
図8Dに示すように、ツール1300”内に延びることができる。
【0100】
いくつかの実施形態において、加熱素子1330が活性にされて、柔軟性セクション1305は、しなやかになる。ケーブル1392に張力がかけられ、これが1つ以上の椎骨部1391の方位を変化させて、柔軟性セクション1305中に屈曲を形成する。この柔軟性セクション1305の屈曲は、柔軟性セクション1305の部分を形成する1つ以上の椎骨部1391により生じる。柔軟性セクション1305および/または柔軟性シース1320は、単に、1つ以上の椎骨部1391の屈曲に追従してこれにより受動的肘をもたらす。柔軟性セクション1305の適切なまたは所望の屈曲が得られたならば、活性化素子1330を非活性にすればよい。柔軟性セクション1305は、硬くなり、屈曲は、その姿勢でロックされることになろう。低融点材料は硬化し、柔軟性セクション1305の姿勢を維持することになろう。
【0101】
図9Aは、ツールの別の実施形態を示す。このツール1600は、シース1610を含む。シース1610は、柔軟性材料(例えば、注型シリコンゴム)で形成することができる。ツール1600は、1つ以上の制御ケーブル1620A、1620B、1620Cを含むことができる。
図9Aには、3つの制御ケーブルが示されているが、任意の数の制御ケーブル(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つのケーブルなど)を用いることが可能である。制御ケーブル1620A、1620B、1620Cは、柔軟性セクション1605の湾曲を操作するためのメカニズム(図示せず)に連結される。3つの制御ケーブル1620A、1620B、1620Cは、柔軟性セクション1605を通って延び、該柔軟性セクション1605の近位端部から抜け出ることができる。ツール1600には、器具用チャネル1630を含めることができる。器具用チャネル1630は、ツール1600の長手軸沿いに延ばすことができる。器具用チャネル1630は、このとき、ツール1600の全体に沿って、またはツール1600の長さの一部沿いに延ばすことが可能である。器具用チャネル1630には、エンドエフェクタおよび/または他の部品を操作するための制御メカニズム(図示せず)(例えば、電気ワイヤ、安全ワイヤ)を含めることができる。
【0102】
一実施形態において、シース1610は、ツール1600の手首部の近位側に配することが可能で、手首部は、本明細書に開示された諸構成(例えば、
図1A〜
図3B中のプーリシステム)の1つを有することができる。シース1610は、したがって、ツール1600の遠位端部の運動の範囲を増大するための追加のジョイントを提供することが可能である。また、いくつかの実施形態において、シース1610の柔軟性セクション1605の湾曲を操作する制御ケーブルは、ツールの手首部(例えば、
図1A〜
図3B中のツール30の遠位端部31)の動作をもたらすこともできる。
【0103】
図9Bは、シース1610を取り除いたツール1600を示す。ツール1600は、1つ以上の椎骨部1635(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つの椎骨部など)を含むことができる。1つ以上の制御ケーブル1620A、1620B、1620Cは、1つ以上の椎骨部1635を通って延びることができる。各椎骨部1635の方位は、制御ケーブル1620A、1620B、1620Cによって制御が可能である。
【0104】
図9Cは、椎骨部1635の分解部品配列図を示す。椎骨部1635は、1つ以上の印刷回路基板1640A、1640Bを含むことができる。椎骨部1635は、椎骨部1635の両側に配された2つの印刷回路基板1640A、1640Bを含むことができる。2つの印刷回路基板1640A、1640Bは、同じものであってよい。2つの印刷回路基板1640A、1640Bは、印刷回路基板1640B上に示されるように、当該印刷回路基板の一方の側に加熱素子1641を含むことができる。2つの印刷回路基板1640A、1640Bは、印刷回路基板1640A上に示されるように、当該印刷回路基板の他方の側には諸部品を含むことができる。これらの部品には、スイッチ1655(例えば、アドレス可能マイクロスイッチ)を含めることが可能である。スイッチ1655は、どの椎骨部をオンするかを選択する。これらの部品は、加熱素子1641をオン、オフするためのリレーまたはFET1660を含み得る。FETのリレー1660は、加熱素子1641に対する電源を提供する。他の諸実施形態において、低融点固体の代わりにまたはこれに加えて、静電気効果または磁気効果に基づく他の硬化メカニズムを用いることも可能である。1つ以上の電気ワイヤ(図示せず)は、この2つの印刷回路基板1640A、1640Bを、様々な他の機能のため(例えば、電力、データ伝送)他の部品に接続する。スイッチ1655およびリレー1660は、1つの部品に組み合わせることができる。スイッチ1655および/またはリレーまたはFET1660は、既存技術で知られた、素子を活性化/非活性化するための他のメカニズムで代替することが可能である。
【0105】
椎骨部1635は、球体スペーサボール1646を含むことができる。球体スペーサボール1646は、ボールシート1645A、1645B中に保持することが可能である。ボールシート1645A、1645Bは、印刷回路基板1640A、1640Bに結び付けることができる。ボールシート1645A、1645Bは、各ボールを挟んで所定の距離を維持することが可能である。椎骨部1635は、スペーサ1650を含むことができる。スペーサ1650は、固体状態および液体状態の両方を有する低融点材料(例えば金属)で形成することが可能である。固体状態と液体状態との間の転移は、低温(例えば、150°Fより低い、140°Fより低い、130°Fより低い、120°Fより低い、110°Fより低い、100°Fより低い、90°Fより低いなど)で生じる。スペーサ1650は、室温で固体とすることができる。この低融点材料は、保持器によってカプセル化することが可能である(例えば、低融点材料の周りに注型されたシリコン)。スペーサ1650は、2つの印刷回路基板1640A、1640Bの間に配置されることができる。球体スペーサボール1646は、スペーサ1650内に保持される。
【0106】
ツール1600を位置付けるために、データ信号は、選択された椎骨部の2つの印刷回路基板1640A、1640Bに送信される。このデータ信号は、1つの選択された椎骨部1635または複数の選択された椎骨部1635に送信することができる。このデータ信号は、選択された椎骨部1635の加熱素子1641のペアを活性化させる。選択された椎骨部1635中の2つの印刷回路基板1640A、1640Bの間に屈曲を生成するために、および/または任意の角度方位が得られるように、制御ケーブル1620A、1620B、1620Cに張力を加えることができる。
【0107】
データ信号によって、選択された椎骨部1635の加熱素子1641のペアを非活性にすることが可能である。これにより加熱素子1641は、オフにされ、低融点材料が制御ケーブル1620A、1620B、1620Cによって設定された方位(例えば、位置および/または角度)で凝固することを可能にする。一実施形態において、制御ケーブル1620A、1620B、1620Cは、低融点材料が凝固するまで選択された椎骨部1635の位置および/または角度を維持することができる。いくつかの実施形態において、低融点材料の凝固および/または冷却を加速するために、器具用チャネル1630を通して冷却材を送ることも可能である。選択された椎骨部1635および選択された椎骨部1635のグループの角度を動かして設定することによって、
図9Bに示されるように、複合湾曲を実現することが可能である。
【0108】
ここでは、手術システムのために有益ないくつかの概念を説明しているが、これらの概念は、手術外および非医療応用においても利点を提供することができる。
図10は、外科手術(例えば、経皮的最小侵襲性の外科手術)を実施するのに用いることが可能な高操作性手術システム(hyperdexterous surgical system)5を示す。この高操作性手術システム5は、1つ以上の高操作性手術アーム10を含むことができる。いくつかの実施形態において、外科手術は、ツール(例えば本明細書に記載されたツールのいずれか)を操作して、例えば、高操作性手術アーム10に保持されたツールを操作して実施される。
【0109】
図11は、高操作性手術アーム10の或る実施形態を示す。高操作性手術アーム10は、高操作性手術ツール30’に連結することができる。このツールは、「高操作性手術ツール」または代わりに単に「ツール」と呼ぶことにする。高操作性手術ツール30’は、遠位端部31’および近位端部32’を含む。一実施形態において、高操作性手術ツール30’および遠位端部31’は、
図1A〜
図3B中のツール30および遠位端部31と同様であり得る。使用において、遠位端部31’は、(例えば、経皮的最小侵襲性の外科手術において)切開点を通して患者の体内に配置されることができる。ツール30’の遠位端部31’は、エンドエフェクタ(例えば、
図1A中の捕捉具310などの捕捉具)を含むことが可能である。エンドエフェクタは、実施対象の外科手術またはタスクに基づいて選択することができる。ツール30’の遠位端部31’は、手首部を含むことが可能であり、その詳細については本明細書でさらに説明する。
図1A中のツール310などのツールの手首部の改良された設計についてのいくつかの概念を上記で説明した。ここでは、手術システムのために有益ないくつかの概念を説明するが、これらは、手術システム以外にも同様に適用することができよう。
【0110】
高操作性手術システム5および高操作性手術アーム10は、共同所有、同時係属の、2014年3月13日出願の国際特許出願第PCT/US2014/26115号、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/791248号、2013年11月20日出願の米国仮特許出願第61/906802号、2013年11月26日出願の米国仮特許出願第61/908888号、2013年12月12日出願の米国仮特許出願第61/915403号、および2014年2月5日出願の米国仮特許出願第61/935966号にさらに記載されており、これらの全ては、ここで参照することにより本明細書に組み込まれ、本明細書の一部と見なすものとする。
【0111】
図12Aは、ツールの別の実施形態を示す。このツール400は、
図1A〜
図3B中に示されたツール30と実質的に同様とすればよい。ツール400は、ツール400の遠位端部31’の手首部402を有することが可能で、手首部402は、エンドエフェクタ410をツール400のシャフト30Aに連結している。この図示の実施形態において、手首部402は、プーリ440A、440B、450A、450B、425A、425B、427A、427B、420A、および420Bを含むことができる。プーリ440A、450Aは、第1セットに配置される。プーリ440B、450Bは、第2セットに配置される。プーリ420A、420Bは、第3セットに配置される。プーリ425A、427Aは、第4セットに配置される。プーリ425B、427Bは、第5セットに配置される。プーリ420A、420Bの第3セットは、
図3Aに関連して前述したプーリ320A、320Bの第3セットと実質的に同様であり、それぞれ、エンドエフェクタ410の顎410A、410Bに連結する。同じように、プーリ440A、450Aの第1セット、およびプーリ440B、450Bの第2セットは、
図3Aに関連して前述したプーリ340B、350Bの第1セット、およびプーリ340A、340Bの第2セットと実質的に同様である。ツール400は、該ツールがプーリの2つの追加セット、プーリ425A、427Aの第4セットおよびプーリ425B、427Bの第5セットを含むという点で、
図3Aのツール30とは異なる。
【0112】
図12Bに示されるように、プーリ425A、427Aの第4セット、およびプーリ425B、427Bの第5セットは、プーリ440A、450Aの第1セット、およびプーリ440B、450Bの第2セットに対し角度が付けられる。プーリ425Aの回転軸は、プーリ440Aの回転軸に対して角度が付けられる。プーリ427Aの回転軸は、プーリ450Aの回転軸に対して角度が付けられる。プーリ425Bの回転軸は、プーリ440Bの回転軸に対して角度が付けられる。プーリ427Bの回転軸は、プーリ450Bの回転軸に対して角度が付けられる。
【0113】
図12Cを参照すると、プーリ425A、427Aの第4セットは、角度付きくさび具426Aによって維持されており、該くさび具は、相互に角度付けされた(例えば、15°、30°、45°など)2つの軸棒452A、452Bを含むことができる。角度付き軸棒452A、452Bは、プーリ425A、427Aが軸棒452A、452Bの周りを回転できるように、該軸棒上にプーリ425A、427Aの第4セットを支えている。
図12Bに最良に示されているように、同様な仕方で、角度付きくさび具426Bによって或る角度でプーリ425B、427Bの第5セットを維持することができる。角度付きくさび具426Bは、角度付きくさび具426Aと実質的に同様である。
図12A〜
図12Cに示され、そして前に説明したように、手首部402のこの設計は、手首部402の諸プーリの周りにルートされるケーブル間の交差および摩擦を減少させて、したがって、ケーブルのルーティングをさらに有利にする。手首部402のケーブルのルーティングについては、以下でさらに説明する。
【0114】
ツール400は、顎410A、410Bを、(例えば、プーリ420A、420Bを介して、両顎を別々に回転させて)捕捉させる、(例えば、プーリ420A、420Bを介して、両顎を一緒に回転させて)ヨーイングさせる、および(例えば、両顎をプーリ440A、450A、440B、450Bの周りに回転させて)ピッチさせるなど、様々な仕方で動くよう作動させることができる。
図13Aは、ツール400の手首部402中の第1ケーブル490Aのルーティングを示す。第1ケーブル490Aは、ツール400の近位端部(図示せず)から始まり、
図3A中に示されたツール30に関連して前述したのと同様な仕方で、ツールシャフト30Aを通って、(例えば、開口または穴を通るなど、シャフト30Aの端部に取り付けられたヨークを通って、)ツールシャフト30Aの外に延びる。この図示の実施形態において、第1ケーブル490Aは、プーリ440A、450Aの第1セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第1ケーブル490Aは、次いで、プーリ425A、427Aの第4セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第1ケーブル490Aは、その後、プーリ420A、420Bの第3セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。前の諸実施形態で説明したように、第1ケーブル490Aは、プーリ420A、420Bの第3セット中の1つのプーリ内に保持されたビードに連結することができる(例えば、
図3A中のビード315Aのようなビードに固定的に連結される)。第1ケーブル490Aは、次いで、プーリ425B、427Bの第5セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付き、その後、第1ケーブル490Aは、プーリ440B、450Bの第2セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第1ケーブル490Aは、その後、ツール400の近位端部の方へツールシャフトを通って延びる。いくつかの実施形態において、第1ケーブル490Aは、
図13Aに示されるように、プーリ450A、427A、420A、425B、および440Bの周りに少なくとも部分的に巻き付く。
【0115】
この図示の実施形態において、プーリ440A、440B、425A、425Bは、外側プーリと見なされ、プーリ450A、450B、427A、427Bは、内側プーリと見なされる。いくつかの実施形態において、第1ケーブル490Aは、2つの外側プーリ(例えば、440B、425B)および2つの内側プーリ(例えば、450A、427A)の周りに巻き付いている。第1ケーブル490Aのルーティングをより明瞭に表すために、
図13Aでは、第1ケーブル490Aは、プーリから僅かにずらして示されている。
【0116】
図13Bは、ツール400の手首部402中の第2ケーブル490Bのルーティングを示す。第2ケーブル490Bは、プーリ440A、450Aの第1セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル490Bは、次いで、プーリ425A、427Aの第4セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル490Bは、その後、プーリ420A、420Bの第3セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。前の諸実施形態で説明したように、第2ケーブル490Bは、プーリ420A、420Bの第3セット中の1つのプーリ内に保持されたビードに連結することができる(例えば、ビード315Aのようなビードに固定的に連結される)。第2ケーブル490Bは、次いで、プーリ425B、427Bの第5セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付き、その後、第2ケーブル490Bは、プーリ440B、450Bの第2セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル490Bは、その後、ツール400の近位端部の方へツールシャフト30Aを通って延びる。いくつかの実施形態において、第2ケーブル490Bは、
図13Bに示されるように、プーリ450B、427B、420B、425A、および440Aの周りに少なくとも部分的に巻き付く。
【0117】
いくつかの実施形態において、第2ケーブル490Bは、2つの外側プーリ(例えば、440A、425A)および2つの内側プーリ(例えば、450B、427B)の周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル490Bのルーティングをより明瞭に表すために、
図13Bでは、第2ケーブル490Bは、プーリから僅かにずらして示されている。
【0118】
図14Aは、本明細書で説明した諸ツールに組み込みが可能な、ツールの近位端部の或る実施形態を示す。この近位端部は、モータパック800を含む。この図示の実施形態において、モータパック800は、前に説明したような、4つの別個のケーブルを駆動する4つのモータ(例えば電気モータ)を含む。
【0119】
いくつかの実施形態において、該4つのケーブルの各々は、モータパック800の1つのモータによって別々に制御される。有利には、4つのケーブルの各々は、モータパック800の1つのモータによって別々に制御される、モータパック800を備えるツールは、モータがケーブル中の一切のたるみを除去するので、事前引張を必要としない。事前引張は、ケーブル−プーリシステムにおいてケーブルがプーリと相互作用をする際にスリップを生じさせ得るケーブルの弾力特性に起因して必要となる。したがって、市販のツールは、当該設計または他のやり方によって事前引張を補っている。
図5A〜
図6Dで説明したケーブル駆動の方法では、ケーブルを駆動するのに必要なモータは3つだけであるが、これらのシステムは、事前引張を必要とし得るケーブルループを用いている。
【0120】
引き続き
図14Aを参照すると、モータパック800は、モータハウジング840を含むことができる。モータパック800は、モータハウジング840内に4つのモータを保持することが可能であり、
図14Aでは、モータ810A、810Bの2つだけが見えている。これら4つのモータ810A、810B、810C(図示せず)、810D(図示せず)は、それぞれ、ギアボックス815A、815B、815C(図示せず)、815D(図示せず)に関連付けることができる。各モータ810A、810B、810C、810Dは、スピンドル820などのスピンドルと関連付けることができて、各スピンドル820は、はめ合いインターフェース830(例えば、正方形開口部、六角形開口部、スロット)を持つことが可能である。モータ810A、810B、810C、810Dは、ソフトウェアの制御の下に駆動ユニット(図示せず)によって駆動される。モータパック840は、
図11中に示されたツール30のまたは本明細書で説明した任意の他のツールの近位端部32などのツールの近位端部に取り付けることができる。
【0121】
図14Bは、モータパック800に着脱可能に連結可能な結合ユニット900の一実施形態を示す。結合ユニット900は、近位端部906および遠位端部905を含み得る。
図14A中に示されたモータパック800の各スピンドル820のはめ合いインターフェース830は、スピンドル910Aなど、結合ユニット900中の対応するスピンドルと、連結しおよび/またははめ合うことができる。
図14Bでは、1つのスピンドル910だけが見えるが、結合ユニット900は、モータパック800のはめ合いインターフェース830の各々に対する対応スピンドル(例えば、
図14Cに示されるような4つのスピンドル910A、910B、910C、910D)を有することができる。一実施形態において、結合ユニット900は、使い捨てとすることが可能である。別の実施形態において、結合ユニット900、ツールシャフト、手首部、およびエンドエフェクタを含めて、モータパック800から遠位の一切の部品を使い捨てにすることができる。したがって、モータパック800は、通常、ツールの比較的高価な部分であり、これは、再使用可能とすることができる。というのは、結合ユニット900は、ツールの近位部分に組み込むことが可能で、容易に取り外して、新しい結合ユニット900および関連するツールシャフト、手首部、およびエンドエフェクタに置き換えることが可能だからである。この設計は、無菌バリヤを有利に提供する。すなわち、結合ユニット900を含めて、モータハウジング840より遠位のあらゆるものを無菌にすることが可能であり、結合ユニット900は、無菌バリヤを少なくとも部分的に提供することができる。モータハウジング840、モータ810A、810B、810C、810D、および/またはモータパック800内に配置された一切の部品は、非殺菌としておくことが可能である。
【0122】
図14B〜
図14Dは、結合ユニット900をさらに示す。一実施形態において、スピンドル910A、910B、910C、910Dは、近位端部906から結合ユニット900を通ってその遠位端部905に延びる。結合ユニット900は、4つのプーリ940A、940B、940C、940Dを含むことができる。結合ユニット900は、
図14Cに示されるように、スピンドル910A、910B、910C、910D上に搭載された4つのスプール945A、945B、945C、945Dを含むことが可能である。プーリ940A、940B、940C、940Dは、スプール945A、945B、945C、945Dにケーブルを供給することができる。スプール945A、945B、945C、945Dは、
図12A中の手首部402および顎410A、410Bなど、ツールの手首部および/または顎を駆動する他の部品にケーブルを供給することが可能である。また、スプール945A、945B、945C、945Dは、ケーブル中のたるみを取り去ることができる。プーリ940A、940B、940C、940Dは、
図14Dに最良に示されているように、ヨーク950A、950B(図示せず)、950C(図示せず)、950D(図示せず)上に搭載することができる。
【0123】
ここで
図14Dを参照すると、ヨーク950Aだけが示されているが、前述のように、プーリ940A、940B、940C、940Dの各々をヨーク950Aと類似のヨークに搭載することが可能である。ヨーク950Aは、プーリ940Aに連結することができる。ヨーク950B、950C、および950Dは、プーリ940B、940C、および940Dに連結することが可能である。ヨーク940A、940B、940C、940Dは、ロードセル960A、960B、960C、960Dに連結することができて、ロードセル960A、960B、960C、960Dは、結合ユニット900に連結することができる。
【0124】
各ケーブル端は、プーリ940A、940B、940C、940Dの1つの周りにルートされ、スプール945A、945B、945C、945Dの周りに少なくとも部分的に巻き付く。スプール945A、945B、945C、945Dの周りに巻き付いた後、ケーブル端は、スプール945A、945B、945C、945Dに固定される。一実施形態において、スプール945A、945B、945C、945Dの各々は、
図14E中に最良に示されている終端治具975Aなどの終端治具(例えばノッチ)を含むことができる。
図14Eには、1つの終端治具975Aだけが示されているが、スプール945A、945B、945C、945Dの各々は、終端治具を有することが可能である(例えば、スプール945B、945C、945Dは、図示されていないが、終端治具975Aと同様な終端治具975B、975C、975Dを有することが可能である)。各ケーブル端は、該ケーブル端が対応するスプール945A、945B、945C、945Dから外れるのを防止するために、終端治具975A、975B、975C、975D内に保持することができる。一実施形態において、ケーブル端は、終端治具の形状に対応する形状を有することが可能である。
【0125】
図14Dを参照すると、ロードセル960A、960B、960C、960Dは、1つ以上のセンサを含むことができる。例えば、一実施形態において、各ロードセル960A、960B、960C、960Dは、力センサ970A、970B、970C、970Dを含むことが可能である。力センサ970A、970B、970C、970Dは、ケーブルの張力を測定することができる。ケーブルに張力がかかると、プーリ940A、940B、940C、および940Dは、力をロードセル960A、960B、960C、960Dに転移する。この力は、ロードセル960A、960B、960C、960Dを曲げることができ、前記曲げを測定して、張力の測定値に変換することが可能である。力センサ970A、970B、970C、970Dによる測定値の出力は、ツールの操作者に触覚供給バックを提供することができる。例えば、力センサによる測定値の出力を手術医に対する触覚供給バックに変換し、ツールの顎(例えば、ツール400の顎410A、410B)の把持力の感覚を与えることが可能である
【0126】
図15は、ツールの別の実施形態を示す。このツール1200には、プーリの代わりに椎骨部を用いる、手首部1202を含めることができる。椎骨部を用いる市販のツールは、ツールの手首部の屈曲を制御するためにケーブルループを利用する。これに対して、ツール1200は、手首部1202の姿勢を制御するために、ケーブルループの代わりに独立したケーブル群を用いることができる。ツール1200のこの配置の利点には、ケーブルの事前引張、および長さの精密な制御が不要なことが含まれる。
【0127】
ツール1200の手首部1202は、1つ以上の椎骨部1220A、1220B、1220Cを含むことができる。3つの椎骨部1220A、1220B、1220Cが図示されているが、ツール1200は、もっと多くのまたはもっと少ない椎骨部(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つの椎骨部など)を含むことが可能である。椎骨部1220Aは、ツールシャフト1210に連結することができる。椎骨部1220A、1220B、1220Cは、1つ以上のジョイント1240(例えば、ボールとソケットとのジョイント)を介して、他の椎骨部および/またはツール1200の他の部品と連結することが可能である。この図示の実施形態において、
図15中に示されるように、椎骨部1220A、1220B、1220Cは、ツール1200の遠位端部に連結することができる。但し、他の実施形態において、1つ以上の椎骨部1220A、1220B、1220Cをツール1200の長手方向長沿いの任意の位置に配置することも可能である。
【0128】
引き続き
図15を参照すると、ツール1200は、1つ以上の独立したケーブル1230A、1230B、1230Cを含むことができ、これらは、ツールシャフト1210を通って延びる。3つのケーブル1230A、1230B、1230Cが示されているが、ツール1200は、もっと多くのまたはもっと少ないケーブル(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つのケーブルなど)を含むことが可能である。一実施形態において、エンドエフェクタ1250を駆動するために追加のケーブルを使用することができる。各ケーブル1230A、1230B、1230Cは、モータ1260A、1260B、1260Cによって別々に駆動される。ツール1200ではケーブルループは使われないので、この設計は、前述した利点(例えば、ケーブルの事前引張が必要ない)を有する。
【0129】
ケーブル1230A、1230B、1230Cは、1つ以上の椎骨部1220A、1220B、1220Cを通って延びることができる。この図示の実施形態において、ケーブル1230A、1230B、1230Cは、1つ以上の係合メカニズム1270(例えば、ケーブルに圧着され、椎骨部中のポケットの内部に配置された、
図3A中のビード315Aと類似のビード)を介して椎骨部1220A、1220B、1220Cに連結することができる。ケーブル1230A、1230B、1230Cに張力がかかると、その張力は、係合メカニズム1270を介して椎骨部1220A、1220B、1220C(1220C)に転移される。ツールの部品(例えば、椎骨部1220A、1220B、1220C)は、シース(図示せず)で覆うことができる。様々な他の椎骨部とケーブルとの設計が可能である。各ケーブル端の別々の制御を使って、ピッチおよびヨーを任意に組み合わせてエンドエフェクタ1250を操作することができる。
【0130】
図16は、ツールの別の実施形態を示す。このツール1700は、
図1A〜
図3B中に示されたツール30と類似である。いくつかの実施形態において、ツールの手首部から顎の作動を切り離すことは、利点であり得る。例えば、ツールの手首部の作動からエンドエフェクタの作動を切り離すことによって、エンドエフェクタから手首部への(例えば、捕捉具の顎からツールの手首部のプーリへの)負荷の転移を阻止することができる。エンドエフェクタによるかかる手首部への負荷は、手首部の制御を格段に難しくさせ、および/または手首部の思わぬ動作をもたらすことがある。
【0131】
ツール1700は、手首部1702を有し、1つ以上のプーリ1740および1つ以上のプーリ1750を含む。プーリ1740は、
図3A中に示されたプーリ340A、340B、350A、350Bと実質的に同様とすればよい。プーリ1750は、
図3A中に示されたプーリ320A、320Bと実質的に同様とすればよい。明瞭化のため、プーリ1740、1750に対するケーブルルーティングは示されていない。
【0132】
プーリ1740、1750の周りに少なくとも部分的に巻き付いているケーブル(図示せず)に加え、ツール1700は、エンドエフェクタ1760(例えば捕捉具)の顎1760A、1760Bを制御するための1つ以上の追加ケーブル1730を含むことができる。1つのケーブル1730が示されているが、ツール1700は、任意の数のケーブル(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つのケーブルなど)を含むことが可能である。ケーブル1730は、シース1720内に保持することができ、一実施形態において、このシースは、柔軟性のシースとすることができる。この図示の実施形態において、エンドエフェクタ1760(例えば、顎、捕捉具)は、プーリ1750に連結される。ケーブル1730は、プーリ1750の周りに少なくとも部分的に巻き付くことができ、プーリ1750の運動を介して、エンドエフェクタ1760を制御することができる。ケーブル1730は、プーリ1750を介して、エンドエフェクタ1760を制御するための作動メカニズムに連結することが可能である。ケーブル1730を作動する作動メカニズムは、1つ以上のプーリ(例えば、エンドエフェクタ1760のベース近くに配置されたプーリ)とすればよい。この図示の実施形態において、顎1760A、1760Bを含めて、エンドエフェクタ1760は、プーリ1740から切り離され、したがって、有利に、エンドエフェクタ1760は、負荷をプーリ1740に転移しない。すなわち、エンドエフェクタ1760の運動は、プーリ1740の周りに巻き付いたケーブルによってプーリ1740に与えられる運動から独立している。
【0133】
本明細書の諸実施形態で説明したように、本ツールは、肘部または屈曲部を有することができる。本ツールの制御を維持するために、ユーザ(例えば操作者、手術医)がツールの形状を知ることは、重要であり得る。本明細書に記載したツールの柔軟性セクション(例えば、柔軟性セクション1305)は、1つ以上のセンサ(例えば、複数センサ群)に連結することができ、これらセンサは、ツールの形状に基づいてデータを送信することが可能である。一実施形態において、このデータは、リアルタイムとすることができる。このデータは、有線または無線接続を介して送信することが可能である。
【0134】
これら1つ以上のセンサは、様々な種類のセンサ(例えば、歪みセンサ、ポジションセンサ)を含み得る。この1つ以上のセンサは、ツールおよび/または柔軟性セクション上またはその内部の任意の箇所に配置されることができる(例えば、ツールの長さ沿いに連結する、柔軟性コアに連結する、椎骨部に連結するなど)。これらのセンサは、様々な技法(例えば、生体適合性の膠または接着剤)を用いてツールに連結することが可能である。
【0135】
いくつかの実施形態において、柔軟性セクションの形状を計算する間接的方法を用いることが可能である。例えば、屈曲をもたらすケーブルの張力をモニタすることができる。屈曲を生じさせる役割をするケーブルの各々の相対的な張力が分かれば、屈曲を推定することができる。柔軟性セクションが屈曲されている間、当該柔軟性セクションを押圧する外部の力が存在しなければ、屈曲を生じさせるケーブル上の張力のこのようなモニタリングによって該屈曲の形状の推定を提供することが可能である。この推定をセンサからのデータと組み合わせて、ツールの形状(例えば屈曲)の推定を向上することができる。
【0136】
いくつかの実施形態において、ツールの形状をカメラでモニタすることが可能である。このカメラは、患者の体腔の中に挿入されたカメラとすればよい。このカメラは、ユーザを助力するため任意の場所に位置させることが可能である。カメラは、ツールに関するデータ(例えば画像)を処理ユニット(例えば、高操作性手術システム5の処理ユニット)に送信することができる。該処理ユニットは、画像をさらに処理し、ツールの柔軟性セクションを認識するためパターン認識技法を用いることが可能である。柔軟性セクションが認識されたならば、画像に基づいて屈曲のパラメータを計算することができる。これらのパラメータは、ツールの制御を維持する役割をする主処理ユニットに送信することが可能である。
【0137】
図17Aは、ツールの別の実施形態を示す。このツール1800は、手首部1802を有することができ、ハウジング1811を含むことができる。
図17B〜
図17Cは、ハウジング1811を取り除いたツール1800を示す。ツール1800は、顎1810A、1810Bのペアを備えたエンドエフェクタ1810を含むことができる。エンドエフェクタの他の実施形態を使うことも可能である。ツール1800は、
図17B中に示されるように、様々なプーリを含むことができる。
【0138】
プーリ1845A、1845Bは、プーリの第1セットとして配置される。プーリ1850A、1850Bは、プーリの第2セットとして配置される。プーリ1845A、1845Bの第1セット、およびプーリ1850A、1850Bの第2セットは、ヨーク1812に連結することができ、該ヨークは、ツールシャフト(図示せず)に連結することができる。また、このツールは、プーリの第3セットとして配置されたプーリ1820A、1820B、1815A、1815Bを含むことが可能である。顎1810A、1810Bは、プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セットに連結することができる。この図示の実施形態において、顎1810Aは、プーリ1815A、1815Bに連結され、顎1810Bは、プーリ1820A、1820Bに連結される。
【0139】
また、ツール1800は、プーリの第4セットとして配置されたプーリ1835A、1835Bを含むことができる。プーリ1835Aの回転中心を、プーリ1835Bの回転中心からオフセットすることが可能である。一実施形態において、プーリ1835Aは、プーリ1835Bよりも小さな直径を有することができる。また、ツール1800は、プーリの第5セットとして配置されたプーリ1840A、1840Bを含むことができる。プーリ1840Aの回転中心を、プーリ1840Bの回転中心からオフセットすることが可能である。プーリ1840Aは、プーリ1840Bよりも小さな直径を有することができる。プーリ1835A、1840Bは、同一の回転軸に配置されることができる。プーリ1835B、1840Aも、同一の回転軸に配置されることができる。プーリ1835A、1840Bの回転中心は、プーリ1845A、1845Bの第1セットおよびプーリ1850A、1850Bの第2セットの回転中心からオフセットすることができる。プーリ1835B、1840Aの回転中心は、プーリ1845A、1845Bの第1セットおよびプーリ1850A、1850Bの第2セットの回転中心からオフセットすることができる。
【0140】
図17Cを参照すると、プーリ1825A、1825Bは、プーリの第6セットとして配置される。プーリ1830A、1830Bは、プーリの第7セットとして配置される。この図示の実施形態において、プーリ1825A、1830Aは、外側プーリであり、プーリ1825B、1830Bは、内側プーリである。外側プーリ1825A、1830Aの直径は、内側プーリ1825B、1830Bよりも小さくできる。
【0141】
プーリ1825A、1825Bの第6セットおよびプーリ1830A、1830Bの第7セットは、顎1810A、1810Bのペアおよび/またはプーリ1820A、1820B、1815A、1815Bの第3セットに整列させることができる。いくつかの実施形態において、プーリ1820A、1820B、1815A、1815Bは、それぞれ、プーリ1825A、1825B、1830B、1830Aと整列し、これにより、プーリ1820A、1820B、1815A、1815Bとプーリ1825A、1825B、1830B、1830Aとの間で、それぞれ、ケーブルが真っすぐな経路に沿って延びることを可能にし、したがって、ケーブル中の曲がりおよびケーブルとプーリとの間の摩擦を有利に低減する。この配置の他の利点は、以降で説明する。
【0142】
プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セットは、(例えば、ツール1800中の他のプーリに比べて)大きな直径を有することができる。一実施形態において、プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セットは、ツールシャフト(図示せず)の直径ほどの大きさの(例えば、ほぼ等しい)直径を有することが可能である。プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セットは、相互に近接しておよび/または
図1A中に示されたツール30のプーリ320A、320Bよりもツールシャフトの中心軸に近接して、配置されることができる。プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セットのこれらの配列および直径のサイズは、ケーブルの信頼性および耐用寿命(例えば、より少ない摩耗および裂傷)を有利に増大する。より大きなプーリは、より大きな直径を有するので、より大きなプーリを行き来するケーブルは、湾曲が少なく、したがって、ポジティブな方向で信頼性に影響する。プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セットのこの配列は、プーリの他のセットの配列とともに、ツール1800の1つ以上のケーブルがより少ない、より低度の急カーブを通ることを確実にし、同様に、ポジティブな方向で、ケーブルの信頼性および耐用寿命に影響する。プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セットのこれらの配列および直径のサイズは、ケーブルがより少なくより低度の急カーブを通り、これによってより大きな力を顎にかけることができるので、
図1A中に示されたプーリ320A、320Bよりも大きな力を顎に加えるようにアレンジされる。
【0143】
ツール1800は、顎1810A、1810Bを、(例えば、プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bを介して、両顎を別々に回転させて)捕捉させる、(例えば、プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bを介して、両顎を一緒に回転させて)ヨーイングさせる、および(例えば、ヨーク1812を介して軸1813の周りに回転させて)ピッチさせるなど、様々な仕方で動くよう作動させることができる。
図17D〜
図17Eは、ツール1800の第1ケーブル1855Aのケーブルルーティングを示す。他の諸実施形態で前に説明したように、ヨーク1812および/または顎1810A、1810Bの1つまたは両方の運動をもたらすために、4つのケーブルを別々に制御することができる。各ケーブル端のこの別々の制御によって、手首部1802(
図17A参照)およびエンドエフェクタ1810のより正確な動作を提供することができる。
図17D〜
図17Eのケーブルルーティングは、顎1810Aを制御する。ツール1800は、(本明細書に記載した390A’、390A”、390B’、390B”と同様に)4つのケーブル端を有する4つのケーブルを用いる。
【0144】
図17Dを参照すると、第1ケーブル1855Aは、ツールシャフト(図示せず)から始まる。第1ケーブル1855Aは、プーリ1845A、1845Bの第1セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第1ケーブル1855Aは、次いで、プーリ1835A、1835Bの第4セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第1ケーブル1855Aは、その後、プーリ1825A、1825Bの第6セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第1ケーブル1855Aは、次に、プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。いくつかの実施形態において、第1ケーブル1855Aは、
図17D中に示されるように、プーリ1845A、1835A、1825B、1820Bの周りに少なくとも部分的に巻き付く。ケーブル1855Aは、プーリ1820Bに(
図3A中のビード315Aなど、プーリのポケット中に保持されたビードへの圧着によって)固定的に連結することができる。いくつかの実施形態において、第1ケーブル1855Aは、内側プーリ1820B、1825Bおよび外側プーリ1835A、1845Aの周りに少なくとも部分的に巻き付く。
【0145】
図17Eを参照すると、第2ケーブル1855Bは、ツールシャフト(図示せず)から始まる。第2ケーブル1855Bは、プーリ1850A、1850Bの第2セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル1855Bは、次いで、プーリ1840A、1840Bの第5セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル1855Bは、その後、プーリ1825A、1825Bの第6セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル1855Bは、次に、プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。いくつかの実施形態において、第2ケーブル1855Bは、
図17E中に示されるように、プーリ1850B、1840B、1825A、1820Aの周りに少なくとも部分的に巻き付く。いくつかの実施形態において、第2ケーブル1855Bは、外側プーリ1820A、1825Aおよび内側プーリ1840B、1850Bの周りに少なくとも部分的に巻き付く。
【0146】
図17D〜
図17Eを参照すると、1つのケーブルだけが作動または張力付加されると、顎は、一方向に回転し、他方のケーブルが作動または張力付加されると、顎は、反対方向に回転することになる。さらに、ケーブル上に加える張力の量によって、顎1810A、1810Bの位置を制御することができる。例えば、
図17D中に示されたケーブル1855Aには、矢印線1860の方向に張力がかかり、ケーブル1855Bは、緩められる。顎1810Aは、したがって、矢印線1862の方向に動くことになる。上記の代わりに、ケーブル1855Bに矢印線1865の方向に張力がかかると、顎1810Aは、矢印線1867の方向に動くことになる。両方のケーブルに同時に張力がかかると、プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セットは、回転しない。代わりに、プーリ1815A、1815B、1820A、1820Bの第3セットは、矢印線1870にように、紙面平面の中側への(すなわち、
図17A中に示されたヨーク1812の軸1813の周りの)運動で動く。
【0147】
ケーブルの別のペアを、ケーブル1855A、1855Bが顎1810Aに連結されているのと同様な仕方で、顎1810Bに連結することができる。顎1810Bに取り付けられた前記他のケーブルのセットを引っ張るアクションについては、ケーブル1855A、1855Bについて上記で説明したのと同様なので説明しない。上記の説明から、一実施形態における、顎1810A、1810Bの運動は、4つの独立したケーブルを使ってどのように制御できるかが分かる。
【0148】
図18Aは、ツールの別の実施形態を示す。このツール1900は、手首部1902、および2つの顎1901A、1901Bを含む、エンドエフェクタ1901を有することができる。ツール1900には、ツールシャフト1915に連結されたヨーク1910を含めることが可能である。
図18Bは、取り外されたヨーク1910を示す。ツール1900は、プーリ1930A、1930Bの第1セットを含むことができる。また、ツール1900は、プーリ1935A、1935Bの第2セットを含むことができる。プーリ1930A、1930Bの第1セットの回転軸は、プーリ1935A、1935Bの第2セットの回転軸と整列させることが可能である。ツール1900は、プーリ1905A、1905Bの第3セットを含むことができる。顎1901A、1901Bは、プーリ1905A、1905Bの第3セットに連結することが可能である。
【0149】
ツール1900は、プーリ1920A、1920Bの第4セット、およびプーリ1925A、1925Bの第5セットを含むことができる。プーリ1920A、1920Bの第4セットは、ツール1900の一方側に配置されることができ、プーリ1925A、1925Bの第5セットは、ツール1900の他方側に配置されることができる。プーリ1920A、1920Bの第4セットの回転軸は、プーリ1925A、1925Bの第5セットの回転軸と整列させることが可能である。
【0150】
ツール1900は、プーリ1910A、1910Bの第6セット、およびプーリ1915A、1915Bの第7セットをさらに含むことができる。プーリ1910A、1910Bの第6セットは、ツール1900の一方側に配置されることができ、プーリ1915A、1915Bの第7セットは、ツール1900の他方側に配置されることができる。プーリの第6セットと第7セットとは、プーリ1910A、1910Bの第6セットの回転中心がプーリ1915A、1915Bの第7セットの回転中心からオフセットされているので、相オフセットされたプーリである。
【0151】
ツール1900は、顎1905A、1905Bを、(例えば、プーリ1905A、1905Bを介して、両顎を別々に回転させて)捕捉させる、(例えば、プーリ1905A、1905Bを介して、両顎を一緒に回転させて)ヨーイングさせる、および(例えば、両顎を
図18A中の紙面平面の中側に示された、ヨーク1910の軸1913の周りに回転させて)ピッチさせるなど、様々な仕方で動くよう作動させることができる。
図18Dは、第1ケーブル1950Aおよび第2ケーブル1950Bのルーティングを示す。明瞭化のため、第1ケーブル1950Aは、点線で示され、第2ケーブル1950Bは、実線で示されている。第1ケーブル1950Aは、ツールシャフト1915から始まる。第1ケーブル1950Aは、プーリ1930A、1930Bの第1セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第1ケーブル1950Aは、次いで、プーリ1920A、1920Bの第4セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第1ケーブル1950Aは、その後、プーリ1910A、1910Bの第6セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第1ケーブル1950Aは、次に、プーリ1905A、1905Bの第3セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。いくつかの実施形態において、第1ケーブル1950Aは、プーリ1905A、外側プーリ1910A、外側プーリ1920A、および外側プーリ1930Aの周りに少なくとも部分的に巻き付く。ケーブル1950Aは、プーリ1905Aに(
図3A中のビード315Aなど、プーリのポケット中に保持されたビードへの圧着によって)固定的に連結することができる。
【0152】
また、第2ケーブル1950Bも、ツールシャフト1915から始まる。第2ケーブル1950Bは、プーリ1930A、1930Bの第1セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル1950Bは、次いで、プーリ1920A、1920Bの第4セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル1950Bは、その後、プーリ1905A、1905Bの第3セット中の1つのプーリの周りに少なくとも部分的に巻き付く。いくつかの実施形態において、第2ケーブル1950Bは、プーリ1905B、外側プーリ1910A、内側プーリ1920B、および内側プーリ1930Bの周りに少なくとも部分的に巻き付く。第2ケーブル1950Bは、プーリ1910A、1910Bの第6セット中の1つのプーリの周りには巻き付かない。ケーブル1950Bは、プーリ1905Bに(
図3A中のビード315Aなど、プーリのポケット中に保持されたビードへの圧着によって)固定的に連結することができる。ケーブル1950A、1950Bは、ツール1900の近位端部の方へ延びる。
【0153】
顎1910Aは、プーリ1905Aに連結され、顎1901Bは、プーリ1905Bに連結される。第1ケーブル1905Aは、プーリ1905Aに連結して、顎1901Aを制御することができる。第2ケーブルは、プーリ1905Bに連結して、顎1901Bを制御することができる。ケーブルの別のペア(1905C、1905D)は、プーリ群の反対側に沿って延びて、プーリ1905Aおよび1905Bに連結することができ、それらのケーブルルーティングは、該ケーブルがプーリ1915A、1915Bの周りに少なくとも部分的に巻き付くようになっていることを除けば、
図18D〜
図18E中に示されたのと同じ構成を有することになろう。いくつかの実施形態において、ケーブル1905Aと1905Cとは一体であり、単一のケーブルを形成する。いくつかの実施形態において、ケーブル1905Bと1905Dとは一体であり、単一のケーブルを形成する。ケーブルの前記他方のセット(例えば、1905C、1905D)を引っ張るアクションについては、ケーブル1950A、1950Bについて上記で説明したのと同様なので説明しない。
【0154】
上記の説明から、顎1901A、1901Bの運動は、4つの独立したケーブル(例えば、4つの独立したケーブル端)を使ってどのように制御できるかが今や分かる。係合メカニズムを使って(例えば、
図3A中のビード315Aなど、プーリのポケット中に保持されたビードへの圧着によって)、ケーブル1950A、1950B、1950C、1950Dをプーリ1905A、1905Bに連結することができる。
【0155】
例えば、ケーブル1950Aに張力がかけられ、他のケーブルは緩められる。顎1901Aは、プーリ1905A、1905Bの第3セットによってかけられる張力にしたがって動くことになる。プーリ1905Aの両側に張力がかかると(例えば、2つの独立したケーブルがある場合、両方のケーブルに同時に張力がかかると)、手首部は、
図18E中に示された矢印線1960の方向に動く。プーリ1905Bの両側に張力がかかると(例えば、2つの独立したケーブルがある場合、両方のケーブルに同時に張力がかかると)、手首部は、
図18D中に示された矢印線1965の方向に動く。上記の説明から、顎1901A、1901Bの運動は、4つのケーブル(例えば、4つの独立したケーブル端を有する4つの独立したケーブル、または4つの独立したケーブル端を有する2つのケーブル)を使ってどのように制御できるかが今や分かる。
【0156】
本明細書では特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は、例示のためだけに提示されたものであり、本開示の範囲を限定することは意図されていない。実際上は、本明細書で説明した新規な方法およびシステムは、様々な他の形態で具現化することができる。さらに、本明細書に記載したシステムおよび方法に対し、本開示の精神から逸脱することなく、様々な省略、代替、および変更を加えることが可能である。添付の特許請求の範囲およびこれらと同等の事項は、本開示の範囲および精神内に含まれるような前述の形態および修改を網羅するよう意図されている。それ故、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲への参照だけによって定義される。
【0157】
特定の態様、実施形態または例に関連させて説明した特徴、材料、特性、または編成は、これらと両立しないものを除き、本セクションまたは本明細書の他の箇所に記載された一切の他の態様、実施形態または例に適用されると理解すべきである。本明細書(一切の添付の請求項、要約、および図面を含む)中に開示された特徴の全て、および/または開示された一切の方法またはプロセスのステップの全ては、かかる特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせに結合することが可能である。前述のどの実施形態の細部に対する保護も制限はされない。この保護は、本明細書(一切の添付の請求項、要約、および図面を含む)に開示された特徴の一切の新規な事項または一切の新規な組み合わせ、もしくは開示された一切の方法またはプロセスの一切の新規な事項または一切の新規な組み合わせに対しても及ぶ。
【0158】
さらに、本開示中に別々の実装に関連させて説明された特定の諸特徴は、単一の実装に組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装の文脈で記載された様々な特徴は、別個に複数の実装でまたは任意の適切なサブ組み合わせで実装することも可能である。さらに、諸特徴が特定の組み合わせで作用するとして上記で説明されていることがあるが、場合によっては、主張された組み合わせからの1つ以上の特徴をその組み合わせから削除し、その組み合わせをサブ組み合わせまたはサブ組み合わせの変形として請求することができる。
【0159】
さらに、オペレーションが特定の順序で図面に描かれ、明細書に記載されていることがあるが、かかるオペレーションは、所望の結果を達成するために、示された特定の順序または逐次順序で実施する必要はなく、あるいはそのオペレーションの全てを実施する必要はない。描かれていないまたは記載されていない他のオペレーションを、例示の方法またはプロセスに組み込むことも可能である。例えば、1つ以上の追加のオペレーションを、記載のオペレーションの任意のものの、前、後、それと同時に、あるいはそのオペレーションの間に実施することができる。さらに、他の実装において、これらオペレーションを再配置または再順序付けすることも可能である。当業者は、一部の実施形態において、提示および/または開示されたプロセス中で取られる実際のステップが、図面中に示されたものと異なり得ることをよく理解していよう。実施形態によっては、前述したステップのあるものは削除可能で、他のものを加えることが可能である。さらに、上記で開示した特定の実施形態の特徴および属性を異なる仕方で組み合わせさらなる実施形態を形成することができ、それらの全ては、本開示の範囲内に含まれる。また、上記で説明された実装中の様々なシステム構成部分の区別は、全ての実装においてかかる区別が必要であるとして理解されるべきではなく、記載された構成部分およびシステム群は、一般に単一の製品に一緒に組み込む、あるいは複数の製品にパッケージすることが可能であると理解されるべきである。
【0160】
本開示の目的のため、本明細書で特定の態様、利点、および新規な特徴を説明している。必ずしも、かかる利点の全てがいずれか特定の実施形態によって達成できるものではない。しかして、例えば、当業者は、必ずしも本明細書で教示または提案され得る他の利点を達成することなく、本明細書で教示された1つの利点または利点の群を達成するような仕方で、本開示を具現化または遂行できることを認識していよう。
【0161】
「できる(can)」、「できるだろう(could)」、「かもしれない(might)」または「可能である(may)」などの条件付き言語は、別段のことわりがある場合または使用の文脈内で理解される場合を除き、特定の特徴、要素、および/またはステップを特定の実施形態が含み、他の実施形態が含まないことを伝えるように一般に意図されている。したがって、かかる条件付き言語は、1つ以上の実施形態に対して特徴、要素、および/またはステップが何らか求められていること、あるいは、いずれか特定の実施形態中にこれらの特徴、要素、および/またはステップが含まれているかどうかを、もしくは該実施形態中でこれらが遂行されることになるかどうかを、ユーザの入力またはプロンプトの有無にかかわらず、判定するためのロジックを1つ以上の実施形態が必ず含むこと、を示唆するようには一般に意図されていない。
【0162】
語句「X、Y、およびZの少なくとも1つ」などの接続言語は、別段のことわりがある場合を除き、一般に、或る項目、用語などがX、Y、またはZのいずれかであり得ることを伝えるために使われる文脈によって、個別に理解される。したがって、かかる接続言語は、特定の実施形態がXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、かつZの少なくとも1つの存在を必要とすること、を示唆するようには一般には意図されていない。
【0163】
本明細書で使われる用語「おおよそ(approximately)」、「約(about)」、「一般に(generally)」および「実質的に(substantially)」など、本明細書で使われる、程度の言語は、今後所望の機能を遂行するまたは所望の結果を達成するため定められた値、量または特性に近い、値、量、または特性を表す。例えば、用語「おおよそ」、「約」、「一般に」および「実質的に」は、定められた量から、10%未満内、5%未満内、1%未満内、0.1%未満内、および0.01%未満内の量を言うことができる。別の例として、特定の諸実施形態において、用語「一般に平行」および「実質的に平行」は、正確な平行から、15度、10度、5度、3度、1度、0.1度または別角度以下だけ離れている値、量、または特性を言う。
【0164】
本開示の範囲は、本セクション中または本明細書中の他の箇所の好適な実施形態の特定の開示によって限定されることは意図されておらず、本セクションまたは本明細書の他の箇所に提示された、または今後提示される特許請求の範囲によって定義することができる。特許請求の範囲の言語は、当該請求項の中で用いられている言語に基づいて広義に解釈されるべきであり、本明細書にまたは出願の手続きの過程で記載された例に限定されず、これらの例は包括的な例として理解すべきである。