(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記隙間パネルが、1)下方セグメントに枢動可能に連結された上方セグメント、2)前記非展開状態から前記展開状態にまでパンタグラフ運動によって移動するように構成されたパンタグラフ式隙間パネル、または3)前記内部客室の床に枢動可能に固定されるように構成された第1の部分および前記内部客室の固定壁もしくは天井の一方に少なくとも1つのシャーピンで連結されるように構成された第2の部分であって、前記少なくとも1つのシャーピンが、前記所定の閾値を満たすまたは超える前記力が作用すると破断するように構成される、第1の部分および第2の部分、のうちの少なくとも1つを備える、請求項1または2に記載のモニュメント。
前記モニュメントに固定された固定物をさらに備え、前記固定物が、前記所定の閾値を満たすまたは超える前記力が前記モニュメント内に作用するときに前記展開状態にまでの移動を促進する有用な質量体となる、請求項1に記載のモニュメント。
前記展開可能な部分がモニュメントの本体を備え、前記本体が、前記所定の閾値を満たすまたは超える前記力が前記モニュメント内に作用するときに前記非展開状態から前記展開状態にまで移動するように構成される、請求項1に記載のモニュメント。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前述の発明の概要、ならびにいくつかの実施形態の下記の詳細な説明は、添付図面に関連して読んだときによりよく理解されるであろう。本明細書では、単数形で記載され、「1つの(a)」または「1つの(an)」という語が前に付く要素またはステップは、複数の要素またはステップを必ずしも除外するものではないと理解されるべきである。さらに、「一実施形態(one embodiment)」への言及は、記載された特徴も取り入れた追加の実施形態の存在を除外すると解釈されるものではない。さらに、そうでないことが明確に述べられない限り、特定の条件を有する1つの要素または複数の要素を「備える(comprising)」または「有する(having)」実施形態は、その条件を有していない追加の要素を含むことができる。
【0021】
本開示の諸実施形態では、FAA(連邦航空規制25.562(c)(5)など)によって義務付けられている頭部傷害基準(HIC)の許可要件を維持しながら、1つまたは複数の乗客座席がモニュメントに近づけて配置されることを可能にする展開可能な隙間パネルを含むことができるモュメント壁組立体が提供される。モニュメント壁組立体は、収益を創出する乗客座席の追加および/または乗客座席ピッチの増大を可能にする。
【0022】
展開可能な隙間パネルは、航空機の内部客室内のモニュメントの様々な部分に設置することができる。モニュメントは、仕切り、調理室、洗面所、クロゼット、隔壁、および/または同類のものを含むことができる。隙間パネルは、前進運動または慣性荷重条件(すなわち後部から前方に向かう)所定の力、例えば、16G(すなわち重力の16倍)を超え得る終極荷重が作用すると前方に展開するように構成される。終極荷重は、隙間パネルを展開させる(例えば、モニュメント壁に対して前方に移動させる)力である。少なくとも1つの実施形態において、終極荷重は、ビークルが突然停止することである。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態では、1つまたは複数のヒンジなどによって固定壁に枢動可能に固定された展開可能な隙間パネルを含み得るモニュメント壁組立体が提供される。1つまたは複数のシャーピンが隙間パネルを固定壁に連結する。シャーピンは、モニュメント壁組立体内に終極荷重が作用すると破断するように構成される。シャーピンは、所定の閾値力未満の力(例えば、終極荷重によって引き起こされる、または生成される力)に耐えるように構成される。少なくとも1つの実施形態において、所定の閾値力は300〜400ポンド(136〜181kg)の力(隙間パネルの重量に作用前方運動のG力を乗じたものに等しくてよい)とすることができる。終極荷重がモニュメント壁組立体内に作用するとき、隙間パネルの重量および慣性はシャーピンを破断させ、それによって、隙間パネルは、例えばヒンジを中心に枢動することにより、前方に展開せざるを得なくなる。隙間パネルが終極荷重の作用中または作用後に完全展開位置のままでいるようにするために、1つまたは複数の筋かい部材(例えば、ストラット、ケーブル、伸縮アーム、および/または同類のもの)が使用されてもよい。
【0024】
少なくとも1つの実施形態において、シャーピンは、ビークル内またはビークル上に所定の終極荷重、例えば16Gの作用前方運動力が作用するとせん断するように構成される。例として、隙間パネルの重さが25ポンド(11.3kg)の場合、16Gの終極前方運動荷重(「終極荷重」)が作用する間、隙間パネルは400ポンドの作用力で展開する(16G×25ポンド=400ポンドの前方運動力で展開する)。本開示の諸実施形態は、隙間パネルの重量および慣性によって隙間パネルを展開させるために、終極荷重(例えば16Gの前方運動力)によって生成されたエネルギーを取り入れる(例えば、エネルギーが作用すると展開するように構成される)。シャーピンは記述した取付/分離機構であるが、この機構は、他の機構、例えば、センサおよびアクチュエータ装置、または類似のものとすることができる。
【0025】
少なくとも1つの実施形態において、隙間パネルは、固定壁に組み込まれ、航空機の内部客室内に終極荷重が作用すると前方に展開することができる。少なくとも1つの実施形態において、隙間パネルは、1つまたは複数のシートトラック取付具などによって航空機の一部に枢動可能に固定されるモニュメント壁自体の大部分もしくは全部である、または大部分もしくは全部を含むことができる。
【0026】
非展開状態では、隙間パネルは、覆い、例えば、化粧板(テドラ積層板(tedlar laminate)など)、壁紙、および/または類似のものの下に隠すことができる。このようにして、隙間パネルは、航空機内の乗客が侵入できず検知できないものとすることができる。展開すると、隙間パネルは覆いを引き裂く。
【0027】
本開示の諸実施形態は、追加の乗客着席および/または座席ピッチの増大を可能にする。さらに、本開示の諸実施形態では、終極荷重が作用する間に展開する単純で効率的な信頼性の高いシステムおよび方法が提供される。
【0028】
本開示のいくつかの実施形態では、航空機の内部客室内に固定されるように構成されたモニュメントが提供される。モニュメントは、固定部分または可動部分を含むことができる。可動部分は、第1の位置(例えば非展開状態)で第2の位置(例えば展開状態)まで移動することができる。第2の位置は第1の位置の前方にあってもよい。
【0029】
本開示のいくつかの実施形態では、終極荷重がビークル内に作用する間に頭部の衝突を回避する方法が提供される。この方法は、モニュメントの一部を展開可能にするまたはその他の方法で移動可能にするように構成して、モニュメントの一部が、終極荷重が作用するとそれ自体の慣性を受けてピンがせん断することにより、第1の静止位置から第2の位置まで移動するようにすることを含むことができる。
【0030】
終極荷重は、乗客が隙間パネルに寄りかかるのとは大きく異なり、航空機の顕著な減速、または飛行中に乱気流によって引き起こされる力とすることができる。例えば、終極荷重は、16G以上の航空機の前方荷重とすることができる。あるいは、終極荷重は16Gより大きくても小さくてもよい。少なくとも1つの実施形態において、終極荷重は、9G以上の航空機の前方荷重とすることができる。航空機が終極荷重を引き起こし得るような顕著な減速を受けると、モニュメントの一部または全部が展開位置まで制御可能に移動して、座席のうちの1つにいる乗客とモニュメントとの間の接触(例えば頭部の衝突)を回避するために1つまたは複数の座席とモニュメントとの間に追加空間が設けられるようにすることができる。
【0031】
少なくとも1つのシャーピンがモニュメントに組み込まれてもよい。シャーピンは、壊れやすい部分をモニュメントの固定部分に連結する。シャーピンは、ハニカムコア複合サンドイッチパネルまたは別のパネル構造の一部に埋め込まれて、パネルの輪郭の明瞭な部分がパネルのまだ無傷のフレーム部分で壊れやすいようにすることができる。あるいは、シャーピンは、モニュメント全体が展開位置まで枢動することができるように、少なくとも1つの床取付具または天井取付具の中または周りにあってもよい。
【0032】
少なくとも1つの他の実施形態では、モニュメント自体は、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに、非展開状態から展開状態にまで移動するように構成される。例えば、モニュメントは、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに、航空機の内部客室内の床取付具または天井取付具を中心に前方に枢動することができる。壊れやすい要素(シャーピンなど)がモニュメントの先端に、例えば床取付具または天井取付具にまたはその近傍に配置され得る。
【0033】
さらに、固定物がモニュメントに固定されてもよい。固定物(例えば、機内の娯楽システム、マガジンラック、収納キャビネット、乳児用おむつ交換台、および/または類似のもの)は、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用しかつ通常運転荷重下にないときに壊れやすい要素が解放する(例えば壊れる)ようにする有用な質量体となる。さらに、メカニカルアドバンテージ装置(レバーなど)が解放点を画定するように用いられてもよい。
【0034】
モニュメントは、固定部分または可動部分を含むことができる。固定部分は、内部客室の一部、例えば座席取付具および/または天井取付具に固定される足部、アンカ、フレーム部分、および/または類似のものとすることができる。可動部分は、モニュメントの本体であるまたはこれを含むことができる。可動部分は、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに第1の位置から第2の位置まで移動するように構成される。少なくとも1つの実施形態において、第2の位置は第1の位置の前方である。
【0035】
本開示の諸実施形態では、ビークルに搭乗する安全性の向上、ビークルの内部客室内の空間利用の改善、ならびに軽量かつ単純で費用効率の高い審美的に控えめな保守不要のシステムおよび組立体が提供される。
【0036】
図1は、本開示の一実施形態による、航空機10(または航空機組立体)などのビークルの上部斜視図である。航空機10は、例えば2つのターボファンエンジン14を含むことができる推進システム12を含むことができる。随意に、推進システム12は、図示より多いまたは少ないエンジン14を含むことができる。エンジン14は、航空機10の翼16によって支持される。他の実施形態では、エンジン14は、胴体18および/または尾部20によって支持され得る。尾部20は、水平安定板22および垂直安定板24も支持することができる。
【0037】
航空機10の胴体18は内部客室を画定し、内部客室は、操縦室と、1つまたは複数の作業セクション(例えば、調理室、乗員の機内持ち込み手荷物領域、および類似の領域)と、1つまたは複数の乗客セクション(例えば、ファーストクラスセクション、ビジネスクラスセクション、およびエコノミークラスセクション)と、後方休息領域が配置され得る後方セクションと、を含むことができる。セクションはそれぞれ、客室移行領域によって隔てられてもよく、客室移行領域は、1つまたは複数のモニュメント、例えば、調理室、洗面所、クロゼット、仕切り、クラス仕切り組立体、および/または類似のものを含むことができる。
【0038】
以下で説明するように、航空機10は、固定部分(固定壁など)を含むことができる乗客座席に近接する1つまたは複数のモニュメントと、航空機内に作用する終極荷重、航空機の例えば16G以上の顕著な減速が起きた場合に前方に展開するように構成された可動部分(展開可能な隙間パネルなど)と、を含むことができる。あるいは、終極荷重は16Gより大きくても小さくてもよい。
【0039】
あるいは、航空機の代わりに、本開示の諸実施形態は、自動車、バス、機関車および列車、ウォータクラフト、スペースクラフトなどの他の様々なビークルに使用されてもよい。
【0040】
図2Aは、本開示の一実施形態による航空機の内部客室30の上平面図である。内部客室30は航空機の胴体32内にあり得る。例えば、1つまたは複数の胴体壁が内部客室30を画定することができる。内部客室30は、前方セクション33、ファーストクラスセクション34(または、例えばファーストクラススイート、客室)、ビジネスクラスセクション36、調理室などのモニュメントを含む前方調理室ステーション38、拡張エコノミーもしくはコーチセクション40、および標準エコノミーもしくはコーチセクション42、および後方セクション44を含む多数のセクションを含み、後方セクション44は洗面所や調理室などのモニュメントを含むことができる。内部客室30は、図示より多いまたは少ないセクションを含み得ることを理解すべきである。例えば、内部客室30は、ファーストクラスセクションを含んでいなくてもよく、図示よりも多いまたは少ない調理室ステーションを含んでいてもよい。セクションはそれぞれ、客室移行領域46によって隔てられてもよく、客室移行領域46は、通路48相互間にクラス仕切り組立体などのモニュメントを含むことができる。
【0041】
図2Aに示されているように、内部客室30は、後方セクション44につながる2本の通路50および52を含む。随意に、内部客室30は、図示より多いまたは少ない通路を有することができる。例えば、内部客室30は、後方セクション44につながる、内部客室30の中心を貫通して延伸する単通路を含むことができる。
【0042】
内部客室30は多数のモニュメントを含む。例えば、内部客室30は、洗面所60、調理室62、クロゼットまたは仕切り64、などを含む。
【0043】
図2Bは、本開示の一実施形態による航空機の内部客室80の上平面図である。内部客室80は航空機の胴体81内にあり得る。例えば、1つまたは複数の胴体壁が内部客室80を画定することができる。内部客室80は、操縦室89、乗客座席83を有する主客室82、および主客室82の後ろの後方セクション85を含む多数のセクションを含む。内部客室80は、図示より多いまたは少ないセクションを含み得ることを理解すべきである。
【0044】
内部客室80は、後方セクション85につながる単通路84を含むことができる。単通路84は、後方セクション85につながる内部客室80の中心を貫通して延伸することができる。例えば、単通路84は、内部客室80の中心縦断面と同軸上に整列され得る。
【0045】
図3は、本開示の一実施形態によるモニュメント壁組立体100の後部斜視図である。モニュメント壁組立体100は、固定壁102などの固定部分と固定壁102に連結された展開可能な隙間パネル104などの可動部分とを含むことができる。
【0046】
固定壁102は、アウトボード縁部110、ベース縁部112、およびインボード縁部114を介して反対側後面108に接続された前面106を含む。アウトボード縁部110は、1つまたは複数の固定部材116(例えば、ブラケット、締め具、取付具、および/または類似のもの)などによって、例えば、航空機の胴体の内部部分にしっかりと取り付けられるように構成される。ベース縁部112は、1つまたは複数の固定部材117(例えば、シートトラック、ハードポイント、ブラケット、締め具、および/または類似のものにしっかりと連結されるように構成された取付具)などによって、航空機の内部客室内の床にしっかりと連結されるように構成される。インボード縁部114は、航空機の内部客室の通路に近接する露出した縁部面とすることができる。
【0047】
隙間パネル104は、内部客室内の1つまたは複数の座席に面するように構成された後面118を含む。隙間パネル104にほぼ前進方向の終極荷重(例えば、航空機の顕著な減速によって引き起こされる)が作用すると、隙間パネル104の重量もしくは質量および慣性は、隙間パネル104を内部客室内の座席から離れる向きに前方に展開させ、それによって、FAAによって規定されている十分な頭部傷害基準(HIC)の隙間が提供される。
【0048】
隙間パネル104と固定壁102との間の移行領域に覆い120が配置され得る。覆い120は、その隙間パネル104を静的非展開状態にある間に隠す積層板、壁紙、塗装、および/または類似のものとすることができる。
【0049】
隙間パネル104は、下端部122で固定壁102に枢動可能に固定され得る。例えば、ヒンジ、シャフト、回転ピンなど(
図3の見えないところに隠れている)が、隙間パネル104を下端部122で固定壁102に枢動可能に連結することができる。
【0050】
シャーピン(
図3の見えないところに隠れている)などの1つまたは複数の解放装置が、隙間パネル104を上端部124で固定壁に連結することができる。解放装置は、例えば、力または加速の所定の閾値で作動するように構成された任意の構造的取付分離機構とすることができる。少なくとも1つの実施形態では、加速度計が、アクチュエータ機構に信号を送るためにセンサとして使用されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、解放装置は、終極前方運動力などの所定の力が作用すると解放する(例えば、せん断し破断する)ように構成されたシャーピンとすることができる。終極力は、隙間パネル104の重量もしくは質量および慣性によりシャーピンを破断させる。
【0051】
少なくとも1つの実施形態において、隙間パネル104は、固定壁102を貫通して形成された開口部内に固定され、例えば、1つまたは複数のヒンジ、シャーピン、筋かい支持体、および/または類似のものによって固定壁102に直接連結することができる。少なくとも1つの実施形態において、隙間パネル104は、隙間パネル104の本体を取り囲むフレームを含むことができる。本体は、1つまたは複数のヒンジ、シャーピン、筋かい支持体、および/または類似のものによってフレームに連結することができる。フレームは、固定壁102の開口部内に取り付けることができる。
【0052】
図3に示されているように、隙間パネル104は非展開状態である。非展開状態では、隙間パネル104の後面118は一般に、固定壁102の後面108と同一平面であり得る。このようにして、モニュメント壁組立体100の後面(後面108および118を含む)は、隙間パネル104が非展開状態であるときに単一共通平面に存在することができる。
【0053】
図4は、モニュメント壁組立体100の後部分解図である。固定壁102は内側開口部126を画定することができ、内側開口部126の中に隙間パネル104が配置される。ブラケット128が、隙間パネル104の上端部124から上方に延伸する。各ブラケット128は、シャーピン134の外端部132を保持するように構成された外側保持部130を含むことができる。ブラケット128は、内側開口部126の上部を画定する、固定壁102の上方内側縁部138内に形成された相互ブラケット136と対合するように構成される。各ブラケット136は、両側の溝142の間に延伸する中心保持部140を含むことができる。両側の溝142は、ブラケット128の外側保持部130を受容するように構成される、中心保持部140は、外端部132を互いに連結するシャーピン134の中心本体144を保持するように構成される。随意に、ブラケット128は中心保持部を含むことができ、ブラケット136は外側保持部130を含む。他の実施形態では、シャーピンは、閾値力または閾値荷重が隙間パネル上に与えられたときに単一箇所がせん断または破断することができる。他の実施形態では、シャーピンは、隙間パネルから固定壁の中にまで突出することができ、またはその逆も同様であり、例えば、ばね荷重ピンなどが突出することができる。
【0054】
図5は、シャーピン134によって固定壁102に連結された隙間パネル104の後部図である。非展開状態では、隙間パネル104の上端部124は連続したシャーピン134によって固定壁102に連結され、シャーピン134は壊れていない。シャーピン134は、例えば、側面アクセス穴から隙間パネル104の中に取り付けることができる。
【0055】
図6は、隙間パネル104と固定壁102との間で破断したシャーピン134の後部図である。モニュメント壁組立体100が所定の閾値を満たすまたは超える力(終極荷重の力など)を受けると、隙間パネル104の重量および慣性は、中心本体144から外端部132を小直径ネック部146で破断させるのに十分な力をシャーピン134の中に及ぼす。
【0056】
図4〜
図6を参照すると、各シャーピン134は、破断する前に所定の荷重に耐えるように構成される。例えば、各シャーピン134は、閾値荷重300ポンド(136kg)の力に耐えるように構成することができる。シャーピン134にかかる作用荷重が300ポンドの力を超えると、シャーピン134は
図6に示されているように破断する。随意に、閾値荷重は300ポンドの力より大きくても小さくてもよい。例えば、閾値荷重は400ポンド(181kg)の力とすることができる。このようにして、シャーピン134は、乗客が隙間パネル104に寄りかかるだけであれば、無傷で破断しないままである。
【0057】
モニュメント壁組立体100が終極荷重(航空機の突然の減速中に作用されるような荷重)を受けると、隙間パネル104の重量および慣性はシャーピン134を破断させ、隙間パネル104を固定壁102に対して前方に枢動させる。たった1つの非限定的な例として、終極荷重は16Gに予め決定されてもよく、隙間パネルの重量は25ポンドとすることができる。この例では、シャーピン134の中に作用する力は400ポンドの力(16G×25ポンド=400ボンド)であり、この力は、
図6に示されているようにシャーピン134を破断させる閾値力とすることができる。
【0058】
シャーピン134は、機械的過負荷の場合に(例えば、モニュメント壁組立体100が終極荷重を受けたときに)せん断する、またはその他の方法で破断するように設計される。シャーピン134は犠牲的であり、機械的ヒューズと見なすことができる。各シャーピン134は、金属、プラスチック、および/または類似の材料で形成することができる。
【0059】
図4に示されているように、隙間パネル104は、非展開状態で2つのシャーピン134によって固定壁102に連結することができる。あるいは、2つより多いまたは少ないシャーピン134が使用されてもよい。例えば、非展開状態では、隙間パネル104は、単一のシャーピン134によって固定壁102に連結することができる。少なくとも1つの実施形態において、非展開状態では、隙間パネル104は、3つ以上のシャーピン134によって固定壁102に連結することができる。他の実施形態では、シャーピンは、閾値力または閾値荷重が隙間パネル上に与えられたときに単一箇所がせん断または破断することができる。他の実施形態では、シャーピンは、隙間パネルから固定壁の中へ突出することができ、またはその逆も同様であり、例えば、ばね荷重ピンなどが隙間パネルの縁部面に対してほぼ垂直の方向に突出することができる。
【0060】
図7は、展開状態の隙間パネル104を有するモニュメント壁組立体100の後部斜視図である。
図8は、展開状態の隙間パネル104を有するモニュメント壁組立体100の側面図である。
図7および
図8を参照すると、モニュメント壁組立体100が、隙間パネル104の後面118の方へかつその中に向けられた終極荷重150を前面152に向かって受けると、隙間パネル104の重量および慣性はシャーピン134(
図4〜
図6に示されている)を破断させ、それによって、隙間パネル104を、隙間パネル104を固定壁102に枢動可能に連結する軸線154(1つまたは複数のヒンジ、心棒、および/または類似のものによって画定される軸線など)を中心に円弧Aの方向に前方へ枢動させる。したがって、上端部124は前方へ揺動し、それによって、隙間パネル104の後面118と向かい合う座席162内に座っている乗客160のための追加のヘッドクリアランス領域を提供する。展開中、覆い(
図3に示されている覆い120など)があれば、隙間パネル104と固定壁102との間の界面付近で引き裂かれる。したがって、隙間パネル104が固定壁102に対して前方に展開すると十分なHICクリアランス領域が存在するので、座席162はモニュメント壁組立体100に近づけて配置することができる。
【0061】
図示のように、終極荷重150を受けると、乗客160の頭部170は前方に揺動し得る。同時に隙間パネル104が前方に展開するので、乗客160は、乗客160の頭部をモニュメント壁組立体100のどの部分にもぶつける危険性はない。
【0062】
固定物180が、隙間パネル104の後面118および/または外側面に固定されかつ/またはその後面118および/または外側面から外方に延伸することができる。固定物180は、マガジンポケット、収納箱、モニタ、および/または類似のものとすることができる。随意に、隙間パネル104は固定物180を含んでいなくてもよい。固定物180は隙間パネル104に重みを加える。したがって、固定物180の重量は、終極荷重150が作用すると隙間パネル104のより容易で円滑な展開を促進することができる。
【0063】
さらに、筋かい部材190が、隙間パネル104の上端部124を固定壁102に枢動可能にかつ/または摺動可能に連結することができる。隙間パネル104が展開するにつれて、筋かい部材190は、隙間パネル104が軸線154を中心に円弧Aの逆方向に枢動して戻るのを妨げる外方展開位置にまで枢動しかつ/または摺動する。筋かい部材190は、ストラット、ケーブル、伸縮部材、エネルギー吸収装置、および/または類似のものとすることができる。筋かい部材190は、隙間パネル104の外側縁部に固定することができる。1つまたは複数の筋かい部材190が使用されてもよい。
【0064】
モニュメント壁組立体100は、隙間パネル104を展開させるために終極荷重エネルギーを取り入れるように構成される。例えば、モニュメント壁組立体100は、モニュメント壁組立体100を含むビークル内に終極荷重エネルギーが作用すると展開する。モニュメント壁組立体100は、様々なモニュメントの一部、例えば、洗面所、カートを格納する調理室、仕切り壁、クラス移行壁、クロゼット、および/または類似のものの後方部分とすることができる。
【0065】
図9は、本開示の一実施形態による、展開状態の隙間パネル202を有するモニュメント壁組立体200の後部斜視図である。
図10は、展開状態の隙間パネル202を有するモニュメント壁組立体200の側面図である。
図9および
図10を参照すると、モニュメント壁組立体200は、隙間パネル202が、下端部210の代わりに上端部208で軸線206を中心に固定壁204に対して枢動して展開状態にまで開くことを除けば、モニュメント壁組立体100と類似している。終極荷重212がモニュメント壁組立体200内に作用するとき、下端部210は、隙間パネル202が軸線206を中心に枢動して開くにつれて円弧Bの方向に揺動して開く。
【0066】
図11は、本開示の一実施形態による、展開状態の隙間パネル302を有するモニュメント壁組立体300の後部斜視図である。
図12は、展開状態の隙間パネル302を有するモニュメント壁組立体300の側面図である。
図11および
図12を参照すると、モニュメント壁組立体300は、隙間パネル302が、当該の近位端部308および310で下方セグメント306に枢動可能に連結された上方セグメント304を含むことを除けば、モニュメント壁組立体100と類似している。隙間パネル302は、互いに枢動可能に連結された、セグメント304および306などの2つのパネルを含むことができる。下方セグメント306の下端部312は、軸線314によって固定壁316に枢動可能に固定される。上端部318は、固定壁316を貫通する開口部324を画定する内側縁部322を通って形成されたトラック320内に軸受などによって摺動可能に保持される。終極荷重330がモニュメント壁組立体300内に作用するとき、上方セグメント304および下方セグメント306は、下方セグメント306が軸線314を中心に前方へ枢動し、上方セグメント304の上端部318が矢印Cの方向に下方へ摺動し、上方セグメント304も上端部318を中心に枢動するので、両セグメント間の枢動界面を中心に前方へ枢動する。
【0067】
図13は、本開示の一実施形態による、展開状態の隙間パネル402を有するモニュメント壁組立体400の後部斜視図である。
図14は、展開状態の隙間パネル402を有するモニュメント壁組立体400の側面図である。
図13および
図14を参照すると、モニュメント壁組立体400は、パンタグラフ式隙間パネル402を含むことを除けば、モニュメント壁組立体100と類似しており、パンタグラフ式隙間パネル402は、モニュメント壁組立体400内に終極荷重420が作用すると、モニュメント壁組立体400が上部筋かい部材406および下部筋かい部材408を中心にパンタグラフ運動によって円弧Dの方向に展開状態にまで前下方に揺動する。筋かい部材406および408は、長さが同じでも異なっていてもよい。パンタグラフ構成という用語は、長さが同じまたは同等の上部リンク機構および下部リンク機構を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、パンタグラフ構成は、長さの異なるリンク機構を含むことができる。
【0068】
図15は、本開示の一実施形態による、展開状態の隙間パネル502を有するモニュメント壁組立体500の後部斜視図である。
図16は、展開状態の隙間パネル502を有するモニュメント壁組立体500の側面図である。
図15および
図16を参照すると、モニュメント壁組立体500は、隙間パネル502がモニュメント壁組立体500をシートトラックなどによって内部客室内の床に固定する取付具506に枢動可能に固定されることを除けば、モニュメント壁組立体100と類似している。取付具506は、終極荷重508がモニュメント壁組立体500内に作用するときに隙間パネル502が前方に枢動可能にそれることを可能にする。隙間パネル502の上端部510は、上述したように、非展開状態で1つまたは複数のシャーピンによって固定壁512に連結する。固定壁512は、1つまたは複数の固定部材520によって内部客室内の天井にしっかりと連結された固定ヘッダとすることができる。
図15および
図16に示されているように、隙間パネル502は、モニュメント壁組立体500の高さの半分より実質的に大きい部分を占めることができる。随意に、隙間パネル502は、
図15および
図16に示されているより短くても長くてもよい。例えば、少なくとも1つの実施形態において、隙間パネル502は、モニュメント壁組立体500の全高さであり、1つまたは複数のシャーピンによって内部客室内の天井に取外し可能に連結することができる(別個の異なる固定壁部分に連結するのではない)。
【0069】
隙間パネル502は、取付具506などによって内部客室542の床540に枢動可能に固定される。隙間パネル502は、上述したように、少なくとも1つのシャーピンで内部客室542の固定壁512または天井544にも連結される。シャーピンは、所定の閾値を満たすまたは超える力、例えばモニュメント壁組立体500内に作用する終極荷重が作用すると破断するように構成される。
【0070】
図17Aは、本開示の一実施形態による、航空機の内部客室600の一部の上平面図である。内部客室600は、モニュメント604の後ろの座席列602を含む。モニュメント604はそれぞれ、トイレ606および流し608を含む洗面所とすることができる。モニュメント604は、座席列602からモニュメント壁組立体610によって隔てられる。モニュメント壁組立体610は、
図3〜
図16に関して上述したモニュメント壁組立体のいずれでもよい。
【0071】
図17Bは、本開示の一実施形態による、安全な非展開状態の隙間パネル605を有する洗面所604の内部斜視図である。
図17Cは、本開示の一実施形態による、展開状態の隙間パネル605を有する洗面所の内部斜視図である。
図17Bおよび
図17Cを参照すると、後方セクションから前方セクションの方へ向けられた終極荷重607が作用すると、隙間パネル605は洗面所604の内部空間609の中に展開する。図示のように、トイレ606は、モニュメント壁組立体610に隣接する、またはそうでなければ近接することができる。しかし、トイレ606および流し608は、内部空間609の他の様々な部分に配置することができる。
【0072】
図17Bおよび
図17Cに示されているように、隙間パネル605は非占有の洗面所604の中に展開され得る。洗面所604は、航空機の地上走行、離陸、および着陸中、終極荷重が航空機内に作用することがないときに非占有である。
【0073】
図18は、本開示の一実施形態による、航空機の内部客室700の一部の上平面図である。内部客室700は、モニュメント704の後ろの座席列702を含む。モニュメント704は、食品飲料カートを受容するように構成されたベイ706を含む調理室とすることができる。モニュメント704は、座席列702からモニュメント壁組立体710によって隔てられる。モニュメント壁組立体710は、
図3〜
図16に関して上述したモニュメント壁組立体のいずれでもよい。モニュメント壁組立体710の隙間パネルは、調理室内の未使用の空所内に展開することができる。
【0074】
図19は、本開示の一実施形態による、座席列がモニュメント壁組立体に近づけて配置されるのを可能にするようにモニュメント壁組立体を操作する方法の流れ図である。方法は800で始まり、隙間パネルが、1つまたは複数の枢動界面などによって内部客室の固定壁または固定部分に可動に固定される。802で、隙間パネルは、1つまたは複数のシャーピンによって内部客室の固定壁または固定部分に連結される。
【0075】
804で、力がモニュメント壁組立体内に作用し、その力はシャーピンが破断する所定の展開閾値を超えるかどうかが判定される。所定の展開閾値を満たしていないまたは超えていない場合、方法は806に進み、806で、シャーピンは、シャーピンの構造を維持するとともに隙間パネルを非展開状態に保つ。次いで、方法は804に戻る。しかし、作用力が所定の展開閾値を超えた場合、方法は804から808へ進み、シャーピンは破断し、隙間パネルは展開状態にまで移動する。
【0076】
図20は、本開示の一実施形態による、ビークル902の内部客室900の簡略内部図である。内部客室900は、座席906および1つまたは複数のモニュメント908を支持する床904を含む。座席906は、複数の取付具912によってシートトラック910に固定することができる。同様に、モニュメント908は、1つまたは複数の取付具914によって床904に固定することができる。
【0077】
各取付具914は係止部分916を含むことができる。1つまたは複数の壊れやすい要素918(1つまたは複数のシャーピンなど)が後方取付具914をモニュメント908の本体920に連結する。前方取付具914はピボットヒンジ922を含むことができる。モニュメント908は、上述した任意のタイプのものとすることができる。随意に、モニュメント908は、1つまたは複数の取付具、取付台、締め具、および/または類似のもの(これらのうちの少なくともいくつかはシャーピンなどの壊れやすい要素を含むことができる)によって内部客室900内の他の様々な部分、例えば、天井930、アウトボード壁932、床904、および/または類似のものに固定することができる。
【0078】
終極荷重が後方から前方へ矢印950の方向に作用するとき、壊れやすい要素918は破断する、またはその他の方法で解放し、終極荷重は、破線908’で示されているように、ピボットヒンジ922を中心にモニュメント908の本体920を前方に枢動させる。このようにして、終極荷重が内部客室900内に作用するときに追加のヘッドクリアランス空間が提供される。
【0079】
図21は、本開示の一実施形態による、ビークル902の内部客室900の簡略内部図である。固定物960がモニュメント908に固定され得る。固定物960は、機内の娯楽システム、マガジンラック、収納キャビネット、乳児用おむつ交換台、および/または類似のものとすることができる。固定物960は、終極荷重がモニュメント908内に矢印950の方向に作用しかつ通常運転荷重下にないときに壊れやすい要素918が解放するようにする有用な質量体となる。さらに、メカニカルアドバンテージ装置970(レバーなど)がピボット点またはピボット軸線980を画定するように使用されてもよく、本体920は、終極荷重が矢印950の方向に作用するときにピボット点またはピボット軸線980を中心に枢動する。
【0080】
図20および
図21を参照すると、モニュメント908自体は、終極荷重がモニュメント908内に矢印950の方向に作用するときに非展開状態から展開状態にまで移動するように構成される。壊れやすい要素918(シャーピンなど)はモニュメント908の先端に、例えば床取付具または天井取付具にまたはそれに近接して配置することができる。
【0081】
モニュメント908は、本体920などの展開可能な部分を含む。展開可能な部分は、所定の閾値(終極荷重など)を満たすまたは超える力がモニュメント908内に作用するときに非展開状態から展開状態(
図20に908’として示されている)にまで移動するように構成される。
【0082】
図1〜
図21を参照すると、本開示の諸実施形態では、航空機内の座席数を増大させるために、航空機の客室内の1つまたは複数の座席をモニュメントに近づけて安全に配置するシステムおよび方法が提供される。本開示の諸実施形態では、すべての関連FAA安全要件に適合しながらも、航空機の客室内の1つまたは複数の座席をモニュメントに近づけて安全に配置するシステムおよび方法が提供される。
【0083】
本開示の諸実施形態では、ビークルに搭乗する安全性の向上、ビークルの内部客室内の空間利用の改善、ならびに軽量かつ単純で費用効率の高い審美的に控えめな保守不要のシステムおよび組立体が提供される。
【0084】
上の(top)、底の(bottom)、下の(lower)、中央の(mid)、横の(lateral)、水平の(horizontal)、垂直の(vertical)、前の(front)などの様々な空間および方向を示す用語は、本開示の諸実施形態を説明するために用いられることがあるが、このような用語は、図面に示されている向きに関して用いられているにすぎない。向きは、上部が下部であり、逆も同様であり、水平が垂直になる、などとなるように、反転、回転、またはその他の方法で変更され得る。
【0085】
本明細書では、タスクまたはオペレーションを実行する「ように構成される(configured to)」構造、制限、または要素は、そのタスクまたはオペレーションに対応する態様で、特に構造的に形成、構築、または適合される。明瞭にするとともに、疑念を避けるために、タスクまたはオペレーションを実行するために修正することができるにすぎない対象物は、本明細書ではタスクまたはオペレーションを実行する「ように構成される」ものではない。
【0086】
上記の説明は例示するためのものであり、限定するものではないことを理解すべきである。例えば、上述した諸実施形態(および/またはそれら実施形態の態様)は互いに組み合わせて使用することができる。加えて、特定の状況または材料を本開示の様々な実施形態の教示に、それらの実施形態の範囲から逸脱することなく適合させるために多くの修正がなされ得る。本明細書に記述されている材料の寸法およびタイプは、本開示の様々な実施形態のパラメータを定義するためのものであり、それらの実施形態は決して限定するものではなく、例示的な実施形態である。他の多くの実施形態が、当業者には上記の説明を再検討したときに明らかになるであろう。したがって、本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲を、かかる特許請求の範囲に属する同等物の全範囲とともに参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「in which」という用語は、それぞれ「備える(comprising)」および「wherein」という用語に相当する平易な英語として用いられる。さらに、「第1の(first)」、「第2の(second)」、および「第3の(third)」などの用語は単にラベルとして用いられ、それらの用語の対象物に数値的要件を課すためのものではない。さらに、下記の特許請求の範囲の制限は、ミーンズプラスファンクション形式(means-plus-function format)で記載されず、このような特許請求の範囲の制限が、「〜ための手段(means for)」という言い回しに続いてさらなる構造のない機能の表明を明確に用いていない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されるものではない。
【0087】
本明細書は、最良の形態を含む本開示の様々な実施形態を開示するために、そしてまた、任意の装置もしくはシステムを製作し使用すること、および任意の組み入れられた方法を実行することを含む本開示の様々な実施形態を当業者が実施できるようにするためにも、複数の例を使用している。本開示の様々な実施形態の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想起する他の例を含むことができる。このような他の例は、それらの例が特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらの例が特許請求の範囲との非実質的差異を有する同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【0088】
さらに、本開示は下記条項による諸実施形態を含む。
【0089】
条項1.ビークルの内部客室内に配置されるように構成されたモニュメントであって、
所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに非展開状態から展開状態にまで移動するように構成された展開可能な部分
を備える、モニュメント。
【0090】
条項2.展開可能な部分が、モニュメント壁組立体内に展開可能な隙間パネルを備え、隙間パネルが、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント壁組立体内に作用するときに非展開状態から展開状態にまで移動するように構成される、条項1に記載のモニュメント。
【0091】
条項3.固定壁をさらに備え、隙間パネルが、固定壁に枢動可能に固定される第1の部分と固定壁に少なくとも1つの解放装置によって連結される第2の部分とを備え、少なくとも1つの解放装置が、所定の閾値を満たすまたは超える力が作用すると解放するように構成される、条項2に記載のモニュメント。
【0092】
条項4.第1の部分が下端部を備え、第2の部分が上端部を備える、条項3に記載のモニュメント。
【0093】
条項5.第1の部分が上端部を備え、第2の部分が下端部を備える、条項3に記載のモニュメント。
【0094】
条項6.隙間パネルが、下方セグメントに枢動可能に連結された上方セグメントを備える、条項2に記載のモニュメント。
【0095】
条項7.隙間パネルが、非展開状態から展開状態にまでパンタグラフ運動によって移動するように構成されたパンタグラフ式隙間パネルである、条項2に記載のモニュメント。
【0096】
条項8.隙間パネルが、内部客室の床に枢動可能に固定されるように構成された第1の部分および内部客室の固定壁もしくは天井の一方に少なくとも1つのシャーピンで連結されるように構成された第2の部分を備え、少なくとも1つのシャーピンが、所定の閾値を満たすまたは超える力が作用すると破断するように構成される、条項2に記載のモニュメント。
【0097】
条項9.所定の閾値を満たすまたは超える力が、重力の少なくとも9倍の終極荷重である、条項2に記載のモニュメント。
【0098】
条項10.隙間パネルは、隙間パネルが展開状態から移動して非展開状態に戻るのを妨げる1つまたは複数の筋かい部材を備える、条項2に記載のモニュメント。
【0099】
条項11.隙間パネルの上に、非展開状態で隙間パネルの少なくとも一部分を隠す覆いをさらに備える、条項2に記載のモニュメント。
【0100】
条項12.モニュメントに固定された固定物をさらに備え、固定物が、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに展開状態にまでの移動を促進する有用な質量体となる、条項1に記載のモニュメント。
【0101】
条項13.固定物が、隙間パネルの前面または後面に固定される、条項12に記載のモニュメント。
【0102】
条項14.展開可能な部分がモニュメントの本体を備え、本体が、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに非展開状態から展開状態にまで移動するように構成される、条項2に記載のモニュメント。
【0103】
条項15.本体が、壊れやすい部分を介して本体に連結された係止部分を含む少なくとも1つの取付具によって内部客室の一部分に固定されるように構成される、条項14に記載のモニュメント。
【0104】
条項16.本体が、1つまたは複数のピボットヒンジを含む少なくとも1つの取付具によって内部客室の一部分に固定されるように構成される、条項14に記載のモニュメント。
【0105】
条項17.本体が、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに前方に枢動するように構成される、条項14に記載のモニュメント。
【0106】
条項18.床取付具または天井取付具の一方または両方に近接して配置される1つまたは複数の壊れやすい要素をさらに備える、条項14に記載のモニュメント。
【0107】
条項19.
内部客室と、
内部客室内の複数の座席と、
複数の座席のうちの少なくとも1つに近接する、展開可能な部分を含むモニュメントであって、展開可能な部分が、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに非展開状態から展開状態にまで移動するように構成される、モニュメントと、
を備えるビークル。
【0108】
条項20.展開可能な部分が、モニュメント壁組立体内に展開可能な隙間パネルを備え、隙間パネルが、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント壁組立体内に作用するときに非展開状態から展開状態にまで移動するように構成される、条項19に記載のビークル。
【0109】
条項21.モニュメント壁組立体が固定壁をさらに備え、隙間パネルが、固定壁に枢動可能に固定される第1の部分と固定壁に少なくとも1つのシャーピンによって連結される第2の部分とを備え、少なくとも1つのシャーピンが、所定の閾値を満たすまたは超える力が作用すると破断するように構成される、条項20に記載のビークル。
【0110】
条項22.隙間パネルが、内部客室の床に枢動可能に固定されるように構成された第1の部分と内部客室の固定壁または天井の一方に少なくとも1つのシャーピンで連結されるように構成された第2の部分とを備え、少なくとも1つのシャーピンが、所定の閾値を満たすまたは超える力が作用すると破断するように構成される、条項20に記載のビークル。
【0111】
条項23.隙間パネルは、隙間パネルが展開状態から移動して非展開状態に戻るのを妨げる1つまたは複数の筋かい部材を備える、条項20に記載のビークル。
【0112】
条項24.モニュメント壁組立体が、隙間パネルの上に、非展開状態で隙間パネルを隠す覆いをさらに備える、条項20に記載のビークル。
【0113】
条項25.モニュメントに固定された固定物をさらに備え、固定物が、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに展開状態にまでの移動を促進する有用な質量体となる、条項20に記載のビークル。
【0114】
条項26.展開可能な部分がモニュメントの本体を備え、本体が、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに非展開状態から展開状態にまで移動するように構成される、条項19に記載のビークル。
【0115】
条項27.本体が、壊れやすい部分を介して本体に連結される係止部分を含む少なくとも1つの取付具によって内部客室の一部分に固定される、条項26に記載のビークル。
【0116】
条項28.本体が、1つまたは複数のピボットヒンジを含む少なくとも1つの取付具によって内部客室の一部分に固定される、条項26に記載のビークル。
【0117】
条項29.本体が、所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに前方に枢動するように構成される、条項26に記載のビークル。
【0118】
条項30.床取付具または天井取付具の一方または両方に近接して配置される1つまたは複数の壊れやすい要素をさらに備える、条項26に記載のビークル。
【0119】
条項31.ビークルの内部客室内のモニュメントとの頭部の衝突を防止する方法であって、
モニュメントの展開可能な部分を内部客室の固定壁または固定部分に可動に固定するステップと、
展開可能な部分を非展開状態で1つまたは複数のシャーピンによって内部客室の固定壁または固定部分に連結するステップと、
所定の閾値を満たすまたは超える力がモニュメント内に作用するときに1つまたは複数のシャーピンを破断させるステップであって、破断させる動作が終極荷重を取り入れることによって起こるように構成される、ステップと、
展開可能な部分を破断動作によって乗客座席から離れる向きに展開状態にまで移動させるステップと、
を含む、方法。
【0120】
条項32.展開可能な部分が隙間パネルを備える、条項31に記載の方法。
【0121】
条項33.展開可能な部分がモニュメントの本体を備える、条項31に記載の方法。
【0122】
条項34.移動させる動作が、展開可能な部分を洗面所または調理室の非占有部分または未使用部分の中へ前方展開状態にまで移動させることを含む、条項31に記載の方法。