【文献】
Trevor K. Chan and Winston I. Way,112 Gb/s PAM4 transmission over 40km SSMF using 1.3 μm gain-clamped semiconductor optical amplifier,2015 Optical Fiber Communications Conference and Exhibition (OFC),IEEE,2015年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
4値以上の値がパルス振幅変調された光信号を入力する光減衰器と、前記光減衰器から出力される前記光信号を増幅する光半導体増幅器とを備える光増幅装置を制御する方法であって、
前記光減衰器に前記光信号を入力する第1ステップと、
前記光減衰器に入力する前記光信号の強度によらず、前記光減衰器から出力される前記光信号の強度の最大値が、前記光半導体増幅器の増幅率が略一定となる入力光強度の範囲内となるように前記光減衰器の減衰率を制御する第2ステップと、
前記光半導体増幅器の増幅率を固定値に制御する第3ステップと、を含む、光増幅装置の制御方法。
前記第2ステップにおいて、前記光減衰器から出力される前記光信号の強度を検知し、その検知結果に基づいて前記光減衰器の減衰率を制御する、請求項1に記載の光増幅装置の制御方法。
前記第2ステップにおいて、前記光減衰器に入力される前記光信号の強度を検知し、その検知結果に基づいて前記光減衰器の減衰率を設定する、請求項1に記載の光増幅装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。一実施形態に係る光増幅装置の制御方法は、4値以上の値がパルス振幅変調された光信号を入力する光減衰器と、光減衰器から出力される光信号を増幅する光半導体増幅器とを備える光増幅装置を制御する方法であって、光減衰器に光信号を入力する第1ステップと、光減衰器に入力する光信号の強度によらず、光減衰器から出力される光信号の強度の最大値が目標値より小さくなるように光減衰器の減衰率を制御する第2ステップと、光半導体増幅器の増幅率を固定に制御する第3ステップと、を含む。
【0012】
この制御方法では、まず、第1ステップにおいて、パルス振幅変調された光信号を光減衰器に入力したのち、第2ステップにおいて、光減衰器に入力する光信号の強度によらず、光減衰器から出力される光信号の強度の最大値が、目標値より小さくなるように光減衰器の減衰率を制御する。ここで、「目標値」とは、光減衰器に入力される光信号の強度にかかわらず一定の大きさの値を意味する。光減衰器は光強度を増幅することはできないので、出力光信号の強度の最大値を入力光信号の強度にかかわらず目標値より小さくするためには、目標値を、想定される最も小さい入力光信号の強度以下とする必要がある。すなわち、この制御方法では、光半導体増幅器に入力される光信号の強度は、必然的に、光減衰器に入力される光信号強度の最小値以下の出来る限り小さな値となる。このことは、パルス振幅変調された各レベルの光信号の増幅を、光半導体増幅器の増幅率が略一定である領域において行い得ることを意味する。従って、上記の制御方法によれば、レベルの大小にかかわらず光信号の増幅率を略一定に近づけることができ、レベルの大きい光信号の増幅率の低下を抑えることができる。
【0013】
上記の光増幅装置の制御方法では、第2ステップにおいて、光減衰器から出力される光信号の強度を検知し、その検知結果に基づいて光減衰器の減衰率を制御してもよい。このような方法により、光減衰器からの出力光信号の強度の最大値を精度良く、目標値より小さくすることができる。
【0014】
上記の光増幅装置の制御方法では、第2ステップにおいて、光減衰器に入力される光信号の強度を検知し、その検知結果に基づいて光減衰器の減衰率を設定してもよい。このような方法によっても、光減衰器からの出力光信号の強度の最大値を目標値より小さくすることができる。
【0015】
一実施形態に係る光増幅装置は、4値以上の値がパルス振幅変調された光信号を入力する光減衰器と、光減衰器から出力される光信号を増幅する光半導体増幅器と、光減衰器に入力する光信号の強度によらず、光減衰器から出力される光信号の強度の最大値が目標値より小さくなるように光減衰器の減衰率を制御し、光半導体増幅器の増幅率を固定に制御する制御部と、を備える。この光増幅装置によれば、前述した光増幅装置の制御方法と同様に、レベルの大小にかかわらず光信号の増幅率を略一定に近づけることができ、レベルの大きい光信号の増幅率の低下を抑えることができる。
【0016】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光増幅装置の制御方法および光増幅装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る光増幅装置10Aを備える光通信システム1の概略的な構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、この光通信システム1は、光送信器3と、光受信器4と、光増幅装置10Aとを備えている。光送信器3と光増幅装置10Aとは例えば80kmといった長距離の第1光ファイバ5によって互いに、光学的に結合されている。光増幅装置10Aと光受信器4とは第2光ファイバ6によって互いに光学的に結合されているが、この第2光ファイバ6の長さは、第1光ファイバ5の長さよりも短い。光送信器3は、例えばPAM4といった、4値以上の値がパルス振幅変調された光信号S1を出力する。光増幅装置10Aは、第1光ファイバ5を介してこの光信号S1を受ける。光増幅装置10Aは、長距離を伝搬して減衰した光信号S1を増幅し、増幅後の光信号S2を出力する。光受信器4は、第2光ファイバ6を介して増幅後の光信号S2を受ける。
【0018】
光送信器3は、光源7と、光変調器8と、ドライバIC9aと、ギアボックスIC9bとを有する。光源7は、例えば半導体レーザ素子であり、所定波長のレーザ光を連続波として出力する。光変調器8は、例えば半導体光変調器であり、光源7の光出射端と光学的に結合されている。光変調器8は、ドライバIC9aから提供されるパルス振幅変調された電気的な変調信号(半導体光変調器の場合、変調電圧)に応じて、光源7から出力されたレーザ光を変調する。光変調器8から出力された変調後のレーザ光は、パルス振幅変調された光信号S1として第1光ファイバ5に入力される。
【0019】
図2は、パルス振幅変調された信号の例として、PAM4信号のアイパターンを概略的に示す図である。PAM4信号は、4つの信号シンボルによって構成される。すなわち、図中のレベル0とレベル1との間において変化する信号シンボルS(0−1)、レベル1とレベル2との間において変化する信号シンボルS(1−2)、レベル2とレベル3との間において変化する信号シンボルS(2−3)、及び、レベル0とレベル3との間において変化する信号シンボルS(0−3)である。なお、PAM4信号に限らず、PAM8信号などPAMn信号にも有益である。
【0020】
再び
図1を参照する。ドライバIC9aは、光変調器8と電気的に接続されており、パルス振幅変調された電気的な変調信号を光変調器8に提供する。ドライバIC9aは、ギアボックスIC9bを介して入力される入力信号に基づいて、パルス振幅変調された変調信号を生成する。また、ドライバIC9aは、生成した変調信号を、光源7に提供するために好適な強度をもった電気信号とする。ギアボックスIC9bは、電気的な送信信号を、ドライバIC9aに適合する信号に変換するためのICである。典型的な例として、ギアボックスIC9bは、シリアル信号をパラレル信号に変換する機能を有する。なお、本実施形態では、パルス振幅変調された信号をドライバIC9aが生成するが、このような構成に代えて、入力信号をパルス振幅変調信号に変換するための変換ICを、ドライバIC9aとギアボックスIC9bとの間に介在させてもよい。
【0021】
光受信器4は、光送信器3から出力された光信号S1を、光増幅装置10Aを介して受信する。光受信器4は、光増幅装置10Aから出力された光信号S2を復調し、光信号S2に含まれる信号成分を電気的な受信信号に変換する。
【0022】
図3は、光増幅装置10Aの構成例を概略的に示す図である。
図3に示されるように、本実施形態の光増幅装置10Aは、光減衰器(VOA)11と、光半導体増幅器(SOA)12と、光分岐素子13と、光検出素子14と、制御回路15とを備えている。
【0023】
光減衰器11の一端は、図示しない光コネクタを介して第1光ファイバ5の端部と光学的に結合されている。光半導体増幅器12の一端は、光ファイバ18を介して光減衰器11の他端と光学的に結合されている。なお、光減衰器11と光半導体増幅器12との間に光コネクタが介在してもよい。また、光半導体増幅器12の他端は、図示しない光コネクタを介して第2光ファイバ6の端部と光学的に結合されている。
【0024】
光減衰器11は、パルス振幅変調された光信号S1を、第1光ファイバ5を介して入力する。光減衰器11は、この光信号S1の光強度を減衰する。このときの減衰率は、制御回路15から光減衰器11に与えられる電気的な制御信号(例えば電圧信号)SC1によって制御される。光半導体増幅器12は、光減衰器11から出力された減衰後の光信号(本実施形態では、光分岐素子13を通過後の光信号S12)を、光ファイバ18を介して入力する。光半導体増幅器12は、この減衰後の光信号S12を増幅して光信号S2を生成する。このときの増幅率は、制御回路15から光半導体増幅器12に与えられる電気的な制御信号(例えば電流信号)SC2によって制御される。
【0025】
光分岐素子13は、光減衰器11の他端と光半導体増幅器12の一端との間に光結合されている。光分岐素子13は、光減衰器11から出力された減衰後の光信号S10の一部である光信号S11を分岐し、残部である光信号S12を光ファイバ18に向けて出力する。光信号S11の光強度は、例えば光信号S10の3%〜10%である。光分岐素子13は、分岐した光信号S11を光検出素子14に提供する。光検出素子14は、光分岐素子13と光結合され、光分岐素子13から分岐された光信号S11を受ける。光検出素子14は、この光信号S11の光強度を検知することにより、光信号S10の強度を検知する。光検出素子14は、光信号S11の光強度に応じた(言い換えれば、光信号S10の光強度に応じた)電気信号Sd1を出力する。この電気信号Sd1は制御回路15に提供される。光検出素子14は例えばフォトダイオードである。なお本実施形態では、光分岐素子13および光検出素子14は光減衰器11とともに一の筐体21内に収容されている。光半導体増幅器12は、筐体21とは別の筐体22内に収容されている。
【0026】
制御回路15は、本実施形態における制御部であり、光減衰器11に制御信号SC1を提供する。制御回路15は、光検出素子14から受けた電気信号Sd1に基づいて、光減衰器11に入力する光信号S1の強度によらず、光減衰器11から出力される光信号S10の強度の最大値が、目標値よりも小さくなるように光減衰器11の減衰率を制御する。本実施形態の制御回路15は、光検出素子14から受けた光信号強度の検知結果に基づいて、光減衰器11の減衰率を制御する。また、制御回路15は、光半導体増幅器12に制御信号SC2を提供する。制御回路15は、光半導体増幅器12の増幅率を固定値に制御する。本実施形態の制御回路15は、一定の大きさの制御信号SC2を光半導体増幅器12に提供する。なお、制御回路15は、例えばCPU及びメモリを有するコンピュータによって好適に実現され得る。
【0027】
ここで、
図4は、本実施形態の光増幅装置10Aの制御方法を示すフローチャートである。また、
図5(a)〜
図5(c)は、光信号の強度変化を概念的に示す図である。以下、
図4及び
図5(a)〜
図5(c)を参照しながら、光増幅装置10Aの動作(制御回路15による制御方法)を説明する。
【0028】
まず、第1ステップA1として、光減衰器11に光信号S1を入力する。
図5(a)〜
図5(c)では、光信号S1の光強度が矢印の太さで示されている。すなわち、
図5(a)は光信号S1の光強度が小さい場合を示し、
図5(b)は光信号S1の光強度が中程度である場合を示し、
図5(c)は光信号S1の光強度が大きい場合を示す。
【0029】
次に、第2ステップA2として、光減衰器11に入力する光信号S1の強度によらず、光減衰器11から出力される光信号S10の強度の最大値が、目標値より小さくなるように光減衰器11の減衰率を制御する。ここで、「目標値」とは、光減衰器11に入力される光信号S1の強度にかかわらず一定の大きさの値を意味する。すなわち、光信号S1の強度が小さい場合(
図5(a))には、光減衰器11の減衰率を最小に(言い換えれば透過率を最大に)する。また、光信号S1の強度が中程度である場合(
図5(b))には、光減衰器11の減衰率を中程度にする。また、光信号S1の強度が大きい場合(
図5(c))には、光減衰器11の減衰率を最大に(言い換えれば透過率を最小に)する。こうして、光減衰器11に入力される光信号S1の強度によらず、光減衰器11から出力される光信号S10の強度を一定にする。なお、光減衰器11は光を増幅することはできないので、一定とされた出力光信号S10の強度は、入力光信号S1の強度が最も小さい場合の出力光信号S10の強度に揃えられる。また、ここでいう目標値とは、後段の光半導体増幅器12が線形動作可能である範囲に含まれる値である。本実施形態では、光減衰器11から出力される光信号S10の強度を光検出素子14において検知し(ステップA21)、その検知結果の最大値が上記目標値よりも小さくなるように、光減衰器11の減衰率をフィードバック制御する(ステップA22)。
【0030】
続いて、第3ステップA3として、光信号S2の光強度が一定となるように、光半導体増幅器12の増幅率を制御する。但し、本実施形態では光減衰器11から出力される光信号S10の強度の最大値が目標値よりも小さく制御されているので、光減衰器11に入力される光信号S1の強度に関係なく、光半導体増幅器12の増幅率の大きさは固定値とされる。つまり、光半導体増幅器12には一定の制御信号(制御電流)SC2が供給される。そして、この増幅率の大きさは、上記目標値に対応して予め定められ得る。
【0031】
以上に説明した本実施形態の光増幅装置10A及びその制御方法によって得られる効果について、従来の光増幅装置が有する課題とともに説明する。
【0032】
図6(a)〜
図6(c)は、従来の光増幅装置における光信号の強度変化を概念的に示す図である。
図6(a)は、光減衰器11に入力される光信号S1の光強度が小さい場合を示し、
図6(b)は光強度が中程度である場合を示し、
図6(c)は光強度が大きい場合を示す。光信号S1の強度が小さい場合(
図6(a))には、光減衰器11の透過率を最大とし、且つ、光半導体増幅器12の増幅率を最大とする。また、光信号S1の強度が中程度である場合(
図6(b))には、
図6(a)の場合と比べて光半導体増幅器12の増幅率を小さくする。また、光信号S1の強度が大きい場合(
図6(c))には、光減衰器11において光信号S1の強度を光半導体増幅器12の動作可能な範囲内まで減衰する。
【0033】
このような従来の光増幅装置の制御方法によって生じる問題点について説明する。
図7は、光半導体増幅器12の入力光強度に対するゲイン特性を示すグラフである。同図において、横軸は光半導体増幅器12への入力光強度を示し、縦軸は光半導体増幅器12の増幅率(ゲイン)を示す。この図に示されるように、一般的に光半導体増幅器12においては、入力光強度が或る程度の大きさを超えると、入力光強度が大きくなるにつれて次第に増幅率が低下する傾向がある。このため、パルス振幅変調された入力光信号S1の変調範囲が、図中に示される範囲A(入力光強度が比較的小さい範囲)に含まれる場合には、レベル0〜レベル3に対する光半導体増幅器12の増幅率はほぼ等しくなる。しかし、入力光信号S1の変調範囲が、入力光強度が比較的大きい範囲Bに含まれる場合には、レベル0〜レベル3に対する光半導体増幅器12の増幅率は等しくならず、レベルが高くなるにつれて次第に低下する。
【0034】
従って、例えば
図2のアイパターンで示されるような光信号波形(レベル0〜レベル3のレベル間隔が等間隔である波形)が光半導体増幅器12に入力されたとしても、光半導体増幅器12から出力される光信号波形では、
図8に示されるようにレベル0〜レベル3のレベル間隔が等間隔にならない。つまり、各シンボルS(0−1)、S(1−2)、及びS(2−3)の振幅が等しくならず、シンボルS(0−1)、S(1−2)の振幅に対して、シンボルS(2−3)の振幅が小さくなってしまう。このことは、光受信器4における正確な復調を妨げる原因となる。
【0035】
上記のような問題点に対し、本実施形態の制御方法では、まず、第1ステップA1において、パルス振幅変調された光信号S1を光減衰器11に入力したのち、第2ステップA2において、光減衰器11に入力する光信号S1の強度によらず、光減衰器11から出力される光信号S10の強度の最大値が、目標値より小さくなるように光減衰器11の減衰率を制御する。光減衰器11は光強度を増幅することはできないので、出力光信号S10の強度の最大値を入力光信号S1の強度にかかわらず目標値より小さくするためには、目標値を、想定される最も小さい入力光信号S1の強度以下とする必要がある。すなわち、この制御方法では、光半導体増幅器12に入力される光信号S12の強度は、必然的に、光減衰器11に入力される光信号強度の最小値以下の出来る限り小さな値となる。このことは、パルス振幅変調された各レベルの光信号S12の増幅を、光半導体増幅器12の増幅率が略一定である領域(例えば
図7の範囲A)において行い得ることを意味する。従って、本実施形態の制御方法及び光増幅装置10Aによれば、レベルの大小にかかわらず光信号の増幅率を略一定に近づけることができ、レベルの大きい光信号の増幅率の低下を抑えることができる。
【0036】
また、本実施形態のように、第2ステップA2において、光減衰器11から出力される光信号S10の強度を検知し、その検知結果に基づいて光減衰器11の減衰率を制御してもよい。このような方法により、光減衰器11からの出力光信号S10の強度の最大値を精度良く、目標値より小さくすることができる。
【0037】
(第1変形例)
図9は、上記実施形態の第1変形例に係る光増幅装置10Bの構成を示すブロック図である。
図9に示されるように、本変形例の光増幅装置10Bは、上記実施形態の構成に加えて、光分岐素子16および光検出素子17を備えている。
【0038】
光分岐素子16は、光半導体増幅器12の他端と第2光ファイバ6との間に光結合されている。光分岐素子16は、光半導体増幅器12から出力された光信号S13の一部である光信号S14を分岐し、残部である光信号S2を第2光ファイバ6に向けて出力する。光信号S14の光強度は、例えば光信号S13の3%〜10%である。光分岐素子16は、分岐した光信号S14を光検出素子に提供する。光検出素子17は、光分岐素子16と光結合され、光分岐素子16から分岐された光信号S14を受ける。光検出素子17は、この光信号S14の光強度を検知することにより、光信号S13の強度を検知する。光検出素子17は、光信号S14の光強度に応じた(言い換えれば、光信号S13の光強度に応じた)電気信号Sd2を出力する。この電気信号Sd2は制御回路15に提供される。光検出素子17は例えばフォトダイオードである。なお本実施形態では、光分岐素子16および光検出素子17は光半導体増幅器12と共通の筐体22内に収容されている。制御回路15は、光検出素子17から受けた電気信号Sd2に基づいて、光半導体増幅器12から出力される光信号S2の強度が一定の大きさになるように、光半導体増幅器12の増幅率を制御する。
【0039】
図10は、本変形例に係る光増幅装置10Bの動作及び制御方法を示すフローチャートである。なお、第1ステップA1及び第2ステップA2については、上記実施形態と同様なので説明を省略する。本変形例の第3ステップA4においても、光信号S2の光強度が一定となるように光半導体増幅器12の増幅率を制御する。但し、本変形例の第3ステップA4では、光半導体増幅器12から出力される光信号S2の強度を検知し(ステップA41)、その検知結果が所望の光強度に近づくように制御回路15が光半導体増幅器12の増幅率のフィードバック制御を行う(ステップA42)。このような方法により、光半導体増幅器12からの出力光信号S2の強度を所望の光強度に更に精度良く近づけることができる。
【0040】
(第2変形例)
図11は、上記実施形態の第2変形例に係る光増幅装置10Cの構成を示すブロック図である。
図11に示されるように、本変形例の光増幅装置10Cと上記第1変形例とが異なる点は、光分岐素子13が、光減衰器11の他端ではなく光減衰器11の一端と第1光ファイバ5との間に光結合されている点である。光分岐素子13は、光減衰器11に入力される光信号S1の一部である光信号S15を分岐し、残部である光信号S16を光減衰器11に向けて出力する。光分岐素子13は、分岐した光信号S15を光検出素子14に提供する。光検出素子14は、この光信号S15の光強度を検知することにより、光信号S1の強度を検知する。光検出素子14は、光信号S15の光強度に応じた(言い換えれば、光信号S1の光強度に応じた)電気信号Sd3を出力する。この電気信号Sd3は制御回路15に提供される。なお本変形例においても、光分岐素子13および光検出素子14は光減衰器11とともに一の筐体21内に収容されている。制御回路15は、光検出素子14から受けた電気信号Sd3に基づいて、光減衰器11の減衰率を設定する。
【0041】
図12は、本変形例に係る光増幅装置10Cの制御方法を示すフローチャートである。なお、第1ステップA1及び第3ステップA3については、それぞれ上記実施形態及び第1変形例と同様なので説明を省略する。本変形例の第2ステップA5では、光減衰器11に入力される光信号S1の強度を検知し(ステップA51)、その検知結果に基づいて、光減衰器11から出力される光信号S10の強度の最大値が目標値より小さくなるように、制御回路15が光減衰器11の減衰率を設定する(ステップA52)。このような方法(フィードフォワード制御)によっても、光減衰器11からの出力光信号S10の強度の最大値を目標値よりも小さくすることができる。
【0042】
本発明による光増幅装置の制御方法および光増幅装置は、上述した実施形態及び各変形例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態及び各変形例を、必要な目的及び効果に応じて互いに組み合わせてもよい。また、上記実施形態では1つの制御回路が光減衰器及び光半導体増幅器の双方を制御しているが、本発明の制御部では、光減衰器を制御する回路と光半導体増幅器を制御する回路とが個別に設けられてもよい。