(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6927986
(24)【登録日】2021年8月10日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】遅延補正を備えたOCTイメージングカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20210823BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20210823BHJP
A61B 17/3207 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
A61B1/00 526
A61B1/00 620
A61B1/045 610
A61B1/00 552
A61B17/3207
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-538773(P2018-538773)
(86)(22)【出願日】2017年1月25日
(65)【公表番号】特表2019-508101(P2019-508101A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】US2017014921
(87)【国際公開番号】WO2017132247
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2020年1月8日
(31)【優先権主張番号】62/286,918
(32)【優先日】2016年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510281977
【氏名又は名称】アビンガー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Avinger, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】ビャーン・ビー・クリステンセン
【審査官】
安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/120146(WO,A1)
【文献】
特表2014−514059(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0213893(US,A1)
【文献】
特開平07−184888(JP,A)
【文献】
特表2015−533584(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0222042(US,A1)
【文献】
特表2012−531972(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0305452(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
A61B 17/3207
G02B 23/24−23/26
A61B 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動シャフトを有するカテーテル本体と、
駆動シャフトの遠位端に対して固定され、それとともに回転するように構成された撮像センサと、
駆動シャフトを回転するように構成された駆動モータと、
駆動シャフトが回転すると、駆動モータによって引き込まれる電流量を測定するように構成されたセンサと、
撮像センサが回転すると、撮像センサによって得られる1つ以上の画像を表示するように構成されたディスプレイと、
測定した電流に基づいて、ディスプレイによって表示される1つ以上の画像の回転方位を調整するように構成されたコントローラと、を備えるカテーテルシステム。
【請求項2】
撮像センサは、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)撮像センサである請求項1記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
カテーテル本体はさらに、駆動シャフトとともに回転するように構成されたカッタを含む請求項1記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
撮像センサは、カッタに装着される請求項3記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
カテーテル本体の遠位端に装着され、これに対して旋回するように構成されたノーズコーンをさらに備える請求項1記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
センサは、電流検知抵抗である請求項1記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
1つ以上の画像は、ディスプレイにセクター図として表示される請求項1記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
コントローラは、測定した電流に基づいて、ディスプレイ上の1つ以上の画像の投影を遅延させることによって、1つ以上の画像の回転方位を調整するように構成される請求項1記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
コントローラはさらに、予め定めた基準電流値および利得値に基づいて、1つ以上の画像の回転方位を調整するように構成される請求項1記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
コントローラ、駆動モータおよびセンサは、カテーテルを駆動するように構成された駆動アセンブリの一部である請求項1記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
第1インデックスパルスで、カテーテルの駆動シャフトおよび撮像センサを回転するように構成された駆動モータと、
駆動シャフトが第1インデックスパルスで回転すると、駆動モータによって引き込まれる電流量を測定するように構成されたセンサと、
測定した電流および第1インデックスパルスに基づいて、第2インデックスパルスを決定し、第2インデックスパルスは、第1インデックスパルスに対して遅延しており、そして、第2インデックスパルスをディスプレイに送信し、回転遅延について調整された撮像センサによって収集された画像の表示を可能にするコントローラと、を備えるカテーテル駆動アセンブリ。
【請求項12】
センサは、電流検知抵抗である請求項11記載のカテーテル駆動アセンブリ。
【請求項13】
コントローラは、予め定めた基準電流値および利得値にさらに基づいて、第2インデックスパルスを決定するように構成される請求項11記載のカテーテル駆動アセンブリ。
【請求項14】
撮像センサは、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)撮像センサである請求項11記載のカテーテル駆動アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮特許出願第62/286918号(2016年1月25日出願、名称「OCT IMAGING CATHETER WITH LAG CORRECTION」)に対して優先権の利益を主張するものであり、その内容は参照により全体としてここに組み込まれる。
【0002】
本出願は、PCT特許出願第PCT/US2015/014613号(2015年2月5日出願、名称「ATHERECTOMY CATHETERS AND OCCLUSION CROSSING DEVICES」、公開番号第WO2015/120146A1号)に関連することがあり、その内容は参照により全体としてここに組み込まれる。
【0003】
(参照による組込み)
本明細書で言及されるすべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれるために具体的かつ個別的に示されたのと同じ程度に、参照によりその全体としてここに組み込まれる。
【0004】
(分野)
ここでは、イメージングカテーテルに接続可能な画像補正システムが記載される。詳細には、イメージングカテーテルが受ける回転歪みを補正する画像補正システムおよび関連した方法が記載される。
【背景技術】
【0005】
アテローム切除術(atherectomy)は、アテローム性動脈硬化(血管内に蓄積されたプラーク)を除去する最小限に侵襲的な血管内手術法である。プラーク塊の大部分を除去することによって(デバルキング(debulking))、アテローム切除術は、より大きな内部管腔を生成し、動脈壁のコンプライアンス(compliance)を著しく増加させる。その結果、ステント留置が大きく改善される。
【0006】
さらに、アテローム切除術は、動脈治癒反応に関連した幾つかの利点を提供する。円周半径方向力が血管に印加された場合、血管形成術またはステント留置術の場合のように、プラーク塊が変位して、血管壁を著しく伸展させる。この伸展損傷は、細胞の内部成長について既知の刺激であり、再狭窄をもたらす。アテローム切除術を用いて、血管に印加される最小の力で疾患を除去することによって、減少した血管壁損傷および制限された弾性収縮とともに、管腔サイズの大きな利得が生成できる。これらの効果は、より良く鋭い結果およびより低い再狭窄率を発生するように示される。
【0007】
アテローム切除術装置は、画像ガイダンス、例えば、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)により同伴できる。撮像能力を有することは、より安全でより的を絞った治療を提供する。画像ガイダンスは、オペレータに、どこにプラーク塊が位置するかを示し、プラークが視覚化された場所でデバルキングを集中させて、アテローム切除術に関連したリスクを大きく減少させる点で特に有用である。付随する視覚化システムを有する1つの追加の利益は、実際、見つかる病変およびプラークの大部分が偏心している場合、カテーテルオペレータは、本来は全て同心的なものとして、病変またはプラークを治療する必要がないことである。病変およびプラークを除去するこの円周近似手法は、1つの領域からプラークを完全に除去することはなく、潜在的に健康な血管を切断または伸展させる。こうして血管内のプラークまたは病変を視覚化する能力により、オペレータは、要求されたエリアだけでデバルキングを行いつつ、健康な組織に接触しないようにできる。
【0008】
アテローム切除カテーテルに接続された撮像システムを有することは、無い場合より安全な処置を可能にするが、内蔵式イメージングは不正確さを有することがある。例えば、撮像センサの配置は、精度に影響することがある。即ち、アテローム切除カテーテルの遠位端またはこれに接近して位置決めされた撮像素子が、近位端で受けるものより大きい曲げまたはトルクを受けることがある。さらに、もし撮像素子が、切断エレメントにまたはこれに接近して位置決めされた場合、切断部分が血管内に蓄積されたプラークから、または血管自体の曲率から抵抗を受けると、画像内に偏差が生じることがある。同様に、本体空洞または管腔を通って移動するカテーテルが、本体管腔および該本体管腔内の環境に依存してトルクを受けることがあり、画像内に歪みを生じさせることがある。
【0009】
さらに、カッタが近位端でのモータよりゆっくりと回転し、異なる特性の組織に遭遇した場合にカッタが振動し、またはカッタがジャンプする結果として、回転歪みが生じることがある。画像内のこれらの種々の偏差は、「回転遅延(ラグ lag)」と称されるもの、即ち、ユーザが意図的にカテーテルに印加したり印加しなかったりする回転と、カテーテルの遠位端での撮像センサの潜在的に意図的でない回転との間の遅延によって生じることがある。こうした回転遅延は、幾つかのカテーテルで増強されることがあり、表示される画像の回転位置が、カテーテルの遠位端というより、カテーテルモータに対するインデックス(割り出し)位置に従って、幾つかのカテーテルで固定されることがあるためである。従って、回転遅延を明らかにしまたは調整するイメージングアテローム切除カテーテルについてニーズがある。
【0010】
回転遅延によって歪んだ画像を調整するために以前に開示された1つの方法は、カテーテルを手動で回転し、近位端においてユーザによって印加される回転とカテーテルの遠位端の実際の回転との間の遅延を補償することであった。しかしながら、この方法は、カテーテルの手動調整が、ユーザ間で、そして異なる本体管腔で受ける独自に異なる抵抗に応答して相違する傾向があるため、受ける回転遅延を補償する一貫した手法を提供していない。回転遅延に取り組むために以前に開示された他の方法は、画像を、深さ対時間画像(ウォーターフォール画像と称される)および、角度回転情報を含む方位角(azimuthal)画像の両方に分離することであった。この方法は、ユーザが両方のタイプの画像を見ることが可能になるが(方位角および時間対深さ情報の両方を示す)、血管の内部を観察するには、直感的な手法ではない。
【0011】
こうして回転遅延を瞬時に動的に調整することが可能なイメージングを備えたアテローム切除カテーテルシステムを有することが好都合であろう。さらに、補正が必要であるかを判断するために、既存の条件の簡単な測定を利用する、回転遅延を補正するためのシステムを実装することも、費用対効果がより高く、正確であろう。撮像前に回転遅延と相関させる簡単な測定を有することは、出力エンドで画像を計算し調整するアプリケーションおよびプログラムを有する必要性を除去するであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
一般に、一実施形態において、カテーテルシステムは、カテーテル本体と、撮像センサと、駆動モータと、電流センサと、ディスプレイと、コントローラとを含む。カテーテル本体は、駆動シャフトを含む。撮像センサは、駆動シャフトの遠位端に対して固定され、それとともに回転するように構成される。駆動モータは、駆動シャフトを回転するように構成される。電流センサは、駆動シャフトが回転すると、駆動モータによって引き込まれる電流量を測定するように構成される。ディスプレイは、撮像センサが回転すると、撮像センサによって得られる1つ以上の画像を表示するように構成される。コントローラは、測定した電流に基づいて、ディスプレイによって表示される1つ以上の画像の回転方位を調整するように構成される。
【0013】
本および他の実施形態は、下記の特徴の1つ以上を含むことができる。撮像センサは、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)撮像センサでもよい。カテーテル本体はさらに、駆動シャフトとともに回転するように構成されたカッタを含む。撮像センサは、カッタに装着できる。カテーテルシステムはさらに、カテーテル本体の遠位端に装着され、これに対して旋回するように構成されたノーズコーン(nosecone)を含むことができる。センサは、電流検知抵抗でもよい。1つ以上の画像は、ディスプレイにセクター(扇形 sector)図として表示できる。コントローラは、測定した電流に基づいて、ディスプレイ上の1つ以上の画像の投影を遅延させることによって、1つ以上の画像の回転方位を調整するように構成できる。コントローラはさらに、予め定めた基準電流値および利得値に基づいて、1つ以上の画像の回転方位を調整するように構成できる。コントローラ、駆動モータおよびセンサは、カテーテルを駆動するように構成された駆動アセンブリの一部でもよい。
【0014】
一般に、一実施形態において、カテーテル駆動アセンブリは、駆動モータと、センサと、コントローラとを含む。駆動モータは、第1インデックス(割り出し)パルスで、カテーテルの駆動シャフトおよび撮像センサを回転するように構成される。センサは、駆動シャフトが第1インデックスパルスで回転すると、駆動モータによって引き込まれる電流量を測定するように構成される。コントローラは、測定した電流および第1インデックスパルスに基づいて、第2インデックスパルスを決定し、第2インデックスパルスをディスプレイに送信し、回転遅延について調整された撮像センサによって収集された画像の表示を可能にする。
【0015】
本および他の実施形態は、下記の特徴の1つ以上を含むことができる。センサは、電流検知抵抗でもよい。コントローラは、予め定めた基準電流値および利得値にさらに基づいて、第2インデックスパルスを決定するように構成できる。撮像センサは、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)撮像センサでもよい。
【0016】
一般に、一実施形態において、回転遅延を補正する方法は、
カテーテルの駆動シャフトにトルクが存在しない場合、イメージングカテーテルについての基準電流値を取得するステップと、
処置の際、駆動シャフトを回転するために駆動モータに供給される電流量を測定するステップと、
測定した電流量が、所定の量だけ基準電流値より高いことを判断することによって、駆動シャフトの回転遅延が存在したかを判断するステップと、
所定の量に基づいて、回転遅延について表示される画像を補正するステップと、を含む。
【0017】
本および他の実施形態は、下記の特徴の1つ以上を含むことができる。測定ステップ、判断ステップ、および補正ステップは、アテローム切除処置においてカテーテルの使用時に実施できる。所定の量に基づいて、回転遅延について表示される画像を補正することは、表示される画像に対してインデックスパルスを遅延させて、画像の投影を遅延させることを含む。イメージングカテーテルは、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)イメージングカテーテルでもよく、表示される画像は、OCT画像でもよい。
【0018】
一般に、一実施形態において、回転遅延を補正する方法は、
画像内の回転歪み量と、イメージングカテーテルの駆動モータによって引き込まれる電流量との間の相関関係を取得するステップと、
駆動モータを用いてイメージングカテーテルの駆動シャフトを回転するために、駆動モータに供給される電流量を測定するステップと、
測定した電流量が予め定めた値より高い場合、該相関関係を使用して、回転調整値を決定するステップと、
回転調整値に基づいて、画像の方位を調整するステップと、を含む。
【0019】
本および他の実施形態は、下記の特徴の1つ以上を含むことができる。測定ステップ、使用ステップおよび調整ステップは、アテローム切除処置においてカテーテルの使用時に実施できる。画像の方位を調整することは、ディスプレイに対してインデックスパルスを遅延させて、ディスプレイ上の画像の投影を遅延させることを含む。イメージングカテーテルは、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)イメージングカテーテルでもよく、表示される画像は、OCT画像でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の新規な特徴は、下記の請求項に詳細に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する下記の詳細な説明および添付図面への参照により得られるであろう。
【0021】
【
図1A】例示のアテローム切除カテーテルの側面図である。
【
図1C】アテローム切除カテーテルの第2例を示す。
【
図2】回転遅延を補償する動的調整を示す概略図である。
【
図3】カテーテルを較正する際のステップを要約するフローチャートである。
【
図4】アテローム切除カテーテルを用いた場合、回転遅延を補償するステップを要約するフローチャートである。
【
図5A】切断エレメントが開き始めたときのアテローム切除カテーテルからの画像である。
【
図5B】動的画像補正がない場合、完全に開いたアテローム切除カテーテルからの画像である。
【
図5C】補正とともに、完全に開いたアテローム切除カテーテルからの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで説明するのは、簡単かつ費用対効果が高く、動的な手法で、イメージングカテーテル(例えば、アテローム切除カテーテル)の回転遅延を対処するための方法およびアセンブリである。ここで説明する方法およびアセンブリは、撮像素子での回転遅延の存在を決定し、画像が記録され表示される前に遅延を動的に補償するように構成される。
【0023】
ここで説明するカテーテルは、細長い可撓性のカテーテル本体と、切断エレメントとを含むことができる。幾つかの実施形態において、切断エレメントは、血管壁から組織を切り取る(shear)ように回転するように構成された環状の回転可能なカッタでもよい。他の実施形態において、切断エレメントは、血管壁から組織を掻き取る(scrape)ように構成された近位向き切断エッジを有する遠位先端を含むことができる。ここで説明するカテーテルはさらに、内蔵式(on-board)イメージング、例えば、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)イメージングを含むことができる。OCTイメージング用の光ファイバは、例えば、カテーテル本体の長手方向軸にほぼ沿って延びる。幾つかの実施形態において、光ファイバは、回転可能なカッタに装着でき、それとともに回転するように構成できる。他の実施形態において、光ファイバは、別個のイメージングシャフトに装着できる。
【0024】
図1A〜
図1Cは、例示のアテローム切除カテーテルを示す。
図1Aを参照して、アテローム切除カテーテル100は、カテーテル本体101と、駆動シャフト113に装着され、カテーテル本体101の遠位端にあるカッタ103と、カテーテル本体101の遠位端にあるノーズコーン105とを含むことができる。ノーズコーン105はさらに、カッタ103の切断エッジ112が露出できる切断窓を含むことができる。ノーズコーン105は、カテーテル本体の長手方向軸からある角度で偏向するように構成できる。使用の際、この偏向は、カッタ103を切断窓を介して露出でき、及び/又は、カッタ103を、アテローム切除カテーテルが挿入される血管の壁の中に半径方向に押すことができる。
図1Dに示すように、カテーテル100はさらに、内蔵式イメージングシステム、例えば、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)を含むことができる。OCT撮像素子のための光ファイバ111は、駆動シャフト113の中心を通ることができる。さらに、光ファイバ111は、カッタ103に装着でき、それとともに回転するように構成できる。
【0025】
さらに、カテーテル100は、イメージングシステムの変位、回転及び/又は撮像能力のための制御を含むハンドル115及び/又は駆動システムを含んでもよい。カテーテル100は、内蔵式イメージングシステムを用いて収集される画像を表示するための制御システム及び/又はイメージングコンソールに装着されるように構成できる。
【0026】
さらに、カテーテル100は、画像歪みを補正する、例えば、回転遅延を補正するように構成された制御システムとともに作動するように構成できる。カテーテルが理想的なトルク伝達物体でないため、カテーテルの近位端が回転した場合にカテーテルの遠位端が回転しないある位相遅延(Θ)が存在するようになる。この位相遅延は、カテーテルがトルクを受け、及び/又は回転の方向が変化した場合、画像の正しくない方位を生じさせることがあり、回転遅延と称される。多くの要因が潜在的な回転遅延に関与することがある。これらは、血管の湾曲部に起因したカテーテルのトルク発生、またはオペレータによって作用される力、カッタ位置、切除されるプラークのタイプ、及び/又は、カテーテルに捩り負荷を付与できる他の要因を含む。
【0027】
図2は、回転遅延を補正するように構成されたアテローム切除システム200の図を示す。システムは、駆動アセンブリ222を含み、これは、例えば、米国特許出願第14/400151号(2014年11月10日出願、名称「ATHERECTOMY CATHETER DRIVE ASSEMBLIES」、米国特許第9345398号)、およびPCT特許出願PCT/US2016/041193(2016年7月6日出願、名称「SELF-ALIGNMENT MECHANISM FOR IMAGING CATHETER AND DRIVE ASSEMBLY」、国際公開第2017/007853号)に記載されたような駆動アセンブリとすることができ、上記出願の全体は参照によりここに組み込まれる。駆動アセンブリ222は、カテーテルの駆動シャフト213(およびその遠位端にある撮像センサ216)を回転するように構成された駆動シャフトモータ114を含む。駆動シャフトモータ114が回転すると、それは、インデックスパルスを提供し、これは、モータ駆動シャフトが設定された基準ポイント(例えば、上死点位置)を通過する毎に、コントローラ224によって(例えば、151で)読み取り可能である。駆動アセンブリはさらに、駆動シャフトモータを通電する駆動電圧源111を含む。
【0028】
使用の際、モータ114は、駆動シャフト213および撮像センサ216を回転して、円周エリア232(例えば、血管などの身体管腔)から画像データを収集できる。画像データは、コントローラ224を通じて返送できる。同時に、コントローラ224は、モータ114のインデックスパルス151を決定できる。そして撮像データは、インデックスに基づいて設定されたタイムスタンプとともにディスプレイに送信でき、例えば、表示されるOCT画像の上部が駆動シャフトでの上死点位置に対応するようにする。しかしながら、トルクが駆動シャフト213に印加されると、もし遅延がインデックスパルスに追加されなければ、表示される画像がセンサ216の実際の位置に対して回転的に不整列(または遅延)するようになる。
【0029】
こうして電流センサ112が、駆動シャフトモータ114によって引き込まれる電流の連続監視のために、駆動電圧源111と駆動シャフトモータ114との間に配置できる。幾つかの変形例において、電流センサはモータ114と一体化できる。他の変形例において、電流センサ112は、駆動シャフトモータ114と直列に配置された電流センサ抵抗とすることができる。モータ114の瞬間電流は、捩り負荷の関数として変化するようになり、引き込まれる電流は、カテーテルが受ける捩り歪みの関数として変化することを意味する。モータ114の瞬間電流を測定することによって、モータ114での捩り負荷が推測できる。
【0030】
コントローラ224は、115において、カテーテルの遠位端で(即ち、撮像センサ216で)受ける捩り負荷の量と、駆動モータ114から引き込まれる電流の変化との相関関係を得る(即ち、回転遅延を計算する)ように構成できる。回転遅延に基づいて、コントローラ224は、インデックスパルスでの遅延117を実装できる。遅延117は、新しい処理されたインデックスをもたらすことができる。この処理されたインデックス118は、ディスプレイに、OCT画像内のデータの提示を設定時間だけ遅延させるように指示し、画像を元の基準方位と回転的に整列させる(例えば、画像を上死点位置に戻す)。
【0031】
幾つかの実施形態において、回転遅延を補正する方法は、2つの別個のステップ、即ち、(1)システムを較正し、捩り負荷に対して追加のモータ電流引き込みを決定するステップと、(2)続いて使用時のシステムの瞬間モータ電流を決定し、得られる画像での補正を行うステップと、を含むことができる。
【0032】
幾つかの実施形態において、第1ステップは、大部分は実験的に実施でき、即ち、1つ以上の異なるモデルのカテーテルを繰り返し試験して、電流の変化と該特定モデルのカテーテルが受ける回転歪み量との間の相関関係を得ることができる。幾つかの実施形態において、2つの重要なパラメータ、オフセット値および利得値がいずれか所定のカテーテルモデルについて計算でき、そして電流と回転歪み量との間の正しい相関関係を決定するために使用される。オフセット値は、遅延がない場合に駆動モータが引き込む電流量に対応する。こうしてオフセット値は、カテーテルが、カッタが閉じている緩和位置にある場合に駆動モータが引き込む電流と等価である。利得値は、測定した電流とオフセット値との間の差に基づいて回転画像の補正を可能にする数値である。
【0033】
幾つかの実施形態において、第2ステップは、コントローラによって動的に実施できる。即ち、いったん特定モデルのカテーテルが、回転歪みの関数として捩り抵抗について第1ステップで較正されると(即ち、いったんオフセット値および利得値が該モデルについて決定されると)、該特定のカテーテル/カテーテルモデルについて瞬間回転歪みを推測して、得られた画像に対して適切な量の補正を適用することが可能である。
図2を再び参照して、そうすることは、センサ112を用いて瞬間電流を測定することを含むことができる。回転遅延の調整は、カテーテルの使用時に動的に、即ち、ユーザからの指示または入力なしで実施できる。その結果、ユーザは、カテーテルの遠位端または切断領域において光ファイバが検出したものに真に対応する画像を、画像の不要な回転歪みなしで好都合に閲覧できる。
【0034】
(カテーテルを較正するためのステップ)
図3は、特定モデルのカテーテル、例えば、カテーテル100を較正し、モータによって引き込まれる追加のモータ電流と捩り負荷との間の相関関係を決定するための例示のステップを詳述するフローチャートである。異なるモデルであると考えられるカテーテルは、例えば、駆動シャフトが異なる特性(例えば、寸法、弾性(spring)など)を有するものものでもよく、そのため捩りと電流引き込みとの間の得られる関係は異なるようになる。ステップ121において、基準電流値(オフセット値と称される)が決定される。オフセット値は、カテーテルが本体空洞の外部にあり、カッタが閉じている緩和したアイドル状態にある場合に得られる電流測定値である。ステップ123において、撮像センサを用いて画像が得られるとともに、カテーテルは緩和したアイドル状態にある。このアイドル画像は、特定の設定された方位または回転位置(例えば、画像内のマーカーに基づいて決定できる)を有することができる。
【0035】
ステップ125において、例えば、ノーズコーンを開いてカッタを露出させることによって、あるトルク量が駆動シャフトに印加できる。増加したトルクに起因して、モータによって引き込まれる電流は、オフセットをある量だけ超えるようになる。オフセット値を超えるこの電流変化は、測定され記録できる。そして利得値は、下記(式1)に基づいて決定できる。
R=C(M−O)G (式1)
ここで、Rは半径(radial)調整値(単位は度)(即ち、得られた画像を正しい回転方位に戻すのに要する調整量)、Cは定数(単位は度/A(アンペア))、Oはオフセット値(単位はA)、Mは測定した電流(単位はA)、Gは利得値である。即ち、このステップにおいて、該カテーテルモデルについての適切な利得値は、画像を回転してその元のアイドル位置に戻すように決定できる。(表1)(オフセット、利得およびRの実験的に収集した値を示す)に示すように、利得値は、Rの値に関わらず、特定のカテーテルモデルについて同じにすべきである。このステップは、例えば、実験的に実施できる。
【0037】
幾つかの実施形態において、(式1)は、Oより大きいか、これと等しいMについて有効であると考えられる。もしMがOより小さい場合、R(または半径調整)はゼロと考えられる。
【0038】
こうして較正ステップにおいて、オフセット値および利得値は、画像を回転してその元の位置に戻すように決定できる(即ち、既知または実測したRを用いて)。そしてステップ129において、特定のカテーテルについての補正が決定できる(即ち、C,G,Oが式1に入力でき、測定した電流(M)に応じて、これから行う回転調整が決定できる)。
【0039】
(回転遅延が較正されたカテーテルの使用)
図4は、較正されたカテーテルを用いて回転遅延を動的に補正するためのステップを示すフローチャートである。ステップ131において、オペレータは、特定のカテーテルを選択する。ステップ133において、オペレータは、回転遅延を動的に瞬間的に補正するプログラムを開始する。プログラムは、
図3のステップ129から該カテーテルモデルについて決定した補正に基づくことができる。こうして適切な補正が、ステップ135において選択できる(例えば、特定のカテーテルモデル識別番号をコントローラに入力することによって)。ステップ137において、ユーザは、カテーテルを操作できる(例えば、アテローム切除処置の一部として)とともに、プログラムは、オフセット電流値に対して駆動モータに供給される電流を監視する。ステップ139において、もし測定した電流がオフセット値を超えた場合、値Rが得られる(式1および測定した電流に基づいて)。値Rに基づいて、調整または回転の量が画像に適用でき、画像が正しい方位を維持することを確保できる。いったん調整されると、画像は捕獲されて、ユーザのために表示される(ステップ140)。
【0040】
決定した半径調整値(R)を使用するために回転遅延が補償/調整される多数の手法がある。一例において、表示される画像は遅延できる。これは、カテーテルの操作時に、イメージングシステム(例えば、OCT)が連続的な流れの撮像データを提供するという実測に基づく。撮像素子が駆動モータとともに掃引する際、画像が半径方向に掃引される。表示される画像は、該画像について得られるデータであり、それは基準(例えば、上死点)に関係するためである。回転遅延が存在して光学素子を捩る場合、駆動アセンブリとして定義されたような上死点と撮像素子の端部で撮影された画像との間で不整列(misalignment)が存在する。撮像素子の端部で真の画像を検出する際に遅延が存在するため、設定時間の間に画像データとともに送信される上死点パルスを意図的に遅延させることによって(式1に基づいて)、表示される画像は、検出された画像と整列できる。こうした実施形態において、時間遅延は、(式2)に従って半径調整値(R)と同等とみなすことができる。
T=(R×60)/(RPM×360) (式2)
ここで、Tは時間(単位は秒)、Rは半径調整値、RPMは駆動モータの速度(単位は回転/分)である。従って、インデックスパルスは、遅延でき、画像の方位(即ち、上死点位置)を維持するように遅延したパルスで駆動アセンブリからディスプレイへ送信できる。幾つかの実施形態において、画像は、駆動アセンブリ内のコントローラを用いて駆動シャフトの回転当り1回(即ち、入力パルス当り1回)調整できる。
【0041】
回転遅延を動的に補正するための方法およびシステムはまた、関連したソフトウェアプログラムと、駆動モータからの電流変化量または他の電気的特性、および回転遅延量の相関関係を得ることができるアプリケーションとを含んでもよい。
【0042】
図5A〜
図5Cは、動的回転歪み補正を示す。
図5Aは、カテーテルカッタが露出しているときの血管のOCT画像を示す。カッタは、12時の位置に示される(反転した馬蹄形状の明るいラインは、カッタを包囲するハウジングに対応するとともに、開口は、カッタおよび撮像した血管のエリアに対応する)。
図5Bと
図5Cは、カッタが完全に開いた場合に撮像素子によって撮影された画像を示す(補正あり(
図5C)と補正なし(
図5B))。補正なしでは、
図5Bに示すように、画像は、約130度反時計回りに回転しており、露出したカッタは8時の位置にある。血管内のカッタの実際の方位が変化していないと仮定すると、この回転した方位(回転遅延によって生じた)は、ユーザを混乱させることがある。これに対して補正ありでは、
図5Cに示すように、カッタは、
図5Aでのその位置に対して回転しておらず、依然として約12時の位置に位置決めされる。最終的には、真の方位を備えた身体管腔の画像を見ることができることは、撮像または切除処置のいずれかのための直観的でより効率的な手法をユーザに提供することになる。
【0043】
回転歪みを補正するように構成されたコントローラを駆動アセンブリ内に設置されものとしてここでは説明したが、それは別の場所に位置決めできることは理解すべきである。例えば、一実施形態において、ディスプレイ上のコントローラが電流を連続的に監視でき、従ってセクター図を更新できる。即ち、全ての回転が一定の回転で生じることを想定するよりはむしろ、コントローラは、各回転に渡って電流引き込みをマッピングでき、電流引き込みに従ってパルス間隙を調整できる。
【0044】
ここで説明する方法およびシステムは、アテローム切除カテーテルまたはイメージングシステムを含む任意のカテーテル内の回転遅延を補正するための簡単な手法を提供する。ここで提供される回転遅延補正は、画像が表示される前に信号を好都合に補正する。この段階での補正は、必要とするステップが少なく、画像を補正するためのソフトウェアプログラムが複雑でない。さらに、ここで説明する方法およびシステムは、受ける回転遅延の連続的な監視および補正を提供するものであり、そのため見える画像は、オペレータの介入の必要なしでイメージングファイバが見るものに常に対応する。
【0045】
幾つかの例において、アナログデジタル変換器が、受信した情報を処理し、信号情報をプロセッサまたはマイクロプロセッサに送信するために使用できる。さらに、信号処理はまた、必要に応じて必須のローパスフィルタを含んでもよい。電流変化は、インデックス化(割り出し)され、処理されて、電流変化と、受けた回転歪み量との間の関係を決定する。最後に本システムは、電流変化を利用して、受けた回転遅延量との相関関係を得るとともに、類似の測定を達成するために、システムの他の電気的特性、例えば、電圧変化、抵抗、インピーダンスなどを使用することも想定できる。
【0046】
回転遅延を補正するための方法およびアセンブリは、種々のカテーテル及び/又はモータアセンブリを用いて使用できる。例えば、方法およびアセンブリは、米国特許出願第15/072272号(2016年3月16日出願、名称「ATHERECTOMY CATHETERS DEVICES HAVING MULTI-CHANNEL BUSHINGS」、公開番号第2016−0192962−A1号)、および米国特許出願第15/076568号(2016年3月31日出願、名称「ATHERECTOMY CATHETERS AND OCCLUSION CROSSING DEVICES」、特許番号第9498247号)に記載されたアテローム切除カテーテルを用いて使用でき、その全体内容は参照によりここに組み込まれる。
【0047】
ここではOCTシステムを用いて使用されるものとして説明したが、回転遅延を補正するシステムおよび方法は、他のタイプの回転イメージング、例えば、血管内超音波法(IVUS)を用いて使用できる。
【0048】
説明したシステムおよび方法において、検知された電流に基づいて、回転遅延を連続的に動的に瞬間的に補正できるプログラムが存在できる。いくつかの実施形態において、プログラムは、ディスプレイアセンブリ及び/又は駆動アセンブリの一部である。他の実施形態において、プログラムは、例えば、ラップトップ、デスクトップ、モバイル装置、タブレットなど、種々の電気通信装置を介して制御できる。
【0049】
特徴または要素が、他の特徴または要素の上(on)にあるものとして称している場合、それは他の特徴または要素の上に直接にあってもよく、あるいは、介在する特徴及び/又は要素が存在してもよい。これに対して特徴または要素が、他の特徴または要素の直接に上(directly on)にあると称している場合、介在する特徴及び/又は要素が存在していない。特徴または要素が、他の特徴または要素と接続(connected)、装着(attached)または結合(coupled)していると称している場合、それは他の特徴または要素と直接に接続、装着または結合してもよく、あるいは、介在する特徴及び/又は要素が存在してもよい。これに対して特徴または要素が、他の特徴または要素と直接に接続(directly connected)、直接に装着(directly attached)または直接に結合(directly coupled)していると称している場合、介在する特徴及び/又は要素が存在していない。一実施形態に関して記載または図示しているが、そのように記載または図示された特徴および要素は、他の実施形態に適用できる。他の特徴に「隣接して」配置される構造または特徴への言及は、隣接する特徴の上に重なるか、または下に位置する部分を有してもよいことは当業者によって理解されよう。
【0050】
ここで使用する用語は、特定の実施形態だけを説明する目的のためであり、本発明を限定することを意図していない。例えば、ここで使用するように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそれ以外を明確に示していない限り、複数形も含むことを意図している。用語「備える、含む(comprises)」及び/又は「備える、含む(comprising)」は、本明細書で使用する場合、記述された特徴、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらのグループの存在または追加を排除しないことはさらに理解されよう。ここで使用するように、用語「及び/又は」は、関連して列挙された項目の1つ以上の任意および全ての組合せを含み、「/」と省略することがある。
【0051】
空間的に相対的な用語、例えば、「下(under)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(over)」、「上(upper)」などは、図に示すように、1つの要素または特徴についての他の要素または特徴との関係を説明する説明の容易のためにここでは使用することがある。空間的に相対的な用語は、図面に描かれている向きに加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図していることは理解されよう。例えば、図の中の装置が反転している場合、他の要素または特徴の「下(under)」または「下(beneath)」にあるものと記載された要素は、他の要素または特徴の「上(over)」に配向される。こうして例示的な用語「下(under)」は、上(over)および下(under)の向きの両方を包含できる。装置は、他の方向に向いていてもよく(90度または他の向きに回転してもよく)、ここで使用する空間的に相対的な記述語は相応に解釈される。同様に、用語「上向き(upwardly)」、「下向き(downwardly)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」などは、特にそれ以外に示していない限り、説明の目的のためだけに使用される。
【0052】
用語「第1」および「第2」は、種々の特徴/要素(ステップを含む)を記載するためにここでは使用することがあるが、これらの特徴/要素は、文脈がそれ以外を示していない限り、これらの用語によって限定されるべきはない。これらの用語は、1つの特徴/要素を他の特徴/要素と区別するために使用することがある。こうして後述する第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と称することができ、同様に、本発明の教示から逸脱することなく、後述する第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と称することができる。
【0053】
本明細書および下記請求項を通じて、文脈がそれ以外を要求しない限り、用語「備える(comprise)」および「備える(comprises), (comprising)」などの変形は、種々の構成要素が方法および物品(例えば、組成物、デバイスを含む装置、方法)で共同で採用できることを意味する。例えば、用語「備える(comprising)」は、任意の記述した要素またはステップの包含を意味し、任意の他の要素またはステップの排除を意味しないことは理解されよう。
【0054】
明細書および請求項で使用したように、例において使用されるものを含み、別に明白に特定していない限り、全ての数値は、用語、約(about, approximately)によって前置きされているように、たとえこの用語が明白に現れていなくても読み取られる。用語、約(about, approximately)は、大きさ及び/又は位置を記述する場合、記述した値及び/又は位置が、値及び/又は位置の合理的な予想される範囲内にあることを示すために使用することがある。例えば、ある数値が、記述した値(または値の範囲)の±0.1%、記述した値(または値の範囲)の±1%、記述した値(または値の範囲)の±2%、記述した値(または値の範囲)の±5%、記述した値(または値の範囲)の±10%などである値を有してもよい。ここで記載した任意の数値範囲は、ここに包含される全ての部分範囲を含むことを意図している。
【0055】
種々の例示の実施形態を上述したが、請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、種々実施形態に対して多くの変更を行うことができる。例えば、説明された種々の方法ステップが実行される順序は、代替の実施形態ではしばしば変更してもよく、他の代替の実施形態では、1つ以上の方法ステップを完全にスキップすることがある。種々の装置およびシステムの実施形態の任意の特徴は、幾つかの実施形態に含まれてもよく、他の実施形態に含まれなくてもよい。従って、上記の説明は、主として例示的な目的のために提供され、請求項に記載されるような本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0056】
ここに含まれる例および図解は、説明の一例として、限定することなく、主題を実施できる特定の実施形態を示す。上述したように、他の実施形態を利用し、そこから導出してもよく、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な置換および変更を行うことができる。発明主題のこうした実施形態は、もし2つ以上の発明が実際に開示されていても、単に便宜上で、本願の範囲を任意の単一の発明または発明の概念に自発的に限定することを意図することなく、用語「発明」によって個々にまたは集合的に言及することがある。従って、特定の実施形態をここでは図示し説明したが、同じ目的を達成するために計算された任意の構成を、図示した特定の実施形態に置換してもよい。本開示は、種々の実施形態の任意および全ての適合または変形をカバーすることを意図している。上記実施形態の組合せ、およびここに具体的に記載されていない他の実施形態は、上記説明を検討する際に当業者にとって明らかになるであろう。