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特許6928209クラウドソーシングユーザの信頼性と妥当性の検証のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6928209
(24)【登録日】2021年8月11日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】クラウドソーシングユーザの信頼性と妥当性の検証のための方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20210823BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20210823BHJP
   G06F 21/10 20130101ALI20210823BHJP
【FI】
   G06Q30/06 308
   G06Q20/40
   G06F21/10
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-517275(P2020-517275)
(86)(22)【出願日】2018年11月3日
(65)【公表番号】特表2020-522831(P2020-522831A)
(43)【公表日】2020年7月30日
(86)【国際出願番号】SE2018051122
(87)【国際公開番号】WO2019098908
(87)【国際公開日】20190523
【審査請求日】2019年12月4日
(31)【優先権主張番号】1730321-5
(32)【優先日】2017年11月19日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】521259149
【氏名又は名称】ケーケーキフオ(シェンチェン)テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】ツ,シャオデ
(72)【発明者】
【氏名】シェン,シャンウェイ ウィラム
【審査官】 小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−061828(JP,A)
【文献】 特開2013−171443(JP,A)
【文献】 特開2016−051396(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/122277(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0162963(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドソーシング購入プラットフォームおよび/またはシステムの1人または複数のユーザの有効性と信頼性、および/またはユーザが実行するタスクの有効性と信頼性を検証するためにコンピュータによって実行される方法であって、
前記ユーザによって提供される事前設定された情報から、予想されるタスクがどこでいつ実施されるべきかを含むデータのリストである参照データチェーンを抽出するステップと、
サンプリングによりユーザアクションの場所とタイムスタンプのような時空間情報を含むデータを取得することであって、データ取得プロセスは、1つ以上の定義済みシステムイベントおよび/または1つ以上のユーザアクションによってトリガされるステップと、
取得したデータを認証し、その起源と整合性を確認するステップと、
取得したデータからユーザタスク用の場所とタイムスタンプの有するデータのリストであるスタンプ付きデータチェーンを再構築するステップと、
取得されたデータから再構築されたスタンプ付きデータチェーンの一部を、情報が供給されたユーザから抽出された参照データチェーンの一部とペアリングさせるステップを実行するステップと、
ペアリングされたデータの一致の程度に基づいてユーザ及び/またはユーザの実行されたタスクの有効性及び信頼性の程度を決定するステップと、を具備する方法。
【請求項2】
前記取得されたデータは、GPS座標、タイムスタンプ、写真、音声、ビデオ、およびIPアドレスのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
データ取得のステップをトリガできるシステムイベントが、登録、プラットフォームおよび/またはシステムを介した情報の取得、および情報のアップロードのうちの1つまたは複数を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記データ取得のステップをトリガし得るシステムイベントは、前記タスクの1つ以上のステータスを更新することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記更新のステップは、タスクを受け入れること、タスクを実装すること、及び要求されたタスク結果を配信することのうちの1つ以上を備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プラットフォームおよび/またはシステムを介して得られる取得された情報は、写真、ビデオ、および音声のうちの1つまたは複数を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記アップロードされた情報は、写真、ビデオ、および音声のうちの1つ以上を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記データ取得のステップをトリガし得るユーザアクションは、購入、配送、交通の使用の一つ以上のユーザの行動を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
交通の使用は、予想されるタスク実施場所の出発および/または到着を備え得る、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
スタンプ付きデータチェーンを再構築するステップが、取得されたデータから時空間情報を抽出し、抽出された時空間情報からスタンプ付きデータチェーンを再構築することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ペアリングさせるステップは、スタンプ付きデータチェーンからの実施されたユーザアクションの実際の時空間情報をユーザから供給された参照データチェーンからの事前設定された時空間情報とペアリングさせることである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記参照データチェーンが、前記クラウドソーシングタスクを実装するための前記予想される地理的位置及び/または時間を事前設定するために使用され、その一つの例は、交通の利用からの予想される時空間データチェーンである、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
ユーザおよび/またはそれらの実行されたタスクの有効性および信頼性の程度を決定するために1つ以上の閾値を導入するステップをさらに備え、前記閾値は、参照データチェーンとスタンプ付きデータチェーンの一致の程度を決定するために用いられ得る、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記閾値は、距離差、時間差、および/または距離および/または時間に基づく任意の他の形態のうちの1つまたは複数を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
更なるシステムは、これに限定されるのもではないが、前記ユーザへの支払いを拒否すること、前記ユーザレベルの評価を上昇または低下させること等を備え、これらが決定される前記有効性及び信頼性の程度に基づいて行われる、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドソーシング、シェアリングエコノミー、タスク検証に関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドソーシングとは、特定のソーシングモデルで、個人や組織がインターネットユーザーからの寄与を使用して必要なサービスまたは商品を取得できるモデルである。クラウドソーシングの例の1つは、Amazon Mechanical Turk(MTurk)である(引用文献[1])。MTurkは、リクエスト者(個人やビジネス組織)がタスクとジョブを公開できるプラットフォームである。一方で、クラウドソーシングの労働者は、タスクを選択し作業して、リクエスト者にタスクを配信して報酬を得ることができる。
【0003】
シェアリングエコノミーまたはアクセスエコノミーとは、会社は、お互いを知らない消費者の間の仲介者となり、消費者は、他の誰かの商品やサービスにアクセスするためにお金を払っていることを意味している。Uber(引用文献[2])、Airbnb(引用文献[3])などの新興企業が、2015年以降急速に成長した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の関心の対象は、オンラインクラウドソーシングの購買プラットフォームおよび/またはシステムである。これはオンラインウェブサイト、モバイルAPP等に関する。
【0005】
前記のプラットフォームおよび/またはシステムの典型的なシナリオは次のとおりである。リクエスト者が場所Aに住んでおり、別の長距離の場所Bから商品を購入したいと考える。その場所Bにあるクラウドソーシングの販売者が場所Aにやって来る。前記のクラウドソーシングの購入者が、リクエスト者用にその商品を購入し、場所Aに持ち込む。これが、クラウドソーシングとシェアリングエコノミーのクロスポイントである。
【0006】
しかし、未知のクラウドソーシングバイヤにより実行されるタスクの妥当性と信頼性が深刻な問題になる可能性がある。例えば、場所Bにはいずに、偽の住所を提供し、最終的に場所Aのリクエスト者に偽物を提供するクラウドソーシングバイヤが存在する。ビジネス詐欺の可能性は、前記クラウドソーシングベースの購買プラットフォームおよび/またはシステム上で輸送を行う場合に常に無視できないリスクである。したがって、タスク実行の信頼性と妥当性が、前記プラットフォームやシステムが成功する上での重要なポイントとなる。
【0007】
クラウドソーシングバイヤの場所または位置に関する従来技術は、引用文献[4]で提案される方法で生成される地図、または引用文献[5]に示す方法のように洗練された局在化に焦点を当てている。引用文献[6]は、クラウドソーシングベースの販売集合モジュールを提案している。引用文献[7]は、オンラインユーザーのIDと信頼性を検証する方法について説明している。引用文献[7]では、ユーザが提供した情報を政府などのサードパーティの情報源と比較することで検証が実施されている。しかしながら、本発明における提案された検証は、参照データチェーンをサンプルデータチェーンと比較することによって実装されるものである。
【0008】
要約すると、列挙されている先行技術分野のいずれも、本発明のような類似の解決策を提案していない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、クラウドソーシング購入プラットフォームおよび/またはシステムの1人以上のユーザの有効性および信頼性、および/または当該ユーザまたはユーザによって実行される1つ以上のタスクの有効性および信頼性を検証するシステムおよび方法を提供する。システムまたは方法は、主に次の要素で構成される。
【0010】
参照データチェーン、または参照データのチェーンが提供される。例えば、参照データチェーンは、特定の事前に設定された情報から抽出される。そのような事前に設定された情報は、予想されるクラウドソーシングタスクがどこおよびいつ実装されるべきかを示し、ユーザによって供給されるなどの様々なソースから提供され得る。ユーザアクションの場所やタイムスタンプのような時空間の情報を含む特定のデータは、プラットフォーム及び/またはシステムによって取得される。このデータ取得ステップは、1つ以上の事前に定義されたシステムイベント(またはプラットフォームイベント)によってトリガされ得るこのデータ取得ステップは、1つまたは複数のユーザアクション、つまりユーザが実行したアクションによってトリガされてもよい。
上記で取得したデータは、当該データの起源と整合性の確認のため認証される。
取得したデータから別のデータチェーンが構築、建築、または再構築される。本データチェーンは、スタンプデータチェーンと参照される場合もある。
取得されたデータから再構築されたスタンプ付きデータチェーンを、情報が供給されたユーザから抽出された参照データチェーンと一致させて、検証ステップを実行する。
一つ前のステップの一致の結果に基づき有効性及び信頼性の程度、あるいはユーザ及び/またはユーザの実行されたタスクの有効性及び信頼性の程度が決定される。
好ましくは、取得されたデータは、以下のデータまたは情報のうちの1つ以上を含み得る:GPS座標、タイムスタンプ、写真、オーディオ、ビデオ、およびIPアドレスが、それらの例である。
好ましくは、時空間の情報からデータを取得するステップは、時空間の情報をサンプリングすること、および/または時空間の情報を抽出することを含み得る。
好ましくは、データを取得するステップをトリガし得るシステムイベントまたはプラットフォームイベントには、これらに限定されるものではないが、登録、プラットフォームおよび/またはシステムを介した情報の取得、および情報のアップロードの1つ以上が含まれる。
好ましくは、データを取得するステップをトリガし得るシステムイベント、またはプラットフォームイベントは、これらに限定されるものではないが、ユーザによって実行されたタスクの1つ以上のステータスを更新することを含む。
好ましくは、タスクのステータスの前記更新は、これらに限定されるものではないが、タスクの受け入れ、タスクの実装、および要求されたタスク結果などのタスク結果の配信のうちの1つまたは複数を含み得る。
好ましくは、データが取得された後、例えば、サンプリング及び/または測定が実装された後、システム手順及び/またはユーザインターフェースは、次の手順に進んでよい。
好ましくは、プラットフォームおよび/またはシステムを介して取得される情報には、これらに限定されるものではないが、1つまたは複数の写真、1つまたは複数のビデオ、1つまたは複数の音声などが含まれる。
好ましくは、前記情報の更新には、これらに限定されるものではないが、1つ以上の写真、1つ以上のビデオ、1つ以上の音声などが含まれる。
好ましくは、データを取得するステップをトリガし得るユーザアクションには、これらに限定されるものではないが、ユーザ購入、ユーザ投稿、ユーザ配信、及びユーザの交通の利用などの1つ以上のユーザの動作が含まれる。
好ましくは、交通の利用には、これらに限定されるものではないが、ユーザの出発および/またはユーザの到着が含まれる。
好ましくは、スタンプ付きデータチェーンを構築あるいは再構築には、取得されたデータから時空間の情報を抽出し、前記抽出された時空間情報からスタンプ付きデータチェーンを再構築することを備える。
好ましくは、検証ステップは、前記取得されたデータから構築または再構築されたデータチェーンを、ユーザによって提供されたプリセット情報から抽出された参照データチェーンなどの参照データチェーンと照合および/または比較することを含み得る。
好ましくは、本発明の方法は、ユーザおよび/またはそれらの実行されたタスクの有効性および信頼性の程度を決定するために1つ以上の閾値を導入するステップをさらに備える。
好ましくは、前記閾値は、距離差、時間差、および/または距離および/または時間に基づく任意の他の形態のうちの一つ以上を示すデータを備える。
好ましくは、本発明による方法は、決定された有効性および信頼性の程度に基づいて、これに限定されるものではないが、クラウドソーシングバイヤへの支払いを拒否する、および/またはユーザレベルの評価を上げ下げするさらなるシステムのアクションを含み得る。
【0011】
本発明は、クラウドソーシングバイヤによって実行されるタスクの信頼性および妥当性を検証するシステムおよび方法を提供する。本方法は、6つの基本的なステップで構成される。
ステップ1、登録102。クラウドソーシングのバイヤーがタスクを得たい、またはリクエスト者がタスクを公開したいときはいつでも、基本情報をシステムに提出する必要がある。当該登録情報は、B場所からA 204 206までの出発および到着時間、有効な住所202、名前などであり得る。
ステップ2、参照データチェーン形成104。202、204、206のような提出された登録情報から位置および/またはタイムスタンプを有するデータチェーンが抽出される。登録情報から形成されたデータチェーンを、参照データチェーン200と呼ぶ。
ステップ3、データ取得106。データの取得は、システムにより取得されたり、ユーザがアップロードしたりすることでなされ得る。取得されたデータは、これらに限定されるものではないが、GPS座標、タイムスタンプ、画像、ビデオ、オーディオ等であってもよい。本発明では、300を得る空間と時間的なデータに焦点を当てる。時間および空間的データの取得は、システムイベントおよび/またはアクション302によってトリガされる。時間および空間的データの取得をトリガできるシステムイベントやアクションは、特定のシステム設計に決定される。時間および空間的データの取得は、ユーザ304によって能動的になされ得る。
ステップ4、認証108。ステップ3で取得したデータ300は、システム400、500によって認証される。例えば、取得されたデータ300は、内蔵のハッシュ関数404(例えば、MDS/SHA−1/SHA−256/SHA−512)及び/またはデジタル署名アルゴリズム(DSA)412によって認証され得る。
ステップ5、スタンプ付きデータチェーンの形成110。システムが、取得したデータのセット300からデータチェーンを再構築する。再構築されたデータチェーンを、スタンプ付きデータチェーン600と呼ぶ。
ステップ6、検証112。検証プロセスは、スタンプ付きデータチェーン600と参照データチェーン200とを一致させて実施される。
最終的に、前記一致の程度に基づきクラウドソーシングのバイヤーによって実行されたタスクの妥当性と信頼度が114で生成される。
ここでは、時空間の情報は、タイムスタンプが存在する位置として定義される。
【発明の効果】
【0012】
提案された発明の核となる利点とは、タスクがいつどこで実行されるかを検証し得ることである。したがって、偽のタスク実行及び/またはビジネス詐欺は、前記システム及び/またはプラットフォームによって識別され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の実施形態は、例としてのみ添付図面を参照して説明される。添付図面では、同じ参照番号が同じ部品に使用される:
図1図1は、本発明の主要なステップを示すフローチャートを示す。
図2図2は、参照データチェーンの例を示す。
図3図3は、システムイベントやユーザアクションによってトリガされた取得データの全体的なデータ構造の例を示す。
図4図4は、データ認証を表すフローチャートを示す。
図5図5は、スタンプ付きデータチェーンの例を示す。
図6図6は、取得されたデータが可能であり得る様々な形態及び地理的及び/または時間情報を取得する方法を列挙する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のコアステップを、図1のフローチャートに示す。
【0015】
図1に示すように、タスクを公開または実行するためには、リクエスト者とクラウドソーシングのバイヤーの両方がシステムに登録される必要がある。登録された情報102は、これらに限定されるものではないが、ユーザ名、実名、有効な住所202(郵便送付先住所、居所など)、トラフィック情報(例えば、フライト出発および到着の場所および時間、204、206)のような予想されるタスクがいつどこで実施され得るかを事前設定する情報、支払い情報(例えば、クレジットカード番号、カード名義人名等)を含む。
以下の説明では、便宜上、クラウドソーシングのバイヤーに焦点を当てる。本発明で提案されるすべての方法は、簡単な方法でリクエスト者にも等しく適用され得る。
【0016】
(1)参照データチェーン
参照時空間のデータチェーンは、クラウドソーシングのバイヤー102によって提出された登録情報から104で抽出され生成される。地理情報は、入力された有効な居所住所202(通常は郵便住所/コード)、空港名などから取得され得る。GoogleMaps(引用文献[8])、GeoPostcodes(引用文献[9])、Here Geocoder APIなど、多くのジオコーディングAPlが存在し(引用文献[10])、市民の住所を地理座標に変換可能である。地理座標は、緯度と経度のセット、3次元xyz座標などの形式でもよい。
【0017】
参照タイムスタンプは、提出された交通チケットおよび/または交通時刻表、すなわち出発および/または到着時刻および日付から抽出される。標準タイムゾーン(たとえば、中央ヨーロッパ時間、CET)は、システムおよび/またはプラットフォームのシステム設計者によって定義され、収集されたすべてのタイムスタンプは、定義された標準タイムゾーンを参照し変換される。
【0018】
次に、参照データチェーン200を順次形成する。2つの層からなる時空間データチェーンの一例を図2に例示する。
【0019】
(2)トリガされたデータの取得
市場にあるほとんどのスマートフォンはGPSユニットを装備しており、リアルタイムの位置情報、すなわちGPS座標を取得することが可能である。前記ユーザ機器のオペレーティングシステムやネットワーク時間などから現在のタイムスタンプはアクセスし読み取リ可能である。
【0020】
このステップ106で取られた時間および空間サンプリングは、システムイベント602および/またはユーザアクション604がいつどこで実行されるかを示すために使用される。
【0021】
対象の時間的なサンプリングプロセス106は、システムイベント602によってトリガされ得る。事前定義されたシステムイベント602が実装されるたびに、内蔵サンプリングプロセス106がトリガされる。そして、時間および空間システムサンプリング302は自動的に収集される。システムイベント602によってトリガされるサンプリングは必ず必要である。一つの実施形態では、必要なシステムサンプリング302のみが収集され、システムフローを次のステップに進めることができる。
【0022】
時間および空間サンプリングは、ユーザ側のアクション604に関連付けてもよい。すなわち、ユーザは、内蔵サンプリング処理機能106を能動的にトリガすることができる。そして、提案された時空間情報304は、前記プラットフォームおよび/またはシステムにより収集される。ユーザ側サンプリング304は、本発明を実施するための代替方法であり得て、および/または良好な補完としてあり得る。
【0023】
つまり、本発明は、システム側イベント/アクション602によってトリガされるシステム側サンプリング302またはユーザ側のイベント/アクション604によってトリガされるユーザ側サンプリング304のいずれかでのみ実施され得る。本発明は、システムおよびユーザ側のサンプリング302と304とを合同で実施することもできる。これによって、ユーザによって能動的にトリガされるこれらの追加のユーザ側サンプリング304により、クラウドソーシングバイヤの信頼性度が増加する。
【0024】
対応する時空サンプリング302、304をトリガする必要があるシステムイベント602および/またはユーザアクション604が正確にどのようなものであるかは、特定のシステム設計に基づくものである。
【0025】
例えば、クラウドソーシングバイヤを例とする。登録602A、情報(要求された購入商品のための写真及び/またはビデオ、小包の領収書など)の前記プラットフォーム602bを介しての撮影、要求された写真及び/またはビデオを前記プラットフォーム602cにアップロードするなどのシステムの時空サンプリング302は、重要なシステムイベント602によってトリガされ得る。
【0026】
上述のシステムイベント602を除いて、時空間サンプリングは、ユーザ側イベント604から能動的に提供されてもよい。これらの追加のユーザ側サンプリング304は、これに限定されるものではないが、リクエストされた購入商品604Aを購入するとき、トラフィックを取得し、リクエスト者がいる場所に向かうとき(例えば、場所Bの空港で)604B、リクエスト者がいる場所Aに到着するとき 604C、要求された購入商品を投函するとき604D、等で提供され得る。
【0027】
システム302および/またはユーザサンプリング304の両方について、イベントおよび/またはアクションのカテゴリがまた取得されたサンプリングとともに記録および保存される。例えば、サンプリング602A〜602Cは、システムサンプリングとして分類され、サンプリング604A〜604Dは、ユーザサンプリングとして分類される本発明において、サンプリングに関連するカテゴリは、サンプリングタグとして示される。
【0028】
例として、システムサンプリングがM個、ユーザサンプリングがN個あると仮定すると、全体のサンプリングデータ構造は図3に示すようになる。
【0029】
リクエスト者に対しても同様のサンプリングプロセスが実施され得る。リクエスト者のサンプリングの関するシステムイベントは、これに限定されるものではないが、登録、タスクの発行、発注書の提出などを含みうる。ただし、サンプリングに関するユーザ側イベントは、これに限定されるものではないが、登録済みの居住住所にいる場合などを含み得る。
【0030】
(3)認証
ここでの認証プロセス108の目的は、サンプリング300の起源と完全性を確認することである。トリガされたデータ取得プロセス106が取得された時はいつでもデータは上記のプラットフォームやシステムにアップロードされる。認証プロセス108が実施される。
【0031】
1つの実施の例は、デジタル署名アルゴリズム(DSA)(引用文献[11])である。デジタル署名412は、デジタルメッセージまたはドキュメントの信頼性を示すための数学的なスキームである。有効なデジタル署名412は、受信者に、メッセージが既知の送信者によって作成されたこと(認証400)、送信者がメッセージを送信したことを拒否できないこと(否認不可)、メッセージが送信中に変更されなかったこと(整合性)を信じる理由を与える。デジタル署名412は、ほとんどの暗号化プロトコルスイートの標準要素であり、ソフトウェア配布、金融取引、契約管理ソフトウェア、および偽造や改ざんを検出することが重要である他の場合に一般的に使用されている。
【0032】
図4のフローチャートは、DSAがサンプリングデータ300にどのように適用されるかを示している。サンプリングデータ300は、MD−5,SHA−1,SHA−256,SHA−512等(引用文献[9])の暗号化HASAアルゴリズム/関数404で処理される。メッセージダイジェスト」またはHASH値406は、入力サンプリングデータ300に対しHASH機能404で生成される。次に、ハッシュ値406が送信者の秘密鍵408によって暗号化されてデジタル署名412を形成し、サンプリングデータ414に添付される。認証官庁(CA)によって提供されるデジタル認証410はまた、デジタル署名されたデータ416と共に添付され得ることに留意されたい。ここまでで、デジタル署名プロセス400が終了する。
【0033】
検証プロセス500では、受信者は最初にCAの公開鍵を使用して送信者の公開鍵を取得する。第2に、受信機は、送信機の公開鍵を使用して、送信機のデジタル署名412を復号化508して、HASH値406を取得する。次いで、受信機は、受信したサンプリングデータ504に同じHASH関数404を適用して、新しいHASH値510を取得する。これらの2つのHASH値510、406が同一である場合、デジタル署名及び受信したサンプリングデータが有効であると言える。
【0034】
暗号化DSAの上記のリストされた特性は、その特性を前記プラットフォームおよび/またはシステムの認証プロセス108の理想的な選択とする。暗号を除くDSAにおいて、本発明は、任意の特定の認証方法を特定せず、多くの他のアプリケーションが可能である。
【0035】
(4)スタンプ付きデータチェーン
スタンプ付き時空間データチェーンは、図3に示すように収集されたデータ300から再構築される。再構築プロセス110は、以下で段階的に実施することができる。
【0036】
ステップ1で、システム302とユーザサンプリング304とを分離する。
【0037】
ステップ2で、サンプリングデータの並べ替えまたは分類を行う。並べ替えの方法は、サンプリングタグやタイムスタンプに基づく。サンプリングタグは、便宜上、数字、アルファベット文字にマッピングし得る。たとえば、Aは「登録」、bは「購入した商品の写真/ビデオの撮影」などに対応する。
【0038】
ステップ3では、並び変えられたサンプリングごとにGPS座標を抽出および/または生成する。サンプリングがすでにGPS座標を有する場合、前記プラットフォーム及び/またはシステムは単にGPS座標を抽出する。他のサンプリング、たとえば道路の通りの名前のみが映っている写真の場合、通りの名前を最初に認識し、ジオコーディングAPlsを呼び出してGPS座標を取得して、GPS座標が生成される。
【0039】
ステップ4では、並び変えられたサンプリングのタイムスタンプを同じ形式に変換する。標準タイムゾーン(たとえば、中央ヨーロッパ時間、CET)は、前記システムおよび/またはプラットフォームによって定義され、その他の収集されたすべてのタイムスタンプは、標準タイムゾーンに変換される。
【0040】
再構築スタンプ付きデータチェーン600の一例を図5に示す。
【0041】
(5)一致
一致プロセス112は、図5に示すように、再構築されたスタンプ付きデータチェーン600を図2に示す参照データチェーン200と比較することで実施される。
【0042】
アイテムのペアリングは最初に実施される。すなわち、参照データチェーンの200一部のアイテムおよびスタンプ付きデータチェーン600の一部のアイテムはペアリングされている。推奨されるペアリング方法の1つは、アイテムのカテゴリに基づくことである。たとえば、図2の参照データチェーン200からの「出発」アイテム204と、図5のスタンプ付きデータチェーン600からの「出発」アイテム604Bとは、実際には同じカテゴリである。したがって、これら2つの項目は比較のためにペアリングできる。本発明は、任意の特定のペアリング方法を特定せず、多くの実施の撰択が可能であるであることに注意されたい。
【0043】
第二に、ペアリングされたアイテムの一致度を測定するために、さまざまなしきい値が定義および適用される。前記閾値は、距離差、時間差、及び/または相対誤差等の距離及び/または時間に基づく任意の他の形態であってもよい。例えば、図2の参照データチェーン200からの「出発」アイテム204における予想出発時刻tは、2017年10月4日午前9時(CET)である。取得された実際の出発時刻をtと仮定すると。時間差tはt=t−tとなる。図5の604Bに示すように実際の出発時刻は、2017年10月4日午前7時(CET)である。時間差tは−2となる。よって、上記定義に従って出力された一致の程度は100%となる。段落の初めに述べたように、異なる種類の閾値、時間差、距離差等は、ペアリングされたアイテム同士の一致の程度を決定するのに一緒に用いることができる。他の例として、一致の程度の決定には相対誤差も用いることができる。すなわち、閾値の間隔(10%、20%)は、一致の程度100%に対応し、(20%、40%)は一致の程度80%に対応するなどである。「出発」時刻204と「到着」時刻206で示すように、予想される出発と到着との間の予想時間期間は30.5時間である。604B「出発」と604C「到着」で表すように実際の時間期間は33時間である。すなわち相対誤差は、(33−30.5)/30.5=8.2%である。よって、上記定義により出力された一致の程度は100%となる。
【0044】
最後に、ペアリングされたアイテム同士の一致の程度に基づき各アイテムの信頼度が生成され、114で出力される。プラットフォームは、提案された有効性と信頼性の程度に基づいて、クラウドソーシングのバイヤーやリクエスト者に対応するフォローアップアクションを決定する。
【0045】
(6)代替方法
上述の検証プロセス100は、ユーザ(すなわち、購入者、およびリクエスト者)に適用されるだけでなく、タスクにも適用され得る。すなわち、タスクを中心として設計できることを意味する。クラウドソーシングのバイヤーの代わりとして、ターゲット件名を購入タスクに変更してもよい。
【0046】
トリガされたデータ取得プロセスからのサンプリング情報は、図6に要約される数多くの形態であり得る。
【0047】
(7)追加の考慮事項
本記載のいくつかの部分が、情報に関する動作のアルゴリズム及び記号表現に関する本発明の実施形態を説明する。これらのアルゴリズムの記述および表現は、データ処理技術の当業者によって一般的に使用され、前記当業者の仕事の内容を他の当業者に効果的に伝えるものである。これらの操作は、機能的、計算的、または論理的に説明されており、コンピュータプログラムまたは同等の電気回路、マイクロコードなどによって実施されると理解されたい。さらに、一般性を損なうことなくこれらの動作の配置をモジュールと参照すると便利な場合もある。記載された動作及びそれらの関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせに具現化され得る。一つの実施形態では、ソフトウェアモジュールはコンピュータプログラム製品で実施され、前記コンピュータプログラム製品は、記述されたステップ、操作、またはプロセスのいずれかまたはすべてを実行するためのコンピュータプロセッサによって実行できる、コンピュータプログラムコードを含む永続的なコンピュータ可読媒体を含む。
【0048】
本発明の実施形態は、本明細書の動作を実行するための装置にも関係し得る。前記装置は、必要な目的のために特別に構築されてもよく、および/またはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピューティングデバイスを備えてもよい。当該コンピュータプログラムは、永続的なコンピュータ可読記憶媒体または電子機器命令を格納するのに適した任意のタイプの媒体に格納され、コンピュータシステムバスに結合されてもよい。さらに、本明細書で言及される任意のコンピューティングシステムは、単一のプロセッサを含んでもよいし、コンピューティング能力を高めるために複数のプロセッサ設計を採用するアーキテクチャであってもよい。
【0049】
最後に、本明細書で使用される言語は、主に可読性及び指示目的のために選択されており、本発明の主題を描写または限定するために選択されていない可能性がある。したがって、本発明の範囲は、この詳細な説明によって制限されるのではなく、本明細書に基づいたアプリケーションで発行される請求項によって制限されることが意図されている。したがって、本発明の実施形態の開示は、本発明の範囲を例示することを意図しているが、限定するものではなく、その例は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0050】
(引用文献)
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図1
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図6