(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
車両用灯具には、カバーとランプハウジングによって構成された灯具外筐の内部に、光源として、例えば、自発光する有機EL(Electro Luminescence)層を有する平板状の複数の面状発光体が配置されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような平板状の面状発光体を光源として用いる場合には、光の出射方向を所定の方向にした状態で面状発光体を灯具外筐の形状に応じて配置する必要があるため、特許文献1に記載された車両用灯具においては、複数の面状発光体をそれぞれ所定の位置に同じ向きで並べて配置している。
【0004】
図9は従来から用いられている有機EL素子10の構造を示す模式断面図である。有機EL素子10は、透明基板1上に透明電極2と、有機発光層3と、反射電極4と、封止膜5と、絶縁層6を有している。
【0005】
透明基板1は有機発光層3から発光した光を透過する材料で形成された基板であり、ガラスや樹脂が用いられる。透明電極2は有機発光層3に電気的に接続されて有機発光層3から発光した光を透過する電極であり、例えばITO(Indium Tin Oxide)等で構成される。有機発光層3は有機材料で構成されており、電子輸送層、発光層、正孔輸送層を有して電子輸送層から供給された電子と正孔輸送層から供給された正孔とが発光層で発光再結合して所定の光を発光する。
【0006】
反射電極4は有機発光層3に電気的に接続されて有機発光層3から発光した光を反射する電極であり、例えばAlやAg等で構成される。封止膜5は、有機発光層3全体を覆うように反射電極4上に形成されて、有機発光層3に水分や外気が侵入するのを防止する膜である。絶縁層6は、透明電極2と反射電極4との間での電気的絶縁を確保するための層である。
【0007】
透明電極2と反射電極4との間に電圧を印加すると、有機発光層3に電子と正孔が注入されて発光再結合し、有機発光層3の全域が発光領域ERとして発光する。発光領域ERから発光した光は、反射電極4で反射されるとともに透明電極2および透明基板1を透過して、図中矢印で示されるように透明基板1側に光が取り出される。
【0008】
図10は、従来の有機EL素子10の概略を示す模式図であり、
図10(a)は平面図であり、
図10(b)は側面図である。有機発光層3の周囲には、透明基板1と封止膜5を有する非発光領域7が形成されており、透明電極2と反射電極4が一部延長して外部に取り出されて端子部8を構成している。
【0009】
このような有機EL素子10は、有機発光層3を蒸着等で形成するため、極めて薄い膜による面発光が可能である。また、透明基板1として可撓性を有する樹脂基板等を用いることで、曲面形状で発光することや軽量化を図ることが可能である。しかし、有機EL素子10では有機発光層3を有機材料で構成しており、水分や外気が侵入すると寿命が著しく劣化するという問題があるため、発光領域ERよりも広い面積の封止膜5で有機発光層3全体を封止する必要がある。したがって
図10に示したように、有機EL素子10では発光領域ERの周囲に所定幅の非発光領域7が形成されてしまう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。
図1は、本実施形態における発光装置100を示す模式断面図である。発光装置100は、基板101上に発光領域103が形成された有機EL素子が隣接して配置されており、その光取り出し方向には導光板104が配置されている。導光板104の光入射面側には、隣接する発光領域103の間に位置する非発光領域107に対向して、光学ステップ105が形成されている。
【0027】
本実施形態の発光装置100における有機EL素子は、従来技術として示した
図9および
図10において透明電極2と反射電極4の上下関係を逆にして基板と反対側に光を取り出す構造を備え、
図1では構造を簡略化して基板101と発光領域103のみを示している。また、有機EL素子同士の間に位置する非発光領域107に対応する領域に光学ステップ105が形成された例を示したが、発光領域103の一部に重畳する領域にまで光学ステップ105を設けるとしてもよく、導光板104の光入射面全体に設けるとしてもよい。
【0028】
導光板104は、発光領域103が発光した光を透過する材料で形成された略平板状の部材であり、例えばガラスや樹脂等で構成されている。
図1では導光板104の光出斜面側を平坦な面とした例を示したが、光出斜面側に所定の意匠を構成する凹凸形状を設けてもよい。
【0029】
光学ステップ105は、発光装置100を平面視したときに非発光領域107と重なって対向する領域において、導光板104の光入射面側に形成された凹凸形状である。光学ステップ105の具体的な形状は限定されないが、発光領域103の外縁形状に平行な方向に延びる三角断面の凹凸ステップや、シリンドリカルレンズ等を採用してもよい。
【0030】
導光板104と発光領域103との間隔は特に限定されないが、発光領域103からの光の一部が光学ステップ105に入射する程度の間隔を空けておくことが好ましく、具体的には5〜10mm程度もしくは非発光領域107の幅と同程度の間隔を空けておくことが好ましい。
【0031】
図1中に矢印で示したように、発光領域103で発光された光は、対向して配置された導光板104方向に進んで透過して光出射面側から取り出される。また、発光領域103の外縁近傍から出射された光の一部は、光学ステップ105に入射して拡散され、非発光領域107と重なる領域において導光板104の光出射面側から取り出される。ここで、光学ステップ105で拡散される光は、発光領域103から出射された光の一部であるから、発光領域103からダイレクトに導光板104を透過した光と略同一の色調であり、発光装置100は導光板104全体が光っているように視認される。したがって本実施形態の光学ステップ105は、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、隣接する複数の有機EL素子における非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0032】
本実施形態では、光学ステップ105を導光板104の光入射面側に設けているので、発光装置100の外部から光学ステップ105の形状を視認しにくくすることができる。また、導光板104の光出射面を平坦面とすることができるため、光のムラを低減しつつ統一感のある意匠を表現し、設計の自由度も高めることができる。さらに、有機EL素子同士は非発光領域107が隣接して配置されており、有機EL素子同士の間に導光部材や他の光源を配置する必要が無いため、有機EL素子同士の間隔を小さくして発光装置100の小型化を図ることができる。
【0033】
上述したように、本実施形態の発光装置100では、光のムラを低減しつつ統一感のある意匠を表現でき、設計の自由度を向上させることが可能となる。
【0034】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図2は、本実施形態における発光装置100を示す模式断面図である。本実施形態では、導光板104の一端に補助光源としてLED106を配置し、LED106が発光した光を導光板104内に入射させて導光する。LED106が発光する光は、有機EL素子の発光領域103から発光される光と略同一の色調とする。
【0035】
図2中に矢印で示すように、LED106からの光は導光板104の一端から入射されて導光板104内部を伝搬し、光学ステップ105で拡散されて光出射面側から取り出される。また、発光領域103からの光は、導光板104を透過して光出射面側から取り出される。これにより、複数の有機EL素子からの光とLED106からの光が一括して導光板104の光出射面側から取り出される。したがって光学ステップ105は、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、隣接する複数の有機EL素子における非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0036】
本実施形態でも、光学ステップ105を導光板104の光入射面側に設けているので、発光装置100の外部から光学ステップ105の形状を視認しにくくすることができる。また、導光板104の光出射面を平坦面とすることができるため、光のムラを低減しつつ統一感のある意匠を表現し、設計の自由度も高めることができる。さらに、有機EL素子同士の間に導光部材や他の光源を配置する必要が無いため、有機EL素子同士の間隔を小さくして発光装置100の小型化を図ることができる。
【0037】
さらに、本実施形態ではLED106を導光板104の一端から光を入射させ、光学ステップ105で拡散して非発光領域107に重なる領域から光を取り出しているので、光学ステップ105に発光領域103からの光が入射する必要がなく、光学ステップ105と発光領域103との間隔を狭くしてさらに薄型化を図ることができる。
【0038】
また、LED106の発光色を有機EL素子の発光領域103からの発光と異ならせてもよい。この場合には、光学ステップ105で散乱されたLED106からの出射光は発光領域103とは異なる色調となるが、発光装置100を車両用灯具に用いる場合には、発光領域103からの光とLED106からの光をテールランプやストップランプ、ターンシグナル等に使い分けることができる。
【0039】
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。第1実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図3(a)は、本実施形態における発光装置100を示す模式図である。本実施形態では、有機EL素子の隣接する発光領域103上および非発光領域107上に補助光学部としてハーフミラー109および反射鏡109aを配置している。各有機EL素子は、発光領域103の周囲に非発光領域107が形成され、端子部108で透明電極112と反射電極114が外部に引き出された構造を有している。反射鏡109aは全反射ミラーであってもよく、ハーフミラーであってもよい。
【0040】
ハーフミラー109は、発光領域103の発光面に対して反射面が略45度の傾斜となるように設けられており、発光領域103からの光の一部を反射し一部を透過する。また、非発光領域107の反射鏡109aは、発光領域103上に設けられたハーフミラー109と略平行に設けられており、
図3(a)中に矢印で示したように発光領域103からの光を再反射して光を取り出す。したがってハーフミラー109および反射鏡109aは、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、隣接する複数の有機EL素子における非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0041】
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明する。第1実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図3(b)は、本実施形態における発光装置100を示す模式図である。本実施形態では、有機EL素子の隣接する発光領域103の一部分を他の部分より発光強度が高い高輝度領域103aとし、高輝度領域103a上に重畳するように補助光学部を配置する。
【0042】
上述した光学ステップ105やハーフミラー109等の補助光学部を用いて、発光領域103からの光の一部を非発光領域107と重なる領域から取り出す場合には、補助光学部が設けられた部分からの輝度は、発光領域103そのものの発光輝度よりも低下する。そこで、透明電極112や反射電極114の面内構造を最適化することで、発光領域103のうち補助光学部を設ける部分に流れる電流値が高くなるように設計し、輝度が他の部分よりも高い高輝度領域103aとする。
【0043】
高輝度領域103aで発光された光は、補助光学部によって非発光領域107と重なる領域からも取り出されることで輝度が低下するが、他の部分での発光輝度と略同程度になるように設計することで隣接する複数の有機EL素子における非発光領域107による光のムラをより一層低減することができる。
【0044】
(第5実施形態)
次に本発明の第5実施形態について説明する。第1実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図3(c)は、本実施形態における発光装置100を示す模式図である。本実施形態では、有機EL素子の隣接する発光領域103上および非発光領域107上に補助光学部として拡散フィルム110を配置している。
【0045】
拡散フィルム110は、樹脂等のマトリクス中に光散乱剤が充填されたフィルム状の部材であり、外部から入射してきた光が拡散されて外部に取り出される。したがって、
図3(c)中に矢印で示したように、発光領域103から入射した光は拡散フィルム110全体で散乱されて、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、隣接する複数の有機EL素子における非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0046】
(第6実施形態)
次に本発明の第6実施形態について説明する。第1実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図3(d)は、本実施形態における発光装置100を示す模式図である。本実施形態では、有機EL素子の隣接する発光領域103上にハーフミラー109を配置し、非発光領域107上に拡散フィルム110を配置している。
【0047】
図3(d)中に矢印で示したように、発光領域103から入射した光はハーフミラー109で一部が反射されて拡散フィルム110に入射し拡散フィルムで散乱される。したがって、ハーフミラー109と拡散フィルム110の組み合わせは、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、隣接する複数の有機EL素子における非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0048】
(第7実施形態)
次に本発明の第7実施形態について説明する。第1実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図3(e)は、本実施形態における発光装置100を示す模式図である。本実施形態では、有機EL素子の光取り出し面全体に拡散フィルム110を設け、拡散フィルム110上にハーフミラー109を配置している。
【0049】
発光領域103で発光した光は、拡散フィルム110での拡散とハーフミラー109での部分反射および部分透過により発光領域103と非発光領域107から取り出される。したがって、ハーフミラー109と拡散フィルム110の組み合わせは、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、隣接する複数の有機EL素子における非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0050】
また、発光装置100の光出射面全体にハーフミラー109が形成されているため、発光領域103を発光させていない状態では、表面に設けられたハーフミラー109によって外部光が反射されて鏡のような外観を得ることができる。
【0051】
(第8実施形態)
次に本発明の第8実施形態について説明する。第1実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図4は、本実施形態における発光装置100を示す模式図であり、
図4(a)は模式断面図であり、
図4(b)は模式平面図である。本実施形態では、非発光領域107上に拡散フィルム110を設けるとともに、拡散フィルム110の端面に補助光源としてLED106を配置している。LED106が発光する光は、有機EL素子の発光領域103から発光される光と略同一の色調とする。
【0052】
LED106からの光は拡散フィルム110の一端から入射されて内部を伝搬し、拡散フィルム110で拡散されて光出射面側から取り出される。これにより、複数の有機EL素子からの光とLED106からの光が一括して光出射面側から取り出される。したがってLED106と拡散フィルム110の組み合わせは、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、隣接する複数の有機EL素子における非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0053】
また、LED106の発光色を有機EL素子の発光領域103からの発光と異ならせてもよい。この場合には、LED106からの出射光は発光領域103とは異なる色調となるが、発光装置100を車両用灯具に用いる場合には、発光領域103からの光とLED106からの光をテールランプやストップランプ、ターンシグナル等に使い分けることができる。
【0054】
(第9実施形態)
次に本発明の第9実施形態について説明する。第8実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図5は、本実施形態における発光装置100の製造工程を示す模式図である。
【0055】
図5(a)(b)に示すように、発光領域103の周囲に非発光領域107が形成され、端子部108で透明電極112と反射電極114が外部に引き出された有機EL素子を用意する。次に
図5(c)(d)に示すように有機EL素子の非発光領域107上に搭載基板121を搭載し、有機EL素子の周囲に複数のLED106を補助光源として搭載する。LED106に対する電力供給のための配線構造等については図示を省略する。最後に
図5(e)(f)に示すように、搭載基板121の露出面を封止部材120で覆いLED106を封止する。
【0056】
封止部材120は、マトリクス中に散乱剤を含有させた樹脂材料からなり、LED106および非発光領域107を覆って封止することで水分等の進入を防止する。封止部材120には散乱剤が含有されているため、LED106から発光した光は封止部材120内で拡散され、封止部材120が形成された非発光領域107全体から光が取り出される。
【0057】
したがって、LED106と封止部材120の組み合わせは、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、非発光領域107による光のムラを低減することができる。
図5では有機EL素子を単独で用いる発光装置100を示したが、他の実施形態と同様に複数の有機EL素子を隣接して配置してもよく、隣接する複数の有機EL素子における非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0058】
(第10実施形態)
次に本発明の第10実施形態について説明する。第8実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図6は、本実施形態における発光装置100の製造工程を示す模式図である。
【0059】
図6(a)(b)に示すように、発光領域103の周囲に非発光領域107が形成され、端子部108で透明電極112と反射電極114が外部に引き出された有機EL素子を用意する。次に
図6(c)(d)に示すように、搭載基板121上に有機EL素子を搭載し、有機EL素子の周囲に複数のLED106を補助光源として搭載する。LED106に対する電力供給のための配線構造等については図示を省略する。最後に
図6(e)(f)に示すように、搭載基板121の露出面と非発光領域107全体を封止部材120で覆い、LED106を封止する。
【0060】
搭載基板121を構成する材料は限定されず、ガラスエポキシ樹脂やフレキシブル基板を用いることができる。フレキシブル基板を用いる場合には、有機EL素子全体も可撓性を有する材料で構成し、屈曲の度合いが大きい部分を避けてLED106を搭載することが好ましい。曲率が比較的小さい領域にLED106を搭載することで、搭載基板121を曲げた時にLED106や配線に加わる応力を低減でき、断線等の発生を抑制することができる。
【0061】
LED106から発光した光は封止部材120内で拡散され、封止部材120が形成された非発光領域107および搭載基板121から光が取り出される。したがってLED106と封止部材120の組み合わせは、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、非発光領域107による光のムラを低減することができる。また、搭載基板121を用いることで補助光源であるLED106に対して電力を供給する配線構造を容易に形成することができる。
【0062】
(第11実施形態)
次に本発明の第11実施形態について説明する。第10実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図7は、本実施形態における発光装置100を示す模式図である。本実施形態では、搭載基板121上に有機EL素子とLED106を搭載し、複数の搭載基板121を隣接して配置し、搭載基板121の露出面と非発光領域107全体を封止部材120で覆い、LED106を封止している。
【0063】
図7(a)(b)は、端子部108が延長されている側を裏面側に折り曲げて、端子部108が設けられた側で搭載基板121を隣接させた例を示している。
図7(c)(d)は、端子部108が設けられていない側で搭載基板を隣接させた例を示している。
【0064】
本実施形態でもLED106と封止部材120の組み合わせは、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、隣接する非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0065】
図7では、二つの有機EL素子を縦方向または横方向に隣接して配置した例を示したが、さらに多数の有機EL素子を隣接して配置するとしてもよく、複数の有機EL素子をマトリクス状に縦方向および横方向に並べて配置するとしてもよい。
【0066】
(第12実施形態)
次に本発明の第12実施形態について説明する。第8〜11実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
図8は、本実施形態における発光装置100を示す部分拡大断面図である。本実施形態では、封止部材120中に蛍光体粒子122を含有させる。
【0067】
図8(a)に示した例では、搭載基板121上に有機EL素子とLED106を搭載し、蛍光体粒子122を含有した封止部材120で搭載基板121の露出面と非発光領域107全体を封止部材120で覆い、LED106を封止している。
図8(b)に示した例では、有機EL素子の非発光領域107上にLED106を搭載し、非発光領域107全体を封止部材120で覆いLED106を封止している。
【0068】
蛍光体粒子122は、LED106が発光する一次光を吸収して、波長の異なる二次光を放出する蛍光体材料の微粒子である。LED106が近紫外や紫外光を発光する場合には、封止部材120から取り出される可視光は蛍光体粒子122で変換された波長の光となる。LED106が青色光などの可視光を発光する場合には、封止部材120から取り出される光はLED106からの一次光と蛍光体粒子122からの二次光の混色となる。
【0069】
封止部材120から取り出される光の色調を発光領域103からの発光と略同一とした場合には、発光領域103と非発光領域107から取り出される光の色調が略同一となるため、非発光領域107による光のムラを低減することができる。また、封止部材120から取り出される光の色調を発光領域103からの発光と異ならせた場合には、発光領域103からの光と封止部材120からの光を車両用灯具のテールランプやストップランプ、ターンシグナル等に使い分けることができる。
【0070】
本実施形態でもLED106と封止部材120と蛍光体粒子122の組み合わせは、平面視において非発光領域107と重なる領域から光を取り出すための補助光学部として機能し、非発光領域107による光のムラを低減することができる。
【0071】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。