(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の先細の長手方向端および前記第1の先細の長手方向端の反対側の第2の先細の長手方向端、第1の横方向側および前記第1の横方向側の反対側の第2の横方向側、前面および前記前面の反対側の後面を有する細長い本体と、
前記第1の横方向側に画定される第1の側切欠きであって、前記第1の側切欠きは前記本体に傾斜する内向きに先細りになる輪郭を含み、前記第1の側切欠きは第1のランプおよび前記第1のランプの反対側の第2のランプを含み、前記第1および第2のランプは第1の切欠き隙間間隔を有する第1の切欠き隙間により分離される第1の側切欠きと、
前記第2の横方向側に画定される第2の側切欠きであって、前記第2の側切欠きは前記本体に傾斜する内向きに先細りになる輪郭を含み、前記第2の側切欠きは第3のランプおよび前記第3のランプの反対側の第4のランプを含み、前記第3および第4のランプは第2の切欠き隙間間隔を有する第2の切欠き隙間により分離される第2の側切欠きと、
前記第1の切欠きと前記第2の切欠きの間で前記第1の横方向側に画定される第1の縫合ドックであって、前記第1の切欠き隙間で前記第1の側切欠きに開口する第1の縫合ドックと、
前記第1の切欠きと前記第2の切欠きの間で前記第2の横方向側に画定される第2の縫合ドックであって、前記第2の切欠き隙間で前記第2の側切欠きに開口する第2の縫合ドックと、
前記第1と前記第2の縫合ドックの間に前記前面から前記後面まで縫合ボタンを通って画定される中心通路と、
を備える縫合ボタン装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
張力を維持するために経骨穴の遠位端に縫合糸を結び留めるための多数のタイプの縫合ボタンおよび縫合アンカーが、当該分野で知られている。しかしながら、このような従来の縫合ボタンは、しばしば不適切であって、経時的に縫合糸に加えられた張力が意図せずに解放につながることがあり得る。この張力の解放によって、組織が不適切に癒着して、関節における不快および痛みにつながって、必要な張力を再び加えるために追加の手術が必要になる可能性がある。
【0006】
例えば、いくつかの従来の縫合ボタンは、穴開口部と軸方向に整列しない方法で縫合糸を遠位穴開口部に入る位置に配置する傾向がある。これによって、縫合糸は、穿設された穴開口部の端または壁をこするかまたは摩耗させて、それによって、縫合糸をすり減らして、経時的に縫合糸張力を最終的に緩めるかまたは解放することがあり得る。さらに、いくつかの従来の縫合ボタンは、ボタンと穿設された穴開口部の骨組織の間に縫合糸材料を配置するので、それらは張力の損失を生じて、骨が縫合糸材料に衝突するかまたは縫合ボタンに不注意にトルクがかかり張力の損失につながることがあり得る。
【0007】
必要なことは、それゆえ、外科手術用の縫合ボタン装置および方法の改良である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、概して、外科手術中に縫合ボタンを使用して縫合糸を固定する装置および関連する方法を提供する。装置は、いくつかの実施形態において、第1と第2の先細の長手方向端、および第1と第2の横方向側を備えた細長い形状を有する縫合ボタンを含む。縫合ボタンは、また、前面および後面を含む。第1の側切欠きは、第1の横方向側に画定され、第2の側切欠きは、第2の横方向側に画定される。第1の側切欠きは、第1の側に画定される第1の縫合ドックに開口し、第2の側切欠きは、第2の側に画定される第2の縫合ドックに開口している。中心通路は、第1と第2の縫合ドックの間で縫合ボタンを通って前面から後面まで画定される。使用中に、縫合糸の一部は、第1および第2の側ドックのそれぞれに保持されて、縫合糸は、中心通路を通過して穿設された経骨穴に入る。
【0009】
本開示の別の目的は、内側または外側の半月板根修復外科手術中に経骨縫合糸緊張のために結び目のない自己緊結縫合構成と共に使用する縫合ボタンを提供することである。
【0010】
本開示のさらなる目的は、内側または外側の半月板根修復外科手術中に経骨縫合糸緊張のために従来の結び目のある自己緊結縫合構成と共に使用する縫合ボタンを提供することである。
【0011】
本開示のさらに別の目的は、固定ループ付きの端を有する縫合構成と共に使用するための縫合ボタンを提供することである。
【0012】
本開示の別の目的は、外側のガースヒッチ(ひばり結び)を使用して縫合ボタンの周辺に固定ループ縫合糸端を固定するように構成される縫合ボタンを提供することである。結ばれた縫合糸の一部は、縫合ボタンの中心通路を通って伸びて穿設された経骨穴に入る。
【0013】
本開示の別の目的は、別々の縫合糸を縫合ボタンの各先細の長手方向端に取り付けることができるようにループ化した縫合構成を収容するための形状になっている第1および第2の先細の端を有する縫合ボタンを提供することである。
【0014】
本開示のさらなる目的は、縫合ボタンの両側に対向する先細の切欠きを有する縫合ボタンを提供することであり、各先細の切欠きは、それぞれの縫合ドックに開口している。各切欠きは、各縫合糸がそのそれぞれの縫合ドックから後退するのを防止するような寸法の切欠き隙間を備えた形状になっている。
【0015】
本開示のさらに別の目的は、縫合ボタンの周辺に横方向ひばり結びを形成するために中心通路を通して固定ループ縫合糸端の挿入に適応する形状の中心通路を有する縫合ボタンを提供することである。
【0016】
本開示の別の目的は、縫合ボタンの周辺に結ばれた縫合糸と経骨穿設穴の軸孔の間に軸方向の整列を提供するような寸法の縫合ボタンを提供することである。
【0017】
本開示のさらなる目的は、縫合ボタンが患者の骨組織と接触して取り付けられるときに経骨穿設穴の端または壁による縫合糸材料の衝突を防止するような寸法および形状の縫合ボタンを提供することである。
【0018】
本開示の多数の他の目的、特徴、および利点は、添付図面を参照しながら以下の開示の読むことにより、当業者にとって容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで図面を参照すると、縫合ボタン構成および関連する縫合糸の実施形態の様々な図が示されている。図面では、明確にするため、すべての参照番号が各図面に含まれるわけではない。さらに、方向用語、例えば「上」、「下」、「側」、「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」などは、図面に示される方向または類似の方向にあるときの装置を指す。当業者は、装置が使用中に異なる向きをとることができることを認識するだろう。
【0021】
本開示は、外科手術で用いる縫合ボタン構成を提供する。
図1に示すように、縫合ボタン10は、外科医が、1本以上の縫合糸をきつく引き、所望の張力の範囲内で縫合糸の術後張力を維持することを必要とする外科手術で利用されるように構成される。縫合ボタン10は、穿設された経骨穴を使用して人間の膝の内側または外側の半月板の根裂傷の修復の後に縫合糸張力を維持するようにいくつかの実施形態において特に構成されることができる。あるいは、縫合ボタン10は、多数の他の手術において身体の他の部分に用いることができる。縫合ボタン10は、縫合を終了するために縫合ボタン10に隣接する1つ以上の結び目を用いた手術を含む、様々な技術および縫合構成と共に利用することもできる。縫合ボタン10は、いくつかの実施形態において結び目のない自己緊結縫合構成で使用するように構成される。
【0022】
縫合ボタン10は、根組織に固定された縫合糸の張力を維持することによってその自然な解剖学的位置の近くの位置での半月板根修復手術中に裂傷または損傷した半月板根を固定して配置するための構成を提供する。張力は、穿設された経骨穴を通して加えられる。このような手術において、本開示の縫合ボタン10は、従来の縫合構成および技術ならびに半月板根修復のための新規な結び目のない自己緊結縫合構成の使用を可能にする。このように、本開示の縫合ボタン10は、広範囲にわたる従来の縫合構成および新規な縫合構成の両方と容易に交換可能である、半月板根修復および他の手術用の汎用縫合ボタンを提供する。
【0023】
図面を参照すると、本開示の縫合ボタン10が、例えば
図1に示されている。縫合ボタン10は、その横方向幅より大きい長手方向長さを有する細長い本体12を含む。縫合ボタン10の細長い本体12は、長軸および短軸を含む。第1の長手方向端14は、長軸の第1の端に配置され、第2の長手方向端16は、第1の長手方向端14の反対側の長軸の第2の端に配置される。第1および第2の端14、16は、通常、各長手方向端の位置に傾斜した先細の形状にそれぞれ形成される。第1の側18、すなわち第1の側縁は、本体12の第1の側に沿って配置され、第2の側20、すなわち第2の側縁は、第1の側18の反対側の本体12の第2の側に沿って配置される。
【0024】
縫合ボタン10は、例えば、チタンまたはチタン合金のような金属材料に限定されない、医療機器用の任意の適切な材料でできている本体12を備える。さらなる実施形態において、縫合ボタン10は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料、またはポリ乳酸(PLLA)、それらの混合物のような別のポリエステルプラスチック材料に限定されない非金属材料、あるいは外科手術用の縫合ボタンを構成するためのその他の適切な材料から構成される本体12を備える。
【0025】
縫合ボタン10は、縫合糸を固定するために1本以上の縫合糸を縫合ボタンに固定する多数の特徴を備える。
図1をさらに参照すると、縫合ボタン10は、第1の側18に画定される第1の側切欠き22を備える。第1の側切欠き22は、第1の端14と第2の端16の間に第1の側に沿ってほぼ凹形の凹みを提供する。第1の側切欠き22は、縫合糸が第1の側18の端に沿って収容される位置を提供する先細の凹みを備える。
【0026】
縫合ボタン10は、また、第1の側切欠き22のほぼ反対側に、第2の側20に画定される第2の側切欠き24を備える。第2の側切欠き24は、第1の端14と第2の端16の間に本体12の第2の側20に沿ってほぼ凹形の凹みを提供する。第2の側切欠き24は、縫合糸が第2の側20の端に沿って収容される位置を提供する先細の凹みを備える。
【0027】
第1の側切欠き22は、その最も内側の位置で、縫合ボタン10の本体12に画定される内側の第1の縫合ドック26に開口している。第1の縫合ドック26は、その横方向幅より大きくて第1の側切欠き22の切欠き隙間より大きい長手方向長さを備え、1本以上の縫合糸が収容される空間を提供する。第1の縫合ドック26は、
図1に示すように、第1の縫合ドックシート40を形成する中心凹みを備える凹形の「U字」または「V字」形状を有する第1の縫合ドック内壁を備える。第1の縫合ドック26の内壁の傾斜した輪郭によって、第1の縫合ドック26にある縫合糸は、張力がかけられたときに、第1の縫合ドックシート40の中央に取り付けることができる。このような配置によって、縫合ボタン10から伸びて経骨穿設穴に入る縫合糸が、穿設穴の開口部と軸方向に整列して、縫合糸が穿設穴開口部の壁または端に衝突するのを防止できる。この配置は、縫合ボタンの中央線から離れて縫合ボタンの周辺に縫合糸を配置するいくつかの従来の縫合ボタンに勝る利点を提供する。従来の縫合ボタンでは、縫合糸が穿設穴開通部へのその入り口で曲がって、縫合糸と穿設穴開通部の端または壁との望ましくない接触および張力の損失をもたらす可能性がある。
【0028】
さらに
図1を参照すると、第2の側切欠き24は、その最も内側の位置で、縫合ボタン10の本体12に画定される内側の第2の縫合ドック28に開口している。第2の縫合ドック28は、その切欠き隙間およびその横方向幅より大きい長手方向長さを備え、1本以上の縫合糸が収容される空間を提供する。第2の縫合ドック28は、第2の縫合ドックシート42を形成する中心凹みを備える「U字」または「V字」形状を有する第2の縫合ドック内壁を備える。
図10に示すように、第2の縫合ドック28の内壁の傾斜した輪郭によって、第2の縫合ドック28にある縫合糸は、張力がかけられるときに、第2の縫合ドックシート42の中央に取り付けることができる。第1の縫合ドック26に関して上記したように、第2の縫合ドックシート42における第2の縫合ドック28の縫合糸の中心整列は、縫合ボタン10が患者の骨に対して取り付けられるときに経骨穿設穴開口部に入るための縫合糸の改良された位置決めを提供する。
【0029】
いくつかの実施形態において、第1の切欠き22および第1の縫合ドック26は、第2の切欠き24および第2の縫合ドック28と、本体12の長軸に対して対称である。この対称性は、縫合ボタン10の両側に同一の側切欠きおよび縫合ドックを提供し、装置が縫合ボタン10のいずれの端周辺でも1つ以上の縫合端ループを容易に収容することを可能にする。この対称性は、また、各ループ側がその対応する切欠きに収容されて、類似の向きでその対応する縫合ドックシートの中央に取り付けられることを可能にする。
【0030】
さらに
図1を参照すると、縫合ボタン10の別の特徴は、
図7に示すように、前側102と反対側の後側104の間で本体12に画定される中心通路60を含む。中心通路60は、縫合ボタン10を完全に通って画定され、縫合ボタン10を通る1本以上の縫合撚り糸の通過のための空間を提供する。
図1に示すように、中心通路60は、第1と第2の切欠き22、24の間で横方向の中間点に配置される。さらに、中心通路60は、第1と第2の長手方向端14、16の中間点に配置される。中心通路60は、
図1に示すように、いくつかの実施形態において、まっすぐな側壁およびわずかに湾曲した凹形端壁を備える。
【0031】
中心通路は、
図2に示すように、中心通路長さ62および中心通路幅64を備える。いくつかの実施形態において、中心通路長さ62は、中心通路幅64より大きい。いくつかの実施形態における中心通路長さ62は、約6ミリメートル〜約1ミリメートルである。さらなる実施形態において、中心通路長さ62は、約2.5ミリメートル〜約4.5ミリメートルである。さらなる実施形態において、中心通路長さ62は、約3.5ミリメートルである。いくつかの実施形態における中心通路幅64は、約0.5ミリメートル〜約3ミリメートルである。さらなる実施形態において、中心通路幅64は、約1ミリメートル〜約2ミリメートルである。さらなる実施形態において、中心通路幅64は、約1.6ミリメートルである。中心通路60は、第1および第2の縫合ドック62、64の縦方向長さより僅かに長い中心通路長さ62を備える。使用中に、1本、2本、3本、4本、またはそれより多い縫合撚り糸は、中心通路60を通って縫合ボタン10のいずれかの表面から他の表面へ通過できる。
【0032】
いくつかの実施形態における中心通路60は、中心通路長さを中心通路幅で割って得られる1.0より大きなアスペクト比を備え、細長い形状を有する中心通路を形成する。中心通路60の細長い形状は、
図11に示すように、いくつかの実施形態において、縫合糸端の固定ループ72のより簡単な通過を可能にするスリット形状の開口部を提供する。いくつかの手術中に、固定ループを中心通路60に通して、本体12のまわりを戻って中心通路を通過したループ部分をループ化することによって、固定ループ72を有する縫合糸70を縫合ボタン10に取り付けて、
図7に示すように、縫合ボタン10の周辺に配置されるループ72を備えた横方向のひばり結びを形成することが望ましい。固定ループ72の縫合ボタン10への取り付けを開始するために、ループは、最初に中心通路60に挿入する必要がある。固定ループ72は、その厚みより非常に大きい幅を有する平坦化された輪郭を必然的に有する。均一な円形穴を有する従来の中心通路を使用することは、縫合ボタン10の本体を通して固定ループのユニークな形状を挿入することを困難にする。本開示は、中心通路長さ62を中心通路幅64で割ったアスペクト比が約1〜約10である中心通路を含む中心通路60を有する縫合ボタン10を提供することによって、この困難に対処する。いくつかの実施形態において、中心通路アスペクト比は、約1〜約3である。さらなる実施形態において、中心通路アスペクト比は、約2〜約2.4である。いくつかの実施形態において、約1より大きい中心通路アスペクト比を提供することによって、固定ループ72は、
図11に示すように、縫合ボタン10の中心通路60により容易に挿入できる。
【0033】
さらに
図2を参照すると、縫合ボタン10は、縫合ボタン長さ48および縫合ボタン幅50を備える。縫合ボタン長さ48は、第1の端14と第2の端16の間の長手方向の距離として定義される。縫合ボタン長さ48は、外科手術中および/またはその後に1本以上の縫合撚り糸を保持するアンカーを提供するために任意の好適な長さを含む。いくつかの実施形態において、縫合ボタン長さ48は、約5〜約20ミリメートルである。さらなる実施形態において、縫合ボタン長さ48は、約10〜約15ミリメートルである。さらなる実施形態において、縫合ボタン長さは、約12ミリメートルである。同様に、縫合ボタン幅50は、縫合ボタン10の最も幅の広い点の間の横方向の距離として定義される。いくつかの実施形態において、縫合ボタン幅50は、第1の側18の最も外側の点と第2の側20の最も外側の点の間で定義される。縫合ボタン幅50は、外科手術中および/またはその後に1本以上の縫合ボタン撚り糸を保持するアンカーを提供するために好適な任意の長さを含む。いくつかの実施形態における縫合ボタン幅50は、約3ミリメートル〜約20ミリメートルである。さらなる実施形態において、縫合ボタン幅50は、約5ミリメートル〜約10ミリメートルである。さらなる実施形態において、縫合ボタン幅50は、約7ミリメートルである。
【0034】
さらに
図2を参照すると、第1の切欠き22は、第1の縫合ドック26に入る1本以上の縫合撚り糸のための通路を提供する。第1の切欠き22は、切欠きの隙間間隔46を有する中央隙間を形成するために先細になる。切欠きの隙間間隔46は、第1の縫合ドック26に入る通路の第1の切欠き22において最も狭い点を形成するために本体12から突出する対向する突起の間の最小の隙間間隔を含む。切欠きの隙間間隔46は、いくつかの実施形態において、外科手術において用いられる縫合撚り糸の平均直径に対応するような寸法とされている。
【0035】
例えば、
図3〜5に示すように、縫合糸70は、縫合ボタン10の第1の縫合ドック26へ挿入するために配置できる。縫合糸70は、縫合糸材料の自由な撚り糸を含むことができるか、または縫合糸材料のループの側部を含むことができる。縫合糸70は、最初に第1の側切欠き22に収容される。第1の側切欠き22は、第1のランプ52および第2のランプ54を含む。第1および第2のランプ52、54は、第1の切欠き22の領域に沿って本体12の凹形の先細の輪郭を形成する。第1および第2のランプは、
図3および
図4に示すように、「V字」形状で互いに内側に傾斜して、縫合糸70を切欠きの隙間の方へ送る。切欠きの隙間間隔46は、縫合糸70の平均直径よりわずかに狭くなるような寸法とされ、それによって、
図4に示すように、縫合糸70が第1の側切欠き22から第1の縫合ドック26に入って通過すると、縫合糸70は半径方向にわずかに圧縮される。縫合糸70が狭い隙間を出ると、縫合糸は、半径方向に拡大して、第1の縫合ドック26にあるときに、その非圧縮の直径に戻ることができる。縫合糸70にさらなる張力が加えられると、第1の縫合ドック26の内壁の付加的な傾斜によって、縫合糸70は、第1の縫合ドックシート40で第1の縫合ドック26の中心に沿って取り付けられる。
【0036】
同様に、第2の切欠き24は、第3および第4のランプ56、58を含む。第3および第4のランプ56、58は、第2の切欠き24の領域に沿って本体12の凹形の先細の輪郭を形成する。第3および第4のランプは、「V字」形状で互いに内側に傾斜して、第2の切欠きに入る任意の縫合糸を切欠きの隙間の方へ送る。第2の切欠き24は、使われる縫合糸の平均直径よりわずかに狭くなるような寸法とされた類似の切欠きの隙間間隔46を含み、それによって、縫合糸が、第2の切欠き24から第2の縫合ドック28へ通過するときに、縫合糸は、半径方向にわずかに圧縮される。縫合糸が、狭い隙間を出ると、縫合糸は、半径方向に拡大して、第2の縫合ドック28にあるときに、その非圧縮の直径へ戻ることができる。縫合糸が第2の縫合ドック28にある間に、さらなる張力が、加えられると、第2の縫合ドック28の内壁のさらなる傾斜によって、縫合糸は、第2の縫合ドックシート42で第2の縫合ドック28の中心線に沿って取り付けられる。
【0037】
いくつかの実施形態において、第1の切欠き22および第2の切欠き24の両方の切欠きの隙間間隔46は、モノフィラメント縫合材料または編まれた縫合材料のいずれかを含む、所望の縫合材料の平均直径よりわずかに小さいように構成される。例えば、いくつかの実施形態における切欠きの隙間間隔46は、約0.25ミリメートルであり、縫合糸が、第1または第2の切欠き22、24から第1または第2の縫合ドック26、28の中にそれぞれ通過するために半径方向にわずかに圧縮しなければならないように、約0.25ミリメートルより大きい平均直径を有する縫合材料を使用するように構成される。
【0038】
図5に示すように、第1の切欠き22および第2の切欠き24は、実質的に平坦な外側の縫合ドック壁をそれぞれ備え、各縫合ドック26、28からの開口部で縫合本体から離れて外側に直角を形成する。各外側の縫合ドック壁は、いくつかの実施形態において実質的に平坦であり、かつ、切欠きの隙間間隔46が、使われている縫合糸の平均直径よりわずかに小さいので、各縫合糸は、その対応する縫合ドックの中で保持されて、切欠きの隙間を通って縫合ドックから不注意に後退可能であることが防止される。この設計は、縫合ドックへ最初に入った後にその対応する縫合ドックの各縫合部分を保持するのにさらに役立つ。
【0039】
いくつかの実施形態において、縫合ボタン10は、
図7、8、9、11に示すように、その端に固定ループ72を含む縫合糸70に取り付けられるように構成される。より詳しくは、固定ループ72は、中心通路60を通過して、第1の端14または第2の端16のどちらかの上を摺動して、縫合ボタン10の本体12の周辺にひばり結びを形成できる。上記のように、固定ループの使用を可能にする1つの特徴は、固定ループの挿入が容易になる1.0より大きいアスペクト比を有する中心通路60である。さらなる他の特徴は、固定ループのひばり結びアッタチメントの改良された使いやすさを提供する。例えば、
図6に示すように、第1の端14は、第1の端点80の方へ傾斜する先細の形状を有し、第2の端16は、第2の端点90の方へ傾斜する先細の形状を有する。さらに、第1の側18は、第1の端点80の方へ傾斜する第1のランプ92および第2の端点90の方へ傾斜する第2のランプ94を含む。同様に、第2の側20は、第1のランプ92と反対側の第1の端点80の方へ傾斜する第3のランプ96を含み、第2の側20は、また、第2のランプ94と反対側の第2の端点90の方へ傾斜する第4のランプ98を含む。このように、縫合ボタン10の各長手方向端は、ループが中心通路60を通過した後にいずれかの長手方向端へ戻ってループ部分の位置決めを容易にするためにほぼ先細の形状を含む。
【0040】
さらに
図6に示すように、第1の側18は、第1の横方向頂点82および第2の横方向頂点84を含む。第2の側20は、第3の横方向頂点86および第4の横方向頂点88を含む。第1の横方向頂点82は、縫合ボタン10の左側に第1の横方向頂点対を形成する第3の横方向頂点86の反対側にあり、第2の横方向頂点84は、縫合ボタン10の右側に第2の横方向頂点対を形成する第4の横方向頂点88の反対側にある。第1および第2の横方向頂点対は、
図6に示すように、いくつかの実施形態において縫合ボタン10上に最もかけ離れた点をそれぞれ形成する。例えば、第1の横方向頂点対は、縫合ボタン10の最も外側の横方向寸法を規定し、いくつかの実施形態において本体幅50に等しい。第2の横方向頂点対は、いくつかの実施形態において第1の横方向頂点対と同じ横方向寸法を同様に規定する。他の実施形態において、第1および第2の横方向頂点対は、縫合ボタン10の各長手方向端において異なるループサイズに適合するために異なる寸法を形成できる。
【0041】
同じ側の隣接する頂点対間の縫合ボタン10の横方向側は、本体12の中心の方へ内向きに後ろに傾斜し始める。例えば、第1の横方向頂点82と第2の横方向頂点84との間で、第1のランプ52は、
図6に示すように第1の縫合ドック26の方へ内側に傾斜する。同様に、第1の横方向頂点82と第2の横方向頂点84との間で、第2のランプ54は、第1の縫合ドック26の方へ内側に傾斜する。縫合ボタン10の反対側に、第3の横方向頂点86と第4の横方向頂点88の間に、第3のランプ56および第4のランプ58は両方とも、第2の縫合ドック26の方へ内側に傾斜する。このように、固定ループ72が、中心通路60を通って第1の長手方向端14または第2の長手方向端16のいずれかへ戻って摺動するとき、ループは、最初に、第1または第2の横方向頂点対のどちらの上もそれぞれ摺動して、縫合ドックの方へ第1および第3のランプ52、56または第2および第4のランプ54、58に沿って摺動する。
【0042】
図9を参照すると、縫合ボタン10のひばり結び構成の所定の位置に滑り込まれている固定ループの実施例が示される。第1のループ側72aは、第1の切欠き22に滑り込み、第2のループ側72bは、第2の切欠き24に滑り込む。
図9に示す実施例において、固定ループ72は、中心通路に挿入された後に、第2の長手方向端16の上を摺動している。あるいは、固定ループは、中心通路に挿入された後に、第1の長手方向端14の上を摺動できる。
【0043】
ひばり結びアッタチメントを使用して縫合ボタン10に取り付けられた固定ループの別の実施例を、
図7および
図8に示す。
図7に示すように、縫合糸70は、縫合ボタン10の後側104から中心通路60を通って下方へ最初に挿入されるループ72を含む。ループは、縫合ボタン10の長手方向端周辺で後ろに配置され、縫合ボタン10の本体周辺でひばり結びを形成する。
図7および
図8に示す実施形態において、固定ループは、第1の長手方向端14の上を後ろに摺動される。第1のループ側72aは、第1の縫合ドック26に収容されて、第2のループ側72bは、第2の縫合ドック28に収容される。張力が縫合糸70に加えられると、縫合ボタン10の周辺の結ばれたループは、よりきつくなって、縫合ボタン10に対してさらにきつく第1のループ側72aおよび第2のループ側72bを引き出す。これによって、
図10に示すように、第1のループ側72aが、「U字」形または「V字」形の第1の縫合ドックシート40に取り付けられて、第2のループ側72bが、「U字」形または「V字」形の第2の縫合ドックシート42に取り付けられる。
【0044】
図7および
図8に示すように、取り付けの間に、第1の切欠き22の第1のランプ52および第2のランプ54によって、第1のループ側72aが、縫合ボタン10の中央線の方へ送られる。第1のループ側72aは、それが第1の切欠き22の切欠き隙間を通過するとき、半径方向にわずかに圧縮される。第1のループ側72aは、それが第1の縫合ドック26に入るとき、その元の非圧縮のサイズに反発して戻る。同様に、第2の切欠き24の第3のランプ56および第4のランプ58によって、第2のループ側72bが、縫合ボタン10の中央線の方へ送られる。第2のループ側72bは、それが第2の切欠き24の切欠き隙間を通過するとき、半径方向にわずかに圧縮される。第2のループ側72bは、それが第2の縫合ドック28に入るとき、その最初の非圧縮のサイズに反発して戻る。
【0045】
図7に示すように、縫合ボタン10は、いくつかの実施形態において、本体の厚み66を含む。本体の厚み66は、
図8に示す前側102と
図7に示す後側104の間の距離である。後側104は、通常、骨に面する縫合ボタン10の側として定義され、穿設穴開口部に隣接して配置される。前側102は、通常、取り付けられるときに穿設穴開口部から離れて面する縫合ボタン10の側として定義される。いくつかの実施形態において、本体の厚み66は、約0.5ミリメートル〜約4ミリメートルである。さらなる実施形態において、本体の厚み66は、約1ミリメートル〜約2ミリメートルである。さらなる実施形態において、本体の厚み66は、約1.5ミリメートルである。本体の厚み66は、縫合糸に張力をかけるための安定性および剛性を提供するために任意の適切な材料の厚みを含むことができる。いくつかの実施形態において、縫合本体10は、均一の本体の厚みを含む。さらなる実施形態において、縫合本体10は、本体12の全域で不均一の本体の厚みを含む。いくつかの用途では、縫合ボタン10が、張力をさらに維持してボタンを骨に対して所望の位置に保つために穿設穴開口部の方へその長軸に沿って僅かに偏向することを可能にする本体の厚み66を提供することが望ましい。
【0046】
縫合ボタン10は、多数のタイプの手術で用いることができる。いくつかの実施形態において、縫合ボタン10は、例えば、
図8および
図9に示すように、結び目のない縫合構成で用いられる。結び目のない縫合構成は、一端に固定ループ72を有する縫合糸70を含む。固定ループ72は、前述したように、ひばり結びで縫合ボタン10の本体の周辺に固定される。縫合糸70は、縫合ボタン10の
中心通路60を出て、係合する組織の方へ伸びる。例えば、
図9に示すように、縫合糸70は、ボタン10から膝210の方へ伸びる。縫合糸70aは、患者の脛骨212および膝210を通って経骨穿設穴238の下部開口部236に入る。縫合糸70は、この実施形態において、穿設穴238を通って半月板根裂傷まで伸びる。縫合糸70bは、根裂傷部位で組織または別の接合構造を通過して、下部開口部236を出る。結び目のない縫合構成は、いくつかの実施形態において、自己緊結スリーブ140を含む。スリーブ140は、縫合ボタン10と下部開口部236の間の固定ループ72の近くの縫合糸70に形成される。縫合糸70bから縫合ボタン10の方へ戻って伸びる自由な縫合糸端136は、スリーブ140を自由に通過する。
図8に示す自由な縫合糸端136は、スリーブ140を通過した後に、
図9に示すように、中心通路60に挿入できる。自由な縫合糸端136が、縫合ボタン10に対して引かれることによって、縫合糸70が修復部位で組織または接合構造を通って摺動するとき、縫合ボタン10が下部開口部236のより近くに引かれるようになる。一旦自由な縫合糸端136が、きつく引かれると、縫合ボタンは、膝210の骨に対して直接引かれ、スリーブ140は、縫合糸70bに対してきつく緊結され、加えられた張力が解放されるのを防止する把持効果を生じる。縫合ボタンの周辺でひばり結びに形成された固定ループ72は、張力を引くことができる堅いアンカーを形成する。縫合ボタン10は、その場合、その位置を維持して、縫合糸70によって加えられる張力を用いて骨に対して適当な位置に保持される。自由な縫合糸端136のタグ部分は、その場合、所望の張力が加えられた後に取り除くことができる。
【0047】
縫合ボタン10が、穴238の下部開口部236に隣接するように、縫合ボタン10が、骨に対して引かれるときに、縫合糸材料が、下部開口部236の端に衝突しないことが通常望ましい。このような衝突は、外科医が縫合糸70を所望の張力で引くことを可能にするのを妨げることがあり得る。さらに、このような衝突は、縫合糸に不注意な摩耗または応力が生じて、縫合糸材料の弱化または破損に至ることがあり得る。
【0048】
本開示の別の態様は、中心通路60を出る縫合糸70の穴238の軸孔との軸方向の整列を提供するように構成される外科手術用の縫合ボタンを提供する。穴238の方へ伸びる縫合糸70の結ばれた部分は、中心通路60から伸びる部分を含むので、下部開口部236に入る縫合糸70は、
図7に示すように、縫合ボタン10の横方向且つ長手方向中央に非常に近い位置で縫合ボタン10から伸びる。このように、縫合ボタン10が、縫合糸70がきつく引かれた後に下部開口部236で骨構造に隣接して配置されるときに、中心開口部60を出て穴238に入る縫合糸70の部分は、穴238の中心の近くで軸方向に整列して、縫合ボタン10は、下部開口部236の上の中央に置かれる。
【0049】
さらに、いくつかの実施形態において、縫合ボタン10は、完全に取り付けたときに第1の側ドック26に収容される第1のループ側72aおよび第2の側ドック28に収容される第2のループ側72bが、いずれも下部開口部236に隣接する骨壁に接触しないように横方向に離間するような寸法とされている。例えば、
図10に示すように、縫合ボタン10は、ブリッジ幅68が第1のドックシート40と第2のドックシート42の間の最も狭い距離として定義されるような寸法とされている。ブリッジ幅68プラス縫合糸平均直径の2倍は、穴直径240より小さい。このように、第1のループ側72aが、第1のドックシート40に保持されて、第2のループ側72bが、第2のドックシート42に保持されるように、固定ループが、縫合ボタン10周辺に取り付けられるときに、第1のループ側72aと第2のループ側72bの間の外側の横方向の距離は、穴直径240より小さい。この構成によって、縫合ボタン10は、縫合糸材料のいかなる部分も下部開口部236に隣接する骨組織に衝突しないように取り付けることができる。この構成によって、いかなる中間縫合糸材料も縫合ボタン10と骨面の間に挟まれることなく、縫合ボタン10と下部開口部236に隣接する骨構造の間のより強い取り付けが可能になる。いくつかの実施形態において、縫合糸材料と下部開口部236の間に隙間を確保するために、縫合本体は、第1の側ドック26の外壁と第2の側ドック28の外壁の間の距離として定義される切欠き距離74を含む。切欠き距離74は、適切な隙間を提供するためにいくつかの実施形態において穿設穴直径に等しい。さらなる実施形態において、切欠き距離74に対する穴直径240の比は、適切な隙間を提供するために約0.9〜約2.0である。さらなる実施形態において、切欠き距離74に対する穴直径240の比は、適切な隙間を提供するために約1.0である。さらなる実施形態において、ブリッジ幅68に対する穴直径240の比は、適切な隙間を提供するために約1.0〜約2.0である。
【0050】
さらに図面を参照すると、
図12〜14は、従来の結び目のある縫合構成用に配置される本開示の縫合ボタン10の実施形態を示す。従来の結び目のある縫合構成および結び目のある縫合糸締め付け技術で用いるときに、縫合ボタン10は、いくつかの理由で、当事者に知られている従来の縫合ボタンに勝る利点を提供する。これらの利点は、第1および第2の切欠き22、24を介した第1および第2の縫合ドック26、28の適所における縫合糸のセルフセンタリングおよび「係止」、また、穿設穴開口部で骨に対する縫合糸の衝突を防止するために締め付けられるときの穿設穴との軸方向の縫合糸の整列を含む。
【0051】
例えば、第1および第2の切欠き22、24によって、縫合糸材料が、第1および第2のドック26、28に滑り込み、また、縫合糸が、締め付けの間に第1および第2の縫合ドック26、28からそれぞれ不注意に後退するのを防止できる。例えば、第1および第2の縫合糸70a、70bは、経骨穿設穴開口部から縫合ボタン10の方へ伸びる。第1の縫合糸70aは、第1の切欠き22を通って第1の縫合ドック26に横方向に滑り込む第1の自由なタグ端を含む。第1の縫合糸70aは、第1の縫合ドック26に保持されて、第1および第2のランプ52、54によって、第1の切欠き22を通して容易に後退するのを防止される。同様に、第2の縫合糸70bは、第2の切欠き24を通って第2の縫合ドック28に横方向に滑り込む第2の自由なタグ端を含む。第2の縫合糸70bは、第2の縫合ドック28に保持されて、第3および第4のランプ56、58によって、第2の切欠き24を通して容易に後退するのを防止される。
【0052】
図12に示すように、縫合ボタン10は、その後側104が遠位の経骨穿設穴開口部に面し、且つその前側102が開口部から背くように配置される。縫合ボタン10の後側104が、骨組織と接触するまで、外科医は、第1および第2の縫合糸70a、70bの自由なタグ端を保持して、縫合ボタン10を遠位の経骨開口部236の方へ自由に摺動させることができる。
【0053】
一旦縫合ボタン10を適所に配置すると、または縫合ボタン10が、骨に対して所望の位置の方へ前進する間に、外科医は、第1および第2の縫合糸70a、70bの第1および第2の自由なタグ端を使用して縫合ボタン10の前側102に一つ以上の結び目を形成する。例えば、
図13に示すように、単一ラップスローが、縫合ボタン10の前側102の第1と第2の縫合糸70a、70bの間に形成できる。各タグ端は、縫合ボタン10を骨の方へさらに進めるためにきつく引くことができる。あるいは、二重ラップの第1のスローは、縫合ボタン10の前側102に形成できる。一旦適切な第1の結び目76、例えば、きつい単一ラップまたは二重ラップの第1のスローが確立されると、多数のタイプの縫合の結び目が、第1および第2の縫合糸70a、70bの第1と第2の自由なタグ端の間に所望の結合を提供するために縫合ボタン10の前側102に形成できる。このような結び目は、縫合ボタン10の前側102に第1および第2の縫合糸70a、70bを一緒に固定するために、こま結び、縦結び、外科結び、引き結び、あるいはその他の適切な縫合の結び目または縫合の結び目の組合せを含むが、これに限定されるものではない。
【0054】
いくつかの実施形態における従来の縫合ボタンに勝る利点を提供する縫合ボタン10の別の態様は、遠位の経骨穿設穴開口部236との縫合糸の整列に関連する。
図14に示すように、縫合ボタン10は、各縫合糸がその対応する縫合ドックに完全に取り付けられるときに第1の縫合糸70aも第2の縫合糸70bも穿設穴開口部表面をこすらないように、第1および第2の縫合糸70a、70bがいくつかの実施形態において遠位の経骨穿設穴開口部236と横方向に整列するような寸法とされている。この構成は、また、縫合糸が締め付けられるとき、穿設穴開口部に対する縫合ボタン10のセルフセンタリングを提供する。いくつかのこのような実施形態において、切欠き距離74は、穿設穴開口部直径240より小さくて、第1および第2の縫合糸70a、70bが縫合ボタン10から穿設穴の中に通過するとき、それらに対する横方向の隙間を提供する。この構成は、第1および第2の縫合糸70a、70bが穿設穴開口部の中に移行するとき、それらの軸方向の整列および横方向隙間を可能にするジオメトリーを含むことに失敗し、それによって、縫合ボタンを穿設穴開口部に隣接する縫合糸材料に望ましくなく衝突させる多くの従来の縫合ボタンに勝る利点を提供する。
【0055】
このように、外科手術用の新規且つ有用な縫合ボタンの本発明の特定の実施形態が記載されたが、このような参照が、以下の請求の範囲に記載した以外に本発明の範囲の制限として解釈されることは意図されていない。