【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の2種燃料バーナは、気体燃料と霧化させた液体燃料とを燃焼空間にて燃焼させるものであって、その特徴構成は、
バーナ中心部に、霧化用空気供給路を通して供給される霧化用空気にて液体燃料供給路を通して供給される前記液体燃料を霧化して、霧化させた前記液体燃料を前記燃焼空間に噴出する液体燃料噴出部が設けられ、
バーナ外周部に、先端の環状の空気噴出孔を通して前記燃焼空間に燃焼用空気を供給する筒状の燃焼用空気供給路が設けられ、
前記液体燃料噴出部と前記燃焼用空気供給路との間に相当する箇所に、前記気体燃料を前記燃焼空間に噴出するバーナ先端側の気体燃料噴出路と、気体燃料供給路を通して供給される前記気体燃料を前記気体燃料噴出路に噴出する気体燃料噴出ノズルとが設けられて、バーナ中心部から外周部に向けて、前記液体燃料噴出部、前記気体燃料噴出路、及び、前記空気噴出孔が並ぶ状態に構成され、
前記燃焼用空気供給路を通流する空気の一部を、前記気体燃料噴出路と前記気体燃料噴出ノズルとの間の負圧空間に導入する連通部が形成され
、
バーナ軸心方向に沿う液体燃料供給管にて形成される前記液体燃料供給路が前記液体燃料供給管を内部に配置するバーナ軸心方向に沿う内管にて形成される前記霧化用空気供給路の内部に配置され、
前記液体燃料噴出部が、前記液体燃料供給路の先端から噴出される前記液体燃料を前記液体燃料供給路の先端の周囲から噴出される前記霧化用空気にて霧化するように構成されている点にある。
【0010】
すなわち、液体燃料供給路を通して供給される液体燃料が、霧化用空気供給路を通して供給される霧化用空気にて霧化されて、バーナ中心部の液体燃料噴出部から燃焼空間に噴出される。
この場合、霧化された液体燃料の霧化用空気に対する濃度が低すぎると、液体燃料の着火性が低下する等により、液体燃料の燃焼性が低下することになるので、霧化用空気の供給量を、液体燃料を燃焼させるために必要とする空気量よりも少ない量、例えば、液体燃料を燃焼させるために必要とする空気量の2割程度にして、液体燃料の燃焼性を確保しながら液体燃料を霧化することになる。
【0011】
燃焼用空気供給路を通して供給される燃焼用空気がバーナ外周部の環状の空気噴出孔から燃焼空間に噴出されるから、空気噴出孔から噴出される燃焼用空気が、液体燃料に対する燃焼用空気として用いられて、液体燃料噴出部から燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料が燃焼されることになる。
【0012】
気体燃料が、液体燃料噴出部と燃焼用供給路との間に設けた気体燃料噴出路から燃焼空間に噴出されることになるが、気体燃料供給路を通して供給される気体燃料を気体燃料噴出路に噴出する気体燃料噴出ノズルが設けられ、かつ、燃焼用空気供給路を通流する空気の一部を、気体燃料噴出路と気体燃料噴出ノズルとの間の負圧空間に導入する連通部が設けられているから、気体燃料噴出路から燃焼空間に噴出される気体燃料には燃焼用空気が予混合されることになり、気体燃料の燃焼性を向上させることになる。
【0013】
つまり、気体燃料を気体燃料噴出ノズルから気体燃料噴出路に噴出することにより、ベンチュリー効果によって、気体燃料噴出路と気体燃料噴出ノズルとの間の空間が負圧状態となり、その負圧空間にて吸引される形態で、燃焼用空気供給路を通流する空気の一部が連通部を通して気体燃料噴出路に流動することになる。
その結果、気体燃料噴出路から噴出される気体燃料には、燃焼用空気が予混合された状態になる。
【0014】
気体燃料噴出路から燃焼空間に噴出される気体燃料には燃焼用空気が予混合されるものの、燃焼に必要とする燃焼用空気が不足するものであるから、バーナ外周部の空気噴出孔から燃焼空間に噴出される燃焼用空気が、気体燃料に対する燃焼用空気として用いられて、気体燃料噴出路から燃焼空間に噴出された気体燃料が燃焼されることになる。
つまり、バーナ外周部の空気噴出孔から燃焼空間に噴出される燃焼用空気が、液体燃料噴出部から燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料と、気体燃料噴出路から燃焼空間に噴出された気体燃料との燃焼用空気として用いられることになる。
【0015】
そして、気体燃料噴出路から燃焼空間に噴出される気体燃料は、液体燃料噴出部から燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料の周囲を覆う形態で燃焼するものとなるから、液体燃料噴出部から燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料は、気体燃料の燃焼炎にて保炎されながら燃焼されることになる。
【0016】
つまり、液体燃料と気体燃料とを燃焼させる際には、燃焼用空気が予混合されることにより安定性良く燃焼する気体燃料の燃焼炎にて適切に保炎しながら、液体燃料噴出部から燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料を燃焼させる状態で、液体燃料と気体燃料とを混焼させることになる。
【0017】
また、液体燃料を霧化用空気にて霧化させるものであるから、気体燃料の供給量を減少させても、液体燃料を適切に霧化させて燃焼させることができるものであるため、気体燃料の供給量を減少させる、場合によっては、気体燃料の供給を無くして、液体燃料のみを燃焼させることもできる。
ちなみに、気体燃料の供給量を減少させるときには、バーナ外周部の燃焼用空気供給路を通して供給する燃焼用空気の供給量を、気体燃料の供給量の減少に合わせて減少させることによって、不必要に多量の燃焼用空気が供給されることを回避することになる。
【0018】
気体燃料噴出路より燃焼空間に噴出される気体燃料に対する燃焼用空気が、バーナ外周部の空気噴出孔から燃焼空間に噴出されるものであるから、液体燃料の供給量を減少させる、場合によっては、液体燃料の供給を無くして、気体燃料のみを燃焼させることもできる。
ちなみに、液体燃料の供給量を減少させるときには、霧化用空気供給路を通して供給される霧化用空気の供給量やバーナ外周部の燃焼用空気供給路を通して供給する燃焼用空気の供給量を、液体燃料の供給量の減少に合わせて減少させることによって、不必要に多量の霧化用空気が供給されることや不必要に多量の燃焼用空気が供給されることを回避することになる。
尚、気体燃料には、予め燃焼用空気が予混合されるものであるから、気体燃料の燃焼用空気として、バーナ外周部の燃焼用空気供給路を通して供給する燃焼用空気の供給量を少なめにする、換言すれば、低空気比で気体燃料を燃焼させることができる。
【0019】
このように、液体燃料を霧化用空気にて霧化させるようにすることによって、液体燃料を適切に霧化させて良好に燃焼させるようにしながらも、気体燃料の供給量や液体燃料の供給量を大きく変更することができる。換言すれば、液体燃料と気体燃料との比率を大きく変更させることができる。
【0020】
要するに、本発明の2種燃料バーナの特徴構成によれば、液体燃料と気体燃料との比率を大きく変更させることができ、しかも、液体燃料と気体燃料とを混焼状態で燃焼させる際に、液体燃料を気体燃料の燃焼炎にて適切に保炎しながら良好に燃焼させることができる。
また、液体燃料供給路の先端の周囲から霧化用空気を噴出することによって、液体燃料供給路の先端から噴出される液体燃料を霧化させるものであるから、液体燃料供給路を霧化用空気供給路の内部に配置した簡素な構成にて、液体燃料を霧化させることができる。
要するに、本発明の2種燃料バーナの特徴構成によれば、液体燃料を霧化する構成の簡
素化を図ることができる。
【0021】
本発明の2種燃料バーナの更なる特徴構成は、前記気体燃料噴出路が、前記液体燃料噴出部を囲繞する環状体に、周方向に間隔を隔てて複数設けられ、
前記気体燃料噴出ノズルが、複数の前記気体燃料噴出路の夫々に対応して設けられている点にある。
【0022】
すなわち、気体燃料噴出路が、液体燃料噴出部の囲繞する環状体に、周方向での位相を異ならせて形成されるものであるから、環状体を液体燃料噴出部の外周囲を覆う形態に設置すれば、複数の気体燃料噴出路を周方向での位相を異ならせて設けることができる。
つまり、複数の気体燃料噴出路の設置構成の簡素化を図ることができる。
【0023】
そして、複数の気体燃料噴出路の夫々に対応させて、複数の気体燃料噴出ノズルを設けることにより、液体燃料と気体燃料とを燃焼させる際に、液体燃料噴出部から燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料の周囲を気体燃料の燃焼炎にて適切に覆うようにして、気体燃料の燃焼炎にて保炎しながら、燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料を良好に燃焼させることができる。
【0024】
要するに、本発明の2種燃料バーナの更なる特徴構成によれば、複数の気体燃料噴出路の設置構成の簡素化を図るようにしながら、燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料を気体燃料の燃焼炎にて適切に保炎して良好に燃焼させることができる。
【0025】
本発明の2種燃料バーナの更なる特徴構成は、前記気体燃料噴出路及び前記燃焼用空気供給路の先端側部分が、バーナ先端側ほど径方向内方側に位置する傾斜状に形成されている点にある。
【0026】
すなわち、気体燃料噴出路及び燃焼用空気供給路の先端側部分が、バーナ先端側ほど径方向内方側に位置する傾斜状に形成されているから、バーナ先端部の小径化を図ることができるため、例えば、2種燃料バーナを加熱炉の炉壁に設置する際に、炉壁に開口するバーナ設置用孔の小径化を図ることができる等、2種燃料バーナの設置に関する利便性を向上させることができる。
【0027】
また、気体燃料噴出路から噴出される気体燃料及び空気噴出孔から噴出される燃焼用空気がバーナ中心側に向かうものとなるから、液体燃料と気体燃料とを燃焼させる際に、気体燃料の燃焼炎を、外方への拡がりを抑制しながら燃焼させることにより、液体燃料噴出部から燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料を、気体燃料の燃焼炎にて一層適切に保炎しながら良好に燃焼させることができる。
【0028】
要するに、本発明の2種燃料バーナの更なる特徴構成によれば、設置に関する利便性を向上させることができ、しかも、燃焼空間に噴出された霧化された液体燃料を気体燃料の燃焼炎にて一層適切に保炎しながら良好に燃焼させることができる。
【0032】
本発明の2種燃料バーナの更なる特徴構成は、前記液体燃料の供給量を調節する液体燃料調節部、前記霧化用空気の供給量を調節する霧化用空気調節部、前記気体燃料の供給量を調節する気体燃料調節部、及び、前記燃焼用空気の供給量を調節する燃焼用空気調節部が設けられている点にある。
【0033】
すなわち、液体燃料の供給量、霧化用空気の供給量、気体燃料の供給量、及び、燃焼用空気の供給量を調節できるものであるから、液体燃料と気体燃料との比率を大きく変更させるようにしながら、液体燃料と気体燃料とを混焼させることができ、また、液体燃料のみを燃焼させる状態や気体燃料のみを燃焼させる状態に切換えることを適切に行うことができる。
【0034】
要するに、本発明の2種燃料バーナの更なる特徴構成によれば、燃焼状態を適切に変更することができる。
【0035】
本発明の2種燃料バーナの更なる特徴構成は、前記燃焼空間が、先端側ほど拡径する円錐台状に形成されている点にある。
【0036】
すなわち、先端側ほど拡径する円錐台状に形成された燃焼空間にて、気体燃料や液体燃料を径方向の拡がりを抑制しながら混焼状態で燃焼させることができるものであるから、気体燃料及び液体燃料を混焼状態で良好に燃焼させることができる。
【0037】
要するに、本発明の2種燃料バーナの更なる特徴構成によれば、気体燃料及び液体燃料を混焼状態で良好に燃焼させることができる。