特許第6929401号(P6929401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6929401
(24)【登録日】2021年8月12日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】クロージャ及びクロージャの作製方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/013 20060101AFI20210823BHJP
   H02G 15/10 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
   H02G15/013
   H02G15/10
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-33236(P2020-33236)
(22)【出願日】2020年2月28日
【審査請求日】2020年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】桑原 洋昌
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 強
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−047909(JP,A)
【文献】 特開平09−023557(JP,A)
【文献】 特開2015−142477(JP,A)
【文献】 特開2009−100579(JP,A)
【文献】 特開2014−130331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/013
H02G 15/10
H02G 15/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ケーブルの接続部を収納するクロージャであって、
前記クロージャ内は絶縁性混和物で充填され
外部から前記クロージャ内に前記絶縁性混和物を充填させる弁付きノズルを備える
ことを特徴とするクロージャ。
【請求項2】
前記クロージャの外周を押圧して固定する金属バンドを備え、
前記弁付きノズルは前記金属バンドに固定される
ことを特徴とする請求項に記載のクロージャ。
【請求項3】
前記クロージャ内のガスを外部に放出するリリーフバルブを備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のクロージャ。
【請求項4】
通信ケーブルの接続部を収納するクロージャの作製方法であって、
前記クロージャ内に絶縁性混和物を充填させる弁付きノズルを取付ける工程と、
前記弁付きノズルを介して前記絶縁性混和物を圧入する工程と
を有することを特徴とするクロージャの作製方法。
【請求項5】
前記絶縁性混和物を圧入する工程は、前記クロージャ内の内圧が大気圧より高い圧力状態で行われることを特徴とする請求項に記載のクロージャの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信用ケーブルの接続部を収納するクロージャの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地下設備内に配設される通信用のケーブルの接続部分は高気密構造のクロージャに囲われて保護される。さらに、通信ビルから地下ケーブル及びクロージャにガス(乾燥空気)を供給して内圧を高めることで、マンホールや管路の水没時にもケーブル及びクロージャ内に水が浸入しないように防いでいる。
【0003】
地下ケーブルの保守は、クロージャ内に圧力発信機を設置し、ガスの圧力を監視する。ガス漏洩が検知されると、保守作業者はガス漏洩が疑われる場所へ赴き、ガス漏洩箇所を補修する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6620216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地下ケーブル設備の経年変化等により、クロージャからガスが漏洩する事象が発生する場合がある。ガス漏洩により地下ケーブル及びクロージャの内圧が低下すると、漏洩箇所から水が浸入し、絶縁不良が生じて通信断につながる。ガス漏洩を検知すると、現地に赴いてクロージャを修理しなければならないため、保守作業者には、突発的な稼働が発生し負担が大きい。今後、保守稼働の平準化及び削減を進めるためには、ガス漏洩リスクの高いクロージャを中心に、予防保全的な手段を講じていくことが望ましい。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、水密性の高いクロージャを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るクロージャは、通信ケーブルの接続部を収納するクロージャであって、前記クロージャ内は絶縁性混和物で充填され、外部から前記クロージャ内に前記絶縁性混和物を充填させる弁付きノズルを備えることを要旨とする。
【0008】
本発明に係るクロージャの作製方法は、通信ケーブルの接続部を収納するクロージャの作製方法であって、前記クロージャ内に絶縁性混和物を充填させる弁付きノズルを取付ける工程と、前記弁付きノズルを介して前記絶縁性混和物を圧入する工程とを有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水密性の高いクロージャを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るクロージャの外観を模式的に示す斜視図である。
図2図1に示すA−A線に沿う断面を模式的に示す図である。
図3図1に示す弁付きノズルを取付ける工程を模式的に示す断面図である。
図4図1に示すクロージャ内に絶縁性混和物を圧入する工程を模式的に示す図である。
図5】弁付きノズルの変形例1を模式的に示す斜視図である。
図6】変形例1の弁付きノズルの取付け部分の断面を模式的に示す図である。
図7図1に示すクロージャの変形例2の外観を模式的に示す斜視図である。
図8図1に示すクロージャを作製する手順を示すフローチャートである。
図9】絶縁性混和物をその自重で充填する方法の主な工程を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るクロージャの外観を模式的に示す斜視図である。図1に示すクロージャ100は、通信用のケーブルL1とケーブルL2の接続部を収納するものであり、例えば、マンホール内に配置される。ケーブルL1,L2は、被覆部材を取り除いた心線11,12を露出させ、それぞれの先端部分は接続部20で接続される。
【0013】
接続部20は、ケーブルL1,L2がメタルケーブルの場合は例えばPATコネクタで接続される。また、ケーブルL1,L2が光ケーブルの場合はMTコネクタにより接続される。
【0014】
図1に示すクロージャ100は、円筒形状のスリーブ本体1、クロージャ100の両端でケーブルL1,L2のそれぞれを把持する端面板2、クロージャ100を側面方向から押圧して固定するステンレスバンド3、及び弁付きノズル4を備え、クロージャ100の内部は絶縁性混和物5で充填されている。
【0015】
スリーブ本体1は、上下2つの半円筒形状のスリーブ本体1a,1bを組み合わせて構成される。スリーブ本体1a,1bの合わせ目には、スリーブガスケット(図示せず)が配置されている。
【0016】
端面板2は、ケーブルL1,L2を通すための開口部2cを備え、上下2つの半円形状の端面板2a,2bを組み合わせて構成される。端面板2は、通すケーブルL1,L2の本数やサイズに応じたものを任意に選択して用いる。例えば、接続部においてケーブルを2つに分岐する場合、分岐側には2つの開口部を備える端面板を用いる。
【0017】
ステンレスバンド3は、ケーブルL1,L2のそれぞれを把持した端面板2a,2bを上下から挟むスリーブ本体1a,1bの外周に巻き付けられ、ネジ3aで締め付けられる。ステンレスバンド3は、ケーブルL1,L2の延伸方向の例えば両端部に設けられ、スリーブ本体1の外周を押圧して固定される。
【0018】
弁付きノズル4は、スリーブ本体1の外側からスリーブ本体1を貫通して取り付けられる。弁付きノズル4とスリーブ本体1の間は、例えば接着剤が塗布されて封止される。
【0019】
弁付きノズル4を取付けた後は、通信ビルからケーブルL1を介してガスが供給されるのでクロージャ100の内部は大気圧よりも高い圧力になる。その状態において、外部からクロージャ100内に絶縁性混和物5を充填させる。絶縁性混和物5は、弁付きノズル4を通じて圧入される。
【0020】
絶縁性混和物5はいわゆる樹脂と称されるものである。例えば、2液を混合して一定時間経過後に凝固するSUDコンパウンド等を用いることができる。
【0021】
クロージャ100内に絶縁性混和物5が充填されると、ケーブルL1,L2の接続部20の周囲も絶縁性混和物5で覆われる。したがって、ケーブルL1,L2の接続部20が水に晒されることがなくなる。
【0022】
以上説明したように本実施形態に係るクロージャ100は、ケーブルL1,L2の接続部20を収納するクロージャであって、外部からクロージャ100内に絶縁性混和物5を充填させる弁付きノズル4を備え、クロージャ100内は絶縁性混和物5で充填されている。これにより、水密性の高いクロージャを提供することができる。
【0023】
図2は、図1に示すA−A線に沿う断面を模式的に示す図である。図2において、ケーブルL1,L2は側面図で表している。
【0024】
図2に示すように、弁付きノズル4は、スリーブ本体1の一部を貫通して外側から取付けられる。例えば、弁付きノズル4とスリーブ本体1の間は接着剤6で接着して封止される。
【0025】
弁付きノズル4の取付け口4aの先端部分には刃が形成されている。また、弁付きノズル4の圧入口4bのフランジの内側にはクロージャ100の内部から外側に圧力が噴出しないように逆止弁4cが設けられている。図2に示す逆止弁4cは、平板形状の弁が開閉するチェックバルブ(check valve)の例を示すが、ボール弁であってもよい。
【0026】
次に、弁付きノズル4の取付け方法について説明する。
【0027】
(弁付きノズルの取付け)
図3は、弁付きノズル4をスリーブ本体1に取付ける凡その工程を模式的に示す断面図である。図3(a)は、弁付きノズル4を取付ける前のスリーブ本体1を示す。図3(b)は、スリーブ本体1に仮穴を開けた様子を示す。図3(c)は、弁付きノズル4を取付けた後の様子を示す図である。
【0028】
図3(a)に示すように、スリーブ本体1は所定の厚みを持つ例えばポリプロピレン(PP)で構成される。弁付きノズル4を取付ける前のクロージャ100の内部は、通信ビルからケーブルL1を経由して供給されるガス(図示せず)で満たされている。
【0029】
その状態で、弁付きノズル4を取付ける位置のスリーブ本体1の表面に仮穴1cを開ける。図3(b)に示すように、仮穴1cは、スリーブ本体1の厚さを考慮した刃物状の治具を用いて(図示せず)開けられる。
【0030】
次に、取付け口4aを仮穴1cに挿入し、弁付きノズル4を回転させながら押し込む。取付け口4aの先端部分の刃は、仮穴1c部分の薄くなったスリーブ本体1の一部を切り落とす。すると、弁付きノズル4は、取付け口4aのフランジをスリーブ本体1の表面に突き当て、刃をクロージャ100の内部に突出させる。その後、弁付きノズル4は、取付け口4aのフランジの外側とスリーブ本体1の表面との間に接着剤6を塗布することで固定される。
【0031】
上記の工程は、クロージャ内の気密性を保ったまま行うことが可能である。よって、クロージャ100内の浸水リスクなく、弁付きノズル4を取付けることができる。
【0032】
次に、絶縁性混和物5を圧入する方法について説明する。
【0033】
(絶縁性混和物の圧入)
図4は、クロージャ100内に絶縁性混和物5を圧入する工程を模式的に示す図である。図4に示すように、本工程ではクロージャ100の弁付きノズル4と注入ポンプ容器30との間を注入ホース31で接続させる。
【0034】
注入ポンプ容器30の中に、所定量の絶縁性混和物5が予め入れられている。所定量は、例えば1個のクロージャ100の内部を絶縁性混和物5で満たす量である。
【0035】
その状態で、圧縮空気αで注入ポンプ容器30の内圧を、クロージャ100の内圧よりも高くする。すると、注入ポンプ容器30内の絶縁性混和物5は、クロージャ100内に移動する。その結果、クロージャ100内は絶縁性混和物5で充填される。
【0036】
このように圧力差を設けることでクロージャ100内に絶縁性混和物5を注入することができる。
【0037】
(変形例1)
図5は、弁付きノズルの変形例を模式的に示す斜視図である。図5に示す弁付きノズル42は、ステンレスバンド32の上に取付けられる。ステンレスバンド32は、ステンレスバンド3(図1)に対して弁付きノズル42を取付ける座金部32aを備える点で異なる。
【0038】
図6は、弁付きノズル42の取付け部分の断面を模式的に示す図である。図6に示すように、弁付きノズル42の取付け口42aの外周にはネジが切られている。また、座金部32aは、弁付きノズル42の取付け口42aが挿入される貫通穴32bを備え、貫通穴32bの内側にはネジが切られている。
【0039】
弁付きノズル42とステンレスバンド32は、それぞれのネジを嵌合させて固定される。よって、弁付きノズル42は、ネジを絞める要領で、スリーブ本体1に容易に取付けることができる。つまり、ネジの嵌合によって弁付きノズル42の取付ける方向(スリーブ本体1の表面に対して垂直方法)が決まる。そして、弁付きノズル42の圧入口4bの外周を例えばボルト状(図1)に形成すれば、弁付きノズル42はスパナ等で簡単に取付けられる。
【0040】
取付け口42aのフランジと座金部32aの間にゴムパッキン(図示せず)を設けてもよい。なお、ステンレスバンド32は、ある程度の弾性を持つ他の金属で構成してもよい。
【0041】
このように図5に示すクロージャは、クロージャの外周を押圧して固定する金属バンド32を備え、弁付きノズル42は金属バンド32に固定される。これにより、スリーブ本体1に弁付きノズルを取付ける作業を容易にすることができる。
【0042】
(変形例2)
図7は、変形例2のクロージャの外観を模式的に示す斜視図である。図7に示すクロージャ200は、リリーフバルブ7を備える点でクロージャ100(図1)と異なる。
【0043】
リリーフバルブ7は、クロージャ200内のガスを外部に放出する。リリーフバルブ7は、クロージャ100の内圧がクロージャ100の耐え得る圧力よりも高くなった場合に、高い圧力を外部に放出する逃がし弁である。
【0044】
リリーフバルブ7の作用によって、絶縁性混和物5を高い圧力(圧縮空気α)で安全に注入できる。また、絶縁性混和物5を速く注入することができる。一方、リリーフバルブ7がないと、高い圧力がクロージャ100及びケーブルに加わり破裂する場合がある。
【0045】
このように変形例2のクロージャ200は、クロージャ内のガスを外部に放出するリリーフバルブ7を備える。これにより絶縁性混和物5の圧入時間を短縮することができる。
【0046】
(クロージャの作製方法)
図8は、クロージャ100を作製する手順を示すフローチャートである。
【0047】
クロージャ100を作製するには、先ず始めにクロージャを形成する(ステップS1)。クロージャ100は、端面板2にそれぞれケーブルを挿通してケーブル同士を接続させた後に端面板2をスリーブ本体1で挟み、スリーブ本体1の両端部の外周をステンレスバンド3で押圧して形成する(図1)。
【0048】
次に、弁付きノズル4をスリーブ本体1に取付ける(ステップS2)。弁付きノズル4は、スリーブ本体1に直接取付けてもよいし、ステンレスバンド32を用いて取付けてもよい。
【0049】
次に、取付けた弁付きノズル4を介して絶縁性混和物5を圧入する(ステップS3)。圧入は、弁付きノズル4と注入ポンプ容器30を注入ホース31で接続し、圧縮空気αを用いて行う(図5)。
【0050】
なお、既に施工済みのクロージャに、後から絶縁性混和物5を圧入する場合も考えられる。この場合はクロージャを形成する工程は既に終わっている。
【0051】
つまり、施工済みのクロージャを含む本実施形態に係るクロージャの作製方法は、ケーブルの接続部を収納するクロージャの作製方法であって、クロージャ100内に絶縁性混和物5を充填させるノズルを取付ける工程(ステップS2)と、弁付きノズル4を介して絶縁性混和物5を圧入する工程(ステップS3)とを有する。これにより水密性の高いクロージャを作製することができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係るクロージャ100は、水密性の高いクロージャを提供する。また、クロージャ内の圧力が大気圧よりも高い状態のまま弁付きノズル4が取付けられるので浸水リスクはない。また、変形例のクロージャ200は、リリーフバルブ7が内部の高圧ガスを外部に放出するので、絶縁性混和物5の圧入時間を短縮する効果が得られる。
【0053】
なお、本実施形態の水密性の高いクロージャ100は、弁付きノズル4を備えなくても作成することができる。その場合、スリーブ本体1に2つの穴40,41を開け、一方の穴40から絶縁性混和物5をその自重で充填させる。
【0054】
図9は、絶縁性混和物5の自重で充填する工程を模式的に示す断面図である。図9(a)は、スリーブ本体1に2つの穴40,41を開けた状態を示す。穴40,41は、スリーブ本体1の真上に開ける。
【0055】
また、図9(a)に示すようにスリーブ本体1を傾けているのは、クロージャ100の内部の空気を穴41から排出し易くする。クロージャ100の内部の空気を排出することで、絶縁性混和物5を隅々まで行き渡らせることができる。
【0056】
図9(b)は、傾きの下側の穴40に大きな漏斗50、傾きの上側の穴41に小さな漏斗51をそれぞれ挿入し、大きな漏斗50から絶縁性混和物5を注入し、小さな漏斗51から絶縁性混和物5が少し溢れた状態で注入をストップした状態を示す。絶縁性混和物5を注入し終わった後、スリーブ本体1の姿勢を水平にして絶縁性混和物5を内部に行き渡らせる(この状態は図示せず)。
【0057】
漏斗50,51の固定は、先端部分に例えばブチルゴム(図示せず)を巻き付けた状態で穴40,41に押し込んで固定する。又は接着剤で固定してもよい。
【0058】
図9(c)は、スリーブ本体1の姿勢を水平にし、絶縁性混和物5が固まった後に漏斗50,51を切り落とした状態を示す。
【0059】
このように、弁付きノズル4を備えなくてもクロージャ100の内部に絶縁性混和物5を充填することができる。要するに、本実施形態に係るクロージャ100は、通信ケーブルの接続部を収納するクロージャであって、クロージャ100内は絶縁性混和物5で充填されている。これにより水密性の高いクロージャを作製することができる。
【0060】
なお、リリーフバルブ7は、弁付きノズル42と同様にステンレスバンド32に固定するようにしてもよい。そうすることでリリーフバルブ7のスリーブ本体1への取り付けを容易にすることができる。
【0061】
また、クロージャ100のステンレスバンド3は、スリーブ本体1の両端部にそれぞれ1本を備える例で説明したが、本発明はこの例に限定されない。ステンレスバンド3は3本以上を備えるようにしてもよい。また、ケーブルL1とL2を接続させる例を示したが他の構成のクロージャ、例えばケーブルL1をケーブルL2とL3に分岐させるクロージャに対しても本発明はそのまま適用することが可能である。また、本発明は、メタルケーブル用又は光ケーブル用のどちらのクロージャであっても適用することが可能であり、同じ作用効果が得られる。
【0062】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を含む。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0063】
L1,L2:ケーブル
1a,1b:スリーブ本体(1)
2,2a,2b:端面板
3,32:金属バンド(ステンレスバンド)
4,42:弁付きノズル
5:絶縁性混和物
6:接着剤
7:リリーフバルブ
40,41:穴
50:大きな漏斗
51:小さな漏斗
100,200:クロージャ
【要約】
【課題】水密性の高いクロージャを提供する。
【解決手段】通信ケーブルL1,L2の接続部20を収納するクロージャ100であって、クロージャ100内は絶縁性混和物5で充填されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9