特許第6929470号(P6929470)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6929470二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法と製造装置、その安全弁の製造方法を用いたキャッププレートの製造方法、そのキャッププレートの製造方法で製造される二次電池用キャッププレート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6929470
(24)【登録日】2021年8月12日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法と製造装置、その安全弁の製造方法を用いたキャッププレートの製造方法、そのキャッププレートの製造方法で製造される二次電池用キャッププレート
(51)【国際特許分類】
   B21J 5/06 20060101AFI20210823BHJP
   B21K 1/24 20060101ALI20210823BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20210823BHJP
   H01M 50/147 20210101ALI20210823BHJP
【FI】
   B21J5/06 B
   B21K1/24
   H01M50/342
   H01M50/147
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-540343(P2020-540343)
(86)(22)【出願日】2019年1月15日
(65)【公表番号】特表2021-511965(P2021-511965A)
(43)【公表日】2021年5月13日
(86)【国際出願番号】KR2019000586
(87)【国際公開番号】WO2019143098
(87)【国際公開日】20190725
【審査請求日】2020年7月22日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0006536
(32)【優先日】2018年1月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516348326
【氏名又は名称】ポムチョン プレシジョン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BUMCHUN PRECISION CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】コ、シ ジン
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−351234(JP,A)
【文献】 特開2004−178820(JP,A)
【文献】 特開2002−63888(JP,A)
【文献】 特開2008−159313(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1043577(KR,B1)
【文献】 韓国登録特許第10−1471958(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 5/06
B21K 1/24
H01M 50/342
H01M 50/147
B21D 53/00
B21D 22/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に周り排出部を形成する下部昇降金型が内蔵された前後方向に長孔が形成される下型部と、内部に上部昇降金型が備えられる上型部とを有するプレスの下型部の上面に、キャッププレートの素材板を投入し、上型部と上部昇降金型の下降及び下部昇降金型の上昇を介して素材板に下部のベントプレートを有する溝形状の安全弁を成形しながら、前記周り排出部に素材を排出させ排出素材部を成形した後、上型部と上部昇降金型の上昇及び下部昇降金型の下降を介して安全弁を成形する安全弁成形段階100と、
前記排出素材部の上部をカッティングするカッティング手段が内蔵された排出素材部挿入孔が形成された下型部を有するプレスの下型部の上面に、前記安全弁が成形された素材板を投入して素材板の排出素材部を排出素材部挿入孔に挿入し、排出素材部の前記カッティング手段の作動を介して排出素材部の上部をカッティングして排出素材部を除去する排出素材部カッティング除去段階200と、
上面が平坦面である下型部と、下部に安全弁挿入部が形成された上型部とを有するプレスの下型部の上面に、排出素材部の上部がカッティングされた素材板を乗せた後、上型部の下降を介して素材板の下面を平坦に成形し上型部を上昇させる下面平坦成形段階300とを含むことを特徴とする二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法。
【請求項2】
前記安全弁成形段階100では、上型部と上部昇降金型の下降及び下部昇降金型の上昇を同時に行うか、または先に上型部と上部昇降金型を下降させた後、下部昇降金型を上昇させて安全弁を成形することを特徴とする請求項1に記載の二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法。
【請求項3】
前記カッティング手段は、前記排出素材部の内部に位置し、上部の周りの前、後、左、右の角部には斜刃が形成され、駆動手段を介して前方向、後方向、左方向、右方向に移動するように備えられる内部カッティング部材を含み、前記排出素材部カッティング除去段階200では、前記内部カッティング部材が左方向に移動後に復帰、右方向に移動後に復帰、前方向に移動後に復帰、後方向に移動後に復帰する順序で排出素材部の上部をカッティングすることを特徴とする請求項1に記載の二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法。
【請求項4】
前記カッティング手段は、前記排出素材部の外部の前、後、左、右に位置し、それぞれの上部内側の角部には斜刃が形成されており、それぞれが駆動手段を介して一つずつ順次に内側方向及び外側方向に移動されて、排出素材部の上部をカッティングするように備えられる前カッティング部材、後カッティング部材、左カッティング部材、右カッティング部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法。
【請求項5】
内部に周り排出部を形成する下部昇降金型が内蔵された前後方向に長孔が形成された下型部と、下型部の上部に昇降可能に配置され内部に昇降可能な上部昇降金型が備えられる上型部とを有する安全弁成形部と、
排出素材部をカッティングするカッティング手段が内蔵された排出素材部挿入孔が形成された下型部を有する排出素材部カッティング部と、
上面が平坦面である下型部と、下部に安全弁挿入部が形成される上型部とを有する下面平坦成形部とを含み、
前記安全弁成形部と前記排出素材部カッティング部及び前記下面平坦成形部は一つのプレスに順次備えられるか、多数のプレスにそれぞれ一つずつ備えられることを特徴とする二次電池のキャッププレート安全弁の製造装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4の中のいずれか一項のキャッププレート安全弁の製造方法を含み、前記安全弁成形段階100で投入される素材板は両側に長い板で構成され、前記安全弁成形段階100と、前記排気素材部カッティング除去段階200と、前記下面平坦成形段階300は、長い素材板1ピッチずつ連続移動する過程を介して連続されるようになされて、前記下面平坦成形段階300を実施した後には、プレスの作動を介してキャッププレートに形成される他の構成を鍛造する1回以上の鍛造工程をさらに実施する後鍛造成形段階をさらに実施し、前記後鍛造成形段階を実施した後には、プレスの作動を介して安全弁と他の構成が成形された素材板をキャッププレートの形状である長方形の形状にカッティングする素材板カッティング段階をさらに実施することを特徴とする安全弁の製造方法を用いた二次電池のキャッププレートの製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4の中のいずれか一項のキャッププレート安全弁の製造方法を含み、前記安全弁成形段階で投入される素材板は周りが長方形である前後方向に長い四角形の素材板で構成され、前記安全弁成形段階では、下型部の上部周りに四角形の素材板の鍛造成形時に四角形の素材板の周りが密着されるように成形される密着突起がさらに形成され、前記下面平坦成形段階では、下型部の上部周りに四角形の素材板の鍛造成形時に四角形の素材板の周りが密着されるように成形される密着突起がさらに形成され、前記下面平坦成形段階を実施した後には、成形された四角形の素材板を次の鍛造工程に投入してプレスの作動を介して安全弁と他の構成を成形する後鍛造成形段階をさらに実施することを特徴とする安全弁の製造方法を用いた二次電池のキャッププレートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1回または2回の鍛造工程だけで簡単に安全弁を成形できるようにする二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法と製造装置、その安全弁の製造方法を用いたキャッププレートの製造方法、そのキャッププレートの製造方法で製造される二次電池用キャッププレートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、二次電池の安全性を確保しようとする多くの方法が提案されてきたが、その中で、電池内に発生したガスを所定の圧力以上で外部へ放出させるために電池に安全弁を採用したことがある。
【0003】
そして、安全弁は通常、二次電池のキャッププレートに形成するものである。すなわち、二次電池のキャッププレートには、電池内の圧力以上の発生時の内部の圧力で破裂して電池内のガスを放出する安全弁が形成されるものである。
【0004】
まず、本出願人が既出願して登録された韓国特許登録第1043577号の「電気自動車用安全弁を有するバッテリーキャッププレート及びその製造方法」を構成するバッテリーキャッププレートの製造方法(以下、「従来のバッテリーキャッププレートの製造方法」と言う。)を見ると、次の通りである。
【0005】
従来のバッテリーキャッププレートの製造方法は、キャッププレート用金属材料のプレートを準備する第1の過程と、前記プレートを両側仕切りの固定枠と一定の間隔で離隔するように、中央に安着させる第2の過程と、前記プレートに上部から機械的にハンマーを180〜300トンで、1次加圧して一定の形状に溝が形成されてプレートが両側面に増える第3の過程と、前記プレートに上部から機械的にハンマーを220〜280トンに2次加圧して溝がさらに深く形成されてプレートが両側面に増え、仕切りの固定枠と密着される第4の過程と、前記プレートに上部から機械的にハンマーを180〜290トンで3次加圧して前記溝をなしたプレート部分が厚みが薄く一体となった安全弁の形成されたキャッププレートが成形される第5の過程でなされたことである。
【0006】
ところで、前記のようなバッテリーキャッププレートの製造方法を介してキャッププレートを製造する場合には、3回以上の鍛造工程を介して溝を成し、下部の厚みが薄い安全弁を成形するのに伴って、安全弁の厚みが薄い部分には、3回以上の鍛造により鍛造硬化が発生されることにより、安全弁の下部の強度が強すぎる不良が頻繁に発生する問題を持っていた。
【0007】
また、従来のバッテリーキャッププレートの製造方法は、安全弁を形成するために、3回以上の鍛造工程を施しなければならないことにより、鍛造回数の増加によりキャッププレートの生産単価が上がる問題もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記のような従来の諸般問題を解消するための案出されたものであり、本発明の目的は、一回または2回の鍛造工程だけで簡単に安全弁を成形するのに伴って、安全弁の下部に形成されたベントプレートで鍛造時に鍛造硬化が生じる現象を防止することにより、ベントプレートの強度が過度に高くなる安全弁の成形不良を防げるようにする二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法と製造装置、その安全弁の製造方法を用いたキャッププレートの製造方法、そのキャッププレートの製造方法で製造される二次電池用キャッププレートを提供することにある。
【0009】
また、本発明は、上部上部昇降金型の下降を介して、安全弁を形成しながら素材を下部に移動排出させることにより、鍛造トークを最小に抑えながら安全弁の鍛造を可能とする他の目的もある。
【0010】
また、本発明は、1回または2回の鍛造工程だけで簡単に安全弁を成形するのに伴って、キャッププレートの製造生産性を向上させることができる他の目的もある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような目的を達成するための本発明に係る二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法は、内部に周り排出部を形成する下部昇降金型が内蔵された前後方向に長孔が形成される下型部と、内部に上部昇降金型が備えられる上型部とを有するプレスの下型部の上面に、キャッププレートの素材板を投入し、上型部と上部昇降金型の下降及び下部昇降金型の上昇を介して素材板に下部のベントプレートを有する溝形状の安全弁を成形しながら、前記周り排出部に素材を排出させ排出素材部を成形した後、上型部と上部昇降金型の上昇及び下部昇降金型の下降を介して安全弁を成形する安全弁成形段階と、前記排出素材部の上部をカッティングするカッティング手段が内蔵された排出素材部挿入孔が形成された下型部を有するプレスの下型部の上面に、前記安全弁が成形された素材板を投入して素材板の排出素材部を排出素材部挿入孔に挿入し、前記排出素材部カッティング手段の作動を介して排出素材部の上部をカッティングして排出素材部を除去する排出素材部カッティング除去段階と、上面が平坦面である下型部と、下部に安全弁挿入部が形成された上型部とを有するプレスの下型部の上面に、排出素材部の上部がカッティングされた素材板を乗せた後、上型部の下降を介して素材板の下面を平坦に成形し上型部を上昇させる下面平坦成形段階とを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法の前記安全弁成形段階では、上型部と上部昇降金型の下降及び下部昇降金型の上昇を同時に行うか、または先に上型部と上部昇降金型を下降させた後、下部昇降金型を上昇させて安全弁を成形することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法の前記カッティング手段は、前記排出素材部の内部に位置し、上部の周りの前、後、左、右の角部には斜刃が形成され、駆動手段を介して前方向、後方向、左方向、右方向に移動するように備えられる内部カッティング部材を含み、前記排出素材部カッティング除去段階200では、前記内部カッティング部材が左方向に移動後に復帰、右方向に移動後に復帰、前方向に移動後に復帰、後方向に移動後に復帰する順序で排出素材部の上部をカッティングすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上述したように構成される本発明は、一回または2回の鍛造工程だけで簡単に安全弁を成形するのに伴って、安全弁の下部に形成されたベントプレートで鍛造時に鍛造硬化が生じる現象を防止することにより、ベントプレートの強度が過度に高くなる安全弁の成形不良を防げる効果がある。
【0015】
また、本発明は、上部昇降金型の下降を通じて介して、安全弁を形成しながら素材を下部に移動排出させるのに伴い、鍛造トークを最小に抑えながら安全弁の鍛造を可能とすることにより、安全弁の鍛造時に動力エネルギー削減の効果も得られる。
【0016】
また、本発明は、1回または2回の鍛造工程だけで簡単に安全弁を成形するのに伴って、キャッププレートの製造生産性を向上させることができる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る安全弁の製造方法を示した工程図である。
図2a】本発明に係る安全弁の製造方法の中で安全弁成形段階を示したもので、安全弁の成形前を示した正断面図である。
図2b】本発明に係る安全弁の製造方法の中で安全弁成形段階を示したもので、安全弁の成形前を示した側断面図である。
図2c】本発明に係る安全弁の製造方法の中で安全弁成形段階を示したもので、上部昇降金型と下部昇降金型が作動して安全弁を成形する状態を示した正断面図である。
図2d】本発明に係る安全弁の製造方法の中で安全弁成形段階を示したもので、上部昇降金型と下部昇降金型が作動して安全弁を成形する状態を示した側断面図である。
図2e】本発明に係る安全弁の製造方法の中で安全弁成形段階を示したもので、上部昇降金型と下部昇降金型が上部と下部にそれぞれ復帰された状態を示した正断面図である。
図2f】本発明に係る安全弁の製造方法の中で安全弁成形段階を示したもので、上部昇降金型と下部昇降金型が上部と下部にそれぞれ復帰された状態を示した側断面図である。
図2g】本発明に係る安全弁の製造方法の中で安全弁成形段階を示したもので、排出素材部とともに成形された安全弁を示した概略斜視図である。
図3a】本発明に係る安全弁の製造方法の中で排出素材部カッティング除去段階を示したもので、カッティング前を示した側断面図である。
図3b】本発明に係る安全弁の製造方法の中で排出素材部カッティング除去段階を示したもので、カッティングされた状態を示した側断面図である。
図3c】本発明に係る安全弁の製造方法の中で排出素材部カッティング除去段階を示したもので、内部カッティング部材の上部を示した平面概略図である。
図4a】本発明を構成するカッティング手段の他の実施形態を示したもので、排出素材部のカッティング前を示した側断面図である。
図4b】本発明を構成するカッティング手段の他の実施形態を示したもので、排出素材部のカッティングされた状態を示した側断面図である。
図4c】本発明を構成するカッティング手段の他の実施形態を示したもので、前、後、左、右のカッティング部材の上部を示した平面概略図である。
図5a】本発明に係る安全弁の製造方法の中で下面平坦成形段階を示したもので、平坦成形後の状態を示した正断面図である。
図5b】本発明に係る安全弁の製造方法の中で下面平坦成形段階を示したもので、平坦成形後の状態を示した側断面図である。
図5c】本発明に係る安全弁の製造方法の中で平坦成形段階を示したもので、最終成形された安全弁を示した概略斜視図である。
図6a】本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示したもので、素材板カッティング段階を示した正断面図である。
図6b】本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示したもので、最終製造されたキャッププレートを示した斜視図である。
図7a】本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示したもので、安全弁の成形前を示した正断面図である。
図7b】本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示したもので、安全弁の成形前を示した側断面図である。
図7c】本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示したもので、上部昇降金型と下部昇降金型が作動して安全弁を成形する状態を示した正断面図である。
図7d】本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示したもので、上部昇降金型と下部昇降金型が作動して安全弁を成形する状態を示した側断面図である。
図7e】本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示したもので、下面平坦段階を実施する状態を示した正断面図である。
図7f】本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示したもので、下面平坦段階を実施する状態を示した側断面図である。
図7g】本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示したもので、安全弁が成形された板素材を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態が示された添付図面を参照して、より詳細に説明すると、次の通りである。しかし、本発明は、多数の異なる形態で具現されることができ、記述された実施形態に限定されないことを理解しなければならない。
【0019】
図1は、本発明に係る安全弁の製造方法を示した工程図であり、図2は本発明に係る安全弁の製造方法の中で安全弁成形段階を示した図であり、図3は本発明に係る安全弁の製造方法の中で排出素材部カッティング除去段階を示した図であり、図4は本発明を構成するカッティング手段の他の実施形態を示した図である。そして、図5は本発明に係る安全弁の製造方法の中で下面平坦成形段階を示した図である。
【0020】
図面に示されたように、本発明に係る二次電池のキャッププレート安全弁の製造方法は、キャッププレートの素材板1に安全弁2を成形することで、安全弁成形段階100と、排出素材部カッティング除去段階200と、下面平坦成形段階300とを含んでいる。
【0021】
まず、前記安全弁成形段階100は、図1及び図2に示すように、まず、内部に周り排出部52を形成する下部昇降金型D2が内蔵された前後方向に長孔51が形成される下型部5と、内部に上部昇降金型D1が備えられた上型部4とを有するプレスPの下型部5の上面に、キャッププレートの素材となるキャッププレートの素材板1を投入する。
【0022】
次に、前記上型部4と上部昇降金型D1の下降及び下部昇降金型D2の上昇を介して素材板1に下部のベントプレート21を有する溝形状の安全弁2を成形しながら、前記周り排出部52に素材を排出させ排出素材部3を成形した後に、上型部4と上部昇降金型D1の復帰上昇及び下部昇降金型D2の復帰下降を介して安全弁2を成形することである。
【0023】
そして、前記安全弁成形段階100では、安全弁を1回の鍛造で成形できるように上型部4と上部昇降金型D1の下降及び下部昇降金型D2の上昇を同時に行って安全弁2を成形できる。
【0024】
また、前記安全弁成形段階100では、上型部4と下型部5にそれぞれかかる圧縮荷重を分散して減られるように、まず、上型部4と上部昇降金型D1を下降させた後に、前記下部昇降金型D2を上昇させて安全弁2を成形できる。
【0025】
前記排出材料部カッティング除去段階200は、図1及び図3に示すように、安全弁成形段階100を実施した後に実施することで、まず、前記排出材料部3の上部をカッティングするカッティング手段6の内蔵された排出素材部挿入孔53が形成された下型部5を有するプレスPの下型部5の上面に、前記安全弁2が形成された素材板1を投入して素材板1の排出素材部3を排出素材部挿入孔53に挿入してから、前記排気素材部カッティング手段6の作動を介して排出素材部3の上部をカッティングして排出素材部3を除去することである。
【0026】
そして、前記排出素材部カッティング除去段階200では、素材板1の下面に排出素材部3の上部で残留素材部31が残留されることである。
【0027】
また、前記排出材料部カッティング除去段階200では、下型部5の上面に投入された素材板1を下型部5の上面に、より強固に固定できるように、プレスPを構成する上型部4が下降して素材板1の上面をより押し与えることもできる。
【0028】
前記カッティング手段6は、排出素材部3を順次カッティングすることができるように、前記排出材料部3の内部に位置し、上部周りの前、後、左、右の角部には斜刃Cが形成され駆動手段Mを介して前方向、後方向、左方向、右方向に移動されるように備えられる内部カッティング部材61で構成されることが望ましい。そして、前記内部カッティング部材61を前方向、後方向、左方向、右方向に移動させる駆動手段Mは、シリンダやモータなどを用いるいくつかの種類の駆動手段が公知されているので、その具体的な説明は省略する。
【0029】
また、前記排出材料部カッティング除去段階200では、排出素材部3を順次カッティングすることができるように、前記内部カッティング部材61が左方向に移動後に復帰、右方向に移動後に復帰、前方向に移動後に復帰、後方向に移動後に復帰する順序で排出素材部3の上部をカッティングすることが最も好ましい。
【0030】
また、前記カッティング手段6は、図4に示したように、前記排出素材部3の上部を外側方向から内側方向にカッティングすることができるように、前記排出材料部3の外部の前、後、左、右に位置し、それぞれの上部内側の角部には斜刃Cが形成され、それぞれが駆動手段Mを介して一つずつ順次に内側方向及び外側方向に移動されて、排出素材部3の上部をカッティングするように備えられる前カッティング部材62a、後カッティング部材62b、左カッティング部材62c、右カッティング部材62dで構成することができる。
【0031】
そして、前カッティング部材62a、後カッティング部材62b、左カッティング部材62c、右カッティング部材62dのそれぞれを内側方向及び外側方向に移動させる駆動手段Mは、シリンダやモータなどを用いるいくつかの種類の駆動手段が公知されているので、その具体的な説明は省略する。
【0032】
前記下面平坦成形段階300は、図1及び図5に示すように、前記排出材料部カッティング除去段階200で素材板1の下面に残留した残留素材部31を鍛造成形して、素材板の下面を平坦面に成形することである。
【0033】
すなわち、前記下面平坦成形段階300は、排出素材部カッティング除去段階200を実施した後に実施することであり、上面の平坦面である下型部5と、下部に安全弁挿入部41が形成される上型部4とを有するプレスPの下型部5の上面に、排出素材部3の上部がカッティングされた素材板1を乗せた後に、上型部4の下降を介して素材板1の下面を平坦に成形して上型部4を上昇させる過程を介して実施されることである。
【0034】
したがって、本発明に係るキャッププレート安全弁の製造方法は、上型部4と上部昇降金型D1の下降と下部昇降金型D2の上昇が同時に行われる1回の鍛造工程、または上型部4と上部昇降金型D1の下降の後に、下部昇降金型D2の上昇で行われる2回の鍛造工程だけで簡単に安全弁2を成形することができる。
【0035】
したがって、本発明のキャッププレート安全弁の製造方法は、1回または2回の鍛造工程だけで簡単に安全弁2を成形するのに伴って、安全弁2の下部に形成されたベントプレート21の鍛造時に鍛造硬化が生じる現象を防止することにより、ベントプレート21の強度が過度に高くなる安全弁2の成形不良を防げる有用な発明である。
【0036】
すなわち、本発明は、安全弁2の成形する鍛造の回数が1回または2回に少なさに応じて、本発明の安全弁2の1回または2回の鍛造時には、従来の3回以上の多くの鍛造回数で生じるベントプレートの鍛造硬化がほとんど生じない。
【0037】
また、本発明のキャッププレート安全弁の製造方法は、上部昇降金型D1の下降を介して、安全弁2を成形しながら素材を下部に排出することにより、鍛造トークを最小に抑えながら安全弁2の鍛造を可能とすることにより、安全弁2の鍛造時に動力エネルギー削減の効果も得ることができる有用な発明である。
【0038】
一方、図2に示すように、本発明に係る二次電池のキャッププレート安全弁の製造装置は、上述したキャッププレート安全弁の製造方法に使用されるものである。
【0039】
したがって、本発明に係るキャッププレート安全弁の製造装置は、内部に周り排出部52を形成する下部昇降金型D2が内蔵された前後方向に長孔51が形成された下型部5と、下型部5の上部に昇降可能に配置され、内部に昇降可能な上部昇降金型D1が備えられた上型部4とを有する安全弁成形部10を含んでいる。
【0040】
そして、本発明に係る安全弁の製造装置は、排出材料部3をカッティングするカッティング手段6が内蔵された排出素材部挿入孔53が形成された下型部5を有する排出素材部カッティング部20と、上面の平坦面である下型部5と下部に安全弁挿入部41が形成される上型部4を有する下面平坦成形部30を含むものである。
【0041】
そして、前記安全弁成形部10と排出素材部カッティング部20及び下面平坦成形部30は、一つのプレスPに素材板1の移動順序に従って順次備えられたり、多数のプレスPにそれぞれ一つずつ備えられることができる。
【0042】
図6は、本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を示した図である。
【0043】
本発明に係る第1の実施形態の二次電池のキャッププレートの製造方法は、図1乃至図6に示すように、上述したキャッププレート安全弁の製造方法を用いることで、上述したキャッププレート安全弁の製造方法をすべて含むことを前提する。
【0044】
したがって、本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法は、前記安全弁成形段階100で投入される素材板1は両側に長い板で構成され、前記安全弁成形段階100と、排出素材部カッティング除去段階200と、下面平坦成形段階300とは、長い素材板1が1ピッチずつ連続移動する過程を介して連続して実施することである。
【0045】
すなわち、前記長い素材板1を1ピッチずつ移動させる場合には、長い素材板1を降下、上昇、移動の順序を1ピッチにして行われるのに、このように長い素材板1を1ピッチずつ移動させる場合には、素材板1の前方及び後方に昇降移動ピンが挿入される多数の移動ピン孔を形成した後、長い素材板1を1ピッチずつ移動させるのに、このような長い素材板1を1ピッチずつ移動させる構成は、鍛造プレスPで既に適用され広く使用されていることで、その具体的な構成及び作動の説明は省略する。したがって、1ピッチずつ移動される長い素材板1の前方及び後方には素材板1が供給される前に、多数の移動ピン孔(図示せず)が穿孔されることである。
【0046】
そして、本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法は、前記下面平坦成形段階を実施した後、プレスPの作動を介して、キャッププレートに形成される他の構成を鍛造する1回以上の鍛造工程をさらに施す後鍛造成形段階が実施され、前記後鍛造成形段階を実施した後には、プレスPの作動を介して安全弁2と他の構成が成形された素材板1をキャッププレートの形状である長方形の形状にカッティングする素材板カッティング段階を実施することにより、キャッププレートを製造することである。
【0047】
すなわち、前記後鍛造成形段階では必須的に流体流入孔とリベット孔を含むリベット装着部を必須的に鍛造成形することである。そして、キャッププレートの種類に応じて、ターミナルプレートや部品の固定孔を鍛造を介してさらに成形できることである。
【0048】
したがって、本発明に係る第1の実施形態のキャッププレートの製造方法は、上述したように、1回または2回の鍛造工程だけで簡単に安全弁2を成形した後に、長い素材板1のカッティングを介して簡単にキャッププレートを製造できることにより、キャッププレートの製造生産性を向上させることができる有用な発明である。
【0049】
したがって、本発明に係るキャッププレートは、上述した第1の実施形態のキャッププレートの製造方法を介して簡単な過程で製造できる。
【0050】
図7は、本発明に係る第2の実施形態のキャッププレートの製造方法を示した図である。
【0051】
本発明に係る第2の実施形態の二次電池のキャッププレートの製造方法は、図1図3乃至図5図7に示すように、上述したキャッププレート安全弁の製造方法を用いることで、上述したキャッププレート安全弁の製造方法をすべて含むことを前提とする。
【0052】
したがって、本発明に係る第2の実施形態のキャッププレートの製造方法は、前記安全弁成形段階100で投入される素材板1は、周りが長方形である前後方向に長い素材板1で構成され、前記安全弁成形段階100では、下型部5の上部周りに四角形の素材板1の鍛造成形時に四角形の素材板1の周りが密着されるように成形される密着突起54がさらに形成され、前記下面平坦成形段階300では、下型部5の上部周りに四角形の素材板1の鍛造成形時に四角形の素材板1の周りが密着されるように成形される密着突起54がさらに形成されることを特徴とする。
【0053】
そして、本発明に係る第2の実施形態のキャッププレートの製造方法は、前記下面平坦成形段階300を実施した後には、成形された四角形の素材板1を次の鍛造工程に投入して、プレスPの作動を介して安全弁2と他の構成を成形する後鍛造成形段階をさらに実施することにより、キャッププレートを製造することである。
【0054】
すなわち、前記後鍛造成形段階では必須的に流体流入孔とリベット孔を含むリベット装着部を必須的に鍛造成形することである。そして、キャッププレートの種類に応じて、ターミナルプレートや部品の固定孔を鍛造を介して、さらに成形できることである。
【0055】
したがって、本発明に係る第2の実施形態のキャッププレートの製造方法は、上述したように、1回または2回の鍛造工程だけで簡単に安全弁2を成形した後に、後鍛造成形段階を介して簡単にキャッププレートを製造できることにより、キャッププレートの製造生産性を向上させることができる有用な発明である。
【0056】
したがって、本発明に係るキャッププレートは、上述した第2の実施形態のキャッププレートの製造方法を介して簡単な過程で製造できることである。
【0057】
以上で、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、様々な変化と変更及び均等物を使用することができる。本発明は、前記実施形態を適切に変形して同様に応用できることが明らかである。したがって、前記記載内容は下記の特許請求の範囲の限界によって決まる発明の範囲を限定することではない。
【0058】
一方、本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内で様々な変形が可能であることを、当該分野で通常の知識を有する者にとって自明である。
【符号の説明】
【0059】
1:素材板
2:安全弁
21:ベントプレート
3:排出素材部
31:残留素材部
4:上型部
41:安全弁挿入部
5:下型部
51:長孔
52:周り排出部
53:排出素材部挿入孔
54:密着突起
6:カッティング手段
61:内部カッティング部材
62a、62b、62c、62d: 前カッティング部材、後カッティング部材、左カッティング部材、右カッティング部材
C:斜刃
D1:上部昇降金型
D2:下部昇降金型
P:プレス
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図7g