特許第6929581号(P6929581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6929581電源アダプタ装置、制御方法および制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6929581
(24)【登録日】2021年8月13日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】電源アダプタ装置、制御方法および制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20210823BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20210823BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20210823BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20210823BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20210823BHJP
   H01R 29/00 20060101ALN20210823BHJP
【FI】
   H02M3/00 H
   H02J7/04 A
   H02J1/00 306B
   G06F1/26 306
   H01R31/06 A
   !H01R29/00 B
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-515800(P2020-515800)
(86)(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公表番号】特表2020-523978(P2020-523978A)
(43)【公表日】2020年8月6日
(86)【国際出願番号】CN2017114291
(87)【国際公開番号】WO2018214459
(87)【国際公開日】20181129
【審査請求日】2019年12月10日
(31)【優先権主張番号】201710383588.7
(32)【優先日】2017年5月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519421617
【氏名又は名称】深▲セン▼市楽得瑞科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN LEGENDARY TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】劉 小霊
(72)【発明者】
【氏名】王 宇龍
【審査官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0231777(US,A1)
【文献】 特開2015−211545(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第106571667(CN,A)
【文献】 特開2005−045943(JP,A)
【文献】 特開2015−165762(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0083615(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00−3/44
G06F 1/26
H01R 31/06
H02J 1/00
H02J 7/04
H01R 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源アダプタ装置であって、
電源入力インターフェースと、通信プロトコルチップと、電圧変換チップと、電源出力インターフェースとを備え、
前記通信プロトコルチップの第1検出端が前記電源入力インターフェースに接続され、前記通信プロトコルチップの第2検出端が前記電源出力インターフェースに接続され、前記通信プロトコルチップの制御端が前記電圧変換チップに接続され、
前記電圧変換チップの入力端が前記電源入力インターフェースに接続され、前記電圧変換チップの出力端が前記電源出力インターフェースに接続され、
前記通信プロトコルチップは、前記第1検出端により前記電源入力インターフェースから入力された入力電圧値を取得し、前記第2検出端において、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値を電力伝送PDプロトコルによって取得し、前記ターゲット電圧値および前記入力電圧値に基づいて電圧調整情報を確定するように構成され、
前記電圧変換チップは、前記電源出力インターフェースの電圧値が前記ターゲット電圧値に一致するように、前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うように構成され、
前記通信プロトコルチップは、更に、前記ターゲットデバイスが要求するターゲット電流値を取得し、所定の関係テーブルに基づき、前記ターゲット電圧値に対応する第1電流値を取得し、前記ターゲット電流値が前記第1電流値よりも大きければ、前記第1電流値を、前記ターゲットデバイスが要求する電流値とするように構成される
電源アダプタ装置。
【請求項2】
入力端が外部電源に接続され、出力端が前記電源入力インターフェースに接続される直流アダプタを更に備える、
請求項1に記載の電源アダプタ装置。
【請求項3】
前記電源入力インターフェースおよび前記電源出力インターフェースのうちの少なくとも1つは、オスインターフェースまたはメスインターフェースのいずれかである、
請求項1に記載の電源アダプタ装置。
【請求項4】
前記電源出力インターフェースは、C型ユニバーサルシリアルバスUSBのTYPE−Cインターフェースである、
請求項1に記載の電源アダプタ装置。
【請求項5】
電源アダプタ装置の制御方法であって、
前記電源アダプタ装置は、電源入力インターフェースと、通信プロトコルチップと、電圧変換チップと、電源出力インターフェースとを備え、前記通信プロトコルチップの第1検出端が前記電源入力インターフェースに接続され、前記通信プロトコルチップの第2検出端が前記電源出力インターフェースに接続され、前記通信プロトコルチップの制御端が前記電圧変換チップに接続され、前記電圧変換チップの入力端が前記電源入力インターフェースに接続され、前記電圧変換チップの出力端が前記電源出力インターフェースに接続され、
前記制御方法は、
前記通信プロトコルチップが前記第1検出端により入力電圧値を取得することと、
前記通信プロトコルチップが、前記第2検出端において、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値を電力伝送PDプロトコルによって取得することと、
前記ターゲットデバイスが要求するターゲット電流値を取得することと、
所定の関係テーブルに基づき、前記ターゲット電圧値に対応する第1電流値を取得することと、
前記ターゲット電流値が前記第1電流値よりも大きければ、前記第1電流値を、前記ターゲットデバイスが要求する電流値とすることと、
前記通信プロトコルチップが前記ターゲット電圧値および前記入力電圧値に基づいて電圧調整情報を確定することと、
前記電圧変換チップが、前記電源出力インターフェースの電圧値が前記ターゲット電圧値に一致するように、前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うことと、を含む、
電源アダプタ装置の制御方法。
【請求項6】
前記通信プロトコルチップが、前記第2検出端により前記ターゲットデバイスの接続状態を検出することと、
前記第2検出端により前記ターゲットデバイスの接続の存在が検出されると、前記電源出力インターフェースのリアルタイム出力電圧値を監視することと、
前記リアルタイム出力電圧値の電圧降下と前記ターゲット電圧値との比が所定の比の閾値を超える場合、現在の出力電流値を取得して電源線をオフにすることと、
前記現在の出力電流値を前記所定の関係テーブルに記憶し、前記ターゲット電圧値と新しいキー値ペアを形成することと、
前記キー値ペアを前記ターゲットデバイスに送信して前記電源線をオンにすることと、を更に含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電圧変換チップが前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うことは、
前記電圧変換チップが前記電圧変換チップの内部回路の抵抗値を調整すること、または、
所定の通信プロトコルにより、前記電圧変換チップの内部回路を調整すること、を含む、
請求項5に記載の電源アダプタ装置の制御方法。
【請求項8】
電源アダプタ装置の制御装置であって、
前記電源アダプタ装置の制御装置は、入力電圧取得モジュールと、ターゲット電圧取得モジュールと、電圧調整情報確定モジュールと、電圧調整情報送信モジュールと、第1電流確定モジュールとを備え、
前記ターゲット電圧取得モジュールが前記入力電圧取得モジュールと接続され、前記電圧調整情報確定モジュールが前記電圧調整情報送信モジュールと前記第1電流確定モジュールと接続され、
前記入力電圧取得モジュールは、第1検出端により入力電圧を取得するように構成され、
前記ターゲット電圧取得モジュールは、第2検出端により、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧を取得するように構成され、
前記電圧調整情報確定モジュールは、前記ターゲット電圧取得モジュールにより取得された前記ターゲット電圧、および前記入力電圧取得モジュールにより取得された前記入力電圧に基づき、電圧調整情報を確定するように構成され、
前記電圧調整情報送信モジュールは、前記電源アダプタ装置の電源出力インターフェースの電圧が前記ターゲット電圧に一致するように前記電源アダプタ装置の電圧変換チップが前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うために、前記電圧調整情報を前記電圧変換チップに送信するように構成され、
前記第1電流確定モジュールは、前記ターゲット電圧取得モジュールが前記第2検出端により前記ターゲット電圧値を取得した後、前記ターゲットデバイスが要求するターゲット電流値を取得し、所定の関係テーブルに基づき、前記ターゲット電圧値に対応する第1電流値を取得し、前記ターゲット電流値が前記第1電流値よりも大きければ、前記第1電流値を、前記ターゲットデバイスが要求する電流値とするように構成される、
電源アダプタ装置の制御装置。
【請求項9】
請求項5からのいずれか1項に記載の方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令が記憶される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電器の技術分野に関し、例えば、電源アダプタ装置、制御方法および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TYPE−C型のユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)インターフェースの普及に伴い、USB電力伝送(Power Delivery、PD)通信プロトコルに基づくTYPE−C型のUSBインターフェースのアダプタは、ますます多く使用されている。
【0003】
従来のインターフェースのアダプタは、TYPE−C型のUSBインターフェースとある時間で共存し続けている。ユーザは、元々使っていたアダプタを捨てない場合、TYPE−C型のUSBインターフェースの複数種の電子機器の充電要求に適用するために、従来の電源アダプタをUSBのPD通信プロトコルに基づくアダプタに変換する必要がある。
【0004】
しかし、一般的な従来の電源アダプタは、USBのPD通信プロトコルに基づくアダプタに直接に変換することができないため、ソースの浪費が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、従来の電源アダプタがUSBのPD通信プロトコルに基づくTYPE−C型のUSBインターフェースの複数種の電子機器に適用できるようにし、電源アダプタの利用率を向上させる電源アダプタ装置、制御方法および制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電源入力インターフェースと、通信プロトコルチップと、電圧変換チップと、電源出力インターフェースとを備え、
前記通信プロトコルチップの第1検出端が前記電源入力インターフェースに接続され、前記通信プロトコルチップの第2検出端が前記電源出力インターフェースに接続され、前記通信プロトコルチップの制御端が前記電圧変換チップに接続され、
前記電圧変換チップの入力端が前記電源入力インターフェースに接続され、前記電圧変換チップの出力端が前記電源出力インターフェースに接続される、電源アダプタ装置。
【0007】
通信プロトコルチップが第1検出端により入力電圧を取得することと、
前記通信プロトコルチップが第2検出端によりターゲット電圧を取得することと、
前記通信プロトコルチップが前記ターゲット電圧および前記入力電圧に基づいて電圧調整情報を確定することと、
電圧変換チップが、電源出力インターフェースの電圧が前記ターゲット電圧に一致するように、前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うことと、
を含む電源アダプタ装置の制御方法。
【0008】
第1検出端により入力電圧を取得するように構成される入力電圧取得モジュールと、
第2検出端によりターゲット電圧を取得するように構成されるターゲット電圧取得モジュールと、
前記ターゲット電圧取得モジュールにより取得された前記ターゲット電圧、および前記入力電圧取得モジュールにより取得された前記入力電圧に基づき、電圧調整情報を確定するように構成される電圧調整情報確定モジュールと、
前記電源出力インターフェースの電圧が前記ターゲット電圧に一致するように前記電圧変換チップが前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うために、前記電圧調整情報を電圧変換チップに送信するように構成される電圧調整情報送信モジュールと、を備える、電源アダプタ装置の制御装置。
【0009】
上記電源アダプタ装置の制御方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令が記憶されるコンピュータ可読記憶媒体。
【0010】
1つまたは複数のプロセッサと、メモリと、通信プロトコルチップと、電圧変換チップと、メモリに記憶され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されているとき、上記電源アダプタ装置の制御方法を実行する1つまたは複数のプログラムとを含む、制御デバイス。
【0011】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプログラム命令を含み、前記プログラム命令がコンピュータにより実行されると、前記コンピュータに上記いずれか1つの電源アダプタ装置の制御方法を実行させるコンピュータプログラム製品。
【発明の効果】
【0012】
本実施例に係る電源アダプタ装置、制御方法および制御装置は、電源アダプタ装置の接続に基づき、関連技術における従来の直流アダプタ(従来の直流電源アダプタ)がTYPE−C型のUSBインターフェースの電子機器に適用ができないことによるソースの浪費の問題を解決し、同一の従来の直流アダプタで複数種の電子機器の充電タスクをこなすことができ、従来の直流アダプタの利用率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】実施例1における電源アダプタ装置の構造模式図
図1B】実施例1における電源アダプタ装置の、外部電源投入時の構造模式図
図1C】実施例1における電源アダプタ装置の実物の模式図
図1D】実施例1における電源アダプタ装置が直流アダプタに物理的に接続された時の実物の模式図
図1E】実施例1における別の電源アダプタ装置が直流アダプタに物理的に接続された時の実物の模式図
図2】実施例2における電源アダプタ装置の制御方法のフローチャート
図3】実施例3における電源アダプタ装置の制御方法のフローチャート
図4】実施例4における電源アダプタ装置の制御方法のフローチャート
図5】実施例5における電源アダプタ装置の制御装置の構造図
図6】実施例6における制御デバイスのハードウェアの構造模式図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示について、図面および実施例を参照しながら説明する。
【0015】
実施例1
図1Aは、本実施例に係る電源アダプタ装置の構造模式図であり、本実施例は、複数種のインターフェースの電源アダプタおよびワイヤに適用され、TYPE−Cインターフェースの電子機器に電気的に接続されて充電を行うことができる。図1Aに示すように、電源アダプタ装置10は、電源入力インターフェース11と、通信プロトコルチップ12と、電圧変換チップ13と、電源出力インターフェース14とを備える。
【0016】
前記通信プロトコルチップ12の第1検出端が前記電源入力インターフェース11に接続され、前記通信プロトコルチップ12の第2検出端が前記電源出力インターフェース14に接続され、前記通信プロトコルチップ12の制御端が前記電圧変換チップ13に接続される。
【0017】
前記電圧変換チップ13の入力端が前記電源入力インターフェース11に接続され、前記電圧変換チップ13の出力端が前記電源出力インターフェース14に接続される。
【0018】
電源アダプタ装置10は、元々電子機器に合致しない直流アダプタでも順調に充電できるように、直流アダプタと電子機器との間に接続されるデバイスである。ここで、直流アダプタは、小型携帯電子機器および電子電気機器の供電源変換装置であり、電源から提供された交流電力を電子機器に適用する直流電力に変換し、例えば、携帯電話等のモバイル機器の充電用ヘッド、またはノートパソコンにおけるアダプタ等である。一般的には、ユーザが購入した電子機器には、いずれも直流アダプタが設けられているが、電子製品の種類毎にアダプタが異なる場合が多く、ユーザは、外出するまたは長期間にわたって旅行する時に、持つ必要がある直流アダプタが多く、煩雑となる。
【0019】
直流アダプタが全ての電子機器に合致することができないのは2つの制限要因がある。その1は、直流アダプタのインターフェースと電子機器のインターフェースとの種類が統一されず、正常に物理的に接続できないことである。その2は、電子機器の種類毎に給電パラメータが異なり、直流アダプタのインターフェースと電子機器のインターフェースとが物理的に接続できても、正常に充電できず、充電時間が長くなる可能性があり、更に、給電電流が大きすぎて電源を破壊したり電線を焼損したりするという重大な弊害が生じる恐れがあることである。例えば、タブレットコンピュータの給電パラメータが5V、3Aであれば、携帯電話用の3V、2.5Aの直流アダプタで充電することはできない。
【0020】
電源入力インターフェース11は、直流アダプタに電気的に接続されるインターフェースであり、直流アダプタから伝送された入力電圧を受信することに用いられる。電源入力インターフェース11と直流アダプタとの物理的な接続の形態は2種類がある。直流アダプタにおけるアダプタヘッド(充電用ヘッド)とアダプタケーブル(ワイヤ)とが一体化された場合、電源入力インターフェース11とアダプタケーブルとを物理的に接続することができ、すなわち、電源出力インターフェース14が電子機器に直接物理的に接続する形態がある。直流アダプタにおけるアダプタヘッドとアダプタケーブルとが別体である場合、電源入力インターフェース11とアダプタヘッドとを物理的に接続する、または電源入力インターフェース11とアダプタケーブルとを物理的に接続することができる形態もある。また、電源入力インターフェース11のインターフェースのタイプは、USBのAインターフェースまたはUSBのBインターフェースであってもよい。
【0021】
本実施例において、通信プロトコルチップ12は、双方が通信またはサービスを行うための準拠する規則および約束に基づき、回路における入力電圧をターゲット電圧に変換する行為に対して制御信号を発するチップである。例えば、USBのPDプロトコルを含む通信プロトコルチップであり、すなわち、TYPE−Cポートの後に提出された電力伝送の概念に基づき、電子機器との双方向通信の機能を実現することができる。更に、通信プロトコルチップ12は、「給電電圧および給電電流」に関する複数段のキー値を1つの所定の関係テーブルに記憶することができる。
【0022】
電圧変換チップ13は、入力された電圧をターゲット電圧に変換する。本実施例において、ターゲット電圧は、一般的に電子機器が要求する電圧であり、入力された電圧をターゲット電圧に変換することにより、電圧変換チップ13から出力された電圧が電子機器に合致し、電子機器に対する充電を行うことができる。電源出力インターフェース14は、電子機器に電気的に接続されるインターフェースであり、電子機器にターゲット電圧を出力することに用いられる。同様に、電源出力インターフェース14と電子機器との物理的な接続の形態は2種類がある。直流アダプタにおけるアダプタヘッド(充電用ヘッド)とアダプタケーブル(ワイヤ)とが一体化された場合、電源出力インターフェース14と電子機器とを直接物理的に接続することができる形態がある。直流アダプタにおけるアダプタヘッドとアダプタケーブルとが別体である場合、電源出力インターフェース14とアダプタケーブルとを物理的に接続する、または電源出力インターフェース14と電子機器とを物理的に接続することができる形態もある。
【0023】
図1Aに示すように、電源アダプタ装置10において、通信プロトコルチップ12の第1検出端が電源入力インターフェース11に接続され、通信プロトコルチップ12の第2検出端が電源出力インターフェース14に接続され、通信プロトコルチップ12の制御端が電圧変換チップ13に接続され、電圧変換チップ13の入力端が電源入力インターフェース11に接続され、電圧変換チップ13の出力端が電源出力インターフェース14に接続される。
【0024】
例示的には、本実施例に係る電源アダプタ装置は、入力端が外部電源に接続され、出力端が前記電源入力インターフェースに接続される直流アダプタを更に備える。
【0025】
図1Bに示すように、ここで、電子機器に対する給電を実現するために、直流アダプタ20の入力端が外部電源21に接続され、直流アダプタ20の出力端が電源アダプタ装置10の電源入力インターフェース11に直接に接続される。
【0026】
例示的には、前記電源入力インターフェース11および前記電源出力インターフェース14のうちの少なくとも1つは、オスインターフェースまたはメスインターフェースのいずれかである。
【0027】
電源アダプタ装置10が直流アダプタと電子機器との間の1つの接続デバイスであるため、電源アダプタ装置10における電源入力インターフェース11および電源出力インターフェース14のインターフェースのタイプは、電源アダプタの物理的な接続位置に関連する。電源アダプタ装置10が直流アダプタにおけるアダプタヘッドに物理的に接続された場合、電源入力インターフェース11はオスインターフェースであってもよく、電源出力インターフェース14はメスインターフェースであってもよい。電源アダプタ装置10が直流アダプタにおけるアダプタケーブルに物理的に接続された場合、電源入力インターフェース11はオスインターフェースであってもよく、電源出力インターフェース14はメスインターフェースであってもよい。
【0028】
例示的には、前記電源出力インターフェース14はUSBのTYPE−Cインターフェースである。
【0029】
将来の電子機器インターフェースが、TYPE−Cインターフェースに統一して使用するという発展傾向にあるが、転換がまだ成功していないしばらくの間に、従来の直流アダプタが市場から完全に退出することがなく、直流アダプタ20の使用が混乱している現象になってしまう。そのため、好ましくは、電源出力インターフェース14は、USBのTYPE−Cオスインターフェースとして設置される。電源アダプタ装置10は、電源アダプタ装置10のTYPE−Cオスインターフェースが電子機器のTYPE−Cメスインターフェースに対応できるように、直流アダプタ20におけるアダプタケーブルに物理的に接続され、すなわち、電子機器に直接に接続されるように構成される。
【0030】
例示的には、図1Cは、電源アダプタ装置10の実物の模式図であり、符号15は、常用のUSBのA型電源入力インターフェースであり、符号16はPD通信プロトコルチップであり、符号17は電圧変換チップであり、符号18はTYPE−C電源出力インターフェースである。
【0031】
例示的には、図1Dは、電源アダプタ装置10が直流アダプタ20に物理的に接続された時の実物の模式図であり、符号151は任意の非TYPE−C型のメス電源入力インターフェースであり、符号201は直流アダプタ20のアダプタヘッドであり、符号202は直流アダプタ20のアダプタケーブルである。ここで、直流アダプタ20は一体構造であり、すなわち、アダプタヘッド201とアダプタケーブル202とを分離することができず、且つ、アダプタケーブル201のインターフェースは非TYPE−C型の任意のオスインターフェースである。アダプタケーブル201に電源が投入されると、電源アダプタ装置10の電源入力インターフェース151は直流アダプタ20から伝送された電圧を受信し、電圧変換チップ17に伝送し、電圧変換チップ17は、通信プロトコルチップ16の要求に基づいて受信された電源電圧を電子機器に最適な適用電圧に変換し、電源出力インターフェース18を介して電子機器に伝送する。図1Dにおける電源アダプタ装置10を採用することにより、任意の非TYPE−C型のオスインターフェースの直流アダプタ20はTYPE−C型のメスインターフェースの電子機器に充電することができる。
【0032】
例示的には、図1Eは、電源アダプタ装置10が直流アダプタに物理的に接続された別の実物の模式図であり、符号152はUSBのA型オス電源入力インターフェースであり、符号181はUSBのA型メス電源出力インターフェースであり、符号203はUSBのA型メスインターフェースを含むアダプタヘッドであり、符号204はUSBのA型オスインターフェースを含むアダプタケーブルである。ここで、直流アダプタは分離式構造であり、すなわち、アダプタヘッド203とアダプタケーブル204とを分離することができる。図1Eにおける電源アダプタ装置10を採用し、アダプタヘッド203とアダプタケーブル204との間に電源アダプタ10を配置することにより、直流アダプタは、より多くの、同種のインターフェースかつ異なる給電パラメータの電子機器に充電することができる。
【0033】
上記電源アダプタ装置の電源入力インターフェースおよび電源出力インターフェースのタイプは、本実施例に係るインターフェースを含むだけでなく、他のタイプのインターフェースも同様に適用される。
【0034】
本実施例は電源アダプタ装置を提供し、電源入力インターフェース、通信プロトコルチップ、電圧変換チップ、および電源出力インターフェースに基づき、電源アダプタが該電源アダプタに合致しない複数種の電子機器に給電する可能性を実現し、関連技術における直流アダプタ(直流電源アダプタ)がTYPE−C型のUSBインターフェースの電子機器に適用ができないことによるソースの浪費の問題を解決し、ユーザは、外出する際に同一の直流アダプタを持てば、複数種の電子機器の充電タスクをこなすことができ、直流アダプタの利用率を向上させる。
【0035】
実施例2
図2は、本実施例に係る電源アダプタ装置の制御方法のフローチャートであり、本実施例は、電源アダプタ装置を制御する場合に適用でき、該方法は、本実施例に係る電源アダプタ装置の制御装置によって実行でき、該装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの形態で実現でき、該装置は、電源アダプタ装置の制御機能を提供するデバイスに集積できる。図2に示すように、本実施例に係る電源アダプタ装置の制御方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0036】
ステップ210において、通信プロトコルチップが第1検出端により入力電圧値を取得する。
【0037】
好ましくは、電源アダプタ装置は、電源入力インターフェースと、通信プロトコルチップと、電圧変換チップと、電源出力インターフェースとを備える。通信プロトコルチップは、第1検出端と、第2検出端と、制御端とを備え、ここで、第1検出端が電源アダプタ装置における電源入力インターフェースに電気的に接続され、第2検出端が電源出力インターフェースに電気的に接続され、制御端が電圧変換チップに接続される。
【0038】
通信プロトコルチップは、第1検出端により、電源入力インターフェースから入力電圧値を取得し、該電圧値は、電源アダプタ装置に電気的に接続された直流アダプタから供給される。直流アダプタが外部電源の交流電力を直流電力に変換する機能を有するため、通信プロトコルチップが第1検出端において取得した入力電圧は直流電圧値である。
【0039】
ステップ220において、前記通信プロトコルチップが第2検出端によりターゲット電圧値を取得する。
【0040】
好ましくは、通信プロトコルチップの第2検出端が電源アダプタ装置における電源出力インターフェースに電気的に接続される。ここで、電源出力インターフェースが電子機器に電気的に接続される。通信プロトコルチップが、電子機器と双方向通信する機能を有するため、電子機器が電源アダプタ装置を介して外部電源に接続された場合、電子機器は、給電の要求を満たすために、自体に最適な給電パラメータ(ターゲット電圧値および/またはターゲット電流値)を通信プロトコルチップに提供することができる。
【0041】
ステップ230において、前記通信プロトコルチップが、前記ターゲット電圧値および前記入力電圧値に基づいて電圧調整情報を確定する。
【0042】
好ましくは、各電子機器のターゲット電圧値が異なり、直流アダプタの給電電圧が接続された電子機器に合致するか否かを確定することができないため、通信プロトコルチップは、電子機器が要求するターゲット電圧値および電源入力インターフェースにより取得された入力電圧値に基づき、電圧調整情報を取得する。電子機器が要求するターゲット電圧値が、電源入力インターフェースにより取得された入力電圧値に等しい場合、通信プロトコルチップが最終的に確定した電圧調整情報は、入力電圧値を処理しないことである。電子機器が要求するターゲット電圧値が、電源入力インターフェースにより取得された入力電圧値に等しくない場合、通信プロトコルチップは、入力電圧を電子機器が要求するターゲット電圧に変換できる電圧調整情報を確定する。ここで、電圧調整情報は、電圧変換チップが識別可能な信号であり、電圧変換チップ調節回路のために設定されたパラメータである。
【0043】
例えば、通信プロトコルチップの第1検出端が電源入力インターフェースにより取得した入力電圧値が7Vであり、第2検出端が電源出力インターフェースにより取得したターゲット電圧値が5Vであると仮定すると、電子機器が要求するターゲット電圧値が電源入力インターフェースの入力電圧値に等しくないため、通信プロトコルチップは、7Vの電圧値をどのように5Vの電圧値に変換するかという電圧調整情報を確定し、電圧変換チップの電圧を変換する制御信号として該電圧調整情報を電圧変換チップに送信する。
【0044】
ステップ240において、電圧変換チップは、電源出力インターフェースの電圧値が前記ターゲット電圧値に一致するように、前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行う。
【0045】
電圧変換チップは、通信プロトコルチップから送信された電圧調整情報を受信すると、電圧調整情報に基づいて電源入力インターフェースの入力電圧値を電子機器が要求するターゲット電圧値に変換することにより、電源アダプタ装置における電源出力インターフェースの電圧値を電子機器が要求するターゲット電圧値に一致させる。電圧変換チップは、変換後のターゲット電圧を電源アダプタ装置における電源出力インターフェースに伝送し、電源出力インターフェースを介して電子機器に供給する。
【0046】
例えば、電圧変換チップは、上記7Vの電圧値を5Vの電圧値に変換する電圧調整情報を受信すると、電源入力インターフェースの入力電圧値7Vを電子機器が要求するターゲット電圧値5Vに変換する。
【0047】
例示的には、前記電圧変換チップが前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うことは、前記電圧変換チップが前記電圧変換チップの内部回路の抵抗値を調整すること、または、所定の通信プロトコルにより、前記電圧変換チップの内部回路を調整することを含む。
【0048】
好ましくは、電圧変換チップは、電源入力インターフェースの入力電圧値を電子機器が要求するターゲット電圧値に変換するように、内部回路の抵抗値の大きさを調整することができる。電圧変換チップは、所定の通信プロトコルにより電圧変換チップの内部回路を調整してもよい。ここで、所定の通信プロトコルは、事前に設定された、電圧変換チップの内部回路を調整するための1つのプロトコルであり、該通信プロトコルにより電子機器のターゲット電圧を取得し、例えば、集積回路バス(Inter−Integrated Circuit、IIC)通信プロトコルである。
【0049】
本実施例に係る電源アダプタ装置の制御方法において、通信プロトコルチップが検出されたターゲット電圧値および入力電圧値に基づいて電圧調整情報を確定し、電圧変換チップが電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うことにより、電源出力インターフェースの電圧値をターゲット電圧値に合致させ、電源アダプタが該電源アダプタに合致しない複数種の電子機器に給電する可能性を実現し、直流アダプタの利用率は最大化される。
【0050】
実施例3
図3は、本実施例に係る電源アダプタ装置の制御方法のフローチャートであり、本実施例は、上記実施例の基に、前記通信プロトコルチップが第2検出端によりターゲット電圧値を取得することは、前記通信プロトコルチップが、第2検出端において、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値をPDプロトコルによって取得することを含む。
【0051】
図3に示すように、本実施例の方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0052】
ステップ310において、通信プロトコルチップが第1検出端により入力電圧値を取得する。
【0053】
ステップ320において、前記通信プロトコルチップが、第2検出端において、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値をPDプロトコルによって取得する。
【0054】
ここで、ターゲットデバイスは、電源アダプタ装置に電気的に接続された電子機器である。PDプロトコルは、TYPE−Cポートの後に提出された電力伝送の概念であり、電子機器との双方向通信の機能を実現することができる。通信プロトコルチップの第2検出端が電源出力インターフェースに接続され、また、電源出力インターフェースがターゲットデバイスに接続されるため、通信プロトコルチップの第2検出端が電源出力インターフェースに接続されると、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値を取得することができる。
【0055】
例示的には、PDプロトコルにより、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値を取得した後、前記ターゲットデバイスが要求するターゲット電流値を取得することと、所定の関係テーブルに基づき、前記ターゲット電圧値に対応する第1電流値を取得することと、前記ターゲット電流値が前記第1電流値よりも大きければ、前記第1電流値を、前記ターゲットデバイスが要求する電流値とすることとを更に含む。
【0056】
ここで、ターゲット電流値はターゲットデバイスの定格電流値であり、所定の関係テーブルは、PDプロトコルチップのソース機能パッケージ(Source capability package)に記憶された参照値である。一般的には、PDプロトコルチップにおける所定の関係テーブルは、7段の電圧値と電流値とのキー値ペアを含むことができ、且つ、各段の電圧値は電流値と1対1で対応する。所定の関係テーブルに含まれる7段の電圧値と電流値は、既に現在の複数種の小型モバイル電子機器の要求、つまり、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値を十分に満足し、PDプロトコルチップは、第1検出端において取得した入力電圧値をターゲットデバイスの必要なターゲット電圧値に変換するにように、電圧変換チップを制御することができる。しかし、ターゲット電流値は、ターゲット電圧値のように変換すれば容易に解決できるものではない。
【0057】
直流アダプタおよび電圧変換チップ自体が定格電流を有するため、過電流値が定格電流値よりも大きくなると、デバイスを焼損するため、ターゲットデバイスが要求するターゲット電流値は、直流アダプタおよび電圧変換チップ自体の定格電流値よりも小さい必要がある。
【0058】
好ましくは、通信PDプロトコルチップは、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値およびターゲット電流値を取得した後、所定の関係テーブルにおいて要求されるターゲット電圧値と同じ電圧を照合し、当該電圧に対応する第1電流値を取得する。ターゲット電流値と第1電流値とを比較し、ターゲット電流値が第1電流値よりも大きい場合、第1電流値をターゲットデバイスが要求する電流としてターゲットデバイスに送信する(すなわち、ターゲットデバイスが要求するターゲット電流値を更新する)。
【0059】
ステップ330において、前記通信プロトコルチップが、前記ターゲット電圧値および前記入力電圧値に基づいて電圧調整情報を確定する。
【0060】
ステップ340において、電圧変換チップは、電源出力インターフェースの電圧値が前記ターゲット電圧値に一致するように、前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行う。
【0061】
本実施例に係る方法は、ターゲットデバイスが要求するターゲット電流値が直流アダプタの定格電流よりも小さいが、PDプロトコルチップにおけるターゲット電圧値に対応する第1電流値よりも大きい場合に適用される。
【0062】
本実施例は、PDプロトコルチップにより、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値およびターゲット電流値を取得し、PDプロトコルチップに記憶されたターゲット電圧値に対応する第1電流値とターゲット電流値とを比較することにより、ターゲットデバイスの最終電圧値および電流値を取得し、ターゲットデバイスに充電を行いながら、電流の過大によるデバイスの焼損を回避する。
【0063】
実施例4
図4は、本実施例に係る電源アダプタ装置の制御方法のフローチャートであり、本実施例は、上記実施例の基に、前記通信プロトコルチップが、前記第2検出端によりターゲットデバイスの接続状態を検出することと、前記第2検出端によりターゲットデバイスの接続の存在が検出されると、前記電源出力インターフェースのリアルタイム出力電圧値を監視することと、前記リアルタイム出力電圧値の電圧降下と前記ターゲット出力電圧値との比が所定の比の閾値を超える場合、現在の出力電流値を取得して電源線をオフにすることと、前記現在の出力電流値と前記リアルタイム出力電圧値とのキー値ペアを記憶することと、前記キー値ペアを前記ターゲットデバイスに送信して前記電源線をオンにすることとを更に含む。
【0064】
図4に示すように、本実施例の方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0065】
ステップ410において、通信プロトコルチップが第1検出端により入力電圧値を取得する。
【0066】
ステップ420において、前記通信プロトコルチップが、第2検出端において、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値をPDプロトコルによって取得する。
【0067】
ステップ430において、前記通信プロトコルチップが、前記ターゲット電圧値および前記入力電圧値に基づいて電圧調整情報を確定する。
【0068】
ステップ440において、電圧変換チップが、電源出力インターフェースの電圧値が前記ターゲット電圧値に一致するように、前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行う。
【0069】
ステップ450において、前記通信プロトコルチップが、前記第2検出端によりターゲットデバイスの接続状態を検出する。
【0070】
好ましくは、通信プロトコルチップの第2検出端が電源出力インターフェースに接続されたため、ターゲットデバイスの接続状態を検出することができる。電源アダプタ装置が直流アダプタに接続され、且つ、外部電源が投入され、ターゲットデバイスに接続されていない場合、通信プロトコルチップの第2検出端により検出された電圧は一定値であり、電圧値は変化しない。ターゲットデバイスに接続された場合、監視された電圧値は変化する。
【0071】
ステップ460において、前記第2検出端によりターゲットデバイスの接続の存在が検出されると、前記電源出力インターフェースのリアルタイム出力電圧値を監視する。
【0072】
通信プロトコルチップの第2検出端は電源出力インターフェースを持続的に監視し、取得された電圧値が変化すると、第2検出端がターゲットデバイスの接続の存在を検出したことは確認され、且つ、電源出力インターフェースのリアルタイム出力電圧値を取得することができる。
【0073】
または、通信プロトコルチップの第2検出端は電源出力インターフェースのリアルタイム出力電圧値を持続的に監視するが、ターゲットデバイスが存在するか否かを判断しない。
【0074】
ステップ470において、前記リアルタイム出力電圧値の電圧降下と前記ターゲット出力電圧値との比が所定の比の閾値を超える場合、現在の出力電流値を取得して電源線をオフにする。
【0075】
ここで、所定の比の閾値は、経験的に設定された1つの動的値であり、一般的には20%に設定され、すなわち、リアルタイム出力電圧値の電圧降下とターゲット出力電圧値との比が20%を超える場合、現在の出力電流値を取得して電源線をオフにする。
【0076】
好ましくは、通信プロトコルチップは、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値を取得し、所定の関係テーブルに記憶された電圧と照合し、電圧変換チップを制御して入力電圧値を調整することにより、出力ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値を供給する。電圧変換チップは、変換が成功したターゲット電圧値を電源出力インターフェースに出力し、該ターゲットデバイスのターゲット出力電圧値とする。しかし、ターゲットデバイスが要求する電流値が直流アダプタの定格電流を越えるため、通信プロトコルチップの第2検出端により取得されたリアルタイム出力電圧値は下がり続ける。リアルタイム出力電圧の電圧降下とターゲット出力電圧との比が所定の比の閾値を超える場合、直流アダプタを焼損することを防止するために、この時、電源線(VBUS)をオフにして回路を保護し、現在の出力電流値を取得する。
【0077】
ステップ480において、前記現在の出力電流値を前記所定の関係テーブルに記憶し、前記ターゲット出力電圧値と新しいキー値ペアを形成する。
【0078】
好ましくは、リアルタイム出力電圧値の低下に伴い、現在の出力電流値を大きくする。実際の操作において、リアルタイム出力電圧値の電圧降下とターゲット出力電圧値との比が20%を超えた場合の現在の出力電流値を、直流アダプタが耐えられる最大電流値とする。そのため、現在の出力電流値を所定の関係テーブルに記憶し、該電圧の段に合致させ、ターゲット出力電圧(ターゲット電圧)と新しいキー値ペアを形成する。
【0079】
PD通信プロトコルチップにおける所定の関係テーブルに7段の電圧値と電流値とのキー値ペアが記憶されたため、現在の出力電流値を所定の関係テーブルに記憶するという過程は、既存の所定の関係テーブルにおける該当する電圧段に対応する既存の電流値を更新することと同等である。
【0080】
ステップ490において、前記キー値ペアを前記ターゲットデバイスに送信して前記電源線をオンにする。
【0081】
好ましくは、通信プロトコルチップは、更新後のキー値ペアをターゲットデバイスに送信することにより、ターゲットデバイスは、更新後のキー値ペアを新しい給電パラメータとして要求する。また、給電するために電源線をオンにする。
【0082】
本実施例に係る方法は、ターゲットデバイスが要求するターゲット電流値がPDプロトコルチップにおけるターゲット電圧値に対応する第1電流値よりも小さいが、直流アダプタの定格電流よりも大きい場合に適用される。
【0083】
好ましくは、ターゲットデバイスの要求するターゲット電流値が、PDプロトコルチップにおけるターゲット電圧値に対応する第1電流値よりも大きく、且つ、直流アダプタの定格電流よりも大きい場合、小さい電流値を取得して場合によって処理すべきである。
【0084】
本実施例に係る電源アダプタ装置の制御方法において、通信プロトコルチップの第2検出端により監視されたリアルタイム出力電圧値の電圧降下とターゲット出力電圧値との比が所定の比の閾値を超える場合、現在の出力電流値を取得して新しい所定の関係テーブルにおけうターゲット電圧に対応する電流値とし、ターゲットデバイスが要求する新しい給電パラメータとすることにより、従来の電源アダプタは、USBのPD通信プロトコルに基づくTYPE−C型のUSBインターフェースの複数種の電子機器に適用され、電源アダプタの利用率を向上させることができる。
【0085】
実施例5
図5は、本実施例に係る電源アダプタ装置の制御装置の構造模式図であり、本実施例は、複数種の電源アダプタ装置の制御の場合に適用でき、該装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの形態で実現でき、該装置は、電源アダプタ装置の制御機能を提供可能なデバイスに集積できる。図5に示すように、入力電圧取得モジュール51と、ターゲット電圧取得モジュール52と、電圧調整情報確定モジュール53と、電圧調整情報送信モジュール54とを備える。
【0086】
入力電圧取得モジュール51は、第1検出端により入力電圧を取得するように構成される。
【0087】
ターゲット電圧取得モジュール52は、第2検出端によりターゲット電圧を取得するように構成される。
【0088】
電圧調整情報確定モジュール53は、前記ターゲット電圧取得モジュールにより取得された前記ターゲット電圧、および前記入力電圧取得モジュールにより取得された前記入力電圧に基づき、電圧調整情報を確定するように構成される。
【0089】
電圧調整情報送信モジュール54は、前記電源出力インターフェースの電圧が前記ターゲット電圧に一致するように前記電圧変換チップが前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うために、前記電圧調整情報を電圧変換チップに送信するように構成される。
【0090】
上記実施例の基に、前記ターゲット電圧取得モジュール52は、前記通信プロトコルチップが、第2検出端において、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値をPDプロトコルによって取得するように構成される。
【0091】
上記実施例の基に、第1電流確定モジュール55を更に備える。
【0092】
第1電流確定モジュール55は、PDプロトコルにより、ターゲットデバイスが要求するターゲット電圧値を取得した後、前記ターゲットデバイスが要求するターゲット電流値を取得し、所定の関係テーブルに基づき、前記ターゲット電圧値に対応する第1電流値を取得し、前記ターゲット電流値が前記第1電流値よりも大きければ、前記第1電流値を、前記ターゲットデバイスが要求する電流値とするように構成される。
【0093】
上記実施例の基に、第2電流確定モジュール56を更に備える。
【0094】
第2電流確定モジュール56は、前記通信プロトコルチップが、前記第2検出端によりターゲットデバイスの接続状態を検出し、前記第2検出端によりターゲットデバイスの接続の存在が検出されると、前記電源出力インターフェースのリアルタイム出力電圧値を監視し、前記リアルタイム出力電圧値の電圧降下と前記ターゲット出力電圧値との比が所定の比の閾値を超える場合、現在の出力電流値を取得して電源線をオフにし、前記現在の出力電流値を前記所定の関係テーブルに記憶し、前記ターゲット出力電圧値と新しいキー値ペアを形成し、前記キー値ペアを前記ターゲットデバイスに送信して前記電源線をオンにするように構成される。ここで、現在の出力電流値とは第2電流値である。
【0095】
上記実施例の基に、前記電圧調整情報送信モジュール54は、前記電圧変換チップが前記電圧変換チップの内部回路の抵抗値を調整し、または、所定の通信プロトコルにより、前記電圧変換チップの内部回路を調整するように構成される。
【0096】
本実施例に係る電源アダプタ装置の制御装置は、通信プロトコルチップにより、検出されたターゲット電圧値および入力電圧値に基づき、電圧調整情報を確定し、電圧変換チップは、電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うことにより、電源出力インターフェースの電圧値をターゲット電圧値に合致させ、電源アダプタが該電源アダプタに合致しない複数種の電子機器に給電する可能性を実現し、直流アダプタの利用率は最大化される。
【0097】
実施例6
本実施例は、上記方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令が記憶されるコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0098】
図6は、本実施例に係る制御デバイスのハードウェアの構造模式図であり、図6に示すように、該制御デバイスは、1つまたは複数のプロセッサ610と、メモリ620と、通信プロトコルチップ630と、電圧変換チップ640とを備える。図6において、1つのプロセッサ610を例とする。
【0099】
前記制御デバイスは、入力装置650および出力装置660を更に備えてもよい。
【0100】
前記制御デバイスにおけるプロセッサ610、メモリ620、通信プロトコルチップ630、電圧変換チップ640、入力装置650、および出力装置660は、バスまたは他の方式により接続することができ、図6において、バスにより接続されるものを例とする。
【0101】
メモリ620はコンピュータ可読記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能プログラムおよびモジュールを記憶するために使用できる。プロセッサ610は、メモリ620に記憶されたソフトウェアプログラム、命令およびモジュールを運行することにより、複数種の機能アプリケーションおよびデータ処理を実行し、上記実施例におけるいずれか1種の電源アダプタ装置の制御方法を実現する。
【0102】
メモリ620は、プログラム記憶エリアおよびデータ記憶エリアを含むことができ、ここで、プログラム記憶エリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションを記憶することができる。データ記憶エリアは、制御デバイスの使用に応じて作成されたデータ等を記憶することができる。また、メモリは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、 RAM)等の揮発性メモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ装置または他の非一時的固体記憶装置のような不揮発性メモリを含んでもよい。
【0103】
メモリ620は、非一時的コンピュータ記憶媒体または一時的コンピュータ記憶媒体であってもよい。該非一時的コンピュータ記憶媒体は、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ装置、または他の不揮発性固体記憶装置である。一部の実施例において、メモリ620は、プロセッサ610に対してリモートに設けられたメモリを含むことが好ましく、これらのリモートメモリは、ネットワークを介して制御デバイスに接続することができる。上記ネットワークの実施例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信ネットワーク、およびこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0104】
通信プロトコルチップ630は、入力電圧値およびターゲット電圧値を取得し、前記ターゲット電圧値および前記入力電圧値に基づいて電圧調整情報を確定することに用いられ、電圧変換チップ640は、電源出力インターフェースの電圧値が前記ターゲット電圧値に一致するように、前記電圧調整情報に基づいて電圧変換を行うことに用いられる。
【0105】
入力装置650は、入力された数字または文字情報を受信し、制御デバイスのユーザ設置および機能制御に関するキー信号入力を生成するために使用することができる。出力装置660はディスプレイ等の表示装置を備えてもよい。
【0106】
上記実施例の方法における全てまたは一部のフローを実現するために、コンピュータプログラムにより関連するハードウェアを実行して達成することができ、該プログラムは1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、該プログラムを実行する時、上記方法の実施例のようなフローを含んでもよく、ここで、該非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用記憶(ROM)、またはランダムアクセスメモリ(RAM)等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本実施例に係る電源アダプタ装置、制御方法および制御装置は、電源入力インターフェース、通信プロトコルチップ、電圧変換チップ、および電源出力インターフェースに基づき、電源アダプタが該電源アダプタに合致しない複数種の電子機器に給電する可能性を実現し、関連技術における電源アダプタがTYPE−C型のUSBインターフェースの電子機器に適用ができないことによるソースの浪費の問題を解決し、ユーザは、外出する際に同一の従来の直流アダプタを持てば、複数種の電子機器の充電タスクをこなすことができ、従来の直流アダプタの利用率を向上させる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6