特許第6929672号(P6929672)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6929672
(24)【登録日】2021年8月13日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】毛髪用組成物及び毛髪処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/39 20060101AFI20210823BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20210823BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
   A61K8/39
   A61Q5/12
   A61K8/31
   A61Q5/02
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-53930(P2017-53930)
(22)【出願日】2017年3月21日
(65)【公開番号】特開2018-154597(P2018-154597A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 紘介
【審査官】 松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−185938(JP,A)
【文献】 特開2015−221770(JP,A)
【文献】 特開2017−178930(JP,A)
【文献】 特開2017−039669(JP,A)
【文献】 特開2016−190841(JP,A)
【文献】 特開2016−179975(JP,A)
【文献】 特開平06−080539(JP,A)
【文献】 特開2017−014120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/39
A61K 8/31
A61Q 5/02
A61Q 5/12
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)及び(B)が配合され、洗い流すトリートメント、洗い流さないトリートメント、又は毛髪洗浄剤として用いられることを特徴とする毛髪用組成物。
(A)トリプロピレングリコール
(B)スクワラン及び炭素数13以上19以下の液状炭化水素から選ばれた一種又は二種以上
【請求項2】
前記成分(B)として2,6,10−トリメチルドデカンが配合された請求項1に記載の毛髪用組成物。
【請求項3】
前記成分(B)として水添ファルネセンが配合された請求項1に記載の毛髪用組成物。
【請求項4】
前記成分(B)の配合量が0.005質量%以上3.0質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪用組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪用組成物を使用することを特徴とする毛髪処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗い流すトリートメント、洗い流さないトリートメント、毛髪洗浄剤などに使用される毛髪用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
髪質、ヘアカラー処理履歴、年代などによって毛髪の感触は異なり、個人の要望に応じて、保湿感、柔らかさ、ハリ、滑らかさといった感触の向上が求められる。例えば、保湿感に関係する保湿成分を配合した組成物で毛髪を処理すれば、水分量が要因の一つといわれている柔らかさの向上、くせ毛の抑制を期待できる。
【0003】
特許文献1には、保湿成分の例として、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコールが開示され(特許文献1の段落0002、0018参照)、特許文献2にはトリプロピレングリコールを配合した毛髪用化粧料が開示されており(特許文献2の請求項1参照)、このトリプロピレングリコールも多価アルコールの一種であるから、毛髪の柔らかさの向上を期待できる。また、特許文献3には、特定のエーテル型陽イオン性界面活性剤と、動物油、植物油、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、セレシン及びスクワランから選ばれる1種以上の油剤とを含有する毛髪化粧料が、毛髪の良好な柔軟性、すべり性及びしっとり感を付与できる旨の開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−297296号公報
【特許文献2】特開2016−190806号公報
【特許文献3】特開2003−327513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、毛髪の柔らかさを向上させるために適した毛髪用組成物、及び当該組成物を使用する毛髪処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者が鋭意検討を行った結果、トリプロピレングリコール、並びに、スクワラン及び炭素数13以上19以下の液状炭化水素から選ばれた一種又は二種以上の配合が、毛髪の柔らかさの向上に適することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係る毛髪用組成物は、トリプロピレングリコールと、スクワラン及び炭素数13以上19以下の液状炭化水素から選ばれた一種又は二種以上とを配合したことを特徴とする。
【0008】
本発明の毛髪用組成物は、前記成分(B)として2,6,10−トリメチルドデカンが配合されたものが良い。2,6,10−トリメチルドデカンの配合は、毛髪の柔らかさ向上に適する。
【0009】
本発明の毛髪用組成物は、前記成分(B)として水添ファルネセンが配合されたものが
良い。水添ファルネセンは、2,6,10−トリメチルドデカンを含むといわれており、水添ファルネセンの配合は、毛髪の柔らかさ向上に適する。
【0010】
本発明に係る毛髪用組成物は、例えば、洗い流すトリートメント、洗い流さないトリートメント、又は毛髪洗浄剤として用いられる。
【0011】
本発明に係る毛髪処理方法は、本発明に係る毛髪用組成物を使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る毛髪用組成物によれば、トリプロピレングリコールと、スクワラン及び炭素数13以上19以下の液状炭化水素から選ばれた一種又は二種以上とが配合されているので、毛髪の柔らかさが向上する。
【0013】
また、本発明に係る毛髪処理方法によれば、トリプロピレングリコールと、スクワラン及び炭素数13以上19以下の液状炭化水素から選ばれた一種又は二種以上とが配合された毛髪用組成物が使用されるので、毛髪の柔らかさが向上する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に基づき、本発明を以下に説明する。
本実施形態に係る毛髪用組成物は、下記成分(A)及び(B)が配合されたものである。また、実使用上許容されるのであれば、公知の毛髪用組成物に配合されている成分を、更に配合しても良い。
(A)トリプロピレングリコール
(B)スクワラン及び炭素数13以上19以下の液状炭化水素から選ばれた一種又は二種以上
【0015】
本実施形態の毛髪用組成物において、成分(A)であるトリプロピレングリコールの配合量は、特に限定されないが、0.005質量%以上5.0質量%以下が良く、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下が更により好ましい。0.005質量%以上であると、毛髪の柔らかさ向上により適し、5.0質量%以下であると、毛髪のべたつく感触の抑制に適する。
【0016】
本実施形態の毛髪用組成物において、上記の通り、スクワラン及び炭素数13以上19以下の液状炭化水素から選ばれた一種又は二種以上が成分(B)として配合される。本実施形態の毛髪用組成物における成分(B)の配合量は、特に限定されないが、0.005質量%以上5.0質量%以下が良く、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下が更により好ましい。0.005質量%以上であると、毛髪の柔らかさ向上により適し、5.0質量%以下であると、毛髪のべたつく感触の抑制に適する。
【0017】
成分(B)であるスクワランは、公知の通り、サメ肝油から得たスクワレン、オリーブ油などの植物油から得たスクワレン、又は、サトウキビ糖液の発酵液から得たファルネセンの二量化物を、水素添加することで得られる。また、イソプレンを重合させることでも得られる。本実施形態の毛髪用組成物にスクワランを配合する場合、その配合量は、特に限定されないが、0.005質量%以上5.0質量%以下が良く、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下が更により好ましい。0.005質量%以上であると、毛髪の柔らかさ向上により適し、5.0質量%以下であると、毛髪のべたつく感触の抑制に適する。
【0018】
成分(B)である炭素数13以上19以下の液状炭化水素としては、(C13−15)アルカン、(C15−19)アルカンなどが挙げられる(ここで例を挙げた液状炭化水素は、「表示名称」に準じた成分名である。)。本実施形態の毛髪用組成物に炭素数13以上19以下の液状炭化水素を配合する場合、その配合量は、特に限定されないが、0.005質量%以上5.0質量%以下が良く、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下が更により好ましい。0.005質量%以上であると、毛髪の柔らかさ向上により適し、5.0質量%以下であると、毛髪のべたつく感触の抑制に適する。
【0019】
また、2,6,10−トリメチルドデカンも上記炭素数13以上19以下の液状炭化水素の一種である。本実施形態の毛髪用組成物に2,6,10−トリメチルドデカンの液状炭化水素を配合する場合、その配合量は、特に限定されないが、0.005質量%以上5.0質量%以下が良く、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下が更により好ましい。0.005質量%以上であると、毛髪の柔らかさ向上により適し、5.0質量%以下であると、毛髪のべたつく感触の抑制に適する。
【0020】
水添ファルネセンは、2,6,10−トリメチルドデカンを含むといわれており、成分(B)に該当する。当該水添ファルネセンは、例えばサトウキビ糖液の発酵液から得たファルネセンを水素添加して製造可能である。本実施形態の毛髪用組成物に水添ファルネセンを配合する場合、その配合量は、特に限定されないが、0.005質量%以上5.0質量%以下が良く、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下が更により好ましい。0.005質量%以上であると、毛髪の柔らかさ向上により適し、5.0質量%以下であると、毛髪のべたつく感触の抑制に適する。
【0021】
本実施形態の毛髪用組成物には、上記の通り、公知の毛髪用組成物に配合されている成分を更に配合しても良い。その成分としては、毛髪用組成物の用途に応じて適宜選定され、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高級アルコール、多価アルコール、油脂、エステル油、シリコーン、高分子化合物である。
【0022】
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩が挙げられる。毛髪用組成物にアニオン界面活性剤を配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物におけるアニオン界面活性剤の配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.1質量%以上20質量%以下である。
【0023】
カチオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩が挙げられる。毛髪用組成物にカチオン界面活性剤を配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物におけるカチオン界面活性剤の配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.1質量%以上20質量%以下である。
【0024】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタインが挙げられる。毛髪用組成物に両性界面活性剤を配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物における両性界面活性剤の配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.1質量%以上10質量%以下である。
【0025】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。毛髪用組成物にノニオン界面活性剤を配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物におけるノニオン界面活性剤の配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.1質量%以上20質量%以下である。
【0026】
高級アルコールとしては、例えば、セタノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコールが挙げられる。毛髪用組成物に高級アルコールを配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物における高級アルコールの配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば1質量%以上10質量%以下である。
【0027】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ブチレングリコールが挙げられる。毛髪用組成物に多価アルコールを配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物における多価アルコールの配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.1質量%以上20質量%以下である。
【0028】
油脂としては、例えばアボガド油、オリーブ油、シア脂油、月見草油、ツバキ油、ローズヒップ油が挙げられる。毛髪用組成物に油脂を配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物における油脂の配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.1質量%以上5質量%以下である。
【0029】
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸ヘキシル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ステアリン酸コレステリルが挙げられる。毛髪用組成物にエステル油を配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物におけるエステル油の配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.1質量%以上10質量%以下である。
【0030】
シリコーンとしては、例えば、ジメチルシリコーン、環状ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーンが挙げられる。毛髪用組成物にシリコーンを配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物におけるシリコーンの配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.1質量%以上50質量%以下である。
【0031】
合成高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸系高分子(カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸/メタクリル酸アルキル)コポリマーが挙げられる。半合成高分子化合物としては、例えば、セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロースなど)、デンプン誘導体(ヒドロキシプロピルデンプンリン酸など)、グアーガム誘導体(カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピル化グアーガムなど)が挙げられる。また、天然高分子としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムが挙げられる。毛髪用組成物に高分子化合物(合成高分子化合物、半合成高分子化合物、天然高分子化合物)を配合する場合、一種又は二種以上を配合すると良い。また、毛髪用組成物における高分子化合物の配合濃度は、当該組成物の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.1質量%以上5質量%以下である。
【0032】
本実施形態の毛髪用組成物は、毛髪に塗布して毛髪処理する方法で使用される。例えば、(1)濡れた毛髪に塗布後、毛髪を水洗して使用する洗い流すトリートメント、(2)濡れた毛髪又は乾燥した毛髪に塗布後、毛髪を水洗しないで使用する洗い流さないトリートメント、(3)毛髪表面を洗浄するために、濡れた毛髪に塗布後、毛髪を水洗して使用する毛髪洗浄剤として、本実施形態の毛髪用組成物が用いられる。
【0033】
上記毛髪用組成物が、洗い流すトリートメント、洗い流さないトリートメント、又は毛髪洗浄剤として用いられる場合、成分(A)及び(B)と共に配合される原料の組合せ例を挙げれば次の通りである。洗い流すトリートメントにおいて配合される原料の組合せとしては、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高級アルコール、多価アルコール、油脂、エステル油、シリコーン、合成高分子化合物、及び水である。洗い流さないトリートメントにおいて配合される原料の組合せとしては、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、多価アルコール、油脂、エステル油、シリコーン、合成高分子化合物、天然高分子化合物、及び水である。毛髪洗浄剤において配合される原料の組合せとしては、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、多価アルコール、半合成高分子化合物、及び水である。
【0034】
本実施形態の毛髪用組成物の使用時の剤型は、特に限定されず、例えば、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状(泡状)、霧状が挙げられる。また、本実施形態の毛髪用組成物が油相と水相を有する場合、外相が水である水中油型の剤型、外相が油相である油中水型の剤型のいずれであっても良い。水中油型の剤型である場合、水の配合量は、例えば60質量%以上である。油中水型の剤型である場合、水の配合量は、例えば10質量%以下である。
【0035】
本実施形態の毛髪用組成物の25℃におけるpHは、適宜設定されるべきものであるが、例えば4.0以上7.0以下である。
【実施例】
【0036】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0037】
(毛髪用組成物)
実施例及び比較例の毛髪用組成物を、下記表1に記載の通り、トリプロピレングリコール、水添ファルネセン、スクワラン、ホホバ油、アボカド油、オリーブ油及び月見草油から選んだ一種又は二種、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王社製「エマール227HP」)、並びに水を配合して製造した。なお、下記表1における配合量の単位は「質量%」であり、「残部」は「100質量%にする量」を意味する。
【0038】
(毛髪の柔らかさの評価)
日本人女性の根元近くから採取した毛髪の柔らかさの評価を行った。この評価では、測定装置で得られるB値の平均値を、ねじり強度の指標とした。また、使用した測定装置などは、以下の通りとした。
ねじり強度測定装置:カトーテック社製ねじり試験機「KES−YN−1」
毛髪のねじり条件:時計回りに3回転後、反時計回りに3回転
測定対象毛髪長さ:固定した上端から下端までの毛髪の長さ2cm
測定対象毛髪数:50本(女性一人から10本を採取)
測定前毛髪の処理:未処理の毛髪又は毛髪用組成物で処理した毛髪を、25℃、湿度50%の雰囲気に一晩放置
毛髪用組成物による処理:毛髪を毛髪用組成物に5分間浸漬後、風乾
【0039】
なお、上記測定においては、未処理の毛髪及び毛髪用組成物で処理した毛髪共に共通する毛髪を使用した。そして、各測定後においては、毛髪における残留応力を除去する目的で、毛髪を水中に一晩浸漬した。
【0040】
下記表1に、ねじり強度の測定結果を、実施例及び比較例の毛髪用組成物に配合した成分及びその配合量と共に示す。トリプロピレングリコールと、水添ファルネセン又はスクワランを配合した実施例1a、1bは、ねじり強度の値が小さく、毛髪の柔らかさの向上に優れる結果であったことを確認できる。
【0041】
【表1】