(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6929679
(24)【登録日】2021年8月13日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】装飾格子の取付け装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/01 20060101AFI20210823BHJP
E06B 5/16 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
E06B9/01 E
E06B9/01 F
E06B5/16
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-60580(P2017-60580)
(22)【出願日】2017年3月27日
(65)【公開番号】特開2018-162600(P2018-162600A)
(43)【公開日】2018年10月18日
【審査請求日】2020年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101776
【氏名又は名称】アルメタックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
(72)【発明者】
【氏名】中川 智
(72)【発明者】
【氏名】林 将弘
【審査官】
藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3113167(JP,U)
【文献】
実開平05−032690(JP,U)
【文献】
米国特許第05428924(US,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0953218(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/01,9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の框材と上記框材内に保持したガラスとからなる障子と、上記障子に対向する金属製の筒体を有する装飾格子と、上記装飾格子を上記框材に取付ける金属製の取付け部材とを備えている窓又はドアからなる防火戸における装飾格子の取付け装置において、
上記筒体の端部に圧入されるとともに上記取付け部材を介して上記框材に取付けられるキャップを備え、
上記装飾格子は上記筒体の端部から軸方向に向けて切りかかれた切欠き溝を有し、
上記キャップは、上記筒体の端部の開口端面に当接するヘッド部と、上記ヘッド部から軸方向に延びて上記筒体内に圧入された筒部と、上記筒部のヘッド部側端部から外方に向けて膨出又は突出して上記切欠き溝内に嵌合する突出部と、上記突出部に穿った係止孔とを有し、
上記取付け部材は上記框材の外面側から上記係止孔と上記切欠き溝に挿入して上記突出部に嵌合されるボルト又はビスで構成されている
ことを特徴とする装飾格子の取付け装置。
【請求項2】
上記突出部の内周に当接する金属製のナットを備え、
上記ボルト又はビスが上記ナットに螺合している
ことを特徴とする請求項1に記載の装飾格子の取付け装置。
【請求項3】
躯体の開口部に取付けた金属製の框材と上記框材内に保持したガラスとからなる障子と、上記障子に対向する金属製の筒体を有する装飾格子と、上記装飾格子を上記框材に取付ける金属製の取付け部材とを備えているサッシ窓における装飾格子の取付け装置において、
上記筒体の端部に圧入される合成樹脂製のキャップを備え、
上記装飾格子は上記筒体の端部から軸方向に向けて切りかかれた切欠き溝を有し、
上記キャップは、上記筒体の端部の開口端面に当接するヘッド部と、上記ヘッド部から軸方向に延びて上記筒体内に圧入された筒部と、上記筒部のヘッド部側端部から外方に向けて膨出又は突出して上記切欠き溝内に嵌合する突出部と、上記突出部に穿った係止孔とを有し、
上記取付け部材は上記框材の外面側から上記係止孔と上記切欠き溝に挿入して上記突出部に嵌合されるボルト又はビスで構成されている
ことを特徴とする装飾格子の取付け装置。
【請求項4】
上記突出部の内周に当接する金属製のナットを備え、
上記ボルト又はビスが上記ナットに螺合している
ことを特徴とする請求項3に記載の装飾格子の取付け装置。
【請求項5】
上記筒体と上記筒部とに互いに対向するとともに上記取付け部材から外れた位置に形成される差込孔を有し、
上記差込孔内にボルト又はビスからなる止め具が差し込まれて上記筒体と上記筒部との外れ止めが施されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装飾格子の取付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅、マンション、ビルディング等の建築物の窓やドア等の防火戸における装飾格子の取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一戸住宅、マンション等の建築物のサッシ窓やガラスは障子とこの障子に対向して装飾格子、いわゆる面格子を配置したものが多く採用されている。
【0003】
この種,例えば、サッシ窓としては、障子に対向して装飾格子を設けることでサッシ窓の美観を向上させる装飾機能を有し、併せて、サッシ窓の耐久性を向上させながら外部から不審者が侵入するのを防止する防犯機能も有している。
【0004】
そして、この障子に対する装飾格子の取付け装置として、金属製の機械式取付け構造が一般的に採用されている。
【0005】
この機械式取付け構造としては、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているものが開発されている。
【0006】
即ち、特許文献1に開示されている装飾格子の取付け装置はガラスドアに適用されたもので、ガラスドアの框たる建具枠内に組み枠を介して装飾格子が嵌め込まれ、装飾格子と組み枠とがビスを介して建具枠に機械式にねじ止めされたものである。
【0007】
また、特許文献2に開示されている装飾格子の取付け装置は、ガラス窓に嵌め込まれた装飾格子が内側から枠を貫通する釘状のピン部材で框に機械式に固定するものであり、併せて、框に対して装飾格子の上端部と下端部とをそれぞれ位置決め部材を介して位置決めしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実公平2−36879号公報 (実用新案登録請求の範囲、
図1参照)
【特許文献2】実開平6−37488号公報(
図1〜
図4、段落0008及び0011参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1、特許文献2に開示されている装飾格子の取付け装置は機能上特に欠陥が有るわけではないが次のような不具合の改善が望まれている。
【0010】
即ち、建築物の付近で火災が発生した場合には外部からの火炎が窓やドア等から室内に侵入するのを防止して延焼を避ける必要があり、逆に建築物の室内で火災が発生した場合に室内の火炎が窓やドアから外部へ噴出するのを防止して付近の建築物へ延焼するのを防止する必要があり、窓やドアは防火戸の機能を発揮
させる必要がある。
【0011】
しかるに、上記特許文献1、特許文献2に示す窓やドアは付近の隣接する建物に火災が発生した時、又は自分の建物の室内で火災が発生した時、障子側の框と装飾格子が機械式の取付け装置でしっかりと固定されているため、そのまま固定されている状態で火炎により加熱されてしまう。
【0012】
この為、框と装飾格子の一方又は両方が高温で変形し、障子側の変形した部分に亀裂や隙間が発生し、外部で火災が発生した場合はこれらの亀裂や隙間から火炎が自己の建物に侵入して自己の建物に延焼し、逆に自己の建物の室内で火災が発生した場合はこの亀裂や隙間から火炎が外部に噴出し、周辺の建築物に延焼してしまう恐れがある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、火災が発生して窓やドア等の防火戸が高温に晒されても、障子側の変形による亀裂や隙間の発生が防止され、火炎の侵入、噴出を防止できる窓やドア等の防火戸における装飾格子の取付け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成する為、本発明の一つの手段は、金属製の框材
と上記框材内に保持したガラスとからなる障子と、上記障子に対向する金属製の筒体
を有する装飾格子と、上記装飾格子を上記框材に取付ける金属製の取付け部材とを備えている窓又はドアからなる防火戸に
おける装飾格子の取付け装置において、上記筒体の端部に
圧入されるとともに上記取付け部材を介して上記框材に取付けられるキャップを備え、上記装飾格子は上記筒体の端部から軸方向に向けて切りかかれた切欠き溝を有し、上記キャップは、上記筒体の端部の開口端面に当接するヘッド部と、上記ヘッド部から軸方向に延びて上記筒体内に圧入された筒部と、上記筒部のヘッド部側端部から外方に向けて膨出又は突出して上記切欠き溝内に嵌合する突出部と、上記突出部に穿った係止孔とを有し、上記取付け部材は上記框材の外面側から上記係止孔と上記切欠き溝に挿入して上記突出部に嵌合されるボルト又はビスで構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
同じく、他の手段は、躯体の開口部に取付けた金属製の框材
と上記框材内に保持したガラスとからなる障子と、上記障子に対向する金属製の筒体
を有する装飾格子と、上記装飾格子を上記框材に取付ける金属製の取付け部材とを備えているサッシ窓に
おける装飾格子の取付け装置において、上記筒体の端部に
圧入される合成樹脂製のキャップを
備え、
上記装飾格子は上記筒体の端部
から軸方向に向けて切りかかれた切欠き溝を
有し、上記キャップ
は、上記筒体の端部
の開口端面に当接するヘッド部と、上記ヘッド部から軸方向に延びて上記筒体内に圧入された筒部と、上記筒部のヘッド側端部
から外方に向けて膨出又は突出して上記切欠き溝内に嵌合する突出部と、上記突出部に穿った係止孔と
を有し、上記取付け部材
は上記框材の外面側から上記係止孔と上記切欠き溝に挿入して上記突出部に嵌合
されるボルト又はビ
スで構成
されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の装飾格子の取付け装置によれば、窓やドア等からなる防火戸が火災による火炎で高温に晒されて障子側の框材や装飾格子側の筒体が加熱された時、キャップも同時に加熱され、框材や筒体より融点の低いキャップが障子や装飾格子に先駆けて溶け落ちる。
その結果、障子側の框材と装飾格子側の筒体との結合が解消されて装飾格子が自重で落下し、装飾格子の高温による変形がガラスや框材に影響を与えず、障子に亀裂や隙間が発生するのを防止できる。
この為、火災時の火炎が窓やドア等の防火戸から侵入し、又は噴出するのを防止し、火災現場付近への延焼を防止でき、防火機能を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る障子と装飾格子の略示分解斜視図である。
【
図2】本発明の一実施の形態に係るサッシ窓の縦断側面図である。
【
図4】(A)本発明の一実施の形態に係る装飾格子の平面図である。(B)同じく一部切欠き正面図である。(C)同じく一部切欠き側面図である。(D)
図4(B)におけるA−A線横断平面図である。
【
図5】(A)本発明の一実施の形態に係るキャップとナットの分解斜視図である。(B)同じくナットを組み込んだキャップの斜視図である。(C)同じくキャップを圧入した状態の装飾格子の一部切欠き斜視図である。
【
図6】(A)本発明の他の実施の形態に係る装飾格子の平面図である。(B)同じく一部切欠き正面図である。(C)同じく一部切欠き側面図である。(D)
図6(B)におけるA−A線横断平面図である。
【
図7】(A)本発明の他の実施の形態に係るキャップとナットの分解斜視図である。(B)同じくナットを組み込んだキャップの斜視図である。(C)同じくキャップを圧入した状態の装飾格子の一部切欠き斜視図である。
【
図8】本発明の一実施の形態に係る取付け部材を利用して装飾格子を框材に取付けた状態の一部切欠き斜視図である。
【
図9】キャップが溶けて装飾格子が落下する状態を示す一部切欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図示した本発明の実施の形態をサッシ窓に基づいて説明するが、本発明の装飾格子の取付け装置はその他の窓やドア等の防火戸に適用できるものである。本発明の実施の形態に係るサッシ窓は従来の窓やドアと同じく防火戸と
しての機能を有し、また装飾格子を備えていることにより外観の美観を向上させると共に不審者が侵入するのを防止する防犯機能を合わせて備えている。
【0019】
本発明の実施の形態に係るサッシ窓を
図1に示し、このサッシ窓を採用した具体的なサッシ窓を
図2、
図3に示す。
【0020】
図1に示すサッシ窓は、金属製の框材3と、框材3内に保持したガラスGとからなる障子6と、障子6に対向する金属製の装飾格子11と、装飾格子11を框材3に取付ける金属製の取付け部材15とを備えている。そして、装飾格子11は、長尺な二本以上の縦方向
に沿う筒体11Aと、各筒体11A間に架設した水平材11Bとから構成され、また、筒体11Aの上下端部の一方又は両方に合成樹脂製のキャップ12が圧入されている。さらに、上記キャップ12は框材3に取付け部材15を介して取付けられている。框材3と、装飾格子11の筒体11A及び水平材11Bとは公知のように、アルミ
ニウム、鉄、銅とからなる金属材料で成形されており、キャップ12はABS樹脂その他公知の合成樹脂で成形されている。但し、キャップ12は金属材
料より融点の低い他の材料で成形しても使用可能である。
図2、
図3の実施の形態に係るサッシ窓は、建築物の屋外側壁4aと屋内側壁4bと取付け縁2等を備えた躯体4の開口部Aに取付けた窓枠1と、窓枠1にそれぞれ取付けた屋外側
の框材3及び屋内側枠体5と、屋外
側の框材3に取付けた障子6と、屋内側枠体5に着脱自在に取付けた網戸7とを備えている。
【0021】
屋外側
の框材3は上下の框3A、3Bと左右の縦框3C、3Dとから方形に形成され、この框材3の内側
にガラスGが保持されて障子6を構成している。
【0022】
障子6の屋外側には装飾格子11が配置され、この装飾格子11は
図1に示すように、框材3の上下端に取付け部材15を介して取付けられている。
窓枠1は躯体4の開口部Aに嵌合すると共にボルト、ビス等の取付け部材を介して躯体4に取付けられている。
【0023】
窓枠1にはボルトや引っ掛け片を介して屋外側の框材3と屋内側枠体5とが取り付けられ、また屋内側枠体5はビス等を介して取付け縁2にも結合されている。
【0024】
屋内側枠体5は上枠5Aと下枠5Bと左側縦枠5Cと右側
縦枠5Dとで方形に形成され、この屋内側枠体5に網戸7が着脱自在に取付けられている。
【0025】
網戸7は網本体10と、網本体10の上縁と下縁とにそれぞれ取付けた上側及び下側アタッチメント8A、8Bと、網本体10の左縁と右縁とにそれぞれ取付けた左側及び右側アタッチメント9A、9Bとで構成されている。本発明における装飾格子の取付け装置の要部は装飾格子11における筒体11Aの端部に合成樹脂製のキャップ12を圧入し、このキャップ12を機械的な取付け部材15を介して障子6側の框材3に取り付けたことである。これにより、サッシ窓が火災による火炎で高温に晒されて障子6側の框材3や装飾格子11側の筒体11Aや水平材11Bが加熱された時、キャップ12も同時に加熱され、框材3や筒体11A、水平材11Bより融点の低いキャップ12が障子6や装飾格子11に先駆けて溶け落ちる。その結果、障子側の框材3と装飾格子11側の筒体11Aとの結合が解消されて装飾格子11全体が自重で落下し、装飾格子11の高温による変形がガラスGや框材3に影響を与えず、障子6に亀裂や隙間が発生す
るのを防止できる。この為、火災時の火炎がサッシ窓から侵入し、又は噴出するのを防止し、火災現場付近への延焼を防止でき、防火機能を向上させることが出来る。
【0026】
本発明の実施の形態に係る装飾格子の取付け装置における基本構造は、上記の通りであるが、更に次の構成を備えているのが好ましい。
【0027】
即ち、
図9に示すように、装飾格子11が框材3に対向する背面側上端部に筒体11Aの軸方向に向けて切りかかれ
て形成された切欠き
溝11
Cを有している。
【0028】
キャップ12は
図5に示すように、筒体11Aの上端部開口端面に当接するヘッド部12Aと、ヘッド部12Aから軸方向に延びて筒体11A内に圧入された筒部12Bと、筒部12Bのヘッド側端部に外方に向けて膨出して切欠き溝11C内に嵌合する突出部12Cと、突出部12Cに穿った係止孔12Eとを備えている。
【0029】
突出部12Cは外方に向けて肉厚を厚くして一部を突出させて形成しても良い。
【0030】
上記取付け部材15は框材3の外面側から上記係止孔12Eと上記切欠き溝11Cに挿入して上記突出部12Cに嵌合したボルト又はビス1
4で構成している。
【0031】
この場合
、取付け部材15をキャップ
12の突出部12Cに嵌合しただけでも使用可能である。
【0032】
しかしながら、キャップ12全体が合成樹脂で成形されている結果ボルト又は
ビス14の保持力が機械式の締結に比べて弱く、しっかりとキャップ
12、言い換えれば、装飾格子11を締結できない場合があるので、本発明の実施の形態では、突出部12Cの内周に当接する座金状の金属製のナット13を設け、ボルト又はビス14をこのナット13に螺合させて機械式に締結するのが好ましい。
【0033】
キャップ12は上記したように、ヘッド部12Aと、ヘッド部12Aから軸方向に延びる筒部12Bと、筒部12Bのヘッド側端部に外方に向けて膨出して形成した突出部12Cと、突出部12Cに穿った係止孔12Eとを備えているが、
図5(A)に示すように、筒部12Bの外面にリブ12Dを形成してもよい。
【0034】
リブ12Dはキャップ12における筒部12B
の装飾格子
11の筒体11A内への圧入時のガイドとなり、併せて、圧入後この筒体11Aに対して圧接してキャップ12の抜けを防止している。
【0035】
ナット13
を図5(A)に示すように、キャップ12の下部からキャップ12内に挿入させ、次いで、
図5(B)に示すようにナット13のネジ孔13Aを突出部12Cに形成している係止孔12Eに位置合わせさせ、この状態で
図5(C)に示すように、キャップ12を装飾格子11の筒体11Aの端部に圧入する。
【0036】
この場合、ナット13が落下しないように、例えば、このナット13をキャップ12のおける突出部12Cの内面に接着しておくことが好ましい。
【0037】
次に、框材3側から、図
4(C)、
図8に示すように、ボルト又は
ビス1
4の取付け部材15を係止孔12Eとナット13のネジ孔13Aに挿入して螺合させる。
【0038】
この状態では図
4(C)、
図8に示すように、ボルト又は
ビス1
4の頭部とナット13とが框材3とキャップ12における突出部12Cを挟持するので、キャップ12が障子6側の框材3に結合され、結果的にキャップ12を介して装飾格子11が障子6に対向して結合される。
【0039】
図6、
図7は本発明の他の実施の形態を示す。
【0040】
これは、装飾格子11の筒体11Aとキャップ12の筒部12Bとに互いに対向する
差込孔16を取付け部材15から外れた位置に形成させ、この
差込孔16内にボルト又はビスからなる他の止め具17を差し込んで筒体11Aと筒部12Bとの外れ止めを施したものである。
【0041】
図5の実施の形態に示すように、装飾格子11とキャップ12とはキャップ12を装飾格子11に圧入しただけで両者の結合は可能であるが、
図6、
図7の実施の形態に示すように他の止め具17で両者を結合することによりキャップ12をより強固に結合でき、装飾格子11の外れを防止できる。
【0042】
上記
図5、
図6の実施の形態による装飾格子の取付け装置によれば、この装置を組み込んだサッシ窓、ドア等が火災による火炎で高温に晒された時、融点の低いキャップ12が障子6や装飾格子11に先駆けて溶け落ちる。
【0043】
即ち、
図9に示すように、キャップ12が点線で示すように溶けるとキャップ12の筒部12Bと装飾格子11の筒体11Aとの圧入による結合状態が解消され、また装飾格子の11の筒体11A内に嵌合していた突出部12Cも溶けてしまう。
【0044】
その結果、ボルト又はビス14とナット13とは装飾格子11の切欠き溝11Cを水平に貫通しているだけで装飾格子11を支えることが出来なくなり、装飾格子11は切欠き溝11Cを介して下方に落下する。これにより、装飾格子11の高温による変形がガラスGや框材3に影響を与えず、障子6に亀裂や隙間が発生す
るのを防止できる。従って、火災時の火炎がサッシ窓から侵入し、又は噴出するのを防止し、火災現場付近への延焼を防止でき、防火機能を向上させることが出来る。
【符号の説明】
【0045】
3 框材
4 躯体
6 障子
11 装飾格子
11A 筒体
11C
切欠き溝
12 キャップ
12A ヘッド部
12B 筒部
12C 突出部
12E 係止孔
13 ナット
14 ボルト又はビ
ス
15 取付け部材
16 差込孔