特許第6929785号(P6929785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6929785
(24)【登録日】2021年8月13日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】貧血治療のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4418 20060101AFI20210823BHJP
   A61K 9/36 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20210823BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20210823BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
   A61K31/4418
   A61K9/36
   A61K47/02
   A61K47/04
   A61K47/38
   A61K47/36
   A61K47/34
   A61K47/10
   A61K47/14
   A61K47/12
   A61P7/06
【請求項の数】15
【全頁数】113
(21)【出願番号】特願2017-551039(P2017-551039)
(86)(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公表番号】特表2018-510178(P2018-510178A)
(43)【公表日】2018年4月12日
(86)【国際出願番号】US2016025235
(87)【国際公開番号】WO2016161094
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2019年3月25日
(31)【優先権主張番号】62/270,168
(32)【優先日】2015年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/141,420
(32)【優先日】2015年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513297117
【氏名又は名称】アケビア セラピューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AKEBIA THERAPEUTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー スミス
(72)【発明者】
【氏名】グルダット エイジェイ チャンドルカル
(72)【発明者】
【氏名】エネ イクポング エッテ
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー ジョン マロニ
(72)【発明者】
【氏名】シャルロット スザンヌ ハートマン
(72)【発明者】
【氏名】ラミン ファーゼネフ‐ファー
(72)【発明者】
【氏名】ジュラ カーン インリグ
【審査官】 大西 隆史
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−528571(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0165796(US,A1)
【文献】 特開2008−201711(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/200773(WO,A1)
【文献】 特表2003−527424(JP,A)
【文献】 国際公開第01/070225(WO,A1)
【文献】 WILSON C. et al.,Reprint of poster presentation at Amecican Assosiciation of Pharmaceutical Scientists Meeting,2003年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む錠剤製剤であって、
該粒内成分が、
約55重量%〜約75重量%の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸:
【化1】
(化合物1)、又はその医薬として許容し得る塩、
約15重量%〜約35重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約2.0重量%〜約4.0重量%の崩壊剤、及び
約1.8重量%〜約3.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
該粒外成分が、
約2.0重量%〜約4.0重量%の崩壊剤、
約0.15重量%〜約0.35重量%の流動促進剤、及び
約0.35重量%〜約1.15重量%の滑沢剤を含み;
該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;
重量が、全粒内成分と粒外成分の総重量であり;
不溶性希釈剤、担体又は充填剤が、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、スターチ、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体、乳糖、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリトリトール、及びそれらの混合物から選択され;
崩壊剤が、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ポテトスターチ又はタピオカスターチ、アルファ化デンプン、他のスターチ、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ゴム、及びそれらの混合物から選択され;
流動促進剤が、ヒュームドシリカ、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、スターチ、及びタルクから選択され;且つ
滑沢剤が、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミネラルオイル、ライトミネラルオイル、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、硬化植物油、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、エチルラウレエート、寒天、及びそれらの混合物から選択される、前記錠剤製剤。
【請求項2】
前記粒内成分が、
約60重量%〜約70重量%の化合物1、
約20重量%〜約30重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約2.5重量%〜約3.5重量%の崩壊剤、及び
約2.3重量%〜約3.3重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が、
約2.5重量%〜約3.5重量%の崩壊剤、
約0.2重量%〜約0.3重量%の流動促進剤、及び
約0.55重量%〜約0.95重量%の滑沢剤を含む、請求項1記載の錠剤製剤。
【請求項3】
前記粒内成分が、
約65重量%の化合物1、
約25重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が、
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が、約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含む、請求項1記載の錠剤製剤。
【請求項4】
前記粒内成分において、前記不溶性希釈剤又は担体が、微結晶性セルロースであり、前記崩壊剤が、デンプングリコール酸ナトリウムであり、且つ前記希釈剤又は充填剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり;
前記粒外成分において、前記崩壊剤が、デンプングリコール酸ナトリウムであり、前記流動促進剤が、コロイド状二酸化ケイ素であり、且つ前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムであり;且つ
前記フィルムコーティング成分が、Opadry(登録商標)を含む、請求項1記載の錠剤製剤。
【請求項5】
前記粒内成分が、
約55重量%〜約75重量%の化合物1、
約15重量%〜約35重量%の微結晶性セルロース、
約2.0重量%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約1.8重量%〜約3.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が、
約2.0重量%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.15重量%〜約0.35重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.35重量%〜約1.15重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含む、請求項4記載の錠剤製剤。
【請求項6】
前記粒内成分が、
約60重量%〜約70重量%の化合物1、
約20重量%〜約30重量%の微結晶性セルロース、
約2.5重量%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.3重量%〜約3.3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が、
約2.5重量%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.2重量%〜約0.3重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.55重量%〜約0.95重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含む、請求項4記載の錠剤製剤。
【請求項7】
前記粒内成分が、
約65重量%の化合物1、
約25重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が、約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含む、請求項4記載の錠剤製剤。
【請求項8】
貧血を治療するための、錠剤である医薬組成物であって、該医薬組成物が、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、
該粒内成分が、
約55重量%〜約75重量%の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸:
【化2】
(化合物1)、又はその医薬として許容し得る塩、
約15重量%〜約35重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約2.0重量%〜約4.0重量%の崩壊剤、及び
約1.8重量%〜約3.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
該粒外成分が、
約2.0重量%〜約4.0重量%の崩壊剤、
約0.15重量%〜約0.35重量%の流動促進剤、及び
約0.35重量%〜約1.15重量%の滑沢剤を含み;
該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;
重量が、全粒内成分と粒外成分の総重量であり;
不溶性希釈剤、担体又は充填剤が、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、スターチ、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体、乳糖、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリトリトール、及びそれらの混合物から選択され;
崩壊剤が、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ポテトスターチ又はタピオカスターチ、アルファ化デンプン、他のスターチ、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ゴム、及びそれらの混合物から選択され;
流動促進剤が、ヒュームドシリカ、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、スターチ、及びタルクから選択され;且つ
滑沢剤が、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミネラルオイル、ライトミネラルオイル、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、硬化植物油、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、エチルラウレエート、寒天、及びそれらの混合物から選択される、前記医薬組成物。
【請求項9】
前記粒内成分が、
約60重量%〜約70重量%の化合物1、
約20重量%〜約30重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約2.5重量%〜約3.5重量%の崩壊剤、及び
約2.3重量%〜約3.3重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が、
約2.5重量%〜約3.5重量%の崩壊剤、
約0.2重量%〜約0.3重量%の流動促進剤、及び
約0.55重量%〜約0.95重量%の滑沢剤を含む、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記粒内成分が、
約65重量%の化合物1、
約25重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が、
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が、約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含む、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記粒内成分において、前記不溶性希釈剤又は担体が、微結晶性セルロースであり、前記崩壊剤が、デンプングリコール酸ナトリウムであり、且つ前記希釈剤又は充填剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり;
前記粒外成分において、前記崩壊剤が、デンプングリコール酸ナトリウムであり、前記流動促進剤が、コロイド状二酸化ケイ素であり、且つ前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムであり;且つ
前記フィルムコーティング成分が、Opadry(登録商標)を含む、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記粒内成分が、
約55重量%〜約75重量%の化合物1、
約15重量%〜約35重量%の微結晶性セルロース、
約2.0重量%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約1.8重量%〜約3.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が、
約2.0重量%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.15重量%〜約0.35重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.35重量%〜約1.15重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含む、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記粒内成分が、
約60重量%〜約70重量%の化合物1、
約20重量%〜約30重量%の微結晶性セルロース、
約2.5重量%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.3重量%〜約3.3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が、
約2.5重量%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.2重量%〜約0.3重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.55重量%〜約0.95重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含む、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記粒内成分が、
約65重量%の化合物1、
約25重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が、約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含む、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記貧血が、非透析依存性慢性腎疾患に続発する又はこれに関連する貧血である、請求項11記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2015年12月21日に出願された米国仮特許出願第62/270,168号及び2015年4月1日に出願された米国仮特許出願第62/141,420号の出願日の優先権及び恩恵を主張し、それらを全体として本明細書に組み込む。
【0002】
(1 発明の分野)
本開示は、慢性腎疾患、非透析依存性慢性腎疾患に続発若しくは関連する貧血、化学療法に関連する若しくは化学療法から生じる貧血、又はAIDSに関連する貧血などの貧血の治療又は予防における、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤の使用に関連している。更に本開示は、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤化合物及びその医薬として許容し得る塩、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤化合物を含有する組成物、並びに末梢血管障害(PVD)、冠動脈疾患(CAD)、心不全、虚血、低酸素症、及び貧血などの疾患を治療又は予防する方法に関する。加えて本開示は、慢性腎疾患に続発若しくは関連する貧血、化学療法に関連する若しくは化学療法から生じる貧血、又はAIDSに関連する貧血などの貧血の治療又は予防における、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤の使用の具体的投与量、及び該使用に関する投薬レジメンに関する。
【背景技術】
【0003】
(2 発明の背景)
低酸素誘導因子(HIF)は、低酸素に対する反応の重要な調節因子である転写因子である。低酸素状態、すなわち細胞環境における低下した酸素レベルに反応して、HIFは、エリスロポエチンをコードしている遺伝子を含む、いくつかの標的遺伝子の転写をアップレギュレートする。HIFは、α及びβサブユニットを含むヘテロ二本鎖である。そのβサブユニットは通常過剰に存在し、酸素圧とは無関係であるが、HIF-αサブユニットは、低酸素状態下の細胞においてのみ検出可能である。これに関して、HIF-αの蓄積は主に、HIFプロリル水酸化酵素として公知のプロリル水酸化酵素ファミリーによる、2個のプロリン残基での水酸化により調節され、ここで一方又は両方のプロリン残基の水酸化は、HIF-αの急激な分解に繋がる。従ってHIFプロリル水酸化酵素の阻害は、HIF-αの安定化及び蓄積をもたらし(すなわち、HIF-αの分解が減少する)、これによりHIFヘテロ二量体の形成に利用可能なHIF-αの量の増加及びエリスロポエチン遺伝子などの標的遺伝子のアップレギュレーションに繋がる。反対に、HIFプロリル水酸化酵素の活性化は、HIF-αの不安定化をもたらし(すなわち、HIF-αの分解が増加する)、これによりHIFヘテロ二量体の形成に利用可能なHIF-αの量の減少及びVEGFなどの標的遺伝子のダウンレギュレーションに繋がる。
【0004】
低酸素誘導因子のファミリーには、HIF-1-α、HIF-2-α、及びHIF-3-αがある。
【0005】
プロリル水酸化酵素阻害剤の新規クラス、並びに、低酸素誘導因子(HIF)プロリル水酸化酵素の調節により改善される疾患を治療又は予防するためのそれらの使用は、米国特許第7,811,595号に記載されており、この特許はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。そのようなプロリル水酸化酵素阻害剤の合成は、米国特許公開第2012/0309977号に記載されており、これはその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。そのような化合物は、HIFプロリル水酸化酵素を阻害し、それによりHIF-αを安定化する。HIF-αの安定化の結果、内因性エリスロポエチン(EPO)生成が増加される。全ての薬物と同様に、貧血などの疾患を有する患者を治療するための適切な投与量及び投薬レジメンは、有害作用又は好ましからざる副作用を伴わずに、望ましい又は最適な治療効果を達成するために不可欠である。実際に、多くの活性化合物が、有効且つ安全な投薬レジメンを見つけることができずに、臨床試験において失敗している。
【0006】
プロリル水酸化酵素阻害剤の使用及び特定の投薬レジメンを利用する低酸素誘導因子(HIF)プロリル水酸化酵素の調節により改善される疾患の治療又は予防のためのそれらの使用は、国際出願第WO/2014/200773号に記載されており、それは、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。ベースライン血清鉄レベルに対して血清鉄レベルを著しく上昇させることなく、患者におけるベースライン総鉄結合能(TIBC)に対してTIBCを上昇させるようにEPOを調節する治療レジメン及びベースラインヘプシジン発現レベルに対してヘプシジン発現を著しく減少させることになく、患者におけるベースライン血清ヘモグロビンレベルに対して血清ヘモグロビンレベルを上昇させるようなプロリル水酸化酵素阻害剤の投与の方法もその中に記載されている。
【発明の概要】
【0007】
(3 発明の概要)
粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む経口投与製剤(oral dosage formulation)であって、該粒内成分が、化合物1、不溶性希釈剤又は担体、崩壊剤、及び希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、崩壊剤、流動促進剤、及び/又は滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が錠剤コーティングを含む経口投与製剤が本明細書に記載される。
【0008】
粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む経口投与製剤であって、該粒内成分が、化合物1、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、該粒外成分が、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含み、且つ該フィルムコーティング成分がOpadry(登録商標)を含む経口投与剤形が本明細書に記載される。
【0009】
粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む製剤であって、該粒内成分が、化合物1、不溶性希釈剤又は担体、崩壊剤、及び希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、崩壊剤、流動促進剤、及び/又は滑沢剤を含み、且つ該フィルムコーティング成分が錠剤コーティングを含む製剤を患者に投与することを含む、貧血を治療する方法が本明細書に記載される。
【0010】
粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む製剤であって、該粒内成分が、化合物1、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、該粒外成分が、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含み、且つ該フィルムコーティング成分がOpadry(登録商標)を含む製剤を患者に投与することを含む、貧血を治療する方法が本明細書に記載される。
【0011】
非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療する方法であって、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に、有効量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与することを含み、1日量が、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの該化合物を含む方法が本明細書に記載される。
【0012】
非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療する方法であって、充分な数の連続する投与量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に投与することを含み、該患者が、(i)60mL/分/1.73m2未満の推算糸球体濾過量(eGFR)(ここで、該対象は、透析を受けておらず、治療の開始の3か月以内に透析を開始すると予期されていない)、(ii)治療の開始前の10.0g/dL未満のヘモグロビンレベル、(iii)治療開始の4週間以内の100ng/mL以上のフェリチンレベル、(iv)治療開始の4週間以内の20%以上のトランスフェリン飽和度(TSAT)レベル、(v)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上の葉酸塩測定値、(vi)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上のビタミンB12測定値、及び(vii)少なくとも18歳の年齢のうち、少なくとも2、3、4、5つ、又は全てを有する方法が本明細書に記載される。
【0013】
非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療する方法であって、充分な数の連続する投与量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に投与することを含み、該患者が、(i)65mL/分/1.73m2未満の推算糸球体濾過量(eGFR)(ここで、該対象は、透析を受けておらず、治療の開始の3か月以内に透析を開始すると予期されていない)、(ii)治療開始前の10.0g/dL未満のヘモグロビンレベル、(iii)治療開始の4週間以内の50ng/mL以上のフェリチンレベル、(iv)治療開始の4週間以内の15%以上のトランスフェリン飽和度(TSAT)レベル、(v)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上の葉酸塩測定値、(vi)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上のビタミンB12測定値、及び(vii)少なくとも18歳の年齢のうち、少なくとも2、3、4、5つ、又は全てを有する方法が本明細書に記載される。
【0014】
非透析依存性慢性腎疾患を有する患者における貧血を治療する方法であって、(i)該患者に、初期1日量の化合物1を投与すること;(ii)化合物1の初期1日量での4週間の毎日投与の後に、Hgbがベースライン値より0.5g/dLより多く増加しなかった場合、該1日量を150mg/日の化合物1だけ増加させ、Hgbが10.0g/dLを超えるまで4週ごとに該1日量を150mg/日だけ増加させること;(iii)Hgbが治療中に迅速に上昇する場合、該1日量を150mg/日だけ減少させること;(iv)Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、該1日量を150mg/日だけ増加させること;(v)Hgbレベルが11.0g/dLを超える場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで治療を中断し、その後、150mg/日だけ減少させた1日量で投薬を再開すること;及び(vi)Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要な場合、該1日量を150mg/日だけ調整することを含む方法が本明細書に記載される。
【0015】
非透析依存性慢性腎疾患を有する患者における貧血を治療する方法であって、(i)該患者に、初期1日量の化合物1を投与すること;(ii)化合物1の初期1日量での4週間の毎日投与の後に、Hgbがベースライン値より0.5g/dLより多く増加しなかった場合、該1日量を150mg/日の化合物1だけ増加させ、Hgbが10.0g/dLを超えるまで4週ごとに該1日量を150mg/日だけ増加させること;(iii)Hgbが治療中に迅速に上昇する場合、該1日量を150mg/日だけ減少させること;(iv)Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、該1日量を150mg/日だけ増加させること;(v)Hgbレベルが12.0g/dLを超える場合、該1日量を150mg/日だけ減少させ、Hgbレベルが13.0g/dLを超える場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで治療を中断し、その後、150mg/日だけ減少させた1日量で投薬を再開すること;及び(vi)Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要な場合、該1日量を150mg/日だけ調整することを含む方法が本明細書に記載される。
【0016】
非透析依存性慢性腎疾患を有する患者における貧血を治療する方法であって、(i)該患者に、初期1日量の化合物1を投与すること;(ii)Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要な場合、該1日量を150mg/日だけ調整すること;(iii)Hgbが治療の間迅速に上昇する場合、該1日量を150mg/日だけ減少させること;(iv)Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、該1日量を150mg/日だけ増加させること;及び(v)Hgbレベルが11.0g/dLを超える場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで治療を中断し、その後、150mg/日だけ減少させた1日量で投薬を再開することを含む方法が本明細書に記載される。
【0017】
非透析依存性慢性腎疾患を有する患者における貧血を治療する方法であって、(i)該患者に、初期1日量の化合物1を投与すること;(ii)Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要な場合、該1日量を150mg/日だけ調整すること;(iii)Hgbが治療の間迅速に上昇する場合、該1日量を150mg/日だけ減少させること;(iv)Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、該1日量を150mg/日だけ増加させること;及び(v)Hgbレベルが12.0g/dLを超える場合、該1日量を150mg/日だけ減少させ、Hgbレベルが13.0g/dLを超える場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで治療を中断し、その後、150mg/日だけ減少させた1日量で投薬を再開することを含む方法が本明細書に記載される。
【0018】
特定の実施態様において、該ベースライン値は、化合物1の最初の投与直前に決定される。
【0019】
特定の実施態様において、Hgbが任意の2週間の期間に1.0g/dLより多く上昇する場合に、Hgbは迅速に上昇する。
【0020】
特定の実施態様において、最大1日量は600mg/日である。
【0021】
特定の実施態様において、該1日量は、治療過程の間4週ごとに1回より頻繁に増加されない。
【0022】
特定のより具体的な実施態様において、1日量の減少は、治療過程の間4週ごとに1回よりも頻繁には起こり得ない。
【0023】
特定の実施態様において、初期1日量は300mg/日である。
【0024】
特定の実施態様において、初期1日量は、それぞれ150mgの化合物1の2つの錠剤の形態で投与される。
【0025】
特定の実施態様において、初期1日量は450mg/日である。
【0026】
特定の実施態様において、初期1日量は、それぞれ150mgの化合物1の3つの錠剤の形態で投与される。
【0027】
特定の実施態様において、初期1日量は朝に投与される。
【0028】
特定の実施態様において、初期1日量は、午前7時と午後2時の間に投与される。
【0029】
特定の実施態様において、化合物1は、製剤1の形態で投与される。
【0030】
特定の実施態様において、化合物1は、製剤2の形態で投与される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
(4 図面の簡単な説明)
図1A】相対的バイオアベイラビリティ結果-セクション6.2に記載された錠剤製剤1及び製剤2として投与された化合物1の、線形プロットとして示された血漿濃度。
【0032】
図1B】相対的バイオアベイラビリティ結果-セクション6.2に記載された錠剤製剤1及び製剤2として投与された化合物1の、片対数プロットとして示された血漿濃度。
【0033】
図2A】食品効果結果-摂食及び絶食状態での、セクション6.2に記載された錠剤製剤2として投与された化合物1の、線形プロットとして示された血漿濃度。
【0034】
図2B】食品効果結果-摂食及び絶食状態での、セクション6.2に記載された錠剤製剤2として投与された化合物1の、片対数プロットとして示された血漿濃度。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(5 詳細な説明)
特定の実施態様において、患者の貧血を治療又は予防する方法であって、該患者に、医薬として有効な量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、及び代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、該患者は、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する。特定の実施態様において、医薬として有効な量は、a)EPO血清レベルの日周パターンを回復若しくは維持し;且つ/又はb)総鉄結合能を増加させ;且つ/又はc)全鉄レベルを著しく増加させることなく総鉄結合能を増加させ;且つ/又はd)ヘプシジンレベルを著しく減少させない一方で、ヘモグロビンのレベルを、患者のベースラインヘモグロビンレベルに対して少なくとも約0.2g/dL、0.3g/dL、0.4g/dL、0.5g/dLだけ、少なくとも約0.6g/dLだけ、少なくとも約0.7g/dLだけ、少なくとも約0.8g/dLだけ、少なくとも約0.9g/dLだけ、少なくとも約1.0g/dLだけ、少なくとも約1.2g/dLだけ、又は少なくとも約1.5g/dLだけ増加させるのに好適である。
【0036】
治療の一般的な方法はセクション5.5に説明されている。本明細書に記載される化合物及び方法により治療可能な疾患はセクション5.6に説明されている。これらの化合物を使用する治療及び投薬レジメンはセクション5.7に説明されている。本明細書に記載される組成物を使用する併用療法はセクション5.8に説明されている。本明細書に記載される化合物及び方法により治療すべき具体的な患者集団はセクション5.4に説明されている。本明細書に記載される患者集団のための投薬レジメンに使用すべき具体的な製剤はセクション5.3に説明されている。
【0037】
(5.1 定義及び略語)
いくつかの実施態様において、本明細書の説明及び請求項を通じて使用される単語「含む」、並びに「含んでいる」及び「含む」などのこの単語の他の形は、例えば、他の添加物、成分、整数、又は工程を、非限定的に含むことを意味し、且つこれらを排除することを意図しない。いくつかの実施態様において、本説明及び添付された請求項において使用される通り、単数形「ある(a、an及びthe)」は、文脈がそうでないことを明確に指摘しない限りは、複数の指示物を含む。従って、例えば、「ある組成物」への言及は、2種以上のそのような組成物の混合物を含む。いくつかの実施態様において、「任意の」又は「任意に」とは、後続に説明される事象又は状況が、起こることも起こらないこともあること、並びにこの説明が、その事象又は状況が起こる事例及びそれが起こらない事例を含むことを意味する。
【0038】
本明細書に使用される「アルキル」基は、例えば、炭素原子1〜12個、炭素原子1〜9個、炭素原子1〜6個、炭素原子1〜4個、又は炭素原子2〜6個を有する、飽和の直鎖又は分岐した非環式炭化水素である。代表的アルキル基は、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル及び-n-ヘキシルを含み;他方、分岐したアルキルは、-イソプロピル、-sec-ブチル、-iso-ブチル、-tert-ブチル、-iso-ペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル及び同様のものを含む。
【0039】
C1-6アルキル単位は、以下の非限定的例を含む:メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、iso-プロピル(C3)、n-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、iso-ブチル(C4)、tert-ブチル(C4)、n-ペンチル(C5)、tert-ペンチル(C5)、neo-ペンチル(C5)、iso-ペンチル(C5)、sec-ペンチル(C5)、3-ペンチル(C5)、n-ヘキシル(C6)、iso-ヘキシル(C6)、neo-ヘキシル(C6)、3-メチルペンチル(C6)、4-メチルペンチル(C6)、3-メチルペンタン-2-イル(C6)、4-メチルペンタン-2-イル(C6)、2,3-ジメチルブチル(C6)、3,3-ジメチルブタン-2-イル(C6)、2,3-ジメチルブタン-2-イル(C6)、及び同様のもの。
【0040】
本明細書において使用される「アルケニル」基は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含み、且つ例えば、炭素原子1〜6個を有する、部分的に不飽和の直鎖又は分岐した非環式炭化水素である。代表的アルケニル基は、プロペニル及び同様のものを含む。
【0041】
本明細書において使用される「アルキニル」基は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含み、且つ例えば、炭素原子2〜6個を有する、部分的に不飽和の直鎖又は分岐した非環式炭化水素である。代表的アルキニル基は、プロピニル、ブチニル及び同様のものを含む。
【0042】
本明細書において使用される「アルコキシ」基は、アルキル基が本明細書に定義されている、アルキル-O-基である。代表的アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、及びn-ブトキシを含む。
【0043】
本明細書において使用される「シクロアルキル」基は、1つの環を有する、炭素原子3〜6個の飽和の環式アルキル基である。代表的シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを含む。
【0044】
本明細書において使用される「シクロアルケニル」基は、1つの環を有する、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合及び炭素原子3〜6個を含む、部分的に不飽和の環式アルキル基である。代表的シクロアルケニル基は、シクロプロペニル及びシクロブテニルを含む。
【0045】
本明細書において使用される「シクロアルコキシ」基は、シクロアルキル基が本明細書に定義されている、シクロアルキル-O-基である。代表的シクロアルコキシ基は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、及びシクロヘキシルオキシを含む。
【0046】
本明細書において使用される「ハロアルキル」基は、1個以上の(例えば1〜5個の)水素原子がハロゲン原子により置き換えられている、先に本明細書において定義されているアルキル基である。代表的ハロアルキル基は、CF3、CHF2、CH2F、CCl3、CF3CH2CH2、及びCF3CF2を含む。
【0047】
本明細書において使用される「ハロシクロアルキル」基は、1個以上の(例えば1〜5個の)水素原子がハロゲン原子により置き換えられている、先に本明細書において定義されているシクロアルキル基である。代表的ハロシクロアルキル基は、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,2-ジクロロシクロプロピル、2,2-ジブロモシクロプロピル、テトラフルオロシクロプロピル、3,3-ジフルオロシクロブチル、及び2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチルを含む。
【0048】
本明細書において使用される「ヘテロシクロアルキル」基は、1又は2個の環員が、O、S及びNR"からなる群から選択され、且つ残りの原子は炭素である、4〜7個の原子、好ましくは5又は6個の環原子の飽和環である。環内に、隣接する酸素及び/又は硫黄原子は存在しない。代表的ヘテロシクロアルキル基は、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,3-ジオキソラニル、1,4-ジオキサニル、オキサゾリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、及びテトラヒドロチオピラニルである。
【0049】
本明細書において使用される「アリール」基は、炭素原子6〜10個を含む、芳香族の単環又は多環の環系である。代表的アリール基は、フェニル及びナフチルを含む。
【0050】
本明細書において使用される「ヘテロアリール」は、環が隣接する酸素及び/又は硫黄原子を含まないことを条件とする、炭素原子2〜9個、並びにN、O及びSからなる群から独立して選択されるヘテロ原子1〜4個から構成される、5〜10個の原子の、単環式、二環式、又はベンゾ縮合した複素環式芳香族基である。環窒素のN-酸化物も含まれる。代表的単環式ヘテロアリール基は、ピリジル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、及びトリアゾリルを含む。代表的二環式ヘテロアリール基は、ナフチリジル(例えば、1,5又は1,7)、イミダゾピリジル、ピリドピリミジニル、及び7-アザインドリルである。代表的ベンゾ縮合ヘテロアリール基は、インドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ベンゾチエニル(すなわちチアナフテニル)、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、及びベンゾフラザニルを含む。例えば、2-ピリジル、3-ピリジル、及び4-ピリジルなどの、全ての位置異性体が、意図されている。
【0051】
本開示の目的に関して、用語「化合物」、「類縁体」及び「組成物」は、全ての鏡像異性体型、ジアステレオマー型、塩、互変異性体、及び同様のものを含む、本明細書記載のHIFプロリル水酸化酵素の阻害剤を同等によく表している。本明細書に開示された化合物は、全ての塩型、例えば、塩基性基、とりわけアミンの塩、並びに酸性基、とりわけカルボン酸の塩の両方を含む。以下は、塩基性基と医薬として許容し得る塩を形成し得る陰イオンの非限定的例である:塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、ピルビン酸イオン、乳酸イオン、シュウ酸イオン、マロン酸イオン、マレイン酸イオン、コハク酸イオン、酒石酸イオン、フマル酸イオン、クエン酸イオン、及び同様のもの。以下は、本明細書記載の化合物上の酸性置換基の陰イオン型の医薬として許容し得る塩を形成し得る陽イオンの非限定的例である:ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビスマス、及び同様のもの。以下は、本明細書記載の化合物上のフェノール系、アリールアルコール、又はヘテロアリールアルコール置換基の陰イオン型の医薬として許容し得る塩を形成し得る陽イオンの非限定的例である:ナトリウム、リチウム、及びカリウム。いくつかの実施態様において、用語「化合物」、「類縁体」、及び「組成物」は、本明細書を通じて互換的に使用される。
【0052】
描写された構造と、その構造に与えられた名称の間に矛盾がある場合、描写された構造により重みが置かれるものとすることに留意されたい。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば太線又は破線により示されない場合には、この構造又は構造の一部は、その立体異性体の全てを包含していると解釈されるべきである。
【0053】
本明細書において使用される用語「貧血」は、当該技術分野において認められており、以下のヘモグロビン閾値により規定されている:
【表1】
貧血は、慢性(例えば、慢性腎疾患に続発する貧血、慢性心不全に続発する貧血、加齢の特発性貧血、炎症性腸疾患若しくは関節リウマチなどの慢性疾患の貧血、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、及び他の無形成性若しくは異形成性貧血)、亜急性(例えば、癌、C型肝炎、又は骨髄生成を減少させる他の慢性疾患を治療するための化学療法などの化学療法が誘導した貧血)、急性(例えば、損傷又は手術時の失血)、栄養素関連(例えば、鉄欠乏症又はビタミンB12欠乏症)、或いは異常ヘモグロビン症(例えば、鎌状赤血球症、サラセミアなど)、又は早熟に起因した貧血、若しくは自己献血に起因した貧血であり得る。
【0054】
本明細書において使用される用語「重症でない貧血」とは、ヘモグロビンが少なくとも9.0g/dLである貧血を有する患者をいう。いくつかのそのような実施態様において、重症でない貧血は、輸血を必要としないような患者における貧血をいう。
【0055】
本明細書において使用される用語「投与量」は、一度に投与すべき、化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の量を意味する。投与量は、単一の単位剤形を含むことができるか、或いは2つ以上の単一単位剤形(例えば、単回投与量が2個の錠剤を含み得る)、又は1つ未満の単一単位剤形(例えば、単回投与量が錠剤の半分を含み得る)を含むことができる。従って、該化合物が、1日1回の450mgの1日量で投与される場合、化合物の投与量は、1日1回投与される、各々が化合物150mgを含有する3個の錠剤であり得る。
【0056】
本明細書において使用される用語「1日量」は、24時間の間に投与される、化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の量を意味する。従って、1日量は、一度に全て投与されてもよく(すなわち、1日1回投薬)、或いは1日の投薬は、化合物が1日2回、1日3回、又は更には1日4回投与されるように、分割されてよい。1日量が中断なく毎日投与される場合、この投薬は、「連続」投薬と称される。
【0057】
本明細書において使用される用語「単位剤形」は、錠剤;カプレット;軟弾性ゼラチンカプセル剤などのカプセル剤;サシェ;カシェ剤;トローチ剤;舐剤;分散剤;散剤;液剤;ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性又は非水性液体懸濁剤)、乳剤(例えば、水中油型乳剤、又は油中水型液体乳剤)、液剤、及びエリキシル剤を含む、患者への経口又は経粘膜投与に適した液体剤形;並びに、患者への経口又は非経口的投与に適した液体剤形を提供するために再構成されることができる滅菌固形物(例えば、結晶性又は非晶質固形物)を含む。単位剤形は、必ずしも単回投与量として投与される必要はなく、単一単位剤形が、必ずしも投与量全体を構成しなくともよい。
【0058】
本明細書において使用される「有効量」とは、疾患の治療において治療的恩恵を提供するか、又は疾患に関連する症状を遅延若しくは最小化するのに十分な、化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは水和物の量をいう。いくつかの好ましい有効量が、本明細書に説明されている。いくつかの実施態様において、化合物は、本明細書に開示された化合物である。
【0059】
本明細書において使用される用語「予防する」、「予防している」及び「予防」は、当該技術分野において認められており、並びに、局所再発(例えば疼痛)などの状態、癌などの疾患、心不全若しくは他の病態などの複合症候群に関連して使用される場合、当該技術分野において充分に理解されており、且つ該組成物を受け取っていない対象と比べ、対象における病態の症状の頻度を減少させるか、又は発症を遅延する、本明細書に提供される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは水和物の投与を含む。いくつかの実施態様において、化合物は、本明細書に開示されていない化合物である。いくつかの実施態様において、状態は、減退したエリスロポエチン(EPO)の内因性生成に関連した疾患又は状態、或いは貧血又は慢性腎疾患に続発する貧血などの、内因性ヘモグロビン生成の欠損に関連した疾患又は状態である。
【0060】
本明細書において使用される用語「治療する」、「治療している」及び「治療」は、対象の状態を改善若しくは安定化する様式での、症状、臨床徴候、及び状態の基礎となる病理の逆行、軽減、又は停止をいう。用語「治療する」及び「治療」はまた、疾患又はこの疾患に関連する症状の根絶又は改善もいう。いくつかの実施態様において、そのような用語は、本明細書に提供される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の、疾患を有する患者への投与の結果としての、そのような疾患の蔓延又は増悪の最小化をいう。
【0061】
本明細書において使用される用語「医薬として許容し得る塩」とは、無機酸及び塩基並びに有機酸及び塩基を含む、医薬として許容し得る無毒の酸又は塩基から調製される塩をいう。式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、及び代謝物2から選択される化合物に関する好適な医薬として許容し得る塩基付加塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビスマス、アンモニウム(アルキル置換されたアンモニウムを含む)、アミノ酸(例えば、リジン、オルニチン、アルギニン、又はグルタミン)、トロメタミン、及びメグルミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な無毒の酸としては、無機酸及び有機酸、例えば酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の塩の例は、当該技術分野において周知であり、例えば「レミントン製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、第22版、Pharmaceutical Press社(2012)を参照されたい。
【0062】
いくつかの実施態様において、「医薬として許容し得る」とは、生物学的に又はその他の場合に望ましくないことはない物質を意味し、すなわち該物質は、臨床的に許容し難い生物学的効果を引き起こすことも、それが含まれる医薬組成物の他の成分のいずれとも有害な様式で相互作用することもなく、関連活性化合物と共に個体へ投与することができる。
【0063】
本明細書において使用される用語「水和物」は、非共有的分子間力により結合された化学量論的又は非化学量論的な量の水を更に含む、本明細書に提供される化合物、又はその医薬として許容し得る塩を意味する。
【0064】
本明細書において使用される用語「溶媒和物」は、非共有的分子間力により結合された化学量論的又は非化学量論的な量の水以外の溶媒を更に含む、本明細書に提供される化合物、又はその医薬として許容し得る塩を意味する。
【0065】
別に指摘しない限りは、本明細書において使用される用語「約」又は「およそ」は、値がどのように測定又は決定されたかにより一部左右される、当業者により決定される特定の値に関する許容し得る誤差を意味する。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差以内を意味する。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、所定の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。いくつかの実施態様において、範囲は、「約」一つの特定値から、及び/又は「約」別の特定値までとして本明細書において表現され得る。そのような範囲が表現される場合、別の態様は、一つの特定値から、及び/又は別の特定値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用により、値が近似値として表現される場合、その特定値が別の態様を形成することは理解されるであろう。各範囲の端点は、他方の端点に関連して、及び他方の端点とは無関係に両方において重要であることは、更に理解されるであろう。本明細書において開示される数多くの値が存在すること、及び各値はまた、その値それ自身に加え「約」その特定値として本明細書において開示されることも、理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。値が開示される場合、当業者により適宜理解されるように、その値「以下」、その値「以上」、及び値間の可能な範囲も開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「10以下」に加え「10以上」も開示される。本願全体にわたり、データが、数多くの異なるフォーマットで提供されること、並びにこのデータが、データ点の任意の組合せの終点及び出発点及び範囲を表すことも、理解される。例えば、特定のデータ点「10」及び特定のデータ点「15」が開示される場合、10及び15より大きい、これ以上、これ未満、これ以下、及びこれに等しいに加え、10と15の間が開示されると考えられることが、理解される。2つの特定の単位量の間の各単位量も開示されることも理解される。例えば、10及び15が開示される場合、11、12、13、及び14も開示される。
【0066】
いくつかの実施態様において、用語対象又は患者は、ヒト、マウス、イヌ、ロバ、ウマ、ラット、モルモット、又はサルなどの哺乳動物を指し得る。具体的実施態様において、対象又は患者は、ヒトの対象又は患者である。
【0067】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、下記構造を有する化合物1、すなわち{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である:
【化1】
【0068】
いくつかの実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸であり得るが、他方いくつかの代替実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の医薬として許容し得る塩であり得る。いくつかの代替実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の溶媒和物であり得る。いくつかの代替実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の水和物であり得る。いくつかの好ましい実施態様において、本発明は、その親型の化合物(すなわち、塩、溶媒和物、又は水和物ではない)に関する。いくつかの代替の好ましい実施態様において、本発明は、該化合物又はその医薬として許容し得る塩に関する。
【0069】
特定の実施態様において、本明細書に記載される化合物は、下記構造を有する化合物7、すなわち{[5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である
【化2】
【0070】
特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸であり得るが、他方特定の代替実施態様において、該化合物は、{[5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の医薬として許容し得る塩であり得る。特定の代替実施態様において、該化合物は、{[5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の溶媒和物であり得る。特定の代替実施態様において、該化合物は、{[5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の水和物であり得る。特定の好ましい実施態様において、本発明は、その親型の化合物(すなわち、塩、溶媒和物、又は水和物ではない)に関する。特定の代替好ましい実施態様において、本発明は、該化合物又はその医薬として許容し得る塩に関する。
【0071】
本明細書において使用される用語「HIFプロリル水酸化酵素」は、当該技術分野において認められており、且つ「PHD」と略すことができる。HIFプロリル水酸化酵素は、「PHD」として略すことができる「プロリル水酸化酵素ドメイン-含有タンパク質」としても公知である。これに関して、3種の異なるPHDアイソフォーム、PHD1、PHD2、及びPHD3があり、各々、EGLN2、EGLN1、及びEGLN3、又はHPH3、HPH2、及びHPH1と称される。いくつかの実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素は、該酵素(例えば、HIF-1αプロリル水酸化酵素、HIF-2αプロリル水酸化酵素、及び/又はHIF-3αプロリル水酸化酵素)の特定の標的を指し得る。
【0072】
本明細書で使用される通り、「製剤1」及び「製剤2」は、セクション6.2に記載される化合物1の医薬製剤である。
【0073】
さらなる略語及び頭字語は、以下の表中に与えられる。
【表2】
【0074】
(5.2 化合物)
特定の実施態様において、本明細書に提供される方法及び製剤で使用するための化合物は、HIFプロリル水酸化酵素の修飾物質である。より具体的実施態様において、本明細書に提供される方法で使用するための化合物は、HIF-1-αプロリル水酸化酵素の修飾物質である。別のより具体的実施態様において、本明細書に提供される方法で使用するための化合物は、HIF-2-αプロリル水酸化酵素の修飾物質である。いくつかの更により具体的実施態様において、本明細書に提供される方法で使用するための化合物は、少なくとも10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、500%、750%、又は少なくとも1000%だけ、HIF-1-αプロリル水酸化酵素よりもHIF-2-αプロリル水酸化酵素に対して活性がある、HIF-2-αプロリル水酸化酵素の修飾物質である。従って、いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法で使用するための本明細書で提供される化合物は、HIF-1-αよりもHIF-2-αを優先的に安定化する。HIF-1-αに対するHIF-2-αの優先的安定化を決定するために、試験化合物を伴う又は伴わずに対象におけるHIF-1-α及びHIF-2-αの濃度を、HIF-1-α及びHIF-2-αELISAキットを用い決定することができる。各キットの一次抗体が、他のHIFとは交差反応性ではないことに、注意しなければならない(すなわち、HIF-1-αに対する一次抗体は、HIF-1-αと免疫特異的に反応し、且つHIF-2-αとは交差反応せず;HIF-2-αに対する一次抗体は、HIF-2-αと免疫特異的に反応し、且つHIF-1-αとは交差反応しない)。
【0075】
特定の実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤である本発明の化合物は複素環式カルボキサミドである。特定のそのような実施態様において、該複素環式カルボキサミドは、ピリジルカルボキサミド、キノリンカルボキサミド、及びイソキノリンカルボキサミドから選択される。
【0076】
特定の実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤は、式(I)の構造を有するか、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは水和物である:
【化3】
(式中、
R及びR1は、それぞれ独立に:
(i)水素
(ii)置換若しくは非置換のフェニル;又は
(iii)置換若しくは非置換のヘテロアリール;であり
該置換は:
(i)C1-C4アルキル;
(ii)C3-C4シクロアルキル;
(iii)C1-C4アルコキシ;
(iv)C3-C4シクロアルコキシ;
(v)C1-C4ハロアルキル;
(vi)C3-C4ハロシクロアルキル;
(vii)ハロゲン;
(viii)シアノ;
(ix)NHC(O)R4;
(x)C(O)NR5aR5b;及び
(xi)ヘテロアリール;から選択されるか、或いは
(xii)2つの置換基は共に、5〜7個の原子を有する縮合環を形成し;
R4は、C1-C4アルキル又はC3-C4シクロアルキルであり;
R5a及びR5bは、それぞれ独立に:
(i)水素;
(ii)C1-C4アルキル;
(iii)C3-C4シクロアルキル;から選択されるか、或いは
(iv)R5a及びR5bは共に、3〜7個の原子を有する環を形成し;
R2は:
(i)OR6
(ii)NR7aR7b;から選択され、且つ
R6は、水素及びC1-C4アルキル又はC3-C4シクロアルキルから選択され;
R7a及びR7bは、それぞれ独立に:
(i)水素;
(ii)C1-C4アルキル又はC3-C4シクロアルキル;から選択されるか、或いは
(iii)R7a及びR7bは共に、3〜7個の原子を有する環を形成し;
R3は、水素、メチル、及びエチルから選択され;
Lは、-[C(R8aR8b)]n-の構造を有する連結単位であり
R8a及びR8bは、それぞれ独立に、水素、メチル、及びエチルから選択され;
nは、1〜3の整数であり;且つ
R9は、水素及びメチルから選択される)。
【0077】
特定の、より具体的な実施態様において、式(I)におけるR及びR1は、その両方が水素であるというわけではない。
【0078】
特定の実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤は、式(II)の構造を有するか、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である:
【化4】
(式中、
Aは、CR'、N、N+-O-及びN+(C1-C6アルキル)からなる群から選択され;
R'は、H、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルケニル、C2-C6アルキニル、C4-C7ヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、C5-C10ヘテロアリール、NH2、NHR''、N(R'')2、NHC(O)R''、NR''C(O)R''、F、Cl、Br、I、OH、OR''、SH、SR''、S(O)R''、S(O)2R''、S(O)NHR''、S(O)2NHR''、S(O)NR''2、S(O)2NR''2、C(O)R''、CO2H、CO2R''、C(O)NH2、C(O)NHR''、C(O)NR''2、CN、CH2CN、CF3、CHF2、CH2F、NH(CN)、N(CN)2、CH(CN)2、C(CN)3からなる群から選択され;且つ
R''は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7ヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール及びC5-C10ヘテロアリールからなる群から独立に選択され;且つ、ここで、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、又はC4-C7ヘテロシクロアルキルは、オキソ、NH2、NHR''、N(R'')2、F、Cl、Br、I、OH、OR''、SH、SR''、S(O)R''、S(O)2R''、S(O)NHR''、S(O)2NHR''、S(O)NR''2、S(O)2NR''2、C(O)R''、CO2H、CO2R''、C(O)NH2、C(O)NHR''、C(O)NR''2、CN、CH2CN、CF3、CHF2、CH2F、NH(CN)、N(CN)2、CH(CN)2、C(CN)3により任意に置換されており;且つ、ここで、C6-C10アリール又はC5-C10ヘテロアリールは、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルケニル、C2-C6アルキニル、C4-C7ヘテロシクロアルキル、C6アリール、C5-C6ヘテロアリール、NH2、NHR''、N(R'')2、NHC(O)R''、NR''C(O)R''、F、Cl、Br、I、OH、OR''、SH、SR''、S(O)R''、S(O)2R''、S(O)NHR''、S(O)2NHR''、S(O)NR''2、S(O)2NR''2、C(O)R''、CO2H、CO2R''、C(O)NH2、C(O)NHR''、C(O)NR''2、CN、CH2CN、CF3、CHF2、CH2F、NH(CN)、N(CN)2、CH(CN)2、又はC(CN)3により任意に置換されており;且つ、ここで、窒素上の2つのR''基は共に、2〜7個の炭素原子並びに該2個のR''基が結合している窒素原子を含む窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する環を形成でき;
R2は:
(i)OR6;
(ii)NR7aR7b;から選択され、且つ
R6は、水素及びC1-C4アルキル又はC3-C4シクロアルキルから選択され;
R7a及びR7bは、それぞれ独立に:
(i)水素;
(ii)C1-C4アルキル又はC3-C4シクロアルキル;から選択されるか、或いは
(iii)R7aとR7bは共に、3〜7個の原子を有する環を形成する)。
【0079】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、式(III)の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化5】
(式中、
Rは、
(i)-OR1;又は
(ii)-NR2R3;又は
(iii)-OM1;から選択され
R1は:
(i)水素;又は
(ii)C1-C6アルキル若しくはC3-C6シクロアルキル;であり
R2及びR3は、それぞれ独立に:
(i)水素;
(ii)C1-C4アルキル又はC3-C4シクロアルキル;から選択されるか、或いは
(iii)R2とR3は共に、2〜7個の炭素原子並びにR2及びR3が結合している窒素原子を含む窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する環を形成でき;且つ
M1はカチオンであり;且つ
R4は:
(i)-OH;又は
(ii)-OM2;であり、且つ
M2はカチオンである)。
【0080】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、式(IV)の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化6】
(式中、
Rは、
(i)-OR1;又は
(ii)-NR2R3;又は
(iii)-OM1;から選択され
R1は:
(i)水素;又は
(ii)C1-C6アルキル若しくはC3-C6シクロアルキル;であり
R2及びR3は、それぞれ独立に:
(i)水素;
(ii)C1-C4アルキル又はC3-C4シクロアルキル;から選択されるか、或いは
(iii)R2とR3は共に、2〜7個の炭素原子並びにR2及びR3が結合している窒素原子を含む窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する環を形成でき;且つ
M1はカチオンであり;且つ
R4は:
(i)-OH;又は
(ii)-OM2;であり、且つ
M2はカチオンである)。
【0081】
本明細書に記載されるHIFプロリル水酸化酵素阻害剤化合物は、下記式(V)に示された構造を有する、非置換又は置換の3-ヒドロキシ-ピリジン-2-カルボキサミド、並びにその医薬として許容し得る塩、及び互変異性体である(式中:Lは、C1-6アルキルであり;且つ、R1及びR2は、独立に、H又はC1-6アルキルである)
【化7】
【0082】
特定の実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である:
【化8】
【0083】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物2、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である:
【化9】
【0084】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物3、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化10】
【0085】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物4、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化11】
【0086】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物5、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化12】
【0087】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物6、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化13】
【0088】
特定の実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤は、下記構造を有する化合物7、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である:
【化14】
【0089】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物8、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である:
【化15】
【0090】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物9、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化16】
【0091】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物10、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化17】
【0092】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物11、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化18】
【0093】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、下記構造を有する化合物12、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である
【化19】
【0094】
特定の実施態様において、HIF安定剤は、名称N-(2-アミノエチル)-3-ヒドロキシ-ピリジン-2-カルボキサミドを有する下記構造を有する化合物13であり、その医薬として許容し得る塩及び互変異性体を含む
【化20】

化合物13の互変異性体は、下記を含む:
【化21】
【0095】
特定の実施態様において、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、若しくは化合物13から選択された化合物の代謝物は、本明細書に提供される方法で使用することができる。特定のより具体的実施態様において、そのような代謝物は、フェノールグルクロニド又はアシルグルクロニドである。
【化22】
【0096】
化合物13は、1987年4月8日に公開された、中国特許出願公開第CN 85107182 A号、及び1986年3月13日に公開された独国特許出願公開第DE 3530046 A1号に提供された方法を含む、当該技術分野において公知の試薬及び方法を使用して調製することができ、これらの各出願の全内容は引用により本明細書中に組み込まれている。
【0097】
(5.3 製剤)
(5.3.1 化合物1製剤)
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、化合物1、不溶性希釈剤又は担体、崩壊剤、及び希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、崩壊剤、流動促進剤、及び/又は滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が錠剤コーティングを含む製剤が本明細書に提供される。
【0098】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分と粒外成分の総重量である重量で約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%の化合物1を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0099】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分と粒外成分の総重量である重量で約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、又は約50%の不溶性希釈剤又は担体を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0100】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分と粒外成分の総重量である重量で約1%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5.0%、約5.5%、約6.0%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9.0%、約9.5%、又は約10%の崩壊剤を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0101】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分と粒外成分の総重量である重量で約0.05%、約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.35%、約0.4%、約0.45%、約0.5%、約0.55%、約0.6%、約0.65%、約0.7%、約0.75%、又は約0.8%の流動促進剤を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0102】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分と粒外成分の総重量である重量で、約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.35%、約0.4%、約0.45%、約0.5%、約0.55%、約0.6%、約0.65%、約0.7%、約0.75%、又は約0.8%、約0.85%、約0.9%、約0.95%、約1.0%、約1.05%、約1.1%、約1.15%、約1.2%、約1.2%、約1.25%、約1.3%、約1.35%、約1.4%、約1.45%、又は約1.5%の滑沢剤を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0103】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約50重量%〜約80重量%の化合物1、約10重量%〜約40重量%の不溶性希釈剤又は担体、約1.5重量%〜約4.5重量%の崩壊剤、及び約1重量%〜約5重量%の希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、約1.5重量%〜約4.5重量%の崩壊剤、約0.1重量%〜約0.4重量%の流動促進剤、及び約0.15重量%〜約1.35重量%の滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0104】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約55重量%〜約75重量%の化合物1、約15重量%〜約35重量%の不溶性希釈剤又は担体、約2.0重量%〜約4.0重量%の崩壊剤、及び約1.8重量%〜約3.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、約2.0重量%〜約4.0重量%の崩壊剤、約0.15重量%〜約0.35重量%の流動促進剤、及び約0.35重量%〜約1.15重量%の滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0105】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約60重量%〜約70重量%の化合物1、約20重量%〜約30重量%の不溶性希釈剤又は担体、約2.5重量%〜約3.5重量%の崩壊剤、及び約2.3重量%〜約3.3重量%の希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、約2.5重量%〜約3.5重量%の崩壊剤、約0.2重量%〜約0.3重量%の流動促進剤、約0.55重量%〜約0.95重量%の滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0106】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約65重量%の化合物1、約25重量%の不溶性希釈剤又は担体、約3重量%の崩壊剤、及び約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、約3重量%の崩壊剤、約0.25重量%の流動促進剤、約0.75重量%の滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0107】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、化合物1、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、該粒外成分が、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含み;且つ、該フィルムコーティング成分がOpadry(登録商標)を含む製剤が本明細書に提供される。
【0108】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約50重量%〜約80重量%の化合物1、約10重量%〜約40重量%の微結晶性セルロース、約1.5重量%〜約4.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約1重量%〜約5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約1.5重量%〜約4.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.1重量%〜約0.4重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.15重量%〜約1.35重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0109】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約55重量%〜約75重量%の化合物1、約15重量%〜約35重量%の微結晶性セルロース、約2.0重量%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約1.8重量%〜約3.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約2.0重量%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.15重量%〜約0.35重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.35重量%〜約1.15重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0110】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約60重量%〜約70重量%の化合物1、約20重量%〜約30重量%の微結晶性セルロース、約2.5重量%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.3重量%〜約3.3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約2.5重量%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.2重量%〜約0.3重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.55重量%〜約0.95重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0111】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約60重量%の化合物1、約30重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0112】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約65重量%の化合物1、約25重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0113】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約70重量%の化合物1、約20重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0114】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約75重量%の化合物1、約15重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0115】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約80重量%の化合物1、約10重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0116】
特定の他の実施態様において、約100mg〜約1,200mg、約200mg〜約1,000mg、約400mg〜約800mg、又は約450mg〜約600mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を含む単位剤形が本明細書に提供される。
【0117】
特定の他の実施態様において、約100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1,000mg、1,050mg、1,100mg、1,150、又はさらには約1,200mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を含む単位剤形が本明細書に提供される。特定の実施態様において、単位剤形は、約40mg、約120mg、約150mg、約185mg、約200mg、約250mg、約300mg、又はさらには約315mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、又は代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を含む。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約40mg、約120mg、約185mg、約200mg、約200、約250mg、又はさらには約300mgの該化合物を含むカプセルである。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約150mgの該化合物を含む錠剤である。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約315mgの該化合物を含む錠剤である。
【0118】
(5.3.2 化合物7製剤)
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、化合物7、不溶性希釈剤又は担体、崩壊剤、及び希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、崩壊剤、流動促進剤、及び/又は滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が錠剤コーティングを含む製剤が本明細書に提供される。
【0119】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分及び粒外成分の総重量である重量で約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%の化合物7を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0120】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分及び粒外成分の総重量である重量で約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、又は約50%の不溶性希釈剤又は担体を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0121】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分及び粒外成分の総重量である重量の約1%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5.0%、約5.5%、約6.0%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9.0%、約9.5%、又は約10%の崩壊剤を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0122】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分及び粒外成分の総重量である重量で約0.05%、約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.35%、約0.4%、約0.45%、約0.5%、約0.55%、約0.6%、約0.65%、約0.7%、約0.75%、又は約0.8%の流動促進剤を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0123】
特定の実施態様において、錠剤の全粒内成分及び粒外成分の総重量である重量で約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.35%、約0.4%、約0.45%、約0.5%、約0.55%、約0.6%、約0.65%、約0.7%、約0.75%、又は約0.8%、約0.85%、約0.9%、約0.95%、約1.0%、約1.05%、約1.1%、約1.15%、約1.2%、約1.2%、約1.25%、約1.3%、約1.35%、約1.4%、約1.45%、又は約1.5%の滑沢剤を含む経口投与製剤が本明細書に提供される。
【0124】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約50重量%〜約80重量%の化合物7、約10重量%〜約40重量%の不溶性希釈剤又は担体、約1.5重量%〜約4.5重量%の崩壊剤、及び約1重量%〜約5重量%の希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、約1.5重量%〜約4.5重量%の崩壊剤、約0.1重量%〜約0.4重量%の流動促進剤、及び約0.15重量%〜約1.35重量%の滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0125】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約55重量%〜約75重量%の化合物7、約15重量%〜約35重量%の不溶性希釈剤又は担体、約2.0重量%〜約4.0重量%の崩壊剤、及び約1.8重量%〜約3.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、約2.0重量%〜約4.0重量%の崩壊剤、約0.15重量%〜約0.35重量%の流動促進剤、及び約0.35重量%〜約1.15重量%の滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0126】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約60重量%〜約70重量%の化合物7、約20重量%〜約30重量%の不溶性希釈剤又は担体、約2.5重量%〜約3.5重量%の崩壊剤、及び約2.3重量%〜約3.3重量%の希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、約2.5重量%〜約3.5重量%の崩壊剤、約0.2重量%〜約0.3重量%の流動促進剤、約0.55重量%〜約0.95重量%の滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0127】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約65重量%の化合物7、約25重量%の不溶性希釈剤又は担体、約3重量%の崩壊剤、及び約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、約3重量%の崩壊剤、約0.25重量%の流動促進剤、約0.75重量%の滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0128】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、化合物7、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、該粒外成分が、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含み;且つ、該フィルムコーティング成分がOpadry(登録商標)を含む製剤が本明細書に提供される。
【0129】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約50重量%〜約80重量%の化合物7、約10重量%〜約40重量%の微結晶性セルロース、約1.5重量%〜約4.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約1重量%〜約5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約1.5重量%〜約4.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.1重量%〜約0.4重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.15重量%〜約1.35重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0130】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約55重量%〜約75重量%の化合物7、約15重量%〜約35重量%の微結晶性セルロース、約2.0重量%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約1.8重量%〜約3.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約2.0重量%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.15重量%〜約0.35重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.35重量%〜約1.15重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0131】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約60重量%〜約70重量%の化合物7、約20重量%〜約30重量%の微結晶性セルロース、約2.5重量%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.3重量%〜約3.3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約2.5重量%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.2重量%〜約0.3重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.55重量%〜約0.95重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約1.0重量%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0132】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約60重量%の化合物7、約30重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0133】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約65重量%の化合物7、約25重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0134】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約70重量%の化合物7、約20重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0135】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約75重量%の化合物7、約15重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0136】
特定の実施態様において、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含み、該粒内成分が、約80重量%の化合物7、約10重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分が、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分が、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である製剤が本明細書に提供される。
【0137】
特定の他の実施態様において、約25mg〜約2000mg、約50mg〜約1500mg、約100mg〜約1,200mg、約200mg〜約1,000mg、約400mg〜約800mg、又は約450mg〜約600mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸)を含む単位剤形が本明細書に提供される。
【0138】
特定の他の実施態様において、約10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1,000mg、1,050mg、1,100mg、1,150、又はさらには約1,200mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸)を含む単位剤形が本明細書に提供される。特定の実施態様において、単位剤形は、約25mg、約40mg、約120mg、約150mg、約185mg、約200mg、約250mg、約300mg、又はさらには約315mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸)を含む。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約25mg、約40mg、約120mg、約185mg、約200mg、約200、約250mg、又はさらには約300mgの該化合物を含むカプセルである。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約150mgの該化合物を含む錠剤である。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約315mgの該化合物を含む錠剤である。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約25mgの該化合物を含む錠剤である。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約25mg、約40mg、約120mg、約185mg、約200mg、約200、約250mg、又はさらには約300mgの該化合物を含む、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はエリキシル剤の形態の遊離酸である。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約150mgの該化合物を含む、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はエリキシル剤の形態の遊離酸である。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約315mgの該化合物を含む、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はエリキシル剤の形態の遊離酸である。特定のそのような実施態様において、単位剤形は、約25mgの該化合物を含む、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はエリキシル剤の形態の遊離酸である。
【0139】
(5.3.3 医薬組成物)
医薬組成物は、個別の単一の単位剤形の調製において使用することができる。本明細書に提供される医薬組成物及び剤形は、本明細書に提供される化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(例えば、親化合物)を含有する。医薬組成物及び剤形は更に、1種以上の賦形剤を含有することができる。
【0140】
特定の実施態様において、医薬組成物及び剤形は、1種以上の賦形剤を含有する。好適な賦形剤は、調剤学分野の業者に周知であり、且つ好適な賦形剤の非限定的例は、本明細書に提供されている。特定の賦形剤が、医薬組成物又は剤形への混入に適しているかどうかは、非限定的に、その剤形が患者へ投与される方式を含む、当該技術分野において周知の様々な要因によって決まる。例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形における使用には適していない賦形剤を含んでよい。特定の賦形剤の適合性は、その剤形中の具体的活性成分によっても左右され得る。例えば、いくつかの活性成分の分解は、乳糖などの一部の賦形剤により、又は水への曝露時に、加速されることがある。第一級又は第二級アミンを含む活性成分は、そのような加速された分解を特に受けやすい。結果的に、もし含むとしても、乳糖、他の単糖又は二糖をごくわずかに含む医薬組成物及び剤形が提供される。本明細書において使用される用語「乳糖-非含有」は、もし存在するとしても、存在する乳糖の量が、活性成分の分解速度を実質的に増大するのには不充分であることを意味する。
【0141】
乳糖-非含有組成物は、当該技術分野において周知であり、且つ例えば米国薬局方(USP)25 NF20 (2002)に収載されている賦形剤を含むことができる。概して、乳糖-非含有組成物は、活性成分、医薬として適合可能な量及び医薬として許容し得る量の結合剤/充填剤、及び滑沢剤を含有する。一実施態様において、乳糖-非含有剤形は、活性成分、微結晶性セルロース、α化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する。
【0142】
水は一部の化合物の分解を促進し得るので、無水の医薬組成物及び剤形もまた提供される。例えば、水の添加(例えば5%)は、貯蔵寿命又は経時的製剤の安定性などの特徴を決定するために、長期貯蔵をシミュレーションする手段として、製薬分野において広範に受け容れられている。例えば、Jens T. Carstensenの文献、「薬剤安定性:原理と実践(Drug Stability: Principles & Practice)」、第2版、Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379-80を参照されたい。実際、水と熱は、一部の化合物の分解を加速する。従って、水分及び/又は湿度は、製剤の製造、取り扱い、包装、貯蔵、出荷、及び使用の際には普通に遭遇するので、製剤に対する水の作用は、非常に重要であり得る。
【0143】
無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように、調製され且つ貯蔵されなければならない。従って無水組成物は、一実施態様において、水への曝露を防ぐことが分かっている材料を使用し包装され、結果的にそれらは好適な処方キット中に含まれ得る。好適な包装の例は、密封フォイル、プラスチック、単位投与量容器(例えばバイアル)、ブリスター包装、及びストリップ包装を含むが、これらに限定されるものではない。
【0144】
同じく、活性成分が分解する速度を低下させる1種以上の化合物を含有する医薬組成物及び剤形も提供される。そのような化合物は、本明細書において「安定剤」と称され、アスコルビン酸などの抗酸化剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0145】
賦形剤の量及び種類同様、剤形中の活性成分の量及び具体的種類も、非限定的に、それが患者へ投与される経路などの要因に応じて異なり得る。
【0146】
経口投与に適している医薬組成物は、非限定的に、錠剤(例えば咀嚼錠)、カプレット剤、カプセル剤、及び液剤(例えば香味付けシロップ剤)などの、個別の剤形として提供され得る。そのような剤形は、所定量の活性成分を含有し、且つ当業者に周知の調剤方法により調製されることができる。一般に、「レミントン調剤の科学と実践(Remington’s The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版、Lippincott Williams & Wilkins (2005)を参照されたい。
【0147】
本明細書において提供される経口剤形は、従来の医薬配合技術に従い、少なくとも1種の賦形剤との緊密な混合物中で活性成分を組合せることにより調製される。賦形剤は、投与に望ましい調製の形に応じ、広汎な形をとり得る。例えば、経口用の液体又はエアロゾル剤形における使用に適した賦形剤は、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、及び着色剤を含むが、これらに限定されるものではない。固形経口剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、及びカプレット剤)における使用に適した賦形剤の例は、デンプン、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0148】
一実施態様において、経口剤形は錠剤又はカプセル剤であり、その場合固形賦形剤が使用される。別の実施態様において、錠剤は、標準の水性又は非水性技術により、コーティングされ得る。そのような剤形は、任意の調剤方法により調製され得る。概して、医薬組成物及び剤形は、活性成分を、液体担体、微細な固形担体、又はそれら両方と均一且つ密接に混合し、必要な場合、その後の所望の外観に製品を造形して調製される。
【0149】
例えば、錠剤は、圧縮又は成形により調製することができる。圧縮錠は、粉末又は顆粒などの易流動性形態の活性成分を、任意に賦形剤と混合して、好適な機械において圧縮することにより調製することができる。成形錠は、不活性液体希釈剤により湿潤された粉末化合物の混合物を、好適な機械中で成形することにより製造することができる。
【0150】
本明細書に提供される経口剤形において使用できる賦形剤の例は、不溶性希釈剤、結合剤、充填剤、崩壊剤、流動促進剤、担体、及び滑沢剤を含むが、これらに限定されるものではない。医薬組成物及び剤形における使用に適した結合剤は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、若しくは他のデンプン類、ゼラチン、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギネート、トラガカント末、グアーガムなどの天然及び合成ゴム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、No.2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0151】
本明細書に提供される医薬組成物及び剤形に使用するのに好適な不溶性希釈剤及び担体の例には、第二リン酸カルシウム及び微結晶性セルロースがあるが、これらに限定されない。微結晶性セルロースの好適な形は、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC社、American Viscose Division、Avicel Sales(マルクスフック、PA)から入手可能)として販売される物質、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。具体的結合剤は、AVICEL RC-581として販売される、微結晶性セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物である。好適な無水又は低水分賦形剤又は添加剤は、AVICEL-PH-103(商標)及びStarch 1500 LMを含む。他の微結晶性セルロースの好適な形は、シリカ含有微結晶性セルロース、例えばPROSOLV 50、PROSOLV 90、PROSOLV HD90、PROSOLV 90 LMとして販売される物質、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0152】
本明細書に提供される医薬組成物及び剤形に使用するのに好適な希釈剤/充填剤の例には、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒剤又は散剤)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、スターチ、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel E5 Premium LV)、及びそれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0153】
特定の実施態様において、充填剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体を含み得るが、これらに限定されるものではない。そのようなブロック共重合体は、ポロキサマー又はプルロニックとして販売されており、ポロキサマー188 NF、ポロキサマー237 NF、ポロキサマー338 NF、ポロキサマー437 NF、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0154】
いくつかの実施態様において、充填剤は、イソマルト、乳糖、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリトリトール、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0155】
崩壊剤は、水性環境に曝露された際に崩壊する錠剤を提供するために、組成物中で使用することができる。多すぎる崩壊剤を含有する錠剤は、貯蔵時に崩壊することがあるのに対し、少なすぎる崩壊剤を含有するものは、望ましい速度や望ましい条件下で崩壊しないことがある。従って、活性成分の放出を有害に変更しないよう多すぎず少なすぎない十分な量の崩壊剤を、固形経口剤形を形成するために使用することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に応じて変動し、当業者は容易に識別できる。
【0156】
医薬組成物及び剤形に使用できる崩壊剤には、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標))、ポテトスターチ又はタピオカスターチ、他のスターチ、アルファ化デンプン、他のスターチ、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ゴム、及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0157】
医薬組成物及び剤形に使用できる流動促進剤には、ヒュームドシリカ、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、Aerosil、Cab-O-Sil)、スターチ及びタルクがあるが、これらに限定されない。
【0158】
医薬組成物及び剤形に使用できる滑沢剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム(例えば、Hyqual(登録商標)5712)、ミネラルオイル、ライトミネラルオイル、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール類、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、エチルラウレエート(ethyl laureate)、寒天、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。追加の滑沢剤は、例えば、サイロイドシリカゲル(AEROSIL200、W.R. Grace社(ボルチモア、MD)製造)、合成シリカの凝固エアロゾル(Degussa社(プラノ、TX)により市販)、CAB-O-SIL(Cabot社(ボストン、MA)により販売される発熱性コロイド状二酸化ケイ素製品)、及びそれらの混合物を含む。
【0159】
経口投与のための液体剤形は、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤を含む。液体剤形は、活性成分に加え、例えば水又は他の溶媒などの、当該技術分野において通常使用される不活性希釈剤、可溶化剤、及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油類(とりわけ、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0160】
経口組成物は、不活性希釈剤に加え、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味料、香味剤、着色剤、香料及び保存剤などの補助剤も含むことができる。
【0161】
懸濁剤は、活性な阻害剤に加え、例えば、エトキシ化されたイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにそれらの混合物などの懸濁化剤を含んでよい。
【0162】
(5.4 患者集団)
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療及び/又は予防する方法であって、充分な数の連続する投与量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に投与することを含み、該患者が、(i)60mL/分/1.73m2未満の推算糸球体濾過量(eGFR)(ここで、該対象は、透析を受けておらず、治療の開始の3か月以内に透析を開始すると予期されていない)、(ii)治療開始前の10.0g/dL未満のヘモグロビンレベル、(iii)治療開始の4週間以内の100ng/mL以上のフェリチンレベル、(iv)治療開始の4週間以内の20%以上のトランスフェリン飽和度(TSAT)レベル、(v)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上の葉酸塩測定値、(vi)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上のビタミンB12測定値、及び(vii)少なくとも18歳の年齢のうち、少なくとも2、3、4、5つ、又は全てを有する方法が本明細書に提供される。
【0163】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療及び/又は予防する方法であって、充分な数の連続する投与量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に投与することを含み、該患者が、(i)65mL/分/1.73m2未満の推算糸球体濾過量(eGFR)(ここで、該対象は、透析を受けておらず、治療の開始の3か月以内に透析を開始すると予期されていない)、(ii)治療開始前の10.0g/dL未満のヘモグロビンレベル、(iii)治療開始の4週間以内の50ng/mL以上のフェリチンレベル、(iv)治療開始の4週間以内の15%以上のトランスフェリン飽和度(TSAT)レベル、(v)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上の葉酸塩測定値、(vi)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上のビタミンB12測定値、及び(vii)少なくとも18歳の年齢のうち、少なくとも2、3、4、5つ、又は全てを有する方法が本明細書に提供される。
【0164】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療及び/又は予防する方法であって、充分な数の連続する投与量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に投与することを含み、該患者が、下記のいずれでもなく、下記のいずれも有さない方法が本明細書に提供される:(i)妊娠中若しくは授乳中の女性、若しくは許容し得る避妊方法を使用できないか若しくは使用する意志のない女性、(ii)許容し得る避妊方法を使用できないか若しくは使用する意志のない精管切除していない男性、(iii)CKD以外の原因による貧血;例えば、鎌状赤血球症、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、血液系悪性腫瘍、骨髄腫、溶血性貧血、サラセミア、赤芽球ろう、活動性出血、若しくは最近の失血、(iv)あらゆる治療の開始前4〜8週間以内の赤血球輸血、(v)治療開始前4〜8週間以内の鉄静注、(vi)あらゆる治療の開始前の8〜12週間以内のあらゆる赤血球生成(erythropoeisis)刺激剤(例えば、rHuEPO;プロクリット(登録商標)、エプレックス(登録商標)、ネオレコルモン(登録商標)、エポジェン(登録商標)、アラネスプ(商標)[ダルベポエチンアルファ])、(vii)急性感染症の現在受けている静脈内抗生物質療法、(viii)あらゆる治療の開始前の8〜12週間以内の大手術(バスキュラーアクセス手術を含む)、(ix)あらゆる治療の開始の4週間前での肝機能不全の証拠(AST若しくはALT>3.0×ULN、又は総ビリルビン>2.0×ULN)、(x)あらゆる治療の開始の4週間前での降圧不十分な高血圧(拡張期血圧>110mmHg又は収縮期血圧>180mmHg)、(xi)ニューヨーク心臓協会クラスIV鬱血性心不全、(xii)あらゆる治療の開始前の8〜12週間以内の心筋梗塞、急性冠症候群、鬱血性心不全のための入院、若しくは脳卒中、(xiii)スクリーニングより前の2年間の活動性の悪性腫瘍の既往歴、但し、治癒切除された皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、子宮頸部上皮内癌、又は切除された良性の結腸ポリープを除く、(xiv)スクリーニングより前の12週間以内の、積極的治療を要する最近の深静脈血栓症(DVT)若しくは肺動脈塞栓症の既往歴、(xv)ヘモジデローシス若しくはヘモクロマトーシスの既往歴、(xvi)以前の臓器移植の既往歴若しくは計画された臓器移植(腎臓移植待機リストは除外されない)、若しくは幹細胞若しくは骨髄移植(角膜移植は除外されない)、(xvii)あらゆる治療の開始の4週間前に先立つ(prior to the 4 weeks prior to)、30日若しくは治験薬の5半減期(いずれか長い方)以内の治験薬の使用若しくは治験への参加、(xviii)別の試験での該化合物の受け取り若しくは別の低酸素誘導因子プロリル-水酸化酵素阻害剤(HIF-PHI)による試験への以前の参加、又は(xix)治療にあたる医師の意見において患者を治療に好適にさせないあらゆる他の理由。
【0165】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療及び/又は予防する方法であって、充分な数の連続する投与量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に投与することを含み、該患者が、下記のいずれでもなく、下記のいずれも有さない方法が本明細書に提供される:(i)妊娠中若しくは授乳中の女性若しくは許容し得る避妊方法を使用できないか若しくは使用する意志のない出産可能な女性、(ii)許容し得る避妊方法を使用できないか若しくは使用する意志のない精管切除していない男性、(iii)BMI>50.0kg/m2、(iv)溶血(溶血性貧血)、活動性出血、若しくは最近の失血など、慢性腎疾患以外の原因による貧血、(v)骨髄異形成症候群若しくは骨髄線維症の既往歴、(vi)治療開始前8週間以内の赤血球輸血、(vii)治療開始前4週間以内の鉄静注、(viii)治療開始前の10週間以内のあらゆる赤血球生成刺激剤(rHuEPO;プロクリット(登録商標)、エプレックス、ネオレコルモン、エポジェン、ダルベポエチン(アラネスプ)など)、(ix)該対象が治療に適切であると治療にあたる医師がみなさない限り、活動性感染症の証拠、(x)治療の開始4週間前での既知の慢性肝臓病の既往歴若しくは肝機能不全の証拠(AST若しくはALT>3.0×ULN、又は総ビリルビン>2.0×ULN)、(xi)治療の開始4週間前での降圧不十分な高血圧(拡張期血圧>110mmHg又は収縮期血圧>180mmHg)、(xii)治療の開始4週間前でのニューヨーク心臓協会クラスIV鬱血性心不全、(xiii)治療開始前の12週間以内の心筋梗塞、急性冠症候群、若しくは脳卒中、(xiv)治療開始前の2年以内の活動性の悪性腫瘍のあらゆる既往歴若しくは悪性腫瘍の治療、但し、治癒切除された皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、子宮頸部上皮内癌、若しくは切除された良性結腸ポリープを除く、(xv)開始治療前の12週間以内の、積極的治療を要する最近の深静脈血栓症(DVT)若しくは肺動脈塞栓症の履歴、(xvi)ヘモジデローシスの既往歴、(xvii)以前の臓器移植の既往歴若しくは計画された臓器移植(腎臓移植待機リストは除外されない)、若しくは幹細胞若しくは骨髄移植(角膜移植は除外されない)、(xviii)治療の前の、45日若しくは治験薬の5半減期(いずれか長い方)以内の治験薬の使用若しくは治験への参加、(xix)本試験への以前の参加若しくは別の臨床試験における5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の以前の受け取り若しくは別の低酸素誘導因子プロリル-水酸化酵素阻害剤(HIF-PHI)の以前の受け取り、及び(xx)治療に関連する危険性を増加することがあり、医師の判断において該患者を治療に不適当にする、他の重症の急性若しくは慢性の医学的若しくは精神的な病態若しくは臨床検査値異常。
【0166】
特定の実施態様において、慢性腎疾患(CKD)に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が少なくとも18歳であり、少なくとも50歳であり、少なくとも60歳であり、少なくとも65歳であり、少なくとも70歳であり、又はさらには少なくとも80歳である方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、該患者は高齢の患者である。特定の実施態様において、該患者は18歳未満である。特定の実施態様において、該患者は小児の患者である。特定の実施態様において、該患者は少なくとも18歳である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0167】
特定の実施態様において、慢性腎疾患(CKD)に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が、白人、ヒスパニック系、黒人、及びアジア人から選択される亜集団の一員である方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、該患者は、男性及び女性から選択される亜集団の一員である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0168】
特定の実施態様において、慢性腎疾患(CKD)に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が、癌、AIDS、鬱血性心不全、左心室肥大、糖尿病、高血圧、脂質異常症、慢性心不全、脳卒中、疲労、うつ病、及び認知機能障害、又はそのあらゆる組み合わせから選択される追加の疾患又は病態を有する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0169】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者がエリスロポエチン模倣体などの赤血球生成刺激剤(「ESA」)による治療に対して不応性である方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、ESAは、エポエチンα、エポエチンβ、ダルベポエチン、又はペギネサチドを含むがこれらに限定されないrhEPO製品である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0170】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が、85未満、80未満、75未満、70未満、65未満、60未満、55未満、又は50mL/分/1.73m2未満の糸球体濾過量を有する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0171】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が、15%未満、10%未満、又はさらには少なくとも5%のヘモグロビンレベルを有する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0172】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が正常値の下限以上の葉酸塩レベルを有する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0173】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が正常値の下限以上のビタミンB12レベルを有する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0174】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が、少なくとも15%、少なくとも18%、又はさらには少なくとも20%のトランスフェリン飽和度(TSAT)を有する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0175】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が、少なくとも50ng/mL又はさらには少なくとも100ng/mLのフェリチンレベルを有する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0176】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が、少なくとも18%のトランスフェリン飽和度と共に少なくとも50ng/mLのフェリチンレベルを、又は少なくとも15%のトランスフェリン飽和度と共に少なくとも100ng/mLのフェリチンレベルを有する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0177】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が、42kg/m2未満、又は44kg/m2未満、又は50kg/m2未満のボディマス指数(BMI)を有する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0178】
特定の実施態様において、CKDに続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含み、該患者が、該化合物による治療の開始の11週間又は12週間以内に赤血球輸血を有した方法が本明細書に提供される。特定の代替実施態様において、該患者は、該化合物による治療の開始の11週間又は12週間以内に赤血球輸血を有さなかった。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0179】
特定の実施態様において、慢性腎疾患に続発する非重症の貧血、鬱血性心不全に続発する非重症の貧血、及び加齢の特発性貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、1日量の化合物1などの本明細書に開示される化合物を投与することを含み、該化合物が連続的に且つ/又は無期限に投与される方法が本明細書に提供される。
【0180】
特定の実施態様において、患者における鉄過剰症を治療及び/又は予防する方法であって、該患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、前記投与工程は、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って実施される。
【0181】
(5.5 治療及び予防の方法)
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血など、セクション5.4に記載された対象における貧血を治療及び/又は予防する方法であって、貧血を有する患者に、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物など、有効量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を投与することを含み、1日量が、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの該化合物、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は水和物を含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。具体的には、そのような方法は、患者に、セクション5.3に記載される製剤を投与することを含む。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。特定の実施態様において、1日量は、2mg/kg、2.1mg/kg、2.2mg/kg、2.3mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kg、2.6mg/kg、2.7mg/kg、2.8mg/kg、2.9mg/kg、3mg/kg、3.1mg/kg、3.2mg/kg、3.3mg/kg、3.4mg/kg、3.5mg/kg、3.6mg/kg、3.7mg/kg、3.8mg/kg、3.9mg/kg、又は4mg/kgである。
【0182】
特定の実施態様において、HIF-α安定剤のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤を、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの該化合物、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は水和物の1日量で投与することを含む、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法に使用するための、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物などのHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。特定の実施態様において、1日量は、2mg/kg、2.1mg/kg、2.2mg/kg、2.3mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kg、2.6mg/kg、2.7mg/kg、2.8mg/kg、2.9mg/kg、3mg/kg、3.1mg/kg、3.2mg/kg、3.3mg/kg、3.4mg/kg、3.5mg/kg、3.6mg/kg、3.7mg/kg、3.8mg/kg、3.9mg/kg、又は4mg/kgである。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の医薬として許容し得る塩である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の溶媒和物である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の水和物である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸の医薬として許容し得る塩である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸の溶媒和物である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸の水和物である。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0183】
特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgの該化合物、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は水和物を含む。特定の実施態様において、1日量は、約150mgを含む。特定の実施態様において、1日量は、約300mgを含む。特定の実施態様において、1日量は、約450mgを含む。特定の実施態様において、1日量は、約600mgを含む。
【0184】
特定の実施態様において、慢性腎疾患は、ステージ3、4、又は5の慢性腎疾患である。特定のそのような実施態様において、慢性腎疾患は、透析前の慢性腎疾患である。特定のそのような実施態様において、慢性腎疾患は、非透析依存性慢性腎疾患である。特定の実施態様において、患者は、以前に、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血の治療を受けていない。特定の代替実施態様において、患者は、以前に、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血の治療を受けた。特定の実施態様において、患者は、組換え型エリスロポエチンによる治療に対して不応性である。
【0185】
特定の実施態様において、1日量は連続的に投与される。特定の実施態様において、1日量は、連続して42日間より長く、又はさらには連続して90日間より長くなど、無期限に投与される。特定の代替実施態様において、1日量は、少なくとも1週間から最長連続30日間、最長連続35日間、又はさらには最長連続40日間投与される。特定の実施態様において、1日量は、1日1回経口投与される。特定の実施態様において、1日量は、1日2回投与される分割された投与量として経口投与される。特定の実施態様において、1日量は、特定の時刻に投与される。さらにより具体的な実施態様において、1日量は、昼過ぎに投与される。具体的な実施態様において、患者は慢性腎疾患を有し、且つ該化合物(セクション5.2参照)は、同じ時刻に、具体的には、昼前に、昼過ぎに、より具体的には、昼食直前に、昼食直後に、昼食と午後2時の間に、午前10時と午後2時の間に、午前10時に、午前11時に、午後12時に、午後1時に、又は午後2時に投与される。特定の実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0186】
特定の実施態様において、1日量は、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回、毎日、2週ごとに1回、3週ごとに1回、4週ごとに1回、又は2か月ごとに1回、又は3か月ごとに1回投与される。特定のそのような実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0187】
特定の実施態様において、患者のヘモグロビンレベルは、8.0g/dL及び約13.0g/dL以下で、少なくとも約8.5g/dL及び13.0g/dL以下で、少なくとも約9.0g/dL及び13.0g/dL以下で、少なくとも約9.5g/dL及び13.0g/dL以下で、又は少なくとも約10.0g/dL及び約13.0g/dL以下のレベルに維持される。特定のそのような実施態様において、ヘモグロビンレベルは、少なくとも約11.0g/dL及び約13.0g/dL以下のレベルに維持される。特定のそのような実施態様において、ヘモグロビンレベルは、少なくとも約11.0g/dL及び約12.0g/dL以下のレベルに維持される。特定の実施態様において、これらの値は、高度、患者の性別及び年齢で調整される。
【0188】
特定の実施態様において、セクション5.3に記載される製剤における本明細書に提供される化合物の投与は、ヘモグロビンのレベルの増加をもたらし、ベースラインヘモグロビンレベルに対して、少なくとも約0.1g/dLだけ、少なくとも約0.2g/dLだけ、少なくとも約0.3g/dLだけ、少なくとも約0.4g/dLだけ、少なくとも約0.5g/dLだけ、少なくとも約0.6g/dLだけ、少なくとも約0.7g/dLだけ、少なくとも約0.8g/dLだけ、少なくとも約0.9g/dLだけ、少なくとも約1.0g/dLだけ、少なくとも約1.1g/dLだけ、少なくとも約1.2g/dLだけ、少なくとも約1.3g/dLだけ、少なくとも約1.4g/dLだけ、又は少なくとも約1.5g/dLだけ増加する。
【0189】
特定の実施態様において、該化合物は、任意に、別の医薬と組み合わせて投与される。特定のそのような実施態様において、他の医薬は、硫酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、又はフマル酸第一鉄などの鉄補給剤であり、それは、該化合物の投与少なくとも2時間後に投与され得る。特定の実施態様において、該鉄補給剤は、フェリチンが、約50ng/mL〜約300ng/mLのレベルに維持されるような量で投与される。特定の実施態様において、該鉄補給剤は、鉄元素の約50mgの1日量で経口投与される。特定の実施態様において、該鉄補給剤は必要に応じて投与され、その一方で、特定の代替実施態様において、該鉄補給剤は連続的に且つ/又は無期限に投与される。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0190】
特定の実施態様において、他の医薬は、エリスロポエチン模倣体などの赤血球生成刺激剤(ESA)である。特定の実施態様において、他の医薬は、エポエチンα、エポエチンβ、ダルベポエチン、又はペギネサチドなどのrhEPO製品である。特定の実施態様において、ESAは救済療法として投与されるが、その一方で、特定の代替実施態様において、ESAは連続的に且つ/又は無期限に投与される。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0191】
特定のそのような実施態様において、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の1日量は、治療過程の間に調整される。具体的には、治療は、例えば、血圧、ヘマトクリット値、ヘモグロビンレベル、及び/又は赤血球数などの定型的な試験を利用してモニターされる。これらの試験の結果によって、1日量は調整され、すなわち増加又は減少される。より具体的な実施態様において、治療は、約50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、380mg、390mg、400mg、410mg、420mg、430mg、440mgの該化合物、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の1日量を利用して、又は約450mgの該化合物、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の1日量で開始される。特定の実施態様において、1日量は、その後に、約50mg、100mg、150mg、又は200mgだけ増加される。特定の実施態様において、1日量は、その後に、約50mg、100mg、150mg、又は200mgだけ減少される。特定の実施態様において、該化合物は、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である。特定の実施態様において、該化合物は、化合物7、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。特定の実施態様において、該投与量は、セクション5.7に記載される通り調整される。
【0192】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血など、セクション5.4に記載される対象における貧血を、セクション5.3に記載される製剤により治療する方法であって、貧血を有する患者に、1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該1日量の該化合物の投与後に、及びある期間の後に再度、該患者のヘモグロビンレベルを測定することであって、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて約0.5g/dL未満だけ減少した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、最大約0.4g/dLだけ変化した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0〜約10.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約0.5g/dL未満だけ減少した場合;該1日量より150mg多い該化合物の調整された1日量を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、該期間は、約2週間〜約7週間、約3週間〜約6週間、又は約4週間など、約1週間〜約8週間である。具体的な実施態様において、該化合物は、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である。具体的な実施態様において、該化合物は、化合物7、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である。
【0193】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血など、セクション5.4に記載される対象における貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該1日量の該化合物の投与後に、及びある期間の後に再度、該患者のヘモグロビンレベルを測定することであって、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0〜約10.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、該ヘモグロビンレベルが、約11.0〜約12.2g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.0〜約1.4g/dLだけ増加した場合;或いは、該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、最大約0.4g/dLだけ減少したか、又は最大約0.4g/dLだけ増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約0.5〜約0.9g/dLだけ増加した場合;該1日量より150mg少ない、該化合物の調整された1日量を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、該化合物の該1日量は約450mgである。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の医薬として許容し得る塩である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の溶媒和物である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の水和物である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸の医薬として許容し得る塩である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸の溶媒和物である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸の水和物である。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。特定の実施態様において、該期間は、約2週間〜約7週間、約3週間〜約6週間、又は約4週間などの約1週間〜約8週間である。
【0194】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血など、セクション5.4に記載される対象における貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該1日量の該化合物の投与後に、及びある期間の後に再度、該患者のヘモグロビンレベルを測定することであって、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.0〜約12.2g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.0〜約1.4g/dLだけ増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、該1日量より300mg少ない、該化合物の調整された1日量を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、該化合物の該1日量は約450mgである。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の医薬として許容し得る塩である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の溶媒和物である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の水和物である。特定の実施態様において、該化合物の該1日量は約450mgである。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸の医薬として許容し得る塩である。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸の溶媒和物である。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。特定の実施態様において、該化合物は、2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸の水和物である。特定の実施態様において、該期間は、約2週間〜約7週間、約3週間〜約6週間、又は約4週間などの約1週間〜約8週間である。
【0195】
特定の実施態様において、本発明は、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血など、セクション5.4に記載される対象における貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、約450mgである1日量の、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与することを含む方法に関する。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0196】
特定のそのような実施態様において、1日量は、該化合物の1日量が約600mgであるように約150mgだけ増加される。特定の実施態様において、1日量は、該化合物の1日量が約300mgであるように約150mgだけ減少される。特定の実施態様において、1日量は、該化合物の1日量が約150mgであるように約300mgだけ減少される。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0197】
特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の医薬として許容し得る塩である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の溶媒和物である。特定の実施態様において、該化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の水和物である。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0198】
特定の実施態様において、慢性腎疾患は、ステージ3、4、又は5の慢性腎疾患である。特定のそのような実施態様において、慢性腎疾患は、透析前の慢性腎疾患である。特定のそのような実施態様において、慢性腎疾患は、非透析依存性慢性腎疾患である。特定の実施態様において、患者は、以前に、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血の治療を受けていない。特定の代替実施態様において、患者は、以前に、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血の治療を受けた。
【0199】
特定の実施態様において、本発明は、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血など、セクション5.4に記載される対象における貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、1日量の、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該1日量の該化合物の投与後に、及びある期間の後に再度、該患者のヘモグロビンレベルを測定することであって、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.0〜約12.2g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.0〜約1.4g/dLだけ増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、該1日量より300mg少ない、該化合物の調整された1日量を投与することを含む方法に関する。特定の実施態様において、該化合物の該1日量は約450mgである。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0200】
(5.6 HIFプロリル水酸化酵素調節と関連する疾患)
セクション5.3において本明細書に提供される製剤は、例えばセクション5.4に記載される患者における、とりわけ、末梢血管疾患(PVD);冠動脈疾患(CAD);心不全;虚血;貧血;創傷治癒;潰瘍;虚血性潰瘍;不適切な血液供給;毛細血管循環不良;小動脈のアテローム性動脈硬化;静脈鬱血;アテローム性動脈硬化病巣(例えば、冠動脈内);狭心症;心筋梗塞;糖尿病;高血圧;バージャー病;VEGF、GAPDH、及び/又はEPOの異常なレベルに関連する疾患;クローン病;潰瘍性大腸炎;乾癬;サルコイドーシス;関節リウマチ;血管腫;オスラー・ウェーバー血管炎疾患;遺伝性出血性毛細血管拡張症;固形腫瘍又は血液伝播性腫瘍及び後天性免疫不全症候群;心房性不整脈;心筋及び心室などの心臓組織、骨格筋、小脳など由来の神経組織、胃、腸、膵臓、肝臓、脾臓、及び肺などの内臓;並びに手指及び足指などの遠位付属器官などの組織における虚血性組織損傷を治療及び/又は予防及び/又は制御する方法に使用できる。具体的には、とりわけ、末梢血管疾患(PVD);冠動脈疾患(CAD);心不全;虚血;貧血;創傷治癒;潰瘍;虚血性潰瘍;不適切な血液供給;毛細血管循環不良;小動脈のアテローム性動脈硬化;静脈鬱血;アテローム性動脈硬化病巣(例えば、冠動脈における);狭心症;心筋梗塞;糖尿病;高血圧;バージャー病;VEGF、GAPDH、及び/又はEPOの異常なレベルと関連する疾患;クローン病;潰瘍性大腸炎;乾癬;サルコイドーシス;関節リウマチ;血管腫;オスラー・ウェーバー血管炎疾患;遺伝性出血性毛細血管拡張症;固形腫瘍又は血液伝播性腫瘍及び後天性免疫不全症候群;心房性不整脈;心筋及び心室などの心臓組織、骨格筋、小脳など由来の神経組織、胃、腸、膵臓、肝臓、脾臓、及び肺などの内臓;並びに手指及び足指などの遠位付属器官などの組織における虚血性組織損傷を治療及び/又は予防及び/又は制御する方法であって、セクション5.3において本明細書に提供される製剤で医薬として有効な量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を投与することを含み、該医薬として有効な量が:
a)EPO血清レベルの日周パターンを回復若しくは維持し;
b)総鉄結合能を増加させ;
c)全鉄レベルを著しく増加させることなく総鉄結合能を増加させ;且つ/又は
d)ヘプシジンレベルを著しく減少させない一方で、
これらの疾患の少なくとも1つの症状の重症度又は頻度を減少させるのに好適である方法が本明細書に提供される。
【0201】
アテローム性動脈硬化性PVDは、3つの点で示され得る:
1)非侵襲性試験(通常生理的試験)を基に診断された、無症候性PVD;
2)運動による下肢痛の症状を伴う、間欠性跛行;及び
3)安静時の下肢痛及び四肢を脅かす虚血性変化(通常治癒しないか又は感染性の皮膚潰瘍形成)を伴う、危急の四肢虚血。
【0202】
本開示は、虚血性組織における血流、酸素運搬、及び/又はエネルギー利用を制御する方法であって、ヒトに、有効量の本明細書に開示される1種以上の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは互変異性体を投与することを含み得る方法にも関する。
【0203】
セクション5.3において本明細書において列挙された製剤は、数多くの用途を有し、且つとりわけ以下のいくつかの満たされていない医学的要求に対処している:
1)HIFプロリル水酸化酵素の阻害剤として有効な組成物を提供し、これによりヒト組織における血管新生性反応を刺激し、これにより虚血性組織における血流、酸素運搬及びエネルギー利用を増大する方法を提供すること;
2)ヒトタンパク質HIFプロリル水酸化酵素阻害剤として有効な組成物を提供し、これにより、HIF-1αの濃度を増加させ、より大きい活性化をもたらし、且つ細胞の低酸素に対する正常な反応である様々な生物学的経路を維持すること;
3)細胞におけるEPO反応を刺激するのに有効な組成物を提供し、これにより、赤血球前駆細胞の赤血球への増殖及び分化を制御することにより、赤血球の維持を増強すること;
4)血管新生反応を刺激するのに有効な組成物を提供し、これにより、血管の数及び密度を増加させ、結果的に高血圧及び糖尿病の有害な結果、とりわけ、跛行、虚血性潰瘍、促進された高血圧、及び腎不全を緩和すること;
5)低酸素細胞において血管内皮増殖因子(VEGF)遺伝子転写を活性化する組成物を提供し、結果的に重要な生物学的反応の刺激、とりわけ、血管拡張、血管透過性、並びに内皮細胞の遊走及び増殖を増加させること;
6)低酸素細胞において可溶性VEGF、VEGFの阻害剤の生成を誘導する組成物を提供し、結果的に重要な生物学的反応の刺激、とりわけ、抗血管新生活性を増加させること。
【0204】
したがって、これら及び他の満たされていない医学的要求は、本開示のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤により解決され、これは、HIFプロリル水酸化酵素の不充分な調節により引き起こされる虚血性組織における血流、酸素運搬及びエネルギー利用を調節することが可能である。当業者はまた、HIF-1-αプロリル水酸化酵素の阻害が、ヒト組織に対する他の良好な医学的効果、並びに本開示において具体的に指摘されているそれらの症状又は病態以外の症状及び病態の緩和を有することを認めるであろう。しかし、血管新生プロセスに関連した病態及び状態に関するより多くの詳細が現れるにつれ、これらの未だ明らかにされていないか若しくは未だ不明の状態は、低酸素症及び他の低い血中酸素条件に対する体自身の反応を刺激する組成物により、良好に影響されるであろう。
【0205】
特定の実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素の調節により改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIFプロリル水酸化酵素の調節により改善される疾患を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、該化合物は、24時間の経過中に、1〜3回、例えば1、2又は3回投与される。特定のそのような実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素の調節により改善される疾患を治療又は予防する方法であって、HIFプロリル水酸化酵素の調節により改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を1日1回投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、セクション5.3において本明細書に提供される製剤における約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素の調節により改善される疾患を治療又は予防する方法であって、HIFプロリル水酸化酵素の調節により改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を1日1回投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、セクション5.3において本明細書に提供される製剤中の約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0206】
特定の実施態様において、例えばセクション5.4に記載される患者における、HIFプロリル水酸化酵素(例えば、PHD1、PHD2、及び/又はPHD3)を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIFプロリル水酸化酵素を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。特定のそのような実施態様において、PHD1を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、PHD1を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、PHD1を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、PHD1を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、PHD2を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、PHD2を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸セクションを、5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、PHD2を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、PHD2を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、PHD3を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、PHD3を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、PHD3を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、PHD3を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0207】
特定の実施態様において、例えばセクション5.4に記載される患者における、HIF-α(例えば、HIF-1-α、HIF-2-α、及び/又はHIF-3-α)を安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIF-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。特定のそのような実施態様において、HIF-1-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIF-1-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、HIF-1-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIF-1-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、HIF-2-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIF-2-αを阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、HIF-2-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIF-2-αを阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0208】
特定のそのような実施態様において、例えばセクション5.4に記載される患者における、HIF-3-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIF-3-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、HIF-3-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む、HIF-3-αを安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防することが本明細書に提供される。
【0209】
特定の実施態様において、例えばセクション5.4に記載される患者における、減少したエリスロポエチン(EPO)の内因性産生に関連した疾患又は病態を治療又は予防する方法であって、減少したEPOの内因性産生に関連した疾患又は障害を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0210】
特定の実施態様において、貧血(例えば、慢性腎疾患に続発又は関連する貧血、慢性心臓疾患に続発する貧血、加齢の特発性貧血、慢性疾患の貧血、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、他の無形成性若しくは異形成性貧血、化学療法が誘導した貧血(癌、C型肝炎を治療するための化学療法、又は骨髄生成を減少させる他の長期薬物療法を含む)、失血から生じる貧血、鉄欠乏症から生じる貧血、ビタミンB12欠乏症から生じる貧血、鎌状赤血球症、又はサラセミア)を治療又は予防する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0211】
特定の実施態様において、慢性腎疾患(CKD)に続発する貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む、例えばセクション5.4に記載される患者における、非透析依存性CKDを含むCKDに続発する貧血を治療又は予防することが本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。特定の実施態様において、1日量は1日1回投与される。特定の実施態様において、CKDは、ステージ1、2、3、4、又は5の慢性腎疾患である。特定のそのような実施態様において、CKDは、ステージ3、4、又は5の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、ステージ1の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、ステージ2の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、ステージ3の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、ステージ4の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、ステージ5の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、慢性腎疾患は、透析前の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、患者は透析患者であり、これらの患者は、末期腎不全(ESRD)を有すると称されることがある。特定のそのような実施態様において、CKD又はESRDに続発する貧血などの貧血は、エポエチンα、エポエチンβ、ダルベポエチン、又はペギネサチドなどのrhEPO製品を含む赤血球生成刺激剤による治療に対して不応性であり得る。特定の実施態様において、患者は、以前に貧血の治療を受けたことがあり、一方で、特定の代替実施態様において、患者は、以前に貧血の治療を受けなかった。
【0212】
特定の実施態様において、例えばセクション5.4に記載される患者における、血管新生に関連した疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、血管新生に関連した疾患又は障害を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、血管新生を制御する方法であって、患者に、有効量の5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を、本明細書に記載される投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、血管新生を制御する方法であって、患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を、本明細書に記載される投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0213】
特定の実施態様において、例えばセクション5.4に記載される患者における、VEGF又はGAPDHのレベルにより影響される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、VEGF又はGADPHのレベルにより影響される疾患又は障害を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0214】
特定の実施態様において、創傷治癒を促進する方法であって、例えばセクション5.4に記載される、創傷を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0215】
特定の実施態様において、例えばセクション5.4に記載される患者における損傷した組織の血行再建を増強するか又は脈管構造を増加させる方法であって、損傷した組織を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、虚血性組織を血管新生する方法であって、虚血性組織を有する患者に、有効量の5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を、本明細書に記載される投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、虚血性組織を血管新生する方法であって、虚血性組織を有する患者に、有効量の2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0216】
特定の実施態様において、皮膚移植片交換品(skin graft replacements)の成長を促進する方法であって、例えばセクション5.4に記載される、皮膚移植片を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0217】
特定の実施態様において、組織誘導再生(GTR)の状況において組織修復を促進する方法であって、例えばセクション5.4に記載される患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤並びに投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0218】
特定の実施態様において、糖尿病性網膜症、黄斑変性、癌、鎌状細胞貧血、サルコイド、梅毒、弾力線維性仮性黄色腫、ページェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頸動脈閉塞性疾患、慢性ぶどう膜炎/硝子体炎、マイコバクテリア感染症、ライム病、全身性エリテマトーデス、未熟児網膜症、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎又は脈絡膜炎を起こす感染症、推定される眼のヒストプラスマ症、ベスト病、近視、眼窩(optic pits)、シュタルガルト病、毛様体扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラズマ症、外傷性レーザー後合併症、ルベオーシスに関連する疾患、及び増殖性硝子体網膜症、クローン病及び潰瘍性大腸炎、乾癬、サルコイドーシス、関節リウマチ、血管腫、オスラーウェーバーランデュ病、又は遺伝性出血性毛細血管拡張症、固形腫瘍又は血液伝播性腫瘍、後天性免疫不全症候群、骨格筋及び心筋虚血、脳卒中、冠動脈疾患、末梢血管疾患、及び冠動脈疾患から選択される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、そのような疾患又は障害を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.3及びセクション5.7において本明細書に記載される製剤及び/又は用量及び/又は投与量及び/又は投薬レジメンに従って投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0219】
(5.7 投与量及び投薬レジメン)
本セクションに記載されるHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤の使用のための具体的な投与量は、当業者に公知である任意の方法で投与できる。本明細書に記載される化合物の投与量は、経口的に、局所的に、又は静脈内に服用され得る。本明細書に記載される化合物の投与量は、絶食中に、流体と共に、又は任意の種類の食品と共に服用され得る。具体的な実施態様において、本明細書に記載される化合物の投与量は、食事の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12時間後に、又は食事の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12時間前に服用され得る。本明細書に記載される化合物の投与量は、任意の時刻に服用され得る。特定の実施態様において、反復投与量は、日中に同じ時間に投与される。特定の実施態様において、投与量投与量(dose doses)は、朝に、正午近くに、又は夕方に投与される。特定の実施態様において、投与量は、午前4.00時〜午後2.00時に投与される。特定の実施態様において、投与量は、午前5.00時〜午後1.00時に投与される。特定の実施態様において、投与量は、午前6.00時〜正午の12.00時に投与される。特定の実施態様において、投与量は、午前7.00時〜午前11.00時に投与される。特定の実施態様において、投与量は、午前8.00時〜午前10.00時に投与される。特定の実施態様において、投与量は、朝食前、朝食中、又は朝食後に投与される。投与及び投薬レジメンは、本明細書に記載される通り調整され得る。
【0220】
具体的な実施態様において、対象は、最初に、150mgの化合物1の3個の錠剤により毎日治療される(450mg/日)。化合物の用量段階は、150、300、450、及び600mgを含む。その後に、該医薬品は、治療過程の間1日1回服用される。対象は、食品摂取にかかわらず、治験薬を、4オンス(113g)の水又は他の経口飲料と共に服用しなければならない。投与量は、毎日、およそ同じ時間に、好ましくは午前7時〜午後2時に服用される。
【0221】
貧血(例えば、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血)など、セクション5.6に記載される種々の疾患及び障害の予防及び/又は治療のためのHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤の投薬レジメンを導く種々のパラメーターが本明細書に記載される。このセクションは、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤のそのような用途のためのいくつかの具体的な投与量を与える。特定の実施態様において、そのような投与量は、治療の開始時の初回投与量である。他の実施態様において、そのような投与量は、治療過程の間の後での調整された投与量である。特定の実施態様において、HIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤は、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である。具体的な実施態様において、該化合物は、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である。具体的な実施態様において、該化合物は、化合物7、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である。特定の実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0222】
投与量製剤
【0223】
特定の具体的な実施態様において、本セクション5.7に記載される投与量は、セクション5.3に記載される粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む製剤の形態の投与量である。具体的な実施態様において、該粒内成分は、約60重量%の化合物1、約20重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分は、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分は、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量は全粒内成分と粒外成分の総重量である。
【0224】
特定の具体的な実施態様において、本セクション5.7に記載される投与量は、セクション5.3に記載される粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む製剤の形態の投与量である。具体的な実施態様において、該粒内成分は、約65重量%の化合物1、約25重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分は、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分は、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量は全粒内成分と粒外成分の総重量である。
【0225】
特定の具体的な実施態様において、本セクション5.7に記載される投与量は、セクション5.3に記載される粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む製剤の形態の投与量である。具体的な実施態様において、該粒内成分は、約70重量%の化合物1、約20重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分は、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分は、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量は全粒内成分と粒外成分の総重量である。
【0226】
特定の具体的な実施態様において、本セクション5.7に記載される投与量は、セクション5.3に記載される粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む製剤の形態の投与量である。具体的な実施態様において、該粒内成分は、約75重量%の化合物1、約15重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分は、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分は、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量は全粒内成分と粒外成分の総重量である
【0227】
特定の具体的な実施態様において、本セクション5.7に記載される投与量は、セクション5.3に記載される粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む製剤の形態の投与量である。具体的な実施態様において、該粒内成分は、約80重量%の化合物1、約10重量%の微結晶性セルロース、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;該粒外成分は、約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;該フィルムコーティング成分は、約2.0重量%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ、該重量は全粒内成分と粒外成分の総重量である
【0228】
(5.7.1 投薬レジメン)
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、セクション5.4に記載される貧血を有する患者に、約100mg〜約1,200mg、約200mg〜約1,000mg、約400mg〜約800mg、又は約450mg〜約600mg、又は約300mg〜約600mgである1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)の1日量は、約150mg〜約600mgである。特定の実施態様において、該化合物の1日量は、約150mg〜約300mg、約300〜約600mg、又は約600mg〜約750mgである。特定の実施態様において、該1日量は、約100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1,000mg、1,050mg、1,100mg、1,150mg、又はさらには約1,200mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定の実施態様において、該1日量は、少なくとも約300mg、少なくとも約450mg、又はさらには少なくとも約600mgである。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0229】
特定の実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定の実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。特定の実施態様において、1日量は、240mg、370mg、500mg又は630mgの化合物1でない。特定の実施態様において、1日量は、約240mg、370mg、500mg、又は約630mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0230】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物である化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を投与することを含み、該化合物が、連続的に且つ/又は無期限に投与される方法が本明細書に提供される。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0231】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、セクション5.4に記載される貧血を有する患者に、1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を投与することを含み、該1日量が約450mgである方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量の約450mgは、約150mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)をそれぞれ含む3つの錠剤などの3つの単位剤形を含む。特定の実施態様において、1日量の約450mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)は、該化合物の1日量が約600mgであるように、約150mgだけ増加され得る。特定の実施態様において、1日量の450mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)は、該化合物の1日量が約300mgであるように、約150mgだけ減少され得る。特定の実施態様において、1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)は、該化合物の1日量が約150mgであるように、約300mgだけ減少され得る。特定の実施態様において、1日量は、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、又は約300mgだけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、1日量は、約75mg〜300mg、約100mg〜約300mg、約125mg〜約300mg、約150mg〜約300mg、約175mg〜約300mg、約200mg〜約300mg、約225mg〜約300mg、約250mg〜約300mg、又は約275mg〜約300mgの量だけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、1日量は、約75mg〜約250mg、約100mg〜約225mg、又は約125mg〜約200mgの量だけ増加又は減少され得る。特定のそのような実施態様において、1日量は、約600mg又は約750mgを超えない。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0232】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、セクション5.4に記載される貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を投与することを含み、該化合物が、連続42日を超えるなど連続的に且つ/又は無期限に投与され得る方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量の化合物は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0233】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、セクション5.4に記載される貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を投与することを含み、患者のヘモグロビンレベルが、少なくとも約10.0g/dL及び約13.0g/dL以下のレベルに維持される方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、ヘモグロビンレベルは、少なくとも約11.0g/dL及び約13.0g/dL以下のレベルに維持される。特定のそのような実施態様において、ヘモグロビンレベルは、少なくとも約11.0g/dL及び約12.0g/dL以下のレベルに維持される。特定のそのような実施態様において、1日量の化合物は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0234】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、セクション5.4に記載される貧血を有する患者に、有効量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を投与することを含み、患者のヘモグロビンのレベルが、ベースラインヘモグロビンレベルに対して少なくとも約1.2g/dL増加する方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、1日量の化合物は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0235】
特定の実施態様において、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)の投与は、ヘモグロビンのレベルが13.0g/dL以上である場合中断され得る。特定のそのような実施態様において、該化合物の投与は、該ヘモグロビンのレベルが12.5g/dL以下になると再開され得る。特定の具体的な実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0236】
特定の実施態様において、ヘモグロビンレベルはモニターされ、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)の投与量は、該ヘモグロビンのレベル及び/又はヘモグロビンのレベルの変化に基づいて調整され得る。特定の実施態様において、投与量は、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)の量を、150mgだけ、又はさらには300mgだけ増加又は減少させることにより調整され得る。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0237】
(5.7.2 投与量調整)
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される、初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて約0.5g/dL未満だけ減少した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて最大約0.4g/dLだけ変化した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0〜約10.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて約0.5g/dL未満だけ減少した場合;次いで、該初期1日量より多い、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、該化合物の調整された1日量は、該初期1日量より約150mg多い。
【0238】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される、初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0〜約10.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.0〜約12.2g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて約1.0〜約1.4g/dLだけ増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定と比べて最大約0.4g/dLだけ減少したか、又は最大約0.4g/dLだけ増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて約0.5〜約0.9g/dLだけ増加した場合;次いで、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、該化合物の調整された1日量は、該初期1日量より約150mg少ない。特定の実施態様において、最低の用量段階は、1日あたり150mgである。既に最低の用量段階にある患者は、そのHgbが13.0g/dL以上に増加するまで、1日あたり150mgで継続するだろう。
【0239】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される、初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.0〜約12.2g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて約1.0〜約1.4g/dLだけ増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて約1.5g/dLより多く増加した場合;次いで、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、該化合物の調整された1日量は、該初期1日量より約300mg少ない。特定の実施態様において、最低の用量段階は1日あたり150mgである。既に最低の用量段階にある患者は、そのHgbが13.0g/dL以上に増加するまで、1日あたり150mgで継続するだろう。
【0240】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが13.0g/dL以上である場合、次いで、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、投薬は中断される。特定のそのような実施態様において、投薬は、Hgbが13g/dL以上に上昇する場合中断され、Hgbが12.5g/dL以下に低下するまで再開されないだろう。投与量を中断する前に、Hgbレベルを一時的に変化させ得る因子を考察しなければならない。Hgbは、この期間の間2週ごとに評価される。
【0241】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、初期1日量の、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが12.5g/dL以上である場合、次いで、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、投薬は中断される。特定のそのような実施態様において、投薬は、Hgbが12.5g/dL以上に上昇する場合中断され、Hgbが12.0g/dL以下に低下するまで再開されないだろう。投与量を中断する前に、Hgbレベルを一時的に変化させ得る因子を考察しなければならない。Hgbは、この期間の間2週ごとに評価される。
【0242】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、該患者が成人男性である場合に13.0g/dL以上である場合、又は該患者が成人女性である場合に12.5g/dL以上である場合、次いで、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、投薬は中断される。特定のそのような実施態様において、投薬は、Hgbが、該患者が成人男性である場合に13.0g/dL以上に、又は該患者が成人女性である場合に12.5g/dL以上に上昇した場合中断され、Hgbが、該患者が成人男性である場合に12.5g/dL以下に、又は該患者が成人女性である場合に12.0g/dL以下に低下するまで再開されないだろう。投与量を中断する前に、Hgbレベルを一時的に変化させ得る因子を考察しなければならない。Hgbは、この期間の間2週ごとに評価される。
【0243】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが約9.5〜10.5g/dL又は約9.75〜10.25g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、約0.2〜0.8、約0.3〜0.7、又は約0.4〜0.6g/dL未満だけ減少した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが約9.5〜10.5g/dL又は約9.75〜10.25g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、最大で約0.1〜0.7、約0.2〜0.6、又は約0.3〜0.5g/dLだけ変化した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約9.5〜10.5g/dL又は約9.75〜10.25g/dL及び約10.4〜11.4g/dL又は約10.65〜11.15g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、約0.2〜0.8、約0.3〜0.7、又は約0.4〜0.6g/dL未満だけ減少した場合;次いで、該初期1日量より多い、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、該化合物の調整された1日量は該初期1日量より約150mg多い。
【0244】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約9.5〜10.5g/dL又は約9.75〜10.25g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、約1.2〜1.8、約1.3〜1.7、又は約1.4〜1.6g/dLより多く増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約9.5〜10.5又は約9.75〜10.25g/dL及び約10.4〜11.4g/dL又は約10.65〜11.15g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、約1.2〜1.8、約1.3〜1.7、又は約1.4〜1.6g/dLより多く増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約10.5〜11.5g/dL又は約10.75〜11.25g/dL及び約11.7〜12.7g/dL又は約11.95〜12.45g/dLg/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、約0.7〜1.3、約0.8〜1.2、又は約0.9〜1.1g/dL及び約1.1〜1.7、約1.2〜1.6、又は約1.3〜1.5g/dLだけ増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.8〜12.8g/dL又は約12.05〜12.55g/dL及び約12.4〜13.9g/dL又は約12.65〜13.15g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定と比べて最大約0.1〜0.7、約0.2〜0.6、若しくは約0.3〜0.5g/dLだけ減少したか、又は最大約0.1〜0.7、約0.2〜0.6、若しくは約0.3〜0.5g/dLだけ増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.8〜12.8g/dL又は約12.05〜12.55g/dL及び約12.4〜13.9g/dL又は約12.65〜13.15g/dLg/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、約0.2〜0.8、約0.3〜0.7、又は約0.4〜0.6から約0.6〜1.2、約0.7〜1.1、又は約0.8〜1.0g/dLだけ増加した場合;次いで、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、該化合物の調整された1日量は該初期1日量より約150mg少ない。特定の実施態様において、最低の用量段階は1日あたり150mgである。既に最低の用量段階にある患者は、そのHgbが、12.0、12.5、又は13.0g/dL以上に増加するまで、1日あたり150mgで継続するだろう。
【0245】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約10.5〜11.5g/dL又は約10.75〜11.25g/dL及び約11.7〜12.7g/dL又は約11.95〜12.45g/dLg/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、約1.2〜1.8、約1.3〜1.7、又は約1.4〜1.6g/dLより多く増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.8〜12.8g/dL又は約12.05〜12.55g/dL及び約12.4〜13.9g/dL又は約12.65〜13.15g/dLg/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、約0.7〜1.3、約0.8〜1.2、又は約0.9〜1.1g/dL及び約1.1〜1.7、約1.2〜1.6、又は約1.3〜1.5g/dLだけ増加した場合;或いは、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.8〜12.8g/dL又は約12.05〜12.55g/dL及び約12.4〜13.9g/dL又は約12.65〜13.15g/dLg/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、第1の測定でのレベルと比べて、約1.2〜1.8、約1.3〜1.7、又は約1.4〜1.6g/dLより多く増加した場合;次いで、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、該化合物の調整された1日量は、該初期1日量より約300mg少ない。特定の実施態様において、最低の用量段階は1日あたり150mgである。既に最低の用量段階にある患者は、そのHgbが、12.0、12.5、又は13.0g/dL以上に増加するまで、1日あたり150mgで継続するだろう。
【0246】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、又は14.0g/dL以上である場合、次いで、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、投薬は中断される。特定のそのような実施態様において、投薬は、Hgbが11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、又は14.0g/dL以上に上昇する場合中断され、Hgbが10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、又は13.5g/dL以下に低下するまで再開されないだろう。投与量を中断する前に、Hgbレベルを一時的に変化させ得る因子を考察しなければならない。Hgbは、この期間の間2週ごとに評価される。
【0247】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、又は13.5g/dL以上である場合、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、投薬は中断される。特定のそのような実施態様において、投薬は、Hgbが、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、又は13.5g/dL以上に上昇する場合中断され、Hgbが、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、又は13.0g/dLに低下するまで再開されないだろう。投与量を中断する前に、Hgbレベルを一時的に変化させ得る因子を考察しなければならない。Hgbは、この期間の間2週ごとに評価される。
【0248】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること;該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うことであって、第2の測定での該患者の該ヘモグロビンレベルが、該患者が成人男性である場合に11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、若しくは14.0g/dL以上、又は該患者が成人女性である場合に10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、若しくは13.5g/dL以上である場合、次いで、該初期1日量よりも少ない、該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定のそのような実施態様において、投薬は中断される。特定のそのような実施態様において、投薬は、Hgbが、該患者が成人男性である場合に11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、若しくは14.0g/dL以上に、又は該患者が成人女性である場合に10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、若しくは13.5g/dLに上昇する場合中断され、Hgbが、該患者が成人男性である場合に10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、若しくは13.5g/dL以下に、又は該患者が成人女性である場合に10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、若しくは13.0g/dL以下に低下するまで再開されないだろう。投与量を中断する前に、Hgbレベルを一時的に変化させ得る因子を考察しなければならない。Hgbは、この期間の間2週ごとに評価される。本明細書に記載される投与量調整方法は、本明細書に記載される任意の化合物又はそれらの任意の組み合わせを利用する治療レジメンにおいて適用され得る。
【0249】
投薬アルゴリズム
【0250】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される(具体的には、製剤1又は2;セクション6.2参照)初期1日量のセクション5.2に記載される化合物を投与すること、該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、及び以下に記載される通り投与量を調整することにより調整され得る。特定の実施態様において、第1の測定はベースライン測定である。特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される、初期1日量の化合物1である化合物を投与すること、該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、及び以下に記載される通り投与量を調整することにより調整され得る。
【0251】
特定の実施態様において、ヘモグロビンレベルを、HemoCue(登録商標)ポイントオブケアHgbモニタリングシステムにより試験全体を通して測定及びモニターして、治験薬の投与量が調整されるかどうかを決定できる。特定の実施態様において、Hgbは、HemoCue(登録商標)により2週ごとに投与量調整のためのモニタリングのために得ることができる。特定の実施態様において、より頻繁なモニタリングが、投薬変更に基づいて臨床的に必要であるか又は正当化されない限り、HgbはHemoCue(登録商標)により4週ごとに得ることができる。特定の実施態様において、Hgbは、HemoCue(登録商標)により、4、6、8、10、12又は16週ごとに得ることができる。特定の実施態様において、ヘモグロビンは、有効性及び安全性評価のために、中央検査機関により全血球算定(CBC)によっても評価できる;しかし、投与量調整は、施設のHemoCue(登録商標)Hgb値に基づいている。特定の実施態様において、目標は、Hgbレベルを増加させ、10〜11g/dLのレベルを維持することである。特定の実施態様において、目標は、Hgbレベルを増加させ、10〜12g/dLのレベルを維持することである。特定の実施態様において、目標は、Hgbレベルを増加させ、10〜13g/dLのレベルを維持することである。
【0252】
特定の実施態様において、化合物1は、セクション5.3に記載される製剤、具体的には製剤1又は2(セクション6.2参照)で投与され、以下の投与量調整アルゴリズム指針に従って投薬される。療法を調整する場合、Hgbの上昇速度、下降速度、及び変動性が考察される。単一のHgb変位は、投薬変更を必要としないことがある。
【0253】
(5.7.3 慢性腎疾患を有する患者における投与量調整手順)
特定の実施態様において、化合物1の投薬は、以下に記載される通り、患者の治療過程の間に調整される。特定の具体的な実施態様において、投与量は、患者の貧血を矯正するために調整される。特定の具体的な実施態様において、患者は、非透析依存性慢性腎疾患(NDD-CKD)を有する。具体的な実施態様において、化合物1は、製剤1又は製剤2として製剤される。
【0254】
特定の実施態様において、ベースライン値は、化合物1の第1の投与直前に決定される。特定の実施態様において、患者に投与される初期1日量は300mg/日である。特定の具体的な実施態様において、初期1日量は、それぞれ150mgの錠剤2つの形態で投与される。特定の実施態様において、患者に投与される初期1日量は450mg/日である。特定の具体的な実施態様において、初期1日量は、それぞれ150mgの錠剤3つの形態で投与される。特定の具体的な実施態様において、初期1日量は朝に投与される。特定の具体的な実施態様において、初期1日量は午前7時〜午後2時の間に投与される。
【0255】
特定の実施態様において、化合物1の1日量は、治療過程の間、4週ごとに1回よりも頻繁には増加されない。1日量の減少はより頻繁に起こり得るが、頻繁な投与量調整は避けるべきである。
【0256】
特定の実施態様において、Hgbが、4週間の治療の後、ベースライン値よりも0.5g/dLより多く増加しなかった場合、化合物の1日量は150mg/日だけ増加される。1日量は、Hgbが10.0g/dLを超えるまで、4週ごとに150mg/日だけ増加される(極量は600mg/日である)。特定の具体的な実施態様において、Hgbが、NDD-CKD患者の1日量の化合物1による4週間の治療の後、ベースライン値よりも0.5g/dLより多く増加しなかった場合、化合物の1日量は150mg/日だけ増加される。特定の具体的な実施態様において、化合物1の1日量は、NDD-CKD患者におけるHgbが10.0g/dLより高くなるまで、4週ごとに150mg/日だけ増加される(極量は600mg/日である)。
【0257】
特定の実施態様において、Hgbが、治療の間迅速に上昇する場合(例えば、任意の2週間の期間で1.0g/dL超)、1日量は150mg/日だけ減少される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbが、1日量の化合物1による治療の間迅速に上昇する場合(例えば、任意の2週間の期間で1.0g/dL超)、1日量は150mg/日だけ減少される。
【0258】
特定の実施態様において、Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、1日量は150mg/日だけ増加される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbが、化合物1の投与量による治療の間、10.0g/dL未満に低下する場合、1日量は150mg/日だけ増加される。
【0259】
特定の実施態様において、Hgbレベルが11.0g/dLを超える場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで、治療は中断される。その後、投薬は、150mg/日だけ減らした1日量で再開される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbレベルが11.0g/dLを超える場合、化合物1による治療は、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで中断される。その後、化合物1の投薬は、150mg/日だけ減らした1日量で再開される。
【0260】
特定の実施態様において、Hgbレベルが12.0g/dLを超える場合、1日量は150mgだけ減少される。特定の実施態様において、Hgbレベルが13.0g/dLを超える場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで、治療は中断される。その後、投薬は、150mg/日だけ減らした1日量で再開される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbレベルが、1日量の化合物1による治療の間12.0g/dLを超える場合、投与量は150mg/日だけ減少される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbレベルが13.0g/dLを超える場合、化合物1による治療は、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで中断される。その後、化合物1の投薬は、150mg/日だけ減らした1日量で再開される。
【0261】
特定の実施態様において、Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要である場合、1日量は150mg/日だけ調整される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbを所望のレベルに維持するために化合物1の投与量調整が必要である場合、1日量は150mg/日だけ調整される。
【0262】
特定の実施態様において、化合物1の投薬は、以下に記載される通り、患者の治療過程の間に調整される。特定の具体的な実施態様において、1日量は、患者における貧血の維持療法のために調整される。特定の具体的な実施態様において、患者は非透析依存性慢性腎疾患(NDD-CKD)を有する。具体的な実施態様において、化合物1は、製剤1又は製剤2として製剤されている。
【0263】
特定の実施態様において、ベースライン値は、化合物1の第1の投与の直前に決定される。特定の実施態様において、患者に投与される初期1日量は300mg/日である。特定の具体的な実施態様において、初期1日量は、それぞれ150mgの錠剤2つの形態で投与される。特定の実施態様において、患者に投与される初期1日量は450mg/日である。特定の具体的な実施態様において、初期1日量は、それぞれ150mgの錠剤3つの形態で投与される。特定の具体的な実施態様において、初期1日量は朝に投与される。特定の具体的な実施態様において、初期1日量は、午前7時〜午後2時に投与される。
【0264】
特定の実施態様において、セクション5.3に記載される製剤で投与される化合物1の1日量は、治療過程の間、4週ごとに1回よりも頻繁に増加されない。1日量の減少はより頻繁に起こり得るが、頻繁な投与量調整は避けるべきである。
【0265】
特定の実施態様において、Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要とされる場合、化合物の1日量は150mg/日だけ調整される(最大1日量は600mg/日である)。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者においてHgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要とされる場合、化合物1の1日量は150mg/日だけ調整される(極量は600mg/日である)。
【0266】
特定の実施態様において、Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、1日量は150mg/日だけ増加される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbが、化合物1の投与量による治療の間、10.0g/dL未満に低下する場合、1日量は150mg/日だけ増加される。
【0267】
特定の実施態様において、Hgbレベルが11.0g/dLを超える場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで、治療は中断される。その後、投薬は、150mg/日だけ減らした1日量で再開される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbレベルが11.0g/dLを超える場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで、化合物1による治療は中断される。その後、化合物1の投薬は、150mg/日だけ減らした1日量で再開される。
【0268】
特定の実施態様において、Hgbレベルが12.0g/dLを超える場合、1日量は150mg/日だけ減少される。特定の実施態様において、Hgbレベルが13.0g/dLを超える場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで、治療は中断される。その後、投薬は、150mg/日だけ減らした1日量で再開される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbレベルが、1日量の化合物1による治療の間、12.0g/dLを超える場合、1日量は150mg/日だけ減少される。特定の具体的な実施態様において、NDD-CKD患者におけるHgbレベルが13.0g/dLを超える場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで、化合物1による治療は中断される。その後、化合物1の投薬は、150mg/日だけ減らした1日量で再開される。
【0269】
特定の実施態様において、セクション5.3に記載される製剤で投与される式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の投与の間、投与量は4週ごとに1回よりも多く増加され得ないが、頻繁な投与量調整を避けながらより頻繁に減少され得る。特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、初期1日量の化合物を投与すること、該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、及びその後4週間後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、及びHgbが4週間後に第1の値より0.5g/dLより多く増加しなかった場合、次いで、初期1日量より高い、該化合物の調整された1日量、例えば、初期投与量より150mg高い調整された投与量を投与することにより調整され得る。特定の実施態様において、投与量は、該患者の該ヘモグロビンレベルの1、2、3、4、5、又はより多数の連続した測定を行うこと、及びHgbが前の値より0.5g/dLより多く増加しなかった場合、患者に、以前の1日量より高い1日量の化合物を投与することによりさらに調整され得る。特定の実施態様において、この調整プロセスは、Hgbが10.0g/dLより高くなるまで継続される。特定の実施態様において、この調整プロセスは、Hgbが、8.0g/dL、8.5、g/dL、9.0g/dL、9.5g/dL、10.0g/dL、10.5g/dL、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、13.5g/dL、又は14.0g/dLより高くなるまで継続される。特定の実施態様において、化合物の最大1日量は600mg/日である。特定の実施態様において、化合物の最大1日量は、400mg/日、450mg/日、500mg/日、550mg/日、600mg/日、650mg/日、700mg/日、750mg/日、又は800mg/日である。
【0270】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること、該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、及びHgbが迅速に上昇する場合(例えば、任意の2週間の期間で1g/dL超)、次いで、初期1日量より低い該化合物の調整された1日量、例えば、初期投与量より150mg低い調整された投与量を投与することにより調整され得る。
【0271】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること、該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、及びHgbレベルが11.0g/dLを超える場合、次いで、該初期1日量よりも低い該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、初期1日量の該化合物を投与すること、該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、及びHgbレベルが11.0g/dLを超える場合、次いで、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで該1日量を投与することを中断すること、次いで、該初期1日量よりも低い該化合物の調整された1日量を投与することにより、その後に治療を再開することにより調整され得る。特定の実施態様において、該化合物の調整された1日量は、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、又は600mgである。特定の実施態様において、調整された1日量は、該初期投与量より1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、又は5倍高い。特定の実施態様において、該初期投与量は、調整された投与量より1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、又は5倍高い。
【0272】
特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、セクション5.3に記載される製剤で投与される初期1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与すること、該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、及びHgbレベルが12.0g/dLを超える場合、次いで該初期1日量よりも低い該化合物の調整された1日量を投与することにより調整され得る。特定の実施態様において、投与量は、貧血を有する患者に、初期1日量の該化合物を投与すること、該患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後に該患者の該ヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、及びHgbレベルが13.0g/dLを超える場合、次いで、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで該1日量を投与することを中断すること、次いでその後に、該初期1日量よりも低い該化合物の調整された1日量を投与することにより治療を再開することにより調整され得る。特定の実施態様において、調整された1日量は、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、又は600mgである。特定の実施態様において、調整された1日量は、該初期投与量より1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、又は5倍高い。特定の実施態様において、該初期投与量は、調整された投与量より1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、又は5倍高い。
【0273】
(5.7.4 1日量)
特定の実施態様において、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)の1日量は、患者が1日量の化合物を与えられる日に開始するある期間の後増加され得る。特定の実施態様において、該期間は、約2週間〜約7週間、約3週間〜約6週間、又は約4週間などの約1週間〜約8週間である。特定の具体的な実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0274】
特定の実施態様において、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)の1日量は、ある期間の間1回調整され得る。特定の実施態様において、該期間は、約2週間〜約7週間、約3週間〜約6週間、又は約4週間などの約1週間〜約8週間である。特定の具体的な実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0275】
特定の実施態様において、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)の1日量は、該ヘモグロビンのレベルが、ベースラインヘモグロビンレベルより1.2g/dLより多く増加した場合、増加されない。特定の具体的な実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0276】
(5.7.5 投薬及び貧血を治療する方法)
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である化合物を投与すること;1日量の該化合物の投与後に、及びある期間の後に再度、該患者のヘモグロビンレベルを測定することであって、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが該期間の前に測定されたレベルと比べて約0.5g/dL未満だけ減少した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて最大約0.4g/dLだけ変化した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0〜約10.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて約0.5g/dL未満だけ減少した場合;該1日量より約150mgより多い該化合物の調整された1日量を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、該化合物は1日1回投与され、経口投与され得る。特定の実施態様において、1日量は約450mgであるので、1日量が約150mgだけ増加される場合、調整された1日量は約600mgである。特定の実施態様において、該期間は、約2週間〜約7週間、約3週間〜約6週間、又は約4週間などの約1週間〜約8週間である。特定の実施態様において、1日量は、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、又は約300mgだけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、1日量は、約75mg〜300mg、約100mg〜約300mg、約125mg〜約300mg、約150mg〜約300mg、約175mg〜約300mg、約200mg〜約300mg、約225mg〜約300mg、約250mg〜約300mg、又は約275mg〜約300mgの量だけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、1日量は、約75mg〜約250mg、約100mg〜約225mg、又は約125mg〜約200mgの量だけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、調整された1日量は、600mg又は750mgを超えない。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0277】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸)である化合物を投与すること;1日量の該化合物の投与後に、及びある期間の後に再度、該患者のヘモグロビンレベルを測定することであって、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが約10.0〜約10.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.0〜約12.2g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.0〜約1.4g/dLだけ増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、最大約0.4g/dLだけ減少したか、又は最大約0.4g/dLだけ増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約0.5〜約0.9g/dLだけ増加した場合、該1日量より150mg少ない、該化合物の調整された1日量を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、該化合物は1日1回投与され、経口投与され得る。特定の実施態様において、1日量は約450mgであるので、1日量が約150mgだけ減少される場合に、調整された1日量は約300mgである。特定の実施態様において、該期間は、約2週間〜約7週間、約3週間〜約6週間、又は約4週間などの約1週間〜約8週間である。特定の実施態様において、1日量は、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、又は約300mgだけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、1日量は、約75mg〜300mg、約100mg〜約300mg、約125mg〜約300mg、約150mg〜約300mg、約175mg〜約300mg、約200mg〜約300mg、約225mg〜約300mg、約250mg〜約300mg、又は約275mg〜約300mgの量で増加又は減少され得る。特定の実施態様において、1日量は、約75mg〜約250mg、約100mg〜約225mg、又は約125mg〜約200mgの量だけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、調整された1日量は、600mg又は750mgを超えない。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0278】
特定の実施態様において、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、1日量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である化合物を投与すること;1日量の該化合物の投与後に、及びある期間の後に再度、該患者のヘモグロビンレベルを測定することであって、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約11.0〜約12.2g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.0〜約1.4g/dLだけ増加した場合;或いは、該患者の該ヘモグロビンレベルが、約12.3〜約12.9g/dLであり、該ヘモグロビンのレベルが、該期間の前に測定されたレベルと比べて、約1.5g/dLより多く増加した場合、該1日量より約300mg少ない該化合物の調整された1日量を投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の実施態様において、該化合物は1日1回投与され、経口投与され得る。特定の実施態様において、1日量は450mgであるので、初期1日量が約300mgだけ減少される場合に、調整された1日量は約150mgである。特定の実施態様において、該期間は、約2週間〜約7週間、約3週間〜約6週間、又は約4週間などの約1週間〜約8週間である。特定の実施態様において、1日量は、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、又は約300mgだけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、1日量は、約75mg〜300mg、約100mg〜約300mg、約125mg〜約300mg、約150mg〜約300mg、約175mg〜約300mg、約200mg〜約300mg、約225mg〜約300mg、約250mg〜約300mg、又は約275mg〜約300mgの量だけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、1日量は、約75mg〜約250mg、約100mg〜約225mg、又は約125mg〜約200mgの量だけ増加又は減少され得る。特定の実施態様において、調整された1日量は、600mg又は750mgを超えない。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0279】
特定の実施態様において、血液透析を受けている、セクション5.4に記載される患者におけるCKDに関連した貧血を治療する方法であって、前記方法が、該患者に、医薬として有効な量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物を、血液透析開始の約8時間、7時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、若しくは1時間、又は約7時間〜8時間、6時間〜7時間、5時間〜6時間、4時間〜5時間、3時間〜4時間、2時間〜3時間、1時間〜2時間、若しくは最大約1時間前に投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の具体的な実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0280】
特定の実施態様において、血液透析を受けている、セクション5.4に記載される患者におけるCKDに関連する貧血を治療する方法であって、前記方法が、該患者に、医薬として有効な量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物を、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、週に6回、毎日、2週ごとに1回、3週ごとに1回、4週ごとに1回、又は2か月ごとに1回、又は3か月ごとに1回投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の具体的な実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0281】
特定の実施態様において、血液透析を受けている、セクション5.4に記載される患者におけるCKDに関連する貧血を治療する方法であって、前記方法が、該患者に、医薬として有効な量の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物を、血液透析の完了の約8時間、7時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、若しくは1時間、又は約7時間〜8時間、6時間〜7時間、5時間〜6時間、4時間〜5時間、3時間〜4時間、2時間〜3時間、1時間〜2時間、若しくは最大で約1時間後に投与することを含む方法が本明細書に提供される。特定の具体的な実施態様において、該化合物は、セクション5.3に記載される製剤で投与される。
【0282】
特定の実施態様において、本明細書に提供される方法は、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物の代謝物の血清濃度が決定されるモニタリング工程をさらに含む。より具体的な実施態様において、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物のフェノールグルクロニド及び/又はアシルグルクロニドの血清濃度が決定される。さらにより具体的な実施態様において、化合物1のフェノールグルクロニド及び/又はアシルグルクロニド、すなわち代謝物1又は代謝物2の血清濃度が決定される。特定のさらにより具体的な実施態様において、1日量は、代謝物の血清濃度に従って調整される。特定の具体的な実施態様において、投与量は、セクション5.3で記載された製剤で投与される。
【0283】
(5.8 併用療法)
特定の実施態様において、セクション5.4に記載される患者における慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、セクション5.3において本明細書に記載される製剤で、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、別の医薬と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供される。そのような併用療法は、治療の個別成分の同時の、連続的な、又は別な投薬により達成され得る。さらに、そのような併用療法の1成分として投与される場合、セクション5.3において本明細書に記載される製剤中の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)と他の医薬とは相乗的になり得るので、単独療法として通常与えられるだろういずれかの成分の投与量と比べて、成分のいずれか又は両方の1日量が減少され得る。或いは、そのような併用療法の1成分として投与される場合、セクション5.3において本明細書に記載される製剤中の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)と他の医薬とは相加的になり得るので、成分のそれぞれの1日量は、単独療法として通常与えられるだろういずれかの成分の投与量に類似又は同じである。
【0284】
特定の実施態様において、セクション5.4に記載される患者における、慢性腎疾患に続発する、非透析依存性慢性腎疾患に続発する非重症の貧血、鬱血性心不全に続発する非重症の貧血、及び加齢の特発性貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、セクション5.3において本明細書に記載される製剤中で、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は水和物(具体的には、化合物1など本明細書に開示される化合物)などの1日量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を投与することを含み、該化合物が、連続的に且つ/又は無期限に投与され、且つ該化合物が別の医薬と投与される方法が本明細書に提供される。
【0285】
特定の実施態様において、セクション5.4に記載される患者における、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、セクション5.3において本明細書に記載される製剤中で、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、貧血を有する患者に投与することを含み、該化合物が、任意に、硫酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、又はフマル酸第一鉄などの鉄補給剤と組み合わせて投与される方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、鉄補給剤は、該化合物の投与後少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、又はさらには少なくとも6時間で投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は、フェリチンが約50ng/mL〜約300ng/mLのレベルに維持される量で投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は、少なくとも約50mgの鉄元素の1日量で経口投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は、約50mgの鉄元素の投与量で経口投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は静脈内に投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は、連続した42日以上など、連続的に且つ/又は無期限に投与される。特定の代替実施態様において、鉄補給剤は、フェリチンが約50ng/mL〜約300ng/mLのレベルに維持されるように、必要に応じて投与される。特定のそのような実施態様において、化合物の1日量は、セクション5.3において本明細書に記載される製剤中の、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【0286】
特定の実施態様において、セクション5.4に記載される患者における、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、セクション5.3において本明細書に記載される製剤中で、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)を、セクション5.4に記載される貧血を有する患者に投与することを含み、該化合物が、任意に、エリスロポエチン模倣体などの赤血球生成刺激剤(ESA)と組み合わせて投与される方法が本明細書に提供される。特定のそのような実施態様において、ESAは、エポエチンα、エポエチンβ、ダルベポエチン、又はペギネサチドを含むがこれらに限定されないrhEPO製品である。特定のそのような実施態様において、ESAは救済療法として投与される。特定の代替実施態様において、ESAは、連続して42日以上など、連続的に且つ/又は無期限に投与される。特定のそのような実施態様において、化合物の1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの、セクション5.3において本明細書に記載される製剤中の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、若しくは式(V)の構造を有する化合物、又は化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物13、代謝物1、若しくは代謝物2から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(具体的には、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又は2-(5-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピコリンアミド)酢酸)である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与され得る。
【実施例】
【0287】
(6 実施例)
(6.1 実施例1:非透析依存性慢性腎疾患を有する対象における貧血の矯正のための化合物1)
この実施例は、およそ1000名の対象において、非透析依存性慢性腎疾患(NDD-CKD)を有する対象の貧血の矯正のための経口化合物1の有効性及び安全性を評価するための第3相、無作為化、非盲検、実薬対照試験である。化合物1の有効性及び安全性を、NDD-CKDに続発する貧血を有する対象におけるHgbの矯正及び維持のためにダルベポエチンアルファと比べた。
【0288】
試験集団は、赤血球生成刺激剤(ESA)により治療されていない、NDD-CKD、推算糸球体濾過量(eGFR)≦60mL/分/1.73m2、及びヘモグロビン(Hgb)<10.0g/dLを有する18歳以上の対象からなる。
【0289】
最長4週間のスクリーニング期間の後、以下に記載される組入れ基準をすべて満たし、除外基準をいずれも満たさない対象を、化合物1又はダルベポエチンアルファに1:1で無作為化する。無作為化を、下記により層別化する
・地理的地域(米国[US]対欧州連合[EU]対世界の残りの地域[ROW])。
・ニューヨーク心臓協会鬱血性心不全(CHF)クラス0又はI対II又はIII。
・試験エントリーHgb(<9.5対≧9.5g/dL)。
【0290】
無作為化の後で、試験の間4つの期間がある:
・矯正期間(0〜23週目):Hbgの矯正のための試験治療の初期の期間
・維持期間(24〜52週目):有効性が評価される試験治療の期間(一次評価期間:24〜36週目;二次評価期間:40〜52週目)
・長期治療期間(53週目〜治療終了)長期の安全性を評価する継続された試験治療
・経過観察期間(治療終了+4週):安全性のための治療後来院(直接にか、電話によるかのいずれか)。
【0291】
およそ1000名の無作為化された対象の完全な登録に至る推定時間は20か月であり、平均経過観察期間は1.8年になると推定される。全対象は、およそ631の主要心血管有害事象(MACE)が、2つの別なNDD-CKD試験にわたって起こるまで試験に参加したままであり、その時点で対象は最終来院を予定され、試験は終わる。施設に、試験終了のおよそ3か月前に国際共同治験終了日が知らされ(2つの試験にわたるMACEの増加に基づき)、その後に、施設は、参加中の(active)対象に国際共同治験終了日を知らせる。
【0292】
(対象の選択及び脱退)
【0293】
対象を、以下の組入れ基準及び除外基準に基づいて試験のために選択する。
【0294】
組入れ基準。対象は、適格であるためには、以下の組入れ基準の全てを満たさなければならない:
1.18歳以上(18歳を含む);
2.スクリーニング時に2009慢性腎疾患疫学共同研究(CKD-EPI)クレアチニン式を利用して、スクリーニング来院時に推算糸球体濾過量(eGFR)≦60mL/分/1.73m2を有する慢性腎疾患の診断及びスクリーニングの6か月以内に透析を開始すると見込まれていない;
3.スクリーニングの間に中央検査機関により測定された2つのHgb値の平均により決定された平均スクリーニングHgb<10.0g/dL;
4.スクリーニングの間、血清フェリチン≧100ng/mLであると共にトランスフェリン飽和度(TSAT)≧20%;
5.スクリーニングの間、葉酸塩及びビタミンB12測定値≧正常値の下限;
6.本試験の手順及び要件を理解し、且つ書面によるインフォームドコンセントを提供し、保護された健康情報の開示を許可すること。
【0295】
除外基準。下記のいずれかを訴える対象は、試験にエントリーする資格がない:
1.CKD以外の原因による貧血又は活動性出血若しくは最近の失血を有する対象;
2.鎌状赤血球症、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、血液系悪性腫瘍、骨髄腫、溶血性貧血、サラセミア、又は赤芽球ろうを有する対象;
3.スクリーニングの前の4週間以内又はスクリーニングの間の赤血球(RBC)輸血。
4.スクリーニングの前の4週間以内の静脈内(IV)鉄;
5.スクリーニングの前6週間以内のあらゆるESA(例えば、組換え型ヒトエリスロポエチン[rhEPO]又はダルベポエチンアルファ);
6.スクリーニング時に、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)、又は総ビリルビン>2.0×正常値の上限(ULN)。ジルベール症候群の既往歴のある対象は除外されない;
7.スクリーニング時に、降圧不十分な高血圧(確認された拡張期血圧>110mmHg又は収縮期血圧>180mmHg);
8.スクリーニング時に重度な心不全(ニューヨーク心臓協会クラスIV);
9.スクリーニング前12週間以内の急性冠症候群(不安定狭心症又は心筋梗塞のための入院)、切迫した冠動脈血行再建、CHFのための入院、又は脳卒中;
10.スクリーニング前2年以内の活動性の悪性腫瘍の既往歴、但し、治癒切除された皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、子宮頸部上皮内癌、又は切除された良性結腸ポリープを除く;
11.スクリーニング前8週間以内の積極的治療を要する深静脈血栓症(DVT)又は肺動脈塞栓症(PE)の既往歴;
12.ヘモジデローシス又はヘモクロマトーシスの既往歴;
13.以前の臓器移植の既往歴又は計画された臓器移植(腎臓移植待機リストにある対象は除外されない)、若しくは以前の幹細胞若しくは骨髄移植(角膜移植は除外されない);
14.スクリーニング来院時に先立ち30日又は治験薬の5半減期(いずれか長い方)以内の、治験薬の使用又は治験への参加;
15.本試験への以前の参加、別の試験における化合物1の受け取り、又は別の低酸素誘導因子プロリル水酸化酵素阻害剤(HIF PHI)による試験への以前の参加;
16.妊娠中又は授乳中の女性。許容し得る避妊方法を使用できないか若しくは使用する意志のない出産可能な女性;
17.許容し得る避妊方法を使用できないか若しくは使用する意志のない精管切除していない男性対象;
18.治験責任医師の意見において、対象を試験への参加に好適でないとするあらゆる他の理由。
【0296】
(有効性エンドポイント)
【0297】
本試験の有効性エンドポイントは以下の通り定義される:
【0298】
一次
・ベースライン(平均治療前Hgb)と一次評価期間(24〜36週目からの平均Hgb)の間のHgbの平均変化。
【0299】
主要二次
・ベースライン(平均治療前Hgb)と一次評価期間(24〜36週目からの平均Hgb)の間のHgbの平均変化;
・一次評価期間(24〜36週目)の間の10.0〜12.0g/dL(該値を含む)の平均Hgbを有する対象の比率;
・ベースラインから52週目に投与された静脈内(IV)鉄元素の平均毎週投与量;
・ベースラインから52週目のRBC輸血(複数可)を受け取る対象の比率。
【0300】
他の二次
・GFRの変化に基づくCKDの進行;
・維持期(24〜52週目)の間の目標範囲内のHgb値の比率;
・ベースラインからHgb増加>1.0g/dL;
・確認されたHgb値<10.0又は>12.0g/dL;
・ESA救援;
・投与量調整;
・鉄充足率の維持(フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%と定義);
・IV鉄療法の受け取り。
【0301】
(安全性エンドポイント)
【0302】
本試験の安全性エンドポイントは以下の通り定義される:
・総死亡率、非致死性心筋梗塞、又は非致死性脳卒中と定義されるMACE;
・MACEの個別の成分;
○総死亡率;
○非致死性心筋梗塞;
○非致死性脳卒中;
・血栓塞栓性事象:動脈血栓症、DVT、PE、又はバスキュラーアクセス血栓症;
・Hgb>12.0g/dL、>13.0g/dL、又は>14.0g/dL;
・任意の2週の間隔内のHgb増加>1.0g/dL又は任意の4週の間隔内のHgb増加>2.0g/dL;
・有害事象(AE)及び重篤な有害事象(SAE);
・バイタルサイン及び臨床検査値。
【0303】
(対象の治療)
【0304】
対象を、以下のいずれかに1:1で無作為化する。
【0305】
化合物1開始投与量:2錠剤1日1回(300mg/日);又は
【0306】
ダルベポエチンアルファ(SC)開始投与量:認可された地域の製品表示に基づく。
【0307】
投与量調整指針-全治療群
【0308】
投薬をベースライン来院で開始し、治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)の第1の投与量を、他のベースライン手順が完了した後に、試験実施施設で投与する。ヘモグロビンを、HemoCue(登録商標)ポイントオブケア装置により、試験全体にわたってモニターして、治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)の投与量を調整又は中断するか否か決定する。投与量調整のためのモニタリングのために、0〜12週目にHgbを、HemoCue(登録商標)により、2週ごとに測定する。12週目〜52週目に、Hgbを、HemoCue(登録商標)により4週ごとにモニターする。53週目から治験の終了まで、HgbをHemoCue(登録商標)によりモニターし続けて、治験薬の投与量を調整又は中断するか否かを決定する。ヘモグロビンを、有効性及び安全性評価のために、中央検査機関により全血球算定(CBC)によっても評価する;しかし、投与量調整は、施設のHemoCue(登録商標)Hgb値に基づくべきである。
【0309】
目標は、試験全体にわたって、Hgbレベルを増加させ、米国内では10〜11g/dLのレベルに、米国外では10〜12g/dLのレベルに維持することである。
【0310】
投与量の調整は、Hgb濃度に基づくインタラクティブウェブ応答(IWR)システム及びプログラムされた投与量調整アルゴリズムにより導かれる。化合物1のプログラムされた投与量調整アルゴリズムは、投与量調整指針(下記参照)に従う。ダルベポエチンアルファのプログラムされた投与量調整アルゴリズムは、地域の製品表示に基づいている。
【0311】
療法を調整する場合、Hgbの上昇率、低下率、及び変動性、並びに対象の臨床状態(すなわち、最近の疾病、体液量減少、体液量過剰など)を考慮する。臨床状況を軽減する場合には、治験責任医師は、Hgbを目標範囲内に維持するために、IWRシステム投薬推奨外での投薬を選択できる。そのような場合、臨床状況を対象の記録に文書化し、症例報告書(CRF)に収集しなければならない。
【0312】
矯正期間(0〜23週目)
【0313】
化合物1を、以下の投与量調整アルゴリズム指針に従って投薬する:
【0314】
米国向け投与量調整アルゴリズム:
・4週ごとに1回より頻繁に投与量を増加してはいけない。投与量の減少はより頻繁に起こり得る。頻繁な投与量調整を避けること。
・Hgbが、4週間後にベースライン値より0.5g/dLより多く増加しなかった場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ増加させる。Hgbが10.0g/dLを超えるまで4週ごとに、投与量を1錠だけ増加させる(化合物1の最大1日量は600mg/日[4錠]である)。
・Hgbが迅速に上昇する場合(例えば、任意の2週間で1g/dL超)、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ減少させる。
・Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ増加させる。
・Hgbレベルが11.0g/dLを超える場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで化合物1を中断し、次いで、1日あたり1錠少なくして、化合物1の投薬を再開する。
・Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要である場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ調整する。
【0315】
米国以外向け投与量調整アルゴリズム:
・4週ごとに1回より頻繁に投与量を増加してはいけない。投与量の減少はより頻繁に起こり得る。頻繁な投与量調整を避けること。
・Hgbが、4週間後にベースライン値より0.5g/dLより多く増加しなかった場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ増加させる。Hgbが10.0g/dLを超えるまで4週ごとに投与量を1日あたり1錠だけ増加させる(化合物1の最大1日量は600mg/日[4錠]である)。
・Hgbが迅速に上昇する場合(例えば、任意の2週間で1g/dL超)、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ減少させる。
・Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ増加させる。
・Hgbレベルが12.0g/dLを超える場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ減少させる。Hgbレベルが13.0g/dLを超える場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで、化合物1を中断し、次いで、1日あたり1錠少なくして、化合物1の投薬を再開する。
・Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要である場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ調整する。
【0316】
ダルベポエチンアルファを受け取るように無作為化された対象には、認可されたダルベポエチンアルファの地域の製品表示に基づく投与量調整アルゴリズムを実施するIWRシステムを利用して投薬する。ダルベポエチンアルファ投薬は来院スケジュールから独立であり、投薬スケジュールは、地域の標準治療及び各国ごとのダルベポエチン投薬指針に準拠して移動し得る。
【0317】
維持期(24〜52週目)及び長期治療期間(53週目EOT):
【0318】
化合物1を、上述の投与量調整アルゴリズム指針に従って投薬し続けるべきである。
【0319】
矯正期間の後に、その後のダルベポエチンアルファ投与量を、治療の維持に特異的な認可されたダルベポエチンアルファの地域の製品表示に基づいて個々の対象において調整できる。地域の標準治療及び地域/国の指針を、治療の考慮に入れなければならない。
【0320】
(投薬指示)
【0321】
化合物1
【0322】
全対象は、1日2錠(300mg/日)で始める。化合物1の用量段階には、150、300、450、及び600mgがある(利用可能な錠剤含量は150mgである)。各対象は、ベースライン来院で、彼/彼女の第1の投与量の治験薬を服用する。その後、治験薬を、1日1回外来患者として服用する。対象は、化合物1を、食品と共にでも、食品無しでも服用できる。投与量は、毎日およそ同じ時間に、好ましくは午前7時〜午後2時に服用すべきである。対象には、化合物1の投与の少なくとも2時間前又は2時間後に、任意の経口鉄補給剤を取るように指示すべきである。
【0323】
ダルベポエチンアルファ
【0324】
ダルベポエチンアルファを、認可された地域の製品表示に従って投与し、保存し、且つ調剤する。
【0325】
(鉄補給)
【0326】
治験責任医師は、フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%を維持するために、試験の間必要に応じて鉄補給を処方しなければならない。一般に、経口鉄のみを療法に使用するべきである。鉄静注使用は制限され、文書化された経口鉄に対する不耐容性及び鉄欠乏症(例えば、フェリチン<100ng/mL及び/又はTSAT<20%)を有する対象にのみ投与すべきである。いったん対象が鉄欠乏でなくなったら(フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%)、IV鉄の中止が求められる。重要:経口鉄が化合物1のバイオアベイラビリティを低下させる可能性のため、治験薬は、経口鉄補給剤(鉄含有マルチビタミンを含む)と同時に投与すべきではない。対象には、化合物1の投与量の少なくとも2時間前又は2時間後に、任意の経口鉄補給剤を取るように指示すべきである。
【0327】
(救済療法指針)
【0328】
治験対象の安全性を確保し、試験における救援の使用を標準化するために、以下の救済療法指針を与える:
【0329】
1.ESA救援:6週目から、両治療アームにいる対象は、地域の標準治療に準拠して、そのHgbをESA療法により救援してもらうことが(必要であるわけではないが)可能である。可能な場合、化合物1を服用している対象は、ESA救援に先立ち、極量の化合物1を2週間服用すべきである。ダルベポエチンアルファを服用している対象は、標準治療に準拠して、別のESAにより救援できる。ESA救援に適格であるためには、対象は、下記の全てを満たさなければならない::
・対象が、ベースラインと比べて、その貧血又は貧血の症状の臨床的に重要な悪化(例えば、疲労、衰弱、息切れ、胸痛、錯乱、又はめまい)を経験した;
・対象のHgbが<9.0g/dLである;且つ
・同種異系免疫のリスク及び/又は他のRBC輸血関連リスクの低減が目標である。
【0330】
ESA救済療法は、地域の施設の指針に準拠し、添付文書又はSmPCに準拠して投与すべきである。ESA救済療法を受けている間、対象は、治験薬の服用を中止しなければならない。ヘモグロビンモニタリングを、治験プロトコルの「用量及びレジメン」セクション中の基準に準拠して実施する。ESA救援治療は、Hgbが≧9g/dLになったら停止すべきである。治験薬による治療は、以下の間隔の後で再開すべきである:
・エポエチン救援の最後の投与後2日;
・ダルベポエチンアルファ救援の最後の投与後7日;
・メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ救援の最後の投与後14日。
【0331】
ESA救援後、治験薬を、以前に利用していたのと同じ投与量で再開し、投与量調整指針(「用量及びレジメン」セクション)に従って調整すべきである。
【0332】
2.RBC輸血:治験責任医師は、治験対象に輸血すべきか否かを決定する際に、その地域の施設の輸血指針を利用すべきである。一般に、急性又は重症の失血の場合には、RBC輸血は、臨床的に必要である通り、投与すべきである。重症度が低いが、貧血の悪化又は中程度から重度の貧血の症状があり得る場合には、医療の必要性があるとすれば、RBC輸血が治験責任医師の判断で許可される。治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)は、輸血期間の間継続してよい。
【0333】
(6.2 実施例2:非透析依存性慢性腎疾患を有する対象における貧血の維持療法のための化合物1)
本実施例は、およそ2100名の対象において、非透析依存性慢性腎疾患(NDD-CKD)を有する対象における貧血の維持療法のための経口化合物1の有効性及び安全性を評価するための第3相、無作為化、非盲検、実薬対照試験を説明する。化合物1の有効性及び安全性を、現在のESA療法からの転化後にNDD-CKDを有する対象における貧血の維持療法のためのダルベポエチンアルファと比べる。
【0334】
試験集団は、赤血球生成刺激剤(ESA)により現在貧血の治療をされている、NDD-CKD、推算糸球体濾過量(eGFR)≦60mL/分/1.73m2、並びに米国(US)内で8.0〜11.0g/dL(該値を含む)のヘモグロビン(Hgb)及び米国外で9.0〜12.0g/dL(該値を含む)のヘモグロビン(Hgb)を有する18歳以上の対象からなる。
【0335】
最長4週間のスクリーニング期間の後、以下に記載される全組入れ基準を満たし、除外基準をいずれも満たさない対象を、化合物1又はダルベポエチンアルファに1:1に無作為化する。無作為化を、下記により層別化する
・地理的地域(米国[US]対欧州連合[EU]対世界の残りの地域[ROW])。
・ニューヨーク心臓協会鬱血性心不全(CHF)クラス0又はI対II又はIII。
・試験エントリーHgb(<10.0対≧10.0g/dL)。
【0336】
無作為化の後で、試験の間3つの期間がある:
・転化及び維持期(24〜52週目):Hgbを維持するための試験治療への転化(0 23週目)、一次有効性評価(24 36週目)、及び二次有効性評価(40 52週目)。
・長期治療期間(53週目-治療終了)長期の安全性を評価するための継続された試験治療。
・経過観察期間(治療終了+4週間):安全性のための治療後来院(直接にか、電話によるかのいずれか)。
【0337】
およそ2100名の無作為化された対象の完全な登録に至る推定時間は20か月であり、平均経過観察期間は1.8年になると推定される。全対象は、およそ631の主要心血管有害事象(MACE)が2つの別なNDD CKD試験にわたって起こるまで試験に参加したままであり、その時点で対象は最終来意を予定され、試験は終わる。施設に、試験終了のおよそ3か月前に国際共同治験終了日が知らされ(2つの試験にわたるMACEの増加に基づき)、その後に、施設は、参加中の対象に国際共同治験終了日を知らせる。
【0338】
(対象の選択及び脱退)
【0339】
対象は、以下の組入れ基準及び除外基準に基づいて試験に選択する。
【0340】
組入れ基準。対象は、適格であるためには、以下の組入れ基準の全てを満たさなければならない:
1.18歳以上(18歳を含む);
2.スクリーニング時に2009慢性腎疾患疫学共同研究(CKD-EPI)クレアチニン式を利用して、スクリーニング来院時に推算糸球体濾過量(eGFR)≦60mL/分/1.73m2を有する慢性腎疾患の診断及びスクリーニングの6か月以内に透析を始めると見込まれていない;
3.現在ESA療法で維持されており、最後の投与をスクリーニング前8週間以内に受けとった;
4.スクリーニングの間に中央検査機関により測定された2つのHgb値の平均により決定される、米国内の8.0〜11.0g/dL(該値を含む)の平均スクリーニングHgb及び米国外の9.0〜12.0g/dL(該値を含む)の平均スクリーニングHgb;
5.スクリーニングの間の血清フェリチン≧100ng/mLであると共にトランスフェリン飽和度(TSAT)≧20%;
6.スクリーニングの間に、葉酸塩及びビタミンB12測定値≧正常値の下限;
7.本試験の手順及び要件を理解し、且つ書面によるインフォームドコンセントを提供し、保護された健康情報の開示を許可すること。
【0341】
除外基準。下記のいずれかを訴える対象は試験にエントリーする資格がない:
1.CKD以外の原因による貧血又は活動性出血若しくは最近の失血を有する対象;
2.鎌状赤血球症、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、血液系悪性腫瘍、骨髄腫、溶血性貧血、サラセミア、又は赤芽球ろうを有する対象;
3.スクリーニングの前4週間以内又はスクリーニングの間の赤血球(RBC)輸血。
4.スクリーニング時のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)、又は総ビリルビン>2.0×正常値の上限(ULN)。ジルベール症候群の既往歴のある対象は除外されない;
5.スクリーニング時の降圧不十分な高血圧(確認された拡張期血圧>110mmHg又は収縮期血圧>180mmHg);
6.スクリーニング時に重度の心不全(ニューヨーク心臓協会クラスIV);
7.スクリーニング前12週間以内の急性冠症候群(不安定狭心症又は心筋梗塞のための入院)、切迫した冠動脈血行再建、CHFのための入院、又は脳卒中;
8.スクリーニング前2年以内の活動性の悪性腫瘍の既往歴、但し、治癒切除された皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、子宮頸部上皮内癌、又は切除された良性結腸ポリープを除く;
9.スクリーニング前8週間以内の積極的治療を要する深静脈血栓症(DVT)又は肺動脈塞栓症(PE)の既往歴;
10.ヘモジデローシス又はヘモクロマトーシスの既往歴;
11.以前の臓器移植の既往歴又は計画された臓器移植(腎臓移植待機リストにある対象は除外されない)、若しくは以前の幹細胞若しくは骨髄移植(角膜移植は除外されない);
12.スクリーニング来院時に先立ち30日間又は治験薬の5半減期(いずれか長い方)以内の、治験薬の使用又は治験への参加;
13.本試験への以前の参加、別の試験における化合物1の受け取り、又は別の低酸素誘導因子プロリル水酸化酵素阻害剤(HIF PHI)による試験への以前の参加;
14.妊娠中又は授乳中の女性。許容し得る避妊方法を使用できないか若しくは使用する意志のない出産可能な女性;
15.許容し得る避妊方法を使用できないか若しくは使用する意志のない精管切除していない男性対象;
16.治験責任医師の意見において、対象を治験への参加に好適でないとするあらゆる他の理由。
【0342】
(有効性エンドポイント)
【0343】
本試験の有効性エンドポイントを以下の通り定義する:
【0344】
一次
・ベースライン(平均治療前Hgb)と一次評価期間(24〜36週目からの平均Hgb)の間のHgbの平均変化。
【0345】
主要二次
・ベースライン(平均治療前Hgb)と一次評価期間(24〜36週目からの平均Hgb)の間のHgbの平均変化;
・一次評価期間(24〜36週目)の間の10.0〜12.0g/dL(該値を含む)の平均Hgbを有する対象の比率;
・ベースラインから52週目に投与された静脈内(IV)鉄元素の平均毎週投与量;
・ベースラインから52週目のRBC輸血(複数可)を受け取る対象の比率。
【0346】
他の二次
・GFRの変化に基づくCKDの進行;
・維持期(24〜52週目)の間の目標範囲内のHgb値の比率;
・確認されたHgb値<10.0又は>12.0g/dL;
・ESA救援;
・投与量調整;
・鉄充足率の維持(フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%と定義される);
・IV鉄療法の受け取り。
【0347】
(安全性エンドポイント)
【0348】
本試験の安全性エンドポイントを以下の通り定義する:
・総死亡率、非致死性心筋梗塞、又は非致死性脳卒中と定義されるMACE;
・MACEの個別の成分;
○総死亡率;
○非致死性心筋梗塞;
○非致死性脳卒中;
・血栓塞栓性事象:動脈血栓症、DVT、PE、又はバスキュラーアクセス血栓症;
・Hgb>12.0g/dL、>13.0g/dL、又は>14.0g/dL;
・任意の2週の間隔内のHgb増加>1.0g/dL又は任意の4週の間隔内のHgb増加>2.0g/dL;
・有害事象(AE)及び重篤な有害事象(SAE);
・バイタルサイン及び臨床検査値。
【0349】
(対象の治療)
【0350】
対象を、下記のいずれかに1:1で無作為化する
【0351】
化合物1開始投与量:2錠1日1回(300mg/日);又は
【0352】
ダルベポエチンアルファ(SC)初期投与量は、以下の通りである:
・既にダルベポエチンを服用している対象では、本試験での初期投薬レジメンは、以前の投薬レジメンに基づくべきである。
・他のESAを服用している対象では、ダルベポエチンの初期投与量は、認可された地域の製品表示に基づくべきである。
全対象に関して、スクリーニング来院2(SV2)後と無作為化来院の前に、追加のESA投与量を全く投与しないことが推奨される。
【0353】
投与量調整指針-全治療群
【0354】
投薬をベースライン来院で始め、第1の投与量の治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)を、他のベースライン手順が完了した後に、試験実施施設で投与する。全対象で、SV2後と無作為化来院の前に、追加のESA投与量を全く投与しないことが推奨される。ヘモグロビンを、HemoCue(登録商標)ポイントオブケア装置により治験全体にわたってモニターして、治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)の投与量を調整するか、又は中断するかを決定する。投与量調整のためのモニタリングのために、0〜12週目に、HgbをHemoCue(登録商標)により2週ごとに測定する。12週目〜52週目に、Hgbを、HemoCue(登録商標)により4週ごとにモニターする。53週目から試験終了まで、Hgbを、HemoCue(登録商標)により継続してモニターし、治験薬の投与量を調整するか又は中断するかを決定する。ヘモグロビンは、有効性及び安全性評価のために、中央検査機関により全血球算定(CBC)によっても評価される;しかし、投与量調整は、施設のHemoCue(登録商標)Hgb値に基づくべきである。
【0355】
目標は、試験全体にわたって、Hgbレベルを、米国内では10〜11g/dLに、米国外では10〜12g/dLに維持することである。
【0356】
投与量の調整は、Hgb濃度に基づくインタラクティブウェブ応答(IWR)システム及びプログラムされた投与量調整アルゴリズムにより導かれる。化合物1のプログラムされた投与量調整アルゴリズムは投与量調整指針(下記参照)に従う。ダルベポエチンアルファのプログラムされた投与量調整アルゴリズムは、地域の製品表示に基づいている。
【0357】
療法を調整する場合、Hgbの上昇率、低下率、及び変動性、並びに対象の臨床状態(すなわち最近の疾病、体液量減少、体液量過剰など)を考慮する。臨床状況を軽減する場合には、治験責任医師は、Hgbを目標範囲内に維持するために、IWRシステム投薬推奨外での投薬を選択できる。そのような場合、臨床状況を対象の記録に文書化し、症例報告書(CRF)に収集しなければならない。
【0358】
化合物1を、以下の投与量調整アルゴリズム指針に従って投薬する:
【0359】
米国向け投与量調整アルゴリズム:
・4週ごとに1回より頻繁に投与量を増加してはいけない。投与量の減少はより頻繁に起こり得る。頻繁な投与量調整を避けること。
・Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要である場合、化合物1投与量を、1日あたり1錠だけ調整する(化合物1の最低投与量は150mg/日[1錠]である;化合物1の最大1日量は600mg/日[4錠]である)。
・Hgbが迅速に上昇する場合(例えば、任意の2週間で>1g/dL)、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ減少させる。
・Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ増加させる。
・Hgbレベルが11.0g/dLを超える場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで化合物1を中断し、次いで、1日あたり1錠少なくして、化合物1の投薬を再開する。
【0360】
米国以外向け投与量調整アルゴリズム:
・4週ごとに1回より頻繁に投与量を増加してはいけない。投与量の減少はより頻繁に起こり得る。頻繁な投与量調整を避けること。
・Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要である場合、化合物1投与量を1日あたり1錠だけ調整する(化合物1の最低1日量は150mg/日[1錠]である;化合物1の最大1日量は600mg/日[4錠]である)。
・Hgbが迅速に上昇する場合(例えば、任意の2週間で1g/dL超)、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ減少させる。
・Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ増加させる。
・Hgbレベルが12.0g/dLを超える場合、化合物1の投与量を1日あたり1錠だけ減少させる。Hgbレベルが13.0g/dLを超える場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで、化合物1を中断し、次いで、1日あたり1錠少なくして、化合物1の投薬を再開する。
【0361】
ダルベポエチンアルファに無作為化された対象では、初期投与量を以下の通り決定する:
・既にダルベポエチンを服用している対象では、本試験での初期投薬レジメンは、以前の投薬レジメンに基づくべきである。
・他のESAを服用している対象では、ダルベポエチンの初期投与量は、認可された地域の製品表示に基づくべきである。
【0362】
投与量変換の後で、投与量調整が、認可されたダルベポエチンアルファの地域の製品表示に基づいた投与量調整アルゴリズムを実施するIWRシステムにより導かれている状態で、ダルベポエチンアルファをSCで投薬する。ダルベポエチンアルファ投薬は、来院スケジュールから独立しており、投薬スケジュールは、地域の標準治療及び各国ごとのダルベポエチン投薬指針に準拠して移動し得る。
【0363】
(投薬指示)
【0364】
化合物1
【0365】
全対象は、1日2錠(300mg/日)で始める。化合物1の用量段階には、150、300、450、及び600mgがある(利用可能な錠剤含量は150mgである)。各対象は、ベースライン来院時に、試験実施施設で、彼/彼女の第1の投与量の治験薬を受け取る。その後、治験薬を、1日1回外来患者として服用する。対象は、化合物1を、食品と共にでも、食品無しでも服用できる。投与量は、毎日、およそ同じ時間に、好ましくは午前7時〜午後2時に服用すべきである。対象には、化合物1の投与量の少なくとも2時間前又は2時間後に、任意の経口鉄補給剤を服用するように指示すべきである。
【0366】
ダルベポエチンアルファ
【0367】
ダルベポエチンアルファを、認可された地域の製品表示に従って投与し、保存し、且つ調剤する。
【0368】
(鉄補給)
【0369】
治験責任医師は、フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%を維持するために、必要に応じて鉄補給を処方すべきである。一般に、経口鉄のみを療法に使用すべきである。鉄静注使用は制限され、文書化された経口鉄に対する不耐容性及び鉄欠乏症(例えば、フェリチン<100ng/mL及び/又はTSAT<20%)を有する対象にのみ投与すべきである。いったん対象が鉄欠乏でなくなったら(フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%)、IV鉄の中止が求められる。重要:経口鉄が化合物1のバイオアベイラビリティを低下させる可能性のため、治験薬は、経口鉄補給剤(鉄含有マルチビタミンを含む)と同時に投与すべきではない。対象には、化合物1の投与量の少なくとも2時間前又は2時間後に、任意の経口鉄補給剤を取るように指示すべきである。
【0370】
(救済療法指針)
【0371】
試験対象の安全性を確保し、試験における救済の使用を標準化するために、以下の救済療法指針を提供する:
【0372】
1.ESA救援:6週目から、両治療アームにいる対象は、地域の標準治療に準拠して、そのHgbをESA療法により救援してもらうことが(必要であるわけではないが)可能である。可能な場合、化合物1を服用している対象は、ESA救援に先立ち、極量の化合物1を2週間服用すべきである。ダルベポエチンアルファを服用している対象は、標準治療に準拠して、別のESAにより救援できる。ESA救援に適格であるためには、対象は、下記の全てを満たさなければならない::
・対象が、ベースラインと比べて、その貧血又は貧血の症状の臨床的に重要な悪化(例えば、疲労、衰弱、息切れ、胸痛、錯乱、又はめまい)を経験した;
・対象のHgbが<9.0g/dLである;且つ
・同種異系免疫のリスク及び/又は他のRBC輸血関連リスクの低減が目標である。
【0373】
ESA救済療法は、地域施設の指針に準拠し、添付文書又はSmPCに準拠して投与すべきである。ESA救済療法を受けている間、対象は、治験薬の服用を中止しなければならない。ヘモグロビンモニタリングを、治験プロトコルの「用量及びレジメン」セクション中の基準に準拠して実施する。ESA救援治療は、Hgbが≧9g/dLになったら停止すべきである。治験薬による治療は、以下の間隔の後で再開すべきである:
・エポエチン救援の最後の投与後2日;
・ダルベポエチンアルファ救援の最後の投与後7日;
・メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ救援の最後の投与後14日。
【0374】
ESA救援の後、治験薬を、以前に利用した同じ投与量で再開し、投与量調整指針(「用量及びレジメン」セクション)に従って調整すべきである。
【0375】
2.RBC輸血:治験責任医師は、治験対象に輸血すべきか否かを決定する際に、その地域施設の輸血指針を利用すべきである。一般に、急性又は重症の失血の場合には、RBC輸血は、臨床的に必要である通り、投与すべきである。重症度が低いが、貧血の悪化又は中程度から重度の貧血の症状があり得る場合には、医療の必要性があるとすれば、RBC輸血が治験責任医師の判断で許可される。治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)は、輸血期間の間継続できる。
【0376】
(6.3 実施例1及び2の試験手順、スケジュール、及びデータ分析)
(6.3.1 統計上の考察)
一次有効性エンドポイント分析
【0377】
一次有効性エンドポイントを、ベースライン(平均治療前Hgb)から24〜36週目(該値を含む)からの平均Hgbへの平均Hgb変化と定義する。一次分析は、分散分析(ANOVA)を利用し、層のサイズにより重みづけられた無作為化層により層別化される。両側95%信頼区間を、化合物1群と対照群の間の差に関して計算する。この信頼区間の下限が≧0.5g/dLである場合、化合物1の非劣性が確立される。
【0378】
MACE分析
【0379】
MACEエンドポイント(判定された結果)を、治験薬の第1の投与量から第1のMACEまでの時間として分析する。試験終了までに判定されたMACEを経験しなかった対象を、その最終評価時点で打ち切る。
【0380】
主要心血管有害事象を、治療群を含むモデルにより層別Cox比例ハザードモデルを利用して分析する。無作為化された層をこの分析に用いる。一次MACE分析は試験終結時に起こり、安全性集団中の全対象に基づいている。ハザード比(化合物1/対照)を、その95%信頼区間と共に推定する。この個別の試験は、MACEのハザード比の独立した(stand alone)推定値を与えるように強化され(powered)なかったので、この区間は記述的であると考えられる。第1のMACEまでの時間も、カプランマイヤー曲線を利用して図示する。
【0381】
MACEの一次分析を、安全性集団を利用して実施する。これらの分析を、治験薬の早期の中止の後4週間で打ち切りとして繰り返す。独立した統計解析センターは、独立データモニタリング委員会(IDMC)を支持して分析を実施する。
【0382】
(6.3.2 試験手順及び評価)
臨床評価
【0383】
以下の臨床評価を、試験の過程の間に実施する:
【0384】
病歴、人口統計情報、及び身体診察(身長を含む)を、SV2で収集する。SV2の後、簡略された、症状を対象とした身体診察を、臨床的に必要である場合、治験責任医師の判断で実施すべきである。心拍数及び血圧を含むバイタルサインを、SV1、SV2、ベースライン、治験来院の間、及びEOTで収集し、可能な場合採血の前に測定すべきである。体重を、全対象で、SV2に、12、24、36、及び52週目に、その後毎年、及びEOT来院時に収集する。ダルベポエチンアルファを服用している対象では、対象は、地域の標準治療に準拠して投薬のために体重測定される。12誘導心電図(ECG):をベースラインで実施し、潜在的な臨床問題となる鼓動の存在に関して治験責任医師により見直す。各無作為化後の治験来院で、対象には、最後の治験来院以来のあらゆる潜在的なMACEエンドポイント事象の発生に関して、具体的に質問しなければならない。治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)の第1の投与から、国際共同治験終了(経過観察来院)まで、治験責任医師及び試験担当者は、各対象の臨床検査及び臨床評価の所見を調査し、有害事象に関して直接対象に質問する。治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)の開始の前30日以内及びEOT来院まで服用された全医薬品(処方と非処方の両方とも、並びにビタミン類、漢方薬、局所、吸入、及び鼻腔内を含む)を記録すべきである。
【0385】
臨床検査評価
【0386】
以下の臨床検査評価を、試験の過程の間に実施する:
血清妊娠試験を、SV2で、妊娠可能な女性に関して実施して、利用可能でなくてはならず、対象が第1の投与量の治験薬を服用する前に陰性でなくてはならない。白血球分類ありのCBCを、ベースラインで、年に2回、28、52、76、104、128、156、180、208週目に実施する。SV1及びSV2を含む他の全ての記された来院で、白血球分類のないCBCを実施する。白血球分類ありのCBCには、Hgb、ヘマトクリット値、RBC、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、赤血球分布幅(RDW)、分類(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)ありの白血球(WBC)算定、及び血小板が含まれる。中央検査機関により評価されたヘモグロビンCBCを、有効性及び安全性の評価に使用するが、投与量調整に使用すべきではない。むしろ、HemoCue(登録商標)により評価されたHgbレベルを投与量調整に使用すべきである。
【0387】
実施例1における試験の適格性の目的のため、SV1でのHgbが10.0〜10.5g/dLである場合、1回のリテストCBCを、SV2の前に実施すべきである。リテストHgbが>10.0g/dLである場合、対象は、SV2を続行すべきでない。SV1でのHgbが>10.5g/dLである場合、対象は、この時点でさらなるスクリーニングを続行すべきでない。
【0388】
実施例2における試験の適格性の目的のため、SV1でのHgbは、米国内で11.1〜11.5g/dL、又は米国外で12.1 12.5g/dLである場合、1回のリテストCBCをSV2の前に実施すべきである。リテストHgbが、米国内で>11.0g/dL、又は米国以外で>12.0g/dLである場合、対象はSV2を続行すべきでない。SV1でのHgbが、米国で>11.5g/dL、又は米国外で>12.5g/dLである場合、対象は、この時点でさらなるスクリーニングを続行すべきでない。
【0389】
HemoCue(登録商標)を使用して、Hgbを試験全体にわたってモニターし、投薬及び投与量調整指針に記載される通り、治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)の投与量を調整するか、又は中断するかを決定する。自動化網状赤血球算定(絶対値とパーセントの両方)を、ベースラインで、並びに4、12、28、及び52週目で実施する。ベースラインで血液試料を採取して、プロトロンビン時間(PT)、部分トロンボプラスチン時間(PTT)、及び国際標準化比(INR)を評価する。血液試料をSV2で採取して、葉酸塩及びビタミンB12レベルを評価する。尿アルブミン対クレアチニン比(uACR)を与えるために、ランダム随時尿試料を、ベースライン来院の間に試験実施施設で収集すべきである。C-反応性タンパク質のための血液試料を、ベースライン来院で収集する。
【0390】
血清化学:血清化学を評価するための血液試料を、SV2で[実施例2のみ]、ベースラインで、及び年に2回、28、52、76、104、128、156、180、208週目に収集する。他の全ての記された来院で:血清クレアチニン及びeGFRを実施する。血清化学には、以下のアッセイ:ナトリウム、カリウム、炭酸水素塩、塩化物、カルシウム、マグネシウム、リン、グルコース、クレアチニン、血中尿素窒素(BUN)、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)、尿酸、アルブミン、及び総タンパクがある。注意:ベースライン値からの50%以上のeGFRの低下が観察される場合、反復中央検査機関測定を、30〜60日以内に実施すべきである。
【0391】
肝臓機能を評価するための血液試料を、SV2、ベースラインで、28週目まで4週ごとに、28週目から52週目まで8週ごとに、及び53週目から試験終了まで年に2回収集する。血液試料を、EOT来院でも収集する。肝機能試験には、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、ALT/SGPT、AST/SGOT、及び乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)がある。
【0392】
鉄指数を評価するための血液試料を、SV1、ベースラインで、12週目まで4週ごとに、12週目から52週目まで8週ごとに、及び53週目から試験終了まで12週目ごとに収集する。血液試料を、EOT来院でも収集する。評価は、以下の指数:フェリチン、鉄、TIBC、及びTSATを含む。
【0393】
血液試料を、ベースラインで、28週目、及び52週目来院で収集して、コレステロールレベルを評価し、以下の種類の脂質に関して試験する:総コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)、及び中性脂肪。バイオマーカー分析(ヘプシジン、血管内皮細胞成長因子[VEGF])の試料を、ベースライン、12週目、28週目、及びEOT来院で採取する。EPO分析のための血液試料を、ベースラインで、並びに4、12、28、及び52週目に得る。
【0394】
PK評価のための血漿試料を収集し、親化合物(化合物1)とその代謝物の両方のみに関して分析する。PKのための収集時点は、4、12、28、及び52週目を含む。
【0395】
追加の血液及び尿試料を、ベースライン及び28週目で収集し、それをバイオマーカー(例えば、HIF経路の活性化に関連する因子)の診査測定に使用できる。対象には、また、将来の遺伝子分析(例えば、DNA、mRNA)のための血液試料を得て保存する任意の同意を与えるように依頼する。
【0396】
実施例2のみ:ACTH(コシントロピン)刺激試験を、EU内の200名の対象のサブセットで、ベースラインで、並びに12及び52週目で(又は、対象が、52週目治験来院の前に早期に、永久に治験薬を中止する場合はEOT来院で)実施する。刺激試験の間、血清コルチゾールを、コシントロピン投与の前に測定し、コシントロピン投与の30及び60分後に再び測定する。コシントロピンを、0.25mg(バイアル全部)IVプッシュで投与する。試験の結果によっては、個々の対象における結果の臨床的重要性を確認するために、早朝のコルチゾール及びACTH測定が必要なことがある。
【0397】
(6.3.3 活動のスケジュール)
この手順スケジュールを順守するためにあらゆる努力をはらい、全評価を各治験来院で完了すべきである。
【0398】
プレスクリーニング来院
【0399】
スクリーニング不適格を最低限にするため、完全なスクリーニングを続行する前に対象がHemoCue(登録商標)Hgbを有することを可能にする任意のプレスクリーニング来院がある。実施例1における試験では、プレスクリーンHemoCue(登録商標)Hgbが<10.0g/dLである場合、試験実施施設はSV1を続行し得るが、それは、好ましくはプレスクリーニングと同じ日に起こる。実施例2における試験では、プレスクリーンHemoCue(登録商標)Hgbが、米国内で8.0〜11.0g/dL(該値を含む)、又は米国外で9.0〜12.0g/dL(該値を含む)である場合、試験実施施設はSV1を続行し得るが、それは、好ましくはプレスクリーニングと同じ日に起こる。
【0400】
スクリーニング来院
【0401】
スクリーニング期間は、最長で28日の期間である。2回のスクリーニング来院(SV1及びSV2)は、投薬(ベースライン来院又は1日目)前の28日以内に実施しなければならない。2回のスクリーニング来院の間には最低で4日、SV2とベースライン来院の間には最低で4日なくてはならない。
【0402】
スクリーニング来院1(SV1):
【0403】
SV1で、以下の活動/手順を実施する:
・インフォームドコンセント。実施例2における試験では:EU内の200名の対象のサブセットにおける副腎機能のサブスタディのための追加の任意の同意も含む);
・適格性基準の再検討;
・心拍数及び血圧(座位で5分の安静後、及び採血前に評価)を含むバイタルサイン;
・臨床検査手順:CBC(白血球分類なし);鉄指標。
【0404】
実施例1における試験では、SV1でのHgbが10.0〜10.5g/dLである場合、1回のリテストCBCを、SV2の前に実施すべきである。リテストHgbが>10.0g/dLである場合、対象はSV2を続行すべきでない。SV1でのHgbが>10.5g/dLである場合、対象は、この時点でさらなるスクリーニングを続行すべきでない。
【0405】
実施例2における試験では、SV1でのHgbが、米国内で11.1〜11.5g/dL、又は米国外で12.1 12.5g/dLである場合、1回のリテストCBCを、SV2の前に実施すべきである。リテストHgbが、米国内で>11.0g/dL、又は米国外で>12.0g/dLである場合、対象はSV2を続行すべきでない。SV1でのHgbが、米国内で>11.5g/dL、又は米国外で>12.5g/dLである場合、対象は、この時点でさらなるスクリーニングを続行すべきでない。
【0406】
スクリーニング来院2(SV2):
【0407】
SV2で、以下の活動/手順を実施する:
・適格性基準の再検討;
・身体診察;
・人口統計及び病歴;
・心拍数及び血圧(座位で5分の安静後、及び採血前に評価)を含むバイタルサイン、並びに身長及び体重;
・臨床検査手順:葉酸塩及びビタミンB12レベル;CBC(白血球分類なし)、血清クレアチニン及びeGFRを含む血清化学;肝機能試験;妊娠可能な女性に関する血清妊娠試験(適格な対象は、適当な避妊方法を利用するように勧められる);
・以前及び現在の医薬品使用。
【0408】
実施例1における試験では、試験への組み入れに適格であるために、中央検査機関からの2つのHgb値の平均が<10.0g/dLではなくてはならない。対象のHgbがSV1及び/又はSV2 +/- 1回のリテストHgbの後に適格でない場合、対象はスクリーニング不適格であると考えるべきである。
【0409】
実施例2における試験では、試験への組み入れに適格であるために、中央検査機関からの2つのHgb値の平均が、米国内では8.0〜11.0g/dL(該値を含む)、又は米国外では9.0〜12.0g/dL(該値を含む)でなくてはならない。対象のHgbがSV1及び/又はSV2 +/- 1回のリテストHgbの後に適格でない場合、対象はスクリーニング不適格であると考えるべきである。
【0410】
対象リテスト
【0411】
最初に、臨床試験結果に基づいて試験に適格でない対象を、治験責任医師の判断により、28日のスクリーニング期間内で1回リテストできる。
【0412】
対象再スクリーニング:
【0413】
スクリーニング期間の間に、Hgb又はeGFRに関する適格基準を満たさない対象は、対象の状態が良くなり、対象が現在試験に適格であり得ると感じられる場合、治験責任医師の判断で再スクリーニングに関して検討され得る。さらに、TSAT、フェリチン、葉酸塩、又はB12の低値に基づいて試験に適格にならない対象は、補充療法を受け取った後に、再スクリーニングに関して検討され得る。スクリーニングは、3回の試み(スクリーニング及び2回の追加再スクリーニングの試み)に限定される。
【0414】
ベースライン来院(1日目):
【0415】
ベースライン来院は、2回のスクリーニング来院(SV1及びSV2)の28日以内に実施しなければならず、最後のスクリーニング来院(SV2)とベースライン来院の間は、最低4日が経過しなければならない。
【0416】
ベースライン来院で、以下の活動/手順を実施する:
・無作為化;
・12誘導ECG(バイタルサイン評価及び採血の前に);
・心拍数及び血圧(座位で5分の安静後及び採血前に評価)を含むバイタルサイン;
・臨床検査手順:uACRのためのランダム随時尿試料;凝固試験;C-反応性タンパク質;CBC(白血球分類含む);網状赤血球算定;血清化学及びeGFR;肝機能試験;鉄指標;脂質プロファイル;EPO;バイオマーカー(ヘプシジン、VEGF);探索的試料;実施例2における試験のみで:ACTH(コシントロピン)刺激試験(EUにおける対象のサブセットで)
・スクリーニング来院以来の新たな状態に関して病歴の見直し;
・スクリーニング来院以来の医薬品使用;
・治験薬評価及び手順:
○対象は、ベースライン来院の間、試験実施施設で治験薬のその第1の投与量を服用する;
○投与量開始のためのHemoCue(登録商標)によるHgb;
○化合物1調剤;
○ダルベポエチンアルファ調剤(地域の製品表示に準拠);
○フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%を維持するために必要である場合経口鉄補充(地域の製品表示に準拠;セクション8.4.6、鉄補給を参照);
・必要に応じてAE評価(治験薬の第1の投与量を受け取った後)。
【0417】
1年目治療期間来院(2日目から52週目):
【0418】
2、4、6、8、10、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、及び52週目の1年目治療期間来院の間、以下の活動/手順を実施する:
・心拍数及び血圧(座位で5分の安静後及び採血前に評価)を含むバイタルサイン;
・体重(12、24、36、及び52週目);
・臨床検査手順:CBC(2、4、6、8、10、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、及び52週目;28及び52週目で白血球分類);網状赤血球算定(4、12、28、及び52週目);血清化学(28及び52週目);血清クレアチニン及びeGFR(4、8、12、20、36、及び44週目;血清化学の一部として28及び52週目でも);肝機能試験(4、8、12、16、20、24、28、36、44、及び52週目);鉄指標(4、8、12、20、28、36、44、及び52週目);脂質プロファイル(28及び52週目);EPO(4、12、28、及び52週目);バイオマーカー(12及び28週目);PK(4、12、28、及び52週目;化合物1に対して無作為化された対象に関してのみ採取すべき試料);探索的試料(28週目);実施例2における試験のみで:ACTH(コシントロピン)刺激試験(EUにおける対象のサブセットに関して12及び52週目で);
・PK試料の前の対象の化合物1の最後の投与量の日及び時間を記録(4、12、28、及び52週目);
・安全性評価:AE評価;RBC輸血及びESA救援収集;治療的な静脈切開収集;MACEエンドポイント調査票;
医薬品評価及び手順:併用薬の再検討;投与量調整のためのHemoCue(登録商標)によるHgb;処方確認(Drug reconciliation)-治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)処方確認は、薬局マニュアル指示書に準拠して実施する;必要に応じて化合物1調剤;ダルベポエチンアルファ調剤(地域の製品表示に準拠);フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%を維持するのに必要とされる場合鉄補給(地域の製品表示に準拠)。
【0419】
2年目治療期間来院(53〜104週目)
【0420】
64、76、88、及び104週目での2年目治療期間来院の間、以下の活動/手順を実施する:
・心拍数及び血圧(座位で5分の安静後及び採血前に評価)を含むバイタルサイン;
・体重(104週目);
・臨床検査手順:CBC(64、76、88、及び104週目;76及び104週目に白血球分類);血清クレアチニン及びeGFRを含む血清化学(実施例1における試験では:64、76及び104週目。実施例2における試験では:76及び104週目);肝機能試験(76及び104週目);鉄指標(64、76、88、及び104週目);
・安全性評価:AE評価;RBC輸血及びESA救援収集;治療的な静脈切開収集;MACEエンドポイント調査票;
・医薬品評価及び手順:併用薬の再検討;投与量調整のためのHemoCue(登録商標)によるHgb;処方確認:治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)の処方確認を、薬局マニュアル指示書に準拠して実施する;必要に応じて化合物1調剤;ダルベポエチンアルファ調剤(地域の製品表示に準拠);フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%を維持するための鉄補給(地域の製品表示に準拠);
【0421】
3/4年目治療期間来院(116〜208週目)
【0422】
116、128、140、156、168、180、192、及び208週目での3/4年目治療期間来院の間、以下の活動/手順を実施する:
・心拍数及び血圧(座位で5分の安静後及び採血前に評価)を含むバイタルサイン;
・体重(156及び208週目);
・臨床検査手順:CBC(116、128、140、156、168、180、192、及び208週目;128、156、180、及び208での白血球分類);血清クレアチニン及びeGFRを含む血清化学(128、156、180、及び208週目);肝機能試験(128、156、180、及び208週目);鉄指標(116、128、140、156、168、180、192、及び208週目);
・安全性評価:AE評価;RBC輸血及びESA救援収集;治療的な静脈切開収集;MACEエンドポイント調査票;
・医薬品評価及び手順:併用薬の再検討;投与量調整のためのHemoCue(登録商標)によるHgb;処方確認-治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)処方確認は、薬局マニュアル指示書に準拠して実施する;必要に応じて化合物1調剤;ダルベポエチンアルファ調剤(地域の製品表示に準拠);フェリチン≧100ng/mL及びTSAT≧20%を維持するための鉄補給(地域の製品表示に準拠);
【0423】
治療終了来院
【0424】
治療終了評価は、試験が終了した時に実施する。あらゆる理由で早期に治験薬を中止した対象は、その後のプロトコルに規定された治験来院に全て出席すべきであり、試験期間の間活動スケジュールに従って継続的にモニターされるべきである。
【0425】
EOT来院で、以下の活動/手順を実施する:
・心拍数及び血圧(座位で5分の安静後及び採血前に評価)を含むバイタルサイン、並びに体重;
・臨床検査手順:CBC(白血球分類なし);血清クレアチニン及びeGFR;肝機能試験;鉄指標;バイオマーカー(ヘプシジン、VEGF);実施例2における試験のみで:ACTH(コシントロピン)刺激試験(該試験は、副腎機能サブスタディの一部であり、52週目治験来院に先立ち早期に治験薬を中止した対象にのみ、EOT来院で実施する);
・安全性評価:AE評価;RBC輸血及びESA救援収集;治療的な静脈切開収集;MACEエンドポイント調査票;
・併用薬の記録;
・処方確認:治験薬(化合物1又はダルベポエチンアルファ)処方確認を、薬局マニュアル指示書に準拠して実施する;
【0426】
経過観察来院
【0427】
経過観察来院は、EOT来院の4週間後に、直接に、又は電話により実施する。以下の活動/手順を実施する:
・AE評価;
・RBC輸血及びESA救援収集;
・治療的な静脈切開収集;
・MACEエンドポイント調査票。
【0428】
(6.3.4 データ分析)
(有効性分析)
【0429】
一次有効性エンドポイント並びに全主要な二次エンドポイント及び他の二次エンドポイントを、治療群ごとに、並びに必要に応じて治験来院及び/又は分析期間ごとに記述統計学を利用してまとめる。Hgbの平均値並びに選択された他の有効性パラメーターを、治療群ごとに、治験来院/期間にわたってプロットする。
【0430】
一次有効性エンドポイントの分析
【0431】
一次有効性エンドポイントを、ベースライン(平均治療前Hgb)から24 36週目(該値を含む)からの平均Hgbへの平均Hgb変化と定義する。
【0432】
一次有効性エンドポイントの一次分析
【0433】
一次分析は、無作為化層により層別化された分散分析(ANOVA)を利用する。このモデルの中で、層に特異的な治療間の差を、層のサイズと比例する重みを利用して合わせる。化合物1群とダルベポエチンアルファ群の間の差の両側95%信頼区間を、このモデルから得る。化合物1のダルベポエチンアルファに対する非劣性を、このモデルから得られた治療群の間の差(化合物1マイナスダルベポエチンアルファ)の95%信頼区間の下限を、-0.5g/dLの非劣性マージンと比べることにより確立する。
【0434】
一次分析を、最大の解析対象集団及び割り付けられた治療を利用して実施する。救済療法の開始後のあらゆる時点で、並びに治験薬治療の早期の中止後に回収されたデータを含む、分析の時点で最大の解析対象集団に含まれている対象の試験の間に収集された全データを一次分析に使用する。欠落したデータは、ベースライン補完(imputation)への回帰(実施例1)、又は評価期間に最も近いHgbデータ(実施例2)を利用することにより取り扱う。
【0435】
規制当局の承認にMACEの正式な分析を要さない地域において、有効性及び安全性分析を、その地域における登録を支持するのに充分な数の対象において、52週間の無作為化後の継続管理の完了時実施できる。詳細を、地域に特異的なSAPに与える。
【0436】
主要二次有効性エンドポイントの分析
【0437】
二次有効性エンドポイント分析を、無作為化された及び最大の解析対象集団並びに割り付けられた治療を利用して実施する。主要二次有効性エンドポイントの分析を、受け取られる実際の治療と共にPP集団を利用して繰り返す。全体的な第一種過誤率を制御するために、階層的検定手順を一次及び二次有効性エンドポイントに適用し、詳細をSAPに与える。
【0438】
ベースライン(平均治療前Hgb)と二次評価期間(40〜52週目)の間のHgb値の平均変化の分析:このエンドポイントを、二次評価期間(40 52週目)の間の測定値のない場合の補完の同じ方法を含む、一次有効性エンドポイントに関して明示したのと同じ方法論を利用して分析する。一次有効性エンドポイントのものに類似の感度分析を実施し、詳細をSAPに与える。
【0439】
一次評価期間(24〜36週目)の間の目標範囲内の平均Hgbを有する対象の比率の分析:各対象を、このエンドポイントの分析のために二値変数(「あり」/「なし」)を利用して分類する。「あり」の分類を、一次評価期間(24〜36週目)の間の目標範囲内の平均Hgbを有するあらゆる対象に割り当てる。一次評価期間の間に利用可能な値を全く持たない者を含む他の全対象を「なし」カテゴリーに割り当てる。治療間の差異を、コクラン・マンテル・ヘンツェル(CMH)重みづけを利用する信頼区間によりまとめる。
【0440】
ベースラインから52週目に投与されたIV鉄元素の平均毎週投与量の分析:各対象では、1日目から52週目までのあらゆる時点で投与されたIV鉄元素の平均毎週投与量(mg)を、観察データに基づき計算する。それは、1日目から52週目に投与されたIV鉄元素の全累積投与量(mg)を、52週目来院まで対象が試験に留まった週の数により割って計算する。治療間の差異を、一次エンドポイントに使用したものに類似の信頼区間によりまとめる。
【0441】
ベースラインから52週目のRBC輸血(複数可)を受け取る対象の比率の分析:各対象を、このエンドポイントの分析のために二値変数(「あり」/「なし」)を使用して分類する。「あり」の分類を、1日目から52週目までのあらゆる時点でRBC輸血(複数可)を受け取った対象に割り当てる。他の全対象を「なし」カテゴリーに分類する。治療間の差異を、CMH重みづけを利用する信頼区間によりまとめる。最初のRBC輸血までの時間もまとめる。
【0442】
追加の二次有効性エンドポイントの分析:全二次有効性エンドポイントの記述的概要(Descriptive summaries)を、補完なしで観察されたデータを利用して表す。分析は、治療差異の両側95%信頼区間の提示と共に、治療群ごとの記述統計学の提示からなる。二次エンドポイントの記述的概要を層別化なしで行う。
【0443】
(安全性分析)
【0444】
MACEの分析
【0445】
一次安全性エンドポイントである、最初の判定されたMACEまでの時間を、[最初のMACEの日-治験薬の第1の投与の日]として分析する。MACEを、総死亡率、非致死性心筋梗塞、又は非致死性脳卒中と定義する。試験終了までにMACEを経験しなかった対象は、その最後の試験評価の日に打ち切る。ハザード比(化合物1/ダルベポエチンアルファ)及びその95%信頼区間を、層別Cox比例ハザードモデルから得る。この試験はMACEの独立の評価を与えるように設計されていなかったので、この分析は記述的分析であると考えられる。MACEエンドポイントの一次分析に関して記載された類似の分析を、試験治療の中止4週間後に、対象がその時間の前にMACEを有しなかった場合対象を打ち切って実施する。
【0446】
一次MACE分析は、別に計画された2つのNDD- CKD試験(実施例1及び実施例2)にわたって生じる全事象に基づいている。
【0447】
有害事象の分析
【0448】
有害事象を、安全性集団中の全対象に関するAEを有する対象の数及びパーセンテージを利用してまとめる。MedDRAを利用して全AEをコード化する。治療下で発現したAE及び治療後AEを、各治療群に関して、器官別大分類及び基本語ごとにまとめる。有害事象を、その最大重症度ごとにもまとめる。概要を、以下の種類のAEに関しても提供する:
・SAE
・関連AE(治験責任医師により決定される通り、「無関係」以外の治験薬との関係に関する全カテゴリーを含む)
・治験薬の早期中止をもたらすAE。
【0449】
残りの安全性エンドポイント
【0450】
以下の安全性エンドポイントを、事象までの時間法(time to event methods)を利用して分析する:
・MACEの個別成分(死亡、心筋梗塞、脳卒中)
・血栓塞栓性事象(動脈血栓症、DVT、PE、又はバスキュラーアクセス血栓症と定義)。
【0451】
これらのエンドポイントでは、エンドポイントの発生(「あり」/「なし」)を、各治療アームに関して表す。カプラン・マイヤー曲線を、各エンドポイントに関して、エンドポイントのない生存(endpoint free survival)(すなわち、エンドポイント又は死亡までの時間)の時間として表す。ポストベースライン(post baseline)でHgb>12.0g/dL、>13.0g/dL、又は>14.0g/dLである対象の比率の分析は、下記の場合、対象を「あり」に分類する:
・1日目より後のあらゆる時間であらゆる値Hgb>12.0g/dL
・1日目より後のあらゆる時間であらゆる確認された値Hgb>12.0g/dL
・1日目より後のあらゆる時間であらゆる値Hgb>13.0g/dL
・1日目より後のあらゆる時間であらゆる確認された値Hgb>13.0g/dL
・1日目より後のあらゆる時間であらゆる値Hgb>14.0g/dL
・1日目より後のあらゆる時間であらゆる確認された値Hgb>14.0g/dL。
【0452】
設定された閾値より高いHgb値を、その閾値より高い連続した2つの値がある場合に、確認されたとみなす。連続した2回の評価のうちの2回目は、第1の評価の長くても12週間後に実施すべきである。ポストベースラインで利用可能なデータがない対象は、この分析から除外する。他の全対象を、「なし」カテゴリーに分類する。
【0453】
ポストベースラインで、任意の2週の間隔内のあらゆるHgb増加>1.0g/dL又は任意の4週の間隔内のHgb増加>2.0g/dLを有する対象の比率の分析は、1日目より後のあらゆる時点で以下の基準の少なくとも1つを満たす場合、対象を「あり」に分類する:
・任意の2週の間隔内のHgb増加>1.0g/dL
・任意の4週の間隔内のHgb増加>2.0g/dL。
【0454】
ポストベースラインで利用可能なデータがない対象をこの分析から除外する。他の全対象を「なし」カテゴリーに分類する。
【0455】
連続パラメーター及びカテゴリカルパラメーター(categorical parameters)の観察値並びに連続的なパラメーターのベースラインから各治験来院までの変化を、バイタルサイン及び臨床検査結果に関して記述的にまとめる。選択された臨床検査パラメーターのグラフ表示も与える。
【0456】
(追加の評価)
【0457】
併用薬:
【0458】
前治療薬及び併用薬を、世界保健機関(WHO)ドラッグディクショナリを使用してコード化する。前治療薬を、治験薬の第1の投与の日より前に服用されたあらゆる医薬品と定義する。併用薬を、治験薬の第1の投与の日から治験薬の最後の投与の日までのあらゆる時間で服用されたあらゆる医薬品と定義する。輸血、ESA救援療法、及び治療的な静脈切開収集の総数を、期間並びにポストベースラインごとに全体的にまとめる。
【0459】
バイオマーカー:バイオマーカー(ヘプシジン及びVEGF)を、ベースラインで、及びポストベースライン来院により記述的にまとめる。
【0460】
薬物動態:記述的及び図示的概要を、PK測定値に関して生成する。
【0461】
CKD-EPIクレアチニン式
【0462】
推算糸球体濾過量(eGFR)を、慢性腎疾患疫学共同研究(CKD EPI)クレアチニン式(Leveyら、2009)を使用して、血清クレアチニン(mg/dLで較正された同位体希釈質量分析法[IDMS])から計算する。
【0463】
CKD-EPIクレアチニン式は:
eGFR=141×min(SCr/k,1)α×max(SCr/k,1)-1.209×0.993年齢×[女性の場合1.018]×[黒人の場合1.159]、式中:
SCrは血清クレアチニン(mg/dLで表す)である
女性の場合k=0.7
男性の場合k=0.9
女性の場合α=-0.329
男性の場合α=-0.411
min=SCr/kか1の最低
max=SCr/kか1の最高。
【0464】
副腎機能モニタリングのためのACTH(コシントロピン)刺激試験
【0465】
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)刺激試験は、副腎の機能及びACTHに反応するその能力を評価する。副腎皮質刺激ホルモンは、副腎を刺激してコルチゾールを放出させる、脳下垂体で産生されるホルモンである。コシントロピンは、合成形態のACTHである。ACTH刺激試験は、最も信頼できる副腎不全のアッセイと認識されている。
【0466】
連続的なACTH(コシントロピン)刺激試験を、無作為化され、試験への参加に同意した最初の200名の対象において、欧州連合(EU)施設で実施する(治療アームあたりおよそ100名の対象)。試験を、ベースラインで(投与前)、12週目、及び52週目治験来院で、又は、対象が52週目治験来院前に早期に治療薬を中止する場合、治療終了(EOT)来院で実施する。治験薬の第1の投与の30日以内に卵胞ホルモンを服用した女性対象は、副腎機能モニタリングサブスタディから除外すべきである。
【0467】
試験詳細:
・試験前の血清コルチゾール測定の血液試料を得る(コシントロピンを投与する前に収集)
・0.25mgのコシントロピンを、静脈内(IV)後押しにより投与する
・コシントロピンの投薬30分及び60分後に血清コルチゾール測定の血液試料を得る。
【0468】
(6.4 実施例3:選択された製剤の薬物動態)
本明細書に記載される化合物1の2つの錠剤製剤の薬物動態プロファイルを評価する試験を実施した。製剤1は、以下の粒内成分:150mg化合物1、158.4mg微結晶性セルロース、9.53mgイソマルト、10.70mgデンプングリコール酸ナトリウム、3.57mgラウリル硫酸ナトリウム、及び8.92mgポビドンを含む錠剤であった。製剤1は、以下の粒外成分:14.28mgデンプングリコール酸ナトリウム;0.89mgコロイド状二酸化ケイ素、及び0.71mgステアリン酸マグネシウムをさらに含んでいた。製剤2は、以下の粒内成分:150mg化合物1、57.46mg微結晶性セルロース、6.90mgデンプングリコール酸ナトリウム、及び6.44mgヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む錠剤であった。製剤2は、以下の粒外成分:6.9mgデンプングリコール酸ナトリウム、0.575mgコロイド状二酸化ケイ素、及び1.725mgステアリン酸マグネシウム、及び約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)のフィルムコーティング成分をさらに含んでいた。製剤2を上記の実施例に使用し、製剤1を以前の臨床試験に使用した。
【0469】
この試験の主要な目的は、絶食状態で与えられた標準製剤1に対する製剤2の単回投与バイオアベイラビリティを評価すること及び製剤2の単回投与バイオアベイラビリティに対する対象の食事(摂食対絶食)の影響を評価することであった。試験の二次的な目的は、摂食(製剤2)及び絶食(製剤1及び2)状態で投与された製剤1及び2の薬物動態パラメーターを特性化すること;並びに化合物1の単回投与の安全性及び忍容性をモニターすることである。
【0470】
試験は、3期・6群の交差法を利用する、健康なボランティアにおける非盲検、単回投与、無作為化された、相対的バイオアベイラビリティ試験であった。連続する用量投与の間に少なくとも3日の休薬期間があった。対象を、以下の治療に無作為に割り付けた:
・治療A:絶食状態で与えられた製剤1。
・治療B:絶食状態で与えられた製剤2。
・治療C:摂食状態で与えられた製剤2。
【0471】
摂食群の対象に、用量投与の前に以下の高脂肪食を与えた:バターで焼いた卵2つ、豚ベーコン2切れ、バターを塗ったトースト2枚、4オンス(113g)のハッシュブラウンポテト、及び8オンス(227g)の全乳。用量投与は、高脂肪食を完了した5分以内に起こった。
【0472】
連続血液試料(各6mL)を、0時間(投与前)で、並びに各用量投与の0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、8、12、16及び24時間後に採取した。血液試料を遠心分離して血漿を分離し、血漿をクエン酸の溶液により安定化し、生物分析試験所に送るまで-70℃以下で冷凍保存した。試料を、WIL Research Laboratories(アシュランド、オハイオ)で、検証済みのHPLC/MS-MS法を利用して、化合物1に関して分析した。
【0473】
化合物1の以下の薬物動態パラメーターを、ノンコンパートメント分析の標準法を利用して、血漿濃度から評価した:
・Cmax-最高血漿中濃度
・Tmax-最大血漿濃度までの時間
・AUC(0-t)-線形台形ルールを使用して計算された時間零から最終定量可能濃度までの濃度時間曲線下面積
・AUC(0-inf)-無限大まで外挿した濃度時間曲線下面積
・T1/2-終末相指数的(exponential)半減期
統計分析は、Cmax、AUC(0-t)及びAUC(0-inf)の試験製品及び標準製品の幾何平均の比率を含んでいた。分析前にパラメーターを対数変換した。
【0474】
全部で18名の対象が試験を完了した(12名の男性及び6名の女性)。投与は忍容性が良好であり、著しい有害事象が全く報告されなかった。図1A及び図1Bは、絶食状態で製剤1及び2として送達された化合物1の血漿濃度を示す。両製剤は、類似のプロファイルを示した。同様に、主要な薬物動態パラメーターは、表1に示される通り、群の間で統計的に有意な差を全く示さなかった(比率及び信頼区間をパーセンテージとして示す)。
表1:
【表3】
【0475】
図2A及び図2Bは、絶食及び摂食状態で製剤2として送達された化合物1の血漿濃度を示す。2つの状態での濃度曲線は、高度の類似性を示した。しかし、主要な薬物動態パラメーターは、表2に示される通り、群の間に統計的に有意な差を示した(比率及び信頼区間をパーセンテージとして表す)。絶食状態と比べて高脂肪の朝食の直後に投与された場合の製剤2で、AUCはおよそ20%低く、Cmaxは28%低かった。これは、製剤2として投与される化合物1の薬物動態が、対象の食事により著しく影響されることを示す。
表2:
【表4】
【0476】
投薬条件は全て忍容性が良好であり、著しい有害事象は全く報告されなかった。全体的に、製剤2は、製剤1との全般的な生物学的同等性を示した。AUC及びCmaxは、絶食状態で投与された試験錠剤製剤と比べると、単一の経口150mg投与量の製剤2錠剤が食品と共に投与された場合、著しく減少した。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む経口投与製剤であって、該粒内成分が、化合物1、不溶性希釈剤又は担体、崩壊剤、及び希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、崩壊剤、流動促進剤、及び/又は滑沢剤を含み;且つ、該フィルムコーティング成分が錠剤コーティングを含む、前記経口投与製剤。
(構成2)
前記粒内成分が
約50%〜約80重量%の化合物1、
約10%〜約40重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約1.5%〜約4.5重量%の崩壊剤、及び
約1%〜約5重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約1.5%〜約4.5重量%の崩壊剤、
約0.1%〜約0.4重量%の流動促進剤、及び
約0.15%〜約1.35重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成1記載の製剤。
(構成3)
前記粒内成分が
約55%〜約75重量%の化合物1、
約15%〜約35重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約2.0%〜約4.0重量%の崩壊剤、及び
約1.8%〜約3.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約2.0%〜約4.0重量%の崩壊剤、
約0.15%〜約0.35重量%の流動促進剤、及び
約0.35%〜約1.15重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成1記載の製剤。
(構成4)
前記粒内成分が
約60%〜約70重量%の化合物1、
約20%〜約30重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約2.5%〜約3.5重量%の崩壊剤、及び
約2.3%〜約3.3重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約2.5%〜約3.5重量%の崩壊剤、
約0.2%〜約0.3重量%の流動促進剤、及び
約0.55%〜約0.95重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成1記載の製剤。
(構成5)
前記粒内成分が
約60重量%の化合物1、
約30重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成1記載の製剤。
(構成6)
前記粒内成分が
約65重量%の化合物1、
約25重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成1記載の製剤。
(構成7)
前記粒内成分が
約70重量%の化合物1、
約20重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成1記載の製剤。
(構成8)
前記粒内成分が
約75重量%の化合物1、
約15重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成1記載の製剤。
(構成9)
前記粒内成分が
約80重量%の化合物1、
約10重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成1記載の製剤。
(構成10)
粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む経口投与製剤であって、該粒内成分が、化合物1、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、該粒外成分が、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含み、且つ該フィルムコーティング成分がOpadry(登録商標)を含む、前記経口投与製剤。
(構成11)
前記粒内成分が
約50%〜約80重量%の化合物1、
約10%〜約40重量%の微結晶性セルロース、
約1.5%〜約4.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約1%〜約5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約1.5%〜約4.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.1%〜約0.4重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.15%〜約1.35重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成10記載の製剤。
(構成12)
前記粒内成分が
約55%〜約75重量%の化合物1、
約15%〜約35重量%の微結晶性セルロース、
約2.0%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約1.8%〜約3.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約2.0%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.15%〜約0.35重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.35%〜約1.15重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成10記載の製剤。
(構成13)
前記粒内成分が
約60%〜約70重量%の化合物1、
約20%〜約30重量%の微結晶性セルロース、
約2.5%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.3%〜約3.3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約2.5%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.2%〜約0.3重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.55%〜約0.95重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成10記載の製剤。
(構成14)
前記粒内成分が
約60重量%の化合物1、
約30重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成10記載の製剤。
(構成15)
前記粒内成分が
約65重量%の化合物1、
約25重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成10記載の製剤。
(構成16)
前記粒内成分が
約70重量%の化合物1、
約20重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成10記載の製剤。
(構成17)
前記粒内成分が
約75重量%の化合物1、
約15重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成10記載の製剤。
(構成18)
前記粒内成分が
約80重量%の化合物1、
約10重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成10記載の製剤。
(構成19)
貧血を治療する方法であって、患者に、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む製剤を投与することを含み、該粒内成分が、化合物1、不溶性希釈剤又は担体、崩壊剤、及び希釈剤又は充填剤を含み;該粒外成分が、崩壊剤、流動促進剤、及び/又は滑沢剤を含み、且つ、該フィルムコーティング成分が錠剤コーティングを含む、前記方法。
(構成20)
前記粒内成分が
約50%〜約80重量%の化合物1、
約10%〜約40重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約1.5%〜約4.5重量%の崩壊剤、及び
約1%〜約5重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約1.5%〜約4.5重量%の崩壊剤、
約0.1%〜約0.4重量%の流動促進剤、及び
約0.15%〜約1.35重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成19記載の方法。
(構成21)
前記粒内成分が
約55%〜約75重量%の化合物1、
約15%〜約35重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約2.0%〜約4.0重量%の崩壊剤、及び
約1.8%〜約3.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約2.0%〜約4.0重量%の崩壊剤、
約0.15%〜約0.35重量%の流動促進剤、及び
約0.35%〜約1.15重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成19記載の方法。
(構成22)
前記粒内成分が
約60%〜約70重量%の化合物1、
約20%〜約30重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約2.5%〜約3.5重量%の崩壊剤、及び
約2.3%〜約3.3重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約2.5%〜約3.5重量%の崩壊剤、
約0.2%〜約0.3重量%の流動促進剤、及び
約0.55%〜約0.95重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成19記載の方法。
(構成23)
前記粒内成分が
約60重量%の化合物1、
約30重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成19記載の方法。
(構成24)
前記粒内成分が
約65重量%の化合物1、
約25重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成19記載の方法。
(構成25)
前記粒内成分が
約70重量%の化合物1、
約20重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成19記載の方法。
(構成26)
前記粒内成分が
約75重量%の化合物1、
約15重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成19記載の方法。
(構成27)
前記粒内成分が
約80重量%の化合物1、
約10重量%の不溶性希釈剤又は担体、
約3重量%の崩壊剤、及び
約2.8重量%の希釈剤又は充填剤を含み;
前記粒外成分が
約3重量%の崩壊剤、
約0.25重量%の流動促進剤、及び
約0.75重量%の滑沢剤を含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%の錠剤コーティングを含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成19記載の方法。
(構成28)
貧血を治療する方法であって、患者に、粒内成分、粒外成分、及びフィルムコーティング成分を含む製剤を投与することを含み、該粒内成分が、化合物1、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、該粒外成分が、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含み、且つ該フィルムコーティング成分がOpadry(登録商標)を含む、前記方法。
(構成29)
前記粒内成分が
約50%〜約80重量%の化合物1、
約10%〜約40重量%の微結晶性セルロース、
約1.5%〜約4.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約1%〜約5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約1.5%〜約4.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.1%〜約0.4重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.15%〜約1.35重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成28記載の方法。
(構成30)
前記粒内成分が
約55%〜約75重量%の化合物1、
約15%〜約35重量%の微結晶性セルロース、
約2.0%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約1.8%〜約3.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約2.0%〜約4.0重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.15%〜約0.35重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.35%〜約1.15重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成28記載の方法。
(構成31)
前記粒内成分が
約60%〜約70重量%の化合物1、
約20%〜約30重量%の微結晶性セルロース、
約2.5%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.3%〜約3.3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約2.5%〜約3.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.2%〜約0.3重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.55%〜約0.95重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約1.0%〜約8重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成28記載の方法。
(構成32)
前記粒内成分が
約60重量%の化合物1、
約30重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成28記載の方法。
(構成33)
前記粒内成分が
約65重量%の化合物1、
約25重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成28記載の方法。
(構成34)
前記粒内成分が
約70重量%の化合物1、
約20重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成28記載の方法。
(構成35)
前記粒内成分が
約75重量%の化合物1、
約15重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成28記載の方法。
(構成36)
前記粒内成分が
約80重量%の化合物1、
約10重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び
約2.8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;
前記粒外成分が
約3重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、
約0.25重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含み;
前記フィルムコーティング成分が約2.0%〜約6.0重量%のOpadry(登録商標)を含み;且つ
該重量が全粒内成分と粒外成分の総重量である、構成28記載の方法。
(構成37)
非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療する方法であって、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に、有効量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与することを含み、1日量が、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの該化合物を含む、前記方法。
(構成38)
非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療する方法であって、充分な数の連続する投与量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に投与することを含み、該患者が、(i)60mL/分/1.73m2未満の推算糸球体濾過量(eGFR)(ここで、該対象は、透析を受けておらず、治療の開始の3か月以内に透析を開始すると予期されていない)、(ii)治療開始前の10.0g/dL未満のヘモグロビンレベル、(iii)治療開始の4週間以内の100ng/mL以上のフェリチンレベル、(iv)治療開始の4週間以内の20%以上のトランスフェリン飽和度(TSAT)レベル、(v)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上の葉酸塩測定値、(vi)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上のビタミンB12測定値、及び(vii)少なくとも18歳の年齢のうち、少なくとも2、3、4、5つ、又は全てを有する、前記方法。
(構成39)
非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を治療する方法であって、充分な数の連続する投与量のHIFプロリル水酸化酵素阻害剤又はHIF-α安定剤を、非透析依存性慢性腎疾患に続発する貧血を有する患者に投与することを含み、該患者が、(i)65mL/分/1.73m2未満の推算糸球体濾過量(eGFR)(ここで、該対象は、透析を受けておらず、治療の開始の3か月以内に透析を開始すると予期されていない)、(ii)治療開始前の10.0g/dL未満のヘモグロビンレベル、(iii)治療開始の4週間以内の50ng/mL以上のフェリチンレベル、(iv)治療開始の4週間以内の15%以上のトランスフェリン飽和度(TSAT)レベル、(v)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上の葉酸塩測定値、(vi)治療開始の4週間以内の正常値の下限以上のビタミンB12測定値、及び(vii)少なくとも18歳の年齢のうち、少なくとも2、3、4、5つ、又は全てを有する、前記方法。
(構成40)
非透析依存性慢性腎疾患を有する患者における貧血を治療する方法であって:
該患者に初期1日量の化合物1を投与すること;
化合物1の初期1日量での4週間の毎日投与の後に、Hgbが、ベースライン値より0.5g/dLより多く増加しなかった場合、該1日量を150mg/日の化合物1だけ増加させ、Hgbが10.0g/dLを超えるまで4週ごとに、該1日量を150mg/日だけ増加させること;
Hgbが治療の間迅速に上昇する場合、該1日量を150mg/日だけ減少させること;
Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、該1日量を150mg/日だけ増加させること;
Hgbレベルが11.0g/dLを超える場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで治療を中断し、その後、150mg/日だけ減らした1日量で毎日の投薬を再開すること;及び
Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要である場合、該1日量を150mg/日だけ調整すること
を含む、前記方法。
(構成41)
非透析依存性慢性腎疾患を有する患者における貧血を治療する方法であって:
該患者に初期1日量の化合物1を投与すること;
化合物1の初期1日量での4週間の毎日投与の後に、Hgbがベースライン値より0.5g/dLより多く増加しなかった場合、該1日量を150mg/日の化合物1だけ増加させ、Hgbが10.0g/dLを超えるまで4週ごとに、該1日量を150mg/日だけ増加させること;
Hgbが治療の間迅速に上昇する場合、該1日量を150mg/日だけ減少させること;
Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、該1日量を150mg/日だけ増加させること;
Hgbレベルが12.0g/dLを超える場合、該1日量を150mg/日だけ減少させ、Hgbレベルが13.0g/dLを超える場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで治療を中断し、その後、150mg/日だけ減らした1日量で毎日の投薬を再開すること;及び
Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要である場合、該1日量を150mg/日だけ調整すること
を含む、前記方法。
(構成42)
非透析依存性慢性腎疾患を有する患者における貧血を治療する方法であって:
該患者に初期1日量の化合物1を投与すること;
Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要である場合、該1日量を150mg/日だけ調整すること;
Hgbが治療の間迅速に上昇する場合、該1日量を150mg/日だけ減少させること;
Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、該1日量を150mg/日だけ増加させること;及び
Hgbレベルが11.0g/dLを超える場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで治療を中断し、その後、150mg/日だけ減らした1日量で投薬を再開すること
を含む、前記方法。
(構成43)
非透析依存性慢性腎疾患を有する患者における貧血を治療する方法であって:
該患者に初期1日量の化合物1を投与すること;
Hgbを所望のレベルに維持するために投与量調整が必要である場合、該1日量を150mg/日だけ調整すること;
Hgbが治療の間迅速に上昇する場合、該1日量を150mg/日だけ減少させること;
Hgbが10.0g/dL未満に低下する場合、該1日量を150mg/日だけ増加させること;及び
Hgbレベルが12.0g/dLを超える場合、該1日量を150mg/日だけ減少させ、Hgbレベルが13.0g/dLを超える場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで治療を中断し、その後、150mg/日だけ減らした1日量で投薬を再開すること
を含む、前記方法。
(構成44)
前記ベースライン値が化合物1の第1の投与の直前に決定される、構成40又は41記載の方法。
(構成45)
Hgbが、任意の2週間の期間に1.0g/dLより多く上昇する場合、Hgbが迅速に上昇する、構成40〜43のいずれか一項記載の方法。
(構成46)
前記最大1日量が600mg/日である、構成40〜43のいずれか一項記載の方法。
(構成47)
前記1日量が、前記治療過程の間、4週ごとに1回よりも頻繁に増加されない、構成40〜43のいずれか一項記載の方法。
(構成48)
前記1日量が、前記治療過程の間4週ごとに1回より頻繁に減少される、構成40〜43のいずれか一項記載の方法。
(構成49)
前記初期1日量が300mg/日である、構成40〜43のいずれか一項記載の方法。
(構成50)
前記初期1日量が、それぞれ150mgの化合物1の2錠の形態で投与される、構成49記載の方法。
(構成51)
前記初期1日量が450mg/日である、構成40〜43のいずれか一項記載の方法。
(構成52)
前記初期1日量が、それぞれ150mgの化合物1の3錠の形態で投与される、構成51記載の方法。
(構成53)
前記初期1日量が朝に投与される、構成50又は構成52記載の方法。
(構成54)
前記初期1日量が、午前7時〜午後2時に投与される、構成50又は構成52記載の方法。
(構成55)
化合物1が製剤1の形態で投与される、構成40〜54のいずれか一項記載の方法。
(構成56)
化合物1が製剤2の形態で投与される、構成40〜54のいずれか一項記載の方法。

図1A
図1B
図2A
図2B