【実施例】
【0196】
実験手順
下記で、様々な本発明の化合物の合成を例示する。これらの実施例において例示する方法を単独で、または当技術分野で一般に知られている技法と組み合わせて使用して、本発明の範囲内の追加の化合物を調製することができる。
【0197】
特に酸素または水分に敏感な試薬または中間体を使用した場合では、実験を、一般に、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)中で実施した。市販の溶媒および試薬を、一般にさらに精製することなく使用した。適切な場合には、無水溶媒を使用した(一般に、Acros OrganicsのAcroSeal(登録商標)製品またはEMD ChemicalsのDriSolv(登録商標)製品)。他の場合には、水について次のQC標準:a)ジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびテトラヒドロフランでは<100ppm;b)メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、およびジイソプロピルアミンでは<180ppmが達成されるまで、市販の溶媒を、4Å分子ふるいを充填されたカラムに通した。非常に感受性のある反応では、溶媒を、金属のナトリウム、水素化カルシウム、または分子ふるいでさらに処理し、使用直前に蒸留した。生成物を、一般に、さらなる反応に進めるか、または生物学的試験に送る前に真空乾燥させた。質量分析データは、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)、またはガスクロマトグラフィー−質量分析(GCMS)計装のいずれかから報告する。核磁気共鳴(NMR)データの化学シフトは、使用した重水素化溶媒からの残留ピークを基準とした百万分率(ppm、δ)で表す。一部の実施例では、キラル分離を実施して、ある種の本発明の化合物の鏡像異性体を分離した(一部の実施例では、それらの溶離順序により、分離した鏡像異性体をENT−1およびENT−2と称する)。一部の実施例では、鏡像異性体の旋光性は、旋光計を使用して測定した。その観察された回転データ(またはその特異的回転データ)により、時計回りの回転を伴う鏡像異性体を(+)−鏡像異性体と指定し、および半時計回りの回転を伴う鏡像異性体を(−)−鏡像異性体と指定した。場合によっては、ラセミ化合物は、構造に隣接する(+/−)の存在により示され、これらの場合には、示されている立体化学は、化合物の置換基の(絶対的ではなく)相対的配置を表す。
【0198】
検出可能な中間体を介して進行する反応を、一般に、LCMSによって追跡し、その後の試薬を添加する前に、完全な変換まで進行させた。他の実施例または方法における手順を参照する合成では、反応条件(反応時間および温度)が変わることがある。一般に、反応を、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析によって追跡し、適切な場合は、後処理にかけた。精製は、実験によって様々でよく、一般に、溶離液/勾配に使用した溶媒および溶媒比率は、適切なR
fまたは保持時間が得られるように選択した。
【0199】
以下は、実験セクションの記載で使用することがある略語である:
br=ブロード;CDCl
3=重水素化クロロホルム;CD
3OD=ジューテロメタノール;d=二重項、dd=二重二重項;EDCまたはEDCI=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド;g=グラム;GCMS=ガスクロマトグラフィー−質量分析法;h=時;HATU=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート;HCl=塩酸;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;Hz=ヘルツ;L=リットル;LCMS=液体クロマトグラフィー−質量分析法;m=多重項;M=モル;mg=ミリグラム;MHz=メガヘルツ;min=分;μL=マイクロリットル;mL=ミリリットル、μmol=マイクロモル;mmol=ミリモル;mol=モル;n−BuLi=n−ブチルリチウム;NEt
3=トリエチルアミン;NH
4Cl=塩化アンモニウム;NaHCO
3=炭酸水素ナトリウム;NaOAc=酢酸ナトリウム;NaOCl=次亜塩素酸ナトリウム;NaOH=水酸化ナトリウム;NaOMe=ナトリウムメトキシド;t−BuONa=ナトリウムtert−ブトキシド;NH
2OH・HCl=塩酸ヒドロキシルアミン;NMR=核磁気共鳴;NOE=核オーバーハウザー効果;Pd
2(dba)
3=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0);Pd(dppf)Cl
2=[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II);PPh
3=トリフェニルホスフィン;psi=ポンド/平方インチ;q=四重項;rt=室温;s=一重項;t=三重項;t−ブチルXPhos=ジ−tert−ブチル[2’,4’,6’−トリ(プロパン−2−イル)ビフェニル−2−イル]ホスファン;TFAまたはCF
3CO
2H=トリフルオロ酢酸;キサントホス=4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン。
【0200】
調製例P1
2,2’−(6−メトキシピリジン−2,3−ジイル)ジエタノール(P1)
【0201】
【化17】
ステップ1. 2−[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)エトキシ]テトラヒドロ−2H−ピラン(C1)の合成。
N,N−ジメチルホルムアミド(2.0L)中の2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(84.0g、402mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(153g、602mmol)、リチウムメトキシド(30.5g、803mmol)、ヨウ化銅(I)(7.65g、40.2mmol)、およびポリマー結合トリフェニルホスフィン(10.5gに同等、40.0mmol)の混合物を20時間にわたって、室温で撹拌した。次いでこれを、ジクロロメタン(2L)で希釈し、珪藻土のパッドを通して濾過し;フィルターパッドをジクロロメタンですすぎ(2×500mL)、合わせた濾液を真空中で濃縮した。残渣を飽和塩化アンモニウム水溶液(1.0L)に注ぎ入れ、得られた混合物をジエチルエーテル(4×500mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×500mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄した後に、それを硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を無色の油状物として得た。収率:85g、330mmol、82%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.60 (dd, J=4.1, 2.8 Hz, 1H), 3.92-3.84 (m, 2H), 3.56-3.44 (m, 2H),
1.87-1.76 (m, 1H), 1.73-1.64 (m, 1H), 1.62-1.44 (m, 4H), 1.23 (s, 12H), 1.17
(t, J=7.9 Hz, 2H).
【0202】
ステップ2. カリウムトリフルオロ[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]ボラート(C2)の合成。
飽和フッ化水素カリウム水溶液(56g、720mmol)をテトラヒドロフラン(900mL)中のC1(60g、230mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間にわたって撹拌し、その後、真空中で濃縮し;得られた粘稠性ゴム状物をアセトン(4×200mL)で洗浄し、アセトン洗浄液を濾過した。合わせた濾液を約150mLの体積に減圧下で濃縮した。少量の沈殿物が形成するまで、ジエチルエーテルを添加し、混合物を0℃で30分間撹拌し、その後、濾過した。濾過ケーキを僅かな体積のジエチルエーテルで洗浄して、生成物を白色の固体として得た。収量:40g、170mmol、74%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), 特徴的ピーク: δ 4.46-4.41 (m, 1H), 3.76-3.68 (m, 1H),
3.57 (ddd, J=13, 10, 5 Hz, 1H), 3.22 (ddd, J=13, 10, 5 Hz, 1H), 1.76-1.65 (m,
1H), 1.59-1.50 (m, 1H), 1.49-1.31 (m, 4H), 0.44-0.19 (m, 2H).
【0203】
ステップ3. 6−メトキシ−2,3−ビス[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]ピリジン(C3)の合成。
1,4−ジオキサン(450mL)および水(150mL)を2,3−ジブロモ−6−メトキシピリジン(12g、45mmol)、C2(31.8g、135mmol)、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン(cataCXium(登録商標)A;3.22g、8.98mmol)、酢酸パラジウム(II)(3.03g、13.5mmol)、および炭酸セシウム(87.9g、270mmol)の混合物に添加し、反応容器を排気し、窒素を装入した。この排気サイクルを2回繰り返し、次いで、反応混合物を還流状態で20時間にわたって撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)との間で分配した後に、水層を酢酸エチル(2×200mL)で抽出し;合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をトリエチルアミン(3mL)で処理し、ジクロロメタンに溶解し、シリカゲルで処理し;この混合物を濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜6%酢酸エチル)のために使用して、生成物を茶色の油状物として得た。収量:10g、27mmol、60%。LCMS m/z 388.0 [M+Na
+].
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.39 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.52 (d, J=8.3 Hz, 1H), 4.63
(dd, J=4.0, 2.8 Hz, 1H), 4.58 (dd, J=4.0, 2.8 Hz, 1H), 4.19-4.11 (m, 1H),
3.94-3.71 (m, 4H), 3.89 (s, 3H), 3.58-3.42 (m, 3H), 3.05 (t, J=7.2 Hz, 2H),
2.89 (t, J=7.2 Hz, 2H), 1.86-1.74 (m, 2H), 1.74-1.64 (m, 2H), 1.62-1.44 (m,
8H).
【0204】
ステップ4. 2,2’−(6−メトキシピリジン−2,3−ジイル)ジエタノール(P1)の合成。
メタノール(400mL)中のC3(29.7g、81.3mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(16.2g、85.2mmol)の混合物を15℃で終夜撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した後に、残渣をジクロロメタン(300mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)との間で分配し、水層をジクロロメタン(5×200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を茶色のゴム状物として得た。収量:15.6g、79.1mmol、97%。LCMS m/z 198.2 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.43 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.61 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.06
(t, J=5.3 Hz, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.81 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.98 (t, J=5.3 Hz,
2H), 2.81 (t, J=6.6 Hz, 2H).
【0205】
調製例P2
1−(3−アミノ−2−メトキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(P2)
【0206】
【化18】
ステップ1. (6−メトキシピリジン−2,3−ジイル)ジエタン−2,1−ジイルジメタンスルホナート(C4)の合成。
塩化メタンスルホニル(31.6g、276mmol)をジクロロメタン(400mL)中のP1(15.6g、79.1mmol)およびトリエチルアミン(40g、400mmol)の0℃溶液に添加した。反応混合物を室温で20分間撹拌し、その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)でクエンチした。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を茶色のゴム状物として得たが、これは、放置すると固化した。収量:28g、79mmol、100%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.42 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.62 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.75 (t, J=6.5 Hz,
2H), 4.35 (t, J=7.0 Hz, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.17 (t, J=6.4 Hz, 2H), 3.04 (t,
J=6.9 Hz, 2H), 2.96 (s, 3H), 2.95 (s, 3H).
【0207】
ステップ2. 7−ベンジル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C5)の合成。
1,2−ジクロロエタン(40mL)中のC4(12.5g、35.4mmol)およびベンジルアミン(40mL、370mmol)の溶液を40℃で終夜加熱した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(300mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜30%酢酸エチル)により、生成物を黄色のゴム状物として得た。収量:5.5g、20mmol、56%。LCMS m/z 269.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.4-7.2 (m, 6H), 6.47 (d, J=8 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H),
3.64 (s, 2H), 3.1-3.0 (m, 2H), 2.8-2.7 (m, 2H), 2.7-2.6 (m, 4H).
【0208】
ステップ3. 2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C6)の合成。
湿った炭素上のパラジウム(10%、3g)をメタノール(150mL)中のC5(6.0g、22mmol)の溶液に添加し、反応混合物を真空下で脱気し、続いて、水素でパージし;この排気サイクルを複数回繰り返した。次いで、反応混合物を水素(50psi)下で50℃で72時間にわたって撹拌し、その後、珪藻土のパッドを通して濾過した。フィルターパッドをメタノール(2×100mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮して、生成物を淡黄色のゴム状物として得た。収量:3.85g、21.6mmol、98%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.28 (d, J=8 Hz, 1H), 6.47 (d, J=8.0 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H),
3.08-3.03 (m, 2H), 3.02-2.96 (m, 2H), 2.96-2.91 (m, 2H), 2.83-2.77 (m, 2H).
【0209】
ステップ4. 2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メトキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル)エタノン(C7)の合成。
トリフルオロ酢酸無水物(5.44g、25.9mmol)をジクロロメタン(60mL)中のC6(3.85g、21.6mmol)およびトリエチルアミン(6.56g、64.8mmol)の0℃溶液に添加した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、その後、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を黄色のゴム状物として得た。収量:5.8g、21mmol、97%。この物質は、
1H NMRの分析から、トリフルオロアセトアミド部分での2つの回転異性体の約1:1混合物として存在すると推定された。これは、この官能基を持つ多くのその後の中間体に当てはまった。LCMS m/z 274.9 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ [7.35 (d, J=8.3 Hz)および7.33
(d, J=8.3 Hz), 計1H], [6.56 (d, J=8.2 Hz)および6.55 (d, J=8.2 Hz), 計1H], [3.92 (s)および3.91 (s), 計3H], 3.85-3.68 (m, 4H), 3.18-3.10
(m, 2H), 2.94-2.86 (m, 2H).
【0210】
ステップ5. 2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メトキシ−3−ニトロ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル)エタノン(C8)の合成。
硝酸(70%、19g、211mmol)を硫酸(40mL)中のC7(5.8g、21mmol)の溶液に添加し、反応混合物を45℃で16時間にわたって撹拌した。次いで、これを、氷水(500mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出し;合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜30%酢酸エチル)により、生成物を黄色のゴム状物として得た。収量:4.2g、13mmol、62%。LCMS m/z 319.8 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ [8.13 (s)および8.11 (s), 計1H], [4.11 (s)および4.09 (s), 計3H], 3.89-3.73 (m, 4H), 3.27-3.18 (m, 2H), 3.04-2.96 (m, 2H).
【0211】
ステップ6. 1−(3−アミノ−2−メトキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(P2)の合成。
湿った炭素上のパラジウム(10%、1.00g)をメタノール(200mL)中のC8(6.40g、20.0mmol)の溶液に添加し、反応混合物を真空下で脱気し、続いて、水素でパージし;この排気サイクルを複数回繰り返した。反応混合物を水素(30psi)下で30℃で3時間にわたって撹拌し、その後、珪藻土のパッドを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をアセトニトリル(100mL)に溶解した。減圧下で溶媒を除去して、生成物を淡茶色の固体として得た。収量:5.61g、19.4mmol、97%。LCMS m/z 289.8 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.22-7.08 (m, 1H), 4.01 (s, 3H), 3.85-3.65 (m, 4H),
3.19-3.05 (m, 2H), 2.92-2.80 (m, 2H).
【0212】
調製例P3およびP4
2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−アミン(P3)および2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−アミン、塩酸塩(P4)
【0213】
【化19】
ステップ1. 2−メトキシ−3−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C9)の合成。
メタノール(100mL)中のC8(12.0g、37.6mmol)および炭酸カリウム(7.79g、56.4mmol)の混合物を50℃で3時間にわたって撹拌し、その後、反応混合物を酢酸エチル(200mL)と水(200mL)との間で分配した。水層を真空中で濃縮してメタノールを除去し、続いて、酢酸エチル(2×240mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(60mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を茶色の固体として得た。収量:8.03g、36.0mmol、96%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.04 (s, 1H), 4.08 (s, 3H), 3.16-3.10 (m, 2H), 3.04-2.96 (m, 4H),
2.91-2.86 (m, 2H).
【0214】
ステップ2. 2−メトキシ−7−メチル−3−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C10)の合成。
この実験を2つのバッチで実施した。C9(4.0g、18mmol)に、ギ酸(8.25g、179mmol)およびホルムアルデヒド(水中37%溶液、11.6g、143mmol)を添加した。反応混合物を70℃で2.5時間にわたって撹拌した後に、これらを合わせ、水酸化ナトリウム水溶液の添加により10を超えるpHに塩基性にした。得られた懸濁液を酢酸エチル(3×90mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)により、生成物を黄色の固体として得た。収量:6.88g、29.0mmol、81%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.04 (s, 1H), 4.09 (s, 3H), 3.18-3.10 (m, 2H), 2.94-2.87 (m, 2H),
2.66-2.55 (m, 4H), 2.40 (s, 3H).
【0215】
ステップ3. 2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−アミン(P3)の合成。
メタノール(250mL)中のC10(6.80g、28.7mmol)および炭素上のパラジウム(10%、800mg)の懸濁液を水素(30psi)下で3時間にわたって、22℃で撹拌した。反応混合物を濾過した後に、濾液を真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルに入れ、減圧下で濃縮して、生成物を黄色のゴム状物として得た。収量:5.7g、27mmol、94%。LCMS m/z 208.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 6.67 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.7-3.5 (br s, 2H),
3.02-2.95 (m, 2H), 2.78-2.71 (m, 2H), 2.61-2.49 (m, 4H), 2.37 (s, 3H).
【0216】
ステップ4. 2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−アミン、塩酸塩(P4)の合成。
P3(定量NMRによると、このバッチは85.7%の純度を有した;6.19g、25.6mmol)およびメトキシベンゼン(40mL)の混合物を室温で10分間撹拌し、その後、冷水道水の浴内で冷却し、塩化水素(エタノール中1.25M溶液;25mL、31.2mmol)で滴下処理した。反応混合物を室温で終夜撹拌した後に、沈澱物を濾取し、濾過ケーキをメトキシベンゼン(2×5mL)で洗浄して、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:4.96g、20.3mmol、79%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.11 (br s, 1H), 6.72 (s, 1H), 4.85 (br s, 2H), 3.82 (s, 3H),
3.59-3.43 (m, 2H), 3.40-3.26 (m, 1H, 推定; 水のピークにより一部不明確), 3.23-3.09 (m, 1H), 3.06-2.89 (m, 2H), 2.89-2.68 (m, 2H), 2.76 (s,
3H).
【0217】
C9の代替合成
2−メトキシ−3−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C9)
【0218】
【化20】
ステップ1. tert−ブチル4−エチニル−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(C11)の合成。
ヘキサン中のn−ブチルリチウムの溶液(2.5M、50.5mL、126mmol)をテトラヒドロフラン(250mL)中のエチニル(トリメチル)シラン(12.4g、126mmol)の−75℃溶液に30分間かけて滴下添加した。反応混合物を−75℃で30分間撹拌した後に、テトラヒドロフラン(100mL)中のtert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシラート(21.0g、105mmol)の溶液を40分間かけて滴下添加し;撹拌をこの温度でさらに30分間継続し、その後、反応混合物を室温に加温し、3時間にわたって撹拌した。この溶液に、メタノール(120mL)を、続いて、炭酸カリウム(16.0g、116mmol)を添加し、反応混合物を室温で5時間にわたって撹拌した。次いで、溶媒を真空中で除去し、残渣をジエチルエーテル(200mL)中に懸濁し、水(50mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順に洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をヘプタンから再結晶化させて、生成物を白色の固体として得た。収量:22g、97mmol、92%。GCMS m/z 225.2 [M
+]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ
3.87-3.70 (m, 2H), 3.28 (ddd, J=13.4, 9.5, 3.1 Hz, 2H), 2.55 (s, 1H), 2.10 (s,
1H), 1.96-1.84 (m, 2H), 1.78-1.66 (m, 2H), 1.47 (s, 9H).
【0219】
ステップ2. tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル}ピペリジン−1−カルボキシラート(C12)の合成。
4−メチルベンゼンスルホニルアジド(3.24g、16.4mmol、トルエン中15%溶液として)および銅(I)チオフェン−2−カルボキシラート(94.5mg、0.496mmol)をトルエン(30mL)中のC11(3.7g、16mmol)の0℃溶液に添加した。1時間後に、氷浴を除去し、反応混合物を10時間にわたって撹拌した。次いで、これを氷浴内で30分間冷却し、濾過し;収集した固体を冷トルエン(5mL)で洗浄して、生成物を淡白色の粉末として得た。収量:6.4g、15mmol、94%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.03-7.99 (m, 2H), 8.02 (s, 1H), 7.43-7.39 (m, 2H), 4.00-3.79 (m,
2H), 3.38-3.22 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.39-2.35 (m, 1H), 2.07-1.97 (m, 2H),
1.90-1.82 (m, 2H), 1.47 (s, 9H).
【0220】
ステップ3. tert−ブチル(4E)−4−({[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}メチリデン)−5−オキソアゼパン−1−カルボキシラート(C13)の合成。
トルエン(50mL)中のC12(6.1g、14mmol)の溶液を脱気し、窒素でパージした。オクタン酸ロジウム(II)二量体(112mg、0.144mmol)を添加し、反応混合物を3時間にわたって、50℃で加熱した。溶媒を真空中で除去した後に、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中25%〜33%酢酸エチル)により精製して、生成物を淡白色の固体として得た。収量:4.9g、12mmol、86%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.49 (br d, J=10 Hz, 1H), 7.75 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.33 (br d,
J=8.2 Hz, 2H), 6.92 (d, J=10.5 Hz, 1H), 3.57-3.47 (m, 4H), 2.69-2.61 (m, 2H),
2.47-2.39 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.46 (s, 9H).
【0221】
ステップ4. tert−ブチル3−ニトロ−2−オキソ−1,2,5,6,8,9−ヘキサヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシラート(C14)の合成。
水(0.9mL)および2−プロパノール(9mL)の混合物中の2−ニトロアセトアミド、トリエチルアミン塩(838mg、4.08mmol)の溶液に、C13(1.24g、3.14mmol)を添加した。反応混合物を50℃で15時間にわたって撹拌し、その後、ジエチルエーテル(10mL)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、濾過し;収集した固体(869mg)を酢酸エチル(10mL)に懸濁し、次いで、10分間、還流状態で加熱した。混合物が溶液になるまで、メタノール(2mL)を添加し、これを終夜、冷却した。得られた固体を濾取して、生成物を明黄色の固体として得た。収量:779mg、2.52mmol、80%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 13.71-13.54 (br s, 1H), 8.33 (s, 1H), 3.73-3.65 (m, 2H), 3.64-3.56
(m, 2H), 3.14-3.05 (m, 2H), 2.87-2.79 (m, 2H), 1.50 (s, 9H).
【0222】
ステップ5. tert−ブチル2−メトキシ−3−ニトロ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシラート(C15)の合成。
ジクロロメタン中のC14(73.7mg、0.238mmol)、ヨードメタン(69mg、0.49mmol)、および炭酸銀(133mg、0.482mmol)の混合物を室温で48時間にわたって撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮して生成物を得た。収量:69mg、0.21mmol、88%。LCMS m/z 268.3 [(M - 2-メチルプロパ-1-エン)+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.08 (s, 1H), 4.09 (s, 3H), 3.68-3.55 (m, 4H), 3.17-3.09 (m, 2H),
2.93-2.85 (m, 2H), 1.50 (s, 9H).
【0223】
ステップ6. 2−メトキシ−3−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C9)の合成。
トリフルオロ酢酸(3mL)をジクロロメタン(3mL)中のC15(620mg、1.92mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で3時間にわたって撹拌し、その後、溶媒を真空中で除去し、残渣を酢酸エチル(50mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)との間で分配した。水層を酢酸エチル(2×40mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を黄色の油状物として得た。収量:417mg、1.87mmol、97%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.16 (s, 1H), 4.12 (s, 3H), 3.49-3.40 (m, 6H), 3.26-3.20 (m, 2H).
【0224】
調製例P5
7−エチル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−アミン(P5)
【0225】
【化21】
ステップ1. 7−エチル−2−メトキシ−3−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C16)の合成。
ヨードエタン(8.87g、56.9mmol)をアセトニトリル(100mL)中のC9(6.35g、28.4mmol)および炭酸カリウム(11.8g、85.4mmol)の5℃混合物に添加した。反応混合物を25℃で5時間にわたって撹拌し、その後、水(350mL)で処理し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し;シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜6%メタノール)により、生成物をオレンジ色のゴム状物として得た。収量:5.68g、22.6mmol、80%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.05 (s, 1H), 4.09 (s, 3H), 3.19-3.11 (m, 2H), 2.96-2.88 (m, 2H),
2.74-2.65 (m, 4H), 2.61 (q, J=7.2 Hz, 2H), 1.12 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0226】
ステップ2. 7−エチル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−アミン(P5)の合成。
メタノール(200mL)中のC16(5.28g、21.0mmol)および湿った炭素上のパラジウム(10%、1.35g)の懸濁液を27℃で水素(30psi)下で4時間にわたって撹拌し、次いで、水素下、27℃で、撹拌せずに16時間にわたって放置した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮し;残渣を、C16(1.39g、5.53mmol)で実施した同様の反応の生成物と合わせ、ジクロロメタン(150mL)に溶解した。溶媒を減圧下で除去して、生成物(5.92g、
1H NMR分析によると多少のジクロロメタンを含有)をオレンジ色の油状物として得た。ジクロロメタンについて修正した収率:5.74g、25.9mmol、98%。LCMS m/z 221.9 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 6.67 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.59 (br s, 2H),
3.03-2.95 (m, 2H), 2.78-2.71 (m, 2H), 2.67-2.58 (m, 4H), 2.58 (q, J=7.2 Hz,
2H), 1.10 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0227】
(実施例1)
6−シクロヘキシル−N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(1)
【0228】
【化22】
ステップ1. 1−(5−ブロモピリジン−2−イル)シクロヘキサノール(C17)の合成。
トルエン(150mL)中の2,5−ジブロモピリジン(10.0g、42.2mmol)の−78℃スラリーに、n−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M、18.6mL、46.4mmol)を添加した。次いで、トルエン(10mL)中のシクロヘキサノン(6.21g、63.3mmol)の溶液を滴下添加し、反応混合物を2時間にわたって、−78℃で撹拌し、その後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)の添加によりクエンチした。混合物を酢酸エチル(150mL)で抽出し、有機層を水(50mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜20%酢酸エチル)により生成物を黄色の油状物として得た。収量:8.0g、31mmol、73%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.58 (dd, J=2.3, 0.7 Hz, 1H), 7.81 (dd, J=8.5, 2.3 Hz, 1H), 7.34
(dd, J=8.5, 0.7 Hz, 1H), 4.23 (br s, 1H), 1.92-1.27 (m, 10H, 推定; 積分値が10Hの約1.5倍).
【0229】
ステップ2. 5−ブロモ−2−(シクロヘキサ−1−エン−1−イル)ピリジン(C18)の合成。
C17(2.0g、7.8mmol)に、濃硫酸(2mL)を15℃で滴下添加した。添加の完了後に、反応混合物を20℃で1時間にわたって撹拌し、その後、氷水(50mL)に注ぎ入れ、20%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpH>8に塩基性にした。得られた混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を黄色の油状物として得た。収量:1.7g、7.1mmol、91%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.58 (br d, J=2.3 Hz, 1H), 7.73 (dd, J=8.5, 2.4 Hz, 1H), 7.27 (br
d, J=8.5 Hz, 1H), 6.73-6.68 (m, 1H), 2.51-2.44 (m, 2H), 2.29-2.22 (m, 2H),
1.83-1.75 (m, 2H), 1.72-1.64 (m, 2H).
【0230】
ステップ3. 2−(シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−5−[(4−メトキシベンジル)スルファニル]ピリジン(C19)の合成。
1,4−ジオキサン(20mL)中のC18(1.7g、7.1mmol)、(4−メトキシフェニル)メタンチオール(1.43g、9.27mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.77g、21.4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(131mg、0.143mmol)、および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(キサントホス;207mg、0.358mmol)の混合物を窒素で2分間、22℃でパージし、次いで、110℃で16時間にわたって撹拌した。反応混合物を、C18(400mg、1.7mmol)を使用した同様の反応混合物と合わせ、真空中で濃縮し、シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜20%酢酸エチル)により精製して、生成物を黄色の固体として得た。収量:2.3g、7.4mmol、84%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.47 (d, J=2.1 Hz, 1H), 7.49 (dd, J=8.3, 2.3 Hz, 1H), 7.24 (d,
J=8.4 Hz, 1H), 7.16 (br d, J=8.5 Hz, 2H), 6.81 (br d, J=8.5 Hz, 2H), 6.73-6.68
(m, 1H), 4.03 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.51-2.43 (m, 2H), 2.30-2.23 (m, 2H),
1.83-1.75 (m, 2H), 1.72-1.63 (m, 2H).
【0231】
ステップ4. 2−シクロヘキシル−5−[(4−メトキシベンジル)スルファニル]ピリジン(C20)の合成。
炭素上の水酸化パラジウム(10%、1g)をメタノール(100mL)中のC19(1.8g、5.78mmol)の溶液に添加した。混合物を真空下で脱気し、次いで、水素でパージし;この排気−パージサイクルを合計3回実施した。次いで、反応混合物を水素(50psi)下、40℃で18時間にわたって撹拌し、その後、濾過し、真空中で濃縮して、生成物をオフホワイト色の固体として得た。
1H NMR分析によると、この物質は多少の不純物を含有した。収量:1.1g、<3.5mmol、<61%。LCMS m/z 313.9 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3),
特徴的な生成物ピーク: δ 8.45 (br d, J=2.3
Hz, 1H), 7.49 (dd, J=8.2, 2.4 Hz, 1H), 7.15 (br d, J=8.7 Hz, 2H), 7.03 (d,
J=8.2 Hz, 1H), 6.81 (br d, J=8.7 Hz, 2H), 4.02 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.70-2.61
(m, 1H).
【0232】
ステップ5. 6−シクロヘキシルピリジン−3−スルホニルクロリド(C21)の合成。
N−クロロスクシンイミド(1.87g、14.0mmol)を酢酸(20mL)および水(5mL)中のC20(1.1g、3.5mmol)の懸濁液に添加し、反応混合物を25℃で1時間にわたって撹拌した。次いで、これを酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順に洗浄し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の0%〜5%酢酸エチル)により、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:500mg、1.9mmol、54%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.14 (d, J=2.4 Hz, 1H), 8.20 (dd, J=8.4, 2.5 Hz, 1H), 7.41 (d,
J=8.4 Hz, 1H), 2.86 (tt, J=11.8, 3.4 Hz, 1H), 2.02-1.86 (m, 4H), 1.84-1.75 (m,
1H), 1.64-1.51 (m, 2H), 1.51-1.37 (m, 2H), 1.37-1.24 (m, 1H).
【0233】
ステップ6. 6−シクロヘキシル−N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(1)の合成。
ピリジン(2mL)中のP3(30mg、0.14mmol)およびC21(45.1mg、0.174mmol)の溶液を20℃で1時間にわたって撹拌し、次いで、20℃で18時間にわたって放置した。反応混合物を真空中で濃縮乾固し;残渣をジクロロメタン(20mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)により生成物を白色の固体として得た。収量:19.8mg、46.0μmol、33%。LCMS m/z 431.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 8.68-8.63 (m, 1H), 7.96 (br d, J=8 Hz, 1H), 7.51 (s,
1H), 7.39 (d, J=8.0 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.04-2.94 (m, 2H), 2.91-2.82 (m,
2H), 2.82-2.71 (m, 1H), 2.68-2.55 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 1.94-1.81 (m, 4H),
1.81-1.72 (m, 1H), 1.62-1.23 (m, 5H).
【0234】
(実施例2)
6−(シクロペンチルオキシ)−N−(7−エチル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(2)
【0235】
【化23】
ステップ1. 2−(シクロペンチルオキシ)−5−[(4−メトキシベンジル)スルファニル]ピリジン(C22)の合成。
1,4−ジオキサン(20mL)中の5−ブロモ−2−(シクロペンチルオキシ)ピリジン(2.90g、12.0mmol)、(4−メトキシフェニル)メタンチオール(2.5mL、18mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.10g、24.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(275mg、0.300mmol)、および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(348mg、0.601mmol)の混合物を窒素で1分間パージした。反応混合物を105℃で16時間にわたって撹拌し、その後、真空中で濃縮し;シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜8%酢酸エチル)により生成物を淡黄色の油状物として得た。収量:3.41g、10.8mmol、90%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.08 (dd, J=2.4, 0.6 Hz, 1H), 7.43 (dd, J=8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.08
(br d, J=8.8 Hz, 2H), 6.80 (br d, J=8.7 Hz, 2H), 6.56 (dd, J=8.6, 0.7 Hz, 1H),
5.38-5.31 (m, 1H), 3.90 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.01-1.89 (m, 2H), 1.84-1.73 (m,
4H), 1.68-1.57 (m, 2H, 推定; 水のピークにより一部不明確).
【0236】
ステップ2. 6−(シクロペンチルオキシ)ピリジン−3−スルホニルクロリド(C23)の合成。
N−クロロスクシンイミド(5.76g、43.1mmol)を、酢酸(30mL)および水(8mL)中のC22(3.40g、10.8mmol)の0℃懸濁液に添加した。添加の完了後に、氷浴を取り外し、反応混合物を2時間にわたって、26℃で撹拌した。次いで、これを水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し;合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、C22(1.51g、4.79mmol)を使用する同様の反応に由来する粗生成物と合わせた。シリカゲル上でのクロマトグラフィーを2回(勾配:石油エーテル中0%〜10%酢酸エチル)実施して、生成物を無色の油状物として得た。収量:3.4g、13mmol、83%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.81 (dd, J=2.6, 0.5 Hz, 1H), 8.09 (dd, J=8.9, 2.8 Hz, 1H), 6.83
(dd, J=9.0, 0.6 Hz, 1H), 5.58-5.52 (m, 1H), 2.07-1.95 (m, 2H), 1.89-1.75 (m,
4H), 1.73-1.61 (m, 2H).
【0237】
ステップ3. 6−(シクロペンチルオキシ)−N−(7−エチル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(2)の合成。
ピリジン(2mL)中のP5(25.4mg、0.115mmol)の溶液に、C23(30.0mg、0.115mmol)を添加し、反応混合物を28℃で16時間にわたって撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した後に、残渣を酢酸エチル(30mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)との間で分配した。水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルでの分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:10:1のジクロロメタン/メタノール)により精製して、生成物を黄色のゴム状物として得た。収量:36.4mg、81.5μmol、71%。LCMS m/z 447.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 8.37 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.93 (dd, J=8.8, 2.6 Hz, 1H),
7.62 (s, 1H), 6.78 (d, J=8.8 Hz, 1H), 5.45-5.39 (m, 1H), 3.68 (s, 3H),
3.34-3.28 (m, 4H, 推定; 溶媒ピークにより不明確), 3.23-3.15 (m, 4H), 3.12-3.06 (m, 2H), 2.02-1.91 (m, 2H),
1.83-1.71 (m, 4H), 1.70-1.61 (m, 2H), 1.35 (t, J=7.3 Hz, 3H).
【0238】
(実施例3)
4−[trans−3−(2−フルオロエトキシ)シクロブチル]−N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド(3)
【0239】
【化24】
ステップ1. 1−ブロモ−4−[trans−3−(2−フルオロエトキシ)シクロブチル]ベンゼン(C24)の合成。
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中のtrans−3−(4−ブロモフェニル)シクロブタノール(300mg、1.32mmol)の0℃溶液に、水素化ナトリウム(油中60%、79.3mg、1.98mmol)を添加し、反応混合物を15℃で30分間撹拌した。2−フルオロエチル4−メチルベンゼンスルホナート(346mg、1.59mmol)を添加し、撹拌を15℃で1時間にわたって継続し、その後、反応混合物を18時間にわたって、50℃で加熱した。水(50mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(30mL)で抽出し;有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(3×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜20%酢酸エチル)により生成物を淡黄色の油状物として得た。収量:260mg、0.952mmol、72%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.43 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 7.12 (br d, J=8.5 Hz, 2H), 4.59 (ddd,
J=47.4, 4.1, 4.1 Hz, 2H), 4.26-4.18 (m, 1H), 3.64 (ddd, J=29.5, 4.1, 4.1 Hz,
2H), 3.6-3.54 (m, 1H), 2.57-2.47 (m, 2H), 2.43-2.34 (m, 2H).
【0240】
ステップ2. 1−[trans−3−(2−フルオロエトキシ)シクロブチル]−4−[(4−メトキシベンジル)スルファニル]ベンゼン(C25)の合成。
1,4−ジオキサン(10mL)中のC24(260mg、0.952mmol)の溶液に、(4−メトキシフェニル)メタンチオール(161mg、1.04mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(369mg、2.85mmol)を添加した。混合物を窒素で2分間脱気し、次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(21.8mg、23.8μmol)および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(27.5mg、47.5μmol)を添加した。反応混合物を100℃で18時間にわたって撹拌し、その後、真空中で濃縮し;残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜20%酢酸エチル)により精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:265mg、0.765mmol、80%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.27 (br d, J=7.9 Hz, 2H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 7.21 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.14 (br d, J=8.2 Hz, 2H), 6.83 (br d,
J=8.4 Hz, 2H), 4.59 (ddd, J=47.6, 4.5, 3.8 Hz, 2H), 4.26-4.19 (m, 1H), 4.06 (s,
2H), 3.80 (s, 3H), 3.64 (ddd, J=29.5, 4.3, 3.9 Hz, 2H), 3.6-3.54 (m, 1H),
2.55-2.45 (m, 2H), 2.44-2.34 (m, 2H).
【0241】
ステップ3. 4−[trans−3−(2−フルオロエトキシ)シクロブチル]ベンゼンスルホニルクロリド(C26)の合成。
N−クロロスクシンイミド(231mg、1.73mmol)を酢酸(5mL)および水(1mL)中のC25(150mg、0.433mmol)の10℃溶液に添加し、反応混合物を10℃で30分間撹拌した。次いで、これを酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(2×30mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を淡黄色の油状物として得た。収量:127mg、定量と推定。
【0242】
ステップ4. 4−[trans−3−(2−フルオロエトキシ)シクロブチル]−N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド(3)の合成。
ピリジン(3mL)中のP3(40.0mg、0.193mmol)の溶液に、C26(63.5mg、0.217mmol)を添加し、反応混合物を8〜10℃で18時間にわたって撹拌した。溶媒を真空中で除去した後に、残渣をジクロロメタン(30mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順に洗浄し、減圧下で濃縮した。シリカゲルでの分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:10:1のジクロロメタン/メタノール)により精製して固体を得、これをアセトニトリル(3mL)に溶解し、水(約40mL)で洗浄し、凍結乾燥して、生成物を白色の固体として得た。収量:29.7mg、64.1μmol、33%。LCMS m/z 464.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.69 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.29 (br d,
J=8.2 Hz, 2H), 4.58 (ddd, J=47.7, 4.1, 4.1 Hz, 2H), 4.24-4.17 (m, 1H), 3.73 (s,
3H), 3.70-3.62 (m, 1H), 3.63 (ddd, J=29.7, 4.1, 4.1 Hz, 2H), 3.09-3.00 (m, 2H),
2.93-2.84 (m, 2H), 2.70-2.57 (m, 4H), 2.58-2.49 (m, 2H), 2.45-2.34 (m, 2H),
2.44 (s, 3H).
【0243】
(実施例4)
N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ベンゼンスルホンアミド(4)
【0244】
【化25】
ステップ1. 4−[4−(ベンジルスルファニル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン(C27)の合成。
4−(4−ブロモフェニル)テトラヒドロ−2H−ピランとフェニルメタンチオールとの反応を、実施例1においてC18からC19を合成するために記載した方法を使用して実施した。生成物を黄色の固体として得た。収量:6.9g、24mmol、86%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.33-7.22 (m, 7H), 7.13 (br d, J=8.2 Hz, 2H), 4.14-4.05 (m, 2H),
4.11 (s, 2H), 3.57-3.48 (m, 2H), 2.77-2.67 (m, 1H), 1.85-1.70 (m, 4H).
【0245】
ステップ2. 4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ベンゼンスルホニルクロリド(C28)の合成。
N−クロロスクシンイミド(14.8g、111mmol)を、酢酸(60mL)および水(20mL)中のC27(10.0g、35.2mmol)の0℃スラリーに添加した。反応混合物を25℃に加温し、2時間にわたって撹拌し、その後、酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(2×100mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜60%酢酸エチル)により、部分精製された生成物を固体として得た;この物質をtert−ブチルメチルエーテル(30mL)および石油エーテル(20mL)で洗浄した。濾過により単離して、生成物を白色の固体として得た。収量:6.70g、25.7mmol、73%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.00 (br d, J=8.5 Hz, 2H), 7.48 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 4.16-4.08 (m,
2H), 3.60-3.51 (m, 2H), 2.96-2.86 (m, 1H), 1.92-1.76 (m, 4H).
【0246】
ステップ3. N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ベンゼンスルホンアミド(4)の合成。
ピリジン(20mL)中のP3(1.50g、7.24mmol)の溶液を氷浴中で冷却し、C28(1.98g、7.59mmol)で5回に分けて処理した。次いで、反応混合物を26℃で16時間にわたって撹拌し、その後、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(150mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をジクロロメタン(10mL)に溶解し、24〜26℃で撹拌されている石油エーテル(40mL)に10分間かけてゆっくり添加した。次いで、混合物を5〜10℃に冷却し、10分間撹拌し;得られた沈澱物を濾取して生成物を黄色の固体として得た。収量:2.75g、6.37mmol、88%。LCMS m/z 432.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6)
δ 7.61 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 7.41 (br d, J=8.3 Hz, 2H),
7.32 (s, 1H), 3.98-3.90 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 3.47-3.38 (m, 2H), 2.90-2.80 (m,
3H), 2.76-2.69 (m, 2H), 2.47-2.39 (m, 4H), 2.25 (s, 3H), 1.72-1.61 (m, 4H).
【0247】
(実施例5)
N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(5)
【0248】
【化26】
4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(404mg、2.12mmol)をピリジン(10mL)中のP3(418mg、2.02mmol)の溶液に添加した。反応混合物を30分間、室温で撹拌した後に、真空中で濃縮した。残渣をヘプタンと共沸させ、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25mL)とジクロロメタン(50mL)との間で分配した。水層をジクロロメタン(50mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルおよびメタノールの4:1混合物中0.15%水酸化アンモニウム)により生成物を非常に淡い黄色の固体として得た。収量:500mg、1.38mmol、68%。LCMS m/z 362.2 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.63 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.24-7.19
(m, 2H), 3.72 (s, 3H), 3.00-2.95 (m, 2H), 2.84-2.79 (m, 2H), 2.58-2.50 (m, 4H),
2.37 (s, 6H).
【0249】
(実施例6)
N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(6)
【0250】
【化27】
ステップ1. 1−(4−ブロモフェニル)−5−クロロペンタン−1−オール(C29)の合成。
ホウ水素化ナトリウム(412mg、10.9mmol)を、テトラヒドロフラン(50mL)および水(5mL)中の1−(4−ブロモフェニル)−5−クロロペンタン−1−オン(2.00g、7.26mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で終夜にわたって撹拌した。メタノール(10mL)を添加した後に、混合物を減圧下で濃縮乾固し;残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解し、珪藻土のパッドを通して濾過した。真空中で濾液を濃縮して、生成物を無色のゴム状物として得た。収量:1.95g、7.02mmol、97%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.48 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.23 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 4.70-4.63 (m,
1H), 3.53 (t, J=6.6 Hz, 2H), 1.88 (d, J=3.4 Hz, 1H), 1.85-1.65 (m, 4H),
1.64-1.51 (m, 1H, 推定; 水のピークにより一部不明確), 1.50-1.38 (m, 1H).
【0251】
ステップ2. 2−(4−ブロモフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン(C30)の合成。
カリウムtert−ブトキシド(1.18g、10.5mmol)を、テトラヒドロフラン(50mL)中のC29(1.95g、7.02mmol)の0℃溶液に添加した。反応混合物を周囲温度(約15℃)に加温し、終夜撹拌し、その後、水(50mL)と酢酸エチル(100mL)との間で分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を黄色の液体として得、これは、終夜放置すると固化した。収量:1.62g、6.72mmol、96%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.46 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.23 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 4.29 (dd,
J=11, 2 Hz, 1H), 4.17-4.11 (m, 1H), 3.65-3.57 (m, 1H), 2.00-1.90 (m, 1H),
1.85-1.77 (m, 1H), 1.74-1.48 (m, 4H).
【0252】
ステップ3. 2−{4−[(4−メトキシベンジル)スルファニル]フェニル}テトラヒドロ−2H−ピラン(C31)の合成。
実施例3においてC24からC25を合成するために記載した方法を使用してC30(1.62g、6.72mmol)と(4−メトキシフェニル)メタンチオールとの反応を行った。この場合、シリカゲルクロマトグラフィーを、石油エーテル中0%〜30%ジクロロメタンの勾配を使用して実施した。生成物を白色の固体として得た。収量:2.0g、6.4mmol、95%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.26 (br AB四重線, J
AB=8.5 Hz, Δν
AB=12 Hz, 4H), 7.20 (br d, J=8.7 Hz,
2H), 6.81 (br d, J=8.7 Hz, 2H), 4.32-4.26 (m, 1H), 4.17-4.10 (m, 1H), 4.06 (s,
2H), 3.79 (s, 3H), 3.65-3.57 (m, 1H), 1.98-1.91 (m, 1H), 1.84-1.77 (m, 1H),
1.73-1.62 (m, 2H), 1.62-1.53 (m, 2H, 推定; 水のピークにより一部不明確).
【0253】
ステップ4. 4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ベンゼンスルホニルクロリド(C32)の合成。
実施例1においてC20からC21を合成するために記載した方法を使用して、C31からC32への変換を実施した。生成物を白色の固体として得たが、これは、
1H NMR分析によると、多少の不純物を含有した。収量:1.55g、<5.94mmol、<93%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3), 生成物のピークのみ: δ 8.01 (br d, J=8.5 Hz, 2H), 7.60 (br d,
J=8.7 Hz, 2H), 4.44 (br dd, J=11.2, 1.9 Hz, 1H), 4.21-4.15 (m, 1H), 3.68-3.59
(m, 1H), 2.02-1.96 (m, 1H), 1.93-1.86 (m, 1H), 1.76-1.60 (m, 3H), 1.57-1.45 (m,
1H).
【0254】
ステップ5. N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(6)の合成。
実施例1においてC21およびP3から1を合成するために記載した方法により、C32とP3との反応を行った。この場合、クロマトグラフィーによる精製を、シリカゲル上での分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:10:1のジクロロメタン/メタノール)を使用して実施して、生成物を白色の固体として得た。収量:54.1mg、0.125mmol、66%。LCMS m/z 431.9 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 7.69 (br d, J=8.5 Hz, 2H), 7.60 (s, 1H), 7.44 (br d,
J=8.3 Hz, 2H), 4.40 (br dd, J=11.2, 1.9 Hz, 1H), 4.12-4.06 (m, 1H), 3.66-3.58
(m, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.31-3.20 (m, 4H), 3.20-3.12 (m, 2H), 3.09-3.01 (m, 2H),
2.86 (s, 3H), 1.97-1.89 (m, 1H), 1.88-1.80 (m, 1H), 1.79-1.55 (m, 3H),
1.50-1.39 (m, 1H).
【0255】
(実施例7)
N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−[(2R)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(7)
【0256】
【化28】
ステップ1. (1R)−1−(4−ブロモフェニル)−5−クロロペンタン−1−オール(C33)の合成。
この実験を3つの平行するバッチで実施した。(3aS)−1−メチル−3,3−ジフェニルテトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール[(S)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン;トルエン中1M溶液、16mL、16mmol]を、ボラン(テトラヒドロフラン中1M溶液;188mL、188mmol)およびテトラヒドロフラン(500mL)の0℃溶液に添加した。反応混合物を0℃で45分間撹拌し、その後、−5℃に冷却し、反応温度を−4℃未満に維持しながら、テトラヒドロフラン(600mL)中の1−(4−ブロモフェニル)−5−クロロペンタン−1−オン(43.0g、156mmol)の溶液を4時間かけて滴下添加した。添加が完了した後に、反応混合物を−5〜0℃で10分間撹拌し、その時点で、反応を、メタノール(300mL)を0〜5℃で添加することによりクエンチした。得られた混合物を−5〜5℃で30分間撹拌し、その後、塩酸水溶液(1M、450mL)を0℃で添加した。混合物を室温に加温し、25℃で18時間にわたって撹拌し;次いで、水(700mL)で希釈し、酢酸エチル(2×1L)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。3つのバッチを合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の5%〜17%酢酸エチル)に掛けて、生成物を無色の油状物として得た。示された絶対立体化学を、7で実施したX線結晶構造分析により確認した(下記を参照されたい)。収量:130g、468mmol、100%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.48 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.23 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 4.66 (dd,
J=7.3, 5.7 Hz, 1H), 3.53 (t, J=6.6 Hz, 2H), 1.86-1.36 (m, 6H).
【0257】
ステップ2. (2R)−2−(4−ブロモフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン(C34)の合成。
この実験を、2つの平行するバッチで実施した。カリウムtert−ブトキシド(テトラヒドロフラン中1M溶液;330mL、330mmol)をテトラヒドロフラン(700mL)中のC33(65.0g、234mmol)の0℃溶液にゆっくりと添加し;添加の完了後に、氷浴を取り外し、反応物を25℃で2時間にわたって撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、塩酸水溶液(1M、700mL)を添加することによりクエンチした。混合物を酢酸エチル(2×1L)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。バッチを合わせ、シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中5%〜9%酢酸エチル)により精製して、生成物を無色の油状物として得た。収量:109g、452mmol、97%。LCMS m/z 241.1, 243.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz,
CDCl
3) δ 7.46 (br d, J=8.5 Hz, 2H), 7.23 (br
d, J=8.3 Hz, 2H), 4.29 (br dd, J=11, 2 Hz, 1H), 4.17-4.11 (m, 1H), 3.65-3.57
(m, 1H), 2.00-1.90 (m, 1H), 1.85-1.78 (m, 1H), 1.73-1.48 (m, 4H, 推定; 水のピークにより一部不明確).
【0258】
ステップ3. (2R)−2−[4−(ベンジルスルファニル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン(C35)の合成。
この実験を2つの平行するバッチで実施した。1,4−ジオキサン(700mL)中のC34(53.0g、220mmol)の撹拌溶液に、フェニルメタンチオール(35.5g、286mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(85.2g、660mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(5.09g、8.80mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.03g、4.40mmol)を添加した。反応混合物を含有する容器を排気し、窒素を装入し;このサイクルを2回繰り返し、次いで、反応混合物を115℃で16時間にわたって撹拌した。室温に冷却した後に、2つの粗製の混合物を合わせ、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中2%〜5%酢酸エチル)に、ジクロロメタンおよび石油エーテルの混合物(1:12、3.9L)からの2回の再結晶化を続けて、生成物を黄色の固体として得た。収量:100g、352mmol、80%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.32-7.21 (m, 9H), 4.29 (br dd, J=11, 2 Hz, 1H), 4.17-4.11 (m, 1H),
4.10 (s, 2H), 3.65-3.57 (m, 1H), 1.99-1.90 (m, 1H), 1.85-1.77 (m, 1H),
1.73-1.51 (m, 4H, 推定; 水のピークにより一部不明確).
【0259】
ステップ4. 4−[(2R)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホニルクロリド(C36)の合成。
この実験を2つの平行するバッチで実施した。N−クロロスクシンイミド(84.5g、633mmol)を、酢酸(500mL)および水(140mL)中のC35(45.0g、158mmol)の0℃撹拌懸濁液中にゆっくりと添加した。次いで、反応混合物を室温に加温し、22℃で1時間にわたって撹拌し、tert−ブチルメチルエーテル(1.5L)に注ぎ入れ;得られた混合物を水(3×1.5L)で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の添加によりpH7に調節した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。2つのバッチを合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中3%〜5%酢酸エチル)、続いて、−65℃、窒素下でのtert−ブチルメチルエーテルおよび石油エーテル(1:10、1.1L)からの結晶化により精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:63.0g、242mmol、77%。ジクロロメタンへの溶解ならびにピリジンおよびベンジルアミンでの処置後のN−ベンジル−4−[(2R)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホンアミドでのLCMS m/z 332.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.01 (br
d, J=8.7 Hz, 2H), 7.60 (br d, J=8.7 Hz, 2H), 4.44 (br dd, J=11.3, 2.0 Hz, 1H),
4.22-4.14 (m, 1H), 3.68-3.59 (m, 1H), 2.04-1.93 (m, 1H), 1.90 (br d, J=13 Hz, 1H),
1.78-1.6 (m, 3H), 1.57-1.45 (m, 1H).
【0260】
ステップ5. N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−[(2R)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(7)の合成。
ピリジン(20mL)中のC36(2.38g、9.13mmol)およびP3(1.80g、8.68mmol)の溶液を28℃で4時間にわたって撹拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)と酢酸エチル(40mL)との間で分配した。水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)により、生成物を白色の固体として得、これは、プラスの(+)回転を示した。収量:2.66g、6.16mmol、71%。LCMS m/z 432.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.72 (br d, J=8.5 Hz, 2H), 7.51 (s, 1H), 7.41 (br d,
J=8.2 Hz, 2H), 4.34 (br dd, J=11, 2 Hz, 1H), 4.17-4.10 (m, 1H), 3.73 (s, 3H),
3.63-3.55 (m, 1H), 3.00-2.94 (m, 2H), 2.84-2.78 (m, 2H), 2.58-2.49 (m, 4H),
2.37 (s, 3H), 1.98-1.91 (m, 1H), 1.85-1.78 (m, 1H), 1.74-1.56 (m, 3H, 推定; 水のピークにより一部不明確), 1.53-1.41 (m, 1H).
【0261】
7のサンプルを酢酸エチルおよびメタノールから結晶化させ;単結晶X線構造分析(下記を参照されたい)により、7について示された絶対立体化学が確認された。
【0262】
7での単結晶X線構造決定
データ収集は、Bruker APEX回折計で室温で行った。データ収集は、オメガおよびファイスキャンからなった。
【0263】
構造を、SHELXソフトウェアスーツを使用する直接的な方法により、空間群P2
1において解析した。構造を後で、フルマトリックス最小二乗法により精密化した。すべての非水素原子が見出され、異方性置換パラメーターを使用して精密化した。
【0264】
窒素上に位置する水素原子をフーリエ差分マップから見出し、制限せずに精密化した。残りの水素原子を、計算した位置に配置し、それらのキャリア原子に乗せた。最終精密化は、すべての水素原子での等方性置換パラメーターを含んだ。
【0265】
尤度法を使用する絶対構造の解析(Hooft、2008)を、PLATON(Spek、2010)を使用して行った。結果は、絶対構造が正確に指定されたことを示す。この方法により、構造が正確である確率が100.0であると計算される。ホーフトパラメーターは、0.12であり、esdは0.06として報告されている。フラックパラメーターの精密化は、0.08(0.06)の同様の値を示す。
【0266】
最終R指数は、5.5%であった。最終差分フーリエは、欠失または誤入電子密度がないことを明らかにした。
【0267】
関連結晶、データ収集、および精密化情報を表1にまとめる。原子座標、結合長さ、結合角度、および置換パラメーターを表2〜5に列挙する。
ソフトウェアおよび参照文献
SHELXTL, Version 5.1, Bruker AXS, 1997.
PLATON, A. L. Spek, J. Appl. Cryst. 2003,
36, 7-13.
MERCURY, C. F. Macrae, P. R. Edington, P.
McCabe, E. Pidcock, G. P. Shields, R. Taylor, M. Towler,およびJ. van de Streek, J. Appl. Cryst. 2006, 39, 453-457.
OLEX2, O. V. Dolomanov, L. J. Bourhis, R.
J. Gildea, J. A. K. Howard,およびH. Puschmann, J. Appl.
Cryst. 2009, 42, 339-341.
R. W. W. Hooft, L. H. Straver,およびA. L. Spek, J. Appl. Cryst. 2008, 41, 96-103.
H. D. Flack, Acta Cryst. 1983, A39,
867-881.
【0268】
【表1】
【0269】
【表2】
【0270】
【表3-1】
【0271】
【表3-2】
【0272】
【表3-3】
【0273】
【表4】
【0274】
【表5】
【0275】
実施例7の代替合成
N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−[(2R)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(7)
【0276】
【化29】
化合物C36(3.98g、15.3mmol)をジクロロメタン(40mL)中のP4(93%、4.01g、15.2mmol)およびピリジン(1.4mL、17mmol)の懸濁液に添加し、反応混合物を終夜、室温で撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を添加し、混合物を5分間、室温で撹拌した。有機層を水(20mL)、塩酸水溶液(1M、20mL、20mmol)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順に洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。80〜85℃の加温浴を使用して回転蒸発器上でフラスコを回転させることにより、残渣を酢酸エチル(130mL)に溶解した。浴を40℃に冷却し、溶液を約65mLの合計体積に濃縮したが、その時間の間に、これは濁った。固体を終夜、顆粒化させ、その後、フラスコを氷浴内で30分間冷却した。沈澱物を濾取し、母液を濾過ケーキを洗浄するために使用し;次いで、冷ヘプタン(20mL)で洗浄して、生成物を白色の固体として得た。収量:5.18g、12.0mmol、79%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.7-9.45 (v br s, 1H), 7.63 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.46 (br d, J=8.3
Hz, 2H), 7.32 (s, 1H), 4.38 (br d, J=11 Hz, 1H), 4.06-3.99 (m, 1H), 3.57-3.47
(m, 1H), 3.47 (s, 3H), 2.90-2.85 (m, 2H), 2.76-2.70 (m, 2H), 2.49-2.42 (m, 4H),
2.27 (s, 3H), 1.89-1.77 (m, 2H), 1.70-1.58 (m, 1H), 1.58-1.50 (m, 2H),
1.40-1.27 (m, 1H).
【0277】
(実施例8)
N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−[(2S)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(8)
【0278】
【化30】
ステップ1. (1S)−1−(4−ブロモフェニル)−5−クロロペンタン−1−オール(C37)の合成。
(3aR)−1−メチル−3,3−ジフェニルテトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール[(R)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン;トルエン中1M溶液、3.63mL、3.63mmol]、ボラン(テトラヒドロフラン中1M溶液;38.1mL、38.1mmol)、およびテトラヒドロフラン(100mL)の混合物を0℃に冷却した。テトラヒドロフラン(50mL)中の1−(4−ブロモフェニル)−5−クロロペンタン−1−オン(10.0g、36.3mmol)の溶液を滴下添加したが、その間、内部反応温度を5℃未満に維持した。30分後に、冷却浴を取り外し、反応混合物を26℃で3時間にわたって撹拌し、その後、反応混合物を0℃に冷却し、メタノール(50mL)で処理した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、その時点で、塩酸水溶液(1M、80mL)を添加し、撹拌を26℃で1時間にわたって継続した。18時間にわたって放置した後に、混合物を酢酸エチル(150mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)との間で分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(200mL)に溶解し、濾過し;濾液を減圧下で濃縮して、生成物を淡黄色の油状物として得た。収量:10g、36mmol、99%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3), 特徴的ピーク: δ 7.49 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.23 (br d,
J=8.3 Hz, 2H), 4.67 (dd, J=7.0, 5.9 Hz, 1H), 3.53 (t, J=6.6 Hz, 2H).
【0279】
ステップ2. (2S)−2−(4−ブロモフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン(C38)の合成。
カリウムtert−ブトキシド(テトラヒドロフラン中の1M溶液;54mL、54mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)中のC37(10g、36mmol)の0℃溶液にゆっくりと添加し;添加の完了後に、氷浴を取り外し、反応物を25℃で16時間にわたって撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、塩酸水溶液(1M、80mL)で処理し、その間、内部反応温度を10℃未満に維持し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(80mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜20%酢酸エチル)により、生成物を黄色の油状物として得た。収量:7.5g、31mmol、86%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.46 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.23 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 4.29 (br d,
J=11 Hz, 1H), 4.17-4.10 (m, 1H), 3.65-3.57 (m, 1H), 1.99-1.91 (m, 1H), 1.82 (br
d, J=13 Hz, 1H), 1.73-1.48 (m, 4H, 推定; 水のピークにより一部不明確).
【0280】
ステップ3. (2S)−2−[4−(ベンジルスルファニル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン(C39)の合成。
1,4−ジオキサン(100mL)中のC38(7.5g、31mmol)、フェニルメタンチオール(5.02g、40.4mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(12.1g、93.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(570mg、0.622mmol)、および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(720mg、0.1.24mmol)の混合物を排気し、窒素を装入し;このサイクルを2回繰り返し、次いで、反応物を110℃で16時間にわたって撹拌した。溶媒を真空中で除去した後に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の0%〜10%酢酸エチル)により精製し、次いで、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:二酸化炭素中35%(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]に掛けて;生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:7.5g、26mmol、84%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.32-7.19 (m, 9H), 4.31-4.25 (m, 1H), 4.16-4.10 (m, 1H), 4.09 (s,
2H), 3.64-3.56 (m, 1H), 1.97-1.89 (m, 1H), 1.83-1.76 (m, 1H), 1.72-1.49 (m, 4H,
推定; 水のピークにより一部不明確).
【0281】
ステップ4. 4−[(2S)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホニルクロリド(C40)の合成。
N−クロロスクシンイミド(14.1g、106mmol)を酢酸(70mL)および水(20mL)中のC39(7.5g、26mmol)の0℃懸濁液に添加した。氷浴を取り外し、反応混合物を2時間にわたって、25℃で撹拌し、その後、酢酸エチル(80mL)で希釈し、水(50mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(2×50mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーを2回実施して(勾配:石油エーテル中0%〜10%酢酸エチル)、生成物を白色の固体として得た。収量:5.52g、21.2mmol、82%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.03-7.99 (m, 2H), 7.62-7.58 (m, 2H), 4.44 (br dd, J=11.2, 2.1 Hz,
1H), 4.21-4.15 (m, 1H), 3.68-3.59 (m, 1H), 2.03-1.95 (m, 1H), 1.93-1.86 (m, 1H),
1.76-1.60 (m, 3H), 1.57-1.45 (m, 1H).
【0282】
ステップ5. N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−[(2S)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(8)の合成。
ピリジン(20mL)中のP3(800mg、3.86mmol)およびC40(1.00g、3.84mmol)の溶液を25℃で16時間にわたって撹拌した。C40(200mg、0.77mmol)の別の装入物を添加し、撹拌を5時間にわたって継続した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をジクロロメタン(50mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜7%メタノール)により、生成物を白色の固体として得た。この物質は、マイナスの(−)旋光性を示した。収量:1.12g、2.60mmol、68%。LCMS m/z 432.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.72 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.51 (s, 1H), 7.41 (br d,
J=8.3 Hz, 2H), 4.35 (br d, J=11 Hz, 1H), 4.17-4.10 (m, 1H), 3.73 (s, 3H),
3.63-3.55 (m, 1H), 3.01-2.94 (m, 2H), 2.84-2.78 (m, 2H), 2.58-2.50 (m, 4H),
2.37 (s, 3H), 1.98-1.91 (m, 1H), 1.86-1.78 (m, 1H), 1.76-1.55 (m, 3H, 推定; 水のピークにより一部不明確), 1.53-1.41 (m, 1H).
【0283】
(実施例9)
N−(2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−[(2R)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(9)
【0284】
【化31】
ステップ1. N−[2−メトキシ−7−(トリフルオロアセチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル]−4−[(2R)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(C41)の合成。
ピリジン(3mL)中のP2(200mg、0.691mmol)の溶液に、C36(198mg、0.759mmol)を一度に添加し、反応混合物を25℃で16時間にわたって撹拌した。真空中で溶媒を除去した後に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜30%酢酸エチル、続いて、ジクロロメタン中30%酢酸エチル)に掛けて、生成物を赤色の固体として得た。この物質を、
1H NMRスペクトルから、回転異性体の混合物であると判断した。収量:274mg、0.534mmol、77%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.78-7.71 (m, 2H), [7.55 (s)および7.54 (s), 計1H], 7.46-7.40 (m, 2H), [6.82 (br s)および6.81
(br s), 計1H], 4.35 (br d, J=11 Hz, 1H), 4.17-4.10 (m,
1H), 3.78-3.73 (m, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.72-3.66 (m, 2H), 3.64-3.55 (m, 1H),
3.07-3.00 (m, 2H), 2.91-2.83 (m, 2H), 1.99-1.92 (m, 1H), 1.86-1.79 (m, 1H),
1.72-1.6 (m, 3H, 推定; 水のピークにより一部不明確), 1.53-1.42 (m, 1H).
【0285】
ステップ2. N−(2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−[(2R)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(9)の合成。
炭酸カリウム(258mg、1.87mmol)を、メタノール(25mL)中のC41(274mg、0.534mmol)の溶液に添加し、得られた懸濁液を24℃で3時間にわたって撹拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中アンモニア、pH10;移動相B:アセトニトリル;勾配:9%〜29%B)により精製して、生成物を淡黄色の固体として得た。収量:202mg、0.484mmol、91%。LCMS m/z 418.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 7.71 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 7.40 (br d, J=8.3 Hz, 2H),
7.31 (s, 1H), 4.38 (br dd, J=11.2, 2.2 Hz, 1H), 4.11-4.05 (m, 1H), 3.66 (s,
3H), 3.65-3.58 (m, 1H), 2.95-2.90 (m, 2H), 2.87-2.81 (m, 4H), 2.76-2.71 (m,
2H), 1.97-1.89 (m, 1H), 1.86-1.79 (m, 1H), 1.75-1.55 (m, 3H), 1.53-1.42 (m,
1H).
【0286】
(実施例10)
4−(trans−1−フルオロ−3−メトキシシクロブチル)−N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド(10)
【化32】
ステップ1. cis−1−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシシクロブタノール(C42)の合成。
n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液;4.80mL、12.0mmol)を10分間かけて、テトラヒドロフラン(30mL)中の1,4−ジブロモベンゼン(2.52g、10.7mmol)の−70℃溶液に滴下添加し、その間、内部温度を−65℃未満に維持した。添加の完了後に、懸濁液を−70℃で20分間撹拌し、その後、3−メトキシシクロブタノン(890mg、8.89mmol)を2分間かけて滴下添加した。反応混合物を3時間かけて25℃に加温し;次いで、クエン酸水溶液(2M;約30mL)で処理し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜30%酢酸エチル)により精製して、生成物を黄色の油状物として得た。2−Dimensional NMR(NOE)により、示された相対立体化学が裏付けられた。収量:1.39g、5.41mmol、61%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.53-7.48 (m, 2H), 7.38-7.34 (m, 2H), 3.75-3.67 (m, 1H), 3.30 (s,
3H), 2.93-2.85 (m, 2H), 2.42-2.34 (m, 3H).
【0287】
ステップ2. cis−3−メトキシ−1−{4−[(4−メトキシベンジル)スルファニル]フェニル}シクロブタノール(C43)の合成。
この実験を2つの同じバッチで実施した。(4−メトキシフェニル)メタンチオール(500mg、3.24mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(750mg、5.80mmol)を、1,4−ジオキサン(20mL)中のC42(550mg、2.14mmol)の溶液に添加し、混合物を窒素で2分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(50mg、55μmol)および4,5−ビス(diフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(60mg、0.10mmol)を添加し、反応混合物を100℃で20時間にわたって撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、残渣をジクロロメタン(100mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順に洗浄し、減圧下で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中20%〜50%酢酸エチル)および2つのバッチの混合により、生成物を黄色の固体として得た。収量:1.26g、3.81mmol、89%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.39-7.35 (m, 2H), 7.33-7.29 (m, 2H), 7.26-7.21 (m, 2H), 6.86-6.81
(m, 2H), 4.09 (s, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.72-3.64 (m, 1H), 3.29 (s, 3H), 2.94-2.86
(m, 2H), 2.41-2.33 (m, 2H), 2.33-2.27 (br s, 1H).
【0288】
ステップ3. 1−(trans−1−フルオロ−3−メトキシシクロブチル)−4−[(4−メトキシベンジル)スルファニル]ベンゼン(C44)の合成。
ジクロロメタン(40mL)中のC43(1g、3.03mmol)の−50℃溶液に、三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(732mg、4.54mmol)を添加し、反応混合物を30分間かけて−30℃に加温した。反応を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を−30℃で添加することによりクエンチし;次いで、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を黄色の固体として得た。2−Dimensional NMR(NOE)試験により、示された相対立体化学が裏付けられた。収量:1.00g、3.01mmol、99%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.31 (s, 4H), 7.26-7.21 (m, 2H), 6.86-6.81 (m, 2H), 4.33-4.25 (m,
1H), 4.10 (s, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.31 (s, 3H), 2.98-2.84 (m, 2H), 2.51-2.36 (m,
2H).
【0289】
ステップ4. 4−(trans−1−フルオロ−3−メトキシシクロブチル)ベンゼンスルホニルクロリド(C45)の合成。
実施例1においてC20からC21を合成するために記載した方法により、C44からC45への変換を実施した。生成物が黄色の固体として得られ、
1H NMR分析によると、多少の不純物を含有した。2−Dimensional NMR(NOE)試験により、示された相対立体化学が裏付けられた。収量:620mg、<2.22mmol、<74%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3), 生成物のピークのみ: δ 8.09-8.04 (m, 2H), 7.75-7.69 (m, 2H),
4.37-4.28 (m, 1H), 3.34 (s, 3H), 3.06-2.92 (m, 2H), 2.58-2.43 (m, 2H).
【0290】
ステップ5. 4−(trans−1−フルオロ−3−メトキシシクロブチル)−N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド(10)の合成。
実施例2においてC23およびP5から2を合成するために記載した方法を使用して、C45とP3との反応を行った。生成物を黄色の固体として得た。収量:26.7mg、59.4μmol、49%。LCMS m/z 450.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 7.75 (br d, J=8.0 Hz, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.55 (br d,
J=8 Hz, 2H), 4.32-4.23 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.30 (s, 3H), 3.13-3.06 (m, 2H),
3.05-2.95 (m, 6H), 2.95-2.83 (m, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.53-2.37 (m, 2H).
【0291】
(実施例11)
6−(1−フルオロシクロペンチル)−N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(11)
【0292】
【化33】
ステップ1. 5−ブロモ−2−(1−フルオロシクロペンチル)ピリジン(C46)の合成。
三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(899mg、5.58mmol)を、ジクロロメタン(30mL)中の1−(5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンタノール[B.Guoらにより、J.Med.Chem.2013、56、2642〜2650に記載の一般方法を使用して合成することができる](900mg、3.72mmol)の0℃混合物に滴下添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、その後、水(10mL)でクエンチし、ジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し;シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜10%酢酸エチル)により、生成物を黄色の油状物として得た。収量:650mg、2.66mmol、72%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.62-8.59 (m, 1H), 7.82 (dd, J=8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.50 (ddd, J=8.4,
1.5, 0.7 Hz, 1H), 2.35-2.04 (m, 4H), 2.04-1.86 (m, 4H).
【0293】
ステップ2. 2−(1−フルオロシクロペンチル)−5−[(4−メトキシベンジル)スルファニル]ピリジン(C47)の合成。
実施例2でC22を合成するために記載した方法を使用して、C46からC47の変換を実施した。生成物を白色の固体として得た。収量:640mg、2.02mmol、76%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.47-8.44 (m, 1H), 7.58 (dd, ABXパターンの半分,
J=8.3, 2.3 Hz, 1H), 7.47 (ddd, ABXYパターンの半分, J=8.3, 1.4,
0.8 Hz, 1H), 7.19 (br d, J=8.8 Hz, 2H), 6.83 (br d, J=8.8 Hz, 2H), 4.06 (s,
2H), 3.80 (s, 3H), 2.35-2.04 (m, 4H), 2.03-1.85 (m, 4H).
【0294】
ステップ3. 6−(1−フルオロシクロペンチル)ピリジン−3−スルホニルクロリド(C48)の合成。
実施例4でC27からC28を合成するために記載した方法により、C47からC48への変換を行った。この場合、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーに2回かけて(勾配:石油エーテル中0%〜10%酢酸エチル)、生成物を白色の固体として得た。収量:300mg、1.14mmol、56%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.18-9.15 (m, 1H), 8.31 (dd, J=8.5, 2.4 Hz, 1H), 7.90-7.85 (m, 1H),
2.42-2.10 (m, 4H), 2.09-1.92 (m, 4H).
【0295】
ステップ4. 6−(1−フルオロシクロペンチル)−N−(2−メトキシ−7−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(11)の合成。
ピリジン(2mL)中のP3(20mg、96μmol)およびC48(25.4mg、96.3μmol)の混合物を25℃で16時間にわたって撹拌し、その後、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(30mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順に洗浄し、減圧下で濃縮した。分取薄層シリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液:10:1のジクロロメタン/メタノール)により、生成物を白色の固体として得た。収量:21.2mg、48.8μmol、51%。LCMS m/z 435.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 8.77-8.74 (m, 1H), 8.08 (dd, J=8.3, 2.3 Hz, 1H),
7.72-7.68 (m, 1H), 7.62 (s, 1H), 3.57 (s, 3H), 3.18-3.09 (m, 6H), 3.07-3.00 (m,
2H), 2.76 (s, 3H), 2.34-2.02 (m, 4H), 2.02-1.87 (m, 4H).
【0296】
(実施例12)
N−[2−(ジフルオロメトキシ)−7−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル]−4−(プロパン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(12)
【0297】
【化34】
ステップ1. 2−メトキシ−3−ニトロ−7−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C49)の合成。
アセトニトリル(37mL)中のC9(830mg、3.72mmol)、炭酸カリウム(1.54g、11.1mmol)、および1−ブロモプロパン(1.35mL、14.9mmol)の混合物を1.75時間にわたって、50℃に加熱し、この時点で、さらなる1−ブロモプロパン(1.35mL、14.9mmol)を添加した。50℃でのさらなる3時間の後に、反応混合物を冷却し、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との間で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を油状物として得、これを室温で放置すると固化した。収量:930mg、3.50mmol、94%。LCMS m/z 266.3 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 8.04 (s, 1H), 4.09 (s, 3H), 3.19-3.12 (m, 2H),
2.95-2.88 (m, 2H), 2.77-2.65 (m, 4H), 2.54-2.46 (m, 2H), 1.61-1.50 (m, 2H),
0.93 (t, J=7.3 Hz, 3H).
【0298】
ステップ2. 2−メトキシ−7−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−アミン(C50)の合成。
亜鉛粉末(2.29g、35.0mmol)を、C49(930mg、3.50mmol)および酢酸(35mL)の混合物に添加した。反応混合物を2.5時間にわたって、30℃に加熱し、その後、室温に冷却し、珪藻土のパッドを通して濾過した。フィルターパッドをジクロロメタンですすぎ、合わせた濾液を真空中で濃縮し;残渣を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および固体炭酸水素ナトリウムの添加により慎重に塩基性にし、次いで、ジクロロメタン(2×110mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を粘稠性のオレンジ色のゴム状物として得た。収量:830mg、3.5mmol、100%。LCMS m/z 236.3 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 6.80 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.18-3.07 (m, 6H),
2.96-2.89 (m, 4H), 1.79-1.67 (m, 2H), 0.99 (t, J=7.4 Hz, 3H).
【0299】
ステップ3. 4−エトキシ−N−(2−メトキシ−7−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド(C51)の合成。
4−エトキシベンゼンスルホニルクロリド(778mg、3.53mmol)を、ピリジン(15mL)中のC50(830mg、3.5mmol)の室温溶液に添加した。5分後に、反応混合物を真空中で濃縮し、続いて、ヘプタンと共に3回共沸し;残渣を、シリカゲル上での2回のクロマトグラフィー精製に掛けた(溶離液#1:酢酸エチル中15%メタノール;溶離液#2:酢酸エチル中の8%メタノール)。生成物を薄黄色の固体として単離した。収量:441mg、1.05mmol、30%。LCMS m/z 420.4 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.66 (br d, J=8.8 Hz, 2H), 7.49 (s, 1H), 6.86 (br d,
J=9.0 Hz, 2H), 4.04 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.73 (s, 3H), 2.99-2.92 (m, 2H),
2.83-2.76 (m, 2H), 2.64-2.56 (m, 4H), 2.47-2.40 (m, 2H), 1.58-1.46 (m, 2H),
1.41 (t, J=6.9 Hz, 3H), 0.90 (t, J=7.4 Hz, 3H).
【0300】
ステップ4. 3−アミノ−7−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−オール(C52)の合成。
C51(165mg、0.393mmol)および臭化水素水溶液(48%、4mL)の混合物を15分間、100℃に加熱し、その後、室温に冷却した。反応混合物を固体炭酸水素ナトリウムの添加によりゆっくり塩基性にし、次いで、クロロホルムおよびメタノール(2×40mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物(165mg)をゴム状物として得た。
1H NMR分析によると、この物質は、4−エトキシベンゼンスルホニル基を持つ多量の不純物を含有し;これを、さらに精製せずに、次のステップに入れた。LCMSがm/z 222.2 [M+H]
+の主要ピークを示した。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD), 生成物のピークのみ: δ 6.69 (s, 1H), 3.29-3.15 (m, 4H),
3.10-2.96 (m, 4H), 2.93-2.86 (m, 2H), 1.82-1.69 (m, 2H), 0.98 (t, J=7.4 Hz,
3H).
【0301】
ステップ5. N−(2−ヒドロキシ−7−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−(プロパン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(C53)の合成。
4−(プロパン−2−イル)ベンゼンスルホニルクロリド(130μL、0.72mmol)を、ピリジン(1.4mL)中のC52(先行するステップから;165mg、≦0.39mmol)の室温溶液に添加した。15分後に、反応混合物を真空中で濃縮し、ヘプタンと共に共沸した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)とジクロロメタン(25mL)との間で分配し、水層をジクロロメタン(25mL)で抽出し;合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液:80:20:0.2の酢酸エチル/メタノール/0.2%水酸化アンモニウム)により、生成物(100mg)を固体として得、これは、LCMSおよび
1H NMR分析により不純であると判明した。この物質を、さらに精製せずに次のステップに入れた。LCMSは、m/z404.2[M+H]
+を含む主要なピークを示した。
【0302】
ステップ6. N−[2−(ジフルオロメトキシ)−7−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル]−4−(プロパン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(12)の合成。
水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液、13.4mg、0.335mmol;これをヘプタンで2回洗浄し、続いて、使用前に高真空下で乾燥した)を、アセトニトリル(1.9mL)中のC53(先行するステップから;75mg、≦0.19mmol)のスラリーに添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌し、その後、ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸(19.2μL、0.186mmol)を添加した。10分後に、反応を、数滴の水を添加することによりクエンチし;次いで、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンとの間で分配した。有機層を、C53(先行するステップから;25mg、≦62μmol)を使用して実施した同様の反応からの有機層と合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル中20%メタノール)により精製して、生成物を固体として得た。収量:27mg、60μmol、3ステップで15%。LCMS m/z 454.2 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, ベンゼン-d
6) δ 7.73 (s, 1H), 7.65 (br d,
J=8.4 Hz, 2H), 7.02 (t, J
HF=72.9 Hz, 1H), 6.76 (br d, J=8.4 Hz, 2H),
2.78-2.71 (m, 2H), 2.47-2.33 (m, 3H), 2.31-2.18 (m, 4H), 2.17-2.10 (m, 2H),
1.37-1.26 (m, 2H), 0.85 (d, J=6.8 Hz, 6H), 0.80 (t, J=7.3 Hz, 3H).
【0303】
(実施例13)
N−(7−エチル−2−メトキシ−5−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(13)
【0304】
【化35】
ステップ1. 2−(3−ブロモ−6−メトキシピリジン−2−イル)エタノール(C54)の合成。
エタノール(20mL)中の2−(6−メトキシピリジン−2−イル)エタノール(2.10g、13.7mmol)の0℃溶液に、臭素(3.29g、20.6mmol)を添加し;反応混合物を0℃で1.5時間にわたって撹拌し、次いで、室温で終夜撹拌した。1M水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にした後に、混合物を真空中で濃縮してエタノールを除去し、水性残渣を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を黄色の液体として得た。収量:2.8g、12mmol、88%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.69 (d, J=8.7 Hz, 1H), 6.56 (d, J=8.7 Hz, 1H), 4.06 (t, J=5.5 Hz,
2H), 3.91 (s, 3H), 3.08 (t, J=5.5 Hz, 2H).
【0305】
ステップ2. 2−(3−ブロモ−6−メトキシピリジン−2−イル)エチルメタンスルホナート(C55)の合成。
塩化メタンスルホニル(3.33g、29.1mmol)をジクロロメタン(50mL)中のC54(2.8g、12mmol)およびトリエチルアミン(3.66g、36.2mmol)の0℃溶液に添加した。1時間後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、混合物をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を黄色の油状物として得た。収量:3.70g、11.9mmol、99%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.66 (d, J=8.7 Hz, 1H), 6.55 (d, J=8.7 Hz, 1H), 4.72 (t, J=6.8 Hz,
2H), 3.91 (s, 3H), 3.31 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.99 (s, 3H).
【0306】
ステップ3. N−[2−(3−ブロモ−6−メトキシピリジン−2−イル)エチル]プロパ−2−エン−1−アミン(C56)の合成。
アセトニトリル(40mL)中のC55(3.70g、11.9mmol)の溶液に、プロパ−2−エン−1−アミン(9.74g、171mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を真空中で除去した後に、残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質(3.3g)をそのまま、さらに精製せずに、次のステップで使用した。LCMS m/z 270.9(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
【0307】
ステップ4. N−[2−(3−ブロモ−6−メトキシピリジン−2−イル)エチル]−2,2,2−トリフルオロ−N−(プロパ−2−エン−1−イル)アセトアミド(C57)の合成。
トリフルオロ酢酸無水物(3.07g、14.6mmol)を、ジクロロメタン(50mL)中のトリエチルアミン(3.69g、36.5mmol)およびC56(先行するステップから;3.3g、≦11.9mmol)の5℃〜10℃溶液に添加した。反応混合物をこの温度で10分間撹拌し、その後、これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンとの間で分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し;シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%酢酸エチル)により、生成物を淡黄色の油状物として得た。
1H NMRスペクトルの検査から、この物質は、回転異性体の混合物であると考えられた。収量:2.4g、6.5mmol、2ステップで55%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [7.65 (d, J=8.8 Hz)および7.64 (d, J=8.8 Hz), 計1H], [6.54 (d, J=8.5 Hz)および6.52 (d, J=8.5
Hz), 計1H], 5.88-5.67 (m, 1H), 5.30-5.17 (m, 2H), [4.12 (d,
J=5.8 Hz)および3.92 (d, J=5.8 Hz), 計2H], 3.89 (s, 3H), 3.86-3.78 (m, 2H), 3.16 (dd, J=7.5, 7.3 Hz, 2H).
【0308】
ステップ5. 2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メトキシ−5−メチリデン−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル)エタノン(C58)の合成。
N,N−ジメチルアセトアミド(20mL)中のC57(2.4g、6.5mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.29g、3.26mmol)、および酢酸ナトリウム(1.61g、19.6mmol)の混合物を窒素で数分間脱気した。次いで、得られた混合物を140℃で24時間にわたって撹拌し、その後、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜10%酢酸エチル)により精製して、生成物を黄色の油状物として得た。
1H NMRスペクトルの検査から、この物質は、回転異性体の混合物であると推定された。収量:900mg、3.14mmol、48%。LCMS m/z 286.8 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ [7.52 (d, J=8.5 Hz)および7.52
(d, J=8.4 Hz), 計1H], 6.62 (d, J=8.4 Hz, 1H), [5.44-5.41
(m), 5.37 (br s), 5.33 (br s),および5.29 (br s), 計2H], [4.45 (br s)および4.42 (br s), 計2H], 3.95-3.88 (m, 5H), 3.24-3.17 (m, 2H).
【0309】
ステップ6. 2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メトキシ−5−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル)エタノン(C59)の合成。
湿った炭素上のパラジウム(10%、35mg)を、メタノール(20mL)中のC58(350mg、1.22mmol)の溶液に添加し;混合物を、排気、続く、水素でのパージからなる複数回のサイクルに掛けた。次いで、反応混合物を水素(15psi)下、室温で1時間にわたって撹拌し、その後、濾過し、濾液を真空中で濃縮して、生成物を無色の油状物として得た。
1H NMRスペクトルの検査から、この物質は、回転異性体の混合物であると推定された。収量:330mg、1.14mmol、93%。LCMS m/z 288.9 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ [7.39 (d, J=8.3 Hz)および7.38
(d, J=8.4 Hz), 計1H], [6.60 (d, J=8.5 Hz)および6.58 (d, J=8.3 Hz), 計1H], 4.14-3.79 (m, 2H),
[3.92 (s)および3.91 (s), 計3H],
3.66-3.38 (m, 2H), 3.33-3.21 (m, 1H), 3.18-3.05 (m, 2H), [1.33 (d, J=7.3 Hz)および1.30 (d, J=7.3 Hz), 計3H].
【0310】
ステップ7. 1−(3−ブロモ−2−メトキシ−5−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(C60)の合成。
メタノール(20mL)およびリン酸水素二ナトリウム緩衝液(100mL)の混合物中のC59(330mg、1.14mmol)の溶液に、臭素(274mg、1.71mmol)を添加し;反応混合物を室温で2時間にわたって撹拌し、その後、真空中で濃縮して、メタノールを除去した。水性残渣を酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を黄色の固体として得た。
1H NMRスペクトルの検査から、この物質は回転異性体の混合物であると推定された。収量:370mg、1.01mmol、89%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.60 (s, 1H), 4.19-3.79 (m, 2H), [3.99 (s)および3.98 (s), 計3H], 3.67-3.35 (m, 2H), 3.29-3.18
(m, 1H), 3.17-3.03 (m, 2H), [1.34 (d, J=7.0 Hz)および1.30
(d, J=7.3 Hz), 計3H].
【0311】
ステップ8. N−(2−メトキシ−5−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(C61)の合成。
2−メチルブタン−2−オール(5mL)中のC60(50mg、0.14mmol)、4−メチルベンゼンスルホンアミド(32.6mg、0.190mmol)、および炭酸セシウム(222mg、0.681mmol)の混合物を、窒素で数分間脱気した。酢酸パラジウム(II)(1.63mg、7.26μmol)および5−(ジ−tert−ブチルホスファニル)−1’,3’,5’−トリフェニル−1’H−1,4’−ビピラゾール(BippyPhos;8.28mg、16.3μmol)を添加し、反応混合物を120℃で終夜撹拌した。次いで、これを濾過し、真空中で濃縮し;分取薄層シリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液:10:1のジクロロメタン/メタノール)により生成物を黄色の固体として得た。収量:32mg、89μmol、64%。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD), 特徴的ピーク: δ 7.66-7.6 (m, 3H), 7.29 (br d, J=8 Hz,
2H), 3.69 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 1.42 (d, J=7.3 Hz, 3H).
【0312】
ステップ9. N−(7−エチル−2−メトキシ−5−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(13)の合成。
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(55.6mg、0.885mmol)を、エタノール(3mL)中のC61(32mg、89μmol)およびアセトアルデヒド(エタノール中60%溶液;65mg、0.89mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を真空中で除去した後に、残渣を水と酢酸エチルとの間で分配し;有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。精製をシリカゲル上での分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:10:1のジクロロメタン/メタノール)、続いて、逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、8μm;移動相A:アンモニア水溶液、pH10;移動相B:アセトニトリル;勾配:26%〜46%B)により行った。生成物を灰色の固体として単離した。収量:9.9mg、25μmol、28%。LCMS m/z 390.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 7.59 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.28 (br d,
J=8.0 Hz, 2H), 3.64 (s, 3H), 3.17-2.83 (m, 5H), 2.68-2.57 (m, 2H), 2.38 (s,
3H), 2.37-2.19 (m, 2H), 1.32 (d, J=7.3 Hz, 3H), 1.13 (t, J=7.1 Hz, 3H).
【0313】
(実施例14)
4−エトキシ−N−[7−エチル−2−(プロパン−2−イルオキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル]ベンゼンスルホンアミド(14)
【0314】
【化36】
ステップ1. 2,2,2−トリフルオロ−1−(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル)エタノン(C62)の合成。
酢酸中の臭化水素(33質量百分率;12mL)および水(3mL)を、C8(1.20g、3.76mmol)に添加し、得られた溶液を室温で10分間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および固体炭酸水素ナトリウムの添加により中和し、次いで、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した;シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:酢酸エチル中0%〜5%メタノール)により、生成物を黄色の固体として得た。
1H NMRスペクトルの検査から、この物質は、回転異性体の混合物であると推定された。収量:485mg、1.59mmol、42%。LCMS m/z 306.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 13.75-12.70 (v br s, 1H), [8.36 (s)および8.34 (s), 計1H], 3.96-3.72 (m, 4H), 3.25-3.15
(m, 2H), 3.00-2.90 (m, 2H).
【0315】
ステップ2. 2,2,2−トリフルオロ−1−[3−ニトロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル]エタノン(C63)の合成。
アセトン(2.6mL)中のC62(100mg、0.328mmol)、炭酸銀(109mg、0.395mmol)、および2−ヨードプロパン(279mg、1.64mmol)の混合物を室温で終夜撹拌し、その後、酢酸エチル(80mL)で希釈し、珪藻土のパッドを通して濾過した。濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物をゴム状物として得た。
1H NMRスペクトルの検査から、この物質は、回転異性体の混合物であると推定された。収量:110mg、0.317mmol、97%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [8.04 (s)および8.02 (s), 計1H], 5.56-5.42 (m, 1H), 3.86-3.70 (m, 4H), 3.23-3.12 (m, 2H),
3.01-2.91 (m, 2H), [1.38 (d J=6.2 Hz)および1.37 (d, J=6.2
Hz), 計6H].
【0316】
ステップ3. 3−ニトロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C64)の合成。
メタノール(3mL)および水(0.6mL)中のC63(110mg、0.317mmol)および炭酸カリウム(101mg、0.731mmol)の混合物を15分間、60℃に加熱した。次いで、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)とジクロロメタンとの間で分配し;水層をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を茶色のゴム状物として得た。収量:61mg、0.24mmol、76%。LCMS m/z 252.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 8.05 (s, 1H), 5.51 (七重線,
J=6.2 Hz, 1H), 3.18-3.11 (m, 2H), 3.04-2.91 (m, 6H), 1.36 (d, J=6.2 Hz, 6H).
【0317】
ステップ4. 7−エチル−3−ニトロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C65)の合成。
アセトニトリル(2.4mL)中のC64(61mg、0.24mmol)の溶液に、炭酸カリウム(101mg、0.731mmol)を、続いて、ヨードエタン(97.9μL、1.22mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)と酢酸エチル(50mL)との間で分配し、水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し;シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル中25%メタノール)により、生成物を無色のゴム状物として得た。収量:50mg、0.18mmol、75%。LCMS m/z 280.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 7.98 (s, 1H), 5.51 (七重線, J=6
Hz, 1H), 3.20-3.11 (m, 2H), 2.97-2.89 (m, 2H), 2.76-2.68 (m, 4H), 2.65 (q,
J=7.1 Hz, 2H), 1.39 (d, J=6.2 Hz, 6H), 1.14 (t, J=7.1 Hz, 3H).
【0318】
ステップ5. 7−エチル−2−(プロパン−2−イルオキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−アミン(C66)の合成。
水素化ボンベに炭素上のパラジウム(10%、50mg)を装入し;触媒を、メタノールを滴下添加することにより湿らせ、メタノール(10mL)中のC65(50mg、0.18mmol)の溶液を触媒にゆっくりと添加した。次いで、反応容器を密閉し、排気し、窒素を充填し、再び排気し、水素を装入した。水素化反応を室温で水素50psi下で2時間にわたって、実施した。反応混合物を、珪藻土のパッドを通して濾過した後に、パッドをメタノールですすぎ、合わせた濾液を真空中で濃縮して、生成物をゴム状物として得た。収量:36mg、0.14mmol、78%。LCMS m/z 250.2 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 6.78 (s, 1H), 5.27 (七重線, J=6
Hz, 1H), 2.99-2.90 (m, 2H), 2.81-2.73 (m, 2H), 2.72-2.63 (m, 4H), 2.62 (q,
J=7.1 Hz, 2H), 1.31 (d, J=6.1 Hz, 6H), 1.14 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0319】
ステップ6. 4−エトキシ−N−[7−エチル−2−(プロパン−2−イルオキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル]ベンゼンスルホンアミド(14)の合成。
ピリジン(0.5mL)中のC66(11mg、44μmol)の溶液を、4−エトキシベンゼンスルホニルクロリド(10.2mg、46.2μmol)で処理した。1時間にわたって撹拌した後に、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)と酢酸エチル(15mL)との間で分配し;有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。精製を、逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18、5μm;移動相A:水中0.03%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル中0.03%水酸化アンモニウム;勾配:5%〜100%B)により実施した。収量:10.9mg、25.1μmol、57%。LCMS m/z 434.3 [M+H]
+.
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6)
δ 9.25-9.13 (br s, 1H), 7.62 (br d, J=8.9 Hz, 2H), 7.34
(s, 1H), 7.01 (br d, J=8.9 Hz, 2H), 5.00 (七重線, J=6.1
Hz, 1H), 4.08 (q, J=7.0 Hz, 2H), 2.90-2.81 (br s, 2H), 2.77-2.69 (br s, 2H),
2.6-2.4 (m, 6H, 推定; 溶媒ピークにより不明確),
1.32 (t, J=7.0 Hz, 3H), 1.04 (d, J=6.1 Hz, 6H), 1.04-0.98 (br m, 3H).
【0320】
(実施例137)
4−エトキシ−N−(7−エチル−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド、トリフルオロ酢酸塩(137)
【0321】
【化37】
ステップ1. 1−(2−ブロモ−3−ニトロ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(C67)の合成。
トルエン(30mL)中のC62(527mg、1.73mmol)、五酸化リン(613mg、4.32mmol)、およびテトラブチルアンモニウムブロミド(741mg、2.30mmol)の混合物を110℃に加熱した。30分後に、反応混合物を室温に冷却し;黄色の上清を廃棄し(暗茶色の物質が反応フラスコ内に残留した)、真空中で濃縮した。得られた物質をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中25%酢酸エチル)により精製して、生成物を無色のゴム状物として得た。
1H NMR分析によると、これは、回転異性体の混合物からなった。収量:300mg、0.815mmol、47%。LCMS m/z 368.0 (臭素同位体のパターンが認められた) [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [7.99
(s)および7.96 (s), 計1H], 3.89-3.82
(m, 2H), 3.82-3.76 (m, 2H), 3.36-3.28 (m, 2H), 3.11-3.01 (m, 2H).
【0322】
ステップ2. 2−ブロモ−3−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C68)の合成。
メタノール(9mL)および水(1.8mL)中の炭酸カリウム(260mg、1.88mmol)およびC67(300mg、0.815mmol)の混合物を15分間、60℃に加熱し、その後、反応混合物を室温に冷却した。飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで2回抽出し;合わせた有機層(100mL)を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を茶色のゴム状物(230mg)として得た。この物質をそのまま、次のステップで使用した。LCMS m/z 272.0(臭素同位体パターンが観察された) [M+H]
+。
【0323】
ステップ3. 2−ブロモ−7−エチル−3−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C69)の合成。
アセトニトリル(8.4mL)中のC68(先行するステップから;230mg、≦0.815mmol)の溶液を炭酸カリウム(350mg、2.53mmol)で、続いて、ヨードエタン(204μL、2.55mmol)で処理した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル中25%メタノール)に掛けて、生成物を粘稠性のオレンジ色の油状物として得た。収量:128mg、0.426mmol、2ステップで52%。LCMS m/z 300.0 (臭素同位体のパターンが認められた) [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.88
(s, 1H), 3.27-3.20 (m, 2H), 3.00-2.93 (m, 2H), 2.73-2.66 (m, 4H), 2.59 (q,
J=7.2 Hz, 2H), 1.09 (t, J=7.0 Hz, 3H).
【0324】
ステップ4. 7−エチル−2−メチル−3−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(C70)の合成。
1,4−ジオキサン(2mL)および水(2mL)中のC69(128mg、0.426mmol)、炭酸カリウム(177mg、1.28mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、(30.3mg、26.2μmol)およびトリメチルボロキシン(64mg、0.51mmol)の混合物を、5分間、それに窒素を吹き込むことにより脱気した。反応混合物を5時間にわたって、加熱還流し、室温に冷却し、酢酸エチルおよび水で希釈し;得られたスラリーを、珪藻土のパッドを通して濾過した。フィルターパッドを追加の水および酢酸エチルですすぎ、合わせた濾液の有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル中25%メタノール)により精製して、生成物を黄色のゴム状物として得た。収量:40mg、0.17mmol、40%。LCMS m/z 236.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ 8.00 (s, 1H), 3.25-3.19 (m, 2H), 3.00-2.94 (m, 2H),
2.79 (s, 3H), 2.73-2.66 (m, 4H), 2.60 (q, J=7.1 Hz, 2H), 1.10 (t, J=7.1 Hz,
3H).
【0325】
ステップ5. 7−エチル−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−アミン(C71)の合成。
炭素上のパラジウム(10%、40mg)を、メタノールを滴下添加することにより湿らせ、メタノール(10mL)中のC70(40mg、0.17mmol)の溶液を、触媒にゆっくりと添加した。次いで、反応容器を排気し、窒素を充填した。水素化を室温で2時間にわたって、50psiで実施し、その後、反応混合物を、珪藻土のパッドを通して濾過した。フィルターパッドをメタノールですすぎ、合わせた濾液を真空中で濃縮して、生成物をゴム状物として得た。収量:35mg、0.17mmol、100%。LCMS m/z 206.1 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)
δ 6.89 (s, 1H), 3.11-3.04 (m, 2H), 2.94-2.86 (m, 6H),
2.82 (q, J=7.2 Hz, 2H), 2.31 (s, 3H), 1.21 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0326】
ステップ6. 4−エトキシ−N−(7−エチル−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド、トリフルオロ酢酸塩(137)の合成。
4−エトキシベンゼンスルホニルクロリド(12.6mg、57.1μmol)を、ピリジン(0.5mL)中のC71(11mg、54μmol)の溶液に添加した。反応混合物を1時間にわたって、室温で撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)と酢酸エチル(15mL)との間で分配した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した;逆相HPLC(カラム:Waters Sunfire C18、5μm;移動相A:水中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);勾配:5%〜40%B)により精製して、生成物を得た。収量:15.8mg、40.6μmol、75%。LCMS m/z 390.2 [M+H]
+.
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6),
特徴的ピーク: δ 9.62 (br s, 1H),
9.6-9.5 (v br s, 1H), 7.58 (br d, J=8.8 Hz, 2H), 7.29 (s, 1H), 7.05 (br d,
J=8.9 Hz, 2H), 4.10 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.67-3.56 (m, 2H), 2.07 (s, 3H), 1.34
(t, J=7.0 Hz, 3H), 1.24 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0327】
【表6-1】
【0328】
【表6-2】
【0329】
【表6-3】
【0330】
【表6-4】
【0331】
【表7-1】
【0332】
【表7-2】
【0333】
【表7-3】
【0334】
【表7-4】
【0335】
【表7-5】
【0336】
【表7-6】
【0337】
【表7-7】
【0338】
【表7-8】
【0339】
【表7-9】
【0340】
【表7-10】
【0341】
【表7-11】
【0342】
【表7-12】
【0343】
【表7-13】
【0344】
【表7-14】
【0345】
【表7-15】
【0346】
【表7-16】
【0347】
【表7-17】
【0348】
【表7-18】
【0349】
【表7-19】
【0350】
【表7-20】
【0351】
【表7-21】
【0352】
【表7-22】
【0353】
【表7-23】
【0354】
【表7-24】
【0355】
【表7-25】
【0356】
【表7-26】
【0357】
【表7-27】
【0358】
【表7-28】
【0359】
ヒトD2受容体およびヒトD3受容体結合アッセイ:
[
3H]−スピペロンを用いるヒトドーパミンD2受容体(hD2R)を、または[
3H]−7−OH−DPATを利用するヒトドーパミンD3受容体(hD3R)を発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞を使用する飽和結合試験を行って、K
d値を決定した。hD2でのK
dは、1.61nMであり、hD3では1.37nMである。細胞ホモジネートの最適量は、2nMの[
3H]−スピペロンまたは1.5nMの[
3H]−7−OH−DPATを含む96ウェルプレート当たり、hD2では4mg/mLおよびhD3では7mg/mLであると決定された。結合の直線性および平衡状態を決定するための時間経過試験において、これらの決定されたリガンドおよび組織濃度を利用した。結合は、両方の受容体で、37℃で20分で指定量の組織と平衡にあった。hD2Rアッセイ緩衝液は、50mMトリス(37℃でpH7.4)、100mM NaClおよび1mM MgCl
2を含有する。hD3Rアッセイ緩衝液は、50mMトリス(37℃でpH7.4)、120mM NaCl、5mM MgCl
2、5mM KClおよび2mM CaCl
2からなる。それぞれの細胞ホモジネート200μLを、250μLの最終体積で被験薬2.5μL(1/2対数希釈を使用して10の濃度)および
3H−放射性リガンド50μLを含有する96ウェルプレートを添加することにより、競合結合実験を開始した。非特異的結合を、飽和濃度のハルドル(10μM)の存在下で、放射性リガンド結合により決定した。37℃で20分間のインキュベーションの後に、アッセイサンプルを、Unifilter−96GF/B PEIコーティングされたフィルタープレートを通して急速濾過し、氷冷50mMトリス緩衝液(40℃でpH7.4)ですすいだ。膜結合[
3H]−スピペロンまたは[
3H]−7−OH−DPATレベルを、50μL Ecolume内でのフィルタープレートの液体シンチレーションカウントにより決定した。IC
50値(特異的結合の50%阻害が起こる濃度)を、ActivityBaseで濃度−応答データの線形回帰により計算した。次いで、K
i値をCheng−Prusoff式により計算した:
【0360】
【数1】
[式中、[L]=遊離放射性リガンドの濃度、K
d=D3受容体またはD2受容体での放射性リガンドの解離定数]。
【0361】
【表8-1】
【0362】
【表8-2】
【0363】
【表8-3】
【0364】
【表8-4】
【0365】
【表8-5】
【0366】
【表8-6】
【0367】
【表8-7】
【0368】
【表8-8】
【0369】
【表8-9】
【0370】
【表8-10】
【0371】
【表8-11】
【0372】
【表8-12】
【0373】
【表8-13】
【0374】
【表8-14】
【0375】
【表8-15】
【0376】
【表8-16】
【0377】
【表8-17】
【0378】
本明細書に記載の形態に加えて、本発明の様々な変更形態が、上述の記載から当業者には明らかであろう。そのような変更形態も、添付の特許請求の範囲内に該当することが意図されている。本出願において引用した各参照文献(すべての特許、特許出願、雑誌論文、書籍、および任意の他の刊行物を含む)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。