(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6929908
(24)【登録日】2021年8月13日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】積雪量分布推定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01W 1/00 20060101AFI20210823BHJP
【FI】
G01W1/00 C
G01W1/00 J
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-165381(P2019-165381)
(22)【出願日】2019年9月11日
(65)【公開番号】特開2021-43066(P2021-43066A)
(43)【公開日】2021年3月18日
【審査請求日】2020年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 文彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 哲也
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 淳史
【審査官】
後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2015−0066315(KR,A)
【文献】
特開2008−122133(JP,A)
【文献】
特開2019−219236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01W 1/00−1/18
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域の上空に二重偏波レーダ波を送出し、その反射波を受信して気象レーダデータを出力する気象レーダと、
前記気象レーダからの気象レーダデータを入力し、この気象レーダデータから三次元ボリュームの観測データを生成し、この観測データからメッシュ単位で前記対象領域の上空の降水粒子を判別すると共に雨量・降雪強度を解析するデータ解析装置と、
前記対象領域の地上に分散して埋設された複数の積雪観測センサで得られる1次元積雪観測データと前記データ解析装置で得られる上空の降水粒子判別結果とを照合し、前記積雪観測センサの真上のメッシュデータである降水粒子判別結果を実観測結果に補正する補正部と、
前記補正が行われた実観測結果と前記雨量・降雪強度の解析結果に基づいて前記対象領域の地上積雪量分布を推定する推定部とを具備する積雪量分布推定装置。
【請求項2】
前記補正部は、前記降水粒子判別結果のうち、最も地上に近いメッシュデータを抽出して、その降水粒子判別結果を前記積雪観測センサから得られる実観測結果と照合し、前記積雪観測センサの直上のメッシュデータを実観測結果に補正し、補正された直上のメッシュデータから判別結果の補正処理を面的に拡張する請求項1記載の積雪量分布推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記メッシュ単位で解析された雨量強度から、各々のメッシュに対応する地上平面上メッシュにおける積雪量を
積雪量=α×β×雨量強度(もしくは降雪強度)
ここで、α:前記積雪観測センサから得られた積雪量の単位時間当たりの増加分と前記雨量強度との関係を示す変換係数、βは前記降水粒子判別結果による変換係数の演算によって推定する請求項1記載の積雪量分布推定装置。
【請求項4】
対象領域の上空に二重偏波レーダ波を送出してその反射波を受信して気象レーダデータを取得し、
前記気象レーダデータから三次元ボリュームの観測データを生成し、この観測データからメッシュ単位で前記対象領域の上空の降水粒子を判別すると共に雨量・降雪強度をデータ解析し、
前記対象領域の地上に分散して埋設された複数の積雪観測センサで得られる1次元積雪観測データと前記データ解析で得られる上空の降水粒子判別結果とを照合し、前記積雪観測センサの真上のメッシュデータである降水粒子判別結果を実観測結果に補正し、
前記補正が行われた実観測結果と前記雨量・降雪強度の解析結果に基づいて前記対象領域の地上積雪量分布を推定する積雪量分布推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、積雪量分布推定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空港における気象観測では、単偏波型の気象レーダが用いられてきたが、単偏波型では観測したレーダ情報から降水粒子の判別を行うことができず、特に重要な滑走路上空の粒子が雨なのか雪なのかを判別することができなかった。その後、二重偏波型の気象レーダが登場し、観測で得られる偏波パラメータを用いて降水粒子の判別を行う技術によって、レーダで観測された降水粒子が雨なのか雪なのか、などの情報が得られるようになった。
【0003】
上記二重偏波型の気象レーダでは、降水粒子の判別精度を向上させる方法として、一般に、雲内を直接観測して得られる降水粒子の種類とレーダで観測して得られる偏波パラメータから判別される降水粒子の種類とを照合してレーダから降水粒子を判別するための処理パラメータを調整する方法がとられている。ただし、この方法は、限られた事例での検証であるため、時々刻々と変化し、豊かな地域性をもつ気象現象、特に降雪現象に対して、常に最適な処理パラメータを適用し、精度の高い判別結果を得ることは難しい。
【0004】
一方、降雪量、または積雪量という点に注目すると、従来の気象観測では、ある特定地点(例えばアメダス地点など)での情報が空間的に疎な情報としてだけ提供されている。また、滑走路においては、設置点直上の雪質(乾いた雪、湿った雪など)や積雪量を光学的手法によって観測して、1次元(点)で精度の高い情報が取得できる「埋没型滑走路雪氷モニタリングセンサ」が提供されている。
【0005】
しかしながら、上記の手法では、ある地点での降雪・積雪情報が精度よく得られたとしても、ある範囲の平面的な降雪・積雪情報(以下、面的情報)を得るためには多地点の観測と解析処理が必要となる。例えば滑走路の場合、ある地点での積雪量の把握だけでなく、平面的な積雪量の分布を示す面的情報が、滑走路の整備や航空機の安全な離着陸に大変重要な情報となるが、上記の点観測による手法では、その面的情報を取得することが困難である。
【0006】
このような面的情報を取得できることが気象レーダの利点であるが、レーダ情報で得られる降水粒子判別の結果や雨量強度(ないし降雪強度)は、地面から一定の上空での情報であるため、地上で観測される状況とは異なる場合が多くある。したがって、気象レーダで得られた上空の面的な気象情報から地上の特定領域における積雪量分布を推定することは精度の点で問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016−170069号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】埋没型滑走路雪氷モニタリングセンサ:http://www.jwing.net/news/8761
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のように、気象レーダで得られた上空の面的な気象情報から地上の特定領域における積雪量分布を推定することは精度の点で問題があった。
【0010】
この実施形態の課題は、地上の特定領域における積雪量の面的分布を高精度に推定することができる積雪量分布推定装置および手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態に係る積雪量分布推定装置によれば、対象領域の上空に二重偏波レーダ波を送出し、その反射波を受信して気象レーダデータを出力する気象レーダと、前記気象レーダからの気象レーダデータを入力し、この気象レーダデータから三次元ボリュームの観測データを生成し、この観測データからメッシュ単位で前記対象領域の上空の降水粒子を判別すると共に雨量・降雪強度を解析するデータ解析装置と、前記対象領域の地上に分散して埋設された
複数の積雪観測センサで得られる1次元積雪観測データと前記データ解析装置で得られる上空の降水粒子判別結果とを照合し、前記積雪観測センサの真上のメッシュデータである降水粒子判別結果を実観測結果に補正する補正部と、前記補正が行われた
実観測結果と前記雨量・降雪強度の解析結果に基づいて前記対象領域の地上積雪量分布を推定する
推定部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係る積雪量分布推定装置を用いた気象観測システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す気象観測システムに用いられる気象レーダデータ解析装置の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す実施形態に係る積雪量分布推定装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す気象観測システムの使用環境を示す概念図である。
【
図5】
図5は、
図3に示す積雪量分布推定装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、実施形態について説明する。
図1は滑走路上の降雪・積雪を含む気象を観測する気象観測システムの構成を示すブロック図である。このシステムは、気象レーダ11と、データ解析装置12と、本実施形態に係る積雪量分布推定装置13と、路上積雪観測装置14とから成る。気象レーダ11は、滑走路の上空に二重偏波レーダ波を送出し、その反射波を受信して気象レーダデータを出力する。データ解析装置12は、気象レーダ11からの気象レーダデータを入力し、この気象レーダデータから滑走路上空の気象状況をメッシュ単位で解析し、その気象解析データを積雪量分布推定装置13に出力する。路上積雪観測装置14は、例えば特許文献1及び非特許文献1に示される埋没型滑走路雪氷モニタリングセンサ(以下、積雪観測センサ)を用いて、複数の積雪観測センサ141〜14Nをそれぞれ滑走路上の複数点に埋め込み、それぞれの設置点で積雪を観測して1次元積雪観測データを取得する。路上積雪観測装置14の各積雪観測センサから出力される1次元積雪観測データは、積雪量分布推定装置13に入力される。積雪量分布推定装置13はデータ解析装置12からの気象解析データ及び路上積雪観測装置14からの複数地点における1次元積雪観測データを入力し、気象解析データ及び1次元積雪観測データとを組み合わせることにより、滑走路に広がる積雪量の分布を推定し、その推定データをユーザに提供する。
【0014】
図2は上記気象レーダ11及びデータ解析装置12の具体的な構成の一例を示すフロック図である。
【0015】
図2おいて、気象レーダ11は、二重偏波アンテナ部111とレーダ信号処理部112とを備える。二重偏波アンテナ部111は互いに直交する二重偏波でレーダ波を送信し、その反射波を受信する。レーダ信号処理部112は、二重偏波アンテナ部111の受信されたレーダ反射波から不要波成分(構造物からの反射波成分等)を除去して気象レーダデータを取得する。このレーダデータは、2次元の極座標系観測データであり、例えばPPI(plan position indication)観測を行った場合は、仰角ごとにレーダデータが取得される。
【0016】
また、上記データ解析装置12は、通信インターフェース部(以下、通信I/F部)121と、RAWデータ処理部122と、RAWデータ格納部123と、レーダデータ解析演算部124と、解析データ格納部125とを備える。
【0017】
上記通信I/F部121は、気象レーダ11の信号処理部112から出力される気象レーダデータを入力するインターフェースである。入力した気象レーダデータはRAWデータ処理部122に送られる。このRAWデータ処理部122は、気象レーダデータに対し、例えば降雨減衰補正処理等を行い、RAWデータとして出力する。このRAWデータはRAWデータ格納部123に送られ、内部の記録媒体に格納される。
【0018】
上記レーダデータ解析演算部124は、RAWデータ格納部123から最新の1周期分のRAWデータを取り込んでメッシュ単位で降水粒子判別、雨量強度等を解析し、数値化する。レーダデータ解析演算部124で得られた解析データは解析データ格納部125に送られ、内部の記録媒体に格納される。
【0019】
すなわち、上記構成において、RAWデータ格納部123に1周期分の3次元観測データ(複数の2次元極座標系データ)が格納されると、レーダデータ解析部124が起動し、レーダデータ解析を実行する。解析結果は、解析データ格納部125に格納される。レーダデータ解析演算部124には、例えば、数値気象予測モデルの出力結果や地上気象観測データ、リモートセンシング気象測器データやSNS(Social Networking Service)などに投稿される気象情報が入力されてもよい。
【0020】
図3は、本実施形態に係る積雪量分布推定装置13の構成を示すブロック図である。データ解析装置12において解析データ格納部125に格納された解析データのうち、降水粒子判別結果は、粒子判別結果補正部131に入力され、雨量強度解析結果は積雪量推定部132に入力される。また、路上積雪観測装置14で得られた1次元積雪観測データは上記粒子判定結果補正部131及び上記積雪量推定部132に入力される。
【0021】
上記粒子判定結果補正部131は、1次元積雪観測データに基づいて降水粒子判別結果を補正して積雪量推定部132に出力する。上記積雪量推定部132は、補正された降水粒子判別結果と雨量強度解析結果と1次元積雪観測データとに基づいて滑走路上の積雪量分布を推定し、積雪情報としてユーザに提供する。
【0022】
上記構成において、
図4及び
図5を参照して本実施形態の具体的な運用を説明する。
図4は、本実施形態に係る気象観測システムが適用される様子を示す概念図である。
図4において、滑走路の近方に気象レーダ11が配置され、気象レーダ11の観測域は滑走路上空に設定される。また、滑走路には、所定の距離間隔で、センターラインとその両側の3か所に積雪観測センサ141〜14Nが埋め込まれている。路上積雪観測装置14は、センサ141〜14Nから出力される個々の1次元積雪観測データを周期的にとりまとめて上記積雪量分布推定装置13の粒子判別結果補正部131、雨量強度解析結果は積雪量推定部132に送られる。
【0023】
ここで、従来の滑走路における降雪量または積雪量の気象観測では、前述した「埋没型滑走路雪氷モニタリングセンサ」(上記積雪観測センサ141〜14Nに適用)により、設置点直上の雪質や積雪量を光学的手法によって観測して1次元で精度の高い情報を取得している。ただし、この手法では、ある特定地点での情報が空間的に疎な情報として取得されるものであり、ある範囲の平面的な降雪・積雪情報(以下、面的情報)を得るためには多地点の観測と解析処理が必要となる。一方、面的情報を取得できることが気象レーダの利点であるが、レーダ情報で得られる粒子判別の結果や雨量強度(ないし降雪強度)は、地面から一定の上空での情報であるため、地上で観測される状況とは異なる場合が多くある。そこで、本実施形態では、気象レーダで得られた面的情報をそのまま地上の情報として扱うのではなく、路上積雪観測装置14で得られる滑走路上に分散配置されるセンサ141〜14Nからの1次元積雪観測データに基づいてレーダ観測結果を補正するようにしている。
【0024】
図5は、上記気象観測システムの積雪量推定装置13における推定処理の流れを示すフローチャートである。
図5において、推定処理の開始要求を受けると(ステップS11)、降水粒子判別結果、雨量強度(降雪強度)解析結果を入力する(ステップS12,S13)。ステップS12で降水粒子判別結果が入力された場合には、レーダ観測データの解析時刻と同時刻の滑走路上のセンサ情報(積雪観測センサ141〜14Nからの1次元積雪観測データ)の入力を待機する(ステップS14)。センサ情報を取得できた場合には、降水粒子判別結果をセンサ情報に基づいて補正する(ステップS15)。続いて、ステップS15の粒子判別補正結果とステップS13の雨量強度解析結果からレーダ観測メッシュ当たりの積雪量を推定し(ステップS16)、積雪量分布データを作成して出力し(ステップS17)、次周期の処理に移行する。
【0025】
ここで、上記降水粒子判別には、例えば、予め設定されたメンバーシップ関数からファジー理論を用いて降水粒子の判別を行う手法が利用可能である。降水粒子判別では、地上観測データや高層観測データ、もしくはモデルデータから得られる気温や湿度の情報を与える。この気温や湿度の情報は、観測メッシュに対して一様に与えてもよいし、全てのメッシュに異なる値を与えてもよい。降水粒子判別では、例えば、霰/雹/氷晶/乾雪/湿雪/雨/非降水エコーを判別し、メッシュ毎に分類される。
【0026】
また、上記雨量強度(降雪強度)解析では、レーダデータのメッシュについて、
R [mm/h] = a×Z
b
を用いて雨量強度Rを算出する。例えば、乾雪/湿雪と判別されたメッシュについては、降雪強度を算出してもよい。ここで、Zはレーダ反射因子[mm
6m
-3]である。a及びbのパラメータは、予め設定された値をそのまま用いてもよいし、例えばパラメータ最適化により動的に変動させてもよい。例えば、パラメータの値は観測範囲内に一様に適用してもよいし、メッシュ毎に異なる値を与えてもよい。
【0027】
上記推定装置13において、上記ステップS15の降水粒子判別結果の補正では、3次元の解析データ(粒子判別結果)のうち、最も地上に近いメッシュデータを抽出して、その降水粒子判別結果を補正する。補正は、例えば滑走路上に設置されたセンサから得られる実観測結果(乾いた雪、湿った雪)とレーダで得られた粒子判別結果を照合し、まずセンサ直上のメッシュを実観測結果に補正する。その後、補正された直上メッシュから、内挿や外挿などの手法を用いて判別結果の補正処理を面的に拡張する。補正を行うレーダデータの範囲は、例えば積雪分布を求めたい平面上に対応するメッシュだけで行ってもよい。このようにして補正対象の全てのメッシュで補正が完了したら、次のステップへ進む。
【0028】
次に、ステップS16の積雪量の推定では、メッシュごとに解析された雨量強度(もしくは降雪強度)から、各々のメッシュに対応する地上平面上メッシュにおける積雪量を推定する。積雪量は、例えば次式のように算出する。
積雪量=α×β×雨量強度(もしくは降雪強度)
ここで、αは、地上のセンサ141〜14Nから得られた積雪量の単位時間当たりの増加分と気象レーダ11及びデータ解析装置12で得られた雨量強度との関係を示す変換係数である。この変換係数は、まず地上センサ直上のレーダ観測メッシュにおいて求められ、これを平均化、内挿、外挿などの手法を用いて、積雪量分布を求めるために必要なレーダ観測メッシュ全てで係数を求める。βは降水粒子判別結果による変換係数である。湿った雪や乾いた雪で係数を変えることで「雪質による積りやすさ」を表現できる。また、粒子判別結果が雨の場合、同係数を「0」にすることで積雪量の増減無しを表現でき、また、同係数をマイナスとすれば、積雪量の減少も表現可能である。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る積雪量分布推定装置を用いた気象観測システムは、二重偏波型の気象レーダ11から得られる2次元平面的に観測されたデータを用いているので、時空間的に連続した積雪量の分布や時間変化を高頻度かつ高確度に推定することが可能となる。滑走路上など、ある地点での積雪観測しか実施できないような場所においても、このような手法を用いることで、平面的な積雪量を精度良く推定することが可能となる。より具体的には、
図4に示すように、気象レーダ11と滑走路上の埋没型センサ141〜14Nを融合したシステムを構築することで、航空管制や滑走路の整備などに非常に有益な情報を提供することが可能である。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0031】
11…気象レーダ、111…二重偏波アンテナ部、112…レーダ信号処理部、
12…データ解析装置、121…通信インターフェース部、122…RAWデータ処理部、123…RAWデータ格納部、124…レーダデータ解析演算部、125…解析データ格納部、
13…積雪量分布推定装置、131…粒子判別結果補正部、132…積雪量推定部、
14…路上積雪観測装置、141〜14N…積雪観測センサ。