(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例の以下の説明文は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明より、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載された技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0010】
本明細書に記載された教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものを、本明細書に記載された他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載された教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0011】
本開示の明瞭さのために、「近位」、「遠位」、「上」、「下」という用語は、本明細書では、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して定義される。用語「近位」とは、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。用語「遠位」とは、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。このように、「近位」、「遠位」、「上」、「下」は相対位置を表わすもので、本明細書に記載されている発明を不必要に限定することを意図したものではない。
【0012】
I.例示的な超音波外科用器具
図1は、例示的な超音波外科用器具(10)を示す。器具(10)の少なくとも一部は、本明細書で引用する種々の特許、特許出願公開、及び特許出願の内のいずれかの教示の少なくともいくつかに従って、構築され得、かつ作動可能であり得る。本明細書に記載されるように、また以下にて更に詳細に記載するように、器具(10)は、実質的に同時に、組織を切断し、かつ組織(例えば、血管など)を封止又は接合するように操作可能である。
【0013】
本実施例の器具(10)は、ハンドルアセンブリ(20)、シャフトアセンブリ(30)、及びエンドエフェクタ(40)を備える。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)及び一対のボタン(26)を含む本体(22)を備えている。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)へと向かうように、またそれから離れるように、枢動可能なトリガ(28)を更に含む。しかし、種々の他の好適な構成が使用され得ることを理解されたい。その他構成としては、はさみグリップ構成などが挙げられるがこれに限定されない。エンドエフェクタ(40)は、超音波ブレード(160)及び枢動クランプアーム(44)を含む。クランプアーム(44)はトリガ(28)と連結し、これにより、クランプアーム(44)は、ピストルグリップ(24)へと向かうトリガ(28)の枢軸回転に対応して、超音波ブレード(160)に向かって枢動可能であり、また、クランプアーム(44)は、ピストルグリップ(24)から離れるようなトリガ(28)の枢軸回転に対応して、超音波ブレード(160)から離れるように枢動可能となる。クランプアーム(44)とトリガ(28)との連結を実現できる種々の好適な手段が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。いくつかの変形形態では、クランプアーム(44)及び/又はトリガ(28)を
図1に示す開放位置へと一方に付勢するために、1つ以上の弾性部材が使用される。
【0014】
超音波変換器アセンブリ(12)は、ハンドルアセンブリ(20)の本体(22)から近位側に延出する。トランスデューサアセンブリ(12)はケーブル(14)を介してジェネレータ(16)と連結されて、トランスデューサアセンブリ(12)はジェネレータ(16)から電力を受け取る。トランスデューサアセンブリ(12)の圧電素子は、その電力を超音波振動に変換する。ジェネレータ(16)は、電源と、トランスデューサアセンブリ(12)による超音波振動の生成に特に適した電力プロファイルをトランスデューサアセンブリ(12)に提供するように構成された制御モジュールとを含んでもよい。あくまで一例だが、ジェネレータ(16)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN04、GEN11、又はGEN300を含み得る。更に/あるいは、ジェネレータ(16)は、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された米国特許出願公開第2011/0087212号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得る。同文献の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。更に、ジェネレータ(16)の機能の少なくとも一部はハンドルアセンブリ(20)に組み込まれていてもよく、ハンドルアセンブリ(20)は更に電池又はその他の内臓電源を含んでもよい。これにより、ケーブル(14)が省略可能となることが理解されよう。ジェネレータ(16)が取り得る更にその他の好適な形態、並びにジェネレータ(16)が提供し得る種々の特徴及び動作性は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0015】
A.例示的なエンドエフェクタ及び音響ドライブトレーン
図2〜
図4に最も良く示すように、本実施例のエンドエフェクタ(40)は、クランプアーム(44)と、超音波ブレード(160)とを備えている。クランプアーム(44)は、ブレード(160)に対向してクランプアーム(44)の下側に固定されるクランプパッド(46)を含む。クランプパッド(46)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び/又は任意の他の好適な材料(単数又は複数)を含んでよい。クランプアーム(44)は、遠位外部シース(33)の遠位部分内に固定して取り付けられた上部遠位シャフト要素(172)の遠位突出舌部(43)に枢動可能に固定されている。クランプアーム(44)は、クランプアーム(44)とブレード(160)との間に組織を選択的にクランプするために、ブレード(160)に向かって及びブレード(160)から離れる方向に選択的に枢動するように動作可能である。一対のアーム(156)は、クランプアーム(44)から横方向に延在し、遠位外部シース(33)の遠位部分内に摺動可能に設けられた、下部遠位シャフト要素(170)に枢動可能に固定されている。
【0016】
図7〜
図8に最も良く示すように、ケーブル(174)は、下部遠位シャフト要素(170)に固定されている。ケーブル(174)は、シャフトアセンブリ(30)の関節運動部(130)に対して長手方向に並進して、クランプアーム(44)をブレード(160)に向かって及びそれから離れて選択的に枢動するように動作可能である。具体的には、ケーブル(174)がピストルグリップ(24)に向かうトリガ(28)の枢動に応じて近位に並進し、かつこれによりクランプアーム(44)がピストルグリップ(24)に向かうトリガ(28)の枢動に応じてブレード(160)に向かって枢動するように、ケーブル(174)はトリガ(28)と連結される。加えて、クランプアーム(44)がピストルグリップ(24)から離れるトリガ(28)の枢動に応じてブレード(160)から離れて枢動するように、ケーブル(174)は、ピストルグリップ(24)から離れるトリガ(28)の枢動に応じて遠位に並進する。クランプアーム(44)が開放位置に向かって付勢されると、(少なくとも場合によっては)操作者は、トリガ(28)の把持を解放することによってクランプアーム(44)を効果的に開くことができる。
【0017】
図7〜
図8で示すように、ケーブル(174)は、下部遠位シャフト要素(170)の近位端に固定されている。下部遠位シャフト要素(170)は、半円形基部(168)から延在する1対の遠位フランジ(171、173)を備えている。フランジ(171、173)はそれぞれ、対応する開口部(175、177)を備えている。クランプアーム(44)は、内方に延在する一対の一体式ピン(41、45)を介して、下部遠位シャフト要素(170)に回転可能に連結されている。ピン(41、45)は、クランプアーム(44)のアーム(156)から内方に延在し、下部遠位シャフト要素(170)のそれぞれの開口部(175、177)内に回転可能に設けられる。
図10A〜
図10Bで示すように、ケーブル(174)の長手方向の並進は、近位位置(
図10A)と遠位位置(
図10B)との間での下部遠位シャフト要素(170)の長手方向の並進をもたらす。下部遠位シャフト要素(170)の長手方向の並進は、閉鎖位置(
図10A)と開放位置(
図10B)との間でのクランプアーム(44)の回転をもたらす。
【0018】
本実施例のブレード(160)は、特に組織がクランプパッド(46)とブレード(160)との間で圧縮されているときに組織を効果的に切り開いて封止するために、超音波周波数で振動するように動作可能である。ブレード(160)は、音響ドライブトレーンの遠位端に位置付けられる。本音響ドライブトレーンは、変換器アセンブリ(12)及び音響導波管(180)を含む。音響導波管(180)は、可撓性部分(166)を備える。上述のように、トランスデューサアセンブリ(12)は、電力を超音波振動に変換し、続いて、これを、既知の構成及び技術に従って、導波管(180)の可撓性部分(166)を含む導波管(180)に沿ってブレード(160)に伝達するように動作可能である。あくまで例示的に、音響ドライブトレーンのこの部分は、本明細書に引用される種々の参考文献の種々の教示に従って構成されてよい。
【0019】
図3に最もよく示すように、導波管(180)の可撓性部分(166)は、遠位フランジ(136)と、近位フランジ(138)と、これらフランジ(136、138)間に位置する狭窄部(164)とを含む。本実施例では、フランジ(136、138)は、導波管(180)の可撓性部分(166)を介して伝達される共鳴超音波振動に関連した波節に対応する位置に位置する。狭窄部(164)は、導波管(180)の可撓性部分(166)の超音波振動を伝達する能力に大きな影響を与えることなく、導波管(180)の可撓性部分(166)が屈曲することを可能にするように構成されている。あくまで例示的に、狭窄部(164)は、その開示が本明細書において参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0005701号、及び/又は米国特許出願公開第2014/0114334号の内の1つ以上の教示に従って構成することができる。なお、導波管(180)は、導波管(180)を通して伝達される機械的振動を増幅するように構成されてよいものと理解されよう。更に、導波管(180)は、長手方向の振動の増大を導波管(180)に沿って制御するように動作可能な機構、及び/又は導波管(180)をシステムの共振周波数に同調させる機構を含んでよい。導波管(180)と、トランスデューサアセンブリ(12)とを機械的かつ音響的に連結し得る種々の好適な方法が、本明細書における教示に基づいて当業者に明らかとなろう。
【0020】
本実施例では、ブレード(160)の遠位端は、音響アセンブリが組織によって荷重をかけられないときに音響アセンブリを好ましい共鳴周波数f
oに調整するために、導波管(180)の可撓性部分(166)を介して伝達される共鳴超音波振動に関連した波腹に対応する位置に位置されている。変換器アセンブリ(12)が通電されると、ブレード(160)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数f
oで、約20〜約200マイクロメートルの範囲で長手方向に移動するように構成されている。本実施例の変換器アセンブリ(12)が作動される場合、これらの機械的な振動が導波管(180)を通じて伝達されてブレード(160)に到達し、それによって、共振超音波周波数でのブレード(160)の振動が提供される。このため、ブレード(160)とクランプパッド(46)との間に組織が固定されたとき、ブレード(160)の超音波振動が、組織の切断と、隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行ってもよく、それにより比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供される。
【0021】
いくつかの形態では、エンドエフェクタ(40)は、超音波エネルギーを組織に印加することに加えて、高周波(RF)電気外科用エネルギーを組織に加えるように動作可能である。あくまで例示的だが、エンドエフェクタ(40)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号の少なくとも一部における教示に従って構成され、動作可能であってもよい。
【0022】
音響伝送アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(12)に関する他の好適な構成が、本明細書の教示に基づいて当業者に明らかとなるであろう。同様に、エンドエフェクタ(40)のその他の好適な構成も、本明細書の教示に基づいて当業者に明らかとなるであろう。
【0023】
B.例示的なシャフトアセンブリ及び関節運動部
本実施例のシャフトアセンブリ(30)は、ハンドルアセンブリ(20)から遠位に延在する。
図2〜
図7で示されるように、シャフトアセンブリ(30)は、クランプアーム(44)駆動機構及び上記の音響伝送機構を囲む、遠位外部シース(33)及び近位外部シース(32)を含む。シャフトアセンブリ(30)は、シャフトアセンブリ(30)の遠位部分に位置する関節運動部(130)を更に含み、エンドエフェクタ(40)は関節運動部(130)より遠位に位置する。
図1に示すように、回転制御アセンブリ(102)は回転制御ノブ(31)として形成された回転制御部材を有し、当該部材は、近位外部シース(32)近位部分に固定される。ノブ(31)は本体(22)に対して回転可能であるので、シャフトアセンブリ(30)は、外部シース(32)によって画定される長手方向軸を中心に、ハンドルアセンブリ(20)に対して回転可能である。かかる回転により、エンドエフェクタ(40)、関節運動部(130)、及びシャフトアセンブリ(30)の一体的な回転を提供し得る。当然のことながら、回転可能機構は、所望であれば単純に省略されてもよい。
【0024】
関節運動部(130)は、外部シース(32)によって画定される長手方向軸に対して種々の横方向偏向角度にてエンドエフェクタ(40)を選択的に配置するように動作可能である。関節運動部(130)は、様々な形態をとることができる。あくまで一例だが、関節運動部(130)は、本明細書において参照により組み込まれる米国特許出願公開第2012/0078247号の1つ以上の教示に従って構成することができる。別のあくまで例示的な構成では、関節運動部(130)は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0005701号、及び/又は米国特許出願公開第2014/0114334号の内の1つ以上の教示に従って構成することができる。関節運動部(130)が取り得る種々の他の好適な形態が、本明細書の教示に基づいて当業者に明らかであろう。
【0025】
図2〜
図6Bに最もよく示すように、この実施例の関節運動部(130)は、1組の3つの保持カラー(133)及び一対のリブ付き本体部分(132、134)を備え、一対の関節運動バンド(140、142)が、保持カラー(133)の内面とリブ付き本体部分(132、134)の外面との間に画定されるそれぞれのチャネル(135、137)に沿って延在する。リブ付き本体部分(132、134)は、導波管(180)の可撓性部分(166)のフランジ(136、138)間に長手方向に位置付けられる。いくつかの変形例では、リブ付き本体部分(132、134)は、導波管(180)の可撓性部分(166)周りに互いにスナップ嵌めされる。リブ付き本体部分(132、134)は、関節運動部(130)が関節運動状態を達成するために屈曲するときに導波管(180)の可撓性部分(166)で屈曲するように、構成される。
【0026】
図3は、リブ付き本体部分(132、134)をより詳細に示す。本実施例では、リブ付き本体部分(132、134)は可撓性プラスチック材料から形成されるが、任意の他の好適な材料が使用され得ることを理解されたい。リブ付き本体部分(132)は、リブ付き本体部分(132)の横方向屈曲を促進するように構成される、1組の3つのリブ(150)を含む。当然のことながら、任意の他の好適な数のリブ(150)が設けられてよい。リブ付き本体部分(132)はまた、関節運動バンド(140)をリブ付き本体部分(132)に対して摺動可能にしながら、関節運動バンド(140)を収容するように構成されている、チャネル(135)をも画定する。同様に、リブ付き本体部分(134)は、リブ付き本体部分(134)の横方向屈曲を促進するように構成される、1組の3つのリブ(152)を含む。当然のことながら、任意の他の好適な数のリブ(152)が設けられてよい。リブ付き本体部分(134)はまた、関節運動バンド(142)をリブ付き本体部分(142)に対して摺動可能にしながら、関節運動バンド(137)を収容するように構成されている、チャネル(137)をも画定する。
【0027】
図5に最もよく示すように、リブ付き本体部分(132、134)は、関節運動バンド(140、142)と導波管(180)の可撓性部分(166)との間に横方向に介在する。リブ付き本体部分(132、134)は、導波管(180)に接触せずに導波管(180)の可撓性部分(166)を収容するような大きさを有する内部通路を共に画定するように、互いに嵌合する。加えて、リブ付き本体部分(132、134)が互いに連結されるとき、リブ付き本体部分(132、134)内に形成される一対の相補的な遠位ノッチ(131A、131B)が整列して、遠位外部シース(33)の内方に突出する一対の弾性タブ(38)を収容する。タブ(38)とノッチ(131A、131B)との間のこの係合は、遠位外部シース(33)に対してリブ付き本体部分(132、134)を長手方向に固定する。同様に、リブ付き本体部分(132、134)が互いに連結されるとき、リブ付き本体部分(132、134)内に形成される一対の相補的な近位ノッチ(139A、139B)が整列して、近位外部シース(32)の内方に突出する一対の弾性タブ(37)を収容する。タブ(37)とノッチ(139A、139B)との間のこの係合は、近位外部シース(32)に対してリブ付き本体部分(132、134)を長手方向に固定する。当然のことながら、任意の他の好適な種類の機構を使用して、リブ付き本体部分(132、134)を近位外部シース(32)及び/又は遠位外部シース(33)と連結することができる。
【0028】
関節運動バンド(140、142)の遠位端は、上部遠位シャフト要素(172)に一体型に固定される。関節運動バンド(140、142)が長手方向反対向きに並進するとき、これは、関節運動部(130)を屈曲させ、それによって、エンドエフェクタ(40)を、
図6Aに示される直線的な構成から
図6Bに示される関節運動した構成に、シャフトアセンブリ(30)の長手方向軸から離れて横方向に偏向させる。具体的には、エンドエフェクタ(40)は、近位に引かれている関節運動バンド(140、142)の方に関節運動することになる。かかる関節運動中、他方の関節運動バンド(140、142)は、上部遠位シャフト要素(172)によって遠位に引かれ得る。代替的に、他方の関節運動バンド(140、142)は、関節運動制御によって遠位に駆動されてもよい。リブ付き本体部分(132、134)及び狭窄部(164)は全て、エンドエフェクタ(40)の上記の関節運動に対応するのに十分に可撓性である。更に、可撓性音響導波管(166)は、関節運動部(130)が
図6Bに示されるような関節運動状態にあるときでも、導波管(180)からブレード(160)に超音波振動を効率的に伝達するように構成されている。
【0029】
図3に最もよく示すように、導波管(180)の各フランジ(136、138)は、対応する一対の対向する平面(192、196)を含む。平面(192、196)は、可撓性部分(166)の狭窄部(164)を通って延在する垂直面に平行である垂直面に沿って配向される。平面(192、196)は、関節運動バンド(140、142)のための隙間を提供するように構成されている。具体的には、近位フランジ(138)の平面(196)は、近位フランジ(138)と近位外部シース(32)の内径との間に関節運動バンド(140、142)を収容し、一方、遠位フランジ(136)の平面(192)は、遠位フランジ(136)と遠位外部シース(33)の内径との間に関節運動バンド(140、142)を収容する。当然のことながら、平面(192、196)は、任意の好適な種類の外形(例えば、正方形、平面、円形など)を有する、スロット、チャネルなどが挙げられるが、これらに限定されない様々な機構で置き換えることができる。本実施例では、平面(192、196)は切削法で形成されるが、任意の他の好適な方法(単数又は複数)を使用し得ることを理解されたい。平面(192、196)を形成する種々の好適な代替構成及び方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかであろう。また、導波管(180)が、その開示が本明細書において参照により組み込まれる、2013年4月23日出願の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題される米国特許出願公開第2013/0289592号の教示の少なくともいくつかに従って形成される平面を含んでよいことも理解されたい。
【0030】
本実施例では、外側リング(133)は、3つのリング(133)が3つのリブ(150、152)に対して提供されるように、リブ(150、152)に対応する長手方向位置に位置付けられる。関節運動バンド(140)は、リング(133)とリブ付き本体部分(132)との間のチャネル(135)内に横方向に介在し、一方、関節運動バンド(142)は、リング(133)とリブ付き本体部分(134)との間のチャネル(137)内に横方向に介在する。リング(133)は、特に関節運動部(130)が(例えば、
図6Bに示される構成のような)屈曲構成にあるとき、関節運動バンド(140、142)を平行関係に維持するように構成されている。換言すれば、関節運動バンド(140)が、屈曲した関節運動部(130)によって呈される曲線形状の内径上にあるとき、リング(133)は、関節運動バンド(140)が、関節運動バンド(142)が沿う曲線状経路を補完する曲線状経路に沿うように、関節運動バンド(140)を保持することができる。チャネル(135、137)は、リブ付き本体部分(150、152)に固定されているリング(133)を伴ってさえも、関節運動バンド(140、142)が、関節運動部(130)を通って、依然として自由に摺動することができるように、それぞれの関節運動バンド(140、142)を収容するような大きさを有することを理解されたい。また、リング(133)が、締まり嵌め、接着、溶接などが挙げられるがこれらに限定されない種々の方法で、リブ付き本体部分(132、134)に固定され得ることも理解されたい。
【0031】
関節運動バンド(140、142)が長手方向反対向きに並進するとき、モーメントが生まれ、上部遠位シャフト要素(172)を介して遠位外部シース(33)の遠位端に適用される。これによって、関節運動バンド(140、142)中の軸方向の力を導波管(180)に伝えることなく、導波管(180)の可撓性部分(166)の関節運動部(130)及び狭窄部(164)を関節運動させる。一方の関節運動バンド(140、142)は能動的に遠位に駆動され得るが、他方の関節運動バンド(140、142)は受動的に近位に後退可能であることを理解されたい。別の単なる例示的な例として、一方の関節運動バンド(140、142)は能動的に近位に駆動され得るが、他方の関節運動バンド(140、142)は受動的に遠位に前進可能である。更に別の単なる例示的な例として、一方の関節運動バンド(140、142)は能動的に遠位に駆動され得るが、他方の関節運動バンド(140、142)は能動的に近位に駆動される。関節運動バンド(140、142)が駆動され得る種々の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかであろう。
【0032】
図9に最もよく示すように、関節運動制御アセンブリ(100)は、外部シース(32)の近位部分に固定されている。関節運動制御アセンブリ(100)は、ハウジング(110)と、回転可能な関節運動制御ノブ(120)の形態をとる関節運動制御部材とを備えている。本明細書に説明されるように、例示的な関節運動制御アセンブリ(100)と、詳細に上述した例示的な回転制御アセンブリ(102)とにより、シャフト制御アセンブリ(98)が画定される。ハウジング(110)は、一対の垂直に交差する円筒形部分(112、114)を備えている。ノブ(120)は、ノブ(120)がハウジング(110)の円筒形部分(112)内で回転するように動作可能であるように、ハウジング(110)の第1の中空円筒形部分(112)内に回転可能に設けられる。シャフトアセンブリ(30)は、中空状の第2の円筒形部分(114)内に摺動可能かつ回転可能に設けられる。シャフトアセンブリ(30)は一対の並進可能部材(161、162)を備え、これらの両方とも、外部シース(32)の近位部分を通って摺動可能に長手方向に延在する。並進可能部材(161、162)は、遠位位置と近位位置との間の第2の円筒形部分(114)内で長手方向に並進可能である。並進可能部材(161、162)は、並進可能部材(161)の長手方向の並進が関節運動バンド(140)の長手方向の並進をもたらすように、かつ並進可能部材(162)の長手方向の並進が関節運動バンド(142)の長手方向の並進をもたらすように、それぞれの関節運動バンド(140、142)と機械的に連結される。
【0033】
ノブ(120)は、ノブ(120)の底面から下方に延在する一対のピン(122、124)を備える。ピン(122、124)はハウジング(110)の第2の円筒形部分(114)内に延在し、並進可能部材(161、162)の上面に形成されたそれぞれの一対のチャネル(163A、163B)内に回転可能かつ摺動可能に設けられる。チャネル(163A、163B)は、ノブ(120)の回転軸の両側に位置決められ、これにより、ノブ(120)をその回転軸の周囲で回転させると、並進可能部材(161、162)は対向する長手方向に並進する。例えば、第1の方向へのノブ(120)の回転は、並進可能部材(161)及び関節運動バンド(140)の遠位長手方向の並進、並びに並進可能部材(162)及び関節運動バンド(142)の近位長手方向の並進をもたらし、第2の方向へのノブ(120)の回転は、並進可能部材(161)及び関節運動バンド(140)の近位長手方向の並進、並びに並進可能部材(162)及び関節運動バンド(142)の遠位長手方向の並進をもたらす。このため、回転ノブ(120)の回転は、関節運動部(130)の関節運動をもたらすことを理解されたい。
【0034】
関節運動制御アセンブリ(100)のハウジング(110)は、第1の円筒形部分(112)の内面から内方に延在する一対の止めネジ(111、113)を備える。ノブ(120)は、ハウジング(110)の第1の円筒形部分(112)内に回転可能に設けられ、止めネジ(111、113)は、ノブ(120)内に形成された一対の弓状チャネル(121、123)内に摺動可能に設けられる。このため、ノブ(120)の回転はチャネル(121、123)内の止めネジ(111、113)の移動により制限されることを理解されたい。また、止めネジ(111、113)は、ハウジング(110)内にノブ(120)を保持し、ノブ(120)がハウジング(110)の第1の円筒形部分(112)内で垂直に移動することを防止する。
【0035】
ハウジング(110)の第1の円筒形部分(112)の内面は、第1の円筒形部分(112)の内面内に形成された第1の歯群角度付き配列(116)及び第2の歯群角度付き配列(118)を備える。回転ノブ(120)は、第1の円筒形部分(112)の歯群(116、118)に戻り止めの関係で係合し、それによって、ノブ(120)を特定の回転位置に選択的にロックするように構成された、一対の外方に延出する係合部材(126、128)を備える。係合部材(126、128)と歯群(116、118)との係合は、使用者がノブ(120)に十分な回転力を付与することによって克服され得るが、かかる力がない場合、この係合は、関節運動部(130)の真っ直ぐな構成又は関節運動した構成を維持するのに十分である。したがって、ノブ(120)を特定の回転位置に選択的にロックする能力により、操作者は、外部シース(32)によって画定される長手方向軸線に対して、特定の偏向位置に、関節運動部(130)を選択的にロックすることができることを理解されたい。
【0036】
上記構成に加えて又は替えて、関節運動部(130)及び/又は関節運動制御アセンブリ(100)は、2015年4月16日出願の「Ultrasonic Surgical Instrument with Rigidizing Articulation Drive Members」と題された米国特許出願第14/688,458号の教示の内の少なくとも一部に従って構成される及び/又は動作可能であってもよい。あるいは、関節運動部(130)及び/又は関節運動制御アセンブリ(100)は、任意の他の適切な様式で構成及び/又は動作可能であってもよい。
【0037】
II.例示的な代替シャフト制御アセンブリ
外科用器具のいくつかの形態(10、210、310、410、510、710、910)では、関節運動部(130)に選択的に剛性を付与することで、関節運動部(130)の不慮の偏向を防ぐように構成された機構を提供するのが望ましいことがある。例えば、製作公差、設計上の制限、材料上の制限、及び/又は他の要因などの様々な要因により、関節運動部(130)のいくつかの変形例は、所定の位置で相対的に固定されているにもかかわらず、関節運動部にいくらかの「遊び」又は他の小さい動きが生じやすくなり得、その結果、関節運動部(130)は完全には剛性でない。関節運動部(130)におけるこのような遊びを低減又は除去することは、特に関節運動部(130)が直線の非関節運動構成にあるとき、望ましいことがある。同様に、関節運動制御機構を選択的にロックし、不慮の作動を防止することが望ましくあり得る。このため、関節運動部(130)を選択的に剛化する、及び/又はその他手段でロックするような機構が提供され得る。関節運動部(130)に剛性を付与する、及び/又はエンドエフェクタ(40)の不慮の偏向を制限、阻害、若しくは効果的に防止するように構成された機構の様々な例を、以下に詳述する。本明細書の教示に基づいて、他の例も当業者には明らかになるであろう。以下に説明するシャフトアセンブリ及び/又は関節運動部の実施例は、上で述べられるシャフトアセンブリ(30)と実質的に同様に機能することができることを理解すべきである。したがって、同じ番号は同じ機構を示す。
【0038】
また、関節運動部(130)は、以下に記載される機構を含むように改変される前に少なくともある程度剛性であり得、その結果、以下に記載される機構は、もともと剛性でない関節運動部(130)に剛性さを導入するというよりはむしろ、実際には関節運動部(130)の剛性を増強するだけであることも理解されたい。例えば、関節運動部(130)は、以下の機構がなくても、直線的又は関節運動構造を実質的に維持するのに十分な剛性を有する場合もある。それでも、約1mm又はその数パーセントの「遊び」(例えば、エンドエフェクタ(40)により、固定構造に対して横方向に押圧される場合)、関節運動部(130)が既に有する剛性を増大させるようにしてもよい。したがって、「剛性を付与する」及び「剛性の付与」などの用語は、ある程度既に存在する剛性を単に増大させることを含むと理解されたい。「剛性を付与する」及び「剛性の付与」という用語は、必ずしも、剛性が「付与される」前に関節運動部(130)が剛性を完全に欠いていることを必要とすると読まれるべきではない。
【0039】
A.ベベルギアを有する伝送アセンブリを備えた例示的な関節運動制御アセンブリ
図11及び
図12は、その長手方向に延在するシャフトアセンブリ(212)と、ハンドルアセンブリ(214)と、エンドエフェクタ(40)と、音響導波管(80)とを有する、第2の超音波外科用器具(210)を示している。上述のように、音響導波管(80)は、ジェネレータ(16)と、外科処置中にエンドエフェクタ(40)を位置決めする関節運動部(130)を有するシャフトアセンブリ(212)と、に動作可能に接続されている。このために、外科用器具(210)はシャフト制御アセンブリ(216)を有する。シャフト制御アセンブリ(216)は、シャフトアセンブリ(212)を、シャフトアセンブリ(212)の長手方向軸中心に回転させるように動作可能である。シャフト制御アセンブリ(216)はまた、更に関節運動部(130)を関節運動させて、エンドエフェクタ(40)をシャフトアセンブリ(212)の長手方向軸から横方向に偏向するようにも動作可能である。
【0040】
より具体的には、シャフト制御アセンブリ(216)は、関節運動部(130)に動作可能に接続される関節運動制御アセンブリ(218)と、シャフトアセンブリ(212)に動作可能に接続される回転制御アセンブリ(220)とを有する。制御アセンブリ(218,220)は、シャフトアセンブリ(212)を、対応する関節運動及び回転制御部材(222、224)を介して選択的に関節運動及び回転させるように、操作者により操作されるように構成されている。関節運動制御アセンブリ(218)は更に、関節運動制御部材(222)の選択的操作をシャフトアセンブリ(212)に伝送して、関節運動部(130)を屈曲させるように構成される伝送アセンブリ(226)を備えている。シャフトアセンブリ(212)に剛性を付与して関節運動部(130)の屈曲を阻害するために、関節運動制御アセンブリ(218)は、関節運動制御部材(222)が操作者に選択的に操作されていないときにはロックするように構成されている。そして、関節運動部(130)を屈曲させるために、操作者が選択的に関節運動制御部材(222)を操作すると、関節運動制御アセンブリ(218)のロックが解除される。
【0041】
シャフト制御アセンブリ(216)の近位部分はハンドルアセンブリ(214)のハウジング(22)に収容され、シャフト制御部アセンブリ(216)の遠位部分はハウジング(22)外のシャフトアセンブリ(212)の近位部分に沿って延在している。
図13では、シャフト制御アセンブリ(216)の近位部分をより明白に図示するために、ハウジング(22)の横側部分(不図示)を省略している。本例では、回転及び関節運動制御部材(224,222)は、それぞれ選択的回転可能回転制御ノブ(224)及び選択的回転可能関節運動制御ノブ(222)の形態をとる。回転制御ノブ(224)は、シャフトアセンブリ(212)の長手方向軸に沿って延在し、長手方向軸を中心に回転するように構成されている。一方、関節運動制御ノブ(222)は横方向軸に沿って延在し、横方向軸を中心に回転するように構成されている。したがって、回転及び関節運動制御ノブ(224,222)は、互いに直交するそれぞれの軸周りに回転する。
【0042】
制御ノブ(224,222)もまた、ハンドルアセンブリ(214)のトリガ(28)の近位に配置されるため、操作者はトリガ(28)、回転制御ノブ(224)、及び関節運動制御ノブ(222)に同時にアクセスして操作することができる。本例では、関節運動制御ノブ(222)は、回転制御ノブ(224)とトリガ(28)との間に横方向に配置されるノブスロット(228)内に収容される(
図21Aを参照)。関節運動制御ノブ(222)を回転可能にハンドルアセンブリ(214)に取り付けることについては、
図21Aを参照して以下により詳細に説明する。上述の構成では、回転及び関節運動制御ノブ(224,222)がトリガ(28)の近位に配置された状態で、例示的なシャフト制御アセンブリ(216)を少なくとも部分的にハンドルアセンブリ(214)内に配置しているが、シャフト制御アセンブリ(216)の1つ以上の部位が、シャフトアセンブリ(212)との動作可能な接続のために代替的に配置されてもよいことを理解されたい。したがって、本発明は本明細書に記載されるシャフト制御アセンブリ(216)の具体的な配向、配置に不必要に限定することを意図していない。
【0043】
図14及び
図15は、シャフト制御アセンブリ(216)と、対応する関節運動バンド(140、142)に延在し、シャフトアセンブリ(30)について上述したように(
図3を参照)シャフトアセンブリ(216)に沿った関節運動を導く一組の並進可能部材(230、232)とを示している。並進可能部材(230、232)は少なくとも、それぞれ対応するピン(238、240)を収容するように、並進可能部材(230、232)を横方向に貫通する長手方向スロット(234,236)を有する点で、並進可能部材(161、162)と異なる。ピン(238、240)は回転制御ノブ(224)のピン孔(242)を貫通して延在し、ピン(238、240)が回転制御ノブ(224)を並進可能部材(230、232)に固定する。したがって、操作者が選択的に回転制御ノブ(224)を回転すると、回転制御ノブ(224)は、外科用器具(10)について上述したとおり、並進可能部材(230、232)と、シャフトアセンブリ(212)のその他の関連部位を回転させる(
図1を参照)。回転制御アセンブリ(220)の追加構成要素については、以下により詳述する。
【0044】
伝送アセンブリ(226)は、関節運動制御ノブ(222)を介した操作者からの回転入力等の動きをシャフトアセンブリ(212)に伝送して、関節運動部(130)を関節運動させるように構成されている(
図11参照)。伝送アセンブリ(226)は、
図15〜
図18に示すように、ベベル駆動ギア(246)と、ベベル従動ギア(248)の形態をとる駆動ギアを含む。本例では、ベベル駆動ギア(246)は、横方向軸に沿って延在して、操作者に選択的に操作される剛性駆動シャフト(250)に固定される。それにより、ベベル駆動ギア(246)はまた、横方向軸を中心に回転する。ベベル駆動ギア(246)はベベル従動ギア(248)に係合し、各ギア(246、248)の複数の歯同士が噛合して、ギア間に駆動力を伝送する。ベベル従動ギア(248)は、ドラム(252)の近位端に固定されて、それぞれ長手方向軸を取り囲み、当該軸を中心に回転するように構成されている。ベベル駆動ギア(246)及びベベル従動ギア(248)は、操作者による横方向軸中心の回転入力を、ドラム(252)の長手方向軸中心の回転に転換するように構成されている。ベベルギア(246、248)の構成は、この回転を90度転換してドラム(252)を駆動するように構成されているが、代替の構成が、代替の配向でのそのような動きを、異なる配置のドラム(252)、及び/又は関節運動制御ノブが収容されるように、転換され得ることが理解されよう。更に、本例の関節運動制御ノブ(222)は、概して、互いに角度をあけて、放射状に外側に延在する複数の突起を有する車輪のような形状を有する。当該車輪形状は、回転や関節運動を示すのに便利であり得、複数の突起には、操作者がより強く把持できるように構成されたものであり得る。但し、関節運動制御ノブ(222)は、操作者により把持、回転されるための様々な形状及び大きさを有してもよいことが理解されよう。
【0045】
図16〜
図17及び
図19〜
図20に示すように、関節運動制御アセンブリ(216)は更に、フレーム(253)と、ドラム(252)に収容されてドラム(252)の回転を親ネジ(254、256)の直線運動に変換して、関節運動部(130)に関節運動をさせる、近位親ネジ(254)及び遠位親ネジ(256)とを有する(
図11を参照)。本例では、フレーム(253)は略平行かつ互いに離間した、それぞれ対応する凹部(260)に収容される、一組の長手方向ツメ(258)を有する。ツメ(258)は、近位及び遠位親ネジ(254、256)の回転を防止しながら、親ネジ(254、256)の長手方向に沿った並進を可能とするように構成されている。ドラム(216)の回転により、親ネジ(254、256)が並進する。より具体的には、近位親ネジ(254)は近位内部ネジ山(262)に螺合係合し、遠位親ネジ(256)は遠位内部ネジ山(264)に螺合係合する。近位及び遠位内部ネジ山(262、264)は、互いにピッチが異なるため、ドラム(252)の回転により、近位及び遠位親ネジ(254、256)は同時に反対方向に並進する。
【0046】
更に、親ネジ(254、256)はそれぞれ対応するテンショナ(266)を介して、並進可能部材(230、232)に接続される。各テンショナ(266)は、それぞれ対応する並進可能部材(230、232)に係合して、並進可能部材(230、232)の、関節運動制御ノブ(222)を介した長手方向軸に沿った遠位側、近位側への移動を導く鍵部(268)を有する。但し、各テンショナ(266)はまた、環状チャネル(270)内で、それぞれ対応する親ネジ(254、256)を回転可能に収納する。これにより、各親ネジ(254、256)とドラム(252)とが、シャフトアセンブリ(212)回転時に、関節運動に影響を与えることなく、回転制御ノブ(224)を介して回転するように一体的に構成される。一例として、各テンショナ(266)は、鍵部(268)を有するC字状要素(272)と、環状要素(274)とにより画定される。上記に加えて、ドラム(252)、親ネジ(254、256)、及びその他関節運動制御アセンブリ(218)の機構は、2015年4月16日出願の「Ultrasonic Surgical Instrument with Opposing Thread Drive for End Effector Articulation」と題された米国特許出願第14/688,663号の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であってもよい。
【0047】
図21Aは、関節運動制御アセンブリ(218)が直線位置にあり、シャフトアセンブリ(212)が直線構成となる状態のハンドルアセンブリ(214)の遠位端部を示している。前段にて簡潔に触れたように、関節運動制御ノブ(222)の一部分がノブスロット(228)から遠位側に突出するように、関節運動制御ノブ(222)はノブスロット(228)に収容される。より具体的には、関節運動制御ノブ(222)は、上側取付シャフト(276)と、反対側の下側取付シャフト(278)を有する。これらシャフトは、関節運動制御ノブ(222)の横方向軸に沿って、互いに反対方向に延在する。上側及び下側取付シャフト(276、278)はそれぞれ、ハウジング(22)の上側及び下側円筒形取付チャネル(280、282)にそれぞれ回転可能に収容される。これにより、関節運動制御ノブ(222)がハウジング(22)に並進可能に取り付けられる。剛性駆動シャフト(250)は、伝送アセンブリ(226)を選択的に駆動するために、上側取付シャフト(276)からベベル駆動ギア(246)へ上方に延在する。
【0048】
一方、関節運動制御ノブ(222)は、伝送アセンブリ(226)を介して関節運動部(130)を関節運動させるように、操作者により選択的に回転されてもよい(
図11を参照)。他方で、伝送アセンブリ(226)は、関節運動制御ノブ(222)が回転していないときには伝送アセンブリ(226)の動作がロックされて、関節運動制御アセンブリ(218)の不慮の関節運動を防止するように構成されている。即ち、関節運動制御ノブ(222)の回転は関節運動制御アセンブリ(218)を効果的に回転解除し、それ以外の場合では、伝送アセンブリ(226)は関節運動部(130)の関節運動を効果的にロックする(
図11を参照)。一例として、ドラム(252)を回転する機械的利点が十分であれば、親ネジ(254、256)はシャフトアセンブリ(212)を介した動力の付与で並進され得ない可能性があるため、伝送アセンブリ(226)がロックされる。しかし、ドラム(252)を、関節運動制御ノブ(222)を介して回転すれば、親ネジ(254、256)に対する機械的利点を十分に有して動きのロックが解除され、親ネジ(254、256)が並進し、その結果、関節運動部(130)が関節運動する(
図11を参照)。
【0049】
図21B及び
図21Cはそれぞれ、関節運動部(130)(
図11を参照)が右及び左に関節運動した構成で関節運動制御アセンブリ(218)が右及び左に配置された状態を示す。
図22Aの直線配置から、操作者は関節運動制御ノブ(222)を時計回り(操作者が上側から見た場合)に回転させて、ベベル駆動ギア(246)を同様に回転させる。ベベル駆動ギア(246)は、ベベル従動ギア(248)と、固く取り付けられたドラム(252)とを回転させる。ドラム(252)が反時計回り(その近位側にいる操作者から見た場合)に回転すると、遠位親ネジ(256)は遠位側に移動する一方で、近位親ネジ(254)は近位側に移動する。したがって、遠位及び近位親ネジ(256、254)は、並進可能部材(230、232)を誘導して、関節運動部を長手方向軸に対して横方向右側に関節運動させて、シャフトアセンブリ(212)を屈曲させる。
【0050】
図22Aの直線配置から、操作者は関節運動制御ノブ(222)を反時計回り(操作者が上側から見た場合)に回転させて、ベベル駆動ギア(246)を同様に回転させる。ベベル駆動ギア(246)は、ベベル従動ギア(248)と、固く取り付けられたドラム(252)とを回転させる。ドラム(252)が時計回り(その近位側にいる操作者から見た場合)に回転すると、遠位親ネジ(256)は近位側に移動し、遠位親ネジ(254)は遠位側に移動する。したがって、遠位及び近位親ネジ(256、254)は、並進可能部材(230、232)を誘導して、関節運動部を長手方向軸に対して横方向左側に関節運動させて、シャフトアセンブリ(212)を屈曲させる。
【0051】
B.ロック用関節運動制御ノブと、弾力性駆動シャフトとを有する、例示的な関節運動制御アセンブリ
図22A〜
図23Bは、シャフトアセンブリ(212)と、ハンドルアセンブリ(214)と、シャフト制御アセンブリ(316)とを有する第3の超音波外科用器具(310)を示している。シャフト制御アセンブリ(316)は、上述の回転制御アセンブリ(220)と、関節運動制御アセンブリ(318)とを有する。概して、関節運動制御アセンブリ(318)は、関節運動制御アセンブリ(218)と同様の、ベベル駆動及び従動ギア(248、250)を有する伝送アセンブリ(226)を備えるが、更に関節運動制御ロック(384)をも備える。当該ロックは、関節運動制御ノブ(222)をハウジング(22)に直接固定して、関節運動部(130)の関節運動を防止するものである(
図11を参照)。
【0052】
このため、ハウジング(22)は、細長下側取付チャネル(382)を有し、関節運動制御アセンブリ(318)は弾力性駆動シャフト(350)を有する。弾力性駆動シャフト(350)は、関節運動ロック状態となるように付勢されて、関節運動ロック解除状態に選択的に移動される。本明細書に記載するように、関節運動ロック状態では関節運動を阻害し、関節運動ロック解除状態では関節運動を可能とする。本例では、関節運動制御ロック(384)は、遠位チャネル端(388)から近位側に延在するチャネル歯(386)と、下側取付シャフト(278)から放射状に突出する複数のシャフト歯(390)とを含む。チャネル及びシャフト歯(386、390)は、弾性駆動シャフト(350)を介して重なり、連結等により互いに係合することで、
図22A及び
図23Aに示す関節運動ロック状態で、互いの相対回転を阻害する。具体的には、弾性駆動シャフト(350)は、シャフト歯(390)を遠位側に付勢して、チャネル歯(386)に係合させるが、これは、関節運動制御ノブ(222)がベベル駆動ギア(248)から下方に効果的に片持ち状になっていることによる。
【0053】
使用時では、操作者が関節運動制御ノブ(222)を近位側に動かすことで、チャネル及びシャフト歯(386、390)が係合解除され、前段でより詳細に説明したとおり、シャフトアセンブリ(212)を屈曲させるための相対回転を可能とする。
図22B及び
図23Bは、関節運動ロック解除状態で、近位側に移動したシャフト歯(390)を示している。例示的な歯(390、386)、弾性駆動シャフト(350)、細長下側取付チャネル(382)が協働して、1つの例示的な関節運動制御ロック(384)を実現しているが、関節運動制御ノブ(222)のハウジング(22)に対する回転を直接ロックするように、代替のロック機構が協働してもよい。したがって、本明細書に記載されている本発明は、例示的な関節運動制御ロック(384)不必要に制限されることを意図していない。
【0054】
C.関節運動ロック制御ノブと弾性取付駆動シャフトとを有する例示的な関節運動制御アセンブリ
図24A〜
図24Bは、シャフトアセンブリ(212)と、ハンドルアセンブリ(214)と、シャフト制御アセンブリ(416)とを備える、第4の例示的な外科用器具(410)を示している。シャフト制御アセンブリ(416)は、上述の回転制御アセンブリ(220)と、関節運動制御アセンブリ(418)とを有する。関節運動制御アセンブリ(418)は、伝送アセンブリ(226)と同様の伝送アセンブリ(426)を有する(
図21Aを参照)が、関節運動制御ロック(484)をロック及びロック解除するために、後述のように選択的に係合及び係合解除されるように構成されたベベル駆動ギア(446)と剛性駆動シャフト(450)とが設けられている。更に、関節運動制御ロック(484)はチャネル及びシャフト歯(386、390)を有する。これらは、互いに向かって付勢されて、関節運動制御ノブ(222)を選択的に、関節運動ロック状態から関節運動ロック解除状態に移動させる。本例において、関節運動制御ノブ(222)は複数のばね(491)で付勢される。しかし、代替の付勢要素が代わりに使用されてもよいことが理解されよう。
【0055】
下側回転サポート(492)は、関節運動制御ノブ(222)の下方で横方向に延在する一方で、駆動シャフト(450)は関節運動制御ノブ(222)の上方で横方向に延在する。下側回転サポート(492)と駆動シャフト(450)とは遠位側に付勢されて、その間で延在する関節運動制御ノブ(222)はチャネル及びシャフト歯(386、390)が関節運動ロック状態で係合されて、遠位側に並進するように引かれる。使用時では、操作者が関節運動制御ノブ(222)を近位側に動かすことでチャネル及びシャフト歯(386,390)は係合解除され、前段でより詳細に説明したとおり、シャフトアセンブリ(212)が屈曲するための相対回転を可能とする。駆動シャフト(450)もまた、近位側に移動して、
図24Bに示すようにベベル駆動ギア(446)を動作可能に係合させる。これにより、ベベル駆動ギア(446)と関節運動制御ノブ(222)とが横方向軸に対して整列して回転される。例示的な歯(390、386)、剛性駆動シャフト(450)、細長下側取付チャネル(382)、及び下側回転サポート(492)が協働して、1つの例示的な関節運動制御ロック(484)を実現しているが、関節運動制御ノブ(222)のハウジング(22)に対する回転を直接ロックするように、代替のロック機構が協働してもよい。したがって、本明細書に記載されている本発明は、例示的な関節運動制御ロック(484)に不必要に制限されることを意図していない。
【0056】
D.ロック回転制御ノブを有する例示的な回転制御アセンブリ
図25〜
図30Bは、上述したとおり、概してシャフトアセンブリ(212)及びハンドルアセンブリ(214)を有する第5の例示的な超音波外科用器具(510)を示している。更に、外科用器具(510)は、シャフトアセンブリ(212)の回転を阻害するためにハウジング(22)に対して回転制御ノブ(524)を直接的にロックするように構成されたロック回転制御アセンブリ(520)を備えるシャフト制御アセンブリ(516)を有している。回転制御ロック(594)は、シャフトアセンブリ(212)の回転を阻害するロック回転状態と、操作者がシャフトアセンブリ(212)を選択的に回転させることができるロック解除回転状態との間を切り替えるように構成されている。
【0057】
図26〜
図27に示すとおり、回転制御ロック(594)は、回転制御ノブ(524)に、長手方向軸の周りに傾斜して配置され、回転制御ノブ(524)を通って半径方向に延びる複数のボタン(596)を備えている。各ボタン(596)は、それぞれ対応するボタン孔(598)に収容され、操作者によって押し込まれるとボタン孔の中に滑り込むように構成されている。本例では、回転制御ロック(594)は、回転制御ノブ(524)を中心に円周方向に等間隔に配置された6つのボタン(596)と6つの対応するボタン孔(598)とを有する。このようにして、操作者は、ロック回転状態とロック解除回転状態との間で回転制御ロック(594)を操作するためにボタン(596)の内の少なくとも1つに容易にアクセスできる。例示的な回転制御ロック(594)は回転制御ノブ(524)内に支持されたボタン(596)を備えるものの、代替的なボタンやスイッチ等、別の形態の作動部材が代わりに使用されてもよいことが理解されよう。更にこれに代わり、これらの作動部材は、ハンドルアセンブリに対してシャフトアセンブリ(212)の回転を阻害するためにシャフトアセンブリ(212)及びハンドルアセンブリ(214)に対して寸法及び/又は位置が決められていてもよい。
【0058】
回転制御ロック(594)は、回転ロックリング(600)の形状を有する回転ロック部材を更に備えている。一般的に、回転ロックリング(600)は、ハウジング(22)と回転制御ノブ(524)との間で移動可能に延在し、ハウジング(22)に対して回転制御ノブ(524)を選択的に固定して両者の間の回転を阻害する。回転ロックリング(600)は長手方向軸中心に延在し、回転制御ノブ(524)とシャフトアセンブリ(214)との間で同軸上に入れ子状となる。本例では、回転ロックリング(600)は回転可能にハウジング(22)に固定され、回転制御ノブ(524)と選択的に係合する。これによって、ボタン(596)の内の少なくとも1つが押されることにより、回転ロックリング(600)が回転制御ノブ(524)から外れて相対的に回転可能となる。
【0059】
回転ロックリング(600)は、回転制御ノブ(524)とハウジング(22)との間に設けられた近位側に配置された環状フランジ(602)を備え、これは、それぞれロック回転状態及びロック解除回転状態に対する遠位ロック位置と近位ロック解除位置との間を並進移動するように構成されている。回転ロックリング(600)はその位置にかかわらず、傾斜して配置され内向きに延在する複数の内側鍵タブ(604)によってハウジング(22)に固定される。各内側鍵タブ(604)は、長手方向軸中心に同様に配置され、ハウジング(22)の遠位端によって画定された外側鍵チャネル(606)内に収容される。内側鍵タブ(604)と外側鍵チャネル(606)は噛み合って、ハウジング(22)に対する回転ロックリング(600)の回転を阻害する。
【0060】
図27〜
図29に示すように、回転ロックリング(600)は、解放可能な係合を実現するために、環状フランジ(602)から回転制御ノブ(524)に向かって遠位側に延在する複数の遠位鍵タブ(608)を更に備えている。より詳細には、各遠位鍵タブ(608)は、回転制御ノブ(524)内に画定されたそれぞれ対応する近位鍵チャネル(610)内に収容される。回転ロックリング(600)が遠位ロック位置にあるとき、遠位鍵タブ(608)と近位鍵チャネル(610)は選択的に噛み合って、ハウジング(22)に対して回転ロックリング(600)に対する回転制御ノブ(524)の回転を阻害する。一方、回転ロックリング(600)が近位ロック解除位置にあるとき、遠位鍵タブ(608)は操作者により回転操作されるように近位鍵チャネル(610)から引き出される。いくつかの形態では、回転ロックリング(600)は、ハウジング(22)と回転ロックリング(600)との間に配置された圧縮ばね等の付勢部材(不図示)により、遠位ロック位置に付勢される。しかし、回転ロックリング(600)の付勢には代替の付勢部材を使用してもよいことが理解されよう。
【0061】
図29〜
図30Bに示すように、各ボタン(596)は、回転ロックリングを遠位ロック位置から近位ロック解除位置に誘導するように構成されている。一例として、回転ロックリング(600)は、環状フランジ(602)からボタン(596)に延在する環状延長部(612)を有する。環状延長部(612)は、その遠位端に向かって内側にテーパ状となる遠位環状カム表面(614)を有する一方、各ボタン(596)は、その遠位端に向かって径方向内側にテーパ状となるボタンカム表面(616)を有する。
図30Aは、遠位環状カム表面(614)がボタンカム表面(616)に係合された、遠位ロック位置にある回転ロックリング(600)を示している。
【0062】
使用時では、
図30Bに示すようにボタン(596)を径方向内向きに押圧することでボタンカム表面(516)を遠位環状カム表面(614)に対して摺動させて、回転ロックリングが近位ロック解除位置にくるまで遠位環状カム表面(614)を誘導する。このように、操作者は回転制御ロック(594)を回転ロック状態から回転ロック解除状態に操作して、シャフトアセンブリ(212)を選択的に回転させる。シャフトアセンブリ(212)を所望の位置に回転させた後、操作者はボタン(596)を離して、ばね(不図示)により回転ロックリング(600)を遠位ロック位置に戻るように誘導する。これにより、ボタン(596)は、回転制御ノブ(514)をロックするために、径方向外側に動かされる。
【0063】
E.並進関節運動体と、関節運動部の張力を可変とするロックスイッチとを有する、例示的な伝送アセンブリ
図31A〜
図31Cは、シャフトアセンブリ(712)が見えるように各種構成要素が省略された状態の、超音波外科用器具の第6の実施形態(710)を示している。シャフトアセンブリ(712)は、関節運動バンド(140、142)(
図3を参照)と同様であるが、ハンドルアセンブリ(714)内へと延在するように長手方向に長くなっている細長関節運動バンド(713、715)を有する(
図32Aを参照)。音響導波管(180)が、細長関節運動バンド(713、715)の間でシャフトアセンブリ(712)に沿って延在し、エンドエフェクタ(40)(
図1を参照)に動作可能に接続される。
【0064】
外科用器具(710)はまた、伝送アセンブリ(726)に接続される関節運動制御ノブ(222)を有する、細長関節運動バンド(713、715)の長手方向移動を選択的に誘導し、上述のように関節運動部(130)を関節運動させる(
図2参照)関節運動制御アセンブリ(718)を有する。ドラム(252)、親ネジ(254、256)、及び
図16に示すその他の各種構成要素の代わりに、
図31Aに示すアセンブリ(726)が、関節運動体(752)を有する。関節運動体(752)は、シャフトアセンブリ(712)を屈曲させるため、横方向軸に沿って、上側位置と、下側位置との間で並進するように構成されている。本明細書に記載するように、シャフト関節運動について、上側位置を左側位置と称してもよく、下側位置を右側位置と称してもよい。これら用語は、例示的な関節運動体(752)を横方向軸に沿って並進させることに関して同義として使用でき、本明細書に記載の発明を限定する意図はない。
【0065】
関節運動制御ノブ(222)は、ネジ山付き駆動シャフト(750)が、関節運動体(752)内のネジ山付き穴(753)内に剛性的に上方に延在して(
図32Aを参照)、ノブスロット(228)(
図21Aを参照)内に回転可能に取り付けられている。したがって、ネジ山付き駆動シャフト(750)と関節運動体(762)とは動作可能に接続され、関節運動制御ノブ(222)の時計回りの回転が関節運動体(752)を下側位置に誘導し、関節運動制御ノブ(222)の反時計回りの回転が関節運動体(752)を上側位置に誘導する。
【0066】
関節運動バンド(713、715)は、本例においては概して中空状の関節運動体(752)を貫通して延在する。関節運動体(752)の互いに対向する側壁は、それぞれカムチャネル(754、756)を有する。ピン(238、240)はそれぞれカムチャネル(754、756)内に収容され、関節運動バンド(713、715)に係合することで、ピン(238、240)の長手方向移動が関節運動バンド(713、715)に伝送される。このため、各カムチャネル(754、756)は、長手方向と横方向にそれぞれ延在する。但し、カムチャネル(754)は長手方向に沿って上方へと遠位側に延在する一方、カムチャネル(756)は長手方向に沿って下方へと遠位側に延在する。互いに対向するカムチャネル(754、756)の中心部は、長手方向軸に対してそれぞれ反対の角度で延在するが、横方向、長手方向に整列している。したがって、ピン(238、240)は直線構成で直接対向し、各関節運動バンド(713、715)が長手方向で同位置となる。使用時では、関節運動体(752)を、関節運動制御ノブ(222)を介して下方に並進させることで、ピン(238)とバンド(713)とが遠位側に移動する一方で、ピン(240)とバンド(715)とは近位側に移動して、
図31Bに示す左側構成が実現される。対照的に、関節運動体(752)を、関節運動制御ノブ(222)を介して上方に並進させることでピン(238)とバンド(713)とが近位側に移動する一方で、ピン(240)とバンド(715)とは右側構成のために遠位側に移動する。
【0067】
図32A〜
図32Bもまた、本体テンショナ(820)と、ロックスイッチ(822)の形態をとる協働ロック部材とを含む関節運動制御ロック(784)を有する関節運動制御アセンブリ(718)を有する外科用器具(710)を示す。前段にて簡潔に触れたように、関節運動バンド(713、715)に近位側張力をかけると、シャフト位置に係らずシャフトアセンブリ(712)がロック及び更に剛化され、関節運動部(130)での移動が阻害される(
図11を参照)。しかし、ロックスイッチ(822)は、操作者が関節運動制御ノブ(222)を介して関節運動部(130)(
図11を参照)を関節運動させやすいように、ロック解除して張力を開放するように構成されている。
【0068】
本例では、本体テンショナ(820)は、それぞれ一対のばねマウント(826)を介してハウジング(22)に接続される一対の圧縮ばね(824)を含む。ばね(824)は、スライダ(828)を介して関節運動体(752)に接続される。スライダ(828)は、関節運動体(752)の横方向軸に沿った並進移動に対応するように構成されている。
図32Aに示す関節運動ロック状態では、ばね(824)は、関節運動体(752)と関節運動制御ノブ(222)とを近位位置に誘導する。したがって、関節運動バンド(713、715)に張力がかけられ、関節運動制御ノブ(222)は少なくとも部分的にハウジング(22)内で遠位側に隠されて、操作者が関節運動制御ノブ(222)にアクセスできなくする。ロックスイッチ(822)も比較的近位側の位置に枢動して、ばね(824)を近位側に延在可能とする。
【0069】
使用時には、及び
図32Bに示すように、操作者が関節運動部(130)(
図11を参照)を関節運動させたければ、ロックスイッチ(822)を遠位側に枢動させて、遠位位置に配置する。それにより、ロックスイッチ(822)は関節運動体(752)と関節運動制御ノブ(222)とを遠位側に移動させる。その結果、ばね(824)が圧縮され、関節運動ロック解除状態における関節運動バンド(713,715)内の張力が解放される。関節運動制御ノブ(222)もまた、ハウジング(22)よりも遠位側に延在するため、操作者がよりアクセス、把持しやすくなる。そして、上述のように操作者は関節運動制御ノブ(222)を選択的に回転させる。更に、関節運動ロック状態及びロック解除状態における関節運動制御ノブ(222)の相対位置とアクセスは、操作者に任意の所定のときに選択された具体的な状態についての指標となり、使い勝手が増す。
【0070】
F.関節運動部における可変張力のための結合部材を介して関節運動制御ノブに連結された並進関節運動体を有する例示的な伝送アセンブリ
図33A〜
図33Bは、ハンドルアセンブリ(714)、シャフトアセンブリ(712)、及び関節運動制御アセンブリ(918)を有する、第7の例示的な超音波外科用器具(910)を示している。上述の関節運動制御アセンブリ(718)(
図32Aを参照)同様、関節運動制御アセンブリ(918)は、関節運動制御ノブ(222)と、ネジ山付き駆動シャフト(750)と、関節運動体(752)と、関節運動制御アセンブリ(918)を関節運動ロック状態にロックするための本体テンショナ(820)とを有する。更に、関節運動制御アセンブリ(918)は、結合部材(1030)を有する関節運動制御ロック(984)を有する。結合部材(1030)は、関節運動制御ノブ(222)と関節運動体(752)とを動作可能に接続して、関節運動制御ノブ(222)が剛性的に接続されるのではなく、選択的に駆動シャフト(750)に接続されるようにする。言い換えると、関節運動ロック状態(
図33A)では、関節運動制御ノブ(222)は駆動シャフト(750)に対して効果的に移動可能となるが、関節運動ロック解除状態(
図33B)では、関節運動制御ノブ(222)は上述のシャフト関節運動のために、駆動シャフト(750)に係合する。
【0071】
本例では、結合部材(1030)はハウジング(22)に回転可能に接続され、ピン(1032)を中心に回転するように構成されている。関節運動制御ノブ(222)は回転可能に結合部材(1030)に接続される下側取付ピン(1034)を有し、関節運動体(752)は結合部材スロット(1038)内に収容される上側取付ピン(1036)を有する。関節運動ロック状態では、ばね(824)は関節運動体(752)を近位側に誘導し、これにより関節運動制御ノブ(222)がノブスロット(228)から結合部材(1030)を介して遠位側に移動して、操作者がアクセスしやすくなる。
【0072】
図33Bに示すように、操作者はノブスロット(228)内で関節運動制御ノブ(222)を近位側に移動させ、関節運動のために関節運動制御アセンブリ(918)をロック解除する。具体的には、下側取付ピン(1034)で生じた近位側移動により、結合部材が上側取付ピン(1036)を、結合部材スロット(1038)を介して遠位側に引かれる。関節運動制御ノブ(222)は、関節運動ロック解除状態で駆動シャフト(750)に係合するまで近位側に移動し続ける。本例において、従動ギア(1040)は駆動シャフト(750)から下方に延在し、駆動ギア(1042)は関節運動制御ノブ(222)から上方に延在する。駆動及び従動ギア(1040、1042)は、関節運動ロック解除状態において係合してそれらに沿った回転を伝送するように、及び関節運動ロック状態において係合解除され、関節運動制御ノブ(222)が自由に移動可能となるように、構成される。更に、関節運動制御ノブ(222)の、ノブスロット(228)からの遠位側への突出と、触知可能な自由移動可能状態により、操作者にいつでも具体的な選択状態を示すように構成されて、使い勝手が増す。
【0073】
G.関節運動部における張力を増大させる例示的張力連結
図31A及び
図34A〜
図34Cは、単独でも使用可能であるし、本明細書に記載の他の関節運動制御ロックとの併用も可能である、更なる例示的な関節運動制御ロック(1044)を示す。関節運動制御ロック(144)は、一対のラック(1046)と、弾性的に取り付けられて回転可能なピニオン(1048)とを有する。ラック(1046)は、関節運動バンド(713、715)が内側で互いに対向する側面により存在し、その間にピニオン(1048)が挟まれて、各ラック(1046)と同時に係合する。
【0074】
関節運動ロック状態でのピニオン(1048)は、引張ばね(1052)等の付勢部材により近位側に引かれる。これにより、ピニオン(1048)は同様に関節運動バンド(713、715)それぞれを近位側に引き、シャフトアセンブリ(712)を剛化して、不慮のシャフト偏向を防止する。本例において、引張ばね(1052)は可動マウント(1054)に、近位に固定される。当該マウントは、関節運動ロック解除状態に到達するまで引張力を低減するように、選択的にピニオン(1048)に向かって移動するように構成されている。別の例では、ピニオン(1048)は、関節運動制御ノブ(222)等の回転可能ノブに接続され、選択的に回転されることで、各関節運動バンド(713、715)の長手方向移動を誘導してもよい。使用時には、
図34A〜
図34Cは、関節運動制御アセンブリの直線構成、右側構成、左側構成をそれぞれ示し、上述のように選択的に駆動されてもよい。
【0075】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない、と理解すべきである。一切の放棄をも意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられている。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれかの理由により追加されたものとしても、仮定されるべきではない。
【実施例】
【0076】
(実施例1)
(a)長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、
(i)近位端部と、
(ii)エンドエフェクタを収容するように構成されている遠位端部と、
(iii)長手方向軸から遠位端部を偏向させるように構成されている関節運動部と、を有する
シャフトアセンブリと、
(b)シャフトアセンブリの近位端部に接続された関節運動制御アセンブリであって、
(i)シャフトアセンブリに対して回転可能に取り付けられ、操作者により選択的に操作されるように構成されている関節運動制御部材と、
(ii)関節運動制御部材とシャフトアセンブリの関節運動部との間に動作可能に接続され、関節運動制御部材の選択的操作を関節運動部に伝送して、関節運動部を選択的に作動させるように構成されている、伝送アセンブリと、を有する
関節運動制御アセンブリと、を備え、
関節運動制御アセンブリは、関節運動制御部材の選択的操作がなければロックして関節運動部の作動を阻害し、関節運動制御部材が選択的に操作されるとロック解除して関節運動部を作動させるように構成されている、外科用器具。
【0077】
(実施例2)
伝送アセンブリは、
(A)駆動ギアであって、関節運動制御部材が駆動ギアを回転させるように回転可能となるように、関節運動制御部材に対して固定された駆動ギアと、
(B)駆動ギアに係合され、関節運動部に動作可能に接続されて、関節運動部を選択的に作動させるように伝送アセンブリの残部に駆動ギアの回転を伝送するように構成されている従動ギアと、を更に有する、実施例1に記載の外科用器具。
【0078】
(実施例3)
駆動ギアはベベル駆動ギアの形態をとり、従動ギアはベベル従動ギアの形態をとる、実施例2に記載の外科用器具。
【0079】
(実施例4)
ベベル駆動ギアは、シャフトアセンブリの長手方向軸に交差する軸を中心に回転するように構成され、ベベル従動ギアはシャフトアセンブリの長手方向軸を中心に回転するように構成されている、実施例3に記載の外科用器具。
【0080】
(実施例5)
伝送アセンブリは、
(A)長手方向軸を中心に回転するように構成され、長手方向軸を中心として設けられた複数の内側ネジ山を有するドラムと、
(B)複数の内側ネジ山に係合され、ドラムが回転すると、関節運動部が作動するように、長手方向軸に沿って並進するように構成されている、少なくとも1つの親ネジと、を更に有し、
ベベル従動ギアは、関節運動制御がドラムを回転させるように回転可能となるように、ドラムに設置されている、
実施例4に記載の外科用器具。
【0081】
(実施例6)
少なくとも1つの親ネジは、関節運動制御部材が選択的に操作されていないときにはロックして、関節運動部の作動を阻害し、関節運動制御部材が選択的に操作されるとロック解除して関節運動部を作動させるように構成されている、実施例5に記載の外科用器具。
【0082】
(実施例7)
関節運動制御部材は伝送アセンブリに対して弾性的に取り付けられて、関節運動ロック状態から関節運動ロック解除状態へと操作されることで関節運動制御アセンブリをそれぞれロック及びロック解除するように構成され、
関節運動制御部材は、関節運動ロック状態に向かって付勢されている、
実施例1から6の内のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【0083】
(実施例8)
関節運動制御部材は、駆動シャフトを介して駆動ギアに固定され、駆動シャフトは、関節運動ロック状態から、関節運動ロック解除状態へと弾性的に偏向するように構成されている、実施例7に記載の外科用器具。
【0084】
(実施例9)
伝送アセンブリは駆動ギアを有し、関節運動制御部材は関節運動ロック状態から関節運動ロック解除状態へと並進するように構成され、関節運動制御部材は、関節運動ロック解除状態では駆動ギアから係合解除され、関節運動制御部材は、関節運動ロック解除状態では駆動ギアと係合する、実施例7及び8のいずれか一方又は両方に記載の外科用器具。
【0085】
(実施例10)
少なくとも1つの固定歯を有するハンドルアセンブリを更に備え、
関節運動制御部材は少なくとも1つの別の固定歯を有し、
固定歯は、関節運動ロック状態で係合して関節運動制御部材のハンドルアセンブリに対する回転を阻害し、
固定歯は、関節運動ロック解除状態において係合解除され、関節運動制御部材のハンドルアセンブリに対する回転を提供する、
実施例7から9の内のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【0086】
(実施例11)
伝送アセンブリは、関節運動体を更に有し、
関節運動体は、弾性的に取り付けられ、関節運動ロック状態から関節運動ロック解除状態に移動して関節運動制御アセンブリをそれぞれロック及びロック解除するように構成され、
関節運動体は、関節運動ロック状態に付勢されている、
実施例1から10の内のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【0087】
(実施例12)
関節運動制御部材は、関節運動体内に螺合されるネジ山付き駆動シャフトを有し、関節運動体は、関節運動制御部材とネジ山付き駆動シャフトが選択的に回転すると、横方向軸に沿って移動して、関節運動部を作動させるように構成されている、実施例11に記載の外科用器具。
【0088】
(実施例13)
伝送アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で選択的に移動するように構成されたロック部材を更に有し、ロック部材は第1の位置において、関節運動体を関節運動ロック状態に付勢可能とし、ロック部材は第2の位置において、関節運動体を関節運動ロック解除状態に動かす、実施例12に記載の外科用器具。
【0089】
(実施例14)
関節運動制御部材は、遠位位置と近位位置との間で操作されるように構成され、
伝送アセンブリは、
(A)関節運動制御部材に固定された駆動ギアと、
(B)関節運動体に、ネジ山付き駆動シャフトを介して回転可能に接続された従動ギアであって、従動ギアとネジ山付き駆動シャフトとが選択的に回転されると、関節運動体が横方向軸に沿って移動して、関節運動部を作動させるように構成されている、従動ギアと、
(C)関節運動制御部材を関節運動体に動作可能に結合させる結合部材とを更に有し、
関節運動制御部材は、関節運動ロック状態において、結合部材を介して遠位位置に付勢され、
関節運動制御部材を近位位置に選択的に動かすことは、関節運動体を、結合部材を介して関節運動ロック解除状態に誘導するように構成されたものであり、
駆動ギアは、関節運動制御部材が遠位位置にあるときに従動ギアから係合解除され、
駆動ギアは、関節運動制御部材が近位位置にあるときに従動ギアに係合される、
実施例11から13の内のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【0090】
(実施例15)
(a)ハンドルアセンブリであって、シャフトアセンブリがハンドルアセンブリから遠位側へと延在し、ハンドルアセンブリに対して、長手方向軸中心に回転するように構成されている、ハンドルアセンブリと、
(b)シャフトアセンブリに接続されている回転制御アセンブリであって、
(i)シャフトアセンブリに接続され、長手方向軸に沿って延在し、長手方向軸を中心に選択的に回転されることで、シャフトアセンブリを長手方向軸を中心に回転させるように構成されている、回転制御部材と、
(ii)シャフトアセンブリに動作可能に接続され、回転ロック状態と、回転ロック解除状態との間で選択的に移動するように構成され、回転ロック状態に向かって付勢され、回転ロック状態においてはハンドルアセンブリに対するシャフトアセンブリの回転を阻害するように構成され、回転ロック解除状態では、回転制御部材を介し、ハンドルアセンブリに対してシャフトアセンブリを回転可能とする、回転ロックと、を有する回転制御アセンブリと、を更に備える、実施例1から15の内のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【0091】
(実施例16)
(a)ハンドルアセンブリと、
(b)長手方向軸を画定し、ハンドルアセンブリから遠位側に延在するシャフトアセンブリであって、
(i)近位端部と、
(ii)エンドエフェクタを収容するように構成されている遠位端部と、を有するシャフトアセンブリと、
(c)シャフトアセンブリに接続される回転制御アセンブリであって、
(i)シャフトアセンブリに接続され、長手方向軸に沿って延在し、長手方向軸を中心に選択的に回転されることで、シャフトアセンブリを長手方向軸を中心に回転させるように構成されている、回転制御部材と、
(ii)シャフトアセンブリに動作可能に接続され、回転ロック状態と、回転ロック解除状態との間で選択的に移動するように構成され、回転ロック状態に向かって付勢され、回転ロック状態においてはハンドルアセンブリに対するシャフトアセンブリの回転を阻害するように構成され、回転ロック解除状態では、回転制御部材を介し、ハンドルアセンブリに対してシャフトアセンブリを回転可能とする、回転ロックと、を有する回転制御アセンブリと、を備える、外科用器具。
【0092】
(実施例17)
回転ロックは、回転制御部材を貫通して延在し、回転制御アセンブリを選択的に回転ロック状態から回転ロック解除状態に誘導するように長手方向軸に向かって押し込まれるように構成されている、少なくとも1つのボタンを更に有する、実施例16に記載の外科用器具。
【0093】
(実施例18)
少なくとも1つのボタンは、回転制御部材を貫通して延在し、長手方向軸の周りに傾斜して配置される複数のボタンを含み、ボタンはそれぞれ、回転制御アセンブリを選択的に回転ロック状態から回転ロック解除状態に誘導するように長手方向軸に向かって押し込まれるように構成されている、実施例17に記載の外科用器具。
【0094】
(実施例19)
回転制御アセンブリは、回転制御部材とシャフトアセンブリとの間に、長手方向軸を中心に配置される環状ロックリングを更に有し、環状ロックリングは回転ロック状態に付勢されて、回転制御部材と、ハンドルアセンブリにそれぞれ係合してハンドルアセンブリに対するシャフトアセンブリの回転を阻害し、少なくとも1つのボタンは、環状を、回転制御部材とハンドルアセンブリとの内の少なくとも一方から係合解除するように動かせて、回転制御部材を介して、ハンドルアセンブリに対してシャフトアセンブリを回転可能とするように動作可能である、請求項17及び18の一方又は両方に記載の外科用器具。
【0095】
(実施例20)
(a)長手方向軸を画定し、ハンドルアセンブリから遠位側に延在するシャフトアセンブリであって、
(i)近位端部と、
(ii)エンドエフェクタを収容するように構成されている遠位端部と、
(iii)長手方向軸から遠位端部を偏向させるように構成されている関節運動部と、を有するシャフトアセンブリと、
(b)シャフトアセンブリの近位端部に接続された関節運動制御アセンブリであって、
(i)シャフトアセンブリに対して回転可能に取り付けられ、操作者により選択的に操作されるように構成されている関節運動制御部材と、
(ii)関節運動制御部材とシャフトアセンブリの関節運動部との間に動作可能に接続され、関節運動制御部材の選択的操作を関節運動部に伝送して、関節運動部を選択的に作動させるように構成されている伝送アセンブリと、を有する
関節運動制御アセンブリと、を備え、
伝送アセンブリは、
(A)ベベル駆動ギアであって、関節運動制御部材がベベル駆動ギアを回転させるように回転可能となるように、関節運動制御部材に対して固定されたベベル駆動ギアと、
(B)ベベル駆動ギアに係合され、関節運動部に動作可能に接続されて、関節運動部を選択的に作動させるように伝送アセンブリの残部にベベル駆動ギアの回転を伝送するように構成されているベベル従動ギアと、を有する、外科用器具。
【0096】
IV.その他
本明細書に記載される器具のいずれの変形形態も、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、種々のその他の特徴を含んでもよい、と理解すべきである。実施例のみの目的で、本明細書に記載される器具のいずれもが、本明細書に参考として組み込まれる種々の参考文献のいずれかにおいて開示される種々の特徴の内の、1つ以上を含むことができる。また、多数の方法にて、本明細書の引用文献のいずれかの教示と本明細書の教示とを容易に組み合わせ得るように、本明細書の教示は、本明細書のその他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得る、とも理解すべきである。更に、当業者は、本明細書の種々の教示が電気外科器具、ステープル留め器具、及び他の種類の外科器具に容易に適用され得ることを認識するであろう。本明細書の教示が組み込まれ得るその他の種類の器具が、当業者に明らかであろう。
【0097】
本明細書に参考として組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる、と理解されなければならない。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記述、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0098】
上記の装置の変形形態は、医療専門家により行われる従来の治療及び処置における用途のみではなく、ロボット支援された治療及び処置における用途をも有してよい。実施例のみの目的で、本明細書の種々の教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれてよい。同様に、本明細書の種々の教示は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、2004年8月31日公開の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号の種々の教示と容易に組み合わされ得ることを、当業者は理解するであろう。
【0099】
上記の変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、又は、それらは複数回使用されるように設計されてもよい。一方又はその両方の場合において、種々の変形形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部分の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立て工程の、任意の組み合わせを含んでよい。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、かつ、装置の任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換に際して、装置の特定の変形例を、再調整用の施設において、又は手術の直前に使用者により再組み立てして、その後の使用に供することができる。装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立てのための種々の技術を利用することができることを、当業者は理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0100】
実施例のみの目的で、本明細書に記載される変形形態は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてよい。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管してよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で周知のその他の任意の技術を用いて、装置を滅菌してもよい。
【0101】
以上、本発明の種々の実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な改変の内のいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0102】
〔実施の態様〕
(1) (a)長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、
(i)近位端部と、
(ii)エンドエフェクタを収容するように構成されている遠位端部と、
(iii)前記長手方向軸から前記遠位端部を偏向させるように構成されている関節運動部と、を有する
シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記近位端部に接続された関節運動制御アセンブリであって、
(i)前記シャフトアセンブリに対して回転可能に取り付けられ、操作者により選択的に操作されるように構成されている関節運動制御部材と、
(ii)前記関節運動制御部材と前記シャフトアセンブリの前記関節運動部との間に動作可能に接続され、前記関節運動制御部材の選択的操作を前記関節運動部に伝送して、前記関節運動部を選択的に作動させるように構成されている、伝送アセンブリと、を有する
関節運動制御アセンブリと、を備え、
前記関節運動制御アセンブリは、前記関節運動制御部材の選択的操作がなければロックして前記関節運動部の作動を阻害し、前記関節運動制御部材が選択的に操作されるとロック解除して前記関節運動部を作動させるように構成されている、外科用器具。
(2) 前記伝送アセンブリは、
(A)駆動ギアであって、前記関節運動制御部材が前記駆動ギアを回転させるように回転可能となるように、前記関節運動制御部材に対して固定された駆動ギアと、
(B)前記駆動ギアに係合され、前記関節運動部に動作可能に接続されて、前記関節運動部を選択的に作動させるように前記伝送アセンブリの残部に前記駆動ギアの回転を伝送するように構成されている従動ギアと、を更に有する、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記駆動ギアはベベル駆動ギアの形態をとり、前記従動ギアはベベル従動ギアの形態をとる、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記ベベル駆動ギアは、前記シャフトアセンブリの前記長手方向軸に交差する軸を中心に回転するように構成され、前記ベベル従動ギアは前記シャフトアセンブリの前記長手方向軸を中心に回転するように構成されている、実施態様3に記載の外科用器具。
(5) 前記伝送アセンブリは、
(A)前記長手方向軸を中心に回転するように構成され、前記長手方向軸を中心として設けられた複数の内側ネジ山を有するドラムと、
(B)前記複数の内側ネジ山に係合され、前記ドラムが回転すると、前記関節運動部が作動するように、前記長手方向軸に沿って並進するように構成されている、少なくとも1つの親ネジと、を更に有し、
前記ベベル従動ギアは、前記関節運動制御が前記ドラムを回転させるように回転可能となるように、前記ドラムに設置されている、
実施態様4に記載の外科用器具。
【0103】
(6) 前記少なくとも1つの親ネジは、前記関節運動制御部材が選択的に操作されていないときにはロックして、前記関節運動部の作動を阻害し、前記関節運動制御部材が選択的に操作されるとロック解除して前記関節運動部を作動させるように構成されている、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記関節運動制御部材は前記伝送アセンブリに対して弾性的に取り付けられて、関節運動ロック状態から関節運動ロック解除状態へと操作されることで前記関節運動制御アセンブリをそれぞれロック及びロック解除するように構成され、
前記関節運動制御部材は、前記関節運動ロック状態に向かって付勢されている、
実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 前記関節運動制御部材は、駆動シャフトを介して駆動ギアに固定され、前記駆動シャフトは、前記関節運動ロック状態から、前記関節運動ロック解除状態へと弾性的に偏向するように構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記伝送アセンブリは駆動ギアを有し、前記関節運動制御部材は前記関節運動ロック状態から前記関節運動ロック解除状態へと並進するように構成され、前記関節運動制御部材は、前記関節運動ロック解除状態では前記駆動ギアから係合解除され、前記関節運動制御部材は、前記関節運動ロック解除状態では前記駆動ギアと係合する、実施態様7に記載の外科用器具。
(10) 少なくとも1つの固定歯を有するハンドルアセンブリを更に備え、
前記関節運動制御部材は少なくとも1つの別の固定歯を有し、
前記固定歯は、前記関節運動ロック状態で係合して前記関節運動制御部材の前記ハンドルアセンブリに対する回転を阻害し、
前記固定歯は、前記関節運動ロック解除状態において係合解除され、前記関節運動制御部材の前記ハンドルアセンブリに対する回転を提供する、
実施態様7に記載の外科用器具。
【0104】
(11) 前記伝送アセンブリは、関節運動体を更に有し、
前記関節運動体は、弾性的に取り付けられ、関節運動ロック状態から関節運動ロック解除状態に移動して前記関節運動制御アセンブリをそれぞれロック及びロック解除するように構成され、
前記関節運動体は、前記関節運動ロック状態に付勢されている、
実施態様1に記載の外科用器具。
(12) 前記関節運動制御部材は、前記関節運動体内に螺合されるネジ山付き駆動シャフトを有し、前記関節運動体は、前記関節運動制御部材と前記ネジ山付き駆動シャフトが選択的に回転すると、横方向軸に沿って移動して、前記関節運動部を作動させるように構成されている、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 前記伝送アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で選択的に移動するように構成されたロック部材を更に有し、前記ロック部材は前記第1の位置において、前記関節運動体を前記関節運動ロック状態に付勢可能とし、前記ロック部材は前記第2の位置において、前記関節運動体を前記関節運動ロック解除状態に動かす、実施態様12に記載の外科用器具。
(14) 前記関節運動制御部材は、遠位位置と近位位置との間で操作されるように構成され、
前記伝送アセンブリは、
(A)前記関節運動制御部材に固定された駆動ギアと、
(B)前記関節運動体に、ネジ山付き駆動シャフトを介して回転可能に接続された従動ギアであって、前記従動ギアと前記ネジ山付き駆動シャフトとが選択的に回転されると、前記関節運動体が横方向軸に沿って移動して、前記関節運動部を作動させるように構成されている、従動ギアと、
(C)前記関節運動制御部材を前記関節運動体に動作可能に結合させる結合部材とを更に有し、
前記関節運動制御部材は、前記関節運動ロック状態において、前記結合部材を介して前記遠位位置に付勢され、
前記関節運動制御部材を前記近位位置に選択的に動かすことは、前記関節運動体を、前記結合部材を介して前記関節運動ロック解除状態に誘導するように構成されたものであり、
前記駆動ギアは、前記関節運動制御部材が前記遠位位置にあるときに前記従動ギアから係合解除され、
前記駆動ギアは、前記関節運動制御部材が前記近位位置にあるときに前記従動ギアに係合される、
実施態様11に記載の外科用器具。
(15) (a)ハンドルアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが前記ハンドルアセンブリから遠位側へと延在し、前記ハンドルアセンブリに対して、前記長手方向軸を中心に回転するように構成されている、ハンドルアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリに接続されている回転制御アセンブリであって、
(i)前記シャフトアセンブリに接続され、前記長手方向軸に沿って延在し、前記長手方向軸を中心に選択的に回転されることで、前記シャフトアセンブリを前記長手方向軸を中心に回転させるように構成されている、回転制御部材と、
(ii)前記シャフトアセンブリに動作可能に接続され、回転ロック状態と、回転ロック解除状態との間で選択的に移動するように構成され、前記回転ロック状態に向かって付勢され、前記回転ロック状態においては前記ハンドルアセンブリに対する前記シャフトアセンブリの回転を阻害するように構成され、前記回転ロック解除状態では、前記回転制御部材を介し、前記ハンドルアセンブリに対して前記シャフトアセンブリを回転可能とする、回転ロックと、を有する回転制御アセンブリと、を更に備える、実施態様1に記載の外科用器具。
【0105】
(16) (a)ハンドルアセンブリと、
(b)長手方向軸を画定し、前記ハンドルアセンブリから遠位側に延在するシャフトアセンブリであって、
(i)近位端部と、
(ii)エンドエフェクタを収容するように構成されている遠位端部と、を有するシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリに接続される回転制御アセンブリであって、
(i)前記シャフトアセンブリに接続され、前記長手方向軸に沿って延在し、前記長手方向軸を中心に選択的に回転されることで、前記シャフトアセンブリを前記長手方向軸を中心に回転させるように構成されている、回転制御部材と、
(ii)前記シャフトアセンブリに動作可能に接続され、回転ロック状態と、回転ロック解除状態との間で選択的に移動するように構成され、前記回転ロック状態に向かって付勢され、前記回転ロック状態においては前記ハンドルアセンブリに対する前記シャフトアセンブリの回転を阻害するように構成され、前記回転ロック解除状態では、前記回転制御部材を介し、前記ハンドルアセンブリに対して前記シャフトアセンブリを回転可能とする、回転ロックと、を有する回転制御アセンブリと、を備える、外科用器具。
(17) 前記回転ロックは、前記回転制御部材を貫通して延在し、前記回転制御アセンブリを選択的に前記回転ロック状態から前記回転ロック解除状態に誘導するように前記長手方向軸に向かって押し込まれるように構成されている、少なくとも1つのボタンを更に有する、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 前記少なくとも1つのボタンは、前記回転制御部材を貫通して延在し、前記長手方向軸の周りに傾斜して配置される複数のボタンを含み、前記ボタンはそれぞれ、前記回転制御アセンブリを選択的に前記回転ロック状態から前記回転ロック解除状態に誘導するように前記長手方向軸に向かって押し込まれるように構成されている、実施態様17に記載の外科用器具。
(19) 前記回転制御アセンブリは、前記回転制御部材と前記シャフトアセンブリとの間に、前記長手方向軸を中心に配置される環状ロックリングを更に有し、前記環状ロックリングは前記回転ロック状態に付勢されて、前記回転制御部材と、前記ハンドルアセンブリにそれぞれ係合して前記ハンドルアセンブリに対する前記シャフトアセンブリの回転を阻害し、前記少なくとも1つのボタンは、前記環状を、前記回転制御部材と前記ハンドルアセンブリとの内の少なくとも一方から係合解除するように動かせて、前記回転制御部材を介して、前記ハンドルアセンブリに対して前記シャフトアセンブリを回転可能とするように動作可能である、実施態様17に記載の外科用器具。
(20) (a)長手方向軸を画定し、前記ハンドルアセンブリから遠位側に延在するシャフトアセンブリであって、
(i)近位端部と、
(ii)エンドエフェクタを収容するように構成されている遠位端部と、
(iii)前記長手方向軸から前記遠位端部を偏向させるように構成されている関節運動部と、を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記近位端部に接続された関節運動制御アセンブリであって、
(i)前記シャフトアセンブリに対して回転可能に取り付けられ、操作者により選択的に操作されるように構成されている関節運動制御部材と、
(ii)前記関節運動制御部材と前記シャフトアセンブリの前記関節運動部との間に動作可能に接続され、前記関節運動制御部材の選択的操作を前記関節運動部に伝送して、前記関節運動部を選択的に作動させるように構成されている伝送アセンブリと、を有する
関節運動制御アセンブリと、を備え、
前記伝送アセンブリは、
(A)ベベル駆動ギアであって、前記関節運動制御部材が前記ベベル駆動ギアを回転させるように回転可能となるように、前記関節運動制御部材に対して固定されたベベル駆動ギアと、
(B)前記ベベル駆動ギアに係合され、前記関節運動部に動作可能に接続されて、前記関節運動部を選択的に作動させるように前記伝送アセンブリの残部に前記ベベル駆動ギアの回転を伝送するように構成されているベベル従動ギアと、を有する、外科用器具。