特許第6930007号(P6930007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6930007
(24)【登録日】2021年8月13日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】フレキシブル基板
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20210823BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210823BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20210823BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
   G09F9/30 338
   G09F9/30 308Z
   G09F9/30 349Z
   G09F9/30 365
   H05B33/14 A
   H01L27/32
   H05B33/02
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-143276(P2020-143276)
(22)【出願日】2020年8月27日
(62)【分割の表示】特願2016-75331(P2016-75331)の分割
【原出願日】2016年4月4日
(65)【公開番号】特開2020-197747(P2020-197747A)
(43)【公開日】2020年12月10日
【審査請求日】2020年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 靖
【審査官】 石本 努
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0306941(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0380679(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0299884(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0064466(US,A1)
【文献】 特開2014−232300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133−1/1334
1/1339−1/1368
G09F9/00−9/46
H01L27/32
51/50
H05B33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の基板と、
前記絶縁性の基板上に配置された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に配置されたスイッチング素子と、
前記スイッチング素子と電気的に接続された信号配線と、
前記信号配線上に配置された第1有機膜と、
前記信号配線と電気的に接続する接続配線と、
前記接続配線上に配置された第2有機膜と、
前記接続配線と電気的に接続するパッド電極と、を備え、
前記スイッチング素子がマトリクス状に配置された領域を囲む額縁領域を有し、
前記額縁領域は、前記スイッチング素子がマトリクス状に配置された領域と隣接する第1領域と、前記第1領域と隣接する第2領域と、前記第2領域と隣接する第3領域と、を有し、
前記第1絶縁膜は、前記第1領域及び前記第3領域に設けられ、
前記第1有機膜は、前記第2領域において、前記絶縁性の基板と接し、
前記接続配線及び前記第2有機膜は、前記第1領域、前記第2領域、及び前記第3領域に設けられ、
前記接続配線は、前記第1有機膜及び前記第2有機膜との間に位置し、前記第1有機膜及び前記第2有機膜に接し、
前記接続配線は、前記第1領域において前記信号配線と接続し、前記第3領域において前記パッド電極と接続し、
前記絶縁性の基板は、前記第3領域の少なくとも一部が、前記スイッチング素子がマトリクス状に配置された領域の下方に位置するように、前記第2領域で折り曲げられている、フレキシブル基板。
【請求項2】
前記接続配線は、前記第1絶縁膜に接していない、請求項1に記載のフレキシブル基板。
【請求項3】
前記第1有機膜は、前記第1領域において、第1コンタクトホールを有し、
前記信号配線と前記接続配線とは、前記第1コンタクトホールを介して接続されている、請求項1又は2に記載のフレキシブル基板。
【請求項4】
前記第2有機膜は、前記第3領域において、第2コンタクトホールを有し、
前記接続配線と前記パッド電極とは、前記第2コンタクトホールを介して接続されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフレキシブル基板。
【請求項5】
前記第2有機膜は、前記第1領域において、前記第1コンタクトホールを覆っている、請求項3に記載のフレキシブル基板。
【請求項6】
前記第1絶縁膜は、前記第2領域には設けられていない、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフレキシブル基板。
【請求項7】
前記第1有機膜は、前記第1領域及び前記第3領域における第1厚さと、前記第2領域における第2厚さと、を有し、
前記第2厚さは、前記第1厚さより大きい、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフレキシブル基板。
【請求項8】
前記信号配線は、前記スイッチング素子がマトリクス状に配置された領域に位置し、前記第1絶縁膜と前記第1有機膜との間に設けられている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフレキシブル基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、フレキシブル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルや有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネルなどの平面表示装置は、各種分野で利用されている。近年では、表示装置の基板として柔軟性材料で形成されたフレキシブル基板を用いることによって、折り曲げ可能なフレキシブル表示装置が開発されている。
【0003】
表示装置は、一般的に、画像を表示する表示領域と、表示領域の周辺に位置し、駆動回路や外部回路と接続する額縁領域とを備えている。
【0004】
このような表示装置は、性能面やデザイン性等の観点から、表示領域の割合がより大きくなるように、額縁領域を狭くすること(狭額縁化)が強く求められている。フレキシブル表示装置の狭額縁化の手段には、フレキシブル表示装置の額縁領域を折り曲げ、折り曲げ領域より外側の額縁領域をフレキシブル表示装置の裏面側に配置し、表示領域の面積を実行的に拡げることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−148728号公報
【特許文献2】特許第5720222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のフレキシブル表示装置では、フレキシブル基板の全面に水分の侵入防止のために無機絶縁膜が配置されている。無機絶縁膜は、一般的に、フレキシブル基板と比べて曲げ応力に対して高い耐性を有する。そのため、無機絶縁膜がフレキシブル表示装置を折り曲げる領域に配置すると、折り曲げ時に無機絶縁膜に曲げ応力が加えられ、無機絶縁膜にクラックが発生することがある。その結果、無機絶縁膜のクラック発生に伴って、無機絶縁膜上に配置された配線が断線するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態によると、絶縁性の基板と、前記絶縁性の基板上に配置された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に配置されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された信号配線と、前記信号配線上に配置された第1有機膜と、前記信号配線と電気的に接続する接続配線と、前記接続配線上に配置された第2有機膜と、前記接続配線と電気的に接続するパッド電極と、を備え、前記スイッチング素子がマトリクス状に配置された領域を囲む額縁領域を有し、前記額縁領域は、前記スイッチング素子がマトリクス状に配置された領域と隣接する第1領域と、前記第1領域と隣接する第2領域と、前記第2領域と隣接する第3領域と、を有し、前記第1絶縁膜は、前記第1領域及び前記第3領域に設けられ、前記第1有機膜は、前記第2領域において、前記絶縁性の基板と接し、前記接続配線及び前記第2有機膜は、前記第1領域、前記第2領域、及び前記第3領域に設けられ、前記接続配線は、前記第1有機膜及び前記第2有機膜との間に位置し、前記第1有機膜及び前記第2有機膜に接し、前記接続配線は、前記第1領域において前記信号配線と接続し、前記第3領域において前記パッド電極と接続し、前記絶縁性の基板は、前記第3領域の少なくとも一部が、前記スイッチング素子がマトリクス状に配置された領域の下方に位置するように、前記第2領域で折り曲げられている、フレキシブル基板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略平面図。
図2】本発明の第1実施形態に係る、図1のII−II線に沿った概略断面図。
図3】本発明の第1実施形態に係る、図1のIII−III線に沿った概略断面図。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の端子領域の拡大平面図。
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置の折り曲げる前の状態を示す概略側面図(A)、及び表示装置の折り曲げた状態を示す概略側面図(B)。
図6】本発明の第2実施形態に係る、図1のII−II線に沿った概略断面図。
図7】本発明の第2実施形態に係る、図1のIII−III線に沿った概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照しながら、いくつかの実施形態について説明する。実施形態を通して同一又は類似の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態の理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際と異なる場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0010】
以下の実施の形態では、表示装置の例として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置の場合について説明するが、本発明は他の表示装置、例えば、液晶表示装置にも適用することができる。また、以下の実施の形態では、トップエミッション型の有機EL表示装置である場合について説明するが、ボトムエミッション型の有機EL表示装置にも適用することができる。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る表示装置DSP−1を図1図5を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の概略平面図、図2は、本発明の第1実施形態に係る、図1のII−II線に沿った概略断面図、図3は、本発明の第1実施形態に係る、図1のIII−III線に沿った概略断面図、図4は本発明の一実施形態に係る表示装置の端子領域の拡大平面図、図5の(A)は本発明の一実施形態に係る表示装置の折り曲げる前の状態を示す概略側面図、図5の(B)は本発明の一実施形態に係る表示装置の折り曲げた状態を示す概略側面図である。
【0012】
本実施形態においては、表示装置DSP−1の短辺に平行な方向を第1方向Xとし、表示装置DSP−1の長辺に平行な方向を第2方向Yとし、第1方向X及び第2方向Yに垂直な方向を第3方向Zとしている。なお、第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交しているが、90°以外の角度で交差していても良い。
【0013】
また、本実施形態においては、第3方向Zの正の向きを上又は上方と定義し、第3方向Zの負の向きを下又は下方と定義する。また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していても良く、又は第1部材から離れて位置していても良い。後者の場合は、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していても良い。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0014】
また、本実施形態において、第3方向Zの正の方向から、フレキシブル基板SUBを見ることを平面視と定義する。
【0015】
図1に示すように、表示装置DSP−1は、フレキシブル基板SUB上に配置された画像表示領域DAと、画像表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域FAとを備えている。非表示領域FAは、画像表示領域DAの例えば右側に隣接して位置する端子領域TAを有している。この端子領域TAは、画像表示領域DAに隣接するコンタクト領域CAと、コンタクト領域CAに隣接する折り曲げ領域BAと、折り曲げ領域BAに隣接するパッド領域PAとを備えている。なお、本実施形態においては、コンタクト領域CAは第1領域に相当し、折り曲げ領域BAは第2領域に相当し、パッド領域PAは第3領域に相当する。
【0016】
画像表示領域DAは、例えば、矩形状であり、m×n個(但し、m及びnは正の整数である)のマトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている。表示装置DSP−1は、画像表示領域DAにおいて、複数の信号配線(図示せず)を有する。これらの信号配線は、複数の走査線と、これらの走査線と平行して配置される複数の電源線と、走査線と直交して配置される複数のデータ信号線(いずれも図示せず)から構成されている。
【0017】
表示装置DSP−1は、図2及び図3に示すようにフレキシブル基板SUBを備える。フレキシブル基板SUBは、絶縁性の折り曲げ可能な基板であり、例えばポリイミド(PI)等を主成分とする柔軟性材料で形成されている。フレキシブル基板SUBは、例えば5〜30μmの厚さを有する。フレキシブル基板SUBの材料は、ポリイミドの他に、ポリアミドイミド、ポリアラミド等の耐熱性が高い材料が用いられる。すなわち、フレキシブル基板SUBは、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13等の成膜、スイッチング素子SWの形成等において高温のプロセスに曝される。そのため、フレキシブル基板SUBは高い耐熱性を有する。第1実施形態の表示装置DSP−1のフレキシブル基板SUBは必ずしも透明性を有している必要はなく、フレキシブル基板SUBはが着色されていてもよい。フレキシブル基板SUBは、例えばガラス基板等の仮基板上に、ポリイミド等の材料を塗布することにより形成することができる。なお、フレキシブル基板SUBを形成する工程において使用した仮基板は、表示装置DSP−1に駆動回路や外部回路を実装した後に、フレキシブル基板SUBから剥離される。
【0018】
フレキシブル基板SUB上には、第1絶縁膜11が配置されている。第1絶縁膜11はフレキシブル基板SUBからイオン性の不純物や、水分等が後述するスイッチン素子に浸入することを抑制する。このような第1絶縁膜11は、例えばシリコン窒化物(SiN)、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)等の無機系材料で形成され、単層又は積層体によって構成されている。
【0019】
画像表示領域DAにおいて、複数のスイッチング素子SW1、SW2、SW3は第1絶縁膜11上に設けられている。これらスイッチング素子SW1、SW2、SW3はそれぞれ一つの画素PXに対応している。例えば、スイッチング素子SW1は、赤色の画素に、スイッチング素子SW2は緑色の画素に、スイッチング素子SW1は、青色の画素に対応している。これらのスイッチング素子SW1、SW2、SW3は、例えばそれぞれ半導体層SCを備えた薄膜トランジスタ(TFT)である。スイッチング素子SW1、SW2、SW3は、いずれも同一構造であるため、ここでは、スイッチング素子SW1に着目してその構造を具体的に説明する。
【0020】
スイッチング素子SW1は、トップゲート型に構成されているが、ボトムゲート型であってもよい。スイッチング素子SW1は、例えばアモルファスシリコンから作られる半導体層SCを備える。半導体層SCは、チャネル領域と、ソース領域と、ドレイン領域とを備える。半導体層SCは、第2絶縁膜12によって覆われている。また、第2絶縁膜12は、第1絶縁膜11上にも配置されている。第2絶縁膜12は、例えばオルトテトラケイ酸エチル(TEOS)等の無機系材料で形成されている。
【0021】
スイッチング素子SW1のゲート電極WGは、第2絶縁膜12上に配置され、半導体層SCのチャネル領域の直上に位置している。ゲート電極WGは、第3絶縁膜13によって覆われている。また、第3絶縁膜13は、第2絶縁膜12上にも配置されている。第3絶縁膜13は、例えばオルトテトラケイ酸エチル(TEOS)等の無機系材料で形成されている。スイッチング素子SW1のソース電極WS及びドレイン電極WDは、第3絶縁膜13上に位置し、第3絶縁膜13に形成されたコンタクトホールを介して、半導体層SCのソース領域及びドレイン領域に接続されている。
【0022】
信号線SGLは、第3絶縁膜13上に位置し、スイッチング素子SW1と電気的に接続されている。信号線SGLは、画像表示領域DAに隣接したコンタクト領域CAまで延出している。信号線SGLは、例えばMoW等で形成されている。
【0023】
ソース電極WS、ドレイン電極WD、及び信号配線SGLは、第1有機膜14によって覆われている。また、第1有機膜14は、第3絶縁膜13上にも配置されている。第1有機膜14は、緩衝性の高い有機材料、例えばハードレジンコート(HRC)等で形成されている。反射層15は、第1有機膜14上に配置されている。反射層15は、例えばアルミニウムや銀等で形成されている。
【0024】
第1電極PEは、反射層15上に配置され、第1有機膜14に形成されたコンタクトホールを介して各スイッチング素子SW1、SW2、SW3のドレイン電極WDに電気的に接続されている。第1電極PEは、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明な導電材料で形成されている。
【0025】
リブ16は、画像表示領域DAが位置する第1有機膜14上の第1電極PEを互いに電気的に絶縁するために例えば格子状またはストライプ状に配置されている。
【0026】
第1接続配線LL1は、図2に示すように端子領域TAにおいて、第1有機膜14上に位置し、第1有機膜14に形成された第1コンタクトホールCH1を介して第3絶縁膜13上の信号配線SGLと電気的に接続されている。第1接続配線LL1は、例えばMoW/Al等で形成されている。
【0027】
第2接続配線LL2は、図3に示すように端子領域TAにおいて、第1有機膜14上に位置し、第1有機膜14に形成された第2コンタクトホールCH2を介して第3絶縁膜13上の他の信号配線SGLと電気的に接続されている。第2接続配線LL2は、例えばMoW/Al等で形成されている。
【0028】
第1及び第2接続配線LL1、LL2は、第2有機膜17によって覆われている。また、第2有機膜17は、第1有機膜14の上にも配置されている。第2有機膜17は、緩衝性の高い有機材料、例えばハードレジンコート(HRC)、感光性透明アクリル樹脂や感光性透明ポリイミド等で形成されている。第2有機膜17は、リブ16と同一の材料からなり、リブ16と同一のプロセスで形成することができる。
【0029】
第1パッド電極PD1は、図2及び図4に示すようにパッド領域PAの第2有機膜17上に配置され、第2有機膜17に形成された第3コンタクトホールCH3を介して第1接続配線LL1と電気的に接続されている。
【0030】
第2パッド電極PD2は、図3及び図4に示すようにパッド領域PAの第2有機膜17上に配置され、第2有機膜17に形成された第4コンタクトホールCH4を介して第2接続配線LL2と電気的に接続されている。
【0031】
第1及び第2パッド電極PD1、PD2は、駆動回路や外部回路(図示せず)と電気的に接続されており、駆動回路や外部回路から電源電圧や各種の信号を取り入れることができる。
【0032】
第1及び第2コンタクトホールCH1、CH2は、図4に示すように第1方向Xに交互に複数配列されている。すなわち、第1及び第2コンタクトホールCH1、CH2は、平面視において、千鳥状に配列されている。第3及び第4コンタクトホールCH3、CH4は、図4に示すように第1方向Xに交互に複数配列、つまり平面視において、千鳥状に配列されている。第1及び第2コンタクトホールCH1、CH2又は第3及び第4コンタクトホールCH3、CH4を直線状に配列した場合には、第1及び第2コンタクトホールCH1、CH2又は第3及び第4コンタクトホールCH3、CH4等に割り当てられる面積領域により、接続配線及びパッド電極の配置密度を高めることには限界がある。しかし、第1及び第2コンタクトホールCH1、CH2、及び/又は第3及び第4コンタクトホールを千鳥状に配列することにより、第1コンタクトホールCH1と第2コンタクトホールCH2とが、また第3コンタクトホールCH3と第4コンタクトホールCH4とが、第1方向Xに互いにずれて配置されるため、第1及び第2接続配線LL1、LL2、第1から第4コンタクトホールCH1、CH2、CH3、CH4並びにパッド電極PDをより高密度で配置することができる。
【0033】
前述した表示装置DSP−1は、図5の(A)に示すように折り曲げる前の状態では、端子領域TAにおいて、コンタクト領域CA、折り曲げ領域BA及びパッド領域PAが第2方向Yに隣接して配置されている。図5の(B)に示すように折り曲げられた状態では、パッド領域PAがフレキシブル基板SUBの画像表示領域DAの下方に位置するように、折り曲げ領域BAが折り曲げられている。
【0034】
なお、第1実施形態に係る表示装置DSP−1はアクティブマトリクス型の表示装置を採用したものであり、図には示していないが、第1電極PE上には有機発光層、第2電極、封止層、対向基板等が配置されている。
【0035】
このような第1実施形態によれば、図5の(B)に示すように端子領域TAにおいて、パッド領域PAがフレキシブル基板SUBの画像表示領域DAの下方に位置するように、折り曲げ領域BAを折り曲げたことで、端子領域TAの幅を狭くすることができ、画像表示領域DAの面積を実行的に広くすることができる。
【0036】
また、図5の(A)に示す状態から図5の(B)に示す状態のように折り曲げ領域BAを折り曲げると、折り曲げ領域BAに位置する第1乃至第3絶縁膜11乃至13に曲げ応力が加えられ、クラックが発生することがある。このため、折り曲げ領域BAに位置するこれら第1乃至第3絶縁膜11乃至13の上に位置する第1及び第2接続配線LL1、LL2にクラックが伝播するおそれがある。
【0037】
しかし、第1実施形態に係る表示装置DSP−1では、第1及び第2接続配線LL1、LL2は、第1乃至第3絶縁膜11乃至13に直接接触せず、第1有機膜14の上に設けられている。さらに、第1及び第2接続配線LL1、LL2は、第2有機膜17によって覆われている。すなわち、第1及び第2接続配線LL1、LL2は、第1有機膜14及び第2有機膜17の間に挟まれている。その結果、表示装置DSP−1の折り曲げ領域BAに位置する第1乃至第3絶縁膜11乃至13にクラックが発生しても、第1有機膜14でクラックの発生を吸収できる。また、第1及び第2接続配線LL1、LL2は第1及び第2有機膜14、17の間に挟まれているため、クラックの伝播を抑制することができる。従って、第1及び第2接続配線LL1、LL2の断線を抑制することができ、信頼性の高い表示装置DSP−1を得ることができる。
【0038】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る表示装置DSP−2を図6及び図7を参照して詳細に説明する。図6は、第2実施形態に係る図1のII−II線に沿った概略断面図、図7は、第2実施形態に係る図1のIII−III線に沿った概略断面図であるが、断面構造は第1実施形態の図2図3と相違する。なお、第1実施形態で説明した図1図5と同様な部材は同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
第2実施形態に係る表示装置DSP−2は、端子領域TAにおいて、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12及び第3絶縁膜13はコンタクト領域CA及びパッド領域PAに配置され、折り曲げ領域BAには配置されていない。すなわち、折り曲げ領域BAに位置するフレキシブル基板SUB上には第1乃至第3絶縁膜11乃至13が存在しない。
【0040】
信号線SGLは、第3絶縁層13上に位置し、スイッチング素子SW1と電気的に接続されている。信号線SGLは、画像表示領域DAに隣接したコンタクト領域CAまで延出している。信号線SGLは、例えばMoW等で形成されている。ソース電極WS、ドレイン電極WD、及び信号配線SGLは、第1有機膜21によって覆われている。また、第1有機膜21は、第3絶縁膜13上にも配置されている。さらに、フレキシブル基板SUBの上にも配置されている。第1有機膜21は、緩衝性の高い有機材料、例えばハードレジンコート(HRC)等で形成されている。
【0041】
第1接続配線LL1は図6に示すように端子領域TAにおいて、第1有機膜21の上に配置され、第1有機膜21に形成された第1コンタクトホールCH1を介して第3絶縁膜13上の信号配線SGLと電気的に接続されている。第2接続配線LL2は図7に示すように端子領域TAにおいて、第1有機膜21の上に配置され、第1有機膜21に形成された第2コンタクトホールCH2を介して第3絶縁膜13上の他の信号配線SGLと電気的に接続されている。
【0042】
第1及び第2接続配線LL1、LL2は、第2有機膜17によって覆われている。また、第2有機膜17は、第1有機膜21上にも配置されている。第2有機膜17は、緩衝性の高い有機材料、例えばハードレジンコート(HRC)、感光性透明アクリル樹脂や感光性透明ポリイミド等で形成されている。
【0043】
このような表示装置DSP−2は、前述した図5の(A)と同様に折り曲げる前の状態では、端子領域TAにおいて、コンタクト領域CA、折り曲げ領域BA及びパッド領域PAが第2方向Yに隣接して配置されている。第2実施形態に係る表示装置DSP−2は、前述した図5の(B)と同様に、パッド領域PAがフレキシブル基板SUBの画像表示領域DAの下方に位置するように、折り曲げ領域BAが折り曲げられている。
【0044】
このような第2実施形態によれば、図5の(B)に示すように、端子領域TAにおいて、パッド領域PAがフレキシブル基板SUBの画像表示領域DAの下方に位置するように、折り曲げ領域BAを折り曲げたことで、端子領域TAの幅を狭くすることができ、画像表示領域DAの面積を実行的に広くすることができる。
【0045】
また、第2実施形態によれば、折り曲げ領域BAには、図6及び図7に示すように、第1乃至第3絶縁膜11乃至13が存在しない。すなわち、第2実施形態によれば、折り曲げ領域BAには、第1有機膜21、第1及び第2接続配線LL1、LL2、及び第2有機膜17が配置されている。その結果、折り曲げ領域BAに曲げ応力が加えられても、前述した第1実施形態のように、クラックが発生しやすい第1乃至第3絶縁膜11乃至13が存在しないため、第1及び第2接続配線LL1、LL2の断線を抑制することができる。また、第1及び第2接続配線LL1、LL2は、第1及び第2有機膜21、17によって挟まれているため、第1及び第2接続配線LL1、LL2の断線をより一層抑制することができる。したがって信頼性の高い表示装置DSP−2を得ることができる。
【0046】
なお、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、原出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]フレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に配置された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に配置されたスイッチング素子と、
前記スイッチング素子と電気的に接続された信号配線と、
前記信号配線上に配置された第1有機膜と、
前記第1有機膜上に配置された接続配線と、
前記接続配線上に配置された第2有機膜と、
前記第2有機膜上に配置されたパッド電極とを有し、
前記接続配線は、前記第1有機膜及び前記第2有機膜に挟まれ、前記第1有機膜及び前記第2有機膜に接している表示装置。
[2]前記接続配線は、前記第1絶縁膜に接していない、[1]に記載の表示装置。
[3]前記信号配線と前記接続配線とは、前記第1有機膜に形成された第1コンタクトホールを介して電気的に接続されている、[1]又は[2]に記載の表示装置。
[4]前記接続配線と前記パッド電極とは、前記第2有機膜に形成された第2コンタクトホールを介して電気的に接続されている、[1]又は[2]に記載の表示装置。
[5]前記第1コンタクトホールと前記第2コンタクトホールの少なくとも一方は、平面視において、千鳥状に複数配列されている、[3]又は[4]に記載の表示装置。
[6]前記フレキシブル基板は、さらに、
複数の画素を有する画像表示領域と、前記画像表示領域を囲む非表示領域とを有し、
前記非表示領域は、記第1コンタクトホールが形成された第1領域と、前記第1領域と隣接し前記接続配線が配置された第2領域と、前記第2領域と隣接し前記パッド電極が配置された第3領域とを有する、[1]乃至[5]いずれか1つに記載の表示装置。
[7]前記フレキシブル基板は、前記第3領域の少なくとも一部が前記画像表示領域の下方に位置するように、前記第2領域で折り曲げられている、[6]に記載の表示装置。
[8]前記第1絶縁膜は、前記第2領域には配置されていない、[6]又は[7]に記載の表示装置。
[9]前記フレキシブル基板は、ポリイミドからなる、[1]乃至[8]いずれか1つに記載の表示装置。
【符号の説明】
【0047】
DSP−1、DSP−2…表示装置 SUB…フレキシブル基板 DA…画像表示領域
FA…額縁領域 TA…端子領域 CA…コンタクト領域(第1領域) PA…パッド領域(第3領域) BA…折り曲げ領域(第2領域) LL1…第1接続配線 LL2…第2接続配線 PD…パッド電極 SW1、SW2、SW3…スイッチング素子 11…第1絶縁膜 12…第2絶縁膜 13…第3絶縁膜 14、21…第1有機膜 15…反射層 16…リブ 17…第2有機膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7