特許第6930181号(P6930181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6930181
(24)【登録日】2021年8月16日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理端末
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20210823BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
   H04N1/387 110
   G06F3/12 308
   G06F3/12 343
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-69751(P2017-69751)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-174374(P2018-174374A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2020年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘和
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−126004(JP,A)
【文献】 特開2004−005485(JP,A)
【文献】 特開2007−026353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/38− 1/393
G06T 5/50
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力インタフェースと、通信インタフェースとを備える情報処理端末によって実行可能なプログラムであって、
該プログラムは、
複数の画像を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理で指定された複数の画像を合成して、印刷媒体に印刷される印刷画像を生成する生成処理と、
前記通信インタフェースを通じてプリンタに印刷指示情報を送信する印刷指示処理とを前記情報処理端末に実行させ、前記印刷指示情報は、前記生成処理で生成した前記印刷画像を印刷媒体に印刷させるための情報であり、
前記第1受付処理で指定された複数の画像のうちの一部の画像は、情報保持画像であり、前記情報保持画像は、複数の明セルと、前記明セルより明度が低い複数の暗セルと、当該情報保持画像内の予め定められた位置に配置される位置検出画像とを含み、且つサーバに記憶されたデータのアドレスを示すアドレス情報を前記明セル及び前記暗セルの組み合わせとして保持し、
該プログラムは、前記第1受付処理で指定された前記情報保持画像の前記明セルが透明色である場合の前記生成処理において、前記情報保持画像と重なり且つ前記情報保持画像より重なり方向の後側に位置する他の画像との位置関係に対応した向きに、前記情報保持画像を回転させて合成し、
前記位置検出画像は、矩形の前記情報保持画像の3隅に配置されており、
該プログラムは、
前記第1受付処理において、テンプレート画像及び前記情報保持画像を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付け、
前記生成処理において、前記位置検出画像が配置されていない隅が前記テンプレート画像の中心に最も近くなる向きに回転させた前記情報保持画像を、前記テンプレート画像に合成するプログラム。
【請求項2】
該プログラムは、前記生成処理において、前記テンプレート画像の所定幅の外縁部に前記情報保持画像が重なることに応じて、前記位置検出画像が配置されていない隅が前記テンプレート画像の中心に近くなる向きに前記情報保持画像を回転させる請求項に記載のプログラム。
【請求項3】
該プログラムは、
前記第1受付処理で指定された前記テンプレート画像の明度の代表値が閾値以上か否かを判断する判断処理を前記情報処理端末に実行させ
前記判断処理で前記閾値以上と判断した場合の前記生成処理において、前記明セルを透明色とした前記情報保持画像を、前記位置検出画像が配置されていない隅が前記テンプレート画像の中心に最も近くなる向きに回転させて前記テンプレート画像に合成し、
前記判断処理で前記閾値未満と判断した場合の前記生成処理において、前記明セルを非透明色とした前記情報保持画像を、予め定められた向きで前記テンプレート画像に合成する請求項又はに記載のプログラム。
【請求項4】
プログラムは、
前記第1受付処理において、意味内容を視覚的に認識可能な図柄を示す図柄画像及び前記情報保持画像を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付け、前記図柄画像は、前記テンプレート画像上に合成可能な、前記テンプレート画像より小さい画像であり、
前記情報保持画像の4隅のうちの1つが前記図柄画像と重なり、且つ前記図柄画像が前記情報保持画像より重なり方向の奥側に位置する場合の前記生成処理において、前記位置検出画像が配置されていない隅が前記図柄画像と重なる向きに回転させた前記情報保持画像を、前記図柄画像に合成する請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
該プログラムは、
前記印刷画像上における前記情報保持画像の位置を変更するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付ける第2受付処理と、
前記第2受付処理で変更された位置における他の画像との位置関係に対応した向きに、前記情報保持画像を回転させて合成する前記生成処理とを前記情報処理端末に実行させる請求項1からのいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
入力インタフェースと、通信インタフェースとを備える情報処理端末によって実行可能なプログラムであって、
該プログラムは、
複数の画像を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理で指定された複数の画像を合成して、印刷媒体に印刷される印刷画像を生成する生成処理と、
前記通信インタフェースを通じてプリンタに印刷指示情報を送信する印刷指示処理とを前記情報処理端末に実行させ、前記印刷指示情報は、前記生成処理で生成した前記印刷画像を印刷媒体に印刷させるための情報であり、
前記第1受付処理で指定された複数の画像のうちの一部の画像は、情報保持画像であり、前記情報保持画像は、複数の明セルと、前記明セルより明度が低い複数の暗セルと、当該情報保持画像内の予め定められた位置に配置される位置検出画像とを含み、且つサーバに記憶されたデータのアドレスを示すアドレス情報を前記明セル及び前記暗セルの組み合わせとして保持し、
該プログラムは、前記第1受付処理で指定された前記情報保持画像の前記明セルが透明色である場合の前記生成処理において、前記情報保持画像と重なり且つ前記情報保持画像より重なり方向の後側に位置する他の画像との位置関係に対応した向きに、前記情報保持画像を回転させて合成し、
該プログラムは、
前記第1受付処理で指定された前記情報保持画像の前記明セルの色を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付ける第3受付処理を前記情報処理端末に実行させ、
前記第3受付処理で透明色が指定された場合の前記生成処理において、前記明セルを透明色とした前記情報保持画像を、前記情報保持画像と重なり且つ前記情報保持画像より重なり方向の奥側に位置する他の画像との位置関係に対応した向きに回転させて合成し、
前記第3受付処理で非透明色が指定された場合の前記生成処理において、前記明セルを非透明色とした前記情報保持画像を、予め定められた向きで合成するプログラム。
【請求項7】
入力インタフェースと、
通信インタフェースと、
コントローラとを備える情報処理端末であって、
前記コントローラは、
複数の画像を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理で指定された複数の画像を合成して、印刷媒体に印刷される印刷画像を生成する生成処理と、
前記通信インタフェースを通じてプリンタに印刷指示情報を送信する印刷指示処理とを実行し、前記印刷指示情報は、前記生成処理で生成した前記印刷画像を印刷媒体に印刷させるための情報であり、
前記第1受付処理で指定された複数の画像のうちの一部の画像は、情報保持画像であり、前記情報保持画像は、複数の明セルと、前記明セルより明度が低い複数の暗セルと、当該情報保持画像内の予め定められた位置に配置される位置検出画像とを含み、且つサーバに記憶されたデータのアドレスを示すアドレス情報を前記明セル及び前記暗セルの組み合わせとして保持し、
前記コントローラは、前記第1受付処理で指定された前記情報保持画像の前記明セルが透明色である場合の前記生成処理において、前記情報保持画像と重なり且つ前記情報保持画像より重なり方向の後側に位置する他の画像との位置関係に対応した向きに、前記情報保持画像を回転させて合成し、
前記位置検出画像は、矩形の前記情報保持画像の3隅に配置されており、
前記コントローラは、
前記第1受付処理において、テンプレート画像及び前記情報保持画像を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付け、
前記生成処理において、前記位置検出画像が配置されていない隅が前記テンプレート画像の中心に最も近くなる向きに回転させた前記情報保持画像を、前記テンプレート画像に合成する情報処理端末。
【請求項8】
入力インタフェースと、
通信インタフェースと、
コントローラとを備える情報処理端末であって、
前記コントローラは、
複数の画像を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理で指定された複数の画像を合成して、印刷媒体に印刷される印刷画像を生成する生成処理と、
前記通信インタフェースを通じてプリンタに印刷指示情報を送信する印刷指示処理とを実行し、前記印刷指示情報は、前記生成処理で生成した前記印刷画像を印刷媒体に印刷させるための情報であり、
前記第1受付処理で指定された複数の画像のうちの一部の画像は、情報保持画像であり、前記情報保持画像は、複数の明セルと、前記明セルより明度が低い複数の暗セルと、当該情報保持画像内の予め定められた位置に配置される位置検出画像とを含み、且つサーバに記憶されたデータのアドレスを示すアドレス情報を前記明セル及び前記暗セルの組み合わせとして保持し、
前記コントローラは、前記第1受付処理で指定された前記情報保持画像の前記明セルが透明色である場合の前記生成処理において、前記情報保持画像と重なり且つ前記情報保持画像より重なり方向の後側に位置する他の画像との位置関係に対応した向きに、前記情報保持画像を回転させて合成し、
前記コントローラは、
前記第1受付処理で指定された前記情報保持画像の前記明セルの色を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付ける第3受付処理を実行し、
前記第3受付処理で透明色が指定された場合の前記生成処理において、前記明セルを透明色とした前記情報保持画像を、前記情報保持画像と重なり且つ前記情報保持画像より重なり方向の奥側に位置する他の画像との位置関係に対応した向きに回転させて合成し、
前記第3受付処理で非透明色が指定された場合の前記生成処理において、前記明セルを非透明色とした前記情報保持画像を、予め定められた向きで合成する情報処理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に印刷される画像を編集する情報処理端末のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、ハガキの通信面に印刷される画像(以下、「通信面画像」と表記する。)を編集する情報処理端末のプログラムが開示されている。より詳細には、特許文献1に記載のプログラムは、複数のテンプレート画像のうちの1つをユーザに選択させ、選択されたテンプレート画像をユーザの指示に従って編集して通信面画像を生成し、生成した通信面画像をハガキの通信面に記録する印刷動作をプリンタに実行させる。
【0003】
また、近年では、例えば特許文献2に記載されているように、インターネット上の情報にアクセスするためのURLを示すQRコード(登録商標)を、印刷媒体に印刷する技術が普及している。そして、印刷媒体に印刷されたQRコードを携帯端末のカメラで読み取り、読み取ったQRコードからURLを抽出することによって、当該URLで示されるインターネット上の情報にアクセスすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−081299号公報
【特許文献2】特開2011−078071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
QRコードは、白色の四角形である複数の明セルと、黒色の四角形である複数の暗セルと、3隅に配置された位置検出画像とを含む矩形の画像である。すなわち、QRコードは、ユーザが一見して意味内容を理解できる画像ではなく、予め定められたアルゴリズムで画像処理することによって、URLを抽出することができる画像である。そのため、例えば、テンプレート画像上にQRコードを合成して通信面画像を生成すると、通信面画像に配された図柄が見難くなるという課題を生じる。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷媒体に印刷される通信面画像上に、図柄の見難さを軽減した態様で情報保持画像を合成可能な情報処理端末のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では様々な開示を行う。開示例の1つであるプログラムは、入力インタフェースと、通信インタフェースとを備える情報処理端末によって実行可能である。該プログラムは、複数の画像を指定するユーザ操作を、前記入力インタフェースを通じて受け付ける第1受付処理と、前記第1受付処理で指定された複数の画像を合成して、印刷媒体に印刷される印刷画像を生成する生成処理と、前記通信インタフェースを通じてプリンタに印刷指示情報を送信する印刷指示処理とを前記情報処理端末に実行させる。前記印刷指示情報は、前記生成処理で生成した前記印刷画像を印刷媒体に印刷させるための情報である。前記第1受付処理で指定された複数の画像のうちの一部の画像は、情報保持画像である。前記情報保持画像は、複数の明セルと、前記明セルより明度が低い複数の暗セルと、当該情報保持画像内の予め定められた位置に配置される位置検出画像とを含み、且つサーバに記憶されたデータのアドレスを示すアドレス情報を前記明セル及び前記暗セルの組み合わせとして保持する。該プログラムは、前記第1受付処理で指定された前記情報保持画像の前記明セルが透明色である場合の前記生成処理において、前記情報保持画像と重なり且つ前記情報保持画像より重なり方向の後側に位置する他の画像との位置関係に対応した向きに、前記情報保持画像を回転させて合成する。
【0008】
情報保持画像の明セルを透明色とした場合において、位置検出画像の奥に位置する図柄が見難くなる傾向がある。そこで上記構成によれば、情報保持画像の奥に位置する他の画像との位置関係に対応した向きに情報保持画像を回転させることによって、情報保持画像と重なる図柄の見難さを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る印刷システム100のブロック図である。
図2図2は、メモリ62に記憶されるURLリストの例を示す図である。
図3図3は、通信面編集処理のフローチャートである。
図4図4は、スタンプ合成処理のフローチャートである。
図5図5は、スタンプ移動処理Aのフローチャートである。
図6図6は、スタンプ移動処理Bのフローチャートである。
図7図7は、ディスプレイ53の表示例であって、(A)はテンプレート選択画面を、(B)はテンプレート編集画面を示す。
図8図8は、ディスプレイ53の表示例であって、(A)はスタンプ選択画面130を、(B)はURL選択画面140を示す。
図9図9は、ディスプレイ53の表示例であって、(A)は発行確認画面150を、(B)は地色選択画面160を示す。
図10図10は、ディスプレイ53の表示例であって、(A)はQRスタンプ173が合成されたテンプレート画像121を含むスタンプ編集画面を、(B)はQRスタンプ173及び図柄スタンプ174が合成されたテンプレート画像121を含むスタンプ編集画面を示す。
図11図11は、テンプレート画像121上におけるQRスタンプ173の位置及び向きの関係を示す図であって、(A)はQRスタンプ173が左上領域に配置された状態を、(B)はQRスタンプ173が右上領域に配置された状態を、(C)はQRスタンプ173が左下領域に配置された状態を、(D)はQRスタンプ173が右下領域に配置された状態を示す。
図12図12は、図柄スタンプ174に対するQRスタンプ173の重なり方及び向きの関係を示す図であって、(A)はQRスタンプ173の右下隅が図柄スタンプ174に重なる状態を、(B)はQRスタンプ173の左下隅が図柄スタンプ174に重なる状態を、(C)はQRスタンプ173の右上隅が図柄スタンプ174に重なる状態を、(D)はQRスタンプ173の左上隅が図柄スタンプ174に重なる状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0011】
図1は、本実施形態に係る印刷システム100の概略図である。図1に示される印刷システム100は、MFP(Multi-Function Peripheralの略)10と、情報処理端末50とで構成されている。また、印刷システム100は、MFP10に代えて、プリンタ単能機を含んでもよい。
【0012】
MFP10及び情報処理端末50は、通信ネットワーク101を通じて相互に通信可能に構成されている。通信ネットワーク101の具体例は特に限定されないが、例えば、インターネット、有線LAN、無線LAN、或いはこれらの組み合わせであってもよい。または、MFP10及び情報処理端末50は、USBケーブル等によって接続されていてもよい。さらに、情報処理端末50は、インターネット上のサーバ80と通信することができる。
【0013】
MFP10は、図1に示されるように、プリンタ11と、スキャナ12と、ディスプレイ23と、入力I/F24と、通信I/F25と、CPU31と、メモリ32と、通信バス33とを主に備える。MFP10を構成する各構成要素は、通信バス33を通じて相互に接続されている。
【0014】
プリンタ11は、画像データで示される画像をシートに印刷する印刷動作を実行する。プリンタ11の印刷技術としては、インクジェット技術や電子写真技術などの公知の技術を採用することができる。スキャナ12は、原稿に印刷された画像を読み取って画像データを生成するスキャン動作を実行する。但し、スキャナ12は、省略可能である。
【0015】
ディスプレイ23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する表示画面を備える。
【0016】
入力I/F24は、ユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースである。具体的には、入力I/F24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、入力I/F24は、ディスプレイ23の表示面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。ディスプレイ23の表示面に表示されたオブジェクトを指定する操作、文字列或いは数字列を入力する操作は、ユーザ操作の一例である。「オブジェクト」とは、例えば、ディスプレイ23に表示された文字列、アイコン、ボタン、リンク、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウンメニュー等である。
【0017】
タッチセンサとして実現される入力I/F24は、ユーザがタッチした表示面上の位置を示す位置情報を出力する。なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示面に接触させる操作全般を含む。また、入力媒体が表示面に触れていなくても、表示面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させる「ホバー」或いは「フローティングタッチ」を、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。ディスプレイ23に表示されたオブジェクトの位置のタップするユーザ操作は、当該オブジェクトを指定するユーザ操作の一例である。
【0018】
通信I/F25は、通信ネットワーク101を通じて外部装置と通信可能なインタフェースである。すなわち、MFP10は、通信I/F25を通じて外部装置に各種情報を送信し、通信I/F25を通じて外部装置から各種情報を受信する。通信I/F25の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Wi−Fi(登録商標)を採用することができる。また、MFP10及び情報処理端末50がUSBケーブルで接続される場合、通信I/F25は、USBケーブルを着脱可能なUSBインタフェースであってもよい。
【0019】
CPU31は、MFP10の全体動作を制御するものである。CPU31は、入力I/F24から出力される各種情報、通信I/F25を通じて外部装置から受信した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムをメモリ32から取得して実行する。CPU31及びメモリ32は、コントローラの一例を構成する。
【0020】
メモリ32は、OS34と、装置プログラム35とを記憶している。装置プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。また、メモリ32は、装置プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報等を記憶する。メモリ32は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、HDD、MFP10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
【0021】
メモリ32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。後述する情報処理端末50のメモリ62についても同様である。
【0022】
情報処理端末50は、図1に示されるように、ディスプレイ53と、入力I/F54と、通信I/F55と、CPU61と、メモリ62と、通信バス63とを主に備える。情報処理端末50に含まれるディスプレイ53、入力I/F54、通信I/F55、CPU61、メモリ62、及び通信バス63は、MFP10に含まれるディスプレイ23、入力I/F24、通信I/F25、CPU31、メモリ32、及び通信バス33と同様の構成であるので、説明は省略する。CPU61及びメモリ62は、コントローラの一例である。
【0023】
情報処理端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PC等である。より詳細には、情報処理端末50のディスプレイ53は、表示画面のサイズが12インチ以下、より好ましくは8インチ以下であるのが望ましい。また、情報処理端末50の入力I/F54は、ディスプレイ53の表示画面に重ねられたタッチパネルであるのが望ましい。
【0024】
メモリ62は、OS64を記憶している。OS64は、例えば、Windows(登録商標) Operating System、Android(登録商標) OS、iOS(登録商標)等であってもよい。OS64は、情報処理端末50にインストールされた複数のプログラムを並行して実行することができる。複数のプログラムは、例えば、時分割多重方式によって仮想的に並行して実行される。また、OS64は、並行して実行する複数のプログラムのうちの1つをフォアグラウンドで実行し、その他のプログラムをバックグラウンドで実行する。フォアグラウンドとは、例えば、当該プログラムが生成した画面がディスプレイ53に表示されている状態である。バックグラウンドとは、例えば、当該プログラムが生成した画面がディスプレイ53に表示されていない状態である。
【0025】
また、メモリ62は、ハガキプログラム65と、URL管理プログラム66とを記憶している。ハガキプログラム65は、ハガキの宛名面及び通信面に記録する画像をユーザの指示に従って生成し、生成した画像をハガキに印刷する印刷動作をMFP10に実行させるプログラムである。URL管理プログラム66は、インターネット上のサーバ80にコンテンツデータをアップロードし、サーバ80に記憶されているコンテンツデータのアドレスを示すアドレス情報を管理する外部プログラムの一例である。コンテンツデータは、例えば、画像データ、写真データ、動画データ、HTMLデータ等を指す。アドレス情報は、例えば、URL形式の情報である。
【0026】
メモリ62は、図2に示されるURLリストを記憶することができる。URLリストは、1以上のURLレコードを含む。URLレコードは、名称情報と、URLとを含む。URL管理プログラム66は、コンテンツデータをサーバ80にアップロードしたことに応じて、当該コンテンツデータのURLと、入力I/F54を通じてユーザに入力させた名称情報とを含むURLレコードを、URLリストに登録する。
【0027】
また、メモリ62は、不図示のテンプレート画像データを記憶することができる。テンプレート画像データは、ハガキの通信面に印刷されるテンプレート画像を示す。テンプレート画像は、ハガキの大きさに略一致する長方形の画像である。本実施形態では、年賀状の通信面に印刷されるテンプレート画像の例を説明するが、テンプレート画像の用途はこれに限定されず、例えば、暑中見舞い、クリスマスカード等にも応用することができる。ハガキ及びクリスマスカードは、印刷媒体の一例である。但し、印刷媒体の具体例はこれらに限定されず、封筒、チラシ等、画像を印刷可能なあらゆるものが該当する。
【0028】
さらに、メモリ62は、不図示の図柄スタンプデータを記憶することができる。図柄スタンプデータは、図柄画像の一例である図柄スタンプを示す画像データである。図柄スタンプは、例えば、干支や絵文字等を示す画像である。また、スタンプには、図柄スタンプの他に、情報保持画像の一例であるQRスタンプがある。図柄スタンプ及びQRスタンプ(これらを総称して、「スタンプ」と表記することがある。)は、テンプレート画像上に合成可能な画像であって、テンプレート画像より画像サイズが小さい。
【0029】
図柄スタンプは、意味内容を視覚的に認識可能な図柄を示す画像である。一方、QRスタンプは、QRコード(登録商標)を表す画像であって、意味内容を視覚的に認識することは極めて困難である。QRスタンプは、サーバ80に記憶されたコンテンツデータのアドレスを示すアドレス情報を保持する画像である。より詳細には、QRスタンプは、カメラ等で光学的に読み取った後に、プログラムによって画像処理することで抽出可能な情報を保持する画像である。なお、情報保持画像の具体例はQRコードに限定されず、Data Matorix等であってもよい。換言すれば、情報保持画像は、所謂二次元バーコードを表す画像であってもよい。
【0030】
例えば図10(A)に示されるように、QRスタンプ173は、複数の明セルと、複数の暗セルとで構成される矩形(典型的には、正方形)の画像である。明セルは、暗セルより明度の高い四角形である。明セルの色は、例えば、白色或いは透明色である。暗セルは、明セルより明度の低い四角形である。明セルの色は、例えば、黒色である。透明色とは、例えば図10に示されるように、テンプレート画像121上にQRスタンプ173を合成した場合に、テンプレート画像121の図柄が明セルを通じて視認できる色を指す。一方、白色及び黒色は、非透明色である。非透明色とは、テンプレート画像121の図柄が明セルを通じて視認できない色を差す。
【0031】
そして、QRスタンプ173は、複数の明セル及び複数の暗セルの組み合わせとして情報を保持する。すなわち、異なる情報を保持するQRスタンプは、明セル及び暗セルの配置が異なる。さらに、QRスタンプ173は、ファインダパターンを含む。ファインダパターンは、QRスタンプ173で表されるQRコードの位置及び向きを検出するための位置検出画像の一例である。ファインダパターンは、QRスタンプ173内の予め定められた位置に配置される。より詳細には、ファインダパターンは、矩形のQRスタンプ173の4隅のうちの3隅に配置される。
【0032】
ファインダパターンは、QRスタンプ173の他の部分と同様に、明セル及び暗セルの組み合わせで構成される。より詳細には、ファインダパターンは、複数の暗セルで構成される正方形を、複数の明セルで構成される第1枠と、複数の暗セルで構成される第2枠とで囲んだ形状である。すなわち、ファインダパターンは、全てのQRコードで同一の形状である。また、ファインダパターンにおける暗セルの密度は、QRスタンプ173の他の部分における暗セルの密度より高い場合が多い。すなわち、図10(A)の例で明セルが透明色の場合において、テンプレート画像121の図柄は、ファインダパターンの位置において、その他の位置より見難くなる可能性が高い。
【0033】
サーバ80は、例えば、インターネット上に配置されており、ストレージサーバ及びWEBサーバとして機能する。すなわち、サーバ80は、URL管理プログラム66等からアップロードされたコンテンツデータを、インターネットに公開する。より詳細には、サーバ80は、URL管理プログラム66からコンテンツデータがアップロードされたことに応じて、当該コンテンツデータをサーバメモリに記憶させると共に、コンテンツデータを記憶させたメモリ領域を示すURLをURL管理プログラム66に送信する。また、サーバ80は、情報処理端末50からURLが指定されたことに応じて、当該URLで示されるメモリ領域に記憶されたコンテンツデータを情報処理端末50に送信する。
【0034】
[印刷システム100の動作]
図3図6を参照して、本実施形態に係る印刷システム100の動作を説明する。
【0035】
[通信面編集処理]
まず、フォアグラウンドで実行されるハガキプログラム65は、図7(A)に示されるテンプレート選択画面をディスプレイ53に表示させる(S11)。テンプレート選択画面は、複数のテンプレートアイコン111、112、113、114を含む。テンプレートアイコン111〜114は、メモリ62に記憶された複数のテンプレート画像データの1つに対応する。そして、ハガキプログラム65は、テンプレート選択画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S12)。S12の処理は、第1受付処理の一例である。
【0036】
次に、ハガキプログラム65は、例えばテンプレートアイコン113の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S12:Yes)、指定されたテンプレートアイコン113に対応付けられたテンプレート画像データを、メモリ62から読み出す。次に、ハガキプログラム65は、図7(B)に示されるテンプレート編集画面を、テンプレート選択画面に代えてディスプレイ53に表示させる(S13)。そして、ハガキプログラム65は、テンプレート編集画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S14)。
【0037】
テンプレート編集画面は、テンプレート画像121と、フォントアイコン123と、スタンプアイコン124と、[保存]アイコン125と、[印刷]アイコン126とを含む。テンプレート画像121は、読み出したテンプレート画像データで示される画像である。フォントアイコン123は、テンプレート画像121に含まれる文字のフォント(例えば、ゴシック体、明朝体等)を切り替える指示に対応する。スタンプアイコン124は、テンプレート画像121に合成するスタンプを選択する指示に対応する。[保存]アイコン125は、編集されたテンプレート画像データをメモリ62に記憶させる指示に対応する。[印刷]アイコン126は、編集されたテンプレート画像121をハガキの通信面に印刷する指示に対応する。
【0038】
次に、ハガキプログラム65は、スタンプアイコン124の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S14:スタンプ)、スタンプ合成処理を実行する(S15)。スタンプ合成処理は、テンプレート画像121にスタンプを合成する処理である。図4を参照して、スタンプ合成処理の詳細を説明する。
【0039】
[スタンプ合成処理]
まず、ハガキプログラム65は、図8(A)に示されるスタンプ選択画面130を、テンプレート編集画面に代えてディスプレイ53に表示させる(S21)。なお、本実施形態に係るスタンプ選択画面130は、後述するスタンプ編集画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。スタンプ選択画面130は、選択状態の切替タブ131と、非選択状態の切替タブ132と、スタンプアイコン133、134、135、136とを含む。スタンプアイコン133〜136は、メモリ62に記憶されているスタンプデータの1つに対応する。そして、ハガキプログラム65は、スタンプ選択画面130に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S22)。S22の処理は、第1受付処理の一例である。
【0040】
次に、ハガキプログラム65は、非選択状態の切替タブ132の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S22:タブ)、図2に示されるURLリストを、URL管理プログラム66から取得する(S23)。ハガキプログラム65は、例えば、外部プログラムを起動するためにOS64が提供した起動APIを用いて、URL管理プログラム66を起動する。次に、ハガキプログラム65は、URLリストを記憶するメモリ領域の先頭アドレスを示すポインタを、起動APIの戻り値として取得する。そして、ハガキプログラム65は、取得したポインタで示されるメモリ領域からURLリストを読み出す。
【0041】
次に、ハガキプログラム65は、図8(B)に示されるURL選択画面140を、スタンプ選択画面130に代えてディスプレイ53に表示させる(S24)。URL選択画面140は、非選択状態の切替タブ131と、選択状態の切替タブ132と、URLアイコン141、142とを含む。URLアイコン141、142は、S23で取得したURLレコードの1つに対応する。また、URLアイコン141、142には、対応するURLレコードの名称情報で示される文字列が記述されている。そして、ハガキプログラム65は、URL選択画面140に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S25)。S25の処理は、第1受付処理の一例である。
【0042】
次に、ハガキプログラム65は、非選択状態の切替タブ131の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S25:タブ)、図8(A)に示されるスタンプ選択画面130を、URL選択画面140に代えてディスプレイ53に表示させる(S21)。一方、ハガキプログラム65は、例えばURLアイコン141の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S25:URL)、図9(A)に示される発行確認画面150を表示させるために、起動APIを用いてURL管理プログラム66を起動する(S26)。これにより、OS64は、ハガキプログラム65をバックグラウンドで実行し、URL管理プログラム66をフォアグラウンドで実行する。
【0043】
URL管理プログラム66は、ハガキプログラム65によって起動されたことに応じて、図9(A)に示される発行確認画面150を、ディスプレイ53に表示させる。発行確認画面150は、代表画像151と、「『家族旅行ムービー』のQRコードを発行しますか?」とのメッセージと、[発行]アイコン152と、[キャンセル]アイコン153とを含む。そして、URL管理プログラム66は、発行確認画面150に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける。
【0044】
代表画像151は、URLアイコン141に対応するURLレコードのURLで示されるコンテンツデータに含まれる画像である。一例として、コンテンツデータが動画データである場合、代表画像151は、動画データの1シーンを示す画像である。他の例として、コンテンツデータが静止画データである場合の代表画像151は、静止画データで示される静止画像そのものである。[発行]アイコン152は、URLアイコン141に対応するURLレコードのURLを保持するQRスタンプを発行する指示に対応する。[キャンセル]アイコン153は、QRスタンプを発行しない指示に対応する。
【0045】
次に、URL管理プログラム66は、[発行]アイコン152或いは[キャンセル]アイコン153の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて、指定されたアイコンを示す情報を起動APIの戻り値として、ハガキプログラム65に提供する。これにより、OS64は、ハガキプログラム65をフォアグラウンドで実行し、URL管理プログラム66をバックグラウンドで実行する。
【0046】
次に、ハガキプログラム65は、起動APIの戻り値として取得した情報に基づいて、[発行]アイコン152及び[キャンセル]アイコン153のどちらが指定されたかを判断する(S27)。そして、ハガキプログラム65は、[キャンセル]アイコン153が指定されたと判断したことに応じて(S27:キャンセル)、S28以降の処理を実行することなく、スタンプ合成処理を終了する。
【0047】
一方、ハガキプログラム65は、[発行]アイコン152が指定されたと判断したことに応じて(S27:発行)、図9(B)に示される地色選択画面160を、発行確認画面150に代えてディスプレイ53に表示させる(S28)。地色選択画面160は、生成するQRスタンプの明セルの色をユーザに指定させるための画面である。地色選択画面160は、「QRコードの明セルの色を選択して下さい。」とのメッセージと、明セルを非透明色にする指示に対応する[白地]アイコン161と、明セルを透明色にする指示に対応する[透明]アイコン162とを含む。そして、ハガキプログラム65は、地色選択画面160に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S29)。S29の処理は、第3受付処理の一例である。
【0048】
次に、ハガキプログラム65は、[白地]アイコン161の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S29:白地)、URLアイコン141に対応するURLレコードのURL“http://www.server-a.com/trip.mov”を保持するQRスタンプ173を、明セルを白色として生成する(S30)。一方、ハガキプログラム65は、[透明]アイコン162の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S29:透明)、URLアイコン141に対応するURLレコードのURLを保持するQRスタンプ173を、明セルを透明色として生成する(S31)。すなわち、S30、S31で生成されるQRスタンプ173は、明セル及び暗セルの配置が共通し、明セルの色が異なる。QRスタンプ173を生成するアルゴリズムは既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0049】
次に、ハガキプログラム65は、S30、S31で生成したQRスタンプ173をテンプレート画像121のQR初期位置に合成する(S32)。QRスタンプ173は、テンプレート画像121より重なり方向(所謂、Z方向)の手前側に配置される。換言すれば、テンプレート画像121は、QRスタンプ173より重なり方向の奥側に配置される。QR初期位置は、QRスタンプ173を合成する位置として、予め定められた位置である。QRスタンプ173が合成されたテンプレート画像121は、印刷画像の一例である。S32の処理は、生成処理の一例である。
【0050】
本実施形態に係るテンプレート画像121は、例えば図11に示されるように、短手方向の中央から長手方向に沿って延びる仮想線181と、長手方向の中央から短手方向に沿って延びる仮想線182とによって、仮想的な4つの領域に分けられる。そして、仮想線181、182で分けられた4つの領域のうち、左上の領域を「左上領域」と表記し、右上の領域を「右上領域」と表記し、左下の領域を「左下領域」と表記し、右下の領域を「右下領域」と表記する。また、本実施形態におけるQR初期位置は、テンプレート画像121の左上領域である。そして、QR初期位置に配置されるQRスタンプ173は、図10(A)及び図11(A)に示されるように、ファインダパターンが配置されていない隅がテンプレート画像121の中心(すなわち、仮想線181、182の交点)に最も近くなる向きで、テンプレート画像121に合成される。
【0051】
次に、ハガキプログラム65は、図10(A)に示されるスタンプ編集画面を、ディスプレイ53に表示させる(S34)。図10(A)に示されるスタンプ編集画面は、QRスタンプ173が合成されたテンプレート画像121と、[スタンプ追加]アイコン171と、[決定]アイコン172とを含む。スタンプ編集画面上におけるQRスタンプ173の明セルは、例えば、白色が指定された場合に透過率が閾値未満(例えば、0%)に設定され、透明色が指定された場合に透過率が閾値以上(例えば、100%)に設定される。そして、ハガキプログラム65は、スタンプ編集画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S35)。S35の処理は、第2受付処理の一例である。
【0052】
次に、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173の位置に対するドラッグ操作を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S35:ドラッグ)、スタンプ移動処理を実行する(S36)。ドラッグ操作は、QRスタンプ173の表示位置に入力媒体をタッチし、表示面上で当該入力媒体を移動させる操作である。ドラッグ操作は、テンプレート画像上におけるQRスタンプ173の位置を変更するユーザ操作の一例である。
【0053】
スタンプ移動処理は、テンプレート画像121上において、ドラッグ操作に従ってQRスタンプ173を移動させる処理である。なお、スタンプ移動処理は、QRスタンプ173のみならず、後述する図柄スタンプ174の位置に対するドラッグ操作を受け付けた場合にも実行される。図5を参照して、スタンプ移動処理Aの詳細を説明する。
【0054】
[スタンプ移動処理A]
まず、ハガキプログラム65は、テンプレート画像121上における入力媒体の移動に追従して、テンプレート画像121上でQRスタンプ173を移動させる(S41)。より詳細には、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173の位置にタッチされた入力媒体の移動方向及び移動量を、タッチセンサを通じて検出する。次に、ハガキプログラム65は、テンプレート画像121上において、検出した移動方向に検出した移動量だけQRスタンプ173を移動させる。
【0055】
また、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173及び図柄スタンプ174のどちらに対してドラッグ操作がなされたかを判断する(S42)。また、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173だと判断したことに応じて(S42:QR)、QRスタンプ173の明セルの色を判断する(S43)。さらに、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173の明セルが透明色だと判断したことに応じて(S43:透明)、S41で移動されたQRスタンプ173が、テンプレート画像121上のどの領域に配置されているかを判断する(S44〜S47)。
【0056】
一例として、ハガキプログラム65は、テンプレート画像121の左上領域と異なる領域から左上領域にQRスタンプ173が移動されたと判断したことに応じて(S44:Yes)、図11(A)に示されるように、ファインダパターンが配置されていない隅が右下を向くようにQRスタンプ173を回転させる(S48)。他の例として、ハガキプログラム65は、テンプレート画像121の右上領域と異なる領域から右上領域にQRスタンプ173が移動されたと判断したことに応じて(S45:Yes)、図11(B)に示されるように、ファインダパターンが配置されていない隅が左下を向くようにQRスタンプ173を回転させる(S49)。
【0057】
他の例として、ハガキプログラム65は、テンプレート画像121の左下領域と異なる領域から左下領域にQRスタンプ173が移動されたと判断したことに応じて(S46:Yes)、図11(C)に示されるように、ファインダパターンが配置されていない隅が右上を向くようにQRスタンプ173を回転させる(S50)。さらに他の例として、ハガキプログラム65は、テンプレート画像121の右下領域と異なる領域から右下領域にQRスタンプ173が移動されたと判断したことに応じて(S47:Yes)、図11(D)に示されるように、ファインダパターンが配置されていない隅が左上を向くようにQRスタンプ173を回転させる(S51)。
【0058】
すなわち、ハガキプログラム65は、ファインダパターンが配置されていない隅がテンプレート画像121の中心を向くように、S41で移動させたQRスタンプ173を回転させる(S48〜S51)。なお、ハガキプログラム65は、例えば、移動前のQRスタンプ173が配置されていた第1領域と、第1領域に隣接する第2領域との境界となる仮想線を、QRスタンプ173の中心が通過したタイミングで、当該QRスタンプ173を回転させればよい。一方、同一の領域内をQRスタンプ173が移動している場合、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173を回転させない。
【0059】
ハガキプログラム65は、ドラッグ操作が終了するまで(S52:No)、S41〜S51の処理を繰り返し実行する。そして、ハガキプログラム65は、入力媒体がディスプレイ53から離間された(すなわち、ドラッグ操作が終了した)ことに応じて(S52:Yes)、テンプレート画像121上のドラッグ操作の終了位置にスタンプを合成して、スタンプ移動処理Aを終了する。一方、ハガキプログラム65は、図柄スタンプ174に対してドラッグ操作がなされたと判断したことに応じて(S42:図柄)、或いはQRスタンプ173の明セルが白色だと判断したことに応じて(S43:白地)、S44〜S51の処理を実行せずに、ドラッグ操作が終了するまで(S52:No)、S41の処理を繰り返し実行する。
【0060】
次に図4に戻って、ハガキプログラム65は、S34以降の処理を再び実行する。また図示は省略するが、ハガキプログラム65は、スタンプ編集画面の[スタンプ追加]アイコン171の指定を受け付けたことに応じて、S21以降の処理を再び実行する。さらに、ハガキプログラム65は、スタンプ編集画面の[決定]アイコン172の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S35:決定)、スタンプ合成処理を終了する。
【0061】
次に図3に戻って、ハガキプログラム65は、テンプレート編集画面のフォントアイコン123の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて、テンプレート画像121に含まれる文字列のフォントを切り替える。また、ハガキプログラム65は、テンプレート編集画面の[保存]アイコン125の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて、編集されたテンプレート画像データを、メモリ62に記憶させる。
【0062】
さらに、ハガキプログラム65は、テンプレート編集画面の[印刷]アイコン126の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S14:印刷)、通信I/F55を通じてMFP10に印刷指示情報を送信する(S16)。印刷指示情報は、QRスタンプ173が合成されたテンプレート画像121を、ハガキの通信面に印刷する印刷動作をMFP10に実行させるための情報である。印刷指示情報は、QRスタンプ173が合成されたテンプレート画像121を示すテンプレート画像データを含む。S16の処理は、印刷指示処理の一例である。
【0063】
一方、図示は省略するが、MFP10の装置プログラム35は、通信I/F25を通じて情報処理端末50から印刷指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、受信した印刷指示情報に従った印刷動作をプリンタ11に実行させる。すなわち、プリンタ11は、印刷指示情報に含まれるテンプレート画像データで示されるテンプレート画像121を、ハガキの通信面に印刷する。なお、プリンタ11から出力されたハガキの通信面において、透明色の明セルに対応する位置には、当該明セルの奥に位置するテンプレート画像121の図柄が印刷される。
【0064】
また図4に戻って、ハガキプログラム65は、例えば、スタンプ選択画面130のスタンプアイコン133の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S22:スタンプ)、スタンプアイコン133に対応するスタンプデータをメモリ62から読み出す。そして、ハガキプログラム65は、読み出したスタンプデータで示される図柄スタンプ174を、テンプレート画像121の図柄初期位置に合成する(S33)。図柄初期位置は、図柄スタンプ174を合成する位置として、予め定められた位置である。また、図柄初期位置は、前述のQR初期位置と異なる位置であってもよい。S33の処理は、生成処理の一例である。
【0065】
S21〜S34の処理をハガキプログラム65が繰り返し実行することによって、例えば図10(B)に示されるように、QRスタンプ173及び図柄スタンプ174がテンプレート画像121に合成されたスタンプ編集画面がディスプレイ53に表示される。なお、図柄スタンプ174は、ユーザが目で見て認識する図柄を示すので、一部が隠れていても大きな問題は生じない。一方、QRスタンプ173は、カメラ等で光学的に読み取った後に画像処理を施してURLを抽出するので、一部が隠れていると適切にURLを抽出することができない。そこで、QRスタンプ173及び図柄スタンプ174の一部同士が重なり合う場合、QRスタンプ173は、図柄スタンプ174より重なり方向の手前側に配置される。換言すれば、図柄スタンプ174は、QRスタンプ173より重なり方向の奥側に配置される。
【0066】
そして、ハガキプログラム65は、図10(B)のQRスタンプ173の位置に対するドラッグ操作を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S35:ドラッグ)、図6に示されるスタンプ移動処理Bを実行する(S36)。図6のS61〜S63及びS72は、図5のS41〜S43及びS52と共通するので、共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0067】
[スタンプ移動処理B]
一例として、ハガキプログラム65は、移動後のQRスタンプ173の右下隅が図柄スタンプ174に重なることに応じて(S64:Yes)、図12(A)に示されるように、ファインダパターンが配置されていない隅が右下を向くようにQRスタンプ173を回転させる(S68)。他の例として、ハガキプログラム65は、移動後のQRスタンプ173の左下隅が図柄スタンプ174に重なることに応じて(S65:Yes)、図12(B)に示されるように、ファインダパターンが配置されていない隅が左下を向くようにQRスタンプ173を回転させる(S69)。
【0068】
他の例として、ハガキプログラム65は、移動後のQRスタンプ173の右上隅が図柄スタンプ174に重なることに応じて(S66:Yes)、図12(C)に示されるように、ファインダパターンが配置されていない隅が右上を向くようにQRスタンプ173を回転させる(S70)。さらに他の例として、ハガキプログラム65は、移動後のQRスタンプ173の左上隅が図柄スタンプ174に重なることに応じて(S67:Yes)、図12(D)に示されるように、ファインダパターンが配置されていない隅が左上を向くようにQRスタンプ173を回転させる(S71)。
【0069】
すなわち、ハガキプログラム65は、ファインダパターンが配置されていないQRスタンプ173の隅が図柄スタンプ174と重なるように、S61で移動させたQRスタンプ173を回転させる(S68〜S71)。一方、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173が図柄スタンプ174に重なっていないことに応じて、QRスタンプ173を予め定められた向きにしてもよい。
【0070】
[本実施形態の作用効果]
QRスタンプ173の明セルを透明色とした場合において、ファインダパターンの奥に位置する図柄が見難くなる傾向がある。そこで上記の実施形態のように、QRスタンプ173の奥に位置するテンプレート画像121或いは図柄スタンプ174との位置関係に対応した向きにQRスタンプ173を回転させることによって、QRスタンプ173と重なる図柄の見難さを軽減することができる。
【0071】
一例として、テンプレート画像121上で強調したい図柄は、テンプレート画像121の中央部に配される傾向がある。そこで上記の実施形態のように、ファインダパターンが配置されていない隅がテンプレート画像121の中心に最も近くなるように、QRスタンプ173を回転させて合成することによって、テンプレート画像121上で強調したい図柄の見難さを軽減することができる。他の例として、ファインダパターンが配置されていない隅が図柄スタンプ174と重なるように、QRスタンプ173を回転させることによって、図柄スタンプ174で示される図柄の見難さを軽減することができる。
【0072】
また、上記の実施形態によれば、QRスタンプ173がQR初期位置に配置されるタイミングのみならず、テンプレート画像121上でQRスタンプ173がユーザの所望する位置に移動された場合にも、移動後の位置に適した向きにQRスタンプ173が回転される。これにより、QRスタンプ173の奥に位置するテンプレート画像121或いは図柄スタンプ174で示される図柄の見難さをさらに軽減することができる。
【0073】
なお、図5に示されるスタンプ移動処理Aにおいて、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173がテンプレート画像121の外縁部に重なるか否かを、さらに判断してもよい。テンプレート画像121の外縁部とは、テンプレート画像121の輪郭から中心に向かって所定幅を占める枠型の領域である。そして、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173がテンプレート画像121の外縁部に重なると判断した場合に、S44〜S51の処理を実行してもよい。一方、ハガキプログラム65は、QRスタンプ173がテンプレート画像121の外縁部に重ならないと判断した場合に、S44〜S51の処理を実行しなくてもよい。
【0074】
テンプレート画像121の外縁部には、強調したい図柄が配される可能性が低い。そこで上記の変形例のように、QRスタンプ173がテンプレート画像121の外縁部に重なる場合に、テンプレート画像121の外縁部にファインダパターンが重なるようにQRスタンプ173を回転させることによって、テンプレート画像121上の図柄の見難さをさらに軽減することができる。
【0075】
また、QRスタンプ173の明セルを透明色にすると、明セル及び暗セルが区別し難くなって、QRスタンプ173からURLを抽出できなくなる可能性がある。そこで上記の実施形態のように、QRスタンプ173が重ねられる位置の図柄を見やすくするために明セルを透明色とするか、QRスタンプ173からのURLの抽出精度を維持するために明セルを非透明色とをするかを、ユーザに選択させるのが望ましい。
【0076】
但し、明セルの色を決定する方法は、S28、S29の例に限定されない。他の例として、ハガキプログラム65は、テンプレート画像121の明度の代表値が閾値以上か否かを判断してもよい。明度の代表値とは、テンプレート画像121を構成する複数の画素の明度の最頻値、平均値、或いは中央値等である。この処理は、判断処理の一例である。そして、ハガキプログラム65は、明度の代表値が閾値以上だと判断したことに応じて、明セルを透明色としたQRスタンプ173を生成してもよい。一方、ハガキプログラム65は、明度の代表値が閾値未満だと判断したことに応じて、明セルを非透明色としたQRスタンプ173を生成してもよい。
【0077】
テンプレート画像121の明度が低い場合に明セルを透明色にすると、明セル及び暗セルが区別し難くなって、QRスタンプ173からURLを抽出できなくなる可能性がある。そこで上記の変形例のように、テンプレート画像121の明度の代表値が閾値以上の場合にのみ明セルを透明色にすることによって、QRスタンプ173からのURLの抽出精度の維持と、図柄の見難さの軽減とを両立させることができる。
【0078】
また、上記の実施形態のMFP10及び情報処理端末50において、メモリ32、62に記憶された各種プログラムがCPU31、61によって実行されることによって、本発明のコントローラが実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、コントローラの構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路等のハードウェアで実現してもよい。
【0079】
さらに、本発明は、MFP10及び情報処理端末50として実現できるだけでなく、MFP10及び情報処理端末50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワーク101を通じてMFP10及び情報処理端末50に接続可能なサーバに搭載されたメモリを含んでもよい。そして、サーバのメモリに記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワーク101を通じて配信されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10・・・MFP
11・・・プリンタ
50・・・情報処理端末
53・・・ディスプレイ
54・・・入力I/F
55・・・通信I/F
61・・・CPU
62・・・メモリ
65・・・ハガキプログラム
66・・・URL管理プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12