(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記目標回収率設定部は、前記許容回収率から所定偏差内にあると共に前記許容回収率以下となるように、前記目標回収率を設定する、請求項1に記載の逆浸透膜分離装置。
前記許容回収率の変化に応じて、該許容回収率が所定量変化する毎に、前記目標回収率設定部は、前記目標回収率を非連続的に変更する、請求項1又は2に記載の逆浸透膜分離装置。
前記水温の変化に応じて、前記水温が所定量変化する毎に、前記目標回収率設定部は、前記目標回収率を非連続的に変更する、請求項1又は2に記載の逆浸透膜分離装置。
前記許容回収率算出部は、前記水質として、シリカ溶解度、炭酸カルシウム溶解度、要求水質のうちのいずれかに基づいて、前記許容回収率を算出する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の逆浸透膜分離装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<1.逆浸透膜分離装置の構成>
本発明の一実施形態に係る逆浸透膜分離装置1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態に係る逆浸透膜分離装置1の全体構成図である。本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1は、例えば、淡水から純水を製造する純水製造システムに適用される。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1は、原水ポンプ12と、原水側インバータ13と、原水圧力調整手段としての原水圧力調整弁14と、加圧ポンプ2と、加圧側インバータ3と、逆浸透膜モジュールとしてのRO膜モジュール4と、定流量手段としての定流量弁5と、逆止弁6と、排水流量調整手段としての排水流量調整弁8(比例制御弁)と、透過水流量調整手段としての透過水流量調整弁15と、制御部30と、を備える。また、逆浸透膜分離装置1は、定流量差圧検出手段としての一次側圧力センサPS1と、定流量差圧検出手段としての二次側圧力センサPS2と、吐出圧力センサPS3と、第1流量検出手段としての第1流量センサFM1と、第2流量検出手段としての第2流量センサFM2と、を備える。なお、制御部30と被制御対象機器との電気的接続線の図示については、省略している。
【0021】
また、逆浸透膜分離装置1は、原水ラインL1と、透過水ラインL2と、濃縮水ラインL3と、循環水ラインL4と、排水ラインL5と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0022】
原水ラインL1は、原水W1をRO膜モジュール4に供給するラインである。原水ラインL1の上流側の端部は、原水W1の供給源(不図示)に接続されている。原水ラインL1の下流側の端部は、RO膜モジュール4の一次側入口ポートに接続されている。原水ラインL1には、上流側から下流側に向けて順に、原水ポンプ12、原水圧力調整弁14、二次側圧力センサPS2、合流部J2、加圧ポンプ2、吐出圧力センサPS3、RO膜モジュール4が設けられている。
【0023】
なお、原水ラインL1を流通する原水W1には、原水W1の供給源(不図示)から直接供給される原水に限らず、例えば、原水W1を濾過処理装置(除鉄除マンガン装置、活性炭濾過装置等)、硬水軟化装置等の前処理装置により前処理された原水も含まれる。
【0024】
原水ポンプ12は、原水ラインL1を流通する原水W1を吸入し、加圧ポンプ2へ向けて圧送(吐出)する装置である。原水ポンプ12には、原水側インバータ13から周波数が変換された駆動電力が供給される。原水ポンプ12は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
【0025】
原水側インバータ13は、原水ポンプ12に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。原水側インバータ13は、制御部30と電気的に接続されている。原水側インバータ13には、制御部30から指令信号が入力される。原水側インバータ13は、制御部30により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を原水ポンプ12に出力する。
【0026】
本実施形態においては、制御部30は、原水ポンプ12が原水W1を所定の一定圧力値で吐出するように、原水側インバータ13を制御する。原水ポンプ12により付与される原水W1の前記一定圧力値は、原水ラインL1を流通する原水W1を加圧ポンプ2に供給可能な圧力値に設定される。これにより、原水圧力調整弁14よりも上流側の原水ラインL1において、原水W1の原水圧力は、一定圧力値となる。本実施形態においては、原水W1の原水圧力を、例えば、0.2〜0.5MPaの間の一定圧力値に設定している。
【0027】
なお、本実施形態においては、原水ラインL1に原水ポンプ12を設けたが、これに制限されない。供給源から供給される原水W1の原水圧力が十分に確保されていれば、原水ポンプ12を設けなくてもよい。例えば、原水ラインL1の上流側において、水頭圧差を利用することで、原水W1の原水圧力を確保するように構成してもよい。
【0028】
原水圧力調整弁14は、合流部J2よりも上流側の原水ラインL1に設けられる。原水圧力調整弁14は、合流部J2よりも上流側の原水ラインL1を流通する原水W1の圧力を調整する弁である。ここで、合流部J2よりも上流側の原水ラインL1は、合流部J2を介して、循環水ラインL4に接続されている。循環水ラインL4は、接続部J1を介して、濃縮水ラインL3に接続されている。濃縮水ラインL3の定流量弁5よりも下流側の部分において、接続部J1と定流量弁5の二次側とが接続されている。つまり、合流部J2よりも上流側の原水ラインL1を流通する原水W1の圧力は、定流量弁5の二次側の圧力と同じであると看做すことができる。
【0029】
原水圧力調整弁14は、合流部J2よりも上流側の原水ラインL1を流通する原水W1の原水圧力を調整することによって、定流量弁5(後述)の二次側の圧力を所定の設定圧力値に調整して、定流量弁5の一次側の圧力から二次側の圧力を減じた差圧(以下「定流量弁差圧」ともいう)を調整する。なお、定流量弁5の二次側の圧力は、原水圧力調整弁14と合流部J2との間に配置される二次側圧力センサPS2(後述)により、検出二次側圧力値として検出される。
【0030】
原水圧力調整弁14は、制御部30と電気的に接続されている。原水圧力調整弁14の弁開度は、制御部30から送信される駆動信号により制御される。制御部30から電流値信号(例えば、4〜20mA)を原水圧力調整弁14に送信して、流路断面積を調整することにより、流動抵抗(すなわち、圧力損失)を徐々に変化させることができる。この調整により、原水圧力調整弁14は、合流部J2よりも上流側の原水ラインL1を流通する原水W1の圧力を調整する。
【0031】
原水圧力調整弁14の上流側を流通する原水W1は、前述の通り、所定の一定圧力値の原水圧力が確保されている。そのため、原水圧力調整弁14により調整される原水圧力調整弁14よりも下流側の原水圧力は、後述する制御部30により、原水ポンプ12により吐出される原水圧力の所定の一定圧力値以下となるように制御される。
【0032】
二次側圧力センサPS2は、原水ラインL1における原水圧力調整弁14と合流部J2との間に配置されている。二次側圧力センサPS2は、元来は、原水圧力調整弁14と加圧ポンプ2との間の圧力を検出する機器であり、更には、接続部J1と合流部J2との圧力が等しいことから、定流量弁5の二次側の圧力を検出二次側圧力値として検出する機器である。前述したように、合流部J2よりも上流側であって原水圧力調整弁14の下流側の原水ラインL1を流通する原水W1の圧力は、定流量弁5の二次側の圧力と同じである。そのため、二次側圧力センサPS2は、原水圧力調整弁14と合流部J2との間において原水W1の圧力を検出することで、定流量弁5の二次側の圧力を検出二次側圧力値として検出することができる。二次側圧力センサPS2は、制御部30と電気的に接続されている。二次側圧力センサPS2で検出された検出二次側圧力値は、制御部30へ検出信号として送信される。
【0033】
なお、本実施形態においては、二次側圧力センサPS2による、定流量弁5の二次側の圧力の検出位置を、原水圧力調整弁14と合流部J2との間の位置としたが、これに制限されない。二次側圧力センサPS2は、定流量弁5の二次側の圧力が検出できれば、この位置に制限されない。定流量弁5の二次側の圧力は、原水ラインL1における原水圧力調整弁14と加圧ポンプ2との間を流通する原水W1の圧力や、濃縮水ラインL3における定流量弁5と接続部J1との間を流通する濃縮水W3の圧力や、循環水ラインL4を流通する濃縮水W3の一部W31の圧力や、排水ラインL5における接続部J1と排水流量調整弁8との間を流通する濃縮水W3の残部W32の圧力と、同じである。そのため、二次側圧力センサPS2の検出位置は、定流量弁5の二次側の圧力を検出できる位置であれば、例えば、濃縮水ラインL3における定流量弁5と接続部J1との間の位置や、循環水ラインL4における接続部J1と合流部J2との間の位置等でもよい。
【0034】
加圧ポンプ2は、合流部J2よりも下流側の原水ラインL1に設けられる。加圧ポンプ2は、合流部J2よりも下流側の原水ラインL1において、原水ラインL1を流通する原水W1を吸入し、RO膜モジュール4へ向けて圧送(吐出)する装置である。加圧ポンプ2には、加圧側インバータ3から周波数が変換された駆動電力が供給される。加圧ポンプ2は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
【0035】
加圧側インバータ3は、加圧ポンプ2に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。加圧側インバータ3は、制御部30と電気的に接続されている。加圧側インバータ3には、制御部30から指令信号が入力される。加圧側インバータ3は、制御部30により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ2に出力する。
【0036】
吐出圧力センサPS3は、加圧ポンプ2の吐出圧力(運転圧力)を検出吐出圧力値として検出する機器である。吐出圧力センサPS3は、加圧ポンプ2の吐出側近傍に配置されている。本実施形態では、加圧ポンプ2から吐出された直後の原水W1の圧力を、加圧ポンプ2の吐出圧力とする。吐出圧力センサPS3は、制御部30と電気的に接続されている。吐出圧力センサPS3で検出された原水W1の検出吐出圧力値は、制御部30へ検出信号として送信される。
【0037】
RO膜モジュール4は、加圧ポンプ2から吐出された原水W1を、溶存塩類が除去された透過水W2と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3とに膜分離処理する設備である。RO膜モジュール4は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。RO膜モジュール4は、これらRO膜エレメントにより原水W1を膜分離処理し、透過水W2及び濃縮水W3を製造する。
【0038】
透過水ラインL2は、RO膜モジュール4で分離された透過水W2を送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、RO膜モジュール4の二次側ポートに接続されている。透過水ラインL2の下流側の端部は、需要箇所の装置等に接続されている。透過水ラインL2には、透過水流量調整弁15、第1流量センサFM1が設けられている。
【0039】
透過水流量調整弁15は、RO膜モジュール4で分離された透過水W2の流量を調整可能な弁である。透過水流量調整弁15は、透過水ラインL2における第1流量センサFM1よりも上流側に配置されている。透過水流量調整弁15は、制御部30と電気的に接続されている。透過水流量調整弁15の弁開度は、制御部30から送信される駆動信号により制御される。制御部30から電流値信号(例えば、4〜20mA)を透過水流量調整弁15に送信して、弁開度を制御することにより、透過水W2の流量を調整することができる。
【0040】
第1流量センサFM1(以下、「第1流量検出部」とも呼称する)は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量を第1検出流量値として検出する機器である。第1流量センサFM1は、透過水ラインL2に接続されている。第1流量センサFM1は、制御部30と電気的に接続されている。第1流量センサFM1で検出された透過水W2の第1検出流量値は、制御部30へパルス信号として送信される。第1流量センサFM1として、例えば、流路ハウジング内に軸流羽根車又は接線羽根車(不図示)を配置したパルス発信式の流量センサを用いることができる。
【0041】
濃縮水ラインL3は、RO膜モジュール4で分離された濃縮水W3を送出するラインである。濃縮水ラインL3の上流側の端部は、RO膜モジュール4の一次側出口ポートに接続されている。また、濃縮水ラインL3の下流側は、接続部J1において、循環水ラインL4及び排水ラインL5に分岐している。
【0042】
濃縮水ラインL3には、上流側から下流側に向けて順に、一次側圧力センサPS1、定流量弁5、接続部J1が設けられている。
一次側圧力センサPS1は、定流量弁5の一次側の圧力を検出一次側圧力値として検出する機器である。一次側圧力センサPS1は、濃縮水ラインL3におけるRO膜モジュール4と定流量弁5との間に配置されている。一次側圧力センサPS1は、制御部30と電気的に接続されている。一次側圧力センサPS1で検出された原水W1の検出一次側圧力値は、制御部30へ検出信号として送信される。
【0043】
定流量弁5は、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の流量を所定の一定流量値に保持するように調整する機器である。定流量弁5において保持される一定流量値は、一定流量値に幅がある概念であり、定流量弁における目標流量値のみに限られない。例えば、定流量機構の特性(例えば、材質や構造に起因する温度特性等)を考慮して、定流量弁における目標流量値に対して、±10%程度の調整誤差を有するものを含む。定流量弁5は、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持するものであり、例えば、水ガバナの名称で呼ばれるものが挙げられる。なお、定流量弁5は、補助動力や外部操作により動作して、一定流量値を保持するものでもよい。
【0044】
循環水ラインL4は、濃縮水ラインL3から分岐するラインであって、RO膜モジュール4で分離された濃縮水W3の一部W31を、原水ラインL1におけるRO膜モジュール4及び加圧ポンプ2よりも上流側の合流部J2に返送するラインである。循環水ラインL4の上流側の端部は、接続部J1において、濃縮水ラインL3に接続されている。また、循環水ラインL4の下流側の端部は、合流部J2において、原水ラインL1に接続されている。循環水ラインL4には、逆止弁6が設けられている。
【0045】
排水ラインL5は、接続部J1において濃縮水ラインL3から分岐され、RO膜モジュール4で分離された濃縮水W3の残部W32を装置外(系外)に排出するラインである。排水ラインL5には、排水流量調整手段としての排水流量調整弁8、第2流量センサFM2が設けられている。
【0046】
排水流量調整弁8は、排水ラインL5から装置外へ排出する濃縮水W3の残部W32の排水流量を調整可能な弁である。排水流量調整弁8は、排水ラインL5における第2流量センサFM2よりも上流側に配置されている。排水流量調整弁8は、制御部30と電気的に接続されている。排水流量調整弁8の弁開度は、制御部30から送信される駆動信号により制御される。制御部30から電流値信号(例えば、4〜20mA)を排水流量調整弁8に送信して、弁開度を制御することにより、濃縮水W3の残部W32の排水流量を調整することができる。
排水流量調整弁8における制御部30による制御の詳細は後述する。
【0047】
第2流量センサFM2(以下、「第2流量検出部」とも呼称する)は、排水ラインL5を流通する濃縮水W3の残部W32の排水流量を第2検出流量値として検出する機器である。第2流量センサFM2は、制御部30と電気的に接続されている。第2流量センサFM2で検出された濃縮水W3の残部W32の第2検出流量値は、制御部30へパルス信号として送信される。第2流量センサFM2として、例えば、流路ハウジング内に軸流羽根車又は接線羽根車(不図示)を配置したパルス発信式の流量センサを用いることができる。
【0048】
<2.制御部の機能ブロック>
制御部30は、CPU、ROM、RAM、CMOSメモリ等を有し、これらはバスを介して相互に通信可能に構成される、当業者にとって公知のものである。
【0049】
CPUは逆浸透膜分離装置1を全体的に制御するプロセッサである。該CPUは、ROMに格納された各種プログラムを、バスを介して読み出し、該各種プログラムに従って逆浸透膜分離装置1全体を制御することで、
図2の機能ブロック図に示すように、制御部30が許容回収率算出部31、目標回収率設定部32、排水流量調整弁制御部33、原水圧力調整弁制御部34の機能を実現するように構成される。RAMには一時的な計算データや表示データ等の各種データが格納される。CMOSメモリは図示しないバッテリでバックアップされ、逆浸透膜分離装置1の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。
【0050】
許容回収率算出部31は、原水の水質及び水温に基づいて、許容回収率を算出する。ここで、「許容回収率」とは、回収率の許容値である。「回収率」とは、RO膜モジュール4に供給される原水W1の流量に対する透過水W2の流量の比率(透過水W2の流量/原水W1の流量)のことである。本実施形態においては、回収率は、第1流量センサFM1により検出される透過水W2の流量と、第2流量センサFM2により検出される濃縮水W3の残部W32(すなわち排水)の流量とから算出される。後述の方法による透過水W2の回収率制御は、RO膜モジュール4の透水能力を維持するために、透過水W2の回収率を調整して、膜面へのスケールの析出やファウリング(膜面汚れ)を防止しながら運転する制御である。
【0051】
また、許容回収率算出部31は、予め取得された原水W1のシリカ濃度、及び温度センサ(図示せず)の検出温度値から決定したシリカ溶解度に基づいて、濃縮水W3におけるシリカの許容濃縮倍率を演算し、許容濃縮倍率の演算値、及び透過水W2の目標流量値から排水流量を演算し、許容回収率を算出してもよい。このような許容回収率を用いることにより、透過水W2の回収率を最大としつつ、RO膜モジュール4におけるシリカ系スケールの析出をより確実に抑制することができる。
【0052】
あるいは、許容回収率算出部31は、予め取得された炭酸カルシウム溶解度、及び硬度センサ(不図示)の測定硬度値に基づいて、濃縮水W3における炭酸カルシウムの許容濃縮倍率を演算し、許容濃縮倍率の演算値、及び透過水W2の目標流量値から排水流量を演算し、許容回収率を算出してもよい。このような許容回収率を用いることにより、透過水W2の回収率を最大としつつ、RO膜モジュール4における炭酸カルシウム系スケールの析出をより確実に抑制することができる。
【0053】
あるいは、許容回収率算出部31は、透過水W2に要求される水質を満たしつつ、透過水W2の回収率を最大限にまで高めることができるように、許容回収率を算出してもよい。要求される水質としては、例えば透過水W2の電気伝導率を用いることが可能である。
なお、許容回収率の算出にあたっては、記憶装置(不図示)が記憶するテーブルを用いてもよく、上記のシリカ濃度、シリカ溶解度、炭酸カルシウム溶解度、測定硬度値等のパラメータを用いてマイコンが演算してもよい。
【0054】
目標回収率設定部32は、許容回収率から所定偏差内の操作目標である目標回収率を設定する。目標回収率の具体的な設定方法については、
図4を用いて後述する。
また、目標回収率設定部32は、許容回収率から所定偏差内にあると共に許容回収率以下となるように、目標回収率を設定してもよい。
また、目標回収率設定部32は、許容回収率の変化に応じて、許容回収率が所定量変化する毎に、目標回収率を非連続的に変更してもよい。
また、目標回収率設定部32は、水温の変化に応じて、水温が所定量変化する毎に、目標回収率を非連続的に変更してもよい。
また、許容回収率が所定値以上にある場合には、目標回収率設定部32が変更する目標回収率の変更幅を変更してもよい。
【0055】
排水流量調整弁制御部33は、前記回収率(第1流量センサFM1により検出される透過水W2の流量と、第2流量センサFM2により検出される濃縮水W3の残部W32(すなわち排水)の流量とから算出される回収率)が、許容回収率から所定偏差内にある場合には、排水流量調整弁8の開度を固定し、上記の回収率が許容回収率から所定偏差外にある場合には、排水流量調整弁8の開度を変更する。なお、本制御における開度の演算には、例えば、速度形デジタルPIDアルゴリズムを用いることができる。
【0056】
原水圧力調整弁制御部34は、定流量弁5の一次側の圧力と二次側の圧力との差圧が所定の許容差圧以上になる範囲で原水の圧力が高くなるように、原水圧力調整弁14の開度を調整する。具体的には、原水圧力調整弁制御部34は、上記の差圧が許容差圧以上にある場合には、原水圧力調整弁14の開度を固定し、上記の差圧が許容差圧未満にある場合には、原水圧力調整弁14の開度を変更する。なお、本制御における開度の演算には、例えば、速度形デジタルPIDアルゴリズムを用いることができる。
また、原水圧力調整弁制御部34は、原水圧力調整弁14の開度を非連続的に変更してもよい。
また、原水圧力調整弁制御部34は、加圧ポンプ2の周波数が所定値を下回らないような原水の流量となるように、原水圧力調整弁14の開度を制御してもよい。
【0057】
<3.排水流量調整弁の制御方法>
図3のフローチャートは、排水流量調整弁8の制御方法を示す。
ステップS1において、許容回収率算出部31は、原水の水質及び水温に基づいて、第1流量センサFM1により検出される透過水W2の流量と、第2流量センサFM2により検出される濃縮水W3の残部W32、すなわち排水の流量から算出される回収率の許容値である、許容回収率を算出する。
【0058】
ステップS2において、目標回収率設定部32は、ステップS1において算出された許容回収率から所定偏差内の操作目標である、目標回収率を設定又は変更する。目標回収率の具体的な設定方法については、
図4を用いて後述する。
【0059】
ステップS3において、排水流量調整弁制御部33は、上記の回収率が目標回収率となるように、排水流量調整弁8の開度を制御する。
【0060】
ステップS4において、第1流量センサFM1が透過水W2の流量を検出し、また、第2流量センサFM2が濃縮水W3の残部W32、すなわち排水の流量を検出することにより、実際の回収率が測定される。
【0061】
ステップS5において、排水流量調整弁制御部33は、ステップS3で測定された実際の回収率と、ステップS1で算出された許容回収率との差と所定偏差とを比較する。実際の回収率と許容回収率との差が所定偏差未満である場合(S5:YES)には、処理はステップS6に移行する。実際の回収率と許容回収率との差が所定偏差以上である場合(S5:NO)には、処理はステップS7に移行する。
【0062】
ステップS6において、排水流量調整弁制御部33は、排水流量調整弁8の開度を固定し、処理はステップS1に戻る(リターン)。
【0063】
ステップS7において、排水流量調整弁制御部33は、排水流量調整弁8の開度を変更し、処理はステップS1に戻る(リターン)。
【0064】
なお、上記のステップS1において、許容回収率算出部31は、上記の水質として、シリカ溶解度、炭酸カルシウム溶解度、要求水質のうちのいずれかに基づいて、許容回収率を算出してもよい。
【0065】
また、上記のステップS2において、目標回収率設定部32は、許容回収率から所定偏差内にあると共に許容回収率以下となるように、目標回収率を設定又は変更してもよい。
【0066】
また、上記のステップS1において算出される許容回収率の変化に応じて、当該許容回収率が所定量変化する毎に、上記のステップS2において、目標回収率設定部32は、目標回収率を非連続的に変更してもよい。
【0067】
また、上記のステップS1において許容回収率を算出する際に用いられる水温の変化に応じて、上記のステップS2において、目標回収率設定部32は、目標回収率を非連続的に変更してもよい。
【0068】
また、上記のステップS1において算出される許容回収率が所定値以上にある場合には、上記のステップS2において、目標回収率設定部32が、目標回収率を変更する変更幅を変更してもよい。
【0069】
<4.目標回収率の設定方法>
以下、
図4を用い、上記の方法により算出された許容回収率を用いて、目標回収率を設定する方法について詳述する。
図4は、水質を固定した際の、水温の変化に応じた許容回収率の変化と、許容回収率の変化に応じて設定される目標回収率の値の例を示すグラフである。
図4において、点線は許容回収率を示し、実線は目標回収率を示す。
【0070】
図4に見られるように、水温が5℃→10℃→15℃→20℃→25℃→30℃→35℃→40℃と5℃刻みで上昇するのに従い、許容回収率は、71%→73%→73%→71%→69%→67%→64%→62%と変化するものとする。なお、
図4のグラフにおいては、許容回収率は、直線状に順次変化しているが、これには限定されず、例えば曲線状に変化してもよい。
この際、例えば水温が5℃から10℃に上昇するのに従い、許容回収率は71%から73%に上昇するが、目標回収率設定部32は、目標回収率を、許容回収率の変化に合致するように71%から73%に直線状に上昇させるのではなく、71%のままで据え置き、許容回収率が71%から73%に2%分上昇し終えた時点をもって、階段状に73%に上昇させる。
【0071】
水温が10℃から15℃に上昇する際は、許容回収率は73%で変化が無いため、目標回収率設定部32は、目標回収率を73%のまま変化させない。
水温が15℃から20℃に上昇する際は、許容回収率は73%から71%に下降するが、目標回収率設定部32は、目標回収率を、許容回収率の変化に合致するように73%から71%に直線状に下降させるのではなく、許容回収率が下降し始めた時点において、目標回収率を73%から71%に、2%分だけ、階段状に下降させる。
その後、許容回収率が71%となり更に下降し始めた時点をもって、目標回収率設定部32は、目標回収率を、71%から70%に、1%分だけ、階段状に下降させる。
以下、許容回収率の下降に応じて、目標回収率設定部32は、目標回収率を1%刻みで下降させる。
【0072】
上記のように、
図4に示す例においては、許容回収率が70%以上の領域においては、目標回収率設定部32は、目標回収率を2%刻みで上昇・下降させる一方で、許容回収率が70%未満の領域においては、目標回収率設定部32は、目標回収率を1%刻みで、上昇・下降させる。この理由は、以下の通りである。
回収率が高くなるにつれ、濃縮度が急激に上昇するが、排水量は横ばいとなる。また、回収率制御は、第2流量センサFM2の情報をもとに、排水流量調整弁8を使用してフィードバック制御を行うため、第2流量センサFM2の誤差がそのまま目標回収率との誤差に直結する。
特に、例として、70%以上の高回収率領域では、この誤差により、濃縮度への影響度、とりわけRO膜モジュール4の膜詰まりへのリスクが大きくなるが、例えば節水等の得られる効果は小さい。一方で、例として、70%未満の低回収率領域では、この逆となる。
【0073】
そこで、節水効果の大きい、低回収率領域においては、目標回収率を、例えば1%刻みのように小さなスパンで変化させ、濃縮度への影響度の大きい高回収率領域においては、目標回収率を、例えば2%刻みのように、大きなスパンで変化させる。
これにより、第2流量センサFM2として、安価で高精度ではない流量センサを使用しても、膜詰まりリスクと節水効果のバランスが取れた回収率制御を実現することが可能となる。
【0074】
なお、
図4に示す例においては、許容回収率の変化分が、1%刻み又は2%刻みで変化する毎に、目標回収率が段階的に変化しているが、これはあくまで一例であって、これには限定されない。例えば、水温の変化分が、所定の幅だけ変化する毎に、目標回収率が段階的に変化してもよい。
【0075】
<5.原水圧力調整弁の制御方法>
まず、本発明において、原水圧力調整弁14により原水W1の原水圧力の調整制御を行う理由について、以下に説明する。
濃縮水ラインL3に定流量弁5が設けられる本実施形態においては、定流量弁5の二次側の圧力が原水ラインL1の原水圧力と同じになっている。そのため、原水W1の原水圧力が高い場合には、濃縮水ラインL3に設けられる定流量弁5の一次側と二次側との圧力差が小さくなり、前記定流量弁差圧を確保できずに、濃縮水W3の一部W31を、循環水ラインL4を介して原水ラインL1の合流部J2に返送できないことになる。
【0076】
これに対して、原水ラインL1を流通する原水W1の原水圧力を所定の一定圧力値に減圧する減圧弁(不図示)を用いて、原水W1の原水圧力を所定の一定圧力値まで減圧して、定流量弁5の二次側の圧力を下げることで、定流量弁5の一次側と二次側とにおいて、前記定流量弁差圧が所定差圧以上になるように調整することが考えられる。
【0077】
ここで、原水W1の温度が低い場合には、原水W1の温度が高い場合と比べて、水の粘性が高く、RO膜モジュール4の水透過係数が低くなるため、透過水W2の水量制御を行うシステムにおいては、加圧ポンプ2の吐出圧力(加圧ポンプ2の運転圧力、RO膜モジュール4の一次側入口ポートへの入力圧力)が高くなるように制御される。一方、原水W1の水温によらず、減圧弁(不図示)により減圧される原水の原水圧力は、所定の一定圧力値に調整されている。そのため、原水W1の温度が低い場合には、原水W1の温度が高い場合と比べて、定流量弁5の一次側の圧力は、定流量弁5の二次側の圧力に対して、十分に高くなる。また、定流量弁5の二次側の圧力は、原水圧力が減圧されているため、低くなる。これにより、原水W1の温度が低い場合には、原水W1の温度が高い場合と比べて、定流量弁5の一次側と二次側とにおいて、定流量弁差圧は、所定差圧を大きく超えて余裕をもって確保される。
【0078】
濃縮水ラインL3に定流量弁5が設けられる技術においては、原水W1の温度が低い場合に、前記定流量弁差圧を十分に確保できるにもかかわらず、加圧ポンプ2の上流側において、原水W1の原水圧力を減圧弁(不図示)により、原水W1の温度が高い場合と同じ所定の一定圧力値に減圧することになる。一方で、減圧弁(不図示)の下流側の原水ラインL1において、減圧弁(不図示)で減圧された原水を加圧ポンプ2により加圧する。原水W1の温度が低い場合において、前記定流量弁差圧が必要以上に大きくなくても、前記定流量弁差圧を所定差圧以上に確保できれば十分である。
【0079】
このため、原水W1の温度が低い場合に、前記定流量弁差圧を確保しつつ、RO膜モジュール4に向けて流通させるために、原水W1の原水圧力を高いまま有効に利用できれば、原水W1に原水圧力を圧送する加圧ポンプ2の消費電力を低減できる。
【0080】
以上の説明のように、前記定流量弁差圧を確保しつつ、原水W1の温度が低い場合であっても、原水ラインL1を流通する原水W1の原水圧力を有効に利用するために、本発明においては、制御部30(原水圧力制御部)は、検出差圧値を演算(検出)し、検出差圧値が所定の設定差圧値以上となる範囲で原水W1の圧力が高くなるように、原水圧力調整弁14の弁開度(流路断面積)を調整するように制御する。
【0081】
検出差圧値は、定流量弁5の一次側の圧力と二次側の圧力との差圧(前記定流量弁差圧)である。検出差圧値は、二次側圧力センサPS2により検出された検出二次側圧力値と、一次側圧力センサPS1により検出された検出一次側圧力値と、に基づいて演算される。
【0082】
そして、制御部30は、検出差圧値が所定の設定差圧値以上となる範囲で原水W1の原水圧力が高くなる圧力値となるように、原水圧力調整弁14の開度(流路断面積)を調整するように制御する。設定差圧値は、定流量弁5の一次側の圧力から二次側の圧力を減じた差圧値である。設定差圧値は、定流量弁5の一次側から二次側に濃縮水W3が流れることが可能な下限の値が設定される。本実施形態においては、設定差圧値を、例えば、0.2Mpaに設定する。
なお、本調整制御における開度の演算には、例えば、速度形デジタルPIDアルゴリズムを用いることができる。
【0083】
次に、制御部30による定流量弁5の一次側と二次側との差圧を調整するために原水圧力調整弁14の開度を調整する制御について説明する。
図5は、制御部30において原水圧力調整弁14を制御することで定流量弁5の一次側の圧力から二次側の圧力を減じた差圧を調整する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すフローチャートの処理は、逆浸透膜分離装置1の運転中において、繰り返し実行される。
【0084】
本フローチャートにおける逆浸透膜分離装置1の運転中においては、原水ポンプ12は、所定の圧力値(例えば、0.3MPa)で原水W1を吐出するように制御されている。
また、本実施形態の逆浸透膜分離装置1の起動時において、原水圧力調整弁14の開度を全開(開度100%)に設定している。なお、原水圧力調整弁14の開度を全開(開度100%)にしても、原水圧力調整弁14の流路断面積が原水圧力調整弁14の上流側の流路よりも小さい場合には、原水ラインL1を流通する原水W1の原水圧力が原水圧力調整弁14を通過後に低下する場合がある。そのため、原水圧力調整弁14における原水圧力の低下を見込んで、原水ポンプ12の吐出圧力を設定してもよい。本実施形態においては、原水圧力調整弁14の開度を全開としているため、起動時において、原水圧力調整弁14の下流側の原水圧力の圧力値は、原水圧力調整弁14の開度が全開の場合から低下させない圧力値となる。これにより、原水ラインL1において、原水W1の原水圧力が原水圧力調整弁14の開度が全開の場合から低下させない圧力値で、原水W1は、加圧ポンプ2に向けて流通される。
【0085】
ステップS11において、原水圧力調整弁制御部34は、一次側圧力センサPS1で検出された定流量弁5の一次側の検出一次側圧力値と、二次側圧力センサPS2で検出された定流量弁5の二次側の検出二次側圧力値とに基づいて、検出差圧値を検出(演算)する。
【0086】
ステップS12において、原水圧力調整弁制御部34は、ステップS1で検出された検出差圧値と許容差圧値とを比較する。検出差圧値が許容差圧値以上である場合(S12:YES)には、処理はステップS13に移行する。検出差圧値が許容差圧値未満である場合(S12:NO)には、処理はステップS14に移行する。
【0087】
ステップS13において、原水圧力調整弁制御部34は、原水圧力調整弁14の開度を固定し、処理はステップS11に戻る(リターン)。
【0088】
ステップS14において、原水圧力調整弁制御部34は、原水圧力調整弁14の開度を変更し、処理はステップS11に戻る(リターン)。
【0089】
なお、上記のステップS14において、原水圧力調整弁制御部34は、原水圧力調整弁14の開度を、段階的・非連続的に変更してもよい。
【0090】
また、上記のステップS13及びステップS14における、原水圧力調整弁14の制御において、原水圧力調整弁制御部34は、加圧ポンプ2の周波数が所定値(例えば、30Hz)を下回らないような原水の流量となるように、原水圧力調整弁14の開度を制御してもよい。
【0091】
<6.実施形態の効果>
上述した本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1においては、実際の回収率が許容回収率から所定偏差内にある場合には、排水流量調整弁制御部33は、排水流量調整弁8の開度を固定し、実際の回収率が許容回収率から所定偏差外にある場合には、排水流量調整弁制御部33は、排水流量調整弁8の開度を変更する。
実際の回収率が許容回収率から所定偏差内にある場合には、排水流量調整弁制御部33は、排水流量調整弁8の開度を固定することにより、排水流量調整弁8の制御頻度を減らすこととなり、排水流量調整弁8が延命される。
【0092】
また、目標回収率設定部32は、許容回収率から所定偏差内にあると共に許容回収率以下となるように、目標回収率を設定してもよい。
目標回収率が許容回収率以下となることにより、目標回収率が許容回収率を上回ることがない条件で許容回収率に出来るだけ近似させ、開度固定領域内では排水流量調整弁の開度を固定させることができる。これにより、スケールの発生や透過水の純度の低下を防止することが出来ると共に、排水流量調整弁を延命することができる。
【0093】
また、許容回収率の変化に応じて、許容回収率が所定量変化する毎に、目標回収率設定部32は、目標回収率を非連続的に変更してもよい。あるいは、水温の変化に応じて、水温が所定量変化する毎に、目標回収率設定部32は、目標回収率を非連続的に変更してもよい。
目標回収率を段階的に制御することにより、排水流量調整弁8の制御頻度が更に減らされ、排水流量調整弁8が延命される。
【0094】
また、許容回収率が所定値以上にある場合には、目標回収率設定部32が変更する目標回収率の変更幅を変更してもよい。
とりわけ許容回収率が高い場合には、許容回収率が低い場合に比較して、例えば1%回収率を上げた際に、それほど節水に結びつかない。これを反映して、許容回収率が高い場合には、目標回収率の変更幅を大きくすることにより、排水流量調整弁8の制御頻度を減らすこととなり、排水流量調整弁8が延命される。
【0095】
許容回収率算出部31は、水質として、シリカ溶解度、炭酸カルシウム溶解度、要求水質のうちのいずれかに基づいて、許容回収率を算出してもよい。
シリカ溶解度、炭酸カルシウム溶解度、要求水質のうちのいずれかに基づいて、許容回収率を算出することにより、回収率に水質の変化を反映することが可能となる。
【0096】
また、定流量弁の一次側の圧力と二次側の圧力との差圧値が所定の許容差圧以上になる範囲で原水の圧力が高くなるように、原水圧力調整弁14の開度を制御する原水圧力調整弁制御部34を更に備え、上記の差圧値が許容差圧以上にある場合には、原水圧力調整弁制御部34は、原水圧力調整弁14の開度を固定し、上記の差圧値が許容差圧未満にある場合には、原水圧力調整弁制御部34は、原水圧力調整弁14の開度を変更してもよい。
定流量弁前後での差圧が所定範囲内にある場合には、原水圧力調整弁制御部34が、原水圧力調整弁14の開度を固定することにより、原水圧力調整弁14の制御頻度を減らすこととなり、原水圧力調整弁14が延命される。
【0097】
原水圧力調整弁制御部34は、原水圧力調整弁14の開度を非連続的に変更してもよい。
原水圧力調整弁制御部34は、原水圧力調整弁14の開度を段階的に変更することにより、原水圧力調整弁14の制御頻度を減らすこととなり、原水圧力調整弁14が延命される。
【0098】
原水を吸入して逆浸透膜モジュール4に向けて吐出する加圧ポンプ2を更に備え、原水圧力調整弁制御部34は、加圧ポンプ2の周波数が所定値を下回らないような原水の流量となるように、原水圧力調整弁14の開度を制御してもよい。
これにより、加圧ポンプ2の周波数が低くなると、壊れてしまうことを防止することが可能となる。