(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、携帯電話(本発明の情報処理装置の一例)10、スキャナ50、アクセスポイント52、基地局56を備える。スキャナ50は、フラットベットとADF(Auto Document Feederの略)とを有しており、フラットベットとADFとの何れかにセットされた原稿をスキャンし、スキャンデータを作成する。また、アクセスポイント52は、無線LANアクセスポイント、及びルーターとしての機能を備え、スキャナ50と接続されている。
【0010】
携帯電話10の構成について説明する。携帯電話10は、CPU(Central Processing Unitの略)(本発明のコンピュータ、制御部の一例)12、記憶部14、無線通信I/F16、携帯電話通信I/F18、LCD(liquid crystal displayの略)(本発明の表示部の一例)20、タッチパネル(本発明の操作部の一例)22を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート28を介して互いに通信可能とされている。
【0011】
無線通信I/F16は、IEEEの802.11の規格およびそれに準ずる規格に基づいて、Wi-Fi (R)(Wi-Fi Allianceの登録商標)方式(WF方式と略して記載する場合もある)の無線通信30を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、アクセスポイント52へアクセスし、WF方式の無線通信30を行える状態になれば、アクセスポイント52を介して、スキャナ50とデータ通信することが可能になる。
【0012】
携帯電話通信I/F18は、基地局56との間で携帯電話通信方式の無線通信32を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、携帯電話通信方式の無線通信32を行える状態になれば、基地局56を介して、データ通信することが可能になる。
【0013】
CPU12は、記憶部14内の表示アプリケーション(本発明の制御プログラムの一例)36に従って処理を実行する。表示アプリケーション36は、スキャンデータに基づく画像をLCD20に表示するためのプログラムである。以降、表示アプリケーション36を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「表示アプリケーション36が」という記載は、「表示アプリケーション36を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
【0014】
また、記憶部14は、データ記憶領域38を備える。データ記憶領域38は、スキャナ50から取得したスキャンデータ、表示アプリケーション36の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、記憶部14は、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、フラッシュメモリー、HDD(ハードディスクの略)、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。
【0015】
LCD20は、携帯電話10の各種機能を表示する表示面を備える。タッチパネル22は、タッチセンサを有し、LCD20の表示面を覆うように配置されている。タッチパネル22は、ユーザの指、タッチペン等のタッチパネル22への接近・接触を検出し、検出に応じて電気信号を出力する。
【0016】
<通信システムを利用した画像の表示>
通信システム1では、スキャナ50が、携帯電話10からの指令に従って、スキャン処理を実行し、スキャン処理により作成されたスキャンデータが、携帯電話10に送信される。携帯電話10では、受信したスキャンデータに基づく画像が、LCD20に表示される。そして、LCD20に表示された画像が、タッチパネル22への操作により、回転され、LCD20に表示された画像の表示角度が調整される。
【0017】
具体的には、携帯電話10において、スキャンデータに基づく画像の表示処理を実行するためのボタン(図示省略)が操作されると、LCD20に、スキャン処理を行うための画面(図示省略)が表示される。この画面には、設定ボタン(図示省略)とスキャンボタン(図示省略)とが表示されている。設定ボタンは、スキャン処理の条件を設定するためのボタンであり、設定ボタンへの操作により、解像度,モノクロスキャンとカラースキャンとの何れかの選択,スキャナ50のフラットベットとADFとの何れの原稿をスキャンするかの選択等が設定される。また、スキャンボタンは、スキャン処理を実行するためのボタンであり、設定されたスキャン処理条件に従ったスキャン処理の実行指令が、スキャンボタンの操作により、スキャナ50に送信される。
【0018】
スキャナ50は、実行指令を受信すると、指令に応じたスキャン処理を実行し、スキャン処理により作成されたスキャンデータを、携帯電話10に送信する。携帯電話10は、スキャンデータを受信すると、
図2に示すように、LCD20に編集画面70を表示する。編集画面70には、表示欄72と、回転ボタン74と、トリミングボタン(本発明の第3操作子の一例)76と、完了ボタン78とが表示される。表示欄72には、受信したスキャンデータに基づく画像が表示される。回転ボタン74は、表示欄72に表示された画像の回転処理を実行するためのボタンである。トリミングボタン76は、表示欄72に表示された画像のトリミング処理を実行するためのボタンである。完了ボタン78は、編集画面70での操作が完了した際に操作されるボタンである。
【0019】
編集画面70において、回転ボタン74が操作されると、
図3に示すように、回転処理画面80が、LCD20に表示される。回転処理画面80には、表示欄82と、左回転ボタン(本発明の第1操作子の一例)84と、右回転ボタン(本発明の第1操作子の一例)86と、調整スライダ(本発明の第2操作子の一例)88と、完了ボタン90とが表示される。表示欄82には、編集画面70の表示欄72に表示されていた画像が表示される。左回転ボタン84は、表示欄82に表示された画像を左方向に90度回転させるためのボタンである。右回転ボタン86は、表示欄82に表示された画像を右方向に90度回転させるためのボタンである。調整スライダ88は、表示欄82に表示された画像を任意の方向に任意の角度回転させるためのボタンである。完了ボタン90は、回転処理画面80での操作が完了した際に操作されるボタンである。タッチパネル22は、前述したボタンがユーザにより操作されることにより、当該操作に応じた信号を出力する。また、タッチパネル22は調整スライダ88のスライド部98が操作されることにより、当該操作に応じた信号を出力する。
【0020】
回転処理画面80において、左回転ボタン84が操作されると、
図4に示すように、表示欄82に表示されている画像が、左方向に90度回転する。また、右回転ボタン86が操作されると、表示欄82に表示されている画像が、右方向に90度回転する。これにより、例えば、90度傾いた状態でスキャンされた原稿の画像、つまり、横倒しの状態の画像を、正常な状態の画像として、LCD20に表示することが可能となる。また、左回転ボタン84が2回操作されると、表示欄82に表示されている画像が、左方向に180度回転する。また、右回転ボタン86が2回操作されると、表示欄82に表示されている画像が、右方向に180度回転する。これにより、例えば、180度傾いた状態でスキャンされた原稿の画像、つまり、上下方向にひっくり返った状態の画像を、正常な状態の画像として、LCD20に表示することが可能となる。なお、画像が回転する際には、表示欄82の中央を中心に回転する。
【0021】
また、調整スライダ88は、ガイド部96とスライド部(本発明のスライド部の一例)98とによって構成されている。ガイド部96は、所定の長さの直線であり、携帯電話10の左右方向に延びるようにLCD20に表示されている。スライド部98は、概して円形をなし、スライド部98の中央に表示されており、ガイド部96上において、ガイド部96に沿った方向にスライド操作可能である。つまり、ユーザが、指,タッチペン等の操作媒体をスライド部98に接近・接触させた状態で、操作媒体を左右方向に移動させることで、スライド部98がガイド部96上においてスライドする。このように、スライド部98がスライド操作されることで、表示欄82に表示されている画像が、スライド部98のスライド方向に、スライド部98のスライド量に応じた角度、回転する。
【0022】
具体的には、例えば、スライド部98を、
図5に示すように、左方向に所定量スライドさせた場合には、表示欄82に表示されている画像が、左方向に、スライド部98のスライド量に応じた角度、回転する。一方、スライド部98を、右方向に所定量スライドさせた場合には、表示欄82に表示されている画像が、右方向に、スライド部98のスライド量に応じた角度、回転する。なお、画像が回転する際には、表示欄82の中央を中心に回転する。
【0023】
また、スライド部98がガイド部96の左端までスライドされた場合、若しくは、スライド部98がガイド部96の右端までスライドされた場合に、表示欄82に表示されている画像は、最も大きく回転するが、その際の画像の回転角度、つまり、スライド部98への操作により回転する画像の最大回転角度は、左回転ボタン84および右回転ボタン86による回転角度、つまり、90度以下の所定の角度に設定されている。つまり、調整スライダ88への操作により、スライド部98のスライド量を調整することで、表示欄82に表示されている画像の表示角度を90度以下の所定の角度以下の任意の角度に調整することが可能となる。これにより、例えば、スキャナ50のフラットベッド、若しくは、ADFに僅かに傾いた状態でセットされた原稿が、スキャンされた場合に、編集画面70の表示欄72には、僅かに傾いた状態の画像が表示されるが、回転処理画面80において、調整スライダ88を操作することで、画像の表示角度を微調整し、表示欄82に正常な状態の画像を表示することが可能となる。
【0024】
なお、スライド部98への操作により回転する画像の最大回転角度(以下、「画像最大回転角度」と記載する場合がある)は、小さな角度に設定されるほど、画像の表示角度を好適に調整することが可能となる。しかしながら、画像最大回転角度が小さすぎると、その画像最大回転角度より傾いた状態で表示された画像を正常な状態まで回転させることができない虞がある。特に、原稿が、フラットベッドにセットされる場合には、ADFにセットされる場合と比較して、傾いた状態でセットされる可能性が高い。このため、フラットベッドにセットされた原稿のスキャンデータに基づく画像が、傾いた状態で表示されている場合には、画像最大回転角度が小さすぎると、傾いた状態で表示された画像を正常な状態まで回転させることができない虞がある。
【0025】
このようなことに鑑みて、フラットベッドに原稿がセットされた際のスキャンデータに基づく画像がLCD20に表示された際の画像最大回転角度は、ADFに原稿がセットされた際のスキャンデータに基づく画像がLCD20に表示された際の画像最大回転角度より大きく設定されている。具体的には、スキャン処理を行うための画面において、設定ボタンにより設定されたスキャン処理条件が、データ記憶領域38に記憶されている。そして、スキャンデータに基づく画像がLCD20に表示された際に、そのスキャンデータに応じたスキャン処理条件がデータ記憶領域38から抽出される。そして、抽出されたスキャン処理条件から、スキャン対象の原稿がフラットベッドとADFと何れにセットされていたかが判定される。スキャン対象の原稿がフラットベッドにセットされていたと判定された場合には、画像最大回転角度は、15度に設定される。また、スキャン対象の原稿がADFにセットされていたと判定された場合には、画像最大回転角度は、10度に設定される。つまり、画像最大回転角度が、10〜15度という比較的小さな角度に設定されるとともに、大きく傾いた画像が表示される可能性の高い場合には、画像最大回転角度が、ある程度、大きな角度に設定される。これにより、画像の表示角度を好適に調整するとともに、原稿が、ある程度、大きく傾いた状態でフラットベッドにセットされた場合であっても、傾いた状態で表示された画像を正常な状態まで回転させることが可能となる。
【0026】
また、回転処理画面80において、完了ボタン90が操作されると、
図6に示すように、LCD20に編集画面70が表示される。この編集画面70の表示欄72には、回転処理画面80の表示欄82に表示されていた画像が表示される。つまり、回転処理画面80において画像の回転処理が行われていた場合には、回転処理により回転した画像が、回転処理画面80の表示欄82に表示される。
【0027】
その編集画面70において、トリミングボタン76が操作されると、
図7に示すように、LCD20にトリミング処理画面100が表示される。トリミング処理画面100には、表示欄102と、トリミング枠104と、完了ボタン106とが表示される。表示欄102には、編集画面70の表示欄72に表示されていた画像が表示され、その画像に重なった状態で、トリミング枠104が表示される。なお、トリミング枠104の内部の画像は、明度が高い状態で表示され、トリミング枠104の外部の画像は、明度が低い状態で表示される。
【0028】
トリミング枠104は、表示欄102に表示された画像の任意の部分を切り取るためのものであり、トリミング枠104の頂点及び辺の各々には、拡大・縮小子108が付されている。拡大・縮小子108の内部には、矢印が記されており、拡大・縮小子108を矢印の方向にスライドさせることで、トリミング枠104が矢印の方向に、拡大若しくは、縮小する。つまり、ユーザが、指,タッチペン等の操作媒体を拡大・縮小子108に接近・接触させた状態で、操作媒体をその拡大・縮小子108に記されている矢印の方向に移動させることで、その矢印の方向にトリミング枠104が拡大若しくは、縮小する。これにより、トリミング枠104を任意の大きさに調整することが可能となる。また、トリミング枠104の中央部には、移動子110が付されている。移動子110は、トリミング枠104を移動させるためのものであり、ユーザが、指,タッチペン等の操作媒体を移動子110に接近・接触させた状態で、操作媒体を任意の位置に移動させることで、その位置にトリミング枠104が移動する。これにより、表示欄102に表示されている画像上の任意の位置に、トリミング枠104を移動させることが可能となる。
【0029】
トリミング処理画面100において、トリミング枠104が任意の大きさに調整され、トリミング枠104が任意の位置に移動された後に、完了ボタン106が操作されると、
図8に示すように、LCD20に編集画面70が表示される。この編集画面70の表示欄72には、トリミング処理画面100の表示欄102に表示されていた画像のうちの、トリミング枠104の内部の画像(以下、「トリミング画像」と記載する場合がある)のみが表示される。これにより、トリミング処理画面100の表示欄102に表示されていた画像のうちの、ユーザが望む部分の画像のみをLCD20に表示することが可能となる。
【0030】
また、携帯電話10では、トリミング画像の回転角度を調整することが可能である。つまり、編集画面70の表示欄72にトリミング画像が表示されている状態で、回転ボタン74が操作されると、
図9に示すように、LCD20に回転処理画面80が表示される。この回転処理画面80の表示欄82には、トリミング画像だけでなく、トリミング画像の外側の画像も表示される。つまり、表示欄82には、トリミング処理画面100の表示欄102に表示されていた画像が表示される。ただし、トリミング画像は、明度が高い状態で表示され、トリミング画像以外の画像は、明度の低い状態で表示される。このため、トリミング画像と、トリミング画像以外の画像との間には、トリミング枠120が表示される。
【0031】
回転処理画面80の表示欄82にトリミング枠120が表示されている状態で、左回転ボタン84が操作されると、
図10に示すように、表示欄82に表示されている画像と、トリミング枠120との両方が、左方向に90度回転する。なお、表示欄82にトリミング枠120が表示されている場合には、画像とトリミング枠120との両方は、表示欄82ではなく、トリミング枠120の中央を中心に回転する。そして、画像とトリミング枠120とが回転した後に、完了ボタン90が操作されると、
図11に示すように、表示欄82には、左方向に90度回転した状態のトリミング枠120の内部の画像のみが、トリミング画像として表示される。なお、表示欄82にトリミング枠120が表示されている状態で、右回転ボタン86が操作された場合には、画像とトリミング枠120との両方が右方向に回転することを除いて、左回転ボタン84が操作された場合と同じであるため、説明を省略する。
【0032】
また、回転処理画面80の表示欄82にトリミング枠120が表示されている状態で、調整スライダ88のスライド部98がスライド操作されると、表示欄82に表示されている画像が、スライド部98のスライド方向に、スライド部98のスライド量に応じた角度、回転する。この際、トリミング枠120は、回転しない。つまり、表示欄82にトリミング枠120が表示されている状態で、スライド部98がスライド操作されると、スライド操作に応じて、表示欄82に表示されている画像のみが回転する。
【0033】
具体的には、例えば、スライド部98を、
図12に示すように、左方向に所定量スライドさせた場合には、トリミング枠120は回転せずに、表示欄82に表示されている画像のみが、左方向に、スライド部98のスライド量に応じた角度、回転する。なお、表示欄82にトリミング枠120が表示されている場合には、画像は、表示欄82ではなく、トリミング枠120の中央を中心に回転する。そして、画像が回転した後に、完了ボタン90が操作されると、
図13に示すように、表示欄82には、回転していない状態のトリミング枠120の内部の画像のみが、トリミング画像として表示される。
【0034】
また、表示欄82にトリミング枠120が表示されている状態で、スライド部98を右方向に所定量スライドさせた場合には、表示欄82に表示されている画像が右方向に回転することを除いて、スライド部98を左方向に所定量スライドさせた場合と同じであるため、説明を省略する。なお、スライド部98への操作により回転するトリミング画像の最大回転角度は、画像最大回転角度と同じ角度に設定されており、画像最大回転角度と同様に、表示されている画像の基となる原稿のフラットベッド、若しくは、ADFへのセット位置に応じて異なる角度に設定されている。
【0035】
このように、トリミング画像が左回転ボタン84若しくは、右回転ボタン86の操作により回転された場合には、画像とともにトリミング枠120も回転する。これにより、横倒しの状態のトリミング画像、若しくは、上下方向にひっくり返った状態のトリミング画像を、正常な状態でLCD20に表示することが可能となる。また、トリミング画像が調整スライダ88の操作により回転された場合には、画像のみが回転し、トリミング枠120は回転しない。これにより、トリミング画像の姿勢を維持した状態で、画像のみの表示角度を微調整することが可能となる。
【0036】
また、トリミング画像が回転される際には、トリミング枠120の内部の画像、つまり、トリミング画像だけでなく、トリミング枠120の外部の画像も表示される。これにより、ユーザは、画像全体を閲覧した状態で、トリミング画像を回転させることが可能となり、トリミング画像の回転処理を適切に行うことが可能となる。
【0037】
<表示アプリケーション>
上述したスキャンデータに基づく画像のLCD20への表示および表示された画像の回転処理等は、CPU12において表示アプリケーション36が実行されることによって行われる。以下に、
図14乃至
図16を用いて、CPU12で表示アプリケーション36が実行される際のフローを説明する。
【0038】
表示アプリケーション36が実行されると、スキャンボタンが操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S100)。スキャンボタンが操作されていない場合(S100のNO)には、S100の処理が繰り返される。一方、スキャンボタンが操作された場合(S100のYES)には、スキャナ50から送信されたスキャンデータを受信する(S102)。そして、受信したスキャンデータに基づく画像が、編集画面70の表示欄72に表示される(S104)。
【0039】
編集画面70の表示欄72に画像が表示されると、トリミングボタン76が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S106)。トリミングボタン76が操作された場合(S106のYES)には、LCD20にトリミング処理画面100が表示され、トリミング処理画面100の表示欄102に、画像とともに、トリミング枠104が表示される(S108)。そして、トリミング処理画面100において完了ボタン106が操作され、編集画面70がLCD20に表示された後に、編集画面70の回転ボタン74が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S110)。
【0040】
編集画面70の回転ボタン74が操作された場合(S110のYES)には、LCD20に回転処理画面80が表示され、回転処理画面80の右回転ボタン86が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S112)。右回転ボタン86が操作されていない場合(S112のNO)には、回転処理画面80の左回転ボタン84が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S114)。左回転ボタン84が操作されていない場合(S114のNO)には、調整スライダ88のスライド部98のスライダ位置が変更されたか否かが、CPU12によって判断される(S116)。
【0041】
スライド部98のスライダ位置が変更されている場合(S116のYES)には、スライダ位置に応じた画像の回転角度が演算される(S118)。そして、回転処理画面80の表示欄82に表示されているトリミング枠120は回転されず、画像のみが、演算された角度に回転される(S120)。次に、回転処理画面80において完了ボタン90が操作され、編集画面70がLCD20に表示された後に、編集画面70の完了ボタン78が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S122)。完了ボタン78が操作されていない場合(S122のNO)には、S106に戻る。一方、完了ボタン78が操作されている場合(S122のYES)には、編集画面70の表示欄72に表示されている画像の画像データが、データ記憶領域38に記憶される(S124)。そして、表示アプリケーション36の処理が終了する。
【0042】
また、S112で右回転ボタン86が操作されている場合(S112のYES)には、回転処理画面80の表示欄82に表示されている画像とトリミング枠120との両方が、右方向に90度回転される(S126)。そして、S122以降の処理が行われる。また、S114で左回転ボタン84が操作されている場合(S114のYES)には、回転処理画面80の表示欄82に表示されている画像とトリミング枠120との両方が、左方向に90度回転される(S128)。そして、S122以降の処理が行われる。
【0043】
また、S116でスライド部98のスライダ位置が変更されていない場合(S116のNO)にも、S122以降の処理が行われる。さらに、S110で編集画面70の回転ボタン74が操作されていない場合(S110のNO)にも、S122以降の処理が行われる。
【0044】
また、S106でトリミングボタン76が操作されていない場合(S106のNO)には、編集画面70において回転ボタン74が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S130)。回転ボタン74が操作された場合(S130のYES)には、LCD20に回転処理画面80が表示され、回転処理画面80の右回転ボタン86が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S132)。右回転ボタン86が操作されていない場合(S132のNO)には、回転処理画面80の左回転ボタン84が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S134)。左回転ボタン84が操作されていない場合(S134のNO)には、調整スライダ88のスライド部98のスライダ位置が変更されたか否かが、CPU12によって判断される(S136)。
【0045】
スライド部98のスライダ位置が変更されている場合(S136のYES)には、スライダ位置に応じた画像の回転角度が演算される(S138)。そして、回転処理画面80の表示欄82に表示されている画像が、演算された角度に回転される(S140)。そして、S122以降の処理が行われる。
【0046】
また、S132で右回転ボタン86が操作されている場合(S132のYES)には、回転処理画面80の表示欄82に表示されている画像が、右方向に90度回転される(S142)。そして、S122以降の処理が行われる。また、S134で左回転ボタン84が操作されている場合(S134のYES)には、回転処理画面80の表示欄82に表示されている画像が、左方向に90度回転される(S144)。そして、S122以降の処理が行われる。さらに、S136でスライド部98のスライダ位置が変更されていない場合(S136のNO)にも、S122以降の処理が行われる。
【0047】
なお、S104、S108を実行するCPU12は、表示手段の一例である。S126、S128、S142、S144を実行するCPU12は、第1画像回転手段の一例である。S120、S140を実行するCPU12は、第2画像回転手段の一例である。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、調整スライダ88のスライド部98を直接、ユーザが指,タッチペン等の操作媒体により操作することで、スライド部98をスライドさせる構成とされているが、スライド部98と異なるボタン等を、ユーザが操作媒体により操作することで、スライド部98をスライドさせる構成を採用することが可能である。また、調整スライダ88等を用いずに、ユーザが任意の数値を入力し、入力された数値に応じた角度に、画像が回転する構成であってもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、調整スライダ88の操作により画像が回転する最大回転角度は、10度、若しくは、15度に設定されているが、左回転ボタン84若しくは、右回転ボタン86の操作により画像が回転する角度未満の角度であれば、任意に設定することが可能である。
【0050】
また、上記実施形態では、左回転ボタン84若しくは、右回転ボタン86への操作により、90度毎に回転する構成が採用されているが、90度と異なる角度毎に回転する構成を採用することが可能である。ただし、画像を90度、若しくは、180度に回転させる態様が多いことから、30度、45度等の90度の約数となる角度毎に回転する構成を採用することが好ましい。
【0051】
また、上記実施形態では、調整スライダ88の操作により画像が回転する最大回転角度が、LCD20に表示される画像の基となる原稿のセット位置に応じて、異なる角度に設定されているが、原稿のセット位置ではなく、他のスキャン処理条件に応じて、異なる角度に設定することが可能である。また、調整スライダ88の操作により画像が回転する最大回転角度が、スキャン処理条件に応じて、異なる角度に設定されなくてもよい。つまり、LCD20に表示される画像の基となる原稿のスキャン処理条件が異なる場合であっても、調整スライダ88の操作により画像が回転する最大回転角度を同じ角度に設定することが可能である。
【0052】
また、上記実施形態では、携帯電話10のLCD20にスキャンデータに基づく画像が表示され、その画像に対する回転処理等が実行されているが、スキャンデータ以外の画像データ、例えば、カメラ等の撮像装置による撮像データに基づく画像がLCD20に表示され、その画像に対する回転処理等が実行されてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、画像を表示し、その画像に対する回転処理等を実行するための装置として、携帯電話10が採用されているが、LCD20等の表示部を有する装置であれば、タブレット等の他の携帯端末、PC等の据え置き型の情報処理装置を採用してもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、CPU12によって
図14乃至
図16に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。